説明

エンジン制御装置

【課題】車載バッテリの電圧が異常低下してエンジン制御装置が不作動である場合にも、安全にエンジンの始動を行う。
【解決手段】ギアシフトセンサ109Aが発生するシフトレバーの選択位置情報に基づいて、第1の検出回路194は、ニュートラル位置又は駐車位置であるときに第1の検出信号PS1を発生し、マイクロプロセッサ110Aは、ニュートラル位置又は駐車位置であるときに第2の検出信号PS2を発生する第2の検出手段を備えている。車載バッテリの電圧が異常低下してマイクロプロセッサ110Aが不作動である場合にも、第1の検出信号PS1によって車両が駆動されない状態であることを確認したうえで、始動スイッチによるエンジンの始動を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エンジン制御装置に係り、特にはギアシフトセンサから得られるギアシフト位置信号の信頼性を向上して、より安全にエンジンの始動を行うことができるエンジン制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載エンジンは、単に始動スイッチが閉路したことによって始動電動機が回転してエンジンが始動されるような単純なものではなく、マイクロプロセッサを包含したエンジン制御装置が密接に関与してエンジンの始動が行われるようになっている。
【0003】
当該エンジン制御装置は、例えばエンジン始動用の操作キーに付与された暗証コードを読み出して、不適正な操作キーによる車両の盗難防止に関連した制御を行うようになっている。また、寒冷地においてはエンジン始動用の操作キーによらないで無線信号による遠隔始動を行うことに関連した制御を行うこともある。更には、省エネルギー運転のために適正な第一条件が整うと自動的に給燃停止されてエンジンが停止され、適正な第二条件が整うと自動的にエンジンを再始動するような制御に使用されることもある。
【0004】
これらの多様な始動制御においては、車両用変速機の設定位置が車両の駆動を行えない状態に選択されているかどうかの判断が重要である。具体的には、自動変速機の場合であれば、ギアシフトレバーの位置がニュートラル位置であるか、又は駐車位置であることによって車両の駆動は行えない状態となり、また、手動変速機の場合であれば、ギアシフトレバーの位置がニュートラル位置であることによって車両の駆動は行えない状態となる。
【0005】
従って、ギアシフトセンサの信号はマイクロプロセッサに入力され、ギアシフトレバーの位置がニュートラル位置であるかどうか、あるいは駐車位置であるかどうかの確認を行ってからエンジンの始動を許可するようになっている。
【0006】
例えば、特許文献1に開示された装置によれば、エンジンの自動再始動要件として変速機のニュートラルスイッチ信号が適用されている。また、特許文献2に開示された装置によれば、トランスミッションのシフト位置が車両の走行不能な位置にあるかどうかを判定して、遠隔始動を許可するようになっている。更に、特許文献3に開示された装置においては、始動スイッチによる直接始動の場合であってもニュートラルスイッチを始動要件として活用している。
【0007】
一方、始動電動機の電源となる車載バッテリの充電状態が悪く、環境温度も低い悪環境下において、始動電動機の駆動開始直後の過大負荷電流によって車載バッテリの電圧が異常低下して、エンジン制御装置が作動できない非常事態が発生した場合、エンジン制御装置には依存しないで始動電動機の運転を継続し、負荷電流が減少して車載バッテリの電圧が回復し、エンジン制御装置の作動が再開するようにバックアップする手段が必要となる。例えば、特許文献4に開示された装置によれば、盗難防止のための認証許可判定がなくてもエンジンの始動を許可し、やがて認証判定が不許可となると始動制御と点火制御を停止する手段が開示されている。但し、この特許文献4に開示された装置においては、ギアシフトセンサの扱いについては論及されていない。
【0008】
前記各特許文献で開示された装置においては、ギアシフトセンサとしては、シフト位置に応じた複数の固定接点であったり、可変抵抗や非接触のリニアセンサなどが使用されている。例えば、特許文献5に開示された装置によれば、シフト位置に応じた複数の固定接
点と抵抗回路網を利用して、可変抵抗に相当したギアシフトセンサを構成し、ギアシフト位置に応じた出力電圧を発生して内燃機関用制御装置に設けられたAD変換器を介してマイクロプロセッサに入力するようになっている。また、特許文献6には、ギアシフトレバーのシフト位置に応動した信号電圧を発生する非接触磁気センサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−193879号公報(要約の欄、図1)
【特許文献2】特開2006−248471号公報(要約の欄、図3)
【特許文献3】特開2001−349268号公報(要約の欄、図1)
【特許文献4】特開2005−178475号公報(要約の欄、図2)
【特許文献5】特開平10−103460号公報(要約の欄、図1)
【特許文献6】特開2006−349447号公報(要約の欄、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記特許文献1に開示された装置によれば、バッテリ電圧の異常低下によってエンジン制御装置が不作動であるときには、エンジンの自動起動は行わないという前提でシステムが構成されており、同様に前記特許文献2に開示された装置によれば、バッテリ電圧の異常低下によってエンジン制御装置が不作動であるときには、エンジンの遠隔始動は行わないという前提でシステムが構成されている。
【0011】
また、前記特許文献3に開示された装置においても、特許文献1、特許文献2に開示された装置と同様に、ニュートラル信号がマイクロプロセッサに入力されている。従って、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示された装置は何れも、始動スイッチの操作によって直接始動したいときに、バッテリ電圧の異常低下によってエンジン制御装置が不作動であると、どのようにしてエンジンの始動を行うのかが明示されておらず、エンジンの始動が行えない構成となっている。
【0012】
これに対し、前記特許文献4に開示された装置は、バッテリ電圧の異常低下によってエンジン制御装置が不作動であるときに、始動スイッチによるエンジンの始動を可能にしたものではあるが、エンジンの始動制御に変速機の状態を監視する機能がなく、インギア状態での始動により車両飛出しが発生したり、始動電動機による車両移動が可能となって盗難の危険性が高くなる問題がある。
【0013】
また、前記特許文献5に開示された装置においても、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示された装置と同様に、ギアシフト信号がマイクロプロセッサに入力されているので、始動スイッチの操作によって直接始動したいときに、バッテリ電圧の異常低下によってエンジン制御装置が不作動であると、どのようにしてエンジンの始動を行うのかが明示されておらず、エンジンの始動が行えない構成となっている。
【0014】
更に、前記特許文献6に開示された装置においては、非接触リニアセンサの信号をどのように取り扱うかが記載されておらず、ギアシフトセンサ自体の信頼性を向上することに寄与するものとなっている。
【0015】
そこで、この発明の第1の目的は、車載バッテリの異常電圧低下によってエンジン制御装置が不作動となっても、始動スイッチによるエンジンの直接始動を可能にすると共に、エンジン制御装置の作動、不作動に関わらず、また始動スイッチによる直接始動や始動スイッチによらない自動始動、遠隔始動などの間接始動の如何に関わらず、少なくとも変速機のセレクタレバーの選択位置がニュートラルであるか、又は駐車位置でなければエンジ
ンの始動が行えないエンジン制御装置を提供することを目的とするものである。
【0016】
また、この発明の第2の目的は、セレクタレバーの選択位置情報に関する簡易な二重系の信号処理手段を有し、エンジン始動制御の安全性を向上するエンジン制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明に係るエンジン制御装置は、エンジンの始動スイッチと車両用変速機のギアシフトレバーの位置情報を生成するギアシフトセンサとを含む入力センサ群の動作状態と、プログラムメモリに格納された制御プログラムの内容に応動し、少なくとも前記エンジンの始動電動機を駆動する電磁リレーを含む電気負荷群を駆動制御するマイクロプロセッサと、前記ギアシフトセンサが発生するギアシフトレバーの位置情報に基づいて、前記変速機がニュートラル位置であるか駐車位置であるかの少なくとも一方、又は両方の状態を検出して第1の検出信号を発生する第1の検出回路と、前記位置情報に基づいて、前記変速機がニュートラル位置であるか駐車位置であるかの少なくとも一方、又は両方の状態を検出して前記マイクロプロセッサにより第2の検出信号を発生する第2の検出手段と、前記始動スイッチと直列接続され、前記第1の検出信号又は前記第2の検出信号の少なくとも一方がニュートラル位置又は駐車位置を検出している時に、前記電磁リレーを付勢して車載バッテリから前記始動電動機へ給電する直接駆動回路と、を備え、前記直接駆動回路は、前記車載バッテリの異常電圧低下によって前記マイクロプロセッサが不作動の状態であっても前記電磁リレーの付勢を持続すると共に、前記第2の検出信号が発生しなくても前記第1の検出信号が発生すれば前記エンジンの始動を行うものである。
【発明の効果】
【0018】
