説明

車載機器、経路誘導システム、車載機器の通信制御方法およびプログラム

【課題】携帯機器の誘導にしたがって目的地まで到着した場合に、車載機器の経路誘導を終了させるための操作を省略可能な車載機器等を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の車載機器10は、目的地を設定する目的地設定手段110と、目的地に対応する駐車位置まで車両の経路誘導を行う経路誘導手段130と、車両の経路誘導の中断に伴って、目的地を示す目的地情報を、人間の経路誘導機能を有する携帯機器30に送信する目的地情報送信手段140と、携帯機器30から、目的地に到着した旨を示す到着確認情報を受信する到着確認情報受信手段160と、を備え、経路誘導手段130は、目的地情報を送信した場合、若しくは到着確認情報を受信した場合、駐車位置までの車両の経路誘導を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の経路誘導を行う携帯機器と連携して、車両の経路誘導を行う車載機器、経路誘導システム、車載機器の通信制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯機器(例えば、携帯電話)と、車載機器(例えば、カーナビゲーション装置)と、を連携させて経路誘導を行う経路誘導システムとして、車両が駐車場に入るタイミングで、車載機器が現在位置から目的地までの経路を示す経路案内情報を生成して情報センタに送信しておき、携帯機器が情報センタから経路案内情報を受信して、目的地までの経路案内を行うものが知られている(例えば、特許文献1)。この経路誘導システムによれば、例えば目的地周辺に駐車場が無い場合(目的地まで車両を誘導することができない場合)でも、残りの経路は、携帯機器の誘導にしたがって歩行すれば良いため、初めての場所でも道に迷うことが無く、便利である。
【特許文献1】特開2002−257579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、一般的な車載機器は、目的地まで到着していない状態で車両のエンジンが停止された場合、一時的に経路誘導が中断された状態となり、エンジン再開時には、再度現在位置(駐車場)から目的地までの経路誘導を開始するようになっている。したがって、上記の経路誘導システムでは、携帯機器の誘導にしたがって目的地まで到着したにも関わらず、駐車場まで戻って車両の運転を再開すると、車載機器の経路誘導が再開されてしまう。このため、ユーザは、車両に戻ってから、手動で経路誘導を終了させる必要があり、その操作が煩わしいといった問題があった。
【0004】
本発明は、上記の問題点に鑑み、携帯機器の誘導にしたがって目的地まで到着した場合に、車載機器の経路誘導を終了させるための操作を省略可能な車載機器、経路誘導システム、車載機器の通信制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の車載機器は、目的地を設定する目的地設定手段と、目的地に対応する駐車位置まで、車両の経路誘導を行う経路誘導手段と、目的地を示す目的地情報を、携帯機器に送信する目的地情報送信手段と、携帯機器から、目的地に到着した旨を示す到着確認情報を受信する到着確認情報受信手段と、を備え、経路誘導手段は、目的地情報を送信した場合、若しくは到着確認情報を受信した場合、駐車位置までの車両の経路誘導を終了することを特徴とする。
【0006】
本発明の車載機器の通信制御方法は、人間の経路誘導を行う携帯機器と連携して、車両の経路誘導を行う車載機器の通信制御方法であって、車載機器が、目的地を設定するステップと、目的地に対応する駐車位置まで、車両の経路誘導を行うステップと、目的地を示す目的地情報を、携帯機器に送信するステップと、携帯機器から、目的地に到着した旨を示す到着確認情報を受信するステップと、目的地情報を送信した後、若しくは到着確認情報を受信した後、駐車位置までの車両の経路誘導を終了するステップと、を実行することを特徴とする。
【0007】
これらの構成によれば、携帯機器からの到着確認情報の受信に伴って、車両の経路誘導を終了するため、車載機器側における経路誘導を終了させるための操作を省略することができる。そもそも、車載機器側で設定した目的地を示す目的地情報を携帯機器に送信するということは、目的地まで車両移動が不可能な場合と考えられるが、そのような場合は携帯機器の経路誘導機能を用いて目的地まで移動する。したがって、目的地情報を携帯機器に送信した場合、若しくは携帯機器から目的地に到着した旨を示す到着確認情報を受信した場合は、車載機器側における経路誘導が不要となるため、自動的に経路誘導を終了することで、経路誘導を手動で解除する手間を省くことができ、携帯機器との連携による経路誘導の利便性を高めることができる。
なお、「到着確認情報」は、携帯機器(携帯機器の所持者)が実際に目的地に到着したことを示す情報であっても良いし、携帯機器の所持者が所定の操作を行ったことを示す情報であっても良い。前者の場合、携帯機器は、GPS受信機等によって取得した現在位置情報と、車載機器から受信した目的地情報と、に基づいて、実際に目的地に到着したか否かを判別できる。また、後者の場合は、実際に目的地に到着したか否かに関わらず、ユーザによる所定の操作が行われた場合に、目的地に到着したことを判別できる。つまり、車載機器は、携帯機器によるこれらの判別結果を、「到着確認情報」として受信できる。
また、「車載機器」とは、車両に固定して設けられる機器だけでなく、車両に着脱可能に設けられる機器(ポータブル型車載機器)も含む概念である。
また、「駐車位置」とは、車載機器の目的地を指すものであるが、「目的地」と「駐車位置」は、同一の地点を示すものであっても良い。
【0008】
上記に記載の車載機器において、目的地情報送信手段は、車両の経路誘導の中断に伴って、目的地情報を送信することを特徴とする。
【0009】
一般的に、目的地まで車両移動が不可能と考えられる場合は、車両を駐車して、残りの経路を別の交通手段を使って移動するため、車両の経路誘導の中断(車両のエンジン停止など)をトリガとすることで、適切なタイミングで、携帯機器に目的地情報を送信することができる。尚、経路誘導の中断とは、具体的には、車両のエンジンが停止したときや車載機器がOFF動作されたとき、又は車載機器が経路誘導中断指示を受け取った場合である。
