説明

駆動制御装置、駆動制御方法、画像形成装置、画像読取装置及びプログラム

【課題】 つなぎ目や汚れ等によるマーク検出信号中の不連続部分の直前及び直後の少なくとも一方に不安定信号部分が存在しても、適切な駆動制御を行うことである。
【解決手段】 本駆動制御装置は、無端移動する駆動制御対象部材又は該駆動制御対象部材の無端移動とともに無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けた複数のマークをマーク検出手段によって検出し、これにより得られるマーク検出信号を用いて駆動制御対象部材の駆動をフィードバック制御する。各マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となるマーク検出信号中の不連続部分、並びに、その不連続部分の直前及び直後の信号部分の少なくとも一方については、マーク検出信号に代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端移動する駆動制御対象部材又はこれとともに無端移動する無端移動部材に設けられた、複数のマークの検出結果に基づき、その駆動制御対象部材の駆動をフィードバック制御する駆動制御装置、駆動制御方法、画像形成装置、画像読取装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
駆動制御対象部材の回転軸又はこれとともに無端移動する無端移動部材の回転軸上に、その回転方向にわたって連続した複数のマークを設け、その検出結果をフィードバックして、その駆動制御対象部材の速度制御や位置制御を行う方法が知られている(特許文献1参照)。この方法においては、複数のマークが設けられた回転軸の偏心や、その回転軸に対するマーク設置位置の誤差などが影響して、駆動制御対象部材の無端移動速度(以下、単に「速度」という。)や無端移動位置(以下、単に「位置」という。)の検出に誤差が生じ、正確なフィードバック制御を行うことができない。そのため、従来、上記駆動制御対象部材の表面や上記無端移動部材の表面に直接マークを設け、そのマークを検出してフィードバック制御を行う方法が実用化されている。この方法によれば、回転軸の偏心やマーク設置位置のズレなどの影響がマーク検出結果に出ないので、正確なフィードバック制御を行うことが可能になる。
【0003】
【特許文献1】特開平9−229957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記のように直接マークを設ける場合、駆動制御対象部材を経時的に使用していると、そのマークの一部に傷や汚れが生じることが多い。このような傷や汚れが付いたマーク部分では、マーク検出手段による正確なマーク検出を行うことができない。
また、予め複数のマークが形成されたエンコーダスケール等を上記駆動制御対象部材の表面等に貼り付けることでマークを設けた場合には、つなぎ目が存在してしまう。一般に、スケールを貼り付ける場合、スケールの両端が重ならないようにその両端を離間させるので、そのつなぎ目部分を挟んだ2つのマークの間隔は、通常、他の部分のマーク間隔よりも広くなる。よって、このつなぎ目部分でも、マーク検出手段による正確なマーク検出を行うことができない。
このように、連続する複数のマーク中に傷や汚れあるいはつなぎ目といったものが存在すると、マーク検出信号中に、マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分が生じることになる。このような不連続部分がマーク検出信号中に存在すると、その不連続部分の期間においては、フィードバック制御が不安定となり、安定した駆動制御を行うことができない。
【0005】
そこで、本出願人は、特願2003−326822号や特願2003−376433号において、マーク検出信号中の不連続部分についてはフィードバック信号を補正処理する方法を提案している。これらの先願では、マーク検出信号中の不連続部分については、これに代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行う方法が挙げられている。この場合、その代替信号としては、例えば過去に検出されたマーク検出信号中の不連続部分以外の信号部分(連続部分)等を用いる。この方法によれば、マーク検出信号中の不連続部分についても、連続部分と同様のフィードバック制御を行うことが可能になる結果、その不連続部分の期間について安定した駆動制御を行うことができる。
【0006】
しかし、上記先願の方法だけでは、次のような問題が生じることが、本発明者らの研究で明らかになった。すなわち、上述したようにマーク検出信号中の不連続部分について代替信号を用いてフィードバック制御を行っても、その不連続部分の直前や直後の信号部分が不安定になり、その信号部分で適切な駆動制御を行うことができないという問題があった。以下、具体的に説明する。
【0007】
図22(a)は、駆動制御対象部材の表面に貼り付けたリニアスケール108のつなぎ目部分を拡大した図である。このリニアスケール108には、アルミニウム製のテープに、複数のマーク108aが無端移動方向に等間隔で設けられている。図示しないマーク検出手段としての表面センサは、発光素子から出力される光をリニアスケール108に照射し、その反射光を受光素子で受光するものである。マーク108aが書き込まれていない部分は反射光が強く、書き込まれている部分は反射光が弱くなるので、その受光量の違いにより、リニアスケール108上のマーク108aを認識する。このようにリニアスケール108を貼り付けることでマークを設ける場合、通常は、図22(a)に示すように、リニアスケール108の両端が重ならないように貼り付ける。そのため、このつなぎ目部分132を挟んで位置する2つのマークの間隔は、リニアスケール108上のマーク間隔よりもずっと広くなる。そして、駆動制御対象部材表面は通常リニアスケール表面よりも光反射率が低いので、図22(b)に示すように、つなぎ目部分132に対応する受光レベル部分が落ち込む。その結果、この受光レベルを所定の閾値を用いてパルス状にした図22(c)に示すマーク検出信号中に、マークに対応する信号部分(Hレベル部分)の間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分が存在してしまう。そのため、上記先願では、上述したように、この不連続部分については代替信号をマーク検出信号として用いてフィードバック制御を行うこととしている。
【0008】
しかし、図22(a)に示すつなぎ目部分132が表面センサの検出領域を通過しても、その通過直後は、図22(b)の破線で囲んだ部分のように、受光レベルが不安定になる。この原因は、表面センサの電気回路中に設けられたコンデンサの充電時間等の影響である。このように受光レベルが不安定な部分では、図22(c)に示すように、マーク検出信号のデューティ比が崩れ、マーク検出信号も不安定なものとなる。その結果、上記先願のように不連続部分についてだけ代替信号を用いても、適切なフィードバック制御を行うことができない。
【0009】
図23(a)は、図22(a)と同様に、駆動制御対象部材の表面に貼り付けたリニアスケール108のつなぎ目部分を拡大した図である。駆動制御対象部材の経時使用により、駆動制御対象部材の表面に貼り付けたリニアスケール108の端部が、図23(a)に示すようにめくれてしまうことがある。このようなめくれ部分108bでは、そのめくれ方によって発光素子からの光の反射方向が一定ではない。そのため、図23(b)中破線に示すように受光レベル部分が不安定になる。このように受光レベルが不安定な部分では、図23(c)に示すように、マーク検出信号のデューティ比が崩れ、マーク検出信号も不安定なものとなる。その結果、上記先願のように不連続部分についてだけ代替信号を用いても、適切なフィードバック制御を行うことができないことがある。
なお、このめくれ部分108bは、リニアスケール108のいずれの端部でも生じ得るものである。したがって、このめくれ部分108bが図23(a)中左側のリニアスケール端部で発生した場合には、不連続部分の開始側(図23(c)中左側)においても、同様にデューティ比が崩れた不安定なマーク検出信号が表れることになる。
【0010】
図24(a)は、駆動制御対象部材の表面に貼り付けたリニアスケール108上に付着した汚れ部分133を拡大した図である。上述したように、リニアスケール108上のマークの一部に汚れが付着することがある。この汚れ部分133は、一般に光反射率が低くなるので、図24(b)に示すように、汚れ部分133に対応する受光レベル部分が落ち込む。その結果、マーク検出信号中に、マークに対応する信号部分(Hレベル部分)の間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分が存在してしまう。そのため、上記先願では、上述したように、この不連続部分については代替信号をマーク検出信号として用いてフィードバック制御を行うこととしている。
しかし、トナー等の粉体が固まって上記汚れ部分133が形成される場合、その粉体が汚れ部分133の周囲にも拡散して付着することがある。このように拡散した粉体部分133aでは、図24(b)中破線に示すように受光レベル部分が不安定になる。このように受光レベルが不安定な部分では、図23(c)に示すように、マーク検出信号のデューティ比が崩れ、マーク検出信号も不安定なものとなる。その結果、上記先願のように不連続部分についてだけ代替信号を用いても、適切なフィードバック制御を行うことができないことがある。
【0011】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、つなぎ目や汚れ等によるマーク検出信号中の不連続部分の直前及び直後の少なくとも一方に不安定信号部分が存在しても、適切な駆動制御を行うことが可能な駆動制御装置、駆動制御方法、画像形成装置、画像読取装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、無端移動する駆動制御対象部材又は該駆動制御対象部材の無端移動とともに無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けた複数のマークをマーク検出手段によって検出し、これにより得られるマーク検出信号を用いて該駆動制御対象部材の駆動をフィードバック制御する駆動制御装置において、各マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる上記マーク検出信号中の不連続部分、並びに、該不連続部分の直前及び直後の信号部分の少なくとも一方については、該マーク検出信号に代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行うフィードバック制御手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の駆動制御装置において、上記代替信号を用いたフィードバック制御を行う上記信号部分は、上記不連続部分の直前及び直後の少なくとも一方に存在する不安定信号部分の全てが含まれるように設定することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の駆動制御装置において、上記マーク検出信号中に上記不連続部分が存在する不連続期間及び該期間直後の予め決められた一定期間、特定制御信号を出力する特定制御信号出力手段を有し、上記フィードバック制御手段は、該特定制御信号が出力されている間は上記代替信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1又は2の駆動制御装置において、上記マーク検出信号中に上記不連続部分が存在する不連続期間及び該期間直前の予め決められた一定期間、特定制御信号を出力する特定制御信号出力手段を有し、上記フィードバック制御手段は、該特定制御信号が出力されている間は上記代替信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1又は2の駆動制御装置において、上記マーク検出信号中に上記不連続部分が存在する不連続期間、該期間直後の予め決められた一定期間及び該期間直前の予め決められた一定期間、特定制御信号を出力する特定制御信号出力手段を有し、上記フィードバック制御手段は、該特定制御信号が出力されている間は上記代替信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4又は5の駆動制御装置において、上記マーク検出信号中の上記不連続部分の開始時期を記憶する記憶手段を有し、上記特定制御信号出力手段は、次回以降に該不連続部分が該マーク検出信号中に出現する際、該記憶手段に記憶された開始時期から上記一定期間前に上記特定制御信号の出力を開始することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項3、4、5又は6の駆動制御装置において、上記駆動制御対象部材又は上記無端移動部材の無端移動速度を検出する速度検出手段を有し、上記不連続部分が存在するか否かは、該速度検出手段により検出された無端移動速度が規定範囲外であるか否かによって行うことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項3、4、5又は6の駆動制御装置において