説明

チェック弁及びブレーキ液圧制御装置

【課題】ポンプ吐出圧の脈動に影響されない、低コストで小型のチェック弁を提供する。
【解決手段】流入ポート34aと流出ポートとの間に弁室37が形成された本体34と、弁室37に収容された球状弁体35と、球状弁体35が着座することにより作動液が弁室37から流入ポート34aに流出することを遮断する弁座38と、球状弁体35を弁座38に着座する方向に付勢する弾性部材36とを備えたチェック弁25において、弾性部材36は、弁室37の周壁34bに固定される環状の固定部36aと、固定部36aの一方側内縁と基端36cで連結され、先端が固定部36aの他方側内縁36fを越えるように弁室37を横切って延在し、固定部36aより弁座38側に変位して形成され、中央部分で球状弁体35に弾性的に当接して球状弁体35を弁座38に離脱可能に圧着させる舌片部36bを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の一方向の流れのみを許容するチェック弁、及びチェック弁が装着されるブレーキ液圧制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弁座面にボールが接離し流体通路を開閉するチェック弁においては、弾性部材によってボール(弁体)が弁座面に向かって(すなわち、閉弁方向に)付勢されている。そして、弁座面よりも上流側の圧力が弁座面よりも下流側の圧力よりも所定圧以上高くなると、コイルばねの付勢力に抗してボールが弁座面から離間されて開弁し、流体が所定の一方向に流れるようになっている。また、この開弁時には、ボールは流体の流れによる力とコイルばねの付勢力とを受け、ボールはそれらの力がバランスする位置に移動する。
【0003】
例えば特許文献1に示すチェック弁では、文献1の図3に示すように、弾性部材として圧縮コイルばね560が使用され、圧縮コイルばね560によってボール状の弁体540が弁座面504に付勢されている。そして圧縮コイルばね560が弁体540を付勢する方向が、弁体540が流体から受ける圧力の方向に対し所定の角度傾くよう圧縮コイルばね560が配置されている。これにより弁体540が弁座面504から離間する開弁時には、弁体540は傾いて配置された圧縮コイルばね560によって側壁面526に押し付けられ、共振などの振動が抑制される。
【0004】
また特許文献2に示すチェック弁(出口弁17)には、文献2の図1に示すように、チェック弁の全高を低減するために弾性部材として板ばね57が使用されている。そして板ばね57によってボール状の弁体である球50が弁座51に向って付勢されている。板ばね57は外周がリング状で、リング内径部から板ばね舌部57が2枚、180度対向する位置からリング中心に向ってそれぞれ形成され球50と当接し付勢している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−19805号公報
【特許文献2】特開平5−87043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された従来のチェック弁には、圧縮コイルばね560が使用されているので所要のスペースが大きく、コストも高くなるという課題がある。
【0007】
また特許文献2に記載された従来のチェック弁においては、開弁時に、弁体である球50が、ばね体55の2枚の板ばね舌部57によって一方向のみから球50の閉弁方向に付勢されている。このとき球50は、2枚の板ばね舌部57によって軸線方向に均等に付勢されるので、球50が弁座から離れて流体の圧力とバランスするとき、球50は浮遊状態となり安定せず、ポンプから吐出される流体の脈動等によって球50が振動してしまう場合がある。また、ばね体55の2枚の板ばね舌部57が、球50に押され、球50の開弁方向に撓んでいく際、板ばね舌部57に対する停止部が設けられていない。これにより板ばね舌部57は応力を超えて撓み、破損される虞がある。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、ポンプ吐出圧の脈動に影響されない、低コストで小型のチェック弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、流入ポートと流出ポートとの間に弁室が形成された本体と、前記弁室に収容された球状弁体と、前記球状弁体が着座することにより作動液が前記弁室から前記流入ポートに流出することを遮断する弁座と、前記球状弁体を前記弁座に着座する方向に付勢する弾性部材とを備えたチェック弁において、前記弾性部材は、前記弁室の周壁に固定される環状の固定部と、前記固定部の一方側内縁と基端で連結され、先端が前記固定部の他方側内縁を越えるように前記弁室を横切って延在し、前記固定部より前記弁座側に変位して形成され、中央部分で前記球状弁体に弾性的に当接して前記球状弁体を前記弁座に離脱可能に圧着させる舌片部を有することである。
【0010】
