説明

キャパシタスイッチング回路

キャパシタンススイッチング素子(200)が、トランジスタ(205、210)によって直列に接続された、第1のキャパシタ(240)と第2のキャパシタ(245)とを含む。トランジスタのゲートは、一組の抵抗器(220、230)を介して第1の信号(b0/)によってバイアスをかけられ、ソースおよびドレインは、第2の組の抵抗器(215、225、235)を介して第2の信号(b0)によってバイアスをかけられる。信号はレベルシフトされており、相補的であってよい。素子をオンにするためには、第1の信号(b0/)をVDDに設定することができ、第2の信号(b0)をゼロに設定することができる。素子をオフにするためには、第1の信号(b0/)をVDD/2の倍数に設定することができ、第2の信号(b0)をVDD/2の倍数プラス1(the multiple plus one)に設定することができる。素子が発振器同調回路で使用されるとき、トランジスタの圧力ストレスが低減され、トランジスタを薄酸化物で製作することができる。発振器は、セルラアクセス端末のトランシーバにおいて使用されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書で説明する装置および方法は、スイッチング回路に関し、より詳細には、通信機器において発振器周波数を同調させるための、キャパシタスイッチング回路に関する。
【背景技術】
【0002】
同調可能な周波数発生器は、多くの異なる電子デバイスに使用されている。たとえば、無線通信デバイスは、送信信号の中間周波数およびRF周波数へのアップコンバージョンのために、ならびに受信信号の中間周波数およびベースバンド周波数へのダウンコンバージョンのために、周波数発生器を使用する。動作周波数が変動するために、発生器の周波数は、同調可能である必要がある。
【0003】
複数の通信標準および複数のバンドに必要とされる周波数カバレッジは、通常、電圧制御発振器(VCO)およびデジタル制御発振器(DCO)などの、広い同調範囲の発振器を必要とする。発振器の同調範囲の程度は、重要な性能パラメータの1つである。たとえば、複数のバンドに対応するために、同調範囲を拡大することがしばしば望ましい。
【0004】
同調可能な発振器の他の性能基準には、位相雑音性能、電力消費、およびサイズがある。異なる性能基準が競合していることもある。
【0005】
従来の同調可能な発振器は、たとえば、発振器インダクタンス−キャパシタンス(LC)タンクの中および外にキャパシタを切り替えることによって、同調することができる。そのような発振器の、最も高い周波数と同調の精度の両方が、キャパシタンススイッチング回路の寄生キャパシタンスによって制限されることがある。したがって、同調回路に関連付けられた寄生キャパシタンスを低減することが望ましい。
【0006】
集積回路技術における進歩は、デバイスのサイズまたはスケールの縮小、およびそれによる供給電圧レベルの削減を可能にしてきた。しかしながら、これらのデバイスの異なる端子にまたがる電圧振幅の要件は、デバイスのサイズに比例してスケール変更できない。無線利用のための高い性能の発振器における厳しい位相雑音要件は、LCタンクにわたって比較的大きな電圧振幅を要求することがある。たとえば、発振器タンク電圧振幅は、CDMA 1X モードでパーソナル通信サービス(PCS)周波数バンドに適用可能な位相雑音仕様の要件を満たすために、ピーク間で3ボルトと同程度の大きさであることを必要とし得る。
【0007】
大きな電圧振幅は、トランジスタデバイスに過度のストレスをかけ、デバイスの寿命予測を縮める、または完全なデバイス破損を引き起こすことがある。したがって、ナノメートルの相補型金属酸化膜半導体(CMOS)工程において設計決定を推し進めるとき、信頼性および耐久性の問題が、重要な役割を果たす傾向にある。
【0008】
同調可能な発振器の重要なブロックの1つは、スイッチを備えたバイナリ加重キャパシタのアレイまたはバンクによる、粗周波数同調ブロックであってよい。図1は、キャパシタバンクの一例示的な素子100の選択された部分を図示する。部分は、トランジスタスイッチ105と、キャパシタ130および135と、抵抗器110、115、および120とを含む。素子は、トランジスタ105の状態が、相補型の制御信号の電圧b0と、
【数1】

【0009】
とによって制御されるように構成されている。b0が低く、
【数2】

【0010】
が高いとき、トランジスタ105は、導通(低インピーダンス)状態にあり、キャパシタ130/135の直列結合を、同調可能な発振器のタンク回路に事実上配置する。b0が高く、
【数3】

【0011】
が低いとき、トランジスタ105は、非導通(高インピーダンス)状態にあり、キャパシタ130/135の直列結合を、同調可能な発振器のタンク回路から事実上取り外す。トランジスタ105のドレインとソースとの間の寄生キャパシタンスが、キャパシタ130/135のキャパシタンスと比較して小さいと仮定すると、素子100によってタンク回路に付与される総キャパシタンスに影響が勝るのは寄生キャパシタンスである。したがって、非導通状態において、タンク回路への素子100の影響が低減されるように、寄生キャパシタンスを低く維持することが望ましい。
【0012】
トランジスタ105のオフ状態では、ソースとドレインとの間の最大電位差(VSD)、ソースとゲートとの間の最大電位差(VSG)、およびドレインとゲートとの間の最大電位差(VDG)は、制御電圧b0と
【数4】

