説明

カラーフィルタ、その製造方法、これを用いた固体撮像素子、およびその製造方法

【課題】フォトダイオードなどの光電変換部への光量の増大をはかるとともに、高感度でかつ、混色や色シェーディングの発生を抑制することの可能な固体撮像素子を提供する。
【解決手段】本発明のカラーフィルタは、画素を構成する複数の光電変換領域のそれぞれに対向するように配置され、前記光電変換領域に入射する光を画素毎に色分離するためのカラーフィルタであって、前記カラーフィルタは第1の色を選択的に透過する第1のカラーフィルタと、前記第1の色とは異なる第2の色を選択的に透過する第2のカラーフィルタとが並列配置され、前記第1および第2のカラーフィルタは、周囲に、側壁を反射性膜で覆われたホワイト画素としての透光性領域を介して隣接するように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルタ、その製造方法、これを用いた固体撮像素子、およびその製造方法にかかり、特に高感度のカラーセンサを形成するためのカラーフィルタに関する。
【0002】
近年、固体撮像素子の高精細化は進む一方であり、この高精細化に伴う感度の低下を防ぐ為に、半導体基板上の複数の光電変換領域に対応して設けられるマイクロレンズやカラーフィルタ同士の配置間隔を極力狭くすることが求められている。このような固体撮像素子では、マイクロレンズやカラーフィルタの境界の部分に入射される光までをも有効利用しようとするが、マイクロレンズやカラーフィルタ同士の配置間隔が狭いために、マイクロレンズの境界とカラーフィルタの境界との位置のわずかなずれが混色を生み出したり、色シェーディング(色ムラ)の原因となってしまうことがある。
【0003】
そこでこのような問題を解決するため、カラーフィルタを、ドライエッチングを用いてパターニングし、高精度化をはかる方法が提案されている。
例えばその1つに、最初に形成される色フィルタの不要部とその下層の平坦化層とをドライエッチングでパターニングする方法がある(特許文献1)。
また、最初に形成される色フィルタをドライエッチングでパターニングする方法も提案されている(特許文献2)。
【0004】
これらの方法により、カラーフィルタの高精度化をはかることはできるが、高解像度化への要求が高まるにつれ、固体撮像素子の高感度化への要求は高まる一方であった。
【0005】
【特許文献1】特開2006−222291号公報
【特許文献2】特開2006−222290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1および2の構造では、カラーフィルタのパターン精度自体は向上するが、高感度化には限界があった。
【0007】
このような状況の中で、固体撮像素子においては、高感度化、高解像度化、への要求は高まる一方であり、ギガピクセル以上まで撮像画素数の増加が進んでいる。このような状況の中で、チップサイズを大型化することなく高解像度を得るためには、混色や色シェーディングを防ぎつつ、単位画素あたりの面積を縮小し、高集積化を図る一方で、高感度化つまりは、カラーフィルタの透過率を向上し、フォトダイオードに導く光量の増大を図ることが、極めて重要な課題となっている。
【0008】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、高感度でかつ、混色や色シェーディングの発生を抑制することの可能な固体撮像素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明のカラーフィルタは、画素を構成する複数の光電変換領域のそれぞれに対向するように配置され、前記光電変換領域に入射する光を画素毎に色分離するためのカラーフィルタであって、前記カラーフィルタは、ホワイト画素を構成する透光性領域と、前記透光性領域に形成された凹部に充填され、第1の色を選択的に透過する第1のカラーフィルタと、前記第1の色とは異なる第2の色を選択的に透過する第2のカラーフィルタとを具備したことを特徴とする。
この構成によれば、ホワイト画素を構成する透光性領域と、前記透光性領域に形成された凹部に充填された第1および第2のカラーフィルタを具備しており、透過率の高い、ホワイト画素分の情報を周辺のホワイト画素に比べ透過率の低いカラーフィルタを具備した画素で、補完(利用)することで、感度の向上をはかることができる。
【0010】
また本発明は、上記固体撮像素子において、前記第1および第2のカラーフィルタは、周囲にホワイト画素を構成する透光性領域を介して隣接するように配置され、前記透光性領域の前記凹部の内壁のうち、側壁は反射性層で被覆されたものを含む。
この構成により、すべてのカラー画素の間に配置されたホワイト画素の側壁を反射性層で被覆することで、混色を防止することができ、画質の向上をはかることができる。
【0011】
本発明は、前記カラーフィルタにおいて、前記反射性層は、反射性の金属層であるものを含む。
【0012】
本発明は、前記カラーフィルタにおいて、前記反射性層は、前記透光性領域に対して所定の屈折率差を有し、前記反射性層と前記透光性領域との界面で、入射光が反射し得るように形成されたものを含む。
【0013】
本発明は、前記カラーフィルタにおいて、前記反射性層は、多層膜であり、前記反射性層と前記透光性領域との界面で、入射光が反射し得るように形成されたものを含む。
【0014】
本発明は、前記カラーフィルタにおいて、前記反射性層は、前記凹部の内壁を構成する前記透光性領域を覆う密着性膜を介して形成されたものを含む。
【0015】
本発明は、前記カラーフィルタにおいて、前記反射性層を覆うように、前記凹部の内壁を被覆するように一体的に形成された保護層を有するものを含む。
【0016】
本発明は、前記カラーフィルタにおいて、透光性領域が、前記光電変換領域上に形成された透光性樹脂層で構成されたものを含む。
【0017】
本発明は、前記カラーフィルタが、光電変換部の上層に平坦化膜を介して形成されたものを含む。
この構成により、高精度のカラーフィルタのパターン形成が可能となる。
【0018】
本発明は、上記カラーフィルタにおいて、前記透光性領域が前記光電変換部の上層に形成された平坦化膜であり、前記平坦化膜に前記凹部が形成されたものを含む。
【0019】
本発明は、前記カラーフィルタが、前記反射性層は、前記側壁全体を被覆するように形成されたものを含む。
【0020】
本発明は、前記カラーフィルタが、前記反射性層は、前記側壁の上縁部を被覆するように形成されたものを含む。
