ナビゲーション装置およびランドマーク強調表示方法
【課題】ナビゲーション装置の地図表示において、過去に多く訪問した地点のランドマーク表示を強調表示することにより、当該ランドマークの視認性を高め、例えば目的地を設定する際の認識動作を楽に行えるようにする。
【解決手段】制御回路8は、訪問したランドマークのランドマーク識別情報および訪問回数をランドマーク訪問回数記憶部21に記憶する。また、制御回路8は、ランドマーク訪問回数記憶部21に訪問回数を登録する。さらに、制御回路8は、表示器10に表示する地図表示範囲に含まれるランドマークについてランドマーク訪問回数記憶部21を参照し、当該ランドマークの訪問回数が所定の訪問回数以上であれば当該ランドマークを強調表示する。
【解決手段】制御回路8は、訪問したランドマークのランドマーク識別情報および訪問回数をランドマーク訪問回数記憶部21に記憶する。また、制御回路8は、ランドマーク訪問回数記憶部21に訪問回数を登録する。さらに、制御回路8は、表示器10に表示する地図表示範囲に含まれるランドマークについてランドマーク訪問回数記憶部21を参照し、当該ランドマークの訪問回数が所定の訪問回数以上であれば当該ランドマークを強調表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナビゲーション装置およびランドマーク強調表示方法に関し、詳しくは、地図およびランドマークを表示器に表示するナビゲーション装置およびそのランドマーク強調表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術には、ユーザがあらかじめ設定したランドマークの近傍を自車が通過した際、ナビゲーション装置の表示器において当該ランドマークを含む拡大地図を表示することで、ランドマークの存在を認識させるようにしたものがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−097966号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来技術では、拡大表示を行うランドマークの指定を、駅,コンビニエンスストア,スーパーマーケット等のジャンル種別の指定によって行っていたため、ユーザが立ち寄らないランドマークでも無差別に拡大表示が行われて煩わしいという問題点があった。
【0004】
本発明の課題は、ナビゲーション装置の地図表示において、過去に多く訪問した地点のランドマークを強調表示することにより、当該ランドマークの視認性を高め、例えば目的地を設定する際の認識動作を楽に行えるようにするナビゲーション装置を提供することにある。
【0005】
また、本発明の他の課題は、ナビゲーション装置の地図表示において、過去に多く訪問した地点のランドマークを強調表示することにより、当該ランドマークの視認性を高め、例えば目的地を設定する際の認識動作を楽に行えるようにするランドマーク強調表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
請求項1記載のナビゲーション装置は、地図およびランドマークを表示器に表示するナビゲーション装置であって、ランドマークのランドマーク識別情報および訪問回数を記憶するランドマーク訪問回数記憶部と、前記ランドマーク訪問回数記憶部に訪問回数を登録する訪問回数登録手段と、表示器に表示する地図表示範囲に含まれるランドマークについて前記ランドマーク訪問回数記憶部を参照し、当該ランドマークの訪問回数が所定の訪問回数以上であれば当該ランドマークを強調表示する強調表示手段とを備えることを特徴とする。請求項1記載のナビゲーション装置によれば、ランドマーク毎に過去の訪問回数を記憶し、訪問回数の多いランドマークのみを強調表示することで、ユーザが再訪問する可能性が高いランドマークを効率的に強調表示することができる。これによって、走行中に店舗等に立ち寄る用事を思い出したり、目的地検索で目的地を設定する際により目的地が判別しやすいために操作時間を短縮できたりする等の効果が期待できる。
【0007】
請求項2記載のナビゲーション装置は、請求項1記載のナビゲーション装置において、前記訪問回数登録手段は、目的地検索の目的地設定操作に伴って当該目的地にランドマーク表示があれば、前記ランドマーク訪問回数記憶部に訪問回数を加算することを特徴とする。請求項2記載のナビゲーション装置によれば、目的地検索の目的地設定操作に伴って訪問回数を加算するので、ユーザが意識することなしに、訪問回数の加算を行うことができる。
【0008】
請求項3記載のナビゲーション装置は、請求項1記載のナビゲーション装置において、前記訪問回数登録手段は、所定の停車時間以上の車両の停車に伴って当該停車地点にランドマーク表示があれば、前記ランドマーク訪問回数記憶部に訪問回数を加算することを特徴とする。請求項3記載のナビゲーション装置によれば、車両の停車に伴って訪問回数を自動的に加算するので、ユーザが意識することなしに、訪問回数の加算を行うことができる。
【0009】
請求項4記載のナビゲーション装置は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、前記ランドマーク訪問回数記憶部に登録されたランドマークの訪問回数を所定の経過時間毎に減算するランドマーク訪問回数減算手段を備えることを特徴とする。請求項4記載のナビゲーション装置によれば、時間の経過とともにランドマークを再訪問する可能性が減少するので、これを自動的に反映することができる。
【0010】
請求項5記載のナビゲーション装置は、地図およびランドマークを表示器に表示するナビゲーション装置であって、ランドマークのランドマーク識別情報および訪問回数を記憶するランドマーク訪問回数記憶部と、前記ランドマーク訪問回数記憶部に訪問回数を登録する訪問回数登録手段と、日常行動エリアを画定する日常行動エリア画定手段と、表示器に表示する地図表示範囲に含まれるランドマークについて前記ランドマーク訪問回数記憶部を参照し、当該ランドマークが前記日常行動エリアに含まれていれば当該ランドマークの訪問回数が所定の第1訪問回数以上のときに当該ランドマークを強調表示し、当該ランドマークが前記日常行動エリアに含まれていなければ当該ランドマークの訪問回数が所定の第1訪問回数より小さい所定の第2訪問回数以上のときに当該ランドマークを強調表示する強調表示手段とを備えることを特徴とする。請求項5記載のナビゲーション装置によれば、日頃の行動範囲である日常行動エリア内にあるようなランドマークについては、本当に頻繁に訪れるランドマークだけを強調表示できる一方、遠方のランドマークについては過去に1回しか行ってないような場所についても的確に強調表示できる。
【0011】
請求項6記載のナビゲーション装置は、請求項5記載のナビゲーション装置において、前記日常行動エリア画定手段は、所定の期間に移動した範囲における緯度および経度の最小値および最大値を記憶しておき、前記最小値および前記最大値によって画定される矩形の座標範囲を日常行動エリアとすることを特徴とする。請求項6記載のナビゲーション装置によれば、所定の期間に移動した範囲における緯度および経度の最小値および最大値で日常行動エリアを画定するようにしたので、比較的簡単なアルゴリズムで少ない演算処理によって日常行動エリアを画定することができる。
【0012】
請求項7記載のナビゲーション装置は、請求項6記載のナビゲーション装置において、前記日常行動エリア画定手段は、所定の日数が経過する毎に前記最小値を一定値ずつ加算するとともに前記最大値を一定値ずつ減算することにより前記日常行動エリアを縮小し、移動が前記日常行動エリアを超えたときに前記最小値および前記最大値を再設定することにより前記日常行動エリアを拡張することを特徴とする。請求項7記載のナビゲーション装置によれば、日常行動エリアを動的に縮小および拡張するようにしたので、日常行動エリアを常に適切な範囲に保つことができる。
【0013】
請求項8記載のランドマーク強調表示方法は、地図およびランドマークを表示器に表示するナビゲーション装置のランドマーク表示方法であって、ランドマークのランドマーク識別情報および訪問回数を登録する訪問回数登録工程と、表示器に表示する地図表示範囲に含まれるランドマークについて前記ランドマーク識別情報および訪問回数を参照し、当該ランドマークの訪問回数が所定の訪問回数以上であれば当該ランドマークを強調表示する強調表示工程とを含むことを特徴とする。請求項8記載のランドマーク強調表示方法によれば、ランドマーク毎に過去の訪問回数を記憶し、訪問回数の多いランドマークのみを強調表示することで、ユーザが再訪問する可能性が高いランドマークを効率的に強調表示することができる。これによって、走行中に店舗等に立ち寄る用事を思い出したり、目的地検索の目的地を設定する際により目的地が判別しやすいために操作時間を短縮できたりする等の効果が期待できる。
【0014】
請求項9記載のランドマーク強調表示方法は、請求項8記載のランドマーク強調表示方法において、前記訪問回数登録工程では、目的地検索の目的地設定操作に伴って当該目的地にランドマーク表示があれば、当該ランドマークの訪問回数を加算することを特徴とする。請求項9記載のランドマーク強調表示方法によれば、目的地検索の目的地設定操作に伴って訪問回数を加算するので、ユーザが意識することなしに、訪問回数の加算を行うことができる。
【0015】
請求項10記載のランドマーク強調表示方法は、請求項8記載のランドマーク強調表示方法において、前記訪問回数登録工程では、所定の停車時間以上の車両の停車に伴って当該停車地点にランドマーク表示があれば、当該ランドマークの訪問回数を加算することを特徴とする。請求項10記載のランドマーク強調表示方法によれば、車両の停車に伴って訪問回数を自動的に加算するので、ユーザが意識することなしに、訪問回数の加算を行うことができる。
【0016】
請求項11記載のランドマーク強調表示方法は、請求項8ないし10のいずれか1項に記載のランドマーク強調表示方法において、前記ランドマーク訪問回数記憶部に登録されたランドマークの訪問回数を所定の経過時間毎に減算するランドマーク訪問回数減算工程を備えることを特徴とする。請求項11記載のランドマーク強調表示方法によれば、時間の経過とともにランドマークを再訪問する可能性が減少するので、これを反映することができる。
【0017】
請求項12記載のランドマーク強調表示方法は、地図およびランドマークを表示器に表示するナビゲーション装置のランドマーク表示方法であって、ランドマークの訪問回数を登録する訪問回数登録工程と、日常行動エリアを画定する日常行動エリア画定工程と、表示器に表示する地図表示範囲に含まれるランドマークについて前記訪問回数を参照し、当該ランドマークが前記日常行動エリアに含まれていれば当該ランドマークの訪問回数が所定の第1訪問回数以上のときに当該ランドマークを強調表示し、当該ランドマークが前記日常行動エリアに含まれていなければ当該ランドマークの訪問回数が所定の第1訪問回数より小さい所定の第2訪問回数以上のときに当該ランドマークを強調表示する強調表示工程とを含むことを特徴とする。請求項12記載のランドマーク強調表示方法によれば、日頃の行動範囲である日常行動エリア内にあるようなランドマークについては、本当に頻繁に訪れるランドマークだけを強調表示できる一方、遠方のランドマークについては過去に1回しか行ってないような場所についても的確に強調表示できるようになる。
【0018】
請求項13記載のランドマーク強調表示方法は、請求項12記載のランドマーク強調表示方法において、前記日常行動エリア画定工程では、所定の期間に移動した範囲における緯度および経度の最小値および最大値を記憶しておき、前記最小値および前記最大値によって画定される矩形の座標範囲を日常行動エリアとすることを特徴とする。請求項13記載のランドマーク強調表示方法によれば、所定の期間に移動した範囲における緯度および経度の最小値および最大値で日常行動エリアを画定するようにしたので、比較的簡単なアルゴリズムで少ない演算処理によって日常行動エリアを画定することができる。
【0019】
