説明

電力用半導体装置

【課題】小型でかつ高い信頼性を有する電力用半導体装置を提供する。
【解決手段】モールド樹脂6から複数のリード1が突出した電力用半導体装置100が、第1ダイパッド部1bを含む第1リード1aと、第1ダイパッド部の表面に載置されたパワーチップ2と、第2ダイパッド部を含む第2リード1cと、第2ダイパッド部上に載置された制御チップ3と、パワーチップと制御チップとを接続する金を主成分とするワイヤ4と、第1リードと第2リードの端部がそれぞれ突出するように制御チップとパワーチップとを埋め込むモールド樹脂とを含み、ワイヤは、その第1端部が制御チップにボールボンディングされ、その第2端部がパワーチップにステッチボンディングされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力用半導体装置に関し、特に、小型でかつ信頼性の高い電力用半導体装置の提供を目的とする。
【背景技術】
【0002】
電力用半導体装置は、パワーチップと、パワーチップを制御するための制御チップ(ロジックチップ)とをフレーム上にダイボンドし、チップ同士をワイヤで接続し、更にチップ等を樹脂でモールドして形成される。制御チップとパワーチップとの間は、制御チップとフレーム上の中継パッドとが金のワイヤで接続され、更に、中継パッドとパワーチップとがアルミニウムのワイヤで接続されている(例えば、特許文献1)。
これに対して、電力用半導体装置の小型化には、かかる中継パッドをなくして制御チップとパワーチップとを直接、ワイヤで接続するのが好ましい。
【特許文献1】特開2000−138343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
制御チップとパワーチップとを、金のワイヤで直接接続した場合、パワーチップの表面電極を形成するアルミニウムとワイヤを形成する金が接続される。パワーチップは、発熱により温度が上昇するため、アルミニウムと金が合金化し、接合部の強度の劣化や断線が発生するという問題があった。一方、制御チップとパワーチップとをアルミニウムのワイヤで直接接続した場合には、ワイヤの強度に問題があった。また、ワイヤの強度を上げるためにワイヤを太くした場合、制御チップのワイヤボンディングパッドを大きくせざるを得ず、チップの大型化やコストアップの原因となるという問題もあった。
【0004】
そこで、本発明は、制御チップとパワーチップが直接接続された小型で信頼性の高い電力用半導体装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、モールド樹脂から複数のリードが突出した電力用半導体装置であって、第1ダイパッド部を含む第1リードと、第1ダイパッド部の表面に載置されたパワーチップと、第1ダイパッド部の裏面に取り付けられた、モールド樹脂より熱伝導率の大きな絶縁シートと、第2ダイパッド部を含む第2リードと、第2ダイパッド部上に載置された制御チップと、パワーチップと制御チップとを接続する金を主成分とするワイヤと、第1リードと第2リードの端部がそれぞれ突出するように制御チップとパワーチップとを埋め込むモールド樹脂とを含む電力用半導体装置である。
【発明の効果】
【0006】
以上の説明から明らかなように、本発明にかかる電力用半導体装置では、小型でかつ信頼性の高い電力用半導体装置の提供が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
実施の形態1.
