説明

ナビゲーションシステム

【課題】ポイントで表示するポイント画像をユーザーの意図した時期に更新する。
【解決手段】自車がポイントまたはポイントの近傍に到達すると更新処理が開始される。更新時期判定部32は、更新処理の開始に伴い、到達したポイントのポイント画像の撮影日時と現在日時とを比較し、ポイント画像が撮影されてから現在までの経過日時が、更新サイクルを超えている場合に、このポイント画像は更新時期であると判定する。画像更新部34は、ポイント画像が更新時期であると判定された場合、撮影装置12を駆動して撮影を行い、更新用画像を取得するとともに、更新用画像の画像データと、更新用画像の撮影日時情報とを格納した画像ファイルを作成する。そして、ポイント画像の画像ファイルを、更新用画像の画像ファイルで置き換える。これにより、ポイント画像が更新される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在位置検出手段により検出された自己の現在位置が、予め設定された所定のポイントに略一致する際に、前記ポイントの近傍にて撮影され、前記ポイントに対応付けされて記憶されたポイント画像を表示手段に表示するナビゲーション装置と、このナビゲーション装置に接続される撮影装置とからなり、前記撮影装置により前記ポイントの近傍で新たに撮影した更新用画像を用いて、前記ポイント画像を置き換えることによって、前記ポイント画像の更新処理を行うナビゲーションシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)を用いたナビゲーションシステムが広く普及している。ナビゲーションシステムは、普及に伴い他機種と差別化を図るための各種工夫がなされている。例えば、下記特許文献1、2には、自己の現在位置が所定のポイントに略一致する場合に、このポイントの近傍にて撮影され、このポイントに対応付けされて記憶されたポイント画像を表示手段に表示するようにした装置が記載されている。
【0003】
また、下記特許文献3には、上述のように所定のポイントにおいて表示する画像を、更新可能とする構成の装置が記載されている。この装置では、車が所定距離走行した後、再度ポイントに到達すると内蔵された撮影装置により撮影を行い、このポイントで表示する画像を更新するようにしている。
【特許文献1】特開平5−224599号公報
【特許文献2】特開平8−166250号公報
【特許文献3】特開2000−304559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献3記載の装置は、走行距離に応じて画像が更新されるため、ユーザーの意図する時期に更新できないといった問題があった。また、走行距離の条件を満たした状態でポイントに到達すると自動的に撮影が行われて画像が更新されるため、ユーザーの意図しない画像に更新されてしまうといった問題があった。すなわち、前回の更新時と今回の更新時とで天候や時間帯などの条件が著しく異なる場合、例えば、前記の更新が晴天の日中に行われ、今回の更新が雨天や夜間である場合でも、画像の更新が行われてしまう。
【0005】
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、ユーザーの意図する時期に画像を更新可能とし、また、ユーザーの意図しない画像への更新を防止できるナビゲーションシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のナビゲーションシステムは、現在位置検出手段により検出された自己の現在位置が、予め設定された所定のポイントに略一致する際に、前記ポイントの近傍にて撮影され、前記ポイントに対応付けされて記憶されたポイント画像を表示手段に表示するナビゲーション装置と、このナビゲーション装置に接続される撮影装置とからなり、前記撮影装置により前記ポイントの近傍で新たに撮影した更新用画像を用いて、前記ポイント画像を置き換えることによって、前記ポイント画像の更新処理を行うナビゲーションシステムにおいて、前記ナビゲーション装置は、前記ポイント画像に付加された付加情報に含まれる撮影日時情報を参照し、前記ポイント画像の撮影日時から現在まで所定期間が経過しているとき、あるいは、前記撮影日時が所定時期以前の日時であるときに、前記ポイント画像が更新時期であると判定する更新時期判定手段と、前記現在位置と前記ポイントとが略一致したときに、このポイントに対応付けされたポイント画像が更新時期である場合、前記撮影装置を動作させて前記更新用画像を取得し、前記更新処理を行う第1更新手段とを備えるとともに、この第1更新手段を用いて前記更新処理を実行する自動更新モードを備えていることを特徴としている。
【0007】
