説明

車載用ナビゲーション装置

【課題】有料道路の使用の有無についてのユーザの希望を満足する経路をユーザに提示することができる「車載用ナビゲーション装置」を提供すること。
【解決手段】一般道を優先的に使用する旨の探索条件にしたがって探索された第1の経路内に有料道路が含まれている場合には、経路探索部23によって有料道路を含まない第2の経路を探索し、探索された第2の経路を経路提示手段24によってユーザに提示すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置に係り、特に、目的地までの経路を探索してユーザに提示するのに好適な車載用ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載用ナビゲーション装置においては、地図データを用いることによって、現在地から目的地までの経路を、設定された探索条件に従って探索し、探索された経路をユーザに提示することが行われていた。
【0003】
この経路の提示の具体的な態様の1つとしては、例えば、探索された経路を、経路誘導が行われる経路の候補として探索結果の表示画面に選択可能な状態として表示することが行われていた。また、他の態様としては、経路誘導の際に、探索された経路を示す画像を地図や交差点拡大図上に表示することや、交差点右左折案内等によって音声出力することが行われていた。
【0004】
このような経路を探索する際の探索条件としては、ユーザの利用形態を考慮した種々の探索条件が採用されており、例えば、目的地までの走行を安価に済ませたいというユーザの希望を考慮した探索条件として、一般道を優先的に使用する旨の探索条件が採用されていた。また、これとは逆に、目的地まで短時間で到着したいというユーザの希望を考慮した探索条件として、有料道路を優先的に使用する旨の探索条件も採用されていた。
【0005】
【特許文献1】特開2002−122438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般道を優先的に使用する旨の探索条件にしたがって経路を探索した場合であっても、探索された経路内に有料道路が含まれてしまう場合があった。また、有料道路を優先的に使用する旨の探索条件にしたがって経路を探索した場合であっても、探索された経路内に有料道路が全く含まれない場合があった。
【0007】
このように、有料道路の使用の有無に関する探索条件に適合しない経路が探索されることは、従来から行われている経路の探索の性質上、避けることが困難であった。
【0008】
すなわち、従来から、経路の探索は、図7に示すようなコストテーブルを用いて行われていた。このコストテーブルには、道路の通行し難さを示すコスト値が、道路種別および探索条件と対応関係を有した状態として格納されている。なお、図7に示すコスト値は、対応する探索条件の下で、対応する道路種別の道路を一定距離あたり時速何kmで走行することができるかを設定したものであり、図7における数値が高いほど低いコスト値であることを示している。
【0009】
図7からも分かるように、同じ種別の道路であっても、探索条件によっては、コスト値が異なる場合がある。例えば、国道や主要地方道等の通行料金が課されない道路である一般道は、一般道を優先的に走行する旨の探索条件(図7における一般優先)においては、低いコスト値(100)が設定されて通行し易くなっているのに対して、有料道路を優先的に走行する旨の探索条件(図7における有料優先)においては、高いコスト値(10)が設定されて通行し難くなっている。一方、都市間高速や有料国道等の有料道路は、有料道路を優先的に走行する旨の探索条件においては、低いコスト値が設定されて通行し易くなっているのに対して、一般道を優先的に走行する旨の探索条件においては、高いコスト値が設定されて通行し難くなっている。
【0010】
そして、このようなコストテーブルを用いた経路の探索によれば、探索条件に応じてコスト値の合計(すなわち経路コスト値)が最も低くなるような一連の道路の集合が、経路として探索されることになる。また、このようなコストテーブルを用いた経路の探索においては、経路が全く探索されないといった経路探索の失敗だけは絶対に回避する必要があるため、コストテーブルにおける各コスト値は、いずれの探索条件においても無限大とはなっていない。
【0011】
つまり、探索条件に反するような道路であっても、この道路を含まなければ他に経路が見つからない場合においては、経路探索の失敗を回避するために、探索条件に反する経路が探索されることを余儀なくされていた。また、探索条件に適合する道路であっても、そのような道路を含まずに経路コスト値がより低い経路を見つけることができる場合には、経路内に含まれない可能性があった。
【0012】
したがって、従来は、有料道路の使用の有無についてのユーザの希望を満足する経路をユーザに提示することが困難であるといった問題が生じていた。
【0013】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、有料道路の使用の有無についてのユーザの希望を満足する経路をユーザに提示することができる車載用ナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述した目的を達成するため、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、設定された探索条件に従って目的地までの経路を地図データを用いて探索する経路探索手段と、この経路探索手段によって探索された前記目的地までの経路をユーザに提示する経路提示手段とを備え、前記経路探索手段によって探索された前記経路に沿った前記目的地までの経路誘導を行うことが可能に形成された車載用ナビゲーション装置であって、前記経路探索手段は、一般道を優先的に使用する旨の前記探索条件に従って前記目的地までの第1の経路を探索した際に、前記第1の経路内に有料道路が含まれている場合には、前記有料道路を含まない前記目的地までの第2の経路を探索可能に形成され、前記経路提示手段は、前記経路探索手段によって前記第2の経路が探索された場合には、前記第1の経路とともに前記第2の経路を提示するように形成されていることを特徴としている。