【0021】
本発明は、上記カラーフィルタにおいて、前記第1および第2のカラーフィルタは、前記光電変換部に近づくにつれて幅または径が小さくなるようなテーパ面を構成するものを含む。
この構成により、フィルタの位置ずれに対する許容性がさらに向上する。
【0022】
本発明は、前記カラーフィルタは、さらに第3の色を選択的に透過する第3のカラーフィルタを含むものである。
この構成により、フルカラー化が可能となる。
【0023】
本発明は、上記カラーフィルタにおいて、前記カラーフィルタは、前記透光性領域で構成されるホワイト画素および第1乃至第3のカラーフィルタが、色毎に異なる面積を持つように構成されたものを含む。
この構成により、この面積比を変えることで、各種補正を行うことができる。また、色毎にあらかじめフォトダイオードの感度を測定しておき、この感度差を補正するように面積比を調整するようにすれば、色による感度差を補正することができる。
【0024】
本発明は、上記カラーフィルタにおいて、前記カラーフィルタは、周縁部と中心部とで、前記透光性領域と前記カラーフィルタとの面積比が異なるものを含む。
この構成により、色毎のシェーディングやシェーディングの色間差をきわめて小さくすることができる。
【0025】
本発明は、上記カラーフィルタを備え、画素を構成する複数の光電変換領域を備えた光電変換部と、前記光電変換部で生起せしめられた電荷を転送する電荷転送部と、前記電荷転送部に接続される配線層を含む周辺回路部とを具備し、少なくとも光電変換部の上層に前記カラーフィルタを形成してなる。
この構成により、上述したように高感度の固体撮像素子を得ることができる。
【0026】
また、上記固体撮像素子において、前記光電変換領域ごとの特性に応じて前記カラーフィルタを構成する第1乃至第3のカラーフィルタの前記透光性領域との面積比が異なるように調整するようにしてもよい。
この構成により、面積比を変えて領域毎に感度調整を行うことができ、固体撮像素子の特性の均一化をはかることができる。
【0027】
また、上記固体撮像素子において、前記固体撮像素子を構成する画像撮像領域の中心部と周縁部とで、前記カラーフィルタを構成する第1乃至第3のカラーフィルタの前記透光性領域との面積比が異なるように調整されるようにしてもよい。
この構成により、1固体撮像素子内の特性の均一化をはかることができる。
【0028】
本発明は、基体表面に、第1の色のカラーフィルタを構成する第1のカラーフィルタと、前記第1の色とは異なる第2の色のカラーフィルタを構成する第2のカラーフィルタとを配列してなるカラーフィルタを製造する方法であって、前記基体表面に、各色のカラーフィルタを囲むホワイト画素としての透光性領域となる透光性膜を形成する工程と、前記透光性膜にカラーフィルタを形成するための開口を形成する工程と、前記基体表面にカラーフィルタ材料を充填する工程とを含む。
この構成により、透光性膜に開口を形成し、この開口の側壁に反射性膜を形成し、カラーフィルタを充填するようにしているため、混色を容易に低減することができ、位置合わせも容易で信頼性の高いものとなる。
【0029】
また、この方法により、透光性領域を形成するための透光性膜を形成しておき、各色の形成領域に開口を形成しながら、対応する色のカラーフィルタ材料を形成し、平坦化するようにしているため、高精度に位置決めされたカラーフィルタを形成することが可能となる。また、透光性領域によって隣接する色のカラーフィルタが分離されているため、膜中の染料含有率を高めた薄型化に際しても混色のおそれもなく高精度のパターン形成が可能となる。さらにまた、ドライエッチングにより第1の色のカラーフィルタ材料をパターニングすれば、基体表面に残留部が形成されたり、残渣が付着したりすることもなく、急峻なパターンエッジを持つ高精度のパターンを形成することが可能となる。また、平坦化工程により、上層に第1の色のカラーフィルタ材料が付着している場合にも確実に除去され、残留を防止することができる。隣接する色のカラーフィルタ同士の段差をより低減することができ、さらなる混色の防止や薄型化が可能となる。
【0030】
本発明は、上記固体撮像素子の製造方法において、前記カラーフィルタ材料を充填する工程に先立ち、前記開口の側壁を覆うように反射性膜を形成する工程と、前記開口に反射性膜の形成された基体表面にカラーフィルタ材料を充填する工程とを含む。
【0031】
本発明は、上記カラーフィルタの製造方法において、前記透光性膜の一部を残すように開口を形成する工程を含む。
この構成によれば、すべてのカラーフィルタの位置を1つの工程で決定できるので精度の向上をはかることができるという効果がある。
【0032】
本発明は、上記カラーフィルタの製造方法において、前記反射性膜を形成する工程は、前記開口の形成された前記基体表面に反射性膜を形成する工程と、異方性エッチングにより、前記側壁にのみ前記反射性膜を残留させる工程とを含む。
【0033】
本発明は、上記カラーフィルタの製造方法において、前記反射性膜を形成する工程に先立ち、前記開口の形成された前記基体表面に密着性膜を形成する工程を含む。
【0034】
本発明は、基体表面に、第1の色のカラーフィルタを構成する第1のカラーフィルタと、前記第1の色とは異なる第2の色のカラーフィルタを構成する第2のカラーフィルタとを配列してなるカラーフィルタを製造する方法であって、前記基体表面に、第1のカラーフィルタおよび第2のカラーフィルタが離間するように配列されたカラーフィルタのパターンを形成する工程と、各色のカラーフィルタのパターンを覆うようにホワイト画素を構成する透光性領域を形成する透光性材料を形成する工程とを含む。
この構成によれば、容易にカラーフィルタの上層を透光性領域が覆う構造のカラーフィルタを容易に形成することができる
【0035】
本発明は、上記カラーフィルタの製造方法において、前記カラーフィルタの側壁に反射性膜を形成する工程を含む。
【0036】
本発明は、上記固体撮像素子の製造方法において、前記カラーフィルタの側壁に反射性膜を形成する工程を含む。
【0037】
本発明は、上記固体撮像素子の製造方法であって、前記透光性材料の一部がレンズ面を構成するように、レンズ加工を行う工程とを含む。その際、透光性材料としてレンズを構成するレンズ材を使用しても良い。
この構成によれば、レンズと透光性材料とが一体化されるため、より薄型化をはかることができる。
【0038】
また本発明の固体撮像素子の製造方法は、前記第1の色が、例えば青色であり、前記第2の色が、例えば赤色であり、前記第3の色が、緑色であるものを含む。