また、本発明のナビゲーションシステムは、現在位置検出手段により検出された自己の現在位置が、予め設定された所定のポイントに略一致する際に、前記ポイントの近傍にて撮影され、前記ポイントに対応付けされて記憶されたポイント画像を表示手段に表示するナビゲーション装置と、このナビゲーション装置に接続される撮影装置とからなり、前記撮影装置により前記ポイントの近傍で新たに撮影した更新用画像を用いて、前記ポイント画像を置き換えることによって、前記ポイント画像の更新処理を行うナビゲーションシステムにおいて、前記ナビゲーション装置は、前記ポイント画像に付加された付加情報に含まれる撮影条件と、前記更新用画像の撮影条件とを比較して、前記更新用画像が更新に適しているか否かを判定する更新画像判定手段と、前記現在位置と前記ポイントとが略一致したときに、前記撮影装置を動作させて前記更新用画像を取得した後、前記画像判定手段を動作させて前記更新用画像が更新に適しているか否かを判定し、前記更新用画像が更新に適していると判定された場合、前記更新処理を行う第2更新手段とを備えるとともに、この第2更新手段を用いて前記更新処理を実行する自動更新モードを備えていることを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明のナビゲーションシステムは、現在位置検出手段により検出された自己の現在位置が、予め設定された所定のポイントに略一致する際に、前記ポイントの近傍にて撮影され、前記ポイントに対応付けされて記憶されたポイント画像を表示手段に表示するナビゲーション装置と、このナビゲーション装置に接続される撮影装置とからなり、前記撮影装置により前記ポイントの近傍で新たに撮影した更新用画像を用いて、前記ポイント画像を置き換えることによって、前記ポイント画像の更新処理を行うナビゲーションシステムにおいて、前記ナビゲーション装置は、前記ポイント画像に付加された付加情報に含まれる撮影日時情報を参照し、前記ポイント画像の撮影日時から現在まで所定期間が経過しているとき、あるいは、前記撮影日時が所定時期以前の日時であるときに、前記ポイント画像が更新時期であると判定する更新時期判定手段と、前記ポイント画像に付加された付加情報に含まれる撮影条件と、前記更新用画像の撮影条件とを比較して、前記更新用画像が更新に適しているか否かを判定する更新画像判定手段と、前記現在位置と前記ポイントとが略一致したときに、このポイントに対応付けされたポイント画像が更新時期である場合、前記撮影装置を動作させて前記更新用画像を取得した後、前記画像判定手段を動作させて前記更新用画像が更新に適しているか否かを判定し、前記更新用画像が更新に適していると判定された場合、前記更新処理を行う第3更新手段とを備えるとともに、この第3更新手段を用いて前記更新処理を実行する自動更新モードを備えていることを特徴としている。
【0009】
前記撮影条件としては、撮影時の天候情報が少なくとも含まれ、前記更新画像判定手段は、更新用画像の撮影時の天候がポイント画像の撮影時の天候よりも良好である場合に、この更新用画像が更新に適していると判定するものでもよい。
【0010】
また、前記撮影時の天候情報は、電気通信ネットワークを介して天候情報を案内するサーバに接続される通信手段により取得されるものでもよい。
【0011】
さらに、前記撮影条件としては、被写体輝度情報が少なくとも含まれ、前記更新画像判定手段は、更新用画像の被写体輝度がポイント画像の被写体輝度よりも高い場合に、この更新用画像が更新に適していると判定するものでもよい。
【0012】
また、前記更新用画像の撮影条件は、この更新用画像の付加情報として記録されることが好ましい。
【0013】
さらに、前記更新処理を行うか否かの指示を入力するための指示入力手段と、前記現在位置と前記ポイントとが略一致したときに、前記更新処理を行うか否かを前記指示入力手段を介してユーザーに選択させ、ユーザーが前記更新処理を行う旨の選択をした場合に、前記更新処理を行う第4更新手段とを備えるとともに、前記第4更新手段を用いて前記更新処理を実行する手動更新モードとを備えていることが好ましい。
【0014】
また、前記ポイントには、昼夜を少なくとも含む複数の時間帯毎に区別された複数のポイント画像が対応付けされており、前記表示手段には、前記現在位置と前記ポイントとが略一致したときの時間に対応するポイント画像が表示されることが好ましい。
【0015】