、上記不連続期間の開始時期及び終了時期は、各マークに対応する信号部分の時間間隔に相当する周波数成分を上記マーク検出信号中から除去して得た信号が所定の閾値をまたいで変化するタイミングに設定することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項3、4、5又は6の駆動制御装置において、上記不連続部分が存在するか否かは、所定のサンプリング時間内に得た上記マーク検出信号中におけるマークに対応した信号部分の数が規定数よりも少ないか否かによって行い、上記一定期間を、該サンプリング時間の整数倍に相当する時間に設定したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の駆動制御装置において、上記マーク検出信号を所定倍まで逓倍した逓倍信号を生成する逓倍手段を有し、上記フィードバック制御手段は、上記代替信号を用いたフィードバック制御を行う期間外では、該逓倍信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の駆動制御装置において、上記逓倍手段として、フィードバックした逓倍信号と逓倍前のマーク検出信号とを位相比較し、その位相比較結果を用いて逓倍信号を生成する逓倍回路を用いることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、無端移動する駆動制御対象部材又は該駆動制御対象部材の無端移動とともに無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けた複数のマークをマーク検出手段によって検出し、これにより得られるマーク検出信号を用いて該駆動制御対象部材の駆動をフィードバック制御する駆動制御方法において、各マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる上記マーク検出信号中の不連続部分、並びに、該不連続部分の直前及び直後の信号部分の少なくとも一方については、該マーク検出信号に代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、無端移動する駆動制御対象部材と、該駆動制御対象部材の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた画像形成装置において、上記駆動制御手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の駆動制御装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、原稿面に対して光を照射し、あるいは原稿面に対して照射された光の反射光を受光する走行体と、該走行体を該原稿面に沿って走行させるための駆動力を伝達する駆動力伝達経路上に設けられる無端移動する駆動制御対象部材と、該駆動制御対象部材の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた画像読取装置において、上記駆動制御手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の駆動制御装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、無端移動する駆動制御対象部材又は該駆動制御対象部材の無端移動とともに無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けた複数のマークをマーク検出手段によって検出し、これにより得られるマーク検出信号を用いて該駆動制御対象部材の駆動をフィードバック制御する駆動制御装置に設けられるコンピュータを機能させるためのプログラムにおいて、各マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる上記マーク検出信号中の不連続部分、並びに、該不連続部分の直前及び直後の信号部分の少なくとも一方については、該マーク検出信号に代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行うフィードバック制御手段として、上記コンピュータを機能させることを特徴とするものである。
【0013】
上記請求項1乃至15の発明では、マークに傷や汚れが付いている部分やつなぎ目の部分等がマーク検出手段の検出領域に存在するとき、マーク検出信号中には不連続部分が現れる。この不連続部分については、マーク検出信号に代わる代替信号を用いてフィードバック制御が行われる。更に、本発明では、この不連続部分の直前及び直後の信号部分の少なくとも一方についても、代替信号を用いてフィードバック制御が行われる。したがって、不連続部分の直前及び直後の少なくとも一方に不安定信号部分が存在しても、代替信号による適切な駆動制御を行うことが可能となる。
なお、代替信号を用いたフィードバック制御が行われる不連続部分の直前や直後の信号部分は、不連続部分の直前や直後で発生する不安定信号部分の少なくとも一部が含まれるように、例えば実験等に基づいて設定することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上、請求項1乃至15の発明によれば、つなぎ目や汚れ等によるマーク検出信号中の不連続部分の直前及び直後の少なくとも一方に不安定信号部分が存在しても、適切な駆動制御を行うことが可能となるという優れた効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、駆動制御対象部材としてのベルト106を含む回転体駆動装置であるベルト駆動装置の構成を示す概略構成図である。このベルト106は、少なくとも2つ以上の軸間に掛け渡された無端状のベルトであって、後述する感光体ベルト、中間転写ベルト、直接転写ベルトに相当するものである。
ギヤ100の回転軸には駆動ローラ101が固定されており、直流電動機であるモータ102の回転軸にはギヤ103が固定されている。駆動源としてのモータ102が回転駆動すると、その回転力がギヤ103及びギヤ100を介して駆動ローラ101へ伝えられ、駆動ローラ101が回転駆動する。駆動ローラ101と従動ローラ104,105との間には、ベルト106が掛け渡されており、テンションローラ107によって一定の張力が掛かるようになっている。このベルト106の表面には、その表面移動方向(無端移動方向)に沿って複数のマークが形成されたリニアスケール108が貼り付けられている。また、このリニアスケール108に対向するように、マーク検出手段としての反射型フォトセンサからなる表面センサ109が設けられている。この表面センサ109によりリニアスケール108上のマークを読み込むことで、ベルト106の無端移動位置である表面移動位置や、無端移動速度である表面移動速度を計測する。
【0016】
図2は、駆動制御対象部材としてのドラム126を含む回転体駆動装置であるドラム駆動装置の構成を示す概略構成図である。このドラム126は、後述する感光体ドラムや転写ドラムに相当するものである。
ギヤ122の回転軸124には駆動プーリ125が固定されており、駆動源としての直流電動機であるモータ121の回転軸にはギア122に噛み合うギヤ123が固定されている。モータ121が回転駆動すると、その回転力がギア122,123を介して駆動プーリ125が回転駆動される。駆動プーリ125と従動プーリ128との間には、タイミングベルト131が掛け渡されており、テンションプーリ130によって一定の張力が掛かるようになっている。従動プーリ128には同軸度が保たれるように、ドラム126が軸127を介して取り付けられている。ドラム126の表面には、その周方向に沿って図1に示したものと同様のリニアスケール108が貼り付けられている。また、このリニアスケール108に対向するように、マーク検出手段としての反射型フォトセンサからなる表面センサ109が設けられている。この表面センサ109によりリニアスケール108上のマークを読み込むことで、ドラム126の無端移動位置である表面移動位置や、無端移動速度である表面移動速度を計測する。
【0017】
なお、本実施形態では、ベルト106又はドラム126の表面の一端部にリニアスケール108を貼り付けているが、表面の中央部や裏面に貼り付けてもよい。また、本実施形態では、駆動制御対象部材であるベルト106やドラム126に直接マークを設けているが、ベルト106の表面移動とともに無端移動する駆動ローラ101や従動ローラ104,105や、ドラム126の表面移動とともに無端移動する従動プーリ128などの無端移動部材に設けてもよい。また、本実施形態では、所定間隔で連続するように複数のマークが予め形成されているリニアスケール108をベルト106に貼り付けることで、ベルト106に複数のマークを設けているが、ベルト106に直接マークを書き込むなどして設けてもよい。
【0018】
図3(a)は、図1におけるベルト106、又は図2におけるドラム126に貼り付けたリニアスケール108のつなぎ目部分を拡大した図である。このリニアスケール108には、複数のマーク108aがレーザ照射等の手法によりベルト106やドラム126(以下、これらを適宜「回転体」と称する。)の表面移動方向に等間隔で書き込まれている。具体的には、アルミニウム製のテープに、約160μmの間隔をあけて複数のマーク108aが書き込まれている。もっと狭い間隔でマーク108aを書き込むことも可能であるが、本実施形態で用いる表面センサ109が受光素子としてフォトダイオードを用いた低分解能の安価なセンサであるため、これ以上狭くすることができない。表面センサ109は、図示しない発光素子から出力される光をリニアスケール108に照射し、その反射光を図示しない受光素子で受光する。発光素子から出力される光は、リニアスケール108の幅を覆うように設定されている。マーク108aが書き込まれない部分は反射光が強く、書き込まれた部分は反射光が弱くなるので、その受光量の違いにより、リニアスケール108上のマーク108aを認識する。ここでは、リニアスケール108の基材としてアルミテープを用いたが、その他の素材のものであってもよい。
本実施形態のように、リニアスケール108を貼り付けることでマークを設ける場合、通常は、図3(a)に示すように、リニアスケール108の両端が重ならないように貼り付ける。そのため、このつなぎ目を挟んで位置する2つのマークの間隔は、リニアスケール108上のマーク間隔よりもずっと広くなる。よって、このつなぎ目部分に対応するマーク検出信号部分では、マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分となり、正常な信号が得られない。
【0019】
図3(b)は、図1におけるベルト106、又は図2におけるドラム126に貼り付けたリニアスケール108上に汚れ133が付いた部分を拡大した図である。
本実施形態のように、回転体106,126の表面側にマークが設けられている場合、そのマークにトナー等の汚れが付着する場合がある。このように汚れが付着すると、その部分の反射光が弱くなり、この部分は、マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分となる。したがって、上記つなぎ目の場合と同様に、正常な信号が得られない。なお、汚れに限らず、スケール製作ミスによるマーク間隔のズレがある場合や、マークに傷が付いた場合も同様である。
【0020】
図4(a)及び図4(b)は、モータ102,121の角変位を、上記表面センサ109の出力信号に基づいてデジタル制御する制御系の構成を示すブロック図である。
図4(a)及び図4(b)において、符号135は、マイクロプロセッサ136、リードオンリメモリ(ROM)137、ランダムアクセスメモリ(RAM)138からなるマイクロコンピュータを示している。マイクロプロセッサ136、リードオンリメモリ(ROM)137、ランダムアクセスメモリ(RAM)138は、それぞれバス143を介して接続されている。また、符号139は、モータ102,121の目標角変位を指令する目標指令信号を出力する指令発生装置を示す。この指令発生装置139もバス143に接続されている。また、符号142は、表面センサ109の出力パルス(マーク検出信号)を処理してデジタル数値に変換する検出用インターフェース装置を示す。この検出用インターフェース装置142は、表面センサ109の出力パルスを所定のサンプリング時間ごとに計数するカウンタを備えており、このカウンタのカウント値をバス143を介してマイクロコンピュータ135へ順次送信する。マイクロコンピュータ135では、このカウント値に予め定められたパルス数対角変位の変換定数を乗じて、モータ102の回転軸の角変位を得る。また、符号140は、モータ駆動用インターフェースを示す。このモータ駆動用インターフェース140は、マイクロコンピュータ135から送られてくるフィードバック信号と、指令発生装置139から送られてくる目標指令信号との比較結果に基づいて、モータ駆動装置141を構成するパワー半導体、例えばトランジスタを動作させるパルス状信号(制御信号)を出力する。モータ駆動装置141は、モータ駆動用インターフェース140からのパルス状信号に基づき動作し、モータ102,121に印加する電圧を制御する。また、符号144は、モータ102,121に流れるモータ駆動電流を検出する電流センサである。この電流センサ144の検出結果は、モータ駆動電流用インターフェース装置145を介してマイクロコンピュータ135へ送られる。
