説明

ガソリン価格情報収集システム、ガソリン価格情報収集方法およびナビゲーション装置

【課題】ガソリンスタンドにおけるガソリン価格の正確な情報を迅速に収集するガソリン価格情報収集システム、ガソリン価格情報収集方法およびナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】車両がガソリンスタンドに接近すると、ナビゲーション装置1に設けたカメラでガソリンスタンドを撮影する。撮影したガソリンスタンドの画像を画像処理し、ガソリン価格の表示部分からガソリン価格を認識する。そして、撮影したガソリンスタンドの位置情報と、認識したガソリン価格情報とを情報センタ2に送信する。ガソリン価格情報を受信した情報センタ2は、サーバ21にその情報を記憶し、サーバ21に格納されているガソリン価格データを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガソリンスタンドにおけるガソリン価格の情報を収集するガソリン価格情報収集システム、ガソリン価格情報収集方法およびナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末装置やビーコンレシーバシステムを利用してガソリンスタンドの燃料代単価の情報を受信する経路案内装置が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。ガソリンスタンドの燃料代単価の情報は管理サーバに記憶され、データ通信により経路案内装置に送信される。
【特許文献1】特開2002−195843号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているような従来の経路案内装置では、表示される燃料代単価情報の信頼性は、管理サーバに記憶されているガソリンスタンドの燃料代単価の情報の正確さに依存する。しかし、特許文献1には、如何にしてガソリンスタンドの正確な燃料代単価の情報を収集して、管理サーバに記憶させるかについて開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明のガソリン価格情報収集システムは、ガソリンスタンドを撮影する撮影手段、撮影したガソリンスタンドの画像よりガソリン価格を認識するガソリン価格認識手段および認識したガソリン価格を送信するガソリン価格送信手段を備えたナビゲーション装置と、ガソリン価格を受信する通信手段および受信したガソリン価格を記憶するガソリン価格記憶手段を備えた情報センタとを含むことを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載のガソリン価格情報収集システムにおいて、ナビゲーション装置の撮影手段は、ナビゲーション装置を搭載した車両がガソリンスタンドに接近するとガソリンスタンドを撮影することを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1または2に記載のガソリン価格情報収集システムにおいて、情報センタのガソリン価格記憶手段は、同一のガソリンスタンドの最新のガソリン価格を抽出し、そのガソリンスタンドにおけるガソリン価格として記憶することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガソリン価格情報収集システムにおいて、情報センタのガソリン価格記憶手段は、同一のガソリンスタンドの価格を抽出し、ガソリン価格のうち最も件数の多いものをそのガソリンスタンドにおけるガソリン価格として記憶することを特徴とする。
(5)請求項5の発明のガソリン価格情報収集方法は、車両に搭載したカメラによってガソリンスタンドを撮影し、撮影したガソリンスタンドの画像よりガソリン価格を認識し、認識したガソリン価格を送信し、送信したガソリン価格を受信し、受信したガソリン価格を記憶することを特徴とする。
(6)請求項6の発明のナビゲーション装置は、ガソリンスタンドを撮影する撮影手段と、撮影したガソリンスタンドの画像よりガソリン価格を認識するガソリン価格認識手段と、認識したガソリン価格を送信するガソリン価格送信手段とを備えることを特徴とする。
(7)請求項7の発明は、請求項6に記載のナビゲーション装置において、撮影手段は、車両がガソリンスタンドに接近するとガソリンスタンドを撮影することを特徴とする。
(8)請求項8の発明のナビゲーション装置は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報センタから送信された、ガソリン価格記憶手段によって記憶されたガソリン価格を受信するガソリン価格受信手段を備えることを特徴とする。
