説明

電子機器、その登録方法及び登録プログラム

【課題】 他の機器との連係関係を維持する等の登録が可能な電子機器に関し、暗証番号の入力の不要化等、機器登録の簡略化を図る。
【解決手段】 登録対象である相手機器(ヘッドセット4)から機器情報を取得する機器情報取得部(Bluetooth 機能部204、402、バーコード読取り部264)と、前記登録対象を表す機器情報を格納する記憶部(データ保持部220、412)と、前記記憶部に格納された前記機器情報と相手機器から取得した前記機器情報とを比較し、両者が一致した場合に、前記相手機器に付与する暗証情報を生成する暗証情報生成部(制御部213)とを含む構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の電子機器と機能を補完し得る電子機器に関し、特に、携帯電話機とヘッドセットのように相手機器との機能連係を登録によって樹立させる電子機器、その登録方法及びその登録プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器が他の機器と機能を補完し合う場合、例えば、携帯電話機では、その機能を補完する他の機器としてヘッドセット(マイクロフォン付きヘッドフォン)や、他の電話機等がある。携帯電話機は通話機能、データ通信機能等の複合的な機能を有するが、他の機器であるヘッドセットは携帯電話機から手を開放するハンズフリー機能を有する。そこで、携帯電話機にヘッドセットを接続すれば、ハンズフリー機能を活かすことができるし、携帯電話機及びヘッドセットに搭載されたブルーツゥース(Bluetooth )機能等の近距離無線通信機能を用いれば、コードレスにより、通話の利便性がより高められる。しかしながら、このような機器間の連係関係の樹立には、機器間での登録処理が必要である。斯かる機器間の登録処理は容易化されることが望まれている。
【0003】
従来の機器間の登録には、デフォルトである暗証番号が、その登録に使用されるものがあるが、斯かる暗証番号の使用は、登録すべき双方の機器の一方からの暗証番号入力を省略できるが、他方の機器での処理には複雑な登録手順を踏むことが必要である。
【0004】
このような機器登録等に関し、携帯電話機が持つ装置番号に対応する利用者の頭部画像、身体画像等の情報を予め記憶部に格納し、この記憶部の格納情報と利用者が必要に応じて選択した情報とを対応させる処理を行うものとして例えば、特許文献1が存在している。
【特許文献1】特開2004−302910号公報(段落番号0035、0036、0044、0045、0049、図10、図11、図12、図14等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術は、利用者が持つ携帯電話機側から処理装置側に予め登録した携帯電話機の装置番号、利用者を表す情報を登録し、その登録情報と、携帯電話機から処理装置よりインターネット上に提供される商品情報とを対応させるものである。このような技術は、携帯端末と機器とを登録させる処理とは全く異なり、その処理に馴染まないものである。
【0006】
既述したように、電子機器間の登録にあっては、暗証番号の入力等、複雑な処理操作が必要であり、このような処理を簡略化するとの課題について、特許文献1にはその開示や示唆はなく、特許文献1に開示された技術では斯かる課題を解決できるものではない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、他の機器との連係関係を維持する等の登録が可能な電子機器に関し、暗証番号の入力の不要化等、機器登録の簡略化にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、登録対象である相手機器から機器情報を取得する機器情報取得部と、前記登録対象を表す機器情報を格納する記憶部と、前記記憶部に格納された前記機器情報と相手機器から取得した前記機器情報とを比較し、両者が一致した場合に、前記相手機器に付与する暗証情報を生成する暗証情報生成部とを含む構成である。
【0009】
斯かる構成とすれば、登録対象である相手機器の機器名称等の機器情報は記憶部に記憶されて保存されており、登録対象である相手機器の機器情報は機器情報取得部によって取得される。そこで、暗証情報生成部では、取得した機器情報と保持している機器情報とを比較することにより、両者が一致した場合に、暗証情報を自動生成する。このため、暗証番号等の暗証情報の入力処理は不要となり、ユーザ側の機器登録の処理が簡略化される。
【0010】
上記目的を達成するためには、本発明の電子機器において、前記暗証情報生成部で生成した前記暗証情報から前記相手機器の認証に用いる認証情報を生成させる認証情報生成部を備えた構成としてもよい。斯かる構成によれば、予め生成させた暗証情報から相手機器の認証のために用いる認証情報を認証情報生成部で生成させることができる。この処理によっても、ユーザ側の機器登録の処理が簡略化される。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、相手機器から登録要求を受けた際に、その登録要求を表す通知を発する通知部と、前記登録要求に応じるか否かを選択する選択部と、前記選択部により特定される指示情報を相手機器に通知する通信部とを含む構成としてもよい。斯かる構成によれば、相手機器から登録要求を受けると、その要求があった旨を通知部によって通知する。ユーザはこの通知部による通知により、登録要求を知ることができ、また、その通知を受けた際に、選択部の操作により、登録要求に応ずるか否かを選択することができる。それを拒否すれば、その登録処理は解除され、それに応ずれば、登録処理が続行されることになる。このような登録処理に応ずるか否かの選択により、機器登録の秩序及び信頼性を維持することができる。即ち、無駄な登録を防止することができる。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の電子機器の登録方法は、登録対象である相手機器から機器情報を取得する処理と、記憶部に格納されている機器情報と相手機器から取得した前記機器情報とを比較する処理と、前記比較により、前記機器情報が一致した場合に、前記相手機器に付与する暗証情報を生成する処理とを含む構成である。このような登録方法によれば、既述の登録処理が自動化され、暗証情報の入力等の省略が可能となって、登録処理の簡略化が図られる。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の電子機器の登録プログラムは、コンピュータにより実行させる電子機器の登録プログラムであって、登録対象である相手機器から機器情報を取得するステップと、記憶部に格納されている機器情報と相手機器から取得した前記機器情報とを比較するステップと、前記比較により、前記機器情報が一致した場合に、前記相手機器に付与する暗証情報を生成するステップとを含む構成である。斯かる構成によれば、電子機器に搭載されたコンピュータにより、既述の登録処理を実現でき、暗証情報の入力等の省略が可能となって、登録処理の簡略化が図られる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、従来、機器間の登録に煩雑な作業を必要とした機器登録の簡略化を図ることができ、複数の機器間の機能の協調や補完等、電子機器の利便性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