請求項14記載のランドマーク強調表示方法は、請求項13記載のランドマーク強調表示方法において、前記日常行動エリア画定工程では、所定の日数が経過する毎に前記最小値を一定値ずつ加算するとともに前記最大値を一定値ずつ減算することにより前記日常行動エリアを縮小し、移動が前記日常行動エリアを超えたときに前記最小値および前記最大値を再設定することにより前記日常行動エリアを拡張することを特徴とする。請求項14記載のランドマーク強調表示方法によれば、日常行動エリアを動的に縮小および拡張するようにしたので、日常行動エリアを常に適切な範囲に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
ランドマークの視認性を高め、例えば目的地を設定する際の認識動作を楽に行えるようにするという目的を、ナビゲーション装置の地図表示において、過去に多く訪問した地点のランドマークを強調表示することにより達成した。
【0021】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の実施例1に係るナビゲーション装置100の回路ブロック図である。本実施例1に係るナビゲーション装置100は、位置検出器1と、地図データ入力器6と、操作スイッチ群7と、制御回路8と、不揮発性メモリ9と、表示器10と、タッチパネル11と、リモートコントロール(以下、リモコンと称する)センサ12と、リモコン端末13と、音声認識ユニット14と、マイク15と、音声合成回路16と、スピーカ17と、LAN(Local Area Network) I/F(Interface)18と、記憶媒体19と、ハードディスク装置(HDD(Hard Disk Drive))20とから、その主要部を構成されている。なお、符号22は、ナビゲーション装置100を搭載する車両(図示せず)の車速センサを示す。
【0023】
位置検出器1は、周知の地磁気センサ2,車両の回転角速度を検出するジャイロスコープ3,車両の走行距離を検出する距離センサ4,および衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS(Global Positioning System)受信機5を有し、地球上の絶対座標を算出する。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部のセンサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ、例えば車速センサ22等を用いてもよい。
【0024】
地図データ入力器6は、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等の記憶媒体19からデータを読み込む記憶媒体読取装置である。
【0025】
操作スイッチ群7は、例えば表示器10と一体になったタッチパネル11もしくはメカニカルなスイッチが用いられる。
【0026】
制御回路8は、位置検出器1の絶対座標周辺の地図データを取得し、表示器10に地図と自車位置とを重畳表示するとともに、ランドマークの普通表示および強調表示を行う。すなわち、制御回路8は、訪問回数登録手段および強調表示手段の役目をする。制御回路8は、通常のコンピュータとして構成されており、周知のCPU(Central Processing Unit)81と、ROM(Read Only Memory)82と、RAM(Random Access Memory)83と、I/O(Input/Output)84と、A/D(Analog/Digital)変換部86と、描画部87と、これらの構成を接続するバスライン85とが備えられている。
【0027】
CPU81は、HDD20に記憶されたナビゲーションプログラム(以下、ナビプログラムと略記する)20pおよびデータにより制御を行う。また、CPU81は、HDD20へのデータの読み書きの制御を行う。
【0028】
ROM82は、ナビゲーション装置100を起動するために必要な最小限のプログラムを格納している。また、ROM82に、HDD20が故障した場合にナビゲーション機能のうちで必要最低限の動作を行うためのプログラムを記憶しておいてもよい。
【0029】
RAM83は、CPU81がナビプログラム20p等のプログラムの実行または処理に伴って命令およびデータを一時的にロードするメモリである。
【0030】
A/D変換部86は、周知のA/D変換回路を含み、例えば位置検出器1などから制御回路8に入力されるアナログデータをCPU81で演算可能なデジタルデータに変換するものである。
【0031】
描画部87は、HDD20等に記憶された表示用のデータや表示色のデータから表示器10に表示させるための表示画面データを生成する。
【0032】
不揮発性メモリ9は、EEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の書き換え可能な半導体メモリによって構成され、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、不揮発性メモリ9は、車両のアクセサリスイッチがオフ状態、すなわちナビゲーション装置100がオフ状態になっても、記憶内容が保持されるようになっている。また、不揮発性メモリ9の代わりにナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをHDD20に記憶してもよい。さらに、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータを不揮発性メモリ9とHDD20とに分けて記憶してもよい。
【0033】
表示器10は、周知のカラー液晶表示器で構成され、ドット・マトリックスLCD(Liquid Crystal Display)およびLCD表示制御を行うためのドライバ回路(図示せず)を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、画素毎にトランジスタを付けて目的の画素を確実に点灯したり消灯したりすることができるアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、制御回路8から送られる表示指令および表示画面データに基づいて表示を行う。また、表示器10として有機EL(Electroluminescence)表示器,プラズマ表示器等を用いてもよい。
【0034】
タッチパネル11は、表示器10の表示面に取り付けられた入力デバイスであり、ユーザが触った位置の座標値を制御回路8に送るものである。タッチパネル11は、表示器10の画面上にガラス基盤と透明なフィルムにスペーサと呼ばれる隙間を介してX軸方向、Y軸方向に電気回路が配線され、フィルム上をユーザがタッチすると、押された部分の配線がショートして電圧値が変わるため、これを2次元座標値(X,Y)として検出する、いわゆる抵抗膜方式が広く用いられる。その他に、いわゆる静電容量方式を用いてもよい。メカニカルスイッチの他に、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。
【0035】
リモコンセンサ12は、リモコン端末13からの電波を受信する受信ユニットである。
【0036】
リモコン端末13は、複数の入力ボタンを有し、操作された入力ボタンに相当する指令を電波あるいは赤外線でワイヤレスにリモコンセンサ12に送信するものである。
【0037】
音声認識ユニット14は、マイク15から入力された音声信号を、周知の隠れマルコフモデル等の音声認識技術により処理し、その結果に応じた操作コマンドに変換する。
【0038】
マイク15は、ユーザが種々の指示を音声認識ユニット14を通じて制御回路8に入力することを可能にする音声入力手段である。
【0039】
音声合成回路16は、ナビプログラム20pの指令によって不揮発性メモリ9あるいはHDD20に記憶されているデジタル音声データをアナログ音声信号に変換して出力する。なお、音声合成の方法には、音声波形をそのままあるいは符号化して蓄積しておき、必要に応じて繋ぎあわせる録音編集方式などがある。
【0040】
スピーカ17は、音声合成回路16に接続され、音声合成回路16から出力されるアナログ音声信号に基づいて音声を発生する。
【0041】
LAN I/F18は、車内LAN(図示せず)を介して他の車載機器やセンサとのデータの遣り取りを行うためのインターフェース回路である。また、LAN I/F18を介して車速センサ22からのデータ取り込み、あるいはETC車載器(図示せず)等との接続を行ってもよい。
【0042】
記憶媒体19は、ナビプログラム20p,データベース20d,地図データ20m等を格納する記録媒体であり、そのデータ量からCD−ROMやDVDを用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。また、外部ネットワークを介してデータをダウンロードする構成を用いてもよい。
【0043】
HDD20には、ナビプログラム20pと、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む地図データ20mとが記憶される。地図データ20mは、表示用となる所定の地図画像情報を記憶するとともに、リンク情報やノード情報等を含む道路網情報を記憶する。リンク情報は、各道路を構成する所定の区間情報であって、位置座標,距離,所要時間,道幅,車線数,制限速度等から構成される。また、ノード情報は、交差点(分岐路)等を規定する情報であって、位置座標,右左折車線数,接続先道路リンク等から構成される。また、リンク間接続情報には、通行の可不可を示すデータなどが設定されている。さらに、ランドマーク情報は、駅,店舗,ガソリンスタンドなどの地点情報であって、ランドマーク固有のランドマーク識別情報(ランドマークID)と、駅,店舗などのジャンル種別情報と、緯度および経度座標とを含んでいる。
【0044】
HDD20には、経路案内の補助情報や娯楽情報、その他にユーザが独自にデータを書き込むことができ、ユーザデータ20uとして記憶される。これらのユーザデータ20uは、操作スイッチ群7,タッチパネル11およびリモコン端末13の操作あるいはマイク15からの音声入力によって内容の書き換えが可能である。また、HDD20には、ナビゲーション装置100の動作に必要なデータや各種情報をデータベース20dとして記憶してもよい。
【0045】
なお、ナビプログラム20p,データベース20d,地図データ20mおよびユーザデータ20uは、地図データ入力器6を介して記憶媒体19からそのデータの追加・更新を行うことが可能である。
【0046】
HDD20には、さらに、ユーザデータ20u内にランドマーク訪問回数記憶部21が設けられている。ランドマーク訪問回数記憶部21は、図2に示すように、レコード番号と、過去に訪問したことがあるランドマークのランドマークIDと、そのランドマークへの訪問回数とからなるレコードが記憶されている。なお、本実施例1では、ランドマーク訪問回数記憶部21をHDD20に設けるようにしたが、不揮発性メモリ9に設けるようにすることもできる。
【0047】
車速センサ22は、周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号として制御回路8に送るものである。制御回路8では、その車輪の回転数を車両の速度に換算して、車両の現在位置から所定の場所までの予想到達時間を算出したり、車両の走行区間毎の平均車速を算出したりする。
【0048】
以上のような構成を持つことにより、ナビゲーション装置100は、制御回路8のCPU81によりナビプログラム20pが起動されると、ユーザが操作スイッチ群7,タッチパネル11,リモコン端末13の操作あるいはマイク15からの音声入力によって、表示器10上に表示されるメニューから目的地経路を表示器10に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。
【0049】
すなわち、ユーザが地図上の任意の地点あるいは施設検索や住所検索、ユーザが設定した登録地などから地点を選択して目的地として設定すると、位置検出器1により車両の現在位置が求められ、該現在位置を出発地として目的地までの最適な案内経路を求める処理が行われる。そして、表示器10上の道路地図に案内経路を重ねて表示し、ユーザに適切な経路を案内する。このような自動的に最適な案内経路を設定する手法としては、ダイクストラ法等の手法が知られている。また、表示器10およびスピーカ17の少なくとも一方によって、操作時のガイダンスや動作状態に応じたメッセージの報知を行う。
【0050】
