説明

高熱伝導性放熱材料及びその製造方法

【課題】熱伝導率が高い上に、熱膨張係数が低く、かつ、加工性に優れた高熱伝導性放熱材料を得る。
【解決手段】高熱伝導性放熱材料10を、複数のカーボンナノチューブ11と、金属炭化物12と、マトリクス金属13とを備えた構成とし、、金属炭化物12はカーボンナノチューブ11の表面に存在すると共に、カーボンナノチューブ11はマトリクス金属13中に一次元または二次元的に一定方向に配向されて存在し、カーボンナノチューブ11の含有量が14体積%以上である。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高熱伝導性放熱材料及びその製造方法に関し、詳しくは、高熱伝導率と低熱膨張係数を有し、電子部品用のヒートシンク等に用いられる高熱伝導性放熱材料を得るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体レーザーやマイクロ波素子などの半導体素子を搭載した電子部品には、電子部品や素子から熱を吸収して外部に放熱するヒートシンクが用いられている。従来の電子部品は、その発熱量が小さかったため、ヒートシンクとしては、熱伝導率が低くても、搭載される半導体素子(Si、InP、GaAs等)との熱膨張係数が近いAlやAlNが用いられてきた。
しかし、最近では情報量の増大に合せて半導体素子の大型化や高出力化が進み、発熱量の増大が問題となっている。従って、高熱伝導率を有するヒートシンク用材料が強く要求されている。
【0003】
ヒートシンク用材料としてAlNは熱伝導率も比較的良好であり、またSiやInP等の半導体素子との熱膨張係数が近いため、一般によく使用されているが、さらなる高出力化や、GaAs素子のように熱膨張係数の大きい素子には対応が難しくなっている。
【0004】
具体的には、半導体素子等の各種半導体材料の熱膨張係数は、Siが4.2ppm/K、InPが4.5ppm/K、GaAsが5.9ppm/K程度であるため、ヒートシンク用材料としては、これらと熱膨張係数が近いことが望ましい。さらには、ヒートシンク用材料のヤング率は小さいほど、発生する熱応力が小さくなるため望ましい。従って、ヒートシンク材料に必要な物性としては、熱伝導率がCu(395W/mK)と同等かそれ以上、熱膨張係数がCu(16.9ppm/K)以下が望まれている。
【0005】
熱伝導率が最も高い材料はダイヤモンドやc−BNであるが、熱膨張係数が小さく(ダイヤ2.3ppm/K、c−BN3.7ppm/K)、かつこれらの材料はヤング率が830〜1050GPaと非常に大きいので、ヒートシンク材と半導体素子の蝋づけ時やデバイスとしての使用時にヒートシンク材と半導体素子との大きな熱応力が発生して破壊が起こるという問題がある。
【0006】
熱膨張係数が小さく、比較的熱伝導率が高い材料として、セラミックスと金属を複合したAl−SiCをはじめとする金属基複合材料が開発されている。しかし、Alの熱伝導率(室温で約238W/mK)が低いために複合材料にした場合の熱伝導率にも上限が存在し、上記高熱伝導率の要求を満たすことができない。
また、Alの代わりに、より熱伝導率の高いCu(同395W/mK)やAg(同420W/mK)等の金属を用いることも考えられるが、複合材として用いるSiCとの濡れ性が極めて悪いためにCu、Ag等が持つ本来の高熱伝導性が生かされないという問題がある。
【0007】
よって、本出願人は、CuやAgとの濡れ性を向上させたヒートシンク材料として、特開平11−67991号で、ダイヤモンド−Ag系やダイヤモンド−Cu系複合材料を提案している。これは、ダイヤモンド粉末とAg−Cu−Ti系粉末を混合、成形後、該合金の融点以上で加熱することにより、Ti成分がダイヤモンド粒子表面に拡散、反応し、表面にTiC層が形成されるものである(焼結法)。即ち、TiCと溶融Cuまたは溶融Agの濡れ性が高いために、結果としてダイヤモンド粒子と金属の界面が密着し、高い熱伝導率を得ることができる。
【0008】
また、本出願人は、上記のような金属基複合材料からなる半導体用ヒートシンクとして、特開平10−223812号において、ダイヤモンド−Ag系やダイヤモンド−Cu系複合材料及びその製法として溶浸法なる製法を提案している。これは、ダイヤモンド粉末とAg−Cu−Ti系粉末を混合、成形後、該合金の融点以上で加熱してダイヤモンド粒子表面にTiC層を形成させた後、さらに加熱してAg、Cu成分を揮発させて多孔体とし、これに溶融Ag−Cu合金を含浸させて、焼結法よりも熱伝導率の高い相対密度と熱伝導率を持つ複合材料を得るというものである。
【0009】
