説明

シリコンウェーハの処理装置

【課題】金属を含む部材からの汚染が防止され、且つ、メンテナンス時における副生成物の除去が容易なシリコンウェーハの処理装置を提供する。
【解決手段】チャンバー20と、チャンバー20に取り付けられ金属を含む材料からなる複数の部材とを備える。前記複数の部材のうち、副生成物の付着が相対的に多い排気配管41及びイグゾーストキャップ42にはDLCコーティングが施され、副生成物の付着が相対的に少ない他の部材には石英コーティングが施されている。本発明によれば、副生成物の付着のしやすさに応じてコーティング材料を選択していることから、金属汚染を防止しつつ、メンテナンス時において副生成物を容易に除去することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシリコンウェーハの処理装置に関し、特に、金属を含む部材に汚染防止のためのコーティングが施されたシリコンウェーハの処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコンウェーハの処理装置の一つにエピタキシャル成長装置がある。エピタキシャル成長装置は、主にシリコンウェーハの製造過程で用いられる装置であり、鏡面研磨されたシリコンウェーハの表面にシリコンエピタキシャル層を成長させる装置である。また、エピタキシャル成長装置は、デバイス前工程における選択エピタキシャル成長にも用いられることがある。
【0003】
エピタキシャル成長装置においては、シリコンウェーハの汚染を防止すべく、チャンバーなどの主要部材が石英によって構成される。しかしながら、全ての部材を石英で形成することは困難であることから、チャンバーの機械的強度を確保するためのベースプレートや、チャンバーから排気されるガスを案内する排気機構など、一部の部材には金属材料が用いられている。このような金属部材によるシリコンウェーハの汚染を防止する方法として、特許文献1には、金属部材のうちプロセスガスに曝される部分を石英コーティングする方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−49047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、エピタキシャル成長を行うと、主に排気機構などに副生成物が多く付着する。付着した副生成物は、ガスの流れを阻害するばかりでなく、パーティクルとなってシリコンウェーハを汚染するおそれがあることから、定期的なメンテナンスによってこれを除去する必要がある。
【0006】
メンテナンス時においては、排気機構がチャンバーなどから取り外され大気開放される結果、付着した副生成物が大気中の酸素や水分を取り込み、ポリシロキサンなどを形成する。これを取り除くためにはフッ酸を含有した液を用いる必要があるが、フッ酸は石英を侵すことから、副生成物が多く付着する部材に石英コーティングを施すと、フッ酸を含有した液を用いることができず、メンテナンスが非常に困難となってしまう。
【0007】
このような問題は、エピタキシャル成長装置に限らず、各種部材に副生成物が付着しうる全てのシリコンウェーハの処理装置に当てはまる問題である。また、副生成物の付着箇所については装置の種類などよって異なるが、いずれの装置においても副生成物が特に付着しやすい場所が存在する。
【0008】
したがって、本発明は、金属を含む部材からの汚染が防止され、且つ、メンテナンス時における副生成物の除去が容易なシリコンウェーハの処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるシリコンウェーハの処理装置は、シリコンウェーハが収容され、導入されるガスによって所定の処理が行われるチャンバーと、前記チャンバーに取り付けられ、金属を含む材料からなる複数の部材と、を備えるシリコンウェーハの処理装置であって、前記複数の部材のうち、前記ガスによる副生成物の付着が相対的に多い部材には少なくともフッ酸に侵されない材料からなる第1のコーティングが施され、前記ガスによる副生成物の付着が相対的に少ない部材には石英からなる第2のコーティングが施されていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、副生成物の付着のしやすさに応じてコーティング材料を選択していることから、金属汚染を防止しつつ、メンテナンス時において副生成物を容易に除去することが可能となる。
【0011】
本発明において、前記第1のコーティングはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)からなることが好ましい。DLCはフッ酸に侵されないことから、メンテナンス時において、フッ酸水溶液を用いてシロキサンなどを含む副生成物を除去することが可能となる。
【0012】
