カラー電子写真画像形成装置
【課題】本発明の目的は、カートリッジのシール部材を容易に開封することを実現し、ユーザビリティ性を向上させること、及び、シール部材を開封する構成を簡略化し、安価で小型な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】複数のカートリッジPを支持して、カラー画像形成装置本体100の内側に位置する内側位置と、前記装置本体100の外側に位置する外側位置と、の間を移動するトレイ35と、前記カートリッジPに設けられ、現像剤tを供給する開口53を開封可能にシールするシール部材47を巻き取るための巻き取り軸48と、前記トレイ35に設けられ、前記トレイ35の移動に伴って回転する駆動入力ローラ40と、前記トレイ35に設けられ、前記巻き取り軸48に前記ローラ40の回転を伝達する回転伝達部材と、を有し、前記トレイ35の外側位置から内側位置への移動により、前記トレイ35に支持されたカートリッジPのシール部材47を開封する。
【解決手段】複数のカートリッジPを支持して、カラー画像形成装置本体100の内側に位置する内側位置と、前記装置本体100の外側に位置する外側位置と、の間を移動するトレイ35と、前記カートリッジPに設けられ、現像剤tを供給する開口53を開封可能にシールするシール部材47を巻き取るための巻き取り軸48と、前記トレイ35に設けられ、前記トレイ35の移動に伴って回転する駆動入力ローラ40と、前記トレイ35に設けられ、前記巻き取り軸48に前記ローラ40の回転を伝達する回転伝達部材と、を有し、前記トレイ35の外側位置から内側位置への移動により、前記トレイ35に支持されたカートリッジPのシール部材47を開封する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のカートリッジを装置本体に取り外し可能に装着して、記録媒体に画像を形成するカラー電子写真画像形成装置に関するものである。
【0002】
ここで、カラー電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成プロセスを用いて、記録媒体にカラー画像を形成するものである。そして、カラー電子写真画像形成装置の例としては、例えばカラー電子写真複写機、カラー電子写真プリンタ(例えばカラーレーザビームプリンタ、カラーLEDプリンタ等)、カラーファクシミリ装置及びカラーワードプロセッサ等が含まれる。
【0003】
また、記録媒体とは、電子写真画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、紙、OHPシート等が含まれる。
【0004】
また、カートリッジとは、例えば、プロセスカートリッジ或いは現像カートリッジであって、電子写真画像形成装置の本体に取り外し可能に装着されて、記録媒体に画像を形成する画像形成プロセスに寄与するものである。ここで、前記プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての、帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つと電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して、電子写真画像形成装置の本体に取り外し可能に装着するものである。従って、プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての現像手段と、前記電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して、電子写真画像形成装置の本体に取り外し可能に装着するものも含まれる。また、プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と、前記電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して、前記本体に取り外し可能に装着するものも含まれる。尚、電子写真感光体ドラムと現像手段とを一体的に有するプロセスカートリッジを所謂一体型と称する。また、電子写真感光体ドラムと現像手段以外のプロセス手段とを一体的に有するプロセスカートリッジを所謂分離型と称する。
【0005】
ここで前記プロセスカートリッジは、使用者自身によって画像形成装置本体に対する着脱を行うことができる。そのため、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができる。尚、前記プロセス手段は、前記電子写真感光体ドラムに作用するものである。
【0006】
また、現像カートリッジとは、現像ローラを有し、前記現像ローラによって、前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像するのに用いられる現像剤(トナー)を収納しており、前記本体に取り外し可能に装着されるものである。尚、前記現像カートリッジの場合には、前記電子写真感光体ドラムは前記装置本体或いは後述するカートリッジ支持部材に取り付けられている。或いは、前記電子写真感光体ドラムは、前記所謂分離型プロセスカートリッジに設けられている(この場合には、プロセスカートリッジは、現像手段を有してはいない)。尚、前記現像カートリッジも、使用者自身によって画像形成装置本体に対する着脱を行うことができる。そのため、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0007】
そこで、カートリッジとしては、前記所謂一体型又は所謂分離型のプロセスカートリッジが含まれる。また、カートリッジとしては、所謂分離型のプロセスカートリッジと前記現像カートリッジが対になって用いられる場合が含まれる。また、カートリッジとしては、前記電子写真感光体ドラムが前記装置本体或いは後述するカートリッジ支持部材に固定して取り付けられており、前記電子写真感光体ドラムに作用可能に前記現像カートリッジが着脱可能に用いられる場合が含まれる。
【背景技術】
【0008】
従来、電子写真形成プロセスを用いた電子写真画像形成装置においては、電子写真感光体ドラム(以下、感光体ドラムと称す)及び前記感光体ドラムに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化する。そして、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。
【0009】
このプロセスカートリッジ方式によれば、電子写真画像形成装置のメンテナンスをサービスマンによらずに使用者自身で行うことができるので、格段にメンテナンス性を向上させることができる。そのため、このプロセスカートリッジ方式は、電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置と称す)において広く用いられている。
【0010】
従来のプロセスカートリッジは、感光体ドラムを保持するクリーニング枠体を有する感光体ドラムユニットと、感光体ドラム上の潜像を現像する手段としての現像ローラ、現像ブレード、現像剤としてのトナーを有する現像ユニットから構成されている。
【0011】
画像形成装置には、複数のプロセスカートリッジを配列した、インライン方式と呼ばれるものが知られている。このインライン方式の画像形成装置では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色毎に、感光体ドラムと現像ユニットを有するプロセスカートリッジを備え、各色の画像を重ね合わせ、フルカラー画像を形成するものである。
【0012】
このような画像形成装置において、プロセスカートリッジの着脱構成に関しては、例えばプロセスカートリッジを支持するカートリッジ支持部材を用いた構成が知られている。カートリッジ支持部材は、装置本体の内側に位置する内側位置と、装置本体の外側に位置する外側位置との間をスライド移動する。そして、使用者がカートリッジ支持部材を内側位置から外側位置に引き出した状態で、カートリッジ支持部材に対してプロセスカートリッジを着脱する。そして、使用者がカートリッジ支持部材を内側位置に押し込むことによって、プロセスカートリッジを画像形成位置に装着する。
【0013】
また、プロセスカートリッジは使用者が使用するまでの間、現像剤を現像剤収容部に保持しておくためのシール部材が設けられているが、画像形成装置で使用する際にはシール部材を取り外す必要がある。
【0014】
また、画像形成装置の組立工場からの出荷の際に、プロセスカートリッジをあらかじめ画像形成装置に装着した状態で出荷する場合がある。これは使用者が画像形成装置を設置するときに、あらかじめプロセスカートリッジが装着されていることで、プロセスカートリッジの装着方法が認識し易く、ユーザビリティ性に優れている。このような場合、プロセスカートリッジを取り外すことなくシール部材を引き出せるものがある。
【0015】
プロセスカートリッジからシール部材を取り外す構成としては、例えば特許文献1や特許文献2のような構成が知られている。
【0016】
特許文献1では、装置本体から外側位置に引き出されたカートリッジ支持部材にプロセスカートリッジを装着し、その状態で、使用者がプロセスカートリッジからシール部材を取り外すようになっている。
【0017】
特許文献2では、プロセスカートリッジが装置本体の内部に位置決め装着された後、装置本体側のモータなどから駆動力の伝達を受けて、巻き取り部材がシール部材を巻き取って自動開封するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2008−261910
【特許文献2】特開2000−235301
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、上記特許文献1では、各プロセスカートリッジのシール部材を使用者が各々取り外さなければならないため、それらのシール部材を手動で取り外す手間がかかるという問題がある。
【0020】
一方、上記特許文献2では、シール部材を手動で取り外す手間はかからないものの、全てのプロセスカートリッジのシール部材を自動で取り外すための構成が必要である。そのため、その構成が複雑であり、装置が大型化し、コストもかかるという問題がある。
【0021】
そこで、本発明の目的は、カートリッジのシール部材を容易に開封することを実現し、ユーザビリティ性を向上させた画像形成装置を提供することである。
【0022】
また、本発明の他の目的は、シール部材を開封する構成を簡略化し、安価で小型な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記課題を解決するための本発明は、複数のカートリッジを装置本体に取り外し可能に装着して、記録媒体に画像を形成するカラー電子写真画像形成装置において、前記カートリッジを支持して、前記装置本体の内側に位置する内側位置と、前記装置本体の外側に位置する外側位置と、の間を移動するカートリッジ支持部材と、前記カートリッジに設けられ、現像剤を供給する開口を開封可能にシールするシール部材を巻き取るための巻き取り部材と、前記カートリッジ支持部材に設けられ、前記カートリッジ支持部材の移動に伴って回転する回転部材と、前記カートリッジ支持部材に設けられ、前記巻き取り部材に前記回転部材の回転を伝達する回転伝達部材と、を有し、前記カートリッジ支持部材の外側位置から内側位置への移動により、前記カートリッジ支持部材に支持されたカートリッジのシール部材を開封することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、カートリッジのシール部材の開封がカートリッジ支持部材の内側位置への移動のみで行える。これにより、カートリッジのシール部材を容易に開封することを実現し、ユーザビリティ性を向上させることができる。また、シール部材を開封する構成を簡略化し、安価で小型な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(a)第1実施形態に係る画像形成装置のトレイを引き出した状態の斜視図。(b)第1実施形態に係る画像形成装置のトレイを引き出した状態の断面図。
【図2】(a)第1実施形態に係る電子写真画像形成装置の斜視図。(b)第1実施形態に係る電子写真画像形成装置の断面図。
【図3】(a)第1実施形態に係る画像形成装置のドアを開いた状態の斜視図。(b)第1実施形態に係る画像形成装置のドアを開いた状態の断面図。
【図4】第1実施形態に係るトレイとカートリッジの斜視図。