さらに、ダイヤモンドの代わりに、熱伝導率の高い黒鉛粒子をAg−Cu系金属と複合させた高熱伝導複合材料も提案されている。黒鉛は、Ag−Cu−Ti系金属との濡れ性がダイヤモンドと同程度であると共に、柔らかいために、加工性に優れている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平11−67991号、特開平10−223812号の半導体用ヒートシンクは、高熱伝導率を有しているものの、ダイヤモンドの硬度が高いために、加工を行いにくく、未だ改善の余地があり、さらなる加工性の向上が望まれている。また、ダイヤモンド自体が高価である上に、成形設備にもコストがかかるために、低コスト化が望まれている。
【0011】
また、上記した黒鉛系複合材料は、黒鉛結晶の異方性のため、作製した複合材料の熱伝導率や熱膨張係数に大きな異方性が生じるという問題がある。即ち、黒鉛結晶は六方晶に属する結晶系を持ち、黒鉛結晶面と同方向の熱伝導率は1000W/mK以上と高いが、黒鉛結晶面と垂直方向のそれは高々10W/mK程度しかない。一方、黒鉛結晶面と同方向の熱膨張係数はほとんどゼロであるのに対し、黒鉛結晶面と垂直方向のそれは26ppm/Kと大きな値となっている。
【0012】
従って、黒鉛粒子を原料として複合材料を作製する場合、異方性を発現するか否かによって、その性能に非常に大きな差が生じることとなる。例えば、70vol%黒鉛と30vol%金属の複合粒子を一軸成形した場合、黒鉛粒子は黒鉛結晶面に沿って配向し、結果として、異方的な物性を有することとなる。
【0013】
この黒鉛粒子を配向させた複合材料を、黒鉛結晶面と同方向が放熱方向となるように半導体素子等に接着させて放熱材として用いる場合、黒鉛結晶面と同方向には熱伝導率が高いため効率良く放熱させることができるが、その一方、黒鉛結晶面と同方向の熱膨張係数が大きいために、熱膨張係数が小さい半導体素子との間で大きな不整合が生じ、熱サイクルにより、両者の接着がはがれたり、破壊したりすることがある。
【0014】
一方、黒鉛結晶面と垂直方向が放熱方向となるように半導体素子等に接着させて放熱材として用いる場合、上記した熱膨張係数の不整合は小さくなるものの、黒鉛結晶面と垂直方向の熱伝導率が小さいために、放熱作用が不十分になり、放熱材としての機能を有しないという問題がある。
【0015】
このような異方性の問題が生じないように、複合材料中の黒鉛に配向性を持たせないことも考えられるが、この場合は、複合材料の熱伝導率が平均化されてしまい、放熱材として必要な高熱伝導率が得られないという問題がある。
【0016】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、熱伝導率が高い上に、熱膨張係数が低く、かつ、加工性に優れた高熱伝導性放熱材料、及びその製造方法を提供することを課題としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、複数のカーボンナノチューブと、金属炭化物と、金属とを備え、
上記金属炭化物は上記カーボンナノチューブの表面に存在すると共に、上記カーボンナノチューブは上記金属中に一次元または二次元的に一定方向に配向されて存在し、該カーボンナノチューブの含有量が14体積%以上であることを特徴とする高熱伝導性放熱材料を提供している。
【0018】
このように、カーボンナノチューブが、その表面に存在する金属炭化物を介して、金属中に一次元的または二次元的に一定方向に配向するように存在すると共に、カーボンナノチューブの体積含有量が規定されている。このため、本発明の高熱伝導性放熱材料は、各方向に対して高い熱伝導性を有し、特に、一次元的または二次元的にカーボンナノチューブが配向された方向において極めて高い熱伝導性を実現することができる。また、カーボンナノチューブは、径方向の熱膨張係数も極めて低いため、上記のように一定方向に配向させることにより、高熱伝導性放熱材料のある特定の方向において、熱膨張係数を小さくすることができる。
【0019】
即ち、上記のような構成とすることにより、カーボンナノチューブの特徴である、長さ方向及び径方向共に熱伝導率が極めて高く、特に、長さ方向においてダイヤモンド同様に極めて高い熱伝導率を有すると共に、径方向の熱膨張係数も極めて低いという性質を最大限に発揮することができる。
【0020】
よって、一次元または二次元的に配向方向を定めることにより、所望の高熱伝導率、低熱膨張係数を有する放熱材料を得ることができる。さらに、加工性にも優れているため、容易に種々の形状とすることができ、半導体用のヒートシンク等として好適に用いることができる。
【0021】