【0010】
上記に記載の車載機器において、目的地情報送信手段による目的地情報の送信前に、携帯機器に対して、人間の経路誘導機能の起動命令を送信する起動命令送信手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、車載機器から目的地情報が送信される前に、予め携帯機器側で経路誘導機能(経路誘導アプリケーション)を起動させておくといったユーザの手間を省くことができる。
【0012】
上記に記載の車載機器において、携帯機器は、目的地を設定する目的地設定機能をさらに有しており、携帯機器から、目的地設定機能により設定された目的地情報を受信する目的地情報受信手段と、目的地情報の受信に伴い、携帯機器に対して、経路誘導機能の停止命令を送信する停止命令送信手段と、をさらに備え、目的地設定手段は、受信した目的地情報に基づいて、目的地を設定することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、携帯機器側で設定された目的地情報に基づいて経路誘導を行うことができる。これにより、運転者は乗車前に予め携帯機器に目的地情報を設定しておくことができ、搭乗直後に経路誘導を開始させることができる。また、携帯機器から車載機器に目的地情報が送信されるということは、携帯機器側での経路誘導が不要になったと考えられるため、目的地情報の受信に伴って経路誘導機能の停止命令を携帯機器に送信することで、携帯機器側で経路誘導機能を停止させるためのユーザの手間を省くことができる。
【0014】
上記に記載の車載機器において、携帯機器との連携処理を行うか否かを選択する連携選択手段をさらに備え、目的地情報送信手段は、連携選択手段により連携処理を行うことが選択された場合に、目的地情報を送信することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、ユーザのニーズに応じて、携帯機器との連携処理を行うか否かを選択することができる。
【0016】
上記に記載の車載機器において、現在位置を示す現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段をさらに備え、目的地情報送信手段は、車両の経路誘導が中断された時点の現在位置と駐車位置との離間距離が、所定距離以内である場合に、目的地情報を送信することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、車両の経路誘導が中断された時点の現在位置と駐車位置(車載機器の目的地)との離間距離が、所定距離以内である場合に目的地情報を送信するため、無駄な目的地情報の送信を防止することができる。つまり、車両の経路誘導が中断された時点の現在位置(車両が駐車された位置)が、駐車位置から遠く離れている場合(残りの経路を徒歩で移動するには不可能と考えられる場合)は、寄り道や休憩で車両が駐車されたものと判断できるため、このような場合、携帯機器に対して目的地情報を送信しないことで、携帯機器との連携による経路誘導の利便性を高めることができる。
【0018】
上記に記載の車載機器において、目的地情報送信手段は、目的地情報と共に、車両の経路誘導が中断された時点の現在位置を示す現在位置情報を送信することを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、車両の経路誘導が中断された時点の現在位置を示す現在位置情報を送信するため、車両の駐車位置などを携帯機器に登録しておくことができる。これにより、目的地まで到着したユーザが、車両まで戻るときに道に迷ったり、駐車位置を忘れて車両を探し回ったりする必要がない。
【0020】
上記に記載の車載機器において、経路誘導手段は、車両の経路誘導中における、車載機器の電源オフ操作、または車両のエンジン停止をトリガとして、経路誘導を中断し、目的地情報送信手段は、電源オフ操作またはエンジン停止を起因とする車載機器の動作停止前に、目的地情報を送信することを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、車載機器の電源オフ操作や車両のエンジン停止によって、容易且つ確実に経路誘導の中断を検出することができる。また、電源オフ操作またはエンジン停止を起因とする車載機器の動作停止前に、目的地情報を送信するため、目的地情報が未送信となることがない。
【0022】
上記に記載の車載機器において、目的地情報送信手段は、駐車位置が、予め登録された所定登録地点以外の場合に、目的地情報を送信することを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、駐車位置が、予め登録された所定登録地点の場合は、目的地情報を送信しないため、不要な情報送信を防止することができる。例えば、所定登録地点が、自分の学校や会社または自宅の場合、それらの場所まで携帯機器による経路誘導が必要となる状況は考え難い。つまり、自宅等の近くで(目的地から所定距離以内で)経路誘導が中断された場合でも、携帯機器に目的地情報が送信されることがないため、便利である。
【0024】
本発明の経路誘導システムは、上記に記載の車載機器と、携帯機器と、から成ることを特徴とする。
【0025】
本発明のプログラムは、コンピュータに、上記に記載の車載機器の通信制御方法における各ステップを実行させるためのものであることを特徴とする。
【0026】
これらの構成によれば、携帯機器の誘導にしたがって目的地まで到着した場合に、車載機器の経路誘導を終了させるための操作を省略可能な経路誘導システムまたはプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態に係る車載機器、経路誘導システム、車載機器の通信制御方法およびプログラムについて説明する。図1は、車載機器10の制御ブロック図である。同図に示すように、車載機器10は、GPS(Global Positioning System)受信機11、アンテナ12、自立航法センサ13、ディスプレイ14、スピーカー15、リモコン受光器16、リモコン17、マイク18、通信部19、制御部20、地図データベース24、地点登録データベース25、電源ボタン26および接続バス28を備えている。