第1の実施の形態
【0016】
本発明の第1の実施の形態について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、登録関係を確立する電子機器の構成例を示すブロック図、図2は電子機器の具体的な構成例を示す図である。
【0017】
この実施の形態では、機能的な連係関係を確立するための第1の電子機器として例えば、携帯電話機2が用いられ、第1の電子機器の相手機器である第2の電子機器として例えば、ヘッドセット4が用いられている。そこで、携帯電話機2とヘッドセット4との間に登録関係を確立させ、特定のヘッドセット4で携帯電話機2のハンズフリー化を確立させる。
【0018】
携帯電話機2において、電話機能部202は電話回線による通話を担当する機能部であり、また、Bluetooth 機能部204は通話信号やデータ信号の送受を行う情報送受信部の一例である。周知のように、Bluetooth は、近距離無線通信規格であるが、情報の送受手段としてはBluetooth に限定されるものではないし、この実施の形態のデータ通信には他の無線送受信機能を用いてもよい。この実施の形態では、Bluetooth 機能部204は、電磁波を媒介として相手機器であるヘッドセット4から機器情報を取得する機器情報取得部を構成している。
【0019】
電話機能部202において、ベースバンド部206は、通話信号やダイヤル信号等による搬送信号の変調や復調等を行い、無線送受信部208は、アンテナ210を通して無線信号電波の送信及び/又は受信を行う。
【0020】
Bluetooth 機能部204において、ベースバンド部212は、音声信号やデータ信号による搬送信号の変調、復調、暗号化又は複号化等の信号処理を行う。このベースバンド部212には、後述の暗証情報から認証情報を生成させる等、登録処理や信号処理のための各種の制御を実行する制御部213が設置されている。この制御部213は、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)等を備えたコンピュータで構成されており、この制御部213では、前記暗証情報から相手機器の認証に用いる認証情報として例えば、認証キーを生成するための認証情報生成部を構成している。また、無線送受信部214は、アンテナ216を通してBluetooth 信号電波201の送信又は受信を行う通信部を構成する。
【0021】
また、これら電話機能部202及びBluetooth 機能部204のデータ送受や、暗証情報として暗証番号を生成する等の各種の制御を行うための制御部218が設置されている。この制御部218は、相手機器に付与するための暗証情報を生成する暗証情報生成部を構成している。この制御部218は、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータで構成され、電話機能部202等を用いた通話制御、Bluetooth 機能部204等を用いる音声やデータの送受制御、表示制御、データや音声の入出力制御、機能切換制御等の各種制御を行う。これらの制御は、ROMに格納されている制御プログラムの実行等により処理される。制御部218における機能切換制御には、例えば、携帯電話機2にヘッドセット4が接続(連係)された場合に、それに対応して携帯電話機2側の後述のマイクロフォン224、スピーカ228の機能を停止させ、ヘッドセット4による音声の入出力を可能にする等の機能切換えを含んでいる。
【0022】
また、データ保持部220は、登録情報等を格納する記憶部を構成し、登録すべき電子機器の機器名称等を表すデータが格納されている。これらのデータは制御部218により読み出されるとともに、データ保持部220には相手機器から取得したデータ等の新たなデータが格納される。このデータ保持部220は、電源を解除しても記憶内容を消失しないメモリとして例えば、フラッシュメモリで構成される。
【0023】
そして、制御部218との間で情報の入出力を行うため、情報入力部としてキー入力部222、マイクロフォン224等、情報出力部として表示部226、スピーカ228等が設置されている。キー入力部222は、電話番号や、暗証情報を表す暗証番号等の情報入力に用いられる。マイクロフォン224は、制御部218に対する音声信号の取り込みに用いられる。表示部226は例えば、LCD(Liquid Crystal Display)素子等で構成され、制御部218に対する各種の入力情報や出力情報を表示する。また、スピーカ228は、制御部218から出力される音声信号やマイクロフォン224を通して取り込まれた音声信号の再生に用いられる。
【0024】
このような携帯電話機2の相手機器であるヘッドセット4には、この場合、携帯電話機2とのBluetooth 規格による通信を行うための機能とともに、携帯電話機2における音声送受機能を備えている。このヘッドセット4において、Bluetooth 機能部402は通話信号やデータ信号の送受を行う情報送受信部の一例である。既述のように、Bluetooth は、近距離無線通信規格であるが、このヘッドセット4においても、携帯電話機2と同様に情報の送受手段としてはBluetooth に限定されるものではないし、この実施の形態のデータ通信には他の無線送受信機能を用いてもよい。このBluetooth 機能部402において、ベースバンド部404は、音声信号やデータ信号による搬送信号の変調、復調、暗号化、復号化等の信号処理を行う。このベースバンド部404には、これらの信号処理のための制御を実行する制御部405が設置されている。この制御部405は、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータで構成されている。また、無線送受信部406は、アンテナ408を通してBluetooth 信号電波201の送信又は受信を行う通信部を構成する。
【0025】
また、このBluetooth 機能部402の制御を行うための制御部410が設置されている。この制御部410はCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータで構成され、相手機器である例えば、携帯電話機2の登録制御、通話制御、Bluetooth 機能部402等を用いる音声やデータの送受制御、表示制御、データや音声の入出力制御等の各種制御を行う。これらの制御は、ROMに格納されている制御プログラムの実行等により処理される。