【0013】
と、同調可能な発振器のタンク回路にわたる電圧とに依存する。(1)発振器のタンクにわたる電圧が接地と2×VDD電位との間で変動し、(2)制御信号電圧b0および
【数5】

【0014】
もまた接地とVDD電位との間で変動すると仮定すると、電位差VSD、VSG、およびVDGの大きさは、(2×VDD)に達する。上に記したように、これは、特に微細スケールのナノメートル設計において、トランジスタ105に過度にストレスをかけ、ひいてはトランジスタ105の信頼性および耐久性の性能基準の減少をもたらすことがある。ブレークダウン問題は、65ナノメートルスケール設計において存在することがあり、45ナノメートルスケール、32ナノメートルスケール、およびより深いサブミクロンの領域へと技術が進むにつれて、悪化する可能性がある。
【0015】
トランジスタスイッチの信頼性および耐久性を向上させる1つの方法は、トランジスタ105などのキャパシタバンクのトランジスタスイッチに、厚酸化物デバイスを使用することである。厚酸化物トランジスタとは、その名が示す通り、そのゲートにおいて(薄酸化物トランジスタと比較して)より厚い酸化物を有し、したがって、ブレークダウンする前に、より高いゲート−ソース間電圧と、ゲート−ドレイン間電圧とに耐えることができる。トランジスタノード間の電位差が、厚酸化物アプローチと薄酸化物アプローチとで同じままだとしても、より厚い酸化物はより高い電圧でブレークダウンするので、信頼性および耐久性が向上する。しかしながら、この利点には代償が伴う。厚酸化物トランジスタはまた、オフ(高インピーダンス)状態において大きな寄生キャパシタンスを有し、これが同調範囲に直接影響を与える。上で説明したように、これは、特に広い同調範囲の発振器において望ましくない。
【0016】
したがって、本技術分野において、同調可能なキャパシタバンクの信頼性および耐久性を向上させる必要性、特に、そのようなバンクのトランジスタスイッチの信頼性および耐久性を向上させる必要性が存在する。本技術分野において、同調可能な発振器のキャパシタバンクにおける個々のトランジスタスイッチの電圧ストレスを低減する必要性がさらに存在する。本技術分野において、トランジスタの寄生キャパシタンスを過度に上昇させることなく、同調可能な発振器のキャパシタバンクにおける個々のトランジスタスイッチの電圧ストレスを低減する必要性がまた存在する。
【発明の概要】
【0017】
本明細書で開示される実施形態は、トランジスタの制御電圧がレベルシフトする状態で、同調キャパシタバンクの個々の素子のスイッチを作製するように複数のトランジスタを積み重ねることによって、上記の必要性のうちの1つまたは複数に対処することができる。トランジスタのそれぞれは、発振器のLCタンクにわたるわずかな電圧振幅のみに耐える必要があればよく、その関連した低オフ状態キャパシタンスを有する薄酸化物トランジスタとして作製されてもよい。
【0018】
1つの実施形態において、キャパシタンススイッチング素子は、第1のキャパシタと、第2のキャパシタと、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第1から第5の抵抗器とを含む。第1のトランジスタおよび第2のトランジスタは、第1のキャパシタと第2のキャパシタとの間で直列に結合されている。第1の抵抗器は、第1のトランジスタのゲートを第1の制御信号に接続する。第2の抵抗器は、第2のトランジスタのゲートを第1の制御信号に接続する。第3の抵抗器は、第2のトランジスタのドレインを第2の制御信号に接続する。第4の抵抗器は、第1のトランジスタのソースを第2の制御信号に接続する。第5の抵抗器は、第2のトランジスタのソースと第1のトランジスタのドレインとを、第2の制御信号に接続する。第2の制御信号は、第1の制御信号のレベルシフトされた相補制御信号である。
【0019】
1つの実施形態において、キャパシタンススイッチング素子は、第1のキャパシタと、第2のキャパシタと、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第1から第7の抵抗器とを含む。第1、第2、および第3のトランジスタは、第1のキャパシタと第2のキャパシタとの間で直列に結合されている。第1の抵抗器は、第1のトランジスタのゲートを第1の制御信号に接続する。第2の抵抗器は、第2のトランジスタのゲートを第1の制御信号に接続する。第3の抵抗器は、第3のトランジスタのゲートを第1の制御信号に接続する。第4の抵抗器は、第3のトランジスタのドレインを第2の制御信号に接続する。第5の抵抗器は、第3のトランジスタのソースと第2のトランジスタのドレインとを、第2の制御信号に接続する。第6の抵抗器は、第2のトランジスタのソースと第1のトランジスタのドレインとを、第2の制御信号に接続する。第7の抵抗器は、第1のトランジスタのソースを第2の制御信号に接続する。キャパシタンススイッチング素子は、供給電圧電位(VDD)と接地電位とを送るように構成された電源から動作するように構成されている。第1の制御信号は、実質的にVDDまで引き上げられる。第2の制御信号は、(1)第1のキャパシタを第2のキャパシタに接続するための実質的に接地電位と、(2)第1のキャパシタを第2のキャパシタから切り離すための実質的に1.5倍のVDD電位とを切り替える。
【0020】
1つの実施形態において、キャパシタンススイッチング素子は、第1のキャパシタと、第2のキャパシタと、n個の複数のトランジスタ(n≧3)とを含む。トランジスタは、第1のキャパシタと第2のキャパシタとの間で直列に結合されている。キャパシタンススイッチング素子はまた、トランジスタのゲートを第1の制御信号に接続する第1の複数の抵抗器と、トランジスタのドレインとソースとを第2の制御信号に接続する第2の複数の抵抗器とを含む。キャパシタンススイッチング素子は、供給電圧電位(VDD)と接地電位とを送る電源から動作するように構成されている。第1の制御信号は、実質的にVDDと、実質的に((n−1)/2)倍のVDDとを切り替える。第2の制御信号は、実質的に接地電位と、実質的に(n/2)倍のVDD電位とを切り替える。
