車載情報端末
【課題】特定の動作に対するユーザの操作設定履歴を予め登録しておき、その登録された操作設定履歴の内容をユーザが覚えていなくても、登録された操作設定履歴の中から実行させようとする動作に対応するものをユーザに正しく選択させる。
【解決手段】操作記憶開始スイッチ17dが押されてから操作記憶終了スイッチ17eが押されるまでの間、ユーザから入力された操作の履歴に基づいて操作設定履歴を記憶し、ユーザに指定された登録名称を付けて登録する。操作設定履歴の登録後、画面上に表示された呼出ボタンがユーザに選択されると、登録されている登録名称を一覧表示する。この一覧表示された登録名称のうちいずれかがユーザに選択されると、対応する操作設定履歴を呼び出し、それに応じた動作を実行する。
【解決手段】操作記憶開始スイッチ17dが押されてから操作記憶終了スイッチ17eが押されるまでの間、ユーザから入力された操作の履歴に基づいて操作設定履歴を記憶し、ユーザに指定された登録名称を付けて登録する。操作設定履歴の登録後、画面上に表示された呼出ボタンがユーザに選択されると、登録されている登録名称を一覧表示する。この一覧表示された登録名称のうちいずれかがユーザに選択されると、対応する操作設定履歴を呼び出し、それに応じた動作を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されるナビゲーション装置などの車載情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置などの車載情報端末において、特定の動作に対する複雑な操作手順を予め登録しておき、簡単な操作で実行できるようにしたものが知られている。たとえば特許文献1には、地図表示形式をノースアップモードからヘディングアップモードへ変更する際の操作手順をリモコンに設置されたファンクションキーに対応付けて登録するものが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平8−178677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるナビゲーション装置では、ユーザがファンクションキーを押すと、そのファンクションキーに登録された操作手順が呼び出されてその操作手順に応じた動作が実行される。そのため、各ファンクションキーに対してどのような操作手順が登録されているかをユーザが覚えておく必要がある。このように従来の車載情報端末では、登録された操作手順の内容をユーザが覚えていなければ、登録された操作手順の中から実行させようとする動作に対応するものをユーザに正しく選択させることができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明による車載情報端末は、ユーザからの各種操作入力を受け付けるための操作入力手段と、操作入力手段に対してユーザから入力された操作の履歴に基づいて登録対象とする操作設定履歴を指定する指定手段と、指定手段により指定された登録対象の操作設定履歴に対して固有の登録名称を付ける名称付与手段と、登録対象の操作設定履歴と、名称付与手段により付けられた登録名称とを対応付けて登録する登録手段と、登録手段により登録された登録名称を表示モニタに一覧表示する表示制御手段と、表示モニタに一覧表示された登録名称のうちいずれかがユーザに選択されると、選択された登録名称に対応する操作設定履歴を呼び出して、その操作設定履歴に応じた動作の実行を指示する動作指示手段とを備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の車載情報端末において、名称付与手段は、ユーザに指定された登録名称を登録対象の操作設定履歴に対して付けるものである。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の車載情報端末において、操作入力手段に対する現在の操作状態と比較したときの一致度に応じて、表示制御手段により登録名称を表示モニタに一覧表示する際の表示順序を決定する表示順序決定手段をさらに備えるものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3いずれか一項に記載の車載情報端末において、自車両の走行開始に応じて、登録された登録名称を一覧表示するためのメモリ呼出ボタンを表示モニタに表示するボタン表示手段をさらに備え、表示制御手段は、表示モニタの画面上でメモリ呼出ボタンがユーザに選択されると、登録された登録名称を表示モニタに一覧表示するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明を適用した車載情報端末によれば、特定の動作に対するユーザの操作設定履歴を予め登録しておき、その登録された操作設定履歴の内容をユーザが覚えていなくても、登録された操作設定履歴の中から実行させようとする動作に対応するものをユーザに正しく選択させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の一実施の形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。このナビゲーション装置は車両に搭載されており、ユーザにより目的地が設定されると、目的地までの推奨経路を探索し、その推奨経路にしたがって車両を目的地まで誘導する。さらに、特定の動作に対するユーザの操作設定履歴を予め登録しておくことで、本来は複雑な操作手順を経て実行される動作であっても、簡単な操作で実行できるようにしたものである。
【0008】
図1に示すナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、入力装置17およびディスクドライブ18を備えている。ディスクドライブ18には、地図データが記録されたDVD−ROM19が装填される。
【0009】
制御回路11は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行することにより、各種の処理や制御を行う。この制御回路11により、DVD−ROM19に記録された地図データに基づいて、たとえば地図の表示や目的地の設定、設定された目的地までの推奨経路の探索などの様々な処理が行われる。
【0010】
なお、ROM12には記憶されているデータ内容を更新可能なフラッシュメモリが用いられており、制御プログラムの他にも、後で説明するような操作設定履歴の登録情報が記憶されている。この操作設定履歴の登録情報の内容は、ユーザによって新たな操作設定履歴が登録されたり、登録されていた操作設定履歴のいずれかが削除されたりしたときに更新される。
【0011】
現在地検出装置14は、自車両の現在地すなわち自車位置を検出する装置であり、たとえば、自車両の進行方向を検出する振動ジャイロセンサ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14c等の各種センサ類からなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出される自車位置に基づいて、後述する経路探索開始点を決定したり、自車位置マークを地図上に示したりすることができる。
【0012】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを一時的に格納する。この画像データは、地図を表示するための地図描画用データや各種の図形データ等からなり、DVD−ROM19に記録されている地図データなどに基づいて、制御回路11により作成される。作成された画像データが制御回路11から画像メモリ15に出力されることによって、地図や後述するような各種の操作画面などが表示モニタ16に表示される。
【0013】
表示モニタ16にはタッチパネル16aが組み合わされており、ユーザの指などによって表示モニタ16上のいずれかの位置がタッチされると、そのタッチ位置を示す情報がタッチパネル16aから制御回路11へ出力される。このタッチ位置情報に基づいて、そのとき表示モニタ16に表示されていた画像のどの部分がタッチされたか制御回路11によって判断される。ナビゲーション装置1は、このようにしてタッチパネル16aによりユーザからのタッチパネル操作を検出し、そのタッチパネル操作の内容を制御回路11により判断することで、様々な処理を実行することができる。
【0014】
入力装置17は、後で説明するような操作パネルに設置された各種の操作スイッチによって構成されている。ユーザは、この入力装置17の操作スイッチを適宜操作することで、タッチパネル操作を行うためのタッチパネル操作画面を表示モニタ16に表示させたり、後で説明するような操作設定履歴の登録を行ったりすることができる。
【0015】
すなわち、ナビゲーション装置1は、タッチパネル16aにおいてユーザからのタッチパネル操作を検出したり、入力装置17において各種の操作スイッチが押されたことを検出したりすることにより、ユーザからの各種操作入力を受け付ける。こうして受け付けられた操作入力の内容に応じて、様々な処理を実行する。
【0016】
ディスクドライブ18は、装填されたDVD−ROM19より、地図を表示するための地図データを読み出す。この地図データには、経路計算データと、経路誘導データと、道路データと、背景データとが含まれている。経路計算データは、目的地までのルート探索に用いられる。経路誘導データは、設定された経路に従って自車両を目的地まで誘導するために用いられ、交差点名称や道路名称などを表す。道路データは、道路の形状を表す。背景データは、河川や鉄道、地図上の各種施設等(ランドマーク)など、道路以外の地図形状を表す。
