センサノードチップ、センサノードシステム、および受信装置
【課題】センサノードチップでの消費電力を効果的に削減して、センサチップノードの小型化を実現する。
【解決手段】外部振動に応じて容量値が互いに差動的に変化する2つの可変容量素子CP,CSからなるセンサ素子部11と、順方向で直列接続した3つ以上のダイオードD1〜D3とその後端部に接続した固定容量素子CSとからなるセンサ回路部12とを設け、センサ素子部11で得られた互いに差動的に変化する検知信号BP,BNで、各ダイオードD1〜D3を交互に導通制御して固定容量素子CSを徐々に充電することにより、外部振動に応じた電圧を示すセンサ出力信号SOを得る。
【解決手段】外部振動に応じて容量値が互いに差動的に変化する2つの可変容量素子CP,CSからなるセンサ素子部11と、順方向で直列接続した3つ以上のダイオードD1〜D3とその後端部に接続した固定容量素子CSとからなるセンサ回路部12とを設け、センサ素子部11で得られた互いに差動的に変化する検知信号BP,BNで、各ダイオードD1〜D3を交互に導通制御して固定容量素子CSを徐々に充電することにより、外部振動に応じた電圧を示すセンサ出力信号SOを得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサネットワーク技術に関し、特にセンサノードチップの低電力化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
各種のデータを検知するセンサに通信機能やデータ処理機能を付加して高機能なセンサノードを構成し、さらにこれらセンサノードでネットワークを構築するセンサネットワーク技術の研究が進んでいる。
このセンサネットワーク技術では、センサノードの小型化・軽量化を目的として、データを検知して受信装置へ送信するための回路構成を半導体チップで実現したセンサノードチップが注目されている。
【0003】
このようなセンサノードチップは、物や人などの様々な対象に取り付けられることで、その対象の各種状態を示すデータを検知して、無線信号により受信装置へ送信することができる。このため、受信装置で受信したこれら検知データを、インターネットなどのネットワークを介して収集することで、様々なサービスを実現することができ、いわゆるユビキタスネットワークサービスを実現することができる。例えば、装置に取り付けたセンサノードチップでその振動周波数や加速度を検知するとともに、受信装置でこれら検知データを収集して提供することにより、ネットワークを介して遠隔地で装置の動作状態を把握でき、有用な保守・整備サービスを広い範囲で提供することが可能となる。
【0004】
図11は、従来のセンサノードシステムの構成を示すブロック図である(例えば、特許文献1など参照)。センサノードシステム500は、センサノードチップ50と受信装置60で構成される。センサノードチップ50で検知したデータは無線電波を介して受信装置60に送信される。無線電波は、比較的微弱な無線信号であり、数十cmから数十m離れた距離を通信できる。
センサノードチップ50は、センサ素子部51、センサ回路部52、A/D変換部53、CPU54、メモリ部55、無線部56、および電源部57により構成され、電源部57から各ブロックへ電力が供給されている。電源部57は、例えば振動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機構や2次電池等で構成されており、長時間の動作が実現可能なように工夫されている。
【0005】
センサ素子部51から得られた差動の電圧信号は、センサ回路52の差動増幅器AMPで増幅された後、後段のA/D変換部53でA/D変換され、CPU54によりメモリ部55へ検知データとして保存される。その後、検知データはCPU54により所定のタイミングでメモリ部55から読み出され、無線部56から無線電波により受信装置60へ送信される。
【0006】
図12は、センサ素子部およびセンサ回路部の構成を示す回路図である。センサ素子部51は、電源電位VDDと接地電位GNDとの間に逆方向で並列接続された2つの振動センサ51A,51Bから構成されている。振動センサ51Aは、外部振動により互いに逆方向に容量値が変化する2つの可変容量素子CP1,CN1の直列接続からなり、振動センサ51Bは、外部振動により互いに逆方向に容量値が変化する2つの可変容量素子CP2,CN2からなる。
【0007】
図13は、振動センサの構成例である。振動センサ51A,51Bは、MEMS(Micro Electro Mechanical System)プロセスによりシリコンチップ上に構成された微細な櫛歯構造からなり、可動電極51Mと2つの固定電極51P,51Nとを有している。
これら振動センサ51A,51Bにおいて、外部振動で可動電極51Mが振動することにより、固定電極51P,51Nとの距離が変化して、可動電極51Mと固定電極51P,51Nと間の容量CP,CNの大きさが変化する。この際、固定電極51Pと固定電極51Nとの中間に可動電極51Mが配置されているため、これら容量CP,CNは差動的に変化する。
【0008】
したがって、ノードN51を介して固定電極51Pへ電源電位VDDを印加し、ノードN52を介して固定電極51Nへ接地電位GNDを印加した場合、VDDとGNDの中間電位を中心として外部振動に応じて電圧が上下に変化する電圧信号が、可動電極51MのノードN53からセンサ回路52へ出力される。この際、振動センサ51A,51Bは、電源電位VDDと接地電位GNDとの間に逆方向で並列接続されていることから、同一外部振動に対して互いに逆位相の電圧信号がセンサ回路52へ出力される。
【0009】
【特許文献1】特開2004−024551号公報
【特許文献2】特許3899110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような従来技術では、2つの振動センサを用いて差動の検知信号を得た後、センサ回路部の差動増幅器で増幅しているため、この差動増幅部での消費電力が大きく、センサノードチップ全体の消費電力を効果的に削減できないという問題点があった。
すなわち、差動増幅器はトランジスタをアナログ動作させているため、直流電流を常時消費してしまうことから、センサノードチップ全体での消費電力は、mW(ミリワット)からμW(マイクロワット)レベルとなる。また、上記消費電力を確保するために電源部の発電量を大きくするには発電機構の体積を大きくする必要があり、センサノードチップの小型化が制約される。
【0011】
その結果、小さな物や人などの対象にセンサノードチップを取り付ける際、センサノードチップの大きさによって取付位置が制約されるため、センサノードシステムの導入を妨げる要因となる。また、このような制約に応じてセンサノードチップの取付位置を変更した場合には、対象の状態を示す所望の検知データを正確に取得することができない場合も考えられる。したがって、センサノードシステムを用いたユビキタスネットワークサービスで、有用なサービスを容易に提供することができない場合もある。
【0012】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、センサノードチップでの消費電力を効果的に削減でき、センサチップノードの小型化を実現できるセンサノードチップおよびセンサノードシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的を達成するために、本発明にかかるセンサノードチップは、外部から与えられた外部振動を検知期間ごとに検知し、その検知結果を無線電波で順次送信するセンサノードチップであって、外部振動に応じて容量値が互いに差動的に変化する第1および第2の可変容量素子を有し、これら第1および第2の可変容量素子の一端がそれぞれ接地電位に共通接続され、第1の可変容量素子の他端から第1の検知信号を出力し、第2の可変容量素子の他端から第1の検知信号とは差動的に変化する第2の検知信号を出力するセンサ素子部と、一端が接地電位に接続された固定容量素子と、アノード端子が電源電位に接続された第1のダイオードと、カソード端子が固定容量素子の他端に接続された第2のダイオードと、第1ダイオードのカソード端子と第2のダイオードのアノード端子との間に順方向で直列接続された1つ以上の第3のダイオードとからなり、各ダイオード間を接続する接続ノードのうち隣り合う2つの接続ノードごとに、一方の接続ノードが第1の可変容量素子の他端に接続され、他方の接続ノードが第2の可変容量素子の他端に接続されており、第1および第2の検知信号の変化に応じて各ダイオードが交互に導通することにより固定容量素子を徐々に充電するセンサ回路部と、検知期間ごとに、固定容量素子両端のセンサ出力電圧が初期電位からしきい値電圧に達した時点で、無線電波の送信を指示する制御信号を出力する制御回路部と、制御信号に応じて無線電波を送信することにより、外部振動の検知結果に応じた送信間隔で無線電波を送信する無線部とを備えている。
【0014】
この際、動作電源を供給する電源部と、制御信号に応じて無線部に対する動作電源の供給を制御するスイッチ部とをさらに備え、無線部で、スイッチ部からの動作電源の供給開始に応じて無線電波の送信を開始するようにしてもよい。
【0015】
また、センサ回路部に、第3のダイオードを1つ以上の奇数個設けてもよい。
また、センサ回路部に、第2のダイオードのカソード端子と固定容量素子の他端との間に出力バッファ用のトランジスタを設けてもよい。
また、ダイオードとして、MOSダイオードを用いてもよい。
また、スイッチ部として、MEMSスイッチを用いてもよい。
また、無線部で、高周波パルスそのものを変調して送信する無線方式を用いるようにしてもよい。
また、可変容量素子を、MEMSプロセスで製造してもよい。
【0016】
また、本発明のかかるセンサノードシステムは、前述したいずれかのセンサノードチップと、このセンサノードトップから送信された無線電波の受信間隔を計測し、当該受信間隔からセンサノードチップに与えられた外部振動の周波数または加速度を示す検知データを算出する受信装置とを備えている。
【0017】
