トレンチで分離されたコンタクトを有するマイクロ電気機械システム及びその製造方法
本明細書には多数の発明が説明及び図示される。1つの態様において、本発明は、最終的なパッケージングの前にチャンバー(26)に封入される機械的構造(12)と、少なくとも部分的にチャンバーの外に配置されたコンタクト領域(24)とを有するMEMS装置、及びMEMS装置の組み立て又は製造の方法を目的とする。コンタクト領域(24)は、コンタクト領域の周囲に置かれた誘電分離トレンチ(46)により、近くの導電領域から電気的に分離される。機械的構造を封止する素材(28)は、堆積された際に、1つ又はそれ以上の以下の属性を備える。即ち、引張応力が低く、良好なステップカバレージを有し、その後の処理において完全性を維持し、チャンバー内の機械的構造の性能特性に大きな及び/又は悪い影響を与えず(堆積期間に素材でコーティングされた場合)、及び/又は、高性能集積回路の統合を可能とする。1つの実施の形態において、機械的構造を封止する素材は、例えば、シリコン(多結晶、アモルファス、又は多孔性の不純物を添加された又はされないシリコン)、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、ゲルマニウム又はヒ化ガリウムである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
本発明は、電気機械システム、及びマイクロ電気機械システム並びにナノ電気機械システムの製造技術に関する。より詳細には、本発明は、1つの態様において、共通基板上に高性能集積回路とともにマイクロ電気機械システム及びナノ電気機械システムを組立て又は製造する方法に関する。
【0002】
例えばジャイロスコープ、共振器及び加速度計などのマイクロ電気機械システム(「MEMS」)は、マイクロ機械加工技術(例えば、リソグラフ又は他の精密製造技術)を利用して、一般にマイクロ電子機器に匹敵する規模まで機械部品を縮小する。MEMSは、典型的に、例えば、マイクロ機械加工技術を用いてシリコン基板から又はシリコン基板上に組み立てられた機械的構造を含む。
【0003】
機械的構造は、典型的に、チャンバーに封入される。精巧な機械的構造は、例えば、密閉シールされた金属容器(例えばTO−8「カン」。例えば米国特許第6、307、815号参照)に封入され、又は、機械的構造を収納し、収容し又は覆うチャンバーを有する半導体基板又はガラス状の基板に結合される(例えば、米国特許第6、146、917号、第6、352、935号、第6、477、901号及び第6、507、082号参照)。密閉シールされた金属容器を利用する場合、上又は中に機械的構造が存在する基板は、金属容器内に置かれ、又は金属容器に貼り付けられ得る。密閉シールされた金属容器は、また、一次包装としても役立つ。
【0004】
半導体基板又はガラス状の基板のパッケージング技術において、機械的構造の基板は、他の基板に結合され得る。それにより、結合された基板は、機械的構造が入るチャンバーを形成する。この場合、機械的構造の動作環境が制御され、構造そのものが例えば不慮の接触から保護され得る。2つの結合された基板は、MEMSの一次包装であってもなくてもよい。
【0005】
密閉シールされた金属容器、又は結合された半導体基板或いはガラス状の基板を機械構造の保護に利用するMEMSは、同一基板上の高性能集積回路とコスト効率的に統合することが難しい傾向を有する。その際、高性能集積回路を統合するために必要とされる追加の処理は、機械的構造を損傷又は破壊する傾向がある。
【0006】
精巧な機械的構造を保護するチャンバーを形成する他の技術は、マイクロ機械加工技術を利用する。(例えば、国際特許出願公開第WO 01/77008A1号及び第WO 01/77009A1号参照)。この場合、機械的構造は、従来技術(即ち、低温技法(LTO)、テトラエチルオキシレン(TEOS)又はそれに類するものを用いた酸化)を用いて堆積又は形成された従来の酸化物(SiO2)を用いてチャンバーに封入される(例えば、第WO 01/77008A1号の図2−4参照)。この技法を実施する場合、機械的構造は、集積回路とともにパッケージング及び/又は統合される前に、封入される。
【0007】
MEMSの機械的構造を封入するために従来の酸化物を利用することは、密閉シールされた金属容器、又は結合された半導体基板或いはガラス状の基板を利用するのに比べて有利であり得る。従来技術を用いて堆積される従来の酸化物は、例えばコーナー又は段差(即ち、その下の表面における重大な空間遷移)において、高い引張応力を示すことが多い。更に、そのような酸化物は、たいていの場合、その下の表面が重要な空間遷移を示す領域を上手くカバーしない方法で形成又は堆積される。加えて、(従来技術を用いて堆積された)従来の酸化物は、たいていの場合に、機械的構造が封入され動作を指示される環境として真空が望ましい場合に、不十分な真空を提供する。これらの欠点は、MEMSの完全性及び/又は性能に影響し得る。
【0008】
更に、従来技術を用いて堆積された従来の酸化物は、封止処理期間に機械的構造の上に被膜を生成し得る。この被膜は、機械的構造の完全性に影響を与え、そのために、MEMSの性能又は運動特性(例えば、共振器の動作特性)に影響を与え得る。
【0009】
他の事項とともに、(1)従来の素材及び技術の1つ、幾つか又は全ての欠点を克服し、及び/又は(2)共通基板上で、高性能集積回路及び/又は更なるMEMSと効果的に統合されるMEMS(例えば、ジャイロスコープ、共振器、温度センサ及び/又は加速度計)に対する要望が存在する。
【0010】
発明の概要
本明細書には、多数の発明が説明及び例示される。第1の主な態様において、本発明は、チャンバー内に配置された機械的構造を有する電気機械的装置のチャンバーをシールする方法である。装置は、また、部分的又は全体的にチャンバーの外側に配置されたコンタクト(即ち、コンタクト領域及び/又はコンタクト経路のような導電領域)を含む。該方法は、機械的構造の少なくとも一部の上に犠牲層を堆積させるステップと、該犠牲層の上に第1の封止層(例えば、多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム又はヒ化ガリウム)を堆積させるステップとを含む。第1の封止層を通る少なくとも1つの通気口が形成され、チャンバーを形成するために犠牲層の少なくとも一部が除去される。その後、チャンバーをシールするよう、第2の封止層が通気口の上又は中に設けられる。第2の封止層は、半導体素材(例えば、多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、ゲルマニウム、又はヒ化ガリウム)である。
【0011】
本発明のこの態様の方法は、コンタクトの周りにトレンチを形成するステップを含む。トレンチの中には絶縁素材(例えば、二酸化シリコン又は窒化シリコン)が堆積されて、隣接する誘電領域からコンタクトを電気的に分離する。1つの実施の形態において、トレンチは、コンタクトを電気的に分離するよう、コンタクトを囲む。
【0012】
該方法は、更に、トレンチの少なくとも一部の上に絶縁層を堆積させるステップと、その後に、コンタクトに対する電気的接続を提供するためにコンタクトの上及び絶縁層の上に極めて導電性の高い素材を堆積させるステップとを備え得る。1つの実施の形態において、絶縁素材を堆積させるステップの後でトレンチの中に半導体素材が堆積され得る。
【0013】
もう1つの主要な態様において、本発明は、コンタクトとチャンバー内に存在する機械的構造とを有する電気機械的装置の製造方法である。チャンバーは、機械的構造に対する機械的ダンピングを提供する圧力を有する流体を含み得る。該方法は、機械的構造の上に(例えば、多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、ゲルマニウム又はヒ化ガリウムのような半導体素材からなる)第1の封止層を堆積させるステップを含み得る。その後、第1の封止層に少なくとも1つの通気口が形成され、チャンバーが形成される。その後、(例えば、多結晶シリコン、多孔性多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、ゲルマニウム又はヒ化ガリウムのような半導体素材からなる)第2の封止層が、チャンバーをシールするために通気口の上又は中に堆積される。
【0014】
該方法は、更に、コンタクトの少なくとも一部の周りにトレンチを形成するステップであって、コンタクト及びトレンチがチャンバーの外に配置されるステップを含む。その後、第1の素材(例えば、窒化シリコン又は二酸化シリコン)がトレンチの中に堆積されて、コンタクトを電気的に分離する。トレンチは、コンタクトを取り囲み、コンタクトを電気的に分離し得る。
【0015】
1つの実施の形態において、第1の素材の堆積後に、第2の素材がトレンチの中に堆積され得る。第2の素材は、半導体素材であり得る。
もう1つの実施の形態において、第1の封止層の第1の部分は単結晶シリコンで構成され、第2の部分は多結晶シリコンで構成され得る。この実施の形態において、第2の封止層の表面は、第1の封止層の第1の部分を露出するよう平坦化され得る。その後、第1の封止層の第1の部分の上に単結晶シリコンが成長させられ得る。
【0016】
該方法は、更に、トレンチの少なくとも一部の上に絶縁層を堆積させるステップと、その後に、コンタクトへの電気的接続を提供するために、コンタクトの上及び絶縁層の上に極めて導電性の高い素材を堆積させるステップとを含み得る。1つの実施の形態において、絶縁素材を堆積させるステップの後に、半導体素材がトレンチの中に堆積され得る。
【0017】
もう1つの主要な態様において、本発明は、少なくとも1つの通気口と、少なくとも一部がチャンバー内に配置される機械的構造とを有する第1の封止層(例えば、多結晶シリコン、多孔性多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、窒化シリコン又は炭化シリコン)を含むチャンバーを備える電気機械的装置である。該電気機械的装置は、また、通気口の上又は中に堆積することによりチャンバーをシールする半導体素材(例えば、多結晶シリコン、多孔性多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、ゲルマニウム、又はヒ化ガリウム)からなる第2の封止層を含む。
【0018】
本発明のこの態様の電気機械的装置は、コンタクト(少なくとも部分的にチャンバーの外に置かれる)と、トレンチとを含む。トレンチは、コンタクトの少なくとも一部の周りに置かれ、コンタクト及びトレンチはチャンバーの外に置かれる。トレンチは、コンタクトを周囲の誘電素材から電気的に分離するようトレンチの中に配置された第1の素材(例えば、二酸化シリコン及び/又は窒化シリコンのような絶縁素材)を含む。
【0019】
1つの実施の形態において、第1の素材は、トレンチの少なくとも外側の表面に配置された絶縁素材であり、第2の素材は、トレンチの中央部に配置される。第2の素材は半導体素材であり得る。
【0020】
もう1つの実施の形態において、トレンチは、例えば窒化シリコン又は二酸化シリコンからなるエッチング・ストップ領域の上に配置される。
本発明のこの態様の装置は、第1の封止層の単結晶シリコンからなる第1の部分と、多結晶シリコンからなる第2の部分とを含み得る。加えて、本発明は、チャンバーの外及び上に配置される、単結晶シリコンからなるフィールド領域を含み得る。
【0021】
1つの実施の形態において、第1の封止層の第1の部分は単結晶シリコンからなり、第2の部分は多孔性シリコン又はアモルファス・シリコンからなり得る。この実施の形態において、第1の封止層の第2の部分にかぶさる第2の封止層は、多結晶シリコンである。
【0022】
以下の詳細な説明において、添付の図面を参照する。これらの図面は、本発明の様々な態様を示し、適切な場合に、異なる図面において類似の構造、部品、素材及び/又は要素を示す参照番号に、同様の符号が付けられる。構造、部品、素材及び/又は要素の特に示された以外の様々な組合せが企図され、本発明の範囲に含まれることが理解される。
【0023】
詳細な説明
本明細書には、多数の発明が説明及び図示され得る。1つの態様において、本発明は、装置の最終的なパッケージング及び/又は完成の前にチャンバーに封入される機械的構造を有するMEMS装置、及びMEMS装置を組み立て又は製造する技術を目的とする。機械的構造を封止する素材は、1つ又はそれ以上の以下の属性を含み得る。即ち、引張応力が低いこと、良好なステップカバレージを有すること、その後の処理がなされた場合にも完全性を維持すること、チャンバー内の機械的構造(堆積、形成及び/又は成長の期間に素材でコーティングされた場合)の性能特性に大きな及び/又は悪い影響を与えないこと、動作状況及び/又は時間を通して設計された相応の、及び/又は適切な封止特性を維持すること、及び/又は、高性能集積回路との統合を促進することである。1つの実施の形態において、機械的構造は、例えばシリコン(例えば、不純物を添加した又はしていない、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファス・シリコン又は多孔性多結晶シリコン)、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム、炭化シリコン又はヒ化ガリウムのような半導体素材、或いはそれらの組合せにより封止される。そのような素材は、MEMSの典型的な動作状況及び寿命を通じて、1つ又はそれ以上の以下の属性を保持し得る。
【0024】
図1に関し、1つの例としての実施の形態において、MEMS10は、例えば不純物を添加されていない半導体のような素材、ガラスのような素材、又は絶縁体のような素材である基板14上に配置された、マイクロ機械加工された機械的構造12を含む。MEMS10は、また、マイクロ機械加工された機械的構造12により生成された情報を処理及び分析し、或いは、マイクロ機械加工された機械的構造12を制御又は監視するデータ処理電子機器16を含み得る。更に、MEMS10は、また、マイクロ機械加工された機械的構造12及び/又はデータ処理電子機器16から、例えばコンピュータ、インジケータ/ディスプレイ、及び/又はセンサのような外部装置(図示せず)に情報を提供するインターフェース回路18を含み得る。
【0025】
データ処理電子機器16及び/又はインターフェース回路18は、基板14の中又は上に統合され得る。この場合、MEMS10は、機械的構造12、データ処理電子機器16及びインターフェース回路18を含むモノリシック構造であり得る。データ処理電子機器16及び/又はインターフェース回路18は、形成後に基板14に又は基板14の上に結合される別個の分離した基板上にあってもよい。
【0026】
図2に関して、1つの実施の形態において、マイクロ機械加工された機械的構造12は、基板14の上、上方及び/又は中に配置された機械的構造20a〜20dを含む。機械的構造20a〜20dは、例えばシリコン、ゲルマニウム、炭素のような周期律表第4列の素材、及びシリコン・ゲルマニウム又は炭化シリコンのようなそれらの組合せにより構成され得る。機械的構造20a〜20dは、また、例えばリン化ガリウム、リン化アルミニウム・ガリウムのような第3族〜第5族の化合物、或いは他の第3族〜第5族の組合せにより、また、例えば窒化シリコン、酸化シリコン、炭化アルミニウム又は酸化アルミニウムのような第3族、第4族、第5族又は第6族の物質の組合せにより、また、例えばニッケル・シリサイド、コバルト・シリサイド、炭化タングステン、又はプラチナ・ゲルマニウム・シリサイドのようなメタリック・シリサイド、ゲルマナイド及び炭化物により、また、リン、ヒ素、アンチモニー、ホウ素を含む不純物を添加された変形物、或いはアルミニウムを添加したシリコン、ゲルマニウム又は炭素、或いはシリコン・ゲルマニウムのようなの組合せにより構成され得る。機械的構造20a〜20dは、また、例えば単結晶、多結晶、ナノ結晶又はアモルファスを含む様々な結晶構造を有する素材、並びに、例えば単結晶及び(不純物を添加された又はされない)多結晶構造の部分のような結晶構造の組合せにより構成され得る。
【0027】
更に、マイクロ機械加工された機械的構造12は、加速度計、ジャイロスコープ又は他のトランスデューサ(例えば、圧力センサ、歪センサ、接触センサ、磁気センサ及び/又は温度センサ)或いは共振器であってもよい。マイクロ機械加工された機械的構造12は、また、1つ又はそれ以上の加速度計、ジャイロスコープ、圧力センサ、接触センサ及び温度センサを含む複数のトランスデューサ又はセンサの機械的構造を含み得る。マイクロ機械加工された機械的構造12が加速度計である場合、機械的構造20a〜20dは、加速度計の感知特性を構成する互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの一部であり得る(例えば、米国特許第6、122、984号参照)。
【0028】
更に図2を参照して、フィールド領域22及びコンタクト領域24もまた、基板14の上又は中に配置される。フィールド領域22は、データ処理電子機器16及び/又はインターフェース回路18の電子・電気部品又は集積回路(例えば、トランジスタ、レジスタ、キャパシタ、インダクタ、及び他の受動又は能動素子)に対する基板素材を提供し得る。コンタクト領域24は、マイクロ機械加工された機械的構造12とデータ処理電子機器16、インターフェース回路18及び/又は外部装置(図示せず)との間の電気的経路を提供し得る。フィールド領域22及びコンタクト領域24は、例えば、(不純物を添加された又はされていない)シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム、炭化シリコン、ヒ化ガリウム、及びそれらの組合せから構成され得る。
【0029】
図3は、本発明の1つの実施の形態に従う、機械的構造20a〜20dを含むマイクロ機械加工された機械的構造12の、直線a−a’に沿った断面図を示す。機械的構造20a〜20dは、チャンバー26内に配置される。1つの実施の形態において、チャンバー26は、封止層28a及び28bによりシール又は封止される。
【0030】
封止層28a及び28bは、例えば、半導体により構成され得る。1つの実施の形態において、封止層28a及び28bは、シリコン(例えば、不純物を添加された又はされない、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファス・シリコン又は多孔性多結晶シリコン)、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム、炭化シリコン及びヒ化ガリウム(及びそれらの組合せ)を含み得る。封止層28a及び28bは、同一の物質であっても、異なる物質であってもよい。
【0031】
封止層28a及び28bは、同一の又は異なる技術を用いて堆積され、形成され及び/又は成長させられ得る。例えば、封止層28aは、(チューブ又はEPI反応器内における)減圧(「LP」)化学気相成長(「CVD」)法、又はプラズマ利用(「PE」)CVD法を用いて堆積された多結晶シリコンであり、封止層28bは、常圧(「AP」)CVD法を用いて堆積された、不純物を添加した多結晶シリコンであり得る。代わりに、例えば、封止層28aは、LPCVD法を利用して堆積されたシリコン・ゲルマニウムであり、封止層28bは、PECVD法を用いて堆積された、不純物を添加した多結晶シリコンであり得る。実際に、チャンバー26を封止するための全ての半導体素材並びに堆積技術、及びそれらの置換は、現時点で知られているものであっても、後に開発されるものであっても、本発明の範囲に含まれることが意図される。
