説明

スチレン−アリルアルコールコポリマーを含む反射防止コーティングおよびデュアルダマシン充填組成物

改良された流動特性を有している新規な反射防止または充填組成物が提供された。組成物は、スチレン−アリルアルコールポリマーと、好ましくはスチレンアリルアルコールポリマーに加えて少なくとも1つの別のポリマー(例えばセルロースポリマー)とを含む。本発明の組成物は、コンタクトホールまたはビアホールを、続いて行われるデュアルダマシン工程におけるエッチングの間の分解から保護するために用いられる。本発明の組成物は、反射防止コーティング層(続いて行われるフォトレジストの露光と現像の間の反射を低減するかまたは回避する)を形成するための基板(例えばシリコンウェハ)に対しても塗布されうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規反射防止組成物およびマイクロエレクトロニクスデバイスの製造に用いられるビア充填組成物に関する。これらの組成物は、ポリマーとスチレンアリルアルコールポリマーを含み、このポリマーとスチレンアルコールポリマーは、溶媒系に分散している。
【0002】
1.反射防止コーティング
集積回路の製造者は、製造する収率を向上させ、ユニットケースの大きさを小さくし、さらに、チップにおける演算能力を増やすために、基板ウェハのサイズを最大化し、デバイスの形状の寸法を最小化することを、首尾一貫して探求している。シリコンまたは他のチップ上でデバイスの形状のサイズは、今やサブミクロンであり、これは、進歩した深紫外光(DUV)を用いた微細リソグラフィーの出現によって、達成されたサイズである。
【0003】
しかしながら、半導体デバイスを製造している間にしばしば生じるフォトレジストによる問題は、活性化放射線が、フォトレジスト内部に、それを支持する基板によって、反射されて戻ることである。このような反射性は、はっきりしないパターンの原因となり、フォトレジストの分解能を悪くする傾向がある。現像されたフォトレジストにおける像の劣化は、基板が平坦でない場合および/または反射しやすい場合に、特に問題となる。この問題に対応するための1つの方法は、フォトレジスト層の下の基板に形成される反射防止コーティングの利用である。
【0004】
典型的な露光波長で高い光学濃度を示す組成物が、これらの反射防止コーティング層の形成にしばらくの間用いられてきた。反射防止コーティング組成物は、典型的には、コーティング特性を与える有機ポリマーと、光を吸収する染料とから構成されている。染料は、組成物中に混合されるかまたはポリマーに化学的に結合されるかのいずれかである。熱硬化性の反射防止コーティングは、ポリマーおよび染料に加えて、架橋剤を含んでいる。架橋を開始させる必要があり、これは、典型的に、組成物の中に存在している酸触媒によって達成される。
【0005】
これらの反射防止コーティングは、フォトレジストの中に反射して戻る光の量を減らすためには効果的だが、ほとんどの先行技術の反射防止コーティングは、十分に速いエッチング速度を有さないという点において、不十分である。結果として、先行技術の反射防止コーティングには、重大な制約があり、この制約は、サブミクロン(例えば0.3μm)の形状を利用することを困難にし、または不可能にする。
【0006】
2.充填組成物
ダマシン(damascene)工程、即ち予め形成された溝に、はめこまれた金属パターンを形成する工程は、一般的に、集積回路の相互接続を製造する好ましい方法である。最も簡単な方法では、デュアルダマシン工程は、絶縁層から始まる。これは、最初に基板の上に形成されて、そして平坦化される。水平な溝と垂直な孔部(例えば、コンタクトホールとビアホール)が、絶縁層内を、必要とされる金属線パターンおよび孔部の位置と一致するようにエッチングされる。孔部の位置は、絶縁層を貫通してデバイス領域(最初の絶縁層を貫通している場合、即ちコンタクトホール)または次の金属下層(基板構造内の上部の絶縁層を貫通している場合、即ちビアホール)まで通じている。次に、金属が基板上に堆積され、それによって、溝と孔部は塞がれ、金属線と相互接続孔部が同時に形成される。最後の工程として、結果としてできた表面は平面化されて(例えば、公知の化学機械的研磨(CMP)技術によって)、更にダマシン構造を受容するための準備がされる。
【0007】
デュアルダマシン工程の間、コンタクトホールとビアホールは、典型的には、溝のエッチングの前に最後までエッチングされる。したがって、溝のエッチング工程では、コンタクトホールおよびビアホールの底面および側壁(絶縁または誘電層に形成されたもの)は、オーバーエッチングにさらされる。オーバーエッチングは、下の層との接触を悪化させうる。有機材料が、部分的にまたは完全にビアホールやコンタクトホールをふさぐため、そして、底面および側壁をさらなるエッチングの攻撃から保護するために、典型的に用いられる。これらの有機充填材料はまた、底面の反射防止コーティング(上述したようなもの)の役割を果たし、誘電層の表面を被覆する場合、充填物質が、パターンの劣化や、溝のパターニングにおける線幅の変動を低減させまたは排除することが可能である。
【0008】
典型的な露光波長で高い光学濃度を示す充填物質は、過去何年間か使用されてきた。しかしながら、ほとんどの先行技術の物質は、限定された充填特性しか有していない。例えば、先行技術の組成物が基板内に形成されたビアホールやコンタクトホールに塗布されるときに、組成物によって形成されるフィルムは、孔部とすぐに隣り合った基板上において、かなり薄くなる傾向があり、それゆえに、続いて行う露光工程の間、望ましくない光の反射を起こさせる。また、組成物の流動特性は、組成物が完全にビアホールやコンタクトホールに流れ込まない点で不十分であり、結果としてこれらのホールの保護が不十分になる。
【0009】
この技術では、ビアホールとコンタクトホールの上部の完全な被覆を供するコンタクトまたはビアホールを充填する物質に対する要求がある。さらに、この物質は、ビアホールとコンタクトホールに適当に流れこみ、エッチングの間に底面を保護するべきであり、バリア層の形状が適切に形成されないこと、下にある金属の導電体に対してダメージを与えることを防ぐ。また、この技術では、反射防止コーティング(サブミクロンの特徴を有するICの形成に効果的に役立つことができ、一方で重要な波長の光の吸収もする)の改善に対する要求もある。
【0010】
発明の要約
本発明は、新規充填組成物と反射防止コーティングとを幅広く含む。この新規充填組成物と反射防止コーティングは、マイクロ電子デバイスの工業に役立つものである。
さらに詳しくは、前記組成物は、少なくとも1つのスチレン−アリルアルコールポリマーを含み、好ましくは少なくとも1つのスチレン−アリルアルコールポリマー以外のさらなるポリマーを含む。組成物は、組成物の全重量を100重量%とした場合を基準として、約1〜10重量%のスチレン−アリルアルコールポリマーを含むのがよく、約1〜6重量%のスチレン−アリルアルコールポリマーを含むことがより好ましく、約1〜4重量%のスチレン−アリルアルコールポリマーを含むことがさらに好ましい。
【0011】