【0017】
道路データにおいて、道路区間を表す最小単位はリンクと呼ばれており、各道路は複数のリンクによって構成されている。リンク同士を接続している点はノードと呼ばれ、このノードはそれぞれに位置情報(座標情報)を有している。このノードの位置情報によって、リンク形状、すなわち道路の形状が決定される。
【0018】
なお、ここではDVD−ROMを用いた例について説明しているが、DVD−ROM以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスク、メモリーカードなどから地図データを読み出すこととしてもよい。あるいは、外部より携帯電話回線などを介して送信される地図データを受信し、その地図データを用いることとしてもよい。すなわち、地図データの取得にはどのような方法を用いてもよい。
【0019】
ユーザにより目的地が設定されると、ナビゲーション装置1は、現在地検出装置14により検出された現在地を経路探索開始点として、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、現在地から目的地までのルート探索を行う。ルート探索の結果求められた推奨経路は、その表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、他の道路とは区別して地図上に表される。これにより、ユーザは推奨経路を表示モニタ16に表示された地図上において認識することができる。また、この推奨経路に従って自車両が走行できるよう、ナビゲーション装置1は、ユーザに対して画像や音声などによる進行方向指示を行うことにより、自車両を誘導する。このように、地図を表示して推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導することにより、目的地までのルート案内が行われる。
【0020】
以上説明したナビゲーション装置1を車両内に設置したときの外観図の例を図2に示す。図2の外観図には、車室内においてユーザから見える位置に設置される表示モニタ16および入力装置17の外観が示されている。なお、それ以外の部分の外観については、車室内から見えないため図2の外観図には示されていない。
【0021】
図2の外観図において、入力装置17は表示モニタ16の下方に設置された操作パネルである。操作パネルには、目的地関連スイッチ17a、ルート関連スイッチ17b、設定関連スイッチ17c、操作記憶開始スイッチ17dおよび操作記憶終了スイッチ17eの各操作スイッチが配置されている。
【0022】
目的地関連スイッチ17aは、目的地に関するタッチパネル操作画面を表示するための操作スイッチである。ユーザは、この目的地関連スイッチ17aを押すことで表示されるタッチパネル操作画面において、目的地に設定する施設の名称を入力したり、登録地の中からいずれかを選択したりすることにより、目的地を設定することができる。
【0023】
ルート関連スイッチ17bは、ルートに関するタッチパネル操作画面を表示するための操作スイッチである。ユーザは、このルート関連スイッチ17bを押すことで表示されるタッチパネル操作画面において、設定されたルートの確認や編集を行ったり、推奨経路を探索するときのルート探索条件を設定したりすることができる。
【0024】
設定関連スイッチ17cは、各種の設定に関するタッチパネル操作画面を表示するための操作スイッチである。ユーザは、この設定関連スイッチ17cを押すことで表示されるタッチパネル操作画面において、地図の表示設定を変更したり、携帯電話回線などを介して提供される有料の交通情報に基づいたルート探索(有料ルート探索)を行う際の設定条件を変更したりすることができる。
【0025】
操作記憶開始スイッチ17dと操作記憶終了スイッチ17eは、操作設定履歴の登録を行うための操作スイッチである。操作記憶開始スイッチ17dが押されると、操作設定履歴の記憶が開始され、操作記憶終了スイッチ17eが押されると、操作設定履歴の記憶が終了される。このとき、操作記憶開始スイッチ17dを押してから操作記憶終了スイッチ17eを押すまでの間にユーザが行った操作の履歴に基づいて、登録対象とされる操作設定履歴の内容が決定される。すなわち、その間にユーザが行った操作の手順や、その間に表示された設定画面における各種設定項目の設定状態などが、登録対象の操作設定履歴として記憶される。この操作設定履歴がナビゲーション装置1において登録される。
【0026】
次にナビゲーション装置1において操作設定履歴を登録するときの具体的な操作例について説明する。ユーザは、操作記憶開始スイッチ17dを押すことによって操作設定履歴の記憶を開始した後、ルート関連スイッチ17bを押したとする。このとき、図3の外観図に示すようなルート関連のメニュー画面が、ルートに関するタッチパネル操作画面として表示モニタ16に表示される。このメニュー画面において、「ルート探索条件」をユーザがタッチパネル操作により選択すると、次に図4の外観図に示すように、ルート探索条件の設定画面が表示モニタ16に表示される。
【0027】
図4に示すルート探索条件の設定画面では、「有料道路優先」、「一般道優先」または「距離優先」のいずれかを選択することにより、ルート探索条件の設定が行われる。「有料道路優先」が選択された場合は、有料道路を優先して目的地までのルート探索が行われ、「一般道優先」が選択された場合は、一般道を優先して目的地までのルート探索が行われる。「距離優先」が選択された場合は、道路種別に関わらず目的地までの距離が最短となるようにルート探索が行われる。ここでは、「有料道路優先」が選択されているときの画面例を示している。
【0028】
また、図4の設定画面では、「詳細設定」を選択することにより、さらに詳細なルート探索条件の設定を行うこともできる。「詳細設定」が選択されると、図5の外観図に示すようなルート探索条件の詳細設定画面が表示モニタ16に表示される。この詳細設定画面では、様々なルート探索の条件を有効とするか否かの設定が行われる。たとえば、「時間規制道路を使用」の項目において「する」を選択し、このルート探索条件を有効に設定すると、特定の時間帯において通行規制が行われる道路を含めてルート探索が行われる。その他にも、図中に示されるような様々なルート探索条件について、有効または無効のいずれかに設定することができる。
【0029】
また、図5に示す詳細設定画面において、タッチパネル操作によりスライダ20を画面下方に移動させると、それまで画面内に表示しきれなかったルート探索条件が現れて、図6の外観図に示すような詳細設定画面が表示モニタ16に表示される。この詳細設定画面でも同様に、様々なルート探索の条件が有効または無効のいずれかに設定される。なお、図5および6のような詳細設定画面は、安全のためナビゲーション装置1において車両の走行中には表示できないようになっている。すなわち、車両が停止中のときにのみ、詳細なルート探索条件の設定を行うことができる。
【0030】
以上説明したようにしてルート探索条件の設定を行った後、次にユーザが設定関連スイッチ17cを押したとする。このとき、各種設定に関するタッチパネル操作画面として、図7の外観図に示すような設定関連のメニュー画面が表示モニタ16に表示される。このメニュー画面において、「有料ルート探索設定」をユーザがタッチパネル操作により選択すると、次に図8の外観図に示すような有料ルート探索の設定画面が表示される。
【0031】
図8に示す有料ルート探索の設定画面では、ルート探索時に有料情報を取得するか否かの設定が行われる。この画面において、図中に示すように「する」をユーザが選択した場合、ナビゲーション装置1においてルート探索のための有料情報が所定時間ごとに取得される。なお、ここでいう有料情報とは、前述のように携帯電話回線などを介して提供される有料の交通情報のことである。こうして有料情報を取得するように設定した場合、所定時間ごとに取得される有料情報に基づいて目的地までのルート探索が行われる。
【0032】
さらに、図8の有料ルート探索設定画面において「自動接続時間設定」を選択することにより、有料情報を取得する際にナビゲーション装置1が携帯電話回線に自動接続する時間の間隔を設定することができる。具体的には、「自動接続時間設定」が選択されると、図9の外観図に示すような自動接続時間の設定画面が表示モニタ16に表示される。この自動接続時間設定画面では、自動接続を行う時間間隔を、5分、10分、30分または1時間の中から選択することができる。たとえば、図9に示すように「5分ごと」が選択されると、自動接続の時間間隔が5分に設定される。この場合、5分間隔でナビゲーション装置1が携帯電話回線に自動接続して、最新の有料情報を取得する。
【0033】
なお、図8の有料ルート探索設定画面と図9の自動接続時間設定画面も、図5および6に示したルート探索条件の詳細設定画面と同様に、安全のためナビゲーション装置1において車両の走行中には表示できないようになっている。すなわち、車両が停止中のときにのみ、ルート探索時に有料情報を取得するか否かの設定や、有料情報を取得する際の自動接続時間間隔の設定を行うことができる。
【0034】
