説明

トレラントバッファ回路及びインターフェース

【課題】出力端子が出力回路の電源電圧より高電位である場合や、出力回路の電源電圧が0Vになっても出力端子から電源電圧へ電流の逆流入は発生しないトレラントバッファ回路及びインターフェースを提供すること。
【解決手段】トレラントバッファ回路100は、電源端子VDD1と出力端子102の間にソースを共有して直列接続されたPチャンネルMOSトランジスタQ111,Q112と、出力端子102と接地端子の間に接続されたNチャンネルMOSトランジスタQ113と、PチャンネルMOSトランジスタQ111のゲートに出力接続されたインバータ121と、PチャンネルMOSトランジスタQ112のゲートに出力接続されたインバータ122と、各MOSトランジスタQ111、Q112、Q113にそれぞれ第1、第2及び第3の制御信号を出力してこれらのMOSトランジスタのオン・オフを制御する制御回路130とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路の出力回路などに使用するトレラントバッファ回路及びインターフェースに関し、特に、出力端子が電位の異なる複数電源を持つ信号インターフェース部分に接続されているトレラントバッファ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CPUの高速化などに伴い、低電圧で駆動する半導体集積回路装置が開発され、信号レベルの異なる複数の半導体集積回路装置の端子が同じバス上に接続して多電位のインターフェース信号を発生するのが一般的になってきた。その場合、低電圧で駆動する半導体集積回路装置は、出力のバッファ回路として、出力端子から電源電圧に電流が逆流入しないトレラント構成を持つ出力回路が用いられている。
【0003】
特許文献1には、複数個の集積回路のうちの一つの集積回路の電源がオフされたときに他の集積回路に出力端子から逆流入を防止する出力回路が開示されている。
【0004】
図7は、特許文献1に記載の出力回路の回路図である。
【0005】
図7に示すように、出力回路10は、ソースを低電圧電源VDD14に接続したPチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタQ21とソースを接地端子3に接続したNチャネルMOSトランジスタQ22とからなる出力バッファと、各MOSトランジスタQ21,Q22の接点と出力端子13の間にそれぞれソース、ドレインを接続し、ゲートを高電圧電源15に接続したNチャネルMOSトランジスタQ23とを備えて構成される。また、出力回路10は、入力端子11,12、出力端子13、論理素子24,25,26、及び寄生ダイオードD21,D22を用いた入力保護回路を備える。
【0006】
出力回路10のPチャネルMOSトランジスタQ21、及びNチャネルMOSトランジスタQ22のゲートは、入力端子11,12より入力された信号が論理素子24,25,26を介して制御するように構成されている。また、上記構成において、低電圧電源VDD14は高電圧電源15からレギュレータを通して供給される構成であり、高電圧電源15と連動してオン/オフされる。
【0007】
以上の構成において、出力回路10には、通常の動作では、低電圧電源VDD14と高電圧電源15が印加され、NチャネルMOSトランジスタQ23はオン状態となる。入力端子11,12からの信号制御により、出力端子13へ制御信号が出力されるような動作となる。一方、高電圧電源15がオフ状態の時には、低電圧電源VDD14が0Vとなるが、NチャネルMOSトランジスタQ23がオフされるため、出力端子13からの電流の逆流入を防止する。
【0008】
また、特許文献2には、導通状態においても消費電流を低減することができる半導体スイッチ回路が開示されている。
【0009】
図8は、特許文献2に記載の半導体スイッチ回路の回路図である。
【0010】
図8に示すように、半導体スイッチ回路30は、入出力端子31と入出力端子32間に、ソースを共有し、直列接続される導通用のP型MOSトランジスタQ41,Q42と、Q41のゲートにドレインが接続されたP型MOSトランジスタQ43及びN型MOSトランジスタQ45と、Q42のゲートにドレインが接続されたP型MOSトランジスタQ44及びN型MOSトランジスタQ46と、各トランジスタのゲートに接続された制御端子33とを備え、Q43,Q44のソース及びバックゲートはQ41,Q42のソースに接続される構成とし、制御端子33に印加する制御信号の電圧値Vcontによる電圧制御により、入出力端子31と入出力端子32間を導通/非導通に切り替える。
【0011】
以上の構成において、半導体スイッチ回路30は、入出力端子31又は入出力端子32に印加されている電圧を入力端子33の制御により、PチャネルMOSトランジスタQ41とQ42を導通/非導通に切り替える。これにより、半導体スイッチ回路30は、半導体スイッチ回路としての動作が可能となる。そして、制御端子33に制御信号が印加されない場合であっても、入出力端子31,32間は逆流入などを防止し、確実に非導通状態が実現される。
【特許文献1】特開平5−284001号公報
【特許文献2】特開2008−131305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、このような従来の半導体集積回路にあっては、以下のような課題があった。
【0013】
特許文献1記載の出力回路では、出力回路の低電圧電源VDD14と、NチャネルMOSトランジスタQ23のオン/オフを制御するために低電圧電源VDD14よりも高電位の高電圧電源15が必要になるため電位の異なる2電源構成が必要になる。
【0014】
また、入力端子11がHighで入力端子12がLowの状態と、入力端子11がLowで入力端子12がHighの組み合わせでは、PチャネルMOSトランジスタQ21とNチャネルMOSトランジスタQ22は同時にオフする。NチャネルMOSトランジスタQ23がオンしている場合には出力端子13にPチャネルMOSトランジスタQ21の寄生ダイオードD21とVDD14の電位を足した電位となり、この電位以上になると、寄生ダイオードD21を通じて低電圧電源VDD14へ電流の逆流入が発生する。