上記のように放熱材の完成状態でのカーボンナノチューブ(以下、CNTとも称す)の含有量を14体積%以上としているのは、14体積%未満では、熱膨張係数を小さくすることができない上に、熱伝導率も向上させにくくなるためである。CNTの配合量を多くするにつれ、熱伝導性が向上すると共に、熱膨張係数は低下するので好ましいが、配合量が多くなりすぎると表面粗度が悪くなる場合があるので、70体積%以下が好ましい。ただし、表面粗度が悪くなる場合でも、表面にメッキ層や金属箔を貼って一体化する等により表面を平滑化することができる。また、30体積%以上60体積%以下がより好ましい。なお、より高い熱伝導率を得るには、全てのCNTの長さ方向(軸方向)が同方向に配向するように二次元的に配向させるのが良いが、CNTの長さ方向が同一平面上に配向するように一次元的に配向させても良い。押出成形、圧延、ドクターブレード法等を使い、圧力を非常に高くして成形すると一次元配向させることができる。
【0022】
上記配向方向の熱伝導率(K1)が、該配向方向に垂直な方向の熱伝導率(K2)より大きく、上記配向方向の熱膨張係数(α1)が、該配向方向に垂直な方向の熱膨張係数(α2)より小さいことが好ましい。カーボンナノチューブの配向により、高熱伝導、低熱膨張係数を維持しながら、上記性能を実現することができ、特に半導体用ヒートシンクに好適である。
【0023】
上記金属炭化物は、Ti、W、Cr、Hf、Zr、V、Nb、Ta、またはMoから選択される一種以上の金属の炭化物であることが好ましい。これらの金属は炭化物の形成が容易であると共に、カーボンナノチューブと金属との密着性を高めることができるため、高熱伝導性を得ることができる。
【0024】
上記金属は、熱伝導率の高い、Al、Mg、Au、Ag、またはCuから選択される一種以上の金属あるいはこれらの合金であることが好ましい。より高熱伝導率を得るためには熱伝導率が高く、CNT表面に形成された金属炭化物との濡れ性も良好なAg、Cuまたはこの合金が好ましい。
なお、要求性能に応じて金属種やその配合比を適宜設定することができる。
【0025】
本発明の高熱伝導性放熱材料の熱膨張係数(α2)が4ppm/K(4.0×10−6/K)〜12ppm/K(12.0×10−6/K)であると共に、室温での上記配向方向の熱伝導率(K1)が350W/mK〜1300W/mKであることが好ましい。上記範囲とすることにより、特に半導体用ヒートシンクとして好適に用いることができる。
【0026】
本発明の高熱伝導性放熱材料を半導体用ヒートシンクとして用いる場合には、放熱材料中のCNTの配向方向が放熱方向と一致するように設置するのが良い。これにより、優れた放熱作用が得られる上に、熱膨張による不具合も解消することができる。
【0027】
カーボンナノチューブは、多層カーボンナノチューブであることが好ましい。なお、単層カーボンナノチューブとすることもできる。上記金属炭化物は、カーボンナノチューブの表面と、炭化物形成用の金属との反応により形成されてなることが好ましい。
【0028】
上記カーボンナノチューブの平均外径が1nm〜200nmであることが好ましい。
上記範囲としているのは、上記範囲より小さいとCNT表面への炭化物形成制御が容易でなくなるためである。一方、上記範囲より大きくとも構わないが、直径200nmを超えるCNTを安定して得るのは容易ではないためである。
【0029】
本発明の高熱伝導性放熱材料は半導体用ヒートシンクとして好適に用いられる。また、その形状は、円板状、その他平板状、立方体、直方体、その他多面体等、製品としての使用状態や加工性、製造方法等に応じて種々の形状とすることができる。
【0030】
また、本発明は、複数のカーボンナノチューブと、炭化物形成用金属と、マトリクス用金属とを混合し、プレス成形により予備成形体を形成し、
上記予備成形体を、真空下またはHe、Ar、Hガス中、圧力無負荷または加圧下で、上記炭化物形成用金属及びマトリクス用金属の融点以上の温度で加熱して焼結することを特徴とする高熱伝導性放熱材料の製造方法を提供している。
【0031】
これにより、予備成形体中、一軸プレス成形時の圧力負荷方向とCNTの径方向が一致するようにCNTを一次元または二次元的に一定方向に配向させることができる。即ち、プレス面とCNTの長さ方向が平行となるようにCNTを配向させることができる。また、真空下またはHe、Ar、Hガス中、圧力無負荷または加圧下で、上記金属を融点以上の温度で加熱して焼結することにより、予備成形体中、炭化物形成用金属とCNTの表面とが反応し、CNTの表面に金属炭化物が形成される。さらに、この金属炭化物を介してCNTとマトリクス用金属とが密着され焼結されることにより、高熱伝導性放熱材料を得ることができる。
【0032】
上記焼結は、ホットプレス、熱間鍛造、押出、圧延等の加圧焼結法を用いており、該加圧焼結時の圧力が100MPa以上であるのが好ましい。
本発明の高熱伝導性放熱材料を緻密化させるには加圧焼結することが好ましい。加圧時の圧力は高圧であるのが良く100MPa以上が好ましい。加熱焼結方法としては、ホットプレス以外に熱間鍛造や圧延、押出などを用いることが出来る。焼結温度は、金属の融点以上で行う。融点より低いと、CNTと金属とが良好に接着せず、焼結後に壊れたり、あるいは高い熱伝導率が発現しない。焼結体作製時に加圧しない場合は、予備成形体に存在していた気孔が残存し、焼結体を多孔体とすることもできる。