この発明に係るエンジン制御装置は、エンジンの始動スイッチと車両用変速機のギアシフトレバーの位置情報を生成するギアシフトセンサとを含む入力センサ群の動作状態と、プログラムメモリに格納された制御プログラムの内容に応動し、少なくとも前記エンジンの始動電動機を駆動する電磁リレーを含む電気負荷群を駆動制御するマイクロプロセッサと、前記ギアシフトセンサが発生するギアシフトレバーの位置情報に基づいて、前記変速機がニュートラル位置であるか駐車位置であるかの少なくとも一方、又は両方の状態を検出して第1の検出信号を発生する第1の検出回路と、前記位置情報に基づいて、前記変速機がニュートラル位置であるか駐車位置であるかの少なくとも一方、又は両方の状態を検出して前記マイクロプロセッサにより第2の検出信号を発生する第2の検出手段と、前記始動スイッチと直列接続され、前記第1の検出信号又は前記第2の検出信号の少なくとも一方がニュートラル位置又は駐車位置を検出している時に、前記電磁リレーを付勢して車載バッテリから前記始動電動機へ給電する直接駆動回路と、を備え、前記直接駆動回路は、前記車載バッテリの異常電圧低下によって前記マイクロプロセッサが不作動の状態であっても前記電磁リレーの付勢を持続すると共に、前記第2の検出信号が発生しなくても前記第1の検出信号が発生すれば前記エンジンの始動を行うので、車載バッテリの異常電圧低下によってマイクロプロセッサが不作動の状態であっても、始動スイッチによるエンジンの直接始動を可能にすると共に、マイクロプロセッサの動作に依存する第2の検出信号が発生しなくても、マイクロプロセッサの動作に依存しない第1の検出信号によって安全、確実にエンジンの始動を行うことができ、エンジン始動の安全性を向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置を説明する回路ブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置におけるギアシフトセンサの信号処理に関する部分詳細図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置の直接始動の概念を説明するフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置のマイクロプロセッサの動作を説明するフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態2に係るエンジン制御装置を説明する回路ブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係るエンジン制御装置におけるギアシフトセンサの信号処理に関する部分詳細図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係るエンジン制御装置のマイクロプロセッサの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照して、この発明に係るエンジン制御装置について好適な実施の形態を説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0021】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置を説明する回路ブロック図である。
図1において、エンジン制御装置100Aには、車載バッテリ101が電源リレー102の出力接点102aを介して接続されており、電源リレー102の励磁コイル102bは後述の駆動トランジスタ121によって駆動されるように構成されている。エンジン制御装置100Aに接続された電源スイッチ103aは、操作キー103の第2及び第3回動位置で閉路し、始動スイッチ103bは第3回動位置で閉路するように構成されている。また、読取装置103cは、操作キー103に付加された暗証コードを読み取って後述のマイクロプロセッサ110Aに入力するようになっている。
【0022】
始動電動機104は、電磁リレー105の出力接点105aと後述の第2の出力接点106aを介して車載バッテリ101から給電され、図示しない電磁押し出し機構によってエンジンのリングギアに係合してエンジンを回転駆動するものであり、電磁リレー105の励磁コイル105bは、後述の直列開閉素子130を介して給電付勢されるようになっている。なお、直列開閉素子130は、Pチャンネル型の電界効果トランジスタにより構成されている。
【0023】
直列電磁リレー106の励磁コイル106bは後述の安全駆動トランジスタ135Aを介して給電付勢され、出力接点105aと直列接続された第2の出力接点106aが閉路するようになっている。
【0024】
マイクロプロセッサ110Aに対して図示しないインタフェース回路を介して入力される入力センサ群107は、例えばエンジンの吸気量を測定するエアフローセンサ、アクセルペダルの踏込み度合いを検出するアクセルポジションセンサ、スロットル弁開度を検出するスロットルポジションセンサ、エンジンのクランク角センサなどエンジンの運転状況を監視する各種センサである。
【0025】
また、マイクロプロセッサ110Aから図示しないインタフェース回路を介して給電駆動される電気負荷群108は、例えば燃料噴射弁の駆動用電磁コイル、エンジンの点火コイル(エンジン形式がガソリンエンジンの場合)、吸気スロットルの弁開度制御用モータ、排気循環弁の駆動用モータ、エアコン用の電磁クラッチ、警報・表示器などである。
【0026】
ギアシフトセンサ109Aは、図示しない車両用変速機にギアシフトレバーの選択位置に応動した位置情報を発生して、図2において説明するギアシフト検出回路190Aに対してパルス幅変調信号PWMとその論理反転信号PWNを供給するようになっている。
【0027】
マイクロプロセッサ110Aは、例えば不揮発フラッシュメモリであるプログラムメモリ111A、演算処理用のRAMメモリ112と協働するよう互いにバス接続されている。プログラムメモリ111Aには、エンジン制御装置100Aとしての入出力制御プログラムに加えて、図4において説明する比較判定手段403、燃料噴射停止手段404、二重始動禁止手段415、第2の検出手段401、遅延処理手段401bとなる制御プログラムや、暗証コード照合用の固有コードデータ406が格納されている。
【0028】
制御電源ユニット120は、電源リレー102の出力接点102aから給電され、車載バッテリ101の電源電圧DC10〜16Vをもとにして、制御電圧Vcc=5Vを発生し、マイクロプロセッサ110Aを初めとする各部に安定化電圧を供給するようになっている。
【0029】
励磁コイル102bを付勢する駆動トランジスタ121は、電源スイッチ103aから互いに直列接続された駆動抵抗122a及び122b、ダイオード123を介してベース電流が供給されて導通し、電源リレー102の出力接点102aを閉路するようになっている。なお、出力接点102aが閉路して制御電源ユニット120に給電されることによりマイクロプロセッサ110Aが動作を開始すると、マイクロプロセッサ110Aが発生する自己保持駆動指令DR1から自己保持駆動抵抗124、ダイオード125を介して駆動トランジスタ121のベース電流が供給され、その後は電源スイッチ103aが開路しても電源リレー102は付勢動作を継続し、マイクロプロセッサ110Aが自己保持駆動指令DR1を停止することによって電源リレー102が消勢されるようになっている。
【0030】
反転論理素子126は、駆動抵抗122aと駆動抵抗122bの接続点における電位の大/小、即ち、電源スイッチ103aのON/OFFに応じて論理レベル「L」/「H」となる電源投入モニタ信号PWSを発生して、マイクロプロセッサ110Aに入力するようになっている。
【0031】
電源リレー102の出力接点102aから給電される直列開閉素子130は、励磁コイル105bに接続され、励磁コイル105bには転流ダイオード131が並列接続されている。開路安定抵抗132は、Pチャンネル型の電界効果トランジスタである直列開閉素子130のソース端子とゲート端子間に接続されており、直列開閉素子130のゲート端子は、導通駆動抵抗133と導通駆動トランジスタ134を介してグランド回路に接続されている。なお、導通駆動トランジスタ134は、NPN型トランジスタにより構成されている。
【0032】
導通駆動トランジスタ134は、始動スイッチ103bから互いに直列接続された直接始動抵抗140及び141a、ダイオード141bを介してベース電流が供給されて導通し、直列開閉素子130を介して電磁リレー105を付勢するようになっている。なお、直接始動抵抗141aとダイオード141bは直接駆動回路141を構成し、NPN型トランジスタである導通駆動トランジスタ134のベース端子とエミッタ端子間には、安定抵抗142が接続されている。
【0033】
直列電磁リレー106の励磁コイル106bを駆動する安全駆動トランジスタ135Aは、ギアシフト検出回路190Aから駆動され、車両用変速機がニュートラル位置であるか、又は駐車位置であるときに導通するようになっている。
【0034】
反転論理素子143は、直接始動抵抗140と直接始動抵抗141aの接続点における電位の大/小、即ち、始動スイッチ103bのON/OFFに応じて論理レベル「L」/「H」となる始動指令監視信号STSを発生して、マイクロプロセッサ110Aに入力す
るようになっている。
【0035】
導通駆動トランジスタ134のベース端子とエミッタ端子間に接続された禁止トランジスタ144は、マイクロプロセッサ110Aが発生する導通禁止指令出力STPからベース抵抗145を介して駆動され、暗証コードが不一致であったり、エンジンが回転中であれば禁止トランジスタ144が導通することによって導通駆動トランジスタ134を不導通にし、電磁リレー105を消勢するようになっている。なお、マイクロプロセッサ110Aが不作動状態にあるときには、プルダウン抵抗146によって禁止トランジスタ144が不導通となっている。
【0036】
間接始動指令出力ASGは、例えばマイクロプロセッサ110Aに対して図示しない遠隔始動装置の受信回路がシリアル接続されていて、当該受信回路からエンジン始動指令を受け取った場合、或いはアイドルストップ後の自動始動運転を行うときに、間接始動指令信号153Aに応動して論理レベル「H」の出力信号を発生し、駆動抵抗151とダイオード152を介してトランジスタ134のベース電流を供給する。その結果、直列開閉素子130が導通して電磁リレー105が付勢され、始動電動機104が回転駆動されるようになっている。なお、第2の出力接点106aと出力接点105aの接続点の電位は、インタフェース回路161を介して接点動作監視信号MNTとしてマイクロプロセッサ110Aに入力されるようになっている。
【0037】