【0039】
この方法により、フルカラーの固体撮像素子を効率よく形成することができる。
【0040】
また本発明の固体撮像素子の製造方法は、画素を構成する複数の光電変換領域を備えた光電変換部と、前記光電変換部で生起せしめられた電荷を転送する電荷転送電極を備えた電荷転送部と、前記電荷転送部に接続される配線層を含む周辺回路部とを形成した基体表面に、前記基体表面に、第1のカラーフィルタを形成する工程と、この上層に透光性材料を形成し、この透光性材料に第2のカラーフィルタを形成するための開口を形成する開口形成工程と、開口に第2のカラーフィルタを形成する工程とを含む。
【発明の効果】
【0041】
本発明のカラーフィルタによれば、混色を防止しつつ透過率の向上をはかることができる。
すなわち、製造が容易で、薄く、透過損失の少ないカラーフィルタを得ることができる、また、反射性膜で覆われたホワイト画素としての透光性領域を備えているため、より混色のないカラーフィルタを形成することができる。
また各色のカラーフィルタの領域は透光性領域に形成する開口のパターンで規定されるため、パターンエッジを垂直(急峻)にすることができ、パターン精度の向上をはかることができ、混色の抑制をはかることができる。
加えてカラーフィルタの顔料や染料の付着(残渣)に伴う、しみ、むらの改善をはかることができる。
このカラーフィルタの製造方法を用いた固体撮像素子の製造方法によれば、カラーフィルタの混色を防ぐとともに薄型化を実現することができ、薄型で微細な高感度の固体撮像素子を提供することができる。
さらにまた色シェーディングの補正が容易である。
さらにまたカラーフィルタの位置ずれに対する許容度も大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施の形態で説明するカラーフィルタは、例えば固体撮像素子に用いられるものである。
【0043】
(実施の形態1)
図1乃至4は、本発明の実施の形態1のカラーフィルタの製造方法を説明するための概略説明図であり、各図において、(a)は断面図、(b)は平面模式図である。
このカラーフィルタの製造方法は、基体表面に、ホワイト画素としての透光性領域となる透光性膜を形成する工程と、この透光性膜にドライエッチングによりカラーフィルタを形成するための開口を形成する工程と、この開口にカラーフィルタ材料を充填する工程とを含むことを特徴とするものである。
【0044】
まず、図1に示すように、シリコン基板1上に光電変換部(図示せず)と電荷転送部(図示せず)とを形成し、表面にアクリル樹脂などからなる透光性材料で構成された平坦化膜(透光性領域)70を形成する。
【0045】
ついで、図2(a)および(b)に示すように、フォトリソグラフィによって形成されたレジストパターン(図示せず)をマスクとして反応性イオンエッチング(異方性エッチング)により、開口Tを形成する。
この後、図3(a)および(b)に示すように、この開口Tのうち、グリーンカラーフィルタ50Gを形成する領域以外にレジストマスク(図示せず)を形成し、グリーンカラーフィルタを充填する。
さらに、図4(a)および(b)に示すように、この開口Tのうち、赤色カラーフィルタ50Rを形成する領域以外にレジストマスク(図示せず)を形成し、赤色カラーフィルタを充填し、ついで、この開口Tのうち、ブルーカラーフィルタ50Bを形成する領域以外にレジストマスク(図示せず)を形成し、ブルーカラーフィルタを充填する。
【0046】
このようにして、容易に、透光性領域をホワイト画素50Wとし、ホワイト画素で各色のカラーフィルタが囲まれたカラーフィルタが精度よく形成される。
【0047】
(実施の形態2)
図5乃至8は、本発明の実施の形態2のカラーフィルタの製造方法を説明するための概略説明図であり、各図において、(a)は断面図、(b)は平面模式図である。
このカラーフィルタの製造方法は、前記実施の形態1に加え、ホワイト画素とカラーフィルタ材料との間に反射性膜50Sを形成したもので、他の構成は前記実施の形態と同様である。
開口Tを形成する工程までは前記実施の形態1で示した図1および図2の工程と同様であり、図2に示したように平坦化膜70で構成され、開口Tの形成された透光性領域に反射性膜50Sとしての窒化シリコン膜をCVD法により形成する(図5(a)および(b))。
この後反応性イオンエッチングにより、全面エッチングを行い開口Tの側壁にのみ窒化シリコン膜を残留させ、反射性膜50Sを形成する(図6(a)および(b))。ここでアクリル樹脂と窒化シリコンとの間の屈折率差により、窒化シリコン膜は反射性膜として作用する。
この後、図7(a)および(b)に示すように、この反射性膜50Sで側壁が覆われた開口Tのうち、グリーンカラーフィルタ50Gを形成する領域以外にレジストマスク(図示せず)を形成し、グリーンカラーフィルタを充填する。
さらに、図8(a)および(b)に示すように、この反射性膜50Sで側壁が覆われた開口Tのうち、赤色カラーフィルタ50Rを形成する領域以外にレジストマスク(図示せず)を形成し、赤色カラーフィルタを充填し、ついで、この反射性膜50Sで側壁が覆われた開口Tのうち、ブルーカラーフィルタ50Bを形成する領域以外にレジストマスク(図示せず)を形成し、ブルーカラーフィルタを充填する。
【0048】
このようにして、容易に、透光性領域をホワイト画素50Wとし、反射性膜50Sで囲まれたホワイト画素で各色のカラーフィルタを囲むカラーフィルタが精度よく形成される。
【0049】
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3のカラーフィルタを用いた固体撮像素子の断面概略説明図、図10は断面図、図11は平面模式図である(図10は、図11のA−A線断面模式図)。図12(a)および(b)はこのカラーフィルタを説明する模式図(図12(a)は図12(b)のB−B線断面図)、図13乃至図17はこの固体撮像素子におけるカラーフィルタの製造工程を示す工程断面図である。