【0015】
そして、NチャネルMOSトランジスタQ23を制御する高電圧電源15は、出力回路の高電位であると定義される。しかし、出力端子13に接続される素子のインピーダンスが低い場合に出力端子13がハイレベルであるときには、NチャネルMOSトランジスタQ23のゲートとソース間の電位が大きくなり、供給されるべき電位が、低電圧電源VDD14の電位よりも低下し、十分な出力ダイナミックレンジが確保できない場合が発生する。
【0016】
特許文献2記載の半導体スイッチ回路は、制御端子に制御信号が印加されなくなった場合であっても、スイッチ端子間を確実に非導通状態に保つことができ、極めて簡易な回路構成で実現できる優れた半導体スイッチ回路である。しかし、特許文献2記載の半導体スイッチ回路30は、半導体スイッチ回路としての動作を想定したものであり、出力回路として最適化されたものではない。すなわち、半導体スイッチ回路30は、PチャネルMOSトランジスタQ43,Q44、NチャネルMOSトランジスタQ45,Q46のゲートが共通であるためPチャネルMOSトランジスタQ41,Q42が同時オンあるいは、同時にオフ状態になるだけの半導体スイッチ回路としての動作を想定したものである。半導体スイッチ回路30は、出力回路に必要なオープンドレイン動作や、プッシュプル動作が想定されていない。
【0017】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、半導体集積回路の出力回路においてオープンドレイン動作時に出力端子が出力回路の電源電圧より高電位である場合や、出力回路の電源電圧が0Vになっても出力端子から電源電圧へ電流の逆流入は発生しないトレラントバッファ回路及びインターフェースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明のトレラントバッファ回路は、電源端子と出力端子の間に、ソースを共有し、直列接続される第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタと、出力端子と接地端子の間に接続される第1のNチャネルMOSトランジスタと、前記第1のPチャネルMOSトランジスタ、前記第2のPチャネルMOSトランジスタ、及び前記第1のNチャネルMOSトランジスタにそれぞれ第1、第2及び第3の制御信号を出力してこれらのMOSトランジスタのオン・オフを制御する制御回路と、を備える構成を採る。
【0019】
本発明のインターフェースは、CPU及びレジスタの出力信号をトレラントバッファ回路を介して、外部機器に出力するインターフェースであって、上記のトレラントバッファ回路を用いる構成を採る。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、出力回路のオープンドレイン動作時に出力端子が出力回路の電源電圧より高電位になる場合や、出力回路の電源電圧が0Vになった場合であっても、出力端子から電源電圧にかけて電流の逆流入は発生しないトレラントバッファ回路を実現することができる。また、極めて簡易な回路構成を実現することができ、部品点数が少なく容易に実施できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るトレラントバッファ回路の構成を示す回路図である。本実施の形態は、出力インターフェースに搭載されるトレラントバッファ回路に適用した例である。
【0023】
図1に示すように、トレラントバッファ回路100は、出力回路110と、出力回路110を制御する制御回路130と、電源端子VDD1と、接地端子101と、出力端子102とを備えて構成される。
【0024】
出力回路110は、電源端子VDD1と出力端子102の間にソースを共有して直列接続されたPチャンネルMOSトランジスタQ111,Q112と、出力端子102と接地端子101の間に接続されたNチャンネルMOSトランジスタQ113と、PチャンネルMOSトランジスタQ111のゲートに出力接続されたインバータ121と、PチャンネルMOSトランジスタQ112のゲートに出力接続されたインバータ122とから構成される。
【0025】
制御回路130は、入力端子A,B,INからなる入力端子131と、第1〜第3の制御信号を出力する制御端子132,133,134とを備え、インバータ121,122の入力端子に第1及び第2の制御信号を、またNチャンネルMOSトランジスタQ113のゲートに第3の制御信号をそれぞれ出力する。
【0026】
制御回路130は、PチャネルMOSトランジスタQ111、PチャネルMOSトランジスタQ112、及びNチャネルMOSトランジスタQ113にそれぞれ第1、第2及び第3の制御信号を出力してこれらのMOSトランジスタのオン・オフを制御する。
【0027】
具体的には、制御回路130は、インバータ121,122を介してPチャンネルMOSトランジスタQ111,Q112に第1及び第2の制御信号を出力してPチャンネルMOSトランジスタQ111,Q112をオン・オフ制御するとともに、NチャンネルMOSトランジスタQ113のゲートに第3の制御信号を出力してNチャンネルMOSトランジスタQ113をオン・オフ制御する。制御回路130は、電源端子VDD1を電源として動作する。
【0028】
PチャンネルMOSトランジスタQ111,Q112の各ゲートは、制御端子132,133からの第1及び第2の制御信号に基づいて接地電位又はソースの電位に接続される。
【0029】
NチャンネルMOSトランジスタQ113のゲートは、制御信号134からの第3の制御信号に基づいて接地電位又は電源電位に接続される。
【0030】
インバータ121は、PチャンネルMOSトランジスタQ111のソースの電位を高電位側電源とし、制御信号132を入力し、出力をPチャンネルMOSトランジスタQ111のゲートに接続する。
【0031】
