説明

通信システム及び車載装置

【課題】特定の車線を走行する車両の車載装置のみからデータを受信できる路上通信装置が受信可能なデータの容量よりも大きな容量のデータを、当該車載装置から受信することができる通信システムを提供する。
【解決手段】車載装置3は、第一通信装置1から第一データを受信した場合、すなわち、車載装置3を搭載した車両6が特定の車線(第一車線)を走行している場合にのみ、車載データを送信するので、第二通信装置2は、特定の車線(第一車線)を走行した車両6の車載装置3のみから、第一通信装置1が受信可能なデータの容量よりも大きな容量の車載データを受信することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された車載装置からデータを受信する通信システムに関し、特に、特定の車線を走行した車両に搭載された車載装置からデータを受信する通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
交通管理を円滑に行うために、車両に搭載された車載装置と路上通信装置とが交通に関するデータの通信を行う通信システムが提案されている。
【0003】
このような通信システムに用いられる路上通信装置として、光ビーコンやDSRC(Dedicated Short Range Communication : 専用狭域通信)が知られている(特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開平11−146464号公報
【特許文献2】特開2003−217089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、道路の合流部やカーブなどの地点において、特定の車線を走行する車両のみが交通事故を引き起こす可能性が高い場合、当該車線を走行する車両の挙動を解析することによって、交通事故の要因を見出し、交通事故の防止に役立てることができる。
【0005】
発明者らは、特定の車線を走行する車両の挙動を解析するために、当該車両のみから、GPS(Global Positioning System)で計測した位置データや車載カメラで撮影した画像データなどの大容量のデータを受信できる通信システムを検討している。
【0006】
しかしながら、光ビーコンでは、特定の車線を走行する車両の車載装置のみからデータを受信することができるものの、通信エリアが小さいため、大容量のデータ(例えば、256バイト以上のデータ)を受信することができない。一方、DSRCでは、光ビーコンよりも大きい容量のデータ(大きいとは、通信エリアを想定される最高の速度(例えば、70km/h)で通過する間に受信可能なデータの容量が大きいことをいう)を受信することができるが、通信エリアが大きく、車線をまたがって広がってしまうため、特定の車線を走行する車両からデータを受信することができない。
【0007】
そこで、本発明は、特定の車線を走行する車両の車載装置のみからデータを受信できる路上通信装置が受信可能なデータの容量よりも大きな容量のデータを、当該車載装置から受信することができる通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の通信システムは、複数の車線を有する道路に設置された第一の通信装置と、前記道路に設置され、前記第一の通信装置が受信可能なデータの容量よりも大きい容量のデータを受信可能な第二の通信装置と、車両に搭載された車載装置とを含む通信システムであって、前記第一の通信装置は、前記複数の車線のうちの第一の車線を走行する車両のみに第一のデータを送信し、前記車載装置は、車載データを蓄積する記憶手段と、前記第一のデータを受信する第一受信手段と、前記第一受信手段が前記第一のデータを受信した場合に、前記車載データを前記第二の通信装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
この発明によれば、複数の車線を有する道路には、光ビーコンなどの第一の通信装置と、第一の通信装置よりも受信可能なデータの容量が大きいDSRCやWiMAX(Worldwide interoperability for microwave access)などの第二の通信装置とが設置されており、第一の通信装置は、複数の車線のうちの特定の車線(第一の車線)を走行する車両のみにデータ(第一のデータ)を送信する。車載装置は、GPSで計測した位置データや車載カメラで撮影した画像データなどの車載データを蓄積しており、第一の通信装置からデータ(第一のデータ)を受信した場合に、蓄積した車載データを第二の通信装置に送信する。これにより、第二の通信装置は、特定の車線(第一の車線)を走行する車両の車載装置のみから、第一の通信装置が受信可能なデータの容量よりも大きな容量の車載データを受信することができる。
【0010】
また、本発明の通信システムは、前記第一のデータには、前記第一の車線の識別を示すデータが含まれ、前記第二の通信装置は、前記複数の車線のうちの第二の車線の識別を示すデータを含む第二のデータを送信し、前記車載装置は、前記第二のデータを受信する第二受信手段をさらに備え、前記送信手段は、前記第一受信手段が受信した前記第一のデータに含まれる前記第一の車線の識別を示すデータと、前記第二受信手段が受信した前記第二のデータに含まれる前記第二の車線の識別を示すデータとを比較して、所定の条件を満たした場合に、前記車載データを送信することを特徴とする(請求項2)。
【0011】