この固体撮像素子は、図9に示すように、フォトダイオード30の上方には、カラーフィルタ50が側壁を反射性膜50Sで被覆されたフレーム状の透光性領域50Tを介して各色のカラーフィルタ50R,50G,50Bが離間するように分離形成されてなることを特徴とする。なお、ここで透光性領域50Tはホワイト画素を構成し、このホワイト画素に形成された凹部の側壁に反射性膜50Sが形成される。各色のカラーフィルタ材料は、各フォトダイオード30に対向するように、透光性領域50Tを構成する樹脂膜に形成された凹部の側壁に反射性膜を形成し、この開口にそれぞれ各色のカラーフィルタ材料が充填され、第1乃至第3のカラーフィルタとしての赤色のカラーフィルタ50Rと、緑色のカラーフィルタ50Gと、青色のカラーフィルタ50Bとを構成している。ここでは透光性領域50Tを構成する樹脂膜としては、可視光に対して透光性を有するレジスト材料(例えば、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社製Cシリーズ)や熱硬化性(非感光性)材料などを用いる。また、反射性膜50Sとしてはタングステン膜が用いられるが、アルミニウムなど他の金属膜であってもよい。そしてこの透光性領域50Tに対しフォトリソグラフィまたはドライエッチングでパターニングされた高精度の第1乃至第3の開口パターンが配列されている。このカラーフィルタは、図10および図11に示すように、各フォトダイオード30それぞれに対応するように赤色のカラーフィルタ50Rと、緑色のカラーフィルタ50Gと、青色のカラーフィルタ50Bとが、フィルタ下平坦化膜74上で各パターンエッジが垂直となるように形成され、かつ表面が平坦面を構成したことを特徴とするものである。図11では、各フォトダイオード30に対し、その上方に形成される各色カラーフィルタを示す符号(R,G,B)を付した。
【0050】
図12(a)および(b)にカラーフィルタを模式的に示す。図12(a)は図12(b)のB−B断面図である。ホワイト画素を構成する透光性領域50Tはドライエッチングにより高精度にパターニングされており、この開口にタングステン膜が形成され、異方性エッチングにより平坦部は除去され開口の側壁にのみ残留せしめられる。そして、側壁が反射性膜50Sで被覆された開口に形成されるカラーフィルタ材料は、感光性を有していなくてもよい。その場合、色材が高密度に充填されており、パターンエッジが垂直となるように形成することができる。
【0051】
他は通例の構造をなすものであるが、n型のシリコン基板1表面部に光電変換部であるフォトダイオード30が配列形成され、各フォトダイオード30で発生した信号電荷を列方向(図11中のY方向)に転送するための電荷転送部40が、列方向に配設された複数のフォトダイオード30からなる複数のフォトダイオード列の間を蛇行して形成される。そして、奇数列のフォトダイオード列が、偶数列のフォトダイオード列に対して、列方向に配列されるフォトダイオード30の配列ピッチの略1/2列方向にずれるように形成されている。
【0052】
電荷転送部40は、複数のフォトダイオード列の各々に対応してシリコン基板1表面部の列方向に形成された複数本の電荷転送チャネル33と、電荷転送チャネル33の上層に形成された電荷転送電極3(第1層電極3a、第2層電極3b)と、フォトダイオード30で発生した電荷を電荷転送チャネル33に読み出すための電荷読み出し領域34とを含む。電荷転送電極3は、行方向に配設された複数のフォトダイオード30からなる複数のフォトダイオード行の間を全体として行方向(図11中のX方向)に延在する蛇行形状となっている。ここで電荷転送電極3は第1層電極上に電極間絶縁膜を介して第2層電極を形成しCMPにより平坦化して単層電極構造としたものであるが、単層電極構造に限らず、第1層電極の一部を第2層電極が覆うように形成した二層電極構造であっても良い。
【0053】
図10に示すように、シリコン基板1の表面にはpウェル層1Pが形成され、pウェル層1P内に、pn接合を形成するn領域30bが形成されると共に表面にp領域30aが形成され、フォトダイオード30を構成しており、このフォトダイオード30で発生した信号電荷は、n領域30bに蓄積される。
【0054】
そしてこのフォトダイオード30の右方には、少し離間してn領域からなる電荷転送チャネル33が形成される。n領域30bと電荷転送チャネル33の間のpウェル層1Pに電荷読み出し領域34が形成される。
【0055】
シリコン基板1表面にはゲート酸化膜2が形成され、電荷読み出し領域34と電荷転送チャネル33の上には、ゲート酸化膜2を介して、第1の電極3aと第2の電極3bが形成される。第1の電極3aと第2の電極3bの間は電極間絶縁膜5が形成されている。垂直転送チャネル33の右側にはp領域からなるチャネルストップ32が設けられ、隣接するフォトダイオード30との分離がなされている。
【0056】
電荷転送電極3の上層には酸化シリコン膜などの絶縁膜6、反射防止層7が形成され、更にその上に中間層70が形成される。中間層70のうち、71は遮光膜、72はBPSG(borophospho silicate glass)からなる絶縁膜、73はP−SiNからなる絶縁膜(パッシベーション膜)、74は透光性樹脂等からなるフィルタ下平坦化膜である。遮光膜71は、フォトダイオード30の開口部分を除いて設けられる。中間層70上方には、カラーフィルタとマイクロレンズ60が設けられる。カラーフィルタとマイクロレンズ60との間には、絶縁性の透光性樹脂等からなるフィルタ上平坦化膜61が形成される。
【0057】
本実施の形態の固体撮像素子は、フォトダイオード30で発生した信号電荷がn領域30bに蓄積され、ここに蓄積された信号電荷が、電荷転送チャネル33によって列方向に転送され、転送された信号電荷が図示しない水平電荷転送路(HCCD)によって行方向に転送され、転送された信号電荷に応じた色信号が図示しないアンプから出力されるように構成されている。すなわちシリコン基板1上に、光電変換部、電荷転送部、HCCD、及びアンプを含む領域である固体撮像素子部と、固体撮像素子の周辺回路(PAD部等)が形成される領域である周辺回路部とが形成されて固体撮像素子を構成している。
【0058】
次に上述した固体撮像素子の製造工程を説明する。
まず、カラーフィルタ形成前までの製造工程について説明する。
n型のシリコン基板1表面に、不純物を導入し、pウェル層1P、電荷転送チャネル33、電荷読み出し領域34、チャネルストップ層32などを形成した後、ゲート酸化膜2を成膜する。続いて、このゲート酸化膜2上に、第1層電極3aを構成する第1導電性膜を成膜し、パターニングを行って第1層電極3a及び周辺回路の配線を形成する。次に、第1層電極3aの周囲に酸化シリコン膜からなる絶縁膜5を成膜し、その上に第2層電極3bを構成する第2導電性膜を成膜する。次に、CMPにより第2導電性膜3bの平坦化を行い、パターニングし、第2層電極3bを形成する。次に、これら電荷転送電極3を覆うように絶縁膜6を成膜した後、フォトダイオード領域のn領域30bおよびp領域30aを形成した後、フォトダイオード領域の受光領域に開口するように遮光膜71を形成する。次に、絶縁膜72を成膜し、これを高温リフローにより平坦化を行う。
