車載用ナビゲーション装置
【課題】駐車場においてユーザの嗜好に合った駐車スペースに案内することが可能な車載用ナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】駐車場に含まれる複数の駐車スペースのうち、ユーザが嗜好する駐車スペースを特定する情報である嗜好駐車スペース情報に基づいて、当該駐車場におけるユーザへの推奨駐車スペースを決定し、複数の駐車スペースが区画形成された駐車場の駐車スペースの駐車スペースレイアウト情報に基づいて推奨駐車スペースへの案内情報を出力することを特徴とする車載用ナビゲーション装置として提供可能である。
【解決手段】駐車場に含まれる複数の駐車スペースのうち、ユーザが嗜好する駐車スペースを特定する情報である嗜好駐車スペース情報に基づいて、当該駐車場におけるユーザへの推奨駐車スペースを決定し、複数の駐車スペースが区画形成された駐車場の駐車スペースの駐車スペースレイアウト情報に基づいて推奨駐車スペースへの案内情報を出力することを特徴とする車載用ナビゲーション装置として提供可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の走行に伴ってGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等により現在位置を検出し、その現在位置を表示装置上に道路地図と共に表示して、出発地から目的地までの適切な経路を設定し、表示装置や音声出力装置などによって案内する車載用ナビゲーション装置は、ユーザの効率的で安全な運転に貢献している。
【0003】
車載用ナビゲーション装置には、経路案内の他に様々な機能が備えられており、例えば、常設のカメラを用い駐車場の空車場所を特定しホストコンピュータで処理し、入庫した車両の車載用ナビゲーション装置に表示し、ユーザが自己の選択に基づいてスムーズに空きスペースに移動できるようにする駐車場誘導システムが考案されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−107844号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現状、郊外での大規模小売店の集客や、都心部においては事業営業の諸活動やモール街への集客、その他種々の目的のため立体駐車場や地下駐車場などが多数設けられていて車両利用者には必要不可欠のものとなっている。小売店や事業所、商店、等の利用その他個人の用事などを行うに当該駐車場はその利便性の提供に大きく寄与している。
【0006】
ところで、駐車場が空いていれば、各ユーザが最も好む駐車スペースをその都度目視判断によって容易に決定しそこへ駐車することができる。しかしながら、込み合っているときには、ユーザは空き駐車スペースを探すのに右往左往し、挙句の果てはその階、その区画エリアには「結局、空き場所がない」という状況や、或いは本当はもっと好ましい空き場所があるにもかかわらず探すのが面倒なため、「不本意な場所に駐車する」という状況が起こり得る。特に有料駐車場の場合は、空きスペースを探す時間または空きスペースがあっても、駐車スペースを選んでいる間はユーザ側への課金の対象の時間にもなっているので、益々「不本意な場所」にでも駐車せざるを得ないことも多い。
【0007】
また、運転技量が未熟のため、「駐車時の障害となる“支柱”等のない場所」等の駐車し易い場所を事前に知りたいというニーズもある。
【0008】
さらに「エレベータ等のエントランスの近く」、「他車に接触されにくい場所」や「遠くても空いていて広い駐車スペースが確保できる位置」等々、ユーザの好みも千差万別で、それら要求を満たす場所への誘導が望まれている。
【0009】
特許文献1の構成では、お気に入りの場所や複数回駐車した場所への誘導は全くなされず、単に空き場所の教示のみに留まっているので、上記のような問題を解決したり、ニーズに対応できる構成とはなっていない。
【0010】
上記問題を背景として、本発明の課題は、駐車場においてユーザの嗜好に合った駐車スペースに案内することが可能な車載用ナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0011】
上記課題を解決するための車載用ナビゲーション装置は、複数の駐車スペースが区画形成された駐車場の駐車スペースのレイアウト情報を取得する駐車スペースレイアウト情報取得手段と、駐車場に含まれる複数の駐車スペースのうち、ユーザが嗜好する駐車スペースを特定する情報である嗜好駐車スペース情報を記憶する嗜好駐車スペース情報記憶手段と、嗜好駐車スペース情報に基づいて当該駐車場におけるユーザへの推奨駐車スペースを決定する推奨駐車スペース決定手段と、駐車スペースレイアウト情報に基づいて推奨駐車スペースへの案内情報を出力する推奨駐車スペース情報案内出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
上記構成によって、ユーザは、「駐車し易い,出しやすい,当てられにくい,エントランスに近い」等々、ユーザの所望の駐車スペースに案内されるので、駐車したくない場所へ不本意に停めることもなくなり、利便性が向上する。また、駐車スペースを探し回って無駄に時間や燃料を費やすこともなくなる。
【0013】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、駐車場における各駐車スペースの空車情報を取得する空車情報取得手段を備え、推奨駐車スペース決定手段は、嗜好駐車スペース情報と空車情報とを比較し、その比較結果に基づいて推奨駐車スペースを決定するように構成することもできる。
【0014】
ユーザの好みの駐車スペースが必ず空いているというわけではない。また、既に車両が駐車している嗜好駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定することはユーザに対して何のメリットもない。上記構成によって、嗜好駐車スペースのうちで、空いている嗜好駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定できる。
【0015】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置における推奨駐車スペース決定手段は、比較結果において、嗜好駐車スペースのうち空車となっている空き嗜好駐車スペースを特定し、当該空き嗜好駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定するように構成することもできる。
【0016】
上記構成によって、嗜好駐車スペースのうちで、空いている嗜好駐車スペースへ案内することができ、「嗜好駐車スペースへ案内されたら既に車両が駐車していた」ということはなく、適確にユーザを空き嗜好駐車スペースへ誘導でき、ユーザが駐車場に入ってから駐車するまでの時間を短縮できる。
【0017】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置における推奨駐車スペース決定手段は、比較結果において嗜好駐車スペースが満車となっていた場合に、空車となっている駐車スペースの中から推奨駐車スペースを決定するように構成することもできる。
【0018】
上記構成によって、嗜好駐車スペースが満車となっていた場合でも、次善の駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定するように構成することもできる。
【0019】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、嗜好駐車スペース情報記憶手段において、複数の駐車スペースに対するユーザの嗜好度に応じた優先順位情報が記憶され、推奨駐車スペース決定手段は、優先順位において上位側に位置する一定数の駐車スペースが満車となっていた場合に、それら満車となっている駐車スペースに次いで優先順位が高く定められた空車駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定するように構成することもできる。
【0020】
上記構成によって、嗜好駐車スペース以外の駐車スペースにもその範疇内での優先順位を設定しておくと、嗜好駐車スペースや複数回駐車した駐車スペースが満車のときに、次善の推奨駐車スペースとして誘導されるので、嗜好駐車スペースが満車となっていた場合でも、駐車場所を探し回ることなく、駐車場に入ってから駐車するまでの時間を短縮できる。
【0021】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置における優先順位情報は、ユーザが駐車を忌避したい駐車スペースを特定する忌避駐車スペース特定情報を含むものであり、推奨駐車スペース情報決定手段は、優先順位において上位側に位置する一定数の駐車スペースが満車となっていた場合に、忌避駐車スペース以外の空車駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定するように構成することもできる。
【0022】
上記構成によって、ユーザの嗜好とは反して駐車を忌避したい駐車スペースは、次善の推奨駐車スペースには含まれないので、ユーザは安心して次善の推奨駐車スペースの案内に従って駐車することができる。
【0023】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、ユーザが優先順位をカスタマイズ設定するための、優先順位カスタマイズ設定手段を備えるように構成することもできる。
【0024】
上記構成によって、ユーザの嗜好に応じて優先順位を設定することができる。
【0025】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、嗜好駐車スペースを登録する嗜好駐車スペース情報登録手段を備えるように構成することもできる。
【0026】
上記構成によって、ユーザの嗜好に応じて嗜好駐車スペースを登録することができる。
【0027】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、車両の駐車場の各駐車スペースにおける駐車頻度を計数する駐車頻度計数手段と、嗜好駐車スペース情報登録手段は、計数された駐車頻度に基づいて前嗜好駐車スペースを決定し、登録するように構成することもできる。
【0028】
ユーザは、同一の駐車場であれば、決まった駐車スペースに停めることが多い。この、「決まった駐車スペース」が嗜好駐車スペースということになる。上記構成によって、ユーザが操作することなく嗜好駐車スペースを登録することが可能となる。
【0029】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、ユーザが嗜好駐車スペースを選択するための嗜好駐車スペース選択入力手段を備え、嗜好駐車スペース情報登録手段は、該嗜好駐車スペースの選択入力情報に基づいて嗜好駐車スペースを決定し、登録するように構成することもできる。
【0030】
上記構成によって、ユーザ自身の操作により嗜好駐車スペースを決定し、登録することが可能となる。そして、その登録された嗜好駐車スペースが推奨駐車スペースとして案内される。
【0031】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、レイアウト情報上にて各駐車スペースが、それら駐車スペースの位置に応じて予め定められた種別に分類され、嗜好駐車スペース情報記憶手段は、それら種別に分類した形で嗜好駐車スペース情報を記憶するものであり、推奨駐車スペース情報案内出力手段は、推奨駐車スペース情報を種別毎に出力するように構成することもできる。
【0032】
上記構成によって、駐車場のレイアウト情報を用いることで、ユーザは嗜好駐車スペースの位置を把握し易くなり、木目細かく推奨駐車スペース情報を案内することが可能となる。
【0033】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置における種別は、駐車スペースと周囲構造物との位置関係により分類されたものであるように構成することもできる。
【0034】
種別としては、「エントランス,施設への階段,エレベータ等の近傍」,「3台で1セクションの駐車区画での真中の位置のような、支柱等が邪魔になり車庫入れが手間取る場所を避けた場所」,「大型車、軽、等のように車種が指定されている場所」,「3台で1セクションの駐車区画であれば両端の位置のような、他の車両の車庫入れ時に接触されにくい場所」,「接触を避けるために、エントランスに遠くても、とにかく空いている場所」,「自分で見つけた広い・明るい場所」等が種別として挙げられる。上記構成によって、ユーザの所望の分類により推奨駐車スペースが決定・案内される。
【0035】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、車両の駐車場の各駐車スペースにおける駐車頻度を計数する駐車頻度計数手段を備え、嗜好駐車スペース情報登録手段は、計数された駐車頻度に基づいて嗜好駐車スペースを決定し、登録するものであって、種別は、駐車頻度により分類されたものであるように構成することもできる。
【0036】
上記構成によって、例えば駐車頻度の高い種別に含まれる駐車スペースを推奨駐車スペースとすることが可能となる。