図3は、ランドマーク訪問回数記憶部21に訪問回数を登録するための訪問回数登録処理を示すフローチャートである。なお、訪問回数登録処理は、ナビプログラム20pに含まれ、ナビプログラム20pの他のプログラムとともに繰り返し実行される。
【0051】
図4は、ランドマーク訪問回数記憶部21に登録された訪問回数に応じて表示器10においてランドマークを表示するランドマーク表示処理を示すフローチャートである。なお、ランドマーク表示処理は、ナビプログラム20pに含まれ、ナビプログラム20pの他のプログラムとともに繰り返し実行される。
【0052】
図5は、ランドマーク訪問回数記憶部21に登録された訪問回数を、時間の経過とともに減算する訪問回数減算処理を示すフローチャートである。なお、訪問回数減算処理は、ナビプログラム20pに含まれ、ナビプログラム20pの他のプログラムとともに繰り返し実行される。
【0053】
図6は、ランドマークを強調表示しない通常表示の一例を示す。ここでは、2つある「店」のランドマーク同士は、特に表示が強調されることなく、例えば同じ大きさで通常表示されている。
【0054】
図7は、「店」のランドマークが強調表示されている一例を示す。ここでは、2つある「店」のランドマークのうち、強調表示の対象となる一方のランドマークを構成する画像の外枠を太線にすることによって、他方のランドマークの普通表示より目立つように強調表示している。
【0055】
図8は、「店」のランドマークが図7とは異なる方法で強調表示されている他の例を示す。ここでは、2つある「店」のランドマークのうち、強調表示の対象となる一方のランドマーク自体を大きく拡大して表示することで、他方のランドマークの通常表示より目立つように強調表示している。
【0056】
なお、特には図示していなかったが、訪問回数に応じてランドマークの色,大きさ,輝度等を変えることによって強調表示を行う方法も考えられる。
【0057】
次に、このように構成された本実施例1に係るナビゲーション装置100の動作について、図1ないし図8を参照しながら説明する。
【0058】
まず、図3を用いて、ランドマーク訪問回数登録処理について説明する。
【0059】
ランドマーク訪問回数登録処理では、制御回路8は、経路案内を行うための目的地設定操作が行われたかどうかを監視している(図3のS101)。
【0060】
操作スイッチ群7,リモコン端末13またはマイク15を用いて目的地検索の目的地設定操作が行われると(図3のS101:YES)、制御回路8は、地図データ20m中のランドマーク情報を参照して目的地にランドマーク表示があるかどうかを判定する(図3のS102)。
【0061】
目的地にランドマーク表示がある場合は(図3のS102:YES)、制御回路8は、当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されているかどうかを確認する(図3のS103)。
【0062】
当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されている場合には(図3のS103:YES)、そのランドマークが過去に目的地として設定されたことがあることを意味するので、制御回路8は、そのレコードの訪問回数に+1を加算する(図3のS104)。
【0063】
当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されてない場合は(図3のS103:NO)、当該ランドマークが目的地に初めて設定されたことを意味するので、制御回路8は、当該ランドマークのランドマークIDを有する新規レコードをランドマーク訪問回数記憶部21に追加し(図3のS105)、そのレコード内の訪問回数を1に設定する(図3のS106)。
【0064】
図3では、ランドマークを目的地検索の目的地として設定した際に、訪問回数を登録することとして説明したが、その後に実際に経路案内に従って当該ランドマークに到達した段階で訪問回数を登録するようにしてもよい。
【0065】
次に、図4を用いて、ランドマーク表示処理について説明する。
【0066】
ランドマーク表示処理では、制御回路8は、地図表示範囲にランドマーク表示があるかどうかを監視している(図4のS201)。
【0067】
ランドマーク表示があれば(図4のS201:YES)、制御回路8は、当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されているかどうかを判定する(図4のS202)。
【0068】
当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されている場合は(図4のS202:YES)、制御回路8は、訪問回数が所定の訪問回数n(例えば、n=3)よりも大きいかどうかを判定する(図4のS203)。
【0069】
訪問回数が所定の訪問回数nより大きい場合は(図4のS203:YES)、制御回路8は、図7または図8に例示するように、ランドマークを地図上に重畳して強調表示する(図4のS204)。
【0070】
当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されてない場合(図4のS202:NO)、あるいは訪問回数が所定の訪問回数n以下の場合(図4のS203:NO)、制御回路8は、ランドマークの通常表示(強調しない表示)を地図上に重畳して表示する(図4のS205)。
【0071】
続いて、図5を用いて、ランドマーク訪問回数減算処理について説明する。
【0072】
ランドマーク訪問回数減算処理では、制御回路8は、所定の経過時間(例えば、1週間,1ヶ月,1年等)が経過するかどうかを監視している(図5のS301)。
【0073】
所定の経過時間が経過すると(図5のS301:YES)、制御回路8は、レコード番号を1つ加算して(図5のS302)、そのレコード番号のレコードの訪問回数が1より大きいかどうかを判定する(図5のS303)。
【0074】
訪問回数が1より大きければ(図5のS303:YES)、制御回路8は、訪問回数を1つ減算し(図5のS304)、訪問回数が1より大きくなければ(図5のS303:NO)、当該レコードをランドマーク訪問回数記憶部21から削除し(図5のS305)、それに対応してレコード番号を1つ減算する(図5のS306)。なお、ランドマーク訪問回数記憶部21からレコードを削除した場合には、空いたエントリ以下のレコードのレコード番号を1つずつ若くして空いたエントリを詰めるものとする。
【0075】
次に、制御回路8は、レコード番号が終了したかどうかに基づいてランドマーク訪問回数記憶部21の全てのレコードについて処理したかどうかを判定し(図5のS307)、全てのレコードについて処理していなければ(図5のS307:NO)、ステップS302に制御を戻して、次のレコードについてステップS302〜S307を繰り返す。
【0076】
そして、ランドマーク訪問回数記憶部21の全てのレコードについて処理を完了すると(図5のS307:YES)、制御回路8は、レコード番号を0にリセットして(図5のS308)、ステップS301に制御を戻し、再び所定の経過時間が経過するのを待つ。
【0077】
実施例1によれば、過去に目的地に設定された(あるいは訪問した)ランドマークが強調表示されるので、例えば画面表示されたランドマークに直接タッチして目的地検索の目的地を設定するような場合、他のランドマークと区別してよく使用するランドマークを、より簡単に選択できるようになる。
【0078】
また、実施例1によれば、過去に訪問したランドマークでも、所定の経過時間の経過とともに、ランドマークを再訪問する可能性が減少するので、これを反映することができる。
【実施例2】
【0079】
図9は、本発明の実施例2に係るナビゲーション装置100におけるランドマーク訪問回数登録処理を示すフローチャートである。なお、ランドマーク訪問回数登録処理は、ナビプログラム20pに含まれ、ナビプログラム20pの他のプログラムとともに繰り返し実行される。
【0080】
また、その他の特に言及しない部分は、図1ないし図8に示した実施例1に係るナビゲーション装置100における対応部分と同様に構成されているので、詳しい説明を割愛する。
【0081】
このように構成された実施例2に係るナビゲーション装置100では、ランドマーク訪問回数登録処理が、以下のように行われる。
【0082】
まず、制御回路8は、ナビゲーション装置100を搭載する車両が、ある地点に所定の停車時間以上停車しているかどうかを監視している(図9のS401)。これは、車速センサ22からの速度信号が速度ゼロであるかどうかを計測する等の方法により実現可能である。
【0083】
車両がある地点に所定の停車時間以上停車していれば(図9のS401:YES)、制御回路8は、当該地点にランドマーク表示があるかどうかを判定する(図9のS402)。
【0084】
当該地点にランドマーク表示がある場合は(図9のS402:YES)、制御回路8は、当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されているかどうかを判定する(図9のS403)。
【0085】
当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがすでにランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されている場合は(図9のS403:YES)、過去に当該ランドマークに所定の停車時間以上停車したことがあることを意味するので、制御回路8は、そのレコードの訪問回数に+1を加算する(図9のS404)。
【0086】
当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されていない場合は(図9のS403:NO)、当該ランドマークに初めて所定の停車時間以上停車したことを意味するので、制御回路8は、当該ランドマークのランドマークIDを有する新規レコードをランドマーク訪問回数記憶部21に追加し(図9のS405)、そのレコードの訪問回数を1に設定する(図9のS406)。
【0087】
実施例2によれば、実施例1に係るナビゲーション装置100と同様に、ユーザが再訪問する可能性が高いランドマークを効率的に強調表示することによって、走行中に店舗等に立ち寄る用事を思い出したり、目的地検索で目的地を設定する際により目的地が判別しやすいために操作時間を短縮できたりする等の効果が期待できる。
【実施例3】
【0088】
ところで、日頃、頻繁に訪れるランドマークは、その場所や経路を覚えてしまうため、強調表示しなくても困ることは少ない。一方、遠方のランドマークは、頻繁に行かなくても、そのランドマークを強調表示すると有効である。例えば、通勤経路中のコンビニエンスストアは場所および経路を覚えてしまっているので、特に強調表示しなくても困ることは少ないが、1年前に訪れて面白かった遊園地やデパートなどは強調表示すると、再び訪問しようした時に認識しやすく有効な表示方法といえる。
【0089】
そこで、本発明の実施例3に係るナビゲーション装置100では、図10に示すように、日常行動エリアAと、それ以外のエリア(以下、非日常行動エリアという)Bとを分け、ランドマークの強調を行うか否かの判断基準となる所定の訪問回数nを、日常行動エリアA内のランドマークに使用する第1訪問回数nAと、非日常行動エリアBのランドマークに使用する第2訪問回数nBとで異ならしめるようにしている。ここでは、日常行動エリアA内にあるランドマークについては、訪問回数が所定の第1訪問回数nA(=10)を超えた時点で強調表示することとし、非日常行動エリアBにあるランドマークについては、訪問回数が所定の第2訪問回数nB(=1)を超えていれば強調表示することにする。
【0090】
次に、図10を参照しながら、日常行動エリアAの画定方法について説明する。まず、ある所定の期間(例えば、1週間)で自車が移動した範囲における緯度および経度の最小値(X1,Y1)および最大値(X2,Y2)を記憶しておき、最小値(X1,Y1)および最大値(X2,Y2)によって画定される矩形の座標範囲を日常行動エリアA、それ以外の座標範囲を非日常行動エリアBとして区別する。また、最小値(X1,Y1)の数値は日数が経過するごとに、例えば日毎に角度10秒分だけ最小値(X1,Y1)に加算することとし、また最大値(X2,Y2)の数値は、日数が経過するごとに、例えば日毎に角度10秒分だけ最大値(X2,Y2)に減算することにする。つまり、日ごとに日常行動エリアAの領域が小さくなるように計算する。ただし、この間に自車が日常行動エリアAを超えて行動した場合は、その行動範囲に基づいて最小値(X1,Y1)あるいは最大値(X2,Y2)は更新されるものとする。このようにすることで、日頃の行動範囲を日常行動エリアAで表現することが可能となる。