【0015】
そして、このような構成によれば、一般道を優先的に使用する旨の探索条件にしたがって探索された第1の経路内に有料道路が含まれている場合であっても、有料道路を一切含まない第2の経路を探索してユーザに提示することができるので、有料道路の使用の有無についてのユーザの希望を満足する経路をユーザに提示することができる。
【0016】
また、本発明に係る他の車載用ナビゲーション装置は、設定された探索条件に従って目的地までの経路を地図データを用いて探索する経路探索手段と、この経路探索手段によって探索された前記目的地までの経路をユーザに提示する経路提示手段とを備え、前記経路探索手段によって探索された前記経路に沿った前記目的地までの経路誘導を行うことが可能に形成された車載用ナビゲーション装置であって、前記経路探索手段は、有料道路を優先的に使用する旨の前記探索条件に従って前記目的地までの第1の経路を探索した際に、前記第1の経路内に有料道路が含まれていない場合には、前記有料道路を含む前記目的地までの第2の経路を探索可能に形成され、前記経路提示手段は、前記経路探索手段によって前記第2の経路が探索された場合には、前記第1の経路とともに前記第2の経路を提示するように形成されていることを特徴としている。
【0017】
そして、このような構成によれば、有料道路を優先的に使用する旨の探索条件にしたがって探索された第1の経路内に有料道路が全く含まれていない場合であっても、有料道路を必ず含む第2の経路を探索してユーザに提示することができるので、有料道路の使用の有無についてのユーザの希望を満足する経路をユーザに提示することができる。
【0018】
さらに、前記経路提示手段は、前記経路探索手段によって前記第2の経路が探索された場合には、前記第2の経路を前記第1の経路とともに前記経路誘導が行われる経路の候補として表示部に選択可能に表示することによって、前記第2の経路を前記第1の経路とともに提示するように形成され、車載用ナビゲーション装置本体は、前記経路提示手段によって選択可能に表示された前記1の経路または前記第2の経路のうち、ユーザによって選択された経路に沿った前記経路誘導を行うように形成されていることが好ましい。
【0019】
そして、このような構成によれば、ユーザが、第1の経路と第2の経路とを対比していずれの経路に沿った経路誘導を受けるのかを事前に選択することができるので、利便性をさらに向上させることができる。
【0020】
さらにまた、前記経路探索手段は、自車両が前記第1の経路の提示をともなう前記第1の経路に沿った経路誘導を受けつつ前記第1の経路上を走行している際に、前記第2の経路として、前記第1の経路に対応する前記地図データ中のリンクにおける現在の自車位置に該当する1本のリンクの終端部に対応する地点を始点とした第2の経路を、前記第1の経路上の自車位置の変動に応じて動的に探索可能に形成され、前記経路提示手段は、前記経路探索手段によって動的に探索される前記第2の経路を提示するように形成されていることが好ましい。
【0021】
そして、このような構成によれば、例えば、出発地点の周辺がすべて探索条件に反する道路の場合等、当初の自車位置において第2の経路が探索されなかった場合であっても、第1の経路上の走行が走行して現在の自車位置に対応した第2の経路が事後的に見つかった場合には、これをユーザに提示することができるので、第2の経路を提示することができる確率を高めることができる。
【0022】
また、前記経路提示手段は、自車両が前記第1の経路と前記第2の経路との分岐点の手前の地点に到達した際に、前記第1の経路とともに前記第2の経路を提示するように形成されていることが好ましい。
【0023】
そして、このような構成によれば、最適な地点で第2の経路を提示することができるので、利便性をさらに向上させることができる。
【0024】
さらにまた、前記経路提示手段は、地図上への前記第1の経路および前記第2の経路を示す画像の重畳表示、交差点拡大図上への前記第1の経路および前記第2の経路を示す画像の表示、および前記第1の経路および前記第2の経路を案内する音声の出力の少なくとも一つによって、前記第1の経路および前記第2の経路の提示を行うように形成されていることが好ましい。
【0025】
そして、このような構成によれば、第2の経路を、第1の経路に沿った経路誘導の過程において、第1の経路との対比が可能な状態として提示することができるので、利便性をさらに向上させることができる。
【0026】
また、前記第1の経路に対する前記第2の経路の評価値差が閾値以下であるか否かを判定する判定手段を備え、前記経路提示手段は、前記判定手段によって前記評価値差が前記閾値以下であると判定された場合に、前記第2の経路を提示するように形成されていることが好ましい。
【0027】
そして、このような構成によれば、第1の経路に比べて目的地まであまりにも遠回りになり過ぎるような経路は第2の経路として提示されないようにすることができるので、実用性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係るナビゲーション装置によれば、有料道路の使用の有無についてのユーザの希望を満足する経路をユーザに提示することができ、ひいては、利便性および信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る車載用ナビゲーション装置の第1実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。
【0030】
図1に示すように、本実施形態における車載用ナビゲーション装置1は、大別して、ナビゲーションメインユニット2と、このナビゲーションメインユニット2にそれぞれ接続されたデータ読出装置3、入力操作部5、GPSレシーバ6、自律航法センサ7、表示部としてのディスプレイ8およびスピーカ9とによって構成されている。
【0031】
なお、入力操作部5は、リモコン、ディスプレイ8のタッチパネル、リニアエンコーダまたはロータリエンコーダ等であってもよい。
【0032】