インバータ122は、PチャンネルMOSトランジスタQ112のソースの電位を高電位側電源とし、制御信号133を入力し、出力をPチャンネルMOSトランジスタQ112のゲートに接続する。
【0032】
このように、トレラントバッファ回路100は、電源端子VDD1が、PチャネルMOSトランジスタQ111のドレインと接続され、PチャネルMOSトランジスタQ111とQ112はソースが共通でバックゲートもソースに接続され、PチャネルMOSトランジスタQ112のドレインは出力端子102に接続され、出力端子102と接地端子101の間にNチャネルMOSトランジスタQ113が接続される。また、インバータ121,122の電源は、PチャネルMOSトランジスタQ111,Q112のソースから供給される。そして、PチャネルMOSトランジスタQ111,Q112は、ソースが共通でバックゲートもソースに接続されているので、PチャネルMOSトランジスタQ111とPチャネルMOSトランジスタQ112の寄生ダイオードはそれぞれ逆方向に直列接続される。
【0033】
図2は、図1に示すトレラントバッファ回路100の詳細な回路図である。図1と同一構成部分には同一符号を付している。
【0034】
図2に示すように、インバータ121(図1)は、PチャネルMOSトランジスタQ114及びNチャネルMOSトランジスタQ115から構成され、インバータ122(図1)は、PチャネルMOSトランジスタQ116及びNチャネルMOSトランジスタQ117から構成される。
【0035】
PチャネルMOSトランジスタQ111のゲートは、PチャネルMOSトランジスタQ114とNチャネルMOSトランジスタQ115のドレインに接続される。また、PチャネルMOSトランジスタQ112のゲートは、PチャネルMOSトランジスタQ116とNチャネルMOSトランジスタQ117のドレインに接続される。
【0036】
制御回路130の制御端子132は、PチャネルMOSトランジスタQ114とNチャネルMOSトランジスタQ115のゲートに接続される。また、制御端子133は、PチャネルMOSトランジスタQ116とNチャネルMOSトランジスタQ117のゲートに接続される。
【0037】
図3は、上記制御回路130の具体的構成の一例を示す回路図である。
【0038】
図3に示すように、制御回路130は、入力端子A,B,INと、制御端子132,133,134と、論理素子141,142,143,144,145とから構成される。なお、制御回路130は、後述するUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)インターフェースに適用される。
【0039】
入力端子A,B,INは、図1の入力端子131に相当し、制御端子132,133,134は、出力端子である。
【0040】
論理素子141は、入力端子A,Bを入力とし、出力が制御端子132に接続される2入力ANDにより構成される。
【0041】
論理素子142は、論理素子141の出力と入力端子INを入力とし、出力が制御端子133に接続される2入力ANDで構成し、論理素子143は入力端子Aと、入力端子Bを入力とする2入力NORにより構成される。
【0042】
論理素子144は、入力端子Bの反転信号と、入力端子INを入力とする2入力NORにより構成される。
【0043】
論理素子145は、論理素子143と144の出力を入力に接続し、出力が制御端子134に接続される2入力ORにより構成される。
【0044】
上記制御回路130の動作については、図4の真理値表を用いて後述する。
【0045】
以下、上述のように構成されたトレラントバッファ回路100の動作について図2を用いて説明する。図2は、図1と等価であるので、適宜図1の構成と対比しながら説明する。
【0046】
図2において、電源端子VDD1に電圧が印加され、出力端子102に電位が印加されていない場合、PチャネルMOSトランジスタQ111,Q112のソース電位は、ソースが共通に接続されているため共に電源端子VDD1の電位からQ111の寄生ダイオード分の電圧降下した値となる。
【0047】
この状態で、制御端子132をHighにすると、PチャネルMOSトランジスタQ114はオフ、NチャネルMOSトランジスタQ115はオンする。すなわち、図1においては、インバータ121がLowを出力するので、PチャネルMOSトランジスタQ111のゲートは接地されてオンする。
【0048】
PチャネルMOSトランジスタQ111がオンすると、PチャネルMOSトランジスタQ111,Q112のソース電位は電源端子VDD1となる。
【0049】
また、制御端子132のHighを保ち、制御端子133をLow、制御端子134をHighとすると、PチャネルMOSトランジスタQ116はオン、NチャネルMOSトランジスタQ117はオフする。すなわち、図1においては、インバータ122がHighを出力するので、PチャネルMOSトランジスタQ112のゲートはVDD1になりオフし、NチャネルMOSトランジスタQ113のゲートはHighなのでオンとなり、出力端子102は接地電位が出力される。
【0050】
また、制御端子133をHigh,制御端子134をLowとすると、PチャネルMOSトランジスタQ116はオフ、NチャネルMOSトランジスタQ117はオンする。すなわち、図1においては、インバータ122がLowを出力するので、PチャネルMOSトランジスタQ112のゲートは接地電位になりオンし、NチャネルMOSトランジスタQ113のゲートはLowなのでオフとなり、出力端子102からはVDD1が出力される。
【0051】
上記のように制御端子133,134をそれぞれLow/High,又はHigh/Lowをすることで出力端子102にはVDD1と接地電位が出力されるプッシュプルの動作となる。
【0052】