請求項2に係る発明の特徴は、請求項1において、前記弾性部材は、前記固定部及び前記舌片部が一体に形成され、前記舌片部は先端が前記固定部の他方側内縁を越える長さとなるように圧延された圧延部を備えることである。
【0011】
請求項3に係る発明の特徴は、請求項2において、前記圧延部は前記舌片部の先端に設けられたことである。
【0012】
請求項4に係る発明の特徴は、請求項2において、前記圧延部は前記舌片部の中央に設けられたことである。
【0013】
請求項5に係る発明の特徴は、請求項2において、前記圧延部は前記固定部の他方側内縁に設けられたことである。
【0014】
請求項6に係る発明の特徴は、作動液の一方向への流れを許容し他方向への流れを遮断するチェック弁が設けられホイールシリンダに供給される作動液の液圧を制御するブレーキ液圧制御装置において、請求項1又は2に記載のチェック弁が前記ブレーキ液圧制御装置に設けられたチェック弁であることである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、弾性部材を、環状の固定部と、該固定部と連結し形成された舌片部とによって形成したことにより、流体の流れ方向における大幅な短縮化が図れる。また、舌片部の先端が環状の固定部の他方側内縁を越えるよう形成されたことにより、舌片部は弁室側から固定部を超えて移動できない。舌片部の先端が弁座から離れる方向に固定部を超えて移動することが阻止され、舌片部は流体の流れ方向に対して常に傾いた状態に維持されるので、舌片部に付勢される球状弁体は、弁座から離れて作動液の圧力とバランスするとき弁室の軸線方向に対して傾斜した一方向に偏倚するように付勢され、安定的に保持される。これにより、球状弁体は、ポンプ吐出圧の脈動に影響されて振動することはなく、周壁や弁座と衝突して異音を発生する虞もない。また舌片部は固定部の他方側内縁を越えて弁座から離れる方向に移動できないので舌片部が応力を超えて撓み、破損する虞もない。
【0016】
請求項2に係る発明によれば、舌片部は圧延によって先端が固定部の他方側内縁を超えるよう形成されるので、板ばねは1枚の素材から形成可能である。該1枚の素材はプレス等の簡易な方法によって製作でき、よって低コストに対応できる。
【0017】
請求項3に係る発明によれば、圧延部が舌片部の先端に設けられたので、小さな力で容易に圧延できるとともに、圧延して先端を伸展させたときに伸展した寸法の管理が行いやすい。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、圧延部が舌片部の中央に設けられた。これにより、小さな力で圧延できるとともに、圧延時に舌片部と当接し舌片部の中央部を押圧する圧延用治具と、舌片部の先端部が超えていく固定部の他方側内縁とが干渉する虞が低く、容易に圧延加工が行なえる。
【0019】
請求項5に係る発明によれば、圧延部が固定部の他方側内縁に設けられるので舌片部の一部を圧延加工して舌片部を変形させ歪ませる虞がない。
【0020】
請求項6に係る発明によれば、ブレーキ液圧制御装置に本発明にかかる小型のチェック弁が配置されることにより、ブレーキ液圧制御装置全体の小型、軽量化を図ることができる。またチェック弁によって振動が発生する虞がないので、ブレーキペダルを踏んでいる運転者に振動を伝達してブレーキフィーリングに影響を与えたり、ブレーキ液圧制御に影響を与える虞はなく、ブレーキ液圧制御装置の安定性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態にかかるブレーキ液圧制御装置の構成を示す概要図である。
【図2】第1の実施形態に係るチェック弁の構成を示す断面図である(閉弁時)。
【図3】第1の実施形態に係るチェック弁の構成を示す断面図である(開弁時)。
【図4】第1の実施形態に係るチェック弁の板ばねの上面図である。
【図5】第1の実施形態に係るチェック弁の板ばねの素材図である。
【図6】第2の実施形態に係るチェック弁の板ばねの上面図である。
【図7】板ばねの圧延部の変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、第1の実施形態として本発明に係るブレーキ液圧制御装置Aについて図面を参照し説明する。図1はブレーキ液圧制御装置Aを示す概要図である。ブレーキ液圧制御装置Aは、ブレーキペダル11の踏込状態に応じた液圧の作動液としてのブレーキ液を生成して各車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrの回転を規制するホイールシリンダWCfl、WCrr、WCrl、WCfrに供給するマスタシリンダ10と、ブレーキ液を貯蔵するとともにマスタシリンダ10へ補給するリザーバタンク12と、ブレーキペダル11の踏み込み力を助勢する負圧式ブースタ13とを備えている。またブレーキ液圧制御装置Aは、車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrの車輪速度を検出する車輪速度センサSfl、Srr、Srl、Sfrと、ブレーキペダル11の踏込状態に関係なくホイールシリンダWCfl、WCrr、WCrl、WCfrに独立して制御液圧を供給することも可能なアクチュエータBと、アクチュエータBを制御する制御装置60とを備えている。第1の実施形態においては、このブレーキ液圧制御装置Aは前輪駆動車両に適用されている。