【0037】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、車両の現在位置を検出する位置検出手段と、道路地図データを複数の駐車場の所在地情報とともに記憶する道路地図データ記憶手段とを備え、嗜好駐車スペース情報記憶手段は、複数の駐車場についての嗜好駐車スペース情報を、当該駐車場の所在地情報と対応付けて記憶するものであり、推奨駐車スペース情報案内出力手段は、現在位置情報と道路地図データとに基づいてユーザが駐車しようとしている駐車場を特定するとともに、当該特定された駐車場における推奨駐車スペースへの案内情報を出力するように構成することもできる。
【0038】
上記構成によって、ユーザが駐車場に入れば自動的に推奨駐車スペースへの案内情報が出力され、駐車場に入ってから駐車するまでの時間を短縮でき、ユーザの利便性が向上する。
【0039】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置における推奨駐車スペース情報案内出力手段は、駐車場側のカメラにより撮影された推奨駐車スペースの撮影画像を取得し、これを出力する推奨駐車スペース撮影画像出力手段を有するように構成することもできる。
【0040】
推奨駐車スペースである「空きスペース」が案内されたとしても、「空いている」状態までは把握できない。例えば、隣接する駐車スペースに車両が斜めに駐車していたり、隣接する駐車スペースの境界線ぎりぎりに車両が駐車している場合は、その車両の運転者は、運転技量が低いか周囲への配慮に欠けていると判断せざるを得ず、そのような運転者の車両の隣に駐車すると、ドアを当てられたり当て逃げをされたりという余計な心配をしなくてはならない。上記構成によって、推奨駐車スペースの周囲の状況を把握でき、より安心できる駐車スペースを選んで駐車することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の車載用ナビゲーション装置を、図面を参照しながら説明する。図1は車載用ナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置と略称)100の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は、位置検出器1,地図データ入力器6,操作スイッチ群7,リモートコントロール(以下リモコンと称する)センサ11,音声案内などを行う音声合成回路24,スピーカ15,メモリ9,表示器10,送受信機13,ハードディスク装置(HDD)21,LAN(Local Area Network) I/F(インターフェース)26,これらの接続された制御回路8,リモコン端末12等を備えている。
【0042】
位置検出器1は、周知の地磁気センサ2,車両の回転角速度を検出するジャイロスコープ3,車両の走行距離を検出する距離センサ4,および衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS受信機5を有している。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部のセンサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ例えば車速センサ23等を用いてもよい。なお、位置検出器1が本発明の位置検出手段に相当する。
【0043】
操作スイッチ群7は、例えば表示器10と一体になったタッチパネル22もしくはメカニカルなスイッチが用いられる。タッチパネル22は、表示器10の画面上にガラス基盤と透明なフィルムにスペーサと呼ばれる隙間を介してX軸方向、Y軸方向に電気回路が配線され、フィルム上をユーザがタッチすると、押された部分の配線がショートして電圧値が変わるため、これを2次元座標値(X,Y)として検出する、いわゆる抵抗膜方式が広く用いられる。その他に、周知のいわゆる静電容量方式を用いてもよい。メカニカルスイッチの他に、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。また、表示器10とその周辺を覆い意匠枠となるエスカッションに、操作スイッチ群7のうちのメカニカルスイッチを配置してもよい。
【0044】
また、マイク31および音声認識ユニット30を用いて種々の指示を入力することも可能である。これは、マイク31から入力された音声信号を、音声認識ユニット30において周知の隠れマルコフモデル等の音声認識技術により処理を行い、その結果に応じた操作コマンドに変換するものである。これら本発明の優先順位カスタマイズ設定手段,嗜好駐車スペース情報登録手段,嗜好駐車スペース選択入力手段,種別カスタマイズ手段に相当する、操作スイッチ群7,リモコン端末12,タッチパネル22,およびマイク31により、種々の指示を入力することが可能である。
【0045】
送受信機13は、例えば道路に沿って設けられた送信機(図示せず)から出力される光ビーコン、または電波ビーコンによってVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)センタ14から道路交通情報を受信、あるいはFM多重放送を受信するための装置である。また、送受信機13を用いてインターネット等の外部ネットワークに接続可能な構成としてもよい。
【0046】
また、ETC車載器17と通信することにより、ETC車載器17が路側器(図示せず)から受信した料金情報などをナビゲーション装置100に取り込むことができる。また、ETC車載器17によって外部ネットワークと接続し、VICSセンタ14等との通信を行う構成をとってもよい。
【0047】
制御回路8は通常のコンピュータとして構成されており、周知のCPU81,ROM82,RAM83,入出力回路であるI/O84,A/D変換部86,描画部87,時計IC88,およびこれらの構成を接続するバスライン85が備えられている。CPU81は、HDD21に記憶されたナビプログラム21pおよびデータにより制御を行う。また、HDD21へのデータの読み書きの制御はCPU81によって行なわれる。また、CPU81からHDD21に対してデータの読み書きの制御ができなくなった場合のために、ROM82にナビゲーション装置100として必要最低限の動作を行うためのプログラムを記憶しておいてもよい。なお、制御回路8が本発明の駐車スペースレイアウト情報取得手段,推奨駐車スペース決定手段,駐車頻度計数手段に相当する。
【0048】
A/D変換部86は周知のA/D(アナログ/デジタル)変換回路を含み、例えば位置検出器1などから制御回路8に入力されるアナログデータをCPU81で演算可能なデジタルデータに変換するものである。
【0049】
描画部87は、HDD21等に記憶された地図データ21m(後述),表示用のデータや表示色のデータから表示器10に表示させるための表示画面データを生成する。
【0050】
時計IC88はリアルタイムクロックICとも呼ばれ、CPU81からの要求に応じて時計・カレンダーのデータを送出あるいは設定するものである。CPU81は時計IC88から日時情報を取得する。また、GPS受信機5で受信したGPS信号に含まれる日時情報を用いてもよい。また、CPU81に含まれるリアルタイムカウンタを基にして日時情報を生成してもよい。日時情報は、例えば走行履歴を記憶する際に用いられる。
【0051】
HDD21には、ナビプログラム21pの他に位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む地図データベースである地図データ21mが記憶される。地図データ21mは、表示用となる所定の地図画像情報を記憶するとともに、リンク情報やノード情報等を含む道路網情報を記憶する。リンク情報は、各道路を構成する所定の区間情報であって、位置座標、距離、所要時間、道幅、車線数、制限速度等から構成される。また、ノード情報は、交差点(分岐路)等を規定する情報であって、位置座標、右左折車線数、接続先道路リンク等から構成される。また、リンク間接続情報には、通行の可不可を示すデータなどが設定されている。なお、地図データ21mが本発明の道路地図データ記憶手段に相当する。
【0052】
また、HDD21には経路案内の補助情報や娯楽情報、その他にユーザが独自にデータを書き込むことができ、ユーザデータ21uとして記憶される。また、ナビゲーション装置100の動作に必要なデータや各種情報はデータベース21dとしても記憶される。なお、データベース21dが本発明の嗜好駐車スペース情報記憶手段に相当する。
【0053】
ナビプログラム21p,地図データ21m,ユーザデータ21u,およびデータベース21dは、地図データ入力器6を介して記憶媒体20からそのデータの追加・更新を行うことが可能である。記憶媒体20は、そのデータ量からCD−ROMやDVDを用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。また、外部ネットワークを介してデータをダウンロードする構成を用いてもよい。
【0054】
メモリ9はEEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory:電気的消去・プログラム可能・読出し専用メモリ)やフラッシュメモリ等の書き換え可能なデバイスによって構成され、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、メモリ9は、ナビゲーション装置100がオフ状態になっても記憶内容が保持されるようになっている。また、メモリ9の代わりにナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをHDD21に記憶してもよい。さらに、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをメモリ9とHDD21に分けて記憶してもよい。
【0055】
表示器10は周知のカラー液晶表示器で構成され、ドット・マトリックスLCD(Liquid Crystal Display)およびLCD表示制御を行うための図示しないドライバ回路を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、画素毎にトランジスタを付けて目的の画素を確実に点灯させたり消したりすることができるアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、制御回路8から送られる表示指令および表示画面データに基づいて表示を行う。また、表示器10として有機EL(ElectroLuminescence:電界発光)表示器,プラズマ表示器を用いてもよい。なお、表示器10が本発明の推奨駐車スペース情報案内出力手段,推奨駐車スペース撮影画像出力手段に相当する。
【0056】
スピーカ15は周知の音声合成回路24に接続され、ナビプログラム21pの指令によってメモリ9あるいはHDD21に記憶されるデジタル音声データが音声合成回路24においてアナログ音声に変換されたものが送出される。なお、音声合成の方法には、音声波形をそのままあるいは符号化して蓄積しておき必要に応じて繋ぎ合わせる録音編集方式、文字入力情報からそれに対応する音声を合成するテキスト合成方式などがある。
【0057】
車速センサ23は周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号として制御回路8に送るものである。制御回路8では、その車輪の回転数を車両の速度に換算して、車両の現在位置から所定の場所までの予想到達時間を算出したり、車両の走行区間毎の平均車速を算出する。
【0058】
通信ユニット25は周知の無線送受信機として構成され、駐車場からの空車情報の取得や、インターネット等の公衆通信網と接続するために用いられる。また、通信ユニット25を携帯電話機等の携帯通信端末(図示せず)を接続してデータ通信を行うための、携帯通信端末と制御回路8との間のインターフェース回路として構成してもよい。なお、通信ユニット25が本発明の空車情報取得手段,駐車スペースレイアウト情報取得手段に相当する。
【0059】
LAN I/F26は車内LAN27を介して他の車載機器やセンサとのデータの遣り取りを行うためのインターフェース回路である。また、LAN I/F26を介して車速センサ23からのデータ取り込み、あるいはETC車載器17との接続を行ってもよい。
【0060】
このような構成を持つことにより、ナビゲーション装置100は、制御回路8のCPU81によりナビプログラム21pが起動されると、ユーザが操作スイッチ群7,タッチパネル22、リモコン端末12の操作あるいはマイク31からの音声入力によって、表示器10上に表示されるメニューから目的地経路を表示器10に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。
【0061】
すなわち、まず、ユーザは目的地を探索する。目的地の探索方法は、例えば、地図上の任意の地点を指定する方法、目的地の所在する地域から探索する方法,目的地の電話番号から探索する方法,五十音表から目的地の名称を入力して探索する方法,あるいはユーザがよく利用する施設としてメモリ9に記憶されているものから探索する方法などがある。目的地が設定されると、位置検出器1により車両の現在位置が求められ、該現在位置を出発地として目的地までの最適な案内経路を求める処理が行われる。そして、表示器10上の道路地図に案内経路を重ねて表示し、ユーザに適切な経路を案内する。このような自動的に最適な案内経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。また、表示器10およびスピーカ15の少なくとも一方によって、操作時のガイダンスや動作状態に応じたメッセージの報知を行う。
【0062】
