説明

X線撮像装置内で直接変換されるX線の作用を最小化する方法

一実施形態において、X線撮像装置(200)用の画像センサ(290)は、ホトダイオード(223)及び読み出し回路を含む。読み出し回路の下方に形成されている深井戸(232)は、ダイオードとして構成され、寄生電子を流出させ、さもなければ画像内にノイズが誘導される。寄生電子は、電源又は、例えば線量測定を目的とした測定回路に対して流出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して画像センサに関し、より詳細には、それらに限ることなく、X線撮像装置において使用される画像センサに関する。
【背景技術】
【0002】
X線撮像装置は、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)画像センサ及びシンチレータを含む。シンチレータはX線を可視光に変換し、可視光は画像センサ内のホトダイオードに作用する。また画像センサは、ホトダイオードからの画像情報の画素を読み出すための読み出し回路を含む。典型的な画像センサはいくつかのホトセンサ及び読み出し回路を有し、全体の画像を生成する。鑑賞を目的として、画像をモニタに表示し、又は印刷することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
読み出し回路は、通常、ホトダイオードと同様の基板上に形成され、したがって、ホトダイオードの有効(すなわち感光)面積は制限される。読み出し回路は光を画像情報に変換するように設計されていないので、金属シールドを読み出し回路上に形成し、入射光に対する感度を鈍くする。入射光がホトダイオードの周辺領域のみにおいて自由電子を生成することが好ましい。光と対照的に、画像センサに衝突するX線は、どこにおいても、金属シールドの真下においてさえも、大きな自由電子雲を発生する。画像センサのシリコン部分で起こるこのX線の直接変換は、画像内にノイズを誘導する寄生電子を結果生じる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態において、X線撮像装置用の画像センサは、ホトダイオード及び読み出し回路を含む。読み出し回路の下方に形成されている深井戸は、ダイオードとして構成され、寄生電子を流出させ、さもなければ画像内にノイズが誘導される。寄生電子は、電源又は、例えば線量測定を目的とした測定回路に対して流出する。
【0005】
本発明の、これらの及び他の特徴は、添付の図面及び特許請求の範囲の記載を含む本明細書の全体を読むことにより、当業者には直ちに明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
異なる図において同じ参照ラベルを使用して同じ又は同様の構成要素を示す。図は、別な方法で注意しない限り、必ずしも縮尺通りではない。
【0007】
本開示において、例示的な構造、構成要素、方法のような、数々の詳細な情報がもたらされ、本発明の実施形態を理解することを通して提供される。しかしながら、当業者は、1つ又はそれ以上の詳細な情報がなくとも本発明が実施可能であることを認識するであろう。他の場合には、公知の詳細を示さず又は開示しないことにより、本発明の特徴が不明瞭となることを回避する。
【0008】
図1は、例示的なX線撮像装置100を概念的に示す。X線撮像装置100は、シンチレータ110及びCMOS画像センサ120を含む。シンチレータ110は、入射X線を可視光に変換する。本開示の図1及び他の図の例示では、X線を実線の矢印として表現し、可視光を点線の矢印として表現する。
【0009】
画像センサ120は、p型シリコン基板133及びエピタキシャル層132を含む。p型井戸121、p型井戸131、n型井戸125はエピタキシャル層内に形成されている。n++領域124からなるホトダイオードはn型井戸125内に形成され、一方、n++領域127を含む読み出し回路はp型井戸121内に形成されている。ホトダイオードの空乏領域又は電子収集領域が、概して、点線の境界線126によって境界付けられている。
【0010】
