説明

車載端末

【課題】これまでの車載端末では、車載通信装置を用いてデータ通信を行なっている最中に音声の着信があった場合や、通信装置が通信圏外となった場合に外部からの着信機会を損失する可能性がある。
【解決手段】車両に設置された車載端末に内蔵される通信装置がデータ通信の際中に、前記通信装置に対して音声着信があった場合、その音声着信が転送されるよう、データ通信開始前に通信ネットワークに対して、例えば車内に持ち込んだ携帯電話などの移動体通信端末へ音声着信を転送するよう通知する。データ通信完了後に前記通信ネットワークに対し転送終了通知を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーオーディオ機器やカーナビゲーション機器、車載通信装置等の車載電子機器を備えた車載端末に係わり、特に、車内に持ち込まれた携帯電話等の移動通信端末と車載通信装置との間の転送設定機能を備えた車載端末に関する。
【背景技術】
【0002】
カーオーディオ機器やカーナビゲーション機器等の普及と共に、通信装置を備えた高機能の端末装置例えばサーバーが車両に搭載される例が増えている。また、携帯電話の普及と共に、携帯電話が車内に持ち込まれる機会は非常に多くなっている。そして、車載端末と連携して携帯電話の機能を有効に利用することが検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、車両外のサーバーと車両内の車載装置とを備え、車載通信端末とサーバーとの間で音声またはデータ通信を行ない、運転中に必要な情報を取得することを可能とすると共に、車内に持ち込んだ携帯電話などの移動体通信端末を用いてより高度なサービスを実行する車載端末が提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、車内に持ち込んだ携帯電話を車載装置が自動的に認識し、携帯電話への着信を車載装置に内蔵された通信端末へ転送するよう、電話網へ自動的に設定を行なう方法が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−283421号公報
【特許文献2】特開2003−189370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来技術によれば、車載通信装置を用いてデータ通信を行なっている最中に音声の着信がある場合や、車載通信装置が通信不能となる場合に外部からの着信機会を損失する可能性がある。例えば、大容量のコンテンツ等を含むデータをダウンロードする場合、その間、車載通信装置は通信が出来ない。一例として、旅行先でカーナビゲーション用の地図情報を得るためにネットワーク、車載通信装置を介して車載端末にダウンロードする場合、ダウンロードの間は車載通信装置が外部からの着信を受けることができない。
【0007】
他方、移動体通信端末は、利用者が運転中に直接操作しないと通話ができず、安全性、利便性に問題がある。また、車載端末が通信圏外となる場合、着信の機会を失うが、従来の技術ではこれらについての充分な配慮がなされていない。
【0008】
本発明の目的は、車載通信装置を用いたデータ通信中における着信機会の損失を減らすことにある。
本発明の他の目的は、運転中であっても移動体通信端末を利用者が直接操作することなく通話が可能で、安全性、利便性の向上した車載端末を提供することにある。
本発明の他の目的は、車載端末が通信圏外となる場合でも、着信機会の損失を最小限に留めた車載端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題点を解決するために、本発明では、車両に車載端末を設け、該車載端末は、通信網を介して通信する通信端末に対する通信の接続要求を、他の通信端末に転送可能な通信網に接続され、該通信網を介して外部装置と通信する車載通信手段と、前記通信網に接続された通信端末を特定する為の接続宛先情報を記録する接続先記録手段と、制御部とを備え、該制御部は、前記車載通信手段による通信開始前に、前記記録手段に記録された前記接続宛先情報を読み出し該接続宛先情報に基づき、前記通信網に対して前記車載通信手段に対する接続要求を前記接続宛先情報から特定される通信端末に転送を指示する転送設定を行なう機能と、前記車載通信手段による通信終了後に、前記通信網に対して前記車載通信手段に対する接続要求の転送設定を解除する機能とを有する。これによりデータ通信中の音声着信を携帯電話など他の通信装置で受けることが可能となり、着信機会損失を減らすことが可能である。
【0010】
また、本発明では、車両に車載端末を設け、該車載端末は通信網を介して通信する通信端末に対する通信の接続要求を、他の通信端末に転送可能な通信網に接続され、該通信網を介して外部装置と通信する車載通信手段と、前記通信網に接続された通信端末を特定する為の接続宛先情報を記録する接続先記録手段と、前記車両の位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段にて検出した前記車両の位置情報に基づいて求めた、目的地までの走行予定経路情報を記録する走行予定経路情報記録手段と、前記車載通信手段が前記通信網を介して通信可能な地域を示すサービスエリア情報を記録するサービスエリア情報記録手段と、該サービスエリア情報記録手段に記録された前記サービスエリア情報と、前記走行予定経路情報記録手段に記録された走行予定経路情報を基に前記車両通信手段が通信不能となる地点を判定する圏外エリア判定手段と、制御部とを備え、該制御部は、前記車載通信手段が通信不能となる通信圏外地点の近傍に位置しているか否を判定し、前記通信圏外地点の近傍に位置していると判定した場合、前記通信網に対して前記車載通信手段に対する接続要求を前記接続宛先情報から特定される前記通信端末に転送を指示する転送設定を行なう機能と、前記圏外エリア判定手段で判別した通信不能となる通信圏外地点を車両が通過し再度通信可能となった後に、前記通信網に対して前記車載通信手段に対する接続要求の転送設定を解除するよう動作する機能を有する。