【0028】
GPS(Global Positioning System)受信機11は、アンテナ12を介してGPS情報(位置情報および時刻情報を含む)を受信する。自立航法センサ13は、角度センサおよび距離センサから成り(いずれも、図示省略)、GPS受信機11との組み合わせにより、車両の現在位置を特定するために利用される。ディスプレイ14は、経路案内情報を表示すると共に、必要に応じて各種設定・選択画面を表示する。スピーカー15は、音声による経路案内情報を出力する。
【0029】
リモコン受光器16は、リモコン17から操作信号を取得する。リモコン17は、操作子を用いて各種操作を行うものであり、主に上記の各種設定・選択画面に対する情報入力に用いられる。マイク18は、携帯機器30が携帯電話の場合、ハンズフリー通話を行うために用いられる。また、マイク18は、ハンズフリーによる音声入力によって各種操作を行うためにも用いられる。
【0030】
通信部19は、携帯機器30と近距離無線通信や赤外線通信を行う。なお、近距離無線通信の通信方式は、Bluetooth(登録商標)や、ZigBee(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)を適用しても良いし、Wi‐Fi(登録商標)等のIEEE802.11無線を適用しても良い。また、通信部19は、これら非接触通信ではなく、バス接続などの有線通信を行っても良い。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22およびRAM(Random Access Memory)23から成る。CPU21は、中央処理装置であり、各種演算処理を行う。ROM22は、CPU21が各種演算処理を行うための制御プログラムを記憶し、RAM23は、CPU21が各種演算処理を行う際のワークエリアとして用いられる。
【0031】
地図データベース24は、経路案内を行うための地図情報を記憶する。地点登録データベース25は、地点登録された地点登録情報を記憶するものであり、頻繁に行く場所や過去に目的地設定された場所などが登録される。なお、本実施形態の車載機器10は、特定の場所(自分の会社や学校、自宅など)を他の登録地点と差別化して登録しておくことができるようになっており、当該特定の場所を、以下「所定登録地点」と称する。
【0032】
電源ボタン26は、車載機器10の動作をON・OFFするための操作子である。なお、電源ボタン26は車両エンジンスタートキーの位置(例:アクセサリーON)と連動しON・OFFされてもよい。また、車載機器10の電源は車両のバッテリーと直接接続されており、エンジンやエンジンキーの状態に関係なく通電されている。なお、以下の説明において、「エンジン停止」とは、車両のエンジン停止状態を指すものであり、車載機器10の動作停止状態を指すものではない。つまり、車載機器10は、車両からのエンジン停止信号を受けて、シャットダウン処理を行い、その後動作停止状態に移行する。同様に、電源ボタン26によりOFF操作が行われた場合も、シャットダウン処理を行った後、動作停止状態に移行する。
【0033】
次に、図2を参照し、車載機器10および携帯機器30から成る経路誘導システムSYの機能構成について説明する。携帯機器30は、主な機能構成として、目的地設定手段310(目的地設定機能)、経路誘導手段320(経路誘導機能)および通信手段330を有している。
【0034】
目的地設定手段310は、経路誘導の目的地(以下、「最終目的地」とも称する)を設定するものである。なお、設定した目的地は、目的地情報として、車載機器10に送信することができる。これにより、運転者は乗車前に携帯機器30を用いて目的地情報を設定しておくことができ、搭乗後、当該目的地情報を車載機器10に送信することで、搭乗直後に経路誘導を開始させることができるといった利点がある。なお、車載機器10に送信する目的地情報は、任意の地点を示す緯度・経度情報そのものではなく、施設名や電話番号などであっても良い。
【0035】
経路誘導手段320は、目的地設定手段310により設定された目的地への経路誘導を行うためのものである。この場合、経路誘導は、経路案内情報の表示および/または経路案内情報の音声出力により行われる。したがって、経路誘導手段320は、表示手段および音声出力手段を含む概念である。なお、経路誘導手段320は、車載機器10から送信された目的地情報に基づく目的地への経路誘導も可能である。詳細については、後述する。
【0036】
通信手段330は、車載機器10との情報の入出力(送受信)を行うためのものであり、主に目的地情報の送受信や、到着確認情報(携帯機器30の所持者が実際に目的地に到着したことを示す情報)の送信に用いられる。なお、到着確認情報は、携帯機器30が、GPS受信機等によって取得した現在位置情報に基づいて、車載機器10から受信した目的地情報により特定される目的地に実際に到着したと判定した場合に、送信されるものとする。
【0037】
続いて、車載機器10側の機能構成について説明する。車載機器10は、主な機能構成として、目的地設定手段110、所定距離決定手段120、経路誘導手段130、目的地情報送信手段140、起動命令送信手段150、到着確認情報受信手段160、目的地情報受信手段170、停止命令送信手段180、地図情報記憶手段210、周辺情報検索手段220、現在位置情報取得手段230、離間距離判別手段240、所定施設判別手段250、地点登録情報記憶手段260、連携選択手段270および所定登録地点判別手段280を有している。
【0038】
目的地設定手段110は、経路誘導の目的地(最終目的地)を設定するものであり、制御部20、ディスプレイ14、スピーカー15、リモコン17およびマイク18を主要構成要素とする。目的地設定手段110により設定した目的地を示す目的地情報は、上記の通り、携帯機器30に送信することが可能である。また、目的地設定手段110は、携帯機器30から受信した目的地情報に基づいて、目的地を設定することも可能である。
【0039】
