説明

クロックジェネレータ

【課題】 チャージポンプ回路の出力電圧変動を抑制する。
【解決手段】 PLL回路1は、位相比較器2、チャージポンプ回路・LPF部3、VCO4、及び分周器5から構成され、チャージポンプ回路・LPF部3には、チャージポンプ回路6の充電電流及び放電電流を同一にするための補正チャージポンプ電流をチャージポンプ回路6に供給するチャージポンプ電流補正回路9が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PLL(Phase Locked Loop)回路やDLL(Delay)Locked Loop)回路に係り、特にチャージポンプ電流補正回路を備えたクロックジェネレータに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の高機能化・多機能化の進展に伴い、情報機器やコンピュータなどに、多数のシステム機能を同一チップ上に集積し、ディジタル信号により動作するシステムLSIやメモリ、論理回路、アナログ回路などを同一チップに搭載したSoC(System on a chip)などが多用されている。システムLSIやSoCの内部には、外部クロック信号との同期や各種信号処理の基準信号用として、内部クロック信号を生成するPLL回路やDLL回路が設けられている。
【0003】
PLL回路には、位相比較器、チャージポンプ回路、LPF(Low Pass Filter)、電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator これ以降VCOと呼称する)、及び分周器から構成されるアナログPLL回路と、位相比較器、レジスタ、遅延制御発振器(Delay Controlled Oscillator これ以降DCOと呼称する)、クロックドライバ、及び分周器から構成されるディジタルPLL回路があり、PLL回路は外部からの入力信号に位相同期した信号を出力する負帰還制御ループ構造の回路である。
【0004】
アナログPLL回路に用いられるチャージポンプ回路は、位相比較器から出力されたUP信号が“High”レベル、DOWN信号が“High”レベルの場合、この期間Up信号にもとづいて放電電流を発生してVCOの発振電圧を制御する制御電圧を降下させ、位相比較器から出力されたUP信号が“Low”レベル、DOWN信号が“Low”レベルの場合、この期間Down信号にもとづいて充電電流を発生してVCOの発振電圧を制御する制御電圧を上昇させる。そして、UP信号が“Low”レベル、DOWN信号が“High”レベルの場合、充電電流及び放電電流を発生する(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
ところが、特許文献1などに記載されるチャージポンプ回路では、充電電流を発生するPch MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタの出力インピーダンスと放電電流を発生するNch MOSトランジスタの出力インピーダンスがプロセスバラツキにより変動した場合、本来同じ値であるべき充電電流と放電電流に差が発生し、出力電圧が変動するという問題点がある。
【0006】
また、位相比較器の位相差“0”付近で発生する不感帯対策として複数段のインバータからなる遅延回路を位相比較器に設けた場合、位相差“0”付近でも充電電流と放電電流が発生するので、Pch MOSトランジスタの出力インピーダンスとNch MOSトランジスタの出力インピーダンスに差があると位相差“0”付近でも出力電圧が変動するという問題点がある。ここで、チャージポンプ回路の出力電圧変動が発生した場合、VCOの発振周波数が変化し、VCOの出力ジッタとなるのでPLL回路から出力されるクロック信号が所定のタイミングに入らず、揺れることになる。
【特許文献1】特開2003−298414号公報(頁10、図11)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、チャージポンプ回路の出力電圧変動を抑制できるチャージポンプ電流補正回路を備えたクロックジェネレータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様のクロックジェネレータは、位相比較器から出力されたDOWN信号及びUP信号を入力し、前記DOWN信号にもとづいてLPFの容量を充電するための充電電流、及び前記UP信号にもとづいて前記LPFの容量を放電するための放電電流を生成するチャージポンプ回路と、前記充電電流及び前記放電電流の差を比較し、その信号を増幅する比較増幅手段と、前記比較増幅手段から出力された信号の値に応じた補正チャージポンプ電流を生成し、前記補正チャージポンプ電流を前記チャージポンプ回路に供給して前記充電電流及び前記放電電流を等しくするように補正する電流補正手段とを有するチャージポンプ電流補正回路とを具備することを特徴とする。
【0009】