さらに図1を参照すると、シンチレータ110を通過するX線が可視光に変換される。ホトダイオードの収集領域に衝突する光は、ゲート123をイネイブルすることによって読み出し回路を介して読み出される電子を生成する。金属接点122は、n++領域127に結合され、生成された電子が読み出し回路から流出してさらに処理されることを可能とする。撮像装置100の1つの問題は、シンチレータ100により可視光に変換されないいくらかのX線が、エピタキシャル層132に衝突した際に、寄生電子雲134を生成することである。CMOS画像センサ内のX線の自由電子への変換は「直接変換」とも称される。直接変換は、読み出し回路を覆う金属シールドの下においても発生し、したがって、読み出し回路によって読み出されることがある。概して、直接変換されるX線からの寄生電子は、それらが画像情報を含んでいないので、画像ノイズを結果生じる。
【0011】
直接変換されるX線の作用を最小化する1つの方法は、エピタキシャル層132の厚みを低減することである。例えば、エピタキシャル層132を約2ミクロンの厚みに形成することができる。このやり方の欠点は、このエピタキシャル層の厚みを越える固有の侵入深さを有する波長の光に対して感度が低下することにある。画像センサ内で直接変換されるX線の作用を最小化する他の方法を、さらに図2を始めにして議論する。
【0012】
図2は、本発明の一実施形態によるX線撮像装置200を概念的に示す。図2の実施例において、撮像装置200は、シンチレータ210及びCMOS画像センサ290を含む。シンチレータ210は、X線を可視光に変換する。一実施形態において、シンチレータ210は、X線を緑色光(すなわちおおよそ550 nmの波長)に変換する。図2において、X線は実線の矢印として表現され、可視光は点線の矢印として表現されている。
【0013】
CMOS画像センサ290は、基板240、エピタキシャル層220、金属シールド212からなる。画像センサ290は、明瞭に示すために図示していないが、複数のホトダイオード223及び複数の読み出し回路からなる。読み出し回路をp型井戸221から形成することができる。各ホトダイオード及び対応する読み出し回路は、画像センサ290の「画素」を形成する。幾つかの画素を使用して、全体の画像が形成される。酸化層のような誘電体層(図示せず)が、金属シールド212とエピタキシャル層220の間に形成されている。酸化層(すなわち二酸化珪素)は、光に対して透明であり、したがって、画像センサ290の上部表面全体にわたって形成されても良い。金属シールド212を、p型井戸221に形成されている読み出し回路の金属経路の一部とすることができる。例えば、金属シールド212を、電源(例えばVdd)、制御信号、出力信号などに接続することができる。読み出し回路の金属経路は、画像センサ290の隣接する2つの画素のホトダイオード224の間に中心を置き、光に敏感な部分(例えばホトダイオード223)を覆うことを回避し、電子の生成されない区域を作り出すことが好ましい。
【0014】
一実施形態において、基板240はp型シリコン基板からなる。エピタキシャル層220は、わずかにドープされ(この例示ではp--)、基板240の上部にエピタキシャル成長される。一実施形態では、エピタキシャル層220は約4ミクロンから約5ミクロンの厚みである。n++領域225からなるホトダイオード223は、n型井戸226内に形成されている。明瞭に示すために図2では、1つのホトダイオード223のみを示す。図2の例示では、ホトダイオード223の電子収集領域が、概して、点線の境界線227によって境界付けられている。ホトダイオード223は、エピタキシャル層220のようなシリコンに可視光が衝突することによって生成された電子を収集する。一般的に言えば、自由電子は、接合(トランジスタ又はホトダイオード)によって収集されるか、或いはエピタキシャル層内のどこかで再結合されるということに注意すべきである。拡散距離は通常非常に長く、例えば約10ミクロンよりも長いので、まず接合によって電子が収集される可能性が高い。金属接点224は、n++領域225に結合され、ホトダイオード223内で生成された電子が、p型井戸221において言及された読み出し回路に流出することを可能とする。
【0015】