【図5】(a)第1実施形態に係るカートリッジの斜視図。(b)第1実施形態に係るカートリッジの断面図。
【図6】第1実施形態に係る感光体ドラム軸線方向から見たカートリッジの断面図。
【図7】第1実施形態に係るトレイにおける駆動伝達部の駆動解除状態の斜視図。
【図8】第1実施形態に係るトレイにおける駆動伝達部の駆動伝達状態の斜視図。
【図9】第1実施形態に係るカートリッジとトレイの部分断面図。
【図10】カートリッジのシール部材を巻き取る力(開封強度)の分布を示す図。
【図11】第2実施形態に係るトレイとカートリッジ及び駆動伝達軸の斜視図。
【図12】第2実施形態に係る駆動伝達軸の連結部の斜視図。
【図13】第2実施形態に係る駆動伝達軸の連結部の断面図。
【図14】第2実施形態に係るタイミングをずらした際の各カートリッジのシール部材を巻き取る力(開封強度)の分布を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0027】
〔第1実施形態〕
<カラー電子写真画像形成装置の全体構成>
まず、図1乃至図3を参照して、第1実施形態に係るカラー電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置と称する)の全体構成について説明する。なお、図1(a)、図2(a)、及び図3(a)は画像形成装置の斜視説明図であり、図1(b)、図2(b)、及び図3(b)は画像形成装置の断面説明図である。図2(a)(b)は開閉ドアが閉じられた状態の画像形成装置の説明図である。図3(a)(b)は開閉ドアが開かれた状態の画像形成装置の説明図である。図1(a)(b)はカートリッジトレイが引き出された状態の画像形成装置の説明図である。
【0028】
本実施形態の画像形成装置は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザプリンタである。そして、画像形成装置は、パソコン、イメージリーダ、相手方ファクシミリ装置等の外部ホスト装置(不図示)から入力する画像信号に基いて記録媒体(シート)に画像を形成する。
【0029】
以下の説明において、画像形成装置に関して、画像形成装置本体100とは、画像形成装置から、後述する各カートリッジPの構成を除いたものである。また、画像形成装置本体100の前側(正面側)とは装置開閉ドア(開閉部材)31を配設した側である。後側(奥側)とはそれとは反対側である。また、左右とは画像形成装置本体100を前側から見て左または右である。
【0030】
図2(b)に示すように、画像形成装置本体(以下、装置本体と称する)100内には後側から前側にかけて、第1から第4の4つのカートリッジP(PY,PM,PC,PK)が水平方向に並べて配設されている。各カートリッジPは、収納された現像剤tの色が異なるだけで、互いに同様の構成である。なお、カートリッジPYはイエロー色の現像剤tを収納している。また、カートリッジPMはマゼンタ色の現像剤tを収納している。また、カートリッジPCはシアン色の現像剤tを収納している。また,PKはブラック色の現像剤tを収納している。
【0031】
尚、本実施形態においては、カートリッジPとして所謂一体型のプロセスカートリッジを用いた例を説明するが、本発明はプロセスカートリッジを用いた場合に限定されるものではない。カートリッジPとして、前述した構成のものが適用できる。
【0032】
装置本体100に装着されたカートリッジPの上方部には、レーザスキャナユニット11を配置してある。スキャナユニット11は、レーザ光により各カートリッジPの有する感光体ドラム1面を走査露光する。これによって、感光体ドラム1に静電潜像が順次形成される。続いて、その静電潜像が現像ユニット(現像手段)3によって現像されて、感光体ドラム1に現像剤像が形成される。
【0033】
装置本体100に装着されたカートリッジPの下方部には、中間転写ベルト13が配置されている。転写ベルト13は、駆動ローラ14、従動ローラ15、テンションローラ16で張架され、図4の矢印方向へ回転する。各カートリッジPの感光体ドラム1は、その下面が転写ベルト13の上面に接している(図4に示す各カートリッジPの位置が、画像形成位置である)。転写ベルト13の内側には、各カートリッジPの感光体ドラム1に対向させて4個の一次転写ローラ17が配置されている。
【0034】
駆動ローラ14には、転写ベルト13を介して二次転写ローラ22が接触している。装置本体100内の後側の上部には、定着装置23と、排出ローラ対24が配置されている。装置本体100の上面には排出トレイ25が配置されている。定着装置23は定着フィルム23aと加圧ローラ23bを有するものが用いられている。
【0035】
画像形成に際しては、各感光体ドラム1に形成された現像剤像が転写ベルト13に順次転写されて、転写ベルト13にカラー画像が形成される。この画像形成動作に同期するように、装置本体100の下部に配置された給送トレイ19に積載収納された記録媒体Sが、図4の矢印方向に回転する給送ローラ20により給送される。給送された記録媒体Sは、駆動ローラ14と二次転写ローラ22のニップ部へ送られる。
【0036】
次に、転写ベルト13に形成された現像剤像が、駆動ローラ14と二次転写ローラ22のニップ部に送られた記録媒体Sに転写される。さらに、現像剤像が転写された記録媒体Sは、定着フィルム23aと加圧ローラ23bのニップ部へ送られ、ここで加熱加圧される。これによって、現像剤像が記録媒体Sに定着する。現像剤像が定着された記録媒体Sは、排出ローラ対24により、排出トレイ25に排出される。
【0037】
<カートリッジの交換方法の概要説明>
本実施形態では、ユーザビリティ向上のために、カートリッジPをカートリッジトレイ35(カートリッジ支持部材)に支持(収容)した状態で、トレイ35を装置本体100の前側に引き出す構成としている。これによって、使用者が、装置本体100の前側(ドア31が設けられている側)からカートリッジPの交換を行うことができる(所謂フロントアクセス)。トレイ35は、装置本体100に対してレール部材34で支持されている。そして、トレイ35は、使用者が把手部35aをもって前後方向にスライド可能に設けられている。ドア31は装置本体100に対して軸(ヒンジ部)32を中心に回動可能に設けられている。図3(b)はドア31を開いた状態である。
【0038】
ドア31を開くことによって、トレイ35の把手部35aにアクセス可能になる。また、ドア31とレール部材34は連結アーム37によって連結されている。これにより、ドア31を開くことで、アーム37によりレール部材34が引っ張り出され、さらにレール部材34が図2(b)のポジションより左斜め上の位置(図3(b)のポジション)に移動される。このレール部材34の移動により、トレイ35も上方に移動し、各カートリッジPの感光体ドラム1が中間転写ベルト13より浮き上がり、トレイ35は装置本体100より引き出し可能な状態となる。トレイ35の把手部35aを引っ張ることで、カートリッジトレイ35を引き出すことができる。
【0039】
図1(a)(b)は、トレイ35を、装置本体100の内側に位置する内側位置Iから、装置本体100の外側に位置する外側位置Oへ引き出した状態である。この状態でカートリッジP(PY,PM,PC,PK)の上面が開放され、それぞれのカートリッジPが図1(b)に示すように上方に取り外し可能になる。
【0040】
カートリッジPを装置本体100に装着する際は、逆の手順で、前述の外側位置へ引き出したトレイ35にカートリッジPを乗せ、トレイ35を装置本体100の内部に収納する。そして、ドア31を閉めることで、アーム37を介して、レール部材34が図3(b)の左下方向に押し下げられ、トレイ35も下方に移動し、図2(b)に示すように各カートリッジPの感光体ドラム1が転写ベルト13に接触する。
【0041】
前述した通り、トレイ(カートリッジ支持部材)35は、カートリッジPを支持して、装置本体100の内側に位置する内側位置Iと、装置本体100の外側に位置する外側位置Oと、の間を移動する。
【0042】
尚、外側位置Oは、使用者がカートリッジPをトレイ35に対して着脱する位置である。
【0043】
尚、外側位置Oでもって、トレイ35に支持された(装着された)カートリッジPは、使用者がトレイ35を装置本体100内に押し込むと内側位置Iに移動する。そしてカートリッジPは、画像形成に寄与する画像形成位置(図2(b)に示す各カートリッジPの位置)に位置する。尚、本実施形態によれば、画像形成位置とは、感光体ドラム1の一部分が転写ベルト13に接触している状態である。本実施形態によれば、トレイ35が内側位置Iに位置した状態でドア31が閉じられると、トレイ35が下降してカートリッジPは画像形成位置に位置する。そして、ドア31が開放されると、トレイ35が上昇するのに連れてカートリッジPも上昇する。これによって、図3(b)に示すように感光体ドラム1が転写ベルト13から離れる。この状態で、使用者がトレイ35を装置本体100の外側位置Oに向かって引き出す(矢示E方向)。尚、本実施形態によれば、引き出し方向Eにおいて最下流側に位置するカートリッジPKをトレイ35に対して着脱する際には、トレイ35が外側位置Oに位置していなくても良い。このような場合であっても、トレイ35はカートリッジPが画像形成位置に位置する場合よりも外側方向に向かって引き出されている。したがって、カートリッジPは画像形成位置に位置する場合よりも、装置本体100の手前側に引き出されているので、使用者がカートリッジPの交換を行い易い。
【0044】
図5(a)は、カートリッジP(PY,PM,PC,PK)の外観斜視図である。カートリッジPは、前述したように、収納された現像剤tの色が異なるだけで、互いに同様の構成である。
【0045】
図5(a)に示すように、カートリッジPは、感光体ドラム1の軸線方向を長手とする横長箱型のアセンブリである。感光体ドラム1はカートリッジ枠体の右側面部と左側面部に配設した軸受部(不図示)間に回転可能に支持させて配設してある。各カートリッジPにおいて、右側面部が駆動側であり、その反対側の左側面部が非駆動側である。駆動側である右側面部の軸受部には、感光体ドラム1の駆動入力部としてのカップリング嵌合部(不図示)を具備させてある。非駆動側である左側面部には、カートリッジPの電気接点(不図示)を配設してある。左側面部と右側面部にはカートリッジ枠体の天井板部分それぞれを左右方向に延長して張り出させて、庇部51を具備させてある。庇部51は、カートリッジトレイ35にカートリッジPを挿入した際に、落下防止の役割を果たす。
【0046】
カートリッジPのカップリング嵌合部と装置本体100の駆動カップリング(不図示)とが嵌合することで、感光体ドラム1に駆動が伝達される。
【0047】
図5(b)は、カートリッジPのドラム軸線方向と垂直な方向から見たカートリッジPの断面図である。図10(a),(b)は、カートリッジPのドラム軸線方向から見たカートリッジPの断面図である。画像形成装置本体100の駆動カップリングからの駆動力はカートリッジPのカップリング嵌合部で駆動伝達され、感光体ドラム1は図6において反時計回り方向に所定の速度で回転駆動される。帯電手段としての帯電器2は感光体ドラム1に接触して従動回転する接触帯電方式の帯電部材である。クリーニング手段としてのクリーニングブレード50は弾性ゴムブレードであり、先端部を感光体ドラム1の回転方向に対してカウンター方向にして感光体ドラム1に当接させて配置してある。クリーニングブレード50は感光体ドラム1に残留した現像剤を除去する役目をする。このクリーニングブレード50により除去された転写残現像剤は、クリーニング容器4内に収容される。
【0048】
現像手段としての現像ユニット3は、現像ローラ3aと、現像ブレード52と、現像室3bと、現像剤収容部3cとを有する。図6に示すように、現像ローラ3aは現像室3bに配置され、現像ブレード52は先端部を現像ローラ3aの回転方向(図6において矢印G方向)に対してカウンター方向にして現像ローラ3aに当接して配置してある。現像ブレード52は、現像ローラ3aの周面に現像剤tを薄層に規制する役目をする。現像剤収容部3cと現像室3bの間には、現像剤収容部3cから現像室3bへの現像剤量を規制して供給する現像剤供給のための現像開口53が設けてある。開口53は、図5(b)に示すように、長手方向に渡って延在している。新品のカートリッジPにおいては、開口53に、図5(b)及び図10(a)に示すようにフィルム状のシール部材47が熱溶着などの方法により貼り付けられている。シール部材47により現像剤収容部3cと現像室3bとが分離されている。そして、現像剤収容部3cには現像剤tが充填されている。