次に、実施の形態1に係るエンジン制御装置のギアシフトセンサの信号処理について、図2の部分詳細図により説明する。図2において、エンジン制御装置100Aは、車載バッテリ101から給電されて、安定化された制御電圧Vccを発生する制御電源ユニット120の出力回路に設けられたバッファアンプ129を介し、ギアシフトセンサ109Aに対してセンサ駆動電圧Vdを供給するようになっている。なお、バッファアンプ129は、センサ駆動用の電源配線が地絡異常となった場合に、制御電源ユニット120の破損を保護するためのものとなっている。
【0038】
ギアシフトセンサ109Aは、ギアシフトレバーの選択位置に応動した信号電圧を発生する可変抵抗109aと、可変抵抗109aの出力電圧に比例したON幅を有する一定周期のパルス列信号を発生するPWM変換回路109bと、PWM変換回路109bの発生パルスをそのままの論理で出力するバッファ回路109cと、反転論理で出力する論理反転回路109dによって構成されている。そして、バッファ回路109cが発生するパルス幅変調信号PWMは、エンジン制御装置100A内に設けられた積分回路191によって平滑されて、可変抵抗109aの出力電圧に相当したアナログ信号電圧が再生される。
【0039】
ウインドウコンパレータ192は、ギアシフトレバーがニュートラル位置にあるときの積分回路191の出力電圧を含む第1の所定帯域幅内にあるときと、変速機が自動変速機であってギアシフトレバーが駐車位置にあるときの積分回路191の出力電圧を含む第2の所定帯域幅内にあるときに、第1の検出信号PS1を発生するようになっている。但し、遅延ゲート回路193によって少なくとも電源スイッチ103aが投入されてから所定時間内では、第1の検出信号PS1の発生は禁止されるようになっている。
【0040】
積分回路191、ウインドウコンパレータ192、および遅延ゲート回路193によって第1の検出回路194が構成され、この第1の検出回路194は、所望の第1の検出信号PS1を発生し、論理和回路195と駆動抵抗139を介して安全駆動トランジスタ135Aを導通駆動するようになっている。
【0041】
安全駆動トランジスタ135Aのベース端子には、禁止トランジスタ136が接続されている。この禁止トランジスタ136は、マイクロプロセッサ110Aが発生する後述の
運転中信号DR2から駆動抵抗137を介して導通駆動され、エンジンが始動完了して既に回転中であるときには禁止トランジスタ136が導通することによって安全駆動トランジスタ135Aが導通できないようになっている。禁止トランジスタ136のベース/エミッタ端子間に接続された安定抵抗138は、マイクロプロセッサ110Aが不作動であるときに禁止トランジスタ136を不作動にして、安全駆動トランジスタ135Aの導通を邪魔しないように構成されている。
【0042】
マイクロプロセッサ110Aには、ギアシフトセンサ109Aが発生するパルス幅変調信号PWM、又はその論理反転信号PWNの少なくとも一方、又は両方の信号が入力されて、パルス列のON幅とパルス周期との比率であるパルスデューティを算出し、このパルスデューティがプログラムメモリ111Aに予め格納されている第1の所定帯域幅内にあるときと、第2の所定帯域幅内にあるときに第2の検出信号PS2を発生して、論理和回路195を介して安全駆動トランジスタ135Aを導通駆動する。なお、パルス幅変調信号PWM、又はその論理反転信号PWNのどちらか一方をマイクロプロセッサ110Aに入力した場合、信号配線の断線異常やグランド回路に対する地絡異常、或いは電源線に対する天絡異常が発生したときに、検出されたパルスデューティが所定の下限値以下となったり、上限値以上となることによって異常検出が行われ、異常発生時はフェールセーフ処理が行われるようになっている。
【0043】
これに対し、パルス幅変調信号PWMとその論理反転信号PWNの両方をマイクロプロセッサ110Aに入力した場合、どちらかの信号配線に異常があっても他方の信号線によって第2の検出信号PS2を発生することができるようになっている。また、ギアシフトセンサ109Aと第1の検出回路194は、制御電圧Vcc=5Vが異常低下して、マイクロプロセッサ110Aが不作動となってもなお正常動作を維持するようになっており、例えばDC3V以上の電圧であれば正常動作するようになっている。
【0044】
実施の形態1に係るエンジン制御装置は前記のように構成されており、次に、その作用及び動作について説明する。
図3は、図1に示す装置の直接始動の概念フローチャートである。図3において、工程300において電源スイッチ103aが閉路すると、続く工程301において駆動抵抗122a及び122b、ダイオード123を介して駆動トランジスタ121のベース電流が供給され、電源リレー102が付勢されてエンジン制御装置100Aに対する給電を開始する。
【0045】
続く工程352では、マイクロプロセッサ110Aが制御電源ユニット120から給電されて動作を開始し、入力センサ群107や電源投入モニタ信号PWS、始動指令監視信号STS、接点動作監視信号MNT、間接始動信号RMTの動作状態やプログラムメモリ111Aに格納された入出力制御プログラムの内容に応動して始動電動機104や電気負荷群108に対する駆動制御が可能となり、続く工程353ではマイクロプロセッサ110Aによって暗証コードの照合比較が行われる。
【0046】
また、工程301に続く工程302ではドライバーによりギアシフトレバーをニュートラル位置、又は駐車位置にしてから始動スイッチ103bが閉路され、続く工程303aでは禁止トランジスタ144の動作状態に応動して工程303bへ移行するか待機状態となっている。
【0047】
なお、工程303aでは工程353によってマイクロプロセッサ110Aが動作していて、暗証コードの照合不一致、又はエンジン回転速度に応動する導通禁止指令出力STPが導通禁止出力を発生しておれば、YESの判定を行って工程302へ復帰して、エンジン回転の低下、又は暗証照合の一致を待ち、エンジン回転速度が十分低下するか照合一致
すれば、NOの判定を行って工程303bへ移行するようになっている。
【0048】
しかし、車載バッテリ101の電圧が低下してマイクロプロセッサ110Aが動作できないような状態では、プルダウン抵抗146によって禁止トランジスタ144が不導通となっているので、図3の工程303aの判定はNOとなったと同等状態であり、工程303bへの移行が行われることになる。この場合でも、後述の工程356で暗証照合不一致となれば、その時点で始動禁止が行われ、燃料噴射や点火制御も行われないようになっている。
【0049】
工程303bでは、図2で示した第1の検出信号PS1と第2の検出信号PS2の少なくとも一方が動作して、ニュートラル位置、又は駐車位置となっていることが確認されたことによってYESの判定を行って工程304へ移行し、第1の検出信号PS1と第2の検出信号PS2が共に不作動であればNOの判定を行って工程302へ復帰するようになっている。
【0050】
工程304では安全駆動トランジスタ135Aと直列開閉素子130が導通し、続く工程305では直列電磁リレー106と電磁リレー105が動作して始動電動機104がエンジンの駆動を開始する。
【0051】
工程305で始動電動機104がエンジンを駆動開始すると、車載バッテリ101の残存容量が少ないときには、車載バッテリ101の発生電圧が異常低下して、工程355で示すとおりマイクロプロセッサ110Aが動作停止することもある。しかし、工程306でエンジン回転が上昇すると始動電動機104への給電電流が減少することによって車載バッテリ101の発生電圧が回復上昇し、その結果、工程356で示すようにマイクロプロセッサ110Aが再開動作し、続く工程357で燃料噴射制御や点火制御が開始する。
【0052】
その結果、工程307で示すようにエンジンが自立回転を開始する。
【0053】
工程308ではエンジン回転速度がアイドル回転速度に対応した所定値以上になったかどうかに応動して導通禁止指令出力STPが動作して、所定回転以上であればYESの判定を行って工程310へ移行し、所定回転未満であればNOの判定を行って工程309へ移行する。
【0054】
工程309では始動スイッチ103bが開路されたかどうかを判定し、閉路であればNOの判定を行って工程308へ復帰し、開路であればYESの判定を行って工程310へ移行する。
【0055】
工程310では直列開閉素子130が不導通となって電磁リレー105が消勢され、エンジンは自立回転を持続している。
【0056】
工程311ではエンジンの運転が継続され、やがて工程312で電源スイッチ103aが開路されると、工程362によってマイクロプロセッサ110Aの退避処理が行われ、続いて工程363において自己保持駆動指令DR1が停止する。その結果、工程313では電源リレー102が消勢され、エンジン制御装置100Aに対する給電が遮断されるようになっている。
【0057】
次に、実施の形態1に係るエンジン制御装置のマイクロプロセッサの動作について図4のフローチャートを用いて説明する。
図4において、工程400は、エンジン始動制御に関するマイクロプロセッサ110Aの動作開始ステップである。続く工程430は、接点動作監視信号MNTの動作状態を監
視して、入力論理レベルが「L」であれば、第2の出力接点106aが閉路状態であると判断してYESの判定を行って工程431へ移行し、入力論理レベルが「H」であれば、NOの判定を行って工程401aへ移行する判定ステップとなっている。
【0058】
工程431は、第2の検出信号PS2を発生中であるかどうかを判定し、発生中であればYESの判定を行って工程401aへ移行し、発生していなければNOの判定を行って工程432へ移行する判定ステップである。
【0059】
工程432は、工程431のNOの判定が例えば0.1秒以上継続しているかどうかを判定し、未継続であればNOの判定を行って工程401aへ移行し、継続していればYESの判定を行って工程433へ移行する判定ステップである。なお、工程432の初回実行時には図示しないタイマが駆動開始し、工程432、工程401a、工程425、工程400、工程430、工程431、工程432を循環動作する過程で、例えば0.1秒の所定時間が超過するとタイムアップしてYESの判定を行って工程433へ移行し、タイムアップ前に工程401aがYESの判定を行えば、工程401bへ移行するようになっており、工程432で駆動されたタイマは、工程432又は工程401aがYESの判定を行ったときに駆動停止されて計時現在値がリセットされるようになっている。