直接変換されるX線の作用を最小化するために、n型の深井戸232が、p型井戸221の下方に拡がるように形成される。p型井戸221の下方に拡がるp型の深井戸231もまた形成され、n型の深井戸232の空乏領域の幅を制限することによって、側方のクロストークが防止される。すなわち、p型の深井戸231が形成され、電子がその深井戸を超えて横方向に移動することを防止する。絶縁材料(例えば酸化物)を充填された深い溝もまた、p型の深井戸231の代わりに利用され、側方のクロストークを防止する。図2の例示では、n型の深井戸232の空乏領域が点線の境界線233によって表現されている。n型の深井戸232は、その空乏領域が基板240に少なくとも接する深さにまで形成されていることが好ましい。例えば、n型の深井戸232は、エピタキシャル層220の上部から約1ミクロンから約2ミクロンの深さにまで形成され、一方、p型井戸221及びn型井戸125は、エピタキシャル層220の上部から約1ミクロンから約2ミクロンの深さにまで形成されている。n型の深井戸232の収集領域内で生成される電子に対する有効な障壁を設けるために、p型の深井戸231が、基板240に少なくとも接するように形成されていることが好ましい。図2を煩雑にすることを避けるために、p型の深井戸231及びn型の深井戸232を基板240に接するようには示していないことに注意されたい。もちろん、実施形態に応じて、p型の深井戸231及びn型の深井戸232を基板240に接するような深さとする必要はない。
【0016】
ホトダイオード223、n型の深井戸232、p型の深井戸231の配置を図3の平面図に概念的に図示する。図3に示すように、ホトダイオード223は、周囲のn型の深井戸232から等距離に配置され、個々の画素が異なる応答を結果生じる非対称が防止される。n型の深井戸232を電源(図3の例示ではVdd)に接続し、直接変換されるX線により生成された電子が流出される。代替的に、線量測定を目的として、n型の深井戸232を測定回路(図示せず)に接続することができる。例えば、n型の深井戸232により流出される寄生電子をフィードバック信号として利用して、X線源の出力を調整することができる。
【0017】
再度図2を参照すると、シンチレータ210によって可視光に変換されないX線が、金属シールド212下方のエピタキシャル層220の領域に衝突することがある。これらのX線は、電子雲228を形成する寄生電子に直接変換される。p型井戸221に形成された読み出し回路からの画像信号の部分として読み出される代わりに、寄生電子は、n型の深井戸232及びエピタキシャル層220によって形成されているダイオードを介して読み出し回路から流出される。金属シールドの下の全ての自由電子が、X線によって生成され、シンチレータからの可視光によって生成されないと仮定すると、このことは、直接変換されるX線に起因する画像内のノイズを最小化するのに有利である。言及したように、寄生電子は、電源に流出され、又は線量測定を目的として利用される。
【0018】
図4は、本発明の一実施形態によるX線撮像装置用CMOS画像センサの製造方法400に関する流れ図を示す。ステップ402により開始され、基板上にエピタキシャル層が形成される。例えば、基板をp型にドープされたシリコン基板とすることができる。エピタキシャル層を、例えば、わずかにドープし、約4ミクロンから約5ミクロンの厚みにまで成長することができる。ステップ404において、n型の深井戸がエピタキシャル層内に形成される。n型の深井戸は、エピタキシャル層とともにダイオードを形成し、直接変換されるX線によって生成された寄生電子を流出させる。n型の深井戸を、基板に接触する空乏領域として形成することができる。随意的に、ステップ406において、p型の深井戸が、n型の深井戸を横方向で取り囲むように形成される。これにより、側方のクロストークが有利に防止される。また、p型の深井戸を絶縁材料で充填された深い溝で置き換えることもできる。p型の深井戸又は深い溝は随意的であり、側方のクロストークが問題ではない用途において、除外することができる。ステップ408において、井戸(例えばn型井戸、p型井戸)が、n型の深井戸及び任意のp型の深井戸の上方に形成される。n型の深井戸及び任意のp型の深井戸は井戸の下方に拡がる。ステップ410において、ホトダイオード及び読み出し回路が、n型の深井戸の上方のそれぞれの井戸内に形成される。例えば、読み出し回路をn型の深井戸のすぐ上のp型井戸内に形成することができ、一方、ホトダイオードをn型井戸内に形成することができる。
【0019】