スチレン−アリルアルコールポリマーは、スチレン−アリルアルコールポリマーの全重量を100重量%とした場合を基準として、約40〜90重量%のスチレンを含むのがよく、約60〜82重量%のスチレンを含むことが好ましく、約70〜81重量%のスチレンを含むことがより好ましい。また、スチレン−アリルアルコールポリマーは、スチレン−アリルアルコールポリマーの全重量を100重量%とした場合を基準として、約10〜60%のアリルアルコールを含むのがよく、約18〜40%のアリルアルコールを含むことが好ましく、約19〜30%のアリルアルコールを含むことがより好ましい。
【0012】
1つの実施形態においては、組成物中のアリルアルコールに対するスチレンの比は、約0.4:1〜約4:1であり、約1:1〜約2.7:1が好ましく、約1.2:1〜約2.5:1がより好ましい。スチレン−アリルアルコールの重量平均分子量は、1000〜10000ドルトンであることが好ましく、1000〜5000ドルトンであることがより好ましい。2つの特に好ましく商業的に入手可能なスチレンアリルアルコールポリマーは、SAA−100とSAA−101である(Lyondell Chemical社で入手可能)。
【0013】
これらの実施形態においては、別のポリマー(以下、「追加ポリマー」という)が、スチレン−アリルアルコールポリマーとともに用いられており、好ましい追加ポリマーは、ノボラック、アクリル、セルロース、ポリアクリル(例えば、ポリアクリル酸)、ポリスチレン(例えば、ポリスチレンマレイン酸無水物)、およびこれらの混合物を含む。これらの追加ポリマーの重量平均分子量は、約1000〜100000ドルトンが好ましく、約1000〜70000ドルトンがより好ましい。組成物は、組成物の全重量を100重量%とした場合を基準として、0.5〜10重量%の追加ポリマーを含むことが好ましく、0.5〜4重量%の追加ポリマーを含むことがより好ましく、0.5〜3重量%の追加ポリマーを含むことがさらに好ましい。この実施の形態におけるスチレン−アリルアルコールポリマーの追加ポリマーに対する重量比は、10:90〜90:10が好ましく、30:70〜90:10がより好ましい。
【0014】
組成物は、スチレン−アリルアルコールポリマー(上述した量の)を、適当な溶媒系で、単に分散させ、または溶解させることによって形成される。好ましくは、かなり均一な分散を形成するための周囲の状況と、十分な長さの時間で行われる。好ましい溶媒系は、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ポロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル(PnP)、2−ヘプタノン、N−メチルピロリジノン、乳酸エチル、およびこれらの混合物から構成されるグループから選択される溶媒を含む。この溶媒系は、沸点が約100〜180℃であることが好ましく、約118〜175℃であることがより好ましい。溶媒系は、組成物の全重量を100重量%とした場合を基準として、80〜98重量%のレベルで利用される方がよく、90〜97重量%が好ましい。
【0015】
追加の成分もまた、溶媒系に、スチレン−アリルアルコールとともに分散させることが好ましい。例えば、本発明の組成物は、さらに架橋剤、触媒、および上述したような追加ポリマーを、さらに含有させることができる。架橋剤は、組成物中にあるポリマーと別個にすることができ、また、ポリマーが「組み込み」架橋部分を有することができる。好ましい架橋剤は、アミノ樹脂を含む(例えば、POWDERLINK(R)1174,Cymel(R) products社)。架橋剤または部分は、組成物の全重量を100重量%とした場合を基準として、混合物中に、約0.2〜2.5重量%含まれるのが好ましく、約0.3〜1.8重量%含まれるのがより好ましい。したがって、本発明の混合物は、約180〜220℃で架橋することが好ましく、約190〜210℃で架橋することがより好ましい。
【0016】
好ましい触媒は、p−トルエンスルホン酸、ビスフェノール−A、4,4’−スルホニルジフェノール、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩、およびこれらの混合体からなる群から選ばれる。混合物中に含まれる触媒は、混合物の全重量を100重量%とした場合を基準として、約0.02〜0.45重量%であることが好ましく、約0.05〜0.35重量%であることがより好ましい。
多くの他の任意成分が、同様に混合物中にさらに含まれうることが認識される。典型的な任意成分は、光を弱める化合物や、界面活性剤、接着促進剤などを含む。
【0017】
充填または反射防止コーティング組成物を基板(例えば、シリコンウェハなど)に塗付(apply)する方法は、単にある量のこの組成物を、一般的な塗付方法(スピンコーティングを含む)によって、基板表面に塗付することを含む。有利なことに、組成物が孔部に塗付された後に、コンタクトまたはビアホールの中に流れ込むようにするために、第1ステージの焼き工程(即ち、混合物をその再び流れる温度まで加熱する)に供する必要がない。つまり、スチレン−アリルアルコールは、組成物が流動特性を十分に改良するので、従来技術の組成物の場合のように、この工程が必要とならない。
【0018】
要求している被覆が達成された後に、結果として形成された層は、少なくとも組成物の架橋温度(例えば、120〜225℃)程度に加熱され、層を硬化するのがよい。硬化された物質の平坦さの程度は、少なくとも約85%であるのがよく、少なくとも約90%であるのが好ましく、少なくとも約95%であるのがより好ましい。ここで用いられたように、平坦さの程度は、以下のように決定される(100%は完全に平坦化が達成されたことを意味する):
【0019】
平坦さの程度=[{1−(メニスカスの高さ“M”)}/(穴の高さ“H”]×100
【0020】
この中の“M”と“H”は、図1に示されるような硬化された物質から得られた測定値である。図1の10は、孔部12内の硬化された物質を示している。具体的には、“H”は特定の孔部の高さを示しており、“M”は孔部の中の組成物のメニスカスを示している。
【0021】
基板表面上のコンタクトまたはビアホールのエッジに近い基板の表面上に形成されている硬化された充填組成物の層の厚さは、コンタクトまたはビアホールのエッジから遠く離れ、孔部の直径と同程度のフィルムの厚さに対して、少なくとも約50%であることが好ましく、約55%であることがより好ましく、約65%であることがさらに好ましい。
【0022】
本発明の反射防止コーティングは、エッチング速度が速い。一例として、反射防止コーティングは、エッチャントとしてHBr/O2(60/40)を用いたときに、レジストに対するエッチング選択性(即ち、反射防止コーティング層のエッチング速度をフォトレジストのエッチング速度で除したもの)が、少なくとも約0.9であり、好ましくは約1.2である。加えて、本発明の反射防止コーティングは、193nmで、k値(即ち複素屈折率の虚数成分)が約0.25以上であり、好ましくは約0.35以上であり、n値(複素屈折率の定数成分)が約1.5以上であり、好ましくは約1.6以上である。即ち、本発明の組成物から形成された硬化された層は、波長193nmの光の約97%以上を吸収し、好ましくは99%以上を吸収する。