図1は、全体が100で表される、本実施の形態にかかる電力用半導体装置の斜視図であり、図2は、図1のI−I方向の断面図である。
図2に示すように、電力用半導体装置100は、複数のリード1を含む。一のリード1は、ボンディングパッド部1aと、ボンディングパッド部1aより低い位置にあるダイパッド部1bを含む。ボンディングパッド部1aとダイパッド部1bは、リード1を曲げることにより形成される。他方のリード1は、ボンディングパッド部1aと略同一高さのボンディングパッド部1cを含む。リードは、例えば銅などの導電性の良い金属からなる。
【0008】
ダイパッド部1bの上には、IGBT(Insulate Gate Bipolar Transistor)21、FWDi(Free Wheeling Diode)22の2つのパワーチップ2がはんだで固着されている。パワーチップ2の表面電極とリード1のボンディングパッド部1a、パワーチップ2の表面電極同士は、アルミニウムのワイヤ5により接続されている。
【0009】
一方、パワーチップ2を制御するための制御チップ3は、フレーム1のボンディングパッド部1cにはんだで固着されている。制御チップ3の表面電極と、パワーチップ2の表面電極とは、金のワイヤ4により接続されている。パワーチップ2上には金からなるバンプ9が形成され、ワイヤ4はバンプ9に接続されている。
【0010】
図3は、パワー半導体装置100に用いるリードフレームであり、図3(a)はその上面図、図3(b)はリードを組み込んだパワー半導体装置の概略図である。
リードフレームには、予め所定の回路が形成されており、その上に、IGBT21、FWDi22、制御チップ3が固着される。リード1とIGBT21との間は金のワイヤ4により接続される。また、リード1とFWDi22との間、IGBT21とFWDi22との間は、アルミニウムのワイヤ5で接続される。
【0011】
パワーチップ2の表面は、パワーチップ2の発熱により高温になる。このため、ワイヤ4の材料である金と、パワーチップ2の表面電極を形成するアルミニウムとの間で、金−アルミニウム合金が形成される。金−アルミニウム合金の形成が進むと、機械的強度や電気的特性が劣化し、電力用半導体装置100の特性不良の原因となる。
【0012】
そこで、本実施の形態にかかる電力用半導体装置100では、モールド樹脂6よりも、熱伝導率の大きな絶縁樹脂シート7を、ダイパッド部1bの下に配置し、パワーチップ2からの放熱特性を向上させている。このため、パワーチップ2と制御チップ3とを金のワイヤ4で直接接続しても、パワーチップ2の昇温が小さいため、金−アルミニウム合金層の形成が抑制される。
【0013】
具体的には、ダイパッド部1bの裏面に、モールド樹脂6より熱伝導率の大きい絶縁樹脂シート7が、直接固着される。絶縁樹脂シート7の大きさはダイパッド部1bよりも大きく、樹脂シート7の他方の面には銅箔8が固着される。更に、銅箔8の裏面が外部に露出するように、パワーチップ2等がモールド樹脂6で封止されている。
【0014】
ここで、絶縁樹脂シート7には、Al、Si、AlN等のセラミック、SiO、絶縁材料でコーティングした金属から選択される少なくとも1種類以上の材料の微粒子を含む樹脂を用いても良い。
【0015】
上述のように、熱伝導性の高い絶縁樹脂シート7を設けることにより、パワーチップ2に対する冷却性能が向上し、パワーチップ2と制御チップ3とを、中継パッドを介することなく直接金のワイヤ4で接続できる。この結果、電力用半導体装置100の小型化が可能となる。
【0016】
また、モールド樹脂6中のフィラーの材質、量、形状に対する制約が大きく緩和され、粘度の小さなモールド樹脂の選択が可能となり、モールド樹脂注入時に懸念される金のワイヤの変形等を防止できる。この結果、ワイヤの変形等による不具合を防止できるとともに、金のワイヤ4を細くして、低コスト化を図ることができる。
【0017】
更に、銅箔8は、絶縁樹脂シート7を保護しており、パワー半導体装置100の信頼性、取扱いの容易性を向上させている。
【0018】
ここで、モールド樹脂6と絶縁樹脂シート7と接触する部分では、両者の混合層10が形成されている。例えば、絶縁樹脂シート7、モールド樹脂6ともに、エポキシ樹脂を用い、モールド時に同時に硬化させれば、容易に混合層10が形成できる。混合層10の形成により、モールド樹脂6と絶縁樹脂シート7との間の明確な界面が消滅し、沿面絶縁耐力が向上する。つまり、沿面絶縁距離を小さくでき、パワー半導体装置100の小型化が可能となる。
【0019】