【0026】
また、データ保持部412は、読出し書込みが可能な記憶素子からなる記憶部であって、登録すべき電子機器や自機に関する機器名称、機器アドレス等を表すデータ等、各種のデータを格納する。これらのデータは、制御部410により読み出されるとともに、データ保持部412には相手機器から取得したデータ等の新たなデータが格納される。このデータ保持部412は、電源を解除しても記憶内容を消失しないメモリとして例えば、フラッシュメモリで構成される。
【0027】
そして、制御部410との間で情報の入出力を行うため、ヘッドセット4側で携帯電話機2からの登録要求に応じるか否かの選択に用いられる選択部として第1のスイッチ414、第2のスイッチ416とともに、音声入力のためのマイクロフォン418等が設置され、さらに、情報出力部又は通知部としてLED表示器420、スピーカ422等が設置されている。スイッチ414、416は、機器登録や通話のための発着信、終話の処理に用いられる。この場合、制御部410とマイクロフォン418及びスピーカ422との間には、信号変換部としてA(Analog)D(Digital )/DA変換部424が設置されている。AD/DA変換部424では、マイクロフォン418から入力されたアナログ音声信号をディジタル信号に変換し、制御部410から出力されるディジタル音声信号をアナログ信号に変換する。
【0028】
次に、図2に示すように、この実施の形態の携帯電話機2では、第1及び第2の筐体部230、232がヒンジ部234を以て連結され、このヒンジ部234を中心に筐体部230、232が折畳み可能に構成されている。筐体部230には、複数のキーからなるキー入力部222、マイクロフォン224等が配設され、また、筐体部232には、表示部226、スピーカ228、アンテナ210、216等が配設されている。キー入力部222には、入力を確定させる決定キー236、入力の選択等に用いるカーソルキー238、数字やアルファベット、かな等を入力するための文字キー240等が含まれる。その他の構成は図示していないが、筐体部230又は232に内蔵されている。
【0029】
また、この実施の形態のヘッドセット4では、耳に装着される本体部426が備えられ、この本体部426にはスピーカ422、スイッチ414、416に対応するスイッチボタン414B、416B、LED表示器420が設置されている。また、本体部426には、耳掛け部428が設けられているとともに、アーム部430が取り付けられ、このアーム部430の先端部にマイクロフォン418が取り付けられている。
【0030】
斯かる構成によれば、制御部218では、表示部226に表示されたメニュー等と、キー入力部222からのキー入力により、Bluetooth 機能部204の制御や、電話機能部202の発着信指示、データ保持部220からのデータ読出し等の各処理が行なわれる。
【0031】
ヘッドセット4を使用した通話時には、ヘッドセット4から送信される送話音声がBluetooth 機能部204を経由して電話機能部202のベースバンド部206に入力され、電話機能部202の無線送受信部208を経由して電話回線網に出力される。また、電話回線網からの受話音声信号は、電話機能部202からBluetooth 機能部204に加えられ、このBluetooth 機能部204からBluetooth 信号電波201によりヘッドセット4のBluetooth 機能部402のアンテナ408に受信され、制御部410及びAD/DA変換部424を経てスピーカ422から再生される。従って、斯かる処理により、ヘッドセット4のスピーカ422及びマイクロフォン418を通して通話をすることができる。
【0032】
そして、機器登録時には、表示部226の表示と、キー入力部222からの入力により、制御部218からBluetooth 機能部204に対して機器検索の指示が与えられ、Bluetooth 信号電波201によりヘッドセット4等の登録すべき電子機器の検索が行われる。
【0033】
Bluetooth 機能部402に内蔵されたベースバンド部404は、スイッチボタン414B、416Bの操作により、携帯電話機2の機器登録や通話のための発信又は着信、終話の処理を行なう。この登録や通話の状態はLED表示器420の点灯により表示される。
【0034】
通話時には、マイクロフォン418の入力音声はAD/DA変換部424でディジタル化され、Bluetooth 機能部402に入力され、そのディジタル音声信号は、Bluetooth 機能部402のベースバンド部404及び無線送受信部406を経て、Bluetooth 信号電波201として携帯電話機2に送出される。また、受話音声は携帯電話機2からBluetooth 機能部204を経由してヘッドセット4に送出され、AD/DA変換部424でアナログ信号に変換された後、スピーカ422から再生される。
【0035】
そして、携帯電話機2に対する機器登録では、Bluetooth 機能部204に制御部218から所定のコマンドを発行し、登録対象の電子機器であるヘッドセット4から機器アドレス等の情報を取得する。携帯電話機2では、取得した機器アドレスを用いて、ヘッドセット4から機器名称を取得し、データ保持部220に予め保持してある登録対象の機器名称との比較を行なう。機器名称が一致している場合には、ヘッドセット4の機器アドレスから暗証番号を生成し、この暗証番号を認証情報に利用する。一方、ヘッドセット4から取得した機器名称が、携帯電話機2のデータ保持部220の登録対象である機器名称と異なる場合には、ユーザに暗証番号の入力を求め(促し)、ユーザが入力した暗証番号を使用して認証を行なう。
【0036】
ところで、ヘッドセット4には機器登録に際し、他の機器から機器登録の要求があることをLED表示器420の点灯表示によりユーザに告知し、これを認識したユーザがスイッチボタン414Bを押下することにより機器登録の実行を可能としている。
【0037】
斯かる構成によれば、機器登録に関し、煩雑な作業が不要であり、機器登録の簡略化により、携帯電話機2とヘッドセット4との連係関係の確立等、電子機器間の連係により一方の電子機器にない機能を他の電子機器で補完する等により利便性の向上が図られる。
【0038】
次に、このような携帯電話機2及びヘッドセット4の機器登録について、図3及び図4を参照して説明する。図3及び図4は、携帯電話機2側の登録処理をヘッドセット4と関係付けて示した登録方法及び登録プログラムの一例を示すフローチャートである。図3及び図4において、Aはフローチャート間の接続部分を示す。
【0039】
