説明

遊技機

【課題】遊技球取扱装置を備えた遊技機において、複雑な構成を付加することなく、遊技球取扱装置に設けられた球検知装置に対する不正を抑制することができる遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機1は、遊技に際して所定数の遊技球を必要とし、所定条件が成立した場合には複数の遊技球、場合によっては大量の遊技球が払い出される。上皿18には遊技球が貯留され、その貯留球が上皿18の最下流部分より順次受け入れられて遊技に使用される。このとき、マックスベットスイッチ109の操作に伴い取込装置による遊技球の受入が行われるとともに、該遊技球の受入後においてスタートレバー101の始動操作に伴いリール71〜73の回転が開始される。この場合に、取込装置には球検知のためのセンサユニットが配設されており、取込装置のハウジングからのセンサユニットの取り外し方向のスライド移動の障害となる位置にソレノイドが配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種として、複数の図柄が表面に付された円環状のリールを回転させることにより図柄の変動を行うリール装置を備えたスロットマシン(回胴式遊技機)が知られている。この種の遊技機としては、所定の有効ラインに表示される停止図柄が特定図柄の組合せである場合に、例えばビッグボーナスゲームのような遊技者に有利な所定のゲーム(特別遊技状態)が発生するものが提供されている。
【0003】
また近年、メダルの代わりに遊技球を用いてスロットマシンに類似した遊技を行うことのできる球使用回動式遊技機が考えられている(例えば特許文献1参照)。かかる遊技機においては、遊技球取扱装置としての取込装置や払出装置が設けられている。そして、取込装置により所定個数の遊技球が取り込まれた後にレバー操作が行われることでリールが周回される。これにより、図柄の変動表示が行われる。また、図柄の変動表示が終了したときの図柄の組合せに応じて払出装置から所定個数の遊技球が払い出される。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、パチンコホール等の遊技ホールにおいて遊技球をパチンコ機と共通の遊技媒体として取り扱うことができるとともにスロットマシンの遊技性を維持することができる。またこの場合、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいて多く見られる、メダルと遊技球との別個の取り扱いによる設備上の負担や遊技機設置箇所の制約といった問題を解消し得るし、パチンコ機の島に当該遊技機を設置したりする等の柔軟性が生じる利点がある。
【0004】
ここで、取込装置には、特許文献1に示すように、遊技球が通過する遊技球通路が設けられており、また該遊技球通路を介しての遊技球の取り込みを許容又は阻止するゲート部材を設ける必要がある。さらに、ゲート部材により通過が許容された遊技球を検知することが不可欠であるため、球検知装置を配置する必要がある。
【0005】
しかしながら、上述した従来の遊技機において、実際には、遊技球の取り込みが行われていないにも拘らず、あたかも遊技球の取り込みが行われたようにする不正行為が想定される。その不正行為には、例えば取込装置から球検知装置を取り外し、当該球検知装置に擬似的に遊技球の取り込みを検知させるものが考えられる。また、球検知装置に接続されている信号線を抜き取り、擬似的な検知信号を生成する擬似信号発生器に接続させるものが考えられる。
【0006】
上記のような不正行為が行われると、遊技球の取り込みが行われることなく遊技が行われてしまい、遊技ホールなどに不利益を及ぼすこととなるため、当該不正行為を抑制する必要がある。但し、取込装置には、少なくとも遊技球通路、ゲート部材及び球検知装置を設ける必要があり、上記不正行為を抑制するために複雑な構成を付加すると取込装置の大型化を招いてしまう。
【0007】
また、払出装置は、遊技結果に応じた所定個数の遊技球の払い出しを行う必要があるため、取込装置と同様に球検知装置を設ける必要がある。この場合に、例えば、球検知装置を払出装置から取り外したりすることで、不正に遊技球の払い出しを行わせるといった行為が想定される。但し、払出装置においても、少なくとも遊技球通路、ゲート部材及び球検知装置を設ける必要があるため、上記不正行為を抑制するために複雑な構成を付加すると払出装置の大型化を招いてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−166756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技球取扱装置を備えた遊技機において、複雑な構成を付加することなく、遊技球取扱装置に設けられた球検知装置に対する不正を抑制することができる遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、遊技球の通過を阻止又は許容する遊技球取扱装置を備えた遊技機において、
前記遊技球取扱装置は、
略箱状をなし、所定の間隔で相対向する壁部を有するハウジングと、
該ハウジング内に形成された遊技球通路と、
少なくとも一部が前記遊技球通路に出没し該遊技球通路の遊技球の通過を阻止又は許容する阻止許容部材と、
該阻止許容部材を動作させる駆動機構と、
前記阻止許容部材により通過が許容された遊技球を検知するための球検知装置とを備え、
該球検知装置を前記壁部に沿う方向にスライド移動させることで前記ハウジングに対して着脱可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、遊技球取扱装置を備えた遊技機において、複雑な構成を付加することなく、遊技球取扱装置に設けられた球検知装置に対する不正を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施の形態における遊技機を示す斜視図である。
【図2】遊技機の正面図である。
【図3】前面枠の構成を示す正面図である。
【図4】図2のA―A線付近の内部構造を示す構成図である。
【図5】遊技機の背面図である。
【図6】上皿形成体の構成を示す斜視図である。
【図7】取込ユニットの全体を示す斜視図である。
【図8】上皿から取込ユニットへの遊技球の流れを簡略に示す図である。
【図9】取込装置の内部構造を示す断面図である。
【図10】取込装置を分解して示す斜視図である。
【図11】取込ユニットの一部を分解して示す斜視図である。
【図12】整流部の構成を示す断面図である。
【図13】ゲート部材による遊技球の貯留状態を示す平面図である。
【図14】カウントセンサによる遊技球検知の概要を示す説明図である。
【図15】取込装置の動作を説明するための説明図である。
【図16】センサユニット及びソレノイドの組み付け手順を説明するための正面図である。
【図17】リールユニットの構成を示す斜視図である。
【図18】左リールの組立斜視図である。
【図19】各回転体のベルトの図柄配列を示す説明図である。
【図20】有効ラインの配列を説明するための図である。
【図21】遊技機の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図22】メイン処理を示すフローチャートである。
【図23】通常処理を示すフローチャートである。
【図24】抽選処理を示すフローチャートである。
【図25】リール制御処理を示すフローチャートである。
【図26】遊技球払出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、本実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0014】
手段1.遊技球の通過を阻止又は許容する遊技球取扱装置(取込装置35〜37)を備えた遊技機において、
前記遊技球取扱装置は、
略箱状をなし、所定の間隔で相対向する壁部(壁部W1,W2)を有するハウジング(ハウジング部材161,162)と、
該ハウジング内に形成された遊技球通路(上流通路167、取込通路168)と、
少なくとも一部が前記遊技球通路に出没し該遊技球通路の遊技球の通過を阻止又は許容するゲート部材(取込用ゲート部材175)と、
該ゲート部材を動作させる駆動機構(ソレノイド181、ガイド183、回動片184、支軸186)と、
前記ゲート部材により通過が許容された遊技球を検知するための球検知装置(センサユニット200)とを備え、
該球検知装置を前記壁部に沿う方向にスライド移動させることで前記ハウジングに対して着脱可能とし、
前記駆動機構を、前記球検知装置の取り外し方向であって該球検知装置を取り外し方向にスライド移動させる場合に障害となる位置に配置したことを特徴とする遊技機。
【0015】
手段1の遊技機には遊技球取扱装置が設けられており、この遊技球取扱装置においてはゲート部材により遊技球通路の遊技球の通過が阻止又は許容される。そして、ゲート部材を介しての遊技球の通過が球検知装置により検知される。当該球検知装置はハウジングの壁部に沿う方向にスライド移動させることでハウジングに対して着脱可能となっており、例えば、球検知装置に不具合などが発生した場合には球検知装置をハウジングから取り外すことで、当該球検知装置の検査や交換を行うことができる。
【0016】
その一方、本構成では、許可無き者がハウジングから球検知装置を取り外すことにより当該球検知装置に対して不正を施す等の行為が想定される。これに対し手段1の構成では、ゲート部材を動作させる駆動機構が、球検知装置の取り外し方向であって当該球検知装置を取り外し方向にスライド移動させる場合に障害となる位置に配置されているので、球検知装置をハウジングから不正に取り外す行為を抑制することができる。
【0017】
また、駆動機構はゲート部材を動作させるものであり、遊技球取扱装置における必須のものである。この駆動機構により球検知装置の不正な取り外しを抑制する構成とすることにより、複雑な構成を付加することなく上記不正行為を抑制することができる。
【0018】
なお、本構成においては、ハウジング内における遊技球通路により区画された一定の領域にゲート部材の駆動機構及び球検知装置が配設されるので、駆動機構及び球検知装置の集約配置を実現することができる。
【0019】
以上より、複雑な構成を付加することなく、球検知装置に対する不正を抑制することができる。
【0020】
手段2.手段1において、前記駆動機構の配置位置を、前記球検知装置との間の距離(図16におけるL1)が該球検知装置を前記ハウジングから取り外すのに必要な距離(図16におけるL2)よりも短くなるように設定したことを特徴とする遊技機。
【0021】
手段2では、駆動機構と球検知装置との間の距離が当該球検知装置をハウジングから取り外す場合にスライド移動させる距離よりも短くなるように設定されているので、ハウジングから球検知装置を取り外さない限りは、球検知装置を取り外すことができない。従って、ハウジングから球検知装置を不正に取り外すことが困難なものとなり、上記不正行為をより好適に抑制することができる。
【0022】
なお、球検知装置の検査時や交換時などにおいては、ハウジングから駆動機構を取り外すことで、この駆動機構が配設されていた空間を用いて球検知装置を取り外し方向にスライド移動させることが可能となる。特に、壁部の少なくとも一方に駆動機構の大きさと同程度の開口部を設け当該開口部を介して駆動機構の脱着を行う構成とすることで、ハウジングにおける駆動機構や球検知装置を脱着するために必要な空間が極力小さくなる。よって、ハウジング内の空間の有効利用を図ることができ、さらには球検知装置の小型化を図ることができる。
【0023】
また、本手段2における駆動機構と球検知装置との間の距離とは、駆動機構における球検知装置と対向する部分と球検知装置における取り外し方向の先端部との間の距離である。
【0024】
手段3.手段1又は手段2において、前記駆動機構を、前記球検知装置から離間して配置したことを特徴とする遊技機。
【0025】
手段3によれば、駆動機構が球検知装置から離間して配置されているので、駆動機構を球検知装置に近付けて配置した構成において駆動機構の駆動による振動が球検知装置に伝わるのを防止することができる。駆動機構の駆動による振動が球検知装置に伝わると、その振動により球検知装置における遊技球検知の精度が低下するおそれがある。これに対して本手段における構成によれば、球検知装置における遊技球検知の精度の低下という不都合を発生させることなく、球検知装置に対する不正行為を抑制することができる。
【0026】
手段4.手段1乃至手段3のいずれかにおいて、前記駆動機構を、前記ゲート部材と接続されるリンク機構(ガイド183、回動片184、支軸186)及び該リンク機構を介して前記ゲート部材を動作させる駆動源(ソレノイド181)により構成し、前記駆動源を前記球検知装置の取り外し方向であって該球検知装置を取り外し方向にスライド移動させる場合に障害となる位置に配置したことを特徴とする遊技機。
【0027】
駆動源とリンク機構とを比較すると、一般的に駆動源の方が大きく、重量も重くなっている。従って、ハウジングからの取り出しは、リンク機構よりも駆動源の方が困難である。この場合に、手段4によれば、駆動源が球検知装置の取り外し方向であって当該球検知装置を取り外し方向にスライド移動させる場合に障害となる位置に配置されているので、駆動機構により球検知装置の不正な取り外しを抑制する構成において、好適に当該不正行為を抑制することができる。
【0028】
手段5.手段1乃至手段4のいずれかにおいて、前記球検知装置のスライド移動の方向から見て、前記球検知装置における前記取り外し方向の先端部の半分以上が前記駆動機構と重なるように、該駆動機構を配置したことを特徴とする遊技機。
【0029】
手段5によれば、球検知装置のスライド移動の方向から見て、球検知装置における取り外し方向の先端部の半分以上が駆動機構と重なる構成であるので、ハウジングから球検知装置を不正に取り外すことをより困難なものとすることができる。
【0030】
手段6.手段1乃至手段5のいずれかにおいて、前記球検知装置は、前記ハウジングの一方の壁部側から他方の壁部側に延びる本体部(センサ本体部205)と、該本体部からそれぞれ前記壁部に沿って前記遊技球通路側に延びる一対のアーム部(アーム部203,204)とを備え、遊技球検知のための発光部(カウントセンサ201,202を構成する発光素子)及び受光部(カウントセンサ201,202を構成する受光素子)のうち、各アーム部の一方に発光部を設け他方に受光部を設けた構成であることを特徴とする遊技機。
【0031】
手段6では、球検知のための発光部と受光部とが球検知装置として一体で設けられているので、検出精度を良好なものとすることができる。この場合に、上記手段1等の構成を備えていることにより、球検知装置を不正に取り外そうとした場合には、球検知装置の本体部が駆動機構と重なり、球検知装置を不正に取り外すことが困難なものとなる。
【0032】
手段7.手段6において、前記ハウジングの各壁部に、前記アーム部を前記スライド移動の方向に案内するガイド手段(ガイド溝189)を設けたことを特徴とする遊技機。
【0033】
手段7によれば、アーム部はガイド手段により球検知装置のスライド移動の方向に案内され、それに伴って球検知装置がスライド移動の方向にのみ移動可能となる。この場合に、上記手段1等の構成を備えていることにより、球検知装置を取り外し方向にスライド移動させた場合に障害となる位置に駆動機構が配設されている。従って、球検知装置をハウジングから不正に取り外すことをより困難なものとすることができる。
【0034】
なお、本構成においては、ガイド手段が設けられていることにより、アーム部に設けられた発光部及び受光部を所定の球検知位置に容易に配することができる。これにより、球検知装置のハウジングに対する取り付け作業の容易化を図ることができる。
【0035】
手段8.手段7において、前記ガイド手段は、前記ハウジングの前記壁部からハウジング内側へと凹み、前記球検知装置のスライド移動の方向に延びるガイド溝(ガイド溝189)であることを特徴とする遊技機。
【0036】
手段8によれば、ガイド手段を容易に設けることができる。なお、本構成においては、アーム部の少なくとも一部がガイド溝内に収容されることとなるので、アーム部がハウジングの壁部から大きく外側に突出するのを防止することができる。従って、遊技球取扱装置の厚み方向の寸法を小さくすることができる。
【0037】
手段9.手段1乃至手段8のいずれかにおいて、前記球検知装置は遊技球を検知した旨の信号を出力するためのコネクタ付き信号線(コネクタ付き信号線197)が接続されるコネクタ部(コネクタ部205a)を有し、
該コネクタ部を前記球検知装置における前記取り外し方向の先端部に配置したことを特徴とする遊技機。
【0038】
手段9では、球検知装置において遊技球が検知された場合にはその旨の信号がコネクタ付き信号線を通して出力される。この場合に、コネクタ付き信号線が接続されるコネクタ部が球検知装置における取り外し方向の先端部に配設されている。よって、上記手段1等のように駆動機構が配置されている構成では当該駆動機構が邪魔になってコネクタ部に指などを挿し入れることが困難なものとなる。従って、コネクタ付き信号線を球検知装置から抜き取り、擬似的な検知信号を生成する擬似信号発生器に接続させるなどといった不正行為を抑制することができる。
【0039】
手段10.手段9において、前記駆動機構と前記球検知装置との間の距離が前記コネクタ部から前記コネクタ付き信号線を抜き挿しすることができない程度となるように、前記駆動機構の配置位置を設定したことを特徴とする遊技機。
【0040】
手段10によれば、駆動機構と球検知装置との間の距離がコネクタ部からコネクタ付き信号線を抜き挿しすることができない程度となるように、駆動機構の配置位置が設定されているので、コネクタ付き信号線を球検知装置から抜き取る上記不正行為をより確実に抑制することができる。
【0041】
手段11.手段9又は手段10において、前記ハウジングは前記壁部の少なくとも一方に開口部(開口163)を有し、前記駆動機構は前記開口部を介して前記ハウジングへの取り付けが行われる構成とし、
前記球検知装置のスライド移動の方向から見て、前記先端部における前記駆動機構と重なる部位に前記コネクタ部を配置したことを特徴とする遊技機。
【0042】
手段11では、ハウジングには壁部の少なくとも一方に開口部が形成されているので、当該開口部を介して駆動機構及び球検知装置をハウジングに脱着する構成とすることにより、駆動機構や球検知装置の脱着を容易なものとすることができる。従って、駆動機構や球検知装置に不具合などが発生した場合の作業の容易化を図ることができる。
【0043】
しかしながら、開口部が形成された構成においては、開口部を介してコネクタ付き信号線を球検知装置から不正に抜き取るといった行為が行われることが想定される。この場合に、球検知装置のスライド移動の方向から見て、センサ本体部の先端部における駆動機構と重なる部位にコネクタ部が配置されているので、開口部を介してコネクタ部の位置に指などを挿し入れることを困難なものとすることができ、開口部を介して行う上記不正行為を抑制することができる。
【0044】
手段12.手段1乃至手段11のいずれかにおいて、前記遊技球通路は、斜め下方に延びるようにして設けられた第1球通路(上流通路167)と、該第1球通路の下流部側から下方に折れ曲がるようにして設けられた第2球通路(取込通路168)とを備え、前記ゲート部材は少なくとも一部が前記第2球通路に出没し該第2球通路の遊技球の通過を阻止又は許容し、前記球検知装置は前記ゲート部材を介しての前記第2球通路の通過が検知される構成とし、
前記球検知装置を、前記第1球通路と前記第2球通路とのコーナー部分の内側であって、該コーナー部分付近に配置したことを特徴とする遊技機。
【0045】