データ読出装置3には、ハードディスクやDVD等の記憶媒体10が搭載されており、この記憶媒体10には、地図データ等の車載用ナビゲーション装置1の機能を実行させるための各種のデータが記憶されている。なお、地図データは、地図表示機能および経路誘導機能の実行に用いられる道路データおよび背景データと、経路探索機能の実行に用いられる経路計算データと、目的地や施設等の検索機能の実行に用いられる検索データとを有している。
【0033】
ここで、経路計算データは、例えば、ノード、リンクおよび図7に示したコストテーブル等のデータ構成要素によって構成されており、この経路計算データは、目的地までの経路の探索に用いられるようになっている。
【0034】
ナビゲーションメインユニット2について詳述すると、このナビゲーションメインユニット2は、自車位置算出部12を有しており、この自車位置算出部12の入力側には、GPSレシーバ6および自律航法センサ7がそれぞれ接続されている。
【0035】
GPSレシーバ6は、図示しないGPS衛星から受信した軌道および時刻を含む情報を自車位置算出部12に出力するようになっている。自車位置算出部12は、GPSレシーバ6から出力された情報に基づいて、自車位置(絶対位置)を算出するようになっている(衛星航法)。
【0036】
自律航法センサ7は、自車の角速度や車速等を検出し、検出結果を自車位置算出部12に出力するようになっている。自車位置算出部12は、自律航法センサ7から出力された検出結果に基づいて、自車位置(相対位置)を算出するようになっている(自律航法)。
【0037】
自車位置算出部12は、算出され自車位置が、地図データにおける道路上にない場合には、地図データにおける該当する道路上の位置に自車位置を補正するマップマッチング処理を行うように構成されている。
【0038】
すなわち、自車位置算出部12とデータ読出装置3との間には、データ読出制御部14が接続されており、このデータ読出制御部14は、データ読出装置3に対する読み出し要求によって、記憶媒体10に記憶されたデータを読み出させるようになっている。また、データ読出装置3と自車位置算出部12との間には、バッファ15が接続されており、このバッファ15には、データ読出装置3によって読み出されたデータが一時的に格納されるようになっている。
【0039】
そして、マップマッチング処理の際には、データ読出制御部14は、自車位置算出部12の算出結果を取得し、取得された算出結果が示す自車位置の周辺の地図データの読み出し要求をデータ読出装置3に対して出力するようになっている。これにより、データ読出装置3は、データ読出制御部14の読み出し要求に応じた自車位置の周辺の地図データを記憶媒体10から読み出し、読み出された地図データは、バッファ15に一時的に格納されるようになっている。そして、自車位置算出部12は、このバッファ15に格納された地図データを取得し、取得された地図データを用いてマップマッチング処理を行うようになっている。このようなマップマッチング処理が適正に完了した場合には、マップマッチング処理後の自車位置が、最終的な自車位置の算出結果となる。
【0040】
バッファ15には、地図描画部16が接続されており、この地図描画部16には、地図表示の際に、記憶媒体10から読み出されてバッファ15に一時的に格納された地図データが入力されるようになっている。そして、地図描画部16は、バッファ15から入力された地図データに基づいて、自車位置の周辺の地図や、入力操作部5の操作によってユーザが指定した地点の周辺の地図の描画データを生成するようになっている。
【0041】
地図描画部16とディスプレイ8との間には、表示処理部18が接続されており、この表示処理部18には、地図描画部16によって生成された地図の描画データが入力されるようになっている。
【0042】
そして、表示処理部18は、地図描画部16から入力された地図の描画データに対応した地図の画像をディスプレイ8に表示するようになっている。
【0043】
自車位置算出部12と表示処理部18との間には、自車位置描画部19が接続されており、この自車位置描画部19には、自車位置算出部12によって算出された自車位置の情報が入力されるようになっている。自車位置描画部19は、自車位置算出部12から入力された自車位置の情報に基づいて、自車位置を示す自車位置マークの描画データを生成するようになっている。自車位置描画部19によって生成された自車位置マークの描画データは、表示処理部18に入力されるようになっている。そして、表示処理部18は、入力された自車位置マークの描画データに対応した自車位置マークを、ディスプレイ8に表示された地図上に重畳表示するようになっている。
【0044】
表示処理部18の入力側には、操作画面描画部20が接続されており、この操作画面描画部20は、メニュー画面や目的地設定画面等のユーザによる入力操作部5を用いた入力操作が可能な各種の操作画面の描画データを生成し、生成された描画データを表示処理部18に出力するようになっている。そして、表示処理部18は、操作画面描画部20によって出力された操作画面の描画データに対応した操作画面をディスプレイ8に表示するようになっている。
【0045】
入力操作部5の出力側には、目的地設定部21が接続されており、この目的地設定部21には、入力操作部5から、目的地設定画面に対する目的地を設定するためのユーザの入力操作の結果が入力されるようになっている。そして、目的地設定部21は、目的地設定画面に対する入力操作の結果に応じた目的地を設定するようになっている。
【0046】
自車位置算出部12、目的地設定部21、データ読出制御部14およびバッファ15には、経路探索手段としての経路探索部23が接続されており、この経路探索部23には、自車位置算出部12の算出結果および目的地設定部21の設定結果がそれぞれ入力されるようになっている。
【0047】
そして、経路探索部23は、自車位置算出部12の算出結果および目的地設定部21の設定結果が入力されると、これらの入力情報に基づいて、データ読出制御部14に、自車位置と目的地とを結ぶ所定範囲の領域に対応する経路計算データを読み出すための読み出し要求をデータ読出装置3に対して出力させるようになっている。この読み出し要求によって記憶媒体10から読み出された経路計算データは、バッファ15に一時的に格納された後に経路探索部23によって取得されるようになっている。そして、経路探索部23は、取得された経路計算データを用いて、自車位置から目的地までの経路を探索するための経路計算を行うようになっている。