また、制御端子132をLow,制御端子133をLow、制御端子134をHighとすると、PチャネルMOSトランジスタQ114、Q116はオン、NチャネルMOSトランジスタQ115,Q117はオフする。すなわち、図1においては、インバータ121とインバータ122が共にHighを出力するので、PチャネルMOSトランジスタQ111,Q112のゲートはそれぞれPチャネルMOSトランジスタQ111とQ112の共通接続されているソース電位、すなわちVDD1からPチャネルMOSトランジスタQ111の寄生ダイオード分電圧降下した値となるのでオフし、NチャネルMOSトランジスタQ113のゲートはHighなのでオンとなり、出力端子102は接地電位が出力される。
【0053】
同様に、制御端子132をHigh,制御端子133をHigh、制御端子134をLowとすると、PチャネルMOSトランジスタQ114,Q116はオフ、NチャネルMOSトランジスタQ115,Q117はオンする。すなわち、図1においては、インバータ121とインバータ122が共にLowを出力するので、PチャネルMOSトランジスタQ111,Q112のゲートは接地電位となりオンし、NチャネルMOSトランジスタQ113のゲートはLowなのでオフとなり、出力端子102はVDD1が出力される。
【0054】
上記のように、制御端子132,133を同期させて、制御端子132,133,134をそれぞれLow/Low/High,又はHigh/High/Lowをすることで出力端子102にはVDD1と接地電位が出力されるプッシュプルの動作となる。
【0055】
そのプッシュプル動作時に、PチャネルMOSトランジスタQ111はオン状態を保ち、PチャネルMOSトランジスタQ112がオンの時には出力端子102はVDD1の電位を出力でき、かつ出力端子102から見て出力段のVDD1側にNチャネルMOSトランジスタを使用していないためダイナミックレンジが十分に確保できる。
【0056】
次に、制御端子132,133をそれぞれLowにすると、PチャネルMOSトランジスタQ114、Q116はオン、NチャネルMOSトランジスタQ115、Q117はオフする。すなわち、図1においてはインバータ121とインバータ122がともにHighを出力するので、PチャネルMOSトランジスタQ111、Q112のゲートはそれぞれPチャネルMOSトランジスタQ111とQ112の共通接続されているソース電位、すなわちVDD1からPチャネルMOSトランジスタQ111の寄生ダイオード分電圧降下した値となるのでオフする。その状態で、制御端子134をHigh/Lowと制御するとQ113はオン/オフと動作して、出力端子102に対してオープンドレイン動作となる。
【0057】
そのオープンドレイン動作時に、出力端子102に対して、VDD1より高電位が印加された場合、例えば出力端子102にVDD1より高い電位の他の電源回路の出力端子が接続されている場合など、NチャネルMOSトランジスタQ113がオフの状態で出力端子102の電位がVDD1より高い電位になっても、PチャネルMOSトランジスタQ111の寄生ダイオードがVDD1に対し逆方向に直列接続される構成であるので、電源端子VDD1へ電流が逆流入せず、出力端子102からの逆流を防止することが可能となる。
【0058】
次に、制御端子132,133,134をそれぞれLowとすると、PチャネルMOSトランジスタQ114、Q116はオン、NチャネルMOSトランジスタQ115、Q117はオフする。すなわち、図1においては、インバータ121と122が共にHighを出力するので、PチャネルMOSトランジスタQ111、Q112のゲートはそれぞれPチャネルMOSトランジスタQ111とQ112の共通接続されているソース電位、すなわちVDD1からPチャネルMOSトランジスタQ111の寄生ダイオード分電圧降下した値となるのでオフし、NチャネルMOSトランジスタQ113のゲートもLowなのでオフとなり、出力端子102はハイインピーダンスの状態となる。その状態においても、上記のように出力端子102に対しVDD1より高電位が印加された場合でも、PチャネルMOSトランジスタQ111の寄生ダイオードがVDD1に対し逆方向に直列接続される構成であるので、電源端子VDD1へ電流が逆流入せず、出力端子102からの逆流を防止することが可能となる。
【0059】
更に、電源端子VDD1が0Vとなった場合、制御回路130の電源電圧も0Vになるため出力段を構成しているPチャネルMOSトランジスタQ111,Q112のゲートを制御しているPチャネルMOSトランジスタQ114、Q116、のソース電位も0Vとなり、PチャネルMOSトランジスタQ114、Q116とNチャネルMOSトランジスタQ115,Q117の回路も確実にオフする。すなわち、図1においては、インバータ121とインバータ122が動作しない。よって、出力端子102に対して、VDD1より高電位が印加された場合、出力端子102の電位が発生しても、PチャネルMOSトランジスタQ111の寄生ダイオードがVDD1に対し逆方向に直列接続される構成であるので、電源端子VDD1へ電流が逆流入せず、出力端子102からの逆流を防止することが可能となる。
【0060】
ここで、トレラントバッファ回路100は、電源端子VDD1と出力端子102の間にPチャネルMOSトランジスタQ111とQ112とが逆方向に直列接続されているので、PチャネルMOSトランジスタQ111とQ112の寄生ダイオードにより出力端子102からVDD1にかけて流れる逆流入電流を防止することができる。
【0061】
次に、制御回路130の動作を、図4の真理値表を用いて説明する。
【0062】
図4は、図3の制御回路130の入力端子A,B,IN、制御端子132,133,134、及び出力端子102の状態を真理値表に表した図である。
【0063】
入力端子AがHigh,入力端子BがLowの場合、入力端子INの状態に関わらず制御端子132,133,134はそれぞれLowを出力し、出力端子102はハイインピーダンスの状態となる。
【0064】
入力端子AがLow,入力端子BがLowの場合、入力端子INの状態に関わらず制御端子132,133はLow、制御端子134はHighを出力し、出力端子102はLowの状態となる。
【0065】