また、本発明にかかる受信装置は、前述したいずれかのセンサノードチップから送信された無線電波の受信間隔を検出する受信間隔計測部と、受信間隔からセンサノードチップに与えられた外部振動の周波数または加速度を示す検知データを算出する検知データ算出部とを備えている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、センサ素子部で得られた検知信号を差動増幅器で増幅することなく、外部振動に応じた電圧を示すセンサ出力信号を得ることができる。これにより、センサノードチップ内では比較的大きな電力を消費していた差動増幅部が不要となり、センサノードチップ全体の消費電力を効果的に削減することが可能となる。
したがって、消費電力の削減に応じて電源部の規模を縮小できるとともに、不要となった差動増幅部に応じて回路規模を削減でき、結果としてセンサノードチップの小型化・軽量化を図ることが可能となる。
【0019】
また、外部振動の検知結果に応じた送信間隔で無線電波を送信することができるため、センサ出力電圧をA/D変換し、その変換結果に基づき検知データを生成して無線電波で送信する必要がなくなり、センサノードチップ内では比較的大きな電力を消費していたA/D変換部やCPUが不要となり、センサノードチップ全体の消費電力を効果的に削減することが可能となる。これにより、センサノードチップ内では比較的大きな電力を消費していたA/D変換部やCPUが不要となり、センサノードチップ全体の消費電力をさらに削減することが可能となる。
したがって、消費電力の削減に応じて電源部の規模を縮小できるとともに、不要となったA/D変換部やCPUに応じて回路規模をさらに削減でき、結果としてセンサノードチップの小型化・軽量化を図ることが可能となる。
【0020】
このように、本発明によれば、センサノードチップの小型化・軽量化が可能となるため、小さな物や人などの対象にセンサノードチップを取り付ける場合でも、センサノードチップの大きさに起因する取付位置の制約を緩和でき、センサノードシステムの導入を推進させることができる。したがって、センサノードシステムを用いたユビキタスネットワークサービスで、有用なサービスを容易に提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるセンサノードシステムおよびセンサノードチップについて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるセンサノードシステムおよびセンサノードチップの構成を示すブロック図である。
【0022】
このセンサノードシステム100は、1つ以上のセンサノードチップ10と受信装置20とから構成されている。
センサノードチップ10は、物や人などの様々な対象に取り付けられることで、その対象の状態を検知して、無線電波により外部機器へ送信する。無線電波は、比較的微弱な無線信号であり、数十cmから数十m離れた距離を通信できる。受信装置20は、センサノードチップ10から受信した無線電波により、対象の状態を示すデータを収集し、これらデータを通信ネットワーク(図示せず)で提供する。
【0023】
センサノードチップ10には、主な機能部として、センサ素子部11、ゼロパワーセンサ回路部12、制御回路部13、無線部14、電源部15、およびスイッチ部16が設けられている。
センサ素子部11は、対象の振動や加速度に応じた量の電荷を出力する振動センサからなる。ゼロパワーセンサ回路部12は、センサ素子部51で得られた検知信号の電荷を固定容量素子で蓄積することにより、対象の振動や加速度に応じた電圧を有するセンサ出力信号を出力する。
【0024】
制御回路部13は、ゼロパワーセンサ回路部12で得られたセンサ出力信号の電圧をしきい値電圧と比較し、センサ出力信号がしきい値電圧以下の場合にはスイッチオフを示す制御信号をスイッチ部16へ出力し、しきい値電圧を超過した場合にはスイッチオンを示す制御信号をスイッチ部16へ出力する。制御回路部13については、例えば特許文献2に記載の比較回路を用いることにより、直流電流を生じることなく電圧を比較することができ、消費電力の削減に繋がる。
【0025】
スイッチ部16は、制御回路部13からの制御信号に応じて電源部15から無線部14への電源供給をオンオフ制御する。スイッチ部16については、MOSトランジスタで実現してもよく、MEMSスイッチを用いてもよい。MEMSスイッチを用いると、制御回路部の信号変化が緩やかなときでも、スイッチがOFFからONに変化する過渡状態で、リーク電流を生じることがなくなり、さらなる低電力動作が可能である。
【0026】
無線部14は、スイッチ部16を介して電源部15から電源供給が行われた期間だけ、例えば当該センサノードチップ10の識別情報などのデータを含む所定の無線電波を送信する。この場合、無線部14において、UWB(Ultra Wide Band)等の高周波パルスそのものを変調して送信する方式を用いてもよく、これにより低電力化無線通信が可能である。無線方式としては、UWBに限定するものではなく、これと同等またはそれ以下の低電力化が可能な無線方式を用いてもよい。
【0027】
ゼロパワーセンサ回路部12からのセンサ出力信号は、対象の振動や加速度の大きさに応じて、その電圧上昇速度が変化する。したがって、センサ出力信号が初期電位からしきい値電圧まで上昇する所要時間、すなわち制御信号の出力間隔が、対象の振動や加速度の大きさに応じて変化することになる。このため、無線部14から送信する無線電波の間隔で対象の振動や加速度の大きさが受信装置20へ通知される。
【0028】
無線電波の送信期間長は、受信装置20が当該無線電波を正常に受信するために必要な期間長だけ送信すればよい。この際、制御回路部13から出力する制御信号を無線電波の送信期間長だけ出力することにより、無線電波の送信期間長を制御してもよい。また、制御回路部13において、制御信号の出力完了に応じて1つの検知期間を終了し、ゼロパワーセンサ回路部12の固定容量素子CSに充電されているセンサ出力電圧を、接地電位へ初期化する化など、次の検知期間のための初期化動作を行うようにしてもよい。なお、無線電波の送信期間長は、無線部14において管理してもよく、この場合には、無線電波の送信終了の通知に応じて制御回路部13で、上記初期化動作を行えばよい。
【0029】
図2は、センサ素子部およびゼロパワーセンサ回路部の構成例を示す回路図である。センサ素子部11は、電源電位VDDと接地電位GNDとの間に接続された振動センサ11Aから構成されている。振動センサ11Aは、外部振動により差動的に容量値が変化する2つの可変容量素子CP,CNの直列接続からなる。
【0030】
図3は、振動センサの構成例である。振動センサ11Aは、前述した振動センサ51A,51Bと同様に、MEMS(Micro Electro Mechanical System)プロセスによりシリコンチップ上に構成された微細な櫛歯構造からなり、可動電極11Mと2つの固定電極11P,11Nとを有している。
【0031】
外部振動で可動電極11Mが振動することにより、固定電極11P,11Nとの距離が変化して、可動電極11Mと固定電極11P,11Nと間の容量CP,CNの大きさが変化する。この際、固定電極11Pと固定電極11Nとの中間に可動電極11Mが配置されているため、これら容量CP,CNは差動的に変化する。
本実施の形態では、ノードN3を介して可動電極11Mへ接地電位GNDを印加している。これにより、外部振動に応じて正負に電圧が差動で変化する検知信号が、固定電極11P,11NからノードN1,N2を介してそれぞれ出力される。
【0032】
ゼロパワーセンサ回路部12は、図2に示すように、順方向で直列接続されたダイオードD1〜D3と固定容量素子CSとからなり、これらが電源電位VDDと接地電位GNDとの間に直列接続されている。図2の例では、MOSトランジスタでダイオードを構成しているが、PNダイオードを用いてもよい。
【0033】
ゼロパワーセンサ回路部12において、ダイオードD1(第1のダイオード)のアノード端子は、電源電位VDDに接続され、ダイオードD3(第2のダイオード)のカソード端子は、接地電位に接続され、ダイオードD1のカソード端子とダイオードD3のアノード端子との間にダイオードD2(第3のダイオード)が順方向で直列接続されている。また、ダイオードD3のカソード端子と接地電位GNDとの間に固定容量素子CSが接続されている。
【0034】
また、ゼロパワーセンサ回路部12では、各ダイオード間を接続する接続ノードのうち隣り合う2つの接続ノードごとに、一方の接続ノードが可変容量素子CPのノードN2に接続され、他方の接続ノードが可変容量素子CNのノードN3に接続されている。したがって、センサ素子部11のノードN1は、ダイオードD1とダイオードD2との接続ノードに接続され、センサ素子部11のノードN2は、ダイオードD2とダイオードD3との接続ノードに接続されている。
これにより、センサ素子部11のノードN1,N2から出力された逆位相の2つの検知信号BP,BNによりダイオードD1〜D3が交互に導通制御され、電源電位VDDにより固定容量素子CSが徐々に充電される。
【0035】
図4は、ゼロパワーセンサ回路部および制御回路部の動作を示す信号波形図である。検知期間の開始時点である時刻T0において、固定容量素子CSの電圧は接地電位GNDと等しいものとする。その後、一定周波数の外部振動をセンサノードチップ10に与えた場合、この外部振動に応じてセンサ素子部11から出力される検知信号BP,BNの電圧が変化する。この際、1回の振動でセンサ素子部11の可変容量素子CP,CNに充電される電荷は一定であることから、電荷Q=容量C×電圧Vの関係に基づき、容量Cと電圧Vとが反比例する。
【0036】
このため、1回の振動で固定電極11Pと可動電極11Mとの距離が大きくなって可変容量素子CPの容量Cが小さくなると検知信号BPの電圧が高くなり、上記距離が小さくなって可変容量素子CPの容量Cが大きくなると検知信号BPの電圧が低くなる。また、このことは、固定電極11Nと可動電極11Mとから構成される可変容量素子CNと検知信号BNとの関係についても同様である。
ここで、図3に示したように、可変容量素子CP,CNは対象構造をなすことから、検知信号BP,BNは、図4に示すように逆位相の信号となる。なお、検出信号BP,BNの波形については、実際には外部振動の状態に応じて曲線となるが、回路動作の説明を容易とするため、図4では、検出信号BP,BNを矩形波形で示してある。
