説明

音響再生装置、ナビゲーション装置、音響再生システム

【課題】 施設固有の音響特性に基づく音響再生音の音場制御を簡単な操作で行えるようにする。
【解決手段】 車両の走行案内を行うナビゲーション装置と、音場制御パターン情報に基づいて再生音の音場を制御する音場制御手段を有する音響再生装置とから構成し、ナビゲーション装置からは施設の指定操作に基づき当該施設の音場制御パターン情報を音響再生装置に送信し、音場制御手段はナビゲーション装置から送信された音場制御パターン情報に基づいて再生音の音場を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響再生音の音場制御に必要な音場制御パターン情報が簡単に取得または提供できる音響再生装置、ナビゲーション装置、音響再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
CD(コンパクトディスク)、MD(ミニディスク)、CS(カセットテープ)等から再生された再生音(直接音)に反射音や残響音を加え、ホール、チャーチ、スタジアム、ライブ等の施設で聞いているような効果を持たせる音場制御方法がある。
【0003】
従来の音場制御方法は、ホール、チャーチ、スタジアム、ライブ等の音場制御パターン毎に予め設定されている反射音量レベル、反射回数、残響音量レベル、残響時間等のパラメータに基づき直接音(CD等の音源からの音声信号)を演算処理するもので、ユーザは上記の音場制御パターンを指定することにより所望の音場効果を楽しむものであった。
【特許文献1】第2605821号特許公報
【特許文献2】実公平7−13355号実用新案公報
【特許文献3】第2583682号実用新案登録公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の音場制御はユーザが指定したホール、チャーチ、スタジアム、ライブ毎に予め音響メーカが設定した音場制御パターン(以下、音響データと称する)で直接音を制御し、その反射音信号、残響音信号を再生音信号に加えて出力する。しかし、同じ種別に属するホールでも各施設によっては異なるため、ある特定のホールでの音場を再現したいという要望に対しては充分に答えていないと言う問題がある。
【0005】
これに対して、ユーザが自由に音場を制御できるように、反射音量レベル、反射回数、残響音量レベル、残響時間を調整できるようにすることも可能である。しかし、実際にユーザがマニュアルで調整しようとしても、これらパラメータの膨大な組み合わせがある中で、最適値に設定することは非常に困難である。
【0006】
本発明は、施設毎に音響再生音の音場制御に必要な音場制御パターン情報が簡単に取得でき、その取得した音場制御パターン情報に基づいて音場制御できる音響再生装置、ナビゲーション装置、音響再生システム及び地図情報記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、地図データに基づいて車両の走行案内を行うナビゲーション装置と、音場制御パターン情報に基づいて再生音の音場を制御する音場制御手段を有する音響再生装置とから構成されてなる音響再生システムにおいて、前記地図データには、音声制御パターン情報を含む施設データが記憶されており、前記ナビゲーション装置は施設の指定操作に基づき当該施設の音場制御パターン情報を前記音響再生装置に送信し、前記音場制御手段は前記ナビゲーション装置から送信された音場制御パターン情報に基づいて再生音の音場を制御することを特徴とするものである。
【0008】
また、地図情報が記憶された地図情報記憶手段から地図データを読み込み、該地図データに基づき車両の走行案内を行うナビゲーション装置において、前記地図情報記憶手段には、音場制御パターン情報を含む施設データが記憶されており、施設を指定する施設指定手段と、前記施設指定手段により指定された施設の音場制御パターン情報を音場制御手段を有する音響再生装置に出力する音場制御パターン情報出力手段とを備えたことを特徴とするものである。 また、前記音場制御パターン情報を、外部データベースから取得する音場制御パターン情報取得手段を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
また、音場制御パターン情報に基づいて再生音の音声を制御する音声制御手段を有する音響再生装置において、施設を指定する施設指定手段と、前記施設選択手段によって選択された施設に対応する音場制御パターンを出力する設定手段とを有するナビゲーション装置からの音場制御パターン情報に基づいて音場制御パターンが設定され、当該音場制御パターンでの音場制御を行うことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、施設毎に音響再生音の音場制御に必要な音場制御パターン情報が簡単に取得でき、その取得した音場制御パターン情報に基づいて音場制御できる音響再生装置、ナビゲーション装置、音響再生システム及び地図情報記憶媒体が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る音響再生システムの構成を示すブロック図である。以下、図に従って説明する。