さらに、前記更新用画像の撮影された時間に対応するポイント画像に対して前記更新処理が行われることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ポイント画像が撮影されてから所定の期間が経過した場合に、ポイント画像を更新するようにしたので、ユーザーの意図した時期に更新を行うことができる。また、更新用に取得された更新用画像の撮影条件とポイント画像の撮影条件とを比較して、更新用画像が更新に適している場合にポイント画像を更新するようにしたので、ユーザーの意図しない画像への更新を防止できる。さらに、ポイント毎にユーザーに更新を行うか否かを選択させるようにすれば、ユーザーの意図した時期に更新を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[第1実施形態]
図1において、本発明の第1の実施形態であるナビゲーションシステム10は、ナビゲーション装置11と、このナビゲーション装置11に接続された撮影装置12とからなり、例えば、自動車に搭載され、GPSにより測位された現在位置情報に基づいてユーザーを所望の目的地まで案内するものである。また、ナビゲーションシステム10は、案内中、予め設定された所定のポイントに到達すると、このポイントで撮影された画像(ポイント画像)を表示する機能、及び、撮影装置12により撮影した画像を用いてポイント画像を更新できる機能を備えている。
【0018】
撮影装置12は、被写体光を光電変換した画像信号を出力するCCDやCMOSなどのイメージセンサを備え、ポイント画像を更新する際に用いる画像(以下、更新用画像と称する)を撮影する。撮影装置12は、後述する画像更新部34から入力される駆動信号に応じて駆動され、例えば、自車の前方の風景を撮影する。
【0019】
ナビゲーション装置11は、操作部13、測位部14、角度検出部16、液晶ディスプレイ(LCD)18、システムメモリ20、及び、これらナビゲーション装置11の各部を統括的に制御するCPU22を備えている。操作部13は、押圧検知式のプッシュスイッチや回転式のロータリースイッチ、スライド式のスイッチなど周知の操作部材が複数設けられ、各種操作を行うことができる。
【0020】
測位部14は、GPSアンテナ23を備え、地球上を周回しているGPS衛星24からの電波を受信し、受信した電波に基づいて自車の現在位置を測位する。角度検出部16は、例えば、ジャイロセンサからなり、自車の向きを検出する。LCD18は、各種画面を表示するための表示手段であって、地図画像や、自車位置及び自車角度を表すポインタ、目的地までの経路、及び前述したポイント画像が表示される。
【0021】
システムメモリ20は、例えば、ハードディスクなど周知の記憶媒体であり、ナビゲーションシステム10を制御するための制御プログラムや案内に用いる地図データ、及び、ポイント画像の更新サイクル(例えば、1年)などの各種設定情報が記憶されている。また、システムメモリ20には、複数のポイントの座標、各ポイントで表示するポイント画像を格納した複数の画像ファイル、及び各ポイントと各画像ファイルとを対応付けした画像・座標対応テーブルが記憶されている。
【0022】
システムメモリ20に記憶される画像ファイルとして、本実施形態では、Exif(Exchangeable image fileformat)形式の画像ファイルを用いている。図2に示すように、Exif形式の画像ファイルは、画像データの他、この画像に関する各種付加情報(タグ情報)が格納されたものである。そして、本実施形態では、画像ファイル内に、ポイント画像の画像データ、並びに、このポイント画像のタグ情報として、撮影日時を示す撮影日時情報を格納している。
【0023】
CPU22は、システムメモリ20に記憶された制御プログラムを、作業用のメモリであるRAM26に読み出して、ナビゲーションシステム10の各部を駆動制御する。また、CPU22には、時計回路30、更新時期判定部32、並びに、画像更新部34が設けられている。時計回路30は、クロックパルスを計数し、現在の日時を表す日時信号を出力する。
【0024】
更新時期判定部32、画像更新部34は、CPU22の制御のもと、ポイント画像を更新する更新処理を行うものである。以下、更新処理について、図3に示すフローチャートをもとに説明する。CPU22は、システムメモリ20に記憶されたポイントの座標と、測位部14により得られる自車の現在位置とに基づき、自車の現在位置がポイントを含む所定の範囲内にある場合、すなわち、自車がポイントまたはポイントの近傍に到達した場合に更新処理を開始する。
【0025】
更新時期判定部32は、更新処理の開始に伴い、システムメモリ20にアクセスし、自車が到達したポイントに対応付けされたポイント画像の撮影日時を調べる。続いて、調べた撮影日時と、時計回路30から得られる現在日時とを比較する。そして、ポイント画像が撮影されてから現在までの経過日時が、システムメモリ20に記憶された更新サイクルを超えている場合に、このポイント画像は更新時期であると判定する。
【0026】