さらに図5を参照すると、その図は、本発明の他の実施形態によるX線撮像装置500を概念的に示す。図5の例示では、X線撮像装置500は、シンチレータ510及びCMOS画像センサ590からなる。シンチレータ510は、X線を可視光に変換する。一実施形態において、シンチレータ510は、550ナノメートルが通常良く利用される、約400ナノメートルから約550ナノメートルの間の波長を有する可視光にX線を変換する。図5において、X線は実線の矢印として表現され、可視光は点線の矢印として表現される。
【0020】
CMOS画像センサ590は、基板540及びエピタキシャル層520からなる。シンチレータ510と画像センサ590の間の金属シールドは、明瞭に示すために図示していない。金属シールドは、読み出し回路からの可視光を遮るのみならず、例えば、Vdd、出力、選択、初期化のような周囲の回路に画素を接続するのに使用される。金属シールドは、ホトダイオード間に中心を置くように配置されている。画像センサ590は、読み出し回路551、ホトダイオード552、寄生読み出し回路553からなる。図解を明瞭化するために、1つの読み出し回路551及び1つのホトダイオード552のみを図5に示す。各ホトダイオード552及び対応する読み出し回路551は、画像センサ590の画素を形成する。幾つかの画素を利用して、全体の画像が形成される。
【0021】
一実施形態において、基板540はp型シリコン基板からなる。エピタキシャル層520を、わずかにドープして(この例示ではp--)、基板540の上部にエピタキシャル成長することができる。一実施形態において、エピタキシャル層520は約4ミクロンから約5ミクロンの厚みである。ホトダイオード552は、n++領域527からなる読み出し回路551とともに、p型井戸521内に形成されているn++領域528からなる。図5の例示では、概して、ホトダイオード552の電子収集領域は、点線の境界線532によって境界付けられている。ホトダイオード552は、エピタキシャル層520のシリコンの透明領域に衝突する可視光を電子に変換する。ホトダイオード552の電子収集領域が比較的浅いことによって、光の検出は短い波長(例えば約400ナノメートルから約550ナノメートルの間)を有する光に制限される。
【0022】
ゲート525を、電圧を適用することによって、n++領域527と528の間にチャネルを形成するようにすることができる。これは、ホトダイオード552内で生成された電子を読み出し回路551に結果流すことになる。金属接点524は、読み出し回路551のn++領域に結合され、対応するホトダイオード552からの電子が他の回路に読み出され、さらに処理されることを可能とする。
【0023】
直接変換されるX線からの寄生電子の作用を最小化するために、n型の深井戸531が、読み出し回路551、ホトダイオード552、寄生読み出し回路553の下方に形成される。一実施形態では、n型の深井戸531は、画像センサ590の全ての画素に対して共通である。すなわち、単一のn型の深井戸531が、全ての読み出し回路551及びホトダイオード552の下方にある。また、単一の寄生読み出し回路553を画素の全てに対して利用することができる。図5の例示において、n型の深井戸の電子収集領域は、概して、点線の境界線によって境界付けられている。
【0024】
図5に示すように、n型の深井戸531は、p型井戸521及びn型井戸529の下方に拡がる。一実施形態において、p型井戸521及びn型井戸は、エピタキシャル層520の上部から約1ミクロンの深さにまで形成され、一方、n型の深井戸は、エピタキシャル層520の上部から約2ミクロンから約3ミクロンの深さにまで形成されている。n++領域530からなる寄生読み出し回路553はn型井戸529内に形成される。以下においてより明らかにするように、金属接点526はn++領域530に結合され、寄生電子が画像センサ590から流出することを可能にする。
【0025】
寄生信号読み出し回路553のn++領域530、n型の深井戸531、n型井戸529は、p型エピタキシャル層520とともにダイオードを形成する。このダイオードが基板540を介して順方向にバイアスをかけられると、直接変換されるX線によって生成された電子雲528からの寄生電子は、金属接点553を介して画像センサ590から流出される。これは、読み出し回路551の寄生電子読み出しの量を有利に低減し、それによって画像内のノイズが低減される。寄生読み出し回路553は、直接変換されるX線が電源に流出され、又は線量測定の目的で測定されることを可能とする。例えば、測定回路(図示せず)を金属接点553に結合し、寄生電子の量を測定し、それに応じてX線源を調節することができる。