入力端子A、Bが共にHighの場合は、制御端子132がHighとなるので、出力端子102は、入力端子INをLow/Highすることで、制御端子133はLow/High,制御端子134はHigh/Lowとなり、出力端子102はプッシュプル動作となる。
【0066】
入力端子AがLow,入力端子BがHighの場合は、制御端子132,133がLowとなるので、出力端子102は、入力端子INをLow/Highすることで、制御端子134はHigh/Lowとなり、出力端子102はオープンドレイン動作となる。
【0067】
更に、電源端子VDD1が0Vとなった場合、制御回路130の電源もVDD1であるので0Vになり、制御回路130の出力となる制御端子132,133,134も強制的にオフになり出力段のトレラント構成が保障される。よって、出力端子102に対して、VDD1より高電位が印加された場合、出力端子102の電位が発生しても、制御回路130の出力が確実にオフされPチャネルMOSトランジスタQ111の寄生ダイオードがVDD1に対し逆方向に直列接続される構成であるので、電源端子VDD1へ電流が逆流入せず、出力端子102からの逆流を防止することが可能となる。
【0068】
以上のように、本実施の形態によれば、トレラントバッファ回路100は、電源端子VDD1と出力端子102の間にソースを共有して直列接続されたPチャンネルMOSトランジスタQ111,Q112と、出力端子102と接地端子101の間に接続されたNチャンネルMOSトランジスタQ113と、PチャンネルMOSトランジスタQ111のゲートに出力接続されたインバータ121と、PチャンネルMOSトランジスタQ112のゲートに出力接続されたインバータ122と、PチャネルMOSトランジスタQ111、PチャネルMOSトランジスタQ112、及びNチャネルMOSトランジスタQ113にそれぞれ第1、第2及び第3の制御信号を出力してこれらのMOSトランジスタのオン・オフを制御する制御回路130とを備える。例えば、制御回路130は、制御端子132,133,134をそれぞれLow/Low/High,又はHigh/High/Lowとすることで、出力端子102にはVDD1と接地電位が出力されるプッシュプルの動作を実現する。また、制御端子132,133をLow,制御端子134をHigh/Lowとすることで、出力端子102はオープンドレイン動作となる。
【0069】
このように、トレラントバッファ回路100は、出力回路110のオープンドレイン動作時に出力端子102が出力回路110の電源電圧より高電位になる場合や、出力回路110のVDD1が0Vになった場合でも、出力端子102からVDD1にかけて電流の逆流入を防止することができる。
【0070】
すなわち、従来の出力回路では、出力端子からの逆流入電流を防止するために、図7に示した低電圧電源VDD14と高電圧電源15のような電位の異なる2電源構成のシステムが必要であった。これに対し、本実施の形態では、電源端子VDD1のみの1電源構成での出力回路が実現できる。また、図7の従来の出力回路では、一定以上の電位に出力端子が持ち上がると、寄生ダイオードを通して電流の逆流入が発生する。本実施の形態では、それを防止することができる。
【0071】
さらに、本実施の形態では、出力端子から見て出力段の電源側に、図7のNチャネルMOSトランジスタQ23のようなNチャネルMOSトランジスタを使用していないためダイナミックレンジを十分に確保することができる。
【0072】
さらにまた、本実施の形態では、プッシュプル動作も可能であり、出力段のトランジスタも各々制御が可能である。
【0073】
また、極めて簡易な回路構成で実現でき、部品点数が少なく容易に実施できる効果がある。
【0074】
なお、本実施形態では、図1で示したインバータ121,122を、図2のようなMOSトランジスタQ114〜Q117で示す構成を用いて説明したが、これらCMOS構成に限定されるものではない。制御端子132,133に対してインバータとして機能する構成であればよく、CMOSゲートの段数やNAND,NOR構成など種類に制限は設けておらず、同様の動作が可能である。
【0075】
(実施の形態2)
実施の形態2は、トレラントバッファ回路100をUARTインターフェースに適用した例である。
【0076】
図5は、本発明の実施の形態2に係るトレラントバッファ回路を有するUARTインターフェースのブロック図である。図1及び図2と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
【0077】
図5に示すように、UARTインターフェース200は、CPU210と、レジスタ220と、出力回路110と制御回路130を有するトレラントバッファ回路100とを備えて構成される。トレラントバッファ回路100には、外部機器である外部システム回路230が接続される。
【0078】
トレラントバッファ回路100を搭載するUARTインターフェース200は、外部システム回路230からの信号を受信するレシーバ(RX)部と、CPU210からの信号を外部システム回路230に送信するトランスミッタ(TX)部とから構成されるインターフェースである。図5では、CPU210側から外部システム回路230に信号を送信するトランスミッタ(TX)部のインターフェースを示している。送受信される信号は、UART信号である。
【0079】
トレラントバッファ回路100と、CPU210と、レジスタ220の電源は、電源端子VDD1から供給され、外部システム回路230は他の電源で動作する。
【0080】
CPU210の出力は、トレラントバッファ回路100の入力端子INに接続され、レジスタ220の出力はトレラントバッファ回路100の入力端子AとBに接続される。
【0081】
トレラントバッファ回路100は、制御回路130と出力回路110を含み、制御回路130の出力は出力回路110の入力に接続される。出力回路110の出力は、トレラントバッファ回路100の出力端子102に接続されており、出力端子102は他の電源で構成された外部システム回路230の入出力端子に接続される。
