説明

防犯状況通知装置、防犯状況提供装置、防犯状況通知方法、および防犯状況通知方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム

【課題】
犯罪や危険を回避できるよう、付近の防犯状況に応じて適宜防犯状況を通知する携帯型の装置を提供する
【解決手段】
防犯状況通知装置は、付近の防犯状況を判定するための情報を取得する防犯状況判定用情報取得手段と、前記防犯状況判定用情報取得手段により取得された判定用情報に基づき、防犯状況を判定する防犯状況判定手段と、前記防犯状況判定手段による判定結果に基づき、所定の通知を行う防犯状況通知手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付近の防犯状況を判定して通知する携帯型の防犯状況通知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、子供や女性に対する凶悪な犯罪が後を絶たず、また、犯罪の性質自体も無差別のものが増えてきており、犯罪そのものの性質が変化してきている。数年前では、監視カメラで四六時中監視するようなセキュリティのシステムではプライバシーの侵害等、反対する議論も浮上してきていたかもしれないが、このような犯罪傾向である近年では、通学路、学校等と監視カメラの設置、警察官の校内パトロール、住民ボランティアによる通学支援の実施等、厳重なセキュリティ確保が重要視されてきている。
【0003】
このような社会情勢を背景に、後掲の特許文献1では、異常状態を感知するセキュリティアイテムに常時接続された端末へ、ユーザの携帯端末より自在に接続可能とすることで、例えば外出先より家屋のセキュリティ状態を確認できるセキュリティシステムが開示されている。
【0004】
さらに、後掲の特許文献2では、団地内の公園、または、ビルの屋上公園等、特定の公園で遊ぶ子供等の被保護者を、その親等の保護者が積極的に監視カメラを遠隔操作して監視する公園遠隔監視装置及び方法が開示されている。これにより、保護者は公園内で遊ぶ被保護者を監視カメラで確認でき、異常を発見した場合は公園から一番近い会員の順(また、信頼できる会員で公園から近い順)に緊急を知らせることが可能になる。
【0005】
また、親子で一対の機器を携帯し、一対の機器間の距離が所定以上に離れると、親の機器において警報が鳴り、迷子を防止する迷子防止装置が知られている。
【特許文献1】特開2003−77081号公報
【特許文献2】特開2004−266464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に係るセキュリティシステムは、家屋のような静的な対象を管理するものであり、さらには、火災などの異常が発生して始めてユーザに通知されるため、ユーザがたまたま監視していない限り積極的に危険を回避することが出来なかった。
【0007】
また、特許文献2に係る公園遠隔監視装置では、保護者が自発的に監視カメラを確認する必要があるため、どのタイミングでカメラを確認するか常に意識しておく必要があった。また、急な来訪者の対応などで、時間をとられてしまっている間に、突然子供が公園からいなくなった場合などの緊急を要するときに、必ずしもカメラを見ている保証が無いといった課題があった。
【0008】
さらに、前記迷子防止装置においては、子が携帯する機器に対応する機器を持った保護者が付いて回る必要があった。また迷子となることを保護者に通知することで防止するものであり、保護者のサポートなしに防犯状況に応じて子供側に自発的な注意を喚起することが出来ないという課題があった。
【0009】
本発明は、上述のような課題を鑑みてなされたものであり、犯罪や危険を回避できるよう、付近の防犯状況に応じて適宜防犯状況を通知する携帯型の装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の局面にかかる防犯状況通知装置は、付近の防犯状況を判定するための情報を取得する防犯状況判定用情報取得手段と、前記防犯状況判定用情報取得手段により取得された判定用情報に基づき、防犯状況を判定する防犯状況判定手段と、前記防犯状況判定手段による判定結果に基づき、所定の通知を行う防犯状況通知手段と、を備える。
【0011】
好ましくは、前記防犯状況通知手段は、表示出力、音声出力、又は振動出力により、前記所定の通知を行う。これによりユーザは付近の防犯状況の悪化に気づくことが出来る。
【0012】
好ましくは、前記防犯状況判定用情報取得手段は、付近の防犯装置の個数を検出し、前記防犯状況判定手段は、該検出された防犯装置の個数に基づき防犯状況を判定する。
【0013】
好ましくは、前記防犯状況判定用情報取得手段は、付近の防犯装置の個数を種類別に検出し、前記防犯状況判定手段は、該検出された防犯装置の種類別個数に基づき防犯状況を判定する。
【0014】
さらに、外部の機器と通信を行う通信手段を含み、前記防犯状況通知手段は、前記防犯状況判定手段による判定結果に応じて、前記通信手段により所定の通信先へ所定の通知を行う。
【0015】
さらに、地理的な現在位置の取得を行う現在位置取得手段を備え、前記防犯状況通知手段は、前記通信手段により所定の通信先へ所定の通知を行う際に、前記現在位置取得手段により取得された現在位置を通知する
さらに、地理的な現在位置の取得を行う現在位置取得手段を備え、前記防犯状況判定用情報取得手段は、前記現在位置取得手段により取得された現在位置に基づいて、前記通信手段により、所定の外部装置より防犯状況判定用情報を取得する。
【0016】
好ましくは、前記防犯状況判定用情報取得手段が取得する防犯状況判定用情報は、付近の防犯カメラの視野情報及び付近の地理的な治安状況のいずれか一方または双方である。
【0017】
さらに、威嚇等を行う撃退手段を備え、前記防犯状況通知手段は、前記撃退手段の動作時に、前記現在位置取得手段により取得された現在位置を、前記通信手段により所定の通信先へ通知する。
【0018】
好ましくは、前記防犯状況通知手段は、前記撃退手段の動作後に、前記現在位置取得手段により取得された現在位置を、前記通信手段により所定の通信先へ継続的に通知する。
【0019】
さらに、音声入力手段または映像入力手段を備え、前記防犯状況通知手段は、前記撃退手段の動作後に、前記音声入力手段または映像入力手段により取得された音声または映像を、前記通信手段により所定の通信先へ継続的に通知する。
【0020】
好ましくは、防犯状況通知装置は携帯電話である。
【0021】
本発明の第2の局面にかかる防犯状況提供装置は、外部の機器と通信を行う通信手段と、
防犯状況を評価するための情報を記憶する防犯状況評価用情報記憶手段と、前記防犯状況評価用情報記憶手段に記憶された評価用情報に基づき防犯状況を評価する防犯状況評価手段と、を備え、前記通信手段により、外部の機器より、防犯状況要求とその現在位置情報とを受信すると、前記防犯状況評価手段は、前記防犯状況評価用情報記憶手段に記憶された評価用情報に基づいて、受信した現在位置の防犯情報を評価し、前記通信手段により該評価結果を返信する。これにより、防犯状況通知装置単独では得られない防犯状況を提供することが可能となる。
【0022】
さらに、防犯状況を評価するための情報を取得する防犯状況評価用情報取得手段を備え、前記防犯状況評価用情報取得手段により取得した評価用情報を前記防犯状況評価用情報記憶手段に記憶する。
【0023】