【0021】
1つの実施形態において、キャパシタンススイッチング素子は、第1のキャパシタと、第2のキャパシタと、第1のキャパシタおよび第2のキャパシタを直列に選択的に結合して、トランジスタ電圧ストレスを低減するための手段とを含む。
【0022】
1つの実施形態において、キャパシタンスを切り替える方法は、第1のキャパシタと、第2のキャパシタとを提供することを含む。方法はまた、第1のキャパシタと第2のキャパシタとの間で直列に結合された、第1のトランジスタと、第2のトランジスタとを提供することを含む。方法は、実質的に供給電圧VDDで第1のトランジスタおよび第2のトランジスタのゲートにバイアスをかけ、実質的に接地電位で第1のトランジスタおよび第2のトランジスタのソースおよびドレインにバイアスをかけて、それにより第1のキャパシタを第2のキャパシタに接続することをさらに含む。方法は、実質的に半分のVDDで第1のトランジスタおよび第2のトランジスタのゲートにバイアスをかけ、実質的にVDDで第1のトランジスタおよび第2のトランジスタのソースおよびドレインにバイアスをかけて、それにより第1のキャパシタを第2のキャパシタから切り離すことをさらに含む。
【0023】
1つの実施形態において、キャパシタンスを切り替える方法は、第1のキャパシタと、第2のキャパシタと、n個(3つ以上)の複数のトランジスタとを提供することを含む。トランジスタは、第1のキャパシタと第2のキャパシタとの間で直列に結合されている。方法はまた、実質的に供給電圧VDDで各トランジスタのゲートにバイアスをかけ、実質的に接地電位で各トランジスタのソースおよびドレインにバイアスをかけて、それにより第1のキャパシタを第2のキャパシタに接続することを含む。方法は、実質的に((n−1)/2)倍のVDDでゲートにバイアスをかけ、実質的に(n/2)倍のVDDでソースおよびドレインにバイアスをかけて、それにより第1のキャパシタを第2のキャパシタから切り離すことをさらに含む。
【0024】
本発明のこれらの、および他の実施形態および態様は、以下の説明、図面、および添付の特許請求の範囲を参照して、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、同調可能な発振器のタンクで使用することができる、キャパシタンススイッチング素子の選択されたコンポーネントを示す。
【図2】図2は、同調可能な発振器のタンクで使用することができる、2つのトランジスタのキャパシタンススイッチング素子の選択されたコンポーネントを示す。
【図3】図3は、図2の素子などの素子において、キャパシタンスを切り替えるための制御信号を生成するための回路の選択されたコンポーネントを示す。
【図4】図4は、同調可能な発振器のタンクで使用することができる、3つのトランジスタのキャパシタンススイッチング素子の選択されたコンポーネントを示す。
【図5】図5は、キャパシタンススイッチング素子を用いた同調可能な発振器の選択されたコンポーネントを示す。
【図6】図6は、キャパシタンススイッチング素子を用いた1つまたは複数の発振器を使用することができる、無線トランシーバの選択されたコンポーネントを示す。
【詳細な説明】
【0026】
本文書において、単語「実施形態」、「変形形態」、および同様の表現は、特定の装置、工程、または製造物品を指すために使用され、必ずしも同じ装置、工程、または製造物品を指すために使用されるわけではない。したがって、1つの箇所またはコンテキストで使用される「一実施形態」(または同様の表現)は、特定の装置、工程、または製造物品を指すことがあり、異なる箇所での同じ、または同様の表現が、異なる装置、工程、または製造物品を指すことがある。表現「代替的な実施形態」および同様のフレーズは、いくつかの異なる可能性のある実施形態のうちの1つを示すために使用されてもよい。可能性のある実施形態の数は、必ずしも2つ、またはいかなる他の数量にも限定されるわけではない。
【0027】
単語「exemplary(例示的な)」は、本明細書において、「例、実例、または例証としての働きをする」ことを意味するために使用されてよい。「例示的」として本明細書で説明される任意の実施形態または変形形態は、他の実施形態または変形形態と比較して、必ずしも好ましい、または有利であると解釈されるわけではない。本明細書で説明される実施形態および変形形態のすべては、当業者が本発明を作製し、使用することができるように提供される例示的な実施形態および変形形態であり、必ずしも本発明に与えられる法的保護の範囲を限定するわけではない。
【0028】
本明細書内で、「VCO」および「DCO」の呼称は、交換可能に使用されてもよく、それぞれが同調可能な発振器を指し、特に、ここで発振器は、発振器のLCタンクにおいてキャパシタを切り替えることによって同調可能である。
【0029】
「薄酸化物」(thin oxide)は、その上で個々の薄酸化物トランジスタが製作されるチップ(集積回路)の標準的な酸化物の厚さを指す。チップ上の大多数のトランジスタは、薄酸化物トランジスタである。「厚酸化物」(thick oxide)トランジスタは、同じチップ上の大多数のトランジスタの酸化物の厚さと比較して、増大した酸化物の厚さを有するトランジスタである。典型的には、酸化物の厚さは、厚酸化物トランジスタのブレークダウン電圧を高めるために、したがって、厚酸化物トランジスタの信頼性および耐久性を向上させるために、増大される。
【0030】
図2は、同調可能な発振器におけるキャパシタバンクの例示的な素子200の選択された部分を図示する。素子200は、図示されるように、キャパシタ240と245との間で直列に構成された2つのスイッチングトランジスタ205と210とを含んで、寄生キャパシタンスを低減し、同時に潜在的な信頼性および耐久性の問題を削減する。キャパシタンス240および245は、同じ公称キャパシタンス値を有するように設計されてもよい。
【0031】
トランジスタ205と210との切り替えは、抵抗器215と、220と、225と、230と、235とを介して、制御信号b0と、
【数6】

