説明

電子写真画像形成装置

【課題】現像剤を収容するカートリッジ33に設けられた現像ローラ32bを、装置本体の感光体ドラム32aに対して位置決めする際に、簡易な構成が求められていた。
【解決手段】カートリッジ装着部32lの方向に付勢する付勢部材37を設け、カートリッジ33をカートリッジ装着部に装着する動作によって、力受け部33e2・33e4が付勢部材37より力を付与されて、現像ローラ33bが感光体ドラム32aに対して付勢された状態で位置決めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジを装置本体に取り外し可能に装着して、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置に関する。
【0002】
ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成プロセスを用いて、記録媒体に画像を形成するものである。そして、電子写真画像形成装置の例としては、例えば電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザビームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。また、記録媒体とは、電子写真画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、紙、OHTシート等が含まれる。
【0003】
また、カートリッジとは、例えば、プロセスカートリッジ或いは現像カートリッジであって、電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着された状態で、記録媒体に画像を形成する画像形成プロセスに寄与するものである。プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての、帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つと電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して、装置本体に取り外し可能に装着されるものである。従って、プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての現像手段と、電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して、電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着されるものも含まれる。また、プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と、電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して、装置本体に取り外し可能に装着されるものも含まれる。電子写真感光体ドラムと現像手段とを一体的に有するプロセスカートリッジを所謂一体型と称する。また、電子写真感光体ドラムと現像手段以外のプロセス手段とを一体的に有するプロセスカートリッジを所謂分離型と称する。即ち、現像手段をプロセスカートリッジとは別の現像ユニットに設けて、この現像ユニットと対になって画像を形成するプロセスカートリッジを所謂分離型と称する。プロセスカートリッジは、使用者自身によって装置本体に対する着脱を行うことができる。そのため、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができる。プロセス手段は、電子写真感光体ドラムに作用するものである。
【0004】
また、現像カートリッジとは、現像ローラを有し、現像ローラによって、電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像するのに用いられる現像剤(トナー)を収容しており、装置本体に取り外し可能に装着されるものである。現像カートリッジの場合には、電子写真感光体ドラムは装置本体或いはカートリッジ支持部材に取り付けられている。或いは、電子写真感光体ドラムは、前記の所謂分離型プロセスカートリッジに設けられている(この場合には、プロセスカートリッジは、現像手段を有してはいない)。現像カートリッジも、使用者自身によって前記本体に対する着脱を行うことができる。そのため、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0005】
そこで、カートリッジとしては、前記の所謂一体型又は所謂分離型のプロセスカートリッジが含まれる。また、カートリッジとしては、所謂分離型のプロセスカートリッジと現像カートリッジが対になって用いられる場合が含まれる。また、カートリッジとしては、電子写真感光体ドラムが装置本体或いはカートリッジ支持部材に固定して取り付けられており、電子写真感光体ドラムに作用可能に現像カートリッジが着脱可能に用いられる場合が含まれる。
【0006】
前述したとおり、従来、電子写真画像形成プロセスを用いて、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置が知られている。この電子写真画像形成装置においては、前述したプロセスカートリッジ方式が知られている。或いは、感光体ドラムとは別体で、前述した現像ユニットのみで構成される現像カートリッジ方式が知られている。前述したプロセスカートリッジ方式、現像カートリッジ方式を含めてカートリッジ方式とする。前述したプロセスカートリッジ及び現像カートリッジは、静電潜像を現像するのに用いられる現像剤(トナー)を収容する現像剤収容部を有している。
【背景技術】
【0007】
特許文献1には、カラー画像形成可能な画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、複数の感光体ユニットを搭載した装置本体に、現像ローラを有する現像カートリッジが装着される。最終的に装置本体のドアを閉めることで、ドアと連動した押圧部材が前記現像カートリッジに作用し、所定の押圧力で現像ローラを感光体ドラムに作用させる。また、特許文献2には、同じくカラー画像形成可能な画像形成装置が開示されている。この画像形成装置の場合、フレームと呼ばれるケース内に複数の感光体が取り付けられている。そのフレーム内に現像装置を取り付け、その後レバーと呼ばれる部材を使用者が動かすことで、現像装置をフレーム内に固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−178482号公報
【特許文献2】特開2003−15378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の画像形成装置は、現像カートリッジを装置本体に装着した後、ドアの閉める動作に連動させて現像カートリッジの装置本体内での位置決めを行う構成の為に、ドアと押圧部材を連動させる機構を必要とし、装置本体が複雑化する。一方、特許文献2に記載の画像形成装置は、現像装置をフレーム内に位置決めする為に、ユーザにレバー操作を行わせる必要があり、ユーザビリティ性に難がある。
【0010】
本発明の目的は、現像剤を収容するカートリッジに設けられた現像ローラを、装置本体の電子写真感光体ドラムに対して位置決めする際に、簡易な構成で、使用者の手間を煩わせない電子写真画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するための本発明に係る電子写真画像形成装置の代表的な構成は、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置であって、電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像するための現像ローラを有するカートリッジであって、前記現像を行う為の現像剤と力受け部とを有し、前記現像ローラの軸線と直交する装着方向に装着されるカートリッジと、前記カートリッジを付勢する為の付勢部材と、を有し、前記カートリッジを装着する動作によって、前記力受け部が前記付勢部材より力を付与され、前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムに対して付勢されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、現像剤を収容するカートリッジに設けられた現像ローラを、装置本体の電子写真感光体ドラムに対して位置決めする際に、簡易な構成で、使用者の手間を煩わせない電子写真画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)は実施例の画像形成装置の外観斜視図、(b)はその画像形成装置の縦断左側面図である。
【図2】図1の(b)の画像形成ユニット部分の拡大図である。
【図3】(a)は1つの感光体ユニットの左側斜視図、(b)は(a)のそのユニットから、ドラム、帯電ローラ、クリーニングブレードを取り外した感光体ケースの斜視図である。
【図4】(a)は図3の(b)の感光体ケースの右側斜視図、(b)は感光体ケースの除去現像剤排出部の拡大縦断面図である。
【図5】(a)は1つのカートリッジの右側斜視図、(b)は左側斜視図である。
【図6】(a)は画像形成ユニットの左側斜視図、(b)は右側斜視図である。
【図7】(a)はメンテナンスカバーを開いた状態の装置本体の左側斜視図、(b)は右側斜視図である。
【図8】装置本体側の規制部と画像形成ユニット側の被規制部の説明図である。