なお、ワイヤ4には、金の他に、金にパラジウムを添加した合金を用いても良い。かかる合金のワイヤ4を用いることにより、表面電極との間で金−アルミニウムの合金が成長するのを抑制できる。つまり、ワイヤ4にパラジウムを添加した金を用いることにより、金−アルミニウム合金の成長を更に抑制し、信頼性を一層向上させることができる。
【0020】
次に、電力用半導体装置100におけるチップ周囲での絶縁について説明する。電力用半導体装置100では、IGBT21等のパワーチップ2などに数百V以上の高電圧が印加される。図4(a)は、IGBT21の上面図であり、図4(b)は(a)をIV−IV方向に見た断面図である。
図4(a)に示すように、IGBT21は、IGBT21自身の耐圧を確保するために、高電圧領域34がガードリング部33で囲まれた構造となっている。高電圧領域34に接続される金のワイヤ4においても、周囲との耐圧の確保が重要な課題となる。即ち、ワイヤ4とチップ端部35との間で高い絶縁耐圧を得るには、空間距離d41(IGBT21の周辺端部35における、IGBT21とワイヤ4との垂直方向の距離:図4(b)参照)を所定の絶縁距離以上に保つことが必要となる。ここで、所定の絶縁距離としては、例えば、モールド樹脂を充填した後においては数百μm程度の距離となる。この点が、特に耐圧を必要としない一般のIC等と異なり、電力用半導体装置固有の課題であると言える。因みに、一般のICでは、絶縁距離は10μm程度である。
【0021】
次に、ワイヤ4とIGBT21との接続部の構造について、図5を参照しながら説明する。図5は、ワイヤ4のボンディング工程の概略図であり、図5では、説明を容易にするために、制御チップ3とパワーチップ2(IGBT21)の表面が、略同じ高さにあるものとする。
【0022】
ボンディング工程では、まず、図5(a)に示すように、制御チップ3の電極上に、金のワイヤ4が、ツール30によりボールボンディングされる(以下、「1stボンディング」という。)。
【0023】
次に、図5(b)(c)に示すように、ワイヤ4に所定のループを形成する。
【0024】
次に、図5(d)(e)に示すように、IGBT21の表面電極上に、ステッチボンディングを行なう(以下、「2ndボンディング」という。)。
【0025】
このような工程で作製したワイヤ4では、図5(e)に示すように、IGBT21の端部において、ワイヤ4とIGBT21との空間距離d41が小さくなる。このため、空間距離d41を所定の絶縁距離にするためには、IGBT21とワイヤ4との接続部をIGBT21の中央方向(図5では右方向)に移動せざるを得ず、IGBT21上でワイヤ4が延在する距離(助走距離)dxが大きくなる。
【0026】
即ち、制御チップ3とIGBT21とを、中継パッドを介さずに、ワイヤ4で直接接した場合、空間距離d41を所定の絶縁距離にするにはワイヤ4が長くなり、樹脂モールド時にワイヤ4が変形し、不具合が発生するという問題があった。
【0027】
また、金のワイヤ4の使用量が増えるため、製造コストの増加原因ともなっていた。
【0028】
更に、IGBT21の設計の自由度を制限し、結果としてチップサイズの増大を招き、製品の小型化や低コスト化を阻害するという問題もあった。
【0029】
そこで、本実施の形態にかかる電力用半導体装置100では、図2に示すように、制御チップ3がIGBT21より上方に配置されるため、このような問題の発生が防止できる。
即ち、図6(a)に示すように、IGBT21上での2ndボンディングにおいて、ワイヤ4の立ち上がり角度が大きくなる。この結果、空間距離d41を所定の絶縁距離にするための、助走距離dxを短くできる。
【0030】
これにより、ワイヤ4が長くなることに起因する不具合、高コスト化を防止できるとともに、電力用半導体装置100の小型化も可能となる。
【0031】
ここで、パワーチップ3からの放熱効率を上げるためには、パワーチップ3を電力用半導体装置100の下方に配置することが好ましい。これは、電力用半導体装置100の裏面に取り付けられる放熱フィン(図示せず)にパワーチップを近づけることにより、放熱性を良好にするためである。よって、本実施の形態にかかる電力用半導体装置100では、上方に制御チップ3、下方にパワーチップ2を配置するとともに、制御チップ3側で1stボンディングを行ない、続いてパワーチップ2側で2ndボンディングを行ない、両者の接続を行なっている。
【0032】
また、図6(b)に示すように、IGBT21上に、予め金のバンプ11を形成し、その上に2ndボンディングを行うことにより、更に、所定の絶縁距離の確保が容易となる。即ち、バンプ11は、空間距離d41を所定の絶縁距離にするためのスペーサとして機能する。また、このバンプ11は、IGBT21へのボンディングツール(図示せず)の衝突等による損傷を防止できるという効果もある。