【0060】
工程432の判定がYESとなることは、第2の検出信号PS2が発生していないということが確認されて、ニュートラル位置や駐車位置ではないと判定したことであり、そのため直列電磁リレー106は付勢されない状態となるのが正常である。しかし、第1の検出信号PS1が動作していることによって直列電磁リレー106が付勢されているか、又は第1の検出信号PS1が動作していなくても第2の出力接点106aが固着閉路していると工程430でYESの判定を行うので、工程430から工程431、工程432を経て工程433へ移行し、工程433では通電禁止出力STPを発生して電磁リレー105が付勢されないようにすると共に、第2の出力接点106aの固着異常情報を発生してから動作終了工程425へ移行する。
【0061】
なお、変速機の選択位置がニュートラル又は駐車位置でないときには、第1の検出信号PS1が不作動となっているので、通常はエンジンの始動は行われず、工程433によって導通禁止出力STPを発生するのを省略することも可能である。また、運転開始直後は遅延ゲート回路193(図2参照)や、後述の工程401bによって第1、第2の検出信号PS1、PS2は動作しないようになっているので、工程430、工程431による第2の出力接点106aの固着異常検出は、運転開始直後に必ず実行されるようになっている。
【0062】
工程401aは、入力されたパルス幅変調信号PWM、又はその論理反転信号PWNのONデューティ、又はOFFデューティを算出し、プログラムメモリ111Aに格納されている第1、第2の所定デューティと対比することによって、ギアシフトレバーがニュートラル位置にあるか、又は駐車位置にあると判定した場合にはYESの判定を行って工程401bへ移行し、その他の前進、後退位置であればNOの判定を行って動作終了工程425へ移行する判定ステップとなっている。なお、工程401aには遅延ゲート回路193に相当したフィルタ機能としての時間遅れが含まれている。
【0063】
工程401bは、マイクロプロセッサ110Aの運転開始後の初回動作のときだけ、工程401aによるYESの判定が例えば0.1秒程度の所定時間にわたって継続したかど
うかを判定し、継続であればYESの判定を行って工程401cへ移行し、非継続であればNOの判定を行って動作終了工程425へ移行する遅延処理手段となる判定ステップである。
【0064】
工程401cでは、第2の検出信号PS2を発生して工程402aへ移行する。なお、工程401bの初回実行時には図示しないタイマが駆動開始し、工程401b、工程425、工程400、工程430、工程401a、工程401bを循環動作する過程で例えば0.1秒の所定時間が超過すると、タイムアップしてYESの判定を行って工程401cへ移行し、工程401bで駆動されたタイマは工程401bがYESの判定を行った後は、マイクロプロセッサ110Aが再起動されるまではYESの判定状態を維持するようになっている。工程401a、401b、401cで構成された工程ブロック401は第2の検出手段となるものである。
【0065】
工程402aは、図1の始動指令監視信号STS、及び間接始動信号RMTの論理状態を判定して始動指令の有無を判定するステップであり、始動指令がないときにはNOの判定を行って動作終了工程425へ移行し、始動指令があるときには工程402bへ移行するようになっている。なお、動作終了工程425では、他の制御プログラムを実行してから所定時間内には再度動作開始工程400へ復帰して、工程400から工程425間のフローが繰返して循環実行されるようになっている。
【0066】
工程402bは、工程402aによる始動指令の有無の判定が間接始動信号RMTであった場合にYESの判定を行って工程411へ移行し、始動指令監視信号STSであった場合にNOの判定を行って工程403へ移行する判定ステップである。
【0067】
工程403は、工程402bの判定が間接始動モードではなく、車載の始動スイッチ103bによる直接始動モードであったことに応動して、操作キー103に付加された暗証コードを読取装置103cを介して読み込んで、その暗証コードとプログラムメモリ111Aに格納されている固有コード406と比較する比較判定手段となるステップであり、当該工程403が一致判定であれば工程412へ移行し、不一致判定であれば燃料噴射停止手段となる工程404へ移行して燃料噴射を停止する。
【0068】
続く工程405は、工程403の判定が暗証不一致であったり、後述の工程413や工程414でエンジンが回転中であると判定されたときに禁止指令出力STPを発生し、補助開閉素子である禁止トランジスタ144を導通させ、導通駆動トランジスタ134と直列開閉素子130を不導通にして電磁リレー105を消勢するステップとなっている。
【0069】
工程411は、間接始動指令出力ASGを発生してから工程412へ移行するステップであり、工程412は、間接始動指令出力ASGの論理レベルがL→H、又は始動指令監視信号STSの論理レベルがH→Lに有効変化したかどうかを判定し、これらの信号が有効変化していれば工程413へ移行し、変化がなければ工程414へ移行する判定ステップとなっている。
【0070】
工程413は、エンジン回転速度と第1の閾値回転速度とを比較して、少しでもエンジンが回転しているようであればYESの判定を行って工程405へ移行して導通禁止指令出力STPを発生し、エンジンが回転していなければNOの判定を行って工程416へ移行する判定ステップとなっている。
【0071】
工程414は、エンジン回転速度と第2の閾値回転速度とを比較して、エンジンがアイドル回転状態となっていればYESの判定を行って工程417へ移行し、エンジンが自立回転するに至っていない時にはNOの判定を行って工程416へ移行する判定ステップとなっている。
【0072】
工程417では、運転中信号DR2を発生してから工程405へ移行して導通禁止指令出力STPを発生するようになっている。なお、工程412から工程414で構成された
工程ブロック415は二重始動禁止手段となるものである。
【0073】
工程416は、燃料噴射量を増量したり、エンジン制御装置100Aが点火制御機能を有するものである場合には点火時期を遅らせてエンジンの始動性を向上するための始動運転補正手段となるものである。
【0074】
工程420は、工程405や工程416に続いて実行され、電源スイッチ103aが開路されて電源投入モニタ信号PWSが論理レベル「H」になったかどうかを判定するステップであり、当該工程420が電源スイッチ開路の判定であれば工程421へ移行し、電源スイッチの閉路持続の判定であれば終了工程425へ移行し、所定時間をおいて再び動作開始工程400へ循環移行するようになっている。
【0075】
工程421は、燃料噴射や点火制御が停止してエンジンが停止するステップである。続く工程422は、マイクロプロセッサ110Aが各種データの退避処理を行うステップであり、例えば各種の異常発生情報を図示しない不揮発性のデータメモリに転送保存するようになっている。
【0076】
続く工程423は、マイクロプロセッサ110Aが自己保持駆動指令DR1の発生を停止するステップであり、続く工程424は、電源リレー102が消勢されてエンジン制御装置100Aに対する給電が停止されるステップとなっている。なお、自己保持駆動指令DR1に代わって、マイクロプロセッサ110Aが発生するウォッチドッグ信号のパルス幅を監視して、マイクロプロセッサ110Aが停止したことを検出してから駆動トランジスタ121に対する自己保持指令を解除するようにしても良い。
【0077】
以上詳説したように、実施の形態1に係るエンジン制御装置100Aは、エンジンの始動スイッチ103bと車両用変速機のギアシフトレバー位置情報を生成するギアシフトセンサ109Aとを含む入力センサ群107の動作状態と、不揮発プログラムメモリ111Aに格納された制御プログラムの内容とに応動して、少なくともエンジンの始動電動機104を駆動する電磁リレー105含む電気負荷群108を駆動制御するマイクロプロセッサ110Aを備えたエンジン制御装置100Aであって、エンジン制御装置100Aは、更に、ギアシフトセンサ109Aが発生するギアシフトレバーの位置情報に基づいて前記変速機がニュートラル位置であるか駐車位置であるかの少なくとも一方、又は両方の状態を検出して第1の検出信号PS1を発生する第1の検出回路194と、前記位置情報が演算手段に入力されて、前記変速機がニュートラル位置であるか駐車位置であるかの少なくとも一方、又は両方の状態を検出して、マイクロプロセッサ110Aによって第2の検出信号PS2を発生する第2の検出手段401とが併用されている。
【0078】
始動電動機104は、第1の検出信号PS1、又は第2の検出信号PS2の少なくとも一方がニュートラル位置、又は駐車位置を検出している時に、始動スイッチ103bと直列接続された直接駆動回路141を介して付勢される電磁リレー105の出力接点105aを介して車載バッテリ101から給電される。
【0079】
そして、直接駆動回路141は、車載バッテリ101の異常電圧低下によってマイクロプロセッサ110Aが不作動の状態であっても電磁リレー105の付勢を持続すると共に、第2の検出信号PS2が発生しなくても第1の検出信号PS1が発生すればエンジンの始動が行われるようになっている。
【0080】
即ち、実施の形態1に係るエンジン制御装置100Aは、エンジンの始動電動機104を駆動制御するマイクロプロセッサ110Aと、マイクロプロセッサ110Aの不作動状態においてもエンジンの始動を可能にする直接駆動回路141を備えると共に、ギアシフ
トセンサ109Aによるギアシフトレバー位置の検出も第1の検出信号PS1と第2の検出信号PS2による2重系で構成されている。
【0081】