好ましくは、前記防犯状況評価用情報取得手段が取得する評価用情報は、防犯装置の個数、防犯装置の種類別個数、防犯カメラの視野情報及び地理的な治安状況情報の中から選択された1または複数の情報である。
【0024】
好ましくは、前記防犯状況評価手段は、前記防犯状況評価用情報記憶手段に記憶される、前記防犯装置の個数、防犯装置の種類別個数、防犯カメラの視野情報及び地理的な治安状況情報の中から選択された1または複数の情報に基づいて、受信した現在位置の防犯状況を評価する。
【0025】
さらに、前記防犯状況評価手段による評価結果に基づき、所定の通知を行う防犯状況通知手段を備え、 前記防犯状況通知手段は、前記評価結果が所定の防犯状況であった場合に、前記通信手段により、前記外部の機器以外の所定の通信先へ所定の通知を行う。
【0026】
好ましくは、前記外部の機器が、威嚇等を行う撃退手段を有するものであって、前記防犯状況通知手段は、前記通信手段により、前記外部の機器より、該外部の機器の撃退手段が動作した旨を受信すると、前記通信手段により、前記外部の機器以外の所定の通信先へ所定の通知を行う。
【0027】
好ましくは、前記防犯状況通知手段は、前記通信手段により所定の通信先へ所定の通知を行う際に、前記外部の機器より受信した現在位置を併せて通知する。
【0028】
本発明の第3の局面にかかる防犯状況通知方法は、防犯状況通知装置の現在位置付近の防犯状況を判定するための情報を取得する防犯状況判定用情報取得ステップと、前記防犯状況判定用情報取得ステップにより取得された判定用情報に基づき防犯状況を判定する防犯状況判定ステップと、前記防犯状況判定ステップによる判定結果に基づき、所定の通知を行う防犯状況通知ステップと、を含む。これによりユーザに付近の防犯状況の悪化を通知することが出来る。
【0029】
好ましくは、前記防犯状況判定用情報取得ステップは、防犯状況通知装置の現在位置付近の防犯装置の個数または種類別個数を検出し、前記防犯状況判定ステップは、該検出された防犯装置の個数または種類別個数に基づき防犯状況を判定する。
【0030】
さらに、外部の機器と通信を行う通信ステップを含み、前記通信ステップは、前記防犯状況判定ステップによる判定結果に応じて、所定の通信先へ所定の通知を行う。
【0031】
さらに、地理的な現在位置の取得を行う現在位置取得ステップを含み、前記通信ステップは、所定の通信先へ所定の通知を行う際に、前記現在位置取得ステップにより取得された現在位置を通知する。
【0032】
さらに、地理的な現在位置の取得を行う現在位置取得ステップを含み、前記防犯状況判定用情報取得ステップは、前記現在位置取得ステップにより取得された現在位置に基づいて、所定の外部装置より防犯状況を判定するための情報を取得する。
【0033】
本発明の第4の局面にかかるコンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるとそのコンピュータに本発明の第3の局面にかかる防犯状況通知方法を実行させる。したがって、本発明の第3の局面の作用をコンピュータで実現することが出来る。
【発明の効果】
【0034】
本発明によると、防犯状況通知装置付近の防犯状況に応じて事件や犯罪が発生しやすい危険な状況となると所定のユーザや所定の機器に通知が行われるため、事件や犯罪を未然に回避することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施の形態について説明する。なお、以下の説明に用いる図面は、同一の部品または同一の機能のものについては同一の符号を付してある。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
[概要]
図1に、本実施の形態に係る防犯システム全体の構成図を示す。図において危険通知携帯電話1は、携帯電話機能を備えた本発明に係る防犯状況通知装置であり、以下、この危険通知携帯電話1を例に説明を行う。防犯装置2−a〜2−eは、例えば、撮像処理とともに撮像画像を警察などの機関に無線送信するなどの通報機能を備えている防犯装置(以下、「通報型防犯装置」と記す)や、あるいは、大音響や液剤などで犯罪者を威嚇、攻撃するなどの撃退機能を備えている防犯装置(以下、「撃退型防犯装置」と記す)などの、防犯機能を備えた携帯電話などである。通報型防犯装置は、例えば、特開平11−41669号公報「防犯携帯電話システム」に記載されているようにデジタルカメラ、マイクロフォン、GPS(Global Positioning System)、実行キーを備え、実行キーが押されると、付近の画像データ/音声データ/自己位置データを取込み、これらのデータに日時データをつけて自動的に無線公衆電話回線を用いて受信装置に送信する防犯携帯電話である。この防犯携帯電話により、利用者は自分の身に危険な人物、状況が近づいたら、実行キーを押すだけで、危険人物の顔や身体的特徴、乗用車等の種々の画像データと、相手の声などの音声データを取り込み受信装置に送信することができる。この防犯携帯電話では別の装置にデータを記憶することで、トラブルの現場証拠を得ると共に証拠隠滅ができないようにすることが期待できるし、防犯携帯電話システムそのものの存在により犯罪抑止効果が期待できる。
【0036】
さて、危険通知携帯電話1と防犯装置2−a〜2−eとは、それらの距離が近い場合はお互いに近距離無線通信により通信が可能であり、破線3は危険通知携帯電話1から該近距離無線通信により通信可能な範囲の輪郭を示す。防犯カメラ4は、街角や公園などに設置された防犯用の撮像を行うカメラであり、防犯カメラサーバ5は、防犯カメラ4の稼動状況や撮像データ、撮像エリア6の管理を行うサーバであり、防犯カメラ4の位置情報、解像度、視野角、などの情報を用いて防犯カメラ4の撮影可能な領域を算出し、地図情報にマッピングして記憶するサーバである。危険通知携帯電話1は広域網7を介して防犯カメラサーバ5に接続し、防犯カメラ4の撮像エリア6の情報を取得する。さらに、危険通知携帯電話1は、広域網7を介して、防犯サーバ8や、警察署9、警備会社10、他の携帯電話11などに接続できる。防犯サーバ8は、これまでの犯罪の発生履歴などの状況や、また、見通しの悪さや人気のなさなどの不安要素を地理的に管理し、地理的な位置と危険度を対応付け、治安情報として提供する防犯状況提供装置である。危険通知携帯電話1は広域網7を介して防犯サーバ8へ接続し、該治安情報を取得する。
【0037】
また、危険通知携帯電話1は、周囲の防犯装置2の存在状況や、防犯カメラ4の稼動状況、現在位置の犯罪発生率などから、現在地付近の防犯状況を判断し、事件や犯罪が起こりやすい状況になる、あるいは、そういう状況になる可能性がある場合は、該危険通知携帯電話1を携帯しているユーザに注意を喚起する、あるいは、その保護者の携帯電話11や警備会社10あるいは警察署9などに通知を行い、監視の依頼や注意喚起を行う。本実施の形態では、危険通知携帯電話1が、その場所から30m以内の付近にある防犯装置2の台数が少なく、また、防犯カメラ4の視野内に無く、さらに、防犯サーバ8により治安が悪いとされる場所にあるような場合、危険な状況にあると判断して所定の通知動作を行う。なお、該危険通知携帯電話1を携帯するユーザへの通知は、音やバイブレータと共に画面へ表示を行うなどである。
【0038】
例えば図1の状況であると、危険通知携帯電話1は、近距離無線通信によりその場所から30m以内に防犯装置2−a〜2−dを検出する。なお、防犯装置2−eは近距離無線通信により通信できる範囲外にあるために検出されない。さらに、広域網7により防犯カメラサーバ5に接続し撮像エリア6の情報を取得し、現在位置に基づいて、撮像エリア6内に位置することを検出する。また、防犯サーバ8に接続し、現在位置近辺の治安情報を取得する。