この発明によれば、第一の通信装置が送信した第一のデータには、特定の車線(第一の車線)の識別を示すデータが含まれている。例えば、道路が3車線であり、特定の車線が外側から1番目の車線である場合、車線の識別を示すデータは、外側から数えた車線の番号である「1」などとなる。第二の通信装置は、第一の通信装置とは別個に、複数の車線のうちの特定の車線(第二の車線)の識別を示すデータを含む第二のデータを送信する。車載装置は、第一のデータと第二のデータとを受信し、それぞれに含まれる第一の車線の識別を示すデータと第二の車線の識別を示すデータとを比較して、所定の条件を満たした場合、例えば、両データが一致した場合(第二の車線を示すデータが複数であれば、第二の車線を示すデータが第一の車線を示すデータを包含する場合)に、車載データを第二の通信装置に送信する。これにより、例えば、3車線のそれぞれに第一の通信装置が設置され、それぞれの第一の通信装置からそれぞれの車線の識別を示すデータを含む第一のデータが送信されている場合であっても、第二の通信装置は、自らが送信した第二のデータに含まれる第二の車線に一致する車線を走行した車両の車載装置のみから、第一の通信装置が受信可能なデータの容量よりも大きな容量の車載データを受信することができる。
【0012】
また、本発明の通信システムは、複数の車線を有する道路に設置された第一の通信装置と、前記道路に設置され、前記第一の通信装置が受信可能なデータの容量よりも大きい容量のデータを受信可能な第二の通信装置と、車両に搭載された車載装置とを含む通信システムであって、前記第一の通信装置は、前記複数の車線のうちの第一の車線を走行する車両のみに、前記第一の車線の識別を示すデータを含む第一のデータを送信し、前記車載装置は、車載データを蓄積する記憶手段と、前記第一のデータを受信する第一受信手段と、前記第一受信手段が受信した前記第一のデータに含まれる前記第一の車線の識別を示すデータと前記車載データとを前記第二の通信装置に送信する送信手段とを備え、前記第二の通信装置は、前記第一の車線の識別を示すデータと前記車載データとを受信する手段と、第二の車線の識別を示すデータを取得する手段と、前記第一の車線の識別を示すデータと前記第二の車線の識別を示すデータとを比較して、所定の条件を満たした場合に、前記車載データを出力する手段とを備えることを特徴とする(請求項3)。
【0013】
この発明によれば、複数の車線を有する道路には、第一の通信装置と、第一の通信装置よりも受信可能なデータの容量が大きい第二の通信装置とが設置されており、第一の通信装置は、複数の車線のうちの第一の車線を走行する車両のみに、当該車線の識別を示すデータを含む第一のデータを送信する。車載装置は、車載データを蓄積するとともに、第一のデータを受信し、この第一のデータに含まれる第一の車線の識別を示すデータと蓄積した車載データとを第二の通信装置に送信する。第二の通信装置は、これらのデータを受信し、別途第二の車線の識別を示すデータを取得し、第一の車線の識別を示すデータと、第二の車線の識別を示すデータとを比較して、所定の条件を満たした場合、例えば、両データが一致した場合に、第二の車線に関する車載データを出力する。これにより、例えば、3車線のそれぞれに第一の通信装置が設置され、それぞれの第一の通信装置からそれぞれの車線の識別を示すデータを含む第一のデータが送信されている場合であっても、第二の通信装置は、これらの車線を走行した車両の車載装置から第一の通信装置が受信可能なデータの容量よりも大きな容量の車載データを受信し、そのうちから第二の車線に一致する車線を走行した車両の車載装置の車載データのみを出力することができる。
【0014】
また、本発明の車載装置は、上記の通信システムに用いられる車載装置である(請求項4,5)。
【発明の効果】
【0015】
以上のように本発明の通信システム及び車載装置によれば、特定の車線を走行する車両の車載装置のみからデータを受信できる路上通信装置が受信可能なデータの容量よりも大きな容量のデータを、当該車載装置から受信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
実施の形態1:
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る通信システムの概要を示す模式図である。通信システムは、第一通信装置1、第二通信装置2、車載装置3を含むものである。
【0017】
第一通信装置1は、通信領域を特定の車線に限定できるために、その特定の車線を走行する車両のみとデータの送受信を行うことができ、主に小容量のデータ(例えば、256バイトまでのデータ)を受信することができる、光ビーコンなどの通信装置である。第一通信装置1は、車載装置とデータの送受信を行う第一通信ヘッド1aと、第一通信ヘッド1aを制御する第一通信制御装置1bとを含んでいる。第一通信ヘッド1aは、道路の合流部近くの道路脇に設置された第一ポール4の上部のアームに取り付けられており、第一車線(道路の外側から数えて1番目の車線)を走行する車両に搭載された車載装置とデータの送受信が可能である。第一通信領域R1は、第一通信ヘッド1aが車載装置とデータの送受信が可能な領域を表している。第一通信制御装置1bは、第一ポール4の側部に取り付けられている。第一通信装置1は、第一通信領域R1に対して所定の送信周期で所定のデータ(第一データ)を送信し続けている。
【0018】
第二通信装置2は、通信領域が広く、特定の車線を走行する車両に限ってのデータの送受信を行うことはできないが、第一通信装置1に比べて大容量のデータを受信することができる、DSRC(Dedicated Short Range Communication : 専用狭域通信)やWiMAX(Worldwide interoperability for microwave access)などの通信装置である。特に、モバイルWiMAXは電波の到達距離が長く(約1.5km)、伝送容量も非常に大きい(約15Mビット/秒)ので、有用である。第二通信装置2は、車載装置とデータの送受信を行う第二通信アンテナ2aと、第二通信アンテナ2aを制御する第二通信制御装置2bとを含んでいる。第二通信アンテナ2aは、第一ポール4のさらに下流の道路脇に設置された第二ポール5の上部に取り付けられており、第一車線を走行する車両に搭載された車載装置のみならず、第二車線や第三車線を走行する車両に搭載された車載装置ともデータの送受信が可能である。第二通信領域R2は、第二通信アンテナ2aが車載装置とデータの送受信が可能な領域を表している。第二通信制御装置2bは、第二ポール5の側部に取り付けられている。第二通信装置2は、第二通信領域R2に対して所定の送信周期で所定のデータ(第二データ)を送信し続けている。