従って、車載バッテリの異常電圧低下によってマイクロプロセッサ110Aが不作動の状態であっても始動電動機104を駆動する電磁リレー105の付勢を持続すると共に、マイクロプロセッサ110Aの動作に依存する第2の検出信号PS2が発生しなくても、マイクロプロセッサ110Aの動作に依存しない第1の検出信号PS1によって安全、確実にエンジンの始動を行うことができ、エンジン始動の安全性を向上することができる効果がある。
【0082】
また、ギアシフトセンサ109Aは、前記変速機のギアシフトレバーの選択位置に応動した信号電圧を発生すると共に、当該信号電圧に比例したONパルス幅を有する所定周期のパルス幅変調信号PWM、又はパルス幅変調信号PWMの論理反転信号PWNの少なくとも一方、又は両方の信号を出力する。
【0083】
第1の検出回路194は、パルス幅変調信号PWM、又はパルス幅変調信号PWMの論理反転信号PWNの少なくとも一方、又は両方の信号を平滑化して前記変速機のギアシフトレバーの選択位置に応動した信号電圧を再生する積分回路191と、当該再生された信号電圧が第1の所定帯域幅内に含まれているかどうか、又は第2の所定帯域幅内に含まれているかどうかによって前記変速機がニュートラル位置であるか駐車位置であるかの少なくとも一方、又は両方の状態を検出して第1の検出信号PS1を発生するウインドウコンパレータ192とによって構成され、第1の検出回路194はエンジン制御装置100Aが変速機制御装置と併用されているか否かに関わらずエンジン制御装置100Aに内蔵されている。
【0084】
第2の検出手段401は、パルス幅変調信号PWM、又はパルス幅変調信号PWMの論理反転信号PWNの少なくとも一方、又は両方の信号のONパルス幅又はOFFパルス幅とパルス周期の比率であるデューティを算出し、前記変速機がニュートラル位置であるか駐車位置であるかによって予め記憶されている前記デューティの値と比較することによって、前記変速機がニュートラル位置であるか駐車位置であるかの少なくとも一方、又は両方の状態を検出して第2の検出信号PS2をマイクロプロセッサ110Aから出力する手段である。この第2の検出手段401はエンジン制御装置100Aが変速機制御装置と併用されているか否かに関わらずエンジン制御装置100Aに内蔵されたマイクロプロセッサ110Aによって演算されるようになっている。
【0085】
即ち、実施の形態1に係るエンジン制御装置100Aは、ギアシフトセンサ109Aがギアシフトレバー位置に応動したパルス幅変調信号を発生し、ハードウエアで構成された第1の検出回路194と、ソフトウエアによる第2の検出手段401とによって変速機のニュートラル位置又は駐車位置が検出されるようになっている。
【0086】
従って、少ない信号回線によって帯域幅を有するニュートラル位置、又は駐車位置を正確に判定することができると共に、2重系の検出手段によって安全性を向上することができる効果がある。
【0087】
また、マイクロプロセッサ110Aは、パルス幅変調信号PWMをそのまま入力することができるので、AD変換処理を必要としない効果がある。
【0088】
更に、エンジン制御装置100Aが変速機制御装置と併用される場合にあっては、第1の検出回路194、又は第2の検出手段401の少なくとも一方を相互に共用することによって小型安価な制御装置を得ることができる効果がある。
【0089】
また、第1の検出回路194は更に、少なくとも電源スイッチが投入された直後の所定時間帯において、第1の検出信号PS1の発生を禁止する遅延ゲート回路193を備え、第2の検出手段401は更に、少なくとも電源スイッチが投入された直後の所定時間帯において、第2の検出信号PS2の発生を禁止する遅延処理手段401bを備えている。
【0090】
即ち、実施の形態1に係るエンジン制御装置100Aは、第1の検出信号PS1、第2の検出信号PS2が電源投入直後の所定時間においてエンジン始動を禁止するように作用する。
【0091】
従って、ギアシフトセンサ109A、及びその信号処理回路における応答遅れによる誤動作を防止して、安全性を向上することができる効果がある。
【0092】
また、始動電動機104は、電磁リレー105の出力接点105aに対して直列接続された第2の出力接点106aを有する直列電磁リレー106を介して給電され、直列電磁リレー106を付勢する励磁コイル106bは、第1の検出信号PS1、又は第2の検出信号PS2によって導通駆動される安全駆動トランジスタ135Aを介して駆動されると共に、少なくともエンジンの始動完了後においては安全駆動トランジスタ135Aの導通は禁止されている。
【0093】
即ち、実施の形態1に係るエンジン制御装置100Aは、変速機がニュートラル位置、又は駐車位置にあるときに駆動される直列電磁リレー106の出力接点105aを、始動電動機104に対して直列接続するようになっている。
【0094】
従って、エンジンの始動スイッチ103bを閉路したことによって始動電動機104を駆動する電磁リレー105の出力接点105aが固着異常を発生している場合、或いは意図的に強制閉路されている場合において、ギアシフトレバーをニュートラル、又は駐車位置以外の運転位置に投入すると、直列電磁リレー105の出力接点105aが開路して始動電動機104の給電を遮断するので、始動用電動機104によって車両を駆動することができず、安全性が向上すると共に、盗難防止機能を向上することができる効果がある。
【0095】
また、エンジンの始動完了後においては、直列電磁リレー105の動作を禁止して、無用な動作による損耗を抑制し、節電を行うことができる効果がある。
【0096】
また、電磁リレー105の出力接点105aと直列電磁リレー106の第2の出力接点106aとの接続点の電圧は、インタフェース回路161を介して接点動作監視信号MNTとしてマイクロプロセッサ110Aに入力され、マイクロプロセッサ110Aは、第2の検出信号PS2を発生していないときに接点動作監視信号MNTが動作していると、第2の出力接点106aの固着異常であることを検出して、電磁リレー105を付勢する励磁コイル105bの駆動を禁止する。
【0097】
即ち、実施の形態1に係るエンジン制御装置100Aは、変速機がニュートラル位置、又は駐車位置にあるときに駆動される直列電磁リレー106の第2の出力接点106aが固着異常であるか、意図的に閉路されたときには、エンジンの始動スイッチ103bが閉路されたときに動作する電磁リレー105の動作を禁止するようになっている。
【0098】
従って、ギアシフトレバーをニュートラル、又は駐車位置以外の運転位置に投入しているのも関わらず、直列電磁リレー106の第2の出力接点106aが閉路している場合に、エンジンの始動スイッチ103bに応動する電磁リレー105が不作動となって始動電動機104の給電を遮断するので、安全性が向上すると共に、盗難防止機能を向上するこ
とができる効果がある。
【0099】
また、始動スイッチ103bの操作キー103に付加された暗証コードの読取装置103c、直列開閉素子130、および補助開閉素子144とを備えると共に、プログラムメモリ111Aは更に、比較判定手段403と、燃料噴射停止手段404となるプログラムを包含している。
【0100】
直列開閉素子130は、車載バッテリ101とエンジンの始動電動機104とを接続する電磁リレー105の励磁コイル105bに対して直列接続され、始動スイッチ103bが閉路されたときに導通してエンジンの始動を行うトランジスタである。
【0101】
比較判定手段403は、マイクロプロセッサ110Aに入力された暗証コードと、プログラムメモリ111Aに格納されている固有コードとの比較判定出力を発生する手段である。
【0102】
燃料噴射停止手段404は、比較判定手段403による判定結果が比較不一致であったことに応動して前記燃料噴射用電磁弁の駆動を停止する手段である。
【0103】
補助開閉素子144は、比較判定手段403による判定結果が比較不一致であったことに応動して、直列開閉素子130の導通を禁止すると共に、マイクロプロセッサ110Aの不作動状態にあっては直列開閉素子130の導通を阻害しない関係にバイアス付勢されている。
【0104】
即ち、実施の形態1に係るエンジン制御装置100Aは、マイクロプロセッサ110Aによる暗証コードの一致判定が終わっていなくても速やかにエンジンの始動を開始することができると共に、始動電動機104によるエンジンのクランキング開始で、車載バッテリの電圧が異常低下し、マイクロプロセッサ110Aが不作動状態となってもクランキングを持続する。そして、エンジン回転の上昇に伴って始動電動機104への給電電流が減少して車載バッテリの電圧が回復すると、マイクロプロセッサ110Aが再度動作を開始して燃料噴射や点火制御が行われてエンジンが自立回転するようになっている。また、比較判定手段403による比較判定結果が不一致であれば燃料噴射が停止するようになっている。
【0105】
従って、車載バッテリの残存容量が少ない寒冷始動においても、一旦マイクロプロセッサ110Aの動作停止状態が発生しても始動を継続することによってエンジンの始動が容易となる効果がある。
【0106】
また、暗証コードが不一致のときに導通禁止回路の不良で直列開閉素子130が開路できない事態が発生したり、電磁リレー105の励磁コイル105bそのものが外部配線によって直接給電されて始動電動機104が回転動作しても、燃料噴射が停止さてれているのでエンジンが自立回転することはない。
【0107】
また、プログラムメモリ111Aは更に、二重始動禁止手段415となる制御プログラムを包含している。この二重始動禁止手段415は、マイクロプロセッサ110Aに入力されたエンジン回転センサのパルス間隔又はパルス密度を測定することによって、現在のエンジン回転速度を算出すると共に、算出されたエンジン回転速度が第1の閾値以上であるときには始動開始を禁止するか、又は前記第1の閾値よりも大きな値である第2の閾値を超過したときには、既に始動運転中であっても直列開閉素子130の導通を強制遮断して始動停止する導通禁止指令出力STPを発生して、回転中のエンジンの再始動と過剰始動運転を禁止する手段である。
【0108】
即ち、実施の形態1に係るエンジン制御装置100Aは、エンジン回転速度を監視して、回転中のエンジンの始動を禁止する二重始動禁止手段415を備えている。
【0109】