【0039】
このようにして得られた防犯状況に基づいて、適宜危険通知携帯電話1を携帯するユーザや保護者や監護者の携帯電話11、さらには警察署9、警備会社10等に通知を行うことにより、危険通知携帯電話1を携帯するユーザやその保護者や監護者が注意を払うようになるため、事件や犯罪を未然に防止できる可能性が高くなる。
[各部の説明]
図2に、危険通知携帯電話1の機能的な構造を表す機能ブロック図を示す。図において、危険通知携帯電話1は、外部の機器と通信を行う通信部28と、現在の危険通知携帯電話1の位置をGPSにより取得する現在位置取得部37と、通信部28により危険通知携帯電話1の現在位置の防犯状況判定用情報を取得する防犯状況判定用情報取得部21と、表示や音声等によりユーザへの出力を行うユーザ出力部31と、操作や音声によりユーザからの入力を受け付けるユーザ入力部34と、防犯状況判定用情報取得部21により得られた防犯状況判定用情報より防犯状況を判定し広域通信部30やユーザ出力部31などより所定の通知を行う防犯状況通知部26と、からなる。
【0040】
さらに、通信部28は、約30m以内の近距離にある外部機器と直接通信を行う近距離無線通信部29と、インターネットや電話網を介して外部の機器と通信を行う広域通信部30とを含む。また、ユーザ出力部31は、液晶により文字や図形の表示を行う表示部32と、呼び出し音や通話の音声を出力する音声出力部33とを含む。また、ユーザ入力部34は、ユーザが制御情報やデータの入力を行うボタンなどの操作部35と、周囲の環境音や通話における音声の入力を行う音声入力部36とを含む。また、防犯状況判定用情報取得部21は、近距離通信部29により通信可能な距離にある防犯装置2や防犯カメラ4などの防犯装置を検出する防犯装置検出部22と、防犯カメラサーバ5より撮像エリア6の情報を取得する視野取得部23と、防犯サーバ8より現在位置の犯罪発生率などの治安状況を取得する治安状況取得部24と、これら取得された防犯に関する状況を、防犯状況を判定するための情報として記憶する、防犯状況判定用情報記憶部25とを含む。さらに、防犯状況通知部26は、防犯状況判定用情報記憶部25に記憶された防犯状況判定用情報に基づいて、通知の要否、通知先の決定、通知内容の決定および作成を行う、防犯状況判定部27を含む。なお、防犯状況判定用情報記憶部25は、防犯状況判定部27で判定した防犯状況、および、防犯状況の判定に係わる情報の記憶も行う。
【0041】
なお、危険通知携帯電話1は、中央処理装置や記憶装置などからなるマイクロコンピュータを含んで構成され、後述する動作は該記憶装置に記憶されたプログラムが中央処理装置において実行されることにより実現される。
[動作説明]
以下、危険通知携帯電話1の処理フローについて具体的に説明する。
【0042】
危険通知携帯電話1は、防犯状況判定用情報として、付近の防犯装置2の数量と、防犯カメラ4の視野情報、および、防犯サーバ8より得たその場所の治安情報に基づいて、防犯状況を数値化した安全度を算出し、算出された安全度に応じて適宜通知を行う。本実施の形態では、状況を構成する要素毎にそれぞれ予め防犯度を設定し、この防犯度に基づいて前記安全度を算出し、現在位置が安全であるかどうかの判定を行う。現在位置が安全であるかどうかについては、安全度に閾値を設け、その閾値との比較によって、現在位置が安全であるか安全でないかを判定する。
【0043】
図3に、各状況要素の防犯度を定義した防犯度テーブル50の一例を示す。例えば、防犯装置検出部22により検出される防犯装置2などの防犯装置に対しては、付近にある防犯装置の種別毎に所定の防犯度を安全度として加算するものとする。図によると、付近に検出された通報型防犯装置1台につき2点、撃退型防犯装置1台につき3点が、安全度に加算されることが分かる。また、防犯カメラ4の視野範囲内であれば安全度に10点が加算されることが分かる。もちろん、防犯カメラ4の稼動状況も併せて管理されており、稼動していない場合には本加算処理は行われない。
【0044】
図4に、防犯サーバ8が管理している地理的な治安状況の例を示す。図に示したように、防犯サーバ8は地理的な治安状況の分布を治安度に数値化して記憶しており、該治安度は、犯罪や事件の発生履歴や、犯罪を誘発する要因などによって決められている。従い、交番や派出所の前や常に人が多くいる駅前などは比較的治安が良いと期待されるため高い治安度となっており、人気の無いところや見通しが悪いところ、犯罪が多発しているところなどは低い治安度となっている。なお、図では通りにのみ治安度を表示したが、もちろん満遍なくすべての位置において、治安度が得られるように対応付けられている。
【0045】
図5に、防犯状況の通知における危険通知携帯電話1の動作フローを示す。
【0046】
図に示した処理は、危険通知携帯電話1の電源が投入されている間は30秒毎の定期的に実行されるようにプログラムされている。なお、操作部35において検出された利用者からの操作に応じて稼動させてもよい。
【0047】
さて、処理が開始されると、まずS501において、防犯状況判定部27が防犯状況の判定に用いる安全度を0にリセットする。次に、S502において現在位置取得部37により現在位置の取得を行い、続いて、S503において、防犯状況判定用情報取得部21が、広域通信部30により防犯サーバ8に接続し、前記取得された現在位置に基づいて防犯サーバ8より治安情報として現在位置の治安度を取得する。防犯状況判定部27は、取得した現在位置の治安度を安全度に加算を行う。
【0048】
次に、S504において、現在位置が安全な場所かどうかの判定を行う。具体的には、安全度が9以上かどうかの判断を行い、9以上であれば安全と判断し(S504でYes)、S501に戻る。安全度が9未満であれば(S504でNo)、S505において、防犯装置検出部22は、付近の防犯装置2の検出を行う。具体的には、防犯装置を検出するための防犯装置検出信号を近距離通信部29よりブロードキャストし、防犯装置検出信号を受信した防犯装置2は返信を行う。これにより、近距離通信部29により通信可能な防犯装置2の検出を行うことができる。なお、この検出手順や返信信号の衝突回避手法などは公知であるため説明を省略する。
【0049】
さて、近距離通信部29により通信可能な距離に防犯装置を検出した場合(S506でYes)、S507において防犯度テーブル50を参照し、防犯装置毎の防犯度を前記安全度に加算する。例えば、通報型の防犯装置2が2台と撃退型の防犯装置2が1台検出された場合には、2×2+3×1=7となり、前記安全度に7が加算されることになる。なお、防犯装置を、悪意を持つ人物が所有する場合があるため、本加算処理は、防犯装置が3台以上検出された場合にのみに行うことにより、こうしたリスクの低減を図る。
【0050】
検出されなかった場合(S506でNo)、および、S507の処理を終ると、S508において、視野取得部23は、近距離通信部29により付近にある防犯カメラ4の検出を行う。具体的には、前述の防犯装置の検出同様、防犯カメラ4を検出するための防犯カメラ検出信号を近距離通信部29よりブロードキャストし、防犯装置検出信号を受信した防犯カメラ4は防犯カメラ4の防犯カメラサーバ5を特定するための情報を返信する。
【0051】