【0012】
1はCD(コンパクトディスク)等に記憶された音楽情報を再生する音響再生部である。11はCDに記憶された記憶情報を再生するCDデッキである。12はカセットテープに記憶された記憶情報を再生するカセットデッキである。13はMDディスクに記憶された記憶情報を再生するMDデッキである。14は入力された音響信号(再生信号)に反射音、残響音等の音場効果を加える音場再生部で、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)で構成されている。15はCDデッキ11、カセットデッキ12やMDデッキ13から読み出された再生信号を増幅してスピーカ3に出力する増幅器である。16はユーザの入力指示に基づいてCDデッキ11、カセットデッキ12やMDデッキ13の再生を制御し、またナビゲーション制御マイコン26から取得した音響データを音場再生部14に転送するとともに、音場再生部14のDSPのデータ(音場制御パラメータ)を書換え、所望の音場制御を行うオーディオ制御マイコンである。17はユーザが各種入力指示を行う押釦スイッチ、タッチパネルスイッチ等からなる操作部である。
【0013】
2は車両の経路探索や走行案内を行うナビゲーション部である。21は人工衛星(GPS衛星)からの電波を受信するGPS受信機である。22は車両の走行速度を検出する速度センサで、車両の速度計等の信号が使用される。23は車両の走行方位を検出するジャイロセンサ等の方位センサである。24は地図データや施設データ(施設名、モード(ジャンル)、位置(経度・緯度)、住所、電話番号、FAX番号、インターネット上のアドレス、音響データ等)が記憶されたCD−ROMまたはDVD−ROM及びその読取装置からなるメイン記録部である。25は受信したGPS信号、車速信号、方位信号等により車両の位置を特定し、目的地までの経路探索、探索された経路に沿って車両を案内する処理等を行うマイクロコンピュータ等で構成されたナビゲーションECUである。26はオーディオ制御マイコン16、ナビゲーションECU25の統合制御を行う、例え
ばナビゲーションECU25に対して音響データの検索、取得、記憶等を指示し、そのデータをオーディオ制御マイコン16に送信したりするナビゲーション制御マイコンである。27はナビゲーションECU25からの指示により案内のための合成音声をスピーカ3に出力する増幅器である。28はナビゲーションECU25からの指示により地図データや施設を示すマークであるランドマーク、目的地までの経路等を表示する液晶表示パネル及びその駆動回路からなる表示部である。29はユーザが各種入力指示を行う押釦スイッチ、タッチパネルスイッチ等からなる操作部である。20aはメイン記録装置24に無い新規の地図データ、施設データやインターネット等により外部サーバ5から取得した音響データを記憶するHDD装置(ハードディスク装置)である。20bはインターネット等により外部サーバ5から取得した音響データを記憶するメモリカード等のメモリ装置である。尚、オーディオ制御マイコン16とナビゲーション制御マイコン26は音響データ専用回線で接続されて音響データの送受信が行われる。
【0014】
4はナビゲーション部2と外部サーバ5とを、無線電話回線網及びインターネットITNを介して接続する携帯電話機である。5は施設毎の音響データを記憶(ホームページ)した外部サーバで、携帯電話機4により、無線電話回線網及びインターネットITNを介して接続されナビゲーション部2に音響メーカや施設の情報を提供する。つまり、音響再生システムが施設等のホームページに接続されることとなる。
【0015】
図2は本発明の第1の実施の形態に係る音響再生システムの音場制御処理のフローチャートで、(a)はナビゲーション部2側の処理、(b)は音響再生部1側の処理である。以下、図に従って説明する。尚、本実施の形態は、ナビゲーション部2の地図画面上でユーザがカーソルを使用して所望の施設を指定し、その指定施設の音響データに基づいて、音響再生部1において再生音を音場制御するものである。
【0016】