【0023】
さらに、本発明の反射防止コーティングは、典型的なフォトレジスト溶媒(例えば乳酸エチル)中で実質的に不溶である。溶出テストに供されたときに、本発明の反射防止コーティング層は、約5%未満、好ましくは1%未満の溶出百分率を示すことができる。溶出試験は、溶媒(例えば乳酸エチル)を硬化されたフィルム上に注いで5〜10秒放置し、次に、溶媒を除去するスピン乾燥を5000rpmで30秒間行う。次に、フィルムは、ホットプレート上で100℃で30秒間焼かれる。フィルムの厚さは、偏光解析法を用いて、ウェハ上の複数の点で測定される。溶出量は最初と最後の平均フィルム厚の差である。溶出百分率は以下の通り算出される。:
【0024】
溶出百分率=(溶出量/最初の平均のフィルム厚さ)×100
【0025】
フォトレジストは硬化された物質の上に塗布され、次に、乾燥(軽く焼かれる)、露光、露光前の焼き、およびフォトレジストの現像が行われる。続く本発明の方法によって、デュアルダマシンおよび他のマイクロリソグラフ工程の前駆物質が生じる。この前駆物質は、上述の望まれる特性を有している。
【0026】
最後に、本発明は、組成物が、反射防止コーティングの組成物であるか、充填組成物であるか、何か別のタイプの組成物であるかにかかわらず、対象となる組成物の流動を、調整する方法も提供する。この方法においては、1つまたはそれより多い特性(例えば粘度)が、公知の方法によって評価され、意図している利用に適しているか否かが決定される。もしそうでなければ、適量のスチレンアリルアルコールポリマーが、対象となる組成物に、所望の流動特性が得られるのに十分な量混合される。この量は、対象となる組成物の性質に依存するが、スチレンアリルアルコールポリマーを組成物と混合するときの流動特性の変化を観察することによって、当業者が簡単に決定することができることが理解される。
【0027】
スチレンアリルアルコールを対象となる組成物と混合した後に、所望の流動特性が再評価されて、混合工程と再評価工程が、所望の流動特性が得られるまで繰り返されることが好ましい。スチレンアリルアルコールは、表面が非常に凹凸が多い(topographic)ときでさえも表面を平らに流れるので、組成物の流動性を改良して増加するのに極めて有用である。
【0028】
好適実施態様の詳細な説明
以下の実施例は、本発明に従った好ましい実施例を説明する。しかしながら、これらの実施例は例示を用いて提供され、その中の何も発明の全範囲を限定しないものと解される。
【0029】
実施例1
この手順では、5gのSAA−101ポリマー(Lyondell Chemical社のスチレン−アリルアルコールコポリマー、重量平均分子量:2500)が、0.5gのPOWDERLINK(R)1174(Cytec Industries,Inc.社から得られた架橋剤)、0.10gのp−トルエンスルホン酸(TSA)、および181.07gのPGMEと混合された。ポリマー溶液が、2時間撹拌した後に得られた。溶液は金属を最小量にするために2時間イオン交換され、0.1μmの終点フィルタ(end point filter)で2回ろ過された。
得られた組成物は、ビアを有するシリコンウェハ上に、400rpmで5秒間スピンコートされた後に1500rpmで60秒間キャストスピンされることによって、被覆された。それから、ウェハは、205℃で60秒間焼かれた。図2aおよび図2bに示すSEM写真によって証明されるように、表面の被覆が良好であり(400〜900オングストローム)、直径0.20μmで深さ1.0μmのビア内への十分な充填(1μm)が、得られた。
【0030】
実施例2
約20gのARC−DUV42−6(アクリル反射防止コーティングであり、Brewer Science,Inc.社から入手可能)が、実施例1で得られた溶液30gと混合された。混合物は、1時間撹拌され、0.1μmの終点フィルタでろ過されて、デュアルダマシンビア充填組成物を得た。ビアを有するシリコンチップは、400rpmで5秒間スピンコートされた後に1500rpmで60秒間キャストスピンされることによって、組成物で被覆された。図3に示すSEM写真によって証明されるように、表面の被覆が良好であり(650オングストローム)、直径0.20μmで深さ1.0μmのビア内への十分なビア充填(10000オングストローム)が、得られた。
【0031】
実施例3
約30gのARC−DUV44−6(アクリル反射防止コーティングであり、Brewer Science,Inc.社から入手可能)が、実施例1で得られた溶液20gと混合された。混合物は、1時間撹拌され、0.1μmの終点フィルタでろ過されて、デュアルダマシンビア充填組成物を得た。ビアを有するシリコンチップが、充填要求に応じて異なる方法によって、組成物で被覆された。図4に示すSEM写真によって証明されるように、表面の被覆が良好であり(650オングストローム)、直径0.25μmで深さ1.0μmのビア内へのビア充填(4700オングストリーム)が、得られた。
【0032】
実施例4
この実施例では、1.245gのSAA−101ポリマー(重量平均分子量:2500)と、1.245gのヒドロキシプロピルセルロース(Nisso Chemical社から得たGrade SSLで、15000〜30000の範囲の分子量を有する)とが、29.100gのPGMEと67.900gのPnPに加えられた。次に、495.0mgのアミノ樹脂架橋剤(Cytec Industries,Inc.社から入手可能なPOWDERLINK(R)1174)と15.00mgのTSAが混合物に加えられて、得られた溶液は、均質になるまで室温で約4時間混合された。次に、溶液は、5重量%のPGMEで洗浄されたDowex650Cビーズとともに回転させる(tumbling)ことによって、イオン交換がなされた。ビーズは、2層のプラスチック製メッシュに溶液を通してろ過された後に、0.1μmの終点フィルタでろ過されることによって、除去された。
組成物は、1/4にされた、直径が0.20×0.22μmで深さが1μmのビアホールを有するシリコンウェハ上に、スピンコートされた。動的な調合が、500rpmで5秒間用いられ、その後、700rpmで25秒間のスプレッドスピンが行われ、そして、1800rpmのキャストスピンが30秒間行われた(20000rpm加速度)。ウェハの各断面のSEM写真は、図5および図6に示されている。
【0033】
実施例5
この実施例では、1.233gのSAA−101ポリマー(重量平均分子量:2500)と、1.233gのヒドロキシプロピルセルロース(Nisso Chemical社から得たGrade SSLで、15000〜30000の範囲の分子量を有する)とが、29.096gのPGMEと67.886gのPnPに加えられた。次に、493.1mgのアミノ樹脂架橋剤(Cytec Industries,Inc.社から入手可能なPOWDERLINK(R)1174)と9.24mgのTSAが混合物に加えられて、得られたの溶液は、均質になるまで室温で約2時間混合された。次に、溶液は、5重量%のPGMEで洗浄されたDowex650Cビーズとともに回転させる(tumbling)ことによって、イオン交換がなされた。ビーズは、2層のプラスチック製メッシュに溶液を通してろ過された後に、0.1μmの終点フィルタでろ過されることによって、除去された。