【0032】
とによって制御される。制御信号b0および
【数7】

【0033】
は、
【数8】

【0034】
がインアクティブローのときに、b0がアクティブハイであり、またその逆も同様であるように、互いの相補制御信号である。図1の素子100とは異なり、ここで制御信号b0および
【数9】

【0035】
は、互いに対してレベルシフトされている。たとえば、素子200がオン(トランジスタ205/210の両方が導通している)のとき、
【数10】

【0036】
は、VDD電位にあり、b0は、ゼロまたは接地電位にある。素子200がオフ(トランジスタ205/210が導通していない)のとき、
【数11】

【0037】
は、約VDD/2電位にあり、b0は、VDD電位にある。
【数12】

【0038】
がオフ状態においてVDD/2よりも低い場合、ゲート−ソース間の電圧は、−Vddよりも大きくなることがあり、これは最適設計に満たない結果になることがある。一方で、
【数13】

【0039】
が、VDD/2よりも高い場合、中間ノードは仮想接地であり、およそVDDにとどまるので、ゲート−ドレイン間の電圧は、接地電位よりも高くなることができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、オフ状態における
【数14】

【0041】
電圧は、実際的な状況下での精度で、約VDD/2となるように選択される。たとえば、精度は、コンポーネントの公差によって定義され、制限されることがある。いくつかの実施形態において、オフ状態における
【数15】

【0042】
電圧は、VDD/2の厳密値の2パーセント、5パーセント、10パーセント、または20パーセント以内である。いくつかの実施形態において、オン状態における
【数16】

【0043】
電圧は、VDDの厳密値の2パーセント、5パーセント、10パーセント、または20パーセント以内である。いくつかの実施形態において、オフ状態におけるb0電圧は、VDDの2パーセント、5パーセント、10パーセント、または20パーセント以内である。いくつかの実施形態において、オン状態におけるb0電圧は、接地電位の100ミリボルト以内である。
【0044】
素子200(この件について言えばまたは素子100)がオン状態のとき、ソース−ドレイン間のトランジスタ電圧が低いので、電圧ストレスは概して大きな問題ではない。オフ状態では、タンクの2つの端子(Vtank+およびVtank−)の間のキャパシタンスは、2つのトランジスタ205/210のゲートで(それが素子100内であれば、トランジスタ105のゲートで)仮想接地を形成せず、それによりトランジスタ205/210のゲートが、それぞれ210のドレインまたは205のソースの電圧に従うことを許容する。これは、トランジスタ205/210の任意の2つのノード間(ソース、ドレイン、ゲート)の最大電位差を、VDDのレベルに事実上制限する。ソースノードまたはドレインノードと、トランジスタのバルクとの電位差は、VDDを超えることがあり、たとえば、VDDの2倍に至ることに留意されたい。しかし、これは、比較的低い電圧では、ソースまたはドレインとバルクとのインターフェースが本質的にダイオード接合であるために、信頼性または耐久性の問題ではないことがある。
【0045】
より低い電圧、およびバイアス抵抗器の値の可能な上昇のために、素子200の品質係数(Q)は、実際には、図1の匹敵する(同じ周波数、同じキャパシタサイズ)素子100の品質係数に比べて向上することができる。
【0046】
図3は、信号制御ビット0信号から、信号b0と
【数17】