【0091】
図11は、本発明の実施例3に係るナビゲーション装置100におけるランドマーク表示処理を示すフローチャートである。なお、ランドマーク表示処理は、ナビプログラム20pに含まれ、ナビプログラム20pの他のプログラムとともに繰り返し実行される。
【0092】
また、その他の特に言及しない部分は、図1ないし図8に示した実施例1に係るナビゲーション装置100における対応部分と同様に構成されているので、詳しい説明を割愛する。
【0093】
このように構成された実施例3に係るナビゲーション装置100におけるランドマーク表示処理は、以下のように行われる。
【0094】
まず、制御回路8は、地図表示範囲にランドマーク表示があるかどうかを判定する(図11のS501)。
【0095】
ランドマーク表示があれば(図11のS501:YES)、制御回路8は、当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されているかどうかを判定する(図11のS502)。
【0096】
当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されている場合は(図11のS502:YES)、制御回路8は、当該ランドマークが日常行動エリアA内にあるかどうかを判定する(図11のS503)。
【0097】
当該ランドマークが日常行動エリアA内にあれば(図11のS503:YES)、制御回路8は、訪問回数が所定の第1訪問回数nA(例えば、nA=10)よりも大きいかどうかを判定する(図11のS504)。
【0098】
訪問回数が所定の第1訪問回数nAより大きい場合は(図11のS504:YES)、制御回路8は、図10中の訪問回数が12回のランドマークのように、黒地白抜きの星形したランドマークを日常行動エリアAに重畳して強調表示する(図11のS505)。
【0099】
一方、訪問回数が所定の第1訪問回数nA以下の場合は(図11のS504:NO)、制御回路8は、図10中の訪問回数が5回のランドマークのように、白抜きのランドマークを日常行動エリアAに重畳して普通表示する(図11のS507)。
【0100】
他方、当該ランドマークが日常行動エリアA内になければ(図11のS503:NO)、制御回路8は、訪問回数が所定の第2訪問回数nB(例えば、n=1)よりも大きいかどうかを判定する(図11のS506)。
【0101】
訪問回数が所定の第2訪問回数nBより大きい場合は(図11のS506:YES)、制御回路8は、図10中の訪問回数が1回のランドマークのように、黒地白抜きの星形のランドマークを非日常行動エリアBに重畳して強調表示する(図11のS505)。
【0102】
一方、訪問回数が所定の第2訪問回数nB以下の場合は(図11のS506:NO)、制御回路8は、ランドマークを非日常行動エリアBに重畳して普通表示する(図11のS507)。ただし、本例の場合には、第2訪問回数nBが1であるので、それ以下の訪問回数は0となり、非日常行動エリアBに普通表示されるランドマークはないことになる。
【0103】
実施例3によれば、日常行動エリアAのような日頃の行動範囲内にあるようなランドマークについては、本当に頻繁に訪れるランドマークだけを強調表示できる一方、非日常行動エリアBにあるような遠方のランドマークについては過去に1回しか行ってないような地点についても的確に強調表示できるようになるという利点がある。
【0104】
なお、実施例3では、日常行動エリアAと非日常行動エリアBとのどちらに含まれるかで、強調表示の判断基準である第1訪問回数nAおよび第2訪問回数nBを異ならしめるようにしたが、強調表示の判断基準をリニアに変化させるようにしてもよい。例えば、ランドマークの表示輝度によって強調表示をするようにした場合、日常行動エリアAの中心点から当該ランドマークまでの距離Lに応じて輝度をリニアに変化させるようにすればよい。
【0105】
以上、本発明の各実施例を説明したが、これらはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【0106】
例えば、実施例ではナビゲーション装置100を車両に搭載される車載用ナビゲーション装置として説明したが、本発明が適用されるナビゲーション装置はこれに限られるものではなく、携帯電話機,PDA(Personal Data Assistant),ノートブックコンピュータ等の各種の携帯型電子機器上で実現されるナビゲーション装置についても、本発明を同様に適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の実施例1に係るナビゲーション装置を示す回路ブロック図。
【図2】図1中のランドマーク訪問回数記憶部のデータ構造を示す図。
【図3】本実施例1に係るナビゲーション装置におけるランドマーク訪問回数登録処理を示すフローチャート。
【図4】本実施例1に係るナビゲーション装置におけるランドマーク表示処理を示すフローチャート。
【図5】本実施例1に係るナビゲーション装置におけるランドマーク訪問回数減算処理を示すフローチャート。
【図6】本実施例1に係るナビゲーション装置におけるランドマーク強調表示なしのナビゲーション画面の一例を示す図。
【図7】本実施例1に係るナビゲーション装置におけるランドマーク強調表示ありのナビゲーション画面の一例を示す図。
【図8】本実施例1に係るナビゲーション装置におけるランドマーク強調表示ありのナビゲーション画面の他の例を示す図。
【図9】本発明の実施例2に係るナビゲーション装置におけるランドマーク訪問回数登録処理を示すフローチャート。
【図10】本発明の実施例3に係るナビゲーション装置におけるランドマーク強調表示ありのナビゲーション画面の一例を示す図。
【図11】本実施例3に係るナビゲーション装置におけるランドマーク表示処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0108】
1 位置検出器
2 地磁気センサ
3 ジャイロスコープ
4 距離センサ
5 GPS受信機
6 地図データ入力器
7 操作スイッチ群
8 制御回路(訪問回数登録手段,強調表示手段)
9 不揮発性メモリ
10 表示器
11 タッチパネル
12 リモコンセンサ
13 リモコン端末
14 音声認識ユニット
15 マイク
16 音声合成回路
17 スピーカ
18 LAN I/F
19 記憶媒体
20 ハードディスク装置(HDD)
21 ランドマーク訪問回数記憶部
22 車速センサ
100 ナビゲーション装置
【技術分野】
【0001】
本発明はナビゲーション装置およびランドマーク強調表示方法に関し、詳しくは、地図およびランドマークを表示器に表示するナビゲーション装置およびそのランドマーク強調表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術には、ユーザがあらかじめ設定したランドマークの近傍を自車が通過した際、ナビゲーション装置の表示器において当該ランドマークを含む拡大地図を表示することで、ランドマークの存在を認識させるようにしたものがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−097966号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来技術では、拡大表示を行うランドマークの指定を、駅,コンビニエンスストア,スーパーマーケット等のジャンル種別の指定によって行っていたため、ユーザが立ち寄らないランドマークでも無差別に拡大表示が行われて煩わしいという問題点があった。
【0004】
本発明の課題は、ナビゲーション装置の地図表示において、過去に多く訪問した地点のランドマークを強調表示することにより、当該ランドマークの視認性を高め、例えば目的地を設定する際の認識動作を楽に行えるようにするナビゲーション装置を提供することにある。
【0005】
また、本発明の他の課題は、ナビゲーション装置の地図表示において、過去に多く訪問した地点のランドマークを強調表示することにより、当該ランドマークの視認性を高め、例えば目的地を設定する際の認識動作を楽に行えるようにするランドマーク強調表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
請求項1記載のナビゲーション装置は、地図およびランドマークを表示器に表示するナビゲーション装置であって、ランドマークのランドマーク識別情報および訪問回数を記憶するランドマーク訪問回数記憶部と、前記ランドマーク訪問回数記憶部に訪問回数を登録する訪問回数登録手段と、表示器に表示する地図表示範囲に含まれるランドマークについて前記ランドマーク訪問回数記憶部を参照し、当該ランドマークの訪問回数が所定の訪問回数以上であれば当該ランドマークを強調表示する強調表示手段とを備えることを特徴とする。請求項1記載のナビゲーション装置によれば、ランドマーク毎に過去の訪問回数を記憶し、訪問回数の多いランドマークのみを強調表示することで、ユーザが再訪問する可能性が高いランドマークを効率的に強調表示することができる。これによって、走行中に店舗等に立ち寄る用事を思い出したり、目的地検索で目的地を設定する際により目的地が判別しやすいために操作時間を短縮できたりする等の効果が期待できる。
【0007】
請求項2記載のナビゲーション装置は、請求項1記載のナビゲーション装置において、前記訪問回数登録手段は、目的地検索の目的地設定操作に伴って当該目的地にランドマーク表示があれば、前記ランドマーク訪問回数記憶部に訪問回数を加算することを特徴とする。請求項2記載のナビゲーション装置によれば、目的地検索の目的地設定操作に伴って訪問回数を加算するので、ユーザが意識することなしに、訪問回数の加算を行うことができる。
【0008】
請求項3記載のナビゲーション装置は、請求項1記載のナビゲーション装置において、前記訪問回数登録手段は、所定の停車時間以上の車両の停車に伴って当該停車地点にランドマーク表示があれば、前記ランドマーク訪問回数記憶部に訪問回数を加算することを特徴とする。請求項3記載のナビゲーション装置によれば、車両の停車に伴って訪問回数を自動的に加算するので、ユーザが意識することなしに、訪問回数の加算を行うことができる。
【0009】
請求項4記載のナビゲーション装置は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、前記ランドマーク訪問回数記憶部に登録されたランドマークの訪問回数を所定の経過時間毎に減算するランドマーク訪問回数減算手段を備えることを特徴とする。請求項4記載のナビゲーション装置によれば、時間の経過とともにランドマークを再訪問する可能性が減少するので、これを自動的に反映することができる。
【0010】
請求項5記載のナビゲーション装置は、地図およびランドマークを表示器に表示するナビゲーション装置であって、ランドマークのランドマーク識別情報および訪問回数を記憶するランドマーク訪問回数記憶部と、前記ランドマーク訪問回数記憶部に訪問回数を登録する訪問回数登録手段と、日常行動エリアを画定する日常行動エリア画定手段と、表示器に表示する地図表示範囲に含まれるランドマークについて前記ランドマーク訪問回数記憶部を参照し、当該ランドマークが前記日常行動エリアに含まれていれば当該ランドマークの訪問回数が所定の第1訪問回数以上のときに当該ランドマークを強調表示し、当該ランドマークが前記日常行動エリアに含まれていなければ当該ランドマークの訪問回数が所定の第1訪問回数より小さい所定の第2訪問回数以上のときに当該ランドマークを強調表示する強調表示手段とを備えることを特徴とする。請求項5記載のナビゲーション装置によれば、日頃の行動範囲である日常行動エリア内にあるようなランドマークについては、本当に頻繁に訪れるランドマークだけを強調表示できる一方、遠方のランドマークについては過去に1回しか行ってないような場所についても的確に強調表示できる。