【0019】
なお、第一通信装置1と第二通信装置2は、図1に示すように別のポールに取り付けられている必要はなく、同じポールに取り付けられていても良い。また、第一通信領域R1と第二通信領域R2は、図1に示すように一部が重複している必要はなく、重複する部分がなくても、一方が他方に包含されていても良い。
【0020】
車載装置3は、第一通信装置1及び第二通信装置2とデータの送受信が可能な車載装置であり、車両6に搭載されている。車載装置3は、第一通信領域R1内において第一通信ヘッド1aとの間で近赤外線によるデータの通信を行い、第二通信領域R2内において第二通信アンテナ2aとの間で電波によるデータの通信を行う。また、車載装置3には、車両6に搭載された車載カメラ(図示せず)が接続されており、車載カメラで撮像した撮像画像の画像データが車載カメラから送られてくる。
【0021】
第一通信装置1は、第一通信制御装置1bに接続された通信回線(図示せず)を介して、交通管制センター(図示せず)とデータの送受信を行う。第一通信装置1は、交通管制センターから渋滞や旅行時間に関する交通データ等を受信する。また、第二通信装置2は、第二通信制御装置2bに接続された通信回線(図示せず)を介して、交通管制センターとデータの送受信を行う。第二通信装置2は、交通管制センターからレストランや駐車場の満空に関するイベントデータ等を受信する。
【0022】
図2は、車載装置3の構成を示すブロック図である。時計部301は時刻を計時する。GPS処理部302は、GPS受信部321でGPS衛星からのGPS信号を受信し、GPS信号に含まれる時刻情報、GPS衛星の軌道情報、測位補正情報等に基づいて、当該車載装置3の位置(緯度、経度及び高度)を計測する。方位センサ303は、光ファイバジャイロなどで構成されており、方位及び角速度を計測する。
【0023】
インタフェース部304は、車速センサ322が車輪の角速度を検出することにより計測した車両6の速度を取得する。また、インタフェース部304は、車載カメラ323が撮像した撮像画像の画像データを取得する。
【0024】
記憶部305は、当該車載装置3の識別を示す車両IDを記憶している。また、記憶部305は、所定の周期(たとえば、1秒)毎に、時計部301が計時した時刻、GPS処理部302が計測した計測位置(緯度、経度及び高度)、方位センサ303が計測した計測方位及び計測角速度の各データ、インタフェース部304が取得した計測速度を、走行軌跡データとして記憶する。また、記憶部305は、車載カメラ323の撮像周期(例えば、30msec)に同期して、インタフェース部304が取得した画像データを記憶する。以降、走行軌跡データと画像データとをあわせて車載データと呼ぶ。
【0025】
通信部306は、車載第一アンテナ324を介して、第一通信ヘッド1aに記憶部305に記憶した車両IDを送信し、第一通信ヘッド1aから交通データ等を受信する。車載装置3と第一通信装置1の通信処理の詳細については後述する。また、通信部306は、車載第二アンテナ325を介して、第二通信アンテナ2aに記憶部305に記憶した車両IDと車載データとを送信し、第二通信アンテナ2aからイベントデータ等を受信する。車載装置3と第二通信装置2の通信処理の詳細については後述する。通信部306が受信した交通データやイベントデータ等は記憶部305に記憶される。
【0026】
表示部307は、記憶部305に記憶された交通データやイベントデータ等をドライバが視認できる画像データに変換し、モニター326に表示する。
【0027】
制御部308は、マイクロコンピュータにより構成されており、時計部301、GPS処理部302、方位センサ303、インタフェース部304、記憶部305、通信部306、表示部307の各処理を制御する。なお、制御部308は、1つのマイクロコンピュータから構成されていても良いし、複数のマイクロコンピュータの組み合わせにより構成されていても良い。
【0028】
次に、車載装置3と第一通信装置1の通信処理の手順について説明する。図3は車載装置3と第一通信装置1の通信処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、所定の時間毎(例えば、10msec毎)に行われる。
【0029】
車載装置3は、第一通信装置1から第一データを受信したか否かを判断し(ステップS01)、受信したと判断した場合には(ステップS01においてYES)、車載装置3は、第一データを受信したことを示すデータを記憶部305に記憶し(ステップS02)、第一通信装置1に記憶部305に記憶された車両IDを含む所定のデータを送信する(ステップS03)。受信していないと判断した場合には(ステップS01においてNO)、車載装置3は、処理を終了する。
【0030】
ここで、第一通信装置1は、車載装置3から車両IDを含む所定のデータを受信すると、第一データにさらに車両IDと当該第一通信装置1周辺の交通データ等とを格納して、車載装置3に送信する。
【0031】
車載装置3は、第一通信装置1から車両IDを含む第一データを受信したか否かを判断し(ステップS04)、受信したと判断した場合には(ステップS04においてYES)、車載装置3は、第一データに含まれる交通データ等を記憶部305に記憶する(ステップS05)。受信していないと判断した場合には(ステップS04においてNO)、車載装置3は、ステップS04の処理を繰り返す。
【0032】