画像更新部34は、ポイント画像が更新時期であると判定された場合、撮影装置12を駆動して撮影を行い、更新用画像を取得するとともに、更新用画像の画像データと、時計回路30から得られるこの更新用画像の撮影日時情報とを格納したExif形式の新たな画像ファイルを作成する。そして、画像更新部34は、ポイント画像の画像ファイルを、新たに作成した更新用画像の画像ファイルで置き換える。これにより、ポイント画像が更新される。他方、ポイント画像が更新時期でない場合は、処理は中止され、ポイント画像の更新は行われない。
【0027】
このように、本実施形態では、ポイントに到達した際に、このポイントのポイント画像が、撮影されてからの経過日時が更新サイクルを超えたものである場合、自動的にこのポイント画像の更新が行われるので、ユーザーの意図した時期に更新を行うことができる。また、ユーザーは、例えば、設定モードにおいて、好みの更新サイクルを設定するだけで、複雑な操作等を行うことなく、手軽に更新を行うことができる。
【0028】
なお、上記実施形態では、ポイントに到達した際に、先ず、ポイント画像が更新時期であるか否かを判定し、ポイント画像が更新時期であると判定された場合に、更新用画像の撮影を行う例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図4に示すように、ポイントに到達した際に、先ず、更新用画像の撮影を行い、この後、ポイント画像が更新時期であるか否かを判定し、更新時期である場合に更新を行うようにしてもよい。
【0029】
この場合、更新用画像を撮影した後、更新用画像の画像データと更新用画像の撮影日時情報とを格納した新たな画像ファイルを作成し、例えば、RAMにこの新たな画像ファイルを記憶させる。続いて、上記実施形態と同様に、ポイント画像の撮影日時と現在日時、並びに、更新サイクルに基づき、ポイント画像が更新時期であるか否かを判定する。そして、更新時期であると判定された場合に、ポイント画像を更新すればよい。
【0030】
また、上記実施形態では、ポイントに到達する毎に、このポイントに対応付けられたポイント画像が更新時期であるか否かを判定する例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図5に示すように、所定サイクル(例えば、1週間に1度)毎に、全てのポイントのポイント画像について更新時期であるか否かを判定してもよい。
【0031】
この場合、前記判定結果に基づいて、更新を行うべき更新対象ポイント(更新時期であると判定されたポイント画像に対応するポイント)を抽出し、例えば、システムメモリにこの更新対象ポイントを記憶させる。そして、図6に示すように、この更新対象ポイントに到達した際に、更新を行えばよい。こうすることで、各ポイントに到達してからこのポイントのポイント画像が更新時期であるか否かを判定する場合と比較して、各ポイントに到達した際に行う処理が簡略化されるのでスムーズな更新が可能である。
【0032】
また、上記実施形態では、ポイント画像が撮影されてからの経過日時に応じて、このポイント画像が更新時期であるか否かを判定する例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画像更新日(例えば、毎年1月1日)を設定し、撮影されてからの経過日時にかかわらず、画像更新日以前に撮影されたポイント画像を更新時期であると判定してもよい。
【0033】
[第2実施形態]
上記実施形態では、ポイント画像が更新時期であると判定された場合に更新が行われる例で説明をしたが、以下、更新用画像の撮影条件とポイント画像の撮影条件とを比較して、更新用画像が更新に適していると判定された場合に更新を行う本発明の第2実施形態について説明を行う。なお、図7以降の図面を用いた説明では、上述した実施形態と同様の部材については同様の符号を付して説明を省略している。
【0034】
図7において、本発明の第2の実施形態であるナビゲーションシステム70は、ナビゲーション装置71と、このナビゲーション装置71に接続された撮影装置12とからなり、更新用画像やポイント画像のタグ情報として、撮影条件を記憶するものである。また、本例では、撮影条件として、被写体輝度情報と、天候情報とが記憶される。
【0035】
被写体輝度情報は、例えば、撮影時のシャッタスピードや絞り値から算出したり、撮影された画像を解析することによって取得される。また、ナビゲーション装置71は、インターネットなど周知の通信ネットワーク72を介して、天候情報を提供する天候情報サーバ74と接続された通信部76を備えている。そして、撮影時の天候情報は、天候情報サーバ74にアクセスすることによって取得される。
【0036】
さらに、ナビゲーション装置71は、CPU78に、更新画像判定部80と画像更新部82とが設けられており、CPU78は、これらを駆動してポイント画像を更新する更新処理を行う。以下、更新処理について、図8に示すフローチャートに沿って説明する。