【0048】
この経路計算の際に、本実施形態における経路探索部23は、入力操作部5を介したユーザの入力操作または車載用ナビゲーション装置1の初期設定(標準設定)によって設定された種々の探索条件に従って、自車位置から目的地までの経路を探索するようになっている。
【0049】
本実施形態において、この経路計算の際の探索条件の1つには、一般道を優先的に使用する旨の探索条件が含まれている。
【0050】
また、この他にも、自車位置から目的地までの推奨経路を探索する旨の探索条件、有料道路を優先的に使用する旨の探索条件、目的地までの所要距離が最短となる経路を探索する旨の探索条件等の探索条件が含まれていてもよい。
【0051】
そして、本実施形態における経路探索部23は、一般道を優先的に使用する旨の探索条件に従って自車位置から目的地までの第1の経路(以下、一般優先探索経路と称する)を探索した際に、探索された一般優先探索経路内に、有料道路が含まれているか否かを判定するようになっている。
【0052】
このような判定の結果、一般優先探索経路内に有料道路が含まれている場合には、経路探索部23は、一般優先探索経路を探索した後に、一般道のみを使用するといったより限定的な探索条件に従って自車位置から目的地までの第2の経路(以下、一般限定探索経路と称する)を探索するようになっている。
【0053】
このような一般限定探索経路の探索の際に、経路探索部23は、一般限定探索経路を探索する領域(経路計算データ)を、一般優先探索経路を探索する領域よりも広げるようにしてもよい。
【0054】
経路探索部23は、判定手段としての判定部28を有しており、この判定部28は、経路探索部23によって一般優先探索経路と一般限定探索経路との双方が探索された場合には、探索結果に基づいて、一般優先探索経路に対する一般限定探索経路の評価値差が閾値以下であるか否かを判定するようになっている。なお、評価値差としては、一般優先探索経路の経路コスト値と一般限定探索経路の経路コスト値との差分を用いることができる。
【0055】
経路探索部23と表示処理部18との間には、経路提示手段としての探索結果描画部24が接続されており、この探索結果描画部24には、経路探索部23の探索結果が入力されるようになっている。そして、探索結果描画部24は、入力された経路探索部23の探索結果の描画データを生成し、生成された探索結果の描画データを表示処理部18に出力するようになっている。
【0056】
本実施形態において、探索結果描画部24は、経路探索部23の探索結果に一般限定探索経路が含まれている場合には、この一般限定探索経路に対応する評価値差の判定結果を判定部28から取得するようになっている。そして、探索結果描画部24は、判定部28から取得された評価値差の判定結果が、閾値以下である場合には、探索結果の描画データとして、一般優先探索経路と一般限定探索経路とを、経路誘導が行われる経路の候補として選択可能な状態として表示するための描画データを生成するようになっている。表示処理部18は、探索結果描画部24によって生成された描画データに対応する探索結果をディスプレイ8に表示するようになっている。
【0057】
したがって、経路探索部23によって一般限定探索経路が探索された場合には、一般優先探索経路とともに一般限定探索経路がユーザに提示されることになる。
【0058】
ここで、図2は、このような探索結果の表示例として、一般優先探索経路とともに一般限定探索経路を提示するリスト表示画面29を示すものである。
【0059】
このリスト表示画面29においては、一般優先探索経路および一般限定探索経路のそれぞれを走行する場合における自車位置から目的地までの所要距離、所要通行料金および所要時間が互いに対比可能な状態として表示されている。
【0060】
また、このリスト表示画面29は、経路種別名が記述されている欄30を、入力操作部5の操作によって選択的にカーソル指定することができるようになっており、カーソル指定された欄30において、入力操作部5を用いて決定操作を行うことによって、カーソル指定された経路種別名の経路に沿った経路誘導に移行することができるようになっている。
【0061】
なお、図2においては、一般限定探索経路がカーソル指定されているため、このカーソル位置において決定操作を行えば、一般限定探索経路に沿った経路誘導が開始されることになる。
【0062】
なお、リスト表示画面29には、推奨経路等の他の探索条件に従って探索された経路の探索結果が含まれていてもよいことは勿論である。
【0063】
また、図3(a)〜(c)は、経路探索部23の探索結果の他の表示例として、一般優先探索経路とともに一般限定探索経路を提示する地図表示画面31を段階的に示すものである。
【0064】
すなわち、図3(a)に示す地図表示画面31においては、一般優先探索経路および一般限定探索経路のそれぞれの経路画像32が、地図33上に互いに対比可能な状態として重畳表示されている。また、この図3(a)の地図表示画面31には、各経路種別名が表記された複数個の操作ボタン34が、入力操作部5の操作によって選択可能に表示されている。
【0065】
この地図表示画面31に対して、ユーザが、入力操作部5を用いて例えば一般限定探索経路に対応する操作ボタン34を選択すると、図3(b)に示すように、地図表示画面31上に決定ボタン35が表示される。
【0066】
そして、ユーザが、入力操作部5を用いて決定ボタン35を操作すると、図3(c)に示すように、地図表示画面31上には、図3(a)(b)の工程において選択された一般限定探索経路の経路画像32のみが表示されるとともに、操作ボタン34に代わって、一般限定探索経路についての詳細情報36が表示される。
【0067】
この詳細情報36は、一般限定探索経路を走行する場合における自車位置から目的地までの所要距離、所要通行料金および所要時間を示す情報となっている。
【0068】