従って、回転中のエンジンに対する始動操作を無効にしたり、始動電動機104の過大回転を防止することができ、特に始動スイッチ103bによらない間接始動操作を安全に行うことができる効果がある。
【0110】
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係るエンジン制御装置について説明する。実施の形態2については、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
図5は、実施の形態2に係るエンジン制御装置を説明する回路ブロック図で、図1の実施の形態1と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0111】
図5において、車載バッテリ101から電源リレー102を介して給電されるエンジン制御装置100Bは、プログラムメモリ111Bと協働するマイクロプロセッサ110Bを備えている。プログラムメモリ111Bには、エンジン制御装置100Bとしての入出力制御プログラムに加えて、後述の図7で説明する比較判定手段703、燃料噴射停止手段704、二重始動禁止手段715、第2の検出手段701、遅延処理手段701bとなる制御プログラムや、暗証コードの照合用の固有コードデータ406が格納されている。
【0112】
間接始動指令入力154は、始動スイッチ103bと並列接続されており、図1における間接指令出力ASGの代替信号となっている。但し、間接始動指令入力154が閉路するときには、間接始動指令回路153Bから間接始動信号RMTが入力されるようになっている。
【0113】
マイクロプロセッサ910と第1の検出回路994を内蔵した変速機制御装置900は、ギアシフトセンサ109Bからギアシフトレバーの位置情報を得て、第1の検出信号PS1を発生してエンジン制御装置100Bへ出力すると共に、第2の検出信号PS2を発生して通信回線901を介してエンジン制御装置100Bへ送信し、マイクロプロセッサ110Bから第2の検出信号PS2を出力するようになっている。
【0114】
その他、電源スイッチ103a、始動スイッチ103b、始動電動機104、電磁リレー105、入力センサ群107、電気負荷群108、電源リレー102などは図1のものと同様に接続されているが、直列電磁リレー106は削除され、安全駆動トランジスタ135Bは直列開閉素子130のゲート回路に設けられている。この安全駆動トランジスタ135Bは、第1の検出信号PS1と第2の検出信号PS2を入力とする論理和回路190Bから駆動抵抗147を介して導通駆動されるようになっている。但し、安全駆動トランジスタ135Bは、直列開閉素子130と励磁コイル105bとの直列回路の中に直列接続することも可能である。また、図1におけるインタフェース回路161による接点動作監視信号MNTも削除されている。
【0115】
次に、実施の形態2に係るエンジン制御装置のギアシフトセンサの信号処理について、図6の部分詳細図により説明する。図6において、変速機制御装置900は、車載バッテリ101から給電されて、安定化された制御電圧Vccを発生する制御電源ユニット920の出力回路に設けられたバッファアンプ929を介し、ギアシフトセンサ109Bに対してセンサ駆動電圧Vdを供給するようになっている。なお、バッファアンプ929は、センサ駆動用の電源配線が地絡異常となった場合に、制御電源ユニット920の破損を保護するためのものとなっている。
【0116】
ギアシフトセンサ109Bは、ギアシフトレバーの選択位置に応動した信号電圧を発生するリニアセンサ109e、リニアセンサ109eの出力電圧に比例したON幅を有する一定周期のパルス列信号を発生するPWM変換回路109b、PWM変換回路109bの発生パルスをそのままの論理で出力するバッファ回路109c、および反転論理で出力する論理反転回路109dによって構成されている。
【0117】
バッファ回路109cが発生するパルス幅変調信号PWMは、変速機制御装置900内に設けられた積分回路991によって平滑されて、リニアセンサ109eの出力電圧に相当したアナログ信号電圧が再生される。
【0118】
ウインドウコンパレータ992は、ギアシフトレバーがニュートラル位置にあるときの積分回路991の出力電圧を含む第1の所定帯域幅内にあるときと、変速機が自動変速機であってギアシフトレバーが駐車位置にあるときの積分回路991の出力電圧を含む第2の所定帯域幅内にあるときに第1の検出信号PS1を発生するようになっている。但し、遅延ゲート回路993によって少なくとも電源スイッチ103aが投入されてから所定時間内では第1の検出信号PS1の発生は禁止されるようになっている。
【0119】
積分回路991、ウインドウコンパレータ992、および遅延ゲート回路993によって第1の検出回路994が構成され、この第1の検出回路994は、所望の第1の検出信号PS1を発生し、論理和回路190B(図5参照)を介して安全駆動トランジスタ135Bを導通駆動するようになっている。
【0120】
マイクロプロセッサ910には、ギアシフトセンサ109Bが発生するパルス幅変調信号PWM、又はその論理反転信号PWNの少なくとも一方、又は両方の信号が入力されて、パルス列のON幅とパルス周期との比率であるパルスデューティを算出し、このパルスデューティがプログラムメモリ911に予め格納されている第1の所定帯域幅内にあるときと、第2の所定帯域幅内にあるときに第2の検出信号PS2を発生して、通信回線901とマイクロプロセッサ110B(図5参照)と論理和回路190Bとを介して安全駆動トランジスタ135Bを導通駆動するようになっている。
【0121】
なお、パルス幅変調信号PWM、又はその論理反転信号PWNのどちらか一方をマイクロプロセッサ910に入力した場合、信号配線の断線異常やグランド回路に対する地絡異常、或いは電源線に対する天絡異常が発生したときに、検出されたパルスデューティが所定の下限値以下となったり、上限値以上となることによって異常検出が行われ、異常発生時はフェールセーフ処理が行われるようになっている。
【0122】
これに対し、パルス幅変調信号PWMとその論理反転信号PWNの両方をマイクロプロセッサ910に入力した場合、どちらかの信号配線に異常があっても他方の信号線によって第2の検出信号PS2を発生することができるようになっている。
【0123】
なお、変速機制御装置900には、図示しないアクセルペダルの踏込み度合を検出するアクセルポジションセンサや、車速センサが接続されると共に、変速機を多段前進・後退・駐車・ニュートラル位置に設定するための複数のリニアソレノイドが接続され、前進位置においてはアクセルペダルの踏込み度合と車速とに応動して変速段が選択制御されるようになっている。
【0124】
マイクロプロセッサ910が変速制御を行うためには、ギアシフトセンサ109Bからのギアシフトレバーの位置情報が重要であるが、マイクロプロセッサ910が異常となった場合には、ハードウエアによって検出された前進・後退・駐車・ニュートラル位置情報に基づいて、バックアップ回路によって例えば3速固定の前進1段と後退・駐車・ニュー
トラルの運転を行うことができるようになっている。
【0125】
エンジン制御装置100Bに出力される第1の検出信号PS1は、第1の検出回路994によって得られる駐車位置とニュートラル位置の信号を論理和したものである。但し、第1の検出信号PS1をエンジン制御装置100Bに出力するのをやめて、図2の場合にエンジン制御装置100A内で第1の検出回路194を設けたと同様に、エンジン制御装置100B内に第1の検出回路を設けることも可能である。この場合、エンジン制御装置100Bで検出された第1の検出信号PS1をマイクロプロセッサ110Bに入力して、変速機制御装置900から送信された第2の検出信号PS2と照合することによって、変速機制御装置900、又は通信回線901の異常の有無を判定することができる。
【0126】
実施の形態2に係るエンジン制御装置は前記のように構成されており、次に、そのマイクロプロセッサの動作を図7のフローチャートを用いて実施の形態1との相違点を中心に説明する。
図7において、工程700は、エンジン始動制御に関するマイクロプロセッサ110の動作開始ステップである。続く工程701aは、通信回線901を介して変速機制御装置900から第2の検出信号PS2を受信したかどうかを判定するテップで、未受信であればNOの判定を行って動作終了工程725へ移行し、受信したときはYESの判定を行って工程701bへ移行する。
【0127】
工程701bは、マイクロプロセッサ110Bの運転開始後における初回動作のときだけ、工程701aによるYESの判定が例えば0.1秒程度の所定時間にわたって継続したかどうかを判定し、継続であればYESの判定を行って工程701cへ移行し、非継続であればNOの判定を行って動作終了工程725へ移行する遅延処理手段となる判定ステップである。
【0128】
工程701cでは、第2の検出信号PS2を発生して工程702aへ移行する。なお、工程701bの初回実行時には図示しないタイマが駆動開始し、工程701b、工程725、工程700、工程701a、工程701bを循環動作する過程で例えば0.1秒の所定時間が超過するとタイムアップしてYESの判定を行って工程701cへ移行し、工程701bで駆動されたタイマは工程701bがYESの判定を行った後は、マイクロプロセッサ110Bが再起動されるまではYESの判定状態を維持するようになっている。
【0129】
工程701a、701b、701cで構成された工程ブロック701は、第2の検出手段となるものであるが、実際に第2の検出信号PS2を検出するのは変速機制御装置900内のマイクロプロセッサ910となっている。
【0130】
以下の工程702a〜725は、図4の工程402a〜425と同じ動作を行い、400番台の工程を700番台に置き換えたものとなっている。但し、図7には図4の工程411に対応した工程711が存在していない。これは図1の場合には間接始動指令出力ASGによって間接始動を行ったが、図5の場合には間接始動指令入力154によって始動指令が発生しているので、マイクロプロセッサ110Bは間接始動指令出力ASGを発生する必要がなく、間接始動指令回路153Bから得られる間接始動信号RMTを監視して、工程702bの判定処理だけを行えばよいようになっている。また、図4の工程417に相当した工程717は存在せず、マイクロプロセッサ110Bは運転中信号DR2を発生しない構成となっている。