図2を用いて推奨駐車スペース情報案内出力処理について説明する。なお、本処理はナビプログラム21pに含まれ、ナビプログラム21pの他の処理とともに繰り返し実行される。まず、車両が駐車場に接近したとき、この駐車場について推奨駐車スペース情報案内を行うかどうかのモード選択を行う。これは、操作スイッチ群7,リモコン端末12,タッチパネル22の操作、あるいはマイク31への音声入力により、表示器10に図9のようなモード設定画面を表示させ、推奨駐車スペース情報案内(図9では、「お気に入りの場所への案内」と表記)を行うかどうか設定するもので、設定内容はメモリ9あるいはHDD21の所定の領域に記憶される。また、その都度設定してもよい。推奨駐車スペース情報案内を行わない選択がなされている場合(S11:No)には、通常のナビゲーション表示が行われる(S14)。
【0063】
一方、推奨駐車スペース情報案内を行う選択がなされている場合(S11:Yes)には、当該駐車場に関する駐車スペースレイアウト情報を取得する(S12)。これは、予めデータベース21dに記憶されているものを用いてもよいし、通信ユニット25を介して駐車場から受信した駐車スペースレイアウト情報を用いてもよい。図5に駐車スペースレイアウトの一例を示す(詳細は後述)。
【0064】
駐車スペースレイアウト情報は、図3のように、駐車場名あるいは駐車場を含む施設名,およびその駐車場の所在地と関連付けて記憶されている。図6に駐車スペースレイアウト情報の内容の一例を示す(詳細は後述)。例えば、既にデータベース21dに、その駐車場の駐車スペースレイアウト情報が記憶されている場合はデータベース21d内のものを用い、記憶されていない場合は駐車場から駐車スペースレイアウト情報を取得してもよい。
【0065】
図2に戻り、当該駐車場から通信ユニット25を介して空車情報を取得する(S13)。空車情報を取得できない場合、すなわち、所定の時間を経過しても通信ユニット25で空車情報を受信できない場合には、例えば混雑率50%のような見なし混雑率を用いる。また、図9のようなモード設定画面で、ユーザが駐車場の状況を目視確認して混雑率を設定してもよい。
【0066】
次に、駐車スペースレイアウト情報(図6参照)に、嗜好駐車スペース(お気に入りの場所)が登録されているかを調べ、登録されていない場合(S15:No)には、駐車場が混雑しているかを判定する。これは、上記で取得あるいは設定された混雑率が予め定められる閾値を超えた場合に、駐車場が混雑していると判定するものである。駐車場が混雑している場合(S16:Yes)には、表示器10に、「ただ今、この駐車場は混雑しています」というようなメッセージを表示して混雑案内を実施する(S26)。スピーカ15から音声メッセージを送出してもよい。音声メッセージはデータベース21dにテキストデータとして記憶され、音声合成回路24において音声データに変換される。
【0067】
一方、駐車場が混雑していない場合(S16:No)には、駐車スペースレイアウト情報を参照して、過去に複数回駐車した駐車スペース(図2では、「場所」と表記)があるかどうかを調べる。過去に複数回駐車した駐車スペースがない場合(S17:No)には、駐車スペースに関する案内を実施しないか、あるいは、駐車スペースに駐車した時点で、「この駐車スペースをお気に入りに登録しますか?」というような、その駐車スペースを嗜好駐車スペース(図2では、「お気に入りの場所」と表記)に登録することを促すメッセージを表示器10に表示してもよい(S25)。
【0068】
また、上述のステップS25において、嗜好駐車スペースを以下のように、ユーザの操作を介さずに登録してもよい。この嗜好駐車スペース登録処理について、図13のフロー図を用いて説明する。まず、車両が駐車した駐車スペースの位置情報を、以下のいずれかの方法により取得する(S51)。
(1)位置検出器1から取得した車両の現在位置を駐車スペースの位置とする。
(2)ユーザが図示しないモード設定画面から図5のようなレイアウトを画面表示させ、駐車スペースの位置を選択する。
なお、車両が駐車したかどうかは、車速センサ23で検出される車速により判定する。
【0069】
次に、駐車スペースレイアウト情報(図6参照)において、取得された駐車スペースの位置における駐車頻度を更新する(S52)。そして、駐車頻度が予め定められる閾値を超えた場合(S53:Yes)に、その駐車スペースの位置を嗜好駐車スペース(図13では、「お気に入り場所」と表記)に登録する(S54)。なお、閾値はユーザが設定可能としてもよい。例えば、図9のモード設定画面で「駐車頻度閾値」ボタンを押下して回数を入力する。
【0070】
図2に戻り、ステップS15の判定において、嗜好駐車スペース(お気に入りの場所)が登録されている場合(S15:Yes)、あるいは、ステップS17の判定において、過去に複数回駐車した駐車スペース(場所)がある場合(S17:Yes)には、上記で取得した空車情報から、その嗜好駐車スペースあるいは複数回駐車した駐車スペースが空いているかどうかを調べる。そして、該当する駐車スペースが空いていない場合(S18:No)には、表示器10に図12のような画面が表示されるので、ユーザは、他の空き駐車スペースへの案内を要求するどうかを選択する。
【0071】
図12の表示画面で、「自分で探す」ボタンが押下された場合(S21:No)、案内を行わないか、図12の画面を継続して表示する、あるいは、表示器10あるいはスピーカ15から、「ただ今、お気に入りの駐車場所或いは複数回駐車したことのある場所は込み合っています」といった、駐車場が混雑している旨の案内情報を出力する(S24)。
【0072】
一方、図12の表示画面で、「他の駐車スペースを案内」ボタンが押下された場合(S21:Yes)、嗜好駐車スペース(お気に入りの場所)以外で、ユーザが予め登録した優先順位2等にしたがって最優先の駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定し(S22)、画面表示や音声案内でその駐車場所へ車両を案内する推奨駐車スペース情報案内処理を実行する(S23,後述)。なお、優先順位2については後述する。
【0073】
ステップS18の判定において、嗜好駐車スペースが空いている場合(S18:Yes)には、ユーザが予め登録した優先順位1にしたがって、空き嗜好駐車スペースのうちから最優先の駐車スペース(嗜好駐車スペース等)を推奨駐車スペースとして決定し(S19)、画面表示や音声案内でその駐車場所へ車両を案内する推奨駐車スペース情報案内処理を実行する(S20,後述)。
【0074】
図15を用いて、図2のステップS19に相当する、嗜好駐車スペースから推奨駐車スペースを決定する処理の詳細について説明する。まず、駐車スペースレイアウト情報(図6参照)を参照して(S71)、優先順位1における最優先度(すなわち1)の駐車スペースのデータを取得する(S72)。
【0075】
次に、空車情報(図7参照)を参照して(S73)、当該駐車スペースが空いている場合(S74:Yes)には、その駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定する(S77)。
【0076】
一方、当該駐車スペースが空いていない場合(S74:No)には、他にお気に入りの駐車スペース(嗜好駐車スペース)があるかどうかを調べ、お気に入りの駐車スペースがある場合(S76:Yes)には、優先順位2が次に高い駐車スペースのデータを取得して(S75)、ステップS73に戻り、同様の処理を行う。
【0077】
図16を用いて、図2のステップS22に相当する、嗜好駐車スペース以外の駐車スペースから推奨駐車スペースを決定する処理の詳細について説明する。まず、駐車スペースレイアウト情報(図6参照)を参照して(S91)、「お気に入り」あるいは「忌避」のいずれにも設定されていない駐車スペースがあるかどうか調べる。
【0078】
「お気に入り」あるいは「忌避」のいずれにも設定されていない駐車スペースがある場合(S92:Yes)には、優先順位2において最優先度に設定されている種別の駐車スペースデータを取得する(S93)。そして、空車情報(図7参照)を参照して(S94)、当該駐車スペースが空いている場合(S95:Yes)には、その駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定する(S102)。
【0079】
一方、当該駐車スペースが空いていない場合(S95:No)には、同種別に分類される他の駐車スペースがあるかどうかを調べ、他の駐車スペースがある場合(S96:Yes)には、その駐車スペースのデータを取得して(S97)、ステップS94に戻り、同様の処理を行う。
【0080】
同種別に分類される他の駐車スペースがない場合(S96:No)には、下位の優先度に設定される他の種別があるかを調べ、他の種別がある場合(S98:Yes)には、その種別の駐車スペースのデータを取得して(S99)、ステップS94に戻り、同様の処理を行う。
【0081】
一方、他の種別がない場合(S98:No)には、種別に分類されていない駐車スペースがあるかどうかを調べ、種別に分類されていない駐車スペースがある場合(S100:Yes)には、駐車頻度あるいはユーザの嗜好度(図4参照)に基づいて推奨駐車スペースを決定する(S101)。
【0082】
ユーザの嗜好度に基づく推奨駐車スペースの決定としては、例えば、ユーザの嗜好度に含まれる条件(図4では4個)を満たす数の多い順にソートし、そのソート結果の最上位の駐車スペースから、空きかどうかを調べていく方法がある。また、ユーザの嗜好度に含まれる条件に重み付けを行い、ユーザの嗜好度を満たす条件の重み付けの和の大きい順にソートしてもよい。
【0083】
図2において、「お気に入りの場所」と「複数回駐車した場所」の条件は、前述のようにOR条件で用いる方法の他に、AND条件で用いてもよい。図14にそのフロー図を示す。図2と異なる点は、ステップS15でYesと判断された場合に、図2のステップS17と同様のステップS17aの条件判断を行うものである。また、ステップS16でNoと判断された場合には、図2と同様にステップS17aの条件判断を行う。その他の処理については図2と同様であるので、図2と同じステップ番号を付与してある。
【0084】
図4に、ユーザの嗜好度の記憶例を示す。ユーザの嗜好度は、例えば嗜好駐車スペース以外の駐車スペースへ案内する際に、どの駐車スペースを選択するかの基準となるものである。図4の例では、このユーザは、「店舗の入口(あるいは、駐車場と店舗との連絡口)からは近い」,「駐車スペースに建物の支柱が隣接しない」,「駐車位置は3列並びの中央」,および「車両は普通乗用車」という条件が成立する駐車スペースへの案内を要求している。重み付けおよびユーザの嗜好度の用い方については後述する。
【0085】
ユーザの嗜好度は、ユーザにより設定可能である。例えば、図9のモード設定画面で、「嗜好度」ボタンを押下すると、表示器10に図4のような嗜好度一覧が画面表示されるので、各項目における条件の変更,項目の追加・削除を行う。
【0086】
図5,図6等を用いて、推奨駐車スペース情報案内出力の実際の例について説明する。図5は、駐車場のレイアウトで、ユーザのお気に入りの場所(嗜好駐車スペース)は○印、複数回駐車した場所は☆印で表されている。また、駐車場の入口付近,エントランス(店舗への連絡口あるいはエレベータEV),出口付近には、それぞれ、駐車スペースレイアウト情報あるいは空車情報を送信するための送信機T1,T2,T3が設置されている。
【0087】
図6に、駐車スペースレイアウト情報を示す。駐車スペースレイアウト情報は、駐車スペースの名称,その駐車スペースがお気に入りの場所(嗜好駐車スペース)かどうか(「お気に入り」),駐車頻度,優先順位1(後述),ユーザが忌避する駐車スペースかどうか(「忌避」),駐車スペースの分類種別(「種別」)を含んで構成されている。
【0088】
お気に入りの場所には丸印が付けられているが、データベース21d内ではフラグ情報として記憶されている。駐車頻度は各駐車スペースに駐車した回数が記憶されている。お気に入りの場所および駐車頻度が嗜好駐車スペース情報に相当する。
【0089】
優先順位1は、推奨駐車スペースを決定する際に用いるもので、ユーザの設定入力,ユーザの嗜好度,駐車頻度によって決定される。ユーザが忌避する駐車スペース(本発明の忌避駐車スペース特定情報)は、ユーザの嗜好度情報(図4参照)に相反する駐車スペースやユーザの設定入力によって決められる。図6の例では、忌避駐車スペースに丸印が付けられているが、データベース21d内ではフラグ情報として記憶されている。
【0090】
なお、駐車スペースに対する「お気に入り」,「忌避」の設定は、図9のモード設定画面上で行う。「お気に入り」の場合は、ユーザ設定で「嗜好」ボタンを押下して図5のような駐車場のレイアウトを画面表示させ、駐車スペースを選択する。あるいは、「嗜好」ボタンが押下されたときに、位置検出器1により現在駐車中の位置を検出して、その位置を駐車スペースとする。「忌避」の場合も、「忌避」ボタンを押下する以外は、「お気に入り」の場合と同様の操作を行う。
【0091】
優先順位1および優先順位2の設定も図9のモード設定画面上で行う。ユーザ設定で「優先順位」ボタンを押下して、図6のような駐車スペースレイアウト情報を画面表示させ、設定したい駐車スペースの優先順位1あるいは優先順位2の欄をクリックする等して指定し、優先順位を入力する。
【0092】
分類種別は、例えば、嗜好駐車スペース情報,忌避駐車スペース特定情報がユーザの設定入力によるものかどうか(「ユーザ設定」),駐車スペースと周囲構造物との位置関係(「周囲構造物」),駐車スペースの位置関係(「位置」),車両種別,およびこれら分類種別における優先順位2を含んでいる。駐車頻度により分類を行ってもよい。