手段12では、第1球通路が斜め下方に延びており、第2球通路が第1球通路の下流部側から下方に折れ曲がる構成となっている。これにより、第2球通路に遊技球が流入する際、第1球通路と第2球通路との連結部分の通路壁に衝突してから第2球通路へと流入していくこととなる。従って、第1球通路を遊技球が数珠繋ぎ状態に流れてきても、第2球通路の入口部で遊技球が個別に離間され、球検知装置による球検知が好適に行われる。
【0046】
この場合に、手段12によれば、球検知装置が第1球通路と第2球通路とのコーナー部分の内側であって当該コーナー部分付近に配置されているので、球検知装置の一部が両球通路によって囲まれることとなる。従って、球検知装置を不正に取り外す行為をより困難なものとすることができる。
【0047】
また、上記手段9等を備えた構成においては、コネクタ部を球検知装置における取り外し方向の先端部であって、両球通路のコーナー部分側に配置する構成とすることで、コネクタ部に対する不正行為をより困難なものとすることができる。
【0048】
手段13.手段1乃至手段12のいずれかにおいて、前記ゲート部材を、前記遊技球通路と前記球検知装置との間に配設したことを特徴とする遊技機。
【0049】
手段13によれば、ゲート部材、球検知装置及び駆動機構がハウジング内における遊技球通路を基準とした所定の領域に集約して配設することができる。これにより、上記手段1等のように球検知装置に対する不正を抑制しつつ、遊技球取扱装置内の構成を好適なものとすることができる。
【0050】
なお、本構成においては、上記のように球検知装置とゲート部材とが集約して配設されていてもゲート部材の動作に支障をきたすことはない。また、ゲート部材の出没位置の直ぐ下流側において遊技球の検知を行うことが可能となり、遊技球通路を通過する遊技球数を管理する上で好適な構成が実現できる。また、ゲート部材の設計の自由度を高めることができる。さらに、第2球通路に比較的近い位置にゲート部材が配置されるため、ゲート部材においてハウジング内で支持される部位と第2球通路に出没する部位との長さを短くすることが可能となる。これにより、ゲート部材の先端部(出没部位)に遊技球の荷重がかかる際においてゲート部材に作用する曲げ応力(モーメント)を低減することができ、ゲート部材の強度を高めることができる。
【0051】
手段14.手段1乃至手段13のいずれかにおいて、複数の前記遊技球取扱装置を、それぞれ対向する各遊技球取扱装置のハウジングの壁部が当接するように並べて設け、上流より供給される遊技球を各遊技球取扱装置の遊技球取込口(遊技球入口35a,36a,37a)に案内する構成としたことを特徴とする遊技機。
【0052】
手段14では、遊技球取扱装置が複数設けられているので、遊技球の通過を複数の遊技球取扱装置において同時に行わせることが可能となる。これにより、複数の遊技球を短時間で取り扱うことができる。この場合に、それぞれ対向する各遊技球取扱装置のハウジングの壁部が当接するように複数の遊技球取扱装置が並べて設けられているので、上記手段11を備えた構成においては、少なくとも間に位置する遊技球取扱装置はその開口部が他の遊技球取扱装置の壁部により塞がれることとなるので、開口部を介しての球検知装置等に対する不正行為を抑制することができる。
【0053】
なお、それぞれ対向する各遊技球取扱装置のハウジングの壁部が当接するように複数の遊技球取扱装置が並べて設けられているので、複数の遊技球取扱装置を備えた構成であっても、遊技機内における各遊技球取扱装置を配置するための空間の縮小化を実現することができる。
【0054】
手段15.手段1乃至手段14のいずれかにおいて、前記遊技球取扱装置として、遊技者による取込操作に伴い前記遊技球通路を介しての遊技球の取り込みを行う取込装置(取込装置35〜37)を設けたことを特徴とする遊技機。
【0055】
手段15では、遊技球通路に対してゲート部材の一部を出没させることにより、遊技球通路を介しての遊技球の取り込みが阻止又は許容される。そして、球検知装置により取り込みが許容された遊技球を検知することができる。この場合に、上記手段1等に示した構成を備えていることにより、球検知装置(手段9等においてはコネクタ部を含む)に対して不正を行い実際には遊技球の取り込みが行われていないにも関わらず、あたかも遊技球の取り込みが行われたかのようにするといった行為を、複雑な構成を付加することなく抑制することができる。
【0056】
なお、上記手段14のように、取込装置が複数設けられている構成においては、遊技球の取り込みに要する時間を短くすることができる。当該遊技機では、遊技球の取り込みが検知されたことを条件に遊技が開始されるので、遊技球の取り込みに要する時間は遊技の強制的な中断時間となってしまう。また、遊技媒体として用いられる遊技球と遊技メダルとを比較すると、一般的に、前者の方が1個当たりの有価価値が低いものとして設定されることが多く、例えば、遊技回毎にベット設定を行う遊技機では、複数個の遊技球が1ベットとされる。そのため、遊技に際して同等の有価価値を取り込む場合には遊技球の取込個数が多くなり、よって中断時間も長くなる。そして、この遊技の強制的な中断時間が長くなると、遊技者に退屈感を与える要因となるおそれがあり、さらには当該遊技機の単位時間当たりの遊技回数(遊技の進行速度)が減少してしまうおそれがある。これに対して、取込装置が複数設けられていれば、この強制的な中断時間を短くすることができる。
【0057】
手段16.手段1乃至手段15のいずれかにおいて、前記遊技球取扱装置として、所定条件を満たすことにより前記第2球通路を介して遊技球の払い出しを行う払出装置(払出装置28)を設けたことを特徴とする遊技機。
【0058】
手段16では、遊技球通路に対してゲート部材の一部を出没させることにより、遊技球通路を介しての遊技球の払い出しが阻止又は許容される。そして、球検知装置により払い出しが許容された遊技球を検知することができる。この場合に、上記手段1等に示した構成を備えていることにより、球検知装置(手段9等においてはコネクタ部を含む)に対して不正を行い実際には遊技球の払い出しが行われているにも関わらず、あたかも遊技球の払い出しが行われていないかのようにするといった行為を、複雑な構成を付加することなく抑制することができる。
【0059】
なお、上記手段14のように、払出装置が複数設けられている構成においては、遊技球の払い出しに要する時間を短くすることができる。当該遊技機では、遊技球の払い出しが完了するまでは次回の遊技を開始することができないので、遊技球の払い出しに要する時間は遊技の強制的な中断時間となってしまう。また、遊技媒体として用いられる遊技球と遊技メダルとを比較すると、一般的に、前者の方が1個当たりの有価価値が低いものとして設定されることが多く、例えば遊技回毎にベット設定を行う遊技機では、複数個の遊技球が1ベットとされる。そのため、遊技に際して遊技者に同等の有価価値を払い出す場合には遊技球の払出個数が多くなり、よって中断時間も長くなる。そして、この遊技の強制的な中断時間が長くなると、遊技者に退屈感を与える要因となるおそれがあり、さらには当該遊技機の単位時間当たりの遊技回数(遊技の進行速度)が減少してしまうおそれがある。これに対して、払出装置が複数設けられていれば、この強制的な中断時間を短くすることができる。
【0060】
手段17.手段1乃至手段16のいずれかにおいて、表面に複数の絵柄が付されたリール(リール71〜73)を周回させ、遊技機前面に設けた表示窓(透明パネル65)を通じて前記絵柄を可変表示するように構成し、その停止後の停止絵柄に応じて遊技球の払出を行い又は特別遊技状態を発生させる構成としたことを特徴とする遊技機。
【0061】
手段17によれば、上記手段1乃至16のいずれかの効果をリール式球使用遊技機において享受することができる。
【0062】
手段18.手段17において、始動操作手段(スタートレバー101)の操作に起因して前記リールの回転を始動させて絵柄を可変表示するとともに、停止操作手段(ストップボタン102〜104)の操作に起因して或いは該停止操作手段が操作されないまま所定時間経過したことに起因して前記リールの回転を停止させて絵柄の可変表示を停止するように構成したことを特徴とする遊技機。
【0063】
手段18によれば、遊技者が始動操作手段を操作したり停止操作手段を操作したりすることにより、遊技に積極的に関与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
以下に、遊技球を受け入れた上で遊技が開始される遊技機に関する一実施の形態につき図面に基づいて説明する。
【0065】
本実施の形態における遊技機は、遊技に際して所定数の遊技媒体(遊技価値)としての遊技球(例えばパチンコ機と同様の遊技球:パチンコ球)を必要とし、所定条件が成立した場合には複数の遊技球、場合によっては大量の遊技球が払い出されるよう構成されている。なお、遊技球はパチンコ球に限られず、広義には鋼球であればよい。
【0066】
まず、遊技機1の外観構成及び内部構造の概略を説明する。ここで、図1は遊技機1の全体を示す斜視図、図2は遊技機1の正面図、図3は遊技機本体の前面構成を示す正面図、図4は図2におけるA―A線で示す位置の内部構造を簡略に示す構成図、図5は遊技機1の背面図である。
【0067】
図1〜図3に示すように、遊技機1は、本体枠としての外枠2と、外枠2の前部に設けられ外枠2の一側部にて開閉可能に支持された前面枠3とを備えている。この場合、外枠2と前面枠3とは、その左端の上部及び下部においてヒンジ31,32により開閉可能に連結されている。外枠2は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって、全体として矩形状をなす。また、前面枠3は、外形寸法が外枠2よりも僅かに小さな四角枠状の板材よりなり、外枠2の前面に当接するようにして設けられている。前面枠3には、その裏面から外枠2の内周面に沿って背面側に延びる裏セット盤16が取り付け固定されており、その裏セット盤16に、後述するリールユニットや、遊技球の取り込み又は払い出しのための装置(いわゆる裏セット)や、各種制御基板等が搭載されるようになっている。本実施の形態では、基本的に外枠2、前面枠3及び該前面枠3に設けられる裏セット盤16等により遊技機本体が構成されている。
【0068】
前面枠3の前面側には、当該前面枠3に対して開閉可能な開閉扉としての前面扉4が設けられると共に、この前面扉4の下方に下皿ユニット5が設けられている。すなわち、前面枠3の前面側は前面扉4と下皿ユニット5とにより覆い隠されるようになっており、前面扉4が開放されることにより、下皿ユニット5よりも上方の前面枠3及びそれに搭載された各種機構(ベルトユニット等)が前方に露出されるようになっている。前面枠3と前面扉4とは、その左端の上部及び下部のヒンジ33,34により開閉自在に連結されている。従って、前面扉4は、前面枠3に対してその左側部を中心に右側部が回動される。
【0069】
前面扉4及び下皿ユニット5の前面は、遊技機全体として一体的な外観をなすよう連続的な立体形状にて形成されており、遊技機1の概ね外周全体で環状をなしかつ遊技機前面に突出する環状部6,7を有する。環状部6,7は遊技機正面から見てほぼ左右対称の形状をなす。これら環状部6,7には、発光ダイオード等よりなる発光体8,9が多数埋設されており(図2右下の一部破断部参照)、遊技に際しこの発光体8,9が発光することにより、例えば環状部6,7が一斉に又は遊技機外周を周回して光るようになっている。環状部6のうち、最上部に位置するトップ部6aは他の部位よりも一層前方に突出しており、トップ部6aには、左右一対のランプ表示部10が設けられると共に、同じく左右一対のスピーカ11が設けられている。また、環状部6において高さ方向中央部付近には、内側に括れた括れ部6bが設けられ、その括れ部6bにもランプ表示部12,13が設けられている。
【0070】
環状部6,7(発光体8,9)やランプ表示部10,12,13等は、表示内容の多様化や表示演出の重厚化等を意図しつつ遊技の際の補助演出を行うために設けられるものであって、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行する。例えば、ビッグボーナスゲームを獲得しうる状態になったときに、環状部6,7(発光体8,9)を一斉に又は周回させるように発光させたり、全てのランプ表示部10,12,13を点灯又は点滅等させたりすることで、遊技者への告知が行われる。
【0071】
本実施の形態における遊技機1は、現実の遊技球の受入を必要条件として遊技が行われ、所定条件の成立に伴い所定個数の遊技球の払出が行われるよう構成されている。遊技媒体として遊技球を用いるための構成を以下に説明する。すなわち、図3に示すように、前面枠3に取り付け固定された裏セット盤16には、その前面側下方に上皿形成体17が着脱可能に取り付けられている。図6は、上皿形成体17の構成を示す斜視図である。
【0072】
上皿形成体17には貯留部としての上皿18が形成されており、その上皿18は、後述する取込ユニット30への投入口に通じる主上皿部18aと、その上流側に位置する副上皿部18bとを有する。基本的に、主上皿部18aは、後述する払出機構より払い出された遊技球を貯留するものである一方、副上皿部18bは、図示しない球貸し機のノズルから供給される遊技球を受け取り、主上皿部18aへ導くものであり、主上皿部18a内の遊技球は、球案内部19を通じて投入口に流れ込む。球案内部19は、遊技球を一列に整列させて投入口に供給することができるようになっており、球案内部19にはステンレスカバー(保護カバー)20が取り付けられている。主上皿部18a及び副上皿部18bは折り返すようにして前後に重複して設けられ、副上皿部18bは図6の左側に向けて幾分下方に傾斜し、主上皿部18aは図5の右側に向けて幾分下方に傾斜している。故に、主上皿部18a及び副上皿部18b内の遊技球は順序よく下流側に流れ、上述したように、投入口に流れ込む。
【0073】
上皿形成体17の左右両端部には装着固定部21が設けられており、この装着固定部21を裏セット盤16側に締結することにより、上皿形成体17が裏セット盤16に装着されるようになっている。装着固定部21の締結解除により、上皿形成体17が裏セット盤16から離脱される。装着固定部21は裏セット盤16に対して着脱自在であればその締結手法は任意でよく、裏セット盤16側に設けた被締結穴に締結具(例えばナイラッチ(登録商標))を押し込むワンプッシュ式の締結手法や、裏セット盤16側に設けたネジ穴に雄ネジを螺着する手法等が適用できる。
【0074】
そして、上皿形成体17が裏セット盤16に装着された状態で、前面扉4が閉じられると、裏セット盤16と前面扉4との間で上皿形成体17が固定される。上皿形成体17にはその長手方向に延びるフランジ22が設けられており、このフランジ22が前面扉4の裏面に挟持されるようになっている。すなわち、フランジ22を挟み込むように前面扉4の裏面の対応位置には挟持用凹所が形成されていることから、前面扉4の閉状態時において上皿形成体17の脱落が防止されるとともに、上皿18に貯留される大量の遊技球の重量をも支えることができる。また、図1や図2に示すように、前面扉4のうち、上皿形成体17に対応する部分(操作部100)は前面側に膨出しており、かつその膨出部の上面が開口している。このため、前面扉4が閉状態にあるときには、上皿形成体17の上皿18が膨出部(操作部100)の上方に開放されるようになる。以上の構成により、上皿形成体17を遊技機本体又は前面扉4から容易に取り外すことができるとともに、上皿形成体17を取り外した上で、上皿18(特に球案内部19)の清掃作業等が行いやすくなる。また、後述する操作部100等の点検、修理等が前面扉4の裏側から行いやすくなる。つまり、メンテナンス性の向上が図られる。前面扉4の膨出部分は操作部100となっており、前面扉4のうち、操作部100の直上には奥壁64が設けられている。これら操作部100及び奥壁64の構成については後述することとする。
【0075】
取込ユニット30(図3参照)は裏セット盤16に設けられており、遊技者による操作に基づき取込ユニット30を介して遊技球が所定個数ずつ取り込まれる。そして、所定個数分の遊技球が取り込まれることで遊技(ゲーム)の開始条件が成立し、遊技開始の準備が整えられるようになっている。このとき、受け入れられた遊技球は、図示しない排出経路を介して遊技機1の外部に排出される。
【0076】
ここで、取込ユニット30の構成について説明する。取込ユニット30の全体が表された図7に示すように、取込ユニット30には3個の取込装置35,36,37が重なるようにして設けられており、取込ユニット30は全体として略立方体形状となっている(以下の説明では、図7において手前側に位置する取込装置35を「第1取込装置」、中央に位置する取込装置36を「第2取込装置」、奥側に位置する取込装置37を「第3取込装置37」とする)。この取込ユニット30は、第1取込装置35を遊技機前側、第3取込装置37を後側として配設されるようになっている。また、各取込装置35〜37の上面には、遊技球入口35a,36a,37aが形成されており、これら遊技球入口35a〜37aは前後方向に並んでいる。
【0077】
各取込装置35〜37には、図8に示すように、上皿18に貯留されている遊技球が球振分け通路38を介して流入することとなる。球振分け通路38は、上皿18の投入口に連通されており、取込ユニット30の上方へと延びている。また、球振分け通路38は、取込ユニット30側に向けて遊技球が流下していくように傾斜しており、その下流側が仕切板38a,38bにより分岐している。詳細には、球振分け通路38の下流側は、まず第1仕切板38aにより2方向に分岐し、さらにこの分岐した一方の通路の下流側で第2仕切板38bにより2方向に分岐している。この場合に、分岐した各通路への遊技球の振分けがスムーズに行われるように、各仕切板38a,38bの上流側端部は一方の通路又は両方の通路に向けて傾斜している。各仕切板38a,38bにより分岐された通路の下流側端部には、各遊技球入口35a〜37aに対応させて落下孔38cが形成されている。以上のような構成であることにより、上皿18に貯留されている遊技球は、球振分け通路38を流下し各仕切板38a,38bによりいずれかの落下孔38cへと誘導され、落下孔38cを介して各取込装置35〜37内に流入していくこととなる。なお、上記のように球振分け通路38により各取込装置35〜37への遊技球の振分けを行うのではなく、上皿18上で遊技球の振分けを行う構成としてもよい。この場合、上皿18上に仕切板及び落下孔を設ける構成となる。
【0078】
次に、取込装置35〜37の構成を、図9〜図11を用いて説明する。但し、各取込装置35〜37は、概ね同様の構成をしているため、ここでは基本的に第3取込装置37を例に挙げて説明する。図9は、取込装置37の内部構造を示す断面図、図10は、取込装置37を分解して示す斜視図、図11は、取込ユニット30の一部を分解して示す斜視図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図9に示す状態で上下左右の各方向を記載する。
【0079】
第3取込装置37は、表裏一対のハウジング部材161,162を備えており、何れも樹脂成形品よりなる(以下、ハウジング部材161を「第1ハウジング」、ハウジング部材162を「第2ハウジング」という)。第1ハウジング161は略四角形状をしているのに対して、第2ハウジング162は右下側に切欠部162bが形成されている。そして、両ハウジング161,162がネジ等により結合されることにより略四角箱状の筐体が構成され、その前面の右側には第2ハウジング162の切欠部162bにより開口163が形成されるようになっている。また、第1ハウジング161及び第2ハウジング162の上面には、上述した遊技球入口37aを形成するための切欠161a,162aが形成されている。
【0080】