【0033】
さらに、本発明は、複数のカーボンナノチューブをプレス成形することによりカーボンナノチューブからなる多孔体を形成し、
真空下、圧力無負荷または加圧下で、上記多孔体の空孔中に、溶融された炭化物形成用金属とマトリクス用金属とを溶浸させることを特徴とする高熱伝導性放熱材料の製造方法を提供している。
【0034】
このように、カーボンナノチューブを一軸成形して、一軸プレス成形時の圧力負荷方向とCNTの径方向が一致するようにCNTを一次元または二次元的に一定方向に配向させた多孔体を得ることができる。即ち、プレス面とCNTの長さ方向が平行となるようにCNTを配向させることができる。圧力無負荷又は加圧下で、上記金属の溶湯を、多孔体の空孔中に溶浸させることにより、炭化物形成用金属とCNTの表面とが反応し、CNTの表面に金属炭化物が形成される。さらに、この金属炭化物を介してCNTとマトリクス用金属とが密着され、高熱伝導性放熱材料を得ることができる。
【0035】
この場合、成形体には閉気孔が含まれないようにすることが好ましい。閉気孔が存在すると、溶融金属が溶浸できず複合材料には気孔が残存する。
また、閉気孔が含まれないようにするためには、CNTに適量のバインダーや発泡剤を添加し、成形体を大気中で焼成してこれらの成分を焼失させることで開気孔率の高い成形体にすることができる。このような開気孔には溶融金属が溶浸しやすい。
【0036】
上記カーボンナノチューブは多層カーボンナノチューブとし、該カーボンナノチューブは、放熱材料形成前の配合時の全材料の14体積%以上として用いていることが好ましい。これにより、効率良く、非常に高性能な高熱伝導性放熱材料を得ることができる。多層カーボンナノチューブの場合には、配合時のCNTの体積%と放熱材完成時の体積%は、ほぼ同一とみなすことができる。単層カーボンナノチューブを用いた場合には、配合時のCNT体積に対して放熱材完成時のCNT体積は減少する。
【0037】
CNTには単層と多層があるが、多層CNTを用いることが好ましい。多層CNTの場合には、表面層が炭化物に転化しても、内層のCNTは残存するので、CNTの複合効果が出て好ましい。
【0038】
単層CNTを用いる場合には、CNTの全表面を炭化させないようにする必要があり、全金属中の炭化物形成用金属の濃度を調整することにより、CNTの表面積の30%〜50%が炭化物に転化するようすれば良い。これにより、密着に必要な濡れが起こると共に、CNTの高い熱伝導率も損なわれることがない。この濃度の調整は、全金属中におけるTiをはじめとする炭化物形成用金属の濃度とCNTの表面積から決定される。
【0039】
即ち、これらの炭化物形成用金属は全てCNTと反応して炭化物となるので、基本的には、式(1)で示されるように、炭化物形成用金属量をCNTの表面積で除した値が計算上の金属炭化物層の厚みとなる。
式(1)
金属炭化物の厚さ=(添加した炭化物形成用金属が全て炭化物化したときの炭化物重量)/(炭化物密度)・(CNTの全表面積)
【0040】
凡そで言えばCNTの表面全てが炭化物層となる時の炭化物層の平均厚さは5オングストローム程度である。よって、単層CNTの表面積の30%〜50%を炭化物に転化させるということは、計算上の炭化物層厚さを、1.5〜2.5オングストローム程度に制御することになる。
【0041】
Ti等の炭化物形成用金属の添加量は、単層CNTの表面層のみが炭化物化するように配合量を決定することが最も好ましい。即ち、5オングストローム程度の厚さの金属炭化物の層が、単層CNTの表面に形成されるような配合量が最も好ましい。
【0042】
上記炭化物形成用金属はTi、W、Cr、Hf、Zr、V、Nb、Ta、またはMoから選択される一種以上の金属であり、上記マトリクス用金属はAl、Mg、Au、Ag、またはCuの少なくとも一種以上の金属であり、両金属は合金として用いられていることが好ましい。
Ti、W、Cr、Hf、Zr、V、Nb、Ta、またはMoから選択される一種以上の炭化物形成用の金属がCNTの表面と反応し、炭化物を形成する。これらの炭化物と溶融AgやCu等の上記マトリクス用金属は極めて濡れ性が高いために、炭化物生成と同時に界面が濡れ、強固な密着を得ることができる。
【0043】
上記一軸プレス成形は、100MPa以上の圧力で行われていることが好ましい。一軸プレス成形には通常の乾式プレスを使用できるが、CNTを効率よく配向させるためには100MPa以上の高い圧力が好ましい。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1により、本発明の高熱伝導性放熱材料10を説明する。