【0047】
とを、素子200用に生成するための例示的な回路300の選択された部分を図示する。回路300は、本質的に、トランジスタ305および310から作られる第1のインバータと、トランジスタ315および320から作られる第2のインバータとを備える、2インバータ設計である。第1のインバータは、接地とVDDとの間で動作し、一方で第2のインバータは、VDD/2とVDDとの間で動作し、したがって、信号
【数18】

【0048】
のレベルシフトを提供する。図における「0」表記の使用は例示であり、本発明の概念は、制御「0」ビットばかりでなく、同調可能な発振器の、制御ビットの任意の1つに、または制御ビットの任意の組合せ(すべてを含む)に適用されてもよいことに留意されたい。
【0049】
複数のトランジスタの制御電圧が適切にレベルシフトする状態で、2つより多いトランジスタを直列に積み重ねて、個々のトランジスタにまたがるさらなる電圧ストレスを低減し、より高いタンク振幅電圧に対する信頼性/耐久性の利点を拡大することができる。図4は、同調可能な発振器におけるキャパシタバンクの例示的な3つのトランジスタ素子400の選択された部分を図示し、これは、より高い電圧で、たとえば、−3VDDから+3VDDまでの電圧振幅で、有利に動作することができる。
【0050】
素子400は、図示するように直列に構成された(積み重ねられた)3つのスイッチングトランジスタ405と、410と、415とを含んで、寄生キャパシタンスを低減し、同時に過度の電圧ストレスに起因する潜在的な信頼性および耐久性の問題を削減する。3つのトランジスタ405/410/415の切り替えは、抵抗器420と、425と、430と、435と、440と、445と、450とを介して加えられる制御信号b0と、
【数19】

【0051】
とによって制御される。ここで、制御信号
【数20】

【0052】
は、単にVDDまで引き上げられてよく、制御信号b0は、接地電位の低電圧レベルと、(3/2)VDD電位の高電圧レベルとを有することができる。たとえば、素子400がオン(すべての3つのトランジスタ405/410/415が導通している)のとき、
【数21】

【0053】
は、VDDでバイアスされてもよく、b0は、ゼロまたは接地電位でバイアスされてもよい。素子400がオフ(トランジスタ405/410/415/420が導通していない)のとき、
【数22】

【0054】
は、約VDDでバイアスされ続けてもよく、b0は、(3/2)VDD電位でバイアスされてもよい。
【0055】
図2の実施形態におけるように、b0および
【数23】

【0056】
の電圧の精度は、コンポーネントの公差によって制限されることがある。いくつかの実施形態において、精度は、上に示した厳密値の2パーセント、5パーセント、10パーセント、または20パーセントであってよく、接地電位の場合、精度は、VDDまたは100ミリボルトの2パーセント、5パーセント、10パーセント、または20パーセントであってよい。
【0057】
より一般的に、nVDD(n≧3)の発振器タンクの電圧振幅、および素子におけるすべてのn個のトランジスタがオフになるためには、
【数24】

【0058】
が、約((n−1)/2)VDDでトランジスタのゲートにバイアスをかけ、b0が、約(n/2)VDDでトランジスタのソースおよびドレインにバイアスをかける。すべてのn個のトランジスタが導通するようにするためには、b0が、約ゼロまたは接地電位でゲートにバイアスをかけ、
【数25】