また、第3取込装置37には、遊技球を一列で通過させるための遊技球通路165が形成されている。詳しくは、第1ハウジング161には、第1ハウジング161の壁部W1からハウジング内側に向けて延びるほぼ等幅の通路壁161bが設けられるとともに、第2ハウジング162にも同様に通路壁(図示略)が設けられており、これらを含む四方の通路壁に囲まれて遊技球通路165が区画形成されている。本取込装置37の通路壁は、大部分が第1ハウジング161側に形成され、第2ハウジング162側には高さの低い通路壁が形成されるが、通路壁の全てを第1ハウジング161側に形成する構成であっても良い。即ち、遊技球通路167を通過する遊技球が、遊技球通路167における第1ハウジング161と第2ハウジング162との境界に接触しないような構成であればよい。このような境界には、埃などが貯まり易く、通過する遊技球がこの境界に接触するような構成であると、その埃などにより遊技球の通過が阻害されることとなるおそれがあるからである。また、第1ハウジング161及び第2ハウジング162は、透明な樹脂材料で成形されている。これにより、両ハウジング161,162の接合を外すことなく、装置内部の遊技球通路165や後述するゲート駆動機構などの他、通路内に貯留された遊技球を視認することができる。
【0081】
遊技球通路165は、ハウジング161,162の中央付近にて二股に分岐されており、遊技球入口37aから通路分岐位置まで延びる上流通路167と、通路分岐位置から鉛直方向に延びる取込通路168と、通路分岐位置から左斜め下方に延びる排出通路169とからなる。なお、少なくとも排出通路169が上流通路167と取込通路168とのコーナー部分の内側ではなく外側へと延びる構成であれば、取込通路168及び排出通路169の延びる方向が上記構成とは異なるものであってもよい。遊技の開始条件としての所定個数の遊技球は取込通路168を通じて取り込まれる。また、遊技終了時などにおける遊技球の精算の際には排出通路169を通じて上皿18及び第3取込装置37内などに貯留されている遊技球が下皿41に排出される。
【0082】
上流通路167は、ほぼ水平方向に設けられているが、詳細には若干下方に傾斜している。これにより、遊技球入口37aから第3取込装置37内に入ってきた遊技球は、上流通路167においてほぼ水平方向に並びつつ、下流側へと流下していく。また、上流通路167には、遊技球の流れを一定に整えるための整流部170が設けられている。この整流部170の構成について図12を用いて詳細に説明する。図12は整流部170の中央部を水平線で切断した平断面図であり、図の上側は第1ハウジング161の壁面(壁部W1)を示し、下側は第2ハウジング162の壁面(壁部W2)を示す。図12に示すように、整流部170において、第1ハウジング161には円弧状の凹部171が形成されるとともに、第2ハウジング162には、凹部171に対向して三角形山状の突起172が形成されている。かかる場合、上流通路167を下流に流れてくる遊技球Bが整流部170に達すると、遊技球Bが突起172に衝突し、流れの向きを矢印の如く変えた後、更に突起172に対向する凹部171の内壁に衝突する。こうして、遊技球Bは流れの向きを変えつつ凹部171側に迂回するようにして下流側に流れる。
【0083】
このとき、遊技球は整流部170を通過する毎に流れの勢いが消されその後の流下速度が低減されることから、その通過後における後述する遊技球検出の際の検出ミスが低減される。また、多数の遊技球が数珠繋ぎとなって第3取込装置37に取り込まれた場合に、整流部170を通過すると、速度差によって隣接する遊技球間に間隔ができることから、複数の遊技球を1個の遊技球として誤検出する不具合もなくなる。すなわち、整流部170の存在により、その通過後の遊技球検出を確実なものとしている。また、整流部170は前後方向(第3取込装置37の厚さ方向)に迂回させるものであるため、第3取込装置37をコンパクトにしつつも十分な整流効果を遊技球に付与できるという相乗効果が得られる。なお、上記整流部170の構成として、ハウジング161,162に凹部171及び突起172を設けるのではなく、遊技球通路165を第3取込装置37の厚さ方向へとクランク状にする構成としてもよい。この場合においても、クランク状となっている部分の内壁に遊技球が衝突することで、その遊技球の流れの勢いが消されることとなり、上記整流部170と同様の効果を得ることができる。
【0084】
また、上流通路167には、その最上流側から一筋の突条173が設けられており、当該突条173は取込通路168の最下流側まで設けられている(但し、整流部170における突条173の設置は任意である)。突条173は、上流通路167及び取込通路168を区画形成する四方の通路壁のうち少なくとも1つに形成され、本実施の形態では、第1ハウジング161において遊技球を横から保持する通路壁のほぼ中央部に突条173が形成されている。突条173の高さは0.5mm程度であり、これにより上流通路167及び取込通路168の通路幅が狭められるようになっている。つまり、上流通路167及び取込通路168は基本的に通路幅が12mm程度であるが、突条173を設けることにより、実質的な通路幅が11.5mm程度に狭められている。これにより、上流通路167内及び取込通路168内の遊びを減らすことができ、安定した状態で遊技球が流下することとなる。特に、取込通路168においては、後述するように、遊技球検出が行われるため、その検出ミスを低減させることができる。
【0085】
取込通路168には、前記分岐位置のすぐ下流に取込用ゲート部材175が設けられている。取込用ゲート部材175は、上下方向に延びる長尺状となっており、通路外に配設された支軸176により支持される基部175aと、通路壁に設けた切欠部179を介して取込通路168内に出没する爪部175bとを有する。取込用ゲート部材175は、上流通路167と取込通路168とのコーナー部分の内側の領域に配置され、爪部175bが取込通路168内に出没することにより、取込通路168内の遊技球の通過が阻止又は許容されるようになっている。
【0086】
ここで、取込用ゲート部材175の駆動機構について図9を用いて説明する。取込用ゲート部材175の駆動源としてソレノイド181が用いられている。ソレノイド181は、本体部181aと出力軸181bとを主要構成部品として備えており、本体部181aへの電気的な信号の入力に基づき通電され、出力軸181bが伸縮方向に移動する。当該ソレノイド181は、取込用ゲート部材175の右方において、出力軸181bが下方へと突き出るように配設されている。そして、図11に示すように、ソレノイドカバー182によりハウジング161に固定されている。また、ソレノイド181の配設される位置は、第3取込装置37の右下部であるため、第2ハウジング162の切欠部162bが形成された位置に相当し、ソレノイド181は第2ハウジング162により覆われていない(図7参照)。この構成であることにより、第3取込装置37の薄型化が実現されている。ソレノイド181の本体部181aは、所定の大きさを有しているため、上記のように第2ハウジング162が切り欠かれていない構成においては、ハウジング161,162の厚みを増やす必要が生じるからである。また、ソレノイド181は、その駆動に応じて熱を発生させるため、ソレノイド181が第2ハウジング162に覆われない構成とすることで、放熱性を高めることができる。なお、ソレノイド181は、第1ハウジング161の壁部W1の内壁に接し、さらにソレノイドカバー182の外面は、第2ハウジング162の壁部W2の外面とほぼ面一となっている。
【0087】
ソレノイド181の出力軸181bの先端部にはガイド183が取り付けられている。ガイド183には回動片184の一部が係合されており、同回動片184の他部が取込用ゲート部材175の後端に駆動連結されている。符号185は、出力軸180を常に伸長方向に付勢するコイルバネであり、符号186は、回動片184のほぼ中央部に設けられ同回動片184を回動可能に支持する支軸である。
【0088】
本構成によれば、ソレノイド181への通電がない場合には、図示の如くコイルバネ185の付勢力によって出力軸181bが伸長した状態で保持され、取込用ゲート部材175の爪部175bが取込通路168内に突出し取込通路168が閉鎖される。なおこのとき、取込用ゲート部材175の後端部分がストッパ187に当接しており、当該取込用ゲート部材175がそれ以上図の反時計回り方向に回動しないよう規制されている。つまり、実際の使用状態では、取込用ゲート部材175の爪部175bに遊技球がのりその状態で遊技球の通過が阻止されるが、取込用ゲート部材175は遊技球の重みにより図の反時計回り方向に力を受ける。この際、ストッパ187により取込用ゲート部材175の動きが制止される。
【0089】
そして、ソレノイド181の通電に伴い、コイルバネ185の付勢力に抗して出力軸181bが縮み方向に移動すると、ガイド183及び回動片184を介して取込用ゲート部材175が回動する(図9では時計回り方向に回動する)。このとき、取込用ゲート部材175の爪部175bが取込通路168外に引っ込んだ状態となる。また、ソレノイド181への通電を中止すると、コイルバネ185の付勢力によって出力軸181bが伸長方向に移動し、取込用ゲート部材175の爪部175bが取込通路168内に突出した状態となる。
【0090】
一方、排出通路169には、前記通路分岐位置のすぐ下流側に排出用ゲート部材190が設けられている。排出用ゲート部材190は、図11に示すように、3つの通路遮蔽部191aと各通路遮蔽部191aの下側端部にてこれらを連結する連結部191bとを有しており、さらに連結部191bには通路遮蔽部191aと交互に並ぶように球案内部191cが3つ形成されている。また、連結部191bの手前側端部には、排出用ゲート部材190をハウジング161,162の厚さ方向の所定位置に保持させるべく力が加えられることとなる基端部192が形成されている。
【0091】
各取込装置35〜37の両ハウジング161,162には排出通路169の入口部分に透孔193a,193bが形成されており、この透孔193a,193bを介して排出用ゲート部材169が全取込装置35〜37を貫通するようにして挿通されている。但し、基端部192は、ハウジング161,162内に位置しておらず、第1取込装置35の第2ハウジング162の外面に固定されているカバー194内に収容されている。カバー194には、透孔194aが形成されており、基端部192に一体形成された突起部192aは透孔194aから手前側に突出している。
【0092】
また、基端部192と第2ハウジング162との間には、バネ195が介在しており、このバネ195により基端部192は常に前方へと付勢されている。この場合に、カバー194は基端部192の前方への移動を規制するストッパとしての役割を果たす。また、隣り合う通路遮蔽部191aと球案内部191cとを合わせた長さは、取込装置のハウジング161,162の厚さと同じであり、そのため各取込装置35〜37のハウジング161,162内には通路遮蔽部191aと球案内部191cとが一組ずつ位置することとなる。そして、バネ195の付勢力により基端部192がカバー194と接触している状態では、各取込装置35〜37の排出通路169には通路遮蔽部191aが位置し、基端部192の突起部192aが奥側へと押され、バネ195の付勢力に抗して排出用ゲート部材190が奥側へと移動した際には、各取込装置35〜37の排出通路169には球案内部191cが位置する。なお、突起部192aは、図示しない連動機構を介して前面扉4に設けられた精算スイッチ111と連結されており、当該精算スイッチ111が遊技者に押圧操作されることにより、連動機構を介して突起部192aが押される。
【0093】
基端部192とその隣りに位置する通路遮蔽部191aとの間、及び隣り合う2つの通路遮蔽部191a間は遊技球通過領域となっており、その間の長さ(即ち、各球案内部191cの長さ)は、少なくとも遊技球の通過が可能となる長さ寸法となっている。従って、球案内部191cが排出通路169内に位置する場合には、排出通路169内の遊技球の通過が許容されることとなる。また、球案内部191cは、図13に示すように、連結部191bから上流通路167側に向けて延びており、排出通路169が形成された角度に合わせるようにして設けられている。但し、球案内部191cが取込用ゲート部材175に接触しないようにするために、球案内部191cの上流通路167側に延びる方向の長さは、取込通路168の中心付近に到達しない程度となっている。上記のように球案内部191cが設けられていることにより、排出通路169への遊技球の流入がスムーズに行われることとなる。一方、通路遮蔽部191aは、連結部191bから排出通路169を遮るようにして延び、排出通路169を塞ぐ程度の大きさを有している。従って、通路遮蔽部191aが排出通路169内に位置する場合には、排出通路169内の遊技球の通過が阻止されることとなる。
【0094】
ここで、図13に示すように、取込用ゲート部材175の爪部175bが取込通路168内に突出しており、排出通路169の入口に排出用ゲート部材190の通路遮蔽部191aが位置する場合、上流通路167内において先頭の遊技球Bが爪部175b及び通路遮蔽部191aに支えられた状態で多数の遊技球Bが貯留される。そして、この状態で爪部175bが取込通路168外に引き込まれると、遊技球Bが取込通路168側に流れ、これとは逆に排出通路169の入口に球案内部191cが位置することとなると、遊技球Bが排出通路169側に流れる。遊技球Bが取込通路168側に流れる際、通路遮蔽部191aはあたかも通路壁の一部を構成し、遊技球Bは通路遮蔽部191aに衝突して方向転換し下流側(鉛直方向)に流れる。また、遊技球Bが排出通路169側に流れる際、爪部175b及び球案内部191cはあたかも通路壁の一部を構成し、この爪部175b及び球案内部191c上を通過して下流側に流れる。
【0095】
また、図9に示すように、取込通路168には、取込用ゲート部材175のすぐ下流側に上下一対のカウントセンサ201,202が設置されている。これらカウントセンサ201,202は、取込用ゲート部材175による取込通路168の開放時において当該取込通路168を通過する遊技球を検知するものであって、同センサ201,202により遊技の開始条件である所定個数の遊技球の取り込みが確認できるようになっている。
【0096】
ここで、カウントセンサ201,202の構成について図10を用いて説明する。各センサ201,202は、発光素子と受光素子とを備えた周知の光学式センサにて構成されている。詳細には、光学式センサは、第1ハウジング161の壁部W1側から第2ハウジング162の壁部W2側に向けて(前後方向に)延びるセンサ本体部205と、当該センサ本体部205の両端から両ハウジング161,162に沿って取込通路168側に延びるアーム部203,204とが一体形成されたセンサユニット200として設けられている。一方のアーム部203にはその先端側に、カウントセンサ201,202を構成する受光素子が上下に並ぶように配設されており、他方のアーム部204には受光素子の対向位置に同じくカウントセンサ201,202を構成する発光素子が配設されている。また、両アーム部203,204間の距離は、取込通路168の幅よりも若干長くなっている。そして、上流通路167と取込通路168とのコーナー部分の内側の領域であって取込用ゲート部材175とソレノイド181との間に設けられた貫通窓188にセンサ本体部205が挿通され、さらに両アーム部203,204が取込用ゲート部材175を跨ぎ、且つ取込通路168を挟んだ状態でセンサユニット200が配設されている。これにより、センサユニット200が取込用ゲート部材175やその他駆動機構と集約して配設された構成となっている。
【0097】
この場合に、センサ本体部205は、ハウジング161,162の厚さ方向(前後方向)の寸法が、当該ハウジング161,162の厚さと同程度となっているため、第3取込装置37のハウジング161,162の外面よりも外側にほとんど突出しない構成となっている。また、図9の破線で示すように、アーム部203,204は、排出用ゲート部材190の球案内部191cと接触しないように、その先端が取込通路168の中心付近に位置している。またこれに伴って、カウントセンサ201,202が取込通路168の中心線(突条173)よりも取込用ゲート部材175側に位置しているので、連続して流下してくる遊技球を確実に検知することができる。即ち、遊技球は球形状をなし、中心付近の位置よりも外寄りの位置の方が、各センサの前方を通過する際の通過時間(すなわち、センサによる遊技球検知時間)が短くなるため、カウントセンサ201,202の位置を取込通路168の中心線よりもずらすことで、1の遊技球を検知してから次の遊技球を検知するまでの時間を長く確保することができるからである。
【0098】
また、第1ハウジング161及び第2ハウジング162の外面には、それぞれアーム部203,204の厚さ(前後方向の長さ)と同程度の深さであって、アーム部203,204の上下方向の長さと同程度の幅のガイド溝189が形成されており、アーム部203,204は当該ガイド溝189に収容された構成となっている。また、センサ本体部205には、発光素子及び受光素子を機能させるための機能回路を有する図示しないセンサ基板が収容されている。このようにハウジング161,162の厚さ方向に延びるセンサ本体部205にセンサ基板を収容させることにより、センサユニット200の厚さ方向の寸法をハウジング161,162の厚さと同程度とすることができる。また、センサ基板には、主基板131へと繋がる信号線が接続されるコネクタ部205aが設けられている。コネクタ部205aはソレノイド181と対面しており、ソレノイド181とセンサ本体部205とが近接しているのに伴ってコネクタ部205aもソレノイド181に近接している。なお、各取込装置35〜37のセンサユニット200からの信号線を、中継基板を介してまとめて主基板131へと接続する構成とすることにより、配線の容易化を行うことができる。
【0099】
このように発光素子と受光素子とがセンサユニット200として一体で設けられていることにより、発光素子と受光素子との位置合せ精度を高めることができ、検出精度を良好なものとすることができ、さらにはノイズの低減を実現することができる。また、センサユニット200内にセンサ基板が収容されていることで、カウントセンサ201,202の発光素子及び受光素子に繋がる信号線をセンサユニット200内で1つにまとめることができるので、当該信号線の配線の容易化を実現することができる。また、センサユニット200、取込用ゲート部材175及びその駆動機構が、上流通路167及び取込通路168のコーナー部分の内側に集約して配設されていることにより、第3取込装置37内の省スペース化を図ることができ、結果的に第3取込装置37の小型化が実現されている。特に、本実施の形態のように、取込ユニット30として3連の取込装置35〜37を備え、さらに排出通路169の排出用ゲート部材190がすべての取込装置35〜37に渡って配設されている構成の場合には、取込ユニット30の奥行き方向の厚みを増加させることなく、さらに遊技球通路165の邪魔にならないようにセンサユニット200を配設する必要があり、この場合に、本実施の形態は最適な構成といえる。また、センサユニット200の信号線及び取込用ゲート部材175の駆動源としてのソレノイド181の信号線を、遊技球通路165を跨ぐことなく配線することができ、さらにはこれら信号線をまとめて一箇所から引き出すことができる。さらに、アーム部203,204が取込用ゲート部材175を跨ぐような構成となっているので、上記のように各種部材を上流通路167及び取込通路168のコーナー部分の内側に集約して配設した構成において、取込用ゲート部材167を取込通路168側に近付けることができる。これにより、取込用ゲート部材167の基部175a及び爪部175bの長さを極力短くすることができるので、爪部175bに遊技球の荷重がかかる際において取込用ゲート部材167に作用する曲げ応力(モーメント)を低減することができ、取込用ゲート部材167の強度を高めることができる。さらには取込用ゲート部材167が取込通路168側に近付くことで、取込用ゲート部材167の動作範囲が狭くなり、駆動機構(ソレノイド181等)の負担を軽減することができる。