(9)請求項9の発明は、請求項8に記載のナビゲーション装置において、ガソリン価格受信手段によって受信したガソリン価格のうちの最も価格の安いガソリンスタンドの表示形態を他のガソリンスタンドの表示形態と変更して表示するガソリンスタンド表示制御手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、ガソリンスタンドのガソリン価格の正確な情報を迅速に収集することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の一実施形態によるガソリン価格情報収集システムの構成を図1に示す。図1のガソリン価格情報収集システムは、車両に設けられたナビゲーション装置1と情報センタ2とを含む。ナビゲーション装置1と情報センタ2とはネットワーク3を介して接続している。このガソリン価格情報収集システムでは、ナビゲーション装置1が取得したガソリンスタンドのガソリン価格情報を、ネットワーク3を介して情報センタ2に送信することができる。そして、送信されたガソリンスタンドのガソリン価格情報は情報センタ2のサーバ21に格納される。
【0007】
ナビゲーション装置1の詳細については後述する。情報センタ2はサーバ21を備える。サーバ21には、ガソリンスタンドのガソリン価格データが記憶されている。ガソリンスタンドのガソリン価格データ20には、図2に示すように、ガソリンスタンドの位置(緯度、経度)、レギュラーガソリンの1リットル当たりの価格、ハイオクガソリンの1リットル当たりの価格、軽油の1リットル当たりの価格、同じ情報が送信された件数およびデータの更新日時が格納されている。
【0008】
ガソリン価格情報収集システムを構成するナビゲーション装置1の構成を図3に示す。ナビゲーション装置1は、車両前方右方向または車両前方左方向に存在するガソリンスタンドを撮影し、撮影した画像からガソリンの価格を読み込むことができる。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、通信装置19、カメラ110、データ記憶部111、ガソリン価格認識部112およびディスクドライブ113を有している。ディスクドライブ113にはDVD−ROM114が装填される。
【0009】
制御回路11は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。この制御回路11がDVD−ROM114に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が推奨経路として表示モニタ16に表示される。
【0010】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置であり、たとえば、車両の進行方向を検出する振動ジャイロ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS( Global Positioning System )衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14cなどから成る。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上にその現在地を表示する。
【0011】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはディスクドライブ113によって読み込まれるDVD−ROM114に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示などを行うことができる。
【0012】
ディスクドライブ113は、装填されたDVD−ROM114から、表示モニタ16へ地図を表示するための地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データ、施設データなどを含み、表示用および経路探索用データには、道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。施設データは、施設に関する情報を含み、具体的には、各種施設の位置(緯度、経度)、名称、種別、そのほか住所や営業時間などの詳細情報を含む。施設データの位置(緯度、経度)の情報より、車両の現在地周辺の施設を検索することができる。また、施設の種別の情報より、ガソリンスタンドなど、特定のカテゴリの施設を検索することができる。なお、DVD−ROM114以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0013】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面表示としてユーザに提供する。スピーカ17は、ユーザの各種入力操作をガイトしたり、ユーザに対し経路誘導するための音声を出力したりする。入力装置18は、ユーザが各種コマンドの設定などするための操作キーを有し、操作パネル上のボタンスイッチやパネル周囲のハードスイッチなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16の表示画面の指示に従ってパネル上のボタンスイッチを指で押圧することにより、目的地選択などの設定操作を行う。
【0014】