携帯電話機2にヘッドセット4を登録する場合には、携帯電話機2のメニュー表示から機器登録を選択し、機器登録処理を起動する(ステップS1)。機器登録処理を起動させると、携帯電話機2の制御部218からBluetooth 機能部204を経由してヘッドセット4に対し、問い合わせ(ステップS2)が発せられ、ヘッドセット4からその問い合わせ結果として機器アドレス、機器クラス、クロックオフセットの通知(ステップS3)が発せられる。この通知の後、所定時間が経過すると、Bluetooth 機能部204の制御部213では、その所定時間の経過の後、問い合わせの完了通知(ステップS4)を制御部218に発する。これらを受け、携帯電話機2からBluetooth 機能部204を経由してヘッドセット4に機器名称の通知要求(ステップS5)が発せられ、ヘッドセット4から受けた機器名称の通知(ステップS6)を受領する。
【0040】
機器名称の通知を受けると、携帯電話機2の制御部218では、通知された機器名称がデータ保持部220に存在するか否かの判定が行われる(ステップS7)。即ち、この処理では、通知された機器名称とデータ保持部220に存在する機器名称とが一致するか否かの判定が行われる。機器名称がない場合には、図4に示すフローチャートのステップS18に移行する。また、データ保持部220に相手機器であるヘッドセット4を表す機器名称が存在している場合には、ヘッドセット4に対し、接続要求が発せられ(ステップS8)、この接続要求を受けたヘッドセット4から認証キーの通知要求(ステップS9)が発せられる。携帯電話機2に認証キーが存在しない場合には、その旨の応答(ステップS10)をし、この応答を契機とし、ヘッドセット4から暗証番号の要求(ステップS11)が発せられる。この暗証番号の要求に対し、携帯電話機2の制御部218では、暗証情報として暗証番号を生成させ(ステップS12)、この暗証番号をBluetooth 機能部204を経由してヘッドセット4に通知する(ステップS13)。この場合、ヘッドセット4から取得した既述の機器アドレス(ステップS3)が複数桁の数字列で構成されているので、その数字列の例えば、下4桁を暗証番号として自動生成する。
【0041】
この暗証番号の生成に基づき、Bluetooth 機能部204では、その暗証番号から制御部213で認証キーを生成し(ステップS14)、この認証キーを制御部218に通知する(ステップS15)。この認証キーは、携帯電話機2のデータ保持部220に保存される(ステップS16)。そして、Bluetooth 機能部204の制御部213から接続完了の通知がヘッドセット4に対して発せられ(ステップS17)、また、ヘッドセット4から携帯電話機2に接続完了が通知され(ステップS18)、携帯電話機2に対するヘッドセット4の登録処理が完了する。
【0042】
また、ステップS7において、機器名称がデータ保持部220に存在していない場合には、暗証番号の自動生成処理はなく、通常のマニュアル処理(図4)に基づく機器登録が実行される。この場合、携帯電話機2の制御部218からBluetooth 機能部204を経由してヘッドセット4に接続要求が発せられ(ステップS19)、この接続要求を受けたヘッドセット4から認証キーの通知要求が発せられ(ステップS20)、ヘッドセット4が未登録であれば、携帯電話機2には認証キーが存在していないので、その旨の応答(ステップS21)が発せられ、これを受けたヘッドセット4から暗証番号の通知要求(ステップS22)が発せられ、これを制御部218が受領する。
【0043】
この暗証番号の通知要求を受けると、制御部218の表示制御により、携帯電話機2の表示部226には、暗証番号の入力を促すメッセージが表示され(ステップS23)、この表示の後、キー入力部222の文字キー240を用いた暗証番号の入力を受け付ける(ステップS24)。入力された暗証番号は、制御部218からBluetooth 機能部204を経由してヘッドセット4に通知される(ステップS25)。
【0044】
制御部218から暗証番号の通知を受けたBluetooth 機能部204では、その暗証番号から認証キーを生成させる(ステップS26)。この認証キーはBluetooth 機能部204から制御部218に通知され(ステップS27)、データ保持部220に保存される(ステップS28)。そして、Bluetooth 機能部204の制御部213からヘッドセット4に対して接続完了通知が発せられ(ステップS29)、ヘッドセット4から携帯電話機2に接続完了の通知が発せられ(ステップS30)、制御部218がこの接続完了の通知を受領すると、携帯電話機2に対するヘッドセット4の登録処理が完了する。
【0045】
次に、携帯電話機2及びヘッドセット4の登録処理について、図5及び図6を参照して説明する。図5及び図6は、ヘッドセット4側の処理を携帯電話機2の処理(図3)に対応して示した登録方法及び登録プログラムの一例を示すフローチャートである。図5及び図6において、Aは図4に示すフローチャートとの接続部分、Bは、図6に示すフローチャート間の接続部分を示している。
【0046】
携帯電話機2側の機器登録の処理は、図3及び図4に示した通りであるが、図5は、携帯電話機2とヘッドセット4との間の機器登録の処理を示すフローチャートである。ここでは、携帯電話機2側の処理については、図3と同一符号を付すことにより、図3及び図4に示すフローチャートと共通の処理であることを示している。
【0047】
機器登録の処理では、ヘッドセット4においても機器登録の処理を起動させる(ステップS41)。この場合、スイッチボタン414B、416Bのいずれか又は双方の押下により、機器登録の処理が起動される。この起動中に、携帯電話機2の機器登録処理の起動に基づき、問い合わせ等の処理(ステップS2、S3、S5〜S7)の後、接続要求(ステップS8)を受けると、接続要求を受けていることを告知する(ステップS42)。この告知は例えば、スピーカ422から接続要求を表す鳴動音により行う。ここで、スイッチボタン414B、416Bについて、スイッチボタン414Bを接続許可、スイッチボタン416Bを接続拒否に対応させておけば、このスイッチボタン414B、416Bの選択押下により、接続許可又は接続拒否が選択される(ステップS43)。
【0048】
スイッチボタン414Bを押下した場合には、認証キーの要求(ステップS9)、携帯電話機2からの認証キーなしの応答(ステップS10)、携帯電話機2に対する機器登録の要求として暗証番号の要求(ステップS11)、携帯電話機2側での暗証番号の生成(ステップS12)の後、その暗証番号がヘッドセット4に通知される(ステップS13)。
【0049】
携帯電話機2のBluetooth 機能部204では、暗証番号から認証キーを生成させ(ステップS14)、この認証キーは制御部218を通じてデータ保持部220に保存される(ステップS16)。
【0050】
ヘッドセット4側では、通知された暗証番号がヘッドセット4側の暗証番号と一致するか否かを判定する(ステップS44)。暗証番号が不一致の場合には、機器登録の処理を中止させ(図6)、暗証番号が一致した場合には、登録処理を継続させ、携帯電話機2側と同様に暗証番号から認証キーを生成(ステップS45)、その認証キーをデータ保持部412に保存(ステップS46)、ヘッドセット4に対する接続完了の通知(ステップS17)、携帯電話機2に対する接続完了の通知(ステップS18)の後、携帯電話機2側での機器登録が完了するとともに、ヘッドセット4側の機器登録の処理が完了する。暗証番号が不一致の場合には、一旦、処理を終了させ、再度の登録処理を行えばよい。