【0100】
次に、図14を用い、カウントセンサ201,202による遊技球検知の概要を説明する。なお、図14(a)は各センサ201,202に対する遊技球の通過位置を示し、図中、B1,B2,B3の各通過課程での遊技球を示す。また、図14(b)は遊技球通過に伴う各センサ201,202の出力波形(波形整形後の矩形波形)を示し、便宜上遊技球の通過時にON出力となる論理を示す。
【0101】
遊技球が取込用ゲート部材175を通過した後、図14(a)のB1位置に達すると、上側のセンサ201の出力がONとなり(t1のタイミング)、続いてB2位置に達すると、下側のセンサ202の出力がONとなる(t2のタイミング)。その後、上側のセンサ201の出力がOFFになり(t3のタイミング)、更にB3位置に達すると下側のセンサ202の出力がOFFとなる(t4のタイミング)。この場合、所定の時間条件の下、上側のセンサ201→下側のセンサ202の順で各センサがONした時にのみ遊技球が正規に取り込まれたと判断される。すなわち、上側のセンサ201がONしてから下側のセンサ202がONするまでに所定時間を経過した場合や、通常時とは逆に下側のセンサ202→上側のセンサ201の順で各センサがONした場合には、エラーとなって、その旨が報知等されるとともに遊技が禁止されるようになっている。故に、例えば、遊技球にひも等を付けて上下させることにより、あたかも複数の遊技球が取り込まれたようにするなどの不正行為が防止できるようになっている。
【0102】
次に、図15を用い、第3取込装置37による実際の遊技球の取込動作を説明する。図15(a)は初期状態を示し、同(b)は遊技球Bの取込状態を示し、同(c)は遊技球Bの排出状態を示す。なお、実際の遊技に際し、上流通路167には続々と遊技球Bが入ってくるが、図15(a)〜(c)では、5個の遊技球Bのみを図示している。
【0103】
図15(a)に示す初期状態では、ソレノイド181が非通電の状態にあるため取込用ゲート部材175の爪部175bは取込通路168内に突出しており、さらに排出用ゲート部材190が初期位置にあるため排出通路169の入口には通路遮蔽部191aが位置する。故に、取込用ゲート部材175及び排出用ゲート部材190を通じての遊技球Bの通過は許容されていない。つまり、上流通路167内の複数の遊技球Bのうち、先頭の遊技球が爪部175b及び通路遮蔽部191aにて支持された状態となっている。
【0104】
また、図15(b)に示す遊技球Bの取込状態では、ソレノイド181の通電により爪部175bが取込通路168外に引っ込んだ状態となる。これにより、遊技球Bが取込通路168内を流れて遊技球の取込が行われる。なお、上流通路167内を流下してくる遊技球Bは、通路遮蔽部191aに衝突し、その際通路遮蔽部191aにて流れの勢いが吸収されると共に一瞬停止状態となり、その後取込通路168へと流れる。このとき、取込通路168では前後する遊技球が互いに離間した状態で流下し、カウントセンサ201,202にて確実に遊技球Bの通過が検知される。
【0105】
さらに、図15(c)に示す遊技球Bの排出状態では、精算スイッチ111が押圧操作されることにより突起部192aが奥側へと押され、排出用ゲート部材190が奥側へと移動し、排出通路169の入口には球案内部191cが位置する。これにより、遊技球Bが排出通路169内を下流側に流れて遊技球排出が行われる。このとき、遊技球Bは、爪部175b上及び球案内部191c上を転がりながら通過する。
【0106】
上記構成の取込ユニット30においては、各取込装置35〜37のそれぞれで遊技球の取り込みが行われる。具体的には、例えば、15個の遊技球の取り込みが行われる場合には、全ての取込装置35〜37において、同時に取込用ゲート部材175が開放位置に動作し、遊技球の取り込みが一斉に開始される。この場合に、3個の取込装置35〜37のうち何れかの取込装置に遊技球が充填されていないとき又はソレノイド181が故障しているときには、故障等していない取込装置のみにより遊技球の取り込みが行われる。例えば、第1取込装置35や第3取込装置37に遊技球が充填されていないとき又はこれら取込装置35,37のソレノイド181などが故障しているときには、第2取込装置36において15個の遊技球の取り込みが行われることとなる。
【0107】
一方、上皿18及び取込装置35〜37内に貯留されている遊技球を下皿41へと排出する場合には、精算スイッチ111が押圧操作されることにより、排出用ゲート部材190が奥側へと移動し、全ての取込装置35〜37の排出通路169の入口が開放されることとなる。これにより、全取込装置35〜37を介して遊技球の排出が行われることとなる。
【0108】
なお、上記構成では、取込ユニット30を構成する取込装置35〜37の数は3個であったが、各取込装置35〜37はほぼ同様の構成をしており、さらに排出用ゲート部材190という1つの部材により各取込装置35〜37における排出通路169への遊技球の通過が阻止及び許容される構成となっているので、同様の構成の取込装置を第1取込装置35と第3取込装置37との間に配設し、さらに排出用ゲート部材190の通路遮蔽部191a及び球案内部191cの数を増やすことで、取込装置35〜37の数を4個、5個、又は6個以上と容易に増やすことができる。
【0109】
次に、図16を用いてハウジング161,162に対するセンサユニット200とソレノイド181の組み付け手順及び取り外し手順について説明する。
【0110】
先ず組み付け手順について説明する。第1ハウジング161には、取込用ゲート部材175及び回動片184が組み付けられた状態で第2ハウジング162が接合されている。この場合に、図16(a)に示すように、第1ハウジング161に形成された貫通窓188と第2ハウジング162に形成された切欠部162bとが前後に重なっており、これら貫通窓188と切欠部162bとを通じてハウジング161,162が前後方向に貫通している。そして、この状態のハウジング161,162に対してセンサユニット200が先に組み付けられる。
【0111】
具体的には、先ずセンサユニット200を図16(b)に示す位置に配置する。その後、アーム部203,204をガイド溝189にガイドさせるようにして、センサユニット200を、図の左方向(センサ組付方向)にスライド移動させる。これにより、図16(c)に示すように、ハウジング161,162にセンサユニット200が組み付けられた状態となる。この場合に、アーム部203,204はハウジング161,162の壁部W1,W2の外面よりも外側に位置し、センサユニット200が両ハウジング161,162を跨いだ状態となる。そして、アーム部203,204をハウジング161,162の壁部W1,W2にネジ等の固定手段により固定することで、センサユニット200がハウジング161,162に固定される。
【0112】
その後、図16(d)に示すように、取込用ゲート部材175の駆動源であるソレノイド181を第2ハウジング162の切欠部162b(ハウジング161,162の開口163)を介して第1ハウジング161に組み付ける。そして、ソレノイド181を覆うようにした状態でソレノイドカバー182を第1ハウジング161にネジ止めすることにより、ソレノイド181が第1ハウジング161に固定される。以上の作業により、ハウジング161,162に対するセンサユニット200及びソレノイド181の組み付け作業が完了する。
【0113】
次に、取り外し手順について説明する。先ず、ソレノイドカバー182の第1ハウジング161に対するネジ固定を解除し、ソレノイド181をハウジング161,162から取り外すことで、図16(c)に示す状態となる。その後、アーム部203,204のハウジング161,162に対する固定手段による固定を解除し、アーム部203,204をガイド溝189にガイドさせるようにして、センサユニット200を図の右方向にスライド移動させる。これにより、図16(b)に示すように、ハウジング161,162からセンサユニット200が取り外された状態となる。その後、第2ハウジング162の切欠部162bを介してセンサユニット200を取り出すことで、図16(a)に示す状態となる。以上の作業により、ハウジング161,162からのセンサユニット200及びソレノイド181の取り外し作業が完了する。
【0114】
この場合に、ソレノイド181が組み付けられる位置は、センサユニット200に近接しており、ソレノイド181とセンサユニット200との間の距離は「L1」となっている。これに対して、センサユニット200をハウジング161,162から取り外すためにスライド移動させる距離は「L2」となっている。そして、L1<L2となっている。また、センサユニット200を取り外し方向にスライド移動させた場合の先端部となるセンサ本体部205のソレノイド181との対向面は、このスライド移動の方向から見て、大部分(半分以上)がソレノイド181と重なっている。従って、ハウジング161,162にソレノイド181を取り付けた状態においてセンサユニット200を取り外し方向にスライド移動させた場合には、センサ本体部205のソレノイド181との対向面は、大部分がソレノイド181と当接することとなる。よって、ソレノイド181をハウジング161,162から取り外さない限りセンサユニット200をハウジング161,162から取り外すことができないので、上記固定手段の固定が解除されたとしてもセンサユニット200をハウジング161,162から不正に取り外す行為を抑制することができる。
【0115】
なお、上記のようにセンサユニット200に対する不正行為を抑制するためにソレノイド181をセンサユニット200に近付けた構成において、ソレノイド181はセンサユニット200から離間させて配置されている。
【0116】
また、本実施の形態では、センサユニット200のセンサ本体部205に収容されているセンサ基板には、コネクタ部205aを介して図16における符号197で示すコネクタ付き信号線が接続されており、コネクタ部205aはセンサ本体部205におけるソレノイド181との対向面(センサユニット200における取り外し方向の先端部)であって、当該面におけるソレノイド181と左右に重なる部位に設けられている。また、コネクタ部205aは、センサ本体部205の上記面における上流通路167側に配置されている。そして、上述したように、センサユニット200とソレノイド181とが近接しており、ソレノイド181とセンサユニット200との間の距離はコネクタ部205aからコネクタ付き信号線197を抜き挿しすることができない程度となっている。よって、ソレノイド181を取り外さない限りコネクタ部205aに指などを挿し入れることが困難な構成となり、コネクタ付き信号線197に対する不正行為を抑制することができる。
【0117】
裏セット盤16の裏側には、遊技中の所定条件の成立時において遊技球の払出を行う払出機構が設けられている。すなわち、図5に示すように、裏セット盤16の裏側の最上部にはタンク25が設けられており、このタンク25には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク25の下方にはタンクレール26が連結され、更にタンクレール26の下流側にはケースレール27が連結されている。払出装置28はケースレール27の下流側に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が行われる。そして、払出装置28より払い出された遊技球は遊技球通路ユニット29を通じて前記上皿18に供給される。
【0118】
タンクレール26、ケースレール27、払出装置28等の払出機構は、後述するリールユニット70(実際には、同リールユニット70を包囲する保護カバー135)を迂回するようにして配置されている。また、図5(遊技機1の背面図)では右端の上下部分で前面枠3が開閉可能に軸支されており、前述の払出機構は軸側に配置されている。この場合、払出機構には多数の遊技球が貯留されその重量は自ずと大きくなるが、払出機構が軸側に設けられるため、前面枠3の開閉を支障なく行うことができるようになる。またこのとき、軸部材(ヒンジ31,32)にかかる重量負担が軽減されるため、同軸部材(ヒンジ31,32)を保護する効果も併せて得られる。払出機構と同様に前記取込装置35〜37も軸側に設けられていることから、遊技球の取り扱いに関する機構が全て軸側にまとめられ、遊技球の流れに関する不具合時の対応が容易になり、さらに前面扉4を開き不正に遊技球の払い出しや取り込みを行わせるといった行為を抑制することができる。
【0119】
取込装置35〜37が作動すると、それに伴い上皿18にある遊技球が所定個数ずつ受け入れられる。また、遊技中に所定条件が成立した場合には、払出装置28が作動し、これによりタンク25に貯留されている遊技球が、遊技球通路ユニット29等を介して基本的には上皿18に払い出される。
【0120】
一方、図1等に示すように、前面扉4の前面下方に設けた下皿ユニット5には下皿41が形成され、下皿ユニット5の奥方の側面には下皿排出口42が形成されている。前記上皿18等に遊技球が満タンに貯留されている状態であって更に払出装置28から遊技球が払い出される場合には、下皿排出口42を介して下皿41に遊技球が払い出される。下皿41に隣接して灰皿44が形成されている。
【0121】
前面扉4前面の膨出部よりなる操作部100は、その下面が台形状(凸状)に切り欠かれており(実際には、後述するストップボタン操作面113の下方部分が切り欠かれている)、この操作部100の下方空間(切り欠きによりできた空間)は、下皿41に貯まった遊技球を掻き出すために手を差し入れる空間でもある。
【0122】
下皿ユニット5には球抜き穴45が形成されており、球抜きボタン46を押すことで図示しない球抜き機構が連動し、下皿41に貯まった遊技球が球抜き穴45から下方に排出されるようになっている。
【0123】
環状部6のトップ部6aの下方には、上部パネル59が配設されている。上部パネル59は、透明性の合成樹脂により形成されており、その後面には機種名や遊技に関わるキャラクタなどが描かれた半透明性のフィルムが該キャラクタなどを遊技機前方から識別できるように貼り付けられている。そして、上部パネル59の内側には、該上部パネル59を内側から照らすための上部ライト59aが配設されており、この上部ライト59aの光によりフィルムに描かれたキャラクタなどが照らされるため、該キャラクタなどを遊技者が視認しやすい構成となっている。なお、透明性の上部パネル59に、上記機種名や遊技に関わるキャラクタなどが直接印刷されている構成であってもよい。また、上部パネル59は傾けて配設されていることにより、上部パネル59の前面は若干下方を向いた構成となっている。当該遊技機1で遊技を行う遊技者の目の高さは、上部パネル59の下縁付近に位置するので、上部パネル59の前面が下方に向いていると、当該上部パネル59の前面の視認性が向上する。
【0124】
上部パネル59の下方には、該上部パネル59よりも遊技機1の前方に張り出すようにして立体形状をなすケース体60が配設されている。当該ケース体60は、黒色に着色された合成樹脂により形成されており、また、その上端が上部パネル59の下端に沿うような形状となっており、左右両端が環状部6の左右の括れ部6bの内側部に沿うような形状となっており、さらに下端が上皿18の上端に沿うような形状となっている。そして、ケース体60は、上部パネル59、括れ部6b及び上皿18に囲まれる領域に配設されている。ケース体60は、上から順に上方傾斜部61と、枠部62と、下方傾斜部63と、奥壁64とからなり、枠部62が最も前方に張り出している。枠部62には、中央に開口が設けられており、当該開口には、透明性の合成樹脂により形成され、リールに付された図柄の一部を視認可能とする透明パネル65が配設されている。上述したように、ケース体60において枠部62が最も前方に張り出しているため、透明パネル65は上部パネル59よりも遊技機前方に位置する。ケース体60は、図4に示すように、リールユニット70のすぐ前方に位置しており、外枠2、前面枠3及び保護カバー135と共にリールユニット70の収容領域を形成している。そして、透明パネル65が上部パネル59よりも遊技機前方に張り出した構成であることにより、比較的サイズの大きいリールユニット70の配置が可能となっている。但し、透明パネル65が極端に遊技機前方に張り出した構成とならないようにするために、リールユニット70の奥側端部が保護カバー135の奥側端部付近に位置するようにリールユニット70が配置されており、さらに保護カバー135の奥側には制御基板などを配設していない。なお、リールユニット70の構成については、後に詳細に説明する。
【0125】
上方傾斜部61は、その上端が上部パネル59の下端に接しており、当該上部パネル59と枠部62及び当該枠部62に配設されている透明パネル65とを連結するような構成となっている。また、上方傾斜部61は、リールユニット70の手前側の上方に位置している。そして、黒色に着色された合成樹脂により形成されていることにより、遊技ホールにおける天井照明や上部ライト59aなどからの光が上方傾斜部61により遮断される構成となっている。これにより、上記光がリールユニット70に照射され、その照射された位置にある図柄の視認性が低下するといったことが防止されている。仮に、このような光の透過を遮断する手段が不具備である構成の場合には、上記光がリールユニット70に照射され、その反射光により光が照射された位置の図柄の視認性が著しく低下することとなってしまう。当該遊技機1の遊技は、遊技者が透明パネル65を介して視認できる領域を通過する図柄を視認して、予め設定された有効ライン上に所定の図柄の組合せを停止させるべく所定のタイミングで図柄の変動を停止させることにより行われる。従って、図柄の視認性が低下することは、遊技興趣の低下を引き起こす要因となりかねない。これに対して、本実施の形態の構成であれば、このような不都合が生じるおそれはない。また、上方傾斜部61が黒色に着色された合成樹脂により形成されていることにより、外部から遊技機1の内部構造が視認できないようになっている。また、上方傾斜部61の前面は、奥側から手前側に向けて下方に傾斜している。これにより、上部パネル59が透明パネル65よりも奥側に位置している構成であったとしても、当該上部パネル59に表示されている内容を透明パネル65に邪魔されることなく遊技者に視認させることができる。仮に、上方傾斜部61の前面が上記のように傾斜しておらず、例えば、略水平である構成の場合には、上部パネル59の下縁と透明パネル65の上縁とが同じ高さとなってしまい、遊技者の目の高さが透明パネル65の上縁付近である状況下においては上部パネル59に表示されている内容の一部が視認できなくなるおそれがあるからである。
【0126】
枠部62に配設されている透明パネル65は、平面状となっている。これにより、遊技ホールにおける天井照明などの光が透明パネル65において反射するのが防止されている。仮に、透明パネル65が曲面上の場合には、上記照明の光の反射が顕著に発生することとなり、図柄の視認性が著しく低下するおそれがあるが、本実施の形態では、このような不都合が生じるおそれはない。さらに、透明パネル65は、その前面が上方を向いている。これにより、図柄の視認性の向上が図られている。一方、枠部62は、上記のとおり黒色に着色された合成樹脂により形成されているので、リールユニット70周辺の構造が外部から視認できないようになっている。
【0127】