S508において、防犯カメラ4を検出し防犯カメラサーバ5を特定するための情報を取得すると(S509でYes)、S510において、視野取得部23は、現在位置取得部37により取得された現在位置を、広域通信部30を介して防犯カメラサーバ5に問い合わせ、危険通知携帯電話1が防犯カメラ4の視野内にあるかどうかを判断する。防犯カメラ4の視野内にあった場合(S510でYes)、S511において防犯度テーブル50に基づき安全度に10を加点し、S512に進む。
【0052】
S509において防犯カメラ4を検出しなかった場合(S509でNo)や、検出した防犯カメラ4の視野内に危険通知携帯電話1が無かった場合(S510でNo)も、S512に進む。
【0053】
S512において、防犯状況判定部27は、上述の処理で算出された安全度が9未満かどうかの判断を行う。安全度が9以上であった場合(S512でNo)、S501に戻る。安全度が9未満であった場合(S512でYes)、S513において、危険通知携帯電話1の存在する現在位置は安全でないと判断し、所定の通知を行う。ここでは、音声出力部33による警告音出力や、バイブレータ(図示せず)などにより、危険通知携帯電話1を所持するユーザに対して注意を喚起する通知を行うと共に、広域通信部30により保護者や監護者の携帯電話11へメール通知を行うものとする。
[本実施の形態の効果および変形例]
さて、本実施の形態における危険通知携帯電話は、近距離無線通信部29により、近くに存在する防犯装置を自律的に検出し防犯状況を判断するように構成した。このため、防犯サーバ8において、時事刻々変化する治安状況をリアルタイムに管理し、携帯電話にフィードバックする必要が無い。さらに、近距離無線通信部29により付近の防犯装置を探索するブロードキャスト信号の出力強度を変化させるようにすることにより、適宜探索するエリアを変化可能に構成しても良い。
【0054】
なお、本実施の形態に於いては、付近の防犯装置の種類別個数、防犯カメラの視野内か否か、及び防犯サーバより取得した治安度に基づいて、安全度を算出する構成としているが、安全度算出の基礎とする情報は任意に設定することができる。例えば、付近の防犯装置の個数、或いは、種類別個数のみに基づいて、安全度を算出する構成としてもよい。また、付近の防犯装置の個数(種類別個数)と防犯カメラの視野内か否かとに基づいて、安全度を算出する構成としてもよいし、付近の防犯装置の個数(種類別個数)と防犯サーバより取得した治安度とに基づいて、安全度を算出する構成としてもよい。
【0055】
また、本実施の形態では、図5のフローを定期的に実行したが、防犯サーバより取得した治安度に応じて周期を変化させるようにしても良い。すなわち、該治安度が低い場所では短い周期で頻繁に実行し、該治安度が高い場所では周期を長くするようにすると、より充実した危険通知機能が実現される。あるいはバッテリ等の電力を節約することが可能になる。
(第2の実施の形態)
[概要]
上述した第1の実施の形態に係る危険通知携帯電話1は、周囲の状況を取得し、危険通知携帯電話において防犯状況を判断し、ユーザや所定の機関や人物の端末に対して警告等を行った。以下に説明する第2の実施の形態に係る危険通知携帯電話1は、判断等を外部の装置において行うことで、構成が簡略化でき端末コストを低減できる。
【0056】
本実施の形態に係る危険通知システム全体の構成は、図1と同様であるが、次の点において異なる。まず、危険通知携帯電話1と防犯装置2−a〜2−eとが直接通信することはなく、それぞれがGPSなどの現在位置取得機能を持ち、それぞれの現在位置を防犯サーバ8に通知を行う。また、防犯カメラサーバ5は、その撮像エリア6やその動作状態を防犯サーバ8に通知を行う。
【0057】
危険通知携帯電話1は、現在位置を防犯サーバ8へ通知し、通知した現在位置の防犯状況の評価結果を防犯サーバ8より受信し、適宜ユーザへ通知を行う。
【0058】
防犯サーバ8は、危険通知携帯電話1の現在位置情報と、別途管理する犯罪履歴等に基づいた地理的な治安情報と、携帯型防犯装置2の分布と、防犯カメラ4の撮像エリア6を管理し、受信した危険通知携帯電話1の現在位置に応じた防犯状況を評価し、該評価した結果に応じ、適宜防犯状況を危険通知携帯電話1に返信し、さらには、所定の機関やユーザの端末へ通知を行う。
[各部の説明]
図6に、本実施の形態に係る危険通知携帯電話1の機能ブロック図を示す。図において、危険通知携帯電話1は、広域通信により外部の機器と通信を行う広域通信部30と、現在の危険通知携帯電話1の位置を取得する現在位置取得部37と、広域通信部30により危険通知携帯電話1の現在位置の防犯状況の評価結果を取得する防犯状況評価結果取得部21´と、表示や音声等によりユーザへの出力を行うユーザ出力部31と、操作や音声によりユーザからの入力を受け付けるユーザ入力部34と、防犯状況評価結果取得部21´により得られた防犯状況評価結果より通知の必要性を判定し、ユーザ出力部31により所定の通知を行う防犯状況通知部26´と、からなる。防犯状況通知部26´は、前記通知の必要性の判定を行う防犯状況判定部27´を含む。また、防犯状況評価結果取得部21´は、前記取得した現在位置の防犯状況評価結果を記憶する防犯状況評価結果記憶部25´を含む。
【0059】
図7に、本実施の形態に係る防犯サーバ8の機能ブロック図を示す。図において、防犯サーバ8は、広域通信により外部の機器と通信を行う広域通信部78と、広域通信部78より危険通知携帯電話1の現在位置を取得する端末状況取得部79と、広域通信部78から各種防犯装置の状況や治安状況を取得する防犯状況評価用情報取得部71と、危険通知携帯電話1付近の防犯状況の評価結果を危険通知携帯電話1や所定の端末へ通知を行う防犯状況評価結果通知部76と、危険通知携帯電話1やその保護者や監護者などの情報を記憶するユーザ情報記憶部80と、からなる。なお、ここで評価とは、上述の防犯状況の判定処理の一部であり意味的には判定と略同義であるが、危険通知携帯電話1における判定処理との混同を防止するため、防犯サーバ8における判定を評価と表現する。
【0060】
また、防犯状況評価用情報取得部71は、携帯型防犯装置2などの防犯装置の状況を検出する防犯装置検出部72と、防犯カメラサーバ5より防犯カメラ4の撮像エリア6の地理的情報を取得する視野取得部73と、警察や公的機関などの機関より、地理的、時間的な犯罪発生率などの図4に示したような治安状況を取得する治安状況取得部74と、これら取得された情報を記憶する防犯状況評価用情報記憶部75と、を含む。
【0061】
また、防犯状況評価結果通知部76は、端末状況取得部79より得られた危険通知携帯電話1の位置などの状況と防犯状況評価用情報取得部71により取得された防犯状況評価用情報に基づき危険通知携帯電話1付近の防犯状況を評価する防犯状況評価部77を含む。
【0062】
なお、危険通知携帯電話1および防犯サーバ8は、中央処理装置や記憶装置などからなるマイクロコンピュータを含んで構成され、後述する動作は該記憶装置に記憶されたプログラムが中央処理装置において実行されることにより実現される。
[動作説明]
以下、本実施の形態に係る危険通知携帯電話1の処理フローについて具体的に説明する。
【0063】