目的地がユーザにより設定されると、ナビゲーション装置1は現在地検出装置14により検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。以下、この経路演算を経路探索と呼ぶ。このようにして求められたルート(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路と区別して画面表示される。これにより、ユーザは地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、推奨経路に従って車両が走行できるように、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を経路誘導する。
【0015】
通信装置19は、携帯端末の無線手段を利用してデータ通信を行うことができる。通信装置19はネットワーク3を介して情報センタ2と接続し、ナビゲーション装置1が検出したガソリン価格情報を送信することができる。
【0016】
カメラ110は車両の前方部に設けられ、車両前方右方向または車両前方左方向に存在するガソリンスタンドを撮影する。
【0017】
データ記憶部111は、フラッシュメモリやハードディスクなどの書き換え可能な記録媒体によって構成され、ナビゲーション装置1の機能に必要なデータを記憶する。データ記憶部111に記憶された情報は、制御回路11によって適宜読み出されて利用される。また、情報センタ2から送信されたガソリンスタンドのガソリン価格情報を記憶したり、カメラ110が撮影した画像を記憶したりする。
【0018】
ガソリン価格認識部112は、カメラ110が撮影したガソリンスタンドの画像からガソリン価格を認識する。ガソリン価格認識部112におけるガソリン価格の認識方法について図4を参照して説明する。ガソリン価格を表示した看板や掲示板は、ガソリンスタンドの目立つ位置に表示される。したがって、ガソリンスタンドを撮影すると、図4(a)に示すようなガソリン価格表示した看板や掲示板も撮影される。次に、撮影した画像の濃淡から、図4(b)に示すようにエッジ抽出する。抽出したエッジを「レギュラー」、「ハイオク」や「軽油」の文字パターンと照合して、撮影した画像の中から、「レギュラー」、「ハイオク」や「軽油」の文字が表示されている位置を探す。そして、図4(b)に示すように、「レギュラー」、「ハイオク」や「軽油」の文字の左側に位置する数字、または「レギュラー」、「ハイオク」や「軽油」の文字の下側に位置する数字を、数字パターンと照合して認識する。ガソリンスタンドでは、通常、「レギュラー」、「ハイオク」および「軽油」という文字が表示され、それぞれの文字の左側または下側に1リットル当たりのガソリンの価格が表示される。したがって、抽出したエッジから「レギュラー」、「ハイオク」および「軽油」という文字の左側または下側に位置する数字を認識することによって、図3(c)に示すように、レギュラーガソリン、ハイオクガソリンおよび軽油の1リットル当たりの価格を認識することができる。
【0019】
次に、本発明の一実施形態におけるガソリン価格情報収集システムにおけるナビゲーション装置1のガソリン価格情報取得処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。図5の処理は、ナビゲーション装置1の電源がオンになるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0020】
ステップS501では、DVD−ROM114に記憶されている地図データと照合して、車両進行方向のガソリンスタンドを検出する。ステップS502では、現在地検出装置14によって車両の現在地を検出して、検出したガソリンスタンドから所定距離内に車両が接近したか否かを判定する。所定距離は車両からガソリンスタンドを撮影可能な距離である。車両が検出したガソリンスタンドに所定距離内に接近した場合はステップS502が肯定判定され、ステップS503へ進む。車両がまだ接近していない場合はステップS502を繰り返す。
【0021】
ステップS503では、ガソリンスタンドを撮影する。ステップS504では、現在地検出装置14によって車両の現在地を検出して、車両が検出したガソリンスタンドを通過したか否かを判定する。車両が、検出したガソリンスタンドを通過した場合はステップS504が肯定判定され、ステップS505へ進む。車両が、検出したガソリンスタンドをまだ通過していない場合はステップS504が否定判定され、ステップS503に戻る。
【0022】
ステップS505では、検出したガソリンスタンドの撮影を終了する。ステップS506では、ガソリン価格認識部112によって、撮影したガソリンスタンドの画像からガソリン価格を認識する。ステップS507では、通信装置19によって、撮影したガソリンスタンドの位置情報(ガソリンスタンドの緯度、経度)と、ガソリン価格情報とを情報センタ2に送信する。
【0023】