【0023】
各ホイールシリンダWCfl、WCrr、WCrl、WCfrは、各キャリパCLfl、CLrr、CLrl、CLfrに設けられており、液密に摺動するピストン(図示省略)を収容している。各ホイールシリンダWCfl、WCrr、WCrl、WCfrにマスタシリンダ10からの液圧が供給されると、各ピストンが一対のブレーキパッド(図示省略)を押圧して各車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrと一体回転するディスクロータDRfl、DRrr、DRrl、DRfrを両側から挟んでその回転を停止するようになっている。なお、本実施の形態においては、ディスク式ブレーキを採用するようにしたが、ドラム式ブレーキを採用するようにしてもよい。この場合、各ホイールシリンダWCfl、WCrr、WCrl、WCfrに液圧が供給されると、各ピストンが一対のブレーキシューを押圧して各車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrと一体回転するブレーキドラムの内周面に当接してその回転を停止するようになっている。
【0024】
第1の実施形態のブレーキ液圧制御装置Aのブレーキ配管系はX配管方式にて構成されており、マスタシリンダ10の第1および第2出力ポート10a、10bは、第1および第2配管系La 、Lb にそれぞれ接続されている。第1配管系Laは、マスタシリンダ10と左前輪Wfl、右後輪WrrのホイールシリンダWCfl、WCrrとをそれぞれ連通するものであり、第2配管系Lbは、マスタシリンダ10と左後輪Wrl、右前輪WfrのホイールシリンダWCrl、WCfrとをそれぞれ連通するものである。
【0025】
第1配管系Laは、第1〜第7油路La1〜La7から構成されている。第1油路La1は一端がマスタシリンダ10の第1出力ポート10aに接続されている。第2油路La2は、一端が第1油路La1に接続され他端がホイールシリンダWCflに接続されている。第2油路La2上には、マスタシリンダ10側から順番に遮断弁21および保持弁22が直列に配設されている。第3油路La3 は、一端が第2油路La2の遮断弁21および保持弁22の間に接続され他端がホイールシリンダWCrrに接続されている。第3油路La3上には、保持弁23が配設されている。第4油路La4は、一端が第2油路La2の遮断弁21および保持弁22の間に接続され、他端が内蔵リザーバタンク29に接続されている。第4油路La4上には、第2油路La2側から順番にダンパ装置24、本発明に係るチェック弁25、ポンプ26、チェック弁27およびチェック弁28が配設されている。第5油路La5は、一端が第2油路La2の保持弁22とホイールシリンダWCflとの間に接続され、他端が第4油路La4のチェック弁28と内蔵リザーバタンク29の間に接続されている。第5油路La5上には、減圧弁31が配設されている。第6油路La6は、一端が第3油路La3の保持弁23とホイールシリンダWCrrとの間に接続され、他端が第4油路La4のチェック弁28と内蔵リザーバタンク29の間に接続されている。第6油路La6には、減圧弁32が配設されている。第7油路La7は、一端が第1油路La1に接続され、他端が第4油路La4のチェック弁27とチェック弁28の間に接続されている。第7油路La7には、充填弁33が配設されている。
【0026】
遮断弁21は、マスタシリンダ10とホイールシリンダWCfl、WCrrを連通・遮断するノーマルオープン型の電磁開閉弁である。遮断弁21は通常連通状態(図示状態)とされているが、遮断状態にあるときホイールシリンダWCfl、WCrr側の圧力をマスタシリンダ10側の圧力よりも所定の差圧分高い圧力に保持するようになっている。この差圧は制御装置60により制御電流に応じて調圧されるようになっている。遮断弁21は、制御装置60の指令に応じて非通電されると連通状態(図示状態)に、また通電されると遮断状態に制御できる2位置弁として構成されている。遮断弁21には、マスタシリンダ10からホイールシリンダWCfl、WCrrへの流れを許容するチェック弁21aが並列に設けられている。
【0027】
保持弁22は、マスタシリンダ10とホイールシリンダWCflを連通・遮断するノーマルオープン型の電磁開閉弁である。保持弁23は、マスタシリンダ10とホイールシリンダWCrrを連通・遮断するノーマルオープン型の電磁開閉弁である。保持弁22、23は、制御装置60の指令に応じて非通電されると連通状態(図示状態)に、また通電されると遮断状態に制御できる2位置弁として構成されている。保持弁22、23にはホイールシリンダWCfl、WCrrからマスタシリンダ10への流れを許容するチェック弁22a、23aがそれぞれ並列に設けられている。