先ず、ナビゲーション部2側の処理について述べる。尚、本処理はナビゲーション部2が稼働状態で、且つユーザにより音場制御が指示された時点から開始する。ステップS11では、現在地および施設(施設位置)を表示してステップS12に移る。つまり、車両の走行案内のための地図画面を表示する。この地図上には車両の現在位置、施設位置等が表示され、縮尺は指定されるべき施設が含まれる範囲に調整される。ステップS12では、ユーザにより施設が指定されたか否かを判断して施設が指定されればステップS13に移り、施設が指定されなければ処理を終える。つまり、地図画面上でユーザによりカーソル操作等で施設が指定されたか否かを判断するもので、操作がなければ、あるいは新規の施設等でメイン記録装置24やHDD装置20aにその施設データがなければ処理を終える。尚、地図上に施設(ランドマーク)が表示されていない場合は、後述する第1例の「名所、見所、施設」検索、第2例の「50音直接入力」、第3例の「電話番号検索」、第4例の「近隣施設検索」等の方法で施設を指定することも可能である。
【0017】
ステップS13では、指定された施設に音響データが付加されているか否かを判断して音響データが付加されておればステップS14に移り、音響データが付加されていなければ後述する音響データ取得処理(図5参照)に移る。つまり、指定された施設はナビゲーションとしての施設データ(名称、位置、電話番号等のデータ)の他に、その施設の音響データがCD−ROM、DVD−ROM等のメイン記録装置24に記録(付加)されているか、または過去に外部サーバ5から取得され、HDD装置20aまたはメモリ装置20bに記憶されているか否かをナビゲーションECU25の検索結果に基づいて判断する。
【0018】
ステップS14では、音響データを読み出してステップS15に移る。つまり、指定された施設の音響データをメイン記録装置(CD−ROM、DVD−ROM)24、HDD装置20a、メモリ装置20bから読み出す。ステップS15では、オーディオ制御マイコンに音響データを送信して処理を終える。つまり、読み出した音響データをナビゲーション制御マイコン26から音響データ専用回線を介してオーディオ制御マイコン16に送信する。
【0019】
次に、音響再生部1側の処理について述べる。尚、本処理はナビゲーション部2から音響データを受信した時点から開始する。ステップS21では、音響データを受信してステップS22に移る。つまり、ナビゲーション制御マイコン26から音響データ専用回線を介して送信された音響データを受信する。ステップS22では、音場再生部へ音響データを転送してステップS23に移る。ステップS23では、音場再生部内の音響データを書き換えてステップS24に移る。つまり、CDデッキ11等からの再生音を音場制御するために、取得した音響データ(反射音量レベル、反射回数、残響音量レベル、残響回数、周波数特性等)に基づいて音場再生部14内のDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)のデータを書き換える。
【0020】
ステップS24では、音場を再生して処理を終える。つまり、CDデッキ11等から読み出された再生信号から、取得した音響データに基づいてDSPにおいて反射音(音量レベル、反射回数)、残響音(音量レベル、残響時間)を生成し、再生音(直接音)に加えて増幅器15を経由してスピーカ3に出力する。
【0021】
以上のように本実施の形態では、ナビゲーションの地図画面上でカーソルで直接施設を指定するだけで、ナビゲーション部2に蓄積されている所望の施設の音響データが取得でき、その音響データに基づいて再生音の音場が制御できる。
【0022】
尚、本実施の形態では、所望の施設を指定する方法として、ナビゲーションの地図画面上で直接対象となる施設(ランドマーク)をカーソルで指定する方法(ステップS11、S12に相当)を説明したが、この方法に限らず、ナビゲーション部2には各種の施設指定の機能があり、これらの機能を使用して所望の施設を指定するようにしてもよい。例えば、第1の例は、ナビゲーションの「名所、見所・施設」検索機能を使用するもので、名所の一覧表を画面に表示させ、その中からユーザが所望する施設をカーソルで指定する。そして指定した施設の音響データを読み出す。
【0023】
第2の例は、ナビゲーションの「50音直接入力」機能を使用するもので、ユーザが「所望の施設名」を操作部29を使用して直接入力する。ナビゲーションECU25は該当する施設を検索する。そして検索した施設の音響データを読み出す。
【0024】
第3の例は、ナビゲーションの「電話番号検索」機能を利用するもので、ユーザが所望の施設の「電話番号」を操作部29を使用して入力する。ナビゲーションECU25は入力された電話番号に対応する施設を検索する。そして検索した施設の音響データを読み出す。
【0025】
第4の例は、ナビゲーションの「近隣施設検索」機能を利用するもので、ユーザが指定した時点における現在地点に近い順に音響データのある施設をナビゲーション画面(表示部28)に表示させ、その中からユーザが施設を指定する。そして指定した施設の音響データを読み出す。