【0082】
以上のように構成されたトレラントバッファ回路100を含んだ周辺ブロックの動作について説明する。
【0083】
図5に示すように、CPU210はレジスタ220に対し、所望のデータを書き込み、レジスタ220からは書き込まれたデータがそれぞれ並列データA,Bに変換されてトレラントバッファ回路100に出力される。トレラントバッファ回路100の入力端子A,Bに入力された信号は、制御回路130に入力され、出力回路110を制御し、出力端子102の動作モードを設定する。CPU210からの信号INは出力回路110の動作モードに従って出力端子102からプッシュプルモード、あるいはオープンドレインモードとして出力される場合や、CPU210からの信号INの状態に関わらず出力端子102がハイインピーダンスモードになる。
【0084】
上記の動作において、レジスタ220が入力端子A/Bへ、High/Lowを送出した場合、出力端子102はハイインピーダンスモードとなり、CPU210から入力端子INへ送出された信号のHigh/Lowに関わらず、出力端子102はハイインピーダンスの状態となる。
【0085】
また、レジスタ220が入力端子A、Bへ、共にLowを送出した場合、出力端子102はLowモードとなり、CPU210から入力端子INへ送出された信号のHigh/Lowに関わらず、出力端子102は接地状態となる。
【0086】
更に、レジスタ220が入力端子A、Bへ、共にHighを送出した場合、出力端子102はプッシュプル動作のモードとなり、CPU210から入力端子INへ送出された信号のHigh/Lowにより、出力端子102がHigh/Lowと切り替わりプッシュプル動作となる。
【0087】
上記プッシュプル動作時に、出力端子102は他の電源で構成された外部システム回路230に対して、トレラントバッファ回路100の出力回路110の構成によりダイナミックレンジが十分に確保できる信号を送出が可能である。
【0088】
次に、レジスタ220が入力端子A/Bへ、共にLow/Highを送出した場合、出力端子102はオープンドレイン動作のモードとなり、CPU210から入力端子INへ送出された信号のHigh/Lowにより、出力端子102がHigh/Lowと切り替わりオープンドレイン動作となる。
【0089】
そのオープンドレイン動作時に、出力端子102に対して他の電源で構成された外部システム回路230の出力部は、例えばVDD1より高電位が印加された電源と出力端子間に抵抗と、出力端子と接地間にNチャネルMOSトランジスタを用いた構成の場合など、出力端子102の電位がVDD1より高い電位になっても、トレラントバッファ回路100の出力回路110の構成により、電源端子VDD1へ電流が逆流入せず、出力端子102からの逆流を防止することが可能となる。
【0090】
このように、実施の形態2によれば、UARTインターフェース200に、図1及び図2のトレラントバッファ回路100を適用することにより、出力オープンドレイン動作時や、VDD1が0Vになった場合であっても、外部システム回路230の電源から出力端子102を介して電源端子VDD1にかけて流れる逆流入電流を防止することができる。UARTインターフェース200では、外部機器として外部システム回路230に様々な機器が接続される。UARTインターフェース200が備えるトレラントバッファ回路100は、出力オープンドレイン動作時に出力端子102が出力回路110の電源電圧より高電位になる場合や、出力回路110のVDD1が0Vになった場合でも、出力端子102からVDD1にかけて流れる逆流入電流を防止することができるので、UARTインターフェースを含む各種の出力インターフェースとして好適である。また、同様の理由で各種の出力インターフェースとして汎用に使用することができる。さらに簡素な構成であるため低コストで実現することができる。
【0091】
(実施の形態3)
実施の形態3は、UARTインターフェースや外部システム機器との出力インターフェースを複数設けた例である。
【0092】
図6は、本発明の実施の形態3に係るトレラントバッファ回路を含んだ周辺構成ブロック図である。
【0093】
図6に示すように、出力インターフェース300は、CPU310と、レジスタ320と、複数のトレラントバッファ回路100A,100B,100Cとを備えて構成される。トレラントバッファ回路100A,100B,100Cには、それぞれ外部システム回路330,340,350が接続される。
【0094】
トレラントバッファ回路100A,100B,100Cは、図1、図2及び図5のトレラントバッファ回路100と同様の構成を有する。トレラントバッファ回路100A,100B,100Cは、それぞれ入力端子A1〜A3,B1〜B3,IN1〜IN3と、出力端子102A,102B,102Cとを備える。
【0095】
CPU310側から出力された信号は、トレラントバッファ回路100A,100B,100Cの各入力端子IN1,IN2,IN3に入力される。前述したように、トレラントバッファ回路100A,100B,100Cは、プッシュプルやオープンドレイン等の動作モードに従って、出力端子102A,102B,102Cを経由して外部システム回路330,340,350に信号を送信する。この信号は、トレラントバッファ回路100Aが例えばUARTインターフェース200である場合、UART信号である。
【0096】
ここで、トレラントバッファ回路100A,100B,100Cは、接続される外部機器(外部システム回路330,340,350)によって各種方式の信号を送信可能である。
【0097】
トレラントバッファ回路100A,100B,100Cと、CPU310と、レジスタ320の電源は、電源端子VDD1から供給され、外部システム回路330,340,350は他の電源で動作する。
【0098】
CPU310の出力は、トレラントバッファ回路100A,100B,100Cの各入力端子IN1,IN2,IN3に接続され、レジスタ320の出力はトレラントバッファ回路100A,100B,100Cの各入力端子A1,A2,A3とB1,B2,B3に接続される。