【0037】
ゼロパワーセンサ回路部12のダイオードD1〜D3は、それぞれの両端電圧差がしきい値電圧Vt以上になった時点で導通状態となる。このため、検知信号BPの電圧が電源電位VDDよりVt以上低下した時点でダイオードD1が導通し、検知信号BNの電圧が検知信号BPの電圧よりVt以上低下した時点でダイオードD2が導通し、検知信号BNの電圧が固定容量素子CSの電位すなわちセンサ出力信号SOの電圧よりVt以上上昇した時点でダイオードD3が導通する。
【0038】
このため、外部振動の繰り返しに応じて、ダイオードD1,D3とダイオードD2とが交互に導通することから、電源電位VDDからの電荷がダイオードD1〜D3を介して固定容量素子CSまで順に伝達されて充電される。
したがって、時刻T0から時刻T1までの期間ΔT1では、センサ出力信号SOの電圧が制御回路部13のしきい値電圧に達していないため、制御回路部13からスイッチオフを示す制御信号が出力される。一方、時刻T1に、センサ出力信号SOの電圧が制御回路部13のしきい値電圧に達した時点で、制御回路部13からスイッチオンを示す制御信号が出力される。これにより、時刻T0の動作開始から期間ΔT1経過後に、無線部14に対して電源供給が行われて、無線電波が送信されることになる。
【0039】
このように、センサ出力信号SOの電圧は、検知信号BP,BNの繰り返し回数に依存する。このため、検知信号BP,BNの繰り返し速度、すなわち外部振動の周波数や加速度の大きさに応じて、センサ出力信号SOの電圧が上昇する速度が変化する。
図5は、ゼロパワーセンサ回路部および制御回路部の他の動作を示す信号波形図である。図5では、図4より低い周波数の外部振動をセンサノードチップ10へ与えた場合が例として示されている。この場合には、図4より外部振動の周波数が低いため、センサ出力信号SOの電圧が上昇する速度は遅くなり、センサ出力信号SOの電圧が制御回路部13のしきい値に達するまでに、期間ΔT1より長い期間ΔT2を要している。
【0040】
この結果、無線部14に対して、外部振動の周波数あるいは加速度の大きさに応じた間隔で、電源部15からスイッチ部16を介して動作電源が供給されることになる。図6は、無線部の動作を示す説明図である。前述した図4および図5の動作で得られた期間ΔT1,ΔT2をパルス間隔として、無線電波が間欠的に送信される。無線電波の1回あたりの送信期間は、例えば1ms以下であることが望ましい。これによりさらなるμWより小さいnW(ナノワット)レベルまで低電力化が可能である。
【0041】
図7は、受信装置の構成を示すブロック図である。この受信装置20には、主な機能部として、無線部21、通信部22、メモリ部23、およびCPU24が設けられている。また、CPU24は、処理部として受信間隔計測部24A、検知データ算出部24B、通信制御部24Cが設けられている。
無線部21は、センサノードチップ10から送信された無線電波を受信し、無線電波の受信有無を示す受信パルス信号をCPU24へ出力する。また、受信した無線電波を復調して、送信元センサノードチップ10の識別情報などの各種情報をCPU24へ出力する。
【0042】
図8は、受信装置における無線電波受信間隔の計測結果を示す説明図である。受信間隔計測部24Aは、無線部21からの受信パルス信号のパルス間隔すなわち無線電波の受信間隔をタイマ機能により計測する。検知データ算出部24Bは、計測された各受信間隔を演算処理することにより、センサノードチップ10で検出した外部振動の周波数や加速度に応じたデータを検知データとして算出し、メモリ部23へ保存する。この受信間隔と外部振動の周波数や加速度とは逆比例の関係にある。通信制御部24Cは、定期的あるいは外部装置(図示せず)からの要求に応じて、メモリ部23から検知データを読み出し、LANやインターネットなどの通信ネットワークを介して外部装置へ提供する。
【0043】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態によれば、外部振動に応じて容量値が互いに差動的に変化する第1および第2の可変容量素子からなるセンサ素子部と、順方向で直列接続した3つ以上のダイオードとその後端部に接続した固定容量素子とからなるセンサ回路部とを設け、センサ素子部で得られた互いに差動的に変化する検知信号で、各ダイオードを交互に導通制御して固定容量素子を徐々に充電することにより、外部振動に応じた電圧を示すセンサ出力信号を得るようにしたので、センサ素子部で得られた検知信号を差動増幅器で増幅することなく、外部振動に応じた電圧を示すセンサ出力信号を得ることができる。
【0044】
これにより、センサノードチップ内では比較的大きな電力を消費していた差動増幅部が不要となり、センサノードチップ全体の消費電力を効果的に削減することが可能となる。したがって、消費電力の削減に応じて電源部の規模を縮小できるとともに、不要となった差動増幅部に応じて回路規模を削減でき、結果としてセンサノードチップの小型化・軽量化を図ることが可能となる。このため、小さな物や人などの対象にセンサノードチップを取り付ける場合でも、センサノードチップの大きさに起因する取付位置の制約を緩和でき、センサノードシステムの導入を推進させることができる。したがって、センサノードシステムを用いたユビキタスネットワークサービスで、有用なサービスを容易に提供することが可能となる。
【0045】
また、本実施の形態では、検知期間ごとに、固定容量素子両端のセンサ出力電圧が初期電位からしきい値電圧に達した時点で、無線部から無線電波を送信するようにしたので、外部振動の検知結果に応じた受信間隔で無線電波を送信することができる。このため、センサ出力電圧をA/D変換し、その変換結果に基づき検知データを生成して無線電波で送信する必要がなくなり、センサノードチップ内では比較的大きな電力を消費していたA/D変換部やCPUが不要となり、センサノードチップ全体の消費電力を効果的に削減することが可能となる。
【0046】
これにより、センサノードチップ内では比較的大きな電力を消費していたA/D変換部やCPUが不要となり、センサノードチップ全体の消費電力をさらに削減することが可能となる。したがって、消費電力の削減に応じて電源部の規模を縮小できるとともに、不要となったA/D変換部やCPUに応じて回路規模をさらに削減でき、結果としてセンサノードチップの小型化・軽量化を図ることが可能となる。このため、前述と同様にセンサノードシステムの導入を推進させることができ、センサノードシステムを用いたユビキタスネットワークサービスで、有用なサービスを容易に提供することが可能となる。
【0047】
[第2の実施の形態]
次に、図9を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるセンサノードチップについて説明する。図9は、本発明の第2の実施の形態にかかるセンサノードチップにおけるゼロパワーセンサ回路部の構成例を示す回路図である。
第1の実施の形態では、ゼロパワーセンサ回路部12において、直列接続した3つのダイオードを用いた場合を例として説明した。本実施の形態では、直列接続した5つのダイオードを用いた場合について説明する。
【0048】
図9のゼロパワーセンサ回路部12は、順方向で直列接続されたダイオードD11〜D15と固定容量素子CSとからなり、これらが電源電位VDDと接地電位との間に直列接続されている。図9の例では、MOSトランジスタでダイオードを構成しているが、PNダイオードを用いてもよい。なお、本実施の形態におけるセンサノードチップのうち、ゼロパワーセンサ回路部12以外の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0049】
ゼロパワーセンサ回路部12において、ダイオードD11(第1のダイオード)のアノード端子は、電源電位VDDに接続され、ダイオードD15(第2のダイオード)のカソード端子は、接地電位に接続され、ダイオードD11のカソード端子とダイオードD15のアノード端子との間に3つのダイオードD12〜D14(第3のダイオード)が順方向で直列接続されている。また、ダイオードD15のカソード端子と接地電位GNDとの間に固定容量素子CSが接続されている。
【0050】
また、ゼロパワーセンサ回路部12では、各ダイオード間を接続する接続ノードのうち隣り合う2つの接続ノードごとに、一方の接続ノードが可変容量素子CPのノードN2に接続され、他方の接続ノードが可変容量素子CNのノードN3に接続されている。したがって、センサ素子部11のノードN1は、ダイオードD11とダイオードD12との接続ノード、およびダイオードD13とダイオードD14との接続ノードに接続され、センサ素子部11のノードN2は、ダイオードD12とダイオードD13との接続ノード、およびダイオードD14とダイオードD15との接続ノードに接続されている。
【0051】
これにより、センサ素子部11のノードN1,N2から出力された逆位相の2つの検知信号BP,BNによりダイオードD11〜D15が交互に導通制御され、電源電位VDDにより固定容量素子CSが徐々に充電される。
この際、ダイオードの数に応じて固定容量素子CSに充電されるセンサ出力電圧の電圧値が高くなるため、電源電位VDDが低くても高いセンサ出力電圧を得ることが可能となる。
【0052】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、ゼロパワーセンサ回路部で用いるダイオードの数を第1の実施の形態より増やしたので、電源電位が低くても高いセンサ出力電圧を得ることが可能となる。これにより、電源電位として低い電圧を用いることができことから、電源部の回路規模を削減でき、結果としてセンサノードチップの小型化・軽量化を図ることが可能となる。
【0053】
また、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、ゼロパワーセンサ回路部で用いる第3のダイオードとして1つ以上の奇数個を用いるようにしたので、センサ素子部の2つの可変容量素子に接続されるノー度数を等しくすることができ、安定した動作を得ることが可能となる。なお、センサ素子部の2つの可変容量素子に対する上記対称性を考慮しない場合には、ゼロパワーセンサ回路部で用いるダイオードとして4つ以上の偶数個を用いてもよい。