【図9】メンテナンスボタンの説明図である。
【図10】装置本体に対する画像形成ユニットの装着要領の説明図である。
【図11】(a)は装置本体に対する画像形成ユニットの装着要領の説明図、(b)は廃現像剤容器の右側斜視図である。
【図12】(a)は廃現像剤容器の左側斜視図、(b)は図11の(b)の切断線(12)−(12)に沿う断面図である。
【図13】画像形成ユニットに対する廃現像剤容器の着脱要領の説明図である。
【図14】画像形成ユニットに対するカートリッジの着脱要領の説明図である。
【図15】画像形成ユニットに対するカートリッジの着脱要領の説明図である。
【図16】画像形成ユニットに対するカートリッジの着脱要領の説明図である。
【図17】(a)画像形成ユニットに対するカートリッジの着脱要領の説明図、(b)は装着部の凹部と力受け部と被ガイド部の幅寸法の関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0015】
[実施例]
《電子写真画像形成装置例の全体的な概略構成》
図1の(a)は本実施例における電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置と称する)100の外観斜視図である。(b)は画像形成装置100の縦断左側面図である。画像形成装置100は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザープリンタである。即ち、画像形成装置100は、パソコン・イメージリーダ・相手方ファクシミリ装置等の外部ホスト装置400から制御回路部300へ入力する電気的画像信号に基づいて記録媒体(用紙)Sにフルカラーの画像を形成する。
【0016】
以下の説明において、画像形成装置100に関して、前側(正面側)とは、記録媒体Sを積載して収納する給送カセット19を装置本体100Aの内側から外側へ引き出す側である。後側とは、それとは反対側である。上側とは、メンテナンスカバー10を開放する側である。前後方向とは、画像形成装置を後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは画像形成装置を前側から見て左又は右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。長手方向とは電子写真感光体ドラム又は現像ローラの軸線方向である。装置本体100Aとは、カートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)、及び画像形成ユニット200を除いた画像形成装置部分である。本実施例の画像形成装置は右側が駆動側であり、左側が非駆動側である。
【0017】
画像形成装置100は載置台・机・床等のほぼ水平な設置面Fに載置されている。装置本体100A内の中央部には、画像形成ユニット200が配設されている。図2は図1の(b)における画像形成ユニット200部分の拡大図である。ユニット200は、複数個のカートリッジ、本実施例では第1から第4の4つの現像カートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)を取り外し可能に装着するカートリッジ装着部(装着ガイド)32lと単一の中間転写体(転写体)34を有する。本実施例においては、各現像カートリッジ33がそれぞれ対応する電子写真感光体ドラム32aは帯電ローラ32bとクリーニングブレード32cと共に感光体ユニット32(32Y・32M・32C・32K)としてユニット200に取り付けられている。帯電ローラ32bとクリーニングブレード32cはプロセス手段である。画像形成装置100は複数個のカートリッジ33を装置本体100A(ユニット200)に取り外し可能に装着して、記録媒体Sにカラー画像を形成する。ユニット200のより詳しい構成については後述する。本実施例において、各現像カートリッジ33は、収容された現像剤(トナー)の色が異なる以外は、互いに同様の構成である。但し、これに限定されるものではない。例えば、黒色の現像剤を収納している現像カートリッジ33Kは、他の色の現像剤を収納している現像カートリッジ33よりも現像剤収納部33cの容量を大きくしても良い。また、本実施例では、カートリッジ現像カートリッジを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0018】
(感光体ユニット)
各ユニット32(32Y・32M・32C・32K)は、画像形成ユニット200のサブフレーム31に固定される。各ユニット32は、ドラム32aを有する。また、ドラム32aに作用するプロセス手段としての、帯電ローラ32bと、ドラム32aの表面残った現像剤を除去するクリーニングブレード32cを有する。また、クリーニングブレード32cによって除去された現像剤をドラム32aの軸線方向に搬送する搬送スクリュー(搬送部材)32eを有する。そして、ドラム32a、帯電ローラ32b、クリーニングブレード32c及び搬送スクリュー32eは感光体ケース32dに対して所定の配置関係で組み付けられている。
【0019】
図3の(a)は、ユニット32Yについて、それを左側から見た斜視図である。(b)は(a)のユニット32Yから、ドラム32a、帯電ローラ32b、クリーニングブレード32cを取り外したケース32dの斜視図である。図4の(a)は図3の(b)のケース32dを右側から見た斜視図、(b)はケース32dの除去現像剤排出部32fの拡大縦断面図である。他のユニット32M・32C・32Kに関しては、ほぼ同構成のため、ユニット32の説明にはユニット32Yを例にとって説明する。ケース32dの右端側と左端側にはそれぞれ貫通穴で構成される軸受部32d1・32d2があり、ドラム32aを回転可能に支持している。また、軸受部32d1・32d2の内側には、ドラム32aと当接する端部シール部材32k1・32k2と、ドラム32aの軸線方向に延びるシート状のシール部材32hが設けられている。シール部材32k1・32k2・32hの各々がドラム32aの表面に当接し、ケース32d内の現像剤が外部に漏れ出るのを防止している。ケース32dの内部には、長手方向に渡って搬送スクリュー32eが設けられている。スクリュー32eの右端側には搬送ギア32iが設けられ、アイドラギア32jを介してドラム32aの右端側に設けられたドラムギア32a1より駆動力を受ける。スクリュー32eはその回転動作によって、ケース32d内の除去現像剤を矢印X7の方向(左方向)に搬送するように構成されている。スクリュー32eによって搬送された除去現像剤は、スクリュー32eの左端側にある除去現像剤排出部32fに運ばれる。排出部32fはケース32dの左端側から外側に突出した形状を有している。スクリュー32eによって搬送された除去現像剤は排出部32fに設けられた開口32g1を介して外部に排出される。開口32g1は回動可能なシャッタ32gが設けられている。シャッタ32gは回動されることで、開口32g1を開放した開放位置と、開口32g1を閉ざした閉じ位置との間を移動する。シャッタ32gは後述する廃現像剤容器40(図11〜図13)のユニット200に対する装着動作によって開放位置に移動する。これにより、ケース32d内の除去現像剤を容器40内に排出することが可能になる。容器40が装着されていない時には、シャッタ32gはバネ(不図示)により閉じ位置に付勢されているので、外部に現像剤がもれることは無い。
【0020】
各ユニット32の右端側と左端側には、それぞれ、ドラム32aの軸線と直交する方向に延びた、カートリッジ33を装着する為の装着部32lがある。装着部32lの一部には、カートリッジ33の被ガイド部(被規制部)33e1・33e3(図5)を受け入れる為の凹部32laが設けられている。また、凹部32laに隣接し、カートリッジ33をドラム32aの方向に力を付与するための力付与部材36、及び力付与部材36を付勢する付勢部材37が設けられている。
【0021】
以上、各ユニット32に、除去した現像剤を外部に搬送する搬送スクリュー32eを設けたことで、内部に除去現像剤を収容するスペースを必要としないので、ユニット32の小型化を達成できる。本実施例では、ユニット32をユニット200に固定する例に関して説明した。従って、ドラム32a等が消耗した場合には、ユニット200ごと交換する。しかし、ユニット32をユニット200に着脱可能な構成とし、ユニット32のみを交換できるようにしても良い。
【0022】
(カートリッジ)
図2に示すように、各カートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)は、ケース33aと、ドラム32aに現像剤を供給する、即ちドラム32aに形成された静電潜像を現像剤画像として現像するため現像ローラ33bを有する。また、カートリッジ33は、静電潜像の現像に用いられる現像剤を収納する現像剤収納部33cと、現像ローラ33bに現像剤収納部33cの現像剤を供給する供給ローラ33dを有する。また、現像剤収納部33cには内部の現像剤を供給ローラ33dに搬送する為の搬送部材33fが設けられている。第1のカートリッジ33Yは、現像剤収納部33cにイエロー(Y)色の現像剤が収納されていて、対応するドラム32aの面にY色現像剤画像を形成する。第2のカートリッジ33Mは、現像剤収納部33cにマゼンタ(M)色の現像剤が収納されていて、対応するドラム32aの面にM色現像剤画像を形成する。第3のカートリッジ33Cは、現像剤収納部33cにシアン(C)色の現像剤が収納されていて、対応するドラム32aの面にC色現像剤画像を形成する。第4のカートリッジ33Kは、現像剤収納部33cにブラック(K)色の現像剤を収納されていて、対応するドラム32aの面にK色現像剤画像を形成する。