これにより車載通信装置が通信可能圏外となる場合の着信を受けることが可能となり、着信機会損失を減らすことが可能である。
【0011】
また本発明では、上記車載端末が音声入出手段と、前記通信網を介して音声通信可能な通信端末を接続し前記音声入出力手段を用いて音声通信を行なう接続手段を備え、前記制御部が、前記接続手段に接続された通信端末の接続宛先情報を、前記接続先記録手段に記録することにより、前記車載通信手段に対する通信の接続要求を、前記接続手段に接続された通信端末に転送せしめ、該転送された接続要求に対して前記通信端末にて応答し、前記音声入出力手段を用いて音声通信を行なうよう動作する機能を有している。これにより、携帯電話など他の通信装置へ転送された場合でも、車載端末の音声入出力装置を用いて通話することが可能となり、運転中の車両搭乗者が通話しても、運転への注意力低下を防ぐことが可能となる。
【0012】
また、本発明では、車両に車載端末を設け、該車載端末は、通信網を介して通信する通信端末に対する通信の接続要求を他の通信端末に転送可能な通信網に接続され、該通信網を介して外部装置と通信する車載通信手段と、前記通信網に接続され、該通信網を介して外部装置と通信する通信端末を接続する接続手段と、前記車両の位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段にて検出した前記車両の位置情報に基づいて求めた、目的地までの走行予定経路情報を記録する走行予定経路情報記録手段と、前記車載通信手段が前記通信網を介して通信可能な地域を示すサービスエリア情報を記録するサービスエリア情報記録手段と、該サービスエリア情報記録手段に記録された前記サービスエリア情報と、前記走行予定経路情報記録手段に記録された走行予定経路情報を基に前記車両通信手段が通信不能となる地点を判定する圏外エリア判定手段と、制御部とを備え、前記制御部は、前記車載通信手段が通信不能となる通信圏外地点の近傍に位置しているか否を判定し、前記通信圏外地点の近傍に位置していると判定した場合、前記通信網に対して前記接続手段に接続された通信端末に対する接続要求を、前記車載通信手段に転送するよう設定し、前記圏外エリア判定手段で判別した通信不能となる通信圏外地点を車両が通過し再度通信可能となった後に、前記通信網に対して前記通信端末に対する接続要求の転送設定を解除するよう動作する機能を有する。
これにより、車両に持ち込んだ通信装置が通信可能圏外となる場合の着信を車載通信端末で受けることが可能となり、着信機会損失を減らすことが可能である。
【0013】
また本発明では、前記車載端末において、前記サービスエリア情報は前記他の通信端末のサービスエリアに関する情報も保持しており、走行予定経路上の任意の地点を通過する時刻を予測する予測手段を備え、前記制御部は、前記圏外エリア判定手段による判定の結果、走行予定経路上に通信圏外となる地点がある場合は、前記車載通信手段が通信圏圏外地点近傍で前記他の通信端末が通信圏内ならば、前記車載通信手段への呼び出しを前記他の通信端末に転送するよう設定を行ない、前記他の通信端末が通信圏圏外地点近傍で前記車載通信手段が通信圏内ならば、前記他の通信端末への呼び出しを前記車載通信手段に転送するよう設定を行ない、前記車載通信手段および前記他の通信端末が通信圏外地点近傍ならば、前記他の通信端末への呼び出しと前記車載通信手段の呼び出しを予め設定された他の接続宛先情報から特定される通信端末へ転送する機能を有する。
これにより、車載通信端末や車両に持ち込んだ通信装置のいずれか一方、あるいは双方が通信可能圏外となる場合でも、着信機会の損失を減らすことが可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、車載通信装置を用いたデータ通信の前に通信ネットワークに対して転送を設定することにより、データ通信中の着信を車内に持ち込んだ移動体通信端末に転送することで着信機会損失を減らすことが可能となる。
また、車両の現在位置情報と、カーナビゲーションで設定された走行ルートと通信端末のサービスエリア情報より、車載端末が通信圏外となることが予想される場合、転送先を一方の通信端末に設定することにより、着信機会損失を減らすことが可能となる。
【0015】
さらに、車載端末が通信圏外となるまでの時間を予測することにより、通信圏外となる直前まで転送設定開始を遅らせることが可能となり、結果として転送設定期間を短くすることが可能となる。
さらに、車載端末及び移動体通信端末が通信圏外となることが予想される場合、転送先をサービスセンターのような通信圏外の発生しない第三の通信端末に設定することにより、着信機会損失を減らすことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施例につき図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0017】
図1、図2、図3は本発明の車載端末の実施例1の説明図である。図1は車載端末の構成図、図2は車載端末と通信システムの動作図、図3は車載端末の動作フローチャートである。
本実施例1は、車両に搭載した車載端末がデータ通信を行なっている際の着信を車内の携帯電話に転送するよう通信ネットワークに対し通知し、データ通信終了と同時に、その転送設定を解除する場合の例である。