【0032】
1つ又はそれ以上のトランスデューサ又はセンサの機械的構造(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、圧力センサ、接触センサ及び/又は温度センサ)は、単一のチャンバーに含まれ、又は単一のチャンバー内にあって、チャンバー内の環境にさらされることに注意すべきである。この状況において、チャンバー26に含まれる環境は、1つ又はそれ以上のマイクロ機械加工された機械的構造(例えば、加速度計、圧力センサ、接触センサ及び/又は温度センサ)の機械的構造に対する機械的ダンピングを提供する。
【0033】
その上、1つ又はそれ以上のトランスデューサ又はセンサの機械的構造は、それ自体が、垂直及び/又は横方向に積み重ねられた又は相互接続された複数の層を含み得る(例えば、図13Aのマイクロ機械加工された機械的構造12b、図13B及び13Cのマイクロ機械加工された機械的構造12、及び、図13Dの機械的構造20a及び20b、コンタクト領域24a及び24b、及び埋め込み型コンタクト24’及び24’’を参照)。従って、この状況において、機械的構造は、垂直及び/又は横方向に積み重ねられた及び/又は相互接続された複数の層を提供する1つ又はそれ以上の処理ステップを用いて組み立てられる。
【0034】
本発明の1つの態様において、マイクロ機械加工された機械的構造12のコンタクト領域24は、近くの導電領域(例えば、第2の封止層28b及び/又はフィールド領域(図示せず))から電気的に分離される。更に図3において、マイクロ機械加工された機械的構造12は、トレンチ46a及び46bの中に配置された絶縁素材を含む誘電体分離領域44a及び44bを含む。誘電体分離領域44a及び44b(及びトレンチ46a及び46b)は、コンタクト24を任意の近くの導電領域から電気的に分離するようコンタクト24を囲み得る。
【0035】
図4A及び4Bに関して、本発明に従ってマイクロ機械加工された機械的構造12を組み立て又は製造する例としての方法は、例えば二酸化シリコン又は窒化シリコンである第1の犠牲層30上に配置された機械的構造20a〜20d及びコンタクト領域24を含む、SOI基板に部分的に形成されたデバイスで始まり得る。機械的構造20a〜20d及びコンタクト領域24は、周知の堆積、リソグラフ、エッチング及び/又はドーピング技術を用いて、周知の素材(例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム、又はヒ化ガリウムのような半導体)から形成され得る。更に、フィールド領域22及び第1の犠牲層30は、周知のシリコン・オン・インシュレーター加工技術(図4A)、又は標準的な又は特大の(「厚い」)ウェハーを利用する周知の形成、リソグラフィー、エッチング及び/又は堆積技術(図4B)を利用して形成され得る。とりわけ、フィールド領域22、機械的構造20及びコンタクト領域24は、図4Aに示されるような単結晶構造(例えば、単結晶シリコン)、多結晶構造、又は図4Bに示されるような単結晶及び多結晶の構造(即ち、フィールド領域22は例えば単結晶シリコンのような単結晶構造により構成され、機械的構造20及びコンタクト領域24は例えば多結晶シリコンのような多結晶構造により構成される)により構成され得る。実際に、第1の犠牲層30上に配置された機械的構造20a〜20d及びコンタクト領域24を含む部分的に形成されたデバイスを作るための全ての技術、素材及び結晶構造は、現在知られているものであっても今後開発されるものであっても、本発明の範囲に含まれることが意図される。
【0036】
図4Cを参照して、機械的構造20a〜20d及びコンタクト領域24の形成に続いて、封止処理を含むその後の処理期間に機械的構造20a〜20dを固定し、間隔を空け、及び/又は保護するよう、例えば二酸化シリコン又は窒化シリコンである第2の犠牲層32が堆積及び/又は形成され得る。更に、その後の電気的コンタクトの形成に備えて、第2の犠牲層32の中に開口34がエッチング又は形成され得る。開口34は、例えば、第2の犠牲層32の堆積及び/又は形成の前又は最中に周知のマスキング技術(例えば、窒化マスク)を用いて、及び/又は第2の犠牲層32の堆積及び/又は形成の後に周知のリソグラフィー技術及びエッチング技術を用いて設けられ得る。
【0037】
その後、図4D、4E及び4Fにおいて、第2の犠牲層32上に、第1の封止層28aが堆積され、形成され及び/又は成長させられ得る(図4D参照)。1つの実施の形態において、第2の犠牲層32にかぶさる部分における第1の封止層28aの厚みは、0.1μm〜0.5μmであり得る。第2の犠牲層32のエッチング後の、第1の封止層28a上の外部環境応力、及び第1の封止層28aの内部応力は、第1の封止層28aの厚みに影響し得る。曲がる可能性のある圧縮力のある被膜よりも、わずかに伸張性のある被膜の方が、良く自立し得る。
【0038】
第1の封止層28aは、通路又は通気口36を形成するようエッチングされ得る(図4E参照)。1つの例としての実施の形態において、通気口は、0.1μm〜2μmの直径又は開口サイズを有する。
【0039】
通気口36は、第1の犠牲層30及び第2の犠牲層32のそれぞれの少なくとも選択された部分のエッチング及び/又は除去を可能とすることを意図する(図4F参照)。例えば、1つの実施の形態において、第1の犠牲層30及び第2の犠牲層32が二酸化シリコンで構成されている場合、層30及び32の選択された部分は、周知のウェット・エッチング技術及びバッファーHF混合物(即ち、バッファー酸化エッチング)、又は蒸着HFを用いる周知の蒸着エッチング技術を用いて除去/エッチングされ得る。機械的構造20a〜20d、及び犠牲層30及び32の適正な設計、並びに、HFエッチング処理パラメータの制御は、犠牲層30が、機械的要素20a〜20dの周辺の層30の全て又は実質的に全てを除去し、それにより要素20a〜20dを開放してMEMS10の適切な動作を可能とするよう、十分にエッチングされることを可能とし得る。
【0040】
もう1つの実施の形態において、第1の犠牲層30及び第2の犠牲層32は窒化シリコンで形成され、層30及び32の選択された部分は、リン酸を用いて除去/エッチングされ得る。この場合も、機械的構造20a〜20d、及び犠牲層30及び32の適切な設計と、ウェット・エッチング処理パラメータの制御とにより、機械的要素20a〜20dの周辺の犠牲層30の全て又は実質的に全てを除去して、機械的要素20a〜20dを開放するよう犠牲層30が十分にエッチングされることが可能となり得る。
【0041】
(1)層30及び/又は32に適した多くの素材(例えば、二酸化シリコン、窒化シリコン、並びに、例えばホスホシリケート(「PSG」)又はボロホスホシリケート(「BPSG」)、及びスピンオングラス(「SOG」)のような不純物を添加した又は添加しないガラス状の素材)、(2)多くの適切な/関連付けられたエッチング液(例えば、バッファー酸化エッチング、リン酸、並びに、例えばNaOH及びKOHのようなアルカリ性水酸化物)、及び(3)犠牲層30及び32を排除、除去、及び/又はエッチングするための多くの適切なエッチング又は除去技術(例えば、ウェット・エッチング、プラズマ・エッチング、蒸着エッチング又はドライ・エッチング)が存在することに注意すべきである。実際に、機械的構造20a〜20d及びコンタクト領域24が同一又は類似の半導体である(即ち、同じ方法で処理、エッチング又は除去される)場合、機械的構造20a〜20d及びコンタクト領域24がエッチング処理又は除去処理による悪影響を受けない限り(例えば、構造20a〜20d及び領域24がエッチング又は除去処理期間に「保護されている」場合(例えば、シリコン・ベースの構造20a〜20dを保護する酸化層)、又は、構造20a〜20d及びコンタクト領域24が、層30及び/又は32のエッチング処理又は除去処理による悪影響を受ける素材により構成されている場合に)、層30及び/又は32は、不純物を添加された又は添加されない半導体(例えば、多結晶シリコン、シリコン・ゲルマニウム又はゲルマニウム)であり得る。従って、排除、除去及び/又はエッチングのための全ての素材、エッチング液及びエッチング技術、並びにそれらの置換は、現在知られているものであっても今後開発されるものであっても、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0042】
更に、特定の実施の形態において、開口36の形成に加えて、第1の封止層28aのエッチング処理は、電気的コンタクト領域24から第1の封止層28aと同じ高さ又は上のレベルへの電気的導通を促進するコンタクト経路38aを形成するために、コンタクト領域24にかぶさる素材を除去することに注意すべきである。これにより、例えば、第1の封止層28aの電気的コンタクト領域24にかぶさる部分の除去に関する処理、及び(MEMS10の様々な層間の十分な電気的コンタクトを提供する例えば単結晶シリコンのような)適切な素材の堆積、形成及び/又は成長に関する処理のような追加の処理が回避、排除及び/又は最小化され得る。実際に、コンタクト経路38の抵抗率又は導電率は、周知の不純物注入技術を用いて調整され得る(例えば、抵抗率が低減され、及び/又は導電率が高められる)。
【0043】
更に、コンタクト24は、部分的、実質的又は全体的に第1の犠牲層30及び/又は第2の犠牲層32の一部に囲まれ得る。例えば、図4Fに関して、機械的構造20a〜20dがそれぞれの下に在る酸化物の柱から開放される場合、犠牲層32の部分40(即ち、電気的コンタクト領域24に隣接する部分)は、第2の犠牲層32のエッチング又は除去の後にも残り得る。第2の犠牲層32のこの部分は、その後の処理期間にエッチング・ストップとして機能し得る。この状況では、第2の犠牲層32の残りの部分がトレンチ44a及び44bの形成期間にエッチング・ストップとして機能し得るよう、層30及び/又は32に、トレンチ46a及び46bの形成処理と調和する素材を利用することが有利であり得る。これに関わらず、層30及び/又は32は、例えば、二酸化シリコン、窒化シリコン、不純物を添加された及び添加されないガラス状の素材、並びにSOGであってよい。
【0044】
もう1つの実施の形態では、第2の犠牲層32のエッチング後に、第2の犠牲層32を構成するわずかな量の素材が残る(又は、第2の犠牲層32のごくわずかが残るか、又は全く残らない)ことに注意すべきである。そのため、層30及び/又は32の素材は、その後の処理とほとんど関係なく選択されても良い。
【0045】
図4Gに関して、機械的構造20a〜20dを開放した後に、第2の封止層28bが堆積され、形成され及び/又は成長させられ得る。第2の封止層28bは、例えば、エピタキシャル、スパッタリング又はCVDに基づく反応器を用いて堆積されるシリコン・ベースの素材(例えば、多結晶シリコン又はシリコン・ゲルマニウム)であってよい。堆積、形成及び/又は成長は、形状適応性の(コンフォーマルな)処理によっても、非形状適応性の処理によってもよい。素材は、第1の封止層28aと同じであっても違ってもよい。しかし、第1の封止層28a及び第2の封止層28bに同一の素材を利用するほうが有利である。こうすると、例えば、熱膨張率が同一であり、層28aと28bとの境界がチャンバー26の「シール」を強化して、(例えば、様々な動作条件及び拡張された時間期間に渡り、チャンバー26内の流体42の所望の又は指定された圧力を維持することにより)流体42の完全性を強化することができる。
【0046】
1つの実施の形態において、第2の封止層28bは、従来の選択的エピタキシャル・シリコン成長法と同様のエピタキシャルな反応器及び条件を用いて、エピタキシャルに堆積され得る。これは、H2ガス及び/又はHCLガスを用いるシラン、ジクロルシラン又はトリクロロシラン処理によってもよい。これらの処理は、典型的に、600℃〜1400℃で実行され得る。
【0047】
1つの実施の形態において、第1の封止層及び要素20a〜20dにかぶさる部分の第2の封止層28bの厚さは、5μm〜25μmであり得る。実際に、機械的構造12を含むMEMS10が時間と共に大きくなり、様々な及び/又は異なる素材が実装されるにつれて、第1の封止層28a、第2の封止層28b及びそれらの組合せの適切な又は必要な厚みは変化し得る。そのため、第1の封止層28aと第2の封止層28bとの厚みの比率は、約1対1から1対10であると好都合である。しかし、他の比率及び厚みも明らかに適切であることに注意すべきである(例えば、図9A〜9D、10A〜10D及び11A〜11D参照)。
【0048】
上記の通り、本発明の1つの態様において、マイクロ機械加工された機械的構造12のコンタクト領域24は、周囲の導電体及び/又は半導体層から誘電分離される。図4Hにおいて、トレンチ46a及び46bがエッチングされ得る。トレンチ46a及び46bは、絶縁領域44a及び44bの形成を可能にするための僅かに先細りであり得る。これにより、トレンチ46a及び46bの中に、それぞれ誘電分離領域44a及び44bを形成するよう絶縁素材が堆積され得る。絶縁素材は、例えば、二酸化シリコン、窒化シリコン、BPSG、PSG又はSOGであってよい。窒化シリコンは等方向に堆積し得るため、窒化シリコンを採用すると好都合である。更に、窒化シリコンは、MEMS10がCMOS集積回路を含む場合に、CMOS処理に適合する。
【0049】
例えば二酸化シリコンと窒化シリコン、又は二酸化シリコンとシリコンのような、複数の層の絶縁素材を利用することも好都合であり得る。これにより、製造可能性の観点から適切な誘電分離が提供される。
【0050】
誘電分離領域44a及び44bの形成後、「滑らかな」表面層及び/又は(実質的に)平坦な表面を提供するために、例えば研磨技術(例えば、化学的機械的研磨(「CMP」))を用いて、マイクロ機械加工された機械的構造12を実質的に平坦化することが好都合であり得る。これにより、マイクロ機械加工された機械的構造12の露出された平坦な表面が用意され、その上又はその中に、周知の組立て技術及び装置を用いて、集積回路(例えば、CMOSトランジスタ)及び/又はマイクロ機械加工された機械的構造12が組み立てられ得る。
【0051】
MEMS10における高性能集積回路の統合を可能とするため、MEMS10は、そのような回路が中又は上に製造され得る、単結晶シリコンからなるフィールド領域22を含むことが好都合であり得る。図5について、1つの実施の形態において、フィールド領域22a1にかぶさる第1の封止層(即ち、22a2)及び/又は第2の封止層(即ち、22a3)の一部は再結晶され、それにより多結晶物質の結晶構造が、単結晶又は実質的に単結晶素材に「変換」又は再構成される。こうして、MEMS10に統合された例えばデータ処理電子機器16のトランジスタ又他の素子は、単結晶のフィールド領域に組み立てられ得る。
【0052】
もう1つの実施の形態において、フィールド領域22a1にかぶさる第1の封止層28aの一部は、フィールド領域22a1を露出するために従来のエッチング技術を用いて除去され得る。その後、単結晶シリコンがフィールド領域22a1の上に成長させられて、フィールド領域22a2及び/又は22a3を提供する。
【0053】
更にもう1つの実施の形態において、フィールド領域22a1にかぶさる第1の封止層28aの一部は、単結晶構造からなるフィールド領域22a1を露出するようエッチングされ得る。その後、トランジスタ又は他の能動素子が、周知の組み立て技術を用いてフィールド領域22a1の中又は上に統合され得る。
【0054】
図6A〜6Hを参照すると、もう一組の実施の形態において、第1の封止層28aの堆積、形成及び/又は成長の前、同時又は後に、フィールド領域22a1及びコンタクト領域24の上に単結晶構造が堆積され、成長させられ又は形成され得る。例えば、図6Cについて、第2の犠牲層32の堆積又は形成の前又は後に、単結晶シリコンのフィールド領域22a2及びコンタクト経路38aのエピタキシャルに堆積された封止層が、第2の犠牲層32を超える高さに成長させられ得る。代わりに、単結晶シリコンのフィールド領域22a2及び22b2は、第2の犠牲層32を超える高さには成長させられなくてもよい(図示せず)。
【0055】
単結晶シリコンのフィールド領域22a2及びコンタクト経路38aを成長させた後で、第1の封止層28aが堆積され、形成され、及び/又は成長させられ得る。第1の封止層28aは、例えば、シリコン・ベースの素材(例えば、不純物を添加された又はされない、シリコン・ゲルマニウム、炭化シリコン、単結晶シリコン、多結晶シリコン又はアモルファス・シリコン)、ゲルマニウム及びヒ化ガリウム(及びそれらの組合せ)であってよく、例えば、エピタキシャル、スパッタリング又はCVDに基づく反応器(例えば、APCVD、LPCVD又はPECVD)を用いて堆積及び/又は形成される。堆積、形成及び/又は成長は、形状適応性の処理によっても、非形状適応性の処理によってもよい。素材は、第1の単結晶シリコン・フィールド領域22a2と同じであっても、違ってもよい。図示された実施の形態において、第1の封止層28aは、多結晶シリコン素材で構成される。
【0056】
図6D及び6Eのマイクロ機械加工された機械的構造12のその後の処理は、図4E及び4Fについて上に説明した処理と実質的に同じである。そのため、マイクロ機械加工された機械的構造12に関する図4E及び4Fと組み合わされた上記の議論は、この一組の実施の形態に包括的、全体的及び完全に適応可能である。簡潔にするため、説明を繰り返さず、要点のみを記載する。
【0057】
簡潔に言えば、第1の封止層28aは、第1の犠牲層30及び第2の犠牲層32のそれぞれの少なくとも選択された部分のエッチング及び/又は除去(図6E参照)を可能とすることを意図する通路又は通気口36を形成するようエッチングされ得る(図6D参照)。ここでも、機械的構造20a〜20d及び犠牲層30及び32の適切な設計と、エッチング処理パラメータの制御とにより、機械的要素20a〜20d周辺の層30の全て又は実質的に全てが除去され、それにより機械的要素20a〜20dがMEMS10の適切な動作を可能とするよう開放されるように、犠牲層30が十分にエッチングされることが可能となる(図6E参照)。
【0058】
機械的要素20a〜20dを開放した後、第2の封止層28bが堆積され、形成され及び/又は成長させられ得る(図6F参照)。第2の封止層28bの堆積、形成及び/又は成長の前、同時又は後に、フィールド領域22a2及びコンタクト経路38aの上に単結晶構造が堆積され、成長させられ、又は形成される。
【0059】
第2の封止層28bは、例えば、例えばエピタキシャル、スパッタリング又はCVDに基づく反応器(例えば、APCVD、LPCVD又はPECVD)を用いて堆積されたシリコン・ベースの素材(例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン、及び/又はシリコン・ゲルマニウム)であってよい。堆積、形成及び/又は成長は、形状適応性の処理によっても、非形状適応性の処理によってもよい。素材は、第1の封止層28aと同じであっても、違ってもよい。しかし、上記の通り、チャンバー26の「シール」を強化するために、第1の封止層28aと第2の封止層28bとを同一の素材を用いて形成することが好都合であり得る。