【0028】
ポンプ26は、制御装置60の指令に応じた電動モータ26aの作動によって駆動されている。ポンプ26は、ABS制御の減圧モード時においては、吸い込み口がブレーキ液を貯蔵する内蔵リザーバタンク29に連通し、吐出口がチェック弁25およびダンパ装置24を介してマスタシリンダ10およびホイールシリンダWCfl、WCrrに連通するものである。ポンプ26は、ホイールシリンダWCfl、WCrr内のブレーキ液または内蔵リザーバタンク29内に貯められているブレーキ液を吸い込んでマスタシリンダ10に戻している。また、ポンプ26は、トラクション制御時においては、充填弁33が連通となり、吸い込み口がブレーキ液を貯蔵するリザーバタンク12に連通し、吐出口がチェック弁25およびダンパ装置24を介してホイールシリンダWCfl、WCrrに連通するものである。ポンプ26は、リザーバタンク12内に貯められているブレーキ液を吸い込んでホイールシリンダWCfl、WCrrに圧送している。ポンプ26は、回転式のポンプであり、トロコイドポンプ等の内接歯車型の回転式のポンプである。そしてポンプ26から吐出されるブレーキ液には脈動が含まれている。
【0029】
チェック弁25は、ポンプ26の吐出口へブレーキ液が流入するのを止めるものである。チェック弁27は、ポンプ26からブレーキ液が逆流するのを止めるものである。チェック弁28は、トラクション制御時において、内蔵リザーバタンク29へマスタシリンダ10からのブレーキ液が流入するのを止めるものである。
【0030】
減圧弁31は、ホイールシリンダWCflと内蔵リザーバタンク29を連通・遮断するノーマルクローズ型の電磁開閉弁である。減圧弁32は、ホイールシリンダWCrrと内蔵リザーバタンク29を連通・遮断するノーマルクローズ型の電磁開閉弁である。減圧弁31、32は、制御装置60の指令に応じて非通電されると遮断状態(図示状態)に、また通電されると連通状態に制御できる2位置弁として構成されている。
【0031】
第2配管系Lbは前述した第1配管系Laと同様な構成であり、第1〜第7油路Lb1〜Lb7、遮断弁41、保持弁42、43、本発明に係るダンパ装置44、本発明に係るチェック弁45、ポンプ46、チェック弁47、チェック弁48、内蔵リザーバタンク49、減圧弁51、52、充填弁53などを備えている。これらの説明は省略する。
【0032】
車輪速度センサSfl、Srr、Srl、Sfrは、各車輪Wfl、Wrr、Wrl,Wfrの付近にそれぞれ設けられており、各車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrの回転に応じた周波数のパルス信号を制御装置60に出力している。
【0033】
また、第1配管系Laの第1油路La1には、マスタシリンダ10内のブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を検出する圧力センサPが設けられており、この検出信号は制御装置60に送信されるようになっている。なお、圧力センサP は第2配管系Lbの第1油路Lb1に設けるようにしてもよい。
【0034】
さらに、ブレーキ液圧制御装置Aは、上述した圧力センサP、電動モータ26a、各電磁弁21、22、23、31、32、33、41、42、43、51、52、53、および各車輪速度センサSfl、Srr、Srl、Sfrに接続された制御装置60を備えている。また、制御装置60は、各車輪速度センサSfl、Srr、Srl、Sfr、圧力センサPからの入力に基づいてABS制御(アンチロックブレーキ制御)やトラクション制御等を行う。
【0035】
次に本発明に係るポンプ26、46の吐出側に配置されるチェック弁25、45について詳細に説明する。ただしチェック弁45はチェック弁25と同様の構成、作用であるためチェック弁25のみについて説明を行なう。図2はチェック弁25の閉弁状態を示す断面図であり、図3はチェック弁25の開弁状態を示す断面図である。そして図4はチェック弁25に用いる弾性部材としての板ばね36の形状を示す上面図である。なお、以降チェック弁25のポンプ26側を上流側、ポンプ26側と対向側である図略の流出ポート側を下流側として説明する。
【0036】
図1に示すように、チェック弁25は、ポンプ26の下流側に配置されている。そしてチェック弁25は、一方向への流れであるポンプ26から吐出されるブレーキ液の流れを許容し図略の流出ポートへ送出し、他方向への流れであるポンプ26への逆流を遮断するものである。
【0037】
チェック弁25は、図2に示すように、本体34と、球状弁体35と、弁座38と、球状弁体35を弁座38に着座する方向に付勢する板ばね36とから構成されている。
【0038】
本体34は、外形が例えば円柱状に形成され、本体34の外周部と、図略のABSケーシングとの間が所定の手段によって液密に固定されている。本体34は、ポンプ26から吐出されたブレーキ液が流入する流入ポート34aと、流入ポート34aから連続してテーパ状に拡径され形成されている弁座38と、弁座38の所定の位置からブレーキ液の流れ方向と平行に延在され、流れ方向と直交する断面が円形の周壁34bと、からなる。そして弁座38と周壁34bとによって囲繞された空間によって弁室37が形成されている。つまり弁室37は流入ポート34aと、流出ポートとの間に形成されている。