次に、車載装置3と第二通信装置2の通信処理の手順について説明する。図4は車載装置3と第二通信装置2の通信処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、所定の時間毎(例えば、10msec毎)に行われる。
【0033】
車載装置3は、第二通信装置2から第二データを受信したか否かを判断し(ステップT01)、受信したと判断した場合には(ステップT01においてYES)、車載装置3は、記憶部305に記憶された車両IDを含む所定のデータを第二通信装置2に送信する(ステップT02)。受信していないと判断した場合には(ステップT01においてNO)、車載装置3は、処理を終了する。
【0034】
車載装置3は、記憶部305に第一データを受信したことを示すデータが記憶されているか否かを判断し(ステップT03)、記憶されていると判断した場合には(ステップT03においてYES)、車載装置3は、記憶部305に記憶された車載データを第二通信装置2に送信し(ステップT04)、記憶部305に記憶された第一データを受信したことを示すデータを消去する(ステップT05)。記憶されていないと判断した場合には(ステップT03においてNO)、車載装置3は、ステップT05以降の処理を続ける。
【0035】
ここで、第二通信装置2は、車載装置3から車両IDを含む所定のデータを受信すると、第二データにさらに車両IDと当該第二通信装置2周辺のイベントデータ等とを格納して、車載装置3に送信する。また、第二通信装置2は、車載データを受信すると、交通管制センターに送信する。交通管制センターは、車載データを蓄積し、車載データに基づいて車両6の挙動を解析する処理を行う。
【0036】
車載装置3は、第二通信装置2から車両IDを含む第二データを受信したか否かを判断し(ステップT06)、受信したと判断した場合には(ステップT06においてYES)、車載装置3は、第二データに含まれるイベントデータ等を記憶部305に記憶する(ステップT07)。受信していないと判断した場合には(ステップT06においてNO)、車載装置3は、ステップT06の処理を繰り返す。
【0037】
以上のように、車載装置3は、第一通信装置1から第一データを受信した場合、すなわち、車載装置3を搭載した車両6が特定の車線(第一車線)を走行している場合にのみ、車載データを送信するので、第二通信装置2は、特定の車線(第一車線)を走行した車両6の車載装置3のみから、第一通信装置1が受信可能なデータの容量よりも大きな容量の車載データを受信することができる。
【0038】
なお、ステップS02の処理は、第一通信装置1から車両IDを含まない第一データを受信した(ステップS01)後に行う代わりに、第一通信装置1から車両IDを含む第一データを受信した(ステップS04)後に行っても良い。
【0039】
実施の形態2:
上述の実施の形態1においては、車載装置3は、第一通信装置1から第一データを受信した場合には必ず車載データを第二通信装置2に送信していたが、これに限定されるものではなく、例えば、第二通信装置2から車線の識別を示すデータを受信し、このデータと第一通信装置1から受信した第一データに含まれる車線の識別を示すデータとが一致した場合に、車載データを第二通信装置2に送信することもできる。
【0040】
以下、本発明の実施の形態2について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図5は、本発明の他の実施形態に係る通信システムの概要を示す模式図である。図1と異なる点は、第一通信装置1が、3つの第一通信ヘッド1aa、1ab、1acを含む点である。第一通信ヘッド1aaは、第一車線を走行する車両に搭載された車載装置とデータの送受信が可能であり、第一通信領域R1aは、第一通信ヘッド1aaが車載装置とデータの送受信が可能な領域を表している。同様に、第一通信ヘッド1ab、1acは、それぞれ第二車線、第三車線を走行する車両に搭載された車載装置とデータの送受信が可能であり、第一通信領域R1b、R1cは、それぞれ第一通信ヘッド1ab、1acが車載装置とデータの送受信が可能な領域を表している。
【0041】
第一通信装置1は、所定の送信周期で、第一通信ヘッド1aaから第一通信領域R1aに対して、第一通信ヘッド1abから第一通信領域R1bに対して、第一通信ヘッド1acから第一通信領域R1cに対して、それぞれ第一データを送信し続けている。
【0042】
第二通信装置2は、車載データを所望する車線の識別を示すデータを含む第二データを送信する。例えば、第一車線を走行する車両に搭載された車載装置の車載データを所望する場合には、第二通信装置2は、車線の識別を示すデータ「1」を含む第二データを送信する。
【0043】
また、図5では、第一車線、第二車線、第三車線のそれぞれを走行する車両6を、それぞれ車両6a、6b、6cとしており、車両6a、6b、6cのそれぞれに搭載される車載装置3を、それぞれ車載装置3a、3b、3cとしている。車載装置3は、第一通信装置1から受信した第一データに含まれる車線の識別を示すデータと、第二通信装置2から受信した第二データに含まれる車線の識別を示すデータとが一致した場合に、車載データを送信する。
【0044】
次に、車載装置3と第一通信装置1の通信処理の手順について説明する。図6は車載装置3と第一通信装置1の通信処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、所定の時間毎(例えば、10msec毎)に行われる。
【0045】
車載装置3は、第一通信装置1から第一データを受信したか否かを判断し(ステップS21)、受信したと判断した場合には(ステップS21においてYES)、車載装置3は、第一通信装置1に記憶部305に記憶された車両IDを含む所定のデータを送信する(ステップS22)。受信していないと判断した場合には(ステップS21においてNO)、車載装置3は、処理を終了する。