【0054】
[第3の実施の形態]
次に、図10を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかるセンサノードチップについて説明する。図10は、本発明の第3の実施の形態にかかるセンサノードチップにおけるゼロパワーセンサ回路部の構成例を示す回路図である。
第1の実施の形態では、ゼロパワーセンサ回路部12において、最後段のダイオードと固定容量素子CSとを直接接続した場合を例として説明した。本実施の形態では、最後段のダイオードと固定容量素子CSとの間に出力バッファ用のトランジスタQSを設けた場合について説明する。
【0055】
図10のゼロパワーセンサ回路部12は、順方向で直列接続されたダイオードD11〜D13、出力バッファ用のトランジスタQS、および固定容量素子CSからなり、最後段のダイオードD13と固定容量素子CSとの間にトランジスタQSが接続されている。図10の例では、MOSトランジスタでダイオードを構成しているが、PNダイオードを用いてもよい。なお、本実施の形態におけるセンサノードチップのうち、ゼロパワーセンサ回路部12以外の構成については、第1および第2の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。また、図10では、第1の実施の形態に本実施の形態を適用した場合を例として説明するが、第2の実施の形態にも同様にして適用可能である。
【0056】
ゼロパワーセンサ回路部12において、ダイオードD1(第1のダイオード)のアノード端子は、電源電位VDDに接続され、ダイオードD3(第2のダイオード)のカソード端子は、接地電位に接続され、ダイオードD1のカソード端子とダイオードD3のアノード端子との間にダイオードD2(第3のダイオード)が順方向で直列接続されている。また、トランジスタQSのゲート端子がダイオードD3のカソード端子に接続され、トランジスタQSのソース端子が電源電位VDDに接続され、トランジスタQSのドレイン端子と接地電位GNDとの間に固定容量素子CSが接続されている。ここでは、トランジスタQSとしてMOSトランジスタを用いているが、バイポーラトランジスタであってもよい。
【0057】
また、ゼロパワーセンサ回路部12では、各ダイオード間を接続する接続ノードのうち隣り合う2つの接続ノードごとに、一方の接続ノードが可変容量素子CPのノードN2に接続され、他方の接続ノードが可変容量素子CNのノードN3に接続されている。したがって、センサ素子部11のノードN1は、ダイオードD1とダイオードD2との接続ノードに接続され、センサ素子部11のノードN2は、ダイオードD2とダイオードD3との接続ノードに接続されている。
【0058】
これにより、センサ素子部11のノードN1,N2から出力された逆位相の2つの検知信号BP,BNによりダイオードD1〜D3が交互に導通制御され、電源電位VDDにより固定容量素子CSが徐々に充電される。
この際、最後段のダイオードD3のカソード端子から出力された電荷に応じてトランジスタQSが駆動され、その駆動に応じた電荷が電源電位VDDから固定容量素子CSへ充電されるため、固定容量素子CSを充電するための電荷として十分な電荷を用いることができる。したがって、ダイオードD3からの電荷量に制約されることなく、センサ出力電圧の上昇特性を決定する固定容量素子CSの容量値を任意に選択することができ、回路設計の自由度を高くすることが可能となる。
【0059】
[第3の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、ゼロパワーセンサ回路部で用いる最後段のダイオードと固定容量素子との間に出力バッファ用のトランジスタを設けたので、固定容量素子を充電するための電荷として十分な電荷を用いることができる。このため、最後段のダイオードからの電荷量に制約されることなく、センサ出力電圧の上昇特性を決定する固定容量素子の容量値を任意に選択することができ、回路設計の自由度を高くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるセンサノードシステムおよびセンサノードチップの構成を示すブロック図である。
【図2】センサ素子部およびゼロパワーセンサ回路部の構成例を示す回路図である。
【図3】振動センサの構成例である。
【図4】ゼロパワーセンサ回路部および制御回路部の動作を示す信号波形図である。
【図5】ゼロパワーセンサ回路部および制御回路部の他の動作を示す信号波形図である。
【図6】無線部の動作を示す説明図である。
【図7】受信装置の構成を示すブロック図である。
【図8】受信装置における無線電波受信間隔の計測結果を示す説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態にかかるセンサノードチップにおけるゼロパワーセンサ回路部の構成例を示す回路図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態にかかるセンサノードチップにおけるゼロパワーセンサ回路部の構成例を示す回路図である。
【図11】従来のセンサノードシステムの構成を示すブロック図である。
【図12】従来のセンサノードチップにおけるセンサ素子部およびセンサ回路部の構成を示す回路図である。
【図13】従来のセンサノードチップにおける振動センサの構成例である。
【符号の説明】
【0061】
100…センサノードシステム、10…センサノードチップ、11…センサ素子部、11M…可動電極、11P,11N…固定電極、12…ゼロパワーセンサ回路部、13…制御回路部、14…無線部、15…電源部、16…スイッチ部、20…受信装置、21…無線部、22…通信部、23…メモリ部、24…CPU、24A…受信間隔計測部、24B…検知データ算出部、24C…通信制御部、CP,CN…可変容量素子、N1,N2,N3…ノード、BP,BN…検知信号、D1〜D3,D11〜D15…ダイオード、CS…固定容量素子、SO…センサ出力信号、QS…トランジスタ、VDD…電源電位、GND…接地電位。
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサネットワーク技術に関し、特にセンサノードチップの低電力化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
各種のデータを検知するセンサに通信機能やデータ処理機能を付加して高機能なセンサノードを構成し、さらにこれらセンサノードでネットワークを構築するセンサネットワーク技術の研究が進んでいる。
このセンサネットワーク技術では、センサノードの小型化・軽量化を目的として、データを検知して受信装置へ送信するための回路構成を半導体チップで実現したセンサノードチップが注目されている。
【0003】
このようなセンサノードチップは、物や人などの様々な対象に取り付けられることで、その対象の各種状態を示すデータを検知して、無線信号により受信装置へ送信することができる。このため、受信装置で受信したこれら検知データを、インターネットなどのネットワークを介して収集することで、様々なサービスを実現することができ、いわゆるユビキタスネットワークサービスを実現することができる。例えば、装置に取り付けたセンサノードチップでその振動周波数や加速度を検知するとともに、受信装置でこれら検知データを収集して提供することにより、ネットワークを介して遠隔地で装置の動作状態を把握でき、有用な保守・整備サービスを広い範囲で提供することが可能となる。
【0004】
図11は、従来のセンサノードシステムの構成を示すブロック図である(例えば、特許文献1など参照)。センサノードシステム500は、センサノードチップ50と受信装置60で構成される。センサノードチップ50で検知したデータは無線電波を介して受信装置60に送信される。無線電波は、比較的微弱な無線信号であり、数十cmから数十m離れた距離を通信できる。
センサノードチップ50は、センサ素子部51、センサ回路部52、A/D変換部53、CPU54、メモリ部55、無線部56、および電源部57により構成され、電源部57から各ブロックへ電力が供給されている。電源部57は、例えば振動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機構や2次電池等で構成されており、長時間の動作が実現可能なように工夫されている。
【0005】
センサ素子部51から得られた差動の電圧信号は、センサ回路52の差動増幅器AMPで増幅された後、後段のA/D変換部53でA/D変換され、CPU54によりメモリ部55へ検知データとして保存される。その後、検知データはCPU54により所定のタイミングでメモリ部55から読み出され、無線部56から無線電波により受信装置60へ送信される。
【0006】
図12は、センサ素子部およびセンサ回路部の構成を示す回路図である。センサ素子部51は、電源電位VDDと接地電位GNDとの間に逆方向で並列接続された2つの振動センサ51A,51Bから構成されている。振動センサ51Aは、外部振動により互いに逆方向に容量値が変化する2つの可変容量素子CP1,CN1の直列接続からなり、振動センサ51Bは、外部振動により互いに逆方向に容量値が変化する2つの可変容量素子CP2,CN2からなる。
【0007】
図13は、振動センサの構成例である。振動センサ51A,51Bは、MEMS(Micro Electro Mechanical System)プロセスによりシリコンチップ上に構成された微細な櫛歯構造からなり、可動電極51Mと2つの固定電極51P,51Nとを有している。
これら振動センサ51A,51Bにおいて、外部振動で可動電極51Mが振動することにより、固定電極51P,51Nとの距離が変化して、可動電極51Mと固定電極51P,51Nと間の容量CP,CNの大きさが変化する。この際、固定電極51Pと固定電極51Nとの中間に可動電極51Mが配置されているため、これら容量CP,CNは差動的に変化する。
【0008】