【0093】
「ユーザ設定」により、駐車スペースB−1,C−1(お気に入り)と、駐車スペースA−3,B−2(忌避)は、ユーザにより設定されたことが分かる。「ユーザ設定」は優先順位を決定する際の判定材料となる。
【0094】
「周囲構造物」は、駐車スペースの周囲に隣接する構造物の有無を示すもので、例えば、駐車スペースA−1は、側面の一方に壁があることを示している。「位置」は、壁あるいは支柱で区切られた駐車区画における、通路に向かう方向を基準とした駐車スペースの位置関係を表している。
【0095】
車両種別は、駐車スペース毎の駐車可能な車両の種別(大きさ)を表している。図5,図6の例では、軽−1〜軽−4までが軽自動車専用で、その他は普通乗用車まで駐車可能となっている。優先順位2は、分類種別の中での優先順位で、ユーザ嗜好度に基づいて設定される。図4のユーザ嗜好度では、「店舗の入口(あるいは、駐車場と店舗との連絡口)からは近い」,「駐車スペースに建物の支柱が隣接しない」,「駐車位置は3列並びの中央」,および「車両は普通乗用車」という条件であるので、これら条件を全て満たす駐車スペースA−2,D−2の優先順位2が最も高くなっている。
【0096】
図7に、駐車場から取得する空車情報の一例を示す。○印のある駐車スペースは、既に車両が駐車していることを示す。
【0097】
図5,図6の例では、エントランスに近いことから駐車スペースA−1,A−2,A−5,B−1,C−1,D−1,D−2,D−5がお気に入りにも登録されているし、実際に複数回駐車もしていることを示している。しかし、エントランスに近いにもかかわらず駐車スペースA−3,B−2,C−2,D−3等がお気に入りとなっていなくまた実際にも駐車実績がない。これは、図4のユーザ嗜好度のとおり、ユーザは支柱が邪魔になって、これらの駐車スペースに駐車することを嫌っていることが分かる。その他、過去に複数回駐車した駐車スペースとして、駐車スペースB−6,C−6があるが、これはエントランスから遠くても支柱のない場所を好んで駐車していることを示している。
【0098】
図6のように、8箇所のお気に入りの駐車スペースについて、B−1>C−1>A−1>A−2>A−5>D−5>D−1>D−2のように優先順位1が設定されているので、駐車スペースA−1,A−2,A−5,B−1およびD−1,D−5に駐車車両があって、駐車スペースC−1およびD−2が空いているときには、優先順位1がC−1>D−2となっているので、駐車スペースC−1を推奨駐車スペースとして決定し、案内情報が出力される。また、駐車スペースA−1,A−5,B−1,C−1およびD−5に駐車車両があって、駐車スペースA−2,D−1およびD−2が空いているときには、優先順位1がA−2>D−1>D−2となっているので、駐車スペースA−2を推奨駐車スペースとして決定し、案内情報が出力される(図2のS19,S20)。
【0099】
上記8箇所のお気に入りの駐車スペースの全てに駐車車両がある場合(図2のS21:Yes)は、図6の駐車スペースレイアウト情報から、お気に入り設定されていない駐車スペースから、ユーザの好みに近い駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定する(図2のS22)。まず、「忌避」設定されている駐車スペースは決定の対象から除外される。また、軽自動車専用駐車スペースも除外される。残った駐車スペースは、A−4,A−7,B−3,B−5,B−6,C−3,C−5,C−6,D−4,D−7である。この中で優先順位2が設定されている駐車スペースはB−6,C−6である。駐車スペースB−6,C−6の優先順位2は両方とも3であるが、駐車頻度は駐車スペースC−6の方が多いので、駐車スペースC−6を推奨駐車スペースとして決定する。
【0100】
また、優先順位2が設定されている駐車スペースにも駐車車両があるときには、残りの駐車スペースA−4,A−7,B−3,B−5,C−3,C−5,D−4,D−7から推奨駐車スペースを決定する。ユーザの嗜好度(図4参照)に、重み付け5ランクの「店舗の入り口からの距離は近い」と「種別は乗用車」とから、D−4,A−4,C−3,C−5,B−5,D−7及びA−7,の順に推奨駐車スペースが決定される。 (尚、重み付け4ランクの「支柱はない」という条件については、上記8候補ともに「あり」のため同条件である)。
【0101】
優先順位2が設定されていない場合には、推奨駐車スペースの案内を行わない構成でもよい。
【0102】
図8を用いて、推奨駐車スペース情報案内処理について説明する。なお、本処理は、図2のステップS20,S23に相当する。上述のように推奨駐車スペースが決定されると、その内容に基づいて表示器10に図10のような案内情報出力画面が表示される(S31)。図10の例は、駐車スペースC−1への案内を実施している。車両の現在位置はPで示されている。
【0103】
図5のように、駐車場内の支柱に各区画の駐車状況を撮影するカメラ(K1〜K8)が設置されていて、そのカメラによる推奨駐車スペースの撮影画像を送信機(T1〜T3),通信ユニット25を介して取得可能な場合(S32:Yes)には、その撮影画像(図11参照)を表示器10に表示する(S33)。この場合、図10の案内情報出力画面と撮影画像画面の両方を同時に表示器10に表示してもよい。
【0104】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図2】推奨駐車スペース情報案内出力処理を説明するフロー図。
【図3】駐車スペースレイアウト情報の記憶例を示す図。
【図4】ユーザの嗜好度の記憶例を示す図。
【図5】駐車スペースレイアウトの一例を示す図。
【図6】駐車場毎の駐車スペースレイアウト情報の記憶例を示す図。
【図7】空車情報の一例を示す図。
【図8】推奨駐車スペース情報案内処理を説明するフロー図。
【図9】モード設定時の画面表示例を示す図。
【図10】案内処理における画面表示例を示す図。
【図11】推奨駐車スペース撮影画像出力例を示す図。
【図12】混雑時の画面表示例を示す図。
【図13】嗜好駐車スペース登録処理を説明するフロー図。
【図14】推奨駐車スペース情報案内処理の別例を説明するフロー図。
【図15】嗜好駐車スペースから推奨駐車スペースを決定する処理の詳細を説明するフロー図。
【図16】嗜好駐車スペース以外の駐車スペースから推奨駐車スペースを決定する処理の詳細を説明するフロー図。
【符号の説明】
【0106】
1 位置検出器(位置検出手段)
7 操作スイッチ群(優先順位カスタマイズ設定手段,嗜好駐車スペース情報登録手段,嗜好駐車スペース選択入力手段,種別カスタマイズ手段)
8 制御回路(駐車スペースレイアウト情報取得手段,推奨駐車スペース決定手段,駐車頻度計数手段)
10 表示器(推奨駐車スペース情報案内出力手段,推奨駐車スペース撮影画像出力手段)
12 リモコン端末(優先順位カスタマイズ設定手段,嗜好駐車スペース情報登録手段,嗜好駐車スペース選択入力手段,種別カスタマイズ手段)
15 スピーカ
21 ハードディスク装置(HDD)
21d データベース(嗜好駐車スペース情報記憶手段)
21m 地図データ(道路地図データ記憶手段)
22 タッチパネル(優先順位カスタマイズ設定手段,嗜好駐車スペース情報登録手段,嗜好駐車スペース選択入力手段,種別カスタマイズ手段)
25 通信ユニット(空車情報取得手段,駐車スペースレイアウト情報取得手段)
31 マイク(優先順位カスタマイズ設定手段,嗜好駐車スペース情報登録手段,嗜好駐車スペース選択入力手段,種別カスタマイズ手段)
100 車載用ナビゲーション装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の走行に伴ってGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等により現在位置を検出し、その現在位置を表示装置上に道路地図と共に表示して、出発地から目的地までの適切な経路を設定し、表示装置や音声出力装置などによって案内する車載用ナビゲーション装置は、ユーザの効率的で安全な運転に貢献している。
【0003】
車載用ナビゲーション装置には、経路案内の他に様々な機能が備えられており、例えば、常設のカメラを用い駐車場の空車場所を特定しホストコンピュータで処理し、入庫した車両の車載用ナビゲーション装置に表示し、ユーザが自己の選択に基づいてスムーズに空きスペースに移動できるようにする駐車場誘導システムが考案されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−107844号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現状、郊外での大規模小売店の集客や、都心部においては事業営業の諸活動やモール街への集客、その他種々の目的のため立体駐車場や地下駐車場などが多数設けられていて車両利用者には必要不可欠のものとなっている。小売店や事業所、商店、等の利用その他個人の用事などを行うに当該駐車場はその利便性の提供に大きく寄与している。
【0006】
ところで、駐車場が空いていれば、各ユーザが最も好む駐車スペースをその都度目視判断によって容易に決定しそこへ駐車することができる。しかしながら、込み合っているときには、ユーザは空き駐車スペースを探すのに右往左往し、挙句の果てはその階、その区画エリアには「結局、空き場所がない」という状況や、或いは本当はもっと好ましい空き場所があるにもかかわらず探すのが面倒なため、「不本意な場所に駐車する」という状況が起こり得る。特に有料駐車場の場合は、空きスペースを探す時間または空きスペースがあっても、駐車スペースを選んでいる間はユーザ側への課金の対象の時間にもなっているので、益々「不本意な場所」にでも駐車せざるを得ないことも多い。
【0007】
また、運転技量が未熟のため、「駐車時の障害となる“支柱”等のない場所」等の駐車し易い場所を事前に知りたいというニーズもある。
【0008】
さらに「エレベータ等のエントランスの近く」、「他車に接触されにくい場所」や「遠くても空いていて広い駐車スペースが確保できる位置」等々、ユーザの好みも千差万別で、それら要求を満たす場所への誘導が望まれている。
【0009】
特許文献1の構成では、お気に入りの場所や複数回駐車した場所への誘導は全くなされず、単に空き場所の教示のみに留まっているので、上記のような問題を解決したり、ニーズに対応できる構成とはなっていない。
【0010】
上記問題を背景として、本発明の課題は、駐車場においてユーザの嗜好に合った駐車スペースに案内することが可能な車載用ナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0011】
上記課題を解決するための車載用ナビゲーション装置は、複数の駐車スペースが区画形成された駐車場の駐車スペースのレイアウト情報を取得する駐車スペースレイアウト情報取得手段と、駐車場に含まれる複数の駐車スペースのうち、ユーザが嗜好する駐車スペースを特定する情報である嗜好駐車スペース情報を記憶する嗜好駐車スペース情報記憶手段と、嗜好駐車スペース情報に基づいて当該駐車場におけるユーザへの推奨駐車スペースを決定する推奨駐車スペース決定手段と、駐車スペースレイアウト情報に基づいて推奨駐車スペースへの案内情報を出力する推奨駐車スペース情報案内出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
上記構成によって、ユーザは、「駐車し易い,出しやすい,当てられにくい,エントランスに近い」等々、ユーザの所望の駐車スペースに案内されるので、駐車したくない場所へ不本意に停めることもなくなり、利便性が向上する。また、駐車スペースを探し回って無駄に時間や燃料を費やすこともなくなる。
【0013】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、駐車場における各駐車スペースの空車情報を取得する空車情報取得手段を備え、推奨駐車スペース決定手段は、嗜好駐車スペース情報と空車情報とを比較し、その比較結果に基づいて推奨駐車スペースを決定するように構成することもできる。
【0014】
ユーザの好みの駐車スペースが必ず空いているというわけではない。また、既に車両が駐車している嗜好駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定することはユーザに対して何のメリットもない。上記構成によって、嗜好駐車スペースのうちで、空いている嗜好駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定できる。
【0015】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置における推奨駐車スペース決定手段は、比較結果において、嗜好駐車スペースのうち空車となっている空き嗜好駐車スペースを特定し、当該空き嗜好駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定するように構成することもできる。
【0016】
上記構成によって、嗜好駐車スペースのうちで、空いている嗜好駐車スペースへ案内することができ、「嗜好駐車スペースへ案内されたら既に車両が駐車していた」ということはなく、適確にユーザを空き嗜好駐車スペースへ誘導でき、ユーザが駐車場に入ってから駐車するまでの時間を短縮できる。