【0018】
図1において、101は車載端末を搭載した車両、102は車内に持ち込まれた携帯電話、103は通信装置を持ち外部と通信可能な車載端末である。104は車両の位置を検出する位置検出部、105は車載端末の各部を制御する制御部、106は制御部の動作プログラムや転送設定時の転送先情報を記憶する記憶部、107は記憶部に保存される転送先情報、108は無線通信するためのアンテナ、109は通信を行なう通信部であり、さらに通信電波の電界強度を検出し通信可能な圏内か否かを制御部へ通知する機能を有する。110は搭乗者による操作を受け付けるための入力部、111は画面表示や音声出力などの出力部、112は音声やデータを無線通信できる通信ネットワーク、113は入力部に接続されたマイク、114は出力部に接続されたスピーカ、201は通信ネットワーク112を経由して車載端末へ呼び出しを行なう外部端末である。
【0019】
携帯電話102と車載端末103は、車内において、USBなどの有線もしくはBluetoothなどの無線通信手段で接続される。携帯電話102は各通信事業者がサービスする携帯電話やPHS、また無線LAN等によるIP電話でも良い。車載端末103は、通信装置を持つカーナビゲーションシステムや車載サーバと一体的に構成し、各種情報を共有し得るように構成しても良い。位置検出部104はGPS、またはPHSや無線LAN等で用いられている基地局間の距離から位置を求めるシステムでもよい。制御部105は、CPUなどの演算装置を含むコンピュータで構成され、記憶部106に含まれるプログラムに従って動く。記憶部106はRAMやROMなどのメモリ、ハードディスクドライブなどで構成され制御部の動作プログラムや転送設定の有無や転送設定時の転送先情報を記憶する。転送先情報107は着信の転送先を指定する為の電話番号情報等であって、記憶部に保存され前もって登録される。例えば、車両搭乗者が所持する携帯電話102の番号である。なお、転送元及び転送先、例えば車載端末103や携帯電話102の各電話番号は、予め通信業者に申請しておく。通信装置がVoIP方式のIP携帯電話等のIP網を用いる場合は、転送先情報107はIPアドレス等のアドレス情報であっても良い。
【0020】
通信部109は、車載端末103に内蔵される通信装置で内蔵型の携帯電話ユニットや無線LANカードやDSRC(狭域無線通信方式)通信機であり、これらを組み合わせた構成としても良い。入力部110は、キーボードやタッチパネル、音声入力を受付けるマイクなどで構成され、ユーザの操作を受付ける。出力部111は、視覚的に情報を伝える装置である液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ、聴覚的に情報を伝える装置であるスピーカ、触覚的に情報を伝える装置である振動発生機などであり、これらを組み合わせた構成としても良い。通信ネットワーク112は電話網やIP網である。
【0021】
かかる構成において、車両に搭載された車載端末103がデータ通信を行なう際に、記憶部106に保存された転送先情報107を用いて通信部109に対応する呼び出しを携帯電話102に転送するよう通信ネットワーク112に対して通知する。通知を受けた通信ネットワーク112は以降、転送が解除されるまで、通信部109に対する呼び出しは携帯電話102に転送する。
【0022】
図2は、上記図1における車載端末103、携帯電話102、通信ネットワーク112と外部から車載端末に対して発信を行なう外部端末201の動作説明図である。車載端末103は車両101の車両搭乗者によりデータ通信の開始を入力部110より指示され(ステップS201)、制御部105は記憶部106から転送先情報107を読み出し、通信部109に対する呼び出しを前記読み出した転送先に転送するよう指示するための特殊なダイヤル番号等を発信、またはEメールまたはSMS(ショートメッセージサービス)等を送信することにより、転送通知を通信ネットワーク112へ通知し(ステップS202)、通信ネットワーク112は転送通知を受けると該転送通知に含まれる転送先情報107を読み出し、以降転送解除の通知があるまで車載端末103に対する呼び出しが携帯電話102へ転送されよう設定される(ステップS203)。
【0023】
車載端末103では、転送通知の成功後、データ通信を開始し(ステップS204)、通信ネットワーク112を通じてデータの送受信を行なう(ステップS205)。
【0024】
このデータ通信中に外部端末201が車載端末103へ呼び出しを行なうと(ステップS206)、通信ネットワーク112は先に設定した転送先である携帯電話102へ転送を行ない(ステップS207)、携帯電話102が外部端末201の呼び出しに応答することにより外部端末201と携帯電話102間で通話がなされる(ステップS208)。車載端末ではデータ通信が完了すると(ステップS209)、制御部105は先の転送解除の通知を送信する(ステップS210)。通信ネットワーク112は転送解除通知を受け含まれる転送先電話番号より該当転送設定を判別し、転送を解除する(ステップS211)。車載端末103は転送設定解除通知が到達したことを確認し、データ通信を終了する(ステップS212)。
【0025】
図3は、上記図1における車載端末103の動作説明図である。車両搭乗者は予め、着信時に転送を行うか否かの設定及び転送を行う場合その転送先例えば携帯電話の情報を指定しておく。車両搭乗者の操作により入力部110よりデータ通信開始の指示を受けると(ステップS301)、制御部105は記憶部106を参照し(ステップS302)、転送を行う設定でなければデータ通信を開始し(ステップS303)、データ通信の終了時にディスプレイなどの出力部111にデータ通信の終了を表示し(ステップS304)、終了する。