更に、上記目的を達成するために、本発明の他態様のクロックジェネレータは、高電位側電源と低電位側電源の間に、第1のPch MOSトランジスタ、第2のPch MOSトランジスタ、第1のNch MOSトランジスタ、及び第2のNch MOSトランジスタが縦続接続され、前記第1のPch MOSトランジスタがゲートに入力される第1のバイアス電圧によりオンして充電電流を生成し、前記第2のPch MOSトランジスタがゲートに入力される位相比較器から出力されたDOWN信号によりオン・オフ動作をし、前記第1のNch MOSトランジスタがゲートに入力される前記位相比較器から出力されたUP信号によりオン・オフ動作をし、前記第2のNch MOSトランジスタがゲートに入力される第2のバイアス電圧によりオンして放電電流を生成し、前記第2のPch MOSトランジスタのドレイン及び前記第1のNch MOSトランジスタのドレインの間の出力ノードから出力信号を出力するチャージポンプ回路と、ソースが前記高電位側電源に接続され、ゲートに前記第1のバイアス電圧が入力され、前記第1のバイアス電圧によりオンして第1の電流を生成する第3のPch MOSトランジスタと、ソースが前記第3のPch MOSトランジスタのドレインに接続され、ゲートに印加される前記低電位側電源によりオンする第4のPch MOSトランジスタと、ドレインが前記第4のPch MOSトランジスタのドレインに接続され、ゲートに印加される前記高電位側電源によりオンする第3のNch MOSトランジスタと、ドレインが前記第3のNch MOSトランジスタのソースに接続され、ソースが前記低電位側電源に接続され、ゲートに前記第2のバイアス電圧が入力され、前記第2のバイアス電圧によりオンして第2の電流を生成する第4のNch MOSトランジスタと、前記チャージポンプ回路の前記出力ノードの第1の信号と、前記第4のPch MOSトランジスタのドレイン及び前記第3のNch MOSトランジスタのドレインの間の出力ノードの第2の信号とを入力し、前記第1の信号及び前記第2の信号を差動増幅する差動増幅回路と、ソースが前記高電位側電源に接続され、ゲートに前記差動増幅回路から出力された差動増幅信号を入力し、前記差動増幅信号の値に応じた補正チャージポンプ電流を前記第1のPch MOSトランジスタのドレイン及び前記第2のPch MOSトランジスタのソースの間の出力ノードに供給する第5のPch MOSトランジスタと、ソースが前記高電位側電源に接続され、ゲートに前記差動増幅回路から出力された前記差動増幅信号を入力し、前記差動増幅信号の値に応じた前記第1の電流及び前記第2の電流を等しくするように補正する補正電流を前記第3のPch MOSトランジスタのドレイン及び前記第4のPch MOSトランジスタのソースの間の出力ノードに供給する第6のPch MOSトランジスタとを備え、前記充電電流及び前記放電電流を等しくするように補正する電流補正手段とを有するチャージポンプ電流補正回路とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、チャージポンプ回路の出力電圧変動を抑制できるチャージポンプ電流補正回路を備えたクロックジェネレータを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0012】
まず、本発明の実施例1に係るクロックジェネレータについて、図面を参照して説明する。図1はPLL回路を示すブロック図である。本実施例では、チャージポンプ回路の出力電圧変動を抑制するために、Pch MOSトランジスタ側に流れる充電電流を補正するチャージポンプ電流補正回路を設けている。
【0013】
図1に示すように、PLL回路1には、位相比較器2、チャージポンプ回路・LPF部3、VCO4、及び分周器5が設けられている。
【0014】
位相比較器2は、例えば、外部から入力される入力信号Finをクロック信号として入力する第1のフリップフロップ、帰還信号である分周信号Foscをクロック信号として入力する第2のフリップフロップ、信号処理を行うゲート回路、及び位相差“0”付近の不感帯対策としての複数段のインバータからなる遅延回路を有する(図示していない)。
【0015】
そして、位相比較器2は、入力信号Fin及び分周信号Foscの位相を比較し、一方が他方に対して位相が進んでいるか遅れているかにより、出力ノードN1にUP信号である位相差信号Up或いは出力ノードN2にDOWN信号である位相差信号Dnのいずれか一方の信号を出力する。なお、位相比較器2では、位相差“0”付近でも位相差信号Upと位相差信号Dnが出力される。
【0016】
チャージポンプ回路・LPF部3は、位相比較器2とVCO4の間に設けられ、位相比較器2から出力された位相差信号Upと位相差信号Dnを入力し、LPFを介して、出力ノードN3からVCO4の発振電圧を制御するVCO制御電圧VvcoをVCO4に供給する。なお、チャージポンプ回路・LPF部3の回路構成及び動作については後に詳述する。
【0017】
VCO4は、チャージポンプ回路・LPF部3と分周器5の間に設けられ、チャージポンプ回路・LPF部3から出力されたVCO4に対する制御信号となるVCO制御電圧Vvcoを入力し、VCO制御電圧Vvcoの値に応じて発振周波数を変化させ、その信号を出力ノードから発振信号Foutとして、分周器5及び外部に出力する。
【0018】
分周器5は、VCO4と位相比較器2の間に設けられ、VCO4から出力された発振信号Foutを入力し、発振信号Foutの周波数を1/Nに分周して位相比較器2に出力する。
【0019】
次に、PLL回路の動作について図2を参照して説明する。図2は、PLL回路の動作を示す図、図2(a)は帰還信号としての分周信号の位相が入力信号の位相よりも遅い場合のPLL回路の動作を示す図、図2(b)は帰還信号としての分周信号の位相が入力信号の位相よりも速い場合のPLL回路の動作を示す図である。
【0020】