【0023】
図5の(a)はカートリッジ33Yについてそれを右側から見た斜視図、(b)は左側から見た斜視図である。各カートリッジ33の説明を、このカートリッジ33Yを例にとって説明する。カートリッジ33Yはユニット200の装着部32lに対して矢印X11の方向に装着される。また、カートリッジ33Yは矢印X11とは逆の矢印X12の方向にユニット200の装着部32lから取り外される。カートリッジ33Yは装着方向の先端側に現像ローラ33bを有する。現像ローラ33bの右端側にはギア50が設けられていて、ドラムギア32a1より駆動力を受け、現像ローラ33bを回転させる。ギア50は更にギア列(不図示)を介して、供給ローラ33d、搬送部材33eに駆動を伝えている。また、現像ローラ33bの両端には、ドラム32aの表面と当接し、現像ローラ33bとドラム32a間の距離を規定するスペーサ51が設けられている。カートリッジ33Yの右端側と左端側には、それぞれ、カートリッジ33Yがユニット200に装着される際にユニット200にガイドされるための被ガイド部33e1・33e3が設けられている。被ガイド部33e1と33e3は、それぞれ、円柱形状であり、カートリッジ33Yの右端側の外側と左端側の外側に突出している。また、被ガイド部33e1・33e3の後方(被ガイド部33e1・33e3よりもカートリッジ装着方向X11の上流側)には、前述したユニット32に設けられた力付与部材36より力を受ける力受け部材33e2・33e4が設けられている。力受け部材33e2・33e4は、それぞれ、略直方体形状であり、カートリッジ33Yの右端側の外側と左端側の外側に突出していて、カートリッジ33の長手方向と直交する方向に延びている。また、カートリッジ33Yの現像ローラ33b側とは反対側には、ケース33aの底板を凹ませた、カートリッジ33Yを把持する為の第1把持部39(図2参照)が設けられている。また、カートリッジ33Yの上部にはカートリッジ33Yを把持する為の第2把持部38が設けられている。使用者は第1把持部39と第2把持部38の平面部38aを把持することでユニット200に対するカートリッジ33Yの着脱を行うことができる。また、使用者は第2把持部38を持つことでユニット200に対するカートリッジ33Yの着脱を行うことができる。以上のようにカートリッジ33Yは第1把持部39と第2把持部38を有している。また、他のカートリッジPM・PC・PKに関しては、第1把持部39のみ有している。他のカートリッジPM・PC・PKは第1把持部39とケース33aの上面部を把持することでユニット200に対する着脱を行うことができる。
【0024】
中間転写体34は、本実施例においては、回転中心34aの軸線を左右方向にし、その軸線を中心にして回転可能に水平に配設された円柱状のドラムである。各カートリッジ33は、中間転写体34の前面側において、装置本体100Aの設置面Fに対してほぼ水平の姿勢で、かつ上から下に順に垂直方向に隣接して並べられて配列されている。本実施例の画像形成装置においては、第1のカートリッジ33Yが最上段であり、第2のカートリッジ33Mがその下に位置している。第3のカートリッジ33Cが更にその下に位置している。そして、第4のカートリッジ33Kが最下段である。各カートリッジ33の現像ローラ33bは、接触現像方式として、ドラム32aに対して当接していてもよいし、非接触現像方式として、ドラム32aに対して所定の僅少な間隙(一定距離)を存して離間していても良い。
【0025】
(スキャナユニット)
図1を参照して、各カートリッジ33の前面側(前方部)には、画像露光装置としてのレーザースキャナユニット11が配設されている。このユニット11は、装置本体100A内において、装置本体の骨格となるメインフレーム110の前側フレーム110aと各カートリッジ33との間に配設されている。ユニット11は、レーザーダイオード、ポリゴンミラー、Fθレンズ、反射ミラー等を有する。そして、ユニット11は、外部ホスト装置400から制御回路部300へ入力するY・M・C・Kの各色の画像情報に対応して変調したレーザービームL(LY・LM・LC・LK)を出力して対応色のカートリッジ33におけるドラム32aを走査露光する。
【0026】
(記録媒体搬送機構)
画像形成ユニット200の下方部には、給送ユニット18が配設されている。この給送ユニット18は、記録媒体Sを積載して収納する給送カセット19、給送ローラ20、分離パッド21等を有する。給送カセット19は装置本体100Aの前側から出し入れ(挿脱)自由である(フロントローデング)。また、装置本体100A内において、中間転写体34と、装置本体100Aの後側フレーム110bとの間には、給送ローラ20から装置本体100A内の後側の上部に至る記録媒体搬送路Zが配設されている。そして、この搬送路Zを下から上に沿って、レジストローラ対18a、二次転写ローラ22、定着装置23、排出ローラ対24が配設されている。定着装置23は定着フィルムユニット23aと加圧ローラ23bを有するものを用いている。排出ローラ対24は排出ローラ24aと排出コロ24bである。装置本体100Aの上面には画像形成済みの記録媒体Sを受ける排出トレイを兼用させたメンテナンスカバー10が配設されている。カバー10は装置本体100Aの上面に設けられた開口部100Bを開閉可能な開閉部材である。開口部100Bは、後述するように、装置本体に対してカートリッジを着脱可能な着脱位置B(図10の(b)、図14、図15)に位置したユニット200に対してカートリッジ33を着脱するための開口である。
【0027】
図1の(b)は画像形成装置100が画像形成動作可能となっている状態を示している。この状態において、カバー10は開口部100Bを閉じる閉じ位置Gに閉じ込まれている。ユニット200は、各カートリッジ33が装着されていて、装置本体に対して画像形成を行う画像形成位置Aに位置している。ユニット200の中間転写体34の駆動入力部であるギア34b(図6)には装置本体100A側に設けられた駆動出力部(不図示)が連結している。また、各ユニット32とカートリッジ33の電気接点(不図示)に対して装置本体100A側に設けられた給電系統(不図示)が導通化している。ここで、前述した駆動系及びバイアス印加系については、煩雑をさけるために図には省略したが、通常の画像形成装置の場合と同様の構成を採用することができる。
【0028】
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。図1(b)、図2を参照して、各ドラム32aが矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。帯電ローラ32bはドラム32aが回転駆動されることで従動して回転する。また、中間転写体34も矢印の時計方向(ドラム32aの回転に順方向)で、ドラム32aの速度に対応した速度で回転駆動される。また、現像ローラ33bと供給ローラ33dがそれぞれ矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。スキャナユニット11も駆動される。この駆動に同期して、所定の制御タイミングで各帯電ローラ32bに対して所定の帯電バイアスが印加される。これにより、各ドラム32aの表面が帯電ローラ32bによって所定の極性・電位に一様に帯電される。スキャナユニット11は各ドラム32aの表面を対応するY・M・C・Kの各色の画像信号に応じて変調されたレーザー光L(LY・LM・LC・LK)で走査露光する。これにより、各カートリッジPのドラム32aの表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。そして、各ドラム32aの表面に形成された静電潜像が対応するカートリッジ33の現像ローラ33bにより現像剤画像として現像される。各現像ローラ33bには所定の制御タイミングで所定の現像バイアスが印加される。上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、カートリッジ33Yが対向したドラム32aにはフルカラー画像のY色成分に対応するY色現像剤画像が形成される。そして、その現像剤画像が、ドラム32aと中間転写体34との当接部である一次転写ニップ部において、中間転写体34上に一次転写される。カートリッジ33Mが対向したドラム32aにはフルカラー画像のM色成分に対応するM色現像剤画像が形成される。そして、その現像剤画像が、ドラム32aと中間転写体34との当接部である一次転写ニップ部において、中間転写体34上にすでに転写されているY色現像剤画像に重畳されて一次転写される。カートリッジ33Cが対向したドラム32aにはフルカラー画像のC色成分に対応するC色現像剤画像が形成される。そして、その現像剤画像が、ドラム32aと中間転写体34との当接部である一次転写ニップ部において、中間転写体34上にすでに転写されているY色+M色現像剤画像に重畳されて一次転写される。カートリッジ33Kが対向したドラム32aにはフルカラー画像のK色成分に対応するK色現像剤画像が形成される。そして、その現像剤画像が、ドラム32aと中間転写体34との当接部である一次転写ニップ部において、中間転写体34上にすでに転写されているY色+M色+C色現像剤画像に重畳されて一次転写される。かくして、中間転写体34上にはY色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着現像剤画像が合成形成される。なお、中間転写体34上に順次に重畳転写する現像剤画像の色順は上記の順序に限られるものではない。各ドラム32aにおいていて中間転写体34に対する現像剤画像の一次転写後のドラム面に残留した転写残現像剤はクリーニングブレード32cにより除去され、搬送スクリュー32eを介して廃現像剤容器40(図13の(b))に送られる。