下方傾斜部63の前面は、枠部62の下端から奥側に向けて下方に傾斜している。そして、その奥側端部が奥壁64の上端に相当する。これにより、奥壁64を、透明パネル65に比してある程度奥側に配設することができる。即ち、図4に示すように、下方傾斜部63及び奥壁64の奥側には、リールユニット70の手前側下部が位置しており、当該部分は曲面状となっている。そして、当該曲面に合せるように下方傾斜部63を傾斜させることにより、奥壁64をリールユニット70に接触させない範囲で、できる限り奥側に配置することができる。また、下方傾斜部63の前面が上記のように傾斜していることにより、奥壁64が透明パネル65よりも奥側に位置している構成であったとしても、奥壁64に設けられている獲得数表示部122などに表示されている内容を透明パネル65に邪魔されることなく遊技者に視認させることができる。仮に、下方傾斜部63の前面が、略水平である構成の場合には、透明パネル65の下縁と奥壁64の上縁とが同じ高さとなってしまい、遊技者の目の高さが透明パネル65の上縁付近である状況下においては獲得数表示部122などに表示されている内容が視認できなくおそれがあるからである。また、下方傾斜部63が黒色に着色された合成樹脂により形成されていることにより、外部から遊技機1の内部構造が視認できないようになっている。
【0128】
奥壁64は、下方傾斜部63の下端からほぼ鉛直下方に所定範囲に渡って延びており、その中央が開口されている。そして、この開口には、獲得数表示部122及び情報表示部123が設けられている。また、奥壁64の下方には、操作部100が前面に配設された上皿18が位置する。そして、奥壁64は、透明パネル65よりも奥側に位置し、さらに上皿18の奥行き方向の中央付近の上方に位置している。この構成であることにより、操作部100が遊技機前方へと突出するのを極力抑えつつ、遊技者が上皿18へと遊技球を補充するための空間が確保されている。仮に、奥壁64が透明パネル65よりも奥側に位置しておらず、例えば、透明パネル65と同程度に遊技機前方に張り出している構成の場合には、遊技者が上皿18へと遊技球を補充するための空間を確保すべく、上皿18を遊技機前方へと膨出させる必要がある。この場合、上皿18の前方には操作部100が位置するので、結果的に操作部100を遊技機前方へと突出させることとなってしまう。当該遊技機1の遊技は、遊技機1の前方に配設された固定式の椅子に座っている遊技者が、遊技回毎に操作部100を操作することにより行われるので、操作部100を遊技機前方へと突出させると、遊技者の胴体と操作部100までの距離が短くなってしまい操作部100の各遊技回毎の操作が窮屈なものとなってしまう。これは、継続して遊技を行う遊技者にとっては大きな負担となるおそれがある。また、当該不都合を解消すべく、遊技機1と椅子との距離を長くすると、透明パネル65から遊技者の目までの距離が長くなってしまうので、図柄の視認性の低下を招くおそれがある。さらには、この場合、椅子の間の距離が短くなり遊技ホールにおける従業員や客の通行スペースが狭くなってしまう。また、操作部100が遊技機前方に突出すると、遊技ホールなどにおいて前面扉4を回動させたときの操作部100の先端の移動範囲が広くなってしまい、当該操作部100の先端が遊技者に当たってしまうおそれがある。これに対して、本実施の形態であれば、このような不都合が生じるおそれはない。また、奥壁64は、黒色に着色された合成樹脂により形成されている。これにより、遊技機1外部から内部構造が視認できないようになっている。
【0129】
また、説明の便宜上、図示による説明は省略するが、ケース体60の背面には、これも同様にパネル状をなすフロントライト部材が重ね合わせるようにして取り付けられている。フロントライト部材は発光手段を構成するものであり、光源(ライト)と、光源からの光をパネル面に沿って導入しかつパネル面に略垂直な方向に反射させパネル外部へ発する透明な導光パネルとを有して構成されている。つまり、このフロントライト部材によればその後方に向けて略垂直に面発光が行われ、後述するベルトユニット70のベルト表面(図柄)が明るく照射されることとなる。この場合、透明パネル65による図柄の視認範囲に対して面発光が行われる。
【0130】
次に、表示装置としてのリールユニット70の構成を図3、図17、図18を用いて説明する。図17は、リールユニット70を遊技機本体から取り出して示す斜視図であり、同図には、当該リールユニット70の前面、すなわち図柄表示面を左手前側に示している。また、図18は、左リールの組立斜視図である。
【0131】
リールユニット70は、可変表示手段を構成し、前面扉4の裏側において前方より裏セット盤16に設置されている。即ち、ベルトユニット70は、金属製のベース80(ベース部材)を具備している。ベース80はリールユニット70の背面側の背面部80a、上側の上面部80b及び下側の下面部80cとよりなる。上面部80bの前側端部には、その端部の一部を折り曲げ形成することにより被固定部としての支持固定部81が2カ所設けられている。そして、それぞれの支持固定部81には、1個ずつ挿通孔81aが形成されている。一方、下面部80cの前側端部には、その端部の全体を折り曲げ形成することにより被固定部としての支持固定部82が設けられている。そして、当該支持固定部82には、両端に1個ずつ挿通孔82aが形成されている。リールユニット70の裏セット盤16への取り付け固定は、挿通孔81a,82aに挿通させたネジを裏セット盤16に螺着させることにより行われている。
【0132】
また、ベース80には、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール71、中リール72、右リール73が収容されている。各リール71,72,73は、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール71,72,73の回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール71,72,73の表面の一部は透明パネル65を介して視認可能な状態となっている。また、リール71,72,73が正回転すると、透明パネル65を介してリール71,72,73の表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
【0133】
これら各リール71,72,73は、それぞれがステッピングモータ74,75,76に連結されており、各ステッピングモータ74,75,76の駆動により各リール71,72,73が個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール71,72,73は同様の構成をしているため、ここでは左リール71を例に挙げて図18に基づいて説明する。
【0134】
左リール71は、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51が形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ74の駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ74の駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール71が円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
【0135】
左リール用ステッピングモータ74は、リールユニット70(図17)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール71と一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール71が1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主基板131に検出信号が出力される。従って、主基板131はこの検出信号に基づいて左リール71の角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
【0136】
ステッピングモータ74は例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ74の回転位置、すなわち左リール71の回転位置が制御される。
【0137】
各リール71,72,73の各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が透明パネル65から視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を透明パネル65から視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
【0138】
各リール71,72,73に付された図柄のうち、透明パネル65を介して全体を視認可能な図柄数は、主として透明パネル65の上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール71,72,73がすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
【0139】
さらに、説明の便宜上、図示による説明は省略するが、本リールユニット70には、透明パネル65を介して視認可能な図柄を後方より照明するためのバックライト(後方発光手段)が設けられている。このバックライトは蛍光ランプ等により構成され、各リールの内周側において透明パネル65を介して視認可能な図柄を後方より照明するように配置される。
【0140】
ここで、各リール71,72,73に付される図柄について説明する。図19には、左リール71,中リール72,右リール73のそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール71,72,73にはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各リール71,72,73に対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、リール71,72,73に実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
【0141】
図柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別図柄としての「7」図柄(例えば、左ベルト第20番目)と「青年」図柄(例えば、左ベルト19番目)とがある。また、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別図柄としての「BAR」図柄(例えば、左ベルト第14番目)がある。また、リプレイゲームに移行するための第3特別図柄としての「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト第11番目)がある。また、小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、左ベルト第9番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト第8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト第4番目)がある。そして、図19に示すように、各リール71,72,73に巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
【0142】
本実施の形態において、「7」図柄や「青年」図柄が後述する有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、75個の遊技球の払出が行われるとともにビッグボーナスゲームへの突入がなされるようになっている。また、「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、75個の遊技球の払い出しが行われるとともにレギュラーボーナスゲームへの突入がなされるようになっている。また、「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、遊技球の払出は行われずリプレイゲームへの突入がなされるようになっている。
【0143】
更に、小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には75個の遊技球の払出が、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には40個の遊技球の払出が行われる。また、左リール71の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には10個の遊技球の払出が行われる。すなわち、中リール72及び右リール73の「チェリー」図柄は遊技球の払出とは無関係であり、言わば無意味な図柄である。また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係に遊技球の払出が行われるため、左リール71の複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止された場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけの遊技球の払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では20個の遊技球の払出が行われる。
【0144】
図5に示すように、遊技機1の背面において裏セット盤16には、遊技に関する各種の制御を行うための主基板(制御装置)131が設置されている。主基板131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるIOポート、バッファとして機能する入出力ドライバ、各種抽選の際に用いられる乱数回路、リセット信号を出力するリセット回路等を含む制御回路基板より構成されている。
【0145】
同じく裏セット盤16には、保護カバー135に収容される形で各種ランプ8〜10,12,13やスピーカ11の制御を行うためのサブ制御基板132が設置されている。サブ制御基板132も同様に、CPU、ROM、RAM等を具備しており、主基板131からの制御信号を受信するが主基板131側には信号を送信しない一方向通信構成を採っている。裏セット盤16には主基板131と並ぶようにして投入払出制御基板136が設置されている。投入払出制御基板136もCPU、ROM、RAM等を備え、入出力バッファを介して主基板131と双方向通信構成を採っている。主基板131、サブ制御基板132及び投入払出制御基板136は、何れも透明又は非透明な制御基板ボックスに収容されており、かつ制御基板ボックスが封印された状態でそれぞれ裏セット盤16に固定されている。なお、リールユニット70は、ケース部材としての無色透明な保護カバー135内に収容されて一体化されている。
【0146】
裏セット盤16には、保護カバー135(リールユニット70)の側面に接するようにして、電源装置133が設置されている。電源装置133は、前述した主基板131、サブ制御基板132、投入払出制御基板136等の制御装置やその他払出装置28等に必要な電源を供給するための電源基板と、該電源基板を収容する無色透明な基板ボックスと、電源基板の内外で生じたノイズを排除するためのノイズ対策用の金属板とを具備し、それらが一体的に組み付けられて構成される。なお、裏セット盤16には、リールユニット70のすぐ横に縦長の凹部134が設けられており、この凹部134に電源装置133の側部が収容されるようになっている。これにより、電源装置133は、遊技機1の奥行き方向に延びる向きに縦長に配置された状態で取り付けられる。
【0147】
なお、主基板131、サブ制御基板132、電源基板133、投入払出制御基板136等の配置は、以上説明した配置に限定されるものではない。
【0148】
電源装置133には、電源スイッチやリセットスイッチや設定キー挿入孔などが設けられている。なお、電源スイッチは、主基板131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチは、遊技機1の各種状態をリセットするためのスイッチである。本遊技機1は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチを押しながら電源スイッチをオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチがオンされている状態でリセットスイッチを押した場合には、エラー状態がリセットされる。設定キー挿入孔は、ホール管理者などが出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔へ挿入して操作することにより、遊技機1の設定状態(当選確率設定処理)を例えば「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
【0149】
図20に示すように、本遊技機1の透明パネル65には、横方向に平行となるように3本、斜め方向にたすき掛けとなるように2本、計5本の有効ラインが設定されている。すなわち、有効ラインとして、上・中・下の横ライン(上ライン、中央ライン、下ライン)と、一対の斜めライン(右上がりライン、右下がりライン)とが設定されている。勿論、最大有効ライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大有効ライン数を変更するようにしてもよい。なお、遊技者に有効ラインを一層理解し易くするために、ベット数に応じて有効化されるラインを明示的に表示するライン表示部を設けてもよい。
【0150】
図1,図2に示すように、前記前面扉4の膨出部分に設けられた操作部100の左側には、各リール71〜73を一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー101が設けられている。スタートレバー101は可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段を構成する。
【0151】
スタートレバー101の右側にはストップボタン操作面113が設けられ、そのストップボタン操作面113には、回転中の各リール71〜73を個別に停止させるためのストップボタン102,103,104が設けられている。各ストップボタン102〜104は、停止対象となるリール71〜73毎にそれぞれ設けられている。ストップボタン102〜104は、可変表示を停止させる停止手段、及び可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。なお、本実施の形態では、前記ストップボタン102〜104が押圧操作されないまま所定時間経過すると、前記リール71〜73が停止させられるよう構成されている。
【0152】
操作部100(前面扉4の膨出部分)の上面には平坦状の操作補助面105が形成されている。この操作補助面105は、その背後の上皿18を取り囲むようにしてアーチ状に設けられ、遊技機前面との間に上皿18と略同形状の開口部106が形成されている。前面扉4を閉じた状態では、この開口部106を介して上皿18が上方に開口する構造となっている。また、操作補助面105は、前方(手前側)に向けて下降するよう僅かに傾斜して設けられている。但し、その傾斜はなくてもよいし、逆に後方に向けて下降する傾斜であってもよい。
【0153】