【0039】
弁室37には球状弁体35が収容されている。球状弁体35は例えば金属製の球体であり、球状弁体35が弁座38に着座することによりブレーキ液の流れを遮断する機能を備えている。球状弁体35の直径は弁室37の周壁34bの内径より若干小さく形成されている。これにより球状弁体35は周壁34b内部で自在に移動可能である。
【0040】
球状弁体35の下流側には、弾性部材としての板ばね36が配置されている。図2、図4に示すように、板ばね36は、弁室37の周壁34bに、ブレーキ液の流れ方向に面が直交して固定される環状の固定部36aと、固定部36aと連結される舌片部36bとが一体に形成されている。板ばね36は、バネ性があり、延展性のよい例えばアルミや銅や鉄系材料などによって形成されている。また、延展性のある材料を後述の圧延部を形成した後で、熱処理によってバネ性を持たせてもよい。
【0041】
舌片部36bは固定部36aの一方側内縁36eと基端36cで連結され固定部36aより弁座38側に、基端36cを支点とし所定角度変位して形成されている。舌片部36bは、舌片部36bが延在する方向の略中央部分で球状弁体35に弾性的に当接し、球状弁体35を弁座38に離脱可能に付勢して圧着している。このとき舌片部36bは基端36c近傍を支点とし弁座38側に変位して形成されているので、舌片部36bの略中央部分で当接する球状弁体35は、ブレーキ液の流れ方向に対して所定の角度だけ傾いた方向に付勢される。つまり舌片部36bの弁座38側への変位量によって付勢の方向は若干異なるが、球状弁体35は、常にブレーキ液の流れ方向に対して舌片部36bの基端36c側に傾いて付勢されている。
【0042】
また舌片部36bは、先端が固定部36aの他方側内縁36fを越える長さとなるように圧延された圧延部36dを備えている。第1の実施形態においては、舌片部36bの先端部分を圧延して圧延部36dとし、圧延部36dが固定部36aの他方側内縁36fを越えるように弁室37を横切って延在している。つまり板ばね36は、図5に示す1枚の素材から、舌片素材39の先端部を固定部36aの他方側内縁36fを越える位置まで圧延し舌片部36bを形成している。そしてこのように形成された圧延部36dは、固定部36aよりも弁座38側に配置されるので、固定部36aを超えて弁座38側の対向側に移動できない。そして圧延部36dの下流側端面と当接する、固定部36aの他方側内縁36f近傍の上流側端面によって停止部が形成される。また、このように圧延部36dは圧延されて形成されるため、舌片部36bの基端36c部近傍や、固定部36aより板厚が薄く形成されている。
【0043】
なお、第1の実施形態に示すように圧延部36dを舌片部36bの先端部分に形成せずともよい。例えば図7の変形例に示すように舌片部36bの中央部分のみ圧延して圧延部36gとし、圧延されていない先端部分が固定部36aの他方側内縁36fを越えるようにしてもよい。また、舌片部36bの基端36c近傍を圧延して圧延部とし、圧延されていない先端部分が固定部36aの他方側内縁36fを越えるようにしてもよい。このように舌片部36bのうちのいずれか一部分を圧延することによって対応してもよい。さらに舌片部36b全体を圧延して圧延部としてもよく、いずれによっても、同様の効果が得られる。また上記した舌片部36bの圧延部36d、36g等を圧延によらず他の手段によって伸展してもよく、それによって舌片部36bの先端が固定部36aの他方側内縁36fを越えるように形成されればよい。
【0044】
次に、このように構成された第1の実施形態のアンチロック制御(ABS制御)作動について説明する。車両の制動時において、制御装置60は、各車輪速度センサSfl、Srr、Srl、Sfrの出力信号に基づき、各車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrの制動スリップ量が過剰になりそうであるか否かを判別する。そして例えば車輪Wflに制動スリップ量が過剰になりそうになったときには保持弁22を常態の開位置から閉位置へと切り換えると共に減圧弁31を常態の閉位置から開位置へと切り換え、同時に電動モータ26aを始動する。これにより、ホイールシリンダWCflのブレーキ液が減圧弁31を介して内蔵リザーバタンク29へと排出される。そしてホイールシリンダWCflの液圧が減圧されてホイールシリンダWCflのブレーキパッドがディスクロータDRflを押圧する力が減少されるので、左前輪Wflの制動スリップ量が減少する。
【0045】
ホイールシリンダWCflから減圧弁31を介して内蔵リザーバタンク29へと排出されたブレーキ液は、電動モータ26aによりポンプ26が駆動され、本発明に係るチェック弁25とダンパ装置24とを介して遮断弁21と保持弁22と保持弁23との間の連通路に戻される。そして更に遮断弁21を介してマスタシリンダ10に戻される。