所定距離決定手段120は、携帯機器30に対して目的地情報を送信する送信条件の一つである「離間距離」を判別するための所定距離Xを決定するものであり、制御部20を主要構成要素とする。本実施形態の車載機器10は、目的地までの車両移動が困難な場合を想定して、経路誘導が中断されたとき、携帯機器30に対して目的地情報を送信する(目的地までの残りの経路の経路誘導を指令する)。但し、休憩のために車両停止した場合には、むやみに携帯機器30に対して経路誘導を指令しないようになっている。したがって、休憩のための車両停止か、目的地までの車両移動が困難なことによる車両停止かを、停車位置が目的地から所定距離Xを超えるか否かによって判定している。
【0040】
ここで、所定距離決定手段120は、周辺情報検索手段220(主要構成要素:制御部20)の検索結果に基づいて、所定距離Xを決定する。つまり、周辺情報検索手段220は、後述する経路誘導手段130により決定された駐車位置(以下「カーナビ目的地」とも称する)の決定に伴って、当該駐車位置の周辺情報を、地図情報記憶手段210(主要構成要素:地図データベース24)に記憶された地図情報から検索する。具体的には、地図情報から、カーナビ目的地の周辺における駐車場(駐車施設)の分布状況を検索し、所定距離決定手段120は、その分布が広範囲に渡る場合、長い所定距離を決定する。また、駐車場の分布がカーナビ目的地近辺に集中している場合は、短い所定距離を決定する。なお、所定距離Xの決定方法の詳細については、図4を参照して後述する。また、「カーナビ目的地」とは、任意の地点を示す緯度・経度情報そのものだけでなく、マップコード、住所、電話番号など、間接的に任意の地点を特定できる情報を指す。
【0041】
経路誘導手段130は、目的地設定手段110(または携帯機器30側の目的地設定手段310)により設定された目的地に対応する駐車位置をカーナビ目的地として決定し、当該カーナビ目的地までのルート探索および車両の経路誘導(経路誘導表示および音声案内)を行うものであり、GPS受信機11、自立航法センサ13、ディスプレイ14、スピーカー15、制御部20および地図データベース24を主要構成要素とする。なお、経路誘導手段130が決定するカーナビ目的地(駐車位置)は、目的地設定手段110により設定された最終目的地と紐付けされた位置でも良いし、目的地設定手段110により設定された最終目的地そのものであっても良い。なお、経路誘導手段130は、車両の経路誘導中における、車載機器10の電源オフ操作(電源ボタン26の押下)、または車両のエンジン停止をトリガとして、経路誘導を中断する。
【0042】
目的地情報送信手段140は、目的地設定手段110により設定された目的地を示す目的地情報を携帯機器30に送信するものであり、制御部20および通信部19を主要構成要素とする。なお、以下に示す起動命令送信手段150、到着確認情報受信手段160、目的地情報受信手段170および停止命令送信手段180についても、制御部20および通信部19を主要構成要素とする。目的地情報送信手段140は、4つの送信条件を満たした場合、目的地情報を送信する。4つの送信条件とは、「離間距離」、「所定施設」、「所定登録地点」および「連携処理」である。
【0043】
まず、送信条件「離間距離」について説明する。目的地情報送信手段140は、離間距離判別手段240(主要構成要素:制御部20)により、車両の現在位置とカーナビ目的地との離間距離が所定距離X以内であると判別された場合に、携帯機器30に対して目的地情報を送信する。ここで、離間距離判別手段240は、経路誘導手段130による車両の経路誘導が中断されたときに、車両の現在位置とカーナビ目的地との離間距離が、所定距離決定手段120により決定された所定距離X以内であるか否かを判別するものである。なお、現在位置は、現在位置情報取得手段230(主要構成要素:GPS受信機11)により取得した現在位置情報に基づいて特定される。
【0044】
続いて、送信条件「所定施設」について説明する。目的地情報送信手段140は、所定施設判別手段250(主要構成要素:制御部20)の判別結果に基づいて、経路誘導が中断された時点における現在位置(現在位置情報取得手段230により取得した現在位置情報に基づく)が所定施設内ではない場合に、目的地情報を送信する。ここで、所定施設判別手段250は、経路誘導手段130による車両の経路誘導が中断されたときに、車両の現在位置が所定施設内であるか否かを判別するものである。なお、所定施設とは、サービスエリアや道の駅など、主に運転休憩を目的として利用される休憩施設を指す。つまり、車両の経路誘導が中断された時点の現在位置がサービスエリアの場合、サービスエリアをカーナビ目的地とすることは少ないため、そのような施設内で車両の経路誘導が中断された場合は、休憩であると判定して、目的地情報を送信しない。したがって、目的地の近くで(カーナビ目的地から所定距離X以内で)サービスエリアに立ち寄った場合でも、携帯機器30に無駄な情報(目的地情報)が送信されることがないため、便利である。
【0045】
続いて、送信条件「所定登録地点」について説明する。目的地情報送信手段140は、所定登録地点判別手段280(主要構成要素:制御部20)の判別結果に基づき、カーナビ目的地が、予め登録された所定登録地点以外の場合に、目的地情報を送信する。つまり、所定登録地点判別手段280は、カーナビ目的地が予め登録された所定登録地点の場合、車載機器10を携帯機器30と連係動作しない通常動作へ移行させるようになっている。カーナビ目的地が所定登録地点であるか否かは、地点登録情報記憶手段260(主要構成要素:地点登録データベース25)の参照結果に基づく。つまり、所定登録地点(自分の学校や会社または自宅などの特定の場所)については、それらの場所まで携帯機器30による経路誘導が必要となる状況は考え難い。したがって、自宅等の近くで(カーナビ目的地から所定距離X以内で)経路誘導を中断した場合は、携帯機器30に目的地情報が送信されることがないため、便利である。
【0046】
続いて、送信条件「連携処理」について説明する。目的地情報送信手段140は、連携選択手段270(主要構成要素:制御部20、ディスプレイ14、スピーカー15、リモコン17およびマイク18)により連携処理を行うことが選択された場合のみ、目的地情報を送信する。ここで、連携選択手段270は、目的地設定手段110による目的地設定後、または目的地情報受信手段170による目的地情報の受信後に、携帯機器30との連携処理を行うか否かの選択をユーザに促すための選択画面をディスプレイ14に表示したり、スピーカー15から選択情報を出力したりするものである。図3は、その選択画面の一例を示す図である。ユーザは、選択画面に表示された2つのアイコン51,52から、リモコン17やマイク18を用いていずれかを選択することにより、携帯機器30との連携処理を行うか否かを選択する。なお、連携選択手段270は、目的地設定(カーナビ目的地決定)後ではなく、環境設定等において、予め連携処理の有無を設定しておくことも可能である。