ここで、操作補助面105においてストップボタン102〜104(ストップボタン操作面113)の直上部分は、その前後方向の幅が略均一であり、操作補助面105の後方縁部(図1のL部)は直線状に構成されている。この場合、遊技者が各ストップボタン102〜104を親指で押圧操作することを想定すると、人差し指や中指など他の指を操作補助面105の後方縁部(L部)にかけるようにするとよい。その状態で手を左右に移動することにより、操作補助面105上を沿うようにして、各ストップボタン102〜104を連続的に押圧操作することができるようになる。言い換えれば、上皿部分に指をかけて上記押圧操作を行うことができる。要するに、操作補助面105が平坦でありかつその後方縁部が直線であるため、その操作補助面105を利用し、各ストップボタン102〜104の連続的な押圧操作を素早くかつスムーズに実施することができる。
【0154】
また、上皿18(本実施の形態では特に図5等に示す副上皿部18b)には、操作補助面105側を幾分高くするようにして段差や傾斜を設けておくようにしてもよい。すなわち、上皿18の前方が高く、後方が低くなるよう高低差を設けておく。これによれば、上皿18内に遊技球が貯留されたとしても多くは上皿18の低い部位(すなわち、操作補助面105から離れた部位)に貯まることとなる。それ故、上皿18を指かけ部として利用する場合に、指と遊技球とが干渉するといった不都合が回避できる。
【0155】
スタートレバー101の上方(すなわち、遊技者にとっては左手側)において、操作部100の操作補助面105には、遊技球を受け入れるための入力操作手段を構成するボタン状のベットスイッチが設けられている。本実施の形態では、ベットスイッチとしてマックスベットスイッチ109が設けられている。
【0156】
マックスベットスイッチ109には、操作が有効に受け付けられる状態であることを報知する発光体(発光部材)が設けられている。発光体はマックスベットスイッチ109のボタン押圧部に内蔵されており、発光体の発光に伴い当該ボタン押圧部が発光する構成となっている。発光体は、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられる状態である場合に点灯(又は点滅)し、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられた後、又は受け付けられない状態である場合に消灯する。或いは、発光体は、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられる状態である場合に赤色で発光し、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられた後、又は受け付けられない状態である場合に青色で発光するものであっても良い。
【0157】
マックスベットスイッチ109は、1回押圧操作される毎に、上皿18の遊技球が「15個」ずつ取込装置35〜37により受け入れられる。これにより、前記5本の有効ラインがすべて有効化される。そして、この状態が最大ベット状態である。つまり、マックスベットスイッチ109の1回の押圧操作がなされた時点で、それ以上の遊技球の受け入れは行われないようになっている。従って、本実施の形態では最大ベット状態となった上で、さらにマックスベットスイッチ109が押圧操作された場合には、該操作が無効化されるようになっている。但し、特別遊技状態であるビッグボーナスゲーム中のジャックインゲームにあっては、マックスベットスイッチ109の1回の押圧操作により5個分(1ベット分)の遊技球が受け入れられるようになっている。この場合、前記5本の有効ラインのうちの中央ラインのみが有効化される。
【0158】
さらに、前面扉4の表示部63には、獲得遊技球の個数を表示する獲得数表示部122と、ビッグボーナスゲーム中の情報(例えばゲーム回数等)を表示するための情報表示部123とがそれぞれ設けられている。本実施の形態では、これら各表示部122,123は3桁の7セグメント表示器によって構成されているが、桁数は特に限定されるものではないし、液晶表示器等によって代替することも当然可能である。
【0159】
なお、遊技機1(前面扉4)の上部には、ビッグ報知部、リプレイ報知部、小役報知部等の各種報知部(図示略)が適宜設けられるとよい。これら各種報知部は遊技機1の上部以外の場所に設けてもよいし、共通の報知部で異なる態様の報知を行うようにしてもよい。また、かかる報知部として環状部6,7を利用してもよい。例えば、ビッグ報知部は、各リール71〜73の停止時に「7」図柄が有効ライン上に揃った場合、ビッグボーナスゲームを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。リプレイ報知部は、各リール71〜73の回転停止時に「リプレイ」図柄が有効ライン上に揃った場合、リプレイゲームを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。小役報知部は、各リール71〜73の回転停止時に小役図柄としての「スイカ」図柄等が有効ライン上に揃った場合、所定数の遊技球を獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。なお、これら各報知部は表示によって報知することとしたが、これに代えて或いはこれに加えて、遊技機1(前面扉4の上部)に備えられるスピーカ11によって音声により報知してもよい。
【0160】
図21は、主基板131等の電気的構成を説明するブロック図である。同図に示すように、電源装置133(電源基板)からの電源は、主基板131へ供給される。また、サブ制御基板132、投入払出制御基板136その他にも直接又は間接的に電源が供給される。なお、電源装置133に設けられたリセットスイッチ138の操作に基づく各種信号は主基板131及び投入払出制御基板136に送信され、これにより、前記した球抜き処理等が実行される。
【0161】
主基板131の入力側には、精算スイッチ111の押圧操作を検出する精算検出センサ111a、マックスベットスイッチ109の押圧操作を検出するマックスベット検出センサ109a、スタートレバー101の操作を検出するスタート検出センサ101a、各ストップボタン102〜104の操作を個別に検出するストップ検出センサ102a,103a,104a、各リール71〜73の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55等の各種センサが接続されている。
【0162】
主基板131の出力側には、リールユニット70に搭載されたステッピングモータ74〜76並びに表示部63に設けられた獲得数表示部122及び情報表示部123が接続されている。
【0163】
また、主基板131と投入払出制御基板136とは、双方向通信することができるように接続されている。従って、主基板131からのコマンドを投入払出制御基板136が受信したり、投入払出制御基板136からの信号を主基板131が受信することができる。また、投入払出制御基板136には取込装置35〜37、払出装置28が接続されている。
【0164】
さらに、主基板131の出力側には、サブ制御基板132が接続されている。サブ制御基板132の出力側には、発光体8,9、各ランプ表示部10,12,13、スピーカ11が接続されている。主基板131からは、サブ制御基板132に対しその時々の遊技情報が信号として送信されるようになっている。各遊技情報に関する信号を入力したサブ制御基板132では、各種信号に基づき、自身の制御プログラムに基づき、種々の演出を実行する。なお本実施の形態では、サブ制御基板132により、「発光体制御手段」、「フロントライト制御手段」、「バックライト制御手段」、「音声制御手段」等が構成される。因みに、発光体制御とは、環状部6,7内の発光体8,9を一方向又は双方向に周回させたり、同発光体8,9を一斉に点灯させたりする制御を言う。また、バックライト制御とは、バックライトを遊技状況に合わせて点灯させたり点滅させる制御を言う。また、音声制御とは、スピーカ11に所定の音声を発生させる制御を言う。
【0165】
次いで、遊技機1における通常の遊技を実現する手段について説明する。この説明においては、主基板131等が備える機能実現手段の集合体としてとらえて説明する。すなわち、以下に説明する各種機能は主基板131のCPUを中心とした制御下で実現される機能であり、その制御プログラムはROM(場合によってはRAM)の記憶内容に基づくものであり、その時々の必要なデータはRAMに一時的に記憶保持されることとなるが、それらのプログラム上の要件等については適宜のテーブル構成を採用する等で当業者がなし得るものであるため、個々には説明しない。但し、本実施の形態の遊技内容を把握する上で必要がある場合等については、適宜具体的な説明をする。
【0166】
主基板131は、「小役抽選手段」を備えている。小役抽選手段は、スタート検出センサ101aからの検出信号が入力されたタイミングによって、小役払出条件が成立したか否かの抽選を行い、これによって小役フラグの成立の有無が決定される。なお、小役の抽選は、他の抽選とともに、遊技球の受入個数(ベット数)に応じて変化するよう構成されており、概して受入個数が多い程遊技者に有利な抽選結果が得られるようになっている。
【0167】
主基板131は、「小役制御手段」を備えている。小役制御手段は、通常遊技中に小役フラグが成立している場合、各回転体71〜73の停止時に、後述する小役成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御(スベリ制御とも言う)を加えて半強制的に小役図柄を有効ライン上に停止させる。
【0168】
主基板131は、「リプレイゲーム抽選手段」を備えている。リプレイゲーム抽選手段は、スタート検出センサ101aからの検出信号が入力されたタイミングによって、リプレイゲーム移行条件が成立したか否かの抽選を行い、これによってリプレイフラグの成立の有無が決定される。
【0169】
主基板131は、「リプレイゲーム制御手段」を備えている。リプレイゲーム制御手段は、通常遊技中にリプレイフラグが成立している場合、各リール71〜73の停止時に、後述するリプレイ成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にリプレイ図柄を有効ライン上に停止させる。そして、有効ライン上にリプレイ図柄が停止することを条件に、次回の遊技を無償で行うことができるようにするものである。勿論、このリプレイゲームが行われる場合にも各種抽選は実行されている。
【0170】
主基板131は、「ビッグボーナス抽選手段」を備えている。ビッグボーナス抽選手段は、スタート検出センサ101aからの検出信号が入力されたタイミングによって、ビッグボーナス移行条件が成立したか否かの抽選を行い、これによってビッグボーナス成立フラグの有無が決定される。
【0171】
主基板131は、「ビッグボーナス制御手段」を備えている。ビッグボーナス制御手段は、通常遊技中に、前記ビッグボーナスフラグが成立すると、各リール71〜73の停止時に、後述するビッグボーナス成立テーブルの内容を参照しつつ、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にビッグボーナス図柄を有効ライン上に停止させる。そして、有効ライン上にビッグボーナス図柄が停止することを条件に、予め設定された所定の遊技回数(ここでは30回)を上限として、現状遊技状態である通常遊技から特別遊技状態たるビッグボーナスゲームに移行させ、その後、原則的には元の通常遊技状態に復帰させるものである。
【0172】
主基板131は、「ビッグボーナス中抽選手段」を備えている。ビッグボーナス中抽選手段は、ビッグボーナスゲーム中にのみ有効化され、スタート検出センサ101aからの検出信号が入力されたタイミングによって、小役図柄の抽選及びジャックインの抽選を行い、小役フラグ及びジャックインフラグの成立の有無が決定される。そして、前記ビッグボーナス制御手段は、小役フラグの成立によって所定の小役図柄(例えば「スイカ」図柄)を有効ライン上に揃わせるべく小役成立テーブルを参照しつつ各リール71〜73を半強制的に引き込み停止制御する。
【0173】
また、前記ビッグボーナス制御手段は、前記ジャックインフラグの成立によってジャックインさせるべく、リプレイ成立テーブルの内容を参照しつつ、各リール71〜73を半強制的に引き込み停止制御する。ジャックインとは、ビッグボーナスゲーム中に所定のボーナスゲームを実行させる状態であり、具体的には「リプレイ」図柄が揃うことによって生じる。従って、ジャックイン実行のためにビッグボーナス制御手段は、ジャックイン図柄(リプレイ図柄)を有効ライン上に揃わせるべく各リール71〜73を半強制的に引き込み停止制御する。ジャックインされるとジャックインゲームが実行される。
【0174】
ここで、ジャックインゲームについて説明する。ジャックイン図柄が有効ラインに停止すると、予め設定された所定のゲーム回数(ここでは12回)を上限として、現状遊技状態であるビッグボーナスゲーム中のうちの特殊なゲームであるジャックインゲームに移行し、その後元のビッグボーナスゲームに復帰する。該ジャックインゲーム中は、有効ラインが1ライン(中央ライン)のみとされている。該ジャックインゲーム中においては、スタート検出センサ101aからの検出信号が入力されたタイミングによって、所定の図柄(ここでは、リプレイ図柄)の抽選を行う。かかる図柄の抽選は、通常の抽選とは異なり、リプレイ図柄が有効ライン(中央ラインのみ)に揃った場合に所定個数(例えば75個)の遊技球が払い出されるように設定しておき、かかるリプレイ図柄を遊技球払出図柄として、当該遊技球払出図柄が揃う条件を満たすか否かの抽選とされている。そして、前記抽選の結果、リプレイフラグ(ここでいうリプレイフラグは通常遊技中のものとは異なり、ジャックインゲーム用に新たに設定されたものである。)が成立した場合には前記遊技球払出図柄以外の図柄が有効ライン上に揃わないように各リール71〜73を制御するものであり、しかも遊技球払出図柄が所定回数(例えば8回)揃った場合には前記所定の遊技回数(12回)に達していなくとも所定のボーナスゲームは終了する。
【0175】
ここで、ビッグボーナスゲームは、前記所定の遊技回数(30回)内で所定回数(例えば3回)を上限とするジャックインが可能であり、ビッグボーナスゲーム中のジャックイン中における遊技回数は前記30回の回数には加算されないようになっている。そして、ビッグボーナス制御手段は、前記所定の遊技回数(30回)内であっても、前記所定のボーナスゲームが所定回数(3回)終了した時点(3回目のジャックインによる所定のボーナスゲーム終了時点)でビッグボーナスゲームを強制的に終了させる。
【0176】
主基板131は、「リール制御手段」及び「記憶手段」を備えている。リール制御手段は、記憶手段の記憶内容に応じて各リール71〜73を制御するものであり、特に記憶手段に記憶された各種テーブルの記憶内容に応じて各リール71〜73の停止位置を制御するものである。
【0177】
記憶手段(ここではROMであるがRAMであってもよい。)に記憶された各種テーブルとは、成立した各種フラグに応じて個々に設定されたものである。
【0178】
具体的には、例えば何らフラグが成立していない場合にいずれの図柄をも有効ライン上に揃えないようにするための「外れテーブル」、小役フラグに対応して所定の小役図柄を有効ライン上に揃えるための「小役成立テーブル」、リプレイフラグに対応してリプレイ図柄を有効ライン上に揃えるための「リプレイ成立テーブル」、ビッグボーナスフラグに対応して「7」図柄又は「BAR」図柄を有効ライン上に揃えるための「ビッグ成立テーブル」等の他、以上の成立図柄をどの有効ライン上に揃えるかを決定するための「ラインテーブル」等である。
【0179】
次に、以上の構成からなる遊技機1の作用につき、遊技方法を踏まえて説明する。
【0180】
遊技の開始に際し、上皿18に遊技球が十分にあることを条件に、遊技者がマックスベットスイッチ109を押圧操作することにより実際の遊技球が受け入れられる。すなわち、マックスベットスイッチ109の有効操作が可能な状態(具体的には、マックスベットスイッチ109に設けた発光体が点灯した状態)で、当該スイッチ109が押圧操作されると、それがマックスベット検出センサ109aにより検出され、その検出信号が主基板131に入力される。そして、主基板131がマックスベット検出センサ109aの検出信号を有効に受け付けることにより、主基板131は投入払出制御基板136に対してその旨のコマンドを出力し、当該投入払出制御基板136は取込装置35〜37に対してその時のベット数相当の遊技球を受け入れるよう指令する。これにより、取込装置35〜37が駆動されて上皿18から遊技球が受け入れられる。例えば、15個以上の遊技球が上皿18にある場合にマックスベットスイッチ109が押圧操作されると、上皿18上の15個の遊技球が取込装置35〜37によって取り込まれる。そして、マックスベットスイッチ109の押圧操作により上下ライン、中央ライン及び左右の斜めラインからなる5ラインが有効化される。但し、ビッグボーナス時のジャックインゲームにおいては、マックスベットスイッチ109が押圧操作されても、5個の遊技球のみが取込装置35〜37によって取り込まれ、中央ラインの1ラインのみが有効化される。
【0181】
上記の如く遊技球の取り込みが行われ、5ラインが有効化されている時点で、遊技者がスタートレバー101を操作すると、その操作がスタート検出センサ101aによって検出され、その検出信号が主基板131に入力される。このとき、スタートレバー101の有効操作が可能な状態であれば、主基板131はスタート検出センサ101aの検出信号を有効に受け付け、スタートレバー101の操作があったことを判断する。また、これとともに、その旨の情報をサブ基板132へと送信する。そして、主基板131は、全てのリール71〜73を一斉(同時でもよいし所定の時間差を設けてもよい。)に回転させるべく、ステッピングモータ74〜76を駆動制御する。その結果、各リール71〜73は、遊技者にとっては表面に付された図柄を目視することが困難な程度の速度で一方向に回転し、透明パネル65を介して各図柄が上から下へ向かって可変表示されているよう映し出される。
【0182】
また、前記スタートレバー101の操作に基づく検出信号が主基板131に入力されたタイミングで、通常遊技中では、小役抽選手段、リプレイゲーム抽選手段、ビッグボーナス抽選手段による各抽選が行われる。
【0183】
小役抽選手段による抽選結果が、小役フラグ成立を意味する場合は、適宜の小役図柄を有効ライン上に停止させ得る権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。また、リプレイゲーム抽選手段による抽選結果が、リプレイフラグ成立を意味する場合は、リプレイゲームへ移行する権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。すなわち、小役フラグ及びリプレイフラグは次ゲーム以降に持ち越されることはない。また、ビッグボーナス抽選手段による抽選結果がビッグボーナスフラグ成立を意味する場合は、ビッグボーナスゲームへ移行する権利が与えられ、そのフラグはビッグボーナスゲームへ移行するまで保持される。さらに、各抽選手段の抽選結果が、いずれの条件成立をも意味しない場合には、いずれのフラグもたたない。
【0184】
以上の各抽選手段による抽選が終了した後、遊技者がストップボタン102〜104を任意の順序で操作すると、その操作がそれぞれストップ検出センサ102a〜104aによって個別に検出され、各検出信号を受けて主基板131は各ストップボタン102〜104の操作があったことを判断する。すると、主基板131は、操作された各ストップボタン102〜104に対応したリール71〜73を個別に停止させるべく、各ステッピングモータ74〜76を停止制御する。
【0185】
これら各リール71〜73の停止位置は、上記各抽選手段による抽選結果である各成立フラグに基づき、主基板131の記憶手段に記憶されている前記各テーブルを参照して決定される。このとき、有効ラインからリール回転方向手前の4図柄分までに成立フラグに対応した図柄が存在すれば、原則として、その図柄が積極的に有効ライン上に引き込まれるような制御がなされることとなり、リール停止タイミングが4図柄分手前までの誤差であれば、その誤差を吸収することができる(引き込み停止制御)。その結果、遊技者が熟練していなくとも主基板131によって成立フラグに応じた図柄を有効ライン上に極力停止させることが可能となる。