【0017】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置における推奨駐車スペース決定手段は、比較結果において嗜好駐車スペースが満車となっていた場合に、空車となっている駐車スペースの中から推奨駐車スペースを決定するように構成することもできる。
【0018】
上記構成によって、嗜好駐車スペースが満車となっていた場合でも、次善の駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定するように構成することもできる。
【0019】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、嗜好駐車スペース情報記憶手段において、複数の駐車スペースに対するユーザの嗜好度に応じた優先順位情報が記憶され、推奨駐車スペース決定手段は、優先順位において上位側に位置する一定数の駐車スペースが満車となっていた場合に、それら満車となっている駐車スペースに次いで優先順位が高く定められた空車駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定するように構成することもできる。
【0020】
上記構成によって、嗜好駐車スペース以外の駐車スペースにもその範疇内での優先順位を設定しておくと、嗜好駐車スペースや複数回駐車した駐車スペースが満車のときに、次善の推奨駐車スペースとして誘導されるので、嗜好駐車スペースが満車となっていた場合でも、駐車場所を探し回ることなく、駐車場に入ってから駐車するまでの時間を短縮できる。
【0021】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置における優先順位情報は、ユーザが駐車を忌避したい駐車スペースを特定する忌避駐車スペース特定情報を含むものであり、推奨駐車スペース情報決定手段は、優先順位において上位側に位置する一定数の駐車スペースが満車となっていた場合に、忌避駐車スペース以外の空車駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定するように構成することもできる。
【0022】
上記構成によって、ユーザの嗜好とは反して駐車を忌避したい駐車スペースは、次善の推奨駐車スペースには含まれないので、ユーザは安心して次善の推奨駐車スペースの案内に従って駐車することができる。
【0023】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、ユーザが優先順位をカスタマイズ設定するための、優先順位カスタマイズ設定手段を備えるように構成することもできる。
【0024】
上記構成によって、ユーザの嗜好に応じて優先順位を設定することができる。
【0025】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、嗜好駐車スペースを登録する嗜好駐車スペース情報登録手段を備えるように構成することもできる。
【0026】
上記構成によって、ユーザの嗜好に応じて嗜好駐車スペースを登録することができる。
【0027】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、車両の駐車場の各駐車スペースにおける駐車頻度を計数する駐車頻度計数手段と、嗜好駐車スペース情報登録手段は、計数された駐車頻度に基づいて前嗜好駐車スペースを決定し、登録するように構成することもできる。
【0028】
ユーザは、同一の駐車場であれば、決まった駐車スペースに停めることが多い。この、「決まった駐車スペース」が嗜好駐車スペースということになる。上記構成によって、ユーザが操作することなく嗜好駐車スペースを登録することが可能となる。
【0029】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、ユーザが嗜好駐車スペースを選択するための嗜好駐車スペース選択入力手段を備え、嗜好駐車スペース情報登録手段は、該嗜好駐車スペースの選択入力情報に基づいて嗜好駐車スペースを決定し、登録するように構成することもできる。
【0030】
上記構成によって、ユーザ自身の操作により嗜好駐車スペースを決定し、登録することが可能となる。そして、その登録された嗜好駐車スペースが推奨駐車スペースとして案内される。
【0031】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、レイアウト情報上にて各駐車スペースが、それら駐車スペースの位置に応じて予め定められた種別に分類され、嗜好駐車スペース情報記憶手段は、それら種別に分類した形で嗜好駐車スペース情報を記憶するものであり、推奨駐車スペース情報案内出力手段は、推奨駐車スペース情報を種別毎に出力するように構成することもできる。
【0032】
上記構成によって、駐車場のレイアウト情報を用いることで、ユーザは嗜好駐車スペースの位置を把握し易くなり、木目細かく推奨駐車スペース情報を案内することが可能となる。
【0033】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置における種別は、駐車スペースと周囲構造物との位置関係により分類されたものであるように構成することもできる。
【0034】
種別としては、「エントランス,施設への階段,エレベータ等の近傍」,「3台で1セクションの駐車区画での真中の位置のような、支柱等が邪魔になり車庫入れが手間取る場所を避けた場所」,「大型車、軽、等のように車種が指定されている場所」,「3台で1セクションの駐車区画であれば両端の位置のような、他の車両の車庫入れ時に接触されにくい場所」,「接触を避けるために、エントランスに遠くても、とにかく空いている場所」,「自分で見つけた広い・明るい場所」等が種別として挙げられる。上記構成によって、ユーザの所望の分類により推奨駐車スペースが決定・案内される。
【0035】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、車両の駐車場の各駐車スペースにおける駐車頻度を計数する駐車頻度計数手段を備え、嗜好駐車スペース情報登録手段は、計数された駐車頻度に基づいて嗜好駐車スペースを決定し、登録するものであって、種別は、駐車頻度により分類されたものであるように構成することもできる。
【0036】
上記構成によって、例えば駐車頻度の高い種別に含まれる駐車スペースを推奨駐車スペースとすることが可能となる。
【0037】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、車両の現在位置を検出する位置検出手段と、道路地図データを複数の駐車場の所在地情報とともに記憶する道路地図データ記憶手段とを備え、嗜好駐車スペース情報記憶手段は、複数の駐車場についての嗜好駐車スペース情報を、当該駐車場の所在地情報と対応付けて記憶するものであり、推奨駐車スペース情報案内出力手段は、現在位置情報と道路地図データとに基づいてユーザが駐車しようとしている駐車場を特定するとともに、当該特定された駐車場における推奨駐車スペースへの案内情報を出力するように構成することもできる。
【0038】
上記構成によって、ユーザが駐車場に入れば自動的に推奨駐車スペースへの案内情報が出力され、駐車場に入ってから駐車するまでの時間を短縮でき、ユーザの利便性が向上する。
【0039】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置における推奨駐車スペース情報案内出力手段は、駐車場側のカメラにより撮影された推奨駐車スペースの撮影画像を取得し、これを出力する推奨駐車スペース撮影画像出力手段を有するように構成することもできる。
【0040】
推奨駐車スペースである「空きスペース」が案内されたとしても、「空いている」状態までは把握できない。例えば、隣接する駐車スペースに車両が斜めに駐車していたり、隣接する駐車スペースの境界線ぎりぎりに車両が駐車している場合は、その車両の運転者は、運転技量が低いか周囲への配慮に欠けていると判断せざるを得ず、そのような運転者の車両の隣に駐車すると、ドアを当てられたり当て逃げをされたりという余計な心配をしなくてはならない。上記構成によって、推奨駐車スペースの周囲の状況を把握でき、より安心できる駐車スペースを選んで駐車することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の車載用ナビゲーション装置を、図面を参照しながら説明する。図1は車載用ナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置と略称)100の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は、位置検出器1,地図データ入力器6,操作スイッチ群7,リモートコントロール(以下リモコンと称する)センサ11,音声案内などを行う音声合成回路24,スピーカ15,メモリ9,表示器10,送受信機13,ハードディスク装置(HDD)21,LAN(Local Area Network) I/F(インターフェース)26,これらの接続された制御回路8,リモコン端末12等を備えている。
【0042】
位置検出器1は、周知の地磁気センサ2,車両の回転角速度を検出するジャイロスコープ3,車両の走行距離を検出する距離センサ4,および衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS受信機5を有している。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部のセンサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ例えば車速センサ23等を用いてもよい。なお、位置検出器1が本発明の位置検出手段に相当する。
【0043】
操作スイッチ群7は、例えば表示器10と一体になったタッチパネル22もしくはメカニカルなスイッチが用いられる。タッチパネル22は、表示器10の画面上にガラス基盤と透明なフィルムにスペーサと呼ばれる隙間を介してX軸方向、Y軸方向に電気回路が配線され、フィルム上をユーザがタッチすると、押された部分の配線がショートして電圧値が変わるため、これを2次元座標値(X,Y)として検出する、いわゆる抵抗膜方式が広く用いられる。その他に、周知のいわゆる静電容量方式を用いてもよい。メカニカルスイッチの他に、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。また、表示器10とその周辺を覆い意匠枠となるエスカッションに、操作スイッチ群7のうちのメカニカルスイッチを配置してもよい。
【0044】
また、マイク31および音声認識ユニット30を用いて種々の指示を入力することも可能である。これは、マイク31から入力された音声信号を、音声認識ユニット30において周知の隠れマルコフモデル等の音声認識技術により処理を行い、その結果に応じた操作コマンドに変換するものである。これら本発明の優先順位カスタマイズ設定手段,嗜好駐車スペース情報登録手段,嗜好駐車スペース選択入力手段,種別カスタマイズ手段に相当する、操作スイッチ群7,リモコン端末12,タッチパネル22,およびマイク31により、種々の指示を入力することが可能である。
【0045】
送受信機13は、例えば道路に沿って設けられた送信機(図示せず)から出力される光ビーコン、または電波ビーコンによってVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)センタ14から道路交通情報を受信、あるいはFM多重放送を受信するための装置である。また、送受信機13を用いてインターネット等の外部ネットワークに接続可能な構成としてもよい。
【0046】
また、ETC車載器17と通信することにより、ETC車載器17が路側器(図示せず)から受信した料金情報などをナビゲーション装置100に取り込むことができる。また、ETC車載器17によって外部ネットワークと接続し、VICSセンタ14等との通信を行う構成をとってもよい。
【0047】
制御回路8は通常のコンピュータとして構成されており、周知のCPU81,ROM82,RAM83,入出力回路であるI/O84,A/D変換部86,描画部87,時計IC88,およびこれらの構成を接続するバスライン85が備えられている。CPU81は、HDD21に記憶されたナビプログラム21pおよびデータにより制御を行う。また、HDD21へのデータの読み書きの制御はCPU81によって行なわれる。また、CPU81からHDD21に対してデータの読み書きの制御ができなくなった場合のために、ROM82にナビゲーション装置100として必要最低限の動作を行うためのプログラムを記憶しておいてもよい。なお、制御回路8が本発明の駐車スペースレイアウト情報取得手段,推奨駐車スペース決定手段,駐車頻度計数手段に相当する。
【0048】
A/D変換部86は周知のA/D(アナログ/デジタル)変換回路を含み、例えば位置検出器1などから制御回路8に入力されるアナログデータをCPU81で演算可能なデジタルデータに変換するものである。
【0049】
描画部87は、HDD21等に記憶された地図データ21m(後述),表示用のデータや表示色のデータから表示器10に表示させるための表示画面データを生成する。
【0050】
時計IC88はリアルタイムクロックICとも呼ばれ、CPU81からの要求に応じて時計・カレンダーのデータを送出あるいは設定するものである。CPU81は時計IC88から日時情報を取得する。また、GPS受信機5で受信したGPS信号に含まれる日時情報を用いてもよい。また、CPU81に含まれるリアルタイムカウンタを基にして日時情報を生成してもよい。日時情報は、例えば走行履歴を記憶する際に用いられる。