【0047】
また、目的地情報送信手段140は、車両の経路誘導を終了したとき、カーナビ目的地が最終目的地と一致するか否かを判別し、一致しない場合は、上記の通り、4つの送信条件を満たした場合に、目的地情報を送信する。なお、本実施形態では、目的地情報を送信する際、車両の経路誘導が中断された時点の現在位置を示す現在位置情報も送信する。これにより、携帯機器30の誘導にしたがって目的地まで到着したユーザが、車両まで戻るときに道に迷ったり、駐車位置を忘れて車両を探し回ったりするといった問題がない。
【0048】
また、車載機器10が携帯機器30に目的地情報を送信した後、車載機器10は経路誘導を終了するようにしてもよい。目的地情報が携帯機器30へ送信された場合、目的地へは所持者が車両を用いずに移動するため、車載機器10側における経路誘導が不要となる。このような場合、自動的に経路誘導を終了することで、経路誘導を手動で解除する手間を省くことができ、携帯機器30との連携による経路誘導の利便性を高めることができる。
【0049】
起動命令送信手段150は、目的地情報送信手段140による目的地情報の送信前に、携帯機器30に対して、経路誘導手段320の起動命令(経路誘導アプリケーションの起動命令)を送信するものである。なお、携帯機器30が電源OFF状態である可能性もあるため、経路誘導手段320の起動命令と共に、携帯機器30を電源ON状態とするための動作起動命令を送信しても良い。
【0050】
到着確認情報受信手段160は、携帯機器30から、目的地(最終目的地)に到着した旨を示す到着確認情報を受信するものである。なお、上記の経路誘導手段130は、到着確認情報受信手段160による到着確認情報を受信した場合、車両の経路誘導を終了する。以下の説明では、電源ON後、経路誘導中であると判別した場合に到着確認命令を送信するものとする(図5のS04参照)。
【0051】
なお、携帯機器30は、到着確認情報に、到着した場所(目的地)に関する情報を含めて送信するようにしても良い。この構成によれば、車載機器10側で複数の目的地(経由地)が設定されている場合、その目的地までの経路誘導を終了し、その他の目的地については、経路誘導を続行することができる。
【0052】
目的地情報受信手段170は、携帯機器30から目的地情報を受信するものである。また、停止命令送信手段180は、目的地情報受信手段170による目的地情報の受信に伴い、携帯機器30に対して、経路誘導手段320の停止命令を送信するものである。つまり、携帯機器30から車載機器10に対して目的地情報が送信されるということは、携帯機器30側での経路誘導が不要になったと考えられるため、目的地情報の受信に伴って経路誘導手段320の停止命令を携帯機器30に送信することで、携帯機器30側で経路誘導機能を停止させるためのユーザの手間を省くことができる。
【0053】
次に、図4を参照し、所定距離Xの決定方法の詳細について説明する。同図は、所定の単位距離(100〔m〕)毎に駐車場の数を検出した結果を3つのパターンで示したものである。例えば、<駐車場分布パターン1>の場合、カーナビ目的地(駐車位置)から半径100〔m〕以内の範囲に、3つの駐車場が存在し、カーナビ目的地から半径200〔m〕以内の範囲には、100〔m〕以内の3つの駐車場に加え、6つの駐車場が存在することを示している。また、同図の例では、半径100〔m〕から半径900〔m〕までの検出結果を示している。
【0054】
ここで、所定距離Xの決定方法であるが、まず駐車場の数が最小となる距離の一つ前の距離を所定距離Xとして決定する。<駐車場分布パターン1>の場合、駐車場の数が最小(この場合「0」)となる距離は、500〔m〕であるから、所定距離Xは、400〔m〕となる。
【0055】
また、駐車場の数が最小となる距離が存在しない場合は、最大距離を所定距離Xとして決定する。つまり、<駐車場分布パターン2>の場合、所定距離Xは、900〔m〕となる。
【0056】
さらに、駐車場の数が最小となる距離がカーナビ目的地付近(例えば、距離300〔m〕以内)の場合、その距離は基準とせず、カーナビ目的地から一定距離(400〔m〕)離れた検出結果から最大距離900〔m〕の検出結果の間で、駐車場の数が最小となる距離を検索し、最小となる距離の一つ前の距離を所定距離Xとして決定する。つまり、<駐車場分布パターン3>の場合、所定距離Xは、600〔m〕となる。
【0057】
なお、上記の例では、駐車場の数の最小値を「0」としたが、駐車場の数の最小値を、1以上として判断しても良い。この場合、<駐車場分布パターン1>の例では、所定距離X=300〔m〕、<駐車場分布パターン3>の例では、所定距離X=500〔m〕となる。
【0058】
次に、図5および図6のフローチャートを参照し、車載機器10の動作を説明する。図5に示すように、車載機器10は、電源ボタン26による操作、若しくは車両のエンジン始動により、電源ON状態になると(S00)、携帯機器30が接続されているか否か(通信が確立されているか否か)を判別する(S01)。携帯機器30が接続されていない場合は(S01:No)、通常動作(車載機器10単体による動作)へ移行する(S02)。
【0059】
また、携帯機器30が接続されている場合は(S01:Yes)、経路誘導中であるか否かを判別する(S03)。経路誘導中である場合は(S03:Yes)、携帯機器30に対して、目的地到着確認命令を送信する(S04)。当該目的地到着確認命令は、車載機器10が電源OFF状態の間に、携帯機器30が目的地に到着している可能性があるため、目的地に到着したことを示す到着確認情報の受信を確認するために送信するものである。目的地到着確認命令を送信した結果、目的地に到着していることを確認した場合は(S05:Yes)、経路誘導を終了する(S06)。
【0060】