【0060】
第1の封止層28a及び第2の封止層28bの下にある素材及び/又は表面は、第1の封止層28a及び第2の封止層28bを堆積、形成及び/又は成長させるために用いられる技術とともに、下に在る素材の結晶構造を最初に決定し得ることに注意すべきである。例えば、所定のパラメータ・セットを有するエピタキシャル環境において、封止層28a及び/又は28bの単結晶構造は、「後退」方法で堆積、形成及び/又は成長する(図7A参照)。それに対し、他のパラメータ・セットを有する封止層28a及び/又は28bの単結晶構造は、「前進」方法で堆積、形成及び/又は成長する(図7B参照)。本明細書に記載された構造及び要素は、これらの又は他の方法で堆積され、形成され及び/又は成長させられてもよい。従って、単結晶構造を有する素材(例えば、フィールド領域22a1)の上に堆積され、形成され及び/又は成長させられた単結晶構造(例えば、フィールド領域22a2)は、採用される方法又は処理に関わらず、垂直方向に堆積、形成及び/又は成長するものとして図示される(例えば、図7C参照)。
【0061】
第2の封止層28bを構成する素材は、チャンバーがシール又は封止されるようチャンバー26の表面(例えば、機械的構造20a〜20dの表面)に渡り堆積、形成及び成長することに、更に注意するべきである。第2の封止層28bを堆積し、形成し及び/又は成長させる際、チャンバー26内の構造及び/又は表面の所望の統合を維持するよう注意する必要がある(例えば、図15参照)。
【0062】
また、図6G及び6Hのマイクロ機械加工された機械的構造12のその後の処理は、図4H及び4Iについて上に説明した処理と実質的に同じである。マイクロ機械加工された機械的構造12に関する、図4E及び4Fと組み合わされた上記の議論は、この一組の実施の形態に対して、包括的、全体的及び完全に適用可能である。簡潔にするために、説明を要約する。
【0063】
トレンチ46a及び46bがエッチングされ(図6G参照)、絶縁分離領域44a及び44bをそれぞれ形成するよう(図6H参照)、トレンチ46a及び46bの中に絶縁素材が堆積され得る。絶縁素材は、例えば、二酸化シリコン、窒化シリコン、BPSG、PSG,又はSOGであってよい。窒化シリコンは等方向に堆積され得るため、窒化シリコンを採用することが好都合であり得る。例えば二酸化シリコンと窒化シリコン、又は二酸化シリコンとシリコンのような複数層の絶縁素材を採用することも好都合であり得る。これにより、製造可能性の観点から適切な絶縁分離が提供される。更に、窒化シリコンは、MEMS10がCMOS集積回路を含む場合に、CMOS処理とも適合する。
【0064】
絶縁分離領域44a及び44bの形成後、「滑らかな」表面層及び/又は(実質的に)平坦な表面を提供するよう、マイクロ機械加工された機械的構造12を実質的に平坦化することが好都合であり得る。これにより、マイクロ機械加工された機械的構造12の露出された平坦な表面が、集積回路(例えば、CMOSトランジスタ)及び/又はマイクロ機械加工された機械的構造12が周知の製造技術及び装置を用いて上又は中に組み立てられ得るために準備された土台となり得る。
【0065】
図8A〜8Eについて、誘電分離領域44a及び44bは、絶縁領域44a及び44bの形成を可能とするための僅かに先細りであり得る(図8B参照)。更に、誘電分離領域44a及び44bは、例えば第1の素材44aa(例えば、二酸化シリコン、窒化シリコン、BPSG、PSG又はSOG)及び第2の素材44ab(例えば、多結晶シリコンのようなシリコン・ベースの素材)を含む複数の素材を含み得る。これにより、マイクロ機械加工された機械的構造12の表面(例えば図8Cから8D参照)に、限られた量の誘電体のみが露出され、絶縁材44aaによる電気的分離が提供される。
【0066】
図8A〜8Eの誘電分離領域44a及び44bは、本明細書に記載された任意のマイクロ機械加工された機械的構造12に採用され得ることに注意すべきである。簡潔にするために、マイクロ機械加工された機械的構造12の各実施の形態について図8A〜8Eに関する議論を繰り返すことはしない。
【0067】
もう1つの実施の形態において、通気口36とトレンチ46a及び46bとは、連続的に又は同時に形成され得る。1つの実施の形態において、図9Aに関して、封止層28aの「厚い」堆積が、堆積され、形成され、及び/又は成長させられ得る。上記の通り、第1の犠牲層30及び第2の犠牲層32の一部の除去を可能とするために、通気口36がエッチングされ得る(図9B参照)。通気口36は、第2の封止層により満たされ得る。その後、上記の通り、トレンチ46a及び46bがエッチングされ(図9C参照)、満たされ得る(図9D参照)。特に、上記の技術のうちの任意のものを用いて、チャンバー26が「シール」又は封止され(図9C参照)、誘電分離領域44a及び44bが形成され得る(図9D参照)。
【0068】
もう1つの実施の形態において、誘電分離領域44a及び44bは、MEMS10の集積回路組み立ての「バックエンド」を処理しながら形成又は完成され得る。その際、図10Aに関して、絶縁層48の堆積、形成及び/又は成長期間に、誘電分離領域44a及び44bを形成するようトレンチ46a及び46bがエッチングされ、満たされ得る。その後、コンタクト・プラグ38aを介したコンタクト領域24への電気的接続を可能とするよう、コンタクト開口領域50がエッチングされる(図10B参照)。次いで、コンタクト24への適切な電気的接続を提供するよう、低抵抗層52が堆積され得る(図10C参照)。
【0069】
そのため、図10A〜Cの実施の形態において、誘電分離領域44a及び44bに関する処理は、MEMS10の集積回路製造の「バックエンド」の絶縁及びコンタクト形成のステップと「結合」され得る。この点において、製造コストが低減され得る。
【0070】
図11A〜Dについて、もう一組の実施の形態において、第1の封止層28aは、透過性又は半透過性の物質(例えば、アモルファスのスパッタリングされたシリコン、又は多孔性CVDで及び/又はエピタキシャルに堆積された多結晶シリコン)であり得る。この一組の実施の形態において、層30及び32のエッチング又は除去の処理は、層28aを構成する透過性又は半透過性の物質を通して実行され得る。その後、第1の封止層28aの上に第2の封止層28b(例えば、多結晶シリコン)を堆積し、形成し、及び/又は成長させる際に、素材が、第1の層28aの孔に移動され、孔に充填され、及び/又は孔を塞ぎ得る。この状況において、第2の封止層28bの堆積、形成及び/又は成長期間に、チャンバー26内の構造の表面上には比較的少ない素材が堆積し得る。そのため、チャンバー26は、第1の封止層28aの上側の表面(即ち、堆積、形成及び/又は成長の処理に最初にさらされる表面)に向かって「シール」又は封止され得る。
【0071】
誘電分離領域44a及び44bの形成(図11C及び11D参照)に関する処理は、上記の任意の技術を採用し得る。簡潔にするために、繰り返しの説明は行わない。
エッチング処理期間に層30及び32が除去される際に除去又はエッチングされない素材40を、コンタクト領域24の上側の表面上に堆積及び形成することが好都合であり得ることに注意すべきである。それにより、開口34の隣又は近くに堆積された素材は除去されず、トレンチ46a及び46bの処理期間にエッチング・ストップとして機能し得る。例えば、層30及び/又は32は二酸化シリコンであってよく、素材40は窒化シリコンであってよい。
【0072】
1つの実施の形態において、透過性又は半透過性の素材が、0.1μm〜2μmの厚みを持つ、アモルファスのスパッタリングされたシリコン又は多孔質のCVD堆積された多結晶シリコンである場合、層30及び32のエッチング及び/又は除去後に、第2の封止層28bは、5μm〜25μmの厚さであり得る。
【0073】
図11Bを参照すると、第1の封止層28aを構成する素材は、また、稠密化され、それにより「閉じられ」て、チャンバー26は、アニール処理を用いて「シール」される。即ち、この実施の形態において、第1の犠牲層30及び第2の犠牲層32のエッチング後のマイクロ機械加工された機械的構造12の熱処理は、層28aの素材を稠密化させ、それによりチャンバー26をシール又は封止する。そのため、チャンバー26をシールするために第2の封止層28bは不必要であり得る。
【0074】
図12において、チャンバー26の封止処理は、3つ又はそれ以上の封止層を含み得る。第2の封止層28b及び第3の封止層28c(又はそれに続く/追加の層)は、チャンバー26を「シール」するよう堆積され、形成され、及び/又は成長させられ得る。特に、第2の封止層28bは、例えば、エピタキシャル、スパッタリング又はCVDに基づく反応器(例えば、APCVD、LPCVD又はPECVD)を用いて堆積された半導体素材(例えば、シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、又はゲルマニウム)又はメタル・ベアリング素材(例えば、ケイ素化合物又はTiW)であり得る。堆積、形成及び/又は成長は、形状適応性の処理によっても、非形状適応性の処理によってもよい。封止層28bを構成する素材は、第1の封止層28aと同じであっても、違ってもよい。
【0075】
その後、第3の封止層28cが堆積され、形成され、及び/又は成長させられる。第3の封止層28cは、チャンバー26を「シール」し、閉鎖し、又はより完全に「シール」或いは閉鎖し得る。第3の封止層28cの堆積、形成及び/又は成長は、封止層28a及び/又は28bと同じでも、実質的に同じでも、違っていてもよい。その際、第3の封止層28cは、例えば、半導体素材、絶縁素材(例えば、窒化シリコン又は酸化シリコン)、プラスチック(例えば、フォトレジスト又は低誘電率材料)又はメタル・ベアリング素材により構成され得る。第3の封止層28cは、例えば、エピタキシャル、スパッタリング又はCVDに基づく反応器(例えば、APCVD、LPCVD又はPECVD)を用いて堆積及び/又は形成され得る。堆積、形成及び/又は成長の処理は、形状適応性であっても非形状適応性であってもよい。
【0076】
封止層28c(例えば図12参照)は、例えば、より平坦な平面、その後の処理のためのエッチング・ストップ層、絶縁層、グラウンド面、パワー面を提供し、及び/又はチャンバー26の「シール」を強化して、それにより流体42の拡散の障壁を強化するために、堆積され、形成され及び/又は成長させられ得ることに更に注意すべきである。
【0077】
封止層28cは、目的又は機能に応じて、例えば、半導体素材(例えば、多結晶シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、又はゲルマニウム)、絶縁素材(例えば、二酸化シリコン、窒化シリコン、BPSG、PSG、又はSOG)又はメタル・ベアリング素材(例えば、ケイ素化合物)であり得る。封止層28cは、例えば、エピタキシャル、スパッタリング又はCVDに基づく反応器(例えば、APCVD、LPCVD又はPECVD)を用いて堆積され、形成され又は成長させられ得る。堆積、形成及び/又は成長は、形状適応性の処理によっても、非形状適応性の処理によってもよい。封止層28cを構成する素材は、他の封止層と同じであっても、違ってもよい。
【0078】
3つ又はそれ以上の層を用いる封止処理が、本明細書に説明及び図示された任意のマイクロ機械加工された機械的構造12に適用され得る。簡潔にするため、マイクロ機械加工された機械的構造12の個々の実施の形態について、図12に関する議論を繰り返すことはしない。
【0079】
チャンバー26内の環境(例えば、気体の圧力又は蒸気の圧力)は、機械的構造20a〜20dに対する機械的ダンピングをある程度決定する。その際、チャンバー26は、チャンバー26内に「閉じ込め」られ、「シール」され、及び/又は含まれる流体42を含む。チャンバー26内の流体42の状態(例えば、圧力)は、従来技術を用いて、及び/又は、2003年3月20日に出願され「制御された雰囲気を有する電気機械的システム及びその製造方法」という名称を有する特許出願第10/392、528号(以後、「制御された雰囲気を有する電気機械的システムの特許出願」と呼ぶ)に説明及び図示された技術を用いて決定され得る。
【0080】
制御された雰囲気を有する電気機械的システムの特許出願に説明及び図示された発明は、本明細書に説明及び図示された任意の及び全ての発明とともに実現され得る。例えば、上記の封止技術は、チャンバー内の選択された、所望の及び/又は所定の状態を有する流体を閉じ込め及び/又はシールするために、制御された雰囲気を有する電気機械的システムの特許出願に説明された技術とともに実現され得る。この方法において、流体は、チャンバー内の機械的構造に対して、所望の、所定の、適切な、及び/又は選択された機械的ダンピングを提供する。
【0081】
もう1つの例として、制御された雰囲気を有する電気機械的システムの特許出願は、1つ又はそれ以上の電気機械的システム(例えば、ジャイロスコープ、共振器、温度センサ及び/又は加速度計)を含む複数のモノリシックに統合されたマイクロ機械加工された機械的構造を含むMEMSを説明する。図13Aを参照すると、1つの実施の形態において、MEMS10は、基板14上にモノリシックに統合された、又は基板14内に配置された複数のマイクロ機械加工された機械的構造12a〜12cを含む。個々のマイクロ機械加工された機械的構造12a〜12cは、チャンバー26a〜26dに配置された1つ又はそれ以上の機械的構造20a〜20p(明瞭にするため、その一部のみに番号を付す)を含む。
【0082】
特定の実施の形態において、チャンバー26a〜26dは、上記の技術を用いてシール又は封止される。チャンバー26a〜26dは、同一又は実質的に同一の方法で、或いは、異なる技術を用いて、シール又は封止され得る。このようにして、複数の構造12a〜12dは、機械的構造20a〜20pに対して、同一、実質的に同一、異なる、又は実質的に異なる所望の、所定の、適切な、及び/又は選択された機械的ダンピングを提供する方法で製造され得る。
【0083】
実際に、少なくとも1つの実施の形態において、構造12cは、複数のチャンバー即ち、それぞれが流体42c及び42dを含むチャンバー26c及び26dを含み得る。チャンバー22c及び22dは、流体42c及び42dがそれぞれ、同一又は実質的に同一の選択された、所望の及び/又は所定の状態に維持される方法でシール又は封止され得る。そのため、この実施の形態において、流体42c及び42dは、機械的構造20h〜20k及び20l〜20pのそれぞれに対して、同一又は実質的に同一である所望の、所定の、適切な及び/又は選択された機械的ダンピングを提供し得る。
【0084】
代わりに、少なくとももう1つの実施の形態において、チャンバー26c及び26dは、流体24c及び24dがそれぞれ、異なる又は実質的に異なる選択された、所望の、及び/又は所定の状態でチャンバー26c及び26dに「閉じ込め」られ、「シール」され、保持され、及び/又は含まれるよう、異なる方法でシール又は封止され得る。この実施の形態において、チャンバー26c及び26dは、異なる処理技術、異なる処理条件及び/又は異なる素材(例えば、気体又は蒸気)を用いて「シール」され得る。そのため、封止後に、流体42c及び42dは、機械的構造20h〜20k及び20l〜20pのそれぞれに対して、異なる又は実質的に異なる機械的ダンピング特性を提供する。このように、マイクロ機械加工された機械的構造12cは、最適な、所定の、所望の運転のために異なる又は実質的に異なる機械的ダンピング特性を必要とする、異なる電気機械的システム(例えば、ジャイロスコープ、共振器、温度センサ及び加速度計)を含み得る。
【0085】
簡潔にするために、制御された雰囲気を有する電気機械的システムの特許出願に説明及び図示された全ての発明を、本明細書で繰り返すことはしない。しかし、例えば、全ての発明の特徴、属性、代替手段、素材、技術及び利点を含む、制御された雰囲気を有する電気機械的システムの特許出願の全内容は、参照により本明細書に援用されることに注意すべきである。
【0086】
上記の通り、一組の実施の形態において、モノリシック構造は、共通基板の上又は中に統合された、機械的構造12及びデータ処理電子機器16及び/又はインターフェース回路18を含み得る。図14A〜14Eを参照して、MEMS10は、構造20a〜20d及びコンタクト領域24を有するマイクロ機械加工された機械的構造12、並びに、フィールド領域22に配置された集積回路54を含むデータ処理電子機器16を含む。上記の通り、機械的構造20a〜20d(及びコンタクト24)は、例えば単結晶物質(図14、14B及び14E)又は多結晶物質(図14C及び14D)から形成され得る。更に、コンタクト経路38は、また、例えば、主に単結晶素材(図14B及び14E)又は主に多結晶素材(図14A、14C及び14D)から形成され得る。
【0087】
機械的構造12は、低抵抗層52を介して集積回路54と電気的に接続され得ることに注意すべきである。集積回路54は、従来技術を用いて製造され得る。
特に、コンタクト24が集積回路54により直接アクセスされる例において、抵抗の低い電気的経路を設けることが好都合であり得る。絶縁層48は、コンタクト領域24との相互接続を提供又は促進するよう堆積され、形成され、及び/又は成長させられ、並びにパターン化され得る。その後、低抵抗層52(例えば、不純物を多量に添加されたポリシリコン、又は、アルミニウム、クロム、金、銀、モリブデン、プラチナ、パラジウム、タングステン、チタン、及び/又は銅のような金属)が形成される。
【0088】
本明細書には、多くの発明が説明及び図示され得る。本発明の特定の実施の形態、特徴、素材、構成、属性及び利点が説明及び図示されたが、本発明の多くの他の、異なる及び/又は同様の実施の形態、特徴、素材、構成、属性、構造及び利点が詳細な説明、図面及び特許請求の範囲から明らかであることが理解されるべきである。そのため、本明細書に説明及び図示された本発明の実施の形態、特徴、素材、構成、属性、構造及び利点は、網羅的なものではなく、本発明のそのような他の、同様の及び異なる実施の形態、特徴、素材、構成、属性、構造及び利点が、本発明の特許請求の範囲に含まれることが理解されるべきである。
【0089】
例えば、本明細書に図示及び説明された任意の及び全ての実施の形態は、垂直及び/又は横方向に積み重ねられ又は相互接続された複数層の機械的構造、コンタクト領域及び埋め込み型コンタクトを含み得る(例えば、図13B、13C及び13Dのマイクロ機械加工された機械的構造12参照)。更に、単一の層及び複数の層の機械的構造は、それ自体が、垂直及び/又は横方向に積み重ねられ又は相互接続され得る(例えば、図13Aのマイクロ機械加工された機械的構造12b参照)。更に、結果としてのマイクロ機械加工された機械的構造12は、共通基板14上で集積回路54と統合され得る。集積回路54に関するマイクロ機械加工された機械的構造12の任意の垂直及び/又は横方向の位置は、適切であり得る。
【0090】