図2(a)に示すように、帰還信号としての分周信号Foscの位相が入力信号Finよりも位相が遅い場合のPLL回路の動作は、入力信号Finと分周信号Foutの位相差が異なる期間だけUP信号である位相差信号Upを受け、チャージポンプによる放電電流によりVCO制御電圧Vvcoが降下して、VCO4の出力周波数である発振信号Foutの周波数が高くなり、分周信号Foscの立ち上がりエッジが入力信号Finの立ち上がりエッジに近づく。
【0021】
一方、図2(b)に示すように、帰還信号としての分周信号Foscの位相が入力信号Finよりも位相が速い場合のPLL回路の動作は、分周信号Foutと入力信号Finの位相差が異なる期間だけDOWN信号である位相差信号Dnを受け、チャージポンプによる充電電流によりVCO制御電圧Vvcoが上昇して、VCO4の出力周波数である発振信号Foutの周波数が低くなり、分周信号Foscの立ち上がりエッジが入力信号Finの立ち上がりエッジに近づく。
【0022】
次に、チャージポンプ回路・LPF部の回路構成について図3を参照して説明する。図3は、チャージポンプ回路・LPF部を示す回路図である。
【0023】
図3に示すように、チャージポンプ回路・LPF部3は、チャージポンプ回路6、バイアス回路7、LPF8、及びチャージポンプ電流補正回路9から構成されている。なお、LPFはループフィルタとも呼称される。
【0024】
バイアス回路7は、チャージポンプ回路6及びチャージポンプ電流補正回路9に、一定なバイアス電圧であるPch MOSトランジスタ制御用バイアス電圧Vp及びNch MOSトランジスタ制御用バイアス電圧Vnを供給する。
【0025】
チャージポンプ回路6は、Pch MOSトランジスタPT1、Pch MOSトランジスタPT2、Nch MOSトランジスタNT1、及びNch MOSトランジスタNT2から構成される電流出力型チャージポンプ回路である。なお、MOSトランジスタは、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)とも呼称される。
【0026】
Pch MOSトランジスタPT1は、ソースが高電位側電源Vddに接続され、ゲートにバイアス回路7から供給されるバイアス電圧Vpが印加され、ドレインがPch MOSトランジスタPT2のソースに接続され、ソースからドレイン方向にPch MOSトランジスタ電流Ipchを流す電流源として機能する。Pch MOSトランジスタPT2は、ゲートに位相差信号Dnを入力し、ドレインがNch MOSトランジスタNT1のドレインに接続され、位相差信号Dnの信号レベルによりオン・オフ動作する。
【0027】
Nch MOSトランジスタNT1は、ゲートに位相差信号Upを入力し、ソースがNch MOSトランジスタNT2のドレインに接続され、位相差信号Upの信号レベルによりオン・オフ動作する。Nch MOSトランジスタNT2は、ゲートにバイアス回路7から供給されるバイアス電圧Vnが印加され、ソースが低電位側電源Vssに接続され、ドレインからソース方向にNch MOSトランジスタ電流Inchを流す電流源として機能する。
【0028】
ここで、Pch MOSトランジスタ電流Ipchは、Pch MOSトランジスタPT1の出力インピーダンスがNch MOSトランジスタNT2の出力インピーダンスよりも大きいので、Nch MOSトランジスタ電流Inchよりも小さい。
【0029】
なお、チャージポンプ回路6は、位相差信号Upの信号レベルが“Low”レベル、位相差信号Dnの信号レベルが“Low”レベルのとき、Pch MOSトランジスタPT2のドレインとNch MOSトランジスタNT1のドレイン間の出力ノードN11からLPF8を充電する充電電流を出力し、位相差信号Upの信号レベルが“High”レベル、位相差信号Dnの信号レベルが“High”レベルのとき、低電位側電源Vss側にLPF8を放電する放電電流を流す。
【0030】
LPF8は、高電位側電源Vddと出力ノードN11及び出力ノードN3の間に縦続接続されたコンデンサC1及び抵抗R1から構成され、チャージポンプ回路6から出力された信号にもとづいて、出力ノードN3からVCO制御電圧Vvcoを出力する。
【0031】
チャージポンプ電流補正回路9は、Pch MOSトランジスタPT1a、Pch MOSトランジスタPT2a、Pch MOSトランジスタPT3、Pch MOSトランジスタPT3a、Nch MOSトランジスタNT1a、Nch MOSトランジスタNT2a、及び差動増幅回路10から構成されている。
【0032】
Pch MOSトランジスタPT1aは、ソースが高電位側電源Vddに接続され、ゲートにバイアス回路7から供給されるバイアス電圧Vpが印加され、ドレインがPch MOSトランジスタPT2aのソースに接続され、第1の電流が流れる電流源として機能する。Pch MOSトランジスタPT2aは、ゲートが低電位側電源Vssに接続され、ドレインがNch MOSトランジスタNT1aのドレインに接続され、常にオンしている。
【0033】
Nch MOSトランジスタNT1aは、ゲートが高電位側電源Vddに接続され、ソースがNch MOSトランジスタNT2aのドレインに接続され、常にオンしている。Nch MOSトランジスタNT2aは、ゲートにバイアス回路7から供給されるバイアス電圧Vnが印加され、ソースが低電位側電源Vssに接続され、第2の電流が流れる電流源として機能する。なお、Pch MOSトランジスタPT1a、Pch MOSトランジスタPT2a、Nch MOSトランジスタNT1a、及びNch MOSトランジスタNT2aは、電流生成手段として機能する。
【0034】