【0099】
トレラントバッファ回路100Aの出力端子102Aは、他の電源で構成された外部システム回路330の入出力端子に接続されており、同様に、他のトレラントバッファ回路100B,100Cの出力端子102B,102Cは、各々の電源で構成された外部システム回路340,350の入出力端子に接続されている。
【0100】
以上のように構成されたトレラントバッファ回路100A,100B,100Cを含んだ周辺ブロックの動作について説明する。基本動作は、図5のトレラントバッファ回路100を含んだ周辺回路の動作と同様であるため説明を省略し、異なる動作について述べる。
【0101】
図6に示すように、CPU310は、レジスタ320に対し、所望のデータを書き込む。レジスタ320は、CPU310により書き込まれたデータを複数の並列データA1,A2,A3とB1,B2,B3に変換する。レジスタ320は、変換した複数の並列データA1,A2,A3とB1,B2,B3を、それぞれ各トレラントバッファ回路100A,100B,100Cに出力する。
【0102】
トレラントバッファ回路100Aは、入力端子A1,B1に入力されたデータにより、トレラントバッファ回路100Aの出力回路110(図5参照)のモードを切り替えとともに、出力端子102Aの動作モードを設定する。CPU310からの信号IN1は、前記の動作モードに従って出力端子102Aからプッシュプルモード、あるいはオープンドレインモードとして出力される場合や、CPU310からの信号IN1の状態に関わらず出力端子102Aがハイインピーダンスモードになる。
【0103】
トレラントバッファ回路100B,100Cについても、トレラントバッファ回路100Aと同様に、トレラントバッファ回路100B,100Cは、各入力端子A2,A3,B2,B3に入力されたデータにより、出力端子102B,102Cの動作モードを設定する。CPU310からの信号IN2,IN3の信号は、設定された動作モードに従って出力端子102B,102Cから出力される。
【0104】
各出力端子102A,102B,102Cに接続される外部システム回路330,340,350の入出力部分の構成は、MOSトランジスタのゲートへの入力、オープンドレイン、他電源からのプルアップ抵抗入出力構成など、さまざまな構成が考えられる。
【0105】
本発明のトレラントバッファ回路は、接続される回路の入出力構成に制限されることなく、電源端子VDD1へ電流が逆流入せず、出力端子からの逆流を防止することが可能となる。
【0106】
また、CPUの構成によっては、更に複数のインターフェース信号が送信される場合があるが、上記の構成には限定されるものではなく、例えばCPUの各インターフェース信号に対して本発明のトレラントバッファ回路を一度に並列に接続したインターフェースを構成することも可能である。
【0107】
さらに、トレラントバッファ回路の出力端子に接続される他の電源を持つ回路は、出力端子1つに対して複数回路が接続された構成でも、各々の動作モードにおいて、電源端子VDD1の電位がいかなる場合でも、VDD1への電流の逆流入の防止が可能である。
【0108】
このように、実施の形態3によれば、出力インターフェース300は、複数のトレラントバッファ回路100A,100B,100Cを備え、それぞれ外部システム回路330,340,350が接続される。外部システム回路330,340,350は、UARTインターフェースや外部システム機器の出力インターフェースである。また、トレラントバッファ回路100A,100B,100Cは、実施の形態1のトレラントバッファ回路100を適用する。したがって、実施の形態1,2と同様に、出力オープンドレイン動作時や、VDD1が0Vになった場合でも外部システム回路230の電源から出力端子102を介して電源端子VDD1にかけて流れる逆流入電流を防止することができる。
【0109】
特に、実施の形態3では、出力インターフェース300に接続される外部システム回路330,340,350の特性・要求性能に合わせてトレラントバッファ回路100A,100B,100Cの動作を、例えば、ハイインピーダンス状態、Low状態、プッシュプル動作、又はオープンドレイン動作などと任意に設定することができる。どのような外部機器へのインターフェースにも汎用に使用できるという優れた効果がある。
【0110】
以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。例えば、上記各実施の形態では、MOSトランジスタを使用した例について説明したが、どのようなMOSトランジスタでもよい。例えば、MIS(Metal Insulated Semiconductor)トランジスタであってもよい。またこのMISトランジスタは、SOI(Silicon On Insulator)構造のシリコン基板上に形成されたMISトランジスタでもよい。さらに、バイポーラトランジスタ、Bi−CMOS、又はこれらの組み合わせであってもよい。但し、MOSトランジスタが消費電力の点で有利であることは言うまでもない。
【0111】
また、上記各実施の形態ではトレラントバッファ回路という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、バッファ回路、出力回路等であってもよいことは勿論である。
【0112】
さらに、上記トレラントバッファ回路を構成する各回路部、例えばインバータゲートの段数、論理素子の種類などは前述した実施の形態に限られない。当然のことながら、本トレラントバッファ回路に、各種補償用のトランジスタを付加してもよいことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明に係るトレラントバッファ回路及びインターフェースは、トレラントバッファ回路として半導体集積回路の出力回路部全般に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施の形態1に係るトレラントバッファ回路の構成を示す回路図