したがって、ノードN51を介して固定電極51Pへ電源電位VDDを印加し、ノードN52を介して固定電極51Nへ接地電位GNDを印加した場合、VDDとGNDの中間電位を中心として外部振動に応じて電圧が上下に変化する電圧信号が、可動電極51MのノードN53からセンサ回路52へ出力される。この際、振動センサ51A,51Bは、電源電位VDDと接地電位GNDとの間に逆方向で並列接続されていることから、同一外部振動に対して互いに逆位相の電圧信号がセンサ回路52へ出力される。
【0009】
【特許文献1】特開2004−024551号公報
【特許文献2】特許3899110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような従来技術では、2つの振動センサを用いて差動の検知信号を得た後、センサ回路部の差動増幅器で増幅しているため、この差動増幅部での消費電力が大きく、センサノードチップ全体の消費電力を効果的に削減できないという問題点があった。
すなわち、差動増幅器はトランジスタをアナログ動作させているため、直流電流を常時消費してしまうことから、センサノードチップ全体での消費電力は、mW(ミリワット)からμW(マイクロワット)レベルとなる。また、上記消費電力を確保するために電源部の発電量を大きくするには発電機構の体積を大きくする必要があり、センサノードチップの小型化が制約される。
【0011】
その結果、小さな物や人などの対象にセンサノードチップを取り付ける際、センサノードチップの大きさによって取付位置が制約されるため、センサノードシステムの導入を妨げる要因となる。また、このような制約に応じてセンサノードチップの取付位置を変更した場合には、対象の状態を示す所望の検知データを正確に取得することができない場合も考えられる。したがって、センサノードシステムを用いたユビキタスネットワークサービスで、有用なサービスを容易に提供することができない場合もある。
【0012】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、センサノードチップでの消費電力を効果的に削減でき、センサチップノードの小型化を実現できるセンサノードチップおよびセンサノードシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的を達成するために、本発明にかかるセンサノードチップは、外部から与えられた外部振動を検知期間ごとに検知し、その検知結果を無線電波で順次送信するセンサノードチップであって、外部振動に応じて容量値が互いに差動的に変化する第1および第2の可変容量素子を有し、これら第1および第2の可変容量素子の一端がそれぞれ接地電位に共通接続され、第1の可変容量素子の他端から第1の検知信号を出力し、第2の可変容量素子の他端から第1の検知信号とは差動的に変化する第2の検知信号を出力するセンサ素子部と、一端が接地電位に接続された固定容量素子と、アノード端子が電源電位に接続された第1のダイオードと、カソード端子が固定容量素子の他端に接続された第2のダイオードと、第1ダイオードのカソード端子と第2のダイオードのアノード端子との間に順方向で直列接続された1つ以上の第3のダイオードとからなり、各ダイオード間を接続する接続ノードのうち隣り合う2つの接続ノードごとに、一方の接続ノードが第1の可変容量素子の他端に接続され、他方の接続ノードが第2の可変容量素子の他端に接続されており、第1および第2の検知信号の変化に応じて各ダイオードが交互に導通することにより固定容量素子を徐々に充電するセンサ回路部と、検知期間ごとに、固定容量素子両端のセンサ出力電圧が初期電位からしきい値電圧に達した時点で、無線電波の送信を指示する制御信号を出力する制御回路部と、制御信号に応じて無線電波を送信することにより、外部振動の検知結果に応じた送信間隔で無線電波を送信する無線部とを備えている。
【0014】
この際、動作電源を供給する電源部と、制御信号に応じて無線部に対する動作電源の供給を制御するスイッチ部とをさらに備え、無線部で、スイッチ部からの動作電源の供給開始に応じて無線電波の送信を開始するようにしてもよい。
【0015】
また、センサ回路部に、第3のダイオードを1つ以上の奇数個設けてもよい。
また、センサ回路部に、第2のダイオードのカソード端子と固定容量素子の他端との間に出力バッファ用のトランジスタを設けてもよい。
また、ダイオードとして、MOSダイオードを用いてもよい。
また、スイッチ部として、MEMSスイッチを用いてもよい。
また、無線部で、高周波パルスそのものを変調して送信する無線方式を用いるようにしてもよい。
また、可変容量素子を、MEMSプロセスで製造してもよい。
【0016】
また、本発明のかかるセンサノードシステムは、前述したいずれかのセンサノードチップと、このセンサノードトップから送信された無線電波の受信間隔を計測し、当該受信間隔からセンサノードチップに与えられた外部振動の周波数または加速度を示す検知データを算出する受信装置とを備えている。
【0017】
また、本発明にかかる受信装置は、前述したいずれかのセンサノードチップから送信された無線電波の受信間隔を検出する受信間隔計測部と、受信間隔からセンサノードチップに与えられた外部振動の周波数または加速度を示す検知データを算出する検知データ算出部とを備えている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、センサ素子部で得られた検知信号を差動増幅器で増幅することなく、外部振動に応じた電圧を示すセンサ出力信号を得ることができる。これにより、センサノードチップ内では比較的大きな電力を消費していた差動増幅部が不要となり、センサノードチップ全体の消費電力を効果的に削減することが可能となる。
したがって、消費電力の削減に応じて電源部の規模を縮小できるとともに、不要となった差動増幅部に応じて回路規模を削減でき、結果としてセンサノードチップの小型化・軽量化を図ることが可能となる。
【0019】
また、外部振動の検知結果に応じた送信間隔で無線電波を送信することができるため、センサ出力電圧をA/D変換し、その変換結果に基づき検知データを生成して無線電波で送信する必要がなくなり、センサノードチップ内では比較的大きな電力を消費していたA/D変換部やCPUが不要となり、センサノードチップ全体の消費電力を効果的に削減することが可能となる。これにより、センサノードチップ内では比較的大きな電力を消費していたA/D変換部やCPUが不要となり、センサノードチップ全体の消費電力をさらに削減することが可能となる。
したがって、消費電力の削減に応じて電源部の規模を縮小できるとともに、不要となったA/D変換部やCPUに応じて回路規模をさらに削減でき、結果としてセンサノードチップの小型化・軽量化を図ることが可能となる。
【0020】
このように、本発明によれば、センサノードチップの小型化・軽量化が可能となるため、小さな物や人などの対象にセンサノードチップを取り付ける場合でも、センサノードチップの大きさに起因する取付位置の制約を緩和でき、センサノードシステムの導入を推進させることができる。したがって、センサノードシステムを用いたユビキタスネットワークサービスで、有用なサービスを容易に提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるセンサノードシステムおよびセンサノードチップについて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるセンサノードシステムおよびセンサノードチップの構成を示すブロック図である。
【0022】
このセンサノードシステム100は、1つ以上のセンサノードチップ10と受信装置20とから構成されている。
センサノードチップ10は、物や人などの様々な対象に取り付けられることで、その対象の状態を検知して、無線電波により外部機器へ送信する。無線電波は、比較的微弱な無線信号であり、数十cmから数十m離れた距離を通信できる。受信装置20は、センサノードチップ10から受信した無線電波により、対象の状態を示すデータを収集し、これらデータを通信ネットワーク(図示せず)で提供する。
【0023】
センサノードチップ10には、主な機能部として、センサ素子部11、ゼロパワーセンサ回路部12、制御回路部13、無線部14、電源部15、およびスイッチ部16が設けられている。
センサ素子部11は、対象の振動や加速度に応じた量の電荷を出力する振動センサからなる。ゼロパワーセンサ回路部12は、センサ素子部51で得られた検知信号の電荷を固定容量素子で蓄積することにより、対象の振動や加速度に応じた電圧を有するセンサ出力信号を出力する。
【0024】
制御回路部13は、ゼロパワーセンサ回路部12で得られたセンサ出力信号の電圧をしきい値電圧と比較し、センサ出力信号がしきい値電圧以下の場合にはスイッチオフを示す制御信号をスイッチ部16へ出力し、しきい値電圧を超過した場合にはスイッチオンを示す制御信号をスイッチ部16へ出力する。制御回路部13については、例えば特許文献2に記載の比較回路を用いることにより、直流電流を生じることなく電圧を比較することができ、消費電力の削減に繋がる。
【0025】
スイッチ部16は、制御回路部13からの制御信号に応じて電源部15から無線部14への電源供給をオンオフ制御する。スイッチ部16については、MOSトランジスタで実現してもよく、MEMSスイッチを用いてもよい。MEMSスイッチを用いると、制御回路部の信号変化が緩やかなときでも、スイッチがOFFからONに変化する過渡状態で、リーク電流を生じることがなくなり、さらなる低電力動作が可能である。
【0026】
無線部14は、スイッチ部16を介して電源部15から電源供給が行われた期間だけ、例えば当該センサノードチップ10の識別情報などのデータを含む所定の無線電波を送信する。この場合、無線部14において、UWB(Ultra Wide Band)等の高周波パルスそのものを変調して送信する方式を用いてもよく、これにより低電力化無線通信が可能である。無線方式としては、UWBに限定するものではなく、これと同等またはそれ以下の低電力化が可能な無線方式を用いてもよい。
【0027】
ゼロパワーセンサ回路部12からのセンサ出力信号は、対象の振動や加速度の大きさに応じて、その電圧上昇速度が変化する。したがって、センサ出力信号が初期電位からしきい値電圧まで上昇する所要時間、すなわち制御信号の出力間隔が、対象の振動や加速度の大きさに応じて変化することになる。このため、無線部14から送信する無線電波の間隔で対象の振動や加速度の大きさが受信装置20へ通知される。