以上説明したような操作を行った後、ユーザが操作記憶終了スイッチ17eを押すと、操作設定履歴の記憶が終了される。これにより、操作記憶開始スイッチ17dを押してから操作記憶終了スイッチ17eを押すまでの間にユーザが行った前述のような操作の履歴がナビゲーション装置1において記憶され、登録対象とする操作設定履歴が指定される。その後、図10の外観図に示すような登録名称の入力画面が表示される。
【0035】
図10の登録名称の入力画面では、ユーザがタッチパネル操作により任意の登録名称を指定することで、登録対象とされた操作設定履歴に対して固有の登録名称を付けることができる。このときユーザは、後でその操作設定履歴の内容が分かりやすいように、登録する操作設定履歴の内容を特徴的に表現した登録名称を付けることが好ましい。たとえば、上記のような操作設定履歴に対しては、図中に示すように「早く着きたい時の探索条件」という登録名称を付けることができる。こうして付けられた登録名称は、登録対象の操作設定履歴と対応付けて登録される。登録された操作設定履歴とその登録名称の内容は、操作設定履歴の登録情報としてROM12に記憶される。
【0036】
以上説明したようにして、ナビゲーション装置1において操作設定履歴の登録が行われる。なお、上記で説明した内容以外にも、様々な操作の履歴に基づく操作設定履歴をナビゲーション装置1において登録することができる。たとえば、ルート案内方法の設定に関する操作や、地図上に表示する周辺施設の設定に関する操作、地図表示形式の設定に関する操作など、様々な操作の履歴に基づいて操作設定履歴を登録することができる。
【0037】
なお、操作設定履歴を登録する際には、操作の途中で表示された設定画面においてユーザが実際に設定内容を変更する操作を行った設定項目だけではなく、その設定画面において操作されなかった設定項目についても、その設定状態が操作設定履歴において登録される。すなわち上記の例では、図4、5、6、8および9の各設定画面において表示された各設定項目の状態が操作設定履歴において登録される。
【0038】
次に、ナビゲーション装置1において登録された操作設定履歴を呼び出すときの具体的な操作例について説明する。上記のようにして操作設定履歴を登録した後、ユーザがルート関連スイッチ17bを押すと、図11の外観図に示すようなルート関連のメニュー画面が表示モニタ16に表示される。このメニュー画面において「ルート探索条件」をユーザがタッチパネル操作により選択すると、次に図12の外観図に示すようなルート探索条件の設定画面が表示モニタ16に表示される。なお、図11の画面は、図3に示した画面と同じであり、図12の画面は、図4に示した画面と同じである。
【0039】
図12のルート探索条件設定画面において、「メモリ呼出」と書かれたボタンがユーザのタッチパネル操作により選択されると、図13の外観図に示すような操作メモリ呼び出し画面が表示モニタ16に表示される。この操作メモリ呼び出し画面には、ナビゲーション装置1においてそれまでに登録された操作設定履歴の登録名称がリスト状に一覧表示されている。ユーザは、この操作メモリ呼び出し画面に表示された各登録名称の中からいずれかを選択することにより、その登録名称に対応する操作設定履歴を呼び出すことができる。たとえば、「早く着きたい時の探索条件」という登録名称について、その横に表示されている「呼出」と書かれた呼出ボタンを選択すると、その登録名称に対応する前述のような操作設定履歴が呼び出される。
【0040】
上記のようにして登録された操作設定履歴のいずれかがユーザによって呼び出されると、呼び出された操作設定履歴に応じた動作がナビゲーション装置1において実行される。すなわち、図13の操作メモリ呼び出し画面において「早く着きたい時の探索条件」について呼出ボタンが選択され、これによって前述のような操作設定履歴が呼び出された場合は、ルート探索条件において「有料道路優先」が選択されると共に、図5および6に示すような内容でルート探索条件の詳細設定が行われる。さらに、ルート探索時に使用される有料情報を5分ごとに取得するように設定される。
【0041】
以上説明したようにして、ナビゲーション装置1において登録された操作設定履歴が呼び出され、その操作設定履歴に応じた動作が実行される。これにより、本来は複雑な操作手順を経て実行される動作であっても、簡単な操作で実行することができる。さらに、前述した詳細なルート探索条件の設定や有料情報の取得に関する設定のように、安全のため車両の走行中には操作できないものであっても、予めその操作設定履歴を登録しておくことで、車両の走行中に設定を行うことができる。
【0042】
なお、上記の説明では、図12のルート探索条件設定画面においてメモリ呼出ボタンが選択されたときに、図13の操作メモリ呼び出し画面が表示される例を説明した。しかし、メモリ呼出ボタンは他の様々なタッチパネル操作画面においても表示されており、それを選択すれば同様にして操作メモリ呼び出し画面が表示される。たとえば、図11のルート関連のメニュー画面においてメモリ呼出ボタンを押しても、図13のような操作メモリ呼び出し画面が表示される。
【0043】
ところで、図13の操作メモリ呼び出し画面における登録名称の表示順序は一定でなく、ナビゲーション装置1においてユーザの次の操作を先読みした結果に応じて変更される。具体的には、タッチパネル16aや入力装置17に対する現在の操作状態と比較したときの一致度に応じて登録名称の表示順序を決定することにより、ユーザの次の操作を先読みした登録名称の表示が行われる。すなわち、ユーザが何も操作をしていない最初の画面状態から、ユーザがメモリ呼出ボタンを押したときの画面状態となるまでに、タッチパネル16aや入力装置17に対して行われる一連の操作内容を現在の操作状態とする。そして、登録された操作設定履歴のうち、現在の操作状態における一連の操作内容と一致する部分を含む操作設定履歴については、その登録名称を他の登録名称よりも上位の表示順序として、図13のような操作メモリ呼び出し画面を表示する。このとき、一致する部分が長いほど上位の表示順序とする。このようにして、登録名称の表示順序を決定する。
【0044】
すなわち、図12のルート探索条件設定画面においてメモリ呼出ボタンが押された場合、図13の操作メモリ呼び出し画面では、ルート探索条件設定画面の表示を含む操作設定履歴の登録名称が、より上位の表示順序で表示される。したがって、前述のようにして登録された操作設定履歴の登録名称である「早く着きたい時の探索条件」が、一番上の表示順序に表示される。その次の表示順序には、同じくルート探索条件の設定に関する操作設定履歴の登録名称に該当する「お金をかけたくない時の探索条件」が表示される。それ以外の操作設定履歴の登録名称については、所定の表示順序で表示される。
【0045】
なお、図12のルート探索条件設定画面以外の画面でメモリ呼出ボタンが押されたときには、そのときの操作状態に応じた表示順序により、登録された操作設定履歴の登録名称が操作メモリ呼出画面において一覧表示される。したがって、図13とは異なる表示順序で登録名称が表示されることがある。
【0046】
以上説明したようにして、操作設定履歴を登録し、その後登録された操作設定履歴を呼び出すときに、制御回路11において実行されるフローチャートを図14に示す。(a)は操作設定履歴を登録するときに実行されるフローチャートであり、(b)は登録された操作設定履歴を呼び出すときに実行されるフローチャートである。以下、先に(a)のフローチャートから説明する。
【0047】
ステップS10では、操作記憶開始スイッチ17dが押されたか否かを判定する。操作記憶開始スイッチ17dが押されていなければステップS10に留まり、操作記憶開始スイッチ17dが押されたらステップS20へ進む。ステップS20では、操作設定履歴の記憶を開始する。これにより、その後にユーザが行った操作の履歴に基づいて操作設定履歴が記憶される。
【0048】
ステップS30では、操作記憶終了スイッチ17eが押されたか否かを判定する。操作記憶終了スイッチ17eが押されていなければステップS30に留まり、操作設定履歴の記憶を継続する。操作記憶終了スイッチ17eが押されたら、次のステップS40へ進む。ステップS40では、操作設定履歴の記憶を終了する。こうしてステップS10〜S40の処理が実行されて操作設定履歴が記憶されることにより、タッチパネル16aや入力装置17に対してユーザから入力された操作の履歴に基づいて登録対象とする操作設定履歴が指定される。
【0049】
ステップS50では、図10のような登録名称の入力画面を表示モニタ16に表示する。ステップS60では、ステップS50で表示した登録名称の入力画面において、登録名称の入力が完了したか否かを判定する。まだ入力が完了していなければステップS50へ戻り、登録名称の入力画面の表示を続ける。入力が完了したらステップS70へ進む。ステップS70では、ステップS50で表示した登録名称の入力画面においてユーザに入力された登録名称を、登録対象の操作設定履歴に対して付ける。これにより、ユーザに指定された登録名称が付けられる。
【0050】
ステップS80では、操作設定履歴の登録を行う。これにより、ステップS10〜S40の処理によって登録対象とされた操作設定履歴と、その登録対象の操作設定履歴に対してステップS70で付けられた登録名称とが対応付けて登録される。こうして登録された操作設定履歴と登録名称の内容は、操作設定履歴の登録情報としてROM12に記憶される。ステップS80を実行したら、図14(a)のフローチャートを終了する。このようにして、操作設定履歴の登録が行われる。