【0011】
請求項6記載のナビゲーション装置は、請求項5記載のナビゲーション装置において、前記日常行動エリア画定手段は、所定の期間に移動した範囲における緯度および経度の最小値および最大値を記憶しておき、前記最小値および前記最大値によって画定される矩形の座標範囲を日常行動エリアとすることを特徴とする。請求項6記載のナビゲーション装置によれば、所定の期間に移動した範囲における緯度および経度の最小値および最大値で日常行動エリアを画定するようにしたので、比較的簡単なアルゴリズムで少ない演算処理によって日常行動エリアを画定することができる。
【0012】
請求項7記載のナビゲーション装置は、請求項6記載のナビゲーション装置において、前記日常行動エリア画定手段は、所定の日数が経過する毎に前記最小値を一定値ずつ加算するとともに前記最大値を一定値ずつ減算することにより前記日常行動エリアを縮小し、移動が前記日常行動エリアを超えたときに前記最小値および前記最大値を再設定することにより前記日常行動エリアを拡張することを特徴とする。請求項7記載のナビゲーション装置によれば、日常行動エリアを動的に縮小および拡張するようにしたので、日常行動エリアを常に適切な範囲に保つことができる。
【0013】
請求項8記載のランドマーク強調表示方法は、地図およびランドマークを表示器に表示するナビゲーション装置のランドマーク表示方法であって、ランドマークのランドマーク識別情報および訪問回数を登録する訪問回数登録工程と、表示器に表示する地図表示範囲に含まれるランドマークについて前記ランドマーク識別情報および訪問回数を参照し、当該ランドマークの訪問回数が所定の訪問回数以上であれば当該ランドマークを強調表示する強調表示工程とを含むことを特徴とする。請求項8記載のランドマーク強調表示方法によれば、ランドマーク毎に過去の訪問回数を記憶し、訪問回数の多いランドマークのみを強調表示することで、ユーザが再訪問する可能性が高いランドマークを効率的に強調表示することができる。これによって、走行中に店舗等に立ち寄る用事を思い出したり、目的地検索の目的地を設定する際により目的地が判別しやすいために操作時間を短縮できたりする等の効果が期待できる。
【0014】
請求項9記載のランドマーク強調表示方法は、請求項8記載のランドマーク強調表示方法において、前記訪問回数登録工程では、目的地検索の目的地設定操作に伴って当該目的地にランドマーク表示があれば、当該ランドマークの訪問回数を加算することを特徴とする。請求項9記載のランドマーク強調表示方法によれば、目的地検索の目的地設定操作に伴って訪問回数を加算するので、ユーザが意識することなしに、訪問回数の加算を行うことができる。
【0015】
請求項10記載のランドマーク強調表示方法は、請求項8記載のランドマーク強調表示方法において、前記訪問回数登録工程では、所定の停車時間以上の車両の停車に伴って当該停車地点にランドマーク表示があれば、当該ランドマークの訪問回数を加算することを特徴とする。請求項10記載のランドマーク強調表示方法によれば、車両の停車に伴って訪問回数を自動的に加算するので、ユーザが意識することなしに、訪問回数の加算を行うことができる。
【0016】
請求項11記載のランドマーク強調表示方法は、請求項8ないし10のいずれか1項に記載のランドマーク強調表示方法において、前記ランドマーク訪問回数記憶部に登録されたランドマークの訪問回数を所定の経過時間毎に減算するランドマーク訪問回数減算工程を備えることを特徴とする。請求項11記載のランドマーク強調表示方法によれば、時間の経過とともにランドマークを再訪問する可能性が減少するので、これを反映することができる。
【0017】
請求項12記載のランドマーク強調表示方法は、地図およびランドマークを表示器に表示するナビゲーション装置のランドマーク表示方法であって、ランドマークの訪問回数を登録する訪問回数登録工程と、日常行動エリアを画定する日常行動エリア画定工程と、表示器に表示する地図表示範囲に含まれるランドマークについて前記訪問回数を参照し、当該ランドマークが前記日常行動エリアに含まれていれば当該ランドマークの訪問回数が所定の第1訪問回数以上のときに当該ランドマークを強調表示し、当該ランドマークが前記日常行動エリアに含まれていなければ当該ランドマークの訪問回数が所定の第1訪問回数より小さい所定の第2訪問回数以上のときに当該ランドマークを強調表示する強調表示工程とを含むことを特徴とする。請求項12記載のランドマーク強調表示方法によれば、日頃の行動範囲である日常行動エリア内にあるようなランドマークについては、本当に頻繁に訪れるランドマークだけを強調表示できる一方、遠方のランドマークについては過去に1回しか行ってないような場所についても的確に強調表示できるようになる。
【0018】
請求項13記載のランドマーク強調表示方法は、請求項12記載のランドマーク強調表示方法において、前記日常行動エリア画定工程では、所定の期間に移動した範囲における緯度および経度の最小値および最大値を記憶しておき、前記最小値および前記最大値によって画定される矩形の座標範囲を日常行動エリアとすることを特徴とする。請求項13記載のランドマーク強調表示方法によれば、所定の期間に移動した範囲における緯度および経度の最小値および最大値で日常行動エリアを画定するようにしたので、比較的簡単なアルゴリズムで少ない演算処理によって日常行動エリアを画定することができる。
【0019】
請求項14記載のランドマーク強調表示方法は、請求項13記載のランドマーク強調表示方法において、前記日常行動エリア画定工程では、所定の日数が経過する毎に前記最小値を一定値ずつ加算するとともに前記最大値を一定値ずつ減算することにより前記日常行動エリアを縮小し、移動が前記日常行動エリアを超えたときに前記最小値および前記最大値を再設定することにより前記日常行動エリアを拡張することを特徴とする。請求項14記載のランドマーク強調表示方法によれば、日常行動エリアを動的に縮小および拡張するようにしたので、日常行動エリアを常に適切な範囲に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
ランドマークの視認性を高め、例えば目的地を設定する際の認識動作を楽に行えるようにするという目的を、ナビゲーション装置の地図表示において、過去に多く訪問した地点のランドマークを強調表示することにより達成した。
【0021】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の実施例1に係るナビゲーション装置100の回路ブロック図である。本実施例1に係るナビゲーション装置100は、位置検出器1と、地図データ入力器6と、操作スイッチ群7と、制御回路8と、不揮発性メモリ9と、表示器10と、タッチパネル11と、リモートコントロール(以下、リモコンと称する)センサ12と、リモコン端末13と、音声認識ユニット14と、マイク15と、音声合成回路16と、スピーカ17と、LAN(Local Area Network) I/F(Interface)18と、記憶媒体19と、ハードディスク装置(HDD(Hard Disk Drive))20とから、その主要部を構成されている。なお、符号22は、ナビゲーション装置100を搭載する車両(図示せず)の車速センサを示す。
【0023】
位置検出器1は、周知の地磁気センサ2,車両の回転角速度を検出するジャイロスコープ3,車両の走行距離を検出する距離センサ4,および衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS(Global Positioning System)受信機5を有し、地球上の絶対座標を算出する。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部のセンサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ、例えば車速センサ22等を用いてもよい。
【0024】
地図データ入力器6は、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等の記憶媒体19からデータを読み込む記憶媒体読取装置である。
【0025】
操作スイッチ群7は、例えば表示器10と一体になったタッチパネル11もしくはメカニカルなスイッチが用いられる。
【0026】
制御回路8は、位置検出器1の絶対座標周辺の地図データを取得し、表示器10に地図と自車位置とを重畳表示するとともに、ランドマークの普通表示および強調表示を行う。すなわち、制御回路8は、訪問回数登録手段および強調表示手段の役目をする。制御回路8は、通常のコンピュータとして構成されており、周知のCPU(Central Processing Unit)81と、ROM(Read Only Memory)82と、RAM(Random Access Memory)83と、I/O(Input/Output)84と、A/D(Analog/Digital)変換部86と、描画部87と、これらの構成を接続するバスライン85とが備えられている。
【0027】
CPU81は、HDD20に記憶されたナビゲーションプログラム(以下、ナビプログラムと略記する)20pおよびデータにより制御を行う。また、CPU81は、HDD20へのデータの読み書きの制御を行う。
【0028】
ROM82は、ナビゲーション装置100を起動するために必要な最小限のプログラムを格納している。また、ROM82に、HDD20が故障した場合にナビゲーション機能のうちで必要最低限の動作を行うためのプログラムを記憶しておいてもよい。
【0029】
RAM83は、CPU81がナビプログラム20p等のプログラムの実行または処理に伴って命令およびデータを一時的にロードするメモリである。
【0030】
A/D変換部86は、周知のA/D変換回路を含み、例えば位置検出器1などから制御回路8に入力されるアナログデータをCPU81で演算可能なデジタルデータに変換するものである。
【0031】
描画部87は、HDD20等に記憶された表示用のデータや表示色のデータから表示器10に表示させるための表示画面データを生成する。
【0032】
不揮発性メモリ9は、EEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の書き換え可能な半導体メモリによって構成され、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、不揮発性メモリ9は、車両のアクセサリスイッチがオフ状態、すなわちナビゲーション装置100がオフ状態になっても、記憶内容が保持されるようになっている。また、不揮発性メモリ9の代わりにナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをHDD20に記憶してもよい。さらに、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータを不揮発性メモリ9とHDD20とに分けて記憶してもよい。
【0033】
表示器10は、周知のカラー液晶表示器で構成され、ドット・マトリックスLCD(Liquid Crystal Display)およびLCD表示制御を行うためのドライバ回路(図示せず)を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、画素毎にトランジスタを付けて目的の画素を確実に点灯したり消灯したりすることができるアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、制御回路8から送られる表示指令および表示画面データに基づいて表示を行う。また、表示器10として有機EL(Electroluminescence)表示器,プラズマ表示器等を用いてもよい。
【0034】
タッチパネル11は、表示器10の表示面に取り付けられた入力デバイスであり、ユーザが触った位置の座標値を制御回路8に送るものである。タッチパネル11は、表示器10の画面上にガラス基盤と透明なフィルムにスペーサと呼ばれる隙間を介してX軸方向、Y軸方向に電気回路が配線され、フィルム上をユーザがタッチすると、押された部分の配線がショートして電圧値が変わるため、これを2次元座標値(X,Y)として検出する、いわゆる抵抗膜方式が広く用いられる。その他に、いわゆる静電容量方式を用いてもよい。メカニカルスイッチの他に、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。