また、図4(b)においては、更に、モータ102,121の角速度を検出する機構が設けられている。具体的には、モータ102,121には、角速度検出器146が設けられている。この角速度検出器146は、モータ102,121の回転軸に設けられたエンコーダからの出力パルスを任意の時間毎にカウントし、そのカウンタ値やパルス幅の通過時間などから、モータ102,121の角速度を検出する。その検出結果は、モータ角速度用インターフェース装置147を介してマイクロコンピュータ135へ送られる。
なお、本実施形態では、検出用インターフェース装置142、マイクロコンピュータ135、指令発生装置139及びモータ駆動用インターフェース140によって、フィードバック制御手段が構成されている。
【0021】
図5は、本実施形態のフィードバック制御系の概略構成を示す制御ブロック図である。本ブロック図において、コントローラ150及び減算器155は、図4(a)及び図4(b)で示したモータ駆動用インターフェース140により構成される。また、プラント151には、図1や図2で示すモータ102、121及びベルト106やドラム126を駆動する全体構成(駆動装置)並びに表面センサ109が含まれる。また、逓倍部152及びカウンタ153は、図4(a)及び図4(b)で示した検出用インターフェース装置142により構成される。また、補正処理部154は、マイクロコンピュータ135により構成される。なお、減算器155に入力されるリファレンス信号refは、指令発生装置139から出力される目標指令信号に相当する。
【0022】
このようなフィードバック制御系において、コントローラ150からプラント151中のモータ駆動装置141へ制御信号が出力されると、その制御信号に応じた回転数でモータ102,121が回転駆動する。この回転駆動力がプラント151中のベルト106やドラム126へ伝達されてベルト106やドラム126が表面移動すると、これに伴ってリニアスケール108が無端移動する。そして、このリニアスケール108上のマーク108aがプラント151中の表面センサ109で連続的に検出されると、スケール面とマーク部分との反射率の違いにより、その受光素子の受光レベルは、図6(a)に示すようなものとなる。そして、表面センサ109は、図6(b)に示すように、この受光レベルが予め設定しておいた閾値以下のときにHレベルとなり、その閾値よりも大きいのときにLレベルとなるマーク検出信号としてのパルス信号(出力パルス)を出力する。この出力パルスが検出用インターフェース装置142で構成される逓倍部152に入力されると、その出力パルスの周波数が64倍に逓倍される。このようにして64倍に逓倍されたパルス(逓倍パルス)は、検出用インターフェース装置142で構成されるカウンタ153に入力される。このカウンタ153は、入力された逓倍パルスのパルス数を、所定のサンプリング時間ごとにカウントする。そして、このカウント値は、マイクロコンピュータ135により構成される補正処理部154へ入力される。補正処理部154は、後述する補正処理を行った後、フィードバック信号を減算器155へ出力する。減算器155では、補正処理部154から出力されたフィードバック信号(逓倍パルス又は後述のダミーパルス)を、減算器155に入力されるリファレンス信号refすなわち目標指令信号(目標パルス数)から減算し、その結果を、コントローラ150へ出力する。モータ駆動用インターフェース140で構成されるコントローラ150は、その減算結果からモータ駆動装置141を制御する制御信号を生成し、これをプラント151のモータ駆動装置141へ出力する。その結果、ベルト106やドラム126は、その表面移動位置が指令発生装置139で生成される目標指令信号に対応した目標位置に追従するようにフィードバック制御がなされる。
【0023】
図7は、上記逓倍部152を構成する逓倍回路を示す機能ブロック図である。この逓倍回路は、PLL(Phase−Locked−Loop)を利用したものである。具体的には、表面センサ109からの出力パルスが入力されると、この出力パルスは、位相比較器160へ入力される。この位相比較器160には、分周器163からの分周パルスも入力される。位相比較器160は、表面センサ109からの出力パルスと分周器163からの分周パルスの位相比較を行い、その位相差に比例した電圧を出力する。この出力は、ループフィルタ161へ入力されてスムージング化される。このループフィルタ161の出力は、VCO(Voltage−Controlled−Oscillator)162へ入力される。VCO162では、ループフィルタ161から出力された電圧に応じて出力するパルスの周波数が制御される。本実施形態では、VCO162から、表面センサ109からの出力パルスの64倍の周波数をもった逓倍パルスが出力される。この逓倍パルスは、上述したようにカウンタ153へ入力されるとともに、分周器163へフィードバックされる。分周器163では、VCO162からの逓倍パルスを、その逓倍数の逆数倍の周波数すなわち1/64に分周する。この分周パルスは、位相比較器160に入力される。
【0024】
次に、リニアスケール108の傷や汚れが付いた部分やスケールのつなぎ目が表面センサ109の検出領域に存在するために、表面センサ109からの出力パルス中に不連続部分が生じる場合に関して説明する。
図8は、補正処理部154による補正処理を行わない場合において、不連続部分の前後にわたる、各サンプリング時間ごとにカウントされるパルス数を示すグラフである。図8において、横軸は時間を、縦軸は表面センサ109から出力パルスについてサンプリング時間ごとにカウントされたパルス数をそれぞれ示している。サンプリング時間ごとのパルス数は、連続部分については、図中の通常領域a1の範囲内となる。しかし、リニアスケール108の傷や汚れが付いた部分やスケールのつなぎ目が表面センサ109の検出領域にやってくると、表面センサ109がマーク108aを検出できず、図示のようにパルス数が減少する。そこで、本実施形態では、サンプリング時間ごとのパルス数が通常領域a1から外れた非通常領域a2の範囲に入り込んだとき、補正処理部154がエラーであると判断するように構成されている。なお、通常領域a1は設計者が任意に決めることができる。
【0025】
通常領域a1と非通常領域a2との境界を示すスレッシュパルス数を決める方法の1つの例としては、サンプリング時間をAとし、ベルト106又はドラム126の速度をBとし、分解能をCとし、マーク間隔(マーク108aのピッチ)をDとした場合、A×B×C÷Dの計算から求めた理論値を、図8に示すような通常領域a1を決定する。
【0026】
傷や汚れが付いた部分やつなぎ目部分が表面センサ109の検出領域に存在しないときのパルス数Pn1,Pn2,Pn3は、図8の通常領域a1の範囲内に収まる。しかし、傷や汚れが付いた部分やつなぎ目部分が表面センサ109の検出領域へやってくると、パルス数はPn4,Pn5まで落ち込み、図8の非通常領域a2の範囲内に入る。このパルス数Pn4,Pn5(不連続部分)をそのままフィードバック信号として用いると、ベルト106やドラム126は適切に駆動しているにもかかわらず、ベルト106やドラム126の駆動が遅くなったと判断され、速度を上げるように駆動制御されてしまう。そして、不連続部分が終わると、今度は、エラー部分で速度を上げてしまった分、ベルト106やドラム126の駆動が速いと判断され(Pn6)、速度を下げる駆動制御がなされる。このような一連の駆動動作により、本来は存在しない変動をフィードバック制御系自身が作り出してしまい、ベルト106やドラム126の駆動に大きな変動が生み出されてしまう。
【0027】
本実施形態では、サンプリング時間ごとにカウントしたパルス数が通常領域a1の範囲内であるか否かを判断する。そして、通常領域a1の範囲内でない、すなわち、非通常領域a2の範囲内であると判断したら、カウントしたパルス数の代わりに、通常領域a1に入る代替信号としてのダミーパルスを用いて制御を継続する。
ここで、本発明者らの研究の結果、不連続部分についてだけダミーパルスを用いても、その不連続部分の直前や直後において適切な駆動制御を行うことができないことがあることが判明した。その原因は、図22に示したような表面センサ109の電気回路中に設けられたコンデンサの充電時間等の影響、図23に示したようなリニアスケール108の端部めくれ、図24に示したような汚れ部分周囲に飛散した粉体などである。
そこで、本実施形態では、このような原因が発生しても不連続部分の直前や直後において適切な駆動制御を行えるように、不連続部分だけでなく、その不連続部分の直前や直後においても、上記ダミーパルスを用いて制御を行う。
【0028】
〔動作例1〕
まず、図22に示したような表面センサ109の電気回路中に設けられたコンデンサの充電時間等の影響により、不連続部分の直後において適切な駆動制御が行えない場合の動作例(以下、本動作例を「動作例1」という。)について説明する。
表面センサ109の電気回路中に設けられたコンデンサの充電時間等の影響により、不連続部分の直後においては、図6(a)中破線で示したように受光レベルが不安定になり、図6(b)に示したように出力パルスも不安定になる。なお、図6(c)は、後述する特定制御信号出力手段としてのタイマーの出力信号であるマーク制御信号(特定制御信号)を示している。
【0029】
図9は、本動作例1のフィードバック制御系における制御の流れを示すフローチャートである。表面センサ109がリニアスケール108上のマーク108aを検出する(S1)。表面センサ109からの出力パルスは、逓倍部152においてその周波数が64倍に逓倍される(S2)。そして、カウンタ153において、サンプリング時間ごとに、その逓倍パルスのパルス数をカウントする(S3)。補正処理部154では、カウンタ153から出力されるカウント値が規定範囲内にあるか否か、すなわち、上記スレッシュパルス数(閾値)以上であるか否かを判断する(S4)。
【0030】
規定範囲内であった場合、次に、後述するように計時が開始されたタイマーが設定時間に到達したか否かを判断する(S5)。ここでは、まだタイマーがスタートしていないため、カウント値は正常なものであるとして、メモリ(check1)へ今まで累積されていたカウント数に加えてカウンタが計測したカウント数を追加保存する(S6)。ここで、メモリ(check1)とは、図4(a)及び図4(b)に示したRAM138の特定の保存領域を意味する。その後、カウンタがリセットされ(S7)、追加保存されたメモリ(check1)の値を用いてフィードバック制御が行われる(S8)。なお、メモリ(check1)の初期値は0である。
【0031】
一方、上記S4において、カウント値が規定範囲内にないと判断された場合、そのカウント値はつなぎ目部分や傷、汚れの付いた部分などに対応するエラー値である。この場合、本動作例1では、まず、タイマーをスタートさせる(S9)。このタイマーは、図4(a)及び図4(b)に示したマイクロコンピュータ135の外部に設けられる図示しないタイマー回路によって構成されている。よって、規定範囲内にないと判断したマイクロコンピュータ135は、タイマー回路へ計測信号を送信し、これを受けたタイマー回路は、設定時間(一定期間)に達するまで時間を計測する。また、タイマー回路は、図6(c)に示したように、時間の計測を開始するとLレベルの出力信号をマイクロコンピュータ135へ出力し、設定時間に達した後はHレベルの出力信号を出力する。なお、その後、カウント値が規定範囲内にあると判断されている間は、カウント値が規定範囲内にないと判断されてもタイマーをリスタートさせることはしない。なお、本動作例1では、タイマー回路を用いて設定時間を計測しているが、時間が計測可能であれば他の手段でもよい。
【0032】
このようにしてタイマーをスタートさせたら、ダミーパルスのパルス数をカウント値としてメモリ(check1)に追加保存する(S10)。そして、カウンタがリセットされ(S7)、ダミーパルスのパルス数が追加保存されたメモリ(check1)の値を用いてフィードバック制御が行われる(S8)。その後、補正処理部154においてカウント値が規定範囲内にあると判断された場合(S4)、補正処理部154は、タイマー回路からの出力信号に基づいてタイマーが設定時間に達したか否かを判断する(S5)。この判断において、まだタイマーが設定時間に達していないと判断された場合、上記S4においてカウント値が規定範囲内にないと判断された場合と同様に、ダミーパルスを用いたフィードバック制御を継続する(S10,S7,S8)。そして、タイマーが設定時間に達したと判断されたら(S5)、通常のフィードバック制御に戻る(S6,S7,S8)。したがって、タイマーの設定時間を、図6(c)に示すように、不連続部分の期間Aに、出力パルス中に不安定信号部分が存在する直後部分の期間Bを加えた時間に設定しておけば、表面センサ109の電気回路中に設けられたコンデンサの充電時間等の影響を受けることなく、適切なフィードバック制御を行うことができる。
【0033】