本発明において、前記複数の部材のうち、前記第1のコーティングが施された部材に与えられる温度は、前記第2のコーティングが施された部材の少なくとも一つに与えられる温度よりも低いことが好ましい。石英からなる第2のコーティングは耐熱性に優れる一方、DLCなど非石英材料からなる第1のコーティングは、石英と同等の耐熱性を持たせることは困難だからである。
【0013】
本発明において、前記複数の部材は、前記チャンバーから排気されるガスを案内する排気機構を含んでおり、前記排気機構の少なくとも一部には前記第1のコーティングが施されていることが好ましい。これによれば、エピタキシャル成長装置など、排気機構に副生成物が付着しやすい装置のメンテナンスが容易となる。
【0014】
本発明において、前記複数の部材は、前記チャンバー内にガスを導入する導入機構をさらに含んでおり、前記導入機構の少なくとも一部には前記第2のコーティングが施されていることが好ましい。エピタキシャル成長装置などにおいては、導入機構には副生成物が付着しにくいことから、このような箇所には石英からなる第2のコーティングを用いることができる。
【0015】
本発明において、前記複数の部材は、前記チャンバーを保持するベースプレートをさらに含んでおり、前記ベースプレートには前記第2のコーティングが施されていることが好ましい。ベースプレートは比較的高温に曝される部材であるとともに、副生成物の付着がほとんど生じないことから、このような部材には、耐熱性に優れる第2のコーティングを施すことが好ましいからである。
【0016】
本発明において、前記排気機構は、排気配管と、前記ベースプレートと前記排気配管を接続するイグゾーストキャップとを含んでおり、前記導入機構は、導入配管と、前記ベースプレートと前記導入配管を接続するインジェクトキャップとを含んでおり、前記排気配管及び前記イグゾーストキャップには、いずれも前記第1のコーティングが施されており、前記導入配管及び前記インジェクトキャップには、いずれも前記第2のコーティングが施されていることが好ましい。これは、排気配管及びイグゾーストキャップは、いずれも副生成物が付着しやすい部分だからである。
【0017】
本発明において、前記複数の部材は、前記チャンバー内に前記シリコンウェーハをロードし又は前記チャンバーから前記シリコンウェーハをアンロードするためのスリットバルブをさらに含んでおり、前記スリットバルブには前記第2のコーティングが施されていることが好ましい。これによれば、スリットバルブからの金属汚染も防止される。
【0018】
本発明において、前記複数の部材は、前記チャンバー内のシリコンウェーハを回転させるためのローテーションシャフトの挿入部をさらに含んでおり、前記ローテーションシャフトの挿入部には前記第2のコーティングが施されていることが好ましい。これによれば、ローテーションシャフト挿入部からの金属汚染も防止される。
【発明の効果】
【0019】
このように、本発明によれば、副生成物の付着のしやすさに応じてコーティング材料を選択していることから、金属汚染を防止しつつ、メンテナンス時において副生成物を容易に除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるシリコンウェーハの処理装置10の構造を示す略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるシリコンウェーハの処理装置10の構造を示す略断面図である。本実施形態によるシリコンウェーハの処理装置10はエピタキシャル成長装置であり、したがって、以下、エピタキシャル成長装置10と表記する。
【0023】
図1に示すように、本実施形態によるエピタキシャル成長装置10は、チャンバー20と、チャンバー20内にガスを導入する導入機構30と、チャンバー20から排気されるガスを案内する排気機構40とを有している。
【0024】
チャンバー20は、円盤状の上部部材21、漏斗状の下部部材22及びリング状の側部部材23,24からなる4つの部材によって構成され、これらが図1に示すように組み合わせられることによって、チャンバー20が構成される。これらの部材21〜24はいずれも石英からなる。
【0025】
チャンバー20の内部には、処理対象となるシリコンウェーハ100を保持するサセプタ25と、シリコンウェーハ100をサセプタ25に載置し又はシリコンウェーハ100をサセプタ25から取り出す昇降機構26が設けられている。サセプタ25はSiCがコーティングされたカーボン製であるが、昇降機構26は石英からなる。
【0026】