【0051】
次に図14(b)のフローチャートについて説明する。ステップS110では、そのとき表示モニタ16に表示されている画面において、ユーザのタッチパネル操作によりメモリ呼出ボタンが選択されたか否かを判定する。メモリ呼出ボタンが選択されなければステップS110に留まり、メモリ呼出ボタンが選択されたらステップS120へ進む。
【0052】
ステップS120では、ROM12に記憶された操作設定履歴登録情報を読み出す。次のステップS130では、ステップS120で読み出した操作設定履歴登録情報により表される登録名称について、その表示順序の決定を行う。このとき、前述のようにタッチパネル16aや入力装置17に対する現在の操作状態と比較したときの一致度に応じて、登録名称の表示順序が決定される。
【0053】
ステップS140では、ステップS130で決定した登録名称の表示順序にしたがって、図13のような操作メモリ呼び出し画面を表示モニタ16に表示する。これにより、登録された操作設定履歴の登録名称が表示モニタ16に一覧表示される。ステップS150では、ステップS140で表示した操作メモリ呼び出し画面において、表示モニタ16に一覧表示された登録名称のうちいずれかがユーザに選択されたか否かを判定する。いずれかの登録名称が選択されるまではステップS150に留まり、いずれかの登録名称が選択されるとステップS160へ進む。
【0054】
ステップS160では、登録された操作設定履歴の呼び出しを行う。このとき、ステップS150においてユーザに選択された登録名称に対応する操作設定履歴を呼び出す。ステップS170では、ステップS160で呼び出した操作設定履歴に応じた動作の実行を指示する。これにより、呼び出された操作設定履歴に応じた動作がナビゲーション装置1において実行される。ステップS170を実行したら、図14(b)のフローチャートを終了する。このようにして、登録された操作設定履歴の呼び出しが行われる。
【0055】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)タッチパネル16aや入力装置17に対してユーザから入力された操作の履歴に基づいて登録対象とする操作設定履歴を指定し(ステップS10〜S40)、指定された登録対象の操作設定履歴に対して、ユーザに入力された固有の登録名称を付ける(ステップS70)。そして、ステップS10〜S40において指定された登録対象の操作設定履歴と、ステップS70において付けられた登録名称とを対応付けて登録する(ステップS80)。こうして登録された登録名称を操作メモリ呼び出し画面において表示モニタ16に一覧表示し(ステップS140)、一覧表示された登録名称のうちいずれかがユーザに選択されると(ステップS150)、選択された登録名称に対応する操作設定履歴を呼び出して(ステップS160)、その操作設定履歴に応じた動作の実行を指示する(ステップS170)こととした。このようにしたので、特定の動作に対するユーザの操作設定履歴を予め登録しておき、その登録された操作設定履歴の内容をユーザが覚えていなくても、登録された操作設定履歴の中から実行させようとする動作に対応するものをユーザに正しく選択させることができる。
【0056】
(2)ステップS70において登録名称を付ける際、登録名称入力画面を表示し(ステップS50)、その登録名称入力画面においてユーザに入力されて指定された登録名称を、登録対象の操作設定履歴に対して付けることとした。このようにしたので、登録対象とされた操作設定履歴に対して、その特徴を的確に表現しており、かつユーザが覚えやすいような登録名称を付けることができる。
【0057】
(3)ステップS140において登録名称を表示モニタ16に一覧表示する際の表示順序を、タッチパネル16aや入力装置17に対する現在の操作状態と比較したときの一致度に応じて決定する(ステップS130)こととした。このようにしたので、ユーザが呼び出そうとしている操作設定履歴の登録名称が先に来るように、登録された登録名称を一覧表示することができる。
【0058】
なお、以上説明した実施の形態では、様々なタッチパネル操作画面においてメモリ呼出ボタンがユーザのタッチパネル操作により選択されると、操作メモリ呼び出し画面が表示される例を説明した。しかし、自車両の走行開始に応じてメモリ呼出ボタンを表示モニタ16に表示し、そのメモリ呼出ボタンが表示モニタ16の画面上でユーザに選択されると、操作メモリ呼び出し画面により登録された登録名称を表示モニタに一覧表示することとしてもよい。このようにすれば、車両の走行中にはできない操作をしている途中で車両が走行を開始した場合は、登録された操作設定履歴を呼び出すことによってその操作を継続するようユーザに促すことができる。
【0059】
上記の実施の形態では、操作パネルに設置された各種の操作スイッチとタッチパネルを用いて操作を行うナビゲーション装置の例を説明したが、本発明はどのような操作方法についても適用することができる。たとえば、リモコンを用いた操作や、マウスなどのポインティングデバイスを用いた操作、音声認識による操作など、様々な操作方法について適用可能である。さらに、本発明はナビゲーション装置以外の車載情報端末についても適用可能である。すなわち、ユーザからの各種操作入力を受け付け、それに応じて様々な動作を実行する各種の車載情報端末について、本発明を適用することができる。
【0060】
以上説明した実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【0061】
上記の実施の形態では、操作入力手段をタッチパネル16aおよび入力装置17によって実現し、特許請求の範囲に記載されたその他の各手段については、制御回路11の処理によってそれぞれ実現することとした。具体的には、指定手段をステップS10〜S40、名称付与手段をステップS70、登録手段をステップS80、表示順序決定手段をステップS130、表示制御手段をステップS140、動作指示手段をステップS170によりそれぞれ実現している。しかし、これはあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の各実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置を車両内に設置したときの外観図の例である。
【図3】ルート関連のメニュー画面が表示されたときの外観図である。
【図4】ルート探索条件の設定画面が表示されたときの外観図である。
【図5】ルート探索条件の詳細設定画面が表示されたときの外観図である。
【図6】同じくルート探索条件の詳細設定画面が表示されたときの外観図である。
【図7】設定関連のメニュー画面が表示されたときの外観図である。
【図8】有料ルート探索の設定画面が表示されたときの外観図である。
【図9】自動接続時間の設定画面が表示されたときの外観図である。
【図10】登録名称の入力画面が表示されたときの外観図である。
【図11】図3と同じく、ルート関連のメニュー画面が表示されたときの外観図である。
【図12】図4と同じく、ルート探索条件の設定画面が表示されたときの外観図である。
【図13】操作メモリ呼び出し画面が表示されたときの外観図である。
【図14】(a)は操作設定履歴を登録するときのフローチャートであり、(b)は登録された操作設定履歴を呼び出すときのフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
12 ROM
13 RAM
14 現在地検出装置
15 画像メモリ
16 表示モニタ
17 入力装置
18 ディスクドライブ
19 DVD−ROM
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されるナビゲーション装置などの車載情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置などの車載情報端末において、特定の動作に対する複雑な操作手順を予め登録しておき、簡単な操作で実行できるようにしたものが知られている。たとえば特許文献1には、地図表示形式をノースアップモードからヘディングアップモードへ変更する際の操作手順をリモコンに設置されたファンクションキーに対応付けて登録するものが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平8−178677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるナビゲーション装置では、ユーザがファンクションキーを押すと、そのファンクションキーに登録された操作手順が呼び出されてその操作手順に応じた動作が実行される。そのため、各ファンクションキーに対してどのような操作手順が登録されているかをユーザが覚えておく必要がある。