【0029】
一方、所定の制御タイミングで給送ローラ20が駆動される。これにより、給送ローラ20と分離パッド21との協働で、給送カセット19内に積載収納されているシート状の記録媒体Sが1枚ずつ分離されて給送される。そして、その記録媒体Sがレジストローラ対18aにより所定の制御タイミングで、中間転写体34と二次転写ローラ22との当接部である二次転写ニップ部に導入される。二次転写ローラ22には現像剤の帯電極性とは逆極性で所定電位の二次転写バイアスが所定の制御タイミングで印加される。これにより、記録媒体Sが二次転写ニップ部を挟持搬送されていく過程で中間転写体34上の4色重畳の現像剤画像が記録媒体Sの面に順次に二次転写される。二次転写ニップ部を通過した記録媒体Sは中間転写体34の面から分離されて定着装置23へ導入され、定着ニップ部で加熱・加圧される。これにより、各色の現像剤画像の混色及び記録媒体Sへの定着がなされる。そして、記録媒体Sは定着装置23を出て、フルカラー画像形成物として排出ローラ対24により排出トレイ兼用のカバー10上に排出される。中間転写体34からの記録媒体Sの分離後に中間転写体34の表面に残留した二次転写残トナーは除去される。本実施例の場合は、ユニット32Yのドラム32aと中間転写体34との一次転写ニップ部においてドラム32aの表面に静電的に付着して、クリーニングブレード32cにて除去される。
【0030】
中間転写体34はドラム形状の回転体である。中間転写体34には各ドラム32aに形成された、異なった色の現像剤画像が重ねて転写される。そして、中間転写体34は、重ねて転写された現像剤画像を一括して記録媒体Sに転写する。これによって記録媒体Sにカラー画像が形成される。モノクロ画像を形成する場合は、中間転写体34にはカートリッジ33Kが対向したドラム32aに形成されたK色現像剤画像が転写される。そして、中間転写体34は、転写されたK色現像剤画像を記録媒体Sに転写する。記録媒体SにK色画像が形成される。二次転写ローラ22は、本実施例においては、シフト機構(不図示)により、中間転写体34に当接して二次転写ニップ部を形成する第1位置と、中間転写体34から非接触に離れた第2位置とに移動可能である。そして、二次転写ローラ22は画像形成装置100の画像形成動作時には第1位置に移動され、非画像形成時には第2位置に移動される。二次転写ローラ22を中間転写体34に対して常時当接させる構成にすることもできる。
【0031】
《画像形成ユニット》
図6を参照してユニット200の構成を説明する。(a)はユニット200を左側から見た斜視図、(b)は右側から見た斜視図である。ユニット200は、装置本体100Aのメインフレーム110に対して着脱可能なサブフレーム31を有する。サブフレーム31は、円筒の基体の周面に弾性体を被覆された中間転写体34を回転可能に支持する。中間転写体34はこのサブフレーム31の左側板31Lと右側板31Rとの間に中心軸(回転中心)34aの左端部と右端部が回転可能に軸受されて支持されている。左側板31Lと右側板31Rの外面側には、それぞれ、中間転写体34の中心軸34aと同軸に、左軸部45Lと右軸部45Rが側板31L・31Rに対して一体に固定されて配設されている。中間転写体34の右端側には、各ドラム32aに駆動力を伝えるギア34bが設けられていて、装置本体駆動源(不図示)より伝達された駆動力をドラムギア32a1に伝達する。中間転写体34の周囲には、前述した各感光体ユニット32(32Y・32M・32C・32K)が各ドラム32aを中間転写体34に当接させた状態で配置されている。ユニット32の各々は位置決め構成(不図示)によりサブフレーム31に対して位置決めされてビス等により固定されている。これにより、各ユニット32のドラム32aと中間転写体34は高精度にお互いの位置決めをすることができる。また、各ドラム32aは中間転写体34に対して所定の押圧力で当接している。各ユニット32はサブフレーム31に対して矢印X1の方向より挿入されて固定される。この際、各ユニット32の左端側に設けられた除去現像剤排出部32fは、サブフレーム31の左側板31Lに設けられた対応する開口部31kを通ってサブフレーム31内に挿入される。除去現像剤排出部32fは左側板31Lより外側に突出する形でサブフレーム31に設置される。開口部31kを設けることで、ドラム32aの軸線方向に突出した除去現像剤排出部32fであっても、ドラム32aの軸線と直交する方向に取り付けることができる。サブフレーム31の右側板31Rには、装置本体100A内でのユニット200の回転規制を行う被規制部31lが設けられている。ユニット200は、左軸部45L、右軸部45R、被規制部31lによって、装置本体内100Aに位置決めされる。詳細は後述する。中間転写体34の装置本体100A内での位置決め部である左軸部45Lと右軸部45R、及び回転被規制部31lを、同一の部材であるサブフレーム31に設けたことにより、中間転写体34の装置本体100A内での位置が高精度に決まる。ユニット200を所定の角度回動させるために、把持部31mがサブフレーム31の上部に設けられている。使用者は把持部31mを把持することで、ユニット200を、画像形成を行う画像形成位置A(図1の(b)、図2)と、カートリッジ33を着脱するための着脱位置B(図10の(b)、図14、図15)との間で回動することができる。また、サブフレーム31の右側板31Rの一部には、ユニット200が所定の角度回動した際に、その回転位置を規制するための回転被規制部31nが設けられている。被規制部31nは、装置本体100A側の後述する規制部46(図7、図8)と係合して位置を規制される。被規制部31nは断面形状が三角形状の貫通穴である。また、被規制部31nに至る右側板31R上には、回転規制部46をガイドするためのガイド部31oが設けられていて、規制部46を被規制部31nにガイドしている。サブフレーム31の左側板31Lと右側板31Rを繋いでいる天板31C上には、カバー10に設けられた後述するユニット付勢バネ35によって押圧され、ユニット200を装置本体100A内で位置決めする為の被押圧部31pが設けられている。先述したように、サブフレーム31に固定された感光体ユニット32には、カートリッジ33を取り外し可能に装着する為のカートリッジ装着部(以下、装着部)32lが複数設けられている。この複数の装着部32lは、本実施例においては、第1乃至第4のカートリッジ33Y・33M・33C・33Kを取り外し可能に装着するための装着部である。
【0032】
(画像形成ユニット装着部)
図7に示すように、装置本体100Aの左側フレーム110Lの内側と右側フレーム110Rの内側には、各々対向した状態で左側ガイド板80Lと右側ガイド板80Rが固定されて配設されている。このガイド板80L・80Rは、それぞれ、サブフレーム31の左右の軸部45L・45Rを回転可能に軸受して支持する位置決め部80aと、軸部45L・45Rを位置決め部80aへガイドするガイド部80bを備えている。右側ガイド板80Rには、ガイド部80bと連続した回転規制部80cが設けられていて、先述のユニット200に設けられた回転被規制部31lが当接し、ユニット200の回転規制を行う。右側ガイド板80Rの上部には、ユニット200の被規制部31nを介してユニット200の回転角度位置を規制する規制部46が進退自在に設けられている。規制部46の先端は、図8の(a)に示すように、テーパ面46aを有している。規制部46は、付勢部材47によって装置本体100Aの内側に向けて矢印Y0の方向に付勢されている。規制部46にはフランジ部46bが設けられていて、ガイド板80Rからの脱落を防止している。
【0033】
(画像形成ユニットの装着)
続いて、ユニット200の装置本体100A内への装着に関して説明する。カバー10は後辺側が装置本体100Aに対してヒンジ軸10aを介して回動可能に連結されており、装置本体100Aの上面の開口部100Bを閉じる閉じ位置G(図1の(b))と、開口部100Bを開放する開放位置H(図7)と、を取り得る。即ち、カバー10はヒンジ軸10aを中心に装置本体100Aの上方において開閉回動されて開口部100Bを開閉可能な開閉部材である。カバー10の閉じ位置(閉鎖位置)は、図9の(a)のように、装置本体100Aの前面に配設されたメンテナンスボタン36側に設けられている係止爪部36aとカバー10側に設けられている係止爪部10bとの係合(ラッチ係合)により維持されている。係止爪部36aが本体側係止部、係止爪部10bが開閉部材側係止部である。カバー10の閉鎖解除はボタン36を押すことでなされる。ボタン36を戻しバネ(不図示)に抗して後方に押すと、ボタン36側の係止爪部36aが2点鎖線示のようにカバー10の係止爪部10bから後方に逃げてラッチ係合が外れる。これにより、カバー10をヒンジ軸10aを中心に開放位置Hに回動させて、開口部100Bを大きく開放することができる。本実施例では、係止爪部36aと係止爪部10bとが弾性的に、解除可能に係止している。しかしながら、本実施例はこれに限定されるものではない。例えば、一方に設けられている穴(係止部)に他方に設けられている爪(係止部)が弾性的に、解除可能に係止していても良い。
【0034】