【0051】
HDD21には、ナビプログラム21pの他に位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む地図データベースである地図データ21mが記憶される。地図データ21mは、表示用となる所定の地図画像情報を記憶するとともに、リンク情報やノード情報等を含む道路網情報を記憶する。リンク情報は、各道路を構成する所定の区間情報であって、位置座標、距離、所要時間、道幅、車線数、制限速度等から構成される。また、ノード情報は、交差点(分岐路)等を規定する情報であって、位置座標、右左折車線数、接続先道路リンク等から構成される。また、リンク間接続情報には、通行の可不可を示すデータなどが設定されている。なお、地図データ21mが本発明の道路地図データ記憶手段に相当する。
【0052】
また、HDD21には経路案内の補助情報や娯楽情報、その他にユーザが独自にデータを書き込むことができ、ユーザデータ21uとして記憶される。また、ナビゲーション装置100の動作に必要なデータや各種情報はデータベース21dとしても記憶される。なお、データベース21dが本発明の嗜好駐車スペース情報記憶手段に相当する。
【0053】
ナビプログラム21p,地図データ21m,ユーザデータ21u,およびデータベース21dは、地図データ入力器6を介して記憶媒体20からそのデータの追加・更新を行うことが可能である。記憶媒体20は、そのデータ量からCD−ROMやDVDを用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。また、外部ネットワークを介してデータをダウンロードする構成を用いてもよい。
【0054】
メモリ9はEEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory:電気的消去・プログラム可能・読出し専用メモリ)やフラッシュメモリ等の書き換え可能なデバイスによって構成され、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、メモリ9は、ナビゲーション装置100がオフ状態になっても記憶内容が保持されるようになっている。また、メモリ9の代わりにナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをHDD21に記憶してもよい。さらに、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをメモリ9とHDD21に分けて記憶してもよい。
【0055】
表示器10は周知のカラー液晶表示器で構成され、ドット・マトリックスLCD(Liquid Crystal Display)およびLCD表示制御を行うための図示しないドライバ回路を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、画素毎にトランジスタを付けて目的の画素を確実に点灯させたり消したりすることができるアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、制御回路8から送られる表示指令および表示画面データに基づいて表示を行う。また、表示器10として有機EL(ElectroLuminescence:電界発光)表示器,プラズマ表示器を用いてもよい。なお、表示器10が本発明の推奨駐車スペース情報案内出力手段,推奨駐車スペース撮影画像出力手段に相当する。
【0056】
スピーカ15は周知の音声合成回路24に接続され、ナビプログラム21pの指令によってメモリ9あるいはHDD21に記憶されるデジタル音声データが音声合成回路24においてアナログ音声に変換されたものが送出される。なお、音声合成の方法には、音声波形をそのままあるいは符号化して蓄積しておき必要に応じて繋ぎ合わせる録音編集方式、文字入力情報からそれに対応する音声を合成するテキスト合成方式などがある。
【0057】
車速センサ23は周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号として制御回路8に送るものである。制御回路8では、その車輪の回転数を車両の速度に換算して、車両の現在位置から所定の場所までの予想到達時間を算出したり、車両の走行区間毎の平均車速を算出する。
【0058】
通信ユニット25は周知の無線送受信機として構成され、駐車場からの空車情報の取得や、インターネット等の公衆通信網と接続するために用いられる。また、通信ユニット25を携帯電話機等の携帯通信端末(図示せず)を接続してデータ通信を行うための、携帯通信端末と制御回路8との間のインターフェース回路として構成してもよい。なお、通信ユニット25が本発明の空車情報取得手段,駐車スペースレイアウト情報取得手段に相当する。
【0059】
LAN I/F26は車内LAN27を介して他の車載機器やセンサとのデータの遣り取りを行うためのインターフェース回路である。また、LAN I/F26を介して車速センサ23からのデータ取り込み、あるいはETC車載器17との接続を行ってもよい。
【0060】
このような構成を持つことにより、ナビゲーション装置100は、制御回路8のCPU81によりナビプログラム21pが起動されると、ユーザが操作スイッチ群7,タッチパネル22、リモコン端末12の操作あるいはマイク31からの音声入力によって、表示器10上に表示されるメニューから目的地経路を表示器10に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。
【0061】
すなわち、まず、ユーザは目的地を探索する。目的地の探索方法は、例えば、地図上の任意の地点を指定する方法、目的地の所在する地域から探索する方法,目的地の電話番号から探索する方法,五十音表から目的地の名称を入力して探索する方法,あるいはユーザがよく利用する施設としてメモリ9に記憶されているものから探索する方法などがある。目的地が設定されると、位置検出器1により車両の現在位置が求められ、該現在位置を出発地として目的地までの最適な案内経路を求める処理が行われる。そして、表示器10上の道路地図に案内経路を重ねて表示し、ユーザに適切な経路を案内する。このような自動的に最適な案内経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。また、表示器10およびスピーカ15の少なくとも一方によって、操作時のガイダンスや動作状態に応じたメッセージの報知を行う。
【0062】
図2を用いて推奨駐車スペース情報案内出力処理について説明する。なお、本処理はナビプログラム21pに含まれ、ナビプログラム21pの他の処理とともに繰り返し実行される。まず、車両が駐車場に接近したとき、この駐車場について推奨駐車スペース情報案内を行うかどうかのモード選択を行う。これは、操作スイッチ群7,リモコン端末12,タッチパネル22の操作、あるいはマイク31への音声入力により、表示器10に図9のようなモード設定画面を表示させ、推奨駐車スペース情報案内(図9では、「お気に入りの場所への案内」と表記)を行うかどうか設定するもので、設定内容はメモリ9あるいはHDD21の所定の領域に記憶される。また、その都度設定してもよい。推奨駐車スペース情報案内を行わない選択がなされている場合(S11:No)には、通常のナビゲーション表示が行われる(S14)。
【0063】
一方、推奨駐車スペース情報案内を行う選択がなされている場合(S11:Yes)には、当該駐車場に関する駐車スペースレイアウト情報を取得する(S12)。これは、予めデータベース21dに記憶されているものを用いてもよいし、通信ユニット25を介して駐車場から受信した駐車スペースレイアウト情報を用いてもよい。図5に駐車スペースレイアウトの一例を示す(詳細は後述)。
【0064】
駐車スペースレイアウト情報は、図3のように、駐車場名あるいは駐車場を含む施設名,およびその駐車場の所在地と関連付けて記憶されている。図6に駐車スペースレイアウト情報の内容の一例を示す(詳細は後述)。例えば、既にデータベース21dに、その駐車場の駐車スペースレイアウト情報が記憶されている場合はデータベース21d内のものを用い、記憶されていない場合は駐車場から駐車スペースレイアウト情報を取得してもよい。
【0065】
図2に戻り、当該駐車場から通信ユニット25を介して空車情報を取得する(S13)。空車情報を取得できない場合、すなわち、所定の時間を経過しても通信ユニット25で空車情報を受信できない場合には、例えば混雑率50%のような見なし混雑率を用いる。また、図9のようなモード設定画面で、ユーザが駐車場の状況を目視確認して混雑率を設定してもよい。
【0066】
次に、駐車スペースレイアウト情報(図6参照)に、嗜好駐車スペース(お気に入りの場所)が登録されているかを調べ、登録されていない場合(S15:No)には、駐車場が混雑しているかを判定する。これは、上記で取得あるいは設定された混雑率が予め定められる閾値を超えた場合に、駐車場が混雑していると判定するものである。駐車場が混雑している場合(S16:Yes)には、表示器10に、「ただ今、この駐車場は混雑しています」というようなメッセージを表示して混雑案内を実施する(S26)。スピーカ15から音声メッセージを送出してもよい。音声メッセージはデータベース21dにテキストデータとして記憶され、音声合成回路24において音声データに変換される。
【0067】
一方、駐車場が混雑していない場合(S16:No)には、駐車スペースレイアウト情報を参照して、過去に複数回駐車した駐車スペース(図2では、「場所」と表記)があるかどうかを調べる。過去に複数回駐車した駐車スペースがない場合(S17:No)には、駐車スペースに関する案内を実施しないか、あるいは、駐車スペースに駐車した時点で、「この駐車スペースをお気に入りに登録しますか?」というような、その駐車スペースを嗜好駐車スペース(図2では、「お気に入りの場所」と表記)に登録することを促すメッセージを表示器10に表示してもよい(S25)。
【0068】
また、上述のステップS25において、嗜好駐車スペースを以下のように、ユーザの操作を介さずに登録してもよい。この嗜好駐車スペース登録処理について、図13のフロー図を用いて説明する。まず、車両が駐車した駐車スペースの位置情報を、以下のいずれかの方法により取得する(S51)。
(1)位置検出器1から取得した車両の現在位置を駐車スペースの位置とする。
(2)ユーザが図示しないモード設定画面から図5のようなレイアウトを画面表示させ、駐車スペースの位置を選択する。
なお、車両が駐車したかどうかは、車速センサ23で検出される車速により判定する。
【0069】
次に、駐車スペースレイアウト情報(図6参照)において、取得された駐車スペースの位置における駐車頻度を更新する(S52)。そして、駐車頻度が予め定められる閾値を超えた場合(S53:Yes)に、その駐車スペースの位置を嗜好駐車スペース(図13では、「お気に入り場所」と表記)に登録する(S54)。なお、閾値はユーザが設定可能としてもよい。例えば、図9のモード設定画面で「駐車頻度閾値」ボタンを押下して回数を入力する。
【0070】
図2に戻り、ステップS15の判定において、嗜好駐車スペース(お気に入りの場所)が登録されている場合(S15:Yes)、あるいは、ステップS17の判定において、過去に複数回駐車した駐車スペース(場所)がある場合(S17:Yes)には、上記で取得した空車情報から、その嗜好駐車スペースあるいは複数回駐車した駐車スペースが空いているかどうかを調べる。そして、該当する駐車スペースが空いていない場合(S18:No)には、表示器10に図12のような画面が表示されるので、ユーザは、他の空き駐車スペースへの案内を要求するどうかを選択する。
【0071】
図12の表示画面で、「自分で探す」ボタンが押下された場合(S21:No)、案内を行わないか、図12の画面を継続して表示する、あるいは、表示器10あるいはスピーカ15から、「ただ今、お気に入りの駐車場所或いは複数回駐車したことのある場所は込み合っています」といった、駐車場が混雑している旨の案内情報を出力する(S24)。
【0072】
一方、図12の表示画面で、「他の駐車スペースを案内」ボタンが押下された場合(S21:Yes)、嗜好駐車スペース(お気に入りの場所)以外で、ユーザが予め登録した優先順位2等にしたがって最優先の駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定し(S22)、画面表示や音声案内でその駐車場所へ車両を案内する推奨駐車スペース情報案内処理を実行する(S23,後述)。なお、優先順位2については後述する。
【0073】
ステップS18の判定において、嗜好駐車スペースが空いている場合(S18:Yes)には、ユーザが予め登録した優先順位1にしたがって、空き嗜好駐車スペースのうちから最優先の駐車スペース(嗜好駐車スペース等)を推奨駐車スペースとして決定し(S19)、画面表示や音声案内でその駐車場所へ車両を案内する推奨駐車スペース情報案内処理を実行する(S20,後述)。
【0074】
図15を用いて、図2のステップS19に相当する、嗜好駐車スペースから推奨駐車スペースを決定する処理の詳細について説明する。まず、駐車スペースレイアウト情報(図6参照)を参照して(S71)、優先順位1における最優先度(すなわち1)の駐車スペースのデータを取得する(S72)。
【0075】
次に、空車情報(図7参照)を参照して(S73)、当該駐車スペースが空いている場合(S74:Yes)には、その駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定する(S77)。