【0026】
一方、転送を行う設定である場合は、記憶部106から転送先情報107を読み出し(ステップS305)、転送先情報107が入力されているかどうかを判定し(ステップS306)、転送先情報107が設定されている場合は出力部111に読み出した転送先を表示し車両搭乗者は入力部110より転送先を選択する(ステップS307)、一方、転送先情報107が入力されていない場合は、出力部より転送先情報107入力を促す表示を行い車両搭乗者の操作により転送先情報107を入力する(ステップS308)。次に記憶部106より選択された、もしくは入力部110より入力された転送先を通信部109より通信ネットワーク112へ通知し(ステップS309)、データ通信を実行する(ステップS310)。データ通信が完了すると、通信部109より通信ネットワーク112へ転送解除通知を送信し(ステップS311)、出力部へデータ通信の完了を表示し終了する(ステップS304)。
(ここで、上記ステップS305〜ステップS309までの一連の処理手順をまとめてステップS101と呼ぶ。)
以上の動作により、本車載端末のデータ転送時の転送設定が行われる。実施例1によれば、データ通信中は通信ネットワーク112に対して転送設定を行うので、データ通信中の着信機会の損失を減らすことが可能である。例えば、カーナビゲーションに旅行先の地図情報がないので現地の地図情報をネットワーク及び通信部109を介して車載端末103にダウンロードする場合でも、予め携帯電話に転送設定しておくことで、車載端末でダウンロードしている間に外部からの通信を携帯電話で受信することができる。
【実施例2】
【0027】
次に、図4は車載端末と通信システムの他の実施例の動作図である。この例は、上記実施例1において、携帯電話102と車載端末103をUSBなどの有線もしくはBluetoothなどの無線通信手段で接続している場合に、ハンズフリー通話ができるようにしたものである。すなわち、通信部109宛ての呼び出しが転送され携帯電話102にて着信した場合、車載端末103の入力部110のマイク113及び出力部111のスピーカ114を用いて通話可能にする。なお、図2で述べた処理と同様の場合同じステップ番号を用いて説明する。
【0028】
まず、車両搭乗者の操作もしくは制御部105の判断により、データ通信処理を開始する(ステップS201)。制御部105は記憶部106から転送先情報107を読み出し、入力部110および出力部111を携帯電話102のハンズフリー通話で用いることができるよう電源ONや初期化ならびに信号入出力先変更などのハンズフリー通話設定を行う(ステップS601)。次に通信部109に対する呼び出しを前記読み出した転送先に転送するよう指示するための特殊なダイヤル番号等を発信、またはEメールまたはSMS(ショートメッセージサービス)等を送信することにより、転送通知を通信ネットワーク112へ通知し(ステップS202)、通信ネットワーク112は転送通知を受けると該転送通知に含まれる転送先情報107を読み出し、以降転送解除の通知があるまで車載端末103に対する呼び出しが携帯電話102へ転送されるよう設定される(ステップS203)。
【0029】
車載端末103では転送通知の成功後、データ通信を開始し(ステップS204)、通信ネットワーク112を通じてデータの送受信を行なう(ステップS205)、このデータ通信中に外部端末201が車載端末103へ呼び出しを行なうと(ステップS206)、通信ネットワーク112は先に設定した転送先である他の通信端末、すなわち携帯電話102へ転送を行ない(ステップS207)、携帯電話102が外部端末201の呼び出しに応答することにより外部端末201と携帯電話102間で通話がなされる(ステップS208)。この通話は、車載端末103の入力部110のマイク113及び出力部111のスピーカ114を用いてハンズフリーで行われる(ステップS602)。車載端末では、データ通信が完了すると(ステップS209)、制御部105は先の転送解除の通知を送信する(ステップS210)。通信ネットワーク112は、転送解除通知を受け含まれる転送先電話番号より該当転送設定を判別し、転送を解除する(ステップS211)。車載端末103は転送設定解除通知が到達したことを確認し、ハンズフリー通話設定を解除し(ステップS603)、データ通信を終了する(ステップS212)。以上の動作により本車載端末のデータ転送時の転送設定が行われる。
【0030】
実施例2によれば、データ通信中は通信ネットワーク112に対して転送設定を行うので、データ通信中の着信機会の損失を減らすことが可能である。
【0031】
また、携帯電話102の通話を車載端末103のハンズフリー機能を用いて通話できる。この場合、この音声の入出力には車載端末に付属するマイク113とスピーカ114だけでなく、短距離無線による車両搭乗者のハンドセットを用いても良い。これにより、携帯電話102などに呼び出しを転送しても車載端末103と接続することで搭乗者は携帯電話102を直接操作することなく通話することが可能となり安全性、利便性が向上する。
【実施例3】
【0032】
次に、図5,図6で本発明の実施例3を説明する。図5は車載端末の構成図である。図6は通信装置が通信不能となる地点の判定時における、車載端末の転送先設定の動作説明図である。