【0051】
そして、ステップS43において、スイッチボタン416Bが押下されて接続拒否の場合には、図6に示すように、ヘッドセット4から接続拒否の通知(ステップS47)が発せられ、ヘッドセット4側では機器登録拒否を以て登録処理を終了させ、同様に携帯電話機2側でも接続拒否の通知を受け、登録処理を終了させる。このような処理は、ステップS44(図5)において、暗証番号の不一致と判定した場合にも同様である。
【0052】
以上説明した通り、この実施の形態に係る携帯電話機2及びヘッドセット4の登録処理によれば、携帯電話機2では予め登録対象である機器名称を保持しており、ヘッドセット4からの機器名称が、予め保持させた機器名称と一致した場合に、自動的に暗証番号をヘッドセット4側に送信し、機器登録を完了させることができ、機器登録の煩雑な作業を簡略化でき、携帯電話機2及びヘッドセット4等、電子機器間の連係及びその使い勝手を向上させることができる。
【0053】
また、ヘッドセット4が携帯電話機2から接続要求を受けたときにユーザに確認を求めており、許容された機器登録であるヘッドセット4のみの機器登録を行なうことができ、登録の信頼性の確保も図られている。
【0054】
次に、登録処理上の携帯電話機2側の表示について、図7、図8及び図9を参照して説明する。図7、図8及び図9は、携帯電話機2の表示部226の表示内容を示す図である。
【0055】
携帯電話機2では、初期画面からBluetooth 設定を選択すると、表示部226には、図7の(A)に示すメニュー画面242が表示される。このメニュー画面242には、現在のメニューモードを表す「Bluetooth 設定」、「(1) ・・・」、「(2) 機器登録」・・・「(6) バーコードリーダ」・・・等が表示されるとともに、決定キー236を示唆する「決定」が表示される。そこで、この「(2) 機器登録」にカーソルキー238によってカーソル244を合わせ、決定キー236を押下すれば、機器登録処理が起動される。
【0056】
この機器登録処理が実行されると、問い合わせ(ステップS2)が行われるので、表示部226には、図7の(B)に示す通信中を表す動作画面246が表示される。この動作画面246では、携帯電話機2を表すアイコン248と相手機器を表すアイコン250とが表示され、これらの間には、Bluetooth 接続を表すアイコン252が表示され、その下側には、問い合わせ処理を中止するためのアイコンとして「中止」が表示されている。この中止処理は、決定キー236の押下で実行される。
【0057】
そして、問い合わせ(ステップS2)ないし機器名称の要求(ステップS5)を経た後、その通知を受け、機器名称がデータ保持部220に存在した場合(ステップS7)、携帯電話機2の表示部226には、図7の(C)に示す選択画面254が表示される。この選択画面254には、処理モードを示す「機器登録」、その処理内容を示す「機器名称問い合わせ結果」、機器名称を示す「ヘッドセット」の表示とともに、選択情報として「機器登録しますか?」、「はい」及び「いいえ」が表示され、その下に決定キー236の操作を示唆する「決定」が表示されている。そこで、ユーザは、登録しようとする相手機器の機器名称を視認でき、登録の意思があれば、カーソル244を「はい」に合わせた後、決定キー236を押下すれば、登録処理が実行される。
【0058】
この登録処理は、問い合わせ(ステップS2)から接続完了までの全ての処理が自動的に実行され、機器登録として携帯電話機2に相手機器であるヘッドセット4の登録が行われる。
【0059】
このような登録が行われた後は、通話モードでヘッドセット4の使用を選択すれば、携帯電話機2のマイクロフォン224及びスピーカ228の機能が停止されるとともに、登録しているヘッドセット4を用いた音声の送受に切り換わる。従って、登録されているヘッドセット4を用いて携帯電話機2での通話をハンズフリーにより行える。
【0060】
次に、データ保持部220に機器名称が存在していない場合には、図8の(A)に示すように、選択画面256が表示される。この選択画面256には、処理モードを示す「機器登録」、その処理内容を示す「機器名称問い合わせ結果」の表示とともに、選択情報として「データベース内に該当なし。機器登録を続行しますか?」、「はい」及び「いいえ」が表示され、その下に決定キー236の操作を示唆する「決定」が表示されている。そこで、ユーザは、登録しようとする相手機器の機器名称がないことを確認でき、登録の意思があれば、カーソル244を「はい」に合わせた後、決定キー236を押下すれば、登録処理が続行される。
【0061】
この登録処理が続行されると、図8の(B)に示すように、暗証番号の入力を促す入力画面258が表示され、この入力画面258には、処理モードを示す「機器登録」、「暗証番号を入力して下さい。」の表示とともに、暗証番号の入力枠260が表示され、その下に決定キー236の操作を示唆する「決定」が表示されている。そこで、ユーザは、入力枠260に暗証番号として例えば、4桁の数字を文字キー240により入力した後、決定キー236を押下すれば、登録処理が続行される。
【0062】
決定キー236を押下すると、図8の(C)に示すように、Bluetooth 通信中を表す動作画面262が表示される。この動作画面262では、携帯電話機2を表すアイコン248と相手機器を表すアイコン250とが表示され、これらの間には、Bluetooth 接続を表すアイコン252が表示され、その下側には、問い合わせ処理を中止するためのアイコンとして「中止」が表示されている。この中止処理は、決定キー236の押下で実行される。この通信を維持させれば、この通信中に既述の機器登録の処理が実行される。
【0063】
第2の実施の形態
【0064】
次に、本発明の第2の実施の形態について、図9及び図10を参照して説明する。図9は、登録関係を確立する電子機器の構成例を示すブロック図、図10は電子機器の具体的な構成例を示す図である。図9及び図10において、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してある。
【0065】
この実施の形態は、第1の電子機器が第2の電子機器を表す機器アドレスや暗証番号等の情報を第2の電子機器に付されたバーコード等の表示情報からの取得を可能にしている。
【0066】