【0028】
無線電波の送信期間長は、受信装置20が当該無線電波を正常に受信するために必要な期間長だけ送信すればよい。この際、制御回路部13から出力する制御信号を無線電波の送信期間長だけ出力することにより、無線電波の送信期間長を制御してもよい。また、制御回路部13において、制御信号の出力完了に応じて1つの検知期間を終了し、ゼロパワーセンサ回路部12の固定容量素子CSに充電されているセンサ出力電圧を、接地電位へ初期化する化など、次の検知期間のための初期化動作を行うようにしてもよい。なお、無線電波の送信期間長は、無線部14において管理してもよく、この場合には、無線電波の送信終了の通知に応じて制御回路部13で、上記初期化動作を行えばよい。
【0029】
図2は、センサ素子部およびゼロパワーセンサ回路部の構成例を示す回路図である。センサ素子部11は、電源電位VDDと接地電位GNDとの間に接続された振動センサ11Aから構成されている。振動センサ11Aは、外部振動により差動的に容量値が変化する2つの可変容量素子CP,CNの直列接続からなる。
【0030】
図3は、振動センサの構成例である。振動センサ11Aは、前述した振動センサ51A,51Bと同様に、MEMS(Micro Electro Mechanical System)プロセスによりシリコンチップ上に構成された微細な櫛歯構造からなり、可動電極11Mと2つの固定電極11P,11Nとを有している。
【0031】
外部振動で可動電極11Mが振動することにより、固定電極11P,11Nとの距離が変化して、可動電極11Mと固定電極11P,11Nと間の容量CP,CNの大きさが変化する。この際、固定電極11Pと固定電極11Nとの中間に可動電極11Mが配置されているため、これら容量CP,CNは差動的に変化する。
本実施の形態では、ノードN3を介して可動電極11Mへ接地電位GNDを印加している。これにより、外部振動に応じて正負に電圧が差動で変化する検知信号が、固定電極11P,11NからノードN1,N2を介してそれぞれ出力される。
【0032】
ゼロパワーセンサ回路部12は、図2に示すように、順方向で直列接続されたダイオードD1〜D3と固定容量素子CSとからなり、これらが電源電位VDDと接地電位GNDとの間に直列接続されている。図2の例では、MOSトランジスタでダイオードを構成しているが、PNダイオードを用いてもよい。
【0033】
ゼロパワーセンサ回路部12において、ダイオードD1(第1のダイオード)のアノード端子は、電源電位VDDに接続され、ダイオードD3(第2のダイオード)のカソード端子は、接地電位に接続され、ダイオードD1のカソード端子とダイオードD3のアノード端子との間にダイオードD2(第3のダイオード)が順方向で直列接続されている。また、ダイオードD3のカソード端子と接地電位GNDとの間に固定容量素子CSが接続されている。
【0034】
また、ゼロパワーセンサ回路部12では、各ダイオード間を接続する接続ノードのうち隣り合う2つの接続ノードごとに、一方の接続ノードが可変容量素子CPのノードN2に接続され、他方の接続ノードが可変容量素子CNのノードN3に接続されている。したがって、センサ素子部11のノードN1は、ダイオードD1とダイオードD2との接続ノードに接続され、センサ素子部11のノードN2は、ダイオードD2とダイオードD3との接続ノードに接続されている。
これにより、センサ素子部11のノードN1,N2から出力された逆位相の2つの検知信号BP,BNによりダイオードD1〜D3が交互に導通制御され、電源電位VDDにより固定容量素子CSが徐々に充電される。
【0035】
図4は、ゼロパワーセンサ回路部および制御回路部の動作を示す信号波形図である。検知期間の開始時点である時刻T0において、固定容量素子CSの電圧は接地電位GNDと等しいものとする。その後、一定周波数の外部振動をセンサノードチップ10に与えた場合、この外部振動に応じてセンサ素子部11から出力される検知信号BP,BNの電圧が変化する。この際、1回の振動でセンサ素子部11の可変容量素子CP,CNに充電される電荷は一定であることから、電荷Q=容量C×電圧Vの関係に基づき、容量Cと電圧Vとが反比例する。
【0036】
このため、1回の振動で固定電極11Pと可動電極11Mとの距離が大きくなって可変容量素子CPの容量Cが小さくなると検知信号BPの電圧が高くなり、上記距離が小さくなって可変容量素子CPの容量Cが大きくなると検知信号BPの電圧が低くなる。また、このことは、固定電極11Nと可動電極11Mとから構成される可変容量素子CNと検知信号BNとの関係についても同様である。
ここで、図3に示したように、可変容量素子CP,CNは対象構造をなすことから、検知信号BP,BNは、図4に示すように逆位相の信号となる。なお、検出信号BP,BNの波形については、実際には外部振動の状態に応じて曲線となるが、回路動作の説明を容易とするため、図4では、検出信号BP,BNを矩形波形で示してある。
【0037】
ゼロパワーセンサ回路部12のダイオードD1〜D3は、それぞれの両端電圧差がしきい値電圧Vt以上になった時点で導通状態となる。このため、検知信号BPの電圧が電源電位VDDよりVt以上低下した時点でダイオードD1が導通し、検知信号BNの電圧が検知信号BPの電圧よりVt以上低下した時点でダイオードD2が導通し、検知信号BNの電圧が固定容量素子CSの電位すなわちセンサ出力信号SOの電圧よりVt以上上昇した時点でダイオードD3が導通する。
【0038】
このため、外部振動の繰り返しに応じて、ダイオードD1,D3とダイオードD2とが交互に導通することから、電源電位VDDからの電荷がダイオードD1〜D3を介して固定容量素子CSまで順に伝達されて充電される。
したがって、時刻T0から時刻T1までの期間ΔT1では、センサ出力信号SOの電圧が制御回路部13のしきい値電圧に達していないため、制御回路部13からスイッチオフを示す制御信号が出力される。一方、時刻T1に、センサ出力信号SOの電圧が制御回路部13のしきい値電圧に達した時点で、制御回路部13からスイッチオンを示す制御信号が出力される。これにより、時刻T0の動作開始から期間ΔT1経過後に、無線部14に対して電源供給が行われて、無線電波が送信されることになる。
【0039】
このように、センサ出力信号SOの電圧は、検知信号BP,BNの繰り返し回数に依存する。このため、検知信号BP,BNの繰り返し速度、すなわち外部振動の周波数や加速度の大きさに応じて、センサ出力信号SOの電圧が上昇する速度が変化する。
図5は、ゼロパワーセンサ回路部および制御回路部の他の動作を示す信号波形図である。図5では、図4より低い周波数の外部振動をセンサノードチップ10へ与えた場合が例として示されている。この場合には、図4より外部振動の周波数が低いため、センサ出力信号SOの電圧が上昇する速度は遅くなり、センサ出力信号SOの電圧が制御回路部13のしきい値に達するまでに、期間ΔT1より長い期間ΔT2を要している。
【0040】
この結果、無線部14に対して、外部振動の周波数あるいは加速度の大きさに応じた間隔で、電源部15からスイッチ部16を介して動作電源が供給されることになる。図6は、無線部の動作を示す説明図である。前述した図4および図5の動作で得られた期間ΔT1,ΔT2をパルス間隔として、無線電波が間欠的に送信される。無線電波の1回あたりの送信期間は、例えば1ms以下であることが望ましい。これによりさらなるμWより小さいnW(ナノワット)レベルまで低電力化が可能である。
【0041】
図7は、受信装置の構成を示すブロック図である。この受信装置20には、主な機能部として、無線部21、通信部22、メモリ部23、およびCPU24が設けられている。また、CPU24は、処理部として受信間隔計測部24A、検知データ算出部24B、通信制御部24Cが設けられている。
無線部21は、センサノードチップ10から送信された無線電波を受信し、無線電波の受信有無を示す受信パルス信号をCPU24へ出力する。また、受信した無線電波を復調して、送信元センサノードチップ10の識別情報などの各種情報をCPU24へ出力する。
【0042】
図8は、受信装置における無線電波受信間隔の計測結果を示す説明図である。受信間隔計測部24Aは、無線部21からの受信パルス信号のパルス間隔すなわち無線電波の受信間隔をタイマ機能により計測する。検知データ算出部24Bは、計測された各受信間隔を演算処理することにより、センサノードチップ10で検出した外部振動の周波数や加速度に応じたデータを検知データとして算出し、メモリ部23へ保存する。この受信間隔と外部振動の周波数や加速度とは逆比例の関係にある。通信制御部24Cは、定期的あるいは外部装置(図示せず)からの要求に応じて、メモリ部23から検知データを読み出し、LANやインターネットなどの通信ネットワークを介して外部装置へ提供する。
【0043】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態によれば、外部振動に応じて容量値が互いに差動的に変化する第1および第2の可変容量素子からなるセンサ素子部と、順方向で直列接続した3つ以上のダイオードとその後端部に接続した固定容量素子とからなるセンサ回路部とを設け、センサ素子部で得られた互いに差動的に変化する検知信号で、各ダイオードを交互に導通制御して固定容量素子を徐々に充電することにより、外部振動に応じた電圧を示すセンサ出力信号を得るようにしたので、センサ素子部で得られた検知信号を差動増幅器で増幅することなく、外部振動に応じた電圧を示すセンサ出力信号を得ることができる。
【0044】
これにより、センサノードチップ内では比較的大きな電力を消費していた差動増幅部が不要となり、センサノードチップ全体の消費電力を効果的に削減することが可能となる。したがって、消費電力の削減に応じて電源部の規模を縮小できるとともに、不要となった差動増幅部に応じて回路規模を削減でき、結果としてセンサノードチップの小型化・軽量化を図ることが可能となる。このため、小さな物や人などの対象にセンサノードチップを取り付ける場合でも、センサノードチップの大きさに起因する取付位置の制約を緩和でき、センサノードシステムの導入を推進させることができる。したがって、センサノードシステムを用いたユビキタスネットワークサービスで、有用なサービスを容易に提供することが可能となる。