なお、この設定時間は、出力パルス中に不安定信号部分が存在する期間Bの一部であっても十分な効果を発揮することができる。これは、不連続部分からの時間が短いほど、表面センサ109の電気回路中に設けられたコンデンサの充電時間等の影響が大きいためである。すなわち、出力パルス中に不安定信号部分が存在する期間の中でも、不連続部分からの時間が短い前半部分は、コンデンサの充電時間等の影響を大きく受けるため、その前半部分についてダミーパルスを用いた制御を行えば、全体としてコンデンサの充電時間等の影響を大幅に抑制できる。また、この設定時間は、出力パルス中に不安定信号部分が存在する期間Bよりも長い期間とし、誤差を考慮したマージンを確保するようにしてもよい。
また、この設定時間は、サンプリング時間の整数倍に相当する時間となるように設定するのが望ましい。これにより、サンプリング時間を計測するために利用する基準クロックを、タイマー回路でも利用することが可能となり、本フィードバック制御系を実現するにあたりクロック発生回路を省略することが可能となる。
【0034】
次に、上記補正処理部154における補正処理で用いられるダミーパルスの決め方の一例を図10に基づいて説明する。
図8において、パルス数Pn3までは、そのパルス数を示すカウント値がそのままフィードバック信号として用いられる通常のフィードバック制御を行う。このときのパルス数を、例えばRAM138に保存しておく。表面センサ109からの出力パルスのカウント値が通常領域a1に入っている場合は、RAM138に保存されるパルス数の値を更新する。そして、非通常領域a2の範囲内にあるパルス数Pn4がカウントされたら、パルス数Pn4の代わりに、RAM138に保存されているパルス数(最後に更新されたパルス数Pn3)を、ダミーパルスのパルス数Pn4aとして用い、これをフィードバック信号とする。制御ループの中では、このパルス数Pn4aがカウントされたものとして扱われる。パルス数Pn5についても同様である。このときは、RAM138に保存されるパルス数の値を更新せずに、最後に更新されたパルス数Pn3を保持する。更に、通常領域a1に入った後、設定時間が経過するまでは、ダミーパルスのパルス数Pn6a,Pn7aとして用い、これをフィードバック信号とする。このときも、RAM138に保存されるパルス数の値を更新せずに、最後に更新されたパルス数Pn3を保持する。そして、設定時間が経過したら、上述した通常のフィードバック制御に戻る。このような補正処理を行うことで、表面センサ109の検出領域につなぎ目部分や傷、汚れの付いた部分が存在しても、フィードバック制御系が不安定となることなく、継続される。更に、表面センサ109の電気回路中に設けられたコンデンサの充電時間等の影響を受けることなく、適切なフィードバック制御を行うことができる。
なお、ダミーパルスの決め方は、これに限らず、例えば上記先願に記載される他の決め方を採用してもよい。
【0035】
更に、本動作例1(後述する動作例についても同様である。)によれば、表面センサ109からの出力パルスを64倍まで逓倍した逓倍パルスについて、所定のサンプリング時間ごとにパルス数をカウントする。したがって、サンプリング時間内にカウントされるパルスの数は、逓倍しない場合に比べて大幅に増やすことができる。これにより、高精度なフィードバック制御を行うことが可能となる結果、不連続部分の期間が終了した直後におけるベルト106やドラム126の位置と目標位置との最大ズレ量を小さくできる。
具体的に説明すると、図11(a)に示すように、逓倍前の出力パルスにおいては、サンプリング時間T1,T2の区切りタイミングT0にまたがるように1個のパルスが存在する場合、パルスの立ち上がり部分でパルス数をカウントするときは、この1個のパルスはサンプリング時間T1でカウントされる。このような場合、サンプリング時間T1がちょうどパルスの立ち上がり部分で開始されたとしたら、このサンプリング時間T1では、およそマーク間隔の3/4に相当する進み位置誤差が生じる。また、サンプリング時間T2がちょうどパルスの立ち上がり部分で終了されたとしたら、このサンプリング時間T2では、おおよそマーク間隔の1/4に相当する遅れ位置誤差が生じる。これに対し、本動作例1のように上記出力パルスを逓倍した逓倍パルスを用いる場合、図11(b)に示すように、サンプリング時間T1,T2で生じ得る位置誤差は、最大でもマーク間隔の1/64に相当するものとなる。この結果、目標位置に対するベルト106やドラム126の位置の誤差範囲を、出力パルスを逓倍しない場合に比べて小さくすることができる。
【0036】
また、本動作例1では、補正処理部154を構成するマイクロコンピュータ135が、タイマー回路の出力信号に基づいて不連続部分が出力パルス中に存在するか否かを判断し、出力パルス中に存在すると判断したときには、その不連続部分について出力パルスに代わるダミーパルスを用いてフィードバック制御を行うとともに、その不連続部分の直後に存在する不安定信号部分の少なくとも一部についてもダミーパルスを用いてフィードバック制御を行うフィードバック制御手段として機能する。具体的には、マイクロコンピュータ135を構成するマイクロプロセッサ136を上記フィードバック制御手段として機能させるプログラムがプログラム記憶媒体としてのROM137に記憶されており、このプログラムをマイクロプロセッサ136が読み出して実行することにより上記フィードバック制御手段による処理が行われる。
【0037】
なお、本動作例1では、上記フィードバック制御手段による処理をソフトウェアによって実現しているが、ハードウェアによって実現するようにしてもよい。例えば、表面センサ109の出力パルスを処理してデジタル数値に変換する検出用インターフェース装置142を、上記フィードバック制御手段の一部として用いる。この場合、検出用インターフェース装置142は、例えば、入力される表面センサ109からの出力パルスから上記補正処理部154と同様に不連続部分を判断し、不連続部分の期間Aが開始してから上記設定時間に達するまでは逓倍部152へ出力パルスを入力させないように構成する。
また、本動作例1では、表面センサ109の電気回路中に設けられたコンデンサの充電時間等の影響に限定されることなく、図23に示したようなリニアスケール108の端部めくれ、図24に示したような汚れ部分周囲に飛散した粉体などが原因で、不連続部分の期間Aが終了した直後の出力パルス中に不安定信号部分が存在する場合でも、同様である。
【0038】
〔動作例2〕
次に、図23に示したようなリニアスケール108の端部めくれが、つなぎ目の無端移動方向下流側で発生して、不連続部分の直前において適切な駆動制御が行えない場合の動作例(以下、本動作例を「動作例2」という。)について説明する。
リニアスケール108の端部めくれにより、不連続部分の直前においては、図12(a)中破線で示したように受光レベルが不安定になり、図12(b)に示したように出力パルスも不安定になる。なお、図12(c)は、上記動作例1の場合と同様にマーク制御信号(特定制御信号)を示している。なお、本動作例2では、不連続部分の直前部分にだけ不安定な信号部分を有し、不連続部分の直後部分には不安定な信号部分がないと想定した場合について説明する。
【0039】
図13は、本動作例2のフィードバック制御系における制御の流れを示すフローチャートである。本動作例2の基本的なフィードバック制御の流れは、上記動作例1と同様であるので、以下、上記動作例1とは異なる点についてのみ説明する。
本動作例2においては、補正処理部154でカウンタ153から出力されるカウント値が規定範囲内にあるか否かを判断する前に(S4)、現在、後述する補正処理期間(一定期間)内であるか否かを判断する(S11)。ここでは、まだ補正処理期間は設定されていないため、上記動作例1と同様に、カウント値が規定範囲内にあるか否かを判断する(S4)。そして、カウント値が規定範囲内にないと判断された場合、そのカウント値は、およそ、端部めくれが生じたリニアスケール108と、つなぎ目部分におけるベルト表面との境目に対応するエラー値である。この場合、本動作例2では、補正処理期間を特定制御信号出力手段としての図示しない信号生成部に設けられた記憶手段としての記憶部に記憶する。この信号生成部は、その記憶部に記憶された補正処理期間中には、Lレベルのマーク制御信号(特定制御信号)を出力し、それ以外の期間中はHレベルのマーク制御信号を出力する。このマーク制御信号は、マイクロコンピュータ135に入力される。
【0040】
ここで、上記境目の無端移動方向下流側で隣接するリニアスケール108のめくれた部分については、図12(a)に示すように受光レベルが不安定となり、図12(b)に示すように出力パルスも不安定になる。よって、本動作例2では、この不連続部分の直前に存在する不安定信号部分の期間Cについてもダミーパルスを用いた制御を行う。したがって、上記補正処理期間は、不連続部分の直前に存在する不安定信号部分の期間Cの開始時期から始まり、不連続部分の期間Aの終了時期に終わるように設定される。しかし、リニアスケール108の端部めくれは、経時使用によって発生するものであるので、当初から補正処理期間を設定しておき、その補正処理期間を信号生成部の記憶部に記憶しておくのは好ましくない。なぜなら、端部めくれが生じると、そのめくれ量に応じてつなぎ目の広さが変化するため、当初からつなぎ目を一定として補正処理期間を設定しても適切な補正処理期間とはならないからである。
【0041】
そこで、本動作例2では、上記S4においてカウント値が規定範囲内にないと判断された場合、その時点が、端部めくれが生じたリニアスケール108と、つなぎ目部分におけるベルト表面との境目が表面センサ109の検出領域を通過する時点であると把握する。そして、この時点から、不安定信号部分の期間Cに相当する時間だけさかのぼった時点を開始時期とし、不連続部分の期間Aの終りを終了時期としてもつ補正処理期間を、信号生成部の記憶部に記憶する(S12)。これにより、端部めくれが生じた後、そのめくれ部分が最初に表面センサ109の検出領域を通過する際には、そのめくれ部分による不安定信号部分を考慮した駆動制御(ダミーパルスを用いた駆動制御)を行うことはできないが、次回以降にめくれ部分が表面センサ109の検出領域を通過する際には、その不安定信号部分を考慮した駆動制御を行うことができる。
なお、その後、更にリニアスケール端部のめくれ量が広がった場合、その時点で設定されている補正処理期間が始まる前に(S11)、カウント値が規定範囲外となる(S4)。この場合、新しい補正処理期間が信号生成部の記憶部に記憶される。
【0042】
以上より、本動作例2においては、補正処理期間を、図12(c)に示すように、不連続部分の期間Aの直前に、出力パルス中に不安定信号部分が存在する直前部分の期間Cを加えた期間に設定することにより、リニアスケール108の端部めくれが原因で、不連続部分の直前部分に不安定な信号部分が存在しても、適切なフィードバック制御を行うことができる。これは、その他の原因で、不連続部分の直前部分に不安定な信号部分が存在する場合についても同様である。
なお、本動作例2では、不連続部分の期間Aの直前部分の期間が、出力パルス中に不安定信号部分が存在する期間Cに一致する期間としているが、この期間Cよりも長い期間とし、誤差を考慮したマージンを確保するようにしてもよい。
また、本動作例2では、信号生成部の記憶部に補正処理期間の開始時期及び終了時期の両方について記憶し、この補正処理期間中にLレベルのマーク制御信号を出力する場合について説明したが、この記憶部には補正処理期間の開始時期だけを記憶しておいてもよい。この場合、補正処理期間の終了時期は、上記S4においてカウント値が規定範囲内に戻った時点とすればよい。
また、リニアスケール108の端部めくれの発生を想定して、当初から補正処理期間を設定しておき、その補正処理期間を信号生成部の記憶部に記憶しておいてもよい。この場合でも、想定した以上の端部めくれが発生したら、上述したように新しい補正処理期間が信号生成部の記憶部に記憶されることになる。
【0043】
〔動作例3〕
次に、図24に示したようにリニアスケール108上にトナーによる汚れが付いて、不連続部分の直前及び直後において適切な駆動制御が行えない場合の動作例(以下、本動作例を「動作例3」という。)について説明する。
リニアスケール108上にトナーによる汚れが付着すると、不連続部分の直前及び直後において、図14(a)中破線で示したように受光レベルが不安定になり、図14(b)に示したように出力パルスも不安定になる。なお、図14(c)は、上記動作例2の場合と同様に、信号生成部からの出力信号であるマーク制御信号(特定制御信号)を示している。
【0044】
本動作例3のフィードバック制御系における制御のの基本的な流れは、上記動作例2と同様である。上記動作例2と異なる点は、信号生成部の記憶部に記憶する補正処理期間だけである。すなわち、本動作例3においては、上記補正処理期間を、不連続部分の直前に存在する飛散したトナーによる不安定信号部分の期間Dの開始時期から始まり、不連続部分の直後に存在する飛散したトナーによる不安定信号部分の期間Eの終了時期から終わるように設定される。しかし、トナーによる汚れは、リニアスケール108上のどの場所にどの程度付着するかを予め把握することは困難である。したがって、当初から補正処理期間を設定しておき、その補正処理期間を信号生成部の記憶部に記憶しておくことはできない。
【0045】