【0046】
ここで、第一通信装置1は、車載装置3から車両IDを含む所定のデータを受信すると、第一データにさらにこの車両IDと当該第一通信装置1周辺の交通データ等とを格納して、車載装置3に送信する。例えば、車載装置3aの車両IDが「3a」である場合、第一通信装置1は、車載装置3aから第一通信ヘッド1aaに車両ID「3a」を含む所定のデータを受信すると、第一データに予め設けられている4車線分の車両IDを格納するための4つのフィールドのうち、第一通信ヘッド1aaが車載装置と通信可能な第一車線のフィールドに、車両ID「3a」を格納する。すなわち、車両IDが格納された第一データのこの4つのフィールドが、車線の識別を示すデータに該当することになる。第一通信装置1は、さらに交通データ等を第一データに格納して、車載装置3aに送信する。
【0047】
同様に、車載装置3bの車両IDが「3b」である場合、第一通信装置1は、車載装置3bから第一通信ヘッド1abに車両ID「3b」を含む所定のデータを受信すると、第一データの上記4つのフィールドのうちの第二車線のフィールドに車両ID「3b」を格納するとともに、交通データ等を格納して、車載装置3bに送信する。また、車載装置3cの車両IDが「3c」である場合、第一通信装置1は、車載装置3cから第一通信ヘッド1acに車両ID「3c」を含む所定のデータを受信すると、第一データの上記4つのフィールドのうちの第三車線のフィールドに車両ID「3c」を格納するとともに、交通データ等を格納して、車載装置3cに送信する。
【0048】
車載装置3は、第一通信装置1から車両IDを含む第一データを受信したか否かを判断し(ステップS23)、受信したと判断した場合には(ステップS23においてYES)、車載装置3は、第一データに含まれる車両IDと記憶部305に記憶された車両IDとが一致しているか否かを判断する(ステップS24)。受信していないと判断した場合には(ステップS23においてNO)、車載装置3は、ステップS23の処理を繰り返す。
【0049】
車載装置3は、一致していると判断した場合には(ステップS24においてYES)、第一データの4つのフィールドのうち、記憶部305に記憶された車両IDが格納されているフィールドを探索し、そのフィールドに該当する車線を車両6が走行している車線と認識する。そして、その車線の識別を示すデータを記憶部305に記憶する(ステップS25)。車載装置3aであれば、第一データの4つのフィールドのうち、車両ID「3a」が格納されているフィールドを探索し、そのフィールドに該当する第一車線を、車両6aが走行している車線と認識する。そして、第一車線の識別を示すデータ「1」を記憶する。同様に、車載装置3bであれば、第一データの4つのフィールドのうち、車両ID「3b」が格納されているフィールドを探索し、そのフィールドに該当する第二車線を、車両6bが走行している車線と認識する。そして、第二車線の識別を示すデータ「2」を記憶する。同様に、車載装置3cであれば、第三車線の識別を示すデータ「3」を記憶する。さらに、車載装置3は、第一データに含まれる交通データ等を記憶部305に記憶する(ステップS26)。
【0050】
次に、車載装置3と第二通信装置2の通信処理の手順について説明する。図7は車載装置3と第二通信装置2の通信処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、所定の時間毎(例えば、10msec毎)に行われる。
【0051】
車載装置3は、第二通信装置2から第二データを受信したか否かを判断し(ステップT21)、受信したと判断した場合には(ステップT21においてYES)、車載装置3は、記憶部305に記憶された車両IDを含む所定のデータを第二通信装置2に送信する(ステップT22)。第二データには、車載データを所望する車線の識別を示すデータ「1」が含まれている。受信していないと判断した場合には(ステップT21においてNO)、車載装置3は、処理を終了する。
【0052】
車載装置3は、記憶部305に車線の識別を示すデータが記憶されているか否かを判断し(ステップT23)、記憶されていると判断した場合には(ステップT23においてYES)、車載装置3は、記憶部305に記憶された車線の識別を示すデータと第二データに含まれる車線の識別を示すデータとが一致するか否かを判断する(ステップT24)。車載装置3aであれば、記憶部305には車線の識別を示すデータ「1」が記憶されているため、第二データに含まれる車線の識別を示すデータ「1」と一致することになる。一方、車載装置3b、3cであれば、記憶部305にはそれぞれ車線の識別を示すデータ「2」、「3」が記憶されているため、第二データに含まれる車線の識別を示すデータ「1」とは一致しない。記憶されていないと判断した場合には(ステップT23においてNO)、車載装置3は、ステップT27以降の処理を続ける。
【0053】
車載装置3は、一致すると判断した場合には(ステップS24においてYES)、記憶部305に記憶された車載データを第二通信装置2に送信する(ステップT25)。一致しないと判断した場合には(ステップS24においてNO)、車載装置3は、ステップT26以降の処理を続ける。すなわち、車載装置3aは、車載データを第二通信装置2に送信することになるが、車載装置3b、3cは、車載データを第二通信装置2に送信しないことになる。車載装置3は、記憶部305に記憶された車線の識別を示すデータを消去する(ステップT26)。
【0054】
ここで、第二通信装置2は、車載装置3から車両IDを含む所定のデータを受信すると、第二データにさらにこの車両IDと当該第二通信装置2周辺のイベントデータ等とを格納して、車載装置3に送信する。また、第二通信装置2は、車載データを受信すると、交通管制センターに送信する。交通管制センターは、車載データを蓄積し、車載データに基づいて車両6の挙動を解析する処理を行う。
【0055】