次に、本発明の一実施形態におけるガソリン価格情報収集システムにおける情報センタ2のガソリン価格データ更新処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。ステップS601では、通信装置22によって、ガソリンスタンドのガソリン価格情報を受信したか否かを判定する。受信した場合はステップS601が肯定判定され、ステップS602へ進む。受信していない場合は、ステップS601を繰り返す。ステップS602では、受信したガソリンスタンドのガソリン価格情報をサーバ21に記憶し、ガソリン価格データ20を更新する。ナビゲーション装置1から送信されるデータには、ガソリン価格情報のほかに、ガソリンスタンドの位置情報(ガソリンスタンドの緯度、経度)も含まれる。この位置情報をガソリン価格データ20の位置情報と照合することによって、ナビゲーション装置1が送信したガソリン価格情報のガソリンスタンドを特定することができる。したがって、ガソリン価格データ20におけるナビゲーション装置1が送信したガソリン価格情報のガソリンスタンドのガソリン価格情報を更新することができる。
【0024】
情報センタ2のサーバ21に格納されているガソリン価格データ20は、たとえば、以下のように利用することができる。ここで、ユーザは、所望の燃料の種別(レギュラーガソリン)をナビゲーション装置1に入力しているものとして説明する。ナビゲーション装置1の表示モニタ16に表示された不図示のメニューより施設の周辺検索を選択し、検索する施設としてガソリンスタンドを選択する。その結果、地図データより自車位置周辺のガソリンスタンドが検索され、図7に示すように、地図70上に検出したガソリンスタンド71a〜71cがアイコンとして表示される。また、情報センタ2は、ナビゲーション装置1に入力されている燃料の種別(レギュラーガソリン)の価格のみ、ナビゲーション装置1に送信する。そして、ナビゲーション装置1は、情報センタ2のガソリン価格データ20よりレギュラーガソリンの価格情報を取得し、ガソリン価格情報72a〜72cを地図に表示する。これによって、ユーザは、どこのガソリンスタンドに行けば価格の最も安いレギュラーガソリンを購入できるかがわかる。
【0025】
ナビゲーション装置1のガソリンスタンド表示処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。図8の処理は、ナビゲーション装置1の表示モニタ16に表示された不図示のメニューより施設の周辺検索を選択し、検索する施設としてガソリンスタンドを選択するとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0026】
ステップS801では、DVD−ROM114に記憶されている施設データより車両の現在地周辺のガソリンスタンドを検索する。ステップS802では、通信装置19を介して、検索したガソリンスタンドのガソリン価格情報を情報センタ2に要求し、情報センタ2から検索したガソリンスタンドのガソリン価格情報を取得する。ステップS803では、表示モニタ16に地図と、地図に重ねてガソリンスタンドのアイコンとガソリン価格情報とを表示する。
【0027】
以上の実施の形態によるガソリン価格情報収集システムは次のような作用効果を奏する。
(1)車両に搭載されたカメラ110がガソリンスタンドを撮影し、撮影した画像からガソリン価格を認識して情報センタ2に送信し、送信したガソリンスタンドのガソリン価格情報を情報センタ2の管理サーバ21に記憶するようにした。したがって、ガソリンスタンドのガソリン価格の正確な情報を迅速に収集することができる。
【0028】
(2)ナビゲーション装置1の現在地検出装置14およびDVD−ROM114に記憶された地図データを利用して車両のガソリンスタンド接近を検出し、車両がガソリンスタンドに接近したときにカメラ110によってガソリンスタンドを撮影するようにした。したがって、常にカメラ110で車外を撮影し、画像処理並びに画像認識する必要がない。
【0029】
(3)情報センタ2のサーバ21からガソリン価格情報を取得することによって、ナビゲーション装置1の表示モニタ16に、正確で新しいガソリン価格情報72a〜72cを表示することができる。
【0030】
以上の実施形態のガソリン価格情報収集システムを次のように変形することができる。
(1)ナビゲーション装置1が推奨経路を探索している場合、推奨経路上のガソリンスタンドを検索し、そのガソリンスタンドに接近したらガソリンスタンドを撮影するようにしてもよい。車両が通過するガソリンスタンドを的確に検出できるので、確実にガソリンスタンドを撮影することができる。
【0031】
(2)車両前方の障害物を検出するためのカメラが車両に設けられている場合、そのカメラを利用してガソリンスタンドを撮影するようにしてもよい。車両に設けるカメラ数を少なくすることができ、カメラを設置するスペースやコストを節約できる。
【0032】
(3)ナビゲーション装置1が撮影したガソリンスタンドの画像からガソリン価格を認識する都度、そのガソリン価格情報を情報センタ2に送信した。しかし、ガソリン価格情報をデータ記憶部111に記憶しておき、車両のイグニッションスイッチをオンするとき、またはオフするときに、情報センタ2にガソリン価格情報を送信するようにしてもよい。ナビゲーション装置1が情報センタ2に接続できるまでに時間がかかる場合があり、ガソリン価格情報を一括して送信した方が能率的だからである。
【0033】
(4)燃料タンクに残っているガソリン量と車両の燃費から、車両の走行可能範囲を算出し、車両の走行可能範囲内にあるガソリンスタンドとともにガソリン価格を表示するようにしてもよい。ガソリン価格の安いガソリンスタンドに向かおうとして、燃料切れになるのを防止することができる。