このように従来の車載情報端末では、登録された操作手順の内容をユーザが覚えていなければ、登録された操作手順の中から実行させようとする動作に対応するものをユーザに正しく選択させることができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明による車載情報端末は、ユーザからの各種操作入力を受け付けるための操作入力手段と、操作入力手段に対してユーザから入力された操作の履歴に基づいて登録対象とする操作設定履歴を指定する指定手段と、指定手段により指定された登録対象の操作設定履歴に対して固有の登録名称を付ける名称付与手段と、登録対象の操作設定履歴と、名称付与手段により付けられた登録名称とを対応付けて登録する登録手段と、登録手段により登録された登録名称を表示モニタに一覧表示する表示制御手段と、表示モニタに一覧表示された登録名称のうちいずれかがユーザに選択されると、選択された登録名称に対応する操作設定履歴を呼び出して、その操作設定履歴に応じた動作の実行を指示する動作指示手段とを備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の車載情報端末において、名称付与手段は、ユーザに指定された登録名称を登録対象の操作設定履歴に対して付けるものである。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の車載情報端末において、操作入力手段に対する現在の操作状態と比較したときの一致度に応じて、表示制御手段により登録名称を表示モニタに一覧表示する際の表示順序を決定する表示順序決定手段をさらに備えるものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3いずれか一項に記載の車載情報端末において、自車両の走行開始に応じて、登録された登録名称を一覧表示するためのメモリ呼出ボタンを表示モニタに表示するボタン表示手段をさらに備え、表示制御手段は、表示モニタの画面上でメモリ呼出ボタンがユーザに選択されると、登録された登録名称を表示モニタに一覧表示するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明を適用した車載情報端末によれば、特定の動作に対するユーザの操作設定履歴を予め登録しておき、その登録された操作設定履歴の内容をユーザが覚えていなくても、登録された操作設定履歴の中から実行させようとする動作に対応するものをユーザに正しく選択させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の一実施の形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。このナビゲーション装置は車両に搭載されており、ユーザにより目的地が設定されると、目的地までの推奨経路を探索し、その推奨経路にしたがって車両を目的地まで誘導する。さらに、特定の動作に対するユーザの操作設定履歴を予め登録しておくことで、本来は複雑な操作手順を経て実行される動作であっても、簡単な操作で実行できるようにしたものである。
【0008】
図1に示すナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、入力装置17およびディスクドライブ18を備えている。ディスクドライブ18には、地図データが記録されたDVD−ROM19が装填される。
【0009】
制御回路11は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行することにより、各種の処理や制御を行う。この制御回路11により、DVD−ROM19に記録された地図データに基づいて、たとえば地図の表示や目的地の設定、設定された目的地までの推奨経路の探索などの様々な処理が行われる。
【0010】
なお、ROM12には記憶されているデータ内容を更新可能なフラッシュメモリが用いられており、制御プログラムの他にも、後で説明するような操作設定履歴の登録情報が記憶されている。この操作設定履歴の登録情報の内容は、ユーザによって新たな操作設定履歴が登録されたり、登録されていた操作設定履歴のいずれかが削除されたりしたときに更新される。
【0011】
現在地検出装置14は、自車両の現在地すなわち自車位置を検出する装置であり、たとえば、自車両の進行方向を検出する振動ジャイロセンサ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14c等の各種センサ類からなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出される自車位置に基づいて、後述する経路探索開始点を決定したり、自車位置マークを地図上に示したりすることができる。
【0012】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを一時的に格納する。この画像データは、地図を表示するための地図描画用データや各種の図形データ等からなり、DVD−ROM19に記録されている地図データなどに基づいて、制御回路11により作成される。作成された画像データが制御回路11から画像メモリ15に出力されることによって、地図や後述するような各種の操作画面などが表示モニタ16に表示される。
【0013】
表示モニタ16にはタッチパネル16aが組み合わされており、ユーザの指などによって表示モニタ16上のいずれかの位置がタッチされると、そのタッチ位置を示す情報がタッチパネル16aから制御回路11へ出力される。このタッチ位置情報に基づいて、そのとき表示モニタ16に表示されていた画像のどの部分がタッチされたか制御回路11によって判断される。ナビゲーション装置1は、このようにしてタッチパネル16aによりユーザからのタッチパネル操作を検出し、そのタッチパネル操作の内容を制御回路11により判断することで、様々な処理を実行することができる。
【0014】
入力装置17は、後で説明するような操作パネルに設置された各種の操作スイッチによって構成されている。ユーザは、この入力装置17の操作スイッチを適宜操作することで、タッチパネル操作を行うためのタッチパネル操作画面を表示モニタ16に表示させたり、後で説明するような操作設定履歴の登録を行ったりすることができる。
【0015】
すなわち、ナビゲーション装置1は、タッチパネル16aにおいてユーザからのタッチパネル操作を検出したり、入力装置17において各種の操作スイッチが押されたことを検出したりすることにより、ユーザからの各種操作入力を受け付ける。こうして受け付けられた操作入力の内容に応じて、様々な処理を実行する。
【0016】
ディスクドライブ18は、装填されたDVD−ROM19より、地図を表示するための地図データを読み出す。この地図データには、経路計算データと、経路誘導データと、道路データと、背景データとが含まれている。経路計算データは、目的地までのルート探索に用いられる。経路誘導データは、設定された経路に従って自車両を目的地まで誘導するために用いられ、交差点名称や道路名称などを表す。道路データは、道路の形状を表す。背景データは、河川や鉄道、地図上の各種施設等(ランドマーク)など、道路以外の地図形状を表す。
【0017】
道路データにおいて、道路区間を表す最小単位はリンクと呼ばれており、各道路は複数のリンクによって構成されている。リンク同士を接続している点はノードと呼ばれ、このノードはそれぞれに位置情報(座標情報)を有している。このノードの位置情報によって、リンク形状、すなわち道路の形状が決定される。
【0018】
なお、ここではDVD−ROMを用いた例について説明しているが、DVD−ROM以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスク、メモリーカードなどから地図データを読み出すこととしてもよい。あるいは、外部より携帯電話回線などを介して送信される地図データを受信し、その地図データを用いることとしてもよい。すなわち、地図データの取得にはどのような方法を用いてもよい。
【0019】
ユーザにより目的地が設定されると、ナビゲーション装置1は、現在地検出装置14により検出された現在地を経路探索開始点として、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、現在地から目的地までのルート探索を行う。ルート探索の結果求められた推奨経路は、その表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、他の道路とは区別して地図上に表される。これにより、ユーザは推奨経路を表示モニタ16に表示された地図上において認識することができる。また、この推奨経路に従って自車両が走行できるよう、ナビゲーション装置1は、ユーザに対して画像や音声などによる進行方向指示を行うことにより、自車両を誘導する。このように、地図を表示して推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導することにより、目的地までのルート案内が行われる。
【0020】
以上説明したナビゲーション装置1を車両内に設置したときの外観図の例を図2に示す。図2の外観図には、車室内においてユーザから見える位置に設置される表示モニタ16および入力装置17の外観が示されている。なお、それ以外の部分の外観については、車室内から見えないため図2の外観図には示されていない。
【0021】
図2の外観図において、入力装置17は表示モニタ16の下方に設置された操作パネルである。操作パネルには、目的地関連スイッチ17a、ルート関連スイッチ17b、設定関連スイッチ17c、操作記憶開始スイッチ17dおよび操作記憶終了スイッチ17eの各操作スイッチが配置されている。
【0022】
目的地関連スイッチ17aは、目的地に関するタッチパネル操作画面を表示するための操作スイッチである。ユーザは、この目的地関連スイッチ17aを押すことで表示されるタッチパネル操作画面において、目的地に設定する施設の名称を入力したり、登録地の中からいずれかを選択したりすることにより、目的地を設定することができる。