そして、この図3(c)に示す地図表示画面31に対して、ユーザが決定ボタン38を操作すると、一般限定探索経路に沿った経路誘導が行われることになる。なお、図3(c)に示す地図表示画面31には、前の画面の戻るための操作ボタン37も表示されている。
【0069】
なお、この図3の地図表示画面31にも、他の探索条件に従って探索された経路が含まれていてもよいことは勿論である。また、図3において、一般優先探索経路の経路画像32における有料道路の部分を、他の部分と識別可能な状態(例えば、色違い)として表示するようにしてもよい。
【0070】
図1に戻って、入力操作部5、自車位置算出部12、バッファ15、経路探索部23および表示処理部18には、案内画像描画部25が接続されており、この案内画像描画部25には、自車位置算出部12の算出結果および経路探索部23の探索結果がそれぞれ入力されるようになっている。また、案内画像描画部25には、探索結果描画部24によって表示された探索結果の中から、ユーザが経路誘導の対象として選択した経路の選択結果が入力操作部5から入力されるようになっている。
【0071】
そして、案内画像描画部25は、経路提示手段として機能し、入力操作部5から入力された選択結果が示す経路に基づいて、自車位置周辺の地図上への経路を示す画像の重畳表示や自車位置周辺の交差点拡大画像の表示等の、画像表示による経路の提示をともなう経路誘導を行うための案内画像の描画データを生成し、生成された案内画像の描画データを表示処理部18に出力するようになっている。案内画像の描画データの生成には、自車位置算出部12の算出結果、経路探索部23の探索結果およびバッファ15に格納された地図データが適宜用いられるようになっている。そして、表示処理部18は、案内画像描画部25から出力された案内画像の描画データに対応した案内画像をディスプレイ8に表示するようになっている。これにより、探索された経路の画像による提示をともなう経路誘導(換言すれば、ルート案内)が行われることになる。このとき、ユーザによって経路誘導の対象として選択された経路が一般限定探索経路の場合には、一般限定探索経路の提示(画像表示)をともなう経路誘導が行われることになる。
【0072】
入力操作部5、自車位置算出部12、経路探索部23およびスピーカ9には、音声案内部26が接続されており、この音声案内部26には、入力操作部5による経路誘導の対象となる経路の選択結果、自車位置算出部12の算出結果および経路探索部23の算出結果がそれぞれ入力されるようになっている。
【0073】
そして、音声案内部26は、経路提示手段として機能し、入力操作部5から入力された選択結果が示す経路に基づいて、交差点右左折案内等の音声出力による経路の提示をともなう経路誘導を行うための案内音声データを生成し、生成された案内音声データをスピーカ9に対して出力するようになっている。これにより、探索された経路の音声による提示をともなう経路誘導が行われることになる。このとき、ユーザによって経路誘導の対象として選択された経路が一般限定探索経路の場合には、一般限定探索経路の提示(音声出力)をともなう経路誘導が行われることになる。
【0074】
このような構成によれば、一般優先探索経路と一般限定探索経路とを経路誘導が行われる経路の候補としてユーザに提示することができ、提示された経路のいずれを経路誘導の対象とすべきかをユーザが事前に判断した上で、所望の経路に沿った経路誘導に移行することができる。
【0075】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0076】
なお、初期状態においては、目的地設定画面に対するユーザの入力操作に応じた目的地が、目的地設定部21に設定されているものとする。
【0077】
そして、このような初期状態から、まず、図4のステップ1(ST1)に示すように、経路探索部23により、自車位置算出部12の算出結果および目的地設定部21の設定結果を用いて、一般優先探索経路のみを探索する。
【0078】
次いで、ステップ2(ST2)においては、経路探索部23により、一般優先探索経路内に有料道路が含まれているか否かを判定し、含まれている場合にはステップ3(ST3)に進み、含まれていない場合には、ステップ7(ST7)に進む。
【0079】
ステップ3(ST3)においては、経路探索部23により一般限定探索経路を探索してステップ4(ST4)に進む。
【0080】
一方、ステップ7(ST7)においては、探索結果描画部24により、一般優先探索経路の探索結果のみを表示処理部18を介してディスプレイ8に表示して処理を終了する。この場合には、ディスプレイ8に表示された一般優先探索経路が、経路誘導の対象としユーザによって選択された上で、一般優先探索経路に沿った経路誘導が案内画像描画部25および音声案内部26によって行われることになる。
【0081】
次いで、ステップ4(ST4)においては、探索結果描画部24により、一般限定探索経路が探索されたか否かを判定し、探索された場合には、ステップ5(ST5)に進み、探索されなかった場合には、ステップ7(ST7)に進む。
【0082】
次いで、ステップ5(ST5)において、探索結果描画部24は、判定部28の判定結果を取得した上で、この判定結果が示す一般優先探索経路に対する一般限定探索経路の評価値差が閾値以下である場合には、ステップ6(ST6)に進み、閾値よりも大きい場合には、ステップ7(ST7)に進む。
【0083】
次いで、ステップ6(ST6)においては、探索結果描画部24により、一般優先探索経路の探索結果とともに一般限定探索経路の探索結果を表示処理部18を介してディスプレイ8に表示して処理を終了する。この場合には、ディスプレイ8に表示された一般優先探索経路または一般限定探索経路のいずれかがユーザによって選択された上で、選択された経路の提示をともなう当該経路に沿った経路誘導が案内画像描画部25および音声案内部26によって行われることになる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る車載用ナビゲーション装置の第2実施形態について図5および図6を参照しつつ説明する。
【0084】
なお、本実施形態における車載用ナビゲーション装置の外見上のブロック構成は第1実施形態と同様であるので、本実施形態における車載用ナビゲーション装置の説明は、第1実施形態の車載用ナビゲーション装置1と同一の符号を用いて行うことにする。