一方、S03において経路誘導中でないと判別した場合は(S03:No)、携帯機器30に対し、目的地情報確認命令を送信する(S07)。当該目的地情報確認命令は、携帯機器30が目的地情報を保持しており、当該目的地情報の転送予約を行っているか否かを確認するために送信するものである。目的地情報確認命令を送信した結果、目的地情報を受信した場合は(S08:Yes)、携帯機器30に対して、経路誘導手段320の停止命令を送信する(S09)。また、目的地情報を受信しなかった場合は(S08:No)、車載機器10側で目的地設定を行う(S11)。
【0061】
目的地情報の受信、または目的地設定が行われると、目的地検索を行い、車載機器10の目的地であるカーナビ目的地を決定する(S10)。このとき、目的地の最寄りの駐車場などをカーナビ目的地として決定してもよい。つまり、目的地によっては、設定された目的地そのものではなく、目的地に併設された駐車場を車載機器10の目的地として設定する場合もあるため、S10の工程が必要となる。また目的地に併設された駐車場をカーナビ目的地として設定しない場合は、S08で受信した目的地又はS11で設定した目的地をカーナビ目的地として決定する。
【0062】
カーナビ目的地を決定すると、図6に示すように、カーナビ目的地が、所定登録地点であるか否かを判別する(S20)。ここで、カーナビ目的地が、所定登録地点である場合は(S20:Yes)、通常動作へ移行する(S24)。また、カーナビ目的地が、所定登録地点でない場合は(S20:No)、カーナビ目的地の周辺検索を行い(S21)、所定距離Xを決定する(S22)。周辺検索は、地図データベース24内の地図情報を参照することにより行い、具体的には駐車場の分布を検出する。
【0063】
所定距離Xを決定すると(S22)、携帯機器30との連携処理を希望するか否かをユーザに選択させる(S23)。ここで、希望しないと選択された場合は(S23:No)、通常動作へ移行する(S24)。また、希望すると選択された場合は(S23:Yes)、経路誘導を開始する(S25)。
【0064】
その後、車両のエンジン停止等により経路誘導が中断されると(S26:Yes)、カーナビ目的地に到着したか否かを判別する(S27)。ここで、カーナビ目的地に到着した場合は(S27:Yes)、経路誘導を終了する(S28)。また、カーナビ目的地に到着していない場合は(S27:No)、現在位置がサービスエリア等の所定施設であるか否かを判別する(S30)。さらに、現在位置が所定施設でない場合は(S30:No)、カーナビ目的地から、所定距離X〔m〕以内であるか否かを判別する(S31)。ここで、現在位置が所定施設である場合(S30:Yes)、並びに、カーナビ目的地から所定距離X〔m〕以内でない場合は(S31:No)、目的地情報等の送信を行うことなく、通常のシャットダウン処理を行って、車載機器10を電源OFF状態(動作停止状態)とする(S35)。
【0065】
一方、カーナビ目的地に到着して経路誘導を終了した場合(S27:Yes,S28)、カーナビ目的地が目的地(S08,S11の目的地)であるかどうか判別する(S29)。カーナビ目的地が目的地である場合は(S29:Yes)、それ以上経路誘導の必要は無いので、目的地情報等の送信を行うことなく、通常のシャットダウン処理を行って、車載機器10を電源OFF状態(動作停止状態)とする(S35)。一方、カーナビ目的地が目的地(S08,S11の目的地)でない場合(S29:No)、若しくは、現在位置が所定施設ではなく(S30:No)且つカーナビ目的地から所定距離X〔m〕以内の場合は(S31:Yes)、携帯機器30に対して、経路誘導手段320の起動命令を送信する(S32)。その後、携帯機器30に対して、現在位置情報(駐車場など)を送信し(S33)、さらに目的地情報(この場合は、S08,S11の目的地を示す情報)を送信して(S34)、通常のシャットダウン処理を行った後、車載機器10を電源OFF状態(動作停止状態)とする(S35)。
【0066】
次に、図7および図8を参照し、車載機器10と携帯機器30との連携処理について説明する。なお、車載機器10の動作については図5および図6のフローチャートにて説明したため、ここでは車載機器10および携帯機器30間における情報の授受と、携帯機器30の動作を中心に、シーケンス図を用いて説明する。また、図7および図8において、車載機器10の動作を示す工程番号の括弧書き(S**)は、図5および図6に示したフローチャートの対応する工程番号を指す。また、シーケンス図の各工程を示す矩形枠のうち角丸のものは、ユーザによる操作を伴う工程であることを示している。
【0067】
図7に示すように、車両のエンジン始動により車載機器10が電源ON状態となると(S41)、携帯機器30の接続を確認し(S42)、接続されている場合は(S42:Yes)、経路誘導中であるか否かを判別する(S43)。ここで、経路誘導中でない場合は(S43:No)、携帯機器30に対して目的地情報確認命令を送信する。これに対し、携帯機器30が設定した目的地情報を送信すると、車載機器10は、携帯機器30に対して経路誘導機能の停止命令を送信する。その後、携帯機器30は、経路誘導機能(経路誘導手段320)を停止する(S51)。
【0068】
車載機器10は、携帯機器30から受信した目的地情報に基づいて、目的地検索を行い、その検索結果に基づいてカーナビ目的地を決定する(S44)。その後、経路誘導を開始し(S45)、エンジン停止となるまで(経路誘導が中断されるまで)、走行および経路誘導を続行する。エンジン停止を検知すると(S46)、目的地情報の送信条件が成立しているか否かを判別し(S47)、送信条件が成立している場合は(S47:Yes)、図8に示すように、携帯機器30に対して経路誘導機能の起動命令を送信する。
【0069】
携帯機器30は、車載機器10からの起動命令の受信により、経路誘導機能を起動し(S52)、車載機器10からの現在位置情報の受信により、現在位置情報を帰着地点として保存し(S53)、車載機器10からの目的地情報の受信により、目的地を保存する(S54)。車載機器10は、これらの情報の送信後、電源OFF状態となる(S48)。携帯機器30は、目的地を保存した後、当該目的地への経路誘導を開始する(S55)。なお、本実施例では携帯機器30が経路誘導機能を有することを想定しているが、必ずしもその必要はない。例えば携帯機器30は車載機器10から受信した目的地情報を単に表示し、所持者は表示された目的地情報に基づいて目的地まで移動しても良い。ここで言う「目的地情報」とは、例えば帰着地点(駐車位置)と最終目的地とが表示された地図を指す。