【0046】
また、左前輪Wflの制動スリップ量が十分に減少すると、制御装置60が減圧弁31を開位置から閉位置に切り換えると共に保持弁22を閉位置から開位置に切り換える。これにより、マスタシリンダ10からホイールシリンダWCflにブレーキ液が供給されてホイールシリンダWCflの液圧が再増圧され左前輪Wflに加えるブレーキトルクが増加し、左前輪Wflの制動スリップ量が増大する。そして左前輪Wflの制動スリップ量が過剰な制動スリップ量に近づくと、制御装置60は保持弁22を開位置から閉位置に切り換え、ホイールシリンダWCfrの液圧を保持する。
【0047】
ホイールシリンダWCflの液圧が保持されている状態で左前輪Wflの制動スリップ量が増大し、再び過剰なスリップ量になりそうになると、制御装置60は、保持弁22を開位置から閉位置に切り換えると共に減圧弁31を閉位置から開位置に切り換える。これにより、再度ホイールシリンダWCflのブレーキ液が減圧弁31を介して内蔵リザーバタンク29へと排出され、ホイールシリンダWCflの液圧が減圧され、左前輪Wflに加えるブレーキトルクが減少されて、左前輪Wflの制動スリップ量が減少する。
【0048】
上述のように、制御装置60が、車両制動中の左前輪Wflの制動スリップ量に応じて保持弁22及び減圧弁31を二つの位置の間で切り換えると共に、電動モータ26aでポンプ26を作動させることにより、ホイールシリンダWCflの液圧が減圧、再増圧、保持の間で切り換えられて調整される。そしてホイールシリンダWCflの液圧が調整されることによって車両制動中の左前輪Wflの制動スリップ量が過剰となることが回避される。
【0049】
また車両制動中の右後輪Wrrの制動スリップ量が過剰となることは、制御装置60が、車両制動中の右後輪Wrrの制動スリップ量に応じて減圧弁32及び保持弁23を二つの位置の間で切り換えると共に、電動モータ26aでポンプ26を作動させることにより、ホイールシリンダWCrrの液圧が減圧、再増圧、保持の間で切り換えられ調整されて回避される。
【0050】
また車両制動中の右前輪Wfrの制動スリップ量が過剰となることは、制御装置60が、車両制動中の右前輪Wfrの制動スリップ量に応じて保持弁42及び減圧弁51を二つの位置の間で切り換えると共に、電動モータ26aでポンプ46を作動させることにより、ホイールシリンダWCfrの液圧が減圧、再増圧、保持の間で切り換えられ調整されて回避される。
【0051】
さらに、車両制動中の左後輪Wrlの制動スリップ量が過剰となることは、制御装置60が、車両制動中の左後輪Wrlの制動スリップ量に応じて保持弁43及び減圧弁52を二つの位置の間で切り換えると共に、電動モータ26aでポンプ46を作動させることにより、ホイールシリンダWCrlの液圧が減圧、再増圧、保持の間で切り換えられ調整されて回避される。
【0052】
次に、車両の発進時や加速時の駆動輪における駆動スリップ量が過剰となることを回避するトラクション制御について説明する。図1に示す車両用ブレーキ液圧制御装置Aは、前輪駆動車に適用されているものである。車両の発進時や加速時においては、一般的に、ブレーキペダル11は操作されておらず、アクチュエータBの各開閉電磁弁は図1に示す常態位置にあり、電動モータ26aは停止している。例えば、車両の左前輪Wflの駆動スリップ量が過剰になりそうになると、制御装置60は、遮断弁41を全開位置から全閉位置に切り換えると共に充填弁33を閉位置から開位置に切り換え、電動モータ26aを始動させてポンプ26及び46を駆動する。これにより、ポンプ26は、リザーバタンク12内のブレーキ液をマスタシリンダ10と充填弁33を介して吸入ポートから吸入し、昇圧して吐出ポートから吐出する。ポンプ26が吐出するブレーキ液はチェック弁25とダンパ装置24と保持弁22とを介してホイールシリンダWCflに供給される。これによりホイールシリンダWCflの液圧が上昇し、左前輪Wflにブレーキトルクを加え、左前輪Wflの車輪速の上昇が抑制されて左前輪Wflの駆動スリップ量の増加が精度よく抑制される。そして、制御装置60により遮断弁21が開位置にされると共に遮断弁21の開度が調整されることによりホイールシリンダWCflの液圧が調整され、左前輪Wflの駆動スリップ量が適切な駆動スリップ量となるように精度よく調整される。
【0053】
また、車両の右前輪Wfrの駆動スリップ量が過剰になりそうになると、制御装置60は、遮断弁41を全開位置から全閉位置に切り換えると共に充填弁53を閉位置から開位置に切り換え、電動モータ26aを始動させてポンプ46及び26を駆動する。これにより、ポンプ46は、リザーバタンク12内のブレーキ液をマスタシリンダ10と充填弁53を介して吸入ポートから吸入し昇圧して吐出ポートから吐出する。ポンプ46から吐出されるブレーキ液はチェック弁45とダンパ装置44と保持弁42を介して、ホイールシリンダWCfrに供給される。これによりホイールシリンダWCfrの液圧が上昇し、右前輪Wfrにブレーキトルクを加え、右前輪Wfrの車輪速の上昇が抑制されて右前輪Wfrの駆動スリップ量の増加が精度よく抑制される。そして、制御装置60により遮断弁41が開位置にされると共に遮断弁41の開度が調整されることによりホイールシリンダWCfrの液圧が調整され、右前輪Wfrの駆動スリップ量が適切な駆動スリップ量となるように精度よく調整される。