【0085】
本実施形態における車載用ナビゲーション装置1は、第1実施形態と同様に、経路探索部23が、一般優先探索経路内に有料道路が含まれている場合に、一般限定探索経路を探索してユーザに提示するように形成されている。
【0086】
ただし、第1実施形態とは異なり、本実施形態における経路探索部23は、自車両が一般優先探索経路の提示をともなう一般優先探索経路に沿った経路誘導を受けつつ一般優先探索経路上を走行している際に、一般優先探索経路上の自車位置の変動に応じて一般限定探索経路を動的に探索可能に形成されている。この一般優先探索経路に沿った経路誘導は、探索結果描画部24によって表示された探索結果をユーザが選択することによって行われたものであってもよい。
【0087】
ここで、本実施形態における一般限定探索経路は、一般優先探索経路に対応する地図データ中のリンクにおける現在の自車位置に該当する1本のリンクの終端部(走行方向下流側端部)に対応する地点を始点とした一般限定探索経路とされている。すなわち、本実施形態においては、一般限定探索経路として、一般優先探索経路から分岐点を介して分岐されるような経路を動的に探索するようになっている。
【0088】
さらに、これにともなって、本実施形態における経路提示手段としての案内画像描画部25および音声案内部26は、経路探索部23によって動的に探索される一般限定探索経路を、一般優先探索経路とともに画像表示および音声出力によって提示するように形成されている。
【0089】
このような構成によれば、例えば、出発地点の周辺がすべて有料道路の走行を余儀なくされる地域の場合等、当初の自車位置において一般限定探索経路が探索されなかった場合であっても、一般優先探索経路上の走行が走行して現在の自車位置に対応した一般限定探索経路が事後的に見つかった場合には、これをユーザに提示することができるので、一般限定探索経路を提示することができる確率を高めることができる。
【0090】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、案内画像描画部25および音声案内部26は、一般優先探索経路および一般限定探索経路の提示を、自車両が一般優先探索経路と一般限定探索経路との分岐点の手前の地点に到達した際に行うようになっている。なお、分岐点は、交差点であってもよい。また、分岐点の手前の地点としては、例えば、分岐点の30m手前等の所望の値をコンセプトに応じて設定すればよい。
【0091】
このような構成によれば、最適な地点で一般限定探索経路を提示することができるので、利便性をさらに向上させることができる。
【0092】
なお、このような一般優先探索経路の提示(一般優先探索経路に沿った経路誘導)の際における一般限定探索経路の提示の具体的態様としては、図5(a)(b)に示すような態様が考えられる。
【0093】
すなわち、図5(a)は、案内画像描画部25によって案内画像としてディスプレイ8に表示される案内画面39を示したものである。この案内画面39には、一般優先探索経路上における自車位置44(自車位置マーク)の周辺の地図40上に、一般優先探索経路の経路画像41と、一般優先探索経路上における自車位置44に対する走行方向下流側の第1番目の交差点(以下、次の交差点Pと称する)において一般優先探索経路から分岐される一般限定探索経路の経路画像42とを、互いに対比可能な状態として重畳表示した画像が含まれている。
【0094】
また、案内画面39には、デフォルメされた交差点拡大図45上に、一般優先探索経路の走行方向を示す矢印46とともに一般限定探索経路の走行方向を示す矢印47を重ねた画像が含まれている。
【0095】
さらに、案内画面39には、一般優先探索経路を走行する場合における現在の自車位置から目的地までの所要時間と、一般限定探索経路を走行する場合における現在の自車位置から目的地までの所要時間とを示す画像48が含まれている。
【0096】
一方、図5(b)は、音声案内部26によってスピーカ9から音声出力される音声メッセージを示したものである。この音声メッセージは、次の交差点(この先の交差点)以降も一般優先探索経路の走行を続ける場合には、有料道路が使用されることを示唆するとともに、次の交差点で一般優先探索経路から分岐される一般限定探索経路に移行する(左折する)場合には、一般優先探索経路に比べて時間は余計にかかるが有料道路は使用しないことを示唆する内容となっている。
【0097】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、案内画像描画部25および音声案内部26は、一般限定探索経路の提示を、この一般限定探索経路の一般優先探索経路に対する評価値差が閾値以下である場合に行うようになっている。評価値差が閾値以下であるか否かについては、判定部28の判定結果を取得することによって即時に検知することができる。
【0098】
このような構成によれば、一般優先探索経路に比べて目的地まであまりにも遠回りになり過ぎるような経路は一般限定探索経路として提示されないようにすることができるので、実用性を向上させることができる。
【0099】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0100】
なお、初期状態においては、目的地設定画面に対するユーザの入力操作に応じた目的地が、目的地設定部21に設定されているものとする。
【0101】
そして、このような初期状態から、まず、図6のステップ11(ST11)に示すように、経路探索部23により、自車位置算出部12の算出結果および目的地設定部21の設定結果を用いて、一般優先探索経路のみを探索する。
【0102】
次いで、ステップ12(ST12)においては、経路探索部23により、一般優先探索経路内に有料道路が含まれているか否かを判定し、含まれている場合にはステップ13(ST13)に進み、含まれていない場合には、ステップ19(ST19)に進む。
【0103】
ステップ19(ST19)においては、一般優先探索経路のみを提示して処理を終了する。つまり、この場合には、案内画像描画部25および音声案内部26によって通常の一般優先探索経路に沿った経路誘導が行われることになる。