【0049】
即ち、新品のカートリッジPが使用者によって使用されるまでの間に現像剤tが収容部3cから現像室3bへ出てこないようにするため、開口53はシール部材47で開封可能に塞がれている。ここでは、シール部材47は、開口53の外縁に熱溶着にて固定され、開口53の非駆動側から駆動側までを封止した後、駆動側の端部で折り返され、現像ユニット3の非駆動側のシール部材引き出し口54を通して現像ユニットの外側に引き出される。引き出し口54から引き出されたシール部材47の先端部は、後述するシール部材の開封機構を構成する巻き取り軸48に熱溶着などの方法で固定されている。
【0050】
<シール部材の開封機構>
次に、シール部材47の開封機構(開封手段)について、主に図1(a)及び図4を用いて説明する。図4は、各カートリッジPが装着されたトレイ35の斜視図である。図4に示すように、シール部材47の開封機構は、巻き取り軸48と、駆動入力ローラ40と、巻き取り軸48に駆動入力ローラ40の回転を伝達する回転伝達部材と、を有する。
【0051】
巻き取り軸48は、現像剤を供給する開口53を開封可能にシールするシール部材47を巻き取るための巻き取り部材である。巻き取り軸48は、図5(a)(b)に示すように、各カートリッジPの非駆動側の側面に設けられている。巻き取り軸48には、駆動入力ギア(回転入力部)46が設けられている。巻き取り軸48は、駆動入力ギア46に駆動が伝達されることで、一体となって回転する。
【0052】
駆動入力ローラ40は、図4に示すように、トレイ35の非駆動側であって、かつトレイ35の装着方向奥側(装置本体の外側位置から内側位置への移動方向下流側)に1つ設けられている。ローラ40には、駆動伝達ギア41が設けられている。ローラ40は、トレイ35の移動に伴って装置本体100に摺動して回転する回転部材である。ローラ40が回転することで、ギア41が一体となって回転する。
【0053】
回転伝達部材は、図4に示すように、駆動伝達ギア42と、駆動伝達軸44と、駆動出力ギア(回転出力部)45と、を有し、トレイ35の非駆動側の側面に設けられている。この回転伝達部材は、ローラ40の回転を全てのカートリッジPの巻き取り軸48に伝達する。
【0054】
ギア42は、軸44の端部(装置本体の奥側の端部)に設けられ、ローラ40が有するギア41と噛み合っている。ギア45は、各カートリッジPの非駆動側の側面に設けられた駆動入力ギア46と噛み合うように、軸44に設けられている。ギア42に駆動が伝達されることで、軸44及び各ギア45が一体となって回転し、ギア46を介して全ての巻き取り軸48に駆動が伝達される。
【0055】
上記開封機構により、トレイ35を装置本体100の外側位置から内側位置へ移動させることで、トレイ35に支持された各カートリッジPのシール部材47を巻き取って開封することができる。
【0056】
詳しくは、まずトレイ35を装置本体100の外側位置から内側位置へ移動させることで、トレイ35に設けられたローラ40が装置本体100に設けられたレール部材34と摺動して回転駆動される。このレール部材34との摺動で得た駆動力は、ギア41,42及び駆動伝達軸44を介して、各ギア45へと駆動伝達される。更にその駆動力は、各ギア45と噛み合っている各カートリッジPのギア46に伝達されて、引き出し口54から引き出されたシール部材47を固定した巻き取り軸48を同時に回転駆動する。この回転駆動により開口53に渡って延在するシール部材47を巻き取って、開口53を開封することができる。
【0057】
<駆動解除部材の構成>
次に、トレイ35に設けた駆動解除部材60について、図7及び図8を用いて説明する。図7は駆動解除部材により回転の伝達を解除した状態を示す斜視図である。図8は駆動解除部材の規制が解除され回転の伝達が可能な状態を示す斜視図である。
【0058】
画像形成装置の組立工場からの出荷の際に、カートリッジPをあらかじめ装置本体100に装着した状態で出荷する場合がある。このような場合、画像形成装置の組立工場からの出荷の際のトレイ35の移動動作によって、カートリッジPのシール部材47が巻き取られることを防止する必要がある。
【0059】
図7及び図8に示すように、トレイ35に設けたギア42は、軸44の軸方向に移動可能に保持されている。ギア42は、押圧バネ(弾性部材)43の弾性力によって駆動伝達位置に押圧されている。ここで、駆動伝達位置とは、ギア42とギア41とが噛み合う位置である。
【0060】
駆動解除部材60は、ギア42に作用してローラ40から巻き取り軸48への回転の伝達を解除した状態にする回転伝達解除部材である。駆動解除部材60は、軸44に係合し、ギア42に作用して駆動伝達ギア42の軸方向の位置を規制する規制部60dを有している。また駆動解除部材60は、駆動解除部材60の図8に示す駆動伝達位置と図7に示す駆動解除位置の移動を案内するガイド孔60aとガイド孔60bを有している。ガイド孔60aは、カートリッジトレイ35に固定されたガイド軸35cに規制されて、駆動解除部材60の移動を案内する。また、ガイド孔60bは、カートリッジトレイ35に固定された保持軸35bに規制されて、ガイド孔60aとともに、駆動解除部材60の移動を案内する。更にガイド孔60bは、駆動解除部材60を回転の伝達を解除した状態で保持するための保持孔60cを有している。この保持孔60cで保持軸35bを保持することで、ギア42を図7に示す駆動解除位置で保持する。すなわち、解除部材60は、ギア42に作用してローラ40から巻き取り軸48への回転の伝達を解除した状態になる。
【0061】
図7に示すように駆動を解除状態にすることにより、トレイ35を画像形成装置本体100内に収納する動作で各カートリッジPのシール部材47が巻き取られることを防止する。
【0062】
これにより、現像剤tが現像剤収容部3cから出ることなく、カートリッジPをあらかじめ装置本体100に装着した状態で出荷することができる。しかしながら本実施形態はこれに限定されるものではなくて、カートリッジPは装置本体100とは別に、カートリッジPのみで出荷しても良い。このような場合であっても、本実施形態によれば、シール部材47が不用意に巻き取られることを防止することができる。
【0063】
更に、図7(a)に示すように、装置本体100のレール部材34には、前記駆動解除部材60に作用して前記回転を伝達可能な状態に切り替える凸部(力付与部)34aが設けられている。従って、カートリッジトレイ35を装置本体100から引き出す動作(矢印A方向)で、レール部材34に設けた凸部34aに駆動解除部材60が係合し、保持孔60cと保持軸35bとの係合(保持)が解除される。これにより、図8に示すように、駆動解除部材60は前記回転が伝達可能な状態に切り替えられ、押圧バネ43の弾性力によりギア42が駆動伝達位置に押圧されてローラ40と一体に取り付けられているギア46と噛み合う。すなわち、ローラ40から巻き取り軸48へ回転力を伝達することが可能な状態となる。
【0064】
このように、トレイ35を画像形成装置本体100から引き出す動作を一度行うことで、この後、ギア42は常に駆動伝達位置に保持される。
【0065】
<カートリッジ保持機構>
次に、カートリッジPをトレイ35に装着する装着時のカートリッジPの保持機構について、図9を用いて説明する。図9はカートリッジの保持機構の構成図であり、図9(a)はカートリッジ保持前の状態を示す図であり、図9(b)はカートリッジが保持された状態を示す図である。
【0066】
新品のカートリッジPに設けられたシール部材47の開封はトレイ35に設けたギア45の駆動力(回転力)をギア46で受け、巻き取り軸48を回転駆動することで、シール部材47を巻き取る構成である。従って、ギア45の駆動力をギア46に確実に伝達するために、駆動伝達時におけるトレイ35とカートリッジPとの位置を規制する必要がある。そこで、規制部材としてのカートリッジ保持部材61により、トレイ35に設けた各駆動出力ギア45と各カートリッジPが有する駆動入力ギア46との位置を、回転を伝達する位置(噛み合う位置)に規制するようにしている。図9に示すように、カートリッジ保持部材61は、各々のギア45とギア46が対応するように、トレイ35の駆動出力ギア軸(駆動伝達軸44)に回転自在に取り付けられている。
【0067】
図9(a)に示すように、カートリッジPがトレイ35に装着されていないときには、カートリッジ保持部材61は付与バネ(弾性部材)62の弾性力によりトレイ35に設けた突き当て部64に突き当った位置に位置する。バネ62は、カートリッジ保持部材61とトレイ35に設けた付与バネ保持部63とで保持される。
【0068】
カートリッジPをトレイ35に挿入する際は、カートリッジPとカートリッジPに設けたギア46を回転可能に保持する駆動入力ギア軸49は図中矢印B方向に移動する。矢印B方向に移動したカートリッジPに設けた駆動入力ギア軸49は、カートリッジ保持部材61と係合する。これによって、カートリッジ保持部材61はバネ62の力に抗して図中矢印C方向へ回転移動する。
【0069】
図9(b)に示すように、カートリッジPに設けた庇部51がトレイ35と係合して、カートリッジPの図中上下方向の位置が決る。また、各カートリッジの有するギア軸49が、トレイ35の各カートリッジ保持部材61に設けた溝61aと嵌合し、駆動入力ギア46と駆動出力ギア45とが噛み合う。これにより、ギア46とギア45とが噛み合う軸間距離を保った状態でカートリッジPがトレイ35に保持され、シール部材47の開封時の駆動によるカートリッジPの動きを規制する。
【0070】
ここでは、規制部材としてのカートリッジ保持部材61をトレイ35に回転自在に取り付けた構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、カートリッジ保持部材61を各カートリッジPの有するギア軸49に回転自在に取り付けた構成としても良い。或いは、カートリッジ保持部材61をトレイ35やカートリッジPとは別に設ける。そして、カートリッジPをトレイ35に装着した後に、使用者がカートリッジ保持部材61をギア41,42の軸に係合させてカートリッジPの動きを規制するようにしても良い。
【0071】
<カートリッジ交換時のシール部材の開封構成>
次に、開口53を封止された新品カートリッジPの交換時におけるシール部材47の開封構成について説明する。新品のカートリッジPも前述したとおり開口53を封止するシール部材47が取り付けられた上体で、単品輸送され、使用者の下へ輸送される。
【0072】
まず、使用済みカートリッジPを取り出すには、画像形成装置本体に収納されたトレイ35を引き出す。トレイ35の引き出し動作によりローラ40が回転し、巻き取り軸48がシール部材47を巻き取り方向とは逆方向に回転する。この際に、シール部材47はカートリッジP内に留まる。そのため、使用者はシール部材47を触れることなくトレイ35から取り出すことが可能である。
【0073】
次に、使用済みカートリッジPを取り出したトレイ35に、シール部材47によって開口53が封止された状態の新品カートリッジPを装着する。すると、図9(b)に示すように、カートリッジ保持部材61により、カートリッジ側のギア46とトレイ側のギア45とが噛み合った状態で、新品カートリッジPがトレイ35に装着される。
【0074】
そして、新品カートリッジPを装置本体100の内部に収納すべく、新品カートリッジPが装着されたトレイ35を外側位置から内側位置に向けてスライド移動させる。トレイ35の移動に伴ってローラ40が装置本体100内のレール部材34に摺動して回転する。ローラ40の回転が、ギア41,42、軸44を介して、各カートリッジPに対応するギア45に伝達される。そして、各ギア45と噛合している各カートリッジPの有するギア46に伝達される。これによって、各カートリッジPの巻き取り軸48が回転し、シール部材47を巻き取り、各カートリッジPが有する開口53を開封する。
【0075】
上述したように、各カートリッジPが装着されたトレイ35を装置本体100の外側位置から内側位置へ移動させるだけで、各カートリッジPのシール部材47の開封を行うことができる。これにより、各カートリッジPの有するシール部材47を容易に開封することを実現し、ユーザビリティ性を向上させることができる。また、シール部材47を開封する構成を簡略化し、安価で小型な画像形成装置を提供することができる。
【0076】