【0059】
が、約VDDでソースおよびドレインにバイアスをかける。
【0060】
電圧振幅が2VDDを超えない設計では、素子200は、電圧ストレスを約VDD以下に維持するように使用されてもよい。タンクにおける期待電圧振幅がv≦nVDD(nは整数である)である設計のために、n個の積み重ねられたトランジスタの構造は、電源ストレスを約VDD以下に維持するように使用されてもよい。
【0061】
図5は、キャパシタンススイッチング素子525−1、525−2、・・・525−mを有する同調可能な発振器500の選択されたコンポーネントを図示する。キャパシタンススイッチング素子525のそれぞれは、上で説明した素子200または素子400として実装されてもよい。素子525は、発振器500の粗同調ブロックを構成する。インダクタ515、素子525のキャパシタ、および微同調ブロック510のキャパシタは、負の相互コンダクタンス(Gm)ブロック505によって駆動されるLCタンクを構成する。微同調ブロックもまた、素子200および400に類似する素子を含むことができることに留意されるべきである。
【0062】
素子525のキャパシタは、キャパシタの(それぞれの素子における一対のキャパシタのキャパシタンス値が実質的に2進数列を形成する)バイナリアレイとして示されているが、これは必ずしも要件ではない。
【0063】
図6は、セルラトランシーバであってもよい無線トランシーバ600の選択されたコンポーネントを図示する。トランシーバ600は、受信(Rx)発振器625を制御する(すなわち、発振器625を基準に位相ロックする)ためのRx位相ロックループ(PLL)回路630と、他のRx回路615および620とを含む。Rx回路615/620は、発振器625から、無線周波数(RF)信号と、Rxローカル発振器周波数とを(アンテナ605およびデュプレクサ610を介して)受信し、受信したRF信号から復号データを発生させるように構成されている。トランシーバ600はまた、送信(Tx)発振器645を制御するためのTx PLL回路650と、他の送信回路635および640とを含む。Tx回路635/640は、送信のためのデータと、Tx発振器645の出力とを受信し、データを搬送するRF信号を生成するように構成されている。次いで、回路635/640からのRF信号が、デュプレクサ610と、アンテナ605とを介して送信される。発振器625と645のそれぞれ、または両方は、素子200および400などのキャパシタスイッチング素子を使用して、発振器500として実装されてもよい。
【0064】
P−チャネルとN−チャネルの両方の電界効果トランジスタ(FET)が使用されてもよい。
【0065】
実施形態において、図に示されるFETは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、または他の同様のスイッチングデバイスによって置換されてもよい。たとえば、BJTのベースノードが、同じ位置において、FETのゲートノードの代わりに使われてもよく、BJTのエミッタノードが、FETのソースノードの代わりに使われてもよく、BJTのコレクタノードが、FETのドレインノードの代わりに使われてもよい。
【0066】
本文書で説明した装置および方法を、さまざまな電子デバイスにおいて使用することができ、電子デバイスは、ネットワークの複数のアクセス端末の間で、またはアクセス端末と、アクセスネットワーク外部のさらなるネットワークに接続されたデバイスとの間で、音声および/またはデータパケットを伝送するセルラ無線ネットワーク内で動作するアクセス端末を含むが、これに限定されない。図6に示すように、装置および方法を、アクセス端末のローカルな発振器周波数ソースで使用することができる。
【0067】
さまざまな方法のステップおよび決定を、本開示において順次説明することができたが、これらのステップおよび決定のうちのいくつかは、組み合わせてまたは平行して、非同期にまたは同期に、パイプライン式に、あるいは他のやり方で、別個の要素によって行われてもよい。ステップおよび決定が、明示的にそのように指示されるか、そうでなければコンテキストから明らかにされるか、または本質的に必要とされる場合を除き、本説明がステップおよび決定を列挙する同じ順序で行われる特定の要件は存在しない。しかしながら、選択された変形形態においては、ステップおよび決定が、説明され得る、および/または添付の図面に示され得る特定の順序で行われることに留意されたい。さらに、詳細に示されていないいくつかのステップまたは決定が、いくつかの実施形態/変形形態においては望ましいことがあるものの、すべての実施形態または変形形態において、すべての示されたステップおよび決定が必要とされなくてもよい。
【0068】
当業者は、情報および信号が、さまざまな異なる技術および技法のいずれかを使用して表されてもよいことを理解するであろう。たとえば、上記の説明全体を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または粒子、光場または粒子、あるいはその任意の組合せによって表されてもよい。
【0069】
当業者は、本明細書において開示された実施形態に関連して説明したさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両者の組合せとして実装されてもよいことをさらに理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアとのこの交換可能性を明確に示すために、さまざまな例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、概してその機能性に関して上記で説明することができた。そのような機能性が、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組合せとして実装されるかどうかは、特定のアプリケーション、およびシステム全体に課された設計上の制約に依存する。当業者は、説明された機能性を特定の各アプリケーションについてさまざまなやり方で実装することができるが、そのような実装上決定は、本発明の範囲からの逸脱をもたらすものと解釈されるべきではない。
【0070】