この実施例3は、車載端末の位置検出手段を用いて車両の位置情報を取得し、予め設定された走行予定経路情報と、通信可能なサービスエリア情報とを用いて、走行予定経路上で車載端末が通信圏外に退出することが予測される場合、通信ネットワークからの呼び出しを携帯電話へ転送するよう前記通信ネットワークへ指示し、車両が通信圏内にとどまると予測される、もしくは車両が通信圏内に進入した場合、前記通信ネットワークに前記携帯電話への呼び出しの転送を解除する場合の例である。
【0033】
図5において、走行予定経路情報401は、予め記憶部106に記憶されている地図情報や位置検出部104によって検出された車両位置情報と車両搭乗者が設定した目的地などから求められる走行予定の経路情報である。サービスエリア情報402は、両搭乗者による指示あるいは定期的にインターネット経由で取得し記憶部に記憶している各通信事業者の通信サービスエリアの情報である。圏外エリア判定手段403は、前記車両位置情報と走行予定経路情報401とサービスエリア情報402を用いて走行予定経路上で車載端末の通信部109が通信不能となる通信圏外地点を判定する手段である。制御部105には、計測部404からの時間情報、車両の位置情報や車両の走行速度や走行方向などの車両走行情報等が入力される。この車両走行情報は、カーナビゲーションシステムや車両の走行制御システム(図示略)から提供されるものであっても良い。
【0034】
制御部105は、走行予定経路上の任意の地点を通過する時刻を予測する機能を有しており、車両の現在位置情報と通信不能となる通信圏外地点の情報及び車両走行情報とに基いて、車両が通信不能となる通信圏外地点までに到達する所要到達時間を予測する。制御部105は、さらに、この予測された所要到達時間が所定値、例えば3分になったら、車両が通信圏外地点の近傍に位置していると判断する。車載端末の符号101から112までの各構成要素は、図1に示す実施例と同様の構成を有するものとする。
【0035】
なお、図5では、圏外エリア判定手段403は制御部105とは別の構成として記載しているが、これは説明を分り易くするためであり、圏外エリア判定手段の機能と制御部105の機能は、全体として単一あるいは複数のプログラムで実現される。
【0036】
かかる構成において、車両搭乗者による操作で経路設定が行なわれ走行予定経路情報401が更新されると、制御部105は圏外エリア判定手段403の情報と、位置検出部106より得られる現在位置情報と、記憶部106の走行予定経路情報とサービスエリア情報402から、走行予定経路上で車載端末の通信部109が通信圏外となる通信圏外地点を判定し、その地点近傍までの所要到達時間を予測する。そして、車両が通信圏外地点近傍に達したら、車載端末103の転送先設定を行う。
【0037】
図6は、上記図5における車載端末103の転送先設定の動作説明図である。動作を説明するにあたり図6中、図3と同一の動作を行うステップ要素には、図3と同一の符号を付して用いる。
【0038】
まず、車両搭乗者より入力部110へ目的地の位置情報入力があり、走行予定経路401が作成される。制御部105は、記憶部106からこの走行予定経路情報401を読み出し(ステップS501)、次に、サービスエリア情報402を読み出す(ステップS502)。ここでサービスエリア情報402が記憶部106に含まれていない、もしくは一定期間より前の古い情報の場合は、サービスエリア情報402を通信により取得する(ステップS504)。サービスエリア情報402を読み出しもしくは取得したら車両の現在位置情報を位置検出部104より読み出し(ステップS505)、以上の情報を用いて圏外エリア判定手段403により、車載端末の通信部109の通信圏外エリア地点を求め、車両の現在位置から走行予定経路に沿って通信圏外エリア地点に至るまでの距離を求める(ステップS506)。
【0039】
制御部105は、車両が通信圏外地点に到達するまでの所要到達時間を、通信圏外地点までの距離と車両走行情報(経路情報、走行速度及び走行方向等)とから演算し予測する。さらに、予測された通信圏外地点までの所要到達時間が所定時間、例えば2分以内になったら、車両が通信圏外地点の近傍に位置していると判定する(ステップS507)。
【0040】
この通信圏外地点のまでの所要到達時間の予測に、通信事業者の情報やカーナビゲーションシステムの情報を利用することで、より高精度の予測を行うようにしても良い。また、通信圏外地点までの所要到達時間は、通信の機会を逸することなく、かつ、通信圏外となる直前まで転送設定開始を遅らせる趣旨に沿って、適宜設定すればよい。 また、通信圏外地点の近傍における通信を円滑に行わせるために、例えば、「後3分で通信圏外に入ります。後1分で転送設定を行います。」などのように、車両が通信圏外地点の近傍に接近しつつあることをスピーカなどで車両搭乗者に知らせるようにしても良い。
【0041】
制御部105は、車両の現在位置が通信圏外地点の近傍でないと判定した場合、目的地に到達したか否かを判定し(ステップS510)、目的地に到達している場合は終了し、到達していなければ一定の期間待機し(ステップS511)、現在位置情報の読み取り(ステップS505)に戻り処理を繰返す。
【0042】
現在位置情報の読み取り後、ステップS507による判定で走行予定経路上に車載端末の通信部109が通信圏外となる地点の近傍に達したと予測した場合は、図3で説明したのと同様な手順で車内の携帯電話への転送設定を行なう(ステップS101)。通信圏外を通過し通信圏内に再度侵入したか否かを、通信部109が通信網から取得する電波の電界強度から、制御部105が判定し(ステップS508)、進入していなければ予め定められた一定期間周期で待機し(ステップS509)、ステップS508を繰返す。通信圏内に再度侵入した場合、通信部109より通信ネットワーク112へ転送解除通知を送信し(ステップS311)、走行予定経路の終点へ到達しているか否かを判定し(ステップS510)、終点へ到達している場合は終了し、まだ到達していなければ一定期間待機し(ステップS511)、現在位置情報の読み取り(ステップS505)に戻り処理を繰返す。