【0035】
リモコンセンサ12は、リモコン端末13からの電波を受信する受信ユニットである。
【0036】
リモコン端末13は、複数の入力ボタンを有し、操作された入力ボタンに相当する指令を電波あるいは赤外線でワイヤレスにリモコンセンサ12に送信するものである。
【0037】
音声認識ユニット14は、マイク15から入力された音声信号を、周知の隠れマルコフモデル等の音声認識技術により処理し、その結果に応じた操作コマンドに変換する。
【0038】
マイク15は、ユーザが種々の指示を音声認識ユニット14を通じて制御回路8に入力することを可能にする音声入力手段である。
【0039】
音声合成回路16は、ナビプログラム20pの指令によって不揮発性メモリ9あるいはHDD20に記憶されているデジタル音声データをアナログ音声信号に変換して出力する。なお、音声合成の方法には、音声波形をそのままあるいは符号化して蓄積しておき、必要に応じて繋ぎあわせる録音編集方式などがある。
【0040】
スピーカ17は、音声合成回路16に接続され、音声合成回路16から出力されるアナログ音声信号に基づいて音声を発生する。
【0041】
LAN I/F18は、車内LAN(図示せず)を介して他の車載機器やセンサとのデータの遣り取りを行うためのインターフェース回路である。また、LAN I/F18を介して車速センサ22からのデータ取り込み、あるいはETC車載器(図示せず)等との接続を行ってもよい。
【0042】
記憶媒体19は、ナビプログラム20p,データベース20d,地図データ20m等を格納する記録媒体であり、そのデータ量からCD−ROMやDVDを用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。また、外部ネットワークを介してデータをダウンロードする構成を用いてもよい。
【0043】
HDD20には、ナビプログラム20pと、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む地図データ20mとが記憶される。地図データ20mは、表示用となる所定の地図画像情報を記憶するとともに、リンク情報やノード情報等を含む道路網情報を記憶する。リンク情報は、各道路を構成する所定の区間情報であって、位置座標,距離,所要時間,道幅,車線数,制限速度等から構成される。また、ノード情報は、交差点(分岐路)等を規定する情報であって、位置座標,右左折車線数,接続先道路リンク等から構成される。また、リンク間接続情報には、通行の可不可を示すデータなどが設定されている。さらに、ランドマーク情報は、駅,店舗,ガソリンスタンドなどの地点情報であって、ランドマーク固有のランドマーク識別情報(ランドマークID)と、駅,店舗などのジャンル種別情報と、緯度および経度座標とを含んでいる。
【0044】
HDD20には、経路案内の補助情報や娯楽情報、その他にユーザが独自にデータを書き込むことができ、ユーザデータ20uとして記憶される。これらのユーザデータ20uは、操作スイッチ群7,タッチパネル11およびリモコン端末13の操作あるいはマイク15からの音声入力によって内容の書き換えが可能である。また、HDD20には、ナビゲーション装置100の動作に必要なデータや各種情報をデータベース20dとして記憶してもよい。
【0045】
なお、ナビプログラム20p,データベース20d,地図データ20mおよびユーザデータ20uは、地図データ入力器6を介して記憶媒体19からそのデータの追加・更新を行うことが可能である。
【0046】
HDD20には、さらに、ユーザデータ20u内にランドマーク訪問回数記憶部21が設けられている。ランドマーク訪問回数記憶部21は、図2に示すように、レコード番号と、過去に訪問したことがあるランドマークのランドマークIDと、そのランドマークへの訪問回数とからなるレコードが記憶されている。なお、本実施例1では、ランドマーク訪問回数記憶部21をHDD20に設けるようにしたが、不揮発性メモリ9に設けるようにすることもできる。
【0047】
車速センサ22は、周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号として制御回路8に送るものである。制御回路8では、その車輪の回転数を車両の速度に換算して、車両の現在位置から所定の場所までの予想到達時間を算出したり、車両の走行区間毎の平均車速を算出したりする。
【0048】
以上のような構成を持つことにより、ナビゲーション装置100は、制御回路8のCPU81によりナビプログラム20pが起動されると、ユーザが操作スイッチ群7,タッチパネル11,リモコン端末13の操作あるいはマイク15からの音声入力によって、表示器10上に表示されるメニューから目的地経路を表示器10に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。
【0049】
すなわち、ユーザが地図上の任意の地点あるいは施設検索や住所検索、ユーザが設定した登録地などから地点を選択して目的地として設定すると、位置検出器1により車両の現在位置が求められ、該現在位置を出発地として目的地までの最適な案内経路を求める処理が行われる。そして、表示器10上の道路地図に案内経路を重ねて表示し、ユーザに適切な経路を案内する。このような自動的に最適な案内経路を設定する手法としては、ダイクストラ法等の手法が知られている。また、表示器10およびスピーカ17の少なくとも一方によって、操作時のガイダンスや動作状態に応じたメッセージの報知を行う。
【0050】
図3は、ランドマーク訪問回数記憶部21に訪問回数を登録するための訪問回数登録処理を示すフローチャートである。なお、訪問回数登録処理は、ナビプログラム20pに含まれ、ナビプログラム20pの他のプログラムとともに繰り返し実行される。
【0051】
図4は、ランドマーク訪問回数記憶部21に登録された訪問回数に応じて表示器10においてランドマークを表示するランドマーク表示処理を示すフローチャートである。なお、ランドマーク表示処理は、ナビプログラム20pに含まれ、ナビプログラム20pの他のプログラムとともに繰り返し実行される。
【0052】
図5は、ランドマーク訪問回数記憶部21に登録された訪問回数を、時間の経過とともに減算する訪問回数減算処理を示すフローチャートである。なお、訪問回数減算処理は、ナビプログラム20pに含まれ、ナビプログラム20pの他のプログラムとともに繰り返し実行される。
【0053】
図6は、ランドマークを強調表示しない通常表示の一例を示す。ここでは、2つある「店」のランドマーク同士は、特に表示が強調されることなく、例えば同じ大きさで通常表示されている。
【0054】
図7は、「店」のランドマークが強調表示されている一例を示す。ここでは、2つある「店」のランドマークのうち、強調表示の対象となる一方のランドマークを構成する画像の外枠を太線にすることによって、他方のランドマークの普通表示より目立つように強調表示している。
【0055】
図8は、「店」のランドマークが図7とは異なる方法で強調表示されている他の例を示す。ここでは、2つある「店」のランドマークのうち、強調表示の対象となる一方のランドマーク自体を大きく拡大して表示することで、他方のランドマークの通常表示より目立つように強調表示している。
【0056】
なお、特には図示していなかったが、訪問回数に応じてランドマークの色,大きさ,輝度等を変えることによって強調表示を行う方法も考えられる。
【0057】
次に、このように構成された本実施例1に係るナビゲーション装置100の動作について、図1ないし図8を参照しながら説明する。
【0058】
まず、図3を用いて、ランドマーク訪問回数登録処理について説明する。
【0059】
ランドマーク訪問回数登録処理では、制御回路8は、経路案内を行うための目的地設定操作が行われたかどうかを監視している(図3のS101)。
【0060】
操作スイッチ群7,リモコン端末13またはマイク15を用いて目的地検索の目的地設定操作が行われると(図3のS101:YES)、制御回路8は、地図データ20m中のランドマーク情報を参照して目的地にランドマーク表示があるかどうかを判定する(図3のS102)。
【0061】
目的地にランドマーク表示がある場合は(図3のS102:YES)、制御回路8は、当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されているかどうかを確認する(図3のS103)。
【0062】
当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されている場合には(図3のS103:YES)、そのランドマークが過去に目的地として設定されたことがあることを意味するので、制御回路8は、そのレコードの訪問回数に+1を加算する(図3のS104)。
【0063】
当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されてない場合は(図3のS103:NO)、当該ランドマークが目的地に初めて設定されたことを意味するので、制御回路8は、当該ランドマークのランドマークIDを有する新規レコードをランドマーク訪問回数記憶部21に追加し(図3のS105)、そのレコード内の訪問回数を1に設定する(図3のS106)。
【0064】
図3では、ランドマークを目的地検索の目的地として設定した際に、訪問回数を登録することとして説明したが、その後に実際に経路案内に従って当該ランドマークに到達した段階で訪問回数を登録するようにしてもよい。
【0065】
次に、図4を用いて、ランドマーク表示処理について説明する。
【0066】
ランドマーク表示処理では、制御回路8は、地図表示範囲にランドマーク表示があるかどうかを監視している(図4のS201)。
【0067】
ランドマーク表示があれば(図4のS201:YES)、制御回路8は、当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されているかどうかを判定する(図4のS202)。
【0068】
当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されている場合は(図4のS202:YES)、制御回路8は、訪問回数が所定の訪問回数n(例えば、n=3)よりも大きいかどうかを判定する(図4のS203)。
【0069】
訪問回数が所定の訪問回数nより大きい場合は(図4のS203:YES)、制御回路8は、図7または図8に例示するように、ランドマークを地図上に重畳して強調表示する(図4のS204)。
【0070】
当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されてない場合(図4のS202:NO)、あるいは訪問回数が所定の訪問回数n以下の場合(図4のS203:NO)、制御回路8は、ランドマークの通常表示(強調しない表示)を地図上に重畳して表示する(図4のS205)。
【0071】
続いて、図5を用いて、ランドマーク訪問回数減算処理について説明する。
【0072】
ランドマーク訪問回数減算処理では、制御回路8は、所定の経過時間(例えば、1週間,1ヶ月,1年等)が経過するかどうかを監視している(図5のS301)。
【0073】
所定の経過時間が経過すると(図5のS301:YES)、制御回路8は、レコード番号を1つ加算して(図5のS302)、そのレコード番号のレコードの訪問回数が1より大きいかどうかを判定する(図5のS303)。
【0074】
訪問回数が1より大きければ(図5のS303:YES)、制御回路8は、訪問回数を1つ減算し(図5のS304)、訪問回数が1より大きくなければ(図5のS303:NO)、当該レコードをランドマーク訪問回数記憶部21から削除し(図5のS305)、それに対応してレコード番号を1つ減算する(図5のS306)。なお、ランドマーク訪問回数記憶部21からレコードを削除した場合には、空いたエントリ以下のレコードのレコード番号を1つずつ若くして空いたエントリを詰めるものとする。
【0075】