本明細書において開示された実施形態に関連して説明したさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラマブル論理デバイス、別個のゲートもしくはトランジスタ論理、別個のハードウェアコンポーネント、あるいは本明細書で説明された機能を実施するように設計されたその任意の組合せで実装され、または実施されてもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的には、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装されてもよい。
【0071】
本明細書において開示された実施形態に関連して説明することができた方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアで直接的に、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、またはその2つの組合せで具体化されてもよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取外し可能なディスク、CD−ROM、あるいは当技術分野において知られている他の任意の形の記憶媒体に常駐していてもよい。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出し、情報をそこに書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替的には、記憶媒体は、プロセッサと一体型であってもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICに常駐していてもよい。ASICは、アクセス端末に常駐していてもよい。あるいは、プロセッサおよび記憶媒体は、アクセス端末における別個のコンポーネントとして常駐していてもよい。
【0072】
開示された実施形態の以上の説明は、すべての当業者が本発明を作製し、使用することができるように提供されている。これらの実施形態に対するさまざまな修正形態は、当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義された一般的な原則は、本発明の趣旨または範囲から逸脱せずに、他の実施形態に適用されてもよい。したがって、本発明は、本明細書において示された実施形態に限定されることは意図しないが、本明細書において開示された原理および新規な特徴に一致する最も広い範囲が与えられるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のキャパシタと、
第2のキャパシタと、
第1のゲートと、第1のソースと、第1のドレインとを備える第1のトランジスタと、
第2のゲートと、第2のソースと、第2のドレインとを備える第2のトランジスタと、ここにおいて、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタは、前記第1のキャパシタと前記第2のキャパシタとの間で直列に結合されており、
前記第1のゲートを第1の制御信号に接続する第1の抵抗器と、
前記第2のゲートを前記第1の制御信号に接続する第2の抵抗器と、
前記第2のドレインを第2の制御信号に接続する第3の抵抗器と、
前記第1のソースを前記第2の制御信号に接続する第4の抵抗器と、
前記第2のソースと前記第1のドレインとを、前記第2の制御信号に接続する第5の抵抗器と、
を備え、前記第2の制御信号は、前記第1の制御信号のレベルシフトされた相補制御信号である、キャパシタンススイッチング素子。
【請求項2】
前記キャパシタンススイッチング素子は、供給電圧電位(VDD)と接地電位とを送るように構成された電源から動作するように構成されており、
前記第1の制御信号は、実質的に前記VDDと実質的に前記VDDの半分とを切り替え、
前記第2の制御信号は、実質的に前記接地電位と実質的に前記VDDとを切り替える、
請求項1に記載のキャパシタンススイッチング素子。
【請求項3】
前記第1のトランジスタは薄酸化物トランジスタであり、前記第2のトランジスタは薄酸化物トランジスタである、請求項2に記載のキャパシタンススイッチング素子。
【請求項4】
ビット制御信号を受信し、前記ビット制御信号に応答して、前記第1の制御信号と前記第2の制御信号とを生成するように構成されたレベルシフト回路をさらに備える請求項2に記載のキャパシタンススイッチング素子。
【請求項5】
前記レベルシフト回路は、直列に結合された第1のインバータと第2のインバータとを備える、請求項4に記載のキャパシタンススイッチング素子。
【請求項6】
ビット制御信号を受信し、前記ビット制御信号に基づいて、前記第1の制御信号と前記第2の制御信号とを生成するための手段をさらに備える請求項2に記載のキャパシタンススイッチング素子。
【請求項7】
請求項2に記載のキャパシタンススイッチング素子を備える発振器同調ブロック。
【請求項8】
負の相互コンダクタンスブロックと、インダクタと、請求項7に記載の同調ブロックとを備える発振器。
【請求項9】
受信機と、送信機とを備え、前記受信機および前記送信機のうちの少なくとも1つが請求項8に記載の発振器を備えるトランシーバ。
【請求項10】
請求項9に記載のトランシーバを備えるアクセス端末。
【請求項11】
第1のキャパシタと、
第2のキャパシタと、
第1のゲートと、第1のソースと、第1のドレインとを備える第1のトランジスタと、
第2のゲートと、第2のソースと、第2のドレインとを備える第2のトランジスタと、
第3のゲートと、第3のソースと、第3のゲートとを備える第3のトランジスタと、ここにおいて、前記第1のトランジスタ、前記第2のトランジスタ、および前記第3のトランジスタは、前記第1のキャパシタと前記第2のキャパシタとの間で直列に結合されており、
前記第1のゲートを第1の制御信号に接続する第1の抵抗器と、
前記第2のゲートを前記第1の制御信号に接続する第2の抵抗器と、
前記第3のゲートを前記第1の制御信号に接続する第3の抵抗器と、
前記第3のドレインを第2の制御信号に接続する第4の抵抗器と、
前記第3のソースと前記第2のドレインとを、前記第2の制御信号に接続する第5の抵抗器と、
前記第2のソースと前記第1のドレインとを、前記第2の制御信号に接続する第6の抵抗器と、
前記第1のソースを前記第2の制御信号に接続する第7の抵抗器と
を備え、
前記キャパシタンススイッチング素子は、供給電圧電位(VDD)と接地電位とを送るように構成された電源から動作するように構成されており、
前記第1の制御信号は、実質的に前記VDDまで引き上げられ、