また、カートリッジPをあらかじめ装置本体100に装着した状態で出荷する場合に、駆動解除部材60によってローラ40から巻き取り軸48への回転の伝達を解除した状態にすることができる。このため、画像形成装置の組立工場からカートリッジPをあらかじめ装置本体100に装着した状態で出荷する際のトレイ35の移動動作によって、カートリッジPのシール部材47が巻き取られるのを防止することができる。そして、使用者が画像形成装置を使用するまで、現像剤tを収容部3cに収容した状態にできる。また、画像形成装置の初期使用時にトレイ35を装置本体から引き出す動作により、駆動解除部材60は凸部(力付与部)34aに係合して前記回転が伝達可能な状態に切り替えられる。これにより、ギア42がローラ40と一体のギア46と噛み合い、ローラ40から巻き取り軸48へ回転力を伝達することが可能な状態となる。このため、引き出したトレイ35を装置本体の内部に収納する動作により、全てのカートリッジPのシール部材47を巻き取り、開口53を開封することができる。
【0077】
また、カートリッジPの交換作業においても、トレイ35を装置本体から引き出し、カートリッジPを交換し、トレイ35を装置本体内に収納する、一連の交換作業のみで、新品カートリッジPに設けられたシール部材47を開封することができる。
【0078】
また、カートリッジ保持部材61により、トレイ35に設けた各ギア45と各カートリッジPのギア46との位置を、回転を伝達する位置に規制している。これにより、トレイ35に対する各カートリッジPの位置を規制することができ、各ギア45の駆動力を各ギア46に確実に伝達することができる。そして、トレイ35を装置本体100内に収納する動作により全てのカートリッジPのシール部材47を同時に巻き取り、開口53を開封することができる。
【0079】
〔第2実施形態〕
本実施形態では、カートリッジPを装着したトレイ35を装置本体100へ収納する時に各カートリッジのシール部材47の開封タイミングをずらす構成を示す。尚、本実施形態では、第1実施形態と異なる構成の説明を中心に行う。
【0080】
カートリッジPに設けたシール部材47の開封時に必要な力は、図10に示すように、シール部材47の開封初期から開封終わりの範囲で異なっている。詳しくは、シール部材47の開封初期と開封終わりは、シール部材47の溶着部の面積がシール部材47の中間部に比べて広く、かつシール部材47の溶着部が巻き取り方向に対して交差する方向に溶着されている。これに対してシール部材47の中間部は、シール部材47の溶着部の面積がシール部材47の開封初期や開封終わりに比べて狭く、かつシール部材47の溶着部が巻き取り方向に溶着されている。このため、シール部材47の開封初期と開封終わりは、シール部材47の中間部に比べて、シール部材47の巻き取りに大きな力が必要となる。従って、トレイ35に装着したカートリッジPのシール部材47を4本同時に巻き取り始めるには、より大きな力が必要となる。
【0081】
ここで、トレイ35の画像形成装置本体100への収納時にシール部材の開封開始タイミングをずらして行う機構について、図11乃至図14を用いて説明する。
【0082】
図11に示すように、本実施形態では、回転伝達部材を構成する駆動伝達軸が、各カートリッジPに対応するように軸方向において分割された駆動伝達軸70,71,72,73となっている。軸70,71,72,73は、同一軸中心で回転可能に設けられている。そして、軸70,71,72,73は、各軸の接合部が、図12に示すように、ローラ40の回転を各カートリッジPの巻き取り軸48に伝達するタイミングをずらすように構成されている。
【0083】
軸70,71の接合部には、回転力を伝達するための駆動伝達リブ70aと、前記リブ70aの回転を伝達しない空間部71cとリブ70aに係合して回転を伝達する係合部71dと有する駆動受け部71bが設けられている。同様に、軸71,72の接合部には、回転を伝達するための駆動伝達リブ71aと、リブ71aの回転力を伝達しない空間部72cと前記リブ71aに係合して回転を伝達する係合部72dと有する駆動受け部72bとが設けられている。同様に、軸72,73の接合部には、回転力を伝達するための駆動伝達リブ72aと、前記リブ72aの回転力を伝達しない空間部73cと前記リブ72aに係合して回転力を伝達する係合部73dと有する駆動受け部73bが設けられている。
【0084】
ここで、各シール部材の巻き取り開始のタイミングがずらされる動作について図13を用いて説明する。軸70,71,72,73に設けられたリブ70a,71a,72aと受け部71b,72b,73bは、図13(a)に示す状態で各接合部が接合されている。ここでは、軸70,71の接合部を例示して動作を説明するが、軸71,72及び軸72,73の各接合部の動作も同様である。
【0085】
トレイ35を画像形成装置本体100内に収納する動作で得た駆動力によって、まず最奥側の軸70が図中矢印D方向に回転する。回転する軸70のリブ70aは、受け部71bの空間部71c(1/4回転)により、回転力を次の軸71に伝達しない状態となっている。そのため、軸70は単独で回転する。これにより、カートリッジPYのみのシール部材47の巻き取りが開始される。
【0086】
さらにトレイ35を画像形成装置本体100内に挿入していくと、図13(b)に示すように、軸70が回転を続け、軸70のリブ70aが受け部71bの係合部71dに係合する。これにより、図13(c)に示すように、軸70の駆動力が軸71に伝達され、軸70とともに軸71が図中矢印D方向に回転する。これにより、カートリッジPMのシール部材47の巻き取りが開始される。このとき、図14に示すように、先に巻き取りが開始されているカートリッジPYは、開封初期における開封強度のピークを過ぎている。そのため、カートリッジPMのシール部材47の巻き取りを同時に開始する場合に比べて、軽い力で巻き取り始めることができる。すなわち、トレイ35の装置本体100内への収納操作力を低減することができる。
【0087】
同様にして、軸71,72及び軸72,73の各接合部においても、受け部72b,73bの空間部72c,73cの分だけ、所定量(1/4回転)だけタイミングがずれて駆動が伝達される。これにより、カートリッジPC,PKのシール部材47の巻き取りも所定のタイミングずつ遅れて開始される。このようにして各カートリッジPのシール部材の巻き取り開始のタイミングを所定タイミングずつずらすことにより(図14参照)、シール部材47の巻き取りを同時に開始する場合に比べて、軽い力で巻き取り始めることができる。すなわち、新品のカートリッジを装着したカートリッジトレイ35の装置本体100内への収納操作力を低減することができる。
【0088】
また、使用済みカートリッジPをシール部材47が有る新品カートリッジPへ交換する際は、まず画像形成装置本体100からトレイ35を引き出す。このときのトレイ35の引き出し動作により、軸70は図13に示す矢印D方向と逆方向に単独で回転駆動される。さらに、トレイ35を引き出すと、図13(a)に示すようにリブ70aと受け部71bとが係合し、軸70の回転力が軸71へと伝達される。さらに、トレイ35を引き出すと軸72,73のリブ71a,72aと受け部72b,73bも順次図13(a)に示すように、初期状態へと戻される。
【0089】
このように初期状態(図13(a)に示す状態)に戻された軸70,71,72,73を、再び画像形成装置本体100内へ収納する際は、前述したとおり所定のタイミング(1/4回転)ずつ遅れて回転力が伝達される。
【0090】
上述したように、各カートリッジPのシール部材47の巻き取り開始のタイミングを、所定のタイミングずつずらして開始することができる。これにより、前述した実施形態による効果に加えて、各カートリッジPを装着したトレイ35の装置本体100内への収納操作力を低減することができる。
【0091】
また、トレイ35を装置本体100から引き出す動作により、常に軸70,71,72,73は初期状態に戻される。そのため、複数の新品カートリッジPを同時に交換する際にも、トレイ35の画像形成装置本体100内への収納操作力を低減することができる。
【0092】
なお、ここでは、ローラ40の回転を各カートリッジPの巻き取り軸48に伝達するタイミングのずらし量として、1/4回転を例示しているが、これに限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。
【0093】
〔他の実施形態〕
前述した各実施形態では、トレイ35は装置本体100の設置面(図示せず)に対して水平方向に移動する。しかしながら、本発明はこれに限定されずに、トレイ35は装置本体100の設置面(図示せず)に対して、例えば斜め上方、或いは、斜め下方に直線的に移動しても良い。また、トレイ35は装置本体の設置面(図示せず)に対して垂直方向に直線的に移動しても良い。トレイ35は、支持する(収容する、装着する)カートリッジPの長手方向と直交する方向に直線的に移動する。尚、カートリッジPの長手方向とは、感光体ドラム1の長手方向、又は、現像ローラ3aの長手方向である。
【0094】
また、前述した各実施形態において、カートリッジ着脱位置とは、トレイ(カートリッジ支持部材)35に対してカートリッジPの着脱を行う位置である。そして、カートリッジ着脱位置は、各カートリッジPが画像形成位置に位置している場合よりも、トレイ(カートリッジ支持部材)35の引き出し方向Eにおいて、下流側に位置している。各実施形態によれば、カートリッジ着脱位置とは、使用者が装置本体100の外側から、トレイ35に支持されているカートリッジPをトレイ35から取り出すことができる位置、及び、使用者が装置本体100の外側から、カートリッジPをトレイ35に支持させることができる位置である。したがって、カートリッジ着脱位置とは、装置本体100の外側に限定されるものではなく、装置本体100の内側であっても、トレイ35に対してカートリッジPの着脱を行うことができる位置ならば良い。
【0095】
また、前述した各実施形態によれば、トレイ35は、装置本体に対してカートリッジの長手方向と直交する方向に、直線的に移動可能である。しかしながら、トレイ35は、装置本体に対してカートリッジの長手方向と平行な方向に、直線的に移動可能であっても良い。この場合、回転部材としてのローラ40を装着方向奥側であって、トレイ35の移動方向側面に設け、更にこの回転が伝達される回転伝達部材及び巻き取り部材を、前記装着方向奥側など、ローラ40からの駆動伝達が可能な位置に設ける必要がある。
【符号の説明】
【0096】
I …内側位置、O …外側位置、P,PY,PM,PC,PK …カートリッジ、S …記録媒体、t …現像剤、1 …感光体ドラム、34 …レール部材、34a …凸部、
35 …カートリッジトレイ、35b …保持軸、35c …ガイド軸、40 …駆動入力ローラ、41,42 …駆動伝達ギア、43 …押圧バネ、44 …駆動伝達軸、45 …駆動出力ギア、46 …駆動入力ギア、47 …シール部材、48 …巻き取り軸、53 …現像開口、60 …駆動解除部材、60a,60b …ガイド孔、60c …保持孔、60d …規制部、61 …カートリッジ保持部材、70,71,72,73 …駆動伝達軸、70a,71a,72a …駆動伝達リブ、71b,72b,73b …駆動受け部、71c,72c,73c …空間部、71d,72d,73d …係合部、100 …装置本体
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のカートリッジを装置本体に取り外し可能に装着して、記録媒体に画像を形成するカラー電子写真画像形成装置に関するものである。
【0002】
ここで、カラー電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成プロセスを用いて、記録媒体にカラー画像を形成するものである。そして、カラー電子写真画像形成装置の例としては、例えばカラー電子写真複写機、カラー電子写真プリンタ(例えばカラーレーザビームプリンタ、カラーLEDプリンタ等)、カラーファクシミリ装置及びカラーワードプロセッサ等が含まれる。
【0003】
また、記録媒体とは、電子写真画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、紙、OHPシート等が含まれる。
【0004】