ユニット200の装置本体100A内への装着は、図10の(a)ように、カバー10を開放位置Hに回動して開口部100Bを大きく開放する。そして、開口部100Bからユニット200を装置本体100A内へ挿入することでなされる。ユニット200は、左右の軸部45L・45Rを、それぞれ、装置本体100A側の左右のガイド板80L・80Rに対向して設けられたガイド部80bに係合させて挿入して装置本体100A内に装着される。その後、ガイド部80bの延長線上に設けられた位置決め部80aに軸部45L・45Rを当接させる(図10の(b))。この時、中間転写体34の一端側に設けられたギア34b(図6)は、装置本体100A内に設けられた駆動ギア(不図示)と連結する。その後、ユニット200を、把持部31mを把持して図11の(a)に示す矢印X2の方向に回動させる。装置本体100A内の矢印X2方向の下側には、メインフレーム110の下部ステー110cの上面にバネ部材48が設けられている。このバネ部材48は、ユニット200が回動してきた際に、ユニット200のサブフレーム31の下面に当接し、ユニット200の回動動作による衝撃を緩和する機能を有している。矢印X2方向に回動されたユニット200は、バネ部材48に上方向に付勢された状態で回動動作を停止する。その後、カバー10を閉じ位置Gに回動して、ユニット200の装置本体100A内への装着が完了する。ユニット200は、装置本体100A内の左右のガイド板80L・80R間において、軸部45L・45R、即ち中間転写体34の回動中心34aを中心として回動可能に配設されている。これにより、ユニット200は、画像形成を行う画像形成位置A(図1の(a)、図2)と、カートリッジ33を着脱するための着脱位置B(図10の(b))と、を取り得る。これについては後述する。
【0035】
(廃現像剤容器)
図11の(b)は廃現像剤容器40の右側斜視図、図12の(a)は左側斜視図、(b)は図11の(b)の切断線(12)−(12)における断面図である。前述したように、各感光体ユニット32(32Y・32M・32C・32K)において、ドラム32aの表面上に残留した現像剤をクリーニングブレード(清掃部材)32cによって除去した後、搬送スクリュー(搬送部材)32eによって搬送方向に搬送される。搬送された廃現像剤は、搬送スクリュー32eの搬送方向下流側であるユニット200の左端側に着脱可能に設けられた容器40に収容される。容器40は、収納容器41と蓋42とを溶着等で一体化したものである。収納容器41には、各ユニット32に対応した廃現像剤受け入れ開口41aが設けられている。また各開口41aは収納容器41に設けられた凹部41b内に位置し、凹部41bはユニット32の除去現像剤排出部32fの通過を許容する大きさを有している。各開口41bの周囲には除去現像剤排出部32fと当接して、外部への現像剤飛散を防止するシール部材43が設けられている。シール部材43は収納容器41に両面テープ等で固定されている。シール部材43には、開口41aと略同一な大きさの開口が設けられている。開口41aの下側には収納部41cが形成され、開口41aを通して受け入れた廃現像剤を収容する。収納容器41の右側部には、容器40をユニット200に装着する為の被ガイド部41d〜41fが設けられている。容器40は被ガイド部41d〜41fを介してユニット200に装着され、位置決めされる。蓋42には、容器40をユニット200に着脱する為の把持部42aが設けられている。把持部42aは蓋42に凹みを設ける形で構成されている。容器40内に、規定量以上の廃現像剤が収容された際には、使用者は把持部42aを把持してユニット200から取り外し、新品の容器40と取り替える。或は、容器40内の廃現像剤のみを廃棄した後、再度使用することも可能である。
【0036】
(廃現像剤容器の画像形成ユニットへの装着)
容器40は、ユニット200が着脱位置B(図10の(b))に位置する状態で着脱される。サブフレーム31の左側板31Lの外表面には、図6の(a)や図13の(a)のように、ガイド部31m1〜31m3が設けられている。各ガイド部31m1〜31m3に、容器40に設けられた被ガイド部41d〜41fを矢印X3の方向に挿入していく。ガイド部31m2内には板バネ状の付勢部材49が設けられていて、被ガイド部41eを受け入れた後、矢印X4の方向に被ガイド部41eを付勢する。被ガイド部41eは付勢部材49に付勢されることで、ガイド部31m2の後端に設けられた位置決め部31m4に、その被位置決め部41e1(図11の(b))を当接させ、前後方向の位置決めを行う。また、被ガイド部41eの上下方向の幅は、ガイド部31m2の上下方向の幅と略同一なので、上下方向の位置決めも同時に行われる。更に付勢部材49により矢印X3の方向と逆方向への移動を規制される為、ユニット200の回動動作中にユニット外に抜け出ることが無い。以上のように、容器40はユニット200に着脱される(図13の(b))。この一連の装着動作により、容器40は不図示のアクチュエータで各ユニット32に設けられたシャッタ32gを開放位置に移動させる。装着が完了すると、容器40に設けられた開口41aが、ユニット32に設けられた開口32g1と対向し、搬送スクリュー32eによって搬送されてくる廃現像剤を受け入れることが可能となる。
【0037】
容器40を交換する際には、前述のように、把持部42aを把持してユニット200から取り外す。ユニット200を着脱位置Bに位置させた状態で、後述するカートリッジ33の着脱位置Bと同位置で容器40も交換することができる。容器40を取り外す動作に応じて、ユニット32の開口はシャッタ32gのバネ部材による移動により閉ざされる。一方、容器40の開口41aには、コストを抑える為にシャッタ等の部材を設けていない。しかし、容器40の着脱方向(図13の(a)のX3方向及びその逆方向)では、開口41aが重力方向下側を向くことがない構成としたので、シャッタ等を設けずとも内部の廃現像剤が外部に漏れることを極力抑えることができる。容器40をユニット200に着脱できるようにしたことで、使用者はカートリッジ33の交換と容器40の交換とを同一の方法により行うことが可能となり、ユーザビリティ性に優れている。また、容器40の着脱方向と、後述するカートリッジ33の着脱方向とを同一方向に設定しているので、使用者は両者の操作を容易に行うことができる。ここで、同一方向とは、ユニット200の位置を変えなくとも、容器40とカートリッジ33の着脱が行えれば良く、多少方向がずれていても構わない。容器40を取り付けるユニット200のガイド部31m1〜31m3は、サブフレーム31の外表面に設けてある。従って、容器40を収納する為の収納空間をサブフレーム31内に設ける必要が無く、装置の小型化を達成できる。また、容器40の取り付け位置は、ドラム32aの軸線方向で、ドラムギア32a1、搬送ギア32f等の駆動系(駆動伝達部)が設けられている駆動側とは反対側の非駆動側に設けた。従って、駆動系の配置に自由度を与えることができ、結果的に装置の小型化が可能となった。
【0038】
(カートリッジの装着)
ユニット200に対する各カートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)の着脱はユニット200が着脱位置B(図10の(b))に位置する状態でなされる。先ず、カバー10を、開口部100Bを閉じる閉じ位置から、開口部100Bを開放する開放位置へと移動する(図11の(a))。次に、ユニット200に設けられた把持部31mを把持してユニット200を着脱位置Bに回動させる(図10の(b))。上記回動動作で規定の角度回転させると、装置本体100Aに設けられた規制部46が、サブフレーム31に設けられた被規制部31nに係合する。この時点で、ユニット200は着脱位置Bに規制部46によってその位置を規制される。つまり、ユニット200は、着脱位置Bに仮固定され、画像形成位置Aの方向への移動を規制された状態となる。ユニット200が着脱位置Bに規制されるので、使用者は把持部31mを離した状態で、カートリッジ33の着脱作業を行うことができるので、ユーザビリティ性が良い。
【0039】
初めにカートリッジ33(33M、33C、33K)に設けられた第1把持部39(図2)と、現像器ケース33aの一部を把持する。カートリッジ33Yに関しては、第1把持部39と第2把持部38の平面部38a(図5)を把持する。或は第2把持部38のみを把持する。そして、各カートリッジ33をユニット200の対応する装着部32lに対して装着する。装着方向は、現像ローラ32bの回転軸線と直交する方向(装着方向)から装着される。
【0040】
即ち、図14の(a)に示すように、カートリッジ33の右側と左側の被ガイド部33e1(不図示)・33e3を、それぞれ、ユニット32に設けられた右側と左側の装着部32lに挿入する。続いて、被ガイド部33e1・33e3よりもカートリッジ装着方向上流側に設けられた力受け部33e2(不図示)・33e4を挿入する。被ガイド部33e1・33e3は装着部32lにガイドされ、ドラム32aの方向に向かって内部に挿入されていく。被ガイド部33e1・33e3は、装着部32lに設けられた力付与部材36に当接する。本実施例における力付与部材36は山形形状部材あり、被ガイド部33e1・33e3はその山形形状部に当接する。規制部材36は自由状態においては、付勢部材37の付勢力によって押し上げられて山形形状部が装着部32lの凹部32la内に進入していて上面が凹部32laの天井面に付き当たって受け止められている。更にカートリッジ33の挿入を進めると、被ガイド部33e1・33e3は力付与部材36の山形形状部をカム斜面として力付与部材36を付勢している付勢部材37の付勢力に抗して押し下げる作用をする。これにより、規制部材36が装着部32lの凹部32la内から退避する矢印X5の方向に押し下げられて、被ガイド部33e1・33e3が力付与部材36の上面と凹部32laの天井面との間に進入する。ここで付勢部材37の付勢方向は、装着部32lの方向を向いている。その後、被ガイド部33e1・33e3が更に先に進んで力付与部材36の位置を通過すると、力付与部材36は付勢部材37の付勢力によって、再び矢印X6方向に移動し元の位置に戻る。使用者は、被ガイド部33e1・33e3が力付与部材36を付勢力に抗して押し下げて、更に力付与部材36が元の位置に戻り付勢力が解除されることで、適度の装着感を得ることができる。その後、力受け部33e2・33e4が力付与部材36に当接し、力付与部材36を再び矢印X5方向に押し下げる。更にカートリッジ33の装着を進めると、現像ローラ33bの左右両端部に設けられたスペーサ51(図5)がドラム32aの表面に当接する。また、被ガイド部33e3は、その一部を装着部32lの先端側にある位置決め部32lcに当接させる(図14の(b))。一方、反対側では図15の(a)に示すように、被ガイド部33e1と装着部32lの間には隙間gを設けている。