また、チャンバー20を構成する下部部材22には、チャンバー20内にシリコンウェーハ100をロードし又はチャンバー20からシリコンウェーハ100をアンロードするためのスリットバルブ27が設けられている。スリットバルブ27は金属材料からなり、その表面には石英コーティングが施されている。これにより、スリットバルブ27を構成する金属によるシリコンウェーハ100の汚染が防止されている。スリットバルブ27は、エピタキシャル成長中において高温に曝される部材であるが、石英コーティングは耐熱性が高いことから、熱によってコーティングが劣化することはない。また、スリットバルブ27は副生成物の付着が少ない部材であることから、フッ酸を用いた洗浄の必要性は少ない。
【0027】
さらに、チャンバー20の内部には、シリコンウェーハ100を回転させるためのローテーションシャフト28が設けられている。ローテーションシャフト28自体については石英によって構成されているが、ローテーションシャフト28を回転させるためのモータ50との接続部分やローテーションシャフト28を上下動させるためのアクチュエータ60との接続部分(ローテーションシャフト挿入部)において一部金属が用いられている。具体的に説明すると、ローテーションシャフト挿入部には、ローテーションハウジング28a、ウェハリフトハウジング28b、コレット28c及びアイソレーションハウジング28dなどが含まれており、これらに金属が用いられている。このようなローテーションシャフト挿入部には石英コーティングが施されており、これにより、ローテーションシャフト挿入部を構成する金属によるシリコンウェーハ100の汚染が防止されている。ローテーションシャフト挿入部は複雑な形状を有する部材であるが、石英はポリシラザンを用いることによって複雑な形状に対しても容易にコーティング可能である。また、ローテーションシャフト挿入部は、副生成物の付着が少ない部材であることから、フッ酸を用いた洗浄の必要性は少ない。
【0028】
図1に示すように、チャンバー20の周囲にはチャンバー20を保持するリング状のベースプレート29が設けられている。ベースプレート29は金属材料からなり、チャンバー20を構成する部材21〜24を固定するとともに、チャンバー20の機械的強度を確保する役割を果たす。また、ベースプレート29は、チャンバー20と導入機構30及び排気機構40との接続部としての役割も果たす。このため、ベースプレート29の一部は、チャンバー20に導入されるガス及びチャンバー20から排気されるガスに触れることになる。
【0029】
本実施形態においては、ベースプレート29には石英コーティングが施されており、これによりベースプレート29を構成する金属によるシリコンウェーハの汚染が防止されている。ベースプレート29は、エピタキシャル成長中において高温に曝される部材であるが、石英コーティングは耐熱性が高いことから、熱によってコーティングが劣化することはない。また、ベースプレート29は、副生成物の付着が少ない部材であることから、フッ酸を用いた洗浄の必要性は少ない。
【0030】
図1に示すように、導入機構30は、2本の導入配管31と、ベースプレート29と導入配管31を接続するインジェクトキャップ32と、集合導入配管34からなる。導入配管31は、流量調整バルブ33を介して集合導入配管34に接続された配管である。集合導入配管34はメインバルブ35を介してプロセスガスやキャリアガスのボンベ(図示せず)につながるメイン導入配管36に接続されている。導入配管31を流れるプロセスガス又はキャリアガスは、インジェクトキャップ32を介してチャンバー20の内部に導入される。メンテナンス時においてはメインバルブ35が閉じられる。したがって、導入機構30とは、メイン導入配管36との境界を規定するメインバルブ35よりも下流部分の配管として定義される。
【0031】
エピタキシャル成長時においては、導入機構30を介して例えばSiHCl(トリクロロシラン)及びH(水素ガス)が導入され、トリクロロシランの分解によって生成されるSi(シリコン)がシリコンウェーハ100の表面に堆積される。トリクロロシランの分解によって生じるHCl(塩化水素)は、排気機構40を介して排出される。尚、導入されるトリクロロシランのうち、エピタキシャル成長に用いられる部分は10%程度であり、残りの90%程度は熱分解されて反応性の高いラジカルになり、排気機構40を介して排出される。これが副生成物を生じる主な原因となる。
【0032】
尚、トリクロロシランの分解によって生じるシリコンは、シリコンウェーハ100の表面以外の高温にさらされる部材にも付着するが、これについては、導入機構30を介して塩化水素を導入することによって除去することができる。但し、塩化水素によってシリコン付着物を除去するためには、チャンバー20の内部をエピタキシャル成長時と同等の温度に加熱する必要がある。このことは、除去されたシリコンはラジカルとなり、十分に加熱されない箇所(例えば排気機構40など)においては、副生成物となって付着することを意味する。
【0033】