次に、制御回路8は、レコード番号が終了したかどうかに基づいてランドマーク訪問回数記憶部21の全てのレコードについて処理したかどうかを判定し(図5のS307)、全てのレコードについて処理していなければ(図5のS307:NO)、ステップS302に制御を戻して、次のレコードについてステップS302〜S307を繰り返す。
【0076】
そして、ランドマーク訪問回数記憶部21の全てのレコードについて処理を完了すると(図5のS307:YES)、制御回路8は、レコード番号を0にリセットして(図5のS308)、ステップS301に制御を戻し、再び所定の経過時間が経過するのを待つ。
【0077】
実施例1によれば、過去に目的地に設定された(あるいは訪問した)ランドマークが強調表示されるので、例えば画面表示されたランドマークに直接タッチして目的地検索の目的地を設定するような場合、他のランドマークと区別してよく使用するランドマークを、より簡単に選択できるようになる。
【0078】
また、実施例1によれば、過去に訪問したランドマークでも、所定の経過時間の経過とともに、ランドマークを再訪問する可能性が減少するので、これを反映することができる。
【実施例2】
【0079】
図9は、本発明の実施例2に係るナビゲーション装置100におけるランドマーク訪問回数登録処理を示すフローチャートである。なお、ランドマーク訪問回数登録処理は、ナビプログラム20pに含まれ、ナビプログラム20pの他のプログラムとともに繰り返し実行される。
【0080】
また、その他の特に言及しない部分は、図1ないし図8に示した実施例1に係るナビゲーション装置100における対応部分と同様に構成されているので、詳しい説明を割愛する。
【0081】
このように構成された実施例2に係るナビゲーション装置100では、ランドマーク訪問回数登録処理が、以下のように行われる。
【0082】
まず、制御回路8は、ナビゲーション装置100を搭載する車両が、ある地点に所定の停車時間以上停車しているかどうかを監視している(図9のS401)。これは、車速センサ22からの速度信号が速度ゼロであるかどうかを計測する等の方法により実現可能である。
【0083】
車両がある地点に所定の停車時間以上停車していれば(図9のS401:YES)、制御回路8は、当該地点にランドマーク表示があるかどうかを判定する(図9のS402)。
【0084】
当該地点にランドマーク表示がある場合は(図9のS402:YES)、制御回路8は、当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されているかどうかを判定する(図9のS403)。
【0085】
当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがすでにランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されている場合は(図9のS403:YES)、過去に当該ランドマークに所定の停車時間以上停車したことがあることを意味するので、制御回路8は、そのレコードの訪問回数に+1を加算する(図9のS404)。
【0086】
当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されていない場合は(図9のS403:NO)、当該ランドマークに初めて所定の停車時間以上停車したことを意味するので、制御回路8は、当該ランドマークのランドマークIDを有する新規レコードをランドマーク訪問回数記憶部21に追加し(図9のS405)、そのレコードの訪問回数を1に設定する(図9のS406)。
【0087】
実施例2によれば、実施例1に係るナビゲーション装置100と同様に、ユーザが再訪問する可能性が高いランドマークを効率的に強調表示することによって、走行中に店舗等に立ち寄る用事を思い出したり、目的地検索で目的地を設定する際により目的地が判別しやすいために操作時間を短縮できたりする等の効果が期待できる。
【実施例3】
【0088】
ところで、日頃、頻繁に訪れるランドマークは、その場所や経路を覚えてしまうため、強調表示しなくても困ることは少ない。一方、遠方のランドマークは、頻繁に行かなくても、そのランドマークを強調表示すると有効である。例えば、通勤経路中のコンビニエンスストアは場所および経路を覚えてしまっているので、特に強調表示しなくても困ることは少ないが、1年前に訪れて面白かった遊園地やデパートなどは強調表示すると、再び訪問しようした時に認識しやすく有効な表示方法といえる。
【0089】
そこで、本発明の実施例3に係るナビゲーション装置100では、図10に示すように、日常行動エリアAと、それ以外のエリア(以下、非日常行動エリアという)Bとを分け、ランドマークの強調を行うか否かの判断基準となる所定の訪問回数nを、日常行動エリアA内のランドマークに使用する第1訪問回数nAと、非日常行動エリアBのランドマークに使用する第2訪問回数nBとで異ならしめるようにしている。ここでは、日常行動エリアA内にあるランドマークについては、訪問回数が所定の第1訪問回数nA(=10)を超えた時点で強調表示することとし、非日常行動エリアBにあるランドマークについては、訪問回数が所定の第2訪問回数nB(=1)を超えていれば強調表示することにする。
【0090】
次に、図10を参照しながら、日常行動エリアAの画定方法について説明する。まず、ある所定の期間(例えば、1週間)で自車が移動した範囲における緯度および経度の最小値(X1,Y1)および最大値(X2,Y2)を記憶しておき、最小値(X1,Y1)および最大値(X2,Y2)によって画定される矩形の座標範囲を日常行動エリアA、それ以外の座標範囲を非日常行動エリアBとして区別する。また、最小値(X1,Y1)の数値は日数が経過するごとに、例えば日毎に角度10秒分だけ最小値(X1,Y1)に加算することとし、また最大値(X2,Y2)の数値は、日数が経過するごとに、例えば日毎に角度10秒分だけ最大値(X2,Y2)に減算することにする。つまり、日ごとに日常行動エリアAの領域が小さくなるように計算する。ただし、この間に自車が日常行動エリアAを超えて行動した場合は、その行動範囲に基づいて最小値(X1,Y1)あるいは最大値(X2,Y2)は更新されるものとする。このようにすることで、日頃の行動範囲を日常行動エリアAで表現することが可能となる。
【0091】
図11は、本発明の実施例3に係るナビゲーション装置100におけるランドマーク表示処理を示すフローチャートである。なお、ランドマーク表示処理は、ナビプログラム20pに含まれ、ナビプログラム20pの他のプログラムとともに繰り返し実行される。
【0092】
また、その他の特に言及しない部分は、図1ないし図8に示した実施例1に係るナビゲーション装置100における対応部分と同様に構成されているので、詳しい説明を割愛する。
【0093】
このように構成された実施例3に係るナビゲーション装置100におけるランドマーク表示処理は、以下のように行われる。
【0094】
まず、制御回路8は、地図表示範囲にランドマーク表示があるかどうかを判定する(図11のS501)。
【0095】
ランドマーク表示があれば(図11のS501:YES)、制御回路8は、当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されているかどうかを判定する(図11のS502)。
【0096】
当該ランドマークのランドマークIDを有するレコードがランドマーク訪問回数記憶部21に記憶されている場合は(図11のS502:YES)、制御回路8は、当該ランドマークが日常行動エリアA内にあるかどうかを判定する(図11のS503)。
【0097】
当該ランドマークが日常行動エリアA内にあれば(図11のS503:YES)、制御回路8は、訪問回数が所定の第1訪問回数nA(例えば、nA=10)よりも大きいかどうかを判定する(図11のS504)。
【0098】
訪問回数が所定の第1訪問回数nAより大きい場合は(図11のS504:YES)、制御回路8は、図10中の訪問回数が12回のランドマークのように、黒地白抜きの星形したランドマークを日常行動エリアAに重畳して強調表示する(図11のS505)。
【0099】
一方、訪問回数が所定の第1訪問回数nA以下の場合は(図11のS504:NO)、制御回路8は、図10中の訪問回数が5回のランドマークのように、白抜きのランドマークを日常行動エリアAに重畳して普通表示する(図11のS507)。
【0100】
他方、当該ランドマークが日常行動エリアA内になければ(図11のS503:NO)、制御回路8は、訪問回数が所定の第2訪問回数nB(例えば、n=1)よりも大きいかどうかを判定する(図11のS506)。
【0101】
訪問回数が所定の第2訪問回数nBより大きい場合は(図11のS506:YES)、制御回路8は、図10中の訪問回数が1回のランドマークのように、黒地白抜きの星形のランドマークを非日常行動エリアBに重畳して強調表示する(図11のS505)。
【0102】
一方、訪問回数が所定の第2訪問回数nB以下の場合は(図11のS506:NO)、制御回路8は、ランドマークを非日常行動エリアBに重畳して普通表示する(図11のS507)。ただし、本例の場合には、第2訪問回数nBが1であるので、それ以下の訪問回数は0となり、非日常行動エリアBに普通表示されるランドマークはないことになる。
【0103】
実施例3によれば、日常行動エリアAのような日頃の行動範囲内にあるようなランドマークについては、本当に頻繁に訪れるランドマークだけを強調表示できる一方、非日常行動エリアBにあるような遠方のランドマークについては過去に1回しか行ってないような地点についても的確に強調表示できるようになるという利点がある。
【0104】
なお、実施例3では、日常行動エリアAと非日常行動エリアBとのどちらに含まれるかで、強調表示の判断基準である第1訪問回数nAおよび第2訪問回数nBを異ならしめるようにしたが、強調表示の判断基準をリニアに変化させるようにしてもよい。例えば、ランドマークの表示輝度によって強調表示をするようにした場合、日常行動エリアAの中心点から当該ランドマークまでの距離Lに応じて輝度をリニアに変化させるようにすればよい。
【0105】
以上、本発明の各実施例を説明したが、これらはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【0106】
例えば、実施例ではナビゲーション装置100を車両に搭載される車載用ナビゲーション装置として説明したが、本発明が適用されるナビゲーション装置はこれに限られるものではなく、携帯電話機,PDA(Personal Data Assistant),ノートブックコンピュータ等の各種の携帯型電子機器上で実現されるナビゲーション装置についても、本発明を同様に適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の実施例1に係るナビゲーション装置を示す回路ブロック図。
【図2】図1中のランドマーク訪問回数記憶部のデータ構造を示す図。
【図3】本実施例1に係るナビゲーション装置におけるランドマーク訪問回数登録処理を示すフローチャート。
【図4】本実施例1に係るナビゲーション装置におけるランドマーク表示処理を示すフローチャート。
【図5】本実施例1に係るナビゲーション装置におけるランドマーク訪問回数減算処理を示すフローチャート。
【図6】本実施例1に係るナビゲーション装置におけるランドマーク強調表示なしのナビゲーション画面の一例を示す図。
【図7】本実施例1に係るナビゲーション装置におけるランドマーク強調表示ありのナビゲーション画面の一例を示す図。
【図8】本実施例1に係るナビゲーション装置におけるランドマーク強調表示ありのナビゲーション画面の他の例を示す図。
【図9】本発明の実施例2に係るナビゲーション装置におけるランドマーク訪問回数登録処理を示すフローチャート。
【図10】本発明の実施例3に係るナビゲーション装置におけるランドマーク強調表示ありのナビゲーション画面の一例を示す図。
【図11】本実施例3に係るナビゲーション装置におけるランドマーク表示処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0108】
1 位置検出器
2 地磁気センサ
3 ジャイロスコープ
4 距離センサ
5 GPS受信機
6 地図データ入力器
7 操作スイッチ群
8 制御回路(訪問回数登録手段,強調表示手段)
9 不揮発性メモリ
10 表示器
11 タッチパネル