【0041】
以上のようにして装着動作が完了する(図14の(b)、図15の(a))。この時、力受け部33e2・33e4は力付与部材36により矢印X6方向に力を受けた状態で静止する。図17の(b)に示すように、力受け部33e2・33e4の矢印X6方向の幅Wcは、装着部32lの凹部32laの幅Waよりも小さく設定されている。一方、被ガイド部33e1・33e3の幅Wbは、装着部32lの凹部32laの幅Waとほぼ同一寸法に設定されている。また、被ガイド部33e1、33e3は、カートリッジ33の装着方向X11で、現像ローラ33bと力受け部33e2・33e4の間に設けている。ここで、現像ローラ33bの回転軸線を法線とする断面で見て、被ガイド部33e1・33e3としての円柱の中心と現像ローラ32bの中心とを結んだ線LX1と、現像ローラ32bの中心とドラム32aとの中心を結んだ線LX2は、お互いに交差している。更に、LX1と付勢部材37の付勢方向である矢印X6はお互い交差している。従って、カートリッジ33は、力受け部33e2・33e4が力付与部材36より力F1を受ける。これにより、被ガイド部33e1・33e3を支点として矢印X10方向のモーメントが発生し、現像ローラ33bの両端に設けられたスペーサ51をドラム32aの表面に当接させる。スペーサ51はドラム32aに対して、付勢力F2で当接することとなる。つまり、力付与部材36により、現像ローラ33bはドラム32aに対して付勢された状態で位置決めされる。ここで、現像ローラ33bの回転軸線を法線とする断面で見て、現像ローラ33bのドラム32aと対向する部分(或は当接する部分)と、被ガイド部33e3(反対側の33e1でも同様)間の距離Z1とする。また、力受け部33e4(反対側の33e2でも同様)の力付与部材36により力を受ける場所と、被ガイド部33e3間の距離Z2とする。そして、距離Z1と距離Z2を比べた場合、Z1<Z2となっている。従って、付与力F1を小さくしても、てこの原理により大きな付勢力F2を得ることができる。つまり、付勢部材37の付勢力を小さく設定できるので、使用者が現像カートリッジ33を装着する際に装着力を小さくできるので、ユーザビリティ性が良い。尚、本実施例では、力付与部材36を付勢部材37と別体の場合を説明した。しかし、力付与部材36を省略し、付勢部材のみで力受け部33e2・33e4に力を付与しても良い。この場合、本実施例で示したコイル状の付勢部材37よりも、板状の付勢部材で構成するのが良い。また、本実施例では、付勢部材37が力受け部33e2・33e4に力を付与する方向は、矢印X6方向で示される。一方、カートリッジ33を装着部32lに装着する装着方向は矢印X11で示される。2つの矢印X6、X11はお互いに直交している。このように力の方向をお互い直交させることにより、カートリッジ33の装着部32lへの装着動作によって、現像ローラ33bをドラム32aに対して付勢された状態で位置決めできる。尚、本実施例では2つの矢印X6、X11が直交する場合を例に示したが、多少ずれていても良く、2つの方向が交差していれば良い。しかし直交させた方が、付勢部材37の付勢力を効率良く使用できる。
【0042】
以上のように本実施例によれば、使用者は現像ローラ32bをドラム32aに対して位置決めする際に、現像カートリッジ33を装着部32lに対して挿入する動作だけで良い。つまり、使用者は装着動作を行うのみで良く、それ以外の動作を行うことなくカートリッジ33を装着できるので、ユーザビリティ性に優れる。また、前記特許文献1のようにカートリッジを装着した後、装置本体のドアに連動させて、押圧部材を移動させて、現像ローラをドラムに押圧させるといった複雑な機構を取る必要がない。本実施例では、装着部32lの一部に付勢部材37、或は力付与部材36を設けるだけでよく、構成が簡単である。
【0043】
また、本実施例では、カートリッジ33を現像ローラ33bの軸線と直交する装着方向X11に装着し、その装着動作によって付勢部材37より力を付与される構成とした。従って、仮に現像ローラの軸線方向に装着して、その装着動作で現像ローラをドラムに付勢する方式に比べ、現像ローラ33bがドラム32aと摺擦する心配がない。つまり、現像ローラの軸線方向にカートリッジを装着する方式にした場合、カートリッジの装着過程で、現像ローラがドラムと摺擦する可能性があり、現像ローラ、或はドラムの表面にダメージを与える。一方、本実施例では、カートリッジ33の装着過程で、ドラム32aの表面と現像ローラ33bの表面とが摺擦する可能性が低く、現像ローラ33b、或はドラム32aがダメージを受けにくい。
【0044】
また、本実施例では複数のカートリッジを有するカラー画像形成装置の例を示したが、単一のカートリッジからなる単色の画像形成装置にも適用可能である。
【0045】
(画像形成ユニットの画像形成位置への移動)
図15の(b)のように、各カートリッジ33のユニット200に対する装着が完了すると、使用者はユニット200を画像形成位置Aの方向へ回動させる。先ず、ユニット200の最上段に設けられたカートリッジ33Yの第2把持部38を把持する、若しくはユニット200のサブフレーム31に設けた把持部31mを把持して、ユニット200に対し矢印X8の方向へ力を加える。力を付与されたユニット200は、その位置(着脱位置)Bを規制していた規制部46が被規制部31nより離脱し、回動可能な状態となる。規制部46と被規制部31nは、図8の(b)に示すように、ユニット200の回動方向である矢印X8に対して傾斜した面を形成している。そして、図8の(c)に示すように、ユニット200は矢印X8方向への回動動作により被規制部31nが規制部46を矢印Y1方向に退避させることで回動する。規制部材46を矢印Y0方向に付勢している付勢部材47を一定以上の付勢力に設定しておくことで、ユニット200の着脱位置Bにおけるカートリッジ33の着脱動作では被規制部31nが規制部46より外れないようにする。一方、使用者による回動動作ではその規制が解除されるような付勢力に設定しておくと良い。ユニット200は左軸部45Lと右軸部45Rを中心にして位置決め部80aに支持された状態で回動する。
【0046】
ユニット200は、使用者により第2把持部38、或は把持部31mを把持されて矢印X8の方向に移動する。使用者は第2把持部38、或は把持部31mのどちらを把持しても構わない。本実施例においては、カートリッジ33Yに設けられた第2把持部38がユニット200の外側にある構成のため、把持しやすく、また認識しやすい。つまり、第2把持部38は把持部31mよりもユニット200の半径方向で外側に位置している。第2把持部38には、使用者が手を挿入できる凹部38bを有している。凹部38bはユニット200の半径方向外側に開口しているので、ユニット200を移動する際に操作しやすい。第2把持部38は、ユニット200を着脱位置Bから図15の(a)の着脱手前位置C、或は着脱位置Bから画像形成位置Aに回動するために把持する部分である。また、着脱手前位置C、或は画像形成位置Aにあるユニット200を着脱位置Bに回動するために把持する部分でもある。第2把持部38は、複数のカートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)の中で、画像形成位置Aから着脱位置Bへ向かう回動方向(矢印X9の方向)で最下流側に設けられたカートリッジ33Yに設けられている。仮にカートリッジ33Yが装着されていない時には、サブフレーム31に設けた把持部31mを把持するのが良い。
【0047】
使用者が第2把持部38を把持してユニット200を操作する際に、被ガイド部(被規制部)33e1・33e3は規制位置Dに位置している規制部材36で移動を規制されている。従って、仮に第2把持部38を把持してユニット200を移動させる際に、カートリッジ33Yに対してユニット200外に抜ける力が多少働いたとしても、規制部材36によって規制され、ユニット200外に脱落したりすることが無い。また、現像ローラ33bがドラム32aに付勢された状態で位置決めされているので使用者によるユニット200の操作により、ドラム32aと現像ローラ3bの表面が必要以上に摺擦したりすることを防ぐことができる。つまり、力付与部材36は、ユニット200を着脱位置Bから着脱手前位置C、或は画像形成位置Aに回動する時、またその反対方向に回動する時に、カートリッジ33Yが外部に脱落するのを規制する。そして、ドラム32aと現像ローラ33bの相互移動を規制する。この時、力付与部材36は規制位置に位置している。力付与部材36を付勢している付勢部材37の付勢力は、第2把持部38を把持してユニット200を回動させる際にはカートリッジ33Yの外部への移動を規制する。かつ、着脱位置Bにおいては、使用者の着脱動作に応じて被ガイド部33e1・33e3が力付与部材36の規制を乗り越えることが可能な付勢力に設定する。他のカートリッジ33(33M、33C、33K)に関しても、力付与部材36により規制されているので、ユニット200外へ脱落することが無い。また、被ガイド部33e1・33e3の上下は、装着部32lにも規制されているので、使用者が第2把持部38を把持してユニット200を矢印X8・X9の方向に移動させても、カートリッジ33Yが外部に抜け出ることは無い。