差動増幅回路10は、入力の+側にPch MOSトランジスタPT2aのドレインとNch MOSトランジスタNT1aのドレインの間の出力ノードN11aの信号を入力し、入力の−側に出力ノードN3の信号を入力し、+側に入力される入力信号と−側に入力される入力信号とを比較し、比較増幅した信号を出力ノードN13から出力する。
【0035】
Pch MOSトランジスタPT3は、ソースが高電位側電源Vddに接続され、ドレインがPch MOSトランジスタPT1のドレインとPch MOSトランジスタPT2のソースの間の出力ノードN12に接続され、ゲートに差動増幅回路10から出力された比較増幅信号を入力して、比較増幅信号の信号レベルに応じた補正Pch MOSトランジスタ電流ΔIpchを出力ノードN12側に供給する。なお、Pch MOSトランジスタPT3は、充電電流と放電電流を等しくするための補正チャージポンプ電流を流す電流補正手段として機能する。
【0036】
Pch MOSトランジスタPT3aは、ソースが高電位側電源Vddに接続され、ドレインがPch MOSトランジスタPT1aのドレインとPch MOSトランジスタPT2aのソースの間の出力ノードN12aに接続され、ゲートに差動増幅回路10から出力された比較増幅信号を入力して、Pch MOSトランジスタPT3と同様な動作をして、比較増幅信号の信号レベルに応じた補正電流(補正Pch MOSトランジスタ電流ΔIpchと同レベル)を出力ノードN12a側に供給する。なお、Pch MOSトランジスタPT3aは、第1の電流と第2の電流を等しくするための補正電流を流す電流補正手段として機能する。
【0037】
ここで、Pch MOSトランジスタPT1乃至PT3は、Pch MOSトランジスタPT1a乃至PT3aと同一ゲート寸法(ゲート長Lg及びゲート幅Wgが同一寸法)、或いはPch MOSトランジスタPT1a乃至PT3aをK倍(WgをK倍、LgをK倍)にするのが好ましい。Nch MOSトランジスタNT1及びNch MOSトランジスタNT2は、Nch MOSトランジスタNT1a及びNch MOSトランジスタNT2aと同一ゲート寸法(ゲート長Lg及びゲート幅Wgが同一寸法)、或いはNch MOSトランジスタNT1a及びNch MOSトランジスタNT2aをK倍(Wg及びLgをK倍)にするのが好ましい。更に、MOSトランジスタの出力インピーダンスのバラツキを抑制するためにKの値は1以上が好ましい。
【0038】
次に、チャージポンプ回路の特性について、図4及び図5を参照して説明する。図4は、従来のロック点の最大値及び最小値を有するチャージポンプ回路の出力電圧とチャージポンプ電流の関係を示す図、図5は実施例1のロック点の最大値及び最小値を有するチャージポンプ回路の出力電圧とチャージポンプ電流の関係を示す図、図6は実施例1の1点ロックの場合のチャージポンプ回路の出力電圧とチャージポンプ電流の関係を示す図である。ここで、従来のチャージポンプ回路では、チャージポンプ電流補正回路を設けていない。
【0039】
図4に示すように、従来では、Pch MOSトランジスタが最小値でのロック点A1及び最大値でのロック点A2を有し、Nch MOSトランジスタ最小値でのロック点B2及び最大値でのロック点B1を有する2点でロックするように設定されていると、出力電圧(CHP出力電圧)の値の差が大きい場合、本来同じ値であるべき充電電流と放電電流に差が発生する。この結果、充電時の出力電圧はA1、A2であるのに、放電時の出力電圧はB2、B1であり一致しない。このため、所望の出力電圧を得ることができなくなる。
【0040】
一方、図5に示すように、本実施例では、Pch MOSトランジスタPT1及びNch MOSトランジスタNT2が共に2点の最大値及び最小値でロックするように設定されていると、ロック点の最大値では、差動増幅回路10から出力される比較増幅信号によりPch MOSトランジスタPT3が動作し、補正Pch MOSトランジスタ電流がチャージポンプ回路6に供給され、
Inch=Ipch+ΔIpch・・・・・・・・・・・・・・・式(1)
となり、ロック点の最小値ばかりでなく、ロック点の最大値でも充電電流と放電電流が等しくなるので、出力電圧を一定な値に保持することができる。
【0041】
また、図6に示すように、1点ロックの場合でも、Pch MOSトランジスタPT1がロック点A2から、差動増幅回路10から出力される比較増幅信号によりPch MOSトランジスタPT3が動作して、本来のロック点A1でロックされ、充電電流と放電電流が等しくなるので出力電圧を一定な値に保持することができる。
【0042】
上述したように、本実施例のクロックジェネレータでは、チャージポンプ回路6の充電電流と放電電流を同一にするための補正チャージポンプ電流である補正Pch MOSトランジスタ電流ΔIpchをチャージポンプ回路6に供給するチャージポンプ電流補正回路9が設けられている。このため、プロセスバラツキにより、充電電流を発生するPch MOSトランジスタの出力インピーダンスが放電電流を発生するNch MOSトランジスタの出力インピーダンスよりも大きくなった場合でも充電電流と放電電流を同一にすることができ、チャージポンプ回路6の出力電圧を一定に保つことができる。
【0043】
更に、位相比較器の位相差“0”付近で発生する不感帯対策として複数段のインバータからなる遅延回路を位相比較器に設けた場合、Pch MOSトランジスタの出力インピーダンスがNch MOSトランジスタの出力インピーダンスよりも大きくなっても充電電流と放電電流を同一にすることができ、チャージポンプ回路6の位相差“0”付近での出力電圧を一定に保つことができる。