図8に、本実施の形態に係る危険通知携帯電話1により実行される処理のフローを示す。図に示したように、まず、S801において、危険通知携帯電話1の防犯状況評価結果取得部21´は防犯状況評価結果を取得する時刻となったか、あるいは、防犯状況評価結果を取得すべき位置移動が発生したかどうかにより、防犯状況評価結果を取得すべきかどうかを判断する。より具体的には、前回の防犯状況評価結果の取得時刻から3分経過、あるいは、現在位置取得部37により取得された現在位置が、前回防犯状況評価結果を取得した位置から20m以上の距離となった場合、防犯状況評価結果取得部21´は防犯状況評価結果を取得すべきと判断する。
【0064】
防犯状況評価結果取得部21´が防犯状況評価結果を取得する必要が無いと判断した場合(S801でNo)、S801に戻り、防犯状況評価結果を取得すべきと判断した場合(S801でYes)、S802に進む。S802において防犯状況評価結果取得部21´は、防犯状況評価結果取得要求を現在位置取得部37より得られた現在位置と共に広域通信部30により防犯サーバ8へ送信する。続いて、S803において、防犯状況評価結果取得部21´は広域通信部30を介して防犯サーバ8より返信された防犯状況の評価結果を取得する。防犯サーバ8より取得される防犯状況の評価結果は、第1の実施の形態と同様に数値化された安全度により表されており、低い値ほど犯罪等が起こりやすく、危険な防犯状況であることを示す。なお、図示していないが、S802において防犯サーバ8への送信に失敗した場合や、所定時間(ここでは5分)防犯サーバ8からの返信を受信しない場合は、再度S801に戻り、所定回数(ここでは5回)続けて失敗する場合は、ユーザ出力部31によりユーザに適宜その旨通知を行うなど、適宜エラー処理を行うものとする。
【0065】
次に、S804において、防犯状況判定部27´は、取得された防犯状況評価結果に応じてユーザに通知を行う必要があるかどうかの判断を行う。具体的には、取得された防犯状況を示す安全度が9未満であれば、ユーザに通知すべきと判断するものとする。
【0066】
S804で通知が必要ないと判断された場合(S804でNo)はS801に戻り、通知が必要であると判断された場合(S804でYes)は、S805に進む。S805では、取得された防犯状況評価結果に応じて適宜ユーザ出力部31よりユーザに通知を行う。具体的には、取得された防犯状況を示す安全度が9未満であれば、表示部32において、防犯状況がよくないことを通知し、安全度が6以下であれば、音声出力部33により、3秒間電話の着信音やメールの着信音と同等の音を発生することでユーザに注意喚起を行い、S801に戻る。
【0067】
図9に、本実施の形態に係る防犯サーバ8において実行される、危険通知携帯電話1からの問い合わせに対して防犯状況の評価結果を返信するフローを示す。図に示したように、まず、S901において、防犯サーバ8の防犯状況評価用情報取得部71は、危険通知携帯電話1よりS802の処理により送信された防犯状況評価結果取得要求を受信したかどうかを判断する。防犯状況評価結果取得要求を受信しない場合(S901でNo)はS901に戻り、防犯状況評価結果取得要求を受信した場合(S901でYes)は、S902に進む。S902において、端末状況取得部79は、防犯状況評価結果取得要求とともに危険通知携帯電話1の現在位置情報を取得し、S903において、防犯状況評価部77は、端末状況取得部79が取得した位置情報に基づいて防犯状況評価用情報記憶部75より防犯状況評価用情報を読み出し、危険通知携帯電話1の現在位置の防犯状況を評価する。
【0068】
防犯状況の評価方法は、第1の実施の形態において図5に示した安全度の判定と同様である。より具体的には、まず、S503における治安情報の取得および安全度加算処理は、治安状況取得部74により取得され防犯状況評価用情報記憶部75に記憶されている図4に示したような地理的時間的な治安状況より得られた治安度を加算するものとする。なお、第1の実施の形態に係る治安情報は地理的な治安のみを管理していたが、本実施の形態に係る治安情報は、過去の犯罪発生履歴などから犯罪頻度の周期性を割り出し、時刻を勘案して(例えば夜間はより危険になる)管理されている。こうした手法については公知であるので、ここでは、その説明は行わない。次に、S505からS507における防犯装置の確認および安全度加算処理は、防犯装置検出部72により検出され、防犯状況評価用情報記憶部75に記憶されている防犯装置であって、該危険通知携帯電話1から所定距離内に存在している防犯装置の台数により加算される。なお、これらの防犯装置の状況は、定期的な防犯装置へのリクエストや、防犯装置からの定期的な通知などにより、随時新しい状態に更新されている。また、S509からS511における防犯カメラの視野内かどうかの判断は、視野取得部73により得られ、防犯状況評価用情報記憶部75に記憶された視野の地理的情報より、該危険通知携帯電話1の現在位置が視野内にあるかどうかにより判断を行う。
【0069】
上述の処理により、防犯状況評価部77が危険通知携帯電話1の現在位置の防犯状況を数値化された安全度として評価すると、S904に進み、防犯状況評価結果通知部76は広域通信部78より評価した防犯状況を安全度として該危険通知携帯電話1へ送信する。次に、S905において、防犯状況評価結果通知部76は該危険通知携帯電話1以外への通知が必要かどうかの判断を行う。具体的には、防犯状況を示す安全度が3以下であれば、該危険通知携帯電話1に関連付けて記憶されている所定の通知先へ通知を行う必要があると判断する。該危険通知携帯電話1以外への通知の必要が無いと判断した場合(S905においてNo)は、S901に戻り、通知の必要があると判断した場合(S905においてYes)、S906に進み、ユーザ情報記憶部80に記憶されている所定の通知先へ該危険通知携帯電話1の置かれている防犯状況の通知を行う。
【0070】
図10は、ユーザ情報記憶部80に記憶されている危険通知携帯電話1のIDと各危険通知携帯電話1のユーザに対する通知先のIDとを対応付けたユーザ情報テーブルを示す。図に示したように、S906における通知は、該危険通知携帯電話1に対応付けられている一つあるいは複数の通知先(通知先1、通知先2)へ通知を行う。
[本実施の形態の効果および変形例]
以上のように、本実施の形態にかかる危険通知携帯電話1は、外部の防犯サーバ8より防犯状況を判定するための情報として算出済みの安全度を取得するため、安全度を算出する処理が不要となり、防犯状況の判定処理を軽減することが出来る。同時に、短距離無線通信手段を備えることも不要となり、より単純な構成とすることができる。このため、例えばあらかじめGPS機能を備えた携帯電話であれば、広域通信部78を介してプログラムを前記記憶装置にダウンロードし、前記中央処理装置において実行するだけで、通常の携帯電話に危険通知携帯電話1の機能を実現することが出来る。
【0071】
また、監護者や保護者の端末への通知も防犯サーバ8により行われるため、防犯サーバ8への通知後、事故や災害のため通信機能が利用不可能となった場合でも、より確実に第3者への通知が行われるようになる。
【0072】
なお、本実施の形態においては、防犯サーバ8において、安全度を算出し、危険通知携帯電話1は、その安全度を取得して、通知の必要性を判定する構成としているが、防犯サーバ8において、通知の必要性、通知方法まで判断し、その結果を危険通知携帯電話1が取得する構成とすることもできる。
【0073】
また、本実施の形態に於いては、付近の防犯装置の種類別個数、防犯カメラの視野内か否か、及び治安度に基づいて、安全度を算出する構成としているが、安全度算出の基礎とする評価用情報は任意に設定することができる。例えば、付近の防犯装置の個数、或いは、種類別個数のみに基づいて、安全度を算出する構成としてもよい。また、付近の防犯装置の個数(種類別個数)と防犯カメラの視野内か否かとに基づいて、安全度を算出する構成としてもよいし、付近の防犯装置の個数(種類別個数)と治安度とに基づいて、安全度を算出する構成としてもよい。