【0059】
次に、この絶縁膜72の周辺回路上部にコンタクトホールを形成した後、金属材料を成膜し、パターニングしてボンディングパッド(図示せず)を形成する。そして、CVD法により窒化シリコン膜からなるパッシベーション膜73を成膜し、ボンディングパッド上のパッシベーション膜を選択的にエッチング除去して開口を形成し、ボンディングパッドを露出させる。この後、Hを含む不活性ガス雰囲気内でシンタリングを行った後、スピンコート法により、平坦化膜を成膜する。ここでは他の平坦化膜との混同を避けるために、この平坦化膜をフィルタ下平坦化膜74と指称する。ここまでの製造工程は、通例の方法である。このフィルタ下平坦化膜74としては、前記透光性領域と同様、可視光に対して透光性のレジスト材料(例えば、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社製Cシリーズ)などを用いる。
【0060】
なお、フィルタ下平坦化膜74は下層が平坦である場合には必須ではなく、以下の工程ではフィルタ下平坦化膜74を用いない例について説明する。
【0061】
次に、カラーフィルタの製造工程について図13乃至図17を参照して詳細に説明する。
これらは、本実施の形態のカラーフィルタの各製造工程を示す図であり、各図において赤色のカラーフィルタ50Rには“R”、緑色のカラーフィルタ50Gには“G”、青色のカラーフィルタ50Bには“B”の文字を付した。本実施の形態では、平坦化のためのCMP処理を行うが、RGBの各カラーフィルタ材料として、CMP処理において研磨レートがレジストと1:1程度となるような材料を用いる。尚、本実施の形態における“B”は、第1の色に該当し、“R”と“G”は、第2の色および第3の色に該当するものとする。各平面図において絶縁膜72よりも下層は省略するものとする。
【0062】
まず、図13(a)に示すように、絶縁膜(BPSG)72上に、プラズマCVD法により窒化シリコン膜からなるパッシベーション膜73を形成し、このパッシベーション膜73上に、図13(b)に示すように、塗布法により透光性領域50Tを形成するための樹脂膜を形成する。
【0063】
そして図13(c)に示すように、フォトリソグラフィにより、レジストパターンR1を形成する。この後図13(d)に示すように、レジストパターンR1をマスクとして反応性イオンエッチング(RIE)により、第1の開口O1を形成する。
【0064】
次いで、図14(a)に示すように、PVD法によりタングステン膜50Sを形成し、異方性エッチングにより、図14(b)に示すように、第1の開口O1の側壁にのみタングステン膜を残留させ、反射性膜とする。
【0065】
そして、第1の色のカラーフィルタ材料として青色カラーフィルタ材料を膜厚0.5〜2.0μmとなるように塗布する。このカラーフィルタ材料は感光性を有しないものとする。この工程により、青色カラーフィルタ材料が反射性膜としてのタングステン膜50Sで被覆された第1の開口O1に充填される。そしてこの状態で、青色のカラーフィルタ材料のパターンに熱処理及び紫外線照射を行うことによって硬化し(図14(c))、CMPにより平坦化を行い、青色カラーフィルタ50Bが形成される(図14(d))。
【0066】
この後、図15(a)に示すように、赤色のカラーフィルタパターンを形成するためのレジストパターンR2をフォトリソグラフィにより形成する。ここでは、赤色のカラーフィルタとなる領域に開口を有する形状となっている。
【0067】
この後、図15(b)に示すように、このレジストパターンR2をマスクとして異方性ドライエッチングである反応性イオンエッチング(RIE)を行い、赤色のカラーフィルタ材料のパターンを形成するための第2の開口O2を形成する。ここでも下層の窒化シリコン膜73がエッチングストッパとして作用する。
【0068】
この後、図15(c)に示すように、PVD法によりタングステン膜50Sを形成し、異方性エッチングにより、第2の開口O2の側壁にのみタングステン膜を残留させ、反射性膜とする。
【0069】
そして、赤色のカラーフィルタ材料Rを膜厚0.5〜2.0μmとなるように塗布し、赤色のカラーフィルタ材料のパターンに熱処理及び紫外線照射を行うことによって硬化する。
この後CMPを行い表面を平坦化して、赤色のカラーフィルタ50Rを形成する(図16(a))。
【0070】
この後、図16(b)に示すように、緑色のカラーフィルタパターンを形成するためのレジストパターンR3をフォトリソグラフィにより形成する。ここでは、緑色のカラーフィルタとなる領域に開口を有する形状となっている。ここで図16(b)以降は、図16(a)に対して紙面の左にずらした面をみているものとする。
【0071】
この後、図16(c)に示すように、このレジストパターンR3をマスクとして異方性ドライエッチングである反応性イオンエッチング(RIE)を行い、緑色のカラーフィルタ材料のパターンを形成するための第3の開口O3を形成する。ここでも下層の窒化シリコン膜73がエッチングストッパとして作用する。
【0072】
次いで、図16(d)に示すように、PVD法によりタングステン膜50Sを形成し、異方性エッチングにより、第3の開口O3の側壁にのみタングステン膜を残留させ、反射性膜とする。
【0073】
そして、緑色のカラーフィルタ材料50G(G)を塗布し、緑色のカラーフィルタ材料のパターンに熱処理及び紫外線照射を行うことによって硬化する(図17(a))。
この後CMPを行い表面を平坦化して、緑色のカラーフィルタ50Gを形成する(図17(b))。
【0074】
このCMP処理により、各色のカラーフィルタの表面が平坦であり、残渣もなく高精度のカラーフィルタパターンの形成が可能となる。
【0075】
そして、このカラーフィルタの上に、可視光に対して透光性のレジスト材料(例えば富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社製Cシリーズ)を塗布し、平坦化膜61を形成する。その後、この平坦化膜61の上に、マイクロレンズ60をエッチング法又はメルト法等によって形成する(図17(c))ことで、図10に示すような固体撮像素子が形成される。
【0076】