そこで、本動作例3においては、上記動作例2の場合と同様に、上記S4においてカウント値が規定範囲内にないと判断された場合、汚れ部分が表面センサ109の検出領域に存在すると把握する。そして、その把握開始時期(不連続部分の開始時期)から不安定信号部分の期間Dに相当する時間だけさかのぼった時点を開始時期とし、その把握終了時期(不連続部分の終了時期)から不安定信号部分の期間Eに相当する時間だけ進んだ時点を終了時期としてもつ補正処理期間を、信号生成部の記憶部に記憶する。これにより、汚れが付着した後、その汚れ部分が最初に表面センサ109の検出領域を通過する際には、その汚れ部分に対応した不連続部分の直前に存在する不安定信号部分を考慮した駆動制御(ダミーパルスを用いた駆動制御)を行うことはできないが、次回以降は、その不連続部分の直前に存在する不安定信号部分を考慮した駆動制御を行うことができる。なお、汚れ部分に対応した不連続部分の直後に存在する不安定信号部分については、最初からこれを考慮した駆動制御を行うことができる。
その後、更に汚れ部分が広がった場合、不連続部分の期間Aも長くなる。よって、このような不連続部分の期間Aの変化に応じて、補正処理期間を更新することが望ましい。
なお、本動作例3では、不連続部分の期間Aの直前部分及び直後部分の期間が、それぞれ、出力パルス中に不安定信号部分が存在する期間D,Eに一致する期間としているが、上述した理由と同様の理由から、これらの期間D,Eよりも短い期間としたり長い期間としたりしてもよい。
【0046】
次に、上記動作例3における上記補正処理期間を決定するマスク制御信号の生成例について説明する。なお、以下の説明では、上記動作例3について説明するが、上記動作例1や上記動作例2についても同様である。
不連続部分の前後における表面センサ109の受光レベルは、図14(a)及び図15(a)に示すとおりである。この受光レベル信号をフィルタ手段であるローパスフィルタに通過させると、各マークに対応する信号部分の時間間隔に相当する周波数成分が除去され、図15(a)に示す一点鎖線のような低周波信号になる。そして、この低周波信号の信号レベルと所定のスレッシュレベル(閾値)Sとを比較して、図15(b)に示すようなマスク制御信号を生成する。このマスク制御信号は、低周波信号の信号レベルが所定のスレッシュレベルS以上であればHレベルとなり、所定のスレッシュレベルSよりも小さければLレベルとなる。このようなマスク制御信号を生成する機構は、表面センサ109に設けることが可能である。その場合、補正処理部154において、上記S4の判断に代えて、このマスク制御信号がLレベルか否かを判断を行うという簡単な処理とすることができる。すなわち、上記S4のようにカウント値が規定範囲内か否かを判断する処理ではなく、表面センサ109から入力されるマスク制御信号がLレベルか否かを判断するという簡単な処理で済む。
【0047】
なお、上記動作例1〜3においては、表面センサ109からの出力パルスを逓倍部152において64倍に逓倍した逓倍パルスをフィードバック信号として用いる場合について説明したが、このような逓倍部152を設けずに、出力パルスを逓倍しないでフィードバック信号として用いても、同様の効果を得ることができる。
【0048】
また、上記動作例1〜3では、所定のサンプリング時間ごとにカウントしたパルス数が上記通常領域a1の範囲内であるか否かにより出力パルス中に不連続部分が存在するか否かを判断する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、次のような他の方法により、出力パルス中に不連続部分が存在するか否かを判断してもよい。
すなわち、図16(a)に示す目標速度に対応する基準パルス(基準信号)と、図16(b)に示す出力パルスとから、図16(c)に示す差分信号を算出する。この差分信号は、ベルト106やドラム106等の回転体の実際の速度が目標速度に対してどの程度遅いのか又は速いのかを示すものである。すなわち、この差分信号は、目標速度を考慮することで回転体の実際の速度を示すものである。そして、この差分信号が示す回転体の実際の速度が予め決められた規定範囲外である期間を、不連続部分の期間であると判断する。上記動作例1〜3で採用する不連続部分の判断方法では、出力パルス中に不連続部分が存在し始めてからパルス数個分の時間が経過までは、出力パルス中に不連続部分が存在することを認識することができない。これに対し、上記他の方法であれば、出力パルス中における不連続部分の開始直前及び終了直後の1つのパルスと、対応する基準パルスとだけから、不連続部分の開始時期及び終了時期を認識することができる。したがって、上記他の方法によれば、不連続部分の開始時期及び終了時期をより早期に認識することができる。これにより、出力パルス中に不連続部分が出現してからこれを認識するまでのタイムラグが小さくなる結果、不連続部分が存在し初めてからすぐにダミーパルスを用いた駆動制御を行うことができるようになる。したがって、より安定した駆動制御を実現することができる。
なお、上記動作例2や上記動作例3においては、不連続部分が存在し初めるよりも一定時間前からダミーパルスを用いた駆動制御を開始するため、このような駆動制御中においては、上記タイムラグが小さくしても特に有益な効果を奏することはない。しかし、上述したように、上記動作例2や上記動作例3においては、不連続部分となる端部めくれや汚れ部分が最初に表面センサ109の検出領域を通過する際には、上記動作例1の場合と同様に、その不連続部分が存在すると判断したときからダミーパルスを用いたフィードバック制御を行う。したがって、端部めくれや汚れ部分が最初に表面センサ109の検出領域を通過する際の駆動制御においては、上記タイムラグが小さくすることにより安定した駆動制御を実現する効果は有益なものとなる。
【0049】
〔実施例1〕
次に、上述したフィードバック制御系を、画像形成装置としてのカラー複写機へ適用した実施例(以下、本実施例を「実施例1」という。)について説明する。
図17は、本実施例1に係るカラー複写機を示す概略構成図である。
装置本体10は、外装ケース11内の中央よりもやや図中右寄りに、像担持体としての潜像担持体である感光体ドラム12を備えている。感光体ドラム12の周りには、その上に設置されている帯電器13から矢示の回転方向(反時計回り方向)へ順に、現像手段としての回転型現像装置14、中間転写ユニット15、クリーニング装置16、除電器17などが配置されている。これらの帯電器13、回転型現像装置14、クリーニング装置16、除電器17の上には、露光手段としての光書込み装置、例えばレーザ書込み装置18が設置される。回転型現像装置14は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーをそれぞれ収納した、現像ローラ21を有する現像器20A、20B、20C、20Dを備え、中心軸回りに回動して各色の現像器20A、20B、20C、20Dを選択的に感光体ドラム12の外周に対向する現像位置へ移動させる。
【0050】
中間転写ユニット15は複数のローラ23に像担持体としての無端状の中間転写体、例えば中間転写ベルト24が掛け渡され、この中間転写ベルト24は感光体ドラム12に当接される。中間転写ベルト24の内側には転写装置25が設置され、中間転写ベルト24の外側には転写装置26及びクリーニング装置27が設置されている。クリーニング装置27は中間転写ベルト24に対して接離自在に設けられる。
レーザ書込み装置18は、画像読取装置29から図示しない画像処理部を介して各色の画像信号が入力され、各色の画像信号により順次に変調されたレーザ光Lを一様帯電状態の感光体ドラム12に照射して感光体ドラム12を露光することで感光体ドラム12上に静電潜像を形成する。
画像読取装置29は装置本体10の上面に設けられた原稿台30上にセットされた原稿Gの画像を色分解して読み取り、電気的な画像信号に変換する。記録媒体搬送路32は右から左へ用紙等の記録媒体を搬送する。記録媒体搬送路32には、中間転写ユニット15及び転写装置26より手前にレジストローラ対33が設置され、中間転写ユニット15及び転写装置26より下流側に搬送ベルト34、定着装置35、排紙ローラ対36が配置されている。
【0051】
装置本体10は給紙装置50上に載置されている。給紙装置50内には、複数の給紙カセット51が多段に設けられ、給紙ローラ52のいずれか1つが選択的に駆動されて給紙カセット51のいずれか1つから記録媒体が送り出される。この記録媒体は装置本体10内の自動給紙路37を通して記録媒体搬送路32へ搬送される。
装置本体10の右側には、手差しトレイ38が開閉自在に設けられ、この手差しトレイ38から挿入された記録媒体は装置本体10内の手差し給紙路39を通して記録媒体搬送路32へ搬送される。装置本体10の左側には、図示しない排紙トレイが着脱自在に取り付けられ、記録媒体搬送路32を通して排紙ローラ対36により排出された記録媒体が排紙トレイへ収容される。
【0052】
このカラー複写機において、カラーコピーをとる時には、原稿台30上に原稿Gをセットし、図示しないスタートスイッチを押すと、複写動作が開始される。まず、画像読取装置29が原稿台30上の原稿Gの画像を色分解して読み取る。
同時に、給紙装置50内の給紙カセット51から給紙ローラ52で選択的に記録媒体が送り出され、この記録媒体は自動給紙路37、記録媒体搬送路32を通してレジストローラ対33に突き当たって止まる。
感光体ドラム12は、反時計回り方向に回転し、複数のローラ23のうちの駆動ローラの回転で中間転写ベルト24が時計回り方向へ回転する。感光体ドラム12は、回転に伴い、帯電器13により一様に帯電され、画像読取装置29から画像処理部を介してレーザ書込み装置18に加えられる1色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置18から照射されて静電潜像が形成される。
【0053】
感光体ドラム12上の静電潜像は回転型現像装置14の1色目の現像器20Aにより現像されて1色目の画像となり、感光体ドラム12上の1色目の画像は転写装置25により中間転写ベルト24に転写される。感光体ドラム12は、1色目の画像の転写後にクリーニング装置16でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器17で除電される。
続いて、感光体ドラム12は、帯電器13により一様に帯電され、画像読取装置29から画像処理部を介してレーザ書込み装置18に加えられる2色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置18から照射されて静電潜像が形成される。感光体ドラム12上の静電潜像は回転型現像装置14の2色目の現像器20Bにより現像されて2色目の画像となり、感光体ドラム12上の2色目の画像は転写装置25により中間転写ベルト24上に1色目の画像と重ねて転写される。感光体ドラム12は、2色目の画像の転写後にクリーニング装置16でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器17で除電される。
【0054】
次に、感光体ドラム12は、帯電器13により一様に帯電され、画像読取装置29から画像処理部を介してレーザ書込み装置18に加えられる3色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置18から照射されて静電潜像が形成される。感光体ドラム12上の静電潜像は回転型現像装置14の3色目の現像器20Cにより現像されて3色目の画像となり、この感光体ドラム12上の3色目の画像は転写装置25により中間転写ベルト24上に1色目の画像、2色目の画像と重ねて転写される。感光体ドラム12は、3色目の画像の転写後にクリーニング装置16でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器17で除電される。
さらに、感光体ドラム12は、帯電器13により一様に帯電され、画像読取装置29から画像処理部を介してレーザ書込み装置18に加えられる4色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置18から照射されて静電潜像が形成される。感光体ドラム12上の静電潜像は回転型現像装置14の4色目の現像器20Dにより現像されて4色目の画像となり、感光体ドラム12上の4色目の画像が転写装置25により中間転写ベルト24上に1色目の画像、2色目の画像、3色目の画像と重ねて転写されることでフルカラー画像が形成される。
感光体ドラム12は、4色目の画像の転写後にクリーニング装置16でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器17で除電される。
【0055】
そして、レジストローラ対33がタイミングをとって回転して記録媒体が送り出され、この記録媒体は転写装置26により中間転写ベルト24上のフルカラー画像が転写される。この記録媒体は、搬送ベルト34で搬送されて定着装置35によりフルカラー画像が定着され、排紙ローラ対36により排紙トレイへ排出される。また、中間転写ベルト24はフルカラー画像の転写後にクリーニング装置27でクリーニングされて残留トナーが除去される。
以上4色重ね画像を形成する動作について説明したが、3色重ね画像を形成する場合には感光体ドラム12上に3つの異なる単色画像が順次に形成されて中間転写ベルト24上に重ねて転写された後に記録媒体に一括して転写される。2色重ね画像を形成する場合には感光体ドラム12上に2つの異なる単色画像が順次に形成されて中間転写ベルト24上に重ねて転写された後に記録媒体に一括して転写される。
【0056】
このようなカラー複写機においては、像担持体である感光体ドラム12及び中間転写ベルト24、記録材搬送部材である搬送ベルト34の駆動精度が最終画像の品質に大きく影響し、これらのより高精度な駆動が望まれる。