【0043】
この実施例によれば、車両の予定経路上に車載端末の通信部109が通信圏外となる地点に到達することが予測される場合は、通信圏外に突入する前に、通信ネットワーク112に対して転送設定を行い、車内の他の通信端末である携帯電話で受信することにより、着信機会の損失を減らすことができる。すなわち、車両の現在位置情報と、カーナビゲーションで設定された走行ルートと通信端末のサービスエリア情報等より、車載端末が通信圏外となることが予想される場合、その近傍で転送先を車内の携帯電話に設定することにより、着信機会損失を減らすことが可能となる。
【0044】
さらに、通信圏外となるまでの時間を予測することにより、通信圏外となる直前まで転送設定開始を遅らせることが可能となり、結果として転送設定期間を短くすることが可能となる。なお、通信圏外地点の近傍における転送設定開始のための所定時間は、転送設定期間を短くするという観点だけでなく、転送設定直前に着信した場合の通話に支障のないようにするという観点も含めて選定するのが良い。
【実施例4】
【0045】
また、上記実施例3において、通信部109への呼び出しを携帯電話102へ転送する実施例について説明を行なったが、携帯電話102が通信圏外の近傍に位置する場合も同様に、転送することができる。すなわち、サービスエリア情報402は車載端末103の通信部109のサービスエリアだけでなく携帯電話102のサービスエリアに関する情報も保持しており、携帯電話102と車載端末103がUSBなどの有線もしくはBluetoothやIrDAなどの無線で接続し、接続された携帯電話102を車載端末103から制御することにより、携帯電話102が通信圏外近傍に位置する場合に、携帯電話102への呼び出しを通信部104へ転送する設定を通信ネットワーク112に指示するように構成すれば良い。この場合も、車両の通信端末(携帯電話102)が通信不能となる地点の近傍に位置していると判定した場合、通信網に対して通信端末に対する接続要求を、車載通信手段に転送するよう設定し、圏外エリア判定手段で判別した通信不能となる地点を車両が通過し再度通信可能となった後に、通信網に対して通信端末に対する接続要求の転送設定を解除するようにする。
【0046】
この実施例によれば、車両の携帯電話102が通信圏外となる地点近傍に位置していことが予測される場合は、通信ネットワーク112に対して車載通信手段への転送設定を行い、着信機会の損失を減らすことが可能である。
【実施例5】
【0047】
図7、図8は本発明の実施例5を説明する図である。実施例5では、車載端末の通信装置と携帯電話の双方が通信不能となる地点近傍の判定と、転送設定を行う。
図7は本発明の実施例5の説明図で車載端末の構成例図である。図8は実施例3の図5における、車載端末103の動作説明図に対応する図である。図8は、サービスエリア情報が車載端末103の通信部109のサービスエリアだけでなく携帯電話102のサービスエリアに関する情報も保持している場合である。動作を説明するにあたり図8中、図6と同一の動作を行うステップ要素には、図6と同一の符号を付して用いる。
【0048】
図7において、車載端末101及び携帯電話102は、通信ネットワークを介して、サービスセンタ601に接続されている。このサービスセンタ601の電話番号は、携帯電話102および通信部109が共に通信圏外の時の転送先として車両搭乗者が予め通信事業者に連絡して設定しておくものとする。サービスセンタ601の代わりに、通信圏外の生じ無い固定電話、例えば会社や自宅の電話に転送先を設定しても良い。402Aは通信事業者から提供され通信により定期的に取得し予め記憶部106に記憶している車載端末101の通信部109の通信可能なサービスエリア情報である。402Bは通信事業者から提供され通信により定期的に取得し予め記憶部106に記憶している車両搭乗者が所持する携帯電話102の通信可能なサービスエリア情報である。他の各部は図5に示す実施例と同様の構成を有するものとする。
【0049】
車両搭乗者より入力部110へ目的地の位置情報入力があり、走行予定経路401が作成されると、制御部は記憶部106から走行予定経路情報401を読み出し(ステップS501)、次にサービスエリア情報402A及び402Bを読み出す(ステップS502)。ここでサービスエリア情報402A又は402Bの少なくとも一方が記憶部106に含まれていない、もしくは一定期間より前の古い情報の場合は、最新のサービスエリア情報を通信により取得する(ステップS504)。サービスエリア情報を読み出しもしくは取得したら車両の現在位置情報を位置検出部104より読み出し(ステップS505)、以上の情報を用いて圏外エリア判定手段403により走行予定経路に沿って車両の現在位置から車載端末の通信装置と携帯電話のいずれか一方又は双方が通信不能通信圏外となる通信圏外地点までの距離を求める。そして、車両が通信圏外地点に到達するまでの所要到達時間を、通信圏外地点までの距離と車両走行情報(経路情報、走行速度及び走行方向)とから予測する(ステップS506)。このようにして予測された通信圏外地点までの所要到達時間が所定値、例えば2分になったら、車両が通信圏外地点の近傍に位置していると判断する(ステップS507)。
【0050】
車載端末の通信装置と携帯電話のいずれかあるいは双方が通信圏外となる地点の近傍に位置していない場合、目的地に到達したか否かを判定し(ステップS510)、目的地に到達している場合は終了し、到達していなければ一定の期間待機し(ステップS511)、現在位置情報の読み取り(ステップS505)に戻り処理を繰返す。