このように、隣接するカラーフィルタの間には反射性膜50Sで側壁を被覆された透光性領域50Tが存在しているため、感度の向上をはかることができるとともに、混色の発生を確実に防ぐことができる。また、本実施の形態の製造方法によれば、透光性領域50Tとなる樹脂膜に対してフォトリソグラフィにより形成したレジストパターンをマスクとしてドライエッチングして開口を形成し、順次カラーフィルタ材料を充填していくため、カラーフィルタ材料としては感光性が不要なので、より薄型のカラーフィルタの形成が可能である。また、カラーフィルタのパッシベーション膜73(平坦化膜74)表面からの高さを従来よりも低くすることができるため、固体撮像素子の薄型化が可能となる。この結果、斜め入射光に対するマージンが広がり、かつ反射性膜により、隣接する色のカラーフィルタからの透過光が入射するのは防止されるため、シェーディングの少ない固体撮像素子を製造することが可能となる。
なおこの開口なおこの開口については、色毎ではなく、3色分一括形成し、反射性膜も一括形成して、順次各色のカラーフィルタを充填していくようにしてもよい。
【0077】
又、カラーフィルタ材料として、染料系あるいは顔料分散型のカラーフィルタ材料を用いた場合には、カラーフィルタ材料のパターンを形成後、水洗時に残渣が発生し、これが他の色のカラーフィルタ上に付着して、光学特性、特に画質を劣化させる要因となってしまうが、本実施の形態によれば、CMP処理によって上記残渣も除去することができるため、画質劣化を防ぐことができる。特に染料系のカラーフィルタ材料の場合には染料の染み出しなどが問題になるが本発明によれば透光性領域により各色のカラーフィルタが分離されているため、確実に染み出しを防ぐことができる。
【0078】
又、本実施の形態の方法で得られたカラーフィルタは、隣接するカラーフィルタ同士の境界が急峻な垂直断面を持ち、かつその表面はほぼ平坦化されているため、上述した平坦化膜61を形成せずに、カラーフィルタ表面にマイクロレンズ60を直接形成することも可能である。この構成によれば、固体撮像素子を更に薄くすることができると共に、製造工程を1工程減らすことができ、高感度の固体撮像素子を低コストで製造することが可能となる。
【0079】
又、本実施の形態では、フォトダイオードがハニカム状に配設された構成の固体撮像素子について説明したが、これに限定されることなく、複数のフォトダイオードが正方格子状に配設された構成の固体撮像素子にも本発明を適用可能である。
【0080】
又、本実施の形態では、RGBの原色系のカラーフィルタを例にしたが、シアン、マゼンタ、イエローの補色系のカラーフィルタであっても本発明を適用可能である。
【0081】
なお前記実施の形態では、ホワイト画素を構成する透光性領域50Tに形成された凹部に反射性膜50Sを形成したが、タングステンなどの金属製の反射性膜50Sに代えて、隣接フィルタからの光が透過しないように閉じ込めるように、低屈折率膜、あるいは多層膜で構成してもよい。
【0082】
(実施の形態4)
次に本発明の実施の形態4の固体撮像素子について説明する。
実施の形態4では、図18に示すように、ホワイト画素を構成する透光性領域50Tに形成された凹部の側壁の上縁部のみ、反射性膜50Sを充填した構造に特徴を有する。他は前記実施の形態3と同様であるため、説明を省略する。
この構成により、より多くの光を取り込みかつ混色を防止することができる。
【0083】
(実施の形態5)
次に本発明の実施の形態5の固体撮像素子について説明する。
実施の形態5では、図19に示すように、ホワイト画素を構成する透光性領域50Tに形成された凹部の側壁の下部にのみ、反射性膜50Sを充填した構造に特徴を有する。他は前記実施の形態3と同様であるため、説明を省略する。
この構成により、より多くの光を取り込みかつ混色を防止することができる。
【0084】
(実施の形態6)
次に本発明の実施の形態6の固体撮像素子について説明する。
実施の形態6では、図20に示すように、カラーフィルタ層(50G,50B,)50Rを、ホワイト画素を構成する透光性領域50Tに形成された凹部に前記実施の形態3と同様反射性膜50Sを介して充填した構造に特徴を有する。他は前記実施の形態3と同様であり、説明を省略する。
【0085】
製造に際しては、透光性領域50Tを形成し、フォトリソグラフィにより、カラーフィルタ形成用の凹部を形成する際、下層を一部残すようにエッチングすることによって形成する。他は前記実施の形態3と同様である。
【0086】
(実施の形態7)
次に本発明の実施の形態7の固体撮像素子について説明する。
実施の形態7では、図21に示すように、カラーフィルタ層(50G,50B,)50Rの上層をも、透光性領域50Tで被覆した構造に特徴を有する。他は前記実施の形態3と同様であるため、説明を省略する。
【0087】
この方法により、1つの色のカラーフィルタを形成した後に側壁を反射性膜で被覆し、透光性材料で構成された透光性膜で覆って、次に形成するカラーフィルタの部分の透光性膜に開口を形成するというプロセスの繰り返しで形成できるため、これにより各色のフィルタが形成工程中に接触することがないため、染料などの溶出・混入による混色を防止することができる。
【0088】
なお、上記方法に限定されることなく、以下のような工程を用いてもよい。
まず、透光性膜を形成し、ドライエッチングもしくはフォトリソグラフィによって第1乃至第3のカラーフィルタ用の開口をすべて形成する。
【0089】
次いで、PVD法によりタングステン膜50Sを形成し、異方性エッチングにより、開口の側壁にのみタングステン膜を残留させ、反射性膜とする。このようにして開口の側壁を反射性膜で被覆した後、第1のカラーフィルタ膜を形成してフォトリソグラフィによってパターニングし、第1のカラーフィルタ用の開口部のみに第1のカラーフィルタを残し、さらにその上から透光性膜を薄く形成してフォトリソグラフィによってパターニングし少なくとも第1のカラーフィルタ上に透光性膜を残す。以下同様に第2のカラーフィルタとその上に透光性膜を形成する。次に同様にして第3のカラーフィルタを形成し、最後に上平坦化膜(透光性膜)を形成する。
【0090】
この方法によっても、1つの色のカラーフィルタを形成した後に反射性膜50Sで被覆した後透光性材料で構成された透光性膜で覆って、次に形成するカラーフィルタの部分の透光性膜に開口を形成するというプロセスの繰り返しで形成できるため、これにより各色のフィルタが形成工程中に接触することがないため、染料などの溶出・混入による混色を防止することができる。
【0091】
(実施の形態8)
本実施の形態では、図22に示すように、カラーフィルタのエッジを垂直ではなくテーパ面としたことを特徴とするもので、他は実施の形態6のカラーフィルタと同様である。