図1(A)に示すように、高熱伝導性放熱材料10は、複数のカーボンナノチューブ11と、金属炭化物12であるTiCと、マトリクス金属13であるAgとCuとの合金とを備えている。金属炭化物12はカーボンナノチューブ11の表面に存在すると共に、カーボンナノチューブ11はマトリクス金属13中に一次元または二次元的に一定方向に配向されて存在している。高熱伝導性放熱材料10中のカーボンナノチューブ11の含有量は60体積%である。
【0045】
本発明の高熱伝導性放熱材料10は、全てのカーボンナノチューブ11の長さ方向aが同方向に配向するように二次元的に配向されている。カーボンナノチューブ11の配向方向Xの熱伝導率(K1)が1050W/mK、配向方向Xに垂直な方向Yの熱伝導率(K2)が115W/mKであり、配向方向Xの熱膨張係数(α1)が3.6ppm/K、配向方向Xに垂直な方向Yの熱膨張係数(α2)が4.7ppm/Kであり、半導体用ヒートシンクとして特に有用である。
【0046】
図1(B)に示すように、カーボンナノチューブ11は、長さ方向a及び径方向b共に熱伝導率が極めて高く、特に、長さ方向aにおいてダイヤモンド同様に極めて高い熱伝導率を有すると共に、径方向bの熱膨張係数が極めて低いという性質を有しており、上記のように配向させることにより、この特徴を最大限に発揮している。
【0047】
即ち、CNTの長さ方向aと一致しているX方向と平行に熱流速が与えられた場合には、CNTと金属の界面での熱抵抗はほとんど起こらず、熱伝導率Kは式(2)で示される理論値に近い値となり、熱伝導率の高いCNTの複合効果が大きくなる。
K=K1V1+K2V2               (2)
ここで、Kiは各相の熱伝導率、Viは各相の体積分率である。
【0048】
具体的に、本発明の高熱伝導性放熱材料10である半導体用ヒートシンクをパッケージに応用した例を図2に基づいて説明する。
パッケージ筐体21の中に半導体素子23、半導体素子23に接続されているボンディングワイヤ24およびボンディングワイヤ24に接続されるリードフレーム25が設けられている。そして、半導体素子23の土台となるヒートシンクとして高熱伝導性放熱材料10が設けられており、半導体素子23の放熱をさせたい方向と、高熱伝導性放熱材料10中のカーボンナノチューブ11の配向方向Xとが一致するように配置されている。X方向に極めて高い熱伝導率を持ち、かつ、Y方向に熱膨張係数が小さいため、半導体素子23との不整合が少なく、放熱材として最適である。
【0049】
以下、本発明の高熱伝導性放熱材料の第1実施形態の製造方法について、図3(A)(B)により説明する。
【0050】
まず、平均外径が6nm、長さが200nmである多層カーボンナノチューブ粉末と、炭化物形成用金属であるTiを2重量%含むAg(70重量%)とCu(28重量%)金属の合金粉末(平均粒径2μm)を混合する。カーボンナノチューブの含有量が60体積%となるように用いている。
【0051】
これらを混合した後、500MPaの圧力で一軸プレス成形を行い、予備成形体100を形成し、予備成形体100中、一軸プレス成形時の圧力負荷方向とカーボンナノチューブ11の径方向が一致するようにカーボンナノチューブ11を一次元または二次元的に一定方向に配向させる。即ち、カーボンナノチューブ11の長さ方向と予備成形体100のプレス面100aが平行になるようにカーボンナノチューブ11を配向させる。
【0052】
予備成形体100を、高周波誘導加熱装置を用いて、成形体を大気中、融点以上の温度である950℃まで30秒間加熱し、これを450℃に保持した金型に装着して圧力500MPaで熱間鍛造してφ35mm、厚さ12mmの焼結体を得る。
【0053】
このように、融点以上の温度で加熱して焼結することにより、炭化物形成用金属であるTiとカーボンナノチューブ11の表面とが反応し、カーボンナノチューブ11の表面に金属炭化物12としてTiCが形成されると共に、金属炭化物であるTiCを介してカーボンナノチューブ11とマトリクス金属13であるAg及びCuとが密着されている。
【0054】
ここで得られた平板状の焼結体である高熱伝導性放熱材料10をその厚み方向に平行にスライス切断等して半導体用ヒートシンクを得ている。
【0055】
以下、本発明の高熱伝導性放熱材料の第2実施形態の製造方法について、図4(A)(B)(C)により説明する。
【0056】
まず、図4(A)に示すように、平均外径が20nm、長さが260nmである多層カーボンナノチューブ粉末を圧力300MPaで一軸プレス成形を行い、φ35mm、厚さ12mm、相対密度60体積%の多孔体40を形成し、一軸プレス成形時の圧力負荷方向とカーボンナノチューブ31の径方向が一致するようにカーボンナノチューブ31を一次元または二次元的に一定方向に配向させる。即ち、カーボンナノチューブ31の長さ方向と多孔体40のプレス面40aが平行になるようにカーボンナノチューブ31を配向させる。なお、相対密度とは、(1−空孔度)、即ち、全体積中、空孔41を除いた固体部分の体積%を示す。