【0045】
また、本実施の形態では、検知期間ごとに、固定容量素子両端のセンサ出力電圧が初期電位からしきい値電圧に達した時点で、無線部から無線電波を送信するようにしたので、外部振動の検知結果に応じた受信間隔で無線電波を送信することができる。このため、センサ出力電圧をA/D変換し、その変換結果に基づき検知データを生成して無線電波で送信する必要がなくなり、センサノードチップ内では比較的大きな電力を消費していたA/D変換部やCPUが不要となり、センサノードチップ全体の消費電力を効果的に削減することが可能となる。
【0046】
これにより、センサノードチップ内では比較的大きな電力を消費していたA/D変換部やCPUが不要となり、センサノードチップ全体の消費電力をさらに削減することが可能となる。したがって、消費電力の削減に応じて電源部の規模を縮小できるとともに、不要となったA/D変換部やCPUに応じて回路規模をさらに削減でき、結果としてセンサノードチップの小型化・軽量化を図ることが可能となる。このため、前述と同様にセンサノードシステムの導入を推進させることができ、センサノードシステムを用いたユビキタスネットワークサービスで、有用なサービスを容易に提供することが可能となる。
【0047】
[第2の実施の形態]
次に、図9を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるセンサノードチップについて説明する。図9は、本発明の第2の実施の形態にかかるセンサノードチップにおけるゼロパワーセンサ回路部の構成例を示す回路図である。
第1の実施の形態では、ゼロパワーセンサ回路部12において、直列接続した3つのダイオードを用いた場合を例として説明した。本実施の形態では、直列接続した5つのダイオードを用いた場合について説明する。
【0048】
図9のゼロパワーセンサ回路部12は、順方向で直列接続されたダイオードD11〜D15と固定容量素子CSとからなり、これらが電源電位VDDと接地電位との間に直列接続されている。図9の例では、MOSトランジスタでダイオードを構成しているが、PNダイオードを用いてもよい。なお、本実施の形態におけるセンサノードチップのうち、ゼロパワーセンサ回路部12以外の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0049】
ゼロパワーセンサ回路部12において、ダイオードD11(第1のダイオード)のアノード端子は、電源電位VDDに接続され、ダイオードD15(第2のダイオード)のカソード端子は、接地電位に接続され、ダイオードD11のカソード端子とダイオードD15のアノード端子との間に3つのダイオードD12〜D14(第3のダイオード)が順方向で直列接続されている。また、ダイオードD15のカソード端子と接地電位GNDとの間に固定容量素子CSが接続されている。
【0050】
また、ゼロパワーセンサ回路部12では、各ダイオード間を接続する接続ノードのうち隣り合う2つの接続ノードごとに、一方の接続ノードが可変容量素子CPのノードN2に接続され、他方の接続ノードが可変容量素子CNのノードN3に接続されている。したがって、センサ素子部11のノードN1は、ダイオードD11とダイオードD12との接続ノード、およびダイオードD13とダイオードD14との接続ノードに接続され、センサ素子部11のノードN2は、ダイオードD12とダイオードD13との接続ノード、およびダイオードD14とダイオードD15との接続ノードに接続されている。
【0051】
これにより、センサ素子部11のノードN1,N2から出力された逆位相の2つの検知信号BP,BNによりダイオードD11〜D15が交互に導通制御され、電源電位VDDにより固定容量素子CSが徐々に充電される。
この際、ダイオードの数に応じて固定容量素子CSに充電されるセンサ出力電圧の電圧値が高くなるため、電源電位VDDが低くても高いセンサ出力電圧を得ることが可能となる。
【0052】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、ゼロパワーセンサ回路部で用いるダイオードの数を第1の実施の形態より増やしたので、電源電位が低くても高いセンサ出力電圧を得ることが可能となる。これにより、電源電位として低い電圧を用いることができことから、電源部の回路規模を削減でき、結果としてセンサノードチップの小型化・軽量化を図ることが可能となる。
【0053】
また、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、ゼロパワーセンサ回路部で用いる第3のダイオードとして1つ以上の奇数個を用いるようにしたので、センサ素子部の2つの可変容量素子に接続されるノー度数を等しくすることができ、安定した動作を得ることが可能となる。なお、センサ素子部の2つの可変容量素子に対する上記対称性を考慮しない場合には、ゼロパワーセンサ回路部で用いるダイオードとして4つ以上の偶数個を用いてもよい。
【0054】
[第3の実施の形態]
次に、図10を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかるセンサノードチップについて説明する。図10は、本発明の第3の実施の形態にかかるセンサノードチップにおけるゼロパワーセンサ回路部の構成例を示す回路図である。
第1の実施の形態では、ゼロパワーセンサ回路部12において、最後段のダイオードと固定容量素子CSとを直接接続した場合を例として説明した。本実施の形態では、最後段のダイオードと固定容量素子CSとの間に出力バッファ用のトランジスタQSを設けた場合について説明する。
【0055】
図10のゼロパワーセンサ回路部12は、順方向で直列接続されたダイオードD11〜D13、出力バッファ用のトランジスタQS、および固定容量素子CSからなり、最後段のダイオードD13と固定容量素子CSとの間にトランジスタQSが接続されている。図10の例では、MOSトランジスタでダイオードを構成しているが、PNダイオードを用いてもよい。なお、本実施の形態におけるセンサノードチップのうち、ゼロパワーセンサ回路部12以外の構成については、第1および第2の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。また、図10では、第1の実施の形態に本実施の形態を適用した場合を例として説明するが、第2の実施の形態にも同様にして適用可能である。
【0056】
ゼロパワーセンサ回路部12において、ダイオードD1(第1のダイオード)のアノード端子は、電源電位VDDに接続され、ダイオードD3(第2のダイオード)のカソード端子は、接地電位に接続され、ダイオードD1のカソード端子とダイオードD3のアノード端子との間にダイオードD2(第3のダイオード)が順方向で直列接続されている。また、トランジスタQSのゲート端子がダイオードD3のカソード端子に接続され、トランジスタQSのソース端子が電源電位VDDに接続され、トランジスタQSのドレイン端子と接地電位GNDとの間に固定容量素子CSが接続されている。ここでは、トランジスタQSとしてMOSトランジスタを用いているが、バイポーラトランジスタであってもよい。
【0057】
また、ゼロパワーセンサ回路部12では、各ダイオード間を接続する接続ノードのうち隣り合う2つの接続ノードごとに、一方の接続ノードが可変容量素子CPのノードN2に接続され、他方の接続ノードが可変容量素子CNのノードN3に接続されている。したがって、センサ素子部11のノードN1は、ダイオードD1とダイオードD2との接続ノードに接続され、センサ素子部11のノードN2は、ダイオードD2とダイオードD3との接続ノードに接続されている。
【0058】
これにより、センサ素子部11のノードN1,N2から出力された逆位相の2つの検知信号BP,BNによりダイオードD1〜D3が交互に導通制御され、電源電位VDDにより固定容量素子CSが徐々に充電される。
この際、最後段のダイオードD3のカソード端子から出力された電荷に応じてトランジスタQSが駆動され、その駆動に応じた電荷が電源電位VDDから固定容量素子CSへ充電されるため、固定容量素子CSを充電するための電荷として十分な電荷を用いることができる。したがって、ダイオードD3からの電荷量に制約されることなく、センサ出力電圧の上昇特性を決定する固定容量素子CSの容量値を任意に選択することができ、回路設計の自由度を高くすることが可能となる。
【0059】
[第3の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、ゼロパワーセンサ回路部で用いる最後段のダイオードと固定容量素子との間に出力バッファ用のトランジスタを設けたので、固定容量素子を充電するための電荷として十分な電荷を用いることができる。このため、最後段のダイオードからの電荷量に制約されることなく、センサ出力電圧の上昇特性を決定する固定容量素子の容量値を任意に選択することができ、回路設計の自由度を高くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるセンサノードシステムおよびセンサノードチップの構成を示すブロック図である。
【図2】センサ素子部およびゼロパワーセンサ回路部の構成例を示す回路図である。
【図3】振動センサの構成例である。
【図4】ゼロパワーセンサ回路部および制御回路部の動作を示す信号波形図である。
【図5】ゼロパワーセンサ回路部および制御回路部の他の動作を示す信号波形図である。
【図6】無線部の動作を示す説明図である。
【図7】受信装置の構成を示すブロック図である。
【図8】受信装置における無線電波受信間隔の計測結果を示す説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態にかかるセンサノードチップにおけるゼロパワーセンサ回路部の構成例を示す回路図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態にかかるセンサノードチップにおけるゼロパワーセンサ回路部の構成例を示す回路図である。
【図11】従来のセンサノードシステムの構成を示すブロック図である。
【図12】従来のセンサノードチップにおけるセンサ素子部およびセンサ回路部の構成を示す回路図である。