加えて、トレンチ46a及び46bの中に絶縁素材を堆積させるよりも、コンタクト領域と周囲の導電素材との間の接合分離を形成又は作成する、反対に添加された素材を堆積させるほうが好都合であり得ることに注意すべきである。その際、トレンチ46a及び46bの中に堆積された素材は、第1の封止層28a及び/又は第2の封止層28bにおける不純物と反対の導電性を有する不純物を添加され得る。例えば、第1の封止層28aはホウ素を添加され、トレンチ46a及び46bの中に堆積される素材はリンを添加され得る。このように、シール処理又は封止処理の完成に際して、電気的コンタクト領域24を囲む接合領域は、コンタクト領域24を例えばフィールド領域22bから電気的に「分離」するよう形成される。
【0091】
その後、もう一組の実施の形態において、マイクロ機械加工された機械的構造12は、例えば研磨技術(例えば、化学的機械的研磨(「CMP」))を用いて実質的に平坦化され得る。この際、コンタクト経路38が、反対に添加された素材により電気的に分離されるよう、封止層の上に形成されるトレンチ46a及び46bを満たすために利用された素材の層を除去することが好都合であり得る。
【0092】
更に、図15について、第2の又はその後の封止層(例えば、第2の封止層28b)を構成する素材が、シール又は封止されたチャンバー26内の構造の選択された表面(例えば、機械的構造20a〜20d及びフィールド領域22a及び22d)に渡って堆積され、形成され、又は成長する場合に、更なる素材の堆積、形成又は成長を補償するよう機械的構造20a〜20dを設計及び製造することが好都合であり得る。機械的構造20a〜20dの表面上の更なる素材28b’の厚みは、通気口36の幅又は直径とほぼ等しくなり得る。そのため、一組の実施の形態において、そのような追加の素材28b’を含む機械的構造20a〜20dの設計(例えば、厚み、高さ、幅、及び/又は、チャンバー36内の他の構造との横方向及び/又は垂直の関係)と、最終的な構造を提供するための機械的構造20a〜20dの製造とは、少なくとも2つのステップを含む。即ち、当初の寸法に従って機械的構造20a〜20dを製造する(例えば、図4A及び4Bについて上記された)第1のステップと、例えば第2の封止層28b及びその後の封止層である少なくとも1つの封止層の堆積、形成又は成長の結果としての素材28b’の堆積、形成又は成長を含む第2のステップとである。
【0093】
特許請求の範囲における「堆積する」との用語及びその他の形(即ち、堆積、及び堆積された)は、他のものと合わせて、例えば反応器(例えば、エピタキシャル、スパッタリング又はCVDに基づく反応器(例えば、APCVD、LPCVD又はPECVD))を用いた素材層の堆積、作成、形成及び/又は成長を意味する。
【0094】
更に、特許請求の範囲において、「コンタクト」という用語は、コンタクト領域及び/又はコンタクト経路のような、部分的又は全体的にチャンバーの外側に配置された導電領域を意味する。
【0095】
最後に、マイクロ機械構造又は要素を含むマイクロ電気機械システムの文脈で本発明を説明したが、本発明はこれに限定されないことに更に注意すべきである。むしろ、本明細書に説明された発明は、例えばナノ電子機械システムを含む他の電気機械的システムに適用可能である。従って、本発明は、機械部品を一般的にマイクロ電子機器に適合するサイズに縮小する、リソグラフ及び他の精密製造技術のような製造技術に従って作られた、例えばジャイロスコープ、共振器、温度センサ、及び加速度計のような電気機械的システムに関する。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】図1は、インターフェース回路及びデータ処理電子機器と組み合わせて基板上に配置されたマイクロ電気機械システムのブロック図である。
【図2】図2は、コンタクト領域及びフィールド領域と組み合わされた、マイクロ機械構造の一部、即ち例えば加速度計の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの一部の平面図である。
【図3】図3は、本発明の特定の態様に従う、図2の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの一部、コンタクト領域及びフィールド領域の(図2の点線a−aに沿って切断された)断面図を示す。
【図4A】図4Aは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図4B】図4Bは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図4C】図4Cは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図4D】図4Dは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図4E】図4Eは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図4F】図4Fは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図4G】図4Gは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図4H】図4Hは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図4I】図4Iは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図5】図5は、本発明の特定の態様に従う、図3のマイクロ構造の更なる組み立て処理の断面図を示す。
【図6A】図6Aは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図6B】図6Bは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図6C】図6Cは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図6D】図6Dは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図6E】図6Eは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図6F】図6Fは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図6G】図6Gは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図6H】図6Hは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図7A】図7Aは、他の事柄とともに、非形状適応性及び形状適応性の堆積、成長及び/又は形成技術を用いた単結晶構造の成長のより代表的な図の断面図を示す。
【図7B】図7Bは、他の事柄とともに、非形状適応性及び形状適応性の堆積、成長及び/又は形成技術を用いた単結晶構造の成長のより代表的な図の断面図を示す。
【図7C】図7Cは、他の事柄とともに、非形状適応性及び形状適応性の堆積、成長及び/又は形成技術を用いた単結晶構造の成長のより代表的な図の断面図を示す。
【図8A】図8Aは、本発明の特定の態様に従って、分離トレンチを含むマイクロ構造の断面図を示す。
【図8B】図8Bは、本発明の特定の態様に従って、分離トレンチを含むマイクロ構造の断面図を示す。
【図8C】図8Cは、本発明の特定の態様に従って、分離トレンチを含むマイクロ構造の断面図を示す。
【図8D】図8Dは、本発明の特定の態様に従って、分離トレンチを含むマイクロ構造の断面図を示す。
【図8E】図8Eは、本発明の特定の態様に従って、分離トレンチを含むマイクロ構造の断面図を示す。
【図9A】図9Aは、本発明の他の態様に従う、点線a−aで切断された図2の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの組み立ての一部を示す。
【図9B】図9Bは、本発明の他の態様に従う、点線a−aで切断された図2の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの組み立ての一部を示す。
【図9C】図9Cは、本発明の他の態様に従う、点線a−aで切断された図2の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの組み立ての一部を示す。
【図9D】図9Dは、本発明の他の態様に従う、点線a−aで切断された図2の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの組み立ての一部を示す。
【図10A】図10Aは、本発明の他の態様に従う、点線a−aで切断された図2の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの組み立ての一部を示す。
【図10B】図10Bは、本発明の他の態様に従う、点線a−aで切断された図2の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの組み立ての一部を示す。
【図10C】図10Cは、本発明の他の態様に従う、点線a−aで切断された図2の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの組み立ての一部を示す。
【図11A】図11Aは、第1の封止層が透過性素材である場合の、マイクロ構造の様々な処理段階における組み立ての断面図を示す。
【図11B】図11Bは、第1の封止層が透過性素材である場合の、マイクロ構造の様々な処理段階における組み立ての断面図を示す。
【図11C】図11Cは、第1の封止層が透過性素材である場合の、マイクロ構造の様々な処理段階における組み立ての断面図を示す。
【図11D】図11Dは、第1の封止層が透過性素材である場合の、マイクロ構造の様々な処理段階における組み立ての断面図を示す。
【図12】図12は、3つ又はそれ以上の封止層を有する本発明のもう1つの態様に従う、点線a−aで切断された図2の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイ・マイクロ構造の断面図を示す。
【図13A】図13Aは、本発明の特定の態様に従って、MEMSの基板の上又は中にモノリシックに統合された1つ又はそれ以上の電気機械システムをそれぞれ有する複数のマイクロ機械構造の一部の断面図を示す。
【図13B】図13Bは、本発明の特定の態様に従って、MEMSの基板の上又は中にモノリシックに統合された複数のマイクロ構造を有するマイクロ機械構造の一部の断面図を示す。
【図13C】図13Cは、本発明の特定の態様に従って、MEMSの基板の上又は中にモノリシックに統合された複数のマイクロ構造を有するマイクロ機械構造の一部の断面図を示す。
【図13D】図13Dは、本発明の特定の態様に従って、MEMSの基板の上又は中にモノリシックに統合された複数のマイクロ構造を有するマイクロ機械構造の一部の断面図を示す。
【図14A】図14Aは、いずれも共通基板の上に配置又は統合された、マイクロ機械加工された機械的構造部と、集積回路部とを含む本発明の特定の態様に従うMEMSの断面図を示す。
【図14B】図14Bは、いずれも共通基板の上に配置又は統合された、マイクロ機械加工された機械的構造部と、集積回路部とを含む本発明の特定の態様に従うMEMSの断面図を示す。
【図14C】図14Cは、いずれも共通基板の上に配置又は統合された、マイクロ機械加工された機械的構造部と、集積回路部とを含む本発明の特定の態様に従うMEMSの断面図を示す。
【図14D】図14Dは、いずれも共通基板の上に配置又は統合された、マイクロ機械加工された機械的構造部と、集積回路部とを含む本発明の特定の態様に従うMEMSの断面図を示す。
【図14E】図14Eは、いずれも共通基板の上に配置又は統合された、マイクロ機械加工された機械的構造部と、集積回路部とを含む本発明の特定の態様に従うMEMSの断面図を示す。
【図15】図15は、マイクロ構造の上に堆積された第2の封止層を含むマイクロ構造を有する、マイクロ機械加工されたマイクロ機械構造の一部の断面図を示す。
【技術分野】
【0001】
背景
本発明は、電気機械システム、及びマイクロ電気機械システム並びにナノ電気機械システムの製造技術に関する。より詳細には、本発明は、1つの態様において、共通基板上に高性能集積回路とともにマイクロ電気機械システム及びナノ電気機械システムを組立て又は製造する方法に関する。
【0002】
例えばジャイロスコープ、共振器及び加速度計などのマイクロ電気機械システム(「MEMS」)は、マイクロ機械加工技術(例えば、リソグラフ又は他の精密製造技術)を利用して、一般にマイクロ電子機器に匹敵する規模まで機械部品を縮小する。MEMSは、典型的に、例えば、マイクロ機械加工技術を用いてシリコン基板から又はシリコン基板上に組み立てられた機械的構造を含む。
【0003】
機械的構造は、典型的に、チャンバーに封入される。精巧な機械的構造は、例えば、密閉シールされた金属容器(例えばTO−8「カン」。例えば米国特許第6、307、815号参照)に封入され、又は、機械的構造を収納し、収容し又は覆うチャンバーを有する半導体基板又はガラス状の基板に結合される(例えば、米国特許第6、146、917号、第6、352、935号、第6、477、901号及び第6、507、082号参照)。密閉シールされた金属容器を利用する場合、上又は中に機械的構造が存在する基板は、金属容器内に置かれ、又は金属容器に貼り付けられ得る。密閉シールされた金属容器は、また、一次包装としても役立つ。
【0004】
半導体基板又はガラス状の基板のパッケージング技術において、機械的構造の基板は、他の基板に結合され得る。それにより、結合された基板は、機械的構造が入るチャンバーを形成する。この場合、機械的構造の動作環境が制御され、構造そのものが例えば不慮の接触から保護され得る。2つの結合された基板は、MEMSの一次包装であってもなくてもよい。
【0005】
密閉シールされた金属容器、又は結合された半導体基板或いはガラス状の基板を機械構造の保護に利用するMEMSは、同一基板上の高性能集積回路とコスト効率的に統合することが難しい傾向を有する。その際、高性能集積回路を統合するために必要とされる追加の処理は、機械的構造を損傷又は破壊する傾向がある。
【0006】
精巧な機械的構造を保護するチャンバーを形成する他の技術は、マイクロ機械加工技術を利用する。(例えば、国際特許出願公開第WO 01/77008A1号及び第WO 01/77009A1号参照)。この場合、機械的構造は、従来技術(即ち、低温技法(LTO)、テトラエチルオキシレン(TEOS)又はそれに類するものを用いた酸化)を用いて堆積又は形成された従来の酸化物(SiO2)を用いてチャンバーに封入される(例えば、第WO 01/77008A1号の図2−4参照)。この技法を実施する場合、機械的構造は、集積回路とともにパッケージング及び/又は統合される前に、封入される。
【0007】
MEMSの機械的構造を封入するために従来の酸化物を利用することは、密閉シールされた金属容器、又は結合された半導体基板或いはガラス状の基板を利用するのに比べて有利であり得る。従来技術を用いて堆積される従来の酸化物は、例えばコーナー又は段差(即ち、その下の表面における重大な空間遷移)において、高い引張応力を示すことが多い。更に、そのような酸化物は、たいていの場合、その下の表面が重要な空間遷移を示す領域を上手くカバーしない方法で形成又は堆積される。加えて、(従来技術を用いて堆積された)従来の酸化物は、たいていの場合に、機械的構造が封入され動作を指示される環境として真空が望ましい場合に、不十分な真空を提供する。これらの欠点は、MEMSの完全性及び/又は性能に影響し得る。
【0008】
更に、従来技術を用いて堆積された従来の酸化物は、封止処理期間に機械的構造の上に被膜を生成し得る。この被膜は、機械的構造の完全性に影響を与え、そのために、MEMSの性能又は運動特性(例えば、共振器の動作特性)に影響を与え得る。
【0009】
他の事項とともに、(1)従来の素材及び技術の1つ、幾つか又は全ての欠点を克服し、及び/又は(2)共通基板上で、高性能集積回路及び/又は更なるMEMSと効果的に統合されるMEMS(例えば、ジャイロスコープ、共振器、温度センサ及び/又は加速度計)に対する要望が存在する。
【0010】
発明の概要
本明細書には、多数の発明が説明及び例示される。第1の主な態様において、本発明は、チャンバー内に配置された機械的構造を有する電気機械的装置のチャンバーをシールする方法である。装置は、また、部分的又は全体的にチャンバーの外側に配置されたコンタクト(即ち、コンタクト領域及び/又はコンタクト経路のような導電領域)を含む。該方法は、機械的構造の少なくとも一部の上に犠牲層を堆積させるステップと、該犠牲層の上に第1の封止層(例えば、多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム又はヒ化ガリウム)を堆積させるステップとを含む。第1の封止層を通る少なくとも1つの通気口が形成され、チャンバーを形成するために犠牲層の少なくとも一部が除去される。その後、チャンバーをシールするよう、第2の封止層が通気口の上又は中に設けられる。第2の封止層は、半導体素材(例えば、多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、ゲルマニウム、又はヒ化ガリウム)である。
【0011】
本発明のこの態様の方法は、コンタクトの周りにトレンチを形成するステップを含む。トレンチの中には絶縁素材(例えば、二酸化シリコン又は窒化シリコン)が堆積されて、隣接する誘電領域からコンタクトを電気的に分離する。1つの実施の形態において、トレンチは、コンタクトを電気的に分離するよう、コンタクトを囲む。
【0012】
該方法は、更に、トレンチの少なくとも一部の上に絶縁層を堆積させるステップと、その後に、コンタクトに対する電気的接続を提供するためにコンタクトの上及び絶縁層の上に極めて導電性の高い素材を堆積させるステップとを備え得る。1つの実施の形態において、絶縁素材を堆積させるステップの後でトレンチの中に半導体素材が堆積され得る。
【0013】
もう1つの主要な態様において、本発明は、コンタクトとチャンバー内に存在する機械的構造とを有する電気機械的装置の製造方法である。チャンバーは、機械的構造に対する機械的ダンピングを提供する圧力を有する流体を含み得る。該方法は、機械的構造の上に(例えば、多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、ゲルマニウム又はヒ化ガリウムのような半導体素材からなる)第1の封止層を堆積させるステップを含み得る。その後、第1の封止層に少なくとも1つの通気口が形成され、チャンバーが形成される。その後、(例えば、多結晶シリコン、多孔性多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、ゲルマニウム又はヒ化ガリウムのような半導体素材からなる)第2の封止層が、チャンバーをシールするために通気口の上又は中に堆積される。
【0014】
該方法は、更に、コンタクトの少なくとも一部の周りにトレンチを形成するステップであって、コンタクト及びトレンチがチャンバーの外に配置されるステップを含む。その後、第1の素材(例えば、窒化シリコン又は二酸化シリコン)がトレンチの中に堆積されて、コンタクトを電気的に分離する。トレンチは、コンタクトを取り囲み、コンタクトを電気的に分離し得る。
【0015】