導入配管31、集合導入配管34及びインジェクトキャップ32はいずれも金属材料からなり、その表面には石英からなるコーティングが施されている。これにより、導入配管31、集合導入配管34及びインジェクトキャップ32を構成する金属によるシリコンウェーハ100の汚染が防止されている。導入配管31、集合導入配管34及びインジェクトキャップ32は比較的複雑な形状を有する部材であるが、上述の通り、石英は複雑な形状に対しても容易にコーティング可能である。また、導入配管31、集合導入配管34及びインジェクトキャップ32は、副生成物の付着が少ない部材であることから、フッ酸を用いた洗浄の必要性は少ない。
【0034】
図1に示すように、排気機構40は、排気配管41と、ベースプレート29と排気配管41を接続するイグゾーストキャップ42からなる。排気配管41は、バルブ43を介して集合排気配管44に接続された配管である。したがって、チャンバー20から排気されるガスは、イグゾーストキャップ42及び排気配管41を介して、集合排気配管44に排出される。メンテナンス時においてはバルブ43が閉じられ、この状態で排気配管41及びイグゾーストキャップ42が取り外され、洗浄される。したがって、排気配管41とは、集合排気配管44との境界を規定するバルブ43よりも上流部分の配管として定義される。
【0035】
上述の通り、プロセスガスであるトリクロロシランの大部分がエピタキシャル成長に寄与することなく熱分解することによって生じたラジカル、あるいは塩化水素によって除去されたシリコン起因のラジカルが排気されるため、ガスの温度が急激に低下する排気機構40において重合し、副生成物であるSinHxClyが形成される。このため、排気配管41などの内壁には副生成物が徐々に蓄積され、ガスの流れを阻害したり、パーティクルの発生源となったりする。したがって、蓄積した副生成物は定期的なメンテナンスによって除去する必要がある。メンテナンス時においては、排気機構40がチャンバー30などから取り外され大気開放されるため、付着した副生成物が大気中の酸素や水分を取り込み、ポリシロキサンなどを形成する。
【0036】
排気配管41及びイグゾーストキャップ42はいずれも金属材料からなり、その表面にはDLCからなるコーティングが施されている。これにより、排気配管41及びイグゾーストキャップ42を構成する金属によるシリコンウェーハ100の汚染が防止されている。排気配管41及びイグゾーストキャップ42は、上述の通り、ガスの温度が急激に低下する領域であることから、副生成物の付着が非常に多い。このため、メンテナンス時においては、フッ酸を含んだ液などを用いた洗浄によってポリシロキサンなどの副生成物を除去する必要があるが、本実施形態においては、これらの表面にDLCコーティングを施していることから、フッ酸を含んだ液を用いてもコーティングが侵されることがない。尚、DLCコーティングは石英コーティングに比べると耐熱温度が低いが、排気配管41及びイグゾーストキャップ42は、スリットバルブ27やベースプレート29ほど高熱に曝されないことから、熱によってDLCコーティングが劣化することもない。
【0037】
以上説明したように、本実施形態によるエピタキシャル成長装置10は、金属材料からなる複数の部材のうち、副生成物が多く付着する排気配管41及びイグゾーストキャップ42についてはフッ酸を含んだ液によるメンテナンスが可能なDLCコーティングが施され、副生成物があまり付着しないその他の部材については耐熱性が高く、複雑形状にも対応可能な石英コーティングが施されている。これにより、金属によるシリコンウェーハ100の汚染を防止しつつ、定期的なメンテナンスによって副生成物の除去を容易に行うことが可能となる。
【0038】
しかも、DLCコーティングが施された表面は、石英コーティングが施された表面よりも平滑性に優れることから、排気機構40への副生成物の付着量が低減されるという効果も得られる。これにより、メンテナンス周期を長くすることも可能となる。
【0039】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0040】
例えば、上記実施形態では、排気配管41及びイグゾーストキャップ42にDLCコーティングを施しているが、コーティング材料についてはDLCに限定されるものではなく、金属汚染を防止することができ且つフッ酸に侵されない材料であれば、他の材料を用いることも可能である。
【0041】
また、上記実施形態では、DLCコーティングを施す部材として排気配管41及びイグゾーストキャップ42を選択しているが、本発明がこれに限定されるものではない。つまり、副生成物の付着量及び付着部位は、装置の種類や構造によって異なるため、装置の種類や構造に応じてDLCコーティングを施す部材を適宜選択すればよい。
【0042】