【図13】従来のセンサノードチップにおける振動センサの構成例である。
【符号の説明】
【0061】
100…センサノードシステム、10…センサノードチップ、11…センサ素子部、11M…可動電極、11P,11N…固定電極、12…ゼロパワーセンサ回路部、13…制御回路部、14…無線部、15…電源部、16…スイッチ部、20…受信装置、21…無線部、22…通信部、23…メモリ部、24…CPU、24A…受信間隔計測部、24B…検知データ算出部、24C…通信制御部、CP,CN…可変容量素子、N1,N2,N3…ノード、BP,BN…検知信号、D1〜D3,D11〜D15…ダイオード、CS…固定容量素子、SO…センサ出力信号、QS…トランジスタ、VDD…電源電位、GND…接地電位。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から与えられた外部振動を検知期間ごとに検知し、その検知結果を無線電波で順次送信するセンサノードチップであって、
外部振動に応じて容量値が互いに差動的に変化する第1および第2の可変容量素子を有し、これら第1および第2の可変容量素子の一端がそれぞれ接地電位に共通接続され、前記第1の可変容量素子の他端から第1の検知信号を出力し、前記第2の可変容量素子の他端から第1の検知信号とは差動的に変化する第2の検知信号を出力するセンサ素子部と、
一端が前記接地電位に接続された固定容量素子と、アノード端子が電源電位に接続された第1のダイオードと、カソード端子が前記固定容量素子の他端に接続された第2のダイオードと、前記第1ダイオードのカソード端子と前記第2のダイオードのアノード端子との間に順方向で直列接続された1つ以上の第3のダイオードとからなり、前記各ダイオード間を接続する接続ノードのうち隣り合う2つの接続ノードごとに、一方の接続ノードが前記第1の可変容量素子の他端に接続され、他方の接続ノードが前記第2の可変容量素子の他端に接続されており、前記第1および第2の検知信号の変化に応じて前記各ダイオードが交互に導通することにより前記固定容量素子を徐々に充電するセンサ回路部と、
前記検知期間ごとに、前記固定容量素子両端のセンサ出力電圧が初期電位からしきい値電圧に達した時点で、無線電波の送信を指示する制御信号を出力する制御回路部と、
前記制御信号に応じて無線電波を送信することにより、前記外部振動の検知結果に応じた送信間隔で前記無線電波を送信する無線部と
を備えることを特徴とするセンサノードチップ。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサノードチップにおいて、
動作電源を供給する電源部と、前記制御信号に応じて前記無線部に対する前記動作電源の供給を制御するスイッチ部とをさらに備え、
前記無線部は、前記スイッチ部からの前記動作電源の供給開始に応じて前記無線電波の送信を開始する
ことを特徴とするセンサノードチップ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のセンサノードチップにおいて、
前記センサ回路部は、第3のダイオードを1つ以上の奇数個有していることを特徴とするセンサノードチップ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載のセンサノードチップにおいて、
前記センサ回路部は、前記第2のダイオードのカソード端子と前記固定容量素子の他端との間に出力バッファ用のトランジスタを有することを特徴とするセンサノードチップ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載のセンサノードチップにおいて、
前記ダイオードは、MOSダイオードからなることを特徴とするセンサノードチップ。
【請求項6】
請求項2に記載のセンサノードチップにおいて、
前記スイッチ部は、MEMSスイッチからなることを特徴とするセンサノードチップ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載のセンサノードチップにおいて、
前記無線部は、高周波パルスそのものを変調して送信する無線方式を用いることを特徴とするセンサノードチップ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載のセンサノードチップにおいて、
前記可変容量素子は、MEMSプロセスを用いて製造されていることを特徴とするセンサノードチップ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載のセンサノードチップと、
前記センサノードチップから送信された無線電波の受信間隔を計測し、当該受信間隔から前記センサノードチップに与えられた外部振動の周波数または加速度を示す検知データを算出する受信装置と
を備えることを特徴とするセンサノードシステム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1つに記載のセンサノードチップから送信された無線電波の受信間隔を検出する受信間隔計測部と、
前記受信間隔から前記センサノードチップに与えられた外部振動の周波数または加速度を示す検知データを算出する検知データ算出部と
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項1】
外部から与えられた外部振動を検知期間ごとに検知し、その検知結果を無線電波で順次送信するセンサノードチップであって、
外部振動に応じて容量値が互いに差動的に変化する第1および第2の可変容量素子を有し、これら第1および第2の可変容量素子の一端がそれぞれ接地電位に共通接続され、前記第1の可変容量素子の他端から第1の検知信号を出力し、前記第2の可変容量素子の他端から第1の検知信号とは差動的に変化する第2の検知信号を出力するセンサ素子部と、
一端が前記接地電位に接続された固定容量素子と、アノード端子が電源電位に接続された第1のダイオードと、カソード端子が前記固定容量素子の他端に接続された第2のダイオードと、前記第1ダイオードのカソード端子と前記第2のダイオードのアノード端子との間に順方向で直列接続された1つ以上の第3のダイオードとからなり、前記各ダイオード間を接続する接続ノードのうち隣り合う2つの接続ノードごとに、一方の接続ノードが前記第1の可変容量素子の他端に接続され、他方の接続ノードが前記第2の可変容量素子の他端に接続されており、前記第1および第2の検知信号の変化に応じて前記各ダイオードが交互に導通することにより前記固定容量素子を徐々に充電するセンサ回路部と、
前記検知期間ごとに、前記固定容量素子両端のセンサ出力電圧が初期電位からしきい値電圧に達した時点で、無線電波の送信を指示する制御信号を出力する制御回路部と、
前記制御信号に応じて無線電波を送信することにより、前記外部振動の検知結果に応じた送信間隔で前記無線電波を送信する無線部と
を備えることを特徴とするセンサノードチップ。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサノードチップにおいて、
動作電源を供給する電源部と、前記制御信号に応じて前記無線部に対する前記動作電源の供給を制御するスイッチ部とをさらに備え、
前記無線部は、前記スイッチ部からの前記動作電源の供給開始に応じて前記無線電波の送信を開始する
ことを特徴とするセンサノードチップ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のセンサノードチップにおいて、
前記センサ回路部は、第3のダイオードを1つ以上の奇数個有していることを特徴とするセンサノードチップ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載のセンサノードチップにおいて、
前記センサ回路部は、前記第2のダイオードのカソード端子と前記固定容量素子の他端との間に出力バッファ用のトランジスタを有することを特徴とするセンサノードチップ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載のセンサノードチップにおいて、
前記ダイオードは、MOSダイオードからなることを特徴とするセンサノードチップ。
【請求項6】
請求項2に記載のセンサノードチップにおいて、
前記スイッチ部は、MEMSスイッチからなることを特徴とするセンサノードチップ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載のセンサノードチップにおいて、
前記無線部は、高周波パルスそのものを変調して送信する無線方式を用いることを特徴とするセンサノードチップ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載のセンサノードチップにおいて、
前記可変容量素子は、MEMSプロセスを用いて製造されていることを特徴とするセンサノードチップ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載のセンサノードチップと、
前記センサノードチップから送信された無線電波の受信間隔を計測し、当該受信間隔から前記センサノードチップに与えられた外部振動の周波数または加速度を示す検知データを算出する受信装置と
を備えることを特徴とするセンサノードシステム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1つに記載のセンサノードチップから送信された無線電波の受信間隔を検出する受信間隔計測部と、
前記受信間隔から前記センサノードチップに与えられた外部振動の周波数または加速度を示す検知データを算出する検知データ算出部と
を備えることを特徴とする受信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−302632(P2009−302632A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−151646(P2008−151646)
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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