車載装置3は、第二通信装置2から車両IDを含む第二データを受信したか否かを判断し(ステップT27)、受信したと判断した場合には(ステップT27においてYES)、車載装置3は、第二データに含まれるイベントデータ等を記憶部305に記憶する(ステップT28)。受信していないと判断した場合には(ステップT27においてNO)、車載装置3は、ステップT27の処理を繰り返す。
【0056】
以上のように、車載装置3は、第一通信装置1から受信した第一データに含まれる車線の識別を示すデータと、第二通信装置2から受信した第二データに含まれる車線の識別を示すデータとが一致した場合、すなわち、車載装置3を搭載した車両6が、第二通信装置2が車載データを所望する特定の車線(第一車線)を走行している場合にのみ、車載データを送信するので、第二通信装置2は、特定の車線(第一車線)を走行した車両6(車両6a)の車載装置3(車載装置3a)のみから、第一通信装置1が受信可能なデータの容量よりも大きな容量の車載データを受信することができる。
【0057】
実施の形態3:
上述の実施の形態2においては、車載装置3は、第二通信装置2から車線の識別を示すデータを受信し、このデータと第一通信装置1から受信した第一データに含まれる車線の識別を示すデータとが一致する場合に、車載データを第二通信装置2に送信していたが、これに限定されるものではなく、例えば、車載装置3は、当該車載装置3が搭載された車両6がいずれの車線を走行しているかにかかわらず、第一通信装置1から受信した第一データに含まれる車線の識別を示すデータと車載データとを第二通信装置2に送信し、第二通信装置2はこれらの車載データを受信し、所望する車線の車載データのみを出力しても良い。
【0058】
以下、本発明の実施の形態3について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。本発明の実施の形態3に係る通信システムの概要を示す模式図は図5と同じである。また、車載装置3と第一通信装置1の通信処理の手順を示すフローチャートは図6と同じである。
【0059】
次に、車載装置3と第二通信装置2の通信処理の手順について説明する。図8は車載装置3と第二通信装置2の通信処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、所定の時間毎(例えば、10msec毎)に行われる。
【0060】
ステップT41からT43までの処理は、図7のステップT21からT23までの処理と同じである。
【0061】
車載装置3は、記憶部305に車線の識別を示すデータが記憶されていると判断した場合には(ステップT43においてYES)、記憶部305に記憶されているこの車線の識別を示すデータと車載データとを第二通信装置2に送信する(ステップT44)。第一車線を走行する車両6aに搭載された車載装置3aであれば、車線の識別を示すデータ「1」と車載データとを送信することになり、第二車線を走行する車両6bに搭載された車載装置3bであれば、車線の識別を示すデータ「2」と車載データとを、第三車線を走行する車両6cに搭載された車載装置3cであれば、車線の識別を示すデータ「3」と車載データとを、それぞれ送信することになる。車載装置3は、記憶部305に記憶された車線の識別を示すデータを消去する(ステップT45)。
【0062】
ここで、第二通信装置2は、車載装置3から車両IDを含む所定のデータを受信すると、第二データにさらにこの車両IDと当該第二通信装置2周辺のイベントデータ等とを格納して、車載装置3に送信する。
【0063】
また、第二通信装置2は、記憶部305に車載データを所望する車線の識別を示すデータを記憶しており、車載装置3から車線の識別を示すデータと車載データとを受信すると、記憶部305に記憶した車線の識別を示すデータと受信した車線の識別を示すデータとを比較し、一致した場合にのみ受信した車載データを交通管制センターに送信する。
【0064】
例えば、車載データを所望する車線が第一車線であれば、第二通信装置2は、記憶部に車線の識別を示すデータ「1」を記憶している。第二通信装置2は、車載装置3aから車線の識別を示すデータ「1」と車載データとを受信すると、記憶部に記憶した車線の識別を示すデータ「1」と受信した車線の識別を示すデータ「1」とを比較する。その結果、両データは一致するため、受信した車載データを交通管制センターに送信する。一方、第二通信装置2は、車載装置3bから車線の識別を示すデータ「2」と車載データとを受信すると、記憶部に記憶した車線の識別を示すデータ「1」と受信した車線の識別を示すデータ「2」とを比較するが、両データは一致しないため、受信した車載データを交通管制センターに送信しない。同様に、第二通信装置2は、車載装置3cから車線の識別を示すデータ「2」と車載データとを受信した場合にも、この車載データを交通管制センターに送信しない。
【0065】
なお、第二通信装置2は、車載データを所望する車線が複数である場合には、これら複数の車線の識別を示すデータを記憶しても良い。例えば、車載データを所望する車線が第一車線と第二車線であれば、これらの車線の識別を示すデータ「1」と「2」を記憶する。この場合、第二通信装置2は、車載装置3から受信した車線の識別を示すデータが、記憶している車線の識別を示すデータ「1」と「2」のいずれか一方に一致すれば、受信した車載データを交通管制センターに送信する。
【0066】
車載装置3は、第二通信装置2から車両IDを含む第二データを受信したか否かを判断し(ステップT46)、受信したと判断した場合には(ステップT46においてYES)、車載装置3は、第二データに含まれるイベントデータ等を記憶部305に記憶する(ステップT47)。受信していないと判断した場合には(ステップT46においてNO)、車載装置3は、ステップT46の処理を繰り返す。
【0067】