【0026】
尚、施設を指定(検索)した後のナビゲーション部2の処理(図2のステップS13以降)および音響再生部1の処理は前述のカーソル操作等によるナビゲーションの地図画面上での施設(ランドマーク)指定と同じであるので、説明は省略する。
【0027】
また、本実施の形態では、音場制御を再生音を基に反射音、残響音を生成して再生音に付加する方法を例に述べたが、音場制御に再生音の周波数特性を変更するようにしてもよい。つまり、再生音のうち特定の周波数帯域の音を増減する。この場合には、前述の音響データ(音場制御パターン情報)に周波数パターン情報を付加しておけばよい。
【0028】
図3は本発明の第2の実施の形態に係る音響再生システムの音場制御処理のフローチャートで、(a)は音響再生部1側の処理、(b)はナビゲーション部2側の処理である。図4は施設指定画面図で、(a)はモード指定画面、(b)は施設指定画面である。以下、図に従って説明する。尚、本実施の形態は、音響データを有する施設が多数ある場合に、施設を指定し易いように、予めホール、スタジアム等の種別(モード)毎に施設を分類しておく。そしてユーザが施設を指定するときには、先ず、音場制御の画面に施設の属する種別(モード)を表示し、ユーザにより指定されたモードについて更に施設名を表示し、ユーザにより指定された施設の音響データをナビゲーション部2から取得して再生音を音場制御するものである。
【0029】
先ず、音響再生部1側の処理について述べる。尚、本処理はユーザにより音場制御が指示された時点から開始する。ステップS51では、音場制御画面を表示してステップS52に移る。つまり、図4(a)のごとく表示部28の画面上に、施設の種別(モードと称する)であるホール、チャーチ、スタジアム、ライブ等をモード指定画面として表示する。ステップS52では、モードが指定されたか否かを判断してモードが指定されるとステップS53に移り、モードが指定されなければ待機する。この判断はユーザのカーソル(またはタッチパネルスイッチ)の操作状態に基づいて行う。尚、ホールが指定されたとして以降説明する。
【0030】
ステップS53では、指定されたモードに属する施設名を一覧表示してステップS54に移る。つまり、図4(b)のごとく表示部28の画面上に、指定されたモードである「ホール」について、ホールとして分類してある音響データのある全施設(名称のみ)が施設指定画面として表示される。指定されたモードに属する施設のリストが予め音響再生部1側にない時は、ナビゲーション部2側に「モード」情報を送り、そのモードに属する施設のリストを受信する。ステップS54では、施設が指定されたか否かを判断して施設が指定されればステップS55に移り、施設が指定されなければ待機する。この判断はユーザのカーソルの操作状態に基づいて行う。ステップS55では、ナビゲーション部2に指定された施設に関する音響データを送信するように要求してステップS56に移る。つまり、オーディオ制御マイコン16から音響データ専用回線を介してナビゲーション制御マイコン26に指定された施設の音響データを送信するように要求する。
【0031】
ステップS56では、音響データを受信してステップS57に移る。つまり、ナビゲーション制御マイコン26から音響データ専用回線を介して送信された音響データを受信する。ステップS57では、音場再生部14へ音響データを転送してステップS58に移る。ステップS58では、音場再生部内の音響データを書き換えてステップS59に移る。つまり、CDデッキ11等からの再生音を音場制御するために、取得した音響データ(反射音量レベル、反射回数、残響音量レベル、残響回数、周波数特性等)に基づいて音場再生部14内のDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)のデータを書き換える。
【0032】
ステップS59では、音場を再生して処理を終える。つまり、CDデッキ11等から読み出された再生信号から、取得した音響データに基づいてDSPにおいて反射音(音量レベル、反射回数)、残響音(音量レベル、残響時間)を生成し、再生音(直接音)に加えて増幅器15を経由してスピーカ3に出力する。
【0033】
次に、ナビゲーション部2側の処理について述べる。尚、本処理は音響データの送信要求を受信した時点から開始する。ステップS61では、送信要求を受信してステップS62に移る。つまり、オーディオ制御マイコン16から送信された指定された施設の音響データの送信要求を受信する。ステップS62では、音響データを検索してステップS63に移る。つまり、ナビゲーションECU25を介してメイン記録装置24、HDD装置20a、メモリ装置20bの中から指定された施設の音響データを検索する。
【0034】