【0104】
一方、ステップ13(ST13)においては、経路探索部23により、一般優先探索経路に沿った経路誘導をともなう自車両による一般優先探索経路上の走行が開始されたか否かを自車位置算出部12の算出結果に基づいて判定し、開始された場合には、ステップ14(ST14)に進み、開始されていない場合には、ステップ13(ST13)に戻る。
【0105】
次いで、ステップ14(ST14)においては、経路探索部23により、一般限定探索経路の動的な探索を開始してステップ15(ST15)に進む。
【0106】
次いで、ステップ15(ST15)においては、経路探索部23により、一般限定探索経路が探索されたか否かを判定し、探索された場合には、ステップ16(ST16)に進み、探索されなかった場合には、ステップ20(ST20)に進む。
【0107】
ステップ20(ST20)においては、一般優先探索経路上の走行を続行してステップ15(ST15)に戻る。
【0108】
一方、ステップ16(ST16)において、案内画像描画部25および音声案内部26は、判定部28の判定結果を取得した上で、この判定結果が示す一般優先探索経路に対する一般限定探索経路の評価値差が閾値以下である場合には、ステップ17(ST17)に進み、閾値よりも大きくなる場合には、ステップ19(ST19)に進む。
【0109】
次いで、ステップ17(ST17)においては、案内画像描画部25および音声案内部26により、自車両が一般優先探索経路と一般限定探索経路との分岐点の手前の地点に到達したか否かを自車位置算出部12の算出結果に基づいて判定し、到達した場合には、ステップ18(ST18)に進み、到達していない場合には、一般優先探索経路上の走行を継続しつつステップ17(ST17)に戻る。
【0110】
次いで、ステップ18(ST18)においては、案内画像描画部25および音声案内部26により、一般優先探索経路とともに一般限定探索経路を提示して処理を終了する。なお、このように一般限定探索経路を提示した場合において、自車両が一般優先探索経路上の走行から一般限定探索経路上の走行へと移行した場合には、それ以降は、案内画像描画部25により、自車位置に応じた一般限定探索経路の経路画像42を地図上に継続的に表示するか、あるいは、案内画像描画部25および音声案内部26により、一般限定探索経路に沿った経路誘導に自動的に切り替えるようにすればよい。
【0111】
以上述べたように、本発明によれば、第1の経路としての一般優先探索経路内に有料道路が含まれている場合であっても、第2の経路としての一般限定探索経路を探索してユーザに提示することができるので、有料道路を使用しないというユーザの希望を満足する経路をユーザに提示することができる。
【0112】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0113】
例えば、本発明は、第1の経路として、有料道路を優先的に使用する旨の探索条件に従って探索される目的地までの経路(以下、有料優先探索経路と称する)を適用するとともに、第2の経路として、有料道路を必ず含む目的地までの経路(以下、有料必須探索経路と称する)を適用するようにしてもよい。なお、有料必須探索経路は、有料道路のみからなる経路であってもよいし、または、経路中に有料道路が部分的に含まれている経路であってもよい。
【0114】
より具体的には、経路探索部23が、有料優先探索経路を探索した際に、有料優先探索経路内に有料道路が全く含まれていない場合には、有料必須探索経路を探索するように構成する。
【0115】
また、有料必須探索経路が探索された場合には、判定部28によって、有料優先探索経路に対する有料必須探索経路の評価値差(経路コストの差であってもよい)が閾値以下であるか否かを判定させるように構成する。
【0116】
そして、有料優先探索経路に対する有料必須探索経路の評価値差が閾値以下である場合には、第1実施形態と同様に、探索結果描画部24によって、有料優先探索経路の探索結果とともに有料必須探索経路の探索結果を、経路誘導の候補としてディスプレイ8に表示するように構成してもよい。
【0117】
あるいは、第2実施形態と同様に、自車両が有料優先探索経路の提示をともなう有料優先探索経路に沿った経路誘導を受けつつ有料優先探索経路上を走行している際に、経路探索部23が、有料優先探索経路に対応する地図データ中のリンクにおける現在の自車位置に該当する1本のリンクの終端部に対応する地点を始点とした有料必須探索経路を、有料優先探索経路上の自車位置の変動に応じて動的に探索するように構成してもよい。なお、このような有料必須探索経路の動的な探索は、例えば、1回の経路探索の際に用いることができる領域(経路計算データ)との関係上、当初の自車位置においては、有料道路を含む経路が探索できない場合においても、有料優先探索経路上の走行が進行して有料必須探索経路が事後的に見つかった場合等において有効である。そして、このような有料必須探索経路の動的な探索を行う場合には、案内画像描画部25および音声案内部26が、有料必須探索経路の有料優先探索経路に対する評価値差が閾値以下であることを判定部28の判定結果に基づいて確認した上で、有料優先探索経路と有料必須探索経路との分岐点の手前の地点において、図5に示した態様と同様に、有料優先探索経路および有料必須探索経路の提示を行うようにすればよい。
【0118】
このように、第1の経路として有料優先探索経路を適用し、第2の経路として、有料必須探索経路を適用した場合には、有料優先探索経路内に有料道路が含まれていない場合であっても、有料必須探索経路を探索してユーザに提示することができるので、有料道路を使用するというユーザの希望を満足する経路をユーザに提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の第1実施形態を示すブロック図
【図2】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の第1実施形態において、一般優先探索経路とともに一般優先探索経路が探索された場合における探索結果の表示例を示す図