【0023】
ルート関連スイッチ17bは、ルートに関するタッチパネル操作画面を表示するための操作スイッチである。ユーザは、このルート関連スイッチ17bを押すことで表示されるタッチパネル操作画面において、設定されたルートの確認や編集を行ったり、推奨経路を探索するときのルート探索条件を設定したりすることができる。
【0024】
設定関連スイッチ17cは、各種の設定に関するタッチパネル操作画面を表示するための操作スイッチである。ユーザは、この設定関連スイッチ17cを押すことで表示されるタッチパネル操作画面において、地図の表示設定を変更したり、携帯電話回線などを介して提供される有料の交通情報に基づいたルート探索(有料ルート探索)を行う際の設定条件を変更したりすることができる。
【0025】
操作記憶開始スイッチ17dと操作記憶終了スイッチ17eは、操作設定履歴の登録を行うための操作スイッチである。操作記憶開始スイッチ17dが押されると、操作設定履歴の記憶が開始され、操作記憶終了スイッチ17eが押されると、操作設定履歴の記憶が終了される。このとき、操作記憶開始スイッチ17dを押してから操作記憶終了スイッチ17eを押すまでの間にユーザが行った操作の履歴に基づいて、登録対象とされる操作設定履歴の内容が決定される。すなわち、その間にユーザが行った操作の手順や、その間に表示された設定画面における各種設定項目の設定状態などが、登録対象の操作設定履歴として記憶される。この操作設定履歴がナビゲーション装置1において登録される。
【0026】
次にナビゲーション装置1において操作設定履歴を登録するときの具体的な操作例について説明する。ユーザは、操作記憶開始スイッチ17dを押すことによって操作設定履歴の記憶を開始した後、ルート関連スイッチ17bを押したとする。このとき、図3の外観図に示すようなルート関連のメニュー画面が、ルートに関するタッチパネル操作画面として表示モニタ16に表示される。このメニュー画面において、「ルート探索条件」をユーザがタッチパネル操作により選択すると、次に図4の外観図に示すように、ルート探索条件の設定画面が表示モニタ16に表示される。
【0027】
図4に示すルート探索条件の設定画面では、「有料道路優先」、「一般道優先」または「距離優先」のいずれかを選択することにより、ルート探索条件の設定が行われる。「有料道路優先」が選択された場合は、有料道路を優先して目的地までのルート探索が行われ、「一般道優先」が選択された場合は、一般道を優先して目的地までのルート探索が行われる。「距離優先」が選択された場合は、道路種別に関わらず目的地までの距離が最短となるようにルート探索が行われる。ここでは、「有料道路優先」が選択されているときの画面例を示している。
【0028】
また、図4の設定画面では、「詳細設定」を選択することにより、さらに詳細なルート探索条件の設定を行うこともできる。「詳細設定」が選択されると、図5の外観図に示すようなルート探索条件の詳細設定画面が表示モニタ16に表示される。この詳細設定画面では、様々なルート探索の条件を有効とするか否かの設定が行われる。たとえば、「時間規制道路を使用」の項目において「する」を選択し、このルート探索条件を有効に設定すると、特定の時間帯において通行規制が行われる道路を含めてルート探索が行われる。その他にも、図中に示されるような様々なルート探索条件について、有効または無効のいずれかに設定することができる。
【0029】
また、図5に示す詳細設定画面において、タッチパネル操作によりスライダ20を画面下方に移動させると、それまで画面内に表示しきれなかったルート探索条件が現れて、図6の外観図に示すような詳細設定画面が表示モニタ16に表示される。この詳細設定画面でも同様に、様々なルート探索の条件が有効または無効のいずれかに設定される。なお、図5および6のような詳細設定画面は、安全のためナビゲーション装置1において車両の走行中には表示できないようになっている。すなわち、車両が停止中のときにのみ、詳細なルート探索条件の設定を行うことができる。
【0030】
以上説明したようにしてルート探索条件の設定を行った後、次にユーザが設定関連スイッチ17cを押したとする。このとき、各種設定に関するタッチパネル操作画面として、図7の外観図に示すような設定関連のメニュー画面が表示モニタ16に表示される。このメニュー画面において、「有料ルート探索設定」をユーザがタッチパネル操作により選択すると、次に図8の外観図に示すような有料ルート探索の設定画面が表示される。
【0031】
図8に示す有料ルート探索の設定画面では、ルート探索時に有料情報を取得するか否かの設定が行われる。この画面において、図中に示すように「する」をユーザが選択した場合、ナビゲーション装置1においてルート探索のための有料情報が所定時間ごとに取得される。なお、ここでいう有料情報とは、前述のように携帯電話回線などを介して提供される有料の交通情報のことである。こうして有料情報を取得するように設定した場合、所定時間ごとに取得される有料情報に基づいて目的地までのルート探索が行われる。
【0032】
さらに、図8の有料ルート探索設定画面において「自動接続時間設定」を選択することにより、有料情報を取得する際にナビゲーション装置1が携帯電話回線に自動接続する時間の間隔を設定することができる。具体的には、「自動接続時間設定」が選択されると、図9の外観図に示すような自動接続時間の設定画面が表示モニタ16に表示される。この自動接続時間設定画面では、自動接続を行う時間間隔を、5分、10分、30分または1時間の中から選択することができる。たとえば、図9に示すように「5分ごと」が選択されると、自動接続の時間間隔が5分に設定される。この場合、5分間隔でナビゲーション装置1が携帯電話回線に自動接続して、最新の有料情報を取得する。
【0033】
なお、図8の有料ルート探索設定画面と図9の自動接続時間設定画面も、図5および6に示したルート探索条件の詳細設定画面と同様に、安全のためナビゲーション装置1において車両の走行中には表示できないようになっている。すなわち、車両が停止中のときにのみ、ルート探索時に有料情報を取得するか否かの設定や、有料情報を取得する際の自動接続時間間隔の設定を行うことができる。
【0034】
以上説明したような操作を行った後、ユーザが操作記憶終了スイッチ17eを押すと、操作設定履歴の記憶が終了される。これにより、操作記憶開始スイッチ17dを押してから操作記憶終了スイッチ17eを押すまでの間にユーザが行った前述のような操作の履歴がナビゲーション装置1において記憶され、登録対象とする操作設定履歴が指定される。その後、図10の外観図に示すような登録名称の入力画面が表示される。
【0035】
図10の登録名称の入力画面では、ユーザがタッチパネル操作により任意の登録名称を指定することで、登録対象とされた操作設定履歴に対して固有の登録名称を付けることができる。このときユーザは、後でその操作設定履歴の内容が分かりやすいように、登録する操作設定履歴の内容を特徴的に表現した登録名称を付けることが好ましい。たとえば、上記のような操作設定履歴に対しては、図中に示すように「早く着きたい時の探索条件」という登録名称を付けることができる。こうして付けられた登録名称は、登録対象の操作設定履歴と対応付けて登録される。登録された操作設定履歴とその登録名称の内容は、操作設定履歴の登録情報としてROM12に記憶される。
【0036】
以上説明したようにして、ナビゲーション装置1において操作設定履歴の登録が行われる。なお、上記で説明した内容以外にも、様々な操作の履歴に基づく操作設定履歴をナビゲーション装置1において登録することができる。たとえば、ルート案内方法の設定に関する操作や、地図上に表示する周辺施設の設定に関する操作、地図表示形式の設定に関する操作など、様々な操作の履歴に基づいて操作設定履歴を登録することができる。
【0037】
なお、操作設定履歴を登録する際には、操作の途中で表示された設定画面においてユーザが実際に設定内容を変更する操作を行った設定項目だけではなく、その設定画面において操作されなかった設定項目についても、その設定状態が操作設定履歴において登録される。すなわち上記の例では、図4、5、6、8および9の各設定画面において表示された各設定項目の状態が操作設定履歴において登録される。
【0038】
次に、ナビゲーション装置1において登録された操作設定履歴を呼び出すときの具体的な操作例について説明する。上記のようにして操作設定履歴を登録した後、ユーザがルート関連スイッチ17bを押すと、図11の外観図に示すようなルート関連のメニュー画面が表示モニタ16に表示される。このメニュー画面において「ルート探索条件」をユーザがタッチパネル操作により選択すると、次に図12の外観図に示すようなルート探索条件の設定画面が表示モニタ16に表示される。なお、図11の画面は、図3に示した画面と同じであり、図12の画面は、図4に示した画面と同じである。
【0039】
図12のルート探索条件設定画面において、「メモリ呼出」と書かれたボタンがユーザのタッチパネル操作により選択されると、図13の外観図に示すような操作メモリ呼び出し画面が表示モニタ16に表示される。この操作メモリ呼び出し画面には、ナビゲーション装置1においてそれまでに登録された操作設定履歴の登録名称がリスト状に一覧表示されている。ユーザは、この操作メモリ呼び出し画面に表示された各登録名称の中からいずれかを選択することにより、その登録名称に対応する操作設定履歴を呼び出すことができる。たとえば、「早く着きたい時の探索条件」という登録名称について、その横に表示されている「呼出」と書かれた呼出ボタンを選択すると、その登録名称に対応する前述のような操作設定履歴が呼び出される。