1つの実施の形態において、第1の素材の堆積後に、第2の素材がトレンチの中に堆積され得る。第2の素材は、半導体素材であり得る。
もう1つの実施の形態において、第1の封止層の第1の部分は単結晶シリコンで構成され、第2の部分は多結晶シリコンで構成され得る。この実施の形態において、第2の封止層の表面は、第1の封止層の第1の部分を露出するよう平坦化され得る。その後、第1の封止層の第1の部分の上に単結晶シリコンが成長させられ得る。
【0016】
該方法は、更に、トレンチの少なくとも一部の上に絶縁層を堆積させるステップと、その後に、コンタクトへの電気的接続を提供するために、コンタクトの上及び絶縁層の上に極めて導電性の高い素材を堆積させるステップとを含み得る。1つの実施の形態において、絶縁素材を堆積させるステップの後に、半導体素材がトレンチの中に堆積され得る。
【0017】
もう1つの主要な態様において、本発明は、少なくとも1つの通気口と、少なくとも一部がチャンバー内に配置される機械的構造とを有する第1の封止層(例えば、多結晶シリコン、多孔性多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、窒化シリコン又は炭化シリコン)を含むチャンバーを備える電気機械的装置である。該電気機械的装置は、また、通気口の上又は中に堆積することによりチャンバーをシールする半導体素材(例えば、多結晶シリコン、多孔性多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、ゲルマニウム、又はヒ化ガリウム)からなる第2の封止層を含む。
【0018】
本発明のこの態様の電気機械的装置は、コンタクト(少なくとも部分的にチャンバーの外に置かれる)と、トレンチとを含む。トレンチは、コンタクトの少なくとも一部の周りに置かれ、コンタクト及びトレンチはチャンバーの外に置かれる。トレンチは、コンタクトを周囲の誘電素材から電気的に分離するようトレンチの中に配置された第1の素材(例えば、二酸化シリコン及び/又は窒化シリコンのような絶縁素材)を含む。
【0019】
1つの実施の形態において、第1の素材は、トレンチの少なくとも外側の表面に配置された絶縁素材であり、第2の素材は、トレンチの中央部に配置される。第2の素材は半導体素材であり得る。
【0020】
もう1つの実施の形態において、トレンチは、例えば窒化シリコン又は二酸化シリコンからなるエッチング・ストップ領域の上に配置される。
本発明のこの態様の装置は、第1の封止層の単結晶シリコンからなる第1の部分と、多結晶シリコンからなる第2の部分とを含み得る。加えて、本発明は、チャンバーの外及び上に配置される、単結晶シリコンからなるフィールド領域を含み得る。
【0021】
1つの実施の形態において、第1の封止層の第1の部分は単結晶シリコンからなり、第2の部分は多孔性シリコン又はアモルファス・シリコンからなり得る。この実施の形態において、第1の封止層の第2の部分にかぶさる第2の封止層は、多結晶シリコンである。
【0022】
以下の詳細な説明において、添付の図面を参照する。これらの図面は、本発明の様々な態様を示し、適切な場合に、異なる図面において類似の構造、部品、素材及び/又は要素を示す参照番号に、同様の符号が付けられる。構造、部品、素材及び/又は要素の特に示された以外の様々な組合せが企図され、本発明の範囲に含まれることが理解される。
【0023】
詳細な説明
本明細書には、多数の発明が説明及び図示され得る。1つの態様において、本発明は、装置の最終的なパッケージング及び/又は完成の前にチャンバーに封入される機械的構造を有するMEMS装置、及びMEMS装置を組み立て又は製造する技術を目的とする。機械的構造を封止する素材は、1つ又はそれ以上の以下の属性を含み得る。即ち、引張応力が低いこと、良好なステップカバレージを有すること、その後の処理がなされた場合にも完全性を維持すること、チャンバー内の機械的構造(堆積、形成及び/又は成長の期間に素材でコーティングされた場合)の性能特性に大きな及び/又は悪い影響を与えないこと、動作状況及び/又は時間を通して設計された相応の、及び/又は適切な封止特性を維持すること、及び/又は、高性能集積回路との統合を促進することである。1つの実施の形態において、機械的構造は、例えばシリコン(例えば、不純物を添加した又はしていない、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファス・シリコン又は多孔性多結晶シリコン)、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム、炭化シリコン又はヒ化ガリウムのような半導体素材、或いはそれらの組合せにより封止される。そのような素材は、MEMSの典型的な動作状況及び寿命を通じて、1つ又はそれ以上の以下の属性を保持し得る。
【0024】
図1に関し、1つの例としての実施の形態において、MEMS10は、例えば不純物を添加されていない半導体のような素材、ガラスのような素材、又は絶縁体のような素材である基板14上に配置された、マイクロ機械加工された機械的構造12を含む。MEMS10は、また、マイクロ機械加工された機械的構造12により生成された情報を処理及び分析し、或いは、マイクロ機械加工された機械的構造12を制御又は監視するデータ処理電子機器16を含み得る。更に、MEMS10は、また、マイクロ機械加工された機械的構造12及び/又はデータ処理電子機器16から、例えばコンピュータ、インジケータ/ディスプレイ、及び/又はセンサのような外部装置(図示せず)に情報を提供するインターフェース回路18を含み得る。
【0025】
データ処理電子機器16及び/又はインターフェース回路18は、基板14の中又は上に統合され得る。この場合、MEMS10は、機械的構造12、データ処理電子機器16及びインターフェース回路18を含むモノリシック構造であり得る。データ処理電子機器16及び/又はインターフェース回路18は、形成後に基板14に又は基板14の上に結合される別個の分離した基板上にあってもよい。
【0026】
図2に関して、1つの実施の形態において、マイクロ機械加工された機械的構造12は、基板14の上、上方及び/又は中に配置された機械的構造20a〜20dを含む。機械的構造20a〜20dは、例えばシリコン、ゲルマニウム、炭素のような周期律表第4列の素材、及びシリコン・ゲルマニウム又は炭化シリコンのようなそれらの組合せにより構成され得る。機械的構造20a〜20dは、また、例えばリン化ガリウム、リン化アルミニウム・ガリウムのような第3族〜第5族の化合物、或いは他の第3族〜第5族の組合せにより、また、例えば窒化シリコン、酸化シリコン、炭化アルミニウム又は酸化アルミニウムのような第3族、第4族、第5族又は第6族の物質の組合せにより、また、例えばニッケル・シリサイド、コバルト・シリサイド、炭化タングステン、又はプラチナ・ゲルマニウム・シリサイドのようなメタリック・シリサイド、ゲルマナイド及び炭化物により、また、リン、ヒ素、アンチモニー、ホウ素を含む不純物を添加された変形物、或いはアルミニウムを添加したシリコン、ゲルマニウム又は炭素、或いはシリコン・ゲルマニウムのようなの組合せにより構成され得る。機械的構造20a〜20dは、また、例えば単結晶、多結晶、ナノ結晶又はアモルファスを含む様々な結晶構造を有する素材、並びに、例えば単結晶及び(不純物を添加された又はされない)多結晶構造の部分のような結晶構造の組合せにより構成され得る。
【0027】
更に、マイクロ機械加工された機械的構造12は、加速度計、ジャイロスコープ又は他のトランスデューサ(例えば、圧力センサ、歪センサ、接触センサ、磁気センサ及び/又は温度センサ)或いは共振器であってもよい。マイクロ機械加工された機械的構造12は、また、1つ又はそれ以上の加速度計、ジャイロスコープ、圧力センサ、接触センサ及び温度センサを含む複数のトランスデューサ又はセンサの機械的構造を含み得る。マイクロ機械加工された機械的構造12が加速度計である場合、機械的構造20a〜20dは、加速度計の感知特性を構成する互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの一部であり得る(例えば、米国特許第6、122、984号参照)。
【0028】
更に図2を参照して、フィールド領域22及びコンタクト領域24もまた、基板14の上又は中に配置される。フィールド領域22は、データ処理電子機器16及び/又はインターフェース回路18の電子・電気部品又は集積回路(例えば、トランジスタ、レジスタ、キャパシタ、インダクタ、及び他の受動又は能動素子)に対する基板素材を提供し得る。コンタクト領域24は、マイクロ機械加工された機械的構造12とデータ処理電子機器16、インターフェース回路18及び/又は外部装置(図示せず)との間の電気的経路を提供し得る。フィールド領域22及びコンタクト領域24は、例えば、(不純物を添加された又はされていない)シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム、炭化シリコン、ヒ化ガリウム、及びそれらの組合せから構成され得る。
【0029】
図3は、本発明の1つの実施の形態に従う、機械的構造20a〜20dを含むマイクロ機械加工された機械的構造12の、直線a−a’に沿った断面図を示す。機械的構造20a〜20dは、チャンバー26内に配置される。1つの実施の形態において、チャンバー26は、封止層28a及び28bによりシール又は封止される。
【0030】
封止層28a及び28bは、例えば、半導体により構成され得る。1つの実施の形態において、封止層28a及び28bは、シリコン(例えば、不純物を添加された又はされない、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファス・シリコン又は多孔性多結晶シリコン)、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム、炭化シリコン及びヒ化ガリウム(及びそれらの組合せ)を含み得る。封止層28a及び28bは、同一の物質であっても、異なる物質であってもよい。
【0031】
封止層28a及び28bは、同一の又は異なる技術を用いて堆積され、形成され及び/又は成長させられ得る。例えば、封止層28aは、(チューブ又はEPI反応器内における)減圧(「LP」)化学気相成長(「CVD」)法、又はプラズマ利用(「PE」)CVD法を用いて堆積された多結晶シリコンであり、封止層28bは、常圧(「AP」)CVD法を用いて堆積された、不純物を添加した多結晶シリコンであり得る。代わりに、例えば、封止層28aは、LPCVD法を利用して堆積されたシリコン・ゲルマニウムであり、封止層28bは、PECVD法を用いて堆積された、不純物を添加した多結晶シリコンであり得る。実際に、チャンバー26を封止するための全ての半導体素材並びに堆積技術、及びそれらの置換は、現時点で知られているものであっても、後に開発されるものであっても、本発明の範囲に含まれることが意図される。
【0032】
1つ又はそれ以上のトランスデューサ又はセンサの機械的構造(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、圧力センサ、接触センサ及び/又は温度センサ)は、単一のチャンバーに含まれ、又は単一のチャンバー内にあって、チャンバー内の環境にさらされることに注意すべきである。この状況において、チャンバー26に含まれる環境は、1つ又はそれ以上のマイクロ機械加工された機械的構造(例えば、加速度計、圧力センサ、接触センサ及び/又は温度センサ)の機械的構造に対する機械的ダンピングを提供する。
【0033】
その上、1つ又はそれ以上のトランスデューサ又はセンサの機械的構造は、それ自体が、垂直及び/又は横方向に積み重ねられた又は相互接続された複数の層を含み得る(例えば、図13Aのマイクロ機械加工された機械的構造12b、図13B及び13Cのマイクロ機械加工された機械的構造12、及び、図13Dの機械的構造20a及び20b、コンタクト領域24a及び24b、及び埋め込み型コンタクト24’及び24’’を参照)。従って、この状況において、機械的構造は、垂直及び/又は横方向に積み重ねられた及び/又は相互接続された複数の層を提供する1つ又はそれ以上の処理ステップを用いて組み立てられる。
【0034】
本発明の1つの態様において、マイクロ機械加工された機械的構造12のコンタクト領域24は、近くの導電領域(例えば、第2の封止層28b及び/又はフィールド領域(図示せず))から電気的に分離される。更に図3において、マイクロ機械加工された機械的構造12は、トレンチ46a及び46bの中に配置された絶縁素材を含む誘電体分離領域44a及び44bを含む。誘電体分離領域44a及び44b(及びトレンチ46a及び46b)は、コンタクト24を任意の近くの導電領域から電気的に分離するようコンタクト24を囲み得る。
【0035】
図4A及び4Bに関して、本発明に従ってマイクロ機械加工された機械的構造12を組み立て又は製造する例としての方法は、例えば二酸化シリコン又は窒化シリコンである第1の犠牲層30上に配置された機械的構造20a〜20d及びコンタクト領域24を含む、SOI基板に部分的に形成されたデバイスで始まり得る。機械的構造20a〜20d及びコンタクト領域24は、周知の堆積、リソグラフ、エッチング及び/又はドーピング技術を用いて、周知の素材(例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム、又はヒ化ガリウムのような半導体)から形成され得る。更に、フィールド領域22及び第1の犠牲層30は、周知のシリコン・オン・インシュレーター加工技術(図4A)、又は標準的な又は特大の(「厚い」)ウェハーを利用する周知の形成、リソグラフィー、エッチング及び/又は堆積技術(図4B)を利用して形成され得る。とりわけ、フィールド領域22、機械的構造20及びコンタクト領域24は、図4Aに示されるような単結晶構造(例えば、単結晶シリコン)、多結晶構造、又は図4Bに示されるような単結晶及び多結晶の構造(即ち、フィールド領域22は例えば単結晶シリコンのような単結晶構造により構成され、機械的構造20及びコンタクト領域24は例えば多結晶シリコンのような多結晶構造により構成される)により構成され得る。実際に、第1の犠牲層30上に配置された機械的構造20a〜20d及びコンタクト領域24を含む部分的に形成されたデバイスを作るための全ての技術、素材及び結晶構造は、現在知られているものであっても今後開発されるものであっても、本発明の範囲に含まれることが意図される。
【0036】
図4Cを参照して、機械的構造20a〜20d及びコンタクト領域24の形成に続いて、封止処理を含むその後の処理期間に機械的構造20a〜20dを固定し、間隔を空け、及び/又は保護するよう、例えば二酸化シリコン又は窒化シリコンである第2の犠牲層32が堆積及び/又は形成され得る。更に、その後の電気的コンタクトの形成に備えて、第2の犠牲層32の中に開口34がエッチング又は形成され得る。開口34は、例えば、第2の犠牲層32の堆積及び/又は形成の前又は最中に周知のマスキング技術(例えば、窒化マスク)を用いて、及び/又は第2の犠牲層32の堆積及び/又は形成の後に周知のリソグラフィー技術及びエッチング技術を用いて設けられ得る。
【0037】
その後、図4D、4E及び4Fにおいて、第2の犠牲層32上に、第1の封止層28aが堆積され、形成され及び/又は成長させられ得る(図4D参照)。1つの実施の形態において、第2の犠牲層32にかぶさる部分における第1の封止層28aの厚みは、0.1μm〜0.5μmであり得る。第2の犠牲層32のエッチング後の、第1の封止層28a上の外部環境応力、及び第1の封止層28aの内部応力は、第1の封止層28aの厚みに影響し得る。曲がる可能性のある圧縮力のある被膜よりも、わずかに伸張性のある被膜の方が、良く自立し得る。
【0038】
第1の封止層28aは、通路又は通気口36を形成するようエッチングされ得る(図4E参照)。1つの例としての実施の形態において、通気口は、0.1μm〜2μmの直径又は開口サイズを有する。
【0039】
通気口36は、第1の犠牲層30及び第2の犠牲層32のそれぞれの少なくとも選択された部分のエッチング及び/又は除去を可能とすることを意図する(図4F参照)。例えば、1つの実施の形態において、第1の犠牲層30及び第2の犠牲層32が二酸化シリコンで構成されている場合、層30及び32の選択された部分は、周知のウェット・エッチング技術及びバッファーHF混合物(即ち、バッファー酸化エッチング)、又は蒸着HFを用いる周知の蒸着エッチング技術を用いて除去/エッチングされ得る。機械的構造20a〜20d、及び犠牲層30及び32の適正な設計、並びに、HFエッチング処理パラメータの制御は、犠牲層30が、機械的要素20a〜20dの周辺の層30の全て又は実質的に全てを除去し、それにより要素20a〜20dを開放してMEMS10の適切な動作を可能とするよう、十分にエッチングされることを可能とし得る。
【0040】
もう1つの実施の形態において、第1の犠牲層30及び第2の犠牲層32は窒化シリコンで形成され、層30及び32の選択された部分は、リン酸を用いて除去/エッチングされ得る。この場合も、機械的構造20a〜20d、及び犠牲層30及び32の適切な設計と、ウェット・エッチング処理パラメータの制御とにより、機械的要素20a〜20dの周辺の犠牲層30の全て又は実質的に全てを除去して、機械的要素20a〜20dを開放するよう犠牲層30が十分にエッチングされることが可能となり得る。
【0041】
(1)層30及び/又は32に適した多くの素材(例えば、二酸化シリコン、窒化シリコン、並びに、例えばホスホシリケート(「PSG」)又はボロホスホシリケート(「BPSG」)、及びスピンオングラス(「SOG」)のような不純物を添加した又は添加しないガラス状の素材)、(2)多くの適切な/関連付けられたエッチング液(例えば、バッファー酸化エッチング、リン酸、並びに、例えばNaOH及びKOHのようなアルカリ性水酸化物)、及び(3)犠牲層30及び32を排除、除去、及び/又はエッチングするための多くの適切なエッチング又は除去技術(例えば、ウェット・エッチング、プラズマ・エッチング、蒸着エッチング又はドライ・エッチング)が存在することに注意すべきである。実際に、機械的構造20a〜20d及びコンタクト領域24が同一又は類似の半導体である(即ち、同じ方法で処理、エッチング又は除去される)場合、機械的構造20a〜20d及びコンタクト領域24がエッチング処理又は除去処理による悪影響を受けない限り(例えば、構造20a〜20d及び領域24がエッチング又は除去処理期間に「保護されている」場合(例えば、シリコン・ベースの構造20a〜20dを保護する酸化層)、又は、構造20a〜20d及びコンタクト領域24が、層30及び/又は32のエッチング処理又は除去処理による悪影響を受ける素材により構成されている場合に)、層30及び/又は32は、不純物を添加された又は添加されない半導体(例えば、多結晶シリコン、シリコン・ゲルマニウム又はゲルマニウム)であり得る。従って、排除、除去及び/又はエッチングのための全ての素材、エッチング液及びエッチング技術、並びにそれらの置換は、現在知られているものであっても今後開発されるものであっても、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0042】