【0033】
更に、2ndボンディングが、IGBT21の表面電極に直接ボンディングされる場合の、金とアルミニウムとの接合より、プロセスマージンの広い金と金との接合となるため、製造容易性が増すという効果もある。
【0034】
次に、図7を参照しながら、図6(a)に示すバンプ11の形成方法について説明する。バンプ11の形成工程では、図7(a)〜(c)に示すように、通常のボンディング方法を用いてIGBT21上にツール30でボールボンディングを行なう。次に、図7(d)に示すように、図5(c)のようなループを形成することなくステッチボンディングを行なう。ステッチボンディングは、ボールボンディング部の上からIGBT21の内部に向って行なうのが好ましい。
かかるボンディング工程により、図7(d)に示すように、バンプ11の断面(紙面に平行な方向の断面)を略デルタ形状にすることができる。
【0035】
なお、バンプ11の形状は、高さの最も高い部分が、IGBT21の周辺部に寄った形状とすることが好ましい。即ち、図7(d)のバンプ形状の場合、図の左側がIGBT21の周辺部、右側がIGBT21の中央部となる。
【0036】
図8は、図7(d)に示す略デルタ形状のバンプ11上に、ワイヤ4を接合した場合を示す。図8から明らかなように、バンプ11を用いることにより、空間距離d41を、容易に所定の絶縁距離とすることができる。
【0037】
また、図8に示すように、バンプ11とワイヤ4とが接する2ndボンディング位置は、バンプ11の中心よりもIGBT21の中央側であることが好ましい。このようにすることにより、バンプ11がワイヤ4を支え、バンプ11の斜面に沿ってワイヤ4が延在する。このため、IGBT21とワイヤ11のなす角度を大きくでき、空間距離d41を、容易に所定の絶縁距離以上にすることができる。また、助走距離dxを小さくでき、電力用半導体装置100の小型化、低コスト化が可能となる。
【0038】
また、かかる構造を用いることにより、空間距離d41を確実に所定の絶縁距離以上にできる。このため、絶縁距離を確保するための設計マージンを、バンプ11を用いない構造よりも小さく設定できる。
【0039】
なお、本実施の形態では、絶縁樹脂シート7を用いた電力用半導体装置100について説明したが、熱伝導率がモールド樹脂6よりも大きな他の絶縁材料を、絶縁樹脂シート7に代えて用いても構わない。この場合には、ダイパッド部1bとかかる絶縁材料との間を、熱伝導性の接着材料で固定しても構わない。
【0040】
また、本実施の形態では、パワーチップ2としてIGBT21を用いる場合について説明したが、制御チップ3で制御されるパワーチップ2であれば、例えばMOSFET等の他のチップであっても良い。
【0041】
また、本実施の形態では、パワーチップ2や制御チップ3をはんだで固着する場合について説明したが、機能的に問題が無ければ、例えば導電性接着剤等の他の固着材料を用いても良い。
【0042】
実施の形態2.
図9は、全体が200で表される、本実施の形態にかかる電力用半導体装置の断面図である。図9は、図1のI−Iと同じ方向に見た場合の断面図であり、図9中、図1、2と同一符号は、同一又は相当箇所を示す。
【0043】
電力用半導体装置200では、リード1のダイパッド部1bの裏面に、絶縁樹脂シート7に代えて、セラミック板50を用いる。セラミック板50以外の構造は、上述の電力用半導体装置100とほぼ同じである。セラミック板50の材料には、例えば、Al、AlN、Si等が用いられる。
【0044】
セラミック板50とダイパッド部1bとの間には、放熱性をより向上させるために、高熱伝導性、絶縁性を有する接着剤を用いることが好ましい。接着剤としては、例えばエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等からなるベース樹脂に、Al、BN、AlN、Si、SiO等から選択される微粒子を加えた接着材が用いられる。特に、セラミック板50とダイパッド部1bとの膨張係数のミスマッチを緩和するためには弾性率が小さい方が好ましいため、シリコーン樹脂がベース基材であることが好ましい。
【0045】
図10に、IGBT21上の金のバンプ9の形成工程を示す。形成工程では、図10(a)(b)に示すように、ツール50を用いて金のワイヤ4をIGBT21の表面にボールボンディングした後、図10(c)に示すように、ワイヤ4を上方に引き上げて、引き千切るように切断する。
このように、金のワイヤ4を用いてバンプ9を形成することにより、金の使用量を最小限に抑え、製造コストの低コスト化が可能となる。
【0046】
実施の形態3.