ステップS63では、音響データを読み出してステップS64に移る。つまり、指定された施設の音響データをメイン記録装置(CD−ROM、DVD−ROM)24、HDD装置20a、メモリ装置20bから読み出す。ステップS64では、オーディオ制御マイコンに音響データを送信して処理を終える。つまり、読み出した音響データをナビゲーション制御マイコン26から音響データ専用回線を介してオーディオ制御マイコン16に送信する。
【0035】
以上のように本実施の形態では、音響再生部1側で所望の施設を指定し、専用回線を介してナビゲーション部2に蓄積されている施設の音響データが取得でき、その音響データに基づいて再生音の音場が制御できる。
【0036】
尚、第1の実施の形態のように、地図画面上で施設(ランドマーク)を指定する際に、モード指定を同時に行うようにしてもよい。つまり、地図画面上に全施設を表示するのではなく、指定されたモードの施設のみを表示するようにして、ユーザが指定し易くするものである(図2のステップS11の前に、図3のステップS51、S52を追加し、ステップS11を「現在地・指定されたモードの施設」と変更する)。
【0037】
図5は本発明の第1の実施の形態に係る音響再生システムのナビゲーション制御マイコン26の行う音響データ取得処理のフローチャートである。以下、図に従って説明する。尚、本実施の形態は、所望の施設に関する音響データがナビゲーション部2に無いときに、インターネットを介して外部サーバから取得するものである。また、本処理は指定された施設の音響データをメイン記録装置24、HDD装置20a、メモリ20b装置内から検索した結果、記憶されていないと判断(図2のステップS13のN判断)された時点から開始する。または、ユーザが予め各施設の音響データの収集を希望し、音響データの取得を指示した時点から開始するようにしてもよい。
【0038】
ステップS31では、携帯電話機でインターネットに接続してステップS32に移る。つまり、携帯電話機4で予め登録されているインターネットに接続する。ステップS32では、音響装置に対応したオーディオメーカのホームページを表示してステップS33に移る。オーディオメーカには各施設の音響データが蓄積されており、そのホームページを表示部28に表示する。ステップS33では、該当施設の音響データがあるか否かを判断して音響データがあればステップS34に移り、音響データがなければステップS40に移る。
【0039】
ステップS34では、音響データをダウンロードしてステップS35に移る。つまり、指定した施設の音響データをナビゲーションECU25に取得させる。ステップS35では、音響データを保存するか否かを判断して保存するならばステップS36に移り、保存しなければ処理を終える。この判断はユーザの保存指示に基づいて行う。ステップS36では、音場制御の保存モードを指定してステップS37に移る。今後この音響データを使用する際に施設を指定し易いように、取得した音響データをモード別(施設の種別、ジャンル別)に分類して保存するためのもので、例えば、ホール、スタジアム、チャーチ、ライブ等の各施設ジャンルに分類する。
【0040】
ステップS37では、HDD装置に施設があるか否かを判断して施設データがあればステップS38に移り、施設データがなければステップS39に移る。取得した音響データを施設と対応させて記憶するための処理で、大部分の施設データは地図データと共にメイン記録装置24のDVD−ROMやCD−ROMに記
録されているが、これらの媒体はデータの変更できないので新規に取得した地図データや施設データはHDD装置20aに記憶(ダウンロード)されている。そこで、取得した音響データに対応する施設データがいずれに記憶されているかを判断する。ステップS38では、音響データをHDD装置に保存して処理を終える。つまり、施設データがHDD装置20aに記憶されているので、音響データもHDD装置20aに記憶する。ステップS39では、音響データをメモリ装置に保存して処理を終える。つまり、施設データがメイン記録装置24のDVD−ROMやCD−ROMに記録されており、この媒体は書き込みができないので、音響データを書込み可能なメモリ装置20bに記憶する。尚、音響データを読み出す時は、メイン記録装置24の施設データと一緒に読み出す。
【0041】
ステップS40では、施設自身のホームページを表示してステップS41に移る。施設には自身の施設の音響データがホームページで提供されてあり、そのホームページを表示部28に表示する。ステップS41では、音響データがあるか否かを判断して音響データがあればステップS34に移り、音響データがなければ処理を終える。
【0042】