また、カートリッジとは、例えば、プロセスカートリッジ或いは現像カートリッジであって、電子写真画像形成装置の本体に取り外し可能に装着されて、記録媒体に画像を形成する画像形成プロセスに寄与するものである。ここで、前記プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての、帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つと電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して、電子写真画像形成装置の本体に取り外し可能に装着するものである。従って、プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての現像手段と、前記電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して、電子写真画像形成装置の本体に取り外し可能に装着するものも含まれる。また、プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と、前記電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して、前記本体に取り外し可能に装着するものも含まれる。尚、電子写真感光体ドラムと現像手段とを一体的に有するプロセスカートリッジを所謂一体型と称する。また、電子写真感光体ドラムと現像手段以外のプロセス手段とを一体的に有するプロセスカートリッジを所謂分離型と称する。
【0005】
ここで前記プロセスカートリッジは、使用者自身によって画像形成装置本体に対する着脱を行うことができる。そのため、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができる。尚、前記プロセス手段は、前記電子写真感光体ドラムに作用するものである。
【0006】
また、現像カートリッジとは、現像ローラを有し、前記現像ローラによって、前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像するのに用いられる現像剤(トナー)を収納しており、前記本体に取り外し可能に装着されるものである。尚、前記現像カートリッジの場合には、前記電子写真感光体ドラムは前記装置本体或いは後述するカートリッジ支持部材に取り付けられている。或いは、前記電子写真感光体ドラムは、前記所謂分離型プロセスカートリッジに設けられている(この場合には、プロセスカートリッジは、現像手段を有してはいない)。尚、前記現像カートリッジも、使用者自身によって画像形成装置本体に対する着脱を行うことができる。そのため、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0007】
そこで、カートリッジとしては、前記所謂一体型又は所謂分離型のプロセスカートリッジが含まれる。また、カートリッジとしては、所謂分離型のプロセスカートリッジと前記現像カートリッジが対になって用いられる場合が含まれる。また、カートリッジとしては、前記電子写真感光体ドラムが前記装置本体或いは後述するカートリッジ支持部材に固定して取り付けられており、前記電子写真感光体ドラムに作用可能に前記現像カートリッジが着脱可能に用いられる場合が含まれる。
【背景技術】
【0008】
従来、電子写真形成プロセスを用いた電子写真画像形成装置においては、電子写真感光体ドラム(以下、感光体ドラムと称す)及び前記感光体ドラムに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化する。そして、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。
【0009】
このプロセスカートリッジ方式によれば、電子写真画像形成装置のメンテナンスをサービスマンによらずに使用者自身で行うことができるので、格段にメンテナンス性を向上させることができる。そのため、このプロセスカートリッジ方式は、電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置と称す)において広く用いられている。
【0010】
従来のプロセスカートリッジは、感光体ドラムを保持するクリーニング枠体を有する感光体ドラムユニットと、感光体ドラム上の潜像を現像する手段としての現像ローラ、現像ブレード、現像剤としてのトナーを有する現像ユニットから構成されている。
【0011】
画像形成装置には、複数のプロセスカートリッジを配列した、インライン方式と呼ばれるものが知られている。このインライン方式の画像形成装置では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色毎に、感光体ドラムと現像ユニットを有するプロセスカートリッジを備え、各色の画像を重ね合わせ、フルカラー画像を形成するものである。
【0012】
このような画像形成装置において、プロセスカートリッジの着脱構成に関しては、例えばプロセスカートリッジを支持するカートリッジ支持部材を用いた構成が知られている。カートリッジ支持部材は、装置本体の内側に位置する内側位置と、装置本体の外側に位置する外側位置との間をスライド移動する。そして、使用者がカートリッジ支持部材を内側位置から外側位置に引き出した状態で、カートリッジ支持部材に対してプロセスカートリッジを着脱する。そして、使用者がカートリッジ支持部材を内側位置に押し込むことによって、プロセスカートリッジを画像形成位置に装着する。
【0013】
また、プロセスカートリッジは使用者が使用するまでの間、現像剤を現像剤収容部に保持しておくためのシール部材が設けられているが、画像形成装置で使用する際にはシール部材を取り外す必要がある。
【0014】
また、画像形成装置の組立工場からの出荷の際に、プロセスカートリッジをあらかじめ画像形成装置に装着した状態で出荷する場合がある。これは使用者が画像形成装置を設置するときに、あらかじめプロセスカートリッジが装着されていることで、プロセスカートリッジの装着方法が認識し易く、ユーザビリティ性に優れている。このような場合、プロセスカートリッジを取り外すことなくシール部材を引き出せるものがある。
【0015】
プロセスカートリッジからシール部材を取り外す構成としては、例えば特許文献1や特許文献2のような構成が知られている。
【0016】
特許文献1では、装置本体から外側位置に引き出されたカートリッジ支持部材にプロセスカートリッジを装着し、その状態で、使用者がプロセスカートリッジからシール部材を取り外すようになっている。
【0017】
特許文献2では、プロセスカートリッジが装置本体の内部に位置決め装着された後、装置本体側のモータなどから駆動力の伝達を受けて、巻き取り部材がシール部材を巻き取って自動開封するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2008−261910
【特許文献2】特開2000−235301
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、上記特許文献1では、各プロセスカートリッジのシール部材を使用者が各々取り外さなければならないため、それらのシール部材を手動で取り外す手間がかかるという問題がある。
【0020】
一方、上記特許文献2では、シール部材を手動で取り外す手間はかからないものの、全てのプロセスカートリッジのシール部材を自動で取り外すための構成が必要である。そのため、その構成が複雑であり、装置が大型化し、コストもかかるという問題がある。
【0021】
そこで、本発明の目的は、カートリッジのシール部材を容易に開封することを実現し、ユーザビリティ性を向上させた画像形成装置を提供することである。
【0022】
また、本発明の他の目的は、シール部材を開封する構成を簡略化し、安価で小型な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記課題を解決するための本発明は、複数のカートリッジを装置本体に取り外し可能に装着して、記録媒体に画像を形成するカラー電子写真画像形成装置において、前記カートリッジを支持して、前記装置本体の内側に位置する内側位置と、前記装置本体の外側に位置する外側位置と、の間を移動するカートリッジ支持部材と、前記カートリッジに設けられ、現像剤を供給する開口を開封可能にシールするシール部材を巻き取るための巻き取り部材と、前記カートリッジ支持部材に設けられ、前記カートリッジ支持部材の移動に伴って回転する回転部材と、前記カートリッジ支持部材に設けられ、前記巻き取り部材に前記回転部材の回転を伝達する回転伝達部材と、を有し、前記カートリッジ支持部材の外側位置から内側位置への移動により、前記カートリッジ支持部材に支持されたカートリッジのシール部材を開封することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、カートリッジのシール部材の開封がカートリッジ支持部材の内側位置への移動のみで行える。これにより、カートリッジのシール部材を容易に開封することを実現し、ユーザビリティ性を向上させることができる。また、シール部材を開封する構成を簡略化し、安価で小型な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(a)第1実施形態に係る画像形成装置のトレイを引き出した状態の斜視図。(b)第1実施形態に係る画像形成装置のトレイを引き出した状態の断面図。
【図2】(a)第1実施形態に係る電子写真画像形成装置の斜視図。(b)第1実施形態に係る電子写真画像形成装置の断面図。
【図3】(a)第1実施形態に係る画像形成装置のドアを開いた状態の斜視図。(b)第1実施形態に係る画像形成装置のドアを開いた状態の断面図。
【図4】第1実施形態に係るトレイとカートリッジの斜視図。
【図5】(a)第1実施形態に係るカートリッジの斜視図。(b)第1実施形態に係るカートリッジの断面図。
【図6】第1実施形態に係る感光体ドラム軸線方向から見たカートリッジの断面図。
【図7】第1実施形態に係るトレイにおける駆動伝達部の駆動解除状態の斜視図。
【図8】第1実施形態に係るトレイにおける駆動伝達部の駆動伝達状態の斜視図。
【図9】第1実施形態に係るカートリッジとトレイの部分断面図。
【図10】カートリッジのシール部材を巻き取る力(開封強度)の分布を示す図。
【図11】第2実施形態に係るトレイとカートリッジ及び駆動伝達軸の斜視図。
【図12】第2実施形態に係る駆動伝達軸の連結部の斜視図。
【図13】第2実施形態に係る駆動伝達軸の連結部の断面図。
【図14】第2実施形態に係るタイミングをずらした際の各カートリッジのシール部材を巻き取る力(開封強度)の分布を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0027】
〔第1実施形態〕
<カラー電子写真画像形成装置の全体構成>
まず、図1乃至図3を参照して、第1実施形態に係るカラー電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置と称する)の全体構成について説明する。なお、図1(a)、図2(a)、及び図3(a)は画像形成装置の斜視説明図であり、図1(b)、図2(b)、及び図3(b)は画像形成装置の断面説明図である。図2(a)(b)は開閉ドアが閉じられた状態の画像形成装置の説明図である。図3(a)(b)は開閉ドアが開かれた状態の画像形成装置の説明図である。図1(a)(b)はカートリッジトレイが引き出された状態の画像形成装置の説明図である。
【0028】
本実施形態の画像形成装置は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザプリンタである。そして、画像形成装置は、パソコン、イメージリーダ、相手方ファクシミリ装置等の外部ホスト装置(不図示)から入力する画像信号に基いて記録媒体(シート)に画像を形成する。
【0029】
以下の説明において、画像形成装置に関して、画像形成装置本体100とは、画像形成装置から、後述する各カートリッジPの構成を除いたものである。また、画像形成装置本体100の前側(正面側)とは装置開閉ドア(開閉部材)31を配設した側である。後側(奥側)とはそれとは反対側である。また、左右とは画像形成装置本体100を前側から見て左または右である。
【0030】
図2(b)に示すように、画像形成装置本体(以下、装置本体と称する)100内には後側から前側にかけて、第1から第4の4つのカートリッジP(PY,PM,PC,PK)が水平方向に並べて配設されている。各カートリッジPは、収納された現像剤tの色が異なるだけで、互いに同様の構成である。なお、カートリッジPYはイエロー色の現像剤tを収納している。また、カートリッジPMはマゼンタ色の現像剤tを収納している。また、カートリッジPCはシアン色の現像剤tを収納している。また,PKはブラック色の現像剤tを収納している。