【0037】
更新処理は、上記実施形態と同様に、自車がポイントまたはポイントの近傍に到達した際に開始される。画像更新部82は、更新処理開始に伴い、撮影装置12を駆動して更新用画像を撮影するとともに、更新用画像の画像データと更新用画像の撮影条件とを格納した新たな画像ファイルを作成し、この画像ファイルをRAM26に記憶させる。
【0038】
更新画像判定部80は、更新用画像が撮影された後、更新用画像の画像ファイルとポイント画像の画像ファイルとを参照し、更新用画像の撮影条件とポイント画像の撮影条件とを比較して、更新用画像が更新に適しているか否かを判定する。そして、本例では、ポイント画像撮影時の天候が更新用画像撮影時の天候よりも良好で、かつ、更新用画像の被写体輝度がポイント画像の被写体輝度よりも高い場合、この更新用画像が更新に適していると判定される。
【0039】
画像更新部82は、更新用画像が更新に適していると判定された場合に、更新用画像の画像ファイルでポイント画像の画像ファイルを置き換えて、ポイント画像を更新する。他方、更新用画像が更新に適していないと判定された場合は、処理が中断されて更新は行われない。こうすれば、天候が悪いときの画像や暗い画像に更新されてしまうことがない。
【0040】
なお、天候情報や被写体輝度情報以外の撮影条件に基づいて、更新用画像が更新に適しているか否かを判定し、更新に適している場合に更新するようにしてもよい。また、天候情報や被写体輝度情報のいずれか一方に基づいて、更新用画像が更新に適しているか否かを判定し、更新に適している場合に更新するようにしてもよい。
【0041】
[第3実施形態]
上記実施形態では、ポイント画像が更新時期である場合、もしくは、更新用画像が更新に適している場合に更新を行う例で説明をしたが、以下、ポイント画像が更新時期であり、かつ、更新用画像が更新に適している場合に更新を行う本発明の第3実施形態について説明を行う。
【0042】
図9において、本発明の第3の実施形態であるナビゲーションシステム90は、ナビゲーション装置91と、このナビゲーション装置91に接続された撮影装置12とからなり、更新用画像やポイント画像のタグ情報として、撮影日時を示す撮影日時情報、並びに撮影条件として、被写体輝度情報と、天候情報とが記憶される。そして、ナビゲーション装置91のCPU92には、更新時期判定部94、更新画像判定部96、画像更新部98とが設けられており、CPU92は、これらを駆動してポイント画像を更新する更新処理を行う。以下、更新処理について、図10に示すフローチャートに沿って説明する。
【0043】
更新処理は、上記実施形態と同様に、自車がポイントまたはポイントの近傍に到達した際に開始される。更新時期判定部94は、更新処理の開始に伴い、自車が到達したポイントに対応付けされたポイント画像の撮影日時と、現在日時とを比較して、ポイント画像が撮影されてから現在までの経過日時が、更新サイクルを超えている場合に、このポイント画像は更新時期であると判定する。
【0044】
画像更新部98は、ポイント画像が更新時期であると判定された場合、撮影装置12を駆動して更新用画像を撮影するとともに、更新用画像の画像データと更新用画像の撮影条件とを格納した新たな画像ファイルを作成し、この画像ファイルをRAM26に記憶させる。
【0045】
更新画像判定部96は、更新用画像が撮影された後、更新用画像の撮影条件とポイント画像の撮影条件とを比較して、更新用画像が更新に適しているか否かを判定する。そして、本実施形態では、ポイント画像撮影時の天候が更新用画像撮影時の天候よりも良好で、かつ、更新用画像の被写体輝度がポイント画像の被写体輝度よりも高い場合、この更新用画像が更新に適していると判定される。
【0046】
そして、画像更新部98は、更新用画像が更新に適していると判定された場合に、ポイント画像を更新する。他方、更新用画像が更新に適していないと判定された場合は、処理が中断されて更新は行われない。こうすれば、ユーザーの意図した時期に手軽に更新を行うことができるとともに、天候の悪いときの画像や暗い画像に更新されてしまうといったことがない。
【0047】
もちろん、本実施形態においても、上記第1実施形態で説明したように、ポイントに到達した際に、先ず、更新用画像の撮影を行ってもよい。また、ポイントに到達したか否かにかかわらず、所定のサイクルで全てのポイント画像について更新時期であるか否かを判定してもよい。さらに、画像更新日を設定し、撮影されてからの経過日時にかかわらず、この画像更新日よりも前に撮影されたポイント画像を更新時期であると判定してもよい。
【0048】