【0057】
次に、図4(B)(C)に示すように、炭化物形成用金属であるTiを2重量%含むAg(70重量%)とCu(28重量%)金属の合金粉末(平均粒径2μm)を圧力500MPaで成形して仮金属体42を得る。この仮金属体42を多孔体40の上に設置後、1×10−5torrの高真空下で、融点以上の温度である温度950℃で加熱して金属を溶融させ、溶融させた金属を多孔体40の空孔41中に溶浸する。
【0058】
このように、融点以上の温度で加熱して溶浸することにより、炭化物形成用金属であるTiとカーボンナノチューブ31の表面とが反応し、カーボンナノチューブ31の表面に金属炭化物32としてTiCが形成されると共に、金属炭化物32であるTiCを介してカーボンナノチューブ31とマトリクス金属33であるAg及びCuとが密着されている。これにより、本発明の高熱伝導性放熱材料30を得ることができる。
【0059】
上記実施形態では、多層CNTを用いているが、炭化物形成用金属の配合量を調整し単層CNTを用いることもできる。炭化物形成用金属はTi以外にも、W、Cr、Hf、Zr、V、Nb、Ta、Mo等を用いることができる。マトリクス用金属はAl、Mg、Au等を用いることもできる。また、上記焼結は、ホットプレス、押出、圧延等の加圧焼結法により行うこともできる。また、CNTの長さ方向が同一平面上に配向するように一次元的に配向させても良い。
【0060】
以下、本発明の実施例、比較例について詳述する。
【0061】
(実験1)
原料として、以下の粉末を用い、第1実施形態の製造方法により、高熱伝導性放熱材料を作製した。
CNT:多層CNT、平均外径6nm、長さ200nm
Ag:99.9%、平均粒径2μm
Ag蝋:70wt%Ag−28wt%Cu−2wt%Ti、平均粒径2μm
【0062】
これらを各種組成で混合し、500MPaの圧力でプレス成形した。高周波誘導加熱装置を用いて成形体を大気中、950℃まで30secで加熱し、これを450℃に保持した金型に装填して圧力500MPaで熱間鍛造して、φ35mm×12mm(厚み方向)の焼結体とした。
配合時のCNTの体積%を変更し、試料No.1〜9を得た。
【0063】
焼結体から、直径10mm×厚さ2mmの試料を切り出し、各種方向について、レーザーフラッシュ法により熱伝導率、差動トランス式熱膨張係数測定装置により室温から200℃の間の平均熱膨張係数を測定した。
【0064】
(比較実験1)
比較として、黒鉛粉末(平均粒径5μm)を用いて、黒鉛の体積%を変更し、実験1と同様に試料を作製・評価した。試料No.10〜18を得た。
【0065】
実験を行った各試料の内容を表1及び下記に詳述する。
実施例1〜7:表1の試料No.3〜9
比較例1、2:表1の試料No.1、2
比較例3〜11:表1の試料No.10〜18
各評価結果を表1に示す。
【0066】
【表1】



【0067】
表1に示すように、実施例1〜7は、CNTが規定量含有された本発明の高熱伝導性放熱材料であり、K1が特に高い上に、α2が4〜12ppm/Kの範囲と非常に低く、半導体用ヒートシンクとして有用な緻密な複合材料が得られた。
【0068】
一方、比較例1、2はCNTが金属中に配向してはいるが、CNTの含有量が少ないために、熱伝導率が低い上に、熱膨張係数が高く、放熱材として不適であった。また、比較例3〜11は、配向されているのが黒鉛であるため、熱伝導率がそれほど高くない上に、熱膨張係数が非常に高く、放熱材として不適であった。
【0069】
(実験2)
実験1において、鍛造の代わりに成形体を1×10−5torrの真空中で温度950℃で1時間焼結した。即ち、単に焼結するのみとした。その他は実験1と同様とした。試料No.19〜36を得た。
【0070】
実験を行った各試料の内容を表2及び下記に詳述する。
実施例8〜14:表2の試料No.21〜27
比較例12、13:表2の試料No.19、20
比較例14〜22:表2の試料No.28〜36
各評価結果を表2に示す。
【0071】
【表2】



【0072】
表2に示すように、実施例8〜14は、CNTが規定量含有された本発明の高熱伝導性放熱材料であり、K1が特に高い上に、α2が4〜12ppm/Kの範囲と非常に低く、半導体用ヒートシンクとして有用な複合材料が得られた。また、相対密度が93〜99%であり、多少の気孔を含む複合材料が得られた。
【0073】
一方、比較例12、13はCNTが金属中に配向してはいるが、CNTの含有量が少ないために、熱伝導率が低い上に、熱膨張係数が高く、放熱材として不適であった。また、比較例14〜22は、配向されているのが黒鉛であるため、熱伝導率がそれほど高くない上に、熱膨張係数が非常に高く、放熱材として不適であった。
【0074】
(実験3)