【0031】
尚、本実施形態においては、カートリッジPとして所謂一体型のプロセスカートリッジを用いた例を説明するが、本発明はプロセスカートリッジを用いた場合に限定されるものではない。カートリッジPとして、前述した構成のものが適用できる。
【0032】
装置本体100に装着されたカートリッジPの上方部には、レーザスキャナユニット11を配置してある。スキャナユニット11は、レーザ光により各カートリッジPの有する感光体ドラム1面を走査露光する。これによって、感光体ドラム1に静電潜像が順次形成される。続いて、その静電潜像が現像ユニット(現像手段)3によって現像されて、感光体ドラム1に現像剤像が形成される。
【0033】
装置本体100に装着されたカートリッジPの下方部には、中間転写ベルト13が配置されている。転写ベルト13は、駆動ローラ14、従動ローラ15、テンションローラ16で張架され、図4の矢印方向へ回転する。各カートリッジPの感光体ドラム1は、その下面が転写ベルト13の上面に接している(図4に示す各カートリッジPの位置が、画像形成位置である)。転写ベルト13の内側には、各カートリッジPの感光体ドラム1に対向させて4個の一次転写ローラ17が配置されている。
【0034】
駆動ローラ14には、転写ベルト13を介して二次転写ローラ22が接触している。装置本体100内の後側の上部には、定着装置23と、排出ローラ対24が配置されている。装置本体100の上面には排出トレイ25が配置されている。定着装置23は定着フィルム23aと加圧ローラ23bを有するものが用いられている。
【0035】
画像形成に際しては、各感光体ドラム1に形成された現像剤像が転写ベルト13に順次転写されて、転写ベルト13にカラー画像が形成される。この画像形成動作に同期するように、装置本体100の下部に配置された給送トレイ19に積載収納された記録媒体Sが、図4の矢印方向に回転する給送ローラ20により給送される。給送された記録媒体Sは、駆動ローラ14と二次転写ローラ22のニップ部へ送られる。
【0036】
次に、転写ベルト13に形成された現像剤像が、駆動ローラ14と二次転写ローラ22のニップ部に送られた記録媒体Sに転写される。さらに、現像剤像が転写された記録媒体Sは、定着フィルム23aと加圧ローラ23bのニップ部へ送られ、ここで加熱加圧される。これによって、現像剤像が記録媒体Sに定着する。現像剤像が定着された記録媒体Sは、排出ローラ対24により、排出トレイ25に排出される。
【0037】
<カートリッジの交換方法の概要説明>
本実施形態では、ユーザビリティ向上のために、カートリッジPをカートリッジトレイ35(カートリッジ支持部材)に支持(収容)した状態で、トレイ35を装置本体100の前側に引き出す構成としている。これによって、使用者が、装置本体100の前側(ドア31が設けられている側)からカートリッジPの交換を行うことができる(所謂フロントアクセス)。トレイ35は、装置本体100に対してレール部材34で支持されている。そして、トレイ35は、使用者が把手部35aをもって前後方向にスライド可能に設けられている。ドア31は装置本体100に対して軸(ヒンジ部)32を中心に回動可能に設けられている。図3(b)はドア31を開いた状態である。
【0038】
ドア31を開くことによって、トレイ35の把手部35aにアクセス可能になる。また、ドア31とレール部材34は連結アーム37によって連結されている。これにより、ドア31を開くことで、アーム37によりレール部材34が引っ張り出され、さらにレール部材34が図2(b)のポジションより左斜め上の位置(図3(b)のポジション)に移動される。このレール部材34の移動により、トレイ35も上方に移動し、各カートリッジPの感光体ドラム1が中間転写ベルト13より浮き上がり、トレイ35は装置本体100より引き出し可能な状態となる。トレイ35の把手部35aを引っ張ることで、カートリッジトレイ35を引き出すことができる。
【0039】
図1(a)(b)は、トレイ35を、装置本体100の内側に位置する内側位置Iから、装置本体100の外側に位置する外側位置Oへ引き出した状態である。この状態でカートリッジP(PY,PM,PC,PK)の上面が開放され、それぞれのカートリッジPが図1(b)に示すように上方に取り外し可能になる。
【0040】
カートリッジPを装置本体100に装着する際は、逆の手順で、前述の外側位置へ引き出したトレイ35にカートリッジPを乗せ、トレイ35を装置本体100の内部に収納する。そして、ドア31を閉めることで、アーム37を介して、レール部材34が図3(b)の左下方向に押し下げられ、トレイ35も下方に移動し、図2(b)に示すように各カートリッジPの感光体ドラム1が転写ベルト13に接触する。
【0041】
前述した通り、トレイ(カートリッジ支持部材)35は、カートリッジPを支持して、装置本体100の内側に位置する内側位置Iと、装置本体100の外側に位置する外側位置Oと、の間を移動する。
【0042】
尚、外側位置Oは、使用者がカートリッジPをトレイ35に対して着脱する位置である。
【0043】
尚、外側位置Oでもって、トレイ35に支持された(装着された)カートリッジPは、使用者がトレイ35を装置本体100内に押し込むと内側位置Iに移動する。そしてカートリッジPは、画像形成に寄与する画像形成位置(図2(b)に示す各カートリッジPの位置)に位置する。尚、本実施形態によれば、画像形成位置とは、感光体ドラム1の一部分が転写ベルト13に接触している状態である。本実施形態によれば、トレイ35が内側位置Iに位置した状態でドア31が閉じられると、トレイ35が下降してカートリッジPは画像形成位置に位置する。そして、ドア31が開放されると、トレイ35が上昇するのに連れてカートリッジPも上昇する。これによって、図3(b)に示すように感光体ドラム1が転写ベルト13から離れる。この状態で、使用者がトレイ35を装置本体100の外側位置Oに向かって引き出す(矢示E方向)。尚、本実施形態によれば、引き出し方向Eにおいて最下流側に位置するカートリッジPKをトレイ35に対して着脱する際には、トレイ35が外側位置Oに位置していなくても良い。このような場合であっても、トレイ35はカートリッジPが画像形成位置に位置する場合よりも外側方向に向かって引き出されている。したがって、カートリッジPは画像形成位置に位置する場合よりも、装置本体100の手前側に引き出されているので、使用者がカートリッジPの交換を行い易い。
【0044】
図5(a)は、カートリッジP(PY,PM,PC,PK)の外観斜視図である。カートリッジPは、前述したように、収納された現像剤tの色が異なるだけで、互いに同様の構成である。
【0045】
図5(a)に示すように、カートリッジPは、感光体ドラム1の軸線方向を長手とする横長箱型のアセンブリである。感光体ドラム1はカートリッジ枠体の右側面部と左側面部に配設した軸受部(不図示)間に回転可能に支持させて配設してある。各カートリッジPにおいて、右側面部が駆動側であり、その反対側の左側面部が非駆動側である。駆動側である右側面部の軸受部には、感光体ドラム1の駆動入力部としてのカップリング嵌合部(不図示)を具備させてある。非駆動側である左側面部には、カートリッジPの電気接点(不図示)を配設してある。左側面部と右側面部にはカートリッジ枠体の天井板部分それぞれを左右方向に延長して張り出させて、庇部51を具備させてある。庇部51は、カートリッジトレイ35にカートリッジPを挿入した際に、落下防止の役割を果たす。
【0046】
カートリッジPのカップリング嵌合部と装置本体100の駆動カップリング(不図示)とが嵌合することで、感光体ドラム1に駆動が伝達される。
【0047】
図5(b)は、カートリッジPのドラム軸線方向と垂直な方向から見たカートリッジPの断面図である。図10(a),(b)は、カートリッジPのドラム軸線方向から見たカートリッジPの断面図である。画像形成装置本体100の駆動カップリングからの駆動力はカートリッジPのカップリング嵌合部で駆動伝達され、感光体ドラム1は図6において反時計回り方向に所定の速度で回転駆動される。帯電手段としての帯電器2は感光体ドラム1に接触して従動回転する接触帯電方式の帯電部材である。クリーニング手段としてのクリーニングブレード50は弾性ゴムブレードであり、先端部を感光体ドラム1の回転方向に対してカウンター方向にして感光体ドラム1に当接させて配置してある。クリーニングブレード50は感光体ドラム1に残留した現像剤を除去する役目をする。このクリーニングブレード50により除去された転写残現像剤は、クリーニング容器4内に収容される。
【0048】
現像手段としての現像ユニット3は、現像ローラ3aと、現像ブレード52と、現像室3bと、現像剤収容部3cとを有する。図6に示すように、現像ローラ3aは現像室3bに配置され、現像ブレード52は先端部を現像ローラ3aの回転方向(図6において矢印G方向)に対してカウンター方向にして現像ローラ3aに当接して配置してある。現像ブレード52は、現像ローラ3aの周面に現像剤tを薄層に規制する役目をする。現像剤収容部3cと現像室3bの間には、現像剤収容部3cから現像室3bへの現像剤量を規制して供給する現像剤供給のための現像開口53が設けてある。開口53は、図5(b)に示すように、長手方向に渡って延在している。新品のカートリッジPにおいては、開口53に、図5(b)及び図10(a)に示すようにフィルム状のシール部材47が熱溶着などの方法により貼り付けられている。シール部材47により現像剤収容部3cと現像室3bとが分離されている。そして、現像剤収容部3cには現像剤tが充填されている。
【0049】
即ち、新品のカートリッジPが使用者によって使用されるまでの間に現像剤tが収容部3cから現像室3bへ出てこないようにするため、開口53はシール部材47で開封可能に塞がれている。ここでは、シール部材47は、開口53の外縁に熱溶着にて固定され、開口53の非駆動側から駆動側までを封止した後、駆動側の端部で折り返され、現像ユニット3の非駆動側のシール部材引き出し口54を通して現像ユニットの外側に引き出される。引き出し口54から引き出されたシール部材47の先端部は、後述するシール部材の開封機構を構成する巻き取り軸48に熱溶着などの方法で固定されている。
【0050】
<シール部材の開封機構>
次に、シール部材47の開封機構(開封手段)について、主に図1(a)及び図4を用いて説明する。図4は、各カートリッジPが装着されたトレイ35の斜視図である。図4に示すように、シール部材47の開封機構は、巻き取り軸48と、駆動入力ローラ40と、巻き取り軸48に駆動入力ローラ40の回転を伝達する回転伝達部材と、を有する。
【0051】
巻き取り軸48は、現像剤を供給する開口53を開封可能にシールするシール部材47を巻き取るための巻き取り部材である。巻き取り軸48は、図5(a)(b)に示すように、各カートリッジPの非駆動側の側面に設けられている。巻き取り軸48には、駆動入力ギア(回転入力部)46が設けられている。巻き取り軸48は、駆動入力ギア46に駆動が伝達されることで、一体となって回転する。
【0052】
駆動入力ローラ40は、図4に示すように、トレイ35の非駆動側であって、かつトレイ35の装着方向奥側(装置本体の外側位置から内側位置への移動方向下流側)に1つ設けられている。ローラ40には、駆動伝達ギア41が設けられている。ローラ40は、トレイ35の移動に伴って装置本体100に摺動して回転する回転部材である。ローラ40が回転することで、ギア41が一体となって回転する。
【0053】
回転伝達部材は、図4に示すように、駆動伝達ギア42と、駆動伝達軸44と、駆動出力ギア(回転出力部)45と、を有し、トレイ35の非駆動側の側面に設けられている。この回転伝達部材は、ローラ40の回転を全てのカートリッジPの巻き取り軸48に伝達する。
【0054】
ギア42は、軸44の端部(装置本体の奥側の端部)に設けられ、ローラ40が有するギア41と噛み合っている。ギア45は、各カートリッジPの非駆動側の側面に設けられた駆動入力ギア46と噛み合うように、軸44に設けられている。ギア42に駆動が伝達されることで、軸44及び各ギア45が一体となって回転し、ギア46を介して全ての巻き取り軸48に駆動が伝達される。
【0055】
上記開封機構により、トレイ35を装置本体100の外側位置から内側位置へ移動させることで、トレイ35に支持された各カートリッジPのシール部材47を巻き取って開封することができる。
【0056】