【0034】
(5)ガソリンスタンドに立ち寄ってガソリンを補給してから目的地に向かう場合、目的地までの距離と、車両の燃費と、情報センタ2から取得したガソリン価格とから、目的地まで到達するために必要な燃料費を算出するようにしてもよい。ガソリン価格が正確であるため、必要な燃料費を正確に算出することができる。
【0035】
(6)ナビゲーション装置1がガソリンスタンドの画像からガソリン価格を認識したが、情報センタ2において、ガソリン価格を認識するようにしてもよい。この場合、ナビゲーション装置1はガソリンスタンドの画像データを情報センタ2に送信する。そして、情報センタ2では、画像データの画像を画像処理してガソリン価格を認識し、そのガソリン価格をサーバ21に記憶する。
【0036】
(7)ナビゲーション装置1から受信したガソリン価格情報の中から同一のガソリンスタンドの最新のガソリン価格を抽出し、そのガソリンスタンドにおけるガソリン価格としてサーバ21に記憶するようにしてもよい。たとえば、図9(a)に示すように、所定時間にナビゲーション装置1から受信したガソリン価格情報を一時記憶データ90として、サーバ21に記憶する。ガソリン価格情報に含まれるガソリンスタンドの位置(緯度、経度)から同一のガソリンスタンドにおけるガソリン価格情報91a〜91cを抽出する。そして、ガソリン価格情報に含まれるガソリンスタンドの撮影日時に基づいて最新のガソリンスタンドのガソリン価格情報91cを抽出する。抽出したガソリン価格情報91cを、図9(b)に示すように、ガソリン価格データ20に格納する。これにより、確実に最新のガソリン価格情報を価格データ20に格納することができる。
【0037】
(8)ナビゲーション装置1から受信したガソリン価格情報のうち、同一のガソリンスタンドの価格を抽出し、そのガソリン価格のうち最も件数の多いものをそのガソリンスタンドにおけるガソリン価格としてサーバ21に記憶するようにしてもよい。たとえば、図10(a)に示すように、所定時間にナビゲーション装置1から受信したガソリン価格情報を一時記憶データ100として、サーバ21に記憶する。ガソリン価格情報に含まれるガソリンスタンドの位置(緯度、経度)から同一のガソリンスタンドにおけるガソリン価格情報101a〜101eを抽出する。そして、抽出したガソリン価格情報の中で最も受信した件数の多いガソリン価格におけるガソリン価格情報101c〜101eを抽出する。ここで、レギュラーガソリンの価格が120円で、ハイオクガソリンの価格が130円で、軽油の価格が100円であるガソリン価格情報101c〜101eの受信件数が3件であり、最も件数が多い。抽出したガソリン価格情報101c〜101eを、図10(b)に示すように、ガソリン価格データ20に格納する。撮影したガソリンスタンドの画像からガソリン価格をはっきりと読み取れなかったり(ガソリン価格情報101aの場合)、ガソリン価格認識部112がガソリン価格を誤って認識したり(ガソリン価格情報101bの場合)する場合がある。このような場合であっても、上述したように最も同じガソリン価格の件数が多いガソリン価格情報101c〜101eをサーバ21に記憶することによって、正確なガソリン価格情報を確実に価格データ20に格納することができる。
【0038】
(9)情報センタから受信したガソリン価格のうちの最も価格の安いガソリンスタンドの表示形態を他のガソリンスタンドの表示形態と変更してナビゲーション装置1の表示モニタ16に表示するようにしてもよい。たとえば、図11に示すように、ガソリンスタンド71a〜71cのうち、ガソリンスタンド71aのガソリン価格が最も安い。したがって、ガソリンスタンド71aの表示形態をガソリンスタンド71c,71cの表示形態と変更して表示する。これにより、ガソリン価格が最も安いガソリンスタンドを地図70の中から迅速に見つけ出すことができる。図11に示すように、表示されるガソリン価格情報72a〜72cの表示形態も、最も価格の安いガソリン価格情報72aの表示形態を他のガソリン価格情報72b,72cの表示形態と変更して表示するようにしてもよい。
【0039】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0040】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の撮影手段はカメラ110に対応し、ガソリン価格認識手段はガソリン価格認識部112に対応する。ガソリン価格送信手段は通信装置19に対応する。通信手段は通信装置22に対応し、ガソリン価格記憶手段はサーバ21に対応する。ガソリン価格受信手段は通信装置19に対応し、ガソリンスタンド表示制御手段は制御回路11および表示モニタ16に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態のガソリン価格情報収集システムの構成を示すブロック図である。
【図2】ガソリン価格データを説明するための図である。