そこで、第1の電子機器として例えば、携帯電話機2では、機器情報取得部としてバーコード読取り部264が備えられ、このバーコード読取り部264で取得した情報が制御部218に入力される。バーコード読取り部264は携帯電話機2に搭載された撮像部として例えば、カメラで構成することができる。バーコード読取り部264は、バーコードリーダを接続する構成としてもよい。この実施の形態の携帯電話機2では、Bluetooth 機能部204を以て相手機器の機器アドレス等の情報を取得する第1の機器情報取得部が構成されているとともに、バーコード読取り部264を以て第2の機器情報取得部が構成されている。この実施の形態について、その他の構成は図1に示す携帯電話機2と同様であるので、各部の説明は省略する。
【0067】
また、第2の電子機器として例えば、ヘッドセット4には、バーコード432が付されており、このバーコード432には、機器アドレスや暗証番号が表示されている。その他の構成は、図1に示すヘッドセット4と同様であるので、各部の説明は省略する。
【0068】
そして、この実施の形態では、図10に示すように、携帯電話機2にバーコード読取り部264を構成する撮像部266が設置され、ヘッドセット4には、バーコード432を表示したバーコードラベル434が本体部426の背面部に付されている。
【0069】
斯かる構成によれば、携帯電話機2では機器登録に際し、バーコード読取り部264でヘッドセット4側のバーコード432を読み取ることにより、ヘッドセット4の機器アドレス及び暗証番号を取得でき、これらを用いて認証を行なうことができ、登録処理の簡略化が図られる。
【0070】
次に、この実施の形態に係る携帯電話機2及びヘッドセット4に関する機器登録について、図11を参照して説明する。図11は、携帯電話機2側の登録処理をヘッドセット4と関係付けて示したフローチャートである。図11において、Aは、図4に示すフローチャートとの接続部分を示す。
【0071】
携帯電話機2にヘッドセット4を登録する場合には、携帯電話機2のメニュー表示から機器登録を選択し、機器登録処理を起動する(ステップS51)。機器登録処理を起動させると、携帯電話機2の制御部218からバーコード読取り部264を起動し、バーコード432の読み取りを行う(ステップS52)。このバーコード432には、機器アドレス、暗証番号等が含まれているので、このバーコード432から機器アドレス及び暗証番号を取得する。このバーコード読取りにより、ヘッドセット4の機器アドレス及び暗証番号が取得できるので、この実施の形態では、携帯電話機2側でヘッドセット4に対する暗証番号を生成する必要がない。
【0072】
このバーコード読取り処理の後、ヘッドセット4に対し登録の問い合わせ(ステップS53)、ヘッドセット4から機器アドレスの通知を受け(ステップS54)、機器名称の要求をし(ステップS55)、ヘッドセット4から機器名称の通知を受ける(ステップS56)。
【0073】
そして、制御部218では機器アドレスのチェックが行われ(ステップS57)、バーコード432から取得した機器アドレスと比較し、それらが一致しているか否かを判定する。不一致の場合には、図4に示すフローチャートのステップS19に移行する。また、機器アドレスが一致している場合には、ヘッドセット4に対し、接続要求を行い(ステップS58)、認証キーの要求(ステップS59)及び認証キーがない旨の応答(ステップS60)を経て、ヘッドセット4から暗証番号の要求を受け(ステップS61)、暗証番号の通知が制御部218からBluetooth 機能部204を通してヘッドセット4に通知される(ステップS62)。
【0074】
暗証番号の通知を受けたBluetooth 機能部204では、その暗証番号から認証キーを生成させ(ステップS63)、制御部218にその認証キーの通知(ステップS64)の後、制御部218ではその認証キーをデータ保持部220に保存する(ステップS65)。Bluetooth 機能部204からヘッドセット4に対し、接続完了の通知(ステップS66)、ヘッドセット4から接続完了の通知(ステップS67)が発せられ、この通知を制御部218が受ける。これらの処理を経て機器登録が完了する。
【0075】
次に、携帯電話機2及びヘッドセット4の登録処理について、図12を参照して説明する。図12は、ヘッドセット4側の処理を携帯電話機2の処理(図11)に対応して示したフローチャートである。図12において、Aは、図4に示すフローチャートとの接続部分、Bは、図6に示すフローチャート間の接続部分を示している。
【0076】
携帯電話機2側の機器登録の処理は、図11に示した通りであるが、図12では、携帯電話機2とヘッドセット4との間の機器登録の登録方法及び登録プログラムの各処理を示すフローチャートである。ここでは、携帯電話機2側の処理については、図11と同一符号を付すことにより、図11に示すフローチャートと共通の処理であることを示している。
【0077】
機器登録の処理では、ヘッドセット4においても機器登録の処理を起動させる(ステップS71)。この場合、スイッチボタン414B、416Bのいずれか又は双方の押下により、機器登録の処理が起動される。この起動中に、携帯電話機2の機器登録処理の起動(ステップS51)に基づき、バーコード読取りの処理(ステップS52)が実行される。
【0078】
このバーコード読取り処理の後、問い合わせ(ステップS53)、ヘッドセット4からの機器アドレスの通知(ステップS54)、機器名称の要求(ステップS55)、機器名称の通知(ステップS56)、機器アドレスのチェック(ステップS57)を経た後、接続要求(ステップS58)を受けると、接続要求を受けていることを告知する(ステップS72)。この告知は例えば、スピーカ422から接続要求を表す鳴動音により行う。ここで、スイッチボタン414B、416Bについて、スイッチボタン414Bを接続許可、スイッチボタン416Bを接続拒否に対応させておけば、このスイッチボタン414B、416Bの選択押下により、接続許可又は接続拒否が選択される(ステップS73)。
【0079】
スイッチボタン414Bを押下した場合には、既述の通り、認証キーの要求(ステップS59)、携帯電話機2からの認証キーなしの通知(ステップS60)、携帯電話機2に対する機器登録の要求として暗証番号の要求(ステップS61)をし、既にステップS52で取得している暗証番号がヘッドセット4に通知される(ステップS62)。
【0080】
ヘッドセット4側では、通知された暗証番号がヘッドセット4側の暗証番号と一致するか否かを判定する(ステップS74)。暗証番号が不一致の場合には、機器登録の処理を中止し(図6)、暗証番号が一致した場合には、登録処理を継続させ、携帯電話機2側と同様に暗証番号から認証キーを生成(ステップS75)、その認証キーをデータ保持部412に保存(ステップS76)を行い、ヘッドセット4に対する接続完了の通知(ステップS66)、携帯電話機2に対する接続完了の通知(ステップS67)の後、携帯電話機2側での機器登録が完了するとともに、ヘッドセット4側の機器登録の処理が完了する。
【0081】
次に、登録処理上の携帯電話機2側の表示について、図13を参照して説明する。図13は、携帯電話機2の表示部226の表示内容を示す図である。