【0131】
以上詳説したように、実施の形態2に係るエンジン制御装置100Bは、エンジンの始動スイッチ103bと車両用変速機のギアシフトレバー位置情報を生成するギアシフトセンサ109Bとを含む入力センサ群107の動作状態と、不揮発プログラムメモリ111
Bに格納された制御プログラムの内容とに応動して、少なくともエンジンの始動電動機104を駆動する電磁リレー105含む電気負荷群108を駆動制御するマイクロプロセッサ110Bを備えたエンジン制御装置100Bであって、エンジン制御装置100Bは更に、ギアシフトセンサ109Bが発生するギアシフトレバーの位置情報に基づいて前記変速機がニュートラル位置であるか駐車位置であるかの少なくとも一方、又は両方の状態を検出して第1の検出信号PS1を発生する第1の検出回路994と、前記位置情報が演算手段に入力されて、前記変速機がニュートラル位置であるか駐車位置であるかの少なくとも一方、又は両方の状態を検出して、マイクロプロセッサ110Bによって第2の検出信号PS2を発生する第2の検出手段701とが併用されている。
【0132】
始動電動機104は、第1の検出信号PS1、又は第2の検出信号PS2の少なくとも一方がニュートラル位置、又は駐車位置を検出している時に、始動スイッチ103bと直列接続された直接駆動回路141を介して付勢される電磁リレー105の出力接点105aを介して車載バッテリ101から給電される。
【0133】
そして、直接駆動回路141は、車載バッテリ101の異常電圧低下によってマイクロプロセッサ110Bが不作動の状態であっても電磁リレー105の付勢を持続すると共に、第2の検出信号PS2が発生しなくても第1の検出信号PS1が発生すればエンジンの始動が行われるようになっている。
【0134】
即ち、実施の形態2に係るエンジン制御装置100Bは、実施の形態1と同様に、エンジンの始動電動機104を駆動制御するマイクロプロセッサ110Bと、マイクロプロセッサ110Bの不作動状態においてもエンジンの始動を可能にする直接駆動回路141を備えると共に、ギアシフトセンサ109Bによるギアシフトレバー位置の検出も第1の検出信号PS1と第2の検出信号PS2による2重系で構成されている。
【0135】
従って、車載バッテリの異常電圧低下によってマイクロプロセッサ110Bが不作動の状態であっても始動電動機104を駆動する電磁リレー105の付勢を持続すると共に、マイクロプロセッサ110Bの動作に依存する第2の検出信号PS2が発生しなくても、マイクロプロセッサ110Bの動作に依存しない第1の検出信号PS1によって安全、確実にエンジンの始動を行うことができ、エンジン始動の安全性を向上することができる効果がある。
【0136】
また、ギアシフトセンサ109Bは、前記変速機のギアシフトレバーの選択位置に応動した信号電圧を発生すると共に、当該信号電圧に比例したONパルス幅を有する所定周期のパルス幅変調信号PWM、又はパルス幅変調信号PWMの論理反転信号PWNの少なくとも一方、又は両方の信号を出力する。
【0137】
第1の検出回路994は、パルス幅変調信号PWM、又はパルス幅変調信号PWMの論理反転信号PWNの少なくとも一方、又は両方の信号を平滑化して前記変速機のギアシフトレバーの選択位置に応動した信号電圧を再生する積分回路991と、当該再生された信号電圧が第1の所定帯域幅内に含まれているかどうか、又は第2の所定帯域幅内に含まれているかどうかによって前記変速機がニュートラル位置であるか駐車位置であるかの少なくとも一方、又は両方の状態を検出して第1の検出信号PS1を発生するウインドウコンパレータ992とによって構成され、第1の検出回路994はエンジン制御装置100Bが変速機制御装置900と併用される場合にあっては、変速機制御装置900に内蔵されて第1の検出信号PS1をエンジン制御装置100Bに送信する。
【0138】
第2の検出手段701は、パルス幅変調信号PWM、又はパルス幅変調信号PWMの論理反転信号PWNの少なくとも一方、又は両方の信号のONパルス幅又はOFFパルス幅
とパルス周期の比率であるデューティを算出して、前記変速機がニュートラル位置であるか駐車位置であるかによって予め記憶されている前記デューティの値と比較することによって、前記変速機がニュートラル位置であるか駐車位置であるかの少なくとも一方、又は両方の状態を検出して第2の検出信号PS2をマイクロプロセッサ110Bから出力する手段であり、第2の検出手段701はエンジン制御装置100Bが変速機制御装置900と併用される場合にあっては、変速機制御装置900に内蔵されているマイクロプロセッサ910によって演算されて、検出された第2の検出信号PS2は通信回線901を介してエンジン制御装置100Bに送信される。
【0139】
即ち、実施の形態2に係るエンジン制御装置100Bは、実施の形態1と同様に、ギアシフトセンサ109Bがギアシフトレバー位置に応動したパルス幅変調信号を発生し、ハードウエアで構成された第1の検出回路994と、ソフトウエアによる第2の検出手段701とによって変速機のニュートラル位置又は駐車位置が検出されるようになっている。
【0140】
従って、少ない信号回線によって帯域幅を有するニュートラル位置、又は駐車位置を正確に判定することができると共に、2重系の検出手段によって安全性を向上することができる効果がある。
【0141】
また、マイクロプロセッサ110Bは、パルス幅変調信号PWMをそのまま入力することができるので、AD変換処理を必要としない効果がある。
【0142】
更に、エンジン制御装置100Bが変速機制御装置と併用される場合にあっては、第1の検出回路994、又は第2の検出手段701の少なくとも一方を相互に共用することによって小型安価な制御装置を得ることができる効果がある。
【0143】
また、第1の検出回路994は更に、少なくとも電源スイッチが投入された直後の所定時間帯において、第1の検出信号PS1の発生を禁止する遅延ゲート回路993を備え、第2の検出手段701は更に、少なくとも電源スイッチが投入された直後の所定時間帯において、第2の検出信号PS2の発生を禁止する遅延処理手段701bを備えている。
【0144】
即ち、実施の形態2に係るエンジン制御装置100Bは、実施の形態1と同様に、第1の検出信号PS1、第2の検出信号PS2が電源投入直後の所定時間においてエンジン始動を禁止するように作用する。
【0145】
従って、ギアシフトセンサ109B、及びその信号処理回路における応答遅れによる誤動作を防止して、安全性を向上することができる効果がある。
【0146】
また、始動スイッチ103bの操作キー103に付加された暗証コードの読取装置103c、直列開閉素子130、および補助開閉素子144とを備えると共に、プログラムメモリ111Bは更に、比較判定手段703と、燃料噴射停止手段704となるプログラムを包含している。
【0147】
直列開閉素子130は、車載バッテリ101とエンジンの始動電動機104とを接続する電磁リレー105の励磁コイル105bに対して直列接続され、始動スイッチ103bが閉路されたときに導通してエンジンの始動を行うトランジスタである。
【0148】
比較判定手段703は、マイクロプロセッサ110Bに入力された暗証コードと、プログラムメモリ111Bに格納されている固有コードとの比較判定出力を発生する手段である。
【0149】
燃料噴射停止手段704は、比較判定手段703による判定結果が比較不一致であったことに応動して前記燃料噴射用電磁弁の駆動を停止する手段である。
【0150】
補助開閉素子144は、比較判定手段703による判定結果が比較不一致であったことに応動して、直列開閉素子130の導通を禁止すると共に、マイクロプロセッサ110Bの不作動状態にあっては直列開閉素子130の導通を阻害しない関係にバイアス付勢されている。
【0151】
即ち、実施の形態2に係るエンジン制御装置100Bは、実施の形態1と同様に、マイクロプロセッサ110Bによる暗証コードの一致判定が終わっていなくても速やかにエンジンの始動を開始することができると共に、始動電動機104によるエンジンのクランキング開始で、車載バッテリの電圧が異常低下し、マイクロプロセッサ110Bが不作動状態となってもクランキングを持続する。そして、エンジン回転の上昇に伴って始動電動機104への給電電流が減少して車載バッテリの電圧が回復すると、マイクロプロセッサ110Bが再度動作を開始して燃料噴射や点火制御が行われてエンジンが自立回転するようになっている。また、比較判定手段703による比較判定結果が不一致であれば燃料噴射が停止するようになっている。
【0152】
従って、車載バッテリの残存容量が少ない寒冷始動においても、一旦マイクロプロセッサ110Bの動作停止状態が発生しても始動を継続することによってエンジンの始動が容易となる効果がある。
【0153】
また、暗証コードが不一致のときに導通禁止回路の不良で直列開閉素子130が開路できない事態が発生したり、電磁リレー105の励磁コイル105bそのものが外部配線によって直接給電されて始動電動機104が回転動作しても、燃料噴射が停止さてれているのでエンジンが自立回転することはない。
【0154】
また、直列開閉素子130と励磁コイル105bとの直列回路に対して直列接続されるか、又は直列開閉素子130の駆動回路に対して直列接続された安全駆動トランジスタ135Bを備えており、この安全駆動トランジスタ135Bは、第1の検出信号PS1又は第2の検出信号PS2によって導通駆動され、前記変速機のギアシフトレバーの位置がニュートラル位置、又は駐車位置のいずれか一方、又は両方の位置において励磁コイル105bに対する給電が可能となるものである。
【0155】
即ち、実施の形態2に係るエンジン制御装置100Bは、第1の検出信号PS1又は第2の検出信号PS2に応動する安全駆動トランジスタ135Bが、始動スイッチ103bに応動する電磁リレー105の励磁コイル105bと直列接続されるか、直列開閉素子130の駆動回路に対して直列接続されるようになっている。
【0156】