【0074】
また、S902において得られる危険通知携帯電話1の位置情報よりユーザが外出中かどうかを判断し、外出中と判断される状態でS901における危険通知携帯電話1からの防犯状況評価結果取得要求の受信が、所定時間、例えば、6分以上検出されない場合、S906における通知処理を行うように構成しても良い。これにより危険通知携帯電話1が機能停止したり破壊された場合には、ユーザが事故や災難に巻き込まれた可能性があると判断して所定の通知先へ通知が行われることになる。さらに、該受信が途絶える直前の危険通知携帯電話1の防犯状況評価結果に応じて、該通知の有無や内容を変化させるようにしても良い。
(第3の実施の形態)
上述した第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る危険通知携帯電話1は、周囲の防犯状況に基づいて、ユーザや所定の機関や人物の端末に対して警告等を行った。以下に説明する第3の実施の形態に係る危険通知携帯電話1は、さらに、威嚇や通報の防犯機能を備える。
【0075】
本実施の形態に係る危険通知システムの構成は第1の実施の形態に係る危険通知システムの構成とほぼ同様であり、以下相違点についてのみ記載を行う。
【0076】
図11に、本実施の形態に係る危険通知携帯電話1の機能ブロック図を示す。図のように、図2に示した第1の実施の形態に係る危険通知携帯電話1の構成に、さらに、防犯部として、ユーザ入力部34で検出された所定のユーザ操作により大音響を発して不審者を威嚇する不審者撃退部38を備える。
【0077】
図12に、本実施の形態に係る危険通知携帯電話1の、不審者撃退部38の動作に応じて行われる処理のフローを示す。なお、本フローは、危険通知携帯電話1の電源が入っている間は、図5に示した処理と平行して常に実行されている。本処理が開始されると、まず、S1201において、防犯状況通知部26は、不審者撃退部38の動作の監視を行う。不審者撃退部38が動作しない間(S1201でNo)は、S1201に戻り引き続き監視を行う。不審者撃退部38の動作を検出すると(S1201でYes)、S1202に進み、防犯状況通知部26は、現在位置取得部37より現在位置の取得を行い、続いてS1203に進み、救助通報を行う。救助通報では、まず、広域通信部30により、不審者撃退部38が動作した旨を前記取得した現在位置情報とともに、警察や警備会社などへの通報を行う。また、近距離通信部29により、緊急救難信号を付近の防犯装置2に対してブロードキャストする。次に、S1204に進み、さらに防犯状況通知部26は、広域通信部30により、保護者や監護者の携帯電話11などの連絡先へ、不審者撃退部38が動作した旨を前記取得した現在位置情報とともに通知する。次に、S1205に進み、防犯状況通知部26は、広域通信部30により、防犯サーバ8へ、不審者撃退部38が動作した旨を前記取得した現在位置情報とともに通知する。
【0078】
次に、S1206に進み、防犯状況通知部26は、ユーザ入力部34により所定の解除操作が行われたかどうかの判別を行い、解除操作を検出しなかった場合(S1206でNo)、S1207に進み、モニター処理を開始する。本モニター処理では、音声入力部36により周囲の音声をモニターし、前記モニターされた音声と、現在位置取得部37により取得した現在位置を、広域通信部30により連続的あるいは間欠的など、継続的に所定の通知先へ通知を行う。ここでは、警察と保護者や監護者の連絡先へ通知するものとする。さらに、本モニター処理を一定時間継続するとS1206に戻る。S1206において、解除操作を検出した場合(S1206でYes)、S1208に進み、モニターの終了処理や、防犯サーバ8への登録の抹消など所定の解除処理を行い、S1201に戻る。
【0079】
なお、S1206における解除操作においては、パスワード確認などのユーザ認証処理を伴うものとする。
【0080】
また、防犯サーバ8は、S1205による不審者撃退部38が稼動した危険通知携帯電話1からの通報を受信すると、該危険通知携帯電話1の付近の危険通知携帯電話1等に、警報を通知するように構成されている。
【0081】
なお、上述のモニター処理では音声と位置情報のみを通知したが、これら以外に、カメラなどの映像入力部や、加速度センサーなどの動き検出部を有し、これらにより検出された情報も併せて通知を行うように構成することで、より詳細な状況がモニター可能となる。
【0082】
なお、本実施の形態で述べた構成は、第2の実施の形態に係る危険通知システムにも応用可能である。具体的には、図6に示した構成に、不審者撃退部38をさらに備え、不審者撃退部38が動作したときに、現在位置とともに、その旨を、防犯サーバ8に送信させて、S1203およびS1204の通報処理およびS1207のモニター処理を、防犯サーバ8を介して行うように構成することで実現可能である。
【0083】
以上のように、本実施の形態に係る危険通知携帯電話1によると、さらに不審者撃退部38を備えるために、不審者の撃退を行うことが出来る。また、不審者撃退部38の動作に伴い、所定の通知が行われるため、防犯装置2を携帯した最寄りの通行人などが即座に救助活動に入ることが出来る。また、警察および保護者や監護者に通知が行われるため、警備や捜査の迅速な初動体制を実現することが出来る。さらに、現在位置情報と共に通知が行われるため、迅速かつ的確な救助活動が期待できる。また、不審者撃退部38の動作に伴い防犯サーバ8への登録が行われるため、他のユーザが事件現場に近づき、さらに2次被害者が増加することを防ぐことが出来る。
【0084】
さらに、不審者撃退部38が動作すると、解除操作が行われるまでは音声や現在位置情報が所定の通知先へモニターされるため、効率的な救助活動を行うことが出来る。
[上述の実施の形態の効果および変形例]
上述のように、危険通知携帯電話1は、使用者により携帯され、時間および場所に応じて変化する使用者の周囲の状況が、犯罪や事件が起こりやすい状況になると、まず危険通知携帯電話1を所持しているユーザに対して音声や振動などにより通知が行われる。これにより、例えば、防犯ブザーや防犯アラームをいつでも使用できるように準備する、安全そうな人気のある方角へ移動する、など、未然に犯罪を防止する効果を高めることが出来る。
【0085】
さらに、広域通信部30により保護者や監護者に通知が行われるため、例えば、危険通知携帯電話1に電話をして安否を確認したり注意を喚起したりすることが出来る。さらには、例えば危険通知携帯電話1が、遠隔操作により音声モニターや映像モニターなどの機能を有する場合には、その機能を用いてリアルタイムに遠隔監視や遠隔警備を行うことが出来る。また、近くの派出所などの機関に警備を依頼するようにしても良い。
【0086】
このように、危険通知携帯電話1は携帯電話の機能を有するため、使用者が携帯することに抵抗が少なく、非常時の安否確認などにもその広域網による通信機能を利用することが出来る。
【0087】