以上のように本実施の形態では、音響再生部1から要求された施設の音響データがナビゲーション部2側になくても、その時点で自動的にインターネットを介して所望の施設のホームページから取得できる。また、その音響データを保存することにより再度要求された時にも、HDD装置やメモリ装置から読み出して提供できる。さらに、取得した音響データをモード別に分類して保存することにより、施設指定が容易になる。さらに、音響再生部1から音響データの送信要求がなくても事前に未取得の施設の音響データを蓄積することも可能となる。
【0043】
以上説明したように、本発明では、施設毎に音響再生音の音場制御に必要な音場制御パターン情報が簡単に取得でき、その取得した音場制御パターン情報に基づいて音場制御できる音響再生装置、ナビゲーション装置、音響再生システムが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る音響再生システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る音響再生システムの音場制御処理のフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る音響再生システムの音場制御処理のフローチャートである。
【図4】施設指定画面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る音響再生システムのナビゲーション制御マイコン26の行う音響データ取得処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1・・・・音響再生部 24・・・メイン記録装置、
11・・・CDデッキ、 25・・・ナビゲーションECU、
12・・・カセットデッキ、 26・・・ナビゲーション制御マイコン、
13・・・MDデッキ、 27・・・増幅器、
14・・・音場再生部(DSP)、 28・・・表示部、
15・・・増幅器、 29・・・操作部、
16・・・オーディオ制御マイコン、20a・・HDD装置、
17・・・操作部、 20b・・メモリ装置、
2・・・・ナビゲーション部、 3・・・・スピーカ、
21・・・GPS受信機、 4・・・・携帯電話機、
22・・・速度センサ、 5・・・・外部サーバ、
23・・・方位センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データに基づいて車両の走行案内を行うナビゲーション装置と、音場制御パターン情報に基づいて再生音の音場を制御する音場制御手段を有する音響再生装置とから構成されてなる音響再生システムにおいて、
前記地図データには、音声制御パターン情報を含む施設データが記憶されており、
前記ナビゲーション装置は施設の指定操作に基づき当該施設の音場制御パターン情報を前記音響再生装置に送信し、
前記音場制御手段は前記ナビゲーション装置から送信された音場制御パターン情報に基づいて再生音の音場を制御することを特徴とする音響再生システム。
【請求項2】
地図情報が記憶された地図情報記憶手段から地図データを読み込み、該地図データに基づき車両の走行案内を行うナビゲーション装置において、
前記地図情報記憶手段には、音場制御パターン情報を含む施設データが記憶されており、
施設を指定する施設指定手段と、
前記施設指定手段により指定された施設の音場制御パターン情報を音場制御手段を有する音響再生装置に出力する音場制御パターン情報出力手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
前記音場制御パターン情報を、外部データベースから取得する音場制御パターン情報取得手段を備えたことを特徴とする請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
音場制御パターン情報に基づいて再生音の音声を制御する音声制御手段を有する音響再生装置において、
施設を指定する施設指定手段と、
前記施設選択手段によって選択された施設に対応する音場制御パターンを出力する設定手段とを有するナビゲーション装置からの音場制御パターン情報に基づいて音場制御パターンが設定され、当該音場制御パターンでの音場制御を行うことを特徴とする音響再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−160854(P2008−160854A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−336576(P2007−336576)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【分割の表示】特願2002−280460(P2002−280460)の分割
【原出願日】平成14年9月26日(2002.9.26)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】