【0076】
一方、当該駐車スペースが空いていない場合(S74:No)には、他にお気に入りの駐車スペース(嗜好駐車スペース)があるかどうかを調べ、お気に入りの駐車スペースがある場合(S76:Yes)には、優先順位2が次に高い駐車スペースのデータを取得して(S75)、ステップS73に戻り、同様の処理を行う。
【0077】
図16を用いて、図2のステップS22に相当する、嗜好駐車スペース以外の駐車スペースから推奨駐車スペースを決定する処理の詳細について説明する。まず、駐車スペースレイアウト情報(図6参照)を参照して(S91)、「お気に入り」あるいは「忌避」のいずれにも設定されていない駐車スペースがあるかどうか調べる。
【0078】
「お気に入り」あるいは「忌避」のいずれにも設定されていない駐車スペースがある場合(S92:Yes)には、優先順位2において最優先度に設定されている種別の駐車スペースデータを取得する(S93)。そして、空車情報(図7参照)を参照して(S94)、当該駐車スペースが空いている場合(S95:Yes)には、その駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定する(S102)。
【0079】
一方、当該駐車スペースが空いていない場合(S95:No)には、同種別に分類される他の駐車スペースがあるかどうかを調べ、他の駐車スペースがある場合(S96:Yes)には、その駐車スペースのデータを取得して(S97)、ステップS94に戻り、同様の処理を行う。
【0080】
同種別に分類される他の駐車スペースがない場合(S96:No)には、下位の優先度に設定される他の種別があるかを調べ、他の種別がある場合(S98:Yes)には、その種別の駐車スペースのデータを取得して(S99)、ステップS94に戻り、同様の処理を行う。
【0081】
一方、他の種別がない場合(S98:No)には、種別に分類されていない駐車スペースがあるかどうかを調べ、種別に分類されていない駐車スペースがある場合(S100:Yes)には、駐車頻度あるいはユーザの嗜好度(図4参照)に基づいて推奨駐車スペースを決定する(S101)。
【0082】
ユーザの嗜好度に基づく推奨駐車スペースの決定としては、例えば、ユーザの嗜好度に含まれる条件(図4では4個)を満たす数の多い順にソートし、そのソート結果の最上位の駐車スペースから、空きかどうかを調べていく方法がある。また、ユーザの嗜好度に含まれる条件に重み付けを行い、ユーザの嗜好度を満たす条件の重み付けの和の大きい順にソートしてもよい。
【0083】
図2において、「お気に入りの場所」と「複数回駐車した場所」の条件は、前述のようにOR条件で用いる方法の他に、AND条件で用いてもよい。図14にそのフロー図を示す。図2と異なる点は、ステップS15でYesと判断された場合に、図2のステップS17と同様のステップS17aの条件判断を行うものである。また、ステップS16でNoと判断された場合には、図2と同様にステップS17aの条件判断を行う。その他の処理については図2と同様であるので、図2と同じステップ番号を付与してある。
【0084】
図4に、ユーザの嗜好度の記憶例を示す。ユーザの嗜好度は、例えば嗜好駐車スペース以外の駐車スペースへ案内する際に、どの駐車スペースを選択するかの基準となるものである。図4の例では、このユーザは、「店舗の入口(あるいは、駐車場と店舗との連絡口)からは近い」,「駐車スペースに建物の支柱が隣接しない」,「駐車位置は3列並びの中央」,および「車両は普通乗用車」という条件が成立する駐車スペースへの案内を要求している。重み付けおよびユーザの嗜好度の用い方については後述する。
【0085】
ユーザの嗜好度は、ユーザにより設定可能である。例えば、図9のモード設定画面で、「嗜好度」ボタンを押下すると、表示器10に図4のような嗜好度一覧が画面表示されるので、各項目における条件の変更,項目の追加・削除を行う。
【0086】
図5,図6等を用いて、推奨駐車スペース情報案内出力の実際の例について説明する。図5は、駐車場のレイアウトで、ユーザのお気に入りの場所(嗜好駐車スペース)は○印、複数回駐車した場所は☆印で表されている。また、駐車場の入口付近,エントランス(店舗への連絡口あるいはエレベータEV),出口付近には、それぞれ、駐車スペースレイアウト情報あるいは空車情報を送信するための送信機T1,T2,T3が設置されている。
【0087】
図6に、駐車スペースレイアウト情報を示す。駐車スペースレイアウト情報は、駐車スペースの名称,その駐車スペースがお気に入りの場所(嗜好駐車スペース)かどうか(「お気に入り」),駐車頻度,優先順位1(後述),ユーザが忌避する駐車スペースかどうか(「忌避」),駐車スペースの分類種別(「種別」)を含んで構成されている。
【0088】
お気に入りの場所には丸印が付けられているが、データベース21d内ではフラグ情報として記憶されている。駐車頻度は各駐車スペースに駐車した回数が記憶されている。お気に入りの場所および駐車頻度が嗜好駐車スペース情報に相当する。
【0089】
優先順位1は、推奨駐車スペースを決定する際に用いるもので、ユーザの設定入力,ユーザの嗜好度,駐車頻度によって決定される。ユーザが忌避する駐車スペース(本発明の忌避駐車スペース特定情報)は、ユーザの嗜好度情報(図4参照)に相反する駐車スペースやユーザの設定入力によって決められる。図6の例では、忌避駐車スペースに丸印が付けられているが、データベース21d内ではフラグ情報として記憶されている。
【0090】
なお、駐車スペースに対する「お気に入り」,「忌避」の設定は、図9のモード設定画面上で行う。「お気に入り」の場合は、ユーザ設定で「嗜好」ボタンを押下して図5のような駐車場のレイアウトを画面表示させ、駐車スペースを選択する。あるいは、「嗜好」ボタンが押下されたときに、位置検出器1により現在駐車中の位置を検出して、その位置を駐車スペースとする。「忌避」の場合も、「忌避」ボタンを押下する以外は、「お気に入り」の場合と同様の操作を行う。
【0091】
優先順位1および優先順位2の設定も図9のモード設定画面上で行う。ユーザ設定で「優先順位」ボタンを押下して、図6のような駐車スペースレイアウト情報を画面表示させ、設定したい駐車スペースの優先順位1あるいは優先順位2の欄をクリックする等して指定し、優先順位を入力する。
【0092】
分類種別は、例えば、嗜好駐車スペース情報,忌避駐車スペース特定情報がユーザの設定入力によるものかどうか(「ユーザ設定」),駐車スペースと周囲構造物との位置関係(「周囲構造物」),駐車スペースの位置関係(「位置」),車両種別,およびこれら分類種別における優先順位2を含んでいる。駐車頻度により分類を行ってもよい。
【0093】
「ユーザ設定」により、駐車スペースB−1,C−1(お気に入り)と、駐車スペースA−3,B−2(忌避)は、ユーザにより設定されたことが分かる。「ユーザ設定」は優先順位を決定する際の判定材料となる。
【0094】
「周囲構造物」は、駐車スペースの周囲に隣接する構造物の有無を示すもので、例えば、駐車スペースA−1は、側面の一方に壁があることを示している。「位置」は、壁あるいは支柱で区切られた駐車区画における、通路に向かう方向を基準とした駐車スペースの位置関係を表している。
【0095】
車両種別は、駐車スペース毎の駐車可能な車両の種別(大きさ)を表している。図5,図6の例では、軽−1〜軽−4までが軽自動車専用で、その他は普通乗用車まで駐車可能となっている。優先順位2は、分類種別の中での優先順位で、ユーザ嗜好度に基づいて設定される。図4のユーザ嗜好度では、「店舗の入口(あるいは、駐車場と店舗との連絡口)からは近い」,「駐車スペースに建物の支柱が隣接しない」,「駐車位置は3列並びの中央」,および「車両は普通乗用車」という条件であるので、これら条件を全て満たす駐車スペースA−2,D−2の優先順位2が最も高くなっている。
【0096】
図7に、駐車場から取得する空車情報の一例を示す。○印のある駐車スペースは、既に車両が駐車していることを示す。
【0097】
図5,図6の例では、エントランスに近いことから駐車スペースA−1,A−2,A−5,B−1,C−1,D−1,D−2,D−5がお気に入りにも登録されているし、実際に複数回駐車もしていることを示している。しかし、エントランスに近いにもかかわらず駐車スペースA−3,B−2,C−2,D−3等がお気に入りとなっていなくまた実際にも駐車実績がない。これは、図4のユーザ嗜好度のとおり、ユーザは支柱が邪魔になって、これらの駐車スペースに駐車することを嫌っていることが分かる。その他、過去に複数回駐車した駐車スペースとして、駐車スペースB−6,C−6があるが、これはエントランスから遠くても支柱のない場所を好んで駐車していることを示している。
【0098】
図6のように、8箇所のお気に入りの駐車スペースについて、B−1>C−1>A−1>A−2>A−5>D−5>D−1>D−2のように優先順位1が設定されているので、駐車スペースA−1,A−2,A−5,B−1およびD−1,D−5に駐車車両があって、駐車スペースC−1およびD−2が空いているときには、優先順位1がC−1>D−2となっているので、駐車スペースC−1を推奨駐車スペースとして決定し、案内情報が出力される。また、駐車スペースA−1,A−5,B−1,C−1およびD−5に駐車車両があって、駐車スペースA−2,D−1およびD−2が空いているときには、優先順位1がA−2>D−1>D−2となっているので、駐車スペースA−2を推奨駐車スペースとして決定し、案内情報が出力される(図2のS19,S20)。
【0099】
上記8箇所のお気に入りの駐車スペースの全てに駐車車両がある場合(図2のS21:Yes)は、図6の駐車スペースレイアウト情報から、お気に入り設定されていない駐車スペースから、ユーザの好みに近い駐車スペースを推奨駐車スペースとして決定する(図2のS22)。まず、「忌避」設定されている駐車スペースは決定の対象から除外される。また、軽自動車専用駐車スペースも除外される。残った駐車スペースは、A−4,A−7,B−3,B−5,B−6,C−3,C−5,C−6,D−4,D−7である。この中で優先順位2が設定されている駐車スペースはB−6,C−6である。駐車スペースB−6,C−6の優先順位2は両方とも3であるが、駐車頻度は駐車スペースC−6の方が多いので、駐車スペースC−6を推奨駐車スペースとして決定する。
【0100】
また、優先順位2が設定されている駐車スペースにも駐車車両があるときには、残りの駐車スペースA−4,A−7,B−3,B−5,C−3,C−5,D−4,D−7から推奨駐車スペースを決定する。ユーザの嗜好度(図4参照)に、重み付け5ランクの「店舗の入り口からの距離は近い」と「種別は乗用車」とから、D−4,A−4,C−3,C−5,B−5,D−7及びA−7,の順に推奨駐車スペースが決定される。 (尚、重み付け4ランクの「支柱はない」という条件については、上記8候補ともに「あり」のため同条件である)。
【0101】
優先順位2が設定されていない場合には、推奨駐車スペースの案内を行わない構成でもよい。
【0102】
図8を用いて、推奨駐車スペース情報案内処理について説明する。なお、本処理は、図2のステップS20,S23に相当する。上述のように推奨駐車スペースが決定されると、その内容に基づいて表示器10に図10のような案内情報出力画面が表示される(S31)。図10の例は、駐車スペースC−1への案内を実施している。車両の現在位置はPで示されている。
【0103】
図5のように、駐車場内の支柱に各区画の駐車状況を撮影するカメラ(K1〜K8)が設置されていて、そのカメラによる推奨駐車スペースの撮影画像を送信機(T1〜T3),通信ユニット25を介して取得可能な場合(S32:Yes)には、その撮影画像(図11参照)を表示器10に表示する(S33)。この場合、図10の案内情報出力画面と撮影画像画面の両方を同時に表示器10に表示してもよい。
【0104】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図2】推奨駐車スペース情報案内出力処理を説明するフロー図。
【図3】駐車スペースレイアウト情報の記憶例を示す図。
【図4】ユーザの嗜好度の記憶例を示す図。
【図5】駐車スペースレイアウトの一例を示す図。
【図6】駐車場毎の駐車スペースレイアウト情報の記憶例を示す図。
【図7】空車情報の一例を示す図。
【図8】推奨駐車スペース情報案内処理を説明するフロー図。
【図9】モード設定時の画面表示例を示す図。
【図10】案内処理における画面表示例を示す図。
【図11】推奨駐車スペース撮影画像出力例を示す図。
【図12】混雑時の画面表示例を示す図。
【図13】嗜好駐車スペース登録処理を説明するフロー図。
【図14】推奨駐車スペース情報案内処理の別例を説明するフロー図。
【図15】嗜好駐車スペースから推奨駐車スペースを決定する処理の詳細を説明するフロー図。
【図16】嗜好駐車スペース以外の駐車スペースから推奨駐車スペースを決定する処理の詳細を説明するフロー図。
【符号の説明】
【0106】
1 位置検出器(位置検出手段)
7 操作スイッチ群(優先順位カスタマイズ設定手段,嗜好駐車スペース情報登録手段,嗜好駐車スペース選択入力手段,種別カスタマイズ手段)
8 制御回路(駐車スペースレイアウト情報取得手段,推奨駐車スペース決定手段,駐車頻度計数手段)
10 表示器(推奨駐車スペース情報案内出力手段,推奨駐車スペース撮影画像出力手段)
12 リモコン端末(優先順位カスタマイズ設定手段,嗜好駐車スペース情報登録手段,嗜好駐車スペース選択入力手段,種別カスタマイズ手段)
15 スピーカ
21 ハードディスク装置(HDD)