なお、上述の実施の形態における防犯カメラ4の視野6は、防犯カメラ4より近距離無線通信で得た防犯カメラサーバ5へのアクセス情報を取得し、広域通信網により防犯カメラサーバ5より得られた情報により危険通知携帯電話1が防犯カメラ4の視野内かどうかの判断を行った。しかし、これに限らず、例えば防犯カメラ4の視野内でのみ受信できるように防犯カメラ4の稼動中は電波信号や赤外線信号を送信し、該信号が危険通知携帯電話1で受信できると視野内にある、と判断するように構成しても良い。また、複数の防犯カメラ4の視野内にある場合には、さらに安全度を加算するように構成しても良い。
【0088】
また、表示部32により、危険通知携帯電話1を携帯しているユーザに対してメッセージ表示、地図情報表示や、音声出力部33により、音声で防犯状況の通知を行うことができるが、さらに、バイブレータで防犯状況の注意喚起や通知を行っても好都合である。
【0089】
また、防犯状況の通知においては、例えばメールに、防犯状況の内容をメッセージや地図情報に変換したページを提供するURL(Universal Resource Locator)を記述しておくことにより、可視的な情報としてわかりやすく、危険通知携帯電話1付近の防犯状況を把握できるようにしてもよい。
【0090】
さらには、現在位置取得部37により得られた時系列の位置情報により、進行方向の治安状態が悪い場合にも警告するように構成しても有用である。
【0091】
なお、現在位置取得部37は、現在位置をGPSにより「緯度・経度」として取得したが、本手法に限らず、近距離通信部29により通信可能な基地局より現在位置を取得しても良い。また、防犯サーバ8は予め比較的安全であると考えられる地域、場所を地理的な情報に変換し、図4に示したような位置と防犯度と対応付けた安全マップを作成、記憶し、送られてきた位置情報よりその場所の防犯度を返信した。この安全マップの作成方法は、例えば、商店街やデパート、ビルの中、警察署周辺など人口が常に集中しそうなところ、既存でセキュリティ体制が整っているところ、警察官の出入りが多いところ、などを比較的安全であるとする、既存の安全マップ、犯罪マップ、不審者発生マップ、などを用いて安全マップを作成する、などさまざまな方法が考えられることは言うまでもない。さらには、例えば深夜や週末には犯罪等が発生する率が増加するなど、季節、曜日、時刻など、時間的要因も勘案して安全マップを提供するようにしてもよい。
【0092】
なお、悪意を持った使用者や犯罪者が携帯型防犯装置2を所有することで、危険通知携帯電話1が安全と判断するようにすることも考えられるが、携帯型防犯装置2は固有のIDと位置情報を防犯サーバ8へ登録するように構成されているため、犯罪の時刻の付近の携帯型防犯装置2を特定することが可能となり、こうした犯罪者がこれらの装置を所有することは逆に不利となると考えられる。
【0093】
このように、例えば、子供が本防犯状況通知装置を携帯していれば、防犯カメラが設置された公園で防犯カメラの撮影エリアから子供が外れてしまった場合に、その子供の親の手元の装置に状況が変わったことを通知してくれるので、親はすぐに手元の装置から子供に注意を喚起するよう電話をしたり、安否を確認したりすることが可能になる。また、団地内、あるいは、町内など信頼できるグループで、防犯状況通知装置あるいは本発明に対応した危険通知携帯電話を所持すれば、公園内にグループメンバーが存在しているのかいないのかを通知してくれる。また、今までいたグループのメンバーが公園からいなくなった場合(防犯状況通知装置を所持している子供から離れてしまった場合)も通知してくれるので、公園の様子を見に行く適切なタイミングも分かって安心感をもつことができる。
【0094】
なお、犯罪者(予備含む)に簡単に見つかって除去されないよう本装置の存在を知られないようにカモフラージュできても好適である。あるいは、逆に本装置の存在をアピールすることで、犯罪の予防効果を期待することも可能である。
【0095】
なお、本実施の形態では、防犯状況通知装置機能を携帯電話用のアプリケーションとして取得し、既存の携帯電話にインストールすることで携帯電話が防犯状況通知装置1の役割を果たすようにしてもよい。また、携帯電話に限らず、例えば、防犯状況通知装置専用端末であってもよいし、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯情報端末、腕時計、指輪などでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明に係る危険通知システム全体の構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態に係る危険通知携帯電話の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】防犯装置の防犯度を表すテーブルの一例を示す図である。
【図4】地理的な治安状況の様子を示す図である。
【図5】第1の実施の形態に係る危険通知携帯電話の動作フローを示す図である。
【図6】第2の実施の形態に係る危険通知携帯電話の機能的構成を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態に係る防犯サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図8】第2の実施の形態に係る危険通知携帯電話の動作フローを示す図である。
【図9】第2の実施の形態に係る防犯サーバの動作フローを示す図である。
【図10】危険通知携帯電話と通知先の対応付けを表すユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
【図11】第3の実施の形態に係る危険通知携帯電話の機能的構成を示すブロック図である。
【図12】第3の実施の形態に係る危険通知携帯電話の動作フローを示す図である。
【符号の説明】
【0097】
1 危険通知携帯電話
2 防犯装置(携帯電話タイプ)
3 危険通知携帯電話1による防犯装置の検出エリア
4 防犯カメラ
5 防犯カメラサーバ
6 防犯カメラの撮像エリア
7 広域網
8 防犯サーバ
9 警察署
10 警備会社
11 通知先(携帯電話)
21 防犯状況判定用情報取得部
21´ 防犯状況評価結果取得部
22 防犯装置検出部
23 視野取得部
24 治安状況取得部
25 防犯状況判定用情報記憶部
25´ 防犯状況評価結果記憶部
26 防犯状況通知部
26´ 防犯状況通知部
27 防犯状況判定部
27´ 防犯状況判定部
28 通信部
29 近距離通信部
30 広域通信部
31 ユーザ出力部
32 表示部
33 音声出力部
34 ユーザ入力部
35 操作部
36 音声入力部
37 現在位置取得部
38 不審者撃退部
50 防犯度テーブル
71 防犯状況評価用情報取得部
72 防犯装置検出部
73 視野取得部
74 治安状況取得部
75 防犯状況評価用情報記憶部
76 防犯状況評価結果通知部
77 防犯状況評価部
78 広域通信部
79 端末状況取得部
80 ユーザ情報記憶部
90 ユーザ情報テーブル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
防犯状況を通知する携帯型の防犯状況通知装置であって、
付近の防犯状況を判定するための情報を取得する防犯状況判定用情報取得手段と、
前記防犯状況判定用情報取得手段により取得された判定用情報に基づき、防犯状況を判定する防犯状況判定手段と、
前記防犯状況判定手段による判定結果に基づき、所定の通知を行う防犯状況通知手段と、
を備えていることを特徴とする、防犯状況通知装置。
【請求項2】
前記防犯状況通知手段は、表示出力、音声出力、又は振動出力により、前記所定の通知を行うことを特徴とする、請求項1に記載の防犯状況通知装置。