【0026】
図6は、本発明の一実施形態によるX線撮像装置用のCMOS画像センサの製造方法(600)に関する流れ図を示す。ステップ602により開始され、基板上にエピタキシャル層が形成される。例えば、基板をp型にドープされたシリコン基板とすることができる。エピタキシャル層を、例えば、わずかにドープし、約4ミクロンから約5ミクロンの厚みにまで成長することができる。ステップ604において、n型の深井戸がエピタキシャル層内に形成される。n型の深井戸は、エピタキシャル層とともにダイオードを形成し、直接変換されるX線によって生成された寄生電子を流出させる。ステップ606において、井戸(例えばn型井戸、p型井戸)が、n型の深井戸の上方に形成される。ステップ608において、ホトダイオード、読み出し回路、寄生読み出し回路が、n型の深井戸の上方のそれぞれの井戸内に形成される。例えば、ホトダイオードから画像情報を読み出すための読み出し回路及びホトダイオードをともにn型の深井戸のすぐ上の共通のp型井戸内に形成することができ、一方、画像センサから寄生電子を流出させるための寄生読み出し回路をn型井戸内に形成することができる。
【0027】
さらに図7を参照すると、その図は、本発明の一実施形態によるX線撮像装置を操作する方法700を示す。方法700を図示する目的で、順形式で示すが、本発明の利点を損なうことなく、そのステップを配列し直すことができることに注意されなくてはならない。例えば、ホトダイオードから読み出し回路への電子の流れは、寄生電子の流出の後に行われ、又は寄生電子の流出と同時に行われる。
【0028】
ステップ702において、X線が可視光に変換される。ステップ702は、例えば、シンチレータを利用して実施される。ステップ704において、X線は、読み出し回路の下のCMOS画像センサの領域内に受容される。これらのX線は、例えば、シンチレータによって変換されない。ステップ706において、直接変換されるX線によって生成された寄生電子が流出され、再生された画像上へのそれらの作用が最小化される。ステップ706は、例えば、エピタキシャル層とともにダイオードを形成するn型の深井戸を利用して実施される。n型の深井戸は、順方向にバイアスされて、寄生電子を電源又は測定回路に流出させる。ステップ708において、可視光がCMOS画像センサのホトダイオードに受容される。ホトダイオードは、画像情報を含む電子に可視光を変換する。ステップ710において、ホトダイオードからの電子が読み出し回路に流出する。
【0029】
本発明の特定の実施形態を示してきたが、それらの実施形態は、例証することを目的としており、制限するものではないことが理解されなければならない。多くの付加的な実施形態が、本開示を読んだ当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】例示的なX線撮像装置を概念的に示す図である。
【図2】本発明の一実施態様によるX線撮像装置を概念的に示す図である。
【図3】本発明の一実施態様によるCMOS画像センサの配置図を概念的に示す図である。
【図4】本発明の一実施態様によるX線撮像装置用CMOS画像センサの製造方法の流れ図を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態によるX線撮像装置を概念的に示す図である。
【図6】本発明の一実施形態によるX線撮像装置用CMOS画像センサの製造方法の流れ図を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態によるX線撮像装置の操作方法を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エピタキシャル層の第1の井戸内のホトダイオードと、
前記ホトダイオードから画像情報を受容するように構成され、前記エピタキシャル層の第2の井戸内に形成されている読み出し回路と、
前記読み出し回路の下の前記第2の井戸の下方に拡がり、直接変換されるX線による寄生電子を流出させるようにダイオードを形成するように構成されている第1の深井戸とからなるCMOS画像センサ。
【請求項2】
前記画像センサが、X線を可視光に変換するシンチレータを含むX線撮像装置の部分である請求項1に記載のCMOS画像センサ。
【請求項3】
前記第2の井戸がp型井戸からなり、前記第1の深井戸がn型の深井戸からなる請求項1に記載のCMOS画像センサ。