【0082】
携帯電話機2では、初期画面からBluetooth 設定を選択すると、表示部226には、図13の(A)に示すメニュー画面268が表示される。このメニュー画面268には、現在のメニューモードを表す「Bluetooth 設定」、「(1) ・・・」、「(2) 機器登録」、・・・「(6) バーコードリーダ」・・・等が表示されるとともに、決定キー236を示唆する「決定」が表示される。そこで、この「(6) バーコードリーダ」にカーソルキー238によってカーソル244を合わせ、決定キー236を押下すれば、バーコード読取りが起動される。
【0083】
このバーコード読取り処理が実行されると、表示部226には、図13の(B)に示すバーコード読取り中を表す動作画面270が表示される。この動作画面270には、「バーコード読取り中」とともに、バーコード432が映し出され、その下側には、バーコード読取り処理を中止するためのアイコンとして「中止」が表示されている。この中止処理は、決定キー236の押下で実行される。
【0084】
そして、バーコード432の読取りが完了すると、表示部226には、図13の(C)に示す動作画面272が表示される。この動作画面272には、処理内容を表す「バーコード読取りデータ」とともに、バーコード432から認識されたデータである数字の表示とともに、その下に決定キー236の操作を示唆する「決定」が表示されている。そこで、ユーザに登録の意思があり、決定キー236を押下すれば、登録処理が実行される。
【0085】
この登録処理は、問い合わせ(ステップS53)から接続完了までの全ての処理が自動的に実行され、機器登録として携帯電話機2に相手機器であるヘッドセット4の登録が行われる。なお、バーコード432より取得した機器アドレスと、問い合わせにより取得した機器アドレスとが不一致の場合の処理画面は、図8の(A)、(B)及び(C)について説明した通りである。
【0086】
このような登録が行われた後は、通話モードでヘッドセット4の使用を選択すれば、携帯電話機2のマイクロフォン224及びスピーカ228の機能が停止されるとともに、登録しているヘッドセット4を用いた音声の送受に切り換わる。従って、登録されているヘッドセット4を用いて携帯電話機2での通話をハンズフリーにより行える。
【0087】
他の実施の形態
【0088】
次に、他の実施の形態について、図14及び図15を参照して説明する。図14は、登録対象としてパーソナルコンピュータ(PC)を用いた構成例を示す図、図15は、登録対象としてTV受信機を用いた構成例を示す図である。
【0089】
上記実施の形態では、第1及び第2の電子機器として携帯電話機2及びヘッドセット4を例示したが、図14に示すように、第1の電子機器として携帯電話機2又はヘッドセット4とし、第2の電子機器としてPC6で構成してもよい。この場合、PC6の本体部602に例えば、ヘッドセット4(図1又は図9)で例示したBluetooth 機能部402を内蔵させれば、既述の機器登録を携帯電話機2又はヘッドセット4とPC6との間で連係関係を維持することができる。既述した通り、暗証番号の入力の手数等を省略した簡易な処理で登録を実行することができる。
【0090】
また、図15に示すように、第1の電子機器として携帯電話機2又はヘッドセット4とし、第2の電子機器としてTV受信機8で構成してもよい。この場合、TV受信機8の本体部802に例えば、ヘッドセット4(図1又は図9)で例示したBluetooth 機能部402を内蔵させれば、既述の機器登録を携帯電話機2又はヘッドセット4とTV受信機8との間で連係関係を維持することができる。このように、TV受信機8と携帯電話機2との連係では、受信チャネルの選択等の操作に加え、簡易な登録処理によって、双方向性通信等の高度な通信形態を確立させることにより、携帯電話機2をTV受信機8を介在させた音声やデータの送受信に用いることができる。また、TV受信機8とヘッドセット4との連係では、音声出力をヘッドセット4に切り換えるだけでなく、双方向性通信を確立した際に、ヘッドセット4が備えるマイクロフォン418を用いて音声入力をTV受信機8のBluetooth 機能部402を通して送受信することができる。
【0091】
なお、その他の実施の形態として、複数の電子機器間の登録に本発明を適用することができ、第1及び第2の電子機器としては、携帯電話機2と家電製品、携帯電話機2と電子手帳、携帯電話機2と自動車の制御部等、各種の電子機器間の登録に用いることができる。
【0092】
また、上記実施の形態では、電子機器間の登録のための伝送媒体にBluetooth による通信規格の電磁波を用いているが、Bluetooth 以外の規格を用いてもよく、近距離無線通信機能の伝送媒体としては音声、超音波等によるワイヤレスの他、有線であってもよい。
【0093】
次に、以上述べた本発明の電子機器、その登録方法及びその登録プログラムの各実施形態から抽出される技術的思想を請求項の記載形式に準じて付記として列挙する。本発明に係る技術的思想は上位概念から下位概念まで、様々なレベルやバリエーションにより把握できるものであり、以下の付記に本発明が限定されるものではない。
【0094】
(付記1) 登録対象である相手機器から機器情報を取得する機器情報取得部と、
前記登録対象を表す機器情報を格納する記憶部と、
前記記憶部に格納された前記機器情報と相手機器から取得した前記機器情報とを比較し、両者が一致した場合に、前記相手機器に付与する暗証情報を生成する暗証情報生成部と、
を含むことを特徴とする電子機器。
【0095】
(付記2) 前記暗証情報は、前記相手機器から取得した機器アドレスを用いて生成させることを特徴とする付記1記載の電子機器。
【0096】
(付記3) 前記暗証情報生成部で生成した前記暗証情報から前記相手機器の認証に用いる認証情報を生成させる認証情報生成部を備えたことを特徴とする付記1記載の電子機器。
【0097】
(付記4) 前記暗証情報生成部は、前記記憶部に格納されている前記機器情報と前記相手機器の機器情報とを比較し、両者が一致しない場合に、前記相手機器に付与すべき暗証情報の入力を促す表示情報を発生する構成としたことを特徴とする付記1記載の電子機器。
【0098】
(付記5) 前記機器情報取得部は、前記登録対象である相手機器に表示された機器情報を画像により読み取る構成としたことを特徴とする付記1記載の電子機器。
【0099】
(付記6) 相手機器から登録要求を受けた際に、その登録要求を表す通知を発する通知部と、
前記登録要求に応じるか否かを選択する選択部と、
前記選択部により特定される指示情報を相手機器に通知する通信部と、
を含むことを特徴とする電子機器。
【0100】
(付記7) 登録対象である相手機器から機器情報を取得する処理と、
記憶部に格納されている機器情報と、相手機器から取得した前記機器情報とを比較する処理と、