ここで、上記固体撮像素子において、前記第1および第2のカラーフィルタは、前記光電変換部に近づくにつれて幅または径が小さくなるようなテーパ面を構成する。
この構成により、集光性も向上し信頼性の高い、固体撮像素子を提供することができる。
【0092】
(実施の形態9)
本実施の形態では、図23に示すように、図21に示した実施の形態7のカラーフィルタにおける前記透光性材料で構成される透光性領域50Tの一部がレンズ面を構成するようにしたことを特徴とするもので、他は実施の形態5と同様に形成される。
製造に際しては、透光性材料でカラーフィルタ上を被覆した後、透光性材料の上面部にのみトレンチを形成し、リフローにより溝のエッジを丸くし、エッチバックを行うことによりレンズ面を形成するようにすれば、容易にレンズを形成することができる。この構成によれば、レンズと透光性材料とが一体化されるため、より薄型化をはかることができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
この構成によれば、高感度でかつ混色を防止し薄型のカラーフィルタ層を形成することができることから、より薄型化が可能であり、携帯端末などの電子機器における固体撮像素子として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施の形態1のカラーフィルタの構造を示す模式図
【図2】本発明の実施の形態1のカラーフィルタの製造工程を示す図
【図3】本発明の実施の形態1のカラーフィルタの製造工程を示す図
【図4】本発明の実施の形態1のカラーフィルタの製造工程を示す図
【図5】本発明の実施の形態2のカラーフィルタの製造工程を示す図
【図6】本発明の実施の形態3のカラーフィルタの製造工程を示す図
【図7】本発明の実施の形態3のカラーフィルタの製造工程を示す図
【図8】本発明の実施の形態3のカラーフィルタの製造工程を示す図
【図9】本発明の実施の形態3のカラーフィルタの断面概略図
【図10】本発明の実施の形態3の固体撮像素子の断面概要図
【図11】図10の平面模式図
【図12】本実施の形態3のカラーフィルタの構造を示す模式図
【図13】本実施の形態3のカラーフィルタの製造工程を示す図
【図14】本実施の形態3のカラーフィルタの製造工程を示す図
【図15】本実施の形態3のカラーフィルタの製造工程を示す図
【図16】本実施の形態3のカラーフィルタの製造工程を示す図
【図17】本実施の形態3のカラーフィルタの製造工程を示す図
【図18】本発明の実施の形態4のカラーフィルタの断面概略図
【図19】本発明の実施の形態5のカラーフィルタの断面概略図
【図20】本発明の実施の形態6のカラーフィルタの断面概略図
【図21】本発明の実施の形態7のカラーフィルタの断面概略図
【図22】本発明の実施の形態8のカラーフィルタの断面概略図
【図23】本発明の実施の形態9のカラーフィルタの断面概略図
【符号の説明】
【0095】
1 n型シリコン基板
2 ゲート酸化膜
3a 第1層電極
3b 第2層電極
5 電極間絶縁膜
6 絶縁膜
7 反射防止層
60 マイクロレンズ
61 平坦化膜
71 遮光膜
72 絶縁(BPSG)膜
73 パッシベーション膜
74 平坦化膜
50S 反射性膜
50B,50R,50G カラーフィルタ
50T 透光性領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素を構成する複数の光電変換領域のそれぞれに対向するように配置され、前記光電変換領域に入射する光を画素毎に色分離するためのカラーフィルタであって、
前記カラーフィルタは、
ホワイト画素を構成する透光性領域と、前記透光性領域に形成された凹部に充填され、第1の色を選択的に透過する第1のカラーフィルタと、前記第1の色とは異なる第2の色を選択的に透過する第2のカラーフィルタとを具備したカラーフィルタ。
【請求項2】
請求項1に記載のカラーフィルタであって、
前記透光性領域の前記凹部の内壁のうち、側壁は反射性層で被覆されたカラーフィルタ。
【請求項3】
請求項2に記載のカラーフィルタであって、
前記反射性層は、反射性の金属層であるカラーフィルタ。
【請求項4】
請求項2に記載のカラーフィルタであって、
前記反射性層は、前記透光性領域に対して所定の屈折率差を有し、前記反射性層と前記透光性領域との界面で、入射光が反射し得るように形成されたカラーフィルタ。
【請求項5】
請求項2に記載のカラーフィルタであって、
前記反射性層は、多層膜であり、前記反射性層と前記透光性領域との界面で、入射光が反射し得るように形成されたカラーフィルタ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のカラーフィルタであって、
前記反射性層は、前記凹部の内壁を構成する前記透光性領域を覆う密着性膜を介して形成されたカラーフィルタ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のカラーフィルタであって、
前記反射性層を覆うように、前記凹部の内壁を被覆するように一体的に形成された保護層を有するカラーフィルタ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載のカラーフィルタであって、
前記透光性領域が、前記光電変換領域上に形成された透光性樹脂層で構成されたカラーフィルタ。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載のカラーフィルタであって、
前記カラーフィルタは、光電変換部の上層に平坦化膜を介して形成されたカラーフィルタ。
【請求項10】
請求項1乃至7のいずれかに記載のカラーフィルタであって、
前記透光性領域が前記光電変換部の上層に形成された平坦化膜であり、
前記平坦化膜に前記凹部が形成されたカラーフィルタ。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載のカラーフィルタであって、
前記反射性層は、前記側壁全体を被覆するように形成されたカラーフィルタ。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれかに記載のカラーフィルタであって、
前記反射性層は、前記側壁の上縁部を被覆するように形成されたカラーフィルタ。
【請求項13】
請求項11または12に記載のカラーフィルタであって、