12 リモコンセンサ
13 リモコン端末
14 音声認識ユニット
15 マイク
16 音声合成回路
17 スピーカ
18 LAN I/F
19 記憶媒体
20 ハードディスク装置(HDD)
21 ランドマーク訪問回数記憶部
22 車速センサ
100 ナビゲーション装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図およびランドマークを表示器に表示するナビゲーション装置であって、
ランドマークのランドマーク識別情報および訪問回数を記憶するランドマーク訪問回数記憶部と、
前記ランドマーク訪問回数記憶部に訪問回数を登録する訪問回数登録手段と、
表示器に表示する地図表示範囲に含まれるランドマークについて前記ランドマーク訪問回数記憶部を参照し、当該ランドマークの訪問回数が所定の訪問回数以上であれば当該ランドマークを強調表示する強調表示手段と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記訪問回数登録手段は、目的地検索の目的地設定操作に伴って当該目的地にランドマーク表示があれば、前記ランドマーク訪問回数記憶部に訪問回数を加算する請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記訪問回数登録手段は、所定の停車時間以上の車両の停車に伴って当該停車地点にランドマーク表示があれば、前記ランドマーク訪問回数記憶部に訪問回数を加算する請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記ランドマーク訪問回数記憶部に登録されたランドマークの訪問回数を所定の経過時間毎に減算するランドマーク訪問回数減算手段を備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
地図およびランドマークを表示器に表示するナビゲーション装置であって、
ランドマークのランドマーク識別情報および訪問回数を記憶するランドマーク訪問回数記憶部と、
前記ランドマーク訪問回数記憶部に訪問回数を登録する訪問回数登録手段と、
日常行動エリアを画定する日常行動エリア画定手段と、
表示器に表示する地図表示範囲に含まれるランドマークについて前記ランドマーク訪問回数記憶部を参照し、当該ランドマークが前記日常行動エリアに含まれていれば当該ランドマークの訪問回数が所定の第1訪問回数以上のときに当該ランドマークを強調表示し、当該ランドマークが前記日常行動エリアに含まれていなければ当該ランドマークの訪問回数が前記第1訪問回数より小さい所定の第2訪問回数以上のときに当該ランドマークを強調表示する強調表示手段と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
前記日常行動エリア画定手段は、所定の期間に移動した範囲における緯度および経度の最小値および最大値を記憶しておき、前記最小値および前記最大値によって画定される矩形の座標範囲を日常行動エリアとする請求項5記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記日常行動エリア画定手段は、所定の日数が経過する毎に前記最小値を一定値ずつ加算するとともに前記最大値を一定値ずつ減算することにより前記日常行動エリアを縮小し、移動が前記日常行動エリアを超えたときに前記最小値および前記最大値を再設定することにより前記日常行動エリアを拡張する請求項6記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
地図およびランドマークを表示器に表示するナビゲーション装置のランドマーク表示方法であって、
ランドマークの訪問回数を登録する訪問回数登録工程と、
表示器に表示する地図表示範囲に含まれるランドマークについて前記訪問回数を参照し、当該ランドマークの訪問回数が所定の訪問回数以上であれば当該ランドマークを強調表示する強調表示工程と
を含むことを特徴とするランドマーク強調表示方法。
【請求項9】
前記訪問回数登録工程では、目的地検索の目的地設定操作に伴って当該目的地にランドマーク表示があれば、当該ランドマークの訪問回数を加算する請求項8記載のランドマーク強調表示方法。
【請求項10】
前記訪問回数登録工程では、所定の停車時間以上の車両の停車に伴って当該停車地点にランドマーク表示があれば、当該ランドマークの訪問回数を加算する請求項8記載のランドマーク強調表示方法。
【請求項11】
前記登録されたランドマークの訪問回数を所定の経過時間毎に減算するランドマーク訪問回数減算工程を備える請求項8ないし10のいずれか1項に記載のランドマーク強調表示方法。
【請求項12】
地図およびランドマークを表示器に表示するナビゲーション装置のランドマーク表示方法であって、
ランドマークの訪問回数を登録する訪問回数登録工程と、
日常行動エリアを画定する日常行動エリア画定工程と、
表示器に表示する地図表示範囲に含まれるランドマークについて前記訪問回数を参照し、当該ランドマークが前記日常行動エリアに含まれていれば当該ランドマークの訪問回数が所定の第1訪問回数以上のときに当該ランドマークを強調表示し、当該ランドマークが前記日常行動エリアに含まれていなければ当該ランドマークの訪問回数が前記第1訪問回数より小さい所定の第2訪問回数以上のときに当該ランドマークを強調表示する強調表示工程と
を含むことを特徴とするランドマーク強調表示方法。
【請求項13】
前記日常行動エリア画定工程では、所定の期間に移動した範囲における緯度および経度の最小値および最大値を記憶しておき、前記最小値および前記最大値によって画定される矩形の座標範囲を日常行動エリアとする請求項12記載のランドマーク強調表示方法。
【請求項14】
前記日常行動エリア画定工程では、所定の日数が経過する毎に前記最小値を一定値ずつ加算するとともに前記最大値を一定値ずつ減算することにより前記日常行動エリアを縮小し、移動が前記日常行動エリアを超えたときに前記最小値および前記最大値を再設定することにより前記日常行動エリアを拡張する請求項13記載のランドマーク強調表示方法。
【請求項1】
地図およびランドマークを表示器に表示するナビゲーション装置であって、
ランドマークのランドマーク識別情報および訪問回数を記憶するランドマーク訪問回数記憶部と、
前記ランドマーク訪問回数記憶部に訪問回数を登録する訪問回数登録手段と、
表示器に表示する地図表示範囲に含まれるランドマークについて前記ランドマーク訪問回数記憶部を参照し、当該ランドマークの訪問回数が所定の訪問回数以上であれば当該ランドマークを強調表示する強調表示手段と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記訪問回数登録手段は、目的地検索の目的地設定操作に伴って当該目的地にランドマーク表示があれば、前記ランドマーク訪問回数記憶部に訪問回数を加算する請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記訪問回数登録手段は、所定の停車時間以上の車両の停車に伴って当該停車地点にランドマーク表示があれば、前記ランドマーク訪問回数記憶部に訪問回数を加算する請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記ランドマーク訪問回数記憶部に登録されたランドマークの訪問回数を所定の経過時間毎に減算するランドマーク訪問回数減算手段を備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
地図およびランドマークを表示器に表示するナビゲーション装置であって、
ランドマークのランドマーク識別情報および訪問回数を記憶するランドマーク訪問回数記憶部と、
前記ランドマーク訪問回数記憶部に訪問回数を登録する訪問回数登録手段と、
日常行動エリアを画定する日常行動エリア画定手段と、
表示器に表示する地図表示範囲に含まれるランドマークについて前記ランドマーク訪問回数記憶部を参照し、当該ランドマークが前記日常行動エリアに含まれていれば当該ランドマークの訪問回数が所定の第1訪問回数以上のときに当該ランドマークを強調表示し、当該ランドマークが前記日常行動エリアに含まれていなければ当該ランドマークの訪問回数が前記第1訪問回数より小さい所定の第2訪問回数以上のときに当該ランドマークを強調表示する強調表示手段と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
前記日常行動エリア画定手段は、所定の期間に移動した範囲における緯度および経度の最小値および最大値を記憶しておき、前記最小値および前記最大値によって画定される矩形の座標範囲を日常行動エリアとする請求項5記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記日常行動エリア画定手段は、所定の日数が経過する毎に前記最小値を一定値ずつ加算するとともに前記最大値を一定値ずつ減算することにより前記日常行動エリアを縮小し、移動が前記日常行動エリアを超えたときに前記最小値および前記最大値を再設定することにより前記日常行動エリアを拡張する請求項6記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
地図およびランドマークを表示器に表示するナビゲーション装置のランドマーク表示方法であって、
ランドマークの訪問回数を登録する訪問回数登録工程と、
表示器に表示する地図表示範囲に含まれるランドマークについて前記訪問回数を参照し、当該ランドマークの訪問回数が所定の訪問回数以上であれば当該ランドマークを強調表示する強調表示工程と
を含むことを特徴とするランドマーク強調表示方法。
【請求項9】
前記訪問回数登録工程では、目的地検索の目的地設定操作に伴って当該目的地にランドマーク表示があれば、当該ランドマークの訪問回数を加算する請求項8記載のランドマーク強調表示方法。
【請求項10】
前記訪問回数登録工程では、所定の停車時間以上の車両の停車に伴って当該停車地点にランドマーク表示があれば、当該ランドマークの訪問回数を加算する請求項8記載のランドマーク強調表示方法。
【請求項11】
前記登録されたランドマークの訪問回数を所定の経過時間毎に減算するランドマーク訪問回数減算工程を備える請求項8ないし10のいずれか1項に記載のランドマーク強調表示方法。
【請求項12】
地図およびランドマークを表示器に表示するナビゲーション装置のランドマーク表示方法であって、
ランドマークの訪問回数を登録する訪問回数登録工程と、
日常行動エリアを画定する日常行動エリア画定工程と、
表示器に表示する地図表示範囲に含まれるランドマークについて前記訪問回数を参照し、当該ランドマークが前記日常行動エリアに含まれていれば当該ランドマークの訪問回数が所定の第1訪問回数以上のときに当該ランドマークを強調表示し、当該ランドマークが前記日常行動エリアに含まれていなければ当該ランドマークの訪問回数が前記第1訪問回数より小さい所定の第2訪問回数以上のときに当該ランドマークを強調表示する強調表示工程と
を含むことを特徴とするランドマーク強調表示方法。
【請求項13】
前記日常行動エリア画定工程では、所定の期間に移動した範囲における緯度および経度の最小値および最大値を記憶しておき、前記最小値および前記最大値によって画定される矩形の座標範囲を日常行動エリアとする請求項12記載のランドマーク強調表示方法。
【請求項14】
前記日常行動エリア画定工程では、所定の日数が経過する毎に前記最小値を一定値ずつ加算するとともに前記最大値を一定値ずつ減算することにより前記日常行動エリアを縮小し、移動が前記日常行動エリアを超えたときに前記最小値および前記最大値を再設定することにより前記日常行動エリアを拡張する請求項13記載のランドマーク強調表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−139492(P2007−139492A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−331311(P2005−331311)
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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