【0044】
したがって、チャージポンプ回路6の出力電圧変動によって発生するVCO4の発振周波数変動(所謂 VCOの出力ジッタ)を抑制できるので、PLL回路1のジッタを低減することができる。
【0045】
なお、本実施例では、チャージポンプ電流補正回路をPLL回路に適用したが、DLL回路に適用することができる。更に、電流出力型であるチャージポンプ回路6に、出力が切り替わる時に発生する出力電圧のアンダーシュート現象であるグリッチを抑制するために、差動増幅回路を備えたボルテージフォロワを追加してもよい。
【実施例2】
【0046】
次に、本発明の実施例2に係るクロックジェネレータについて、図面を参照して説明する。図7はチャージポンプ回路・LPF部を示す回路図である。チャージポンプ回路の出力電圧変動を抑制するために、Nch MOSトランジスタ側に流れる放電電流を補正するチャージポンプ電流補正回路を設けている。
【0047】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0048】
図7に示すように、チャージポンプ回路・LPF部3aは、チャージポンプ回路6、バイアス回路7、LPF8、及びチャージポンプ電流補正回路9aから構成されている。
【0049】
バイアス回路7は、チャージポンプ回路6及びチャージポンプ電流補正回路9aに、一定なバイアス電圧であるPch MOSトランジスタ制御用バイアス電圧Vp及びNch MOSトランジスタ制御用バイアス電圧Vnを供給する。
【0050】
チャージポンプ回路6は、Pch MOSトランジスタPT1、Pch MOSトランジスタPT2、Nch MOSトランジスタNT1、及びNch MOSトランジスタNT2から構成される電流出力型チャージポンプ回路である。そして、Pch MOSトランジスタ電流Ipchは、Pch MOSトランジスタPT1の出力インピーダンスがNch MOSトランジスタNT2の出力インピーダンスよりも小さいので、Nch MOSトランジスタ電流Inchよりも大きい。
【0051】
チャージポンプ電流補正回路9aは、Pch MOSトランジスタPT1a、Pch MOSトランジスタPT2a、Nch MOSトランジスタNT1a、Nch MOSトランジスタNT2a、Nch MOSトランジスタNT3、Nch MOSトランジスタNT3a及び差動増幅回路10から構成されている。
【0052】
Pch MOSトランジスタPT1aは、ソースが高電位側電源Vddに接続され、ゲートにバイアス回路7から供給されるバイアス電圧Vpが印加され、ドレインがPch MOSトランジスタPT2aのソースに接続され、電流源として機能する。Pch MOSトランジスタPT2aは、ゲートが低電位側電源Vssに接続され、ドレインがNch MOSトランジスタNT1aのドレインに接続され、常にオンしている。
【0053】
Nch MOSトランジスタNT1aは、ゲートが高電位側電源Vddに接続され、ソースがNch MOSトランジスタNT2aのドレインに接続され、常にオンしている。Nch MOSトランジスタNT2aは、ゲートにバイアス回路7から供給されるバイアス電圧Vnが印加され、ソースが低電位側電源Vssに接続され、電流源として機能する。
【0054】
差動増幅回路10は、入力の+側にPch MOSトランジスタPT2aのドレインとNch MOSトランジスタNT1aのドレインの間の出力ノードN11aの信号を入力し、入力の−側に出力ノードN3の信号を入力し、+側に入力される入力信号と−側に入力される入力信号とを比較し、比較増幅した信号を出力ノードN13から出力する。
【0055】
Nch MOSトランジスタNT3は、ドレインがNch MOSトランジスタNT1のソースとNch MOSトランジスタNT2のドレインの間の出力ノードN14に接続され、ソースが低電位側電源Vssに接続され、ゲートに差動増幅回路10の出力ノード13から出力された比較増幅信号を入力して、比較増幅信号の信号レベルに応じた補正Nch MOSトランジスタ電流ΔInchを低電位側電源Vss側に流す。なお、Nch MOSトランジスタNT3は、充電電流と放電電流を等しくするための補正チャージポンプ電流を流す電流補正手段として機能する。
【0056】
Nch MOSトランジスタNT3aは、ドレインがNch MOSトランジスタNT1aのソースとNch MOSトランジスタNT2aのドレインの間の出力ノードN14aに接続され、ソースが低電位側電源Vssに接続され、ゲートに差動増幅回路10の出力ノード13から出力された比較増幅信号を入力し、Nch MOSトランジスタNT3と同様な動作をして、比較増幅信号の信号レベルに応じた補正電流を低電位側電源Vss側に流す。なお、Nch MOSトランジスタNT3aは、Pch MOSトランジスタPT1aを流れる第1の電流とNch MOSトランジスタNT2aを流れる第2の電流を等しくするための補正電流を流す電流補正手段として機能する。
【0057】
ここで、Pch MOSトランジスタPT1及びPch MOSトランジスタPT2は、Pch MOSトランジスタPT1a及びPch MOSトランジスタPT2aと同一ゲート寸法(ゲート長Lg及びゲート幅Wgが同一寸法)、或いはPch MOSトランジスタPT1a及びPch MOSトランジスタPT2aをK倍(WgをK倍、LgをK倍)にするのが好ましい。Nch MOSトランジスタNT1乃至NT3は、Nch MOSトランジスタNT1a乃至NT3aと同一ゲート寸法(ゲート長Lg及びゲート幅Wgが同一寸法)、或いはNch MOSトランジスタNT1a乃至NT3aをK倍(Wg及びLgをK倍)にするのが好ましい。更に、MOSトランジスタの出力インピーダンスのバラツキを抑制するためにKの値は1以上が好ましい。