【0186】
なお、所定のタイミング(例えば第1番目のストップボタン102、103又は104が押圧されたタイミング)において、サブ基板132は、発光体8,9、ランプ表示部10,12,13、スピーカ11等を用いて各種の補助表示を行い、リーチ演出表示等を実行する。
【0187】
各リール71〜73の停止時において、有効ライン上の停止図柄の組合せが、予め定められた所定の図柄の組合せである場合、即ち小役図柄の組合せ、ビッグボーナス図柄の組合せである場合、主基板131は各停止図柄の組合せに応じて払い出される遊技球数を獲得数表示部122に表示させる。
【0188】
また、主基板131は、獲得数表示部122への表示と並行して、各停止図柄の組合せに応じた数の遊技球を遊技価値として払い出すための払出制御を行う。かかる場合、原則として主基板131が投入払出制御基板136にコマンドを送信し、当該コマンドに基づいて投入払出制御基板136が払出装置28を駆動制御することにより、上皿18等へ直接的に現実の遊技球として遊技球の払出が行われる。
【0189】
そして、有効ライン上に揃った図柄が小役図柄或いは何ら払出のない図柄の組合せである場合には通常遊技が続行される。一方、有効ライン上に揃った図柄の組合せがリプレイ図柄の組合せである場合にはリプレイゲーム制御手段によって次回のゲームを無償で行うことができるリプレイゲームが実行される。また、有効ライン上に揃った図柄の組合せがビッグボーナス図柄の組合せである場合にはビッグボーナス制御手段によってビッグボーナスゲームが実行される。ここで、本実施の形態の遊技機1では、ビッグボーナスゲームの終了条件として、所定回の遊技(30ゲームの終了又は3回のジャックインゲームの終了)の他、払出遊技球数が上限値(具体的には2250個)に達したか否かという条件も含まれるように構成されている。従って、30ゲーム又は3回のジャックインゲームの終了を待たずして払出遊技球数が上限値である2250個に達すると、そこでビッグボーナスゲームが終了されるようにして、必要以上に射幸性をあおらないようにしている。
【0190】
なお、小役図柄、リプレイ図柄、ビッグボーナス図柄等が有効ライン上に揃った場合、サブ基板132は、発光体8,9や、各ランプ表示部10,12,13等を表示制御して小役成立や、リプレイゲームへの移行や、ボーナスゲーム成立を表示報知するとともに、スピーカ11を適宜駆動制御して音声報知する。なお、これらスピーカ11による音声報知は、遊技者への遊技価値返還による利益が大きいもの程大袈裟なもの(音量を大きくしたり、トーンを高くしたり、リズムを変化させる等)とすることが好ましい。各報知部の表示態様についても同様であり、例えばビッグボーナスゲームではめまぐるしく点滅させる等のように表示態様を変化させることによって、得られる利益の大きさを遊技者に推し量らせることができる。
【0191】
次に、主基板131内のCPUにより実行される各制御処理を説明する。かかる主基板131の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがある。ここでは、まずNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを簡単に説明し、その後メイン処理を詳細に説明する。
【0192】
停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置133から主基板131のCPUに設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込端子)に停電信号が出力される。これに伴い、主基板131がNMI割込み処理を起動する。NMI割込み処理において、主基板131は、使用レジスタのデータをRAMのバックアップエリアに退避させる退避処理や、停電フラグをRAMの停電フラグ格納エリアにセットするフラグセット処理等を実行する。
【0193】
また、例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。このタイマ割込みにおいて、主基板131は、先ず停電フラグがセットされているか否かを判別し、セットされていれば停電時処理を実行する。この停電時処理として、主基板131は、CPUのスタックポインタの値やRAM判定値をRAMのバックアップエリアに保存する。なお、RAM判定値とは、具体的にはRAMの作業領域アドレスにおけるチェックサム値の2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAMのチェックサムは0となる。RAMのチェックサムを0とすることによりそれ以後のRAMアクセスが禁止される。
【0194】
また同じくタイマ割込処理において、主基板131は、以下の処理を順次実行する。すなわち、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理、各リール71〜73を回転させるためのモータ制御処理、各種センサ(図21参照)の状態を監視するセンサ監視処理、各種カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理、ベット数や払出数をカウントするカウンタ処理、サブ基板132へコマンドなどを送信するコマンド出力処理、獲得数表示部122や情報表示部123にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理、該セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理などを順次実行する。
【0195】
次に、電源投入後に実行される主基板131でのメイン処理を、図22に示すフローチャートを用いて詳しく説明する。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチのオン操作によって電源が投入された際に実行される。
【0196】
先ずステップS101では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
【0197】
これらの初期化処理が終了すると、次にステップS102ではリセットスイッチ138がオン操作されているか否かを判定する。リセットスイッチ138がオン操作されている場合にはステップS103に進み、RAMクリア処理としてRAMに記憶されたデータを全てクリアする。
【0198】
その後、ステップS104では設定キーが設定キー挿入孔に挿入されているか否かを判定する。設定キーが挿入されている場合にはステップS105に進み設定変更処理を行う。設定変更処理として、先ずRAMに記憶されたデータを全てクリアする。そして、予め設定された複数段階の設定状態(例えば「設定1」〜「設定6」)のうちどの設定状態が選択されたかを判定した上で、選択された設定状態に応じた内部処理を実行する。
【0199】
ステップS106では停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされていない、すなわち先のステップS103又はステップS105にてRAMのデータがクリアされている場合には、後述する通常処理に進み、本処理を終了する。
【0200】
ステップS106において停電フラグがセットされた状態にあるときには、ステップS108以降に示す復電処理に移行する。停電フラグがセットされた状態にあるということは、ステップS103のRAMクリア処理、ステップS105の設定変更処理等のサブルーチン処理が全く実行されていないことを意味する。従って、RAMのデータは全く書き替えられていないこととなり、復電処理ではRAMのデータなどが正常であるかどうかなどの確認処理が必要となる。そのためにまず、ステップS108ではRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAMのチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAMのデータは正常であると判定する。
【0201】
ステップS108においてRAM判定値が異常である、つまりチェックサムの値がゼロでなかったときには、RAMのデータが破壊された可能性が高い。そのため、このような場合にはステップS109にてエラー表示処理を行う。エラー表示処理として、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポートに接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ホール管理者などにエラーの発生を報知するエラー表示を行うと共に、リセットスイッチがON操作されるまでかかる状態を維持する。
【0202】
ステップS108においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS110に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPUのスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS111において、復電処理時に使用する復電コマンドをサブ基板132に送信する。その後、ステップS112にて遊技状態として打ち止めおよび自動精算設定保存処理を行い、ステップS113にてスタート検出センサ101a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS114にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、前記タイマ割込みのウォッチドッグタイマクリア処理が実行されることとなる。
【0203】
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図23のフローチャートに基づき説明する。
【0204】
先ずステップS201では、マックスベットスイッチ109が操作されたか否かを判定する。マックスベットスイッチ109が操作されたときには、続いてステップS202にてスタートレバー101が操作されたか否かを判定する。ステップS201,S202が共にYESの場合には、ステップS203の抽選処理、ステップS204のリール制御処理、ステップS205の特別遊技状態処理を順に実行し、ステップS201に戻る。一方、ステップS201にてマックスベットスイッチ109が操作されていない、またはステップS202にてスタートレバー101が操作されていない場合には、ステップS201に戻る。
【0205】
以下、ステップS203の抽選処理、ステップS204のリール制御処理を、図24、図25のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ステップS206の特別遊技状態処理では、ビッグボーナスフラグの成立に伴いビッグボーナスゲームが実行されるが、その遊技内容については概ね既述した通りであるため、ここでは説明を省略する。
【0206】
先ずステップS203の抽選処理について、図24のフローチャートに基づき説明する。
【0207】
ステップS301では、遊技機1の現在の設定状態や小役確率の高低等に基づき、当否判定用の乱数テーブルを選択する。ここで、遊技機1の設定状態は「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときに役の当選確率が最も低い乱数テーブルが選択され、「設定6」のときに役の当選確率が最も高い乱数テーブルが選択される。また、小役確率については高低2種類存在し、現在の出玉率が所定の期待値を下回っているときには小役当選確率が高い乱数テーブルが選択され、所定の期待値を上回っているときには小役当選確率が低い乱数テーブルが選択される。なお、当否判定用の乱数テーブルは、上述した以外のものが設定されている構成であってもよく、また、設定状態に基づくテーブルのみが設定されている構成であってもよい。
【0208】
ステップS302では、このようにして選択された乱数テーブルに、スタートレバー101が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数を照らして役の抽選を行う。そしてステップS303にていずれかの役に当選したか否かを判定し、いずれの役にも当選していない場合にはそのまま本処理を終了する。いずれかの役に当選した場合にはステップS304に進み、その役に応じた当選フラグをセットすると共に図柄を揃えるべき有効ラインを決定する。続いてステップS305ではリール停止制御用のスベリテーブルを決定し、これをRAMのスベリテーブル格納エリアに格納する。ここで、スベリテーブルとは、ストップボタン102〜104が押されたタイミングにおける所定の有効ライン上の図柄と、その有効ライン上に停止させるべき図柄とが異なる場合に、その停止させるべき図柄を所定の有効ライン上で止まるようにリール71〜73をどれだけ滑らせるかを定めたテーブルである。
【0209】
次に、ステップS204のリール制御処理について、図25のフローチャートに基づき説明する。
【0210】
リール制御処理では、先ずステップS401においてウエイト処理を行う。このウエイト処理は、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまで今回のゲームにおいてリールの回転を開始せずに待機する処理である。このため、マックスベットスイッチ109の操作後にスタートレバー101が操作されたとしても、直ちに各リール71〜73が回転しないことがある。
【0211】
ウエイト処理に続いてステップS402のリール始動処理を行い、各リール71〜73を回転させる。その後、ステップS403では、ストップボタン102〜104のいずれかが押圧操作されてリールの停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合にはステップS404に進み、予め定められた各リール71〜73の最大回転時間(例えば40秒)を経過したか否かを判定する。最大回転時間を経過していない場合にはステップS403に戻り、最大回転時間を経過した場合にはステップS405に進んで回転中の全てのリールを強制的に停止させる強制停止処理を行う。
【0212】
一方、ステップS403にてストップボタン102〜104のいずれかが押圧操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS406に進み、リール停止処理を行う。このリール停止処理では、押下操作されたストップボタンに対応するリールを停止させるが、役の抽選において役に当選し、当選フラグがセットされている場合にはRAMのスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶように制御する。例えば、下ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという役に当選し、「スイカ」図柄が上ラインに停止するタイミングでストップボタンが押下操作された場合には、下ラインに停止するように図柄2つ分だけリールを滑らせる。但し、滑らせることのできる範囲は予め決められている(例えば最大で図柄4つ分)ため、ストップボタンを押したタイミングによっては下ライン上に「スイカ」図柄が停止しないこともある。なお、ステップS405の強制停止処理においても、当選フラグがセットされている場合にはこれと同様の処理を行う。
【0213】
続いて、ステップS407では今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つのリール全てが回転しているときにストップボタンが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令の場合には、ステップS408に進み、スベリテーブル変更処理を行う。このスベリテーブル変更処理では、例えば当選した有効ライン上で役を揃えようとしたときに役の複合が発生するか否かを判定し、役の複合が発生しないときにはそのまま次のステップに移行し、役の複合が発生するときには当選した有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に変更後の有効ラインに合ったスベリテーブルに変更した後に次のステップに移行する。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「ベル」図柄を揃えようとしたときに左リール71にて「チェリー」図柄が中ライン上に現れる場合のように複数の役が同時に発生する場合をいう。なお、スベリテーブル変更処理は役の複合を回避するとき以外にも行われることがある。
【0214】
一方、ステップS407で今回の停止指令が第1停止指令でないときには、ステップS409に進み、第2停止指令か否か、つまり3つのリールのうち1つのリールが停止し2つのリールが回転しているときにストップボタンが押圧操作されたか否かを判定する。第2停止指令のときにはステップS410に進み、停止目判定処理を行う。この停止目判定処理では、2つのリールが停止したときにその2つが「7」図柄等のボーナス図柄で揃っているか否かを判定し、揃っていないときにはそのまま次のステップに移行し、揃っているときにはスピーカ11から効果音等を発生させた後に次のステップに移行する。
【0215】
そして、ステップS405の強制停止処理の後、ステップS408のスベリテーブル変更処理の後、ステップS409にて今回の停止指令が第2停止指令でなかったとき、又はステップS410の停止目判定処理を行った後には、ステップS411にて全てのリール71〜73の回転が停止したか否かを判定する。ステップS411がNOの場合にはステップS403に戻り、YESの場合には続くステップS412にて払出判定処理を行う。払出判定処理では、役が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、役が有効ライン上に並んでいないときには払出予定数が0である旨のコマンドを投入払出制御基板136に対して出力し、役が有効ライン上に並んでいるときにはその役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときにはランプ表示部10等によりエラー表示を行うと共に払出予定数が0である旨のコマンドを投入払出制御基板136に対して出力する。一致しているときには当選役に対応した払出予定数(本実施の形態では、最大75個)の情報が内在したコマンドを投入払出制御基板136に対して出力する。投入払出制御基板136は主基板131から上記コマンドを入力すると、当該コマンドをRAMに格納する。このコマンドにより投入払出制御基板136は、払出予定数を判断する。
【0216】
次に、投入払出制御基板136のCPUにおいて実行される遊技球払出処理について、図26のフローチャートに基づき説明する。
【0217】
遊技球払出処理では、先ずステップS501にて払出数カウンタがカウントした払出数と、RAMに格納されたコマンドから判断される払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS502にて払出装置28を駆動して遊技球を上皿18に払い出す。このとき、ステップS502では払出装置28に設けられた払出検出センサの検出信号に応じて払出数を1インクリメントする。また、この際、主基板131に対して払出数を1インクリメントした旨のコマンドが出力され、主基板131は獲得数表示部122の表示数を1インクリメントする。そしてその後、ステップS501に戻る。ステップS501で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS504にて払出装置28を停止させ、本処理を終了する。なお、払出数は払出予定数分の遊技球を払い出したときにリセットされる。また、この際、払出数をリセットした旨のコマンドが主基板131に対して出力され、主基板131は獲得数表示部122の表示をリセットする。