【図2】上記実施の形態1に係るトレラントバッファ回路の詳細な回路図
【図3】上記実施の形態1に係るトレラントバッファ回路の制御回路の具体的構成の一例を示す回路図
【図4】実施の形態1に係る他のトレラントバッファ回路の制御回路の入力端子、制御端子及び出力端子の状態を真理値表に表した図
【図5】本発明の実施の形態2に係るトレラントバッファ回路を有するUARTインターフェースのブロック図
【図6】本発明の実施の形態3に係るトレラントバッファ回路を含んだ周辺構成ブロック図
【図7】従来の出力回路の回路図
【図8】従来の半導体スイッチ回路の回路図
【符号の説明】
【0115】
100,100A,100B,100C トレラントバッファ回路
101 接地端子
102 出力端子
110 出力回路
121,122 インバータ
130 制御回路
131 入力端子
132,133,134 制御端子
141,142,143,144,145 論理素子
200 UARTインターフェース
210,310 CPU
220,320 レジスタ
230,330,340,350 外部システム回路
300 出力インターフェース
VDD1 電源端子
Q111,Q112,Q114,Q116 PチャンネルMOSトランジスタ
Q113,Q115,Q117 NチャンネルMOSトランジスタ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源端子と出力端子の間に、ソースを共有し、直列接続される第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタと、
前記出力端子と接地端子の間に接続される第1のNチャネルMOSトランジスタと、
前記第1のPチャネルMOSトランジスタ、前記第2のPチャネルMOSトランジスタ、及び前記第1のNチャネルMOSトランジスタにそれぞれ第1、第2及び第3の制御信号を出力してこれらのMOSトランジスタのオン・オフを制御する制御回路と、
を備えることを特徴とするトレラントバッファ回路。
【請求項2】
前記第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタの各ゲートは、前記第1及び第2の制御信号に基づいて、接地電位又は前記ソースの電位に接続され、
前記第1のNチャネルMOSトランジスタのゲートは、前記第3の制御信号に基づいて、接地電位又は電源電位に接続されることを特徴とする請求項1記載のトレラントバッファ回路。
【請求項3】
前記第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタのソースの電位を電源とし、前記第1の制御信号が入力され、前記第1のPチャネルMOSトランジスタのゲートに出力接続される第1のインバータと、
前記第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタのソースの電位を電源とし、前記第2の制御信号が入力され、前記第2のPチャネルMOSトランジスタのゲートに出力接続される第2のインバータとを備えることを特徴とする請求項1記載のトレラントバッファ回路。
【請求項4】
前記第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタは、ソースが共通で、かつバックゲートを前記ソースに接続することにより、前記第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタに生じる寄生ダイオードが、それぞれ電流を阻止する逆方向に直列接続されることを特徴とする請求項1記載のトレラントバッファ回路。
【請求項5】
前記第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタ、前記第1のNチャネルMOSトランジスタ、及び前記第1及び第2のインバータは、出力回路を構成し、
前記制御回路は、前記第1、第2及び第3の制御信号を出力して、前記出力回路を、ハイインピーダンス状態、Low状態、プッシュプル動作、又はオープンドレイン動作のうち少なくともいずれかに切替え動作させることを特徴とする請求項1記載のトレラントバッファ回路。
【請求項6】
前記制御回路は、前記電源端子の電源により動作することを特徴とする請求項1記載のトレラントバッファ回路。
【請求項7】
前記第1のインバータは、前記第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタにより共有された前記ソースに、ソースが接続された第3のPチャネルMOSトランジスタと、
ドレインとゲートを前記第3のPチャネルMOSトランジスタと共有してソースを接地した第2のNチャネルMOSトランジスタとを備え、
前記第2のインバータは、前記第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタにより共有された前記ソースに、ソースが接続された第4のPチャネルMOSトランジスタと、
ドレインとゲートを前記第4のPチャネルMOSトランジスタと共有してソースを接地した第3のNチャネルMOSトランジスタとを備えることを特徴とする請求項3記載のトレラントバッファ回路。
【請求項8】
CPU及びレジスタの出力信号をトレラントバッファ回路を介して、外部機器に出力するインターフェースであって、
前記トレラントバッファ回路は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のトレラントバッファ回路であることを特徴とするインターフェース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−130579(P2010−130579A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305574(P2008−305574)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】