【0058】
次に、チャージポンプ回路の特性について、図8を参照して説明する。図8は、1点ロックの場合のチャージポンプ回路の出力電圧とチャージポンプ電流の関係を示す図である。
【0059】
図8に示すように、Pch MOSトランジスタPT1及びNch MOSトランジスタNT2が共に1点でロックするように設定されていると、Nch MOSトランジスタNT2がロック点B2から、差動増幅回路10から出力される比較増幅信号によりNch MOSトランジスタNT3が動作して、補正Nch MOSトランジスタ電流がチャージポンプ回路6に供給され、
Inch+ΔInch=Ipch・・・・・・・・・・・・・・・式(2)
となり、本来のロック点B1でロックされ、充電電流と放電電流が等しくなるので出力電圧を一定な値の保持することができる。
【0060】
上述したように、本実施例のクロックジェネレータでは、チャージポンプ回路6の充電電流と放電電流を同一にするための補正チャージポンプ電流である補正Nch MOSトランジスタ電流ΔInchをチャージポンプ回路6に供給するチャージポンプ電流補正回路9aが設けられている。このため、プロセスバラツキにより、充電電流を発生するPch MOSトランジスタの出力インピーダンスが放電電流を発生するNch MOSトランジスタの出力インピーダンスよりも小さくなった場合でも充電電流と放電電流を同一にすることができ、チャージポンプ回路6の出力電圧を一定に保つことができる。
【0061】
更に、位相比較器の位相差“0”付近で発生する不感帯対策として複数段のインバータからなる遅延回路を位相比較器に設けた場合、Pch MOSトランジスタの出力インピーダンスがNch MOSトランジスタの出力インピーダンスよりも小さくなっても充電電流と放電電流を同一にすることができ、チャージポンプ回路6の位相差“0”付近での出力電圧を一定に保つことができる。
【0062】
したがって、チャージポンプ回路6の出力電圧変動によって発生するVCO4の発振周波数変動(所謂 VCOの出力ジッタ)を抑制できるので、PLL回路1のジッタを低減することができる。
【0063】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々、変更してもよい。
【0064】
例えば、実施例では、ゲート絶縁膜にシリコン酸化膜を有するMOSトランジスタを用いているが、シリコン酸化膜を熱窒化したSiNxOy膜、シリコン窒化膜(Si)/シリコン酸化膜の積層膜、或いは高誘電体膜(High−Kゲート絶縁膜)等がゲート絶縁膜となるMIS(Metal Insulator Semiconductor)トランジスタを用いてもよい。
【0065】
本発明は、以下の付記に記載されているような構成が考えられる。
(付記1) 高電位側電源と低電位側電源の間に、第1のPch MOSトランジスタ、前記第1のPch MOSトランジスタと同一形状の第2のPch MOSトランジスタ、第1のNch MOSトランジスタ、及び前記第1のNch MOSトランジスタと同一形状の第2のNch MOSトランジスタが縦続接続され、前記第1のPch MOSトランジスタがゲートに入力される第1のバイアス電圧によりオンして充電電流を生成し、前記第2のPch MOSトランジスタがゲートに入力される位相比較器から出力されたDOWN信号によりオン・オフ動作をし、前記第1のNch MOSトランジスタがゲートに入力される前記位相比較器から出力されたUP信号によりオン・オフ動作をし、前記第2のNch MOSトランジスタがゲートに入力される第2のバイアス電圧によりオンして放電電流を生成し、前記第2のPch MOSトランジスタのドレイン及び前記第1のNch MOSトランジスタのドレインの間の出力ノードから出力信号を出力するチャージポンプ回路と、ソースが前記高電位側電源に接続され、ゲートに前記第1のバイアス電圧が入力され、前記第1のバイアス電圧によりオンして第1の電流を生成する前記第1のPch MOSトランジスタのK倍(ただし、Kは1以上)の形状を有する第3のPch MOSトランジスタと、ソースが前記第3のPch MOSトランジスタのドレインに接続され、ゲートに印加される前記低電位側電源によりオンする前記第2のPch MOSトランジスタのK倍の形状を有する第4のPch MOSトランジスタと、ドレインが前記第4のPch MOSトランジスタのドレインに接続され、ゲートに印加される前記高電位側電源によりオンする前記第1のNch MOSトランジスタのK倍の形状を有する第3のNch MOSトランジスタと、ドレインが前記第3のNch MOSトランジスタのソースに接続され、ソースが前記低電位側電源に接続され、ゲートに前記第2のバイアス電圧が入力され、前記第2のバイアス電圧によりオンして第2の電流を生成する前記第2のNch MOSトランジスタのK倍の形状を有する第4のNch MOSトランジスタと、前記チャージポンプ回路の前記出力ノードの第1の信号と、前記第4のPch MOSトランジスタのドレイン及び前記第3のNch MOSトランジスタのドレインの間の出力ノードの第2の信号とを入力し、前記第1の信号及び前記第2の信号を差動増幅する差動増幅回路と、ソースが前記高電位側電源に接続され、ゲートに前記差動増幅回路から出力された差動増幅信号を入力し、前記差動増幅信号の値に応じた補正チャージポンプ電流を前記第1のPch