【図3】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の第1実施形態において、(a)は、一般優先探索経路とともに一般限定探索経路が探索された場合における探索結果の図2と異なる表示例における初期画面を示し、(b)は、初期画面から経路誘導の対象として一般限定探索経路が選択された画面を示し、(c)は、一般限定探索経路の詳細情報が表示された画面を示す図
【図4】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の第1実施形態を示すフローチャート
【図5】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の第2実施形態において、(a)は、有料優先探索経路および有料必須探索経路の案内画面を示し、(b)は、有料優先探索経路および有料必須探索経路の音声メッセージを示す図
【図6】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の第2実施形態を示すフローチャート
【図7】経路の探索に用いるコストテーブルの一例を示す図
【符号の説明】
【0120】
1 車載用ナビゲーション装置
23 経路探索部
24 探索結果描画部
25 案内画像描画部
26 音声案内部
28判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定された探索条件に従って目的地までの経路を地図データを用いて探索する経路探索手段と、
この経路探索手段によって探索された前記目的地までの経路をユーザに提示する経路提示手段と
を備え、
前記経路探索手段によって探索された前記経路に沿った前記目的地までの経路誘導を行うことが可能に形成された車載用ナビゲーション装置であって、
前記経路探索手段は、一般道を優先的に使用する旨の前記探索条件に従って前記目的地までの第1の経路を探索した際に、前記第1の経路内に有料道路が含まれている場合には、前記有料道路を含まない前記目的地までの第2の経路を探索可能に形成され、
前記経路提示手段は、前記経路探索手段によって前記第2の経路が探索された場合には、前記第1の経路とともに前記第2の経路を提示するように形成されていること
を特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
設定された探索条件に従って目的地までの経路を地図データを用いて探索する経路探索手段と、
この経路探索手段によって探索された前記目的地までの経路をユーザに提示する経路提示手段と
を備え、
前記経路探索手段によって探索された前記経路に沿った前記目的地までの経路誘導を行うことが可能に形成された車載用ナビゲーション装置であって、
前記経路探索手段は、有料道路を優先的に使用する旨の前記探索条件に従って前記目的地までの第1の経路を探索した際に、前記第1の経路内に有料道路が含まれていない場合には、前記有料道路を含む前記目的地までの第2の経路を探索可能に形成され、
前記経路提示手段は、前記経路探索手段によって前記第2の経路が探索された場合には、前記第1の経路とともに前記第2の経路を提示するように形成されていること
を特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記経路提示手段は、前記経路探索手段によって前記第2の経路が探索された場合には、前記第2の経路を前記第1の経路とともに前記経路誘導が行われる経路の候補として表示部に選択可能に表示することによって、前記第2の経路を前記第1の経路とともに提示するように形成され、
車載用ナビゲーション装置本体は、前記経路提示手段によって選択可能に表示された前記1の経路または前記第2の経路のうち、ユーザによって選択された経路に沿った前記経路誘導を行うように形成されていること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記経路探索手段は、自車両が前記第1の経路の提示をともなう前記第1の経路に沿った経路誘導を受けつつ前記第1の経路上を走行している際に、前記第2の経路として、前記第1の経路に対応する前記地図データ中のリンクにおける現在の自車位置に該当する1本のリンクの終端部に対応する地点を始点とした第2の経路を、前記第1の経路上の自車位置の変動に応じて動的に探索可能に形成され、
前記経路提示手段は、前記経路探索手段によって動的に探索される前記第2の経路を提示するように形成されていること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記経路提示手段は、自車両が前記第1の経路と前記第2の経路との分岐点の手前の地点に到達した際に、前記第1の経路とともに前記第2の経路を提示するように形成されていること
を特徴とする請求項4に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記経路提示手段は、地図上への前記第1の経路および前記第2の経路を示す画像の重畳表示、交差点拡大図上への前記第1の経路および前記第2の経路を示す画像の表示、および前記第1の経路および前記第2の経路を案内する音声の出力の少なくとも一つによって、前記第1の経路および前記第2の経路の提示を行うように形成されていること
を特徴とする請求項4または請求項5に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記第1の経路に対する前記第2の経路の評価値差が閾値以下であるか否かを判定する判定手段を備え、
前記経路提示手段は、前記判定手段によって前記評価値差が前記閾値以下であると判定された場合に、前記第2の経路を提示するように形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−162547(P2009−162547A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340340(P2007−340340)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】