更に、特定の実施の形態において、開口36の形成に加えて、第1の封止層28aのエッチング処理は、電気的コンタクト領域24から第1の封止層28aと同じ高さ又は上のレベルへの電気的導通を促進するコンタクト経路38aを形成するために、コンタクト領域24にかぶさる素材を除去することに注意すべきである。これにより、例えば、第1の封止層28aの電気的コンタクト領域24にかぶさる部分の除去に関する処理、及び(MEMS10の様々な層間の十分な電気的コンタクトを提供する例えば単結晶シリコンのような)適切な素材の堆積、形成及び/又は成長に関する処理のような追加の処理が回避、排除及び/又は最小化され得る。実際に、コンタクト経路38の抵抗率又は導電率は、周知の不純物注入技術を用いて調整され得る(例えば、抵抗率が低減され、及び/又は導電率が高められる)。
【0043】
更に、コンタクト24は、部分的、実質的又は全体的に第1の犠牲層30及び/又は第2の犠牲層32の一部に囲まれ得る。例えば、図4Fに関して、機械的構造20a〜20dがそれぞれの下に在る酸化物の柱から開放される場合、犠牲層32の部分40(即ち、電気的コンタクト領域24に隣接する部分)は、第2の犠牲層32のエッチング又は除去の後にも残り得る。第2の犠牲層32のこの部分は、その後の処理期間にエッチング・ストップとして機能し得る。この状況では、第2の犠牲層32の残りの部分がトレンチ44a及び44bの形成期間にエッチング・ストップとして機能し得るよう、層30及び/又は32に、トレンチ46a及び46bの形成処理と調和する素材を利用することが有利であり得る。これに関わらず、層30及び/又は32は、例えば、二酸化シリコン、窒化シリコン、不純物を添加された及び添加されないガラス状の素材、並びにSOGであってよい。
【0044】
もう1つの実施の形態では、第2の犠牲層32のエッチング後に、第2の犠牲層32を構成するわずかな量の素材が残る(又は、第2の犠牲層32のごくわずかが残るか、又は全く残らない)ことに注意すべきである。そのため、層30及び/又は32の素材は、その後の処理とほとんど関係なく選択されても良い。
【0045】
図4Gに関して、機械的構造20a〜20dを開放した後に、第2の封止層28bが堆積され、形成され及び/又は成長させられ得る。第2の封止層28bは、例えば、エピタキシャル、スパッタリング又はCVDに基づく反応器を用いて堆積されるシリコン・ベースの素材(例えば、多結晶シリコン又はシリコン・ゲルマニウム)であってよい。堆積、形成及び/又は成長は、形状適応性の(コンフォーマルな)処理によっても、非形状適応性の処理によってもよい。素材は、第1の封止層28aと同じであっても違ってもよい。しかし、第1の封止層28a及び第2の封止層28bに同一の素材を利用するほうが有利である。こうすると、例えば、熱膨張率が同一であり、層28aと28bとの境界がチャンバー26の「シール」を強化して、(例えば、様々な動作条件及び拡張された時間期間に渡り、チャンバー26内の流体42の所望の又は指定された圧力を維持することにより)流体42の完全性を強化することができる。
【0046】
1つの実施の形態において、第2の封止層28bは、従来の選択的エピタキシャル・シリコン成長法と同様のエピタキシャルな反応器及び条件を用いて、エピタキシャルに堆積され得る。これは、H2ガス及び/又はHCLガスを用いるシラン、ジクロルシラン又はトリクロロシラン処理によってもよい。これらの処理は、典型的に、600℃〜1400℃で実行され得る。
【0047】
1つの実施の形態において、第1の封止層及び要素20a〜20dにかぶさる部分の第2の封止層28bの厚さは、5μm〜25μmであり得る。実際に、機械的構造12を含むMEMS10が時間と共に大きくなり、様々な及び/又は異なる素材が実装されるにつれて、第1の封止層28a、第2の封止層28b及びそれらの組合せの適切な又は必要な厚みは変化し得る。そのため、第1の封止層28aと第2の封止層28bとの厚みの比率は、約1対1から1対10であると好都合である。しかし、他の比率及び厚みも明らかに適切であることに注意すべきである(例えば、図9A〜9D、10A〜10D及び11A〜11D参照)。
【0048】
上記の通り、本発明の1つの態様において、マイクロ機械加工された機械的構造12のコンタクト領域24は、周囲の導電体及び/又は半導体層から誘電分離される。図4Hにおいて、トレンチ46a及び46bがエッチングされ得る。トレンチ46a及び46bは、絶縁領域44a及び44bの形成を可能にするための僅かに先細りであり得る。これにより、トレンチ46a及び46bの中に、それぞれ誘電分離領域44a及び44bを形成するよう絶縁素材が堆積され得る。絶縁素材は、例えば、二酸化シリコン、窒化シリコン、BPSG、PSG又はSOGであってよい。窒化シリコンは等方向に堆積し得るため、窒化シリコンを採用すると好都合である。更に、窒化シリコンは、MEMS10がCMOS集積回路を含む場合に、CMOS処理に適合する。
【0049】
例えば二酸化シリコンと窒化シリコン、又は二酸化シリコンとシリコンのような、複数の層の絶縁素材を利用することも好都合であり得る。これにより、製造可能性の観点から適切な誘電分離が提供される。
【0050】
誘電分離領域44a及び44bの形成後、「滑らかな」表面層及び/又は(実質的に)平坦な表面を提供するために、例えば研磨技術(例えば、化学的機械的研磨(「CMP」))を用いて、マイクロ機械加工された機械的構造12を実質的に平坦化することが好都合であり得る。これにより、マイクロ機械加工された機械的構造12の露出された平坦な表面が用意され、その上又はその中に、周知の組立て技術及び装置を用いて、集積回路(例えば、CMOSトランジスタ)及び/又はマイクロ機械加工された機械的構造12が組み立てられ得る。
【0051】
MEMS10における高性能集積回路の統合を可能とするため、MEMS10は、そのような回路が中又は上に製造され得る、単結晶シリコンからなるフィールド領域22を含むことが好都合であり得る。図5について、1つの実施の形態において、フィールド領域22a1にかぶさる第1の封止層(即ち、22a2)及び/又は第2の封止層(即ち、22a3)の一部は再結晶され、それにより多結晶物質の結晶構造が、単結晶又は実質的に単結晶素材に「変換」又は再構成される。こうして、MEMS10に統合された例えばデータ処理電子機器16のトランジスタ又他の素子は、単結晶のフィールド領域に組み立てられ得る。
【0052】
もう1つの実施の形態において、フィールド領域22a1にかぶさる第1の封止層28aの一部は、フィールド領域22a1を露出するために従来のエッチング技術を用いて除去され得る。その後、単結晶シリコンがフィールド領域22a1の上に成長させられて、フィールド領域22a2及び/又は22a3を提供する。
【0053】
更にもう1つの実施の形態において、フィールド領域22a1にかぶさる第1の封止層28aの一部は、単結晶構造からなるフィールド領域22a1を露出するようエッチングされ得る。その後、トランジスタ又は他の能動素子が、周知の組み立て技術を用いてフィールド領域22a1の中又は上に統合され得る。
【0054】
図6A〜6Hを参照すると、もう一組の実施の形態において、第1の封止層28aの堆積、形成及び/又は成長の前、同時又は後に、フィールド領域22a1及びコンタクト領域24の上に単結晶構造が堆積され、成長させられ又は形成され得る。例えば、図6Cについて、第2の犠牲層32の堆積又は形成の前又は後に、単結晶シリコンのフィールド領域22a2及びコンタクト経路38aのエピタキシャルに堆積された封止層が、第2の犠牲層32を超える高さに成長させられ得る。代わりに、単結晶シリコンのフィールド領域22a2及び22b2は、第2の犠牲層32を超える高さには成長させられなくてもよい(図示せず)。
【0055】
単結晶シリコンのフィールド領域22a2及びコンタクト経路38aを成長させた後で、第1の封止層28aが堆積され、形成され、及び/又は成長させられ得る。第1の封止層28aは、例えば、シリコン・ベースの素材(例えば、不純物を添加された又はされない、シリコン・ゲルマニウム、炭化シリコン、単結晶シリコン、多結晶シリコン又はアモルファス・シリコン)、ゲルマニウム及びヒ化ガリウム(及びそれらの組合せ)であってよく、例えば、エピタキシャル、スパッタリング又はCVDに基づく反応器(例えば、APCVD、LPCVD又はPECVD)を用いて堆積及び/又は形成される。堆積、形成及び/又は成長は、形状適応性の処理によっても、非形状適応性の処理によってもよい。素材は、第1の単結晶シリコン・フィールド領域22a2と同じであっても、違ってもよい。図示された実施の形態において、第1の封止層28aは、多結晶シリコン素材で構成される。
【0056】
図6D及び6Eのマイクロ機械加工された機械的構造12のその後の処理は、図4E及び4Fについて上に説明した処理と実質的に同じである。そのため、マイクロ機械加工された機械的構造12に関する図4E及び4Fと組み合わされた上記の議論は、この一組の実施の形態に包括的、全体的及び完全に適応可能である。簡潔にするため、説明を繰り返さず、要点のみを記載する。
【0057】
簡潔に言えば、第1の封止層28aは、第1の犠牲層30及び第2の犠牲層32のそれぞれの少なくとも選択された部分のエッチング及び/又は除去(図6E参照)を可能とすることを意図する通路又は通気口36を形成するようエッチングされ得る(図6D参照)。ここでも、機械的構造20a〜20d及び犠牲層30及び32の適切な設計と、エッチング処理パラメータの制御とにより、機械的要素20a〜20d周辺の層30の全て又は実質的に全てが除去され、それにより機械的要素20a〜20dがMEMS10の適切な動作を可能とするよう開放されるように、犠牲層30が十分にエッチングされることが可能となる(図6E参照)。
【0058】
機械的要素20a〜20dを開放した後、第2の封止層28bが堆積され、形成され及び/又は成長させられ得る(図6F参照)。第2の封止層28bの堆積、形成及び/又は成長の前、同時又は後に、フィールド領域22a2及びコンタクト経路38aの上に単結晶構造が堆積され、成長させられ、又は形成される。
【0059】
第2の封止層28bは、例えば、例えばエピタキシャル、スパッタリング又はCVDに基づく反応器(例えば、APCVD、LPCVD又はPECVD)を用いて堆積されたシリコン・ベースの素材(例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン、及び/又はシリコン・ゲルマニウム)であってよい。堆積、形成及び/又は成長は、形状適応性の処理によっても、非形状適応性の処理によってもよい。素材は、第1の封止層28aと同じであっても、違ってもよい。しかし、上記の通り、チャンバー26の「シール」を強化するために、第1の封止層28aと第2の封止層28bとを同一の素材を用いて形成することが好都合であり得る。
【0060】
第1の封止層28a及び第2の封止層28bの下にある素材及び/又は表面は、第1の封止層28a及び第2の封止層28bを堆積、形成及び/又は成長させるために用いられる技術とともに、下に在る素材の結晶構造を最初に決定し得ることに注意すべきである。例えば、所定のパラメータ・セットを有するエピタキシャル環境において、封止層28a及び/又は28bの単結晶構造は、「後退」方法で堆積、形成及び/又は成長する(図7A参照)。それに対し、他のパラメータ・セットを有する封止層28a及び/又は28bの単結晶構造は、「前進」方法で堆積、形成及び/又は成長する(図7B参照)。本明細書に記載された構造及び要素は、これらの又は他の方法で堆積され、形成され及び/又は成長させられてもよい。従って、単結晶構造を有する素材(例えば、フィールド領域22a1)の上に堆積され、形成され及び/又は成長させられた単結晶構造(例えば、フィールド領域22a2)は、採用される方法又は処理に関わらず、垂直方向に堆積、形成及び/又は成長するものとして図示される(例えば、図7C参照)。
【0061】
第2の封止層28bを構成する素材は、チャンバーがシール又は封止されるようチャンバー26の表面(例えば、機械的構造20a〜20dの表面)に渡り堆積、形成及び成長することに、更に注意するべきである。第2の封止層28bを堆積し、形成し及び/又は成長させる際、チャンバー26内の構造及び/又は表面の所望の統合を維持するよう注意する必要がある(例えば、図15参照)。
【0062】
また、図6G及び6Hのマイクロ機械加工された機械的構造12のその後の処理は、図4H及び4Iについて上に説明した処理と実質的に同じである。マイクロ機械加工された機械的構造12に関する、図4E及び4Fと組み合わされた上記の議論は、この一組の実施の形態に対して、包括的、全体的及び完全に適用可能である。簡潔にするために、説明を要約する。
【0063】
トレンチ46a及び46bがエッチングされ(図6G参照)、絶縁分離領域44a及び44bをそれぞれ形成するよう(図6H参照)、トレンチ46a及び46bの中に絶縁素材が堆積され得る。絶縁素材は、例えば、二酸化シリコン、窒化シリコン、BPSG、PSG,又はSOGであってよい。窒化シリコンは等方向に堆積され得るため、窒化シリコンを採用することが好都合であり得る。例えば二酸化シリコンと窒化シリコン、又は二酸化シリコンとシリコンのような複数層の絶縁素材を採用することも好都合であり得る。これにより、製造可能性の観点から適切な絶縁分離が提供される。更に、窒化シリコンは、MEMS10がCMOS集積回路を含む場合に、CMOS処理とも適合する。
【0064】
絶縁分離領域44a及び44bの形成後、「滑らかな」表面層及び/又は(実質的に)平坦な表面を提供するよう、マイクロ機械加工された機械的構造12を実質的に平坦化することが好都合であり得る。これにより、マイクロ機械加工された機械的構造12の露出された平坦な表面が、集積回路(例えば、CMOSトランジスタ)及び/又はマイクロ機械加工された機械的構造12が周知の製造技術及び装置を用いて上又は中に組み立てられ得るために準備された土台となり得る。
【0065】
図8A〜8Eについて、誘電分離領域44a及び44bは、絶縁領域44a及び44bの形成を可能とするための僅かに先細りであり得る(図8B参照)。更に、誘電分離領域44a及び44bは、例えば第1の素材44aa(例えば、二酸化シリコン、窒化シリコン、BPSG、PSG又はSOG)及び第2の素材44ab(例えば、多結晶シリコンのようなシリコン・ベースの素材)を含む複数の素材を含み得る。これにより、マイクロ機械加工された機械的構造12の表面(例えば図8Cから8D参照)に、限られた量の誘電体のみが露出され、絶縁材44aaによる電気的分離が提供される。
【0066】
図8A〜8Eの誘電分離領域44a及び44bは、本明細書に記載された任意のマイクロ機械加工された機械的構造12に採用され得ることに注意すべきである。簡潔にするために、マイクロ機械加工された機械的構造12の各実施の形態について図8A〜8Eに関する議論を繰り返すことはしない。
【0067】
もう1つの実施の形態において、通気口36とトレンチ46a及び46bとは、連続的に又は同時に形成され得る。1つの実施の形態において、図9Aに関して、封止層28aの「厚い」堆積が、堆積され、形成され、及び/又は成長させられ得る。上記の通り、第1の犠牲層30及び第2の犠牲層32の一部の除去を可能とするために、通気口36がエッチングされ得る(図9B参照)。通気口36は、第2の封止層により満たされ得る。その後、上記の通り、トレンチ46a及び46bがエッチングされ(図9C参照)、満たされ得る(図9D参照)。特に、上記の技術のうちの任意のものを用いて、チャンバー26が「シール」又は封止され(図9C参照)、誘電分離領域44a及び44bが形成され得る(図9D参照)。
【0068】
もう1つの実施の形態において、誘電分離領域44a及び44bは、MEMS10の集積回路組み立ての「バックエンド」を処理しながら形成又は完成され得る。その際、図10Aに関して、絶縁層48の堆積、形成及び/又は成長期間に、誘電分離領域44a及び44bを形成するようトレンチ46a及び46bがエッチングされ、満たされ得る。その後、コンタクト・プラグ38aを介したコンタクト領域24への電気的接続を可能とするよう、コンタクト開口領域50がエッチングされる(図10B参照)。次いで、コンタクト24への適切な電気的接続を提供するよう、低抵抗層52が堆積され得る(図10C参照)。
【0069】
そのため、図10A〜Cの実施の形態において、誘電分離領域44a及び44bに関する処理は、MEMS10の集積回路製造の「バックエンド」の絶縁及びコンタクト形成のステップと「結合」され得る。この点において、製造コストが低減され得る。
【0070】
図11A〜Dについて、もう一組の実施の形態において、第1の封止層28aは、透過性又は半透過性の物質(例えば、アモルファスのスパッタリングされたシリコン、又は多孔性CVDで及び/又はエピタキシャルに堆積された多結晶シリコン)であり得る。この一組の実施の形態において、層30及び32のエッチング又は除去の処理は、層28aを構成する透過性又は半透過性の物質を通して実行され得る。その後、第1の封止層28aの上に第2の封止層28b(例えば、多結晶シリコン)を堆積し、形成し、及び/又は成長させる際に、素材が、第1の層28aの孔に移動され、孔に充填され、及び/又は孔を塞ぎ得る。この状況において、第2の封止層28bの堆積、形成及び/又は成長期間に、チャンバー26内の構造の表面上には比較的少ない素材が堆積し得る。そのため、チャンバー26は、第1の封止層28aの上側の表面(即ち、堆積、形成及び/又は成長の処理に最初にさらされる表面)に向かって「シール」又は封止され得る。
【0071】
誘電分離領域44a及び44bの形成(図11C及び11D参照)に関する処理は、上記の任意の技術を採用し得る。簡潔にするために、繰り返しの説明は行わない。
エッチング処理期間に層30及び32が除去される際に除去又はエッチングされない素材40を、コンタクト領域24の上側の表面上に堆積及び形成することが好都合であり得ることに注意すべきである。それにより、開口34の隣又は近くに堆積された素材は除去されず、トレンチ46a及び46bの処理期間にエッチング・ストップとして機能し得る。例えば、層30及び/又は32は二酸化シリコンであってよく、素材40は窒化シリコンであってよい。
【0072】
1つの実施の形態において、透過性又は半透過性の素材が、0.1μm〜2μmの厚みを持つ、アモルファスのスパッタリングされたシリコン又は多孔質のCVD堆積された多結晶シリコンである場合、層30及び32のエッチング及び/又は除去後に、第2の封止層28bは、5μm〜25μmの厚さであり得る。
【0073】
図11Bを参照すると、第1の封止層28aを構成する素材は、また、稠密化され、それにより「閉じられ」て、チャンバー26は、アニール処理を用いて「シール」される。即ち、この実施の形態において、第1の犠牲層30及び第2の犠牲層32のエッチング後のマイクロ機械加工された機械的構造12の熱処理は、層28aの素材を稠密化させ、それによりチャンバー26をシール又は封止する。そのため、チャンバー26をシールするために第2の封止層28bは不必要であり得る。
【0074】