【0218】
また、投入払出制御基板136においては、上記遊技球払出処理と並行して遊技球投入処理を実行する。そこで、以下に遊技球投入処理について説明する。但し、説明の便宜上、フローチャートに基づく説明は省略する。
【0219】
遊技球投入処理では、まず主基板131からマックスベットスイッチ109が押圧操作された旨のコマンドを入力したかどうかを判定する。その結果、当該コマンドを入力していなかった場合には、そのまま本処理を終了する。一方、上記コマンドを入力していた場合には、取込予定数が15である旨のコマンドが主基板131から出力され、投入払出制御基板136は当該コマンドをRAMに格納する。そして、当該コマンドから取込予定数を判断し、実際の取込数と取込予定数とが一致するまで取込装置35〜37を駆動制御する。そして、取込数と取込予定数とが一致した時点で取込装置35〜37の駆動制御を終了し、さらに主基板131に対してその旨のコマンドを出力する。
【0220】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0221】
各取込装置35〜37において、センサユニット200を取り外し方向にスライド移動させる場合に障害となる位置に取込用ゲート部材175の駆動源であるソレノイド181を配置する構成とすることにより、センサユニット200を取り外すには先ずハウジング161,162からソレノイド181を取り外す必要が生じるため、センサユニット200をハウジング161,162から不正に取り外す行為を抑制することができる。これにより、センサユニット200をハウジング161,162から取り外し、例えば、発光部及び受光部間に金属片などを抜き挿しし擬似的に遊技球の取り込みを検知させることで、あたかも遊技球の取り込みが行われたかのようにし、実際には遊技球の取り込みが行われていないにも拘らず遊技を行うという不正行為を抑制することができる。
【0222】
また、ソレノイド181は取込用ゲート部材175の駆動源であり、取込装置35〜37における必須のものである。このソレノイド181によりセンサユニット200の不正な取り外しを抑制する構成とすることにより、複雑な構成を付加することなく上記不正行為を抑制することができる。
【0223】
なお、上記のようにセンサユニット200を取り外し方向にスライド移動させる場合に障害となる位置にソレノイド181を配置した構成において、ソレノイド181をセンサユニット200から離間させた構成とすることにより、ソレノイド181が動作したときにその振動がセンサユニット200に伝わるのを防止することができる。ソレノイド181の振動がセンサユニット200に伝わると、その振動によりセンサユニット200における遊技球検知の精度が低下するおそれがある。これに対して、本構成によれば、上記のとおりソレノイド181の振動がセンサユニット200に伝わることはないので、センサユニット200における遊技球検知の精度が低下するという不都合を発生させることなく、センサユニット200に対する不正行為を抑制することができる。
【0224】
また、ハウジング161,162にソレノイド181を取り付けた状態においてセンサユニット200を取り外し方向にスライド移動させた場合には、センサ本体部205aにおける取り外し方向の先端側となる面の半分以上がソレノイド181と重なる構成とすることにより、センサユニット200をハウジング161,162から不正に取り外す行為をより困難なものとすることができる。
【0225】
また、上記のようにセンサユニット200を取り外し方向にスライド移動させた場合に障害となる位置にソレノイド181を配置する構成において、ハウジング161,162の壁部W1,W2に、センサユニット200のアーム部203,204をスライド方向にガイドするガイド溝189を形成する構成とすることにより、センサユニット200をハウジング161,162から不正に取り外す行為をより困難なものとすることができる。なお、本構成においては、ガイド溝189によりアーム部203,204が収容される構成となるので、ハウジング161,162の外面よりもアーム部203,204が外側に大きく突出するのを防止することができる。
【0226】
また、センサユニット200のセンサ本体部205における取り外し方向の先端側となる面に、当該センサユニット200のコネクタ付き信号線197が接続されるコネクタ部205aを配設する構成とすることにより、上記のようにソレノイド181がセンサユニット200を取り外し方向にスライド移動させる場合に障害となる位置に配設されている構成ではソレノイド181が邪魔になってコネクタ部205aに指等を挿し入れることが困難なものとなる。これにより、例えば、コネクタ付き信号線197を抜き取り、擬似的な検知信号を生成する擬似信号発生器に接続させ、あたかも遊技球の取り込みが行われたかのようにすることで、実際に遊技球の取り込みが行われていないにも拘らず遊技を行うという不正行為を抑制することができる。
【0227】
また、ソレノイド181の配置位置を、センサユニット200を取り外し方向にスライド移動させる場合に障害となる位置であって、コネクタ部205aからコネクタ付き信号線197を抜き挿しすることができない程度の位置に配置する構成とすることにより、コネクタ付き信号線197に対する不正行為をより確実に抑制することができる。
【0228】
なお、本実施の形態では、各取込装置35〜37において、上流通路167と取込通路168とのコーナー部分の内側に取込用ゲート部材175、ソレノイド181を含めた取込用ゲート部材175の駆動機構及びセンサユニットを集約して配設することができる。従って、上記の効果を奏しつつ、取込装置35〜37内の構成の好適化を図ることができる。
【0229】
また、取込ユニット30として取込装置35〜37が複数設けられているので、各遊技回毎の遊技球の取り込みに要する時間を短縮化することができる。当該遊技機1においては、所定個数(例えば、15個)の遊技球の取り込みが完了したことを条件としてリール71〜73の回転が許容されるので、遊技球の取り込みに要する時間は遊技の強制的な中断時間となってしまう。そして、この遊技の強制的な中断時間が長くなると、遊技者に退屈感を与える要因となるおそれがあり、さらには当該遊技機の単位時間当たりの遊技回数(遊技の進行速度)が減少してしまうおそれがある。これに対して、本構成であれば、この強制的な中断時間を短くすることができるのできる。また、各取込装置35〜37はそれぞれの対向する面が当接するように並べて設けられていることにより、少なくとも第2取込装置36及び第3取込装置37はその開口163が他の取込装置の壁部W1により塞がれることとなるので、開口163を介してのセンサユニット200に対する不正行為を抑制することができる。なお、各取込装置35〜37はそれぞれの対向する面が当接するように並べて配設されているので、複数の取込装置35〜37を設けたとしても遊技機1の内部における取込装置35〜37を配設するための空間が極端に大きくなるのを抑制することができる。
【0230】
なお、以上説明した実施の形態の他、例えば次のように実施してもよい。
【0231】
(a)球検知装置は、上記実施の形態におけるセンサユニット200に限定される必要はなく、他の球検知装置を用いる構成であってもよい。例えば、球検知装置として超音波センサを用いる構成としてもよい。超音波センサは、超音波の発信、受信を一箇所で行うセンサであり、発信から受信までの時間の変化を検知することにより取込通路168を遊技球が通過したか否かが検知される。その他、遊技球の通過に伴う磁界の変化から遊技球の通過を検知する磁気センサなどを用いることも可能である。これらの場合に、超音波センサ又は磁気センサなどをハウジング161,162内に設け、ハウジング161,162の壁部W1,W2に沿う方向にスライド移動させることで着脱可能とし、さらにソレノイド181を上記センサを取り外し方向にスライド移動させる場合に障害となる位置に配置することで、上記センサを不正に取り外すなどといった行為を抑制することができる。
【0232】
(b)ソレノイド181とセンサユニット200との間の距離を上記実施の形態よりも近づける構成としてもよい。例えば、ソレノイド181とコネクタ付き信号線197のコネクタ部分とが当接する程度にソレノイド181とセンサユニット200との間の距離を近づける構成としてもよい。この場合、不正行為に起因しない場合においてもコネクタ付き信号線197の抜けがソレノイド181により抑制される。
【0233】
また、この場合に、ソレノイド181とセンサユニット200との間に緩衝材を設け、当該緩衝材をソレノイド181とセンサユニット200の本体部205とで挟み込む構成としてもよい。この場合、上記効果を奏しつつ、ソレノイド181の駆動の振動がセンサユニット200に伝わるのを抑制することができる。
【0234】
(c)上記実施の形態では、取込用ゲート部材175の駆動源としてソレノイド181を用いたが、それ以外にステッピングモータ等、他の駆動手段を適宜用いることも可能である。この場合、これら駆動手段を上記実施の形態におけるソレノイド181を配置していた位置に配設することで、上記実施の形態のようにセンサユニット200に対する不正行為を抑制することができる。
【0235】
(d)上記実施の形態では、ガイド手段として、ハウジング161,162の壁部W1,W2の外面にハウジング内側へと凹んだガイド溝189が形成されている構成であったが、これを変更してもよい。例えば、ハウジング161,162の壁部W1,W2の外面に外側へと突出した突条部をそれぞれ2本設け、該突条部によりアーム部203,204をスライド方向にのみ移動可能とする構成としてもよい。
【0236】
(e)ハウジング161,162にソレノイド181が取り付けられた状態でセンサユニット200が取り外し方向にスライド移動された場合には、センサ本体部205におけるソレノイド181と対向する面の全体がソレノイド181と重なる構成としてもよい。この場合、センサユニット200を不正に取り外すことをより困難なものとすることができる。
【0237】
(f)上記実施の形態では、センサユニット200のセンサ本体部205と取込通路168との間に取込用ゲート部材175を配設する構成としたが、センサユニット200のセンサ本体部205とソレノイド181との間に取込用ゲート部材175を配設する構成としてもよい。但し、この場合、取込用ゲート部材175による取込通路168の遊技球の通過を許容又は阻止する機能を担保するために、取込用ゲート部材の爪部175aの長さをセンサ本体部205を超えて取込通路168内に突出させることができる程度の長さとする必要がある。
【0238】
(g)上記実施の形態では、取込ユニット30として3個の取込装置35〜37が設けられている構成であったが、これを変更してもよい。例えば、取込装置が1個のみ設けられている構成であってもよい。さらには、取込装置が2個、4個又は5個以上設けられている構成であってもよい。
【0239】
(h)上記実施の形態では、取込装置35〜37の排出通路169の入口には、全取込装置35〜37に渡って1個の排出用ゲート部材190が設けられている構成であったが、これを変更してもよい。例えば、各取込装置35〜37毎に取込通路168側と同様の電気駆動式の排出用ゲート部材を設ける構成であってもよい。
【0240】
(i)上記実施の形態では、取込装置35〜37において、センサユニット200の取り外し方向のスライド移動の障害となる位置にソレノイド181を配設する構成を示したが、この構成を払出装置28において適用してもよい。払出装置28は、所定個数の遊技球の払い出しを行う装置であり、その内部には取込装置35〜37と同様に遊技球通路、ゲート部材、ゲート部材の駆動機構及びセンサユニットを配設する必要がある。即ち、遊技球通路の下流側は、遊技球の払い出しが行われる払出通路と、遊技ホールの島設備へと遊技球の排出が行われる排出通路とに分岐しており、払出通路及び排出通路の入口には、それぞれゲート部材が配設されている。そして、払出通路から払い出される遊技球の数は、有効ライン上に停止した図柄の組合せの種類により所定個数に決定されるので、払出通路を通過した遊技球の数は正確にカウントする必要がある。従って、払出通路にはセンサユニットが配設されている。この場合に、例えば、センサユニットを抜き挿しすることで、実際には遊技球の払い出しが行われているにも拘らず、それをカウントさせないようにすることで遊技球の払い出しを多く行わせるといった不正行為が想定される。これに対して、払出装置28の構成を上記実施の形態における取込装置35〜37と同様の構成とすることにより、当該不正行為を抑制することができる。
【0241】
また、払出装置28を複数配設する構成としてもよい。上記のとおり、払出装置28は所定個数の遊技球の払い出しを行うための装置であり、当該払出装置28による遊技球の払い出しが完了するまでは次回の遊技を開始することができない。従って、遊技球の払い出しに要する時間は遊技の強制的な中断時間となってしまう。そして、この遊技の強制的な中断時間が長くなると、遊技者に退屈感を与える要因となるおそれがあり、さらには当該遊技機の単位時間当たりの遊技回数(遊技の進行速度)が減少してしまうおそれがある。これに対して、払出装置28を複数配設すれば、この強制的な中断時間を短くすることができる。
【0242】
(j)上記実施の形態の遊技機1では、入力操作手段としてマックスベットスイッチ109のみが配設されている構成であったが、1ベットスイッチや2ベットスイッチも配設されている構成であってもよい。つまり、通常遊技において、1ベット遊技や2ベット遊技を行うことができる構成とする。
【0243】
(k)上記実施の形態の遊技機1は、クレジット機能(仮想遊技媒体の記憶機能)を持たない構成としたが、このクレジット機能を持つ構成としても良い。
【0244】
(l)補助演出用の情報付与手段を遊技機1に設置する構成としてもよい。同情報付与手段は、例えば、リールユニット70の前面側にて当該リールユニット70に一体化して設置したり、ケース体60において透明パネル65の近傍(左右上下のいずれか)に設置したり、ケース体60よりも上方に設置したり、環状部6のうちトップ部6aに設置したりすればよい。情報付与手段としては、電気的表示装置の一種たる液晶表示装置を用いることが可能であり、さらに他の電気的表示装置、例えばCRT、ドットマトリックス、LED、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示管等を用いてもよい。また、電気的表示装置以外にも、スピーカ等の音声発生装置を用いてもよく、これにより遊技者に対してダイナミックな音声演出が可能となる。さらに、音声発生装置たるスピーカ11と表示装置との組み合わせとして情報付与手段を構成してもよい。
【0245】
(m)上記実施の形態における図柄の種類、配列等はあくまでも一例にすぎず、例えば他の小役図柄を盛り込む等、任意の構成を採用することができる。また、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等を利用して図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。すなわち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
【0246】
(n)上記実施の形態におけるスタートレバー101等に代表される操作手段や、獲得数表示部122等に代表される表示手段の配置はあくまでも一例に過ぎず、例えばスタートレバー101を右側に配置したり、レバーに代えてボタンにしたりする等、適宜変更することは何ら差し支えない。
【0247】
(o)遊技機1の全ての制御が主基板131により司られる構成としてサブ基板132や投入払出制御基板136を省略してもよい。また、サブ基板132を音声制御基板、ランプ制御基板といったように制御分担を細分化して複数基板によって構成することも可能である。
【0248】
(p)上記実施の形態では、特別遊技状態としてビッグボーナスゲームを有する遊技機1について説明したが、一回のジャックインゲームからなるレギュラーボーナスゲームを行いうる遊技機に適用してもよい。また、逆にビッグボーナスゲームを省略したものとしてもよい。更に、ビッグボーナスゲーム後に所定条件成立(所定ゲーム回数の終了、所定フラグ成立等)まで遊技媒体(遊技球)の消費を抑えて、或いは遊技媒体(遊技球)の獲得のチャンスを増大させたゲームを進行し得るチャンスゲーム機能等の各種付加価値を設けたものとしてもよい。
【0249】
(q)上記実施の形態における遊技球の、1ベット当りの受入数(所定数)、最大受入数、払出個数等はあくまでも例示であって、上記数値に特に限定されるものではない。
【0250】
(r)上記実施に形態において説明した特徴的な構成を遊技機1の他、パチンコ機に適用してもよい。当該パチンコ機は、所定条件が成立することにより遊技球の払い出しが行われる構成であるので、上記実施の形態における構成を遊技球の払出装置において適用することにより、同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0251】
1…遊技機、2…外枠、3…前面枠、4…前面扉、18…上皿、35〜37…遊技球取扱装置としての取込装置、28…払出装置、59…上部パネル、59a…上部ライト、60…ケース体、61…上方傾斜部、62…枠部、63…下方傾斜部、64…奥壁、65…透明パネル、70…リールユニット、71〜73…リール、74〜76…ステッピングモータ、101…スタートレバー、102〜104…ストップボタン、109…マックスベットスイッチ、111…精算スイッチ、122…獲得数表示部、123…情報表示部、131…主基板、161,162…ハウジング部材、167…遊技球通路としての上流通路、168…遊技球通路としての取込通路、169…排出通路、175…取込用ゲート部材、181…駆動源としてのソレノイド、188…貫通窓、189…ガイド手段としてのガイド溝、190…排出用ゲート部材、197…コネクタ付き信号線、200…球検知装置としてのセンサユニット、201,202…カウントセンサ、203,204…アーム部、205…センサ本体部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球の通過を阻止又は許容する遊技球取扱装置を備えた遊技機において、
前記遊技球取扱装置は、
略箱状をなし、所定の間隔で相対向する壁部を有するハウジングと、
該ハウジング内に形成された遊技球通路と、
少なくとも一部が前記遊技球通路に出没し該遊技球通路の遊技球の通過を阻止又は許容する阻止許容部材と、
該阻止許容部材を動作させる駆動機構と、
前記阻止許容部材により通過が許容された遊技球を検知するための球検知装置とを備え、
該球検知装置を前記壁部に沿う方向にスライド移動させることで前記ハウジングに対して着脱可能としたことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−196522(P2012−196522A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−139733(P2012−139733)
【出願日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【分割の表示】特願2010−203966(P2010−203966)の分割
【原出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】