また、本実施形態においても、上記第2実施形態で説明したように、天候情報や被写体輝度情報以外の撮影条件に基づいて、更新用画像が更新に適しているか否かを判定してもよい。さらに、天候情報や被写体輝度情報のいずれか一方に基づいて、更新用画像が更新に適しているか否かを判定してもよい。
【0049】
なお、上記実施形態では、ポイント画像を更新する条件を満たした場合(例えば、ポイント画像が更新時期であると判定された場合や、更新用画像が更新に適していると判定された場合)に、自動的に更新が行われる例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図11に示すように、ポイントに到達する毎に、ユーザーが手動で更新を行うか否かを選択するようにしてもよい。
【0050】
この場合、自車がポイントまたはポイントの近傍に到達した場合、撮影装置12を駆動して撮影を行い、更新用画像を取得するとともに、更新用画像の画像データと、この更新用画像のタグ情報とを格納した新たな画像ファイルを作成し、この画像ファイルをRAM26に記憶させる。
【0051】
続いて、更新用画像の画像ファイル、ポイント画像の画像ファイルをそれぞれ読み出し、例えば、図12に示すように、ポイント画像と更新用画像を並べて表示した選択画面100をLCD18に表示して、ユーザーに更新を行うか否かを選択させる。そして、ユーザーが更新を行う旨の選択を行った場合に、ポイント画像を更新すればよい。
【0052】
こうすれば、ポイントに到達する毎に、更新を行うか否かを選択できるので、ユーザーの意図した時期に更新を行うことができる。また、LCDに表示された更新用画像とポイント画像とを比較して更新を行うか否かを選択できるので、ユーザーの意図しない画像に更新されてしまうといったことがない。
【0053】
なお、本例では、先ず、更新用画像の撮影を行い、この後、ユーザーに更新を行うか否かを選択させる例で説明をしたが、先ず、ユーザーに更新を行うか否かを選択させ、更新を行う旨の選択がなされた後に、更新用画像の撮影を行ってもよい。
【0054】
また、本例では、ポイント画像の表示位置に到達する毎にポイント画像を更新するか否かをユーザーが選択する例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ポイント画像の表示位置に到達し、かつ、ポイント画像が更新時期であると判定された場合に、ポイント画像を更新するか否かをユーザーに選択させてもよい。もちろん、更新用画像が更新に適していると判定された場合に、ポイント画像を更新するか否かをユーザーに選択させてもよい。
【0055】
さらに、図13に示すように、ポイント画像を更新する条件を満たした場合(例えば、ポイント画像が更新時期であると判定された場合や、更新用画像が更新に適していると判定された場合)に、自動的に更新を行う自動更新モードと、ユーザーが更新を行うか否かを選択する手動更新モードとを設け、例えば、操作部を操作することによって各更新モードを切り替え可能に構成するといったことも考えられる。
【0056】
なお、上記実施形態では、各表示位置に用意されたポイント画像が1種類である例で説明をしたが、例えば、各表示位置につき昼用と夜用の2種類のポイント画像を用意して、ポイント画像の表示位置に到達したときの時間が昼(例えば、5時〜19時)である場合は、この表示位置に対応付けされた昼用ポイント画像をLCD18に表示し、ポイント画像の表示位置に到達したときの時間が夜(例えば、5時〜19時以外の時間)である場合は、この表示位置に対応付けされた夜用ポイント画像をLCD18に表示するといったことも考えられる。
【0057】
この場合、図14に示すように、ポイント画像の表示位置に到達したときに、ポイント画像を更新する条件を満たしている場合(例えば、ポイント画像が更新時期であると判定された場合や、更新用画像が更新に適している場合)であり、かつ、到達時間が昼である場合は、昼用ポイント画像を更新し、ポイント画像の表示位置に到達したときに、ポイント画像を更新する条件を満たした場合であり、かつ、到達時間が夜である場合は、夜用ポイント画像を更新すればよい。
【0058】
なお、更新用画像を撮影する際の撮影アングル(撮影角度)がポイント画像の撮影アングル(撮影角度)と異なっていると、同じポイントで撮影しても異なる風景が撮影されてしまうといった問題がある。このため、更新用画像を撮影する際の撮影アングルを、ポイント画像の撮影アングルに一致させるようにしてもよい。
【0059】
この場合、更新用画像、及び、ポイント用画像のタグ情報として、例えば、ジャイロセンサにより検出した撮影角度情報を記憶する。そして、更新用画像とポイント画像の撮影位置及び撮影角度がほぼ一致する場合にのみポイント画像を更新可能にする。
【0060】