【0070】
携帯機器30の所持者が、経路誘導にしたがって移動(歩行)し、最終的に目的地に到着すると、携帯機器30は、目的地に到着した旨を示す到着確認情報を携帯機器30内部に保存し(S56)、経路誘導を終了する。なお、到着確認情報は、車載機器10起動時に到着確認を行った際(図5のS05参照)に受信可能である。
【0071】
なお、図7および図8に示したシーケンス図では、携帯機器30側で設定された目的地情報に基づいて、車載機器10側で経路誘導を行っているが、この場合、経路誘導が中断した際(エンジン停止の際)の、車載機器10による情報送信は、現在位置情報のみとしても良い。つまり、携帯機器30側で目的地情報を保存しておくことで、経路誘導が中断した際の目的地情報の送信を省略しても良い。
【0072】
以上説明したとおり、本実施形態の経路誘導システムSYによれば、車載機器10側で経路誘導が中断されたとき、車両の現在位置とカーナビ目的地(駐車位置)との離間距離が、当該カーナビ目的地に応じて決定された所定距離X以内であるか否かを判別し、所定距離X以内である場合に、携帯機器30に対して目的地情報を送信するため、目的地情報の送信が必要であるか否かを、カーナビ目的地に応じて適切に判定することができる。これにより、例えば観光地など駐車場の分布が広範囲に広がるようなカーナビ目的地であれば、所定距離Xを長くし、都心部など駐車場の分布が目的地近辺に限られるカーナビ目的地であれば、所定距離Xを短くすることで、携帯機器30との連携による経路誘導の利便性を高めることができる。
【0073】
また、車載機器10は、携帯機器30から到着確認情報を受信した場合、自動的に経路誘導を終了するため、車載機器10側における経路誘導を終了させるためのユーザ操作を省略することができる。これにより、携帯機器30との連携による経路誘導の利便性をさらに高めることができる。
【0074】
なお、上記の実施形態では、地図情報からカーナビ目的地周辺における駐車場の分布状況を検索し、その検索結果に基づいて、所定距離Xを決定したが、カーナビ目的地から最寄りの駐車場までの距離に応じて所定距離Xを決定したり、カーナビ目的地から一定距離以内に存在する駐車場の数に応じて所定距離Xを決定したりするなど、その決定方法は任意である。
【0075】
また、地図情報から目的地周辺を検索するのではなく、予めカーナビ目的地毎に所定距離Xを定めておいても良い。この場合、図2に示した機能構成における周辺情報検索手段220に代えて、カーナビ目的地として決定可能な各地点と、所定距離として用いるための距離情報と、をそれぞれ関連付けて記憶した距離情報記憶手段(図示省略)を備え、所定距離決定手段120は、カーナビ目的地の決定に伴って、距離情報記憶手段を参照し、当該カーナビ目的地に関連付けられた距離情報に基づいて、所定距離を決定することとなる。この構成によれば、所定距離をデータベース化しておくことができるため、容易に(カーナビ目的地の周辺検索などを行うことなく)、カーナビ目的地に応じた適切な長さの所定距離を決定することができる。なお、カーナビ目的地の決定に伴って所定距離を決定するのではなく、経路誘導が中断された時点で距離情報記憶手段を参照して、所定距離を決定するようにしても良い。
【0076】
また、上記の距離情報記憶手段を、外部装置(車載機器10と通信可能に構成されたサーバ)に備えておいても良い。この場合、車載機器10から外部装置に対して駐車位置を送信すると、外部装置は当該駐車位置に関連付けられた距離情報を距離情報記憶手段から読み出し、車載機器10に送信する。車載機器10(所定距離決定手段120)は、外部装置から取得した距離情報に基づいて、所定距離を決定する。この構成によれば、車載機器10内に距離情報記憶手段を備える必要がないため、車載機器10の装置構成の簡素化および低廉化を図ることができる。また、外部装置で距離情報記憶手段を一括管理できるため、更新処理が容易である。
【0077】
また、上記の実施形態では、車載機器10における経路誘導の中断に伴い、送信条件を満たした場合のみ、携帯機器30に対して目的地情報を送信するものとしたが、車載機器10に対するユーザの操作により任意のタイミングで目的地情報を送信できるようにしても良い。また、携帯機器30におけるユーザの操作によっても車載機器10から目的地情報を送信できるようにしても良い。この場合、携帯機器30は車載機器10に対して、目的地情報の送信要求を送信する。車載機器10は、当該送信要求に対して、そのとき経路誘導を行っている目的地を示す目的地情報を送信する。
【0078】
また、上記の実施形態では、特定の場所として登録された場所(自分の会社や学校、自宅など)を、所定登録地点とするものとしたが、頻繁に訪れる場所(例えば、過去所定回数以上目的地設定したことがある場所)を学習して、自動的に所定登録地点として登録できるようにしても良い。また、過去に連携処理をキャンセルされたことがあるカーナビ目的地(図6のS23参照)を記憶しておき、当該カーナビ目的地を所定登録地点として登録しておくようにしても良い。
【0079】
また、上記の実施形態では、携帯機器30が、GPS受信機等によって取得した現在位置情報と、車載機器10から受信した目的地情報と、に基づいて、実際に目的地に到着したことを判定した場合、車載機器10に対して、到着確認情報を送信するものとしたが、携帯機器30の所持者が所定の操作(例えば、到着確認ボタンの押下)を行うことで到着確認情報を送信するようにしても良い。この場合、携帯機器30は、実際に目的地に到着したか否かに関わらず、ユーザによる所定の操作が行われた場合に、目的地に到着したと判定する。したがって、携帯機器30の所持者は、実際に目的地に到着していなくても、車両に戻った後の車載機器10による経路誘導が不要と判断した場合は、所定の操作を行うことで、車載機器10側の経路誘導を終了させることができるため、便利である。
【0080】
また、上記の実施形態では、車載機器10が、携帯機器30から到着確認情報を受信した場合、自動的に経路誘導を終了させるものとしたが、逆に、携帯機器30が、車載機器10から到着確認情報を受信した場合も、携帯機器30側における経路誘導機能を終了させるようにしても良い。この構成によれば、携帯機器30から車載機器10に目的地情報を送信して、経路誘導を引き継いだ場合でも、携帯機器30側の経路誘導機能を終了させるユーザの手間を省くことができる。