前記第1および第2のカラーフィルタは、前記光電変換部に近づくにつれて幅または径が小さくなるようなテーパ面を構成するものであるカラーフィルタ。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれかに記載のカラーフィルタであって、
前記カラーフィルタは、さらに第3の色を選択的に透過する第3のカラーフィルタを含むものであるカラーフィルタ。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれかに記載のカラーフィルタであって、
前記カラーフィルタは、前記透光性領域で構成されるホワイト画素および第1乃至第3のカラーフィルタが、色毎に異なる面積を持つように構成されたカラーフィルタ。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれかに記載のカラーフィルタであって、
前記カラーフィルタは、周縁部と中心部とで、前記透光性領域と前記カラーフィルタとの面積比が異なるカラーフィルタ。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれかに記載のカラーフィルタを備え、
画素を構成する複数の光電変換領域を備えた光電変換部と、前記光電変換部で生起せしめられた電荷を転送する電荷転送部と、前記電荷転送部に接続される配線層を含む周辺回路部とを具備し、少なくとも光電変換部の上層に前記カラーフィルタを形成してなる固体撮像素子。
【請求項18】
基体表面に、第1の色のカラーフィルタを構成する第1のカラーフィルタと、前記第1の色とは異なる第2の色のカラーフィルタを構成する第2のカラーフィルタとを配列してなるカラーフィルタの製造方法であって、
前記基体表面に、各色のカラーフィルタを囲むホワイト画素としての透光性領域となる透光性膜を形成する工程と、
前記透光性膜にカラーフィルタを形成するための開口を形成する工程と、
前記開口にカラーフィルタ材料を充填する工程とを含むカラーフィルタの製造方法。
【請求項19】
請求項18に記載のカラーフィルタの製造方法であって、
前記カラーフィルタ材料を充填する工程に先立ち、
前記開口の側壁を覆うように反射性膜を形成する工程を含むカラーフィルタの製造方法。
【請求項20】
請求項18または19に記載のカラーフィルタの製造方法であって、
前記開口を形成する工程は、
前記開口の底部に前記透光性膜の一部を残すように開口を形成する工程であるカラーフィルタの製造方法。
【請求項21】
請求項20に記載のカラーフィルタの製造方法であって、
前記反射性膜を形成する工程は、
前記開口の形成された前記基体表面に反射性膜を形成する工程と、
異方性エッチングにより、前記側壁にのみ前記反射性膜を残留させる工程とを含むカラーフィルタの製造方法。
【請求項22】
請求項21に記載のカラーフィルタの製造方法であって、
前記反射性膜を形成する工程に先立ち、
前記開口の形成された前記基体表面に密着性膜を形成する工程を含むカラーフィルタの製造方法。
【請求項23】
基体表面に、透光性領域からなるホワイト画素と、第1の色のカラーフィルタを構成する第1のカラーフィルタと、前記第1の色とは異なる第2の色のカラーフィルタを構成する第2のカラーフィルタとを配列してなるカラーフィルタを製造する方法であって、
前記基体表面に、第1のカラーフィルタおよび第2のカラーフィルタが離間するように配列されたカラーフィルタのパターンを形成する工程と、
ホワイト画素としての透光性領域を介して第1のカラーフィルタおよび第2のカラーフィルタが離間するように、各色のカラーフィルタのパターンを覆うように透光性領域を形成する透光性材料を形成する工程とを含むカラーフィルタの製造方法。
【請求項24】
請求項23に記載のカラーフィルタの製造方法であって、
前記カラーフィルタのパターンを形成する工程後、前記カラーフィルタの側壁に反射性膜を形成する工程を含み、
前記透光性材料を形成する工程は、側壁に反射性膜の形成された前記カラーフィルタのパターンを覆うように透光性領域を形成する透光性材料を形成する工程であるカラーフィルタの製造方法。
【請求項25】
画素を構成する複数の光電変換領域を備えた光電変換部と、前記光電変換部で生起せしめられた電荷を転送する電荷転送部と、前記電荷転送部に接続される配線層を含む周辺回路部とを形成した基体表面に、
前記基体表面に、第1のカラーフィルタおよび第2のカラーフィルタがホワイト画素としての透光性領域を介して離間するように配列されたカラーフィルタのパターンを形成する工程と、
前記パターンを覆うように透光性領域を形成する透光性材料を形成する工程とを含む固体撮像素子の製造方法。
【請求項26】
請求項25に記載の固体撮像素子の製造方法であって、
前記カラーフィルタのパターンを形成する工程後、前記カラーフィルタの側壁に反射性膜を形成する工程を含み、
前記透光性材料を形成する工程は、側壁に反射性膜の形成された前記カラーフィルタのパターンを覆うように透光性領域を形成する透光性材料を形成する工程である固体撮像素子の製造方法。
【請求項27】
画素を構成する複数の光電変換領域を備えた光電変換部と、前記光電変換部で生起せしめられた電荷を転送する電荷転送部と、前記電荷転送部に接続される配線層を含む周辺回路部とを形成した基体表面に、カラーフィルタを形成する固体撮像素子の製造方法であって、
前記基体表面に、第1のカラーフィルタを形成する工程と、
この上層に透光性材料を形成し、この透光性材料にホワイト画素としての透光性領域を残すように第2のカラーフィルタを形成するための開口を形成する開口形成工程と、
この開口に、第2のカラーフィルタと第1のカラーフィルタとが離間するように配列された第2のカラーフィルタのパターンを形成する工程と、
各色のカラーフィルタのパターンを覆うように透光性領域を形成する透光性材料を形成する工程とを含む固体撮像素子の製造方法。
【請求項28】
請求項27に記載の固体撮像素子の製造方法であって、
前記開口形成後、前記カラーフィルタのパターンを形成する工程に先立ち、前記開口の側壁に反射性膜を形成する工程を含む固体撮像素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−80313(P2009−80313A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−249688(P2007−249688)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】