従って、直列電磁リレーを必要とせず、安価な回路構成によってエンジン始動の安全性を向上することができる効果がある。
【0157】
また、プログラムメモリ111Bは更に、二重始動禁止手段715となる制御プログラムを包含している。この二重始動禁止手段715は、マイクロプロセッサ110Bに入力されたエンジン回転センサのパルス間隔又はパルス密度を測定することによって、現在のエンジン回転速度を算出すると共に、算出されたエンジン回転速度が第1の閾値以上であるときには始動開始を禁止するか、又は前記第1の閾値よりも大きな値である第2の閾値を超過したときには、既に始動運転中であっても直列開閉素子130の導通を強制遮断して始動停止する導通禁止指令出力STPを発生して、回転中のエンジンの再始動と過剰始動運転を禁止する手段である。
【0158】
即ち、実施の形態2に係るエンジン制御装置100Bは、エンジン回転速度を監視して、回転中のエンジンの始動を禁止する二重始動禁止手段715を備えている。
【0159】
従って、回転中のエンジンに対する始動操作を無効にしたり、始動電動機104の過大回転を防止することができ、特に始動スイッチ103bによらない間接始動操作を安全に行うことができる効果がある。
【符号の説明】
【0160】
100A、100B エンジン制御装置
101 車載バッテリ
103b 始動スイッチ
103c 読取装置
104 始動電動機
105 電磁リレー
105a 出力接点
105b 励磁コイル
106 直列電磁リレー
106a 第2の出力接点
106b 励磁コイル
107 入力センサ群
108 電気負荷群
109A、109B ギアシフトセンサ
110A、110B マイクロプロセッサ
111A、110B プログラムメモリ
130 直列開閉素子
135A、135B 安全駆動トランジスタ
141 直接駆動回路
144 禁止トランジスタ(補助開閉素子)
161 インタフェース回路
191 積分回路
192 ウインドウコンパレータ
193 遅延ゲート回路
194 第1の検出回路
401、701 第2の検出手段
401b、701b 遅延処理手段
403、703 比較判定手段
404、704 燃料噴射停止手段
415、715 二重始動禁止手段
900 変速機制御装置
901 通信回線
910 マイクロプロセッサ
994 第1の検出回路
MNT 接点動作監視信号
PWM PWM信号
PWN PWN論理反転信号
PS1 第1の検出信号
PS2 第2の検出信号
STP 禁止指令出力
ASG 間接始動指令出力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの始動スイッチと車両用変速機のギアシフトレバーの位置情報を生成するギアシフトセンサとを含む入力センサ群の動作状態と、プログラムメモリに格納された制御プログラムの内容に応動し、少なくとも前記エンジンの始動電動機を駆動する電磁リレーを含む電気負荷群を駆動制御するマイクロプロセッサと、
前記ギアシフトセンサが発生するギアシフトレバーの位置情報に基づいて、前記変速機がニュートラル位置であるか駐車位置であるかの少なくとも一方、又は両方の状態を検出して第1の検出信号を発生する第1の検出回路と、
前記位置情報に基づいて、前記変速機がニュートラル位置であるか駐車位置であるかの少なくとも一方、又は両方の状態を検出して前記マイクロプロセッサにより第2の検出信号を発生する第2の検出手段と、
前記始動スイッチと直列接続され、前記第1の検出信号又は前記第2の検出信号の少なくとも一方がニュートラル位置又は駐車位置を検出している時に、前記電磁リレーを付勢して車載バッテリから前記始動電動機へ給電する直接駆動回路と、
を備え、
前記直接駆動回路は、前記車載バッテリの異常電圧低下によって前記マイクロプロセッサが不作動の状態であっても前記電磁リレーの付勢を持続すると共に、前記第2の検出信号が発生しなくても前記第1の検出信号が発生すれば前記エンジンの始動を行うことを特徴とするエンジン制御装置。
【請求項2】
前記ギアシフトセンサは、前記変速機のギアシフトレバーの選択位置に応動した信号電圧を発生すると共に、当該信号電圧に比例したONパルス幅を有する所定周期のパルス幅変調信号、又は前記パルス幅変調信号の論理反転信号の少なくとも一方、又は両方の信号を出力し、
前記第1の検出回路は、前記パルス幅変調信号、又は前記パルス幅変調信号の論理反転信号の少なくとも一方、又は両方の信号を平滑化して前記変速機のギアシフトレバーの選択位置に応動した信号電圧を再生する積分回路と、前記再生された信号電圧が第1の所定帯域幅内に含まれているかどうか、又は第2の所定帯域幅内に含まれているかどうかによって前記変速機がニュートラル位置であるか駐車位置であるかの少なくとも一方、又は両方の状態を検出して前記第1の検出信号を発生するウインドウコンパレータとにより構成され、前記エンジン制御装置が変速機制御装置と併用されているか否かに関わらずエンジン制御装置に内蔵されるか、又はエンジン制御装置が変速機制御装置と併用される場合にあっては、当該変速機制御装置に内蔵されて前記第1の検出信号を前記エンジン制御装置に送信し、
前記第2の検出手段は、前記パルス幅変調信号、又は前記パルス幅変調信号の論理反転信号の少なくとも一方、又は両方の信号のONパルス幅又はOFFパルス幅とパルス周期の比率であるデューティを算出して、前記変速機がニュートラル位置であるか駐車位置であるかによって予め記憶されている前記デューティの値と比較し、前記変速機がニュートラル位置であるか駐車位置であるかの少なくとも一方、又は両方の状態を検出して前記第2の検出信号を前記マイクロプロセッサから出力すると共に、前記エンジン制御装置が変速機制御装置と併用されているか否かに関わらずエンジン制御装置に内蔵されたマイクロプロセッサによって演算されるか、又はエンジン制御装置が変速機制御装置と併用される場合にあっては、前記変速機制御装置に内蔵されているマイクロプロセッサによって演算され、検出された前記第2の検出信号は通信回線を介して前記エンジン制御装置に送信されることを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
【請求項3】
前記第1の検出回路は、少なくとも電源スイッチが投入された直後の所定時間帯において、前記第1の検出信号の発生を禁止する遅延ゲート回路を備えると共に、前記第2の検出手段は、少なくとも前記電源スイッチが投入された直後の所定時間帯において、前記第
2の検出信号の発生を禁止する遅延処理手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のエンジン制御装置。
【請求項4】
前記始動電動機は、前記電磁リレーの出力接点に対して直列接続された第2の出力接点を有する直列電磁リレーを介して給電され、
前記直列電磁リレーを付勢する励磁コイルは、前記第1の検出信号又は前記第2の検出信号によって導通駆動される安全駆動トランジスタを介して駆動されると共に、少なくとも前記エンジンの始動完了後において前記安全駆動トランジスタの導通が禁止されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のエンジン制御装置。
【請求項5】
前記電磁リレーの出力接点と前記直列電磁リレーの第2の出力接点との接続点の電圧を、接点動作監視信号として前記マイクロプロセッサに入力し、前記マイクロプロセッサは、前記第2の検出信号を発生していないときに前記接点動作監視信号が動作していると、前記電磁リレーを付勢する励磁コイルの駆動を禁止することを特徴とする請求項4に記載のエンジン制御装置。
【請求項6】
前記始動スイッチの操作キーに付加された暗証コードを読み取って前記マイクロプロセッサに入力する読取装置と、
前記電磁リレーの励磁コイルに対して直列接続され、前記始動スイッチが閉路されたときに導通して前記エンジンの始動を行う直列開閉素子と、
前記読取装置から前記マイクロプロセッサに入力された暗証コードと、前記プログラムメモリに格納されている固有コードとの比較判定出力を発生する比較判定手段と、
前記比較判定手段による判定結果が不一致であったことに応動して燃料噴射を停止させる燃料噴射停止手段と、
前記比較判定手段による判定結果が不一致であったことに応動して、前記直列開閉素子の導通を禁止すると共に、前記マイクロプロセッサの不作動状態にあっては前記直列開閉素子の導通を阻害しない関係にバイアス付勢される補助開閉素子と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のエンジン制御装置。
【請求項7】
前記直列開閉素子と前記電磁リレーの励磁コイルとの直列回路に対して直列接続されるか、又は前記直列開閉素子の駆動回路に対して直列接続される安全駆動トランジスタを備え、
前記安全駆動トランジスタは、前記第1の検出信号又は前記第2の検出信号により導通駆動され、前記変速機のギアシフトレバー位置がニュートラル位置、又は駐車位置のいずれか一方、又は両方の位置において前記電磁リレーの励磁コイルに対する給電が可能となるものであることを特徴とする請求項6に記載のエンジン制御装置。
【請求項8】
前記プログラムメモリは、前記マイクロプロセッサに入力されたエンジン回転センサのパルス間隔又はパルス密度を測定することによって、現在のエンジン回転速度を算出すると共に、算出されたエンジン回転速度が第1の閾値以上であるときには始動開始を禁止するか、又は前記第1の閾値よりも大きな値である第2の閾値を超過したときには、既に始動運転中であっても前記直列開閉素子の導通を強制遮断して始動停止する導通禁止指令出力を発生して、回転中のエンジンの再始動と過剰始動運転を禁止する制御プログラムを包含することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のエンジン制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−242557(P2010−242557A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90281(P2009−90281)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】