以上のように、第二通信装置2は、車載装置3から受信した車線の識別を示すデータと車載データを所望する車線の識別を示すデータとが一致した場合、すなわち、車載データを所望する特定の車線(第一車線)を走行している車両6に搭載された車載装置3から車載データを受信した場合にのみ、車載データを出力することができるので、第二通信装置2は、実質的に、特定の車線(第一車線)を走行した車両6(車両6a)の車載装置3(車載装置3a)のみから、第一通信装置1が受信可能なデータの容量よりも大きな容量の車載データを受信することができることになる。
【0068】
上述の実施の形態1〜3においては、車載装置3は、第一通信装置1から第一データを受信する構成であったが、これに限定されるものではなく、例えば、道路に埋め込まれた磁気マーカから第一データを受信する構成であっても良い。
【0069】
実施の形態4:
本発明の実施の形態4が上述の実施の形態1と異なる点は、第一通信装置1を道路に埋め込まれた磁気マーカに置き換えた点である。
【0070】
以下、本発明の実施の形態4について、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。図9は、本発明の他の実施形態に係る通信システムの概要を示す模式図である。図1と異なる点は、磁気マーカ7が第一データを送信し続けており、車載装置3が磁気マーカ7からこの第一データを受信する点である。
【0071】
次に、車載装置3と磁気マーカ7の通信処理の手順について説明する。図10は車載装置3と磁気マーカ7の通信処理の手順を示すフローチャートである。図3と異なる点は、ステップS01とステップS02に対応するステップS61とステップS62のみしかない点である。ステップS61とステップS62の内容は、ステップS01とステップS02と同じである。
【0072】
また、車載装置3と第二通信装置2の通信処理の手順については、車載装置3と第二通信装置2の処理手順を示すフローチャートは、図4と同じである。
【0073】
以上のように、本発明の実施の形態4においても、車載装置3は、磁気マーカ7から第一データを受信した場合、すなわち、車載装置3を搭載した車両6が特定の車線(第一車線)を走行している場合にのみ、車載データを送信するので、第二通信装置2は、特定の車線(第一車線)を走行した車両6の車載装置3のみから、第一通信装置1が受信可能なデータの容量よりも大きな容量の車載データを受信することができる。
【0074】
実施の形態5:
同様に、本発明の実施の形態5が上述の実施の形態2と異なる点は、第一通信装置1を道路に埋め込まれた磁気マーカに置き換えた点である。
【0075】
以下、本発明の実施の形態5について、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。図11は、本発明の他の実施形態に係る通信システムの概要を示す模式図である。図5と異なる点は、磁気マーカ7a、7b、7cがそれぞれ車載装置3とデータの送受信が可能な車線の識別を示すデータを含む第一データを送信し続けており、車載装置3a、3b、3cがそれぞれ磁気マーカ7a、7b、7cからこの第一データを受信する点である。磁気マーカ7aが車載装置3とデータの送受信が可能な車線は第一車線であるので、磁気マーカ7aは車線の識別を示すデータ「1」を送信し続けている。同様に、磁気マーカ7bは車線の識別を示すデータ「2」を、磁気マーカ7cは車線の識別を示すデータ「3」を送信し続けている。
【0076】
次に、車載装置3と磁気マーカ7の通信処理の手順について説明する。図12は車載装置3と磁気マーカ7の通信処理の手順を示すフローチャートである。図6と異なる点は、ステップS21とステップS25に対応するステップS81とステップS82のみしかない点である。ステップS81の内容は、ステップS21と同じである。ステップS82では、車載装置3は、第一データに含まれる車線の識別を示すデータをそのまま記憶部305に記憶する。車載装置3aであれば、車線の識別を示すデータ「1」を記憶する。同様に、車載装置3b、3cであれば、それぞれ車線の識別を示すデータ「2」、「3」を記憶する。
【0077】
また、車載装置3と第二通信装置2の通信処理の手順については、車載装置3と第二通信装置2の処理手順を示すフローチャートは、図7と同じである。
【0078】
以上のように、本発明の実施の形態5においても、車載装置3は、磁気マーカ7から受信した第一データに含まれる車線の識別を示すデータと、第二通信装置2から受信した第二データに含まれる車線の識別を示すデータとが一致した場合、すなわち、車載装置3を搭載した車両6が、第二通信装置2が車載データを所望する特定の車線(第一車線)を走行している場合にのみ、車載データを送信するので、第二通信装置2は、特定の車線(第一車線)を走行した車両6(車両6a)の車載装置3(車載装置3a)のみから、第一通信装置1が受信可能なデータの容量よりも大きな容量の車載データを受信することができる。
【0079】
実施の形態6:
同様に、本発明の実施の形態6が上述の実施の形態3と異なる点は、第一通信装置1を道路に埋め込まれた磁気マーカに置き換えた点である。
【0080】
本発明の実施の形態6に係る通信システムの概要を示す模式図は図11と同じである。また、車載装置3と磁気マーカ7の通信処理の手順については、車載装置3と磁気マーカ7の通信処理の手順を示すフローチャートは、図12と同じである。また、車載装置3と第二通信装置2との通信処理の手順については、車載装置3と第二通信装置2との通信処理の手順を示すフローチャートは、図8と同じである。
【0081】
以上のように、本発明の実施の形態6においても、第二通信装置2は、車載装置3から受信した車線の識別を示すデータと車載データを所望する車線の識別を示すデータとが一致する場合、すなわち、車載データを所望する特定の車線(第一車線)を走行している車両6に搭載された車載装置3から車載データを受信した場合にのみ、車載データを出力することができるので、第二通信装置2は、実質的に、特定の車線(第一車線)を走行した車両6(車両6a)の車載装置3(車載装置3a)のみから、第一通信装置1が受信可能なデータの容量よりも大きな容量の車載データを受信することができることになる。