【0054】
次に、チェック弁25の作用について図2、図3に基づいて説明する。ABS制御時やトラクション制御時等にはポンプ26が作動され、ポンプ26がブレーキ液を吸入し高圧化して吐出する。ポンプ26から吐出されたブレーキ液はポンプ26の下流側に配置されているチェック弁25の流入ポート34aに流入する。流入ポート34aに流入したブレーキ液は球状弁体35をブレーキ液圧に応じた力で下流方向に押圧する。このとき球状弁体35は、上述したように下流側に配置された板ばね36の舌片部36bの作用によって、舌片部36bの基端36c方向に若干傾いて付勢されながら概ね上流方向に付勢されて、弁座38に圧着されている(図2参照)。そしてブレーキ液圧が球状弁体35を下流方向に押圧する力が、板ばね36が球状弁体35を上流方向に付勢する力を超えたとき球状弁体35が弁座38から離脱し開弁動作が開始される。
【0055】
この後ポンプ26の吐出圧の上昇に伴い球状弁体35は弁座38から一層離間し流量が増加する。そして流量が増加した後も球状弁体35は、前述したとおり板ばね36によって、常にブレーキ液の流れ方向に対し所定角度だけ傾きをもって舌片部36bの基端36c方向に付勢され、弁室37の周壁34b及び弁座38のうち少なくとも一方に押し付けられている。このように球状弁体35は、板ばね36の舌片部36bと、弁室37の周壁34b及び弁座38のうち少なくとも一方とによって安定して保持されている。これによりポンプ26から吐出されるブレーキ液の脈動によって、球状弁体35が共振し振動する虞はない。また、球状弁体35が振動することによって周壁34bや弁座38と衝突し異音を発生する虞もない。
【0056】
そして、さらに大流量のブレーキ液が流通すると球状弁体35は、図3に示すように板ばね36の舌片部36bを押してさらに下流側に移動する。しかし固定部36aの他方側内縁36f近傍の上流側端面によって形成された停止部によって舌片部36bの移動は停止される。そしてこのときにも、舌片部36bは所定の角度だけ、弁座38側に傾いて配置されている。よって球状弁体35は、舌片部36bによって弁室37の周壁34bに押圧され安定的に保持される。これにより、球状弁体35は、ポンプ吐出圧の脈動に影響されて共振して振動することはないとともに、周壁34bと衝突して異音を発生する虞もない。また固定部36aの他方側内縁36f部近傍によって停止部が形成されているので、舌片部36bが応力を超えて撓み、破損する虞もない。
【0057】
上述の説明から明らかなように、第1の実施形態においては、弾性部材としての板ばね36を、環状の固定部36aと、固定部36aと連結し形成された舌片部36bとによって形成したことにより、流体の流れ方向における大幅な短縮化が図れる。また、舌片部36bの先端が環状の固定部36aの他方側内縁36fを越えるよう形成されたことにより、舌片部36bは弁室37側から固定部36aを超えて移動できない。舌片部36bの先端が弁座38から離れる方向に固定部36aを超えて移動することが阻止され、舌片部36bは流体の流れ方向に対して常に傾いた状態に維持されるので、舌片部36bに付勢される球状弁体35は、弁座38から離れてブレーキ液の圧力とバランスするとき弁室37の軸線方向に対して傾斜した一方向に偏倚するように付勢され、安定的に保持される。これにより、球状弁体35は、ポンプ26の吐出圧の脈動に影響されて振動することはなく、周壁34bや弁座38と衝突して異音を発生する虞もない。また舌片部36bは固定部36aの他方側内縁36fを越えて弁座38から離れる方向に移動できないので舌片部36bが応力を超えて撓み、破損する虞もない。
【0058】
また、第1の実施形態においては、板ばね36の舌片部36bは圧延によって先端が固定部36aの他方側内縁36fを超えるよう形成されるので、板ばね36は1枚の素材から形成可能である。該1枚の素材はプレス等の簡易な方法によって製作でき、よって低コストに対応できる。
【0059】
また、第1の実施形態においては、圧延部36dが舌片部36bの先端に設けられたので、小さな力で容易に圧延できるとともに、圧延して先端を伸展させたときに伸展した寸法の管理が行いやすい。
【0060】
さらに、第1の実施形態においては、ブレーキ液圧制御装置Aに本発明にかかる小型のチェック弁25、45が配置されることにより、ブレーキ液圧制御装置A全体の小型、軽量化を図ることができる。またチェック弁25、45によって振動が発生する虞がないので、ブレーキペダルを踏んでいる運転者に振動を伝達してブレーキフィーリングに影響を与えたり、ブレーキ液圧制御に影響を与える虞はなく、ブレーキ液圧制御装置Aの安定性が確保される。
【0061】