詳しくは、まずトレイ35を装置本体100の外側位置から内側位置へ移動させることで、トレイ35に設けられたローラ40が装置本体100に設けられたレール部材34と摺動して回転駆動される。このレール部材34との摺動で得た駆動力は、ギア41,42及び駆動伝達軸44を介して、各ギア45へと駆動伝達される。更にその駆動力は、各ギア45と噛み合っている各カートリッジPのギア46に伝達されて、引き出し口54から引き出されたシール部材47を固定した巻き取り軸48を同時に回転駆動する。この回転駆動により開口53に渡って延在するシール部材47を巻き取って、開口53を開封することができる。
【0057】
<駆動解除部材の構成>
次に、トレイ35に設けた駆動解除部材60について、図7及び図8を用いて説明する。図7は駆動解除部材により回転の伝達を解除した状態を示す斜視図である。図8は駆動解除部材の規制が解除され回転の伝達が可能な状態を示す斜視図である。
【0058】
画像形成装置の組立工場からの出荷の際に、カートリッジPをあらかじめ装置本体100に装着した状態で出荷する場合がある。このような場合、画像形成装置の組立工場からの出荷の際のトレイ35の移動動作によって、カートリッジPのシール部材47が巻き取られることを防止する必要がある。
【0059】
図7及び図8に示すように、トレイ35に設けたギア42は、軸44の軸方向に移動可能に保持されている。ギア42は、押圧バネ(弾性部材)43の弾性力によって駆動伝達位置に押圧されている。ここで、駆動伝達位置とは、ギア42とギア41とが噛み合う位置である。
【0060】
駆動解除部材60は、ギア42に作用してローラ40から巻き取り軸48への回転の伝達を解除した状態にする回転伝達解除部材である。駆動解除部材60は、軸44に係合し、ギア42に作用して駆動伝達ギア42の軸方向の位置を規制する規制部60dを有している。また駆動解除部材60は、駆動解除部材60の図8に示す駆動伝達位置と図7に示す駆動解除位置の移動を案内するガイド孔60aとガイド孔60bを有している。ガイド孔60aは、カートリッジトレイ35に固定されたガイド軸35cに規制されて、駆動解除部材60の移動を案内する。また、ガイド孔60bは、カートリッジトレイ35に固定された保持軸35bに規制されて、ガイド孔60aとともに、駆動解除部材60の移動を案内する。更にガイド孔60bは、駆動解除部材60を回転の伝達を解除した状態で保持するための保持孔60cを有している。この保持孔60cで保持軸35bを保持することで、ギア42を図7に示す駆動解除位置で保持する。すなわち、解除部材60は、ギア42に作用してローラ40から巻き取り軸48への回転の伝達を解除した状態になる。
【0061】
図7に示すように駆動を解除状態にすることにより、トレイ35を画像形成装置本体100内に収納する動作で各カートリッジPのシール部材47が巻き取られることを防止する。
【0062】
これにより、現像剤tが現像剤収容部3cから出ることなく、カートリッジPをあらかじめ装置本体100に装着した状態で出荷することができる。しかしながら本実施形態はこれに限定されるものではなくて、カートリッジPは装置本体100とは別に、カートリッジPのみで出荷しても良い。このような場合であっても、本実施形態によれば、シール部材47が不用意に巻き取られることを防止することができる。
【0063】
更に、図7(a)に示すように、装置本体100のレール部材34には、前記駆動解除部材60に作用して前記回転を伝達可能な状態に切り替える凸部(力付与部)34aが設けられている。従って、カートリッジトレイ35を装置本体100から引き出す動作(矢印A方向)で、レール部材34に設けた凸部34aに駆動解除部材60が係合し、保持孔60cと保持軸35bとの係合(保持)が解除される。これにより、図8に示すように、駆動解除部材60は前記回転が伝達可能な状態に切り替えられ、押圧バネ43の弾性力によりギア42が駆動伝達位置に押圧されてローラ40と一体に取り付けられているギア46と噛み合う。すなわち、ローラ40から巻き取り軸48へ回転力を伝達することが可能な状態となる。
【0064】
このように、トレイ35を画像形成装置本体100から引き出す動作を一度行うことで、この後、ギア42は常に駆動伝達位置に保持される。
【0065】
<カートリッジ保持機構>
次に、カートリッジPをトレイ35に装着する装着時のカートリッジPの保持機構について、図9を用いて説明する。図9はカートリッジの保持機構の構成図であり、図9(a)はカートリッジ保持前の状態を示す図であり、図9(b)はカートリッジが保持された状態を示す図である。
【0066】
新品のカートリッジPに設けられたシール部材47の開封はトレイ35に設けたギア45の駆動力(回転力)をギア46で受け、巻き取り軸48を回転駆動することで、シール部材47を巻き取る構成である。従って、ギア45の駆動力をギア46に確実に伝達するために、駆動伝達時におけるトレイ35とカートリッジPとの位置を規制する必要がある。そこで、規制部材としてのカートリッジ保持部材61により、トレイ35に設けた各駆動出力ギア45と各カートリッジPが有する駆動入力ギア46との位置を、回転を伝達する位置(噛み合う位置)に規制するようにしている。図9に示すように、カートリッジ保持部材61は、各々のギア45とギア46が対応するように、トレイ35の駆動出力ギア軸(駆動伝達軸44)に回転自在に取り付けられている。
【0067】
図9(a)に示すように、カートリッジPがトレイ35に装着されていないときには、カートリッジ保持部材61は付与バネ(弾性部材)62の弾性力によりトレイ35に設けた突き当て部64に突き当った位置に位置する。バネ62は、カートリッジ保持部材61とトレイ35に設けた付与バネ保持部63とで保持される。
【0068】
カートリッジPをトレイ35に挿入する際は、カートリッジPとカートリッジPに設けたギア46を回転可能に保持する駆動入力ギア軸49は図中矢印B方向に移動する。矢印B方向に移動したカートリッジPに設けた駆動入力ギア軸49は、カートリッジ保持部材61と係合する。これによって、カートリッジ保持部材61はバネ62の力に抗して図中矢印C方向へ回転移動する。
【0069】
図9(b)に示すように、カートリッジPに設けた庇部51がトレイ35と係合して、カートリッジPの図中上下方向の位置が決る。また、各カートリッジの有するギア軸49が、トレイ35の各カートリッジ保持部材61に設けた溝61aと嵌合し、駆動入力ギア46と駆動出力ギア45とが噛み合う。これにより、ギア46とギア45とが噛み合う軸間距離を保った状態でカートリッジPがトレイ35に保持され、シール部材47の開封時の駆動によるカートリッジPの動きを規制する。
【0070】
ここでは、規制部材としてのカートリッジ保持部材61をトレイ35に回転自在に取り付けた構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、カートリッジ保持部材61を各カートリッジPの有するギア軸49に回転自在に取り付けた構成としても良い。或いは、カートリッジ保持部材61をトレイ35やカートリッジPとは別に設ける。そして、カートリッジPをトレイ35に装着した後に、使用者がカートリッジ保持部材61をギア41,42の軸に係合させてカートリッジPの動きを規制するようにしても良い。
【0071】
<カートリッジ交換時のシール部材の開封構成>
次に、開口53を封止された新品カートリッジPの交換時におけるシール部材47の開封構成について説明する。新品のカートリッジPも前述したとおり開口53を封止するシール部材47が取り付けられた上体で、単品輸送され、使用者の下へ輸送される。
【0072】
まず、使用済みカートリッジPを取り出すには、画像形成装置本体に収納されたトレイ35を引き出す。トレイ35の引き出し動作によりローラ40が回転し、巻き取り軸48がシール部材47を巻き取り方向とは逆方向に回転する。この際に、シール部材47はカートリッジP内に留まる。そのため、使用者はシール部材47を触れることなくトレイ35から取り出すことが可能である。
【0073】
次に、使用済みカートリッジPを取り出したトレイ35に、シール部材47によって開口53が封止された状態の新品カートリッジPを装着する。すると、図9(b)に示すように、カートリッジ保持部材61により、カートリッジ側のギア46とトレイ側のギア45とが噛み合った状態で、新品カートリッジPがトレイ35に装着される。
【0074】
そして、新品カートリッジPを装置本体100の内部に収納すべく、新品カートリッジPが装着されたトレイ35を外側位置から内側位置に向けてスライド移動させる。トレイ35の移動に伴ってローラ40が装置本体100内のレール部材34に摺動して回転する。ローラ40の回転が、ギア41,42、軸44を介して、各カートリッジPに対応するギア45に伝達される。そして、各ギア45と噛合している各カートリッジPの有するギア46に伝達される。これによって、各カートリッジPの巻き取り軸48が回転し、シール部材47を巻き取り、各カートリッジPが有する開口53を開封する。
【0075】
上述したように、各カートリッジPが装着されたトレイ35を装置本体100の外側位置から内側位置へ移動させるだけで、各カートリッジPのシール部材47の開封を行うことができる。これにより、各カートリッジPの有するシール部材47を容易に開封することを実現し、ユーザビリティ性を向上させることができる。また、シール部材47を開封する構成を簡略化し、安価で小型な画像形成装置を提供することができる。
【0076】
また、カートリッジPをあらかじめ装置本体100に装着した状態で出荷する場合に、駆動解除部材60によってローラ40から巻き取り軸48への回転の伝達を解除した状態にすることができる。このため、画像形成装置の組立工場からカートリッジPをあらかじめ装置本体100に装着した状態で出荷する際のトレイ35の移動動作によって、カートリッジPのシール部材47が巻き取られるのを防止することができる。そして、使用者が画像形成装置を使用するまで、現像剤tを収容部3cに収容した状態にできる。また、画像形成装置の初期使用時にトレイ35を装置本体から引き出す動作により、駆動解除部材60は凸部(力付与部)34aに係合して前記回転が伝達可能な状態に切り替えられる。これにより、ギア42がローラ40と一体のギア46と噛み合い、ローラ40から巻き取り軸48へ回転力を伝達することが可能な状態となる。このため、引き出したトレイ35を装置本体の内部に収納する動作により、全てのカートリッジPのシール部材47を巻き取り、開口53を開封することができる。
【0077】
また、カートリッジPの交換作業においても、トレイ35を装置本体から引き出し、カートリッジPを交換し、トレイ35を装置本体内に収納する、一連の交換作業のみで、新品カートリッジPに設けられたシール部材47を開封することができる。
【0078】
また、カートリッジ保持部材61により、トレイ35に設けた各ギア45と各カートリッジPのギア46との位置を、回転を伝達する位置に規制している。これにより、トレイ35に対する各カートリッジPの位置を規制することができ、各ギア45の駆動力を各ギア46に確実に伝達することができる。そして、トレイ35を装置本体100内に収納する動作により全てのカートリッジPのシール部材47を同時に巻き取り、開口53を開封することができる。
【0079】
〔第2実施形態〕
本実施形態では、カートリッジPを装着したトレイ35を装置本体100へ収納する時に各カートリッジのシール部材47の開封タイミングをずらす構成を示す。尚、本実施形態では、第1実施形態と異なる構成の説明を中心に行う。
【0080】
カートリッジPに設けたシール部材47の開封時に必要な力は、図10に示すように、シール部材47の開封初期から開封終わりの範囲で異なっている。詳しくは、シール部材47の開封初期と開封終わりは、シール部材47の溶着部の面積がシール部材47の中間部に比べて広く、かつシール部材47の溶着部が巻き取り方向に対して交差する方向に溶着されている。これに対してシール部材47の中間部は、シール部材47の溶着部の面積がシール部材47の開封初期や開封終わりに比べて狭く、かつシール部材47の溶着部が巻き取り方向に溶着されている。このため、シール部材47の開封初期と開封終わりは、シール部材47の中間部に比べて、シール部材47の巻き取りに大きな力が必要となる。従って、トレイ35に装着したカートリッジPのシール部材47を4本同時に巻き取り始めるには、より大きな力が必要となる。
【0081】
ここで、トレイ35の画像形成装置本体100への収納時にシール部材の開封開始タイミングをずらして行う機構について、図11乃至図14を用いて説明する。
【0082】