【請求項3】
前記防犯状況判定用情報取得手段は、付近の防犯装置の個数を検出し、
前記防犯状況判定手段は、該検出された防犯装置の個数に基づき防犯状況を判定することを特徴とする、請求項1または2に記載の防犯状況通知装置。
【請求項4】
前記防犯状況判定用情報取得手段は、付近の防犯装置の個数を種類別に検出し、
前記防犯状況判定手段は、該検出された防犯装置の種類別個数に基づき防犯状況を判定することを特徴とする、請求項3に記載の防犯状況通知装置。
【請求項5】
さらに、外部の機器と通信を行う通信手段を含み、
前記防犯状況通知手段は、前記防犯状況判定手段による判定結果に応じて、前記通信手段により所定の通信先へ所定の通知を行うことを特徴とする、請求項1から4までのいずれかに記載の防犯状況通知装置。
【請求項6】
さらに、地理的な現在位置の取得を行う現在位置取得手段を備え、
前記防犯状況通知手段は、前記通信手段により所定の通信先へ所定の通知を行う際に、前記現在位置取得手段により取得された現在位置を通知することを特徴とする、請求項5に記載の防犯状況通知装置。
【請求項7】
さらに、地理的な現在位置の取得を行う現在位置取得手段を備え、
前記防犯状況判定用情報取得手段は、前記現在位置取得手段により取得された現在位置に基づいて、前記通信手段により、所定の外部装置より防犯状況判定用情報を取得することを特徴とする、請求項5に記載の防犯状況通知装置。
【請求項8】
前記防犯状況判定用情報取得手段が取得する防犯状況判定用情報は、付近の防犯カメラの視野情報及び付近の地理的な治安状況のいずれか一方または双方であることを特徴とする、請求項7に記載の防犯状況通知装置。
【請求項9】
さらに、威嚇等を行う撃退手段を備え、
前記防犯状況通知手段は、前記撃退手段の動作時に、前記現在位置取得手段により取得された現在位置を、前記通信手段により所定の通信先へ通知することを特徴とする、請求項6から8までのいずれかに記載の防犯状況通知装置。
【請求項10】
前記防犯状況通知手段は、前記撃退手段の動作後に、前記現在位置取得手段により取得された現在位置を、前記通信手段により所定の通信先へ継続的に通知することを特徴とする、請求項9に記載の防犯状況通知装置。
【請求項11】
さらに、音声入力手段または映像入力手段を備え、
前記防犯状況通知手段は、前記撃退手段の動作後に、前記音声入力手段または映像入力手段により取得された音声または映像を、前記通信手段により所定の通信先へ継続的に通知することを特徴とする、請求項9または10に記載の防犯状況通知装置。
【請求項12】
携帯電話であることを特徴とする、請求項1から11までのいずれかに記載の防犯状況通知装置。
【請求項13】
防犯状況を提供する防犯状況提供装置であって、
外部の機器と通信を行う通信手段と、
防犯状況を評価するための情報を記憶する防犯状況評価用情報記憶手段と、
前記防犯状況評価用情報記憶手段に記憶された評価用情報に基づき防犯状況を評価する防犯状況評価手段と、
を備え、
前記通信手段により、外部の機器より、防犯状況要求とその現在位置情報とを受信すると、前記防犯状況評価手段は、前記防犯状況評価用情報記憶手段に記憶された評価用情報に基づいて、受信した現在位置の防犯情報を評価し、前記通信手段により該評価結果を返信することを特徴とする、防犯状況提供装置。
【請求項14】
さらに、防犯状況を評価するための情報を取得する防犯状況評価用情報取得手段を備え、
前記防犯状況評価用情報取得手段により取得した評価用情報を前記防犯状況評価用情報記憶手段に記憶することを特徴とする、請求項13に記載の防犯状況提供装置。
【請求項15】
前記防犯状況評価用情報取得手段が取得する評価用情報は、防犯装置の個数、防犯装置の種類別個数、防犯カメラの視野情報及び地理的な治安状況情報の中から選択された1または複数の情報であることを特徴とする、請求項14に記載の防犯状況提供装置。
【請求項16】
前記防犯状況評価手段は、前記防犯状況評価用情報記憶手段に記憶される、前記防犯装置の個数、防犯装置の種類別個数、防犯カメラの視野情報及び地理的な治安状況情報の中から選択された1または複数の情報に基づいて、受信した現在位置の防犯状況を評価することを特徴とする請求項15に記載の防犯状況提供装置。
【請求項17】
さらに、前記防犯状況評価手段による評価結果に基づき、所定の通知を行う防犯状況通知手段を備え、
前記防犯状況通知手段は、前記評価結果が所定の防犯状況であった場合に、前記通信手段により、前記外部の機器以外の所定の通信先へ所定の通知を行うことを特徴とする、請求項13から16までのいずれかに記載の防犯状況提供装置。
【請求項18】
前記外部の機器が、威嚇等を行う撃退手段を有するものであって、
前記防犯状況通知手段は、前記通信手段により、前記外部の機器より、該外部の機器の撃退手段が動作した旨を受信すると、前記通信手段により、前記外部の機器以外の所定の通信先へ所定の通知を行うことを特徴とする、請求項17に記載の防犯状況提供装置。
【請求項19】
前記防犯状況通知手段は、前記通信手段により所定の通信先へ所定の通知を行う際に、前記外部の機器より受信した現在位置を併せて通知することを特徴とする、請求項17または18に記載の防犯状況提供装置。
【請求項20】
防犯状況を通知する防犯状況通知方法であって、
防犯状況通知装置の現在位置付近の防犯状況を判定するための情報を取得する防犯状況判定用情報取得ステップと、
前記防犯状況判定用情報取得ステップにより取得された判定用情報に基づき防犯状況を判定する防犯状況判定ステップと、
前記防犯状況判定ステップによる判定結果に基づき、所定の通知を行う防犯状況通知ステップと、
を含むことを特徴とする防犯状況通知方法。
【請求項21】
前記防犯状況判定用情報取得ステップは、防犯状況通知装置の現在位置付近の防犯装置の個数または種類別個数を検出し、前記防犯状況判定ステップは、該検出された防犯装置の個数または種類別個数に基づき防犯状況を判定することを特徴とする、請求項20に記載の防犯状況通知方法。
【請求項22】
さらに、外部の機器と通信を行う通信ステップを含み、
前記通信ステップは、前記防犯状況判定ステップによる判定結果に応じて、所定の通信先へ所定の通知を行うことを特徴とする、請求項20または21に記載の防犯状況通知方法。
【請求項23】
さらに、地理的な現在位置の取得を行う現在位置取得ステップを含み、
前記通信ステップは、所定の通信先へ所定の通知を行う際に、前記現在位置取得ステップにより取得された現在位置を通知することを特徴とする、請求項22に記載の防犯状況通知方法。
【請求項24】
さらに、地理的な現在位置の取得を行う現在位置取得ステップを含み、
前記防犯状況判定用情報取得ステップは、前記現在位置取得ステップにより取得された現在位置に基づいて、所定の外部装置より防犯状況を判定するための情報を取得することを特徴とする、請求項20から23までのいずれかに記載の防犯状況通知方法。
【請求項25】
請求項20から24のいずれかに記載の防犯状況通知方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−72622(P2007−72622A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−257120(P2005−257120)
【出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】