組成物は、1/4にされた、直径が0.20×0.22μmで深さが1μmのビアホールを有するシリコンウェハ上にスピンコートされた。動的な調合が、500rpmで5秒間用いられ、その後、700rpmで25秒間のスプレッドスピンが行われ、そして、1800rpmのキャストスピンが30秒間行われた(20000rpm加速度)。ウェハの各断面のSEM写真は、図7および図8に示されている。
【0034】
実施例6
反射防止コーティング−ヒドロキシプロピルセルロース
1.母液の調整
コンデンサーとマグネチックスターラーが備え付けられた500mLの三口フラスコに、15.0gのヒドロキシプロピルセルロース(Grade SSL、Nisso Chemical社で入手)と、15.0gのポリ(スチレン/アリルアルコール)(SAA−101、Lyondell Chemical社)と、270.0gのPnPが入れられた。混合物は、均一化されるまで、69.5〜100℃で39時間撹拌された。
【0035】
2.反射防止コーティングの準備
この実施例のパート1で作製された母液約75gと、PnP218.1gと、POWDERLINK(R)1174の3.78gと、TSA157mgと、4,4’−スルホニルジフェノール472mgとが、周囲の状態下で、溶液を形成するまで撹拌された。次に、溶液は、14.9gのPGMEで洗浄された650C脱イオンビーズとともに4時間回転させられ、続いてろ過された。
【0036】
3.反射防止コーティングの特性
この実施例のパート2で用意された反射防止コーティングは、シリコンと石英のウェハ上に、2500rpmで60秒間のスピンコートによって塗布され、続いて、ホットプレートバキュームで205℃で60秒間の硬化がされた。組成物は、良好な被覆品質を有していた。フィルムの厚さは848オングストロームで、193nmでの光学濃度は11.65/μmであった。
組成物は、また、良好なスピンボウル相溶性(spin-bowl compatibility)をも有していた。したがって、室温で乾燥された反射防止コーティングは、一般的に出回っている溶媒に対して、室温ですぐに再度溶解した。193nmのレジスト(住友化学工学株式会社製PAR710)に対するエッチング選択性は、HBr/O2(60/40)をエッチングガスとして用いた場合に、1.2であった。
【0037】
193nmのフォトレジスト(PAR710)は、853オングストロームの硬化された反射防止層の上に塗布され、そして130℃で60秒間軽く焼かれた。露光は、ASMLPAS5500/950スキャナー(開口=0.63、シグマ=0.75)を用いて、8.3mJ/cm2の露光エネルギーで行われた。次いで、フォトレジストは、OPD262現像機(ARCH Semiconductor Chemicals社で入手)を用いて60秒間現像された。
SEM写真(図9)は、8.3mJ/cm2の露光量において、サンプルが、良好な0.13μmの密度のL/S(線/空間)パターンを有しており、フッティングまたはアンダーカットは最小であったことを示した。焦点深度(DOF)は約0.4μmであった。
【0038】
実施例7
反射防止コーティング−フタル酸水素酢酸セルロース(Cellulose Acetate Hydrogen Phthalate)
【0039】
1.母液の準備
約16.0gのフタル酸水素酢酸セルロースは(CAPH、Aldrich社から入手、製品番号321807−3)と、8.62gのポリ(スチレン/アリルアルコール)(SAA−101)と、221.5gのPGMEとを、ナルゲンボトルにいれ、周囲の状況で3日間、回転盤の上で回転され、また、時折磁気的に撹拌され、そして磁気的に撹拌しながら100℃まで加熱し、ほんの少量の不溶性物質が含まれている溶液とした。
【0040】
2.反射防止コーティングの準備
この実施例のパート1で得られた母液約75・0gと、PnP56.1gと、PGMEA56.1gと、POWDERLINK(R)1174の2.49gと、TSA103.5mgと、4,4’−スルホニルジフェノール310mgとが、周囲の条件下で均一になるまで撹拌された。次いで、溶液は、13.0gのPGMEで洗浄した650C脱イオンビーズとともに、4時間の間、周囲の状況で、脱イオン効果が得られるまで回転させられた。ビーズは、プラスチックメッシュを通してろ過することによって除去され、反射防止コーティングは、0.2μmの終点フィルタを通してろ過された。
【0041】
3.反射防止コーティングの特性
この実施例のパート2で用意された反射防止コーティングは、シリコンと石英のウェハ上に、2500rpmで60秒間のスピンコートによって塗布され、続いて、ホットプレートバキュームで205℃で60秒間の硬化が行われた。フィルムの厚さは967オングストロームで、193nmでの光学密度は13.2/μmであった。反射防止コーティングは、良好なスピンボウル相溶性を有しており、レジスト(PAR101)に対するエッチング選択性は、HBr/O2(60/40)をエッチングガスとして用いた場合に、1.1であった。
【0042】
193nmのフォトレジスト(PAR710)は、硬化された反射防止層の上に塗布され、そして130℃で60秒間軽く焼かれた。露光は、ASMLPAS5500/950スキャナー(開口=0.63、シグマ=0.75)を用いて、10.1mJ/cm2の露光エネルギーで行われた。次いで、フォトレジストは、OPD262現像機(ARCH Semiconductor Chemicalsで入手)を用いて60秒間現像された。非常に良好な0.13μmの密度のL/Sパターンが得られ、満足のいく約0.5μmの焦点深度が得られた。図10は、このサンプルのSEM写真を示している。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、孔部が充填組成物で充填されているビアホールが作られている基板の断面図である。
【図2】図2aは、実施例1で述べたように、本発明の充填組成物で被覆されたシリコンウェハの断面図が示されている走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。図2bは、実施例1における充填物質で被覆されたシリコンウェハの断面図が示されている他のSEM写真である。
【図3】図3は、実施例2で述べたように、本発明の充填組成物で被覆されたシリコンウェハの断面図が示されている他のSEM写真である。
【図4】図4は、実施例3で述べたように、本発明の充填組成物で被覆されたシリコンウェハの断面図が示されている他のSEM写真である。
【図5】図5は、実施例4で述べたように、本発明の充填組成物で被覆されたシリコンウェハの断面図が示されているさらなるSEM写真であり、ウェハが孤立したビアを含んでいる。
【図6】図6は、実施例4で述べたように、高密度のビアを有しており充填物質で被覆されたシリコンウェハの断面図が示されているさらなるSEM写真である。
【図7】図7は、実施例5の充填組成物で部分的に充填された孤立したビアを有しているシリコンウェハの断面図を示す他のSEM写真である。