【0051】
現在位置情報の読み取り後、ステップS507による判定で、車載端末の通信装置と携帯電話のいずれかが走行予定経路上に通信圏外となる地点の近傍にある場合は、通信部109が圏外近傍で携帯電話102が通信圏内ならば(ステップS701)、通信部109への呼び出しを携帯電話102に転送するよう設定を行ない(ステップS101)、携帯電話102が圏外の近傍で通信部109が通信圏内ならば(ステップS702)、携帯電話102への呼び出しを通信部109に転送するよう設定を行ない(ステップS704)、携帯電話102および通信部109が通信圏外の近傍ならば(ステップS703)、携帯電話102への呼び出しと通信部109の呼び出しを共に車両搭乗者が予め設定しておいたサービスセンタ601の電話番号へ転送するよう設定を行なう(ステップS705)。
【0052】
その後、通信圏外を通過し通信圏内に再度侵入したか否かを、通信部109および携帯電話102が通信網から取得する電波の電界強度から、制御部105が判定し(ステップS508)、進入していなければ予め定められた一定期間周期で待機し(ステップS509)、ステップS508を繰返す。通信圏内に再度侵入した場合、前記転送もしくは留守番電話設定の解除通知を送信し(ステップS706)、走行予定経路の終点へ到達しているか否かを判定し(ステップS510)、終点へ到達している場合は終了し、まだ到達していなければ一定期間待機し(ステップS511)、現在位置情報の読み取り(ステップS505)に戻り処理を繰返す。
【0053】
以上の動作により本車載端末の予定経路上に通信圏外となる地点近傍に位置することが予測される場合、転送設定が行われる。
上記実施例5によれば、車両の予定経路上に通信圏外となる地点があることが予測される場合は、その地点近傍で通信ネットワーク112に対して予め転送設定を行い、着信機会の損失を減らすことが可能である。
【0054】
さらに、通信圏外近傍となる地点を判定する処理(ステップS507)において、通信圏外近傍となる地点が走行予定経路上に存在する場合、現在位置から通信圏外近傍となる地点に到達するまでの時間を計測部404より算出し、算出された時間待機したのち、ステップS506、ステップS507を実行するようにしても良い。これにより上記フローチャートの処理の繰返しを削減し制御部105への負荷を削減することができる。
【0055】
本発明による車載端末は、通信機器搭載型カーナビゲーション装置に適応可能である。また、本発明の車載端末により車両搭乗者は搭載された通信端末と車両搭乗者が車内に持ち込んだ移動体通信端末を用いて、一方の通信端末がデータ通信中や通信圏外などの不通話状態となった場合に、もう一方の通信端末に着信を転送することで着信機会の損失を減らすことができる。
【0056】
なお、実施例3〜5において、車両の走行経路及び走行条件によっては、通信圏外と通信圏内とが短い時間間隔で繰り返し出現するような場合も考えられる。このような場合を想定して、図6や図8のステップ508で、圏外地点を通過したと判定した場合でも、次の通信圏外地点までの予想される所要時間が短い、例えば2〜3分以内であれば、直ちに転送解除通知を行わず、そのまま待機状態を持続することで、連続した通信ができる環境を確保し得るようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例1の説明図で、車載端末の構成例図である。
【図2】図1の車載端末と通信システムの動作説明図である。
【図3】図1の車載端末の動作を説明するフローチャートである。
【図4】図1の車載端末と通信システムの実施例2の動作説明図である。
【図5】本発明の実施例3の説明図で車載端末の構成例図である。
【図6】図5の車載端末の動作を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の実施例5の説明図で車載端末の構成例図である。
【図8】図7の車載端末の動作を説明する実施例5のフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
103…車載端末、104…位置検出部、105…制御部、106…記憶部、107…転送先情報、108…アンテナ、109…通信部、110…入力部、111…出力部、112…通信ネットワーク、401…走行予定経路情報、402…サービスエリア情報、403…圏外エリア判定手段、404…計測部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動する車両に設置される車載端末であって、通信網を介して通信する通信端末に対する通信の接続要求を、他の通信端末に転送可能な通信網に接続され、該通信網を介して外部装置と通信する車載通信手段と、前記通信網に接続された通信端末を特定する為の接続宛先情報を記録する接続先記録手段と、制御部とを備え、
該制御部は、前記車載通信手段による通信開始前に、前記記録手段に記録された前記接続宛先情報を読み出し該接続宛先情報に基づき、前記通信網に対して前記車載通信手段に対する接続要求を前記接続宛先情報から特定される通信端末に転送を指示する転送設定を行なう機能と、前記車載通信手段による通信終了後に、前記通信網に対して前記車載通信手段に対する接続要求の転送設定を解除する機能とを有する、ことを特徴とする車載端末。
【請求項2】
移動する車両に設置される車載端末であって、
通信網を介して通信する通信端末に対する通信の接続要求を、他の通信端末に転送可能な通信網に接続され、該通信網を介して外部装置と通信する車載通信手段と、