原料として、以下の粉末を用い、第2実施形態の製造方法により、高熱伝導性放熱材料を作製した。
CNT:多層CNT、平均外径20nm、長さ260nm
単層CNT、平均外径1.5nm、長さ260nm
Ag:99.9%、平均粒径2μm
Ag蝋:70wt%Ag−28wt%Cu−2wt%M(M:Ti、W、Cr、Hf、Zr、V、Nb、Ta、Mo、Ca、Al、Mg、Fe)、平均粒径2μm
【0075】
CNTを圧力300MPaで一軸成形してφ35mm×12mm厚の相対密度60vol%の多孔体を得た。Ag蝋粉末を圧力500MPaで成形して成形体とし、これを多孔体の上に設置後、1×10−5torrの高真空下で、温度950℃で加熱してAg蝋を多孔体に溶浸させた。
炭化物形成用金属の種類を変更し、試料No.37〜49を得た。
炭化物形成用金属をTiとし、単層CNTを用い、試料No.50〜53を得た。
【0076】
実験1と同様に、直径10mm×厚さ2mmの試料を切り出し、各種方向について、レーザーフラッシュ法により熱伝導率、差動トランス式熱膨張係数測定装置により室温から200℃の間の平均熱膨張係数を測定した。
【0077】
(比較実験2)
比較例として、CNT粉末を冷間等方加圧(CIP)により、圧力30MPaで成形体とし、同様に溶浸法(Ag−Cu−Ti系)により複合材料を作製、評価した。試料No.54を得た。
【0078】
実験を行った各試料の内容を表3及び下記に詳述する。
実施例15〜23:表3の試料No.37〜45
実施例24、25:表3の試料No.51、52
比較例23〜27:表3の試料No.46〜50
比較例28、29:表3の試料No.53、54
各評価結果を表3に示す。
【0079】
【表3】



【0080】
表3に示すように、実施例15〜23は、金属と金属炭化物とCNTとを備え、CNTが規定量含有された本発明の高熱伝導性放熱材料であり、K1が特に高い上に、α2が4〜12ppm/Kの範囲と非常に低く、半導体用ヒートシンクとして有用な緻密な複合材料が得られた。
【0081】
一方、比較例23〜26は、CNTが規定量含有されているが、金属炭化物を備えていなかった。即ち、CNTの表面にCa、Al、Mg、Feの金属の炭化物が形成されておらず、複合材料中に金属炭化物が存在していない。よって、熱伝導率が低く、不適であった。
【0082】
また、単層CNTを用いた試料において、銀鑞の比率が小さすぎる場合(比較例27)は、金属炭化物がCNTの表面にほとんど形成されず、複合材中に金属炭化物が存在していなかった。大きすぎる場合(比較例28)は、CNTが炭化されすぎ、複合材中のCNT含量が規定量より少なかった。よって、比較例27や、比較例28は、熱伝導率が小さかった。銀鑞の比率が適当な場合(実施例24、25)は、金属炭化物が存在する上に、CNTも規定量含有されており、高い熱伝導率が得られた。
【0083】
比較例29は、CIP成形したため、CNTが一定方向に配向していなかった、よって、熱膨張係数が大きく、熱伝導率も小さな複合材料しか得られなかった。
【0084】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、カーボンナノチューブが、その表面に存在する金属炭化物を介して、金属中に一次元的または二次元的に一定方向に配向するように存在すると共に、カーボンナノチューブの体積含有量が規定されている。このため、本発明の高熱伝導性放熱材料は、各方向に対して高い熱伝導性を有し、特に、一次元的または二次元的にカーボンナノチューブが配向された方向において極めて高い熱伝導性を実現することができる。また、カーボンナノチューブを一定方向に配向させることにより、高熱伝導性放熱材料のある特定の方向において、熱膨張係数を小さくすることができる。
【0085】
よって、一次元または二次元的に配向方向を定めることにより、黒鉛結晶に比べ、優れた高熱伝導率、低熱膨張係数を有する放熱材料を得ることができる。さらに、加工性にも優れているため、容易に種々の形状とすることができる。ダイヤモンド系複合材料と異なり、加工性に優れるので、低コストで放熱部材を得ることができる。
【0086】
従って、CNTの配向方向の熱伝導率がダイヤモンド並に高く、配向方向と垂直方向の熱膨張係数が半導体素子に近い半導体用ヒートシンク材が作製でき、半導体レーザーやマイクロ波デバイス、各種LSI等の性能を最大限に発揮させることができる。
【0087】
また、本発明の製造方法によれば、容易にCNTを一定方向に配向させることができ、CNT表面に金属炭化物を形成できると共に、金属炭化物を介してCNTとマトリクス金属との間において良好な密着性を得ることができる。よって、非常に高性能の高熱伝導性放熱材料を精度良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の高熱伝導性放熱材料の概略構成図、(B)はカーボンナノチューブの概略図である。