【図8】図8は、実施例5の充填組成物で部分的に充填された高密度のビアを有しているシリコンウェハの断面図を示すさらに他のSEM写真である。
【図9】図9は、実施例6で述べられた組成物および商業的に入手可能なフォトレジスト組成物で被覆された13μmの緻密なL/Sを有するシリコンウェハの断面図を示す一連のSEM写真である。
【図10】図10は、実施例7で述べられた組成物および商業的に入手可能なフォトレジスト組成物で被覆された0.13μmの緻密なL/Sを有するシリコンウェハの断面図を示す一連のSEM写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板または基板に形成されている孔部を保護するための反射防止または充填組成物であって、スチレン−アリルアルコールポリマーと、前記スチレン−アリルアルコールポリマー以外の追加ポリマーとを含むという改良がされている組成物。
【請求項2】
前記追加ポリマーは、ノボラック、アクリル、セルロース、ポリアクリル、ポリスチレン、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物は、セルロースポリマーとスチレン−アリルアルコールポリマーとを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリマーは、1−メトキシ−2−プロパノール、PGMEA、PGME、ポリピレングリコールn−プロピルエーテル、2−ヘプタノン、N−メチルピロリジノン、乳酸エチル、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる溶媒を含む溶媒系内に分散している、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物は、組成物の全重量を100重量%とした場合を基準として、約1〜10重量%のスチレン−アリルアルコールポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、スチレン−アリルアルコールポリマーの全重量を100重量%とした場合を基準として、約40〜90重量%のスチレンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、スチレン−アリルアルコールポリマーの全重量を100重量%とした場合を基準として、約10〜60重量%のアリルアルコールを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
アリルアルコールに対するスチレンのモル比が、約0.4:1〜約4:1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物は、さらに、架橋剤、触媒、光を弱める化合物、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記化合物は、アミノ樹脂架橋剤である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記化合物は、p−トルエンスルホン酸、ビスフェノール−A、4,4’−スルホニルジフェノール、p−トルエンスルホン酸ピリジミウム塩、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる化合物を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物は、組成物の全重量を100重量%とした場合を基準として、0.5〜10重量%の前記追加ポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、重量平均分子量が約1000〜10000ドルトンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
表面を有する基板と、前記表面上の硬化した保護層との組み合わせであって、前記硬化した保護層が、溶媒系に分散しているスチレン−アリルアルコールポリマーを含む反射防止コーティング組成物から形成されている組み合わせ。
【請求項15】
前記反射防止コーティング組成物は、前記スチレン−アリルアルコールポリマーのほかに、追加ポリマーをさらに含む、請求項14に記載の組み合わせ。
【請求項16】
前記追加ポリマーは、ノボラック、アクリル、セルロース、ポリアクリル、ポリスチレン、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項15に記載の組み合わせ。
【請求項17】
前記組成物は、セルロースポリマーとスチレン−アリルアルコールポリマーとの混合物を含む、請求項16に記載の組み合わせ。
【請求項18】
前記基板は、形成された孔部を有しており、前記孔部は、底面と側壁とによって形状が定められており、前期硬化した保護層は、前記底面および側壁の表面の少なくとも一部と接触している、請求項14に記載の組み合わせ。
【請求項19】
前記孔部内の前記硬化した保護層の平坦さの程度は、少なくとも約85%である、請求項18に記載の組み合わせ。
【請求項20】
前記溶媒系は、1−メトキシ−2−プロパノール、PGMEA、PGME、ポリピレングリコールn−プロピルエーテル、2−ヘプタノン、N−メチルピロリジノン、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる溶媒を含む、請求項14に記載の組み合わせ。
【請求項21】
前記組成物は、組成物の全重量を100重量%とした場合を基準として、約1〜10重量%のスチレン−アリルアルコールポリマーを含む、請求項14に記載の組み合わせ。
【請求項22】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、スチレン−アリルアルコールポリマーの全重量を100重量%とした場合を基準として、約40〜90重量%のスチレンを含む、請求項14に記載の組み合わせ。
【請求項23】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、スチレン−アリルアルコールポリマーの全重量を100重量%とした場合を基準として、約10〜60重量%のアリルアルコールを含む、請求項14に記載の組み合わせ。
【請求項24】
アリルアルコールに対するスチレンのモル比が、約0.4:1〜約4:1である、請求項14に記載の組み合わせ。
【請求項25】
前記組成物は、さらに、架橋剤、触媒、光を弱める化合物、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる化合物を含む、請求項14に記載の組み合わせ。
【請求項26】
前記化合物は、アミノ樹脂架橋剤である、請求項25に記載の組み合わせ。
【請求項27】
前記化合物は、p−トルエンスルホン酸、ビスフェノール−A、4,4’−スルホニルジフェノール、p−トルエンスルホン酸ピリジミウム塩、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる化合物を含む、請求項25に記載の組み合わせ。
【請求項28】