MOSトランジスタのドレイン及び前記第2のPch MOSトランジスタのソースの間の出力ノードに供給する前記第1のPch MOSトランジスタと同一形状の第5のPch MOSトランジスタと、ソースが前記高電位側電源に接続され、ゲートに前記差動増幅回路から出力された前記差動増幅信号を入力し、前記差動増幅信号の値に応じた前記第1の電流及び前記第2の電流を等しくするように補正する補正電流を前記第3のPch MOSトランジスタのドレイン及び前記第4のPch MOSトランジスタのソースの間の出力ノードに供給する前記第1のPch MOSトランジスタのK倍の形状を有する第6のPch MOSトランジスタとを備え、前記充電電流及び前記放電電流を等しくするように補正する電流補正手段とを有するチャージポンプ電流補正回路とを具備するクロックジェネレータ。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施例1に係るPLL回路を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例1に係るPLL回路の動作を示す図。
【図3】本発明の実施例1に係るチャージポンプ回路・LPF部を示す回路図。
【図4】本発明の実施例1に係る従来のロック点の最大値及び最小値を有するチャージポンプ回路の出力電圧とチャージポンプ電流の関係を示す図。
【図5】本発明の実施例1に係るロック点の最大値及び最小値を有するチャージポンプ回路の出力電圧とチャージポンプ電流の関係を示す図。
【図6】本発明の実施例1に係る1点ロックの場合のチャージポンプ回路の出力電圧とチャージポンプ電流の関係を示す図。
【図7】本発明の実施例2に係るチャージポンプ回路・LPF部を示す回路図。
【図8】本発明の実施例2に係る1点ロックの場合のチャージポンプ回路の出力電圧とチャージポンプ電流の関係を示す図。
【符号の説明】
【0067】
1 PLL回路
2 位相比較器
3、3a チャージポンプ回路・LPF部
4 VCO
5 分周器
6 チャージポンプ回路
7 バイアス回路
8 LPF
9、9a チャージポンプ電流補正回路
10 差動増幅回路
C1 コンデンサ
Dn、Up 位相差信号
Fin 入力信号
Fosc 分周信号
Fout 発振信号
Inch Nch MOSトランジスタ電流
Ipch Pch MOSトランジスタ電流
ΔIpch 補正Pch MOSトランジスタ電流
ΔInch 補正Nch MOSトランジスタ電流
N1〜5、N11、N11a、N12、N12a、N13、N14、N14a 出力ノード
NT1、NT1a、NT2、NT2a、NT3、NT3a Nch MOSトランジスタ
PT1、PT1a、PT2、PT2a、PT3、PT3a Pch MOSトランジスタ
R1 抵抗
Vdd 高電位側電源
Vn、Vp バイアス電圧
Vss 低電位側電源
Vvco VCO制御電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位相比較器から出力されたDOWN信号及びUP信号を入力し、前記DOWN信号にもとづいてLPFの容量を充電するための充電電流、及び前記UP信号にもとづいて前記LPFの容量を放電するための放電電流を生成するチャージポンプ回路と、
前記充電電流及び前記放電電流の差を比較し、その信号を増幅する比較増幅手段と、前記比較増幅手段から出力された信号の値に応じた補正チャージポンプ電流を生成し、前記補正チャージポンプ電流を前記チャージポンプ回路に供給して前記充電電流及び前記放電電流を等しくするように補正する電流補正手段とを有するチャージポンプ電流補正回路と、
を具備することを特徴とするクロックジェネレータ。
【請求項2】
前記電流補正手段は、ゲートに前記比較増幅手段から出力された信号を入力し、前記チャージポンプ回路の前記充電電流側に前記補正チャージポンプ電流を供給するPch MOSトランジスタを有し、前記比較増幅手段は、差動増幅回路から構成されていることを特徴とする請求項1に記載のクロックジェネレータ。
【請求項3】
前記電流補正手段は、ゲートに前記比較増幅手段から出力された信号を入力し、前記チャージポンプ回路の前記放電電流側に前記補正チャージポンプ電流を供給するNch MOSトランジスタを有し、前記比較増幅手段は、差動増幅回路から構成されていることを特徴とする請求項1に記載のクロックジェネレータ。
【請求項4】
高電位側電源と低電位側電源の間に、第1のPch MOSトランジスタ、第2のPch MOSトランジスタ、第1のNch MOSトランジスタ、及び第2のNch MOSトランジスタが縦続接続され、前記第1のPch MOSトランジスタがゲートに入力される第1のバイアス電圧によりオンして充電電流を生成し、前記第2のPch MOSトランジスタがゲートに入力される位相比較器から出力されたDOWN信号によりオン・オフ動作をし、前記第1のNch MOSトランジスタがゲートに入力される前記位相比較器から出力されたUP信号によりオン・オフ動作をし、前記第2のNch MOSトランジスタがゲートに入力される第2のバイアス電圧によりオンして放電電流を生成し、前記第2のPch MOSトランジスタのドレイン及び前記第1のNch MOSトランジスタのドレインの間の出力ノードから出力信号を出力するチャージポンプ回路と、