【0082】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明に係る通信システムの概要を示す模式図である。
【図2】車載装置の構成を示すブロック図である。
【図3】車載装置と第一通信装置の通信処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】車載装置と第二通信装置の通信処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の他の実施形態に係る通信システムの概要を示す模式図である。
【図6】車載装置と第一通信装置の通信処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】車載装置と第二通信装置の通信処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】車載装置と第二通信装置の通信処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の他の実施形態に係る通信システムの概要を示す模式図である。
【図10】車載装置と磁気マーカの通信処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の他の実施形態に係る通信システムの概要を示す模式図である。
【図12】車載装置と磁気マーカの通信処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1 第一通信装置
1a、1aa、1ab、1ac 第一通信ヘッド
1b 第一通信制御装置
2 第二通信装置
2a 第二通信アンテナ
2b 第二通信制御装置
3、3a、3b、3c 車載装置
4 第一ポール
5 第二ポール
6、6a、6b、6c 車両
7、7a、7b、7c 磁気マーカ
301 時計部
302 GPS処理部
303 方位センサ
304 インタフェース部
305 記憶部
306 通信部
307 表示部
308 制御部
321 GPS受信部
322 車速センサ
323 車載カメラ
324 車載第一アンテナ
325 車載第二アンテナ
326 モニター
R1、R1a、R1b、R1c 第一通信領域
R2 第二通信領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車線を有する道路に設置された第一の通信装置と、
前記道路に設置され、前記第一の通信装置が受信可能なデータの容量よりも大きい容量のデータを受信可能な第二の通信装置と、
車両に搭載された車載装置とを含む通信システムであって、
前記第一の通信装置は、前記複数の車線のうちの第一の車線を走行する車両のみに第一のデータを送信し、
前記車載装置は、
車載データを蓄積する記憶手段と、
前記第一のデータを受信する第一受信手段と、
前記第一受信手段が前記第一のデータを受信した場合に、前記車載データを前記第二の通信装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記第一のデータには、前記第一の車線の識別を示すデータが含まれ、
前記第二の通信装置は、前記複数の車線のうちの第二の車線の識別を示すデータを含む第二のデータを送信し、
前記車載装置は、前記第二のデータを受信する第二受信手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記第一受信手段が受信した前記第一のデータに含まれる前記第一の車線の識別を示すデータと、前記第二受信手段が受信した前記第二のデータに含まれる前記第二の車線の識別を示すデータとを比較して、所定の条件を満たした場合に、前記車載データを送信することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
複数の車線を有する道路に設置された第一の通信装置と、
前記道路に設置され、前記第一の通信装置が受信可能なデータの容量よりも大きい容量のデータを受信可能な第二の通信装置と、
車両に搭載された車載装置とを含む通信システムであって、
前記第一の通信装置は、前記複数の車線のうちの第一の車線を走行する車両のみに、前記第一の車線の識別を示すデータを含む第一のデータを送信し、
前記車載装置は、
車載データを蓄積する記憶手段と、
前記第一のデータを受信する第一受信手段と、
前記第一受信手段が受信した前記第一のデータに含まれる前記第一の車線の識別を示すデータと前記車載データとを前記第二の通信装置に送信する送信手段とを備え、
前記第二の通信装置は、
前記第一の車線の識別を示すデータと前記車載データとを受信する手段と、
第二の車線の識別を示すデータを取得する手段と、
前記第一の車線の識別を示すデータと前記第二の車線の識別を示すデータとを比較して、所定の条件を満たした場合に、前記車載データを出力する手段とを備えることを特徴とする通信システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の通信システムに用いられる車載装置。
【請求項5】
請求項3に記載の通信システムに用いられる車載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−90568(P2008−90568A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270245(P2006−270245)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】