前記組成物は、組成物の全重量を100重量%とした場合を基準として、0.5〜10重量%の前記追加ポリマーを含む、請求項15に記載の組み合わせ。
【請求項29】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、重量平均分子量が約1000〜10000ドルトンである、請求項14に記載の組み合わせ。
【請求項30】
前記基板がシリコンウェハを含む、請求項14の組み合わせ。
【請求項31】
反射防止または充填組成物を用いる方法であって、ある量の組成物を、基板の表面に、そこに層を形成するために塗布する工程を含み、前記組成物は、溶媒系中に分散したスチレン−アリルアルコールポリマーを含む方法。
【請求項32】
前記塗布する工程は、前記組成物を前記基板表面に対してスピンコートすることを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記基板は、そこに形成された孔部を有しており、前記孔部は底面と側壁とによって形状が定められており、前記塗布する工程は、前記組成物を、前記底面と側壁の少なくとも一部に対して塗布することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記塗布する工程の後に、硬化した層を作製するために約120〜225℃の温度で前記層を焼く工程をさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記孔部内の前記硬化した保護層の平坦さの程度は、少なくとも85%である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記焼かれた層に対してフォトレジストを塗布する工程をさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記フォトレジスト層の少なくとも一部を、活性化放射線に露光する工程と、
前記露光されたフォトレジスト層を現像する工程と、
前記現像されたフォトレジスト層をエッチングする工程と
をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記溶媒系は、PGMEA、PGME、ポリピレングリコールn−プロピルエーテル、2−ヘプタノン、N−メチルピロリジノン、乳酸エチル、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる溶媒を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項39】
前記組成物は、組成物の全重量を100重量%とした場合を基準として、約1〜10重量%のスチレン−アリルアルコールポリマーを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項40】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、スチレン−アリルアルコールポリマーの全重量を100重量%とした場合を基準として、約40〜90重量%のスチレンを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項41】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、スチレン−アリルアルコールポリマーの全重量を100重量%とした場合を基準として、約10〜60重量%のアリルアルコールを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項42】
アリルアルコールに対するスチレンのモル比が、約0.4:1〜約4:1である、請求項31に記載の方法。
【請求項43】
前記組成物は、さらに、架橋剤、触媒、光を弱める化合物、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる化合物を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項44】
前記化合物は、アミノ樹脂架橋剤である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記化合物は、p−トルエンスルホン酸、ビスフェノール−A、4,4’−スルホニルジフェノール、p−トルエンスルホン酸ピリジミウム塩、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる化合物を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記組成物は、さらにスチレン−アリルアルコールポリマー以外の追加ポリマーを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項47】
前記追加ポリマーは、ノボラック、アクリル、セルロース、ポリアクリル、ポリスチレン、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記組成物は、セルロースポリマーとスチレン−アリルアルコールポリマーとの混合物を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記組成物は、組成物の全重量を100重量%とした場合を基準として、0.5〜10重量%の前記追加ポリマーを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、重量平均分子量が約1000〜10000ドルトンである、請求項31に記載の方法。
【請求項51】
対象となる組成物の流動を調整する方法であって、
組成物の流動特性を評価する工程と、
前記評価する工程に応じて、スチレン−アリルアルコールポリマーを組成物と混合することによって、組成物の流動特性を調整する工程とを含む方法。
【請求項52】
前記調整する工程の後に、前記組成物の流動特性を再度評価する工程をさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
目標となる流動特性が得られるまで、前記調整する工程および再度評価する工程を繰り返す工程をさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記調整工程は、前記調整工程の前の組成物の流動性と比較したときに、前記組成物の流動性における上昇という結果をもたらす、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、スチレン−アリルアルコールポリマーの全重量を100重量%とした場合を基準として、約40〜90重量%のスチレンを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、スチレン−アリルアルコールポリマーの全重量を100重量%とした場合を基準として、約10〜60重量%のアリルアルコールを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項57】