そこで、本実施例1では、感光体ドラム12が図2で示した駆動装置を用い、中間転写ベルト24及び搬送ベルト34の駆動が図1に示した駆動装置を用いて、上述したフィードバック制御系により駆動制御されている。従って、像担持体の駆動精度、記録材搬送部材の駆動精度が向上し、高品質な画像を得ることができる。
【0057】
〔実施例2〕
次に、上述したフィードバック制御系を、上記実施例1と同様に、画像形成装置としてのカラー複写機へ適用した実施例(以下、本実施例を「実施例2」という。)について説明する。
図18は、本実施例2に係るカラー複写機を示す概略構成図である。
本実施例2におけるカラー複写機において、像担持体としての潜像担持体である感光体60は、閉ループ状のNi(ニッケル)のベルト基材の外周面上に、有機光半導体(OPC)等の感光層が薄膜状に形成された感光体ベルトである。この感光体60は、3本の感光体搬送ローラ61,62,63によって支持され、駆動モータ(図示せず)によって矢印A方向に回動される。
感光体60の周りには、矢印Aで示す感光体60回転方向へ順に、帯電器64、露光手段としての露光光学系(以下LSUという)65、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の現像器66〜69、中間転写ユニット70、感光体クリーニング手段71及び除電器72が設けられている。
帯電器64は、−4〜5kV程度の高電圧が図示しない電源装置から印加され、感光体60の帯電器64に対向した部分を帯電して一様な帯電電位を与える。
【0058】
LSU65は、レーザ駆動回路(図示せず)により階調変換手段(図示せず)からの各色の画像信号を順次に光強度変調やパルス幅変調してその変調信号で半導体レーザ(図示せず)を駆動することにより露光光線73を得、この露光光線73により感光体60を走査して感光体60上に各色の画像信号に対応する静電潜像を順次に形成する。
継ぎ目センサ74はループ状に形成された感光体60の継ぎ目を検知するものであり、継ぎ目センサ74が感光体60の継ぎ目を検知すると、感光体60の継ぎ目を回避するように、かつ、各色の静電潜像形成位置が同一になるように、タイミングコントローラ75がLSU65の発光タイミングを制御する。
【0059】
各現像器66〜69は、それぞれの現像色に対応したトナーを収納しており、感光体60上の各色の画像信号に対応した静電潜像に応じたタイミングで選択的に感光体60に当接し、感光体60上の静電潜像をトナーにより現像して各色の画像とすることで、4色重ねの画像によるフルカラー画像を形成する。
中間転写ユニット70は、アルミニウム等の金属の素管に導電性の樹脂等からなるベルト状のシートを巻いた中間転写体としての転写ドラム76と、ゴム等をブレード状に形成した中間転写体クリーニング手段77とからなり、中間転写体76上に4色重ねの画像が形成されている間は中間転写体クリーニング手段77が中間転写体76から離間している。
中間転写体クリーニング手段77は、中間転写体76をクリーニングする時のみ中間転写体76に当接し、中間転写体76から記録媒体としての記録紙78に転写されずに残ったトナーを除去する。記録紙78は、記録紙カセット79から給紙ローラ80により1枚ずつ用紙搬送路81に送り出される。
【0060】
転写手段としての転写ユニット82は、中間転写体76上のフルカラー画像を記録紙78に転写するものであり、導電性のゴム等をベルト状に形成した転写ベルト83と、中間転写体76上のフルカラー画像を記録紙78に転写するための転写バイアスを中間転写体76に印加する転写器84と、記録紙78にフルカラー画像が転写された後に記録紙78が中間転写体76に静電的に張り付くのを防止するようにバイアスを中間転写体76に印加する分離器85とから構成されている。
定着器86は、内部に熱源を有するヒートローラ87と、加圧ローラ88とから構成され、記録紙78上に転写されたフルカラー画像をヒートローラ87と加圧ローラ88との記録紙挟持回転に伴い圧力と熱を記録紙78に加えて記録紙78にフルカラー画像を定着させてフルカラー画像を形成する。
【0061】
以上のように構成されたカラー複写機の動作を以下に説明する。ここで、静電潜像の現像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順で行われるものとして説明を進める。
感光体60と中間転写体76は、それぞれの駆動源(図示せず)により、矢印A、B方向にそれぞれ駆動される。この状態で、まず、帯電器64に−4〜5kV程度の高電圧が電源装置(図示せず)から印加され、帯電器64が感光体60の表面を一様に−700V程度に帯電させる。
次に、継ぎ目センサ74が感光体60の継ぎ目を検知してから、感光体60の継ぎ目を回避するように一定時間が経過した後に感光体60にLSU65からブラックの画像信号に対応したレーザビームの露光光線73が照射され、感光体60は露光光線73が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、ブラック現像器66は所定のタイミングで感光体60に当接される。ブラック現像器66内のブラックトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体60上の露光光線73の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみブラックトナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。
ブラック現像器66により感光体60の表面に形成されたブラックトナー像は、中間転写体76に転写される。感光体60から中間転写体76に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段71により除去され、さらに除電器72によって感光体60上の電荷が除去される。
【0062】
次に、帯電器64が感光体60の表面を一様に−700V程度に帯電させる。そして、継ぎ目センサ74が感光体60の継ぎ目を検知してから、感光体60の継ぎ目を回避するように一定時間が経過した後に感光体60にLSU65からシアンの画像信号に対応したレーザビームの露光光線73が照射され、感光体60は露光光線73が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、感光体60には所定のタイミングでシアン現像器67が当接される。シアン現像器67内のシアントナーは負の電荷が予め与えられており、感光体60上の露光光線73の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみシアントナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。
シアン現像器67により感光体60の表面に形成されたシアントナー像は、中間転写体76上にブラックトナー像と重ねて転写される。感光体60から中間転写体76に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段71により除去され、さらに除電器72によって感光体60上の電荷が除去される。
【0063】
次に、帯電器64が感光体60の表面を一様に−700V程度に帯電させる。そして、継ぎ目センサ74が感光体60の継ぎ目を検知してから、感光体60の継ぎ目を回避するように一定時間が経過した後に感光体60にLSU65からマゼンタの画像信号に対応したレーザビームの露光光線73が照射され、感光体60は露光光線73が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、感光体60には所定のタイミングでマゼンタ現像器68が当接される。マゼンタ現像器68内のマゼンタトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体60上の露光光線73の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみマゼンタトナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。
マゼンタ現像器68により感光体60の表面に形成されたマゼンタトナー像は、中間転写体76上にブラックトナー像、シアントナー像と重ねて転写される。感光体60から中間転写体76に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段71により除去され、さらに除電器72によって感光体60上の電荷が除去される。
【0064】
さらに、帯電器64が感光体60の表面を一様に−700V程度に帯電させる。そして、継ぎ目センサ74が感光体60の継ぎ目を検知してから、感光体60の継ぎ目を回避するように一定時間が経過した後に感光体60にLSU65からイエローの画像信号に対応したレーザビームの露光光線73が照射され、感光体60は露光光線73が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、感光体60には所定のタイミングでイエロー現像器69が当接される。イエロー現像器69内のイエロートナーは負の電荷が予め与えられており、感光体60上の露光光線73の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみイエロートナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。
イエロー現像器69により感光体60の表面に形成されたイエロートナー像は中間転写体76上にブラックトナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像と重ねて転写され、中間転写体76上にフルカラー画像が形成される。感光体60から中間転写体76に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段71により除去され、さらに除電器72によって感光体60上の電荷が除去される。
【0065】
中間転写体76上に形成されたフルカラー画像は、これまで中間転写体76から離間していた転写ユニット83が中間転写体76に接触し、転写器84に+1kV程度の高電圧が電源装置(図示せず)から印加されることで、記録紙カセット79から用紙搬送路81に沿って搬送されてきた記録紙78へ転写器84により一括して転写される。
また、分離器85には記録紙78を引き付ける静電力が働くように電圧が電源装置から印加され、記録紙78が中間転写体76から剥離される。続いて、記録紙78は、定着器86に送られ、ここでヒートローラ87と加圧ローラ88とによる挟持圧、ヒートローラ88の熱によってフルカラー画像が定着されて排紙ローラ対89により排紙トレイ90へ排出される。
【0066】
また、転写ユニット82により記録紙78上に転写されなかった中間転写体76上の残留トナーは中間転写体クリーニング手段77により除去される。中間転写体クリーニング手段77は、フルカラー画像が得られるまで中間転写体76から離間した位置にあり、フルカラー画像が記録紙78に転写された後に中間転写体76に接触して中間転写体76上の残留トナーを除去する。以上の一連の動作によって1枚分のフルカラー画像形成が終了する。
【0067】
このようなカラー複写機においては、感光体ベルト60や転写ドラム76、転写ベルト83の駆動精度が最終画像の品質に大きく影響し、特に感光体ベルト60、転写ベルト83の高精度駆動が望まれる。
そこで、本実施例2では、感光体ベルト60と転写ベルト83が図1で示した駆動装置を用い、転写ドラム76が図2に示した駆動装置を用いて、上述したフィードバック制御系により駆動制御されている。従って、像担持体の駆動精度、記録材搬送部材の駆動精度が向上し、高品質な画像を得ることができる。上述した回転体の位置制御方法に基づいて行われる。
【0068】
〔実施例3〕
次に、上述したフィードバック制御系を、上記実施例1と同様に、画像形成装置としてのカラー複写機へ適用した実施例(以下、本実施例を「実施例3」という。)について説明する。
図19は、本実施例3に係るカラー複写機を示す概略構成図である。
本実施例3では、タンデム方式の画像形成装置への適用例を示している。本実施例3では、複数色、例えばブラック(以下Bkという)、マゼンタ(以下Mという)、イエロー(以下Yという)、シアン(以下Cという)の各画像をそれぞれ形成する複数の画像形成ユニット221Bk、221M、221Y、221Cが垂直方向に配列され、この画像形成ユニット221Bk、221M、221Y、221Cは、それぞれドラム状の感光体からなる像担持体222Bk、222M、222Y、222C、帯電装置(例えば接触帯電装置)223Bk、223M、223Y、223C、現像装置224Bk、224M、224Y、224C、クリーニング装置225Bk、225M、225Y、225Cなどから構成される。
感光体222Bk、222M、222Y、222Cは、無端状の直接転写ベルト(搬送転写ベルト)226と対向して垂直方向に配列され、直接転写ベルト226と同じ周速で回転駆動される。この感光体222Bk、222M、222Y、222Cは、それぞれ、帯電装置223Bk、223M、223Y、223Cにより均一に帯電された後に、光書き込み装置からなる露光手段227Bk、227M、227Y、227Cによりそれぞれ露光されて静電潜像が形成される。