【0040】
上記のようにして登録された操作設定履歴のいずれかがユーザによって呼び出されると、呼び出された操作設定履歴に応じた動作がナビゲーション装置1において実行される。すなわち、図13の操作メモリ呼び出し画面において「早く着きたい時の探索条件」について呼出ボタンが選択され、これによって前述のような操作設定履歴が呼び出された場合は、ルート探索条件において「有料道路優先」が選択されると共に、図5および6に示すような内容でルート探索条件の詳細設定が行われる。さらに、ルート探索時に使用される有料情報を5分ごとに取得するように設定される。
【0041】
以上説明したようにして、ナビゲーション装置1において登録された操作設定履歴が呼び出され、その操作設定履歴に応じた動作が実行される。これにより、本来は複雑な操作手順を経て実行される動作であっても、簡単な操作で実行することができる。さらに、前述した詳細なルート探索条件の設定や有料情報の取得に関する設定のように、安全のため車両の走行中には操作できないものであっても、予めその操作設定履歴を登録しておくことで、車両の走行中に設定を行うことができる。
【0042】
なお、上記の説明では、図12のルート探索条件設定画面においてメモリ呼出ボタンが選択されたときに、図13の操作メモリ呼び出し画面が表示される例を説明した。しかし、メモリ呼出ボタンは他の様々なタッチパネル操作画面においても表示されており、それを選択すれば同様にして操作メモリ呼び出し画面が表示される。たとえば、図11のルート関連のメニュー画面においてメモリ呼出ボタンを押しても、図13のような操作メモリ呼び出し画面が表示される。
【0043】
ところで、図13の操作メモリ呼び出し画面における登録名称の表示順序は一定でなく、ナビゲーション装置1においてユーザの次の操作を先読みした結果に応じて変更される。具体的には、タッチパネル16aや入力装置17に対する現在の操作状態と比較したときの一致度に応じて登録名称の表示順序を決定することにより、ユーザの次の操作を先読みした登録名称の表示が行われる。すなわち、ユーザが何も操作をしていない最初の画面状態から、ユーザがメモリ呼出ボタンを押したときの画面状態となるまでに、タッチパネル16aや入力装置17に対して行われる一連の操作内容を現在の操作状態とする。そして、登録された操作設定履歴のうち、現在の操作状態における一連の操作内容と一致する部分を含む操作設定履歴については、その登録名称を他の登録名称よりも上位の表示順序として、図13のような操作メモリ呼び出し画面を表示する。このとき、一致する部分が長いほど上位の表示順序とする。このようにして、登録名称の表示順序を決定する。
【0044】
すなわち、図12のルート探索条件設定画面においてメモリ呼出ボタンが押された場合、図13の操作メモリ呼び出し画面では、ルート探索条件設定画面の表示を含む操作設定履歴の登録名称が、より上位の表示順序で表示される。したがって、前述のようにして登録された操作設定履歴の登録名称である「早く着きたい時の探索条件」が、一番上の表示順序に表示される。その次の表示順序には、同じくルート探索条件の設定に関する操作設定履歴の登録名称に該当する「お金をかけたくない時の探索条件」が表示される。それ以外の操作設定履歴の登録名称については、所定の表示順序で表示される。
【0045】
なお、図12のルート探索条件設定画面以外の画面でメモリ呼出ボタンが押されたときには、そのときの操作状態に応じた表示順序により、登録された操作設定履歴の登録名称が操作メモリ呼出画面において一覧表示される。したがって、図13とは異なる表示順序で登録名称が表示されることがある。
【0046】
以上説明したようにして、操作設定履歴を登録し、その後登録された操作設定履歴を呼び出すときに、制御回路11において実行されるフローチャートを図14に示す。(a)は操作設定履歴を登録するときに実行されるフローチャートであり、(b)は登録された操作設定履歴を呼び出すときに実行されるフローチャートである。以下、先に(a)のフローチャートから説明する。
【0047】
ステップS10では、操作記憶開始スイッチ17dが押されたか否かを判定する。操作記憶開始スイッチ17dが押されていなければステップS10に留まり、操作記憶開始スイッチ17dが押されたらステップS20へ進む。ステップS20では、操作設定履歴の記憶を開始する。これにより、その後にユーザが行った操作の履歴に基づいて操作設定履歴が記憶される。
【0048】
ステップS30では、操作記憶終了スイッチ17eが押されたか否かを判定する。操作記憶終了スイッチ17eが押されていなければステップS30に留まり、操作設定履歴の記憶を継続する。操作記憶終了スイッチ17eが押されたら、次のステップS40へ進む。ステップS40では、操作設定履歴の記憶を終了する。こうしてステップS10〜S40の処理が実行されて操作設定履歴が記憶されることにより、タッチパネル16aや入力装置17に対してユーザから入力された操作の履歴に基づいて登録対象とする操作設定履歴が指定される。
【0049】
ステップS50では、図10のような登録名称の入力画面を表示モニタ16に表示する。ステップS60では、ステップS50で表示した登録名称の入力画面において、登録名称の入力が完了したか否かを判定する。まだ入力が完了していなければステップS50へ戻り、登録名称の入力画面の表示を続ける。入力が完了したらステップS70へ進む。ステップS70では、ステップS50で表示した登録名称の入力画面においてユーザに入力された登録名称を、登録対象の操作設定履歴に対して付ける。これにより、ユーザに指定された登録名称が付けられる。
【0050】
ステップS80では、操作設定履歴の登録を行う。これにより、ステップS10〜S40の処理によって登録対象とされた操作設定履歴と、その登録対象の操作設定履歴に対してステップS70で付けられた登録名称とが対応付けて登録される。こうして登録された操作設定履歴と登録名称の内容は、操作設定履歴の登録情報としてROM12に記憶される。ステップS80を実行したら、図14(a)のフローチャートを終了する。このようにして、操作設定履歴の登録が行われる。
【0051】
次に図14(b)のフローチャートについて説明する。ステップS110では、そのとき表示モニタ16に表示されている画面において、ユーザのタッチパネル操作によりメモリ呼出ボタンが選択されたか否かを判定する。メモリ呼出ボタンが選択されなければステップS110に留まり、メモリ呼出ボタンが選択されたらステップS120へ進む。
【0052】
ステップS120では、ROM12に記憶された操作設定履歴登録情報を読み出す。次のステップS130では、ステップS120で読み出した操作設定履歴登録情報により表される登録名称について、その表示順序の決定を行う。このとき、前述のようにタッチパネル16aや入力装置17に対する現在の操作状態と比較したときの一致度に応じて、登録名称の表示順序が決定される。
【0053】
ステップS140では、ステップS130で決定した登録名称の表示順序にしたがって、図13のような操作メモリ呼び出し画面を表示モニタ16に表示する。これにより、登録された操作設定履歴の登録名称が表示モニタ16に一覧表示される。ステップS150では、ステップS140で表示した操作メモリ呼び出し画面において、表示モニタ16に一覧表示された登録名称のうちいずれかがユーザに選択されたか否かを判定する。いずれかの登録名称が選択されるまではステップS150に留まり、いずれかの登録名称が選択されるとステップS160へ進む。
【0054】
ステップS160では、登録された操作設定履歴の呼び出しを行う。このとき、ステップS150においてユーザに選択された登録名称に対応する操作設定履歴を呼び出す。ステップS170では、ステップS160で呼び出した操作設定履歴に応じた動作の実行を指示する。これにより、呼び出された操作設定履歴に応じた動作がナビゲーション装置1において実行される。ステップS170を実行したら、図14(b)のフローチャートを終了する。このようにして、登録された操作設定履歴の呼び出しが行われる。
【0055】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)タッチパネル16aや入力装置17に対してユーザから入力された操作の履歴に基づいて登録対象とする操作設定履歴を指定し(ステップS10〜S40)、指定された登録対象の操作設定履歴に対して、ユーザに入力された固有の登録名称を付ける(ステップS70)。そして、ステップS10〜S40において指定された登録対象の操作設定履歴と、ステップS70において付けられた登録名称とを対応付けて登録する(ステップS80)。こうして登録された登録名称を操作メモリ呼び出し画面において表示モニタ16に一覧表示し(ステップS140)、一覧表示された登録名称のうちいずれかがユーザに選択されると(ステップS150)、選択された登録名称に対応する操作設定履歴を呼び出して(ステップS160)、その操作設定履歴に応じた動作の実行を指示する(ステップS170)こととした。このようにしたので、特定の動作に対するユーザの操作設定履歴を予め登録しておき、その登録された操作設定履歴の内容をユーザが覚えていなくても、登録された操作設定履歴の中から実行させようとする動作に対応するものをユーザに正しく選択させることができる。