アリルアルコールに対するスチレンのモル比が、約0.4:1〜約4:1である、請求項51に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板または基板に形成されている孔部を保護するための反射防止または充填組成物であって、スチレン−アリルアルコールポリマーと、セルロースポリマー、ノボラック、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる追加ポリマーを含むという改良がされている組成物。
【請求項2】
前記ポリマーは、1−メトキシ−2−プロパノール、PGMEA、PGME、ポリピレングリコールn−プロピルエーテル、2−ヘプタノン、N−メチルピロリジノン、乳酸エチル、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる溶媒を含む溶媒系内に分散している、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物は、組成物の全重量を100重量%とした場合を基準として、約1〜10重量%のスチレン−アリルアルコールポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、スチレン−アリルアルコールポリマーの全重量を100重量%とした場合を基準として、約40〜90重量%のスチレンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、スチレン−アリルアルコールポリマーの全重量を100重量%とした場合を基準として、約10〜60重量%のアリルアルコールを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
アリルアルコールに対するスチレンのモル比が、約0.4:1〜約4:1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物は、さらに、架橋剤、触媒、光を弱める化合物、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記化合物は、アミノ樹脂架橋剤である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記化合物は、p−トルエンスルホン酸、ビスフェノール−A、4,4’−スルホニルジフェノール、p−トルエンスルホン酸ピリジミウム塩、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる化合物を含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物は、組成物の全重量を100重量%とした場合を基準として、0.5〜10重量%の前記追加ポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、重量平均分子量が約1000〜10000ドルトンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
表面を有する基板と、前記表面上の硬化した保護層との組み合わせであって、前記硬化した保護層が、溶媒系に分散しているスチレン−アリルアルコールポリマーを含む反射防止コーティング組成物から形成されている組み合わせ。
【請求項13】
前記反射防止コーティング組成物は、前記スチレン−アリルアルコールポリマーのほかに、追加ポリマーをさらに含む、請求項12に記載の組み合わせ。
【請求項14】
前記追加ポリマーは、ノボラック、アクリル、セルロース、ポリアクリル、ポリスチレン、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項13に記載の組み合わせ。
【請求項15】
前記組成物は、セルロースポリマーとスチレン−アリルアルコールポリマーとの混合物を含む、請求項14に記載の組み合わせ。
【請求項16】
前記基板は、形成された孔部を有しており、前記孔部は、底面と側壁とによって形状が定められており、前期硬化した保護層は、前記底面および側壁の表面の少なくとも一部と接触している、請求項12に記載の組み合わせ。
【請求項17】
前記孔部内の前記硬化した保護層の平坦さの程度は、少なくとも約85%である、請求項16に記載の組み合わせ。
【請求項18】
前記溶媒系は、1−メトキシ−2−プロパノール、PGMEA、PGME、ポリピレングリコールn−プロピルエーテル、2−ヘプタノン、N−メチルピロリジノン、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる溶媒を含む、請求項12に記載の組み合わせ。
【請求項19】
前記組成物は、組成物の全重量を100重量%とした場合を基準として、約1〜10重量%のスチレン−アリルアルコールポリマーを含む、請求項12に記載の組み合わせ。
【請求項20】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、スチレン−アリルアルコールポリマーの全重量を100重量%とした場合を基準として、約40〜90重量%のスチレンを含む、請求項12に記載の組み合わせ。
【請求項21】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、スチレン−アリルアルコールポリマーの全重量を100重量%とした場合を基準として、約10〜60重量%のアリルアルコールを含む、請求項12に記載の組み合わせ。
【請求項22】
アリルアルコールに対するスチレンのモル比が、約0.4:1〜約4:1である、請求項12に記載の組み合わせ。
【請求項23】
前記組成物は、さらに、架橋剤、触媒、光を弱める化合物、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる化合物を含む、請求項12に記載の組み合わせ。
【請求項24】
前記化合物は、アミノ樹脂架橋剤である、請求項23に記載の組み合わせ。
【請求項25】
前記化合物は、p−トルエンスルホン酸、ビスフェノール−A、4,4’−スルホニルジフェノール、p−トルエンスルホン酸ピリジミウム塩、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる化合物を含む、請求項23に記載の組み合わせ。
【請求項26】
前記組成物は、組成物の全重量を100重量%とした場合を基準として、0.5〜10重量%の前記追加ポリマーを含む、請求項13に記載の組み合わせ。
【請求項27】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、重量平均分子量が約1000〜10000ドルトンである、請求項12に記載の組み合わせ。
【請求項28】
前記基板がシリコンウェハを含む、請求項12の組み合わせ。
【請求項29】
反射防止または充填組成物を用いる方法であって、ある量の組成物を、基板の表面に、そこに層を形成するために塗布する工程を含み、前記組成物は、溶媒系中に分散したスチレン−アリルアルコールポリマーを含む方法。
【請求項30】