前記通信網に接続された通信端末を特定する為の接続宛先情報を記録する接続先記録手段と、
前記車両の位置を検出する位置検出手段と、
該位置検出手段にて検出した前記車両の位置情報に基づいて求めた、目的地までの走行予定経路情報を記録する走行予定経路情報記録手段と、
前記車載通信手段が前記通信網を介して通信可能な地域を示すサービスエリア情報を記録するサービスエリア情報記録手段と、
該サービスエリア情報記録手段に記録された前記サービスエリア情報と、前記走行予定経路情報記録手段に記録された走行予定経路情報を基に前記車両通信手段が通信不能となる地点を判定する圏外エリア判定手段と、
制御部とを備え、
該制御部は、前記車載通信手段が通信不能となる通信圏外地点の近傍に位置しているか否を判定し、前記通信圏外地点の近傍に位置していると判定した場合、前記通信網に対して前記車載通信手段に対する接続要求を前記接続宛先情報から特定される前記通信端末に転送を指示する転送設定を行なう機能と、前記圏外エリア判定手段で判別した通信不能となる通信圏外地点を車両が通過し再度通信可能となった後に、前記通信網に対して前記車載通信手段に対する接続要求の転送設定を解除するよう動作する機能とを有する、ことを特徴とする車載端末。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車載端末において、
音声入出手段と、
前記通信網を介して音声通信可能な通信端末を接続し前記音声入出力手段を用いて音声通信を行なう接続手段を備え、
前記制御部は、前記接続手段に接続された通信端末の接続宛先情報を、前記接続先記録手段に記録することにより、前記車載通信手段に対する通信の接続要求を、前記接続手段に接続された通信端末に転送せしめ、該転送された接続要求に対して前記通信端末にて応答し、前記音声入出力手段を用いて音声通信を行なうよう動作する機能を有すること、を特徴とする車載端末。
【請求項4】
移動する車両に設置された車載端末であって、
通信網を介して通信する通信端末に対する通信の接続要求を他の通信端末に転送可能な通信網に接続され、該通信網を介して外部装置と通信する車載通信手段と、
前記通信網に接続され、該通信網を介して外部装置と通信する通信端末を接続する接続手段と、
前記車両の位置を検出する位置検出手段と、
該位置検出手段にて検出した前記車両の位置情報に基づいて求めた、目的地までの走行予定経路情報を記録する走行予定経路情報記録手段と、
前記車載通信手段が前記通信網を介して通信可能な地域を示すサービスエリア情報を記録するサービスエリア情報記録手段と、
該サービスエリア情報記録手段に記録された前記サービスエリア情報と、前記走行予定経路情報記録手段に記録された走行予定経路情報を基に前記車両通信手段が通信不能となる地点を判定する圏外エリア判定手段と、
制御部とを備え、
前記制御部は、前記車載通信手段が通信不能となる通信圏外地点の近傍に位置しているか否を判定し、前記通信圏外地点の近傍に位置していると判定した場合、前記通信網に対して前記接続手段に接続された通信端末に対する接続要求を、前記車載通信手段に転送するよう設定し、前記圏外エリア判定手段で判別した通信不能となる通信圏外地点を車両が通過し再度通信可能となった後に、前記通信網に対して前記通信端末に対する接続要求の転送設定を解除するよう動作すること、を特徴とする車載端末。
【請求項5】
請求項2または請求項4に記載の車載端末において、
前記サービスエリア情報は前記他の通信端末のサービスエリアに関する情報も保持しており、
走行予定経路上の任意の地点を通過する時刻を予測する予測手段を備え、
前記制御部は、前記圏外エリア判定手段により前記車載通信手段もしくは前記通信端末が通信不能となる地点を通過すると判定した場合、車両走行情報に基づき前記予測手段にて通信不能となる地点までの所要到達時間を予測し、該所要到達時間が所定の時間内となる場合通信圏外地点の近傍に位置していると判定し、前記通信網に対し上記転送設定を行ない、前記圏外エリア判定手段で判別した通信不能となる地点を車両が通過し再度通信可能となった後に、前記通信網に対し接続要求の転送設定を解除するよう動作する機能を有すること、を特徴とする車載端末。
【請求項6】
請求項2または請求項4に記載の車載端末において、
前記サービスエリア情報は前記他の通信端末のサービスエリアに関する情報も保持しており、
走行予定経路上の任意の地点を通過する時刻を予測する予測手段を備え、
前記制御部は、前記圏外エリア判定手段による判定の結果、走行予定経路上に通信圏外となる通信圏外地点がある場合は、前記車載通信手段が通信圏外地点近傍で前記他の通信端末が通信圏内ならば、前記車載通信手段への呼び出しを前記他の通信端末に転送するよう設定を行ない、前記他の通信端末が通信圏外地点近傍で前記車載通信手段が通信圏内ならば、前記他の通信端末への呼び出しを前記車載通信手段に転送するよう設定を行ない、前記車載通信手段および前記他の通信端末が通信圏外近傍ならば、前記他の通信端末への呼び出しと前記車載通信手段の呼び出しを予め設定された他の接続宛先情報から特定される通信端末へ転送する機能を有すること、を特徴とする車載端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−74424(P2006−74424A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−255188(P2004−255188)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(501348139)株式会社 エイチ・シー・エックス (86)
【Fターム(参考)】