前記第2の制御信号は、(1)前記第1のキャパシタを前記第2のキャパシタに接続するための実質的に前記接地電位と、(2)前記第1のキャパシタを前記第2のキャパシタから切り離すための実質的に1.5倍の前記VDD電位とを切り替える、
キャパシタンススイッチング素子。
【請求項12】
前記第1のトランジスタは薄酸化物トランジスタであり、前記第2のトランジスタは薄酸化物トランジスタであり、前記第3のトランジスタは薄酸化物トランジスタである、請求項11に記載のキャパシタンススイッチング素子。
【請求項13】
ビット制御信号を受信し、前記ビット制御信号に応答して、前記第2の制御信号を生成するように構成されたレベルシフト回路をさらに備える請求項11に記載のキャパシタンススイッチング素子。
【請求項14】
請求項11に記載のスイッチング素子を備える発振器同調ブロック。
【請求項15】
負の相互コンダクタンスブロックと、タンク回路とを備え、前記タンク回路は、インダクタと、請求項14に記載の同調ブロックとを備える、発振器。
【請求項16】
受信機と、送信機とを備え、前記受信機および前記送信機のうちの少なくとも1つは請求項15に記載の発振器を備える、トランシーバ。
【請求項17】
請求項16に記載のトランシーバを備えるアクセス端末。
【請求項18】
キャパシタンススイッチング素子であって、
第1のキャパシタと、
第2のキャパシタと、
nが少なくとも3である、n個の複数のトランジスタであって、前記複数のトランジスタのそれぞれが、ゲートと、ソースと、ドレインとを備え、前記第1のキャパシタと前記第2のキャパシタとの間で直列に結合されているトランジスタと、
前記トランジスタの前記ゲートを第1の制御信号に接続する第1の複数の抵抗器と、
前記トランジスタの前記ドレインと前記ソースとを、第2の制御信号に接続する第2の複数の抵抗器と
を備え、
前記キャパシタンススイッチング素子は、供給電圧電位(VDD)と接地電位とを送るように構成された電源から動作するように構成されており、
前記第1の制御信号は、実質的に前記VDDと、実質的に((n−1)/2)倍の前記VDDとを切り替え、
前記第2の制御信号は、実質的に前記接地電位と、実質的に(n/2)倍の前記VDD電位とを切り替える、
キャパシタンススイッチング素子。
【請求項19】
ビット制御信号を受信し、前記ビット制御信号に応答して、前記第1の制御信号と前記第2の制御信号とを生成するように構成されたレベルシフト回路をさらに備える請求項18に記載のキャパシタンススイッチング素子。
【請求項20】
第1のキャパシタと、
第2のキャパシタと、
前記第1のキャパシタおよび前記第2のキャパシタを直列に選択的に結合し、トランジスタ電圧ストレスを低減するための手段と
を備えるキャパシタンススイッチング素子。
【請求項21】
キャパシタンスを切り替える方法であって、
第1のキャパシタと、第2のキャパシタとを提供することと、
前記第1のキャパシタと前記第2のキャパシタとの間で直列に結合された、第1のトランジスタと第2のトランジスタとを提供することと、
実質的に供給電圧VDDで前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタのゲートにバイアスをかけ、実質的に接地電位で前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタのソースおよびドレインにバイアスをかけて、前記第1のキャパシタを前記第2のキャパシタに接続することと、
実質的に半分の前記VDDで前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタの前記ゲートにバイアスをかけ、実質的に前記VDDで前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタの前記ソースおよび前記ドレインにバイアスをかけて、前記第1のキャパシタを前記第2のキャパシタから切り離すことと
を備える方法。
【請求項22】
前記ゲートにバイアスをかけるための第1の制御信号と、前記ソースおよび前記ドレインにバイアスをかけるための前記第2の制御信号とを、ビット制御信号から生成するようにレベルシフト回路を動作させること
をさらに備える請求項21に記載のキャパシタンスを切り替える方法。
【請求項23】
前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタは、薄酸化物トランジスタである、請求項22に記載のキャパシタンスを切り替える方法。
【請求項24】
キャパシタンスを切り替える方法であって、
第1のキャパシタと、第2のキャパシタとを提供することと、
nが少なくとも3である、n個の複数のトランジスタであって、前記第1のキャパシタと前記第2のキャパシタとの間で直列に結合されている、前記複数のトランジスタの前記トランジスタを提供することと、
実質的に供給電圧VDDで前記複数のトランジスタのそれぞれのトランジスタのゲートにバイアスをかけ、実質的に接地電位で前記それぞれのトランジスタのソースおよびドレインにバイアスをかけて、前記第1のキャパシタを前記第2のキャパシタに接続することと、
実質的に((n−1)/2)倍のVDDで前記ゲートにバイアスをかけ、実質的に(n/2)倍のVDDで前記ソースおよび前記ドレインにバイアスをかけて、前記第1のキャパシタを前記第2のキャパシタから切り離すこと
を備える方法。
【請求項25】
(1)前記ゲートにバイアスをかけるための第1の制御信号、および(2)前記ソースおよび前記ドレインにバイアスをかけるための第2の制御信号のうちの少なくとも1つを、ビット制御信号から生成するようにレベルシフト回路を動作させること
をさらに備える請求項24に記載のキャパシタンスを切り替える方法。
【請求項26】
前記それぞれのトランジスタは薄酸化物トランジスタである、請求項25に記載のキャパシタンスを切り替える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−529872(P2012−529872A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515115(P2012−515115)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/038038
【国際公開番号】WO2010/144621
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】