【0056】
(2)ステップS70において登録名称を付ける際、登録名称入力画面を表示し(ステップS50)、その登録名称入力画面においてユーザに入力されて指定された登録名称を、登録対象の操作設定履歴に対して付けることとした。このようにしたので、登録対象とされた操作設定履歴に対して、その特徴を的確に表現しており、かつユーザが覚えやすいような登録名称を付けることができる。
【0057】
(3)ステップS140において登録名称を表示モニタ16に一覧表示する際の表示順序を、タッチパネル16aや入力装置17に対する現在の操作状態と比較したときの一致度に応じて決定する(ステップS130)こととした。このようにしたので、ユーザが呼び出そうとしている操作設定履歴の登録名称が先に来るように、登録された登録名称を一覧表示することができる。
【0058】
なお、以上説明した実施の形態では、様々なタッチパネル操作画面においてメモリ呼出ボタンがユーザのタッチパネル操作により選択されると、操作メモリ呼び出し画面が表示される例を説明した。しかし、自車両の走行開始に応じてメモリ呼出ボタンを表示モニタ16に表示し、そのメモリ呼出ボタンが表示モニタ16の画面上でユーザに選択されると、操作メモリ呼び出し画面により登録された登録名称を表示モニタに一覧表示することとしてもよい。このようにすれば、車両の走行中にはできない操作をしている途中で車両が走行を開始した場合は、登録された操作設定履歴を呼び出すことによってその操作を継続するようユーザに促すことができる。
【0059】
上記の実施の形態では、操作パネルに設置された各種の操作スイッチとタッチパネルを用いて操作を行うナビゲーション装置の例を説明したが、本発明はどのような操作方法についても適用することができる。たとえば、リモコンを用いた操作や、マウスなどのポインティングデバイスを用いた操作、音声認識による操作など、様々な操作方法について適用可能である。さらに、本発明はナビゲーション装置以外の車載情報端末についても適用可能である。すなわち、ユーザからの各種操作入力を受け付け、それに応じて様々な動作を実行する各種の車載情報端末について、本発明を適用することができる。
【0060】
以上説明した実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【0061】
上記の実施の形態では、操作入力手段をタッチパネル16aおよび入力装置17によって実現し、特許請求の範囲に記載されたその他の各手段については、制御回路11の処理によってそれぞれ実現することとした。具体的には、指定手段をステップS10〜S40、名称付与手段をステップS70、登録手段をステップS80、表示順序決定手段をステップS130、表示制御手段をステップS140、動作指示手段をステップS170によりそれぞれ実現している。しかし、これはあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の各実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置を車両内に設置したときの外観図の例である。
【図3】ルート関連のメニュー画面が表示されたときの外観図である。
【図4】ルート探索条件の設定画面が表示されたときの外観図である。
【図5】ルート探索条件の詳細設定画面が表示されたときの外観図である。
【図6】同じくルート探索条件の詳細設定画面が表示されたときの外観図である。
【図7】設定関連のメニュー画面が表示されたときの外観図である。
【図8】有料ルート探索の設定画面が表示されたときの外観図である。
【図9】自動接続時間の設定画面が表示されたときの外観図である。
【図10】登録名称の入力画面が表示されたときの外観図である。
【図11】図3と同じく、ルート関連のメニュー画面が表示されたときの外観図である。
【図12】図4と同じく、ルート探索条件の設定画面が表示されたときの外観図である。
【図13】操作メモリ呼び出し画面が表示されたときの外観図である。
【図14】(a)は操作設定履歴を登録するときのフローチャートであり、(b)は登録された操作設定履歴を呼び出すときのフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
12 ROM
13 RAM
14 現在地検出装置
15 画像メモリ
16 表示モニタ
17 入力装置
18 ディスクドライブ
19 DVD−ROM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの各種操作入力を受け付けるための操作入力手段と、
前記操作入力手段に対してユーザから入力された操作の履歴に基づいて登録対象とする操作設定履歴を指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された登録対象の操作設定履歴に対して固有の登録名称を付ける名称付与手段と、
前記登録対象の操作設定履歴と、前記名称付与手段により付けられた登録名称とを対応付けて登録する登録手段と、
前記登録手段により登録された登録名称を表示モニタに一覧表示する表示制御手段と、
前記表示モニタに一覧表示された登録名称のうちいずれかがユーザに選択されると、選択された登録名称に対応する操作設定履歴を呼び出して、その操作設定履歴に応じた動作の実行を指示する動作指示手段とを備えることを特徴とする車載情報端末。
【請求項2】
請求項1に記載の車載情報端末において、
前記名称付与手段は、ユーザに指定された登録名称を登録対象の操作設定履歴に対して付けることを特徴とする車載情報端末。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車載情報端末において、
前記操作入力手段に対する現在の操作状態と比較したときの一致度に応じて、前記表示制御手段により登録名称を表示モニタに一覧表示する際の表示順序を決定する表示順序決定手段をさらに備えることを特徴とする車載情報端末。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか一項に記載の車載情報端末において、
自車両の走行開始に応じて、前記登録された登録名称を一覧表示するためのメモリ呼出ボタンを前記表示モニタに表示するボタン表示手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記表示モニタの画面上で前記メモリ呼出ボタンがユーザに選択されると、前記登録された登録名称を表示モニタに一覧表示することを特徴とする車載情報端末。
【請求項1】
ユーザからの各種操作入力を受け付けるための操作入力手段と、
前記操作入力手段に対してユーザから入力された操作の履歴に基づいて登録対象とする操作設定履歴を指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された登録対象の操作設定履歴に対して固有の登録名称を付ける名称付与手段と、
前記登録対象の操作設定履歴と、前記名称付与手段により付けられた登録名称とを対応付けて登録する登録手段と、
前記登録手段により登録された登録名称を表示モニタに一覧表示する表示制御手段と、
前記表示モニタに一覧表示された登録名称のうちいずれかがユーザに選択されると、選択された登録名称に対応する操作設定履歴を呼び出して、その操作設定履歴に応じた動作の実行を指示する動作指示手段とを備えることを特徴とする車載情報端末。
【請求項2】
請求項1に記載の車載情報端末において、
前記名称付与手段は、ユーザに指定された登録名称を登録対象の操作設定履歴に対して付けることを特徴とする車載情報端末。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車載情報端末において、
前記操作入力手段に対する現在の操作状態と比較したときの一致度に応じて、前記表示制御手段により登録名称を表示モニタに一覧表示する際の表示順序を決定する表示順序決定手段をさらに備えることを特徴とする車載情報端末。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか一項に記載の車載情報端末において、
自車両の走行開始に応じて、前記登録された登録名称を一覧表示するためのメモリ呼出ボタンを前記表示モニタに表示するボタン表示手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記表示モニタの画面上で前記メモリ呼出ボタンがユーザに選択されると、前記登録された登録名称を表示モニタに一覧表示することを特徴とする車載情報端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−45968(P2008−45968A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−220963(P2006−220963)
【出願日】平成18年8月14日(2006.8.14)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月14日(2006.8.14)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
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