【0069】
光書き込み装置227Bk、227M、227Y、227Cは、それぞれY、M、C、Bk各色の画像信号により半導体レーザ駆動回路で半導体レーザを駆動して半導体レーザからのレーザビームをポリゴンミラー229Bk、229M、229Y、229Cにより偏向走査し、このポリゴンミラー229Bk、229M、229Y、229Cからの各レーザビームを図示しないfθレンズやミラーを介して感光体222Bk、222M、222Y、222Cに結像することにより、感光体222Bk、222M、222Y、222Cを露光して静電潜像を形成する。
この感光体222Bk、222M、222Y、222C上の静電潜像は、それぞれ現像装置224Bk、224M、224Y、224Cにより現像されてBk、M、Y、C各色のトナー像となる。したがって、帯電装置223Bk、223M、223Y、223C、光書き込み装置227Bk、227M、227Y、227C及び現像装置224Bk、224M、224Y、224Cは、感光体222Bk、222M、222Y、222C上にBk、M、Y、C各色の画像(トナー像)を形成する画像形成手段を構成している。
【0070】
一方、普通紙、OHPシートなどの転写紙は本実施例の下部に設置された、給紙カセットを用いて構成された給紙装置230から転写紙搬送路に沿ってレジストローラ231に給紙され、レジストローラ231は1色目の画像形成ユニット(転写紙に最初に感光体上の画像を転写する画像形成ユニット)221Bkにおける感光体222Bk上のトナー像とタイミングを合わせて転写紙を直接転写ベルト226と感光体222Bkとの転写ニップ部へ送出する。
直接転写ベルト226は垂直方向に配列された駆動ローラ232及び従動ローラ233に掛け渡され、駆動ローラ232が図示しない駆動部により回転駆動されて直接転写ベルト226が感光体222Bk、222M、222Y、222Cと同じ周速で回転する。レジストローラ231から送出された転写紙は、直接転写ベルト226により搬送され、感光体222Bk、222M、222Y、222C上のBk、M、Y、C各色のトナー像がコロナ放電器からなる転写手段234Bk、234M、234Y、234Cにより形成される電界の作用で順次に重ねて転写されることによりフルカラー画像が形成されると同時に、直接転写ベルト226に静電的に吸着されて確実に搬送される。
【0071】
この転写紙は、分離チャージャからなる分離手段236により徐電されて直接転写ベルト226から分離された後に定着装置237によりフルカラー画像が定着され、排紙ローラ238により本実施例の上部に設けられている排紙部239へ排出される。また、感光体222Bk、222M、222Y、222Cは、トナー像転写後にクリーニング装置225Bk、225M、225Y、225Cによりクリーニングされて次の画像形成動作に備える。
【0072】
このようなカラー複写機においては、直接転写ベルト226の駆動精度が最終画像の品質に大きく影響し、直接転写ベルト226のより高精度な駆動が望まれる。
そこで、本実施例3では、直接転写ベルト226が図1に示した駆動装置を用いて、上述したフィードバック制御系により駆動制御されている。従って、記録材搬送部材の駆動精度が向上し、高品質な画像を得ることができる。
【0073】
〔実施例4〕
次に、上述したフィードバック制御系を、画像読取装置の走行体駆動装置へ適用した実施例(以下、本実施例を「実施例4」という。)について説明する。
図20は、本実施例4に係る画像読取装置を示す概略構成図である。この画像読取装置において、符号901は読み取られる原稿、符号902は原稿901が載置される原稿台、符号903は原稿901に光を照射する原稿照明系、符号904は反射光の光軸、905は読み取り用の素子で例えばCCD(Charge Coupled Device)、符号906は結像レンズ、符号907は全反射ミラーを示している。
また、符号908は、これらCCD905、レンズ906、ミラー907等からなる走行体としての光電変換ユニット、符号909,910は副走査駆動用のプーリ、符号911はワイヤ、符号300は駆動用の電動機、符号912はイメージスキャナのハウジングをそれぞれ示している。原稿を読み取るための光電変換ユニット908は、駆動用のモータ300をハウジング912に固定して、ワイヤ911とプーリ909,910など電動機の駆動力を伝達する手段を用いて、原稿901の副走査方向に駆動する。
【0074】
このとき蛍光灯などの読み取り用照明系903で、原稿台902上の原稿901を照明し、その反射光束(光軸を904に示す)を複数のミラー907で折り返し、結像レンズ906を介して、CCD905などのイメージセンサの受光部に原稿901の像を結像するようになっている。そして、この光電変換ユニット908により、原稿901の全面を走査することにより、原稿全体を読み取る。
また、読み取り開始位置を示すセンサ913は原稿901の端部の下部に設置されていて、光電変換ユニット908は、ホームポジションHPから読み取り開始位置Nの間に立ち上り等速の定常状態になるように設計されていて、HP点に達した後読み取りを開始するようになっている。
本実施例4では、光電変換ユニット908が図1に示した駆動装置を用いて、上述したフィードバック制御系により駆動制御されている。従って、走行体の駆動精度が向上し、画像の読取精度を高めることができる。
【0075】
なお、上述したフィードバック制御により行われるベルト106やドラム126の駆動制御は、コンピュータを用いて実行することができる。
図21は、上記駆動制御の実行に使用するコンピュータの一例であるパーソナルコンピュータ1001の正面図である。パーソナルコンピュータ1001に着脱可能な記録媒体1003には、パーソナルコンピュータ1001に制御のための演算、データ入出力等を実行させるためのプログラムが格納されている。パーソナルコンピュータ1001は、この記録媒体1003に格納されているプログラムを実行することにより、上述したフィードバック制御を実行できる。上記記録媒体1003としては、CD−ROM等の光ディスクやフレキシブルディスク等の磁気ディスクが挙げられる。また、上記プログラムは、記録媒体を用いずに通信ネットワークを介してパーソナルコンピュータ1001に取り込むようにしてもよい。
【0076】
上記プログラムとしては、具体的には次のようなものが挙げられる。例えば、上記実施例1においては、コンピュータによって感光体ドラム12、中間転写ベルト24、搬送ベルト34の駆動制御を行うための制御プログラムである。また、上記実施例2においては、コンピュータによって感光体ベルト60、転写ドラム76、転写ベルト83の駆動制御を行うための制御プログラムである。また、上記実施例3においては、直接転写ベルト226の駆動ローラの駆動制御を行うための制御プログラムである。また、上記実施例4においては、コンピュータによって画像読取装置の光電変換ユニット908を駆動する駆動プーリの駆動制御を行うための制御プログラムである。
【0077】
以上のように、上記実施形態(上記各動作例や上記各実施例を含む。以下同様。)における駆動制御装置は、無端移動する駆動制御対象部材であるベルト106やドラム126又はこれらの無端移動とともに無端移動する無端移動部材である駆動ローラ101、従動ローラ104,105、従動プーリ128の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けた複数のマーク108aをマーク検出手段である表面センサ109によって検出し、これにより得られるマーク検出信号である出力パルスを用いてベルト106やドラム126の駆動をフィードバック制御するものである。この駆動制御装置は、各マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲(通常領域a1)外となる出力パルス中の不連続部分A、並びに、その不連続部分の直前及び直後の信号部分B,C,D,Eの少なくとも一方については、出力パルスに代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行うフィードバック制御手段としてのフィードバック制御手段としての検出用インターフェース装置142、マイクロコンピュータ135、指令発生装置139及びモータ駆動用インターフェース140も備えている。このような構成を有することで、上述したように、不連続部分Aの直前及び直後の少なくとも一方に不安定信号部分B,C,D,Eが存在しても、ダミーパルスによる適切な駆動制御を行うことができる。
また、上記実施形態では、ダミーパルスを用いたフィードバック制御を、上記不連続部分Aの直前及び直後の少なくとも一方に存在する不安定信号部分B,C,D,Eの全てについて行う。これにより、不安定信号部分により駆動制御が不安定になるのを防止することができる。
また、上記実施形態の動作例1では、上記出力パルス中に上記不連続部分が存在する不連続期間及びこの期間直後の予め決められた一定期間、特定制御信号であるマーク制御信号を出力する特定制御信号出力手段としてのタイマーを設け、そのマーク制御信号が出力されている間は上記ダミーパルスを用いてフィードバック制御を行う。これにより、不連続部分の直後に不安定信号部分が存在しても、複雑な演算処理を行うことなく適切な駆動制御を行うことが可能となる。
また、上記実施形態の動作例2では、上記出力パルス中に上記不連続部分が存在する不連続期間及びこの期間直前の予め決められた一定期間、特定制御信号であるマーク制御信号を出力する特定制御信号出力手段としての信号生成部を設け、そのマーク制御信号が出力されている間は上記ダミーパルスを用いてフィードバック制御を行う。これにより、不連続部分の直前に不安定信号部分が存在しても、複雑な演算処理を行うことなく適切な駆動制御を行うことが可能となる。
また、上記実施形態の動作例3では、上記出力パルス中に上記不連続部分が存在する不連続期間、不連続期間直後の予め決められた一定期間及び不連続期間直前の予め決められた一定期間、特定制御信号であるマーク制御信号を出力する特定制御信号出力手段としての信号生成部を設け、そのマーク制御信号が出力されている間は上記ダミーパルスを用いてフィードバック制御を行う。これにより、不連続部分の直前及び直後の両方に不安定信号部分が存在しても、複雑な演算処理を行うことなく適切な駆動制御を行うことが可能となる。
また、上記実施形態の動作例2及び動作例3では、上記出力パルス中の上記不連続部分の開始時期を記憶する記憶手段としての記憶部を設け、次回以降に不連続部分が出力パルス中に出現する際、その記憶部に記憶された開始時期から上記一定期間前にマーク制御信号の出力を開始する。これにより、不連続部分の直前に不安定信号部分が存在する期間に、ダミーパルスを用いた駆動制御を確実に行うことができる。
また、上記実施形態の動作例2及び動作例3において説明したように、ベルト106やドラム126又は駆動ローラ101、従動ローラ104,105、従動プーリ128の無端移動速度を検出する速度検出手段を設け、この速度検出手段により検出された無端移動速度が規定範囲外であるか否かによって行う。これにより、上述したように、出力パルス中に不連続部分が出現してからこれを認識するまでのタイムラグが小さくなり、より安定した駆動制御を実現することができる。
また、上記実施形態では、上記不連続期間の開始時期及び終了時期は、各マークに対応する信号部分の時間間隔に相当する周波数成分を上記出力パルス中から除去して得た信号が所定の閾値であるスレッシュレベルSをまたいで変化するタイミングに設定している。これにより、上記不連続期間の開始時期及び終了時期を明確に把握することができる。
また、上記実施形態では、上記不連続部分が存在するか否かを、所定のサンプリング時間内に得た上記出力パルス中におけるマークに対応した信号部分の数が規定数よりも少ないか否かによって行い、上記一定期間を、そのサンプリング時間の整数倍に相当する時間に設定している。これにより、上述したように、クロック発生回路を省略することが可能となり、低コスト化を図ることが可能となる。
また、上記実施形態では、上記出力パルスを所定倍まで逓倍した逓倍信号を生成する逓倍手段としての逓倍部152を構成する検出用インターフェース装置142を有し、上記ダミーパルスを用いたフィードバック制御を行う期間外では、その逓倍信号を用いてフィードバック制御を行う。このような構成を有することで、上述したように、表面センサ109が低分解能のものであっても、その見かけ上の分解能を高める効果が得られ、出力パルス又は逓倍パルス中の連続部分については、目標位置に対するベルト106やドラム126の位置の誤差範囲を小さくすることができる。その結果、不連続部分の期間Bが終了した直後に生じ得る最大ズレ量を小さくすることができる。したがって、不連続部分の期間Bが終了した直後に生じ得るベルト106やドラム126の急激な速度変動を抑制することができる。特に、上記逓倍部152として、フィードバックした逓倍パルスと逓倍前の出力パルスとを位相比較し、その位相比較結果を用いて逓倍パルスを生成する逓倍回路であるPLL回路を用いているので、安価な構成で、逓倍パルスを生成することが可能となる。