前記比較により、前記機器情報が一致した場合に、前記相手機器に付与する暗証情報を生成する処理と、
を含むことを特徴とする電子機器の登録方法。
【0101】
(付記8) 前記暗証情報から前記相手機器の認証に用いる認証情報を生成させる処理を含むことを特徴とする付記7記載の電子機器の登録方法。
【0102】
(付記9) 前記記憶部に格納されている前記機器情報と前記相手機器の機器情報とを比較し、両者が一致しない場合に、前記相手機器に付与すべき暗証情報の入力を促す表示情報を発生させる処理を含むことを特徴とする付記7記載の電子機器の登録方法。
【0103】
(付記10) 前記登録対象である相手機器に表示された機器情報を画像により読み取る処理を含むことを特徴とする付記7記載の電子機器の登録方法。
【0104】
(付記11) 相手機器から登録要求を受けた際に、その登録要求を表す通知を発する処理と、
前記登録要求に応じるか否かを選択部により選択する処理と、
特定される指示情報を相手機器に通知する処理と、
を含むことを特徴とする電子機器の登録方法。
【0105】
(付記12) コンピュータにより実行させる電子機器の登録プログラムであって、
登録対象である相手機器から機器情報を取得するステップと、
記憶部に格納されている機器情報と、相手機器から取得した前記機器情報とを比較するステップと、
前記比較により、前記機器情報が一致した場合に、前記相手機器に付与する暗証情報を生成するステップと、
を含むことを特徴とする電子機器の登録プログラム。
【0106】
(付記13) 前記暗証情報から前記相手機器の認証に用いる認証情報を生成させるステップを含むことを特徴とする付記12記載の電子機器の登録プログラム。
【0107】
(付記14) 前記記憶部に格納されている前記機器情報と前記相手機器の機器情報とを比較し、両者が一致しない場合に、前記相手機器に付与すべき暗証情報の入力を促す表示情報を発生させるステップを含むことを特徴とする付記12記載の電子機器の登録プログラム。
【0108】
(付記15) 前記登録対象である相手機器に表示された機器情報を画像により読み取るステップを含むことを特徴とする付記12記載の電子機器の登録プログラム。
【0109】
(付記16) コンピュータにより実行させる電子機器の登録プログラムであって、
相手機器から登録要求を受けた際に、その登録要求を表す通知を発するステップと、
前記登録要求に応じるか否かを選択部により選択するステップと、
特定される指示情報を相手機器に通知するステップと、
を含むことを特徴とする電子機器の登録プログラム。
【0110】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、機器間の機能協調や機能補完等に用いられる電子機器間の登録に関し、暗証番号の入力等の手数を省くことができ、登録処理の簡略化とともに、電子機器の利便性を向上させることができ、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】第1の実施の形態に係る電子機器を示すブロック図である。
【図2】電子機器の構成例を示す図である。
【図3】携帯電話機側の処理をヘッドセット側の処理と関係付けて示したフローチャートである。
【図4】携帯電話機側の処理をヘッドセット側の処理と関係付けて示したフローチャートである。
【図5】携帯電話機及びヘッドセットとの登録処理を示すフローチャートである。
【図6】携帯電話機及びヘッドセットとの登録処理を示すフローチャートである。
【図7】携帯電話機の表示内容を示す図である。
【図8】携帯電話機の表示内容を示す図である。
【図9】第2の実施の形態に係る電子機器を示すブロック図である。
【図10】電子機器の構成例を示す図である。
【図11】携帯電話機側の処理をヘッドセット側の処理と関係付けて示したフローチャートである。
【図12】携帯電話機及びヘッドセットとの登録処理を示すフローチャートである。
【図13】携帯電話機の表示内容を示す図である。
【図14】他の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
【図15】他の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
【符号の説明】
【0113】
2 携帯電話機(電子機器)
4 ヘッドセット(相手機器)
204、402 Bluetooth 機能部(機器情報取得部)
264 バーコード読取り部(機器情報取得部)
220、412 データ保持部(記憶部)
213 制御部(認証情報生成部)
218 制御部(暗証情報生成部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録対象である相手機器から機器情報を取得する機器情報取得部と、
前記登録対象を表す機器情報を格納する記憶部と、
前記記憶部に格納された前記機器情報と相手機器から取得した前記機器情報とを比較し、両者が一致した場合に、前記相手機器に付与する暗証情報を生成する暗証情報生成部と、
を含むことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記暗証情報生成部で生成した前記暗証情報から前記相手機器の認証に用いる認証情報を生成させる認証情報生成部を備えたことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
相手機器から登録要求を受けた際に、その登録要求を表す通知を発する通知部と、
前記登録要求に応じるか否かを選択する選択部と、
前記選択部により特定される指示情報を相手機器に通知する通信部と、
を含むことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
登録対象である相手機器から機器情報を取得する処理と、
記憶部に格納されている機器情報と、相手機器から取得した前記機器情報とを比較する処理と、
前記比較により、前記機器情報が一致した場合に、前記相手機器に付与する暗証情報を生成する処理と、
を含むことを特徴とする電子機器の登録方法。
【請求項5】
コンピュータにより実行させる電子機器の登録プログラムであって、
登録対象である相手機器から機器情報を取得するステップと、
記憶部に格納されている機器情報と、相手機器から取得した前記機器情報とを比較するステップと、
前記比較により、前記機器情報が一致した場合に、前記相手機器に付与する暗証情報を生成するステップと、
を含むことを特徴とする電子機器の登録プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−262420(P2006−262420A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−80701(P2005−80701)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】