また、撮影装置を移動自在に保持して撮影角度を可変させる撮影角度可変機構を設け、ポイント画像と撮影角度を合わせるように撮影角度可変機構を駆動した後、更新用画像を撮影する構成としてもよく、さらに、撮影角度の異なる複数の撮影装置(例えば、自車の前後左右それぞれの方向を撮影する4つの撮影装置)を設け、ポイント画像と撮影角度が最も近い撮影装置により更新用画像を撮影する構成にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】第1実施形態におけるナビゲーションシステムの構成図である。
【図2】画像ファイルの構成図である。
【図3】第1実施形態における更新手順を表すフローチャートである。
【図4】第1実施形態の別の実施例における更新手順を表すフローチャートである。
【図5】更新対象ポイントの抽出手順を表すフローチャートである。
【図6】第1実施形態のさらに別の実施例における更新手順を表すフローチャートである。
【図7】第2実施形態におけるナビゲーションシステムの構成図である。
【図8】第2実施形態における更新手順を表すフローチャートである。
【図9】第3実施形態におけるナビゲーションシステムの構成図である。
【図10】第3実施形態における更新手順を表すフローチャートである。
【図11】手動更新モードにおける更新手順を表すフローチャートである。
【図12】選択画面を表す説明図である。
【図13】手動更新モードと自動更新モードとを切り替えて更新処理を行う際の更新手順を表すフローチャートである。
【図14】時間帯毎に更新処理を行う際の更新手順を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
10、70、90 ナビゲーションシステム
11、71、91 ナビゲーション装置
12 撮影装置
13 操作部
14 測位部
18 LCD
20 システムメモリ
22、78、92 CPU
30 時計回路
32、94 更新時期判定部
34、82、98 画像更新部
72 通信ネットワーク
74 天候情報サーバ
76 通信部
80、96 更新画像判定部
100 選択画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置検出手段により検出された自己の現在位置が、予め設定された所定のポイントに略一致する際に、前記ポイントの近傍にて撮影され、前記ポイントに対応付けされて記憶されたポイント画像を表示手段に表示するナビゲーション装置と、このナビゲーション装置に接続される撮影装置とからなり、
前記撮影装置により前記ポイントの近傍で新たに撮影した更新用画像を用いて、前記ポイント画像を置き換えることによって、前記ポイント画像の更新処理を行うナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーション装置は、前記ポイント画像に付加された付加情報に含まれる撮影日時情報を参照し、前記ポイント画像の撮影日時から現在まで所定期間が経過しているとき、あるいは、前記撮影日時が所定時期以前の日時であるときに、前記ポイント画像が更新時期であると判定する更新時期判定手段と、
前記現在位置と前記ポイントとが略一致したときに、このポイントに対応付けされたポイント画像が更新時期である場合、前記撮影装置を動作させて前記更新用画像を取得し、前記更新処理を行う第1更新手段とを備えるとともに、
この第1更新手段を用いて前記更新処理を実行する自動更新モードを備えていることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
現在位置検出手段により検出された自己の現在位置が、予め設定された所定のポイントに略一致する際に、前記ポイントの近傍にて撮影され、前記ポイントに対応付けされて記憶されたポイント画像を表示手段に表示するナビゲーション装置と、このナビゲーション装置に接続される撮影装置とからなり、
前記撮影装置により前記ポイントの近傍で新たに撮影した更新用画像を用いて、前記ポイント画像を置き換えることによって、前記ポイント画像の更新処理を行うナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーション装置は、前記ポイント画像に付加された付加情報に含まれる撮影条件と、前記更新用画像の撮影条件とを比較して、前記更新用画像が更新に適しているか否かを判定する更新画像判定手段と、
前記現在位置と前記ポイントとが略一致したときに、前記撮影装置を動作させて前記更新用画像を取得した後、前記画像判定手段を動作させて前記更新用画像が更新に適しているか否かを判定し、前記更新用画像が更新に適していると判定された場合、前記更新処理を行う第2更新手段とを備えるとともに、
この第2更新手段を用いて前記更新処理を実行する自動更新モードを備えていることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