図11に示すように、本実施形態では、回転伝達部材を構成する駆動伝達軸が、各カートリッジPに対応するように軸方向において分割された駆動伝達軸70,71,72,73となっている。軸70,71,72,73は、同一軸中心で回転可能に設けられている。そして、軸70,71,72,73は、各軸の接合部が、図12に示すように、ローラ40の回転を各カートリッジPの巻き取り軸48に伝達するタイミングをずらすように構成されている。
【0083】
軸70,71の接合部には、回転力を伝達するための駆動伝達リブ70aと、前記リブ70aの回転を伝達しない空間部71cとリブ70aに係合して回転を伝達する係合部71dと有する駆動受け部71bが設けられている。同様に、軸71,72の接合部には、回転を伝達するための駆動伝達リブ71aと、リブ71aの回転力を伝達しない空間部72cと前記リブ71aに係合して回転を伝達する係合部72dと有する駆動受け部72bとが設けられている。同様に、軸72,73の接合部には、回転力を伝達するための駆動伝達リブ72aと、前記リブ72aの回転力を伝達しない空間部73cと前記リブ72aに係合して回転力を伝達する係合部73dと有する駆動受け部73bが設けられている。
【0084】
ここで、各シール部材の巻き取り開始のタイミングがずらされる動作について図13を用いて説明する。軸70,71,72,73に設けられたリブ70a,71a,72aと受け部71b,72b,73bは、図13(a)に示す状態で各接合部が接合されている。ここでは、軸70,71の接合部を例示して動作を説明するが、軸71,72及び軸72,73の各接合部の動作も同様である。
【0085】
トレイ35を画像形成装置本体100内に収納する動作で得た駆動力によって、まず最奥側の軸70が図中矢印D方向に回転する。回転する軸70のリブ70aは、受け部71bの空間部71c(1/4回転)により、回転力を次の軸71に伝達しない状態となっている。そのため、軸70は単独で回転する。これにより、カートリッジPYのみのシール部材47の巻き取りが開始される。
【0086】
さらにトレイ35を画像形成装置本体100内に挿入していくと、図13(b)に示すように、軸70が回転を続け、軸70のリブ70aが受け部71bの係合部71dに係合する。これにより、図13(c)に示すように、軸70の駆動力が軸71に伝達され、軸70とともに軸71が図中矢印D方向に回転する。これにより、カートリッジPMのシール部材47の巻き取りが開始される。このとき、図14に示すように、先に巻き取りが開始されているカートリッジPYは、開封初期における開封強度のピークを過ぎている。そのため、カートリッジPMのシール部材47の巻き取りを同時に開始する場合に比べて、軽い力で巻き取り始めることができる。すなわち、トレイ35の装置本体100内への収納操作力を低減することができる。
【0087】
同様にして、軸71,72及び軸72,73の各接合部においても、受け部72b,73bの空間部72c,73cの分だけ、所定量(1/4回転)だけタイミングがずれて駆動が伝達される。これにより、カートリッジPC,PKのシール部材47の巻き取りも所定のタイミングずつ遅れて開始される。このようにして各カートリッジPのシール部材の巻き取り開始のタイミングを所定タイミングずつずらすことにより(図14参照)、シール部材47の巻き取りを同時に開始する場合に比べて、軽い力で巻き取り始めることができる。すなわち、新品のカートリッジを装着したカートリッジトレイ35の装置本体100内への収納操作力を低減することができる。
【0088】
また、使用済みカートリッジPをシール部材47が有る新品カートリッジPへ交換する際は、まず画像形成装置本体100からトレイ35を引き出す。このときのトレイ35の引き出し動作により、軸70は図13に示す矢印D方向と逆方向に単独で回転駆動される。さらに、トレイ35を引き出すと、図13(a)に示すようにリブ70aと受け部71bとが係合し、軸70の回転力が軸71へと伝達される。さらに、トレイ35を引き出すと軸72,73のリブ71a,72aと受け部72b,73bも順次図13(a)に示すように、初期状態へと戻される。
【0089】
このように初期状態(図13(a)に示す状態)に戻された軸70,71,72,73を、再び画像形成装置本体100内へ収納する際は、前述したとおり所定のタイミング(1/4回転)ずつ遅れて回転力が伝達される。
【0090】
上述したように、各カートリッジPのシール部材47の巻き取り開始のタイミングを、所定のタイミングずつずらして開始することができる。これにより、前述した実施形態による効果に加えて、各カートリッジPを装着したトレイ35の装置本体100内への収納操作力を低減することができる。
【0091】
また、トレイ35を装置本体100から引き出す動作により、常に軸70,71,72,73は初期状態に戻される。そのため、複数の新品カートリッジPを同時に交換する際にも、トレイ35の画像形成装置本体100内への収納操作力を低減することができる。
【0092】
なお、ここでは、ローラ40の回転を各カートリッジPの巻き取り軸48に伝達するタイミングのずらし量として、1/4回転を例示しているが、これに限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。
【0093】
〔他の実施形態〕
前述した各実施形態では、トレイ35は装置本体100の設置面(図示せず)に対して水平方向に移動する。しかしながら、本発明はこれに限定されずに、トレイ35は装置本体100の設置面(図示せず)に対して、例えば斜め上方、或いは、斜め下方に直線的に移動しても良い。また、トレイ35は装置本体の設置面(図示せず)に対して垂直方向に直線的に移動しても良い。トレイ35は、支持する(収容する、装着する)カートリッジPの長手方向と直交する方向に直線的に移動する。尚、カートリッジPの長手方向とは、感光体ドラム1の長手方向、又は、現像ローラ3aの長手方向である。
【0094】
また、前述した各実施形態において、カートリッジ着脱位置とは、トレイ(カートリッジ支持部材)35に対してカートリッジPの着脱を行う位置である。そして、カートリッジ着脱位置は、各カートリッジPが画像形成位置に位置している場合よりも、トレイ(カートリッジ支持部材)35の引き出し方向Eにおいて、下流側に位置している。各実施形態によれば、カートリッジ着脱位置とは、使用者が装置本体100の外側から、トレイ35に支持されているカートリッジPをトレイ35から取り出すことができる位置、及び、使用者が装置本体100の外側から、カートリッジPをトレイ35に支持させることができる位置である。したがって、カートリッジ着脱位置とは、装置本体100の外側に限定されるものではなく、装置本体100の内側であっても、トレイ35に対してカートリッジPの着脱を行うことができる位置ならば良い。
【0095】
また、前述した各実施形態によれば、トレイ35は、装置本体に対してカートリッジの長手方向と直交する方向に、直線的に移動可能である。しかしながら、トレイ35は、装置本体に対してカートリッジの長手方向と平行な方向に、直線的に移動可能であっても良い。この場合、回転部材としてのローラ40を装着方向奥側であって、トレイ35の移動方向側面に設け、更にこの回転が伝達される回転伝達部材及び巻き取り部材を、前記装着方向奥側など、ローラ40からの駆動伝達が可能な位置に設ける必要がある。
【符号の説明】
【0096】
I …内側位置、O …外側位置、P,PY,PM,PC,PK …カートリッジ、S …記録媒体、t …現像剤、1 …感光体ドラム、34 …レール部材、34a …凸部、
35 …カートリッジトレイ、35b …保持軸、35c …ガイド軸、40 …駆動入力ローラ、41,42 …駆動伝達ギア、43 …押圧バネ、44 …駆動伝達軸、45 …駆動出力ギア、46 …駆動入力ギア、47 …シール部材、48 …巻き取り軸、53 …現像開口、60 …駆動解除部材、60a,60b …ガイド孔、60c …保持孔、60d …規制部、61 …カートリッジ保持部材、70,71,72,73 …駆動伝達軸、70a,71a,72a …駆動伝達リブ、71b,72b,73b …駆動受け部、71c,72c,73c …空間部、71d,72d,73d …係合部、100 …装置本体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカートリッジを装置本体に取り外し可能に装着して、記録媒体に画像を形成するカラー電子写真画像形成装置において、
前記カートリッジを支持して、前記装置本体の内側に位置する内側位置と、前記装置本体の外側に位置する外側位置と、の間を移動するカートリッジ支持部材と、
前記カートリッジに設けられ、現像剤を供給する開口を開封可能にシールするシール部材を巻き取るための巻き取り部材と、
前記カートリッジ支持部材に設けられ、前記カートリッジ支持部材の移動に伴って回転する回転部材と、
前記カートリッジ支持部材に設けられ、前記巻き取り部材に前記回転部材の回転を伝達する回転伝達部材と、を有し、
前記カートリッジ支持部材の外側位置から内側位置への移動により、前記カートリッジ支持部材に支持されたカートリッジのシール部材を開封することを特徴とするカラー電子写真画像形成装置。
【請求項2】
前記回転部材又は前記回転伝達部材に作用して前記回転部材から前記巻き取り部材への回転の伝達を解除した状態にする回転伝達解除部材と、前記回転伝達解除部材に作用して前記回転を伝達可能な状態に切り替える力付与部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のカラー電子写真画像形成装置。
【請求項3】
前記カートリッジ支持部材の回転伝達部材が有する回転出力部と前記カートリッジの巻き取り部材が有する回転入力部との位置を、回転を伝達する位置に規制する規制部材を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のカラー電子写真画像形成装置。
【請求項4】
前記回転伝達部材は、前記回転部材の回転を複数のカートリッジの巻き取り部材に伝達するタイミングをずらすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカラー電子写真画像形成装置。
【請求項1】
複数のカートリッジを装置本体に取り外し可能に装着して、記録媒体に画像を形成するカラー電子写真画像形成装置において、
前記カートリッジを支持して、前記装置本体の内側に位置する内側位置と、前記装置本体の外側に位置する外側位置と、の間を移動するカートリッジ支持部材と、
前記カートリッジに設けられ、現像剤を供給する開口を開封可能にシールするシール部材を巻き取るための巻き取り部材と、
前記カートリッジ支持部材に設けられ、前記カートリッジ支持部材の移動に伴って回転する回転部材と、
前記カートリッジ支持部材に設けられ、前記巻き取り部材に前記回転部材の回転を伝達する回転伝達部材と、を有し、
前記カートリッジ支持部材の外側位置から内側位置への移動により、前記カートリッジ支持部材に支持されたカートリッジのシール部材を開封することを特徴とするカラー電子写真画像形成装置。
【請求項2】
前記回転部材又は前記回転伝達部材に作用して前記回転部材から前記巻き取り部材への回転の伝達を解除した状態にする回転伝達解除部材と、前記回転伝達解除部材に作用して前記回転を伝達可能な状態に切り替える力付与部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のカラー電子写真画像形成装置。
【請求項3】
前記カートリッジ支持部材の回転伝達部材が有する回転出力部と前記カートリッジの巻き取り部材が有する回転入力部との位置を、回転を伝達する位置に規制する規制部材を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のカラー電子写真画像形成装置。
【請求項4】
前記回転伝達部材は、前記回転部材の回転を複数のカートリッジの巻き取り部材に伝達するタイミングをずらすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカラー電子写真画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−217814(P2010−217814A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−67351(P2009−67351)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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