【図3】ガソリン価格情報収集システムを構成するナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図4】ガソリン価格の表示を撮影した画像からガソリン価格を認識する認識方法を説明するための図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるガソリン価格情報収集システムにおけるナビゲーション装置のガソリン価格情報取得処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態におけるガソリン価格情報収集システムにおける情報センタのガソリン価格データ更新処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】自車位置周辺のガソリンスタンドを表示した表示モニタの表示画面を説明するための図である。
【図8】ナビゲーション装置のガソリンスタンド表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】最新のガソリン価格情報をサーバに記憶する処理を説明するための図である。
【図10】受信したガソリン価格情報の中で最も受信件数の多いガソリン価格情報をサーバに記憶する処理を説明するための図である。
【図11】最もガソリン価格の安いガソリンスタンドの表示形態を変えて自車位置周辺のガソリンスタンドを表示した表示モニタの表示画面を説明するための図である。
【符号の説明】
【0042】
1 ナビゲーション装置
2 情報センタ
3 ネットワーク
11 制御回路
14 現在地検出装置
19 通信装置
21 サーバ
22 通信装置
110 カメラ
112 ガソリン価格認識部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガソリンスタンドを撮影する撮影手段、前記撮影したガソリンスタンドの画像よりガソリン価格を認識するガソリン価格認識手段および前記認識した前記ガソリン価格を送信するガソリン価格送信手段を備えたナビゲーション装置と、
前記ガソリン価格を受信する通信手段および前記受信したガソリン価格を記憶するガソリン価格記憶手段を備えた情報センタとを含むことを特徴とするガソリン価格情報収集システム。
【請求項2】
請求項1に記載のガソリン価格情報収集システムにおいて、
前記ナビゲーション装置の前記撮影手段は、前記ナビゲーション装置を搭載した車両が前記ガソリンスタンドに接近すると前記ガソリンスタンドを撮影することを特徴とするガソリン価格情報収集システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のガソリン価格情報収集システムにおいて、
前記情報センタのガソリン価格記憶手段は、同一のガソリンスタンドの最新のガソリン価格を抽出し、そのガソリンスタンドにおけるガソリン価格として記憶することを特徴とするガソリン価格情報収集システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガソリン価格情報収集システムにおいて、
前記情報センタのガソリン価格記憶手段は、同一のガソリンスタンドの価格を抽出し、前記ガソリン価格のうち最も件数の多いものをそのガソリンスタンドにおけるガソリン価格として記憶することを特徴とするガソリン価格情報収集システム。
【請求項5】
車両に搭載したカメラによってガソリンスタンドを撮影し、前記撮影したガソリンスタンドの画像よりガソリン価格を認識し、前記認識したガソリン価格を送信し、前記送信したガソリン価格を受信し、前記受信したガソリン価格を記憶することを特徴とするガソリン価格情報収集方法。
【請求項6】
ガソリンスタンドを撮影する撮影手段と、
前記撮影したガソリンスタンドの画像よりガソリン価格を認識するガソリン価格認識手段と、
前記認識した前記ガソリン価格を送信するガソリン価格送信手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項6に記載のナビゲーション装置において、
前記撮影手段は、車両が前記ガソリンスタンドに接近すると前記ガソリンスタンドを撮影することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報センタから送信された、前記ガソリン価格記憶手段によって記憶されたガソリン価格を受信するガソリン価格受信手段を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項8に記載のナビゲーション装置において、
前記ガソリン価格受信手段によって受信したガソリン価格のうちの最も価格の安いガソリンスタンドの表示形態を他のガソリンスタンドの表示形態と変更して表示するガソリンスタンド表示制御手段を備えることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−165652(P2008−165652A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−356739(P2006−356739)
【出願日】平成18年12月29日(2006.12.29)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】