図12において、チャンバー26の封止処理は、3つ又はそれ以上の封止層を含み得る。第2の封止層28b及び第3の封止層28c(又はそれに続く/追加の層)は、チャンバー26を「シール」するよう堆積され、形成され、及び/又は成長させられ得る。特に、第2の封止層28bは、例えば、エピタキシャル、スパッタリング又はCVDに基づく反応器(例えば、APCVD、LPCVD又はPECVD)を用いて堆積された半導体素材(例えば、シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、又はゲルマニウム)又はメタル・ベアリング素材(例えば、ケイ素化合物又はTiW)であり得る。堆積、形成及び/又は成長は、形状適応性の処理によっても、非形状適応性の処理によってもよい。封止層28bを構成する素材は、第1の封止層28aと同じであっても、違ってもよい。
【0075】
その後、第3の封止層28cが堆積され、形成され、及び/又は成長させられる。第3の封止層28cは、チャンバー26を「シール」し、閉鎖し、又はより完全に「シール」或いは閉鎖し得る。第3の封止層28cの堆積、形成及び/又は成長は、封止層28a及び/又は28bと同じでも、実質的に同じでも、違っていてもよい。その際、第3の封止層28cは、例えば、半導体素材、絶縁素材(例えば、窒化シリコン又は酸化シリコン)、プラスチック(例えば、フォトレジスト又は低誘電率材料)又はメタル・ベアリング素材により構成され得る。第3の封止層28cは、例えば、エピタキシャル、スパッタリング又はCVDに基づく反応器(例えば、APCVD、LPCVD又はPECVD)を用いて堆積及び/又は形成され得る。堆積、形成及び/又は成長の処理は、形状適応性であっても非形状適応性であってもよい。
【0076】
封止層28c(例えば図12参照)は、例えば、より平坦な平面、その後の処理のためのエッチング・ストップ層、絶縁層、グラウンド面、パワー面を提供し、及び/又はチャンバー26の「シール」を強化して、それにより流体42の拡散の障壁を強化するために、堆積され、形成され及び/又は成長させられ得ることに更に注意すべきである。
【0077】
封止層28cは、目的又は機能に応じて、例えば、半導体素材(例えば、多結晶シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、又はゲルマニウム)、絶縁素材(例えば、二酸化シリコン、窒化シリコン、BPSG、PSG、又はSOG)又はメタル・ベアリング素材(例えば、ケイ素化合物)であり得る。封止層28cは、例えば、エピタキシャル、スパッタリング又はCVDに基づく反応器(例えば、APCVD、LPCVD又はPECVD)を用いて堆積され、形成され又は成長させられ得る。堆積、形成及び/又は成長は、形状適応性の処理によっても、非形状適応性の処理によってもよい。封止層28cを構成する素材は、他の封止層と同じであっても、違ってもよい。
【0078】
3つ又はそれ以上の層を用いる封止処理が、本明細書に説明及び図示された任意のマイクロ機械加工された機械的構造12に適用され得る。簡潔にするため、マイクロ機械加工された機械的構造12の個々の実施の形態について、図12に関する議論を繰り返すことはしない。
【0079】
チャンバー26内の環境(例えば、気体の圧力又は蒸気の圧力)は、機械的構造20a〜20dに対する機械的ダンピングをある程度決定する。その際、チャンバー26は、チャンバー26内に「閉じ込め」られ、「シール」され、及び/又は含まれる流体42を含む。チャンバー26内の流体42の状態(例えば、圧力)は、従来技術を用いて、及び/又は、2003年3月20日に出願され「制御された雰囲気を有する電気機械的システム及びその製造方法」という名称を有する特許出願第10/392、528号(以後、「制御された雰囲気を有する電気機械的システムの特許出願」と呼ぶ)に説明及び図示された技術を用いて決定され得る。
【0080】
制御された雰囲気を有する電気機械的システムの特許出願に説明及び図示された発明は、本明細書に説明及び図示された任意の及び全ての発明とともに実現され得る。例えば、上記の封止技術は、チャンバー内の選択された、所望の及び/又は所定の状態を有する流体を閉じ込め及び/又はシールするために、制御された雰囲気を有する電気機械的システムの特許出願に説明された技術とともに実現され得る。この方法において、流体は、チャンバー内の機械的構造に対して、所望の、所定の、適切な、及び/又は選択された機械的ダンピングを提供する。
【0081】
もう1つの例として、制御された雰囲気を有する電気機械的システムの特許出願は、1つ又はそれ以上の電気機械的システム(例えば、ジャイロスコープ、共振器、温度センサ及び/又は加速度計)を含む複数のモノリシックに統合されたマイクロ機械加工された機械的構造を含むMEMSを説明する。図13Aを参照すると、1つの実施の形態において、MEMS10は、基板14上にモノリシックに統合された、又は基板14内に配置された複数のマイクロ機械加工された機械的構造12a〜12cを含む。個々のマイクロ機械加工された機械的構造12a〜12cは、チャンバー26a〜26dに配置された1つ又はそれ以上の機械的構造20a〜20p(明瞭にするため、その一部のみに番号を付す)を含む。
【0082】
特定の実施の形態において、チャンバー26a〜26dは、上記の技術を用いてシール又は封止される。チャンバー26a〜26dは、同一又は実質的に同一の方法で、或いは、異なる技術を用いて、シール又は封止され得る。このようにして、複数の構造12a〜12dは、機械的構造20a〜20pに対して、同一、実質的に同一、異なる、又は実質的に異なる所望の、所定の、適切な、及び/又は選択された機械的ダンピングを提供する方法で製造され得る。
【0083】
実際に、少なくとも1つの実施の形態において、構造12cは、複数のチャンバー即ち、それぞれが流体42c及び42dを含むチャンバー26c及び26dを含み得る。チャンバー22c及び22dは、流体42c及び42dがそれぞれ、同一又は実質的に同一の選択された、所望の及び/又は所定の状態に維持される方法でシール又は封止され得る。そのため、この実施の形態において、流体42c及び42dは、機械的構造20h〜20k及び20l〜20pのそれぞれに対して、同一又は実質的に同一である所望の、所定の、適切な及び/又は選択された機械的ダンピングを提供し得る。
【0084】
代わりに、少なくとももう1つの実施の形態において、チャンバー26c及び26dは、流体24c及び24dがそれぞれ、異なる又は実質的に異なる選択された、所望の、及び/又は所定の状態でチャンバー26c及び26dに「閉じ込め」られ、「シール」され、保持され、及び/又は含まれるよう、異なる方法でシール又は封止され得る。この実施の形態において、チャンバー26c及び26dは、異なる処理技術、異なる処理条件及び/又は異なる素材(例えば、気体又は蒸気)を用いて「シール」され得る。そのため、封止後に、流体42c及び42dは、機械的構造20h〜20k及び20l〜20pのそれぞれに対して、異なる又は実質的に異なる機械的ダンピング特性を提供する。このように、マイクロ機械加工された機械的構造12cは、最適な、所定の、所望の運転のために異なる又は実質的に異なる機械的ダンピング特性を必要とする、異なる電気機械的システム(例えば、ジャイロスコープ、共振器、温度センサ及び加速度計)を含み得る。
【0085】
簡潔にするために、制御された雰囲気を有する電気機械的システムの特許出願に説明及び図示された全ての発明を、本明細書で繰り返すことはしない。しかし、例えば、全ての発明の特徴、属性、代替手段、素材、技術及び利点を含む、制御された雰囲気を有する電気機械的システムの特許出願の全内容は、参照により本明細書に援用されることに注意すべきである。
【0086】
上記の通り、一組の実施の形態において、モノリシック構造は、共通基板の上又は中に統合された、機械的構造12及びデータ処理電子機器16及び/又はインターフェース回路18を含み得る。図14A〜14Eを参照して、MEMS10は、構造20a〜20d及びコンタクト領域24を有するマイクロ機械加工された機械的構造12、並びに、フィールド領域22に配置された集積回路54を含むデータ処理電子機器16を含む。上記の通り、機械的構造20a〜20d(及びコンタクト24)は、例えば単結晶物質(図14、14B及び14E)又は多結晶物質(図14C及び14D)から形成され得る。更に、コンタクト経路38は、また、例えば、主に単結晶素材(図14B及び14E)又は主に多結晶素材(図14A、14C及び14D)から形成され得る。
【0087】
機械的構造12は、低抵抗層52を介して集積回路54と電気的に接続され得ることに注意すべきである。集積回路54は、従来技術を用いて製造され得る。
特に、コンタクト24が集積回路54により直接アクセスされる例において、抵抗の低い電気的経路を設けることが好都合であり得る。絶縁層48は、コンタクト領域24との相互接続を提供又は促進するよう堆積され、形成され、及び/又は成長させられ、並びにパターン化され得る。その後、低抵抗層52(例えば、不純物を多量に添加されたポリシリコン、又は、アルミニウム、クロム、金、銀、モリブデン、プラチナ、パラジウム、タングステン、チタン、及び/又は銅のような金属)が形成される。
【0088】
本明細書には、多くの発明が説明及び図示され得る。本発明の特定の実施の形態、特徴、素材、構成、属性及び利点が説明及び図示されたが、本発明の多くの他の、異なる及び/又は同様の実施の形態、特徴、素材、構成、属性、構造及び利点が詳細な説明、図面及び特許請求の範囲から明らかであることが理解されるべきである。そのため、本明細書に説明及び図示された本発明の実施の形態、特徴、素材、構成、属性、構造及び利点は、網羅的なものではなく、本発明のそのような他の、同様の及び異なる実施の形態、特徴、素材、構成、属性、構造及び利点が、本発明の特許請求の範囲に含まれることが理解されるべきである。
【0089】
例えば、本明細書に図示及び説明された任意の及び全ての実施の形態は、垂直及び/又は横方向に積み重ねられ又は相互接続された複数層の機械的構造、コンタクト領域及び埋め込み型コンタクトを含み得る(例えば、図13B、13C及び13Dのマイクロ機械加工された機械的構造12参照)。更に、単一の層及び複数の層の機械的構造は、それ自体が、垂直及び/又は横方向に積み重ねられ又は相互接続され得る(例えば、図13Aのマイクロ機械加工された機械的構造12b参照)。更に、結果としてのマイクロ機械加工された機械的構造12は、共通基板14上で集積回路54と統合され得る。集積回路54に関するマイクロ機械加工された機械的構造12の任意の垂直及び/又は横方向の位置は、適切であり得る。
【0090】
加えて、トレンチ46a及び46bの中に絶縁素材を堆積させるよりも、コンタクト領域と周囲の導電素材との間の接合分離を形成又は作成する、反対に添加された素材を堆積させるほうが好都合であり得ることに注意すべきである。その際、トレンチ46a及び46bの中に堆積された素材は、第1の封止層28a及び/又は第2の封止層28bにおける不純物と反対の導電性を有する不純物を添加され得る。例えば、第1の封止層28aはホウ素を添加され、トレンチ46a及び46bの中に堆積される素材はリンを添加され得る。このように、シール処理又は封止処理の完成に際して、電気的コンタクト領域24を囲む接合領域は、コンタクト領域24を例えばフィールド領域22bから電気的に「分離」するよう形成される。
【0091】
その後、もう一組の実施の形態において、マイクロ機械加工された機械的構造12は、例えば研磨技術(例えば、化学的機械的研磨(「CMP」))を用いて実質的に平坦化され得る。この際、コンタクト経路38が、反対に添加された素材により電気的に分離されるよう、封止層の上に形成されるトレンチ46a及び46bを満たすために利用された素材の層を除去することが好都合であり得る。
【0092】
更に、図15について、第2の又はその後の封止層(例えば、第2の封止層28b)を構成する素材が、シール又は封止されたチャンバー26内の構造の選択された表面(例えば、機械的構造20a〜20d及びフィールド領域22a及び22d)に渡って堆積され、形成され、又は成長する場合に、更なる素材の堆積、形成又は成長を補償するよう機械的構造20a〜20dを設計及び製造することが好都合であり得る。機械的構造20a〜20dの表面上の更なる素材28b’の厚みは、通気口36の幅又は直径とほぼ等しくなり得る。そのため、一組の実施の形態において、そのような追加の素材28b’を含む機械的構造20a〜20dの設計(例えば、厚み、高さ、幅、及び/又は、チャンバー36内の他の構造との横方向及び/又は垂直の関係)と、最終的な構造を提供するための機械的構造20a〜20dの製造とは、少なくとも2つのステップを含む。即ち、当初の寸法に従って機械的構造20a〜20dを製造する(例えば、図4A及び4Bについて上記された)第1のステップと、例えば第2の封止層28b及びその後の封止層である少なくとも1つの封止層の堆積、形成又は成長の結果としての素材28b’の堆積、形成又は成長を含む第2のステップとである。
【0093】
特許請求の範囲における「堆積する」との用語及びその他の形(即ち、堆積、及び堆積された)は、他のものと合わせて、例えば反応器(例えば、エピタキシャル、スパッタリング又はCVDに基づく反応器(例えば、APCVD、LPCVD又はPECVD))を用いた素材層の堆積、作成、形成及び/又は成長を意味する。
【0094】
更に、特許請求の範囲において、「コンタクト」という用語は、コンタクト領域及び/又はコンタクト経路のような、部分的又は全体的にチャンバーの外側に配置された導電領域を意味する。
【0095】
最後に、マイクロ機械構造又は要素を含むマイクロ電気機械システムの文脈で本発明を説明したが、本発明はこれに限定されないことに更に注意すべきである。むしろ、本明細書に説明された発明は、例えばナノ電子機械システムを含む他の電気機械的システムに適用可能である。従って、本発明は、機械部品を一般的にマイクロ電子機器に適合するサイズに縮小する、リソグラフ及び他の精密製造技術のような製造技術に従って作られた、例えばジャイロスコープ、共振器、温度センサ、及び加速度計のような電気機械的システムに関する。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】図1は、インターフェース回路及びデータ処理電子機器と組み合わせて基板上に配置されたマイクロ電気機械システムのブロック図である。
【図2】図2は、コンタクト領域及びフィールド領域と組み合わされた、マイクロ機械構造の一部、即ち例えば加速度計の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの一部の平面図である。
【図3】図3は、本発明の特定の態様に従う、図2の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの一部、コンタクト領域及びフィールド領域の(図2の点線a−aに沿って切断された)断面図を示す。
【図4A】図4Aは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図4B】図4Bは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図4C】図4Cは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図4D】図4Dは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図4E】図4Eは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図4F】図4Fは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図4G】図4Gは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図4H】図4Hは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図4I】図4Iは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図5】図5は、本発明の特定の態様に従う、図3のマイクロ構造の更なる組み立て処理の断面図を示す。
【図6A】図6Aは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図6B】図6Bは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図6C】図6Cは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図6D】図6Dは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図6E】図6Eは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図6F】図6Fは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図6G】図6Gは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図6H】図6Hは、本発明の特定の態様に従う、処理の様々な段階における図3のマイクロ構造の組み立ての断面図を示す。
【図7A】図7Aは、他の事柄とともに、非形状適応性及び形状適応性の堆積、成長及び/又は形成技術を用いた単結晶構造の成長のより代表的な図の断面図を示す。
【図7B】図7Bは、他の事柄とともに、非形状適応性及び形状適応性の堆積、成長及び/又は形成技術を用いた単結晶構造の成長のより代表的な図の断面図を示す。
【図7C】図7Cは、他の事柄とともに、非形状適応性及び形状適応性の堆積、成長及び/又は形成技術を用いた単結晶構造の成長のより代表的な図の断面図を示す。
【図8A】図8Aは、本発明の特定の態様に従って、分離トレンチを含むマイクロ構造の断面図を示す。
【図8B】図8Bは、本発明の特定の態様に従って、分離トレンチを含むマイクロ構造の断面図を示す。
【図8C】図8Cは、本発明の特定の態様に従って、分離トレンチを含むマイクロ構造の断面図を示す。
【図8D】図8Dは、本発明の特定の態様に従って、分離トレンチを含むマイクロ構造の断面図を示す。
【図8E】図8Eは、本発明の特定の態様に従って、分離トレンチを含むマイクロ構造の断面図を示す。
【図9A】図9Aは、本発明の他の態様に従う、点線a−aで切断された図2の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの組み立ての一部を示す。
【図9B】図9Bは、本発明の他の態様に従う、点線a−aで切断された図2の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの組み立ての一部を示す。
【図9C】図9Cは、本発明の他の態様に従う、点線a−aで切断された図2の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの組み立ての一部を示す。
【図9D】図9Dは、本発明の他の態様に従う、点線a−aで切断された図2の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの組み立ての一部を示す。
【図10A】図10Aは、本発明の他の態様に従う、点線a−aで切断された図2の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの組み立ての一部を示す。