前記塗布する工程は、前記組成物を前記基板表面に対してスピンコートすることを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記基板は、そこに形成された孔部を有しており、前記孔部は底面と側壁とによって形状が定められており、前記塗布する工程は、前記組成物を、前記底面と側壁の少なくとも一部に対して塗布することを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記塗布する工程の後に、硬化した層を作製するために約120〜225℃の温度で前記層を焼く工程をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記孔部内の前記硬化した保護層の平坦さの程度は、少なくとも約85%である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記焼かれた層に対してフォトレジストを塗布する工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記フォトレジスト層の少なくとも一部を、活性化放射線に露光する工程と、
前記露光されたフォトレジスト層を現像する工程と、
前記現像されたフォトレジスト層をエッチングする工程と
をさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記溶媒系は、PGMEA、PGME、ポリピレングリコールn−プロピルエーテル、2−ヘプタノン、N−メチルピロリジノン、乳酸エチル、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる溶媒を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項37】
前記組成物は、組成物の全重量を100重量%とした場合を基準として、約1〜10重量%のスチレン−アリルアルコールポリマーを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項38】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、スチレン−アリルアルコールポリマーの全重量を100重量%とした場合を基準として、約40〜90重量%のスチレンを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項39】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、スチレン−アリルアルコールポリマーの全重量を100重量%とした場合を基準として、約10〜60重量%のアリルアルコールを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項40】
アリルアルコールに対するスチレンのモル比が、約0.4:1〜約4:1である、請求項29に記載の方法。
【請求項41】
前記組成物は、さらに、架橋剤、触媒、光を弱める化合物、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる化合物を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項42】
前記化合物は、アミノ樹脂架橋剤である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記化合物は、p−トルエンスルホン酸、ビスフェノール−A、4,4’−スルホニルジフェノール、p−トルエンスルホン酸ピリジミウム塩、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる化合物を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記組成物は、さらにスチレン−アリルアルコールポリマー以外の追加ポリマーを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項45】
前記追加ポリマーは、ノボラック、アクリル、セルロース、ポリアクリル、ポリスチレン、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記組成物は、セルロースポリマーとスチレン−アリルアルコールポリマーとの混合物を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記組成物は、組成物の全重量を100重量%とした場合を基準として、0.5〜10重量%の前記追加ポリマーを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、重量平均分子量が約1000〜10000ドルトンである、請求項29に記載の方法。
【請求項49】
対象となる組成物の流動を調整する方法であって、
組成物の流動特性を評価する工程と、
前記評価する工程に応じて、スチレン−アリルアルコールポリマーを組成物と混合することによって、組成物の流動特性を調整する工程とを含む方法。
【請求項50】
前記調整する工程の後に、前記組成物の流動特性を再度評価する工程をさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
目標となる流動特性が得られるまで、前記調整する工程および再度評価する工程を繰り返す工程をさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記調整工程は、前記調整工程の前の組成物の流動性と比較したときに、前記組成物の流動性における上昇という結果をもたらす、請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、スチレン−アリルアルコールポリマーの全重量を100重量%とした場合を基準として、約40〜90重量%のスチレンを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項54】
前記スチレン−アリルアルコールポリマーは、スチレン−アリルアルコールポリマーの全重量を100重量%とした場合を基準として、約10〜60重量%のアリルアルコールを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項55】
アリルアルコールに対するスチレンのモル比が、約0.4:1〜約4:1である、請求項49に記載の方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−504995(P2006−504995A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−548267(P2004−548267)
【出願日】平成15年5月13日(2003.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2003/015164
【国際公開番号】WO2004/040369
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(500499508)ブルーワー サイエンス アイ エヌ シー. (45)
【Fターム(参考)】