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態のチェック弁25に対し板ばね36の構造が異なるのみであるため変更点のみ説明し、その他については説明を省略する。また同一部品には同一符号を付す。
【0062】
図6に示すように、第2の実施形態に係る板ばね56の舌片部56bは、固定部56aの一方側内縁56eと基端56cで連結され固定部56aより弁座38側に、基端56c近傍を支点とし所定角度変位して形成されている。
【0063】
また固定部56aの他方側内縁56f近傍部は、舌片部56bの方向に向って圧延され延在されて圧延部55が形成されている。そして舌片部56bは先端が圧延部55の他方側内縁56fを越えるように形成されている。これにより舌片部56bの一部を圧延加工して舌片部56bを変形させ歪ませる虞がないとともに、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0064】
なお、舌片部36bまたは固定部36aの一部を圧延することが製造工程の簡素化の観点から最適と考えられるが、これに限らず舌片部36bまたは固定部の他方側内縁36fに別部材を接合して延長してもよい。
【0065】
また、上記第1、第2の実施形態においては、ブレーキ液圧制御装置Aのポンプ26、46の吐出側に本発明のチェック弁を適用する例を示したが、本発明のチェック弁はブレーキ液圧制御装置以外のポンプにも適用可能である。
【0066】
さらに、本発明のチェック弁はポンプの吐出部のみに使用されるものではなく、流体が流れる配管系に使用可能であり、特に流体の圧力脈動が大きい配管系に用いるチェック弁として好適である。
【符号の説明】
【0067】
10・・・マスタシリンダ、11・・・ブレーキペダル、12・・・リザーバタンク、13・・・負圧式ブースタ、21、41・・・遮断弁、22、23、42、43・・・保持弁、24、44・・・ダンパ装置、25、27、28、45、47、48・・・チェック弁、26、46・・・ポンプ、29、49・・・内蔵リザーバタンク、31、32、51、52・・・減圧弁、33、53・・・充填弁、34・・・本体、34a・・・流入ポート、34b・・・周壁、35・・・球状弁体、36・・・弾性部材(板ばね)、36a・・・固定部、36b・・・舌片部、36c・・・基端、36d、36g・・・圧延部、36e・・・一方側内縁、36f、56f・・・他方側内縁、37・・・弁室、38・・・弁座、39・・・舌片素材、40・・・チェック弁、55・・・圧延部、56・・・弾性部材(板ばね)、56a・・・固定部、60・・・制御装置、A・・・ブレーキ液圧制御装置、Wfl、Wrr、Wrl、Wfr・・・車輪、WCfl、WCrr、WCrl、WCfr・・・ホイールシリンダ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入ポートと流出ポートとの間に弁室が形成された本体と、前記弁室に収容された球状弁体と、前記球状弁体が着座することにより作動液が前記弁室から前記流入ポートに流出することを遮断する弁座と、前記球状弁体を前記弁座に着座する方向に付勢する弾性部材とを備えたチェック弁において、
前記弾性部材は、前記弁室の周壁に固定される環状の固定部と、前記固定部の一方側内縁と基端で連結され、先端が前記固定部の他方側内縁を越えるように前記弁室を横切って延在し、前記固定部より前記弁座側に変位して形成され、中央部分で前記球状弁体に弾性的に当接して前記球状弁体を前記弁座に離脱可能に圧着させる舌片部を有することを特徴とするチェック弁。
【請求項2】
請求項1において、前記弾性部材は、前記固定部及び前記舌片部が一体に形成され、前記舌片部は先端が前記固定部の他方側内縁を越える長さとなるように圧延された圧延部を備えることを特徴とするチェック弁。
【請求項3】
請求項2において、前記圧延部は前記舌片部の先端に設けられたことを特徴とするチェック弁。
【請求項4】
請求項2において、前記圧延部は前記舌片部の中央に設けられたことを特徴とするチェック弁。
【請求項5】
請求項2において、前記圧延部は前記固定部の他方側内縁に設けられたことを特徴とするチェック弁。
【請求項6】
作動液の一方向への流れを許容し他方向への流れを遮断するチェック弁が設けられホイールシリンダに供給される作動液の液圧を制御するブレーキ液圧制御装置において、
請求項1乃至請求項5に記載のチェック弁が前記ブレーキ液圧制御装置に設けられたチェック弁であることを特徴とするブレーキ液圧制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−7254(P2011−7254A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150837(P2009−150837)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(301065892)株式会社アドヴィックス (1,291)
【Fターム(参考)】