【図10B】図10Bは、本発明の他の態様に従う、点線a−aで切断された図2の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの組み立ての一部を示す。
【図10C】図10Cは、本発明の他の態様に従う、点線a−aで切断された図2の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイの組み立ての一部を示す。
【図11A】図11Aは、第1の封止層が透過性素材である場合の、マイクロ構造の様々な処理段階における組み立ての断面図を示す。
【図11B】図11Bは、第1の封止層が透過性素材である場合の、マイクロ構造の様々な処理段階における組み立ての断面図を示す。
【図11C】図11Cは、第1の封止層が透過性素材である場合の、マイクロ構造の様々な処理段階における組み立ての断面図を示す。
【図11D】図11Dは、第1の封止層が透過性素材である場合の、マイクロ構造の様々な処理段階における組み立ての断面図を示す。
【図12】図12は、3つ又はそれ以上の封止層を有する本発明のもう1つの態様に従う、点線a−aで切断された図2の互いにかみ合う又は櫛型のフィンガー電極アレイ・マイクロ構造の断面図を示す。
【図13A】図13Aは、本発明の特定の態様に従って、MEMSの基板の上又は中にモノリシックに統合された1つ又はそれ以上の電気機械システムをそれぞれ有する複数のマイクロ機械構造の一部の断面図を示す。
【図13B】図13Bは、本発明の特定の態様に従って、MEMSの基板の上又は中にモノリシックに統合された複数のマイクロ構造を有するマイクロ機械構造の一部の断面図を示す。
【図13C】図13Cは、本発明の特定の態様に従って、MEMSの基板の上又は中にモノリシックに統合された複数のマイクロ構造を有するマイクロ機械構造の一部の断面図を示す。
【図13D】図13Dは、本発明の特定の態様に従って、MEMSの基板の上又は中にモノリシックに統合された複数のマイクロ構造を有するマイクロ機械構造の一部の断面図を示す。
【図14A】図14Aは、いずれも共通基板の上に配置又は統合された、マイクロ機械加工された機械的構造部と、集積回路部とを含む本発明の特定の態様に従うMEMSの断面図を示す。
【図14B】図14Bは、いずれも共通基板の上に配置又は統合された、マイクロ機械加工された機械的構造部と、集積回路部とを含む本発明の特定の態様に従うMEMSの断面図を示す。
【図14C】図14Cは、いずれも共通基板の上に配置又は統合された、マイクロ機械加工された機械的構造部と、集積回路部とを含む本発明の特定の態様に従うMEMSの断面図を示す。
【図14D】図14Dは、いずれも共通基板の上に配置又は統合された、マイクロ機械加工された機械的構造部と、集積回路部とを含む本発明の特定の態様に従うMEMSの断面図を示す。
【図14E】図14Eは、いずれも共通基板の上に配置又は統合された、マイクロ機械加工された機械的構造部と、集積回路部とを含む本発明の特定の態様に従うMEMSの断面図を示す。
【図15】図15は、マイクロ構造の上に堆積された第2の封止層を含むマイクロ構造を有する、マイクロ機械加工されたマイクロ機械構造の一部の断面図を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に置かれた機械的構造及びコンタクト領域を有する電気機械的装置のチャンバーをシールする方法であって、前記機械的構造が前記チャンバー内にある方法において、
前記機械的構造の少なくとも一部の上に犠牲層を堆積させるステップと、
前記犠牲層の上に第1の封止層を堆積させるステップと、
前記犠牲層の少なくとも一部の除去を可能とするために、前記第1の封止層を通る少なくとも1つの通気口を形成するステップと、
前記チャンバーを形成するために、前記犠牲層の少なくとも一部を除去するステップと、
前記チャンバーをシールするために、前記通気口の上又は中に、半導体素材の第2の封止層を堆積させるステップと、
前記チャンバーの外側に置かれている前記コンタクト領域の周りにトレンチを形成するステップと、
前記コンタクトを電気的に分離するために、前記トレンチの中に絶縁素材を堆積させるステップと、
を備える方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、前記半導体素材が、多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、ゲルマニウム、又はヒ化ガリウムからなる方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法であって、前記第1の封止層が、多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム又はヒ化ガリウムからなる方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、前記トレンチが、前記コンタクトを電気的に分離するよう前記コンタクトを囲む方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、更に、前記絶縁素材を堆積させるステップの後に、前記トレンチの中に半導体素材を堆積させるステップを備える方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、更に、前記トレンチの露出した表面を平坦化するステップを備える方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法であって、前記絶縁素材が二酸化シリコン又は窒化シリコンである方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法であって、更に、
前記トレンチの少なくとも一部の上に絶縁層を堆積させるステップと、
前記コンタクトへの電気的接続を提供するために、前記コンタクトの上及び前記絶縁層の上に極めて導電性の高い素材を堆積させるステップと、
を備える方法。
【請求項9】
チャンバー内に存在する機械的構造を有する電気機械的装置を製造する方法であって、前記電気機械的装置が更にコンタクトを含む方法において、
前記機械的構造の上に、半導体素材の第1の封止層を堆積させるステップと、
前記第1の封止層の中に少なくとも1つの通気口を形成するステップと、
前記チャンバーを形成するステップと、
前記チャンバーをシールするために、前記通気口の上又は中に半導体素材の第2の封止層を堆積させるステップと、
前記コンタクトの少なくとも一部の周りにトレンチを形成するステップであって、前記コンタクト及び前記トレンチが前記チャンバーの外側に置かれるステップと、
前記コンタクトを電気的に分離するために、前記トレンチの中に第1の素材を堆積させるステップと、
を備える方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法であって、前記第1の封止層が、多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、ゲルマニウム又はヒ化ガリウムからなる方法。
【請求項11】
請求項9記載の方法であって、前記第1の素材が二酸化シリコン又は窒化シリコンである方法。
【請求項12】
請求項9記載の方法であって、前記第2の封止層が、多結晶シリコン、多孔性多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、ゲルマニウム又はヒ化ガリウムからなる方法。
【請求項13】
請求項9記載の方法であって、前記トレンチが、前記コンタクトを電気的に分離するよう前記コンタクトを囲む方法。
【請求項14】
請求項9記載の方法であって、更に、前記第1の素材を堆積させるステップの後に前記トレンチの中に半導体素材を堆積させるステップであって、前記第1の素材が前記トレンチの外側の表面上に配置されるステップを備える方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法であって、更に、前記トレンチの露出した表面を平坦化するステップを備える方法。
【請求項16】
請求項1記載の方法であって、更に、
前記トレンチの少なくとも一部の上に絶縁層を堆積させるステップと、
前記コンタクトへの電気的接続を提供するために、前記コンタクトの上及び前記絶縁層の上に極めて導電性の高い素材を堆積させるステップと、
を備える方法。
【請求項17】
第1の封止層を含むチャンバーと、
少なくとも一部が前記チャンバー内に置かれる機械的構造と、
前記チャンバーをシールするために前記通気口の上又は中に堆積させられる、半導体素材からなる第2の封止層と、
コンタクトと、
前記コンタクトの少なくとも一部の周りに配置されるトレンチであって、前記コンタクト及び前記トレンチが前記チャンバーの外側に置かれ、前記トレンチが前記コンタクトを電気的に分離するために前記トレンチ内に置かれる第1の素材を含むトレンチと、
を備える電気機械的装置。
【請求項18】
請求項17記載の電気機械的装置であって、前記第2の封止層が、多結晶シリコン、多孔性多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、ゲルマニウム又はヒ化ガリウムからなる電気機械的装置。
【請求項19】
請求項18記載の電気機械的装置であって、前記第1の封止層が、多結晶シリコン、多孔性多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、窒化シリコン又は炭化シリコンからなる電気機械的装置。
【請求項20】
請求項17記載の電気機械的装置であって、前記第1の素材が絶縁素材であり、前記トレンチの少なくとも外側の表面上に配置される電気機械的装置。
【請求項21】
請求項20記載の電気機械的装置であって、前記トレンチが、該トレンチの中心に、半導体素材である第2の素材を含む電気機械的装置。
【請求項22】
請求項20記載の電気機械的装置であって、前記トレンチがエッチング・ストップ領域の上に配置される電気機械的装置。
【請求項23】
請求項20記載の電気機械的装置であって、前記エッチング・ストップ領域が窒化シリコン又は二酸化シリコンである電気機械的装置。
【請求項24】
請求項20記載の電気機械的装置であって、前記第1の素材が窒化シリコン又は二酸化シリコンである電気機械的装置。
【請求項25】
請求項20記載の電気機械的装置であって、前記トレンチが前記コンタクトを囲む電気機械的装置。
【請求項1】
基板上に置かれた機械的構造及びコンタクト領域を有する電気機械的装置のチャンバーをシールする方法であって、前記機械的構造が前記チャンバー内にある方法において、
前記機械的構造の少なくとも一部の上に犠牲層を堆積させるステップと、
前記犠牲層の上に第1の封止層を堆積させるステップと、
前記犠牲層の少なくとも一部の除去を可能とするために、前記第1の封止層を通る少なくとも1つの通気口を形成するステップと、
前記チャンバーを形成するために、前記犠牲層の少なくとも一部を除去するステップと、
前記チャンバーをシールするために、前記通気口の上又は中に、半導体素材の第2の封止層を堆積させるステップと、
前記チャンバーの外側に置かれている前記コンタクト領域の周りにトレンチを形成するステップと、
前記コンタクトを電気的に分離するために、前記トレンチの中に絶縁素材を堆積させるステップと、
を備える方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、前記半導体素材が、多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、ゲルマニウム、又はヒ化ガリウムからなる方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法であって、前記第1の封止層が、多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム又はヒ化ガリウムからなる方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、前記トレンチが、前記コンタクトを電気的に分離するよう前記コンタクトを囲む方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、更に、前記絶縁素材を堆積させるステップの後に、前記トレンチの中に半導体素材を堆積させるステップを備える方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、更に、前記トレンチの露出した表面を平坦化するステップを備える方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法であって、前記絶縁素材が二酸化シリコン又は窒化シリコンである方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法であって、更に、
前記トレンチの少なくとも一部の上に絶縁層を堆積させるステップと、
前記コンタクトへの電気的接続を提供するために、前記コンタクトの上及び前記絶縁層の上に極めて導電性の高い素材を堆積させるステップと、
を備える方法。
【請求項9】
チャンバー内に存在する機械的構造を有する電気機械的装置を製造する方法であって、前記電気機械的装置が更にコンタクトを含む方法において、
前記機械的構造の上に、半導体素材の第1の封止層を堆積させるステップと、
前記第1の封止層の中に少なくとも1つの通気口を形成するステップと、
前記チャンバーを形成するステップと、
前記チャンバーをシールするために、前記通気口の上又は中に半導体素材の第2の封止層を堆積させるステップと、
前記コンタクトの少なくとも一部の周りにトレンチを形成するステップであって、前記コンタクト及び前記トレンチが前記チャンバーの外側に置かれるステップと、
前記コンタクトを電気的に分離するために、前記トレンチの中に第1の素材を堆積させるステップと、
を備える方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法であって、前記第1の封止層が、多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、ゲルマニウム又はヒ化ガリウムからなる方法。
【請求項11】
請求項9記載の方法であって、前記第1の素材が二酸化シリコン又は窒化シリコンである方法。
【請求項12】
請求項9記載の方法であって、前記第2の封止層が、多結晶シリコン、多孔性多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、ゲルマニウム又はヒ化ガリウムからなる方法。
【請求項13】
請求項9記載の方法であって、前記トレンチが、前記コンタクトを電気的に分離するよう前記コンタクトを囲む方法。
【請求項14】
請求項9記載の方法であって、更に、前記第1の素材を堆積させるステップの後に前記トレンチの中に半導体素材を堆積させるステップであって、前記第1の素材が前記トレンチの外側の表面上に配置されるステップを備える方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法であって、更に、前記トレンチの露出した表面を平坦化するステップを備える方法。
【請求項16】
請求項1記載の方法であって、更に、
前記トレンチの少なくとも一部の上に絶縁層を堆積させるステップと、
前記コンタクトへの電気的接続を提供するために、前記コンタクトの上及び前記絶縁層の上に極めて導電性の高い素材を堆積させるステップと、
を備える方法。
【請求項17】
第1の封止層を含むチャンバーと、
少なくとも一部が前記チャンバー内に置かれる機械的構造と、
前記チャンバーをシールするために前記通気口の上又は中に堆積させられる、半導体素材からなる第2の封止層と、
コンタクトと、
前記コンタクトの少なくとも一部の周りに配置されるトレンチであって、前記コンタクト及び前記トレンチが前記チャンバーの外側に置かれ、前記トレンチが前記コンタクトを電気的に分離するために前記トレンチ内に置かれる第1の素材を含むトレンチと、
を備える電気機械的装置。
【請求項18】
請求項17記載の電気機械的装置であって、前記第2の封止層が、多結晶シリコン、多孔性多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、炭化シリコン、シリコン・ゲルマニウム、ゲルマニウム又はヒ化ガリウムからなる電気機械的装置。
【請求項19】
請求項18記載の電気機械的装置であって、前記第1の封止層が、多結晶シリコン、多孔性多結晶シリコン、アモルファス・シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、窒化シリコン又は炭化シリコンからなる電気機械的装置。
【請求項20】
請求項17記載の電気機械的装置であって、前記第1の素材が絶縁素材であり、前記トレンチの少なくとも外側の表面上に配置される電気機械的装置。
【請求項21】
請求項20記載の電気機械的装置であって、前記トレンチが、該トレンチの中心に、半導体素材である第2の素材を含む電気機械的装置。
【請求項22】
請求項20記載の電気機械的装置であって、前記トレンチがエッチング・ストップ領域の上に配置される電気機械的装置。
【請求項23】
請求項20記載の電気機械的装置であって、前記エッチング・ストップ領域が窒化シリコン又は二酸化シリコンである電気機械的装置。
【請求項24】
請求項20記載の電気機械的装置であって、前記第1の素材が窒化シリコン又は二酸化シリコンである電気機械的装置。
【請求項25】
請求項20記載の電気機械的装置であって、前記トレンチが前記コンタクトを囲む電気機械的装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図12】
【図15】
【図2】
【図3】
【図5】
【図12】
【図15】
【公表番号】特表2007−524995(P2007−524995A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509463(P2006−509463)
【出願日】平成16年3月30日(2004.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/009661
【国際公開番号】WO2004/108585
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(591245473)ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (591)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年3月30日(2004.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/009661
【国際公開番号】WO2004/108585
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(591245473)ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (591)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]