【0081】
なお、上記の実施形態に示した車載機器10や携帯機器30における各構成要素をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを記録媒体(図示省略)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピュータを、車載機器10や携帯機器30の各構成要素として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれるものである。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載機器の制御ブロック図である。
【図2】経路誘導システムの機能ブロック図である。
【図3】連携処理の要否を選択するための選択画面の一例を示す図である。
【図4】駐車場の分布状況に基づく所定距離の決定方法の一例を示す図である。
【図5】車載機器の動作を示すフローチャートである。
【図6】図5に続くフローチャートである。
【図7】車載機器と携帯機器との連携処理を示すシーケンス図である。
【図8】図7に続くシーケンス図である。
【符号の説明】
【0083】
10…車載機器 11…GPS受信機 12…アンテナ 13…自立航法センサ 14…ディスプレイ 15…スピーカー 16…リモコン受光器 17…リモコン 18…マイク 19…通信部 20…制御部 21…CPU 22…ROM 23…RAM 24…地図データベース 25…地点登録データベース 26…電源ボタン 28…接続バス 30…携帯機器 SY…経路誘導システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地を設定する目的地設定手段と、
前記目的地に対応する駐車位置まで、車両の経路誘導を行う経路誘導手段と、
前記目的地を示す目的地情報を、携帯機器に送信する目的地情報送信手段と、
前記携帯機器から、前記目的地に到着した旨を示す到着確認情報を受信する到着確認情報受信手段と、を備え、
前記経路誘導手段は、前記目的地情報を送信した場合、若しくは前記到着確認情報を受信した場合、前記駐車位置までの前記車両の経路誘導を終了することを特徴とする車載機器。
【請求項2】
前記目的地情報送信手段は、前記車両の経路誘導の中断に伴って、前記目的地情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項3】
前記目的地情報送信手段による前記目的地情報の送信前に、前記携帯機器に対して、人間の経路誘導機能の起動命令を送信する起動命令送信手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項4】
前記携帯機器は、目的地を設定する目的地設定機能をさらに有しており、
前記携帯機器から、前記目的地設定機能により設定された目的地情報を受信する目的地情報受信手段と、
前記目的地情報の受信に伴い、前記携帯機器に対して、前記経路誘導機能の停止命令を送信する停止命令送信手段と、をさらに備え、
前記目的地設定手段は、受信した前記目的地情報に基づいて、前記目的地を設定することを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項5】
前記携帯機器との連携処理を行うか否かを選択する連携選択手段をさらに備え、
前記目的地情報送信手段は、前記連携選択手段により前記連携処理を行うことが選択された場合に、前記目的地情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項6】
現在位置を示す現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段をさらに備え、
前記目的地情報送信手段は、前記車両の経路誘導が中断された時点の前記現在位置と前記駐車位置との離間距離が、所定距離以内である場合に、前記目的地情報を送信することを特徴とする請求項2に記載の車載機器。
【請求項7】
前記目的地情報送信手段は、前記目的地情報と共に、前記車両の経路誘導が中断された時点の前記現在位置を示す現在位置情報を送信することを特徴とする請求項6に記載の車載機器。
【請求項8】
前記経路誘導手段は、前記車両の経路誘導中における、車載機器の電源オフ操作、または前記車両のエンジン停止をトリガとして、前記経路誘導を中断し、
前記目的地情報送信手段は、前記電源オフ操作または前記エンジン停止を起因とする車載機器の動作停止前に、前記目的地情報を送信することを特徴とする請求項2に記載の車載機器。
【請求項9】
前記目的地情報送信手段は、前記駐車位置が、予め登録された所定登録地点以外の場合に、前記目的地情報を送信することを特徴とする請求項2に記載の車載機器。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の車載機器と、前記携帯機器と、から成ることを特徴とする経路誘導システム。
【請求項11】
人間の経路誘導を行う携帯機器と連携して、車両の経路誘導を行う車載機器の通信制御方法であって、
前記車載機器が、
目的地を設定するステップと、
前記目的地に対応する駐車位置まで、前記車両の経路誘導を行うステップと、
前記目的地を示す目的地情報を、前記携帯機器に送信するステップと、
前記携帯機器から、前記目的地に到着した旨を示す到着確認情報を受信するステップと、
前記目的地情報を送信した後、若しくは前記到着確認情報を受信した後、前記駐車位置までの前記車両の経路誘導を終了するステップと、を実行することを特徴とする車載機器の通信制御方法。
【請求項12】
コンピュータに、請求項11に記載の車載機器の通信制御方法における各ステップを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−60505(P2010−60505A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−228657(P2008−228657)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】