【請求項4】
前記第1の深井戸が前記エピタキシャル層とともにダイオードを形成する請求項1に記載のCMOS画像センサ。
【請求項5】
前記第1の井戸がn型井戸からなり、前記第2の井戸がp型井戸からなる請求項1に記載のCMOS画像センサ。
【請求項6】
前記読み出し回路の下の前記第2の井戸の下方に拡がる第2の深井戸及び第3の深井戸をさらに含み、該第2の深井戸及び第3の深井戸が前記第1の深井戸を取り囲み、それによって前記第1の深井戸の空乏領域の幅が制限される請求項1に記載のCMOS画像センサ。
【請求項7】
前記第1の深井戸がn型の深井戸であり、
前記第2の深井戸及び第3の深井戸がp型の深井戸である請求項6に記載のCMOS画像センサ。
【請求項8】
可視光が前記読み出し回路の部分に衝突することを防止するように構成されている金属シールドをさらに含む請求項1に記載のCMOS画像センサ。
【請求項9】
前記第1の深井戸が前記寄生電子を電源に流出させる請求項1に記載のCMOS画像センサ。
【請求項10】
前記第1の深井戸が、前記寄生電子を測定回路に流出させてX線源を調整する請求項1に記載のCMOS画像センサ。
【請求項11】
X線撮像装置で使用される画像センサであって、
シンチレータからの光を受容するように構成されているホトダイオードと、
前記ホトダイオードに結合され、第1の井戸内に形成されている読み出し回路と、
前記第1の井戸及び前記読み出し回路の下方に拡がり、寄生電子を流出させるように構成されている第1の深井戸とからなる画像センサ。
【請求項12】
前記第1の井戸の下方に拡がり、前記第1の深井戸の第1の側部に形成されている第2の深井戸をさらに含み、該第2の深井戸を越えて横方向に電子が移動することが防止される請求項11に記載の画像センサ。
【請求項13】
前記第1の井戸の下方に拡がり、前記第1の深井戸の第2の側部に形成されている第3の深井戸をさらに含む請求項11に記載の画像センサ。
【請求項14】
前記第1の井戸の下方に拡がり、前記第1の深井戸の側部に形成されている深い溝をさらに含み、該深い溝を越えて横方向に電子が移動することが防止される請求項11に記載の画像センサ。
【請求項15】
前記ホトダイオードが第2の井戸内に形成され、該第2の井戸がn型井戸であり、前記第1の井戸がp型井戸であり、前記第1の深井戸がn型の深井戸である請求項11に記載の画像センサ。
【請求項16】
撮像装置の操作方法であって、
X線を可視光に変換し、
CMOS画像センサの読み出し回路の下方の領域でX線を受容し、
前記読み出し回路の下方に形成されている深井戸を含むダイオードを介して、X線により生成された寄生電子を流出させ、
前記CMOS画像センサのホトダイオード内で可視光を受容し、
前記ホトダイオードからの電子を前記読み出し回路に流すことを含む方法。
【請求項17】
前記深井戸が、前記読み出し回路を形成するp型井戸の下方に拡がるn型井戸からなる請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記寄生電子を流出させることが、前記寄生電子を電源に流すことからなる請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記寄生電子を流出させることが、線量測定用の測定回路に前記寄生電子を流すことからなる請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記深井戸からの電子の側方のクロストークを防ぐことをさらに含む請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−538159(P2008−538159A)
【公表日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503006(P2008−503006)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/007762
【国際公開番号】WO2006/104641
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(507318738)サイプレス セミコンダクター コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】