図11は、全体が300で表される、本実施の形態にかかる電力用半導体装置の断面図である。図11は、図1のI−Iと同じ方向に見た場合の断面図であり、図11中、図1、2と同一符号は、同一又は相当箇所を示す。
【0047】
電力用半導体装置300では、リード1のダイパッド部1bの裏面に、絶縁樹脂シート7に代えて、絶縁板51が取りつけられる。絶縁板51は、樹脂モールド6から露出し、その裏面にアルミニウム等からなる外部ヒートシンク60が取りつけられている。他の構造は、上述の電力用半導体装置100とほぼ同じである。
【0048】
このように、絶縁板51を、樹脂モールド6の外部に形成することにより、例えば、絶縁板51とダイパッド部1bとの間の絶縁が不充分な場合には、電力用半導体装置300全体を廃棄する必要はなく、絶縁材51の交換等で解決できる場合もある。
この結果、電力用半導体装置300の製造コストを低減することが可能となる
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる電力用半導体装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる電力用半導体装置の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる電力用半導体装置の用いるリードフレームである。
【図4】本発明の実施の形態1にかかる電力用半導体装置のIGBTである。
【図5】従来のワイヤボンディング工程である。
【図6】本発明の実施の形態1で用いるワイヤボンディング工程である。
【図7】本発明の実施の形態1で用いるバンプ形成工程である。
【図8】本発明の実施の形態1で用いるワイヤボンディング工程である。
【図9】本発明の実施の形態2にかかる電力用半導体装置の断面図である。
【図10】本発明の実施の形態2で用いるバンプ形成工程である。
【図11】本発明の実施の形態3にかかる電力用半導体装置の断面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 リード、2 パワーチップ、3 制御チップ、4、5 ワイヤ、6 モールド樹脂、7 絶縁樹脂シート、8 銅箔、9、11 バンプ、10 反応層、21 IGBT、22 FWDi、100 電力用半導体装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モールド樹脂から複数のリードが突出した電力用半導体装置であって、
第1ダイパッド部を含む第1リードと、
該第1ダイパッド部の表面に載置されたパワーチップと、
該第1ダイパッド部の裏面に取り付けられた、該モールド樹脂より熱伝導率の大きな絶縁シートと、
第2ダイパッド部を含む第2リードと、
該第2ダイパッド部上に載置された制御チップと、
該パワーチップと該制御チップとを接続する金を主成分とするワイヤと、
該第1リードと該第2リードの端部がそれぞれ突出するように該制御チップと該パワーチップとを埋め込む該モールド樹脂とを含む電力用半導体装置。
【請求項2】
上記ワイヤが、金、および金とパラジウムとの合金から選択される少なくとも1つの材料からなることを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体装置。
【請求項3】
上記絶縁シートが、樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体装置。
【請求項4】
上記絶縁シートと上記モールド樹脂との界面に、それぞれの材料が混ざった混合層を有することを特徴とする請求項3に記載の電力用半導体装置。
【請求項5】
上記絶縁シートの、上記第1ダイパッド部が取り付けられた面と対向する面が、金属箔で覆われたことを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体装置。
【請求項6】
上記第2ダイパッド部が、上記第1ダイパッド部の表面より上方に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体装置。
【請求項7】
上記ワイヤは、その第1端部が上記制御チップにボールボンディングされ、その第2端部が上記パワーチップにステッチボンディングされたことを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体装置。
【請求項8】
更に、上記パワーチップ上にバンプを有し、上記第2端部が該バンプ上にステッチボンディングされたことを特徴とする請求項7に記載の電力用半導体装置。
【請求項9】
上記バンプは、上記パワーチップの表面に対して垂直方向の断面が、略デルタ形状であることを特徴とする請求項8に記載の電力用半導体装置。
【請求項10】
上記略デルタ形状のバンプがデルタ形状の2辺を形成する2つの斜面を含み、上記第2端部が該斜面上にステッチボンディングされたことを特徴とする請求項9に記載の電力用半導体装置。
【請求項11】
上記第2端部が、上記制御チップからの距離が遠い方の上記斜面上にステッチボンディングされたことを特徴とする請求項10に記載の電力用半導体装置。
【請求項12】
上記バンプが、上記パワーチップ上にボールボンディングされたワイヤのボールボンディング部からなることを特徴とする請求項8に記載の電力用半導体装置。
【請求項13】
上記パワーチップがアルミニウムからなる表面電極を含み、上記ワイヤが該表面電極に接続されたことを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−263210(P2008−263210A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−129859(P2008−129859)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【分割の表示】特願2003−389254(P2003−389254)の分割
【原出願日】平成15年11月19日(2003.11.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】