また、上記実施例1乃至3に係る画像形成装置としてのカラー複写機は、無端移動する駆動制御対象部材としての感光体ドラム12、中間転写ベルト24、搬送ベルト34、感光体ベルト60、転写ベルト83、転写ドラム76、直接転写ベルト226と、これらの駆動制御を行う駆動制御手段とを備えている。そして、この駆動制御手段として、上述した実施形態で説明した駆動制御装置を用いている。これにより、駆動精度が最終画像の品質に大きく影響する駆動制御対象部材の駆動制御を向上させ、高品質な画像を得ることができる。
また、上記実施例4の画像読取装置は、原稿面に対して光を照射し、あるいは原稿面に対して照射された光の反射光を受光する走行体である光電変換ユニット908と、これを原稿面に沿って走行させるための駆動力を伝達する駆動力伝達経路上に設けられる無端移動する駆動制御対象部材であるワイヤ911やプーリ909,910と、これの駆動制御を行う駆動制御手段とを備えている。そして、この駆動制御手段として、上述した実施形態で説明した駆動制御装置を用いている。これにより、光電変換ユニット908の駆動精度が向上し、画像の読取精度を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、上記画像形成装置や画像読取装置における駆動制御対象部材の駆動制御に限定されることなく用いることができ、例えば、ODD(Optical Disk Drive)、HDD(Hard Disk Drive)、ロボット等に設けられる回転体の駆動制御にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】実施形態の一例であるベルト駆動装置の構成を示す概略構成図。
【図2】実施形態の他の例であるドラム駆動装置の構成を示す概略構成図。
【図3】(a)はリニアスケールのつなぎ目部分を拡大した図。(b)はリニアスケール上に汚れが付いた部分を拡大した図。
【図4】(a)及び(b)は、モータの角変位を表面センサの出力信号に基づいてデジタル制御する制御系の構成を示すブロック図。
【図5】実施形態に係るフィードバック制御系の概略構成を示す制御ブロック図。
【図6】(a)は動作例1における表面センサの受光レベルを示す図。(b)は同受光レベルに応じて出力される表面センサの出力パルスを示す図。(c)は動作例1におけるマーク制御信号を示す図。
【図7】同フィードバック制御系を構成する逓倍部を構成する逓倍回路を示す機能ブロック図。
【図8】補正処理部による補正処理を行わない場合において、不連続部分の前後にわたる、各サンプリング時間ごとにカウントされるパルス数を示すグラフ。
【図9】動作例1におけるフィードバック制御系の制御の流れを示すフローチャート。
【図10】同補正処理部による補正処理を行った場合において、不連続部分の前後にわたる、各サンプリング時間ごとにカウントされるパルス数を示すグラフ。
【図11】(a)及び(b)は逓倍前の出力パルスと逓倍後の逓倍パルスとをそれぞれ示す図。
【図12】(a)は動作例2における表面センサの受光レベルを示す図。(b)は同受光レベルに応じて出力される表面センサの出力パルスを示す図。(c)は動作例2におけるマーク制御信号を示す図。
【図13】動作例2におけるフィードバック制御系の制御の流れを示すフローチャート。
【図14】(a)は動作例3における表面センサの受光レベルを示す図。(b)は同受光レベルに応じて出力される表面センサの出力パルスを示す図。(c)は動作例3におけるマーク制御信号を示す図。
【図15】(a)及び(b)はマスク制御信号の生成例の説明図。
【図16】不連続部分の判断方法の他の例を説明するための説明図。
【図17】実施例1に係る1ドラム型カラー複写機の概要正面図。
【図18】実施例2に係る感光体ベルト方式のカラー複写機の概要正面図。
【図19】実施例3に係る直接転写ベルト方式のカラー複写機の概要正面図。
【図20】実施例4に係る画像読取装置の概要正面図。
【図21】実施形態における駆動制御の実行に使用するコンピュータの一例であるパーソナルコンピュータの正面図。
【図22】(a)はリニアスケールのつなぎ目部分を拡大した図。(b)は同リニアスケールを検出する表面センサの受光レベルを示す図。(c)は同受光レベルに応じて出力される表面センサの出力パルスを示す図。
【図23】(a)は端部めくれが発生したリニアスケールのつなぎ目部分を拡大した図。(b)は同リニアスケールを検出する表面センサの受光レベルを示す図。(c)は同受光レベルに応じて出力される表面センサの出力パルスを示す図。
【図24】(a)はリニアスケール上に付着した汚れ部分を拡大した図。(b)は同リニアスケールを検出する表面センサの受光レベルを示す図。(c)は同受光レベルに応じて出力される表面センサの出力パルスを示す図。
【符号の説明】
【0080】
12 感光体ドラム
24 中間転写ベルト
34 搬送ベルト
60 感光体ベルト
76 転写ドラム
83 転写ベルト
102,121 モータ
106 ベルト(駆動制御対象部材)
108 リニアスケール
108a マーク
109 表面センサ
126 ドラム(駆動制御対象部材)
135 マイクロコンピュータ
136 マイクロプロセッサ
139 指令発生装置
140 モータ駆動用インターフェース
141 モータ駆動装置
142 検出用インターフェース装置
152 逓倍部
153 カウンタ
154 補正処理部
155 減算器
160 位相比較器
161 ループフィルタ
163 分周器
908 光電変換ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端移動する駆動制御対象部材又は該駆動制御対象部材の無端移動とともに無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けた複数のマークをマーク検出手段によって検出し、これにより得られるマーク検出信号を用いて該駆動制御対象部材の駆動をフィードバック制御する駆動制御装置において、
各マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる上記マーク検出信号中の不連続部分、並びに、該不連続部分の直前及び直後の信号部分の少なくとも一方については、該マーク検出信号に代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行うフィードバック制御手段を有することを特徴とする駆動制御装置。
【請求項2】
請求項1の駆動制御装置において、
上記代替信号を用いたフィードバック制御を行う上記信号部分は、上記不連続部分の直前及び直後の少なくとも一方に存在する不安定信号部分の全てが含まれるように設定することを特徴とする駆動制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2の駆動制御装置において、
上記マーク検出信号中に上記不連続部分が存在する不連続期間及び該期間直後の予め決められた一定期間、特定制御信号を出力する特定制御信号出力手段を有し、
上記フィードバック制御手段は、該特定制御信号が出力されている間は上記代替信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とする駆動制御装置。
【請求項4】
請求項1又は2の駆動制御装置において、
上記マーク検出信号中に上記不連続部分が存在する不連続期間及び該期間直前の予め決められた一定期間、特定制御信号を出力する特定制御信号出力手段を有し、
上記フィードバック制御手段は、該特定制御信号が出力されている間は上記代替信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とする駆動制御装置。
【請求項5】
請求項1又は2の駆動制御装置において、
上記マーク検出信号中に上記不連続部分が存在する不連続期間、該期間直後の予め決められた一定期間及び該期間直前の予め決められた一定期間、特定制御信号を出力する特定制御信号出力手段を有し、
上記フィードバック制御手段は、該特定制御信号が出力されている間は上記代替信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とする駆動制御装置。
【請求項6】
請求項4又は5の駆動制御装置において、
上記マーク検出信号中の上記不連続部分の開始時期を記憶する記憶手段を有し、
上記特定制御信号出力手段は、次回以降に該不連続部分が該マーク検出信号中に出現する際、該記憶手段に記憶された開始時期から上記一定期間前に上記特定制御信号の出力を開始することを特徴とする駆動制御装置。
【請求項7】
請求項3、4、5又は6の駆動制御装置において、
上記駆動制御対象部材又は上記無端移動部材の無端移動速度を検出する速度検出手段を有し、
上記不連続部分が存在するか否かは、該速度検出手段により検出された無端移動速度が規定範囲外であるか否かによって行うことを特徴とする駆動制御装置。
【請求項8】
請求項3、4、5又は6の駆動制御装置において、
上記不連続期間の開始時期及び終了時期は、各マークに対応する信号部分の時間間隔に相当する周波数成分を上記マーク検出信号中から除去して得た信号が所定の閾値をまたいで変化するタイミングに設定することを特徴とする駆動制御装置。
【請求項9】
請求項3、4、5又は6の駆動制御装置において、
上記不連続部分が存在するか否かは、所定のサンプリング時間内に得た上記マーク検出信号中におけるマークに対応した信号部分の数が規定数よりも少ないか否かによって行い、
上記一定期間を、該サンプリング時間の整数倍に相当する時間に設定したことを特徴とする駆動制御装置。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の駆動制御装置において、
上記マーク検出信号を所定倍まで逓倍した逓倍信号を生成する逓倍手段を有し、
上記フィードバック制御手段は、上記代替信号を用いたフィードバック制御を行う期間外では、該逓倍信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とする駆動制御装置。
【請求項11】
請求項10の駆動制御装置において、
上記逓倍手段として、フィードバックした逓倍信号と逓倍前のマーク検出信号とを位相比較し、その位相比較結果を用いて逓倍信号を生成する逓倍回路を用いることを特徴とする駆動制御装置。
【請求項12】
無端移動する駆動制御対象部材又は該駆動制御対象部材の無端移動とともに無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けた複数のマークをマーク検出手段によって検出し、これにより得られるマーク検出信号を用いて該駆動制御対象部材の駆動をフィードバック制御する駆動制御方法において、
各マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる上記マーク検出信号中の不連続部分、並びに、該不連続部分の直前及び直後の信号部分の少なくとも一方については、該マーク検出信号に代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とする駆動制御方法。
【請求項13】
無端移動する駆動制御対象部材と、
該駆動制御対象部材の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた画像形成装置において、
上記駆動制御手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の駆動制御装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
原稿面に対して光を照射し、あるいは原稿面に対して照射された光の反射光を受光する走行体と、
該走行体を該原稿面に沿って走行させるための駆動力を伝達する駆動力伝達経路上に設けられる無端移動する駆動制御対象部材と、
該駆動制御対象部材の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた画像読取装置において、
上記駆動制御手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の駆動制御装置を用いることを特徴とする画像読取装置。
【請求項15】
無端移動する駆動制御対象部材又は該駆動制御対象部材の無端移動とともに無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けた複数のマークをマーク検出手段によって検出し、これにより得られるマーク検出信号を用いて該駆動制御対象部材の駆動をフィードバック制御する駆動制御装置に設けられるコンピュータを機能させるためのプログラムにおいて、
各マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる上記マーク検出信号中の不連続部分、並びに、該不連続部分の直前及び直後の信号部分の少なくとも一方については、該マーク検出信号に代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行うフィードバック制御手段として、上記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2006−6083(P2006−6083A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182596(P2004−182596)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】