21d データベース(嗜好駐車スペース情報記憶手段)
21m 地図データ(道路地図データ記憶手段)
22 タッチパネル(優先順位カスタマイズ設定手段,嗜好駐車スペース情報登録手段,嗜好駐車スペース選択入力手段,種別カスタマイズ手段)
25 通信ユニット(空車情報取得手段,駐車スペースレイアウト情報取得手段)
31 マイク(優先順位カスタマイズ設定手段,嗜好駐車スペース情報登録手段,嗜好駐車スペース選択入力手段,種別カスタマイズ手段)
100 車載用ナビゲーション装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駐車スペースが区画形成された駐車場の前記駐車スペースのレイアウト情報を取得する駐車スペースレイアウト情報取得手段と、
前記駐車場に含まれる前記複数の駐車スペースのうち、ユーザが嗜好する駐車スペースを特定する情報である嗜好駐車スペース情報を記憶する嗜好駐車スペース情報記憶手段と、
前記嗜好駐車スペース情報に基づいて当該駐車場における前記ユーザへの推奨駐車スペースを決定する推奨駐車スペース決定手段と、
前記駐車スペースレイアウト情報に基づいて前記推奨駐車スペースへの案内情報を出力する推奨駐車スペース情報案内出力手段と、
を備えることを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記駐車場における各前記駐車スペースの空車情報を取得する空車情報取得手段を備え、
前記推奨駐車スペース決定手段は、前記嗜好駐車スペース情報と前記空車情報とを比較し、その比較結果に基づいて前記推奨駐車スペースを決定するものである請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記推奨駐車スペース決定手段は、前記比較結果において、前記嗜好駐車スペースのうち空車となっている空き嗜好駐車スペースを特定し、当該空き嗜好駐車スペースを前記推奨駐車スペースとして決定するものである請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記推奨駐車スペース決定手段は、前記比較結果において前記嗜好駐車スペースが満車となっていた場合に、空車となっている駐車スペースの中から前記推奨駐車スペースを決定する請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記嗜好駐車スペース情報記憶手段において、前記複数の駐車スペースに対する前記ユーザの嗜好度に応じた優先順位情報が記憶され、
前記推奨駐車スペース決定手段は、前記優先順位において上位側に位置する一定数の駐車スペースが満車となっていた場合に、それら満車となっている駐車スペースに次いで優先順位が高く定められた空車駐車スペースを前記推奨駐車スペースとして決定する請求項4に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記優先順位情報は、前記ユーザが駐車を忌避したい駐車スペースを特定する忌避駐車スペース特定情報を含むものであり、
前記推奨駐車スペース情報決定手段は、前記優先順位において上位側に位置する一定数の駐車スペースが満車となっていた場合に、前記忌避駐車スペース以外の空車駐車スペースを前記推奨駐車スペースとして決定する請求項4または請求項5に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項7】
ユーザが前記優先順位をカスタマイズ設定するための、優先順位カスタマイズ設定手段を備える請求項5または請求項6に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項8】
前記嗜好駐車スペースを登録する嗜好駐車スペース情報登録手段を備える請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項9】
前記車両の前記駐車場の各前記駐車スペースにおける駐車頻度を計数する駐車頻度計数手段を備え、
前記嗜好駐車スペース情報登録手段は、計数された前記駐車頻度に基づいて前記嗜好駐車スペースを決定し、登録するものである請求項8に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項10】
前記ユーザが前記嗜好駐車スペースを選択するための嗜好駐車スペース選択入力手段を備え、
前記嗜好駐車スペース情報登録手段は、該嗜好駐車スペースの選択入力情報に基づいて前記嗜好駐車スペースを決定し、登録するものである請求項8または請求項9に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項11】
前記レイアウト情報上にて各駐車スペースが、それら駐車スペースの位置に応じて予め定められた種別に分類され、
前記嗜好駐車スペース情報記憶手段は、それら種別に分類した形で嗜好駐車スペース情報を記憶するものであり、
前記推奨駐車スペース情報案内出力手段は、前記推奨駐車スペース情報を前記種別毎に出力する請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項12】
前記種別は、前記駐車スペースと周囲構造物との位置関係により分類されたものである請求項11に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項13】
請求項9に記載の要件を備え、前記種別は、前記駐車頻度により分類されたものである請求項11または請求項12に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項14】
前記ユーザが前記種別をカスタマイズ設定するための種別カスタマイズ手段を備える請求項11ないし請求項13のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項15】
前記車両の現在位置を検出する位置検出手段と、
道路地図データを複数の駐車場の所在地情報とともに記憶する道路地図データ記憶手段とを備え、
前記嗜好駐車スペース情報記憶手段は、複数の前記駐車場についての前記嗜好駐車スペース情報を、当該駐車場の所在地情報と対応付けて記憶するものであり、
前記推奨駐車スペース情報案内出力手段は、前記現在位置情報と前記道路地図データとに基づいて前記ユーザが駐車しようとしている駐車場を特定するとともに、当該特定された駐車場における前記推奨駐車スペースへの案内情報を出力する請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項16】
前記推奨駐車スペース情報案内出力手段は、前記駐車場側のカメラにより撮影された前記推奨駐車スペースの撮影画像を取得し、これを出力する推奨駐車スペース撮影画像出力手段を有する請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項1】
複数の駐車スペースが区画形成された駐車場の前記駐車スペースのレイアウト情報を取得する駐車スペースレイアウト情報取得手段と、
前記駐車場に含まれる前記複数の駐車スペースのうち、ユーザが嗜好する駐車スペースを特定する情報である嗜好駐車スペース情報を記憶する嗜好駐車スペース情報記憶手段と、
前記嗜好駐車スペース情報に基づいて当該駐車場における前記ユーザへの推奨駐車スペースを決定する推奨駐車スペース決定手段と、
前記駐車スペースレイアウト情報に基づいて前記推奨駐車スペースへの案内情報を出力する推奨駐車スペース情報案内出力手段と、
を備えることを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記駐車場における各前記駐車スペースの空車情報を取得する空車情報取得手段を備え、
前記推奨駐車スペース決定手段は、前記嗜好駐車スペース情報と前記空車情報とを比較し、その比較結果に基づいて前記推奨駐車スペースを決定するものである請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記推奨駐車スペース決定手段は、前記比較結果において、前記嗜好駐車スペースのうち空車となっている空き嗜好駐車スペースを特定し、当該空き嗜好駐車スペースを前記推奨駐車スペースとして決定するものである請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記推奨駐車スペース決定手段は、前記比較結果において前記嗜好駐車スペースが満車となっていた場合に、空車となっている駐車スペースの中から前記推奨駐車スペースを決定する請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記嗜好駐車スペース情報記憶手段において、前記複数の駐車スペースに対する前記ユーザの嗜好度に応じた優先順位情報が記憶され、
前記推奨駐車スペース決定手段は、前記優先順位において上位側に位置する一定数の駐車スペースが満車となっていた場合に、それら満車となっている駐車スペースに次いで優先順位が高く定められた空車駐車スペースを前記推奨駐車スペースとして決定する請求項4に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記優先順位情報は、前記ユーザが駐車を忌避したい駐車スペースを特定する忌避駐車スペース特定情報を含むものであり、
前記推奨駐車スペース情報決定手段は、前記優先順位において上位側に位置する一定数の駐車スペースが満車となっていた場合に、前記忌避駐車スペース以外の空車駐車スペースを前記推奨駐車スペースとして決定する請求項4または請求項5に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項7】
ユーザが前記優先順位をカスタマイズ設定するための、優先順位カスタマイズ設定手段を備える請求項5または請求項6に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項8】
前記嗜好駐車スペースを登録する嗜好駐車スペース情報登録手段を備える請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項9】
前記車両の前記駐車場の各前記駐車スペースにおける駐車頻度を計数する駐車頻度計数手段を備え、
前記嗜好駐車スペース情報登録手段は、計数された前記駐車頻度に基づいて前記嗜好駐車スペースを決定し、登録するものである請求項8に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項10】
前記ユーザが前記嗜好駐車スペースを選択するための嗜好駐車スペース選択入力手段を備え、
前記嗜好駐車スペース情報登録手段は、該嗜好駐車スペースの選択入力情報に基づいて前記嗜好駐車スペースを決定し、登録するものである請求項8または請求項9に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項11】
前記レイアウト情報上にて各駐車スペースが、それら駐車スペースの位置に応じて予め定められた種別に分類され、
前記嗜好駐車スペース情報記憶手段は、それら種別に分類した形で嗜好駐車スペース情報を記憶するものであり、
前記推奨駐車スペース情報案内出力手段は、前記推奨駐車スペース情報を前記種別毎に出力する請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項12】
前記種別は、前記駐車スペースと周囲構造物との位置関係により分類されたものである請求項11に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項13】
請求項9に記載の要件を備え、前記種別は、前記駐車頻度により分類されたものである請求項11または請求項12に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項14】
前記ユーザが前記種別をカスタマイズ設定するための種別カスタマイズ手段を備える請求項11ないし請求項13のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項15】
前記車両の現在位置を検出する位置検出手段と、
道路地図データを複数の駐車場の所在地情報とともに記憶する道路地図データ記憶手段とを備え、
前記嗜好駐車スペース情報記憶手段は、複数の前記駐車場についての前記嗜好駐車スペース情報を、当該駐車場の所在地情報と対応付けて記憶するものであり、
前記推奨駐車スペース情報案内出力手段は、前記現在位置情報と前記道路地図データとに基づいて前記ユーザが駐車しようとしている駐車場を特定するとともに、当該特定された駐車場における前記推奨駐車スペースへの案内情報を出力する請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項16】
前記推奨駐車スペース情報案内出力手段は、前記駐車場側のカメラにより撮影された前記推奨駐車スペースの撮影画像を取得し、これを出力する推奨駐車スペース撮影画像出力手段を有する請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−96362(P2008−96362A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−280554(P2006−280554)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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