【図2】本発明の高熱伝導性放熱材料の半導体用ヒートシンクとして使用例を示す図である。
【図3】(A)(B)は本発明の高熱伝導性放熱材料の製造方法の第1実施形態の説明図である。
【図4】(A)(B)(C)は本発明の高熱伝導性放熱材料の製造方法の第2実施形態の説明図である。
【符号の説明】
10 高熱伝導性放熱材料
11 カーボンナノチューブ
12 金属炭化物
13 マトリクス金属
23 半導体素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカーボンナノチューブと、金属炭化物と、金属とを備え、
上記金属炭化物は上記カーボンナノチューブの表面に存在すると共に、上記カーボンナノチューブは上記金属中に一次元または二次元的に一定方向に配向されて存在し、該カーボンナノチューブの含有量が14体積%以上であることを特徴とする高熱伝導性放熱材料。
【請求項2】
上記配向方向の熱伝導率(K1)が、該配向方向に垂直な方向の熱伝導率(K2)より大きく、
上記配向方向の熱膨張係数(α1)が、該配向方向に垂直な方向の熱膨張係数(α2)より小さい請求項1に記載の高熱伝導性放熱材料。
【請求項3】
上記金属炭化物は、Ti、W、Cr、Hf、Zr、V、Nb、Ta、またはMoから選択される一種以上の金属の炭化物であると共に、上記金属は、Al、Mg、Au、Ag、またはCuから選択される一種以上の金属あるいはこれらの合金である請求項1または請求項2に記載の高熱伝導性放熱材料。
【請求項4】
上記熱膨張係数(α2)が4ppm/K〜12ppm/Kであると共に、室温での上記配向方向の熱伝導率(K1)が350W/mK〜1300W/mKである請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の高熱伝導性放熱材料。
【請求項5】
上記カーボンナノチューブが、多層カーボンナノチューブである請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の高熱伝導性放熱材料。
【請求項6】
上記カーボンナノチューブの平均外径が1nm〜200nmである請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の高熱伝導性放熱材料。
【請求項7】
半導体用ヒートシンクとして用いられる請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の高熱伝導性放熱材料。
【請求項8】
複数のカーボンナノチューブと、炭化物形成用金属と、マトリクス用金属とを混合し、プレス成形により予備成形体を形成し、
上記予備成形体を、真空下またはHe、Ar、Hガス中、圧力無負荷または加圧下で、上記炭化物形成用金属及びマトリクス用金属の融点以上の温度で加熱して焼結することを特徴とする高熱伝導性放熱材料の製造方法。
【請求項9】
上記焼結は、ホットプレス、熱間鍛造、押出、圧延等の加圧焼結法を用いており、該加圧焼結時の圧力が100MPa以上である請求項8に記載の高熱伝導性放熱材料の製造方法。
【請求項10】
複数のカーボンナノチューブをプレス成形することによりカーボンナノチューブからなる多孔体を形成し、
真空下、圧力無負荷または加圧下で、上記多孔体の空孔中に、溶融された炭化物形成用金属とマトリクス用金属とを溶浸させることを特徴とする高熱伝導性放熱材料の製造方法。
【請求項11】
上記カーボンナノチューブは多層カーボンナノチューブとし、該カーボンナノチューブは、放熱材料形成前の全材料の14体積%以上として用いている請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の高熱伝導性放熱材料の製造方法。
【請求項12】
上記炭化物形成用金属はTi、W、Cr、Hf、Zr、V、Nb、Ta、またはMoから選択される一種以上の金属であり、上記マトリクス用金属はAl、Mg、Au、Ag、またはCuの少なくとも一種以上の金属であり、両金属は合金として用いられている請求項8乃至請求項11のいずれか1項に記載の高熱伝導性放熱材料の製造方法。
【請求項13】
上記一軸プレス成形は、100MPa以上の圧力で行われている請求項8乃至請求項12のいずれか1項に記載の高熱伝導性放熱材料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2004−10978(P2004−10978A)
【公開日】平成16年1月15日(2004.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−166954(P2002−166954)
【出願日】平成14年6月7日(2002.6.7)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】