ソースが前記高電位側電源に接続され、ゲートに前記第1のバイアス電圧が入力され、前記第1のバイアス電圧によりオンして第1の電流を生成する第3のPch MOSトランジスタと、ソースが前記第3のPch MOSトランジスタのドレインに接続され、ゲートに印加される前記低電位側電源によりオンする第4のPch MOSトランジスタと、ドレインが前記第4のPch MOSトランジスタのドレインに接続され、ゲートに印加される前記高電位側電源によりオンする第3のNch MOSトランジスタと、ドレインが前記第3のNch MOSトランジスタのソースに接続され、ソースが前記低電位側電源に接続され、ゲートに前記第2のバイアス電圧が入力され、前記第2のバイアス電圧によりオンして第2の電流を生成する第4のNch MOSトランジスタと、前記チャージポンプ回路の前記出力ノードの第1の信号と、前記第4のPch MOSトランジスタのドレイン及び前記第3のNch MOSトランジスタのドレインの間の出力ノードの第2の信号とを入力し、前記第1の信号及び前記第2の信号を差動増幅する差動増幅回路と、ソースが前記高電位側電源に接続され、ゲートに前記差動増幅回路から出力された差動増幅信号を入力し、前記差動増幅信号の値に応じた補正チャージポンプ電流を前記第1のPch MOSトランジスタのドレイン及び前記第2のPch MOSトランジスタのソースの間の出力ノードに供給する第5のPch MOSトランジスタと、ソースが前記高電位側電源に接続され、ゲートに前記差動増幅回路から出力された前記差動増幅信号を入力し、前記差動増幅信号の値に応じた前記第1の電流及び前記第2の電流を等しくするように補正する補正電流を前記第3のPch MOSトランジスタのドレイン及び前記第4のPch MOSトランジスタのソースの間の出力ノードに供給する第6のPch MOSトランジスタとを備え、前記充電電流及び前記放電電流を等しくするように補正する電流補正手段とを有するチャージポンプ電流補正回路と、
を具備することを特徴とするクロックジェネレータ。
【請求項5】
高電位側電源と低電位側電源の間に、第1のPch MOSトランジスタ、第2のPch MOSトランジスタ、第1のNch MOSトランジスタ、及び第2のNch MOSトランジスタが縦続接続され、前記第1のPch MOSトランジスタがゲートに入力される第1のバイアス電圧によりオンして充電電流を生成し、前記第2のPch MOSトランジスタがゲートに入力される位相比較器から出力されたDOWN信号によりオン・オフ動作をし、前記第1のNch MOSトランジスタがゲートに入力される前記位相比較器から出力されたUP信号によりオン・オフ動作をし、前記第2のNch MOSトランジスタがゲートに入力される第2のバイアス電圧によりオンして放電電流を生成し、前記第2のPch MOSトランジスタのドレイン及び前記第1のNch MOSトランジスタのドレインの間の出力ノードから出力信号を出力するチャージポンプ回路と、
ソースが前記高電位側電源に接続され、ゲートに前記第1のバイアス電圧が入力され、前記第1のバイアス電圧によりオンして第1の電流を生成する第3のPch MOSトランジスタと、ソースが前記第3のPch MOSトランジスタのドレインに接続され、ゲートに印加される前記低電位側電源によりオンする第4のPch MOSトランジスタと、ドレインが前記第4のPch MOSトランジスタのドレインに接続され、ゲートに印加される前記高電位側電源によりオンする第3のNch MOSトランジスタと、ドレインが前記第3のNch MOSトランジスタのソースに接続され、ソースが前記低電位側電源に接続され、ゲートに前記第2のバイアス電圧が入力され、前記第2のバイアス電圧によりオンして第2の電流を生成する第4のNch MOSトランジスタと、前記チャージポンプ回路の前記出力ノードの第1の信号と、前記第4のPch MOSトランジスタのドレイン及び前記第3のNch MOSトランジスタのドレインの間の出力ノードの第2の信号とを入力し、前記第1の信号及び前記第2の信号を差動増幅する差動増幅回路と、ソースが前記低電位側電源に接続され、ゲートに前記差動増幅回路から出力された差動増幅信号を入力し、前記差動増幅信号の値に応じた補正チャージポンプ電流を前記第1のNch MOSトランジスタのソース及び前記第2のNch MOSトランジスタのドレインの間の出力ノードに供給する第5のNch MOSトランジスタと、ソースが前記低電位側電源に接続され、ゲートに前記差動増幅回路から出力された前記差動増幅信号を入力し、前記差動増幅信号の値に応じた前記第1の電流及び前記第2の電流を等しくするように補正する補正電流を前記第3のNch MOSトランジスタのソース及び前記第4のNch MOSトランジスタのドレインの間の出力ノードに供給する第6のNch MOSトランジスタとを備え、前記充電電流及び前記放電電流を等しくするように補正する電流補正手段とを有するチャージポンプ電流補正回路と、
を具備することを特徴とするクロックジェネレータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−270225(P2006−270225A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−81987(P2005−81987)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(000221199)東芝マイクロエレクトロニクス株式会社 (376)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】