また、上記実施形態ではエピタキシャル成長装置を例に挙げたが、本発明の対象がこれに限定されるものではない。したがって、例えば、CVD装置、スパッタリング装置、ドライエッチング装置など、他の種類のシリコンウェーハの処理装置に本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0043】
10 シリコンウェーハの処理装置(エピタキシャル成長装置)
20 チャンバー
21 上部部材
22 下部部材
23,24 側部部材
25 サセプタ
26 昇降機構
27 スリットバルブ
28 ローテーションシャフト
28a ローテーションハウジング
28b ウェハリフトハウジング
28c コレット
28d アイソレーションハウジング
29 ベースプレート
30 導入機構
31 導入配管
32 インジェクトキャップ
33 流量調整バルブ
34 集合導入配管
35 メインバルブ
36 メイン導入配管
40 排気機構
41 排気配管
42 イグゾーストキャップ
43 バルブ
44 集合排気配管
50 モータ
60 アクチュエータ
100 シリコンウェーハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンウェーハが収容され、導入されるガスによって所定の処理が行われるチャンバーと、
前記チャンバーに取り付けられ、金属を含む材料からなる複数の部材と、を備えるシリコンウェーハの処理装置であって、
前記複数の部材のうち、前記ガスによる副生成物の付着が相対的に多い部材には少なくともフッ酸に侵されない材料からなる第1のコーティングが施され、前記ガスによる副生成物の付着が相対的に少ない部材には石英からなる第2のコーティングが施されていることを特徴とするシリコンウェーハの処理装置。
【請求項2】
前記第1のコーティングは、DLCからなることを特徴とする請求項1に記載のシリコンウェーハの処理装置。
【請求項3】
前記複数の部材のうち、前記第1のコーティングが施された部材に与えられる温度は、前記第2のコーティングが施された部材の少なくとも一つに与えられる温度よりも低いことを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの処理装置。
【請求項4】
前記複数の部材は、前記チャンバーから排気されるガスを案内する排気機構を含んでおり、前記排気機構の少なくとも一部には前記第1のコーティングが施されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシリコンウェーハの処理装置。
【請求項5】
前記複数の部材は、前記チャンバー内にガスを導入する導入機構をさらに含んでおり、前記導入機構の少なくとも一部には前記第2のコーティングが施されていることを特徴とする請求項4に記載のシリコンウェーハの処理装置。
【請求項6】
前記複数の部材は、前記チャンバーを保持するベースプレートをさらに含んでおり、前記ベースプレートには前記第2のコーティングが施されていることを特徴とする請求項5に記載のシリコンウェーハの処理装置。
【請求項7】
前記排気機構は、排気配管と、前記ベースプレートと前記排気配管を接続するイグゾーストキャップとを含んでおり、
前記導入機構は、導入配管と、前記ベースプレートと前記導入配管を接続するインジェクトキャップとを含んでおり、
前記排気配管及び前記イグゾーストキャップには、いずれも前記第1のコーティングが施されており、
前記導入配管及び前記インジェクトキャップには、いずれも前記第2のコーティングが施されていることを特徴とする請求項6に記載のシリコンウェーハの処理装置。
【請求項8】
前記複数の部材は、前記チャンバー内に前記シリコンウェーハをロードし又は前記チャンバーから前記シリコンウェーハをアンロードするためのスリットバルブをさらに含んでおり、前記スリットバルブには前記第2のコーティングが施されていることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項に記載のシリコンウェーハの処理装置。
【請求項9】
前記複数の部材は、前記チャンバー内のシリコンウェーハを回転させるためのローテーションシャフトの挿入部をさらに含んでおり、前記ローテーションシャフトの挿入部には前記第2のコーティングが施されていることを特徴とする請求項4乃至8のいずれか一項に記載のシリコンウェーハの処理装置。

【図1】
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【公開番号】特開2011−23563(P2011−23563A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167524(P2009−167524)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(302006854)株式会社SUMCO (1,197)
【Fターム(参考)】