【0048】
装置本体100Aにおいて、メインフレーム110の下側ステー110cの上面にはバネ部材(付勢部材)48が設けられている。ユニット200を図15の(b)の着脱位置Bから画像形成位置Aの方向へ回動していくと、図16の(a)のように、画像形成位置Aよりも手前の位置Cにおいて、ユニット200のサブフレーム31の下面が上記のバネ部材48に当接する。従って、使用者がユニット200をある程度強い力で下方向に回動したとしても、バネ部材48によりその力を受け止めることができる。ユニット200の重量によって下方向に生じる力よりも、バネ部材48の付勢力が十分に大きいので、ユニット200はバネ部材48に付勢力を受けた状態で静止する。この時、ユニット200の回転被規制部31l(図6の(b))は、ガイド板80Rに設けた回転規制部80c(図7の(a))に当接してなく、画像形成位置Aよりも手前の位置に位置する。この位置を着脱手前位置Cとする。バネ部材48を設けたことで、ユニット200を使用者が回動させる際に、衝撃等でユニット200、カートリッジ33、感光体ユニット32、及び装置本体100A内の部材を破損してしまうのを防止することができる。バネ部材48は、ユニット200と装置本体100Aの間に設けられていれば良く、ユニット200に設けても良い。つまり、ユニット200を着脱位置Bから画像形成位置Aに移動する際に、ユニット200と装置本体100Aの両者に挟まれるように当接する構成にしておけばよい。尚、本実施例ではバネ部材48として板状のバネ部材を用いたが、コイルばね等で形成しても良い。ユニット200とそこに挿入されているカートリッジ33等の重量によっては、バネ部材48を省略しても構わない。図17(a)はバネ部材48を省略した場合の図である。この場合には、ユニット200は、着脱手前位置Cを経ずに、サブフレーム31の下面がメインフレーム110の下側ステー110cの上面に直接受け止められて画像形成位置Aに位置することとなる。図16の(a)のように、ユニット200が着脱手前位置Cに位置した状態で使用者は第2把持部38、或は把持部31mの把持を止めて、カバー10を開放位置Hから閉じ位置Gへと移動させる(図16の(b))。カバー10は、閉じ位置Gよりも手前の位置まで回動すると、カバー10の内面側に設けられた付勢バネ(押圧部材)35が着脱手前位置Cに位置しているユニット200のサブフレーム31の天板31Cに設けた被押圧部31p(図6)に当接する。その後も、バネ35及びバネ部材48付勢力に抗してカバー10を閉じ方向に回動させる。付勢バネ35の付勢力は、バネ部材48の付勢力よりも大きいので、ユニット200はバネ部材48の付勢力に抗して、その軸部45L・45Rを位置決め部80aへ当接させる。更に回転被規制部31lをガイド板80Rに設けた回転規制部80cに当接させる。これにより、ユニット200が装置本体100Aに対して画像形成位置Aに位置決めされる。また、図9の(b)のように、カバー10側に設けられている係止爪部10bがメンテナンスボタン36側に設けられている係止爪部36aに対応する。そして、更なるカバー10の閉じ方向への回動により、カバー10が閉じ位置Gに十分に移動すると、図9の(a)のように、カバー10側の係止爪部10bがメンテナンスボタン36側の係止爪部36aと係合(ラッチ係合)する。これにより、カバー10が閉じ位置Gに係止される。カバー10は、バネ35とバネ部材48の圧縮反力(弾性力)により、カバー10は開き方向へ移動付勢されるが、上記のように係止爪部10b・36aにより装置本体100Aに固定される。そのため、ユニット200は、バネ35により装置本体100Aに押圧されて画像形成位置Aに位置決めされた状態で静止する(図1の(b))。即ち、ユニット200は、カバー10、カバー側の係止爪部10b、メンテナンスボタン側の係止爪部10b、バネ35、回転被規制部31l、及び、回転規制部80cの協働によって、画像形成位置Aにロックされる。尚、本実施例では付勢バネ35をカバー10に取り付けた例に関して説明した。しかし、ユニット200に付勢バネを設け、カバー10の一部をその付勢バネに当接させても良い。つまり、カバー10の閉じ動作に連動し、ユニット200とカバー10の両者に挟まれて当接する構成であれば良い。
【0049】
以上の操作により、画像形成装置100は画像形成動作(プリント動作)可能な状態になっており、画像形成開始信号(プリントスタート信号)に基づいて、前述のような画像形成動作がなされる。即ち、画像形成位置Aに位置しているユニット200の中間転写体34の駆動入力部であるギア34bに対して装置本体側の駆動出力部(不図示)が連結している。また、各感光体ユニット32のドラムギア32a1が上記のギア34bに対して連結している。また、各カートリッジ33の現像ローラ33bのギア50が連結している。また、各感光体ユニット32と各カートリッジ33の電気接点に対して装置本体側の給電系統が導通化している。これにより、画像形成装置は画像形成動作可能な状態になっている。
【0050】
本実施例の画像形成装置100は、図1の(b)に示すとおり、設置面Fに対して水平方向にほぼ並んで、スキャナユニット11、カートリッジ33、ドラム32a、中間転写体34、及び、記録媒体Sの搬送路Zが配置されている。そして、装置100の上方には、排出トレイを兼用したカバー10、及び、装置100の下方には、カセット19が配置されている。そして、スキャナユニット11からのレーザー光L(LY・LM・LC・LK)がカートリッジ33の後方からドラム32aに照射される。また、各ドラム32aから中間転写体34に転写された各色の現像剤画像は、中間転写体34を挟んで各ドラム32aが配置されているのとは反対側でもって記録媒体Sに転写される。さらに本実施例によれば、ユニット200にドラム32aを取り付け、また、ユニット200(装着部32l)に取り外し可能にカートリッジ33を装着した状態で、ユニット200を画像形成位置AAと着脱位置Bとの間を回動することができる。そして、ユニット200を画像形成位置Aから着脱位置Bに回動することによって、ユニット200に対するカートリッジ33の着脱を行う。このような構成によって、装置100を小型化できる。
【0051】
(カートリッジ、廃現像剤容器の交換)
各カートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)は画像形成に使用されるにつれて、カートリッジ33の現像剤収納部33cに収容されている現像剤が消費される。そこで、例えば、各カートリッジ33の現像剤残量を検知する手段(不図示)を具備させて、制御回路部300において、検知残量値を、予め設定したカートリッジ寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。検知残量値が閾値よりも少ない残量値となったカートリッジ33については、画像形成装置100の操作部101に設けられた表示部102(図1の(a))そのカートリッジ33についての寿命予告或いは寿命警告を表示させる。或いは外部ホスト装置400の表示部(不図示)に、そのカートリッジ33についての寿命予告或いは寿命警告を表示させる。これにより使用者に、交換用のカートリッジの準備を促す、或いはカートリッジの交換を促して、出力画像の品質を維持するようにしている。また,廃現像剤容器40に関しても、容器内に規定以上の廃現像剤が収容されたことを検知し、それを表示部102等に表示して使用者に容器40の交換を促すようにしている。
【0052】
本実施例の画像形成装置100においては、ユニット200に装着されている各カートリッジ33の交換、及び廃現像剤容器40の交換は、カバー10を開けて装置本体100Aの上面開口部100Bを開放することによりなされる。図1の(b)のように閉じ位置Gに係止されているカバー10の閉鎖解除は、装置本体100Aの前面に配設されているメンテナンスボタン36を図9の(a)の2点鎖線示のように使用者が押すことでなされる。使用者がボタン36をバネ(不図示)に抗して後方に押すと、ボタン36側の係止爪部36aが2点鎖線示のようにカバー10側の係止爪部10bから後方に逃げてラッチ係合が外れる。これによって、カバー10は、バネ35及びバネ部材48の圧縮反力(弾性力)により押し上げられる。カバー10は、ヒンジ軸10aを中心にバネ35とバネ部材48の作動長分(自由長への復元長さ分)に対応する角度だけ装置本体100Aから開き方向へ回動する。即ち、カバー10がバネ35とバネ部材48の弾性力によって自動的に半開き状態になる。図9の(b)と図16の(b)は、カバー10の半開きの状態を示している。ボタン36は、その後使用者が指を離すことで、付勢バネ(不図示)の力(弾性力)により元の位置に復帰した状態となる。この時、係止爪部10bはカバー10の上記の半開き移動により上方に位置しているから、復帰した係止爪部36aとは係合しない(図9の(b))。使用者は半開き状態となっているカバー10の取手部10dに手指を掛けてカバー10を図16の(a)に示すように開放位置Hまで手動操作によって開く。