現在位置検出手段により検出された自己の現在位置が、予め設定された所定のポイントに略一致する際に、前記ポイントの近傍にて撮影され、前記ポイントに対応付けされて記憶されたポイント画像を表示手段に表示するナビゲーション装置と、このナビゲーション装置に接続される撮影装置とからなり、
前記撮影装置により前記ポイントの近傍で新たに撮影した更新用画像を用いて、前記ポイント画像を置き換えることによって、前記ポイント画像の更新処理を行うナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーション装置は、前記ポイント画像に付加された付加情報に含まれる撮影日時情報を参照し、前記ポイント画像の撮影日時から現在まで所定期間が経過しているとき、あるいは、前記撮影日時が所定時期以前の日時であるときに、前記ポイント画像が更新時期であると判定する更新時期判定手段と、
前記ポイント画像に付加された付加情報に含まれる撮影条件と、前記更新用画像の撮影条件とを比較して、前記更新用画像が更新に適しているか否かを判定する更新画像判定手段と、
前記現在位置と前記ポイントとが略一致したときに、このポイントに対応付けされたポイント画像が更新時期である場合、前記撮影装置を動作させて前記更新用画像を取得した後、前記画像判定手段を動作させて前記更新用画像が更新に適しているか否かを判定し、前記更新用画像が更新に適していると判定された場合、前記更新処理を行う第3更新手段とを備えるとともに、
この第3更新手段を用いて前記更新処理を実行する自動更新モードを備えていることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記撮影条件としては、撮影時の天候情報が少なくとも含まれ、前記更新画像判定手段は、更新用画像の撮影時の天候がポイント画像の撮影時の天候よりも良好である場合に、この更新用画像が更新に適していると判定することを特徴とする請求項2または3記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記撮影時の天候情報は、電気通信ネットワークを介して天候情報を案内するサーバに接続される通信手段により取得されることを特徴とする請求項4記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記撮影条件としては、被写体輝度情報が少なくとも含まれ、前記更新画像判定手段は、更新用画像の被写体輝度がポイント画像の被写体輝度よりも高い場合に、この更新用画像が更新に適していると判定することを特徴とする請求項2〜5いずれか記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記更新用画像の撮影条件は、この更新用画像の付加情報として記録されることを特徴とする請求項2〜6いずれか記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記更新処理を行うか否かの指示を入力するための指示入力手段と、
前記現在位置と前記ポイントとが略一致したときに、前記更新処理を行うか否かを前記指示入力手段を介してユーザーに選択させ、ユーザーが前記更新処理を行う旨の選択をした場合に、前記更新処理を行う第4更新手段とを備えるとともに、
前記第4更新手段を用いて前記更新処理を実行する手動更新モードとを備えていることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載のナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記ポイントには、昼夜を少なくとも含む複数の時間帯毎に区別された複数のポイント画像が対応付けされており、
前記表示手段には、前記現在位置と前記ポイントとが略一致したときの時間に対応するポイント画像が表示されることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載のナビゲーションシステム。
【請求項10】
前記更新用画像の撮影された時間に対応するポイント画像に対して前記更新処理が行われることを特徴とする請求項9記載のナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−51739(P2008−51739A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−230336(P2006−230336)
【出願日】平成18年8月28日(2006.8.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】