カバー10は開放位置Hまで十分に開かれることで、装置本体側のストッパ部に受け止められて爾後手を離しても開き状態が安定に保持される。或いは、クリック止め機構やキャッチ機構により係止されて爾後手を離しても開き状態が安定に保持される。これにより、装置本体100Aの上面開口部100Bが十分に大きく開放された状態になる。また、ユニット200は、カバー10の閉じ位置Gに対する係止が解除されることで付勢バネ35による付勢力(押圧)が解除される。これにより、ユニット200は、バネ部材48の付勢力により画像形成位置Aから着脱手前位置Cに移動する。カバー10が開けられて開放された開口部100Aには着脱手前位置Cに移動したユニット200が露呈している。使用者は着脱手前位置Cに移動しているユニット200を見て、その後ユニット200を操作する方向を示唆される。つまり、ユニット200に装着されたカートリッジ33が着脱位置方向へと移動(矢印X9方向への移動)しているのを見て、使用者は直感的に次の動作であるユニット200の矢印X9方向への操作を感じることができる為、使用者の操作を補助することができる。また、カートリッジ33Yの第2把持部38、及びサブフレーム31の把持部31mが、ユニット200の回動方向(開口部100B方向)に飛び出してくるので、使用者は第2把持部38、及び把持部31mを認識しやすく、その後の操作を実行しやすい。使用者は第1把持部38、及び把持部31mのどちらかを把持して、ユニット200を矢印X9方向に回動して、ユニット200を着脱位置Bに位置させる(図15の(b))。尚、バネ部材48を用いない場合(図17の(a))は、画像形成位置Aに位置しているユニット200を、第2把持部38或は把持部31mを把持して着脱位置Bに移動する。着脱位置Bに位置したユニット200は、前述したように装置本体100A側の規制部46がユニット200側の被規制部31nに係合することで、着脱位置Bに仮固定され、画像形成位置Aの方向への移動を規制された状態となる。この状態において、カートリッジ33及び容器40、或いはカートリッジ33又は容器40を、前述した取り付け作業と逆の方向に取り外す作業を行う。つまり、カートリッジ33及び容器40は、ユニット200が着脱位置Bに位置する際に、ユニット200より着脱可能な構成となっている。
【0053】
上記のような画像形成装置の構成により、レーザースキャナユニット(画像露光装置)11を退避させることなく、カートリッジ33の交換が可能になる構成を実現できる。これにより、使用者が比較的容易に現像カートリッジ33の交換を行うことができる。また、中間転写体34を円柱状のドラムとし、ユニット200をその中間転写体34の中心軸周りに回転する構成とした。これにより、ユニット200の、画像形成位置Aと着脱位置Bと間の移動において、装置本体100A内の部材を必要以上に退避させる必要が無い。また、ユニット200を装置本体1010A外に引き出さなくても内部のカートリッジ33を交換可能な構成のため、画像形成装置100の小型化に寄与する。また、本実施例では転写体として、ドラム32aから記録媒体Sに間接的に転写するための中間転写体34を例にとって説明した。しかし、直接ドラム32aから記録媒体Sに転写する方式でもよい。この際、転写体34は記録媒体S上にドラム32a上の現像像を直接転写する役目を果たす。
【0054】
上記実施例の画像形成装置100の構成をまとめると次のとおりである。記録媒体Sに画像を形成する電子写真画像形成装置100である。電子写真感光体ドラム32aを有する。ドラム32aに形成された静電潜像を現像するための現像ローラ33bを有するカートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)を有する。カートリッジ33は、現像を行う為の現像剤と力受け部33e2・33e4とを有し、現像ローラ33bの軸線と直交する装着方向X11に装着される。カートリッジ33を付勢する為の付勢部材37を有する。そして、カートリッジ33を装着する動作によって、力受け部33e2・33e4が付勢部材37より力を付与され、現像ローラ33bがドラム32aに対して付勢される。付勢部材37の付勢方向X6は、前記装着方向X11と交差する方向である。カートリッジ33は、カートリッジの装着時にガイドされる被ガイド部33e1・33e3を有する。被ガイド部は、カートリッジ33の装着方向X11で、現像ローラ33bと力受け部33e2・33e4の間に有ある。力受け部33e2・33e4が付勢部材37により付与される、被ガイド部33e1・33e3を支点としたモーメントにより、現像ローラ33bがドラム32aに対して付勢される。現像ローラ33bの回転軸線を法線とする断面において、被ガイド部33e1・33e3としての円柱の中心と現像ローラ33bの中心とを結んだ線LX1と、現像ローラ33bの中心とドラム32aの中心とを結んだ線LX2とは、互いに交差している。ドラム32aと、ドラム32aに形成された現像剤画像を記録媒体Sに転写する為の転写体34と、付勢部材37と、を有する画像形成ユニット200を有する。ユニット200は、カートリッジ33を装着した状態で画像形成装置の装置本体100Aにおいて、画像形成を行う画像形成位置Aと、画像形成位置から回動した、カートリッジ33を着脱可能な着脱位置Bと、の間を移動可能である。付勢部材37は、ユニット200の画像形成位置Aと着脱位置Bと間の移動時にカートリッジ33がユニット200の外へ移動するのを規制する。ユニット200は、画像形成位置Aと着脱位置Bとの間を回動可能である。
【符号の説明】
【0055】
100・・カラー電子写真画像形成装置、100A・・装置本体、200・・画像形成ユニット、S・・記録媒体、32a・・電子写真感光体ドラム、321l・・カートリッジ装着部、33(33Y・33M・33C・33K)・・カートリッジ(現像カートリッジ)、33b・・現像ローラ、33e1・33e3・・被ガイド部、33e2・33e4・・力受け部、X10・・装着方向、X6・・付勢方向、34・・転写体、37・・付勢部材、A・・画像形成位置、B・・着脱位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置であって、
電子写真感光体ドラムと、
前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像するための現像ローラを有するカートリッジであって、前記現像を行う為の現像剤と力受け部とを有し、前記現像ローラの軸線と直交する装着方向に装着されるカートリッジと、
前記カートリッジを付勢する為の付勢部材と、
を有し、前記カートリッジを装着する動作によって、前記力受け部が前記付勢部材より力を付与され、前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムに対して付勢されることを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項2】
前記付勢部材の付勢方向は、前記装着方向と交差する方向であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項3】
前記カートリッジは、前記カートリッジの装着時にガイドされる被ガイド部を有し、前記被ガイド部は、前記カートリッジの装着方向で、前記現像ローラと前記力受け部の間に有り、前記力受け部が前記付勢部材により付与される、前記被ガイド部を支点としたモーメントにより、前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムに対して付勢されることを特徴とする請求項2に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項4】
前記現像ローラの回転軸線を法線とする断面において、前記被ガイド部としての円柱の中心と前記現像ローラの中心とを結んだ線と、前記現像ローラの中心と前記電子写真感光体ドラムの中心とを結んだ線とは、互いに交差していることを特徴とする請求項3に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項5】
前記電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムに形成された現像剤画像を前記記録媒体に転写する為の転写体と、前記付勢部材と、を有し、前記カートリッジを装着した状態で電子写真画像形成装置の装置本体において、画像形成を行う画像形成位置と、前記画像形成位置から回動した、前記カートリッジを着脱可能な着脱位置と、の間を移動可能な画像形成ユニットと、を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真画像形成装置。
【請求項6】
前記付勢部材は、前記画像形成ユニットの前記画像形成位置と前記着脱位置と間の移動時に前記カートリッジが前記画像形成ユニットの外へ移動するのを規制することを特徴とする請求項5に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成ユニットは、前記画像形成位置と前記着脱位置との間を回動可能であることを特徴とする請求項5又は6に記載の電子写真画像形成装置。

【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−224123(P2010−224123A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−69962(P2009−69962)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】