説明

ナビゲーション装置および簡略−詳細情報の表示方法

【課題】表示画面を見なくても、簡略情報が表示されている表示画面から詳細情報が表示されている表示画面に切り替えることができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】道路地図20とともに、オーディオ情報の簡略情報を表示したオーディオ情報バー30を表示する。オーディオ情報バー30は、表示画面を見なくてもその表示位置がわかるようにするため、表示画面の下辺に沿って表示される。そして、表示画面を見なくても、表示画面の縁をたどってオーディオ情報バー30を押圧しそのまま押圧位置を矢印方向に移動すると、オーディオ情報の詳細情報を表示したオーディオ情報画面が表示モニタ16の表示画面に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路地図が表示されている表示画面の一部に様々な情報を表示することができるナビゲーション装置およびそのナビゲーション装置に表示される簡略−詳細情報の表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション画面上に、オーディオソースに関する簡単な情報を表示したステータスバーと、エンタテイメントキーとを表示し、エンタテイメントキーがタッチされるとオーディオソースに関する詳細情報をモニタ表示部に表示するナビゲーション装置が従来技術として知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−132741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1のナビゲーション装置では、エンタテイメントキーはオーディオ操作のためボタンを表示する関係上、表示を大きくすることはできない。このため、オーディオソースに関する詳細情報を表示するためにエンタテイメントキーの位置を目で確認しながらエンタテイメントキーをタッチしなくてはならない。したがって、詳細情報を表示する操作が運転操作に支障をきたすという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明のナビゲーション装置は、タッチパネルが設けられ、表示画面の形状が略矩形形状である表示モニタと、表示画面の一部に、表示画面の辺に沿って、または隅に所定の簡略情報を表示する表示制御手段と、簡略情報の表示領域において押圧を検出した後、その押圧の押圧位置が表示画面の縁から内側の方向に移動したことを検出する押圧位置検出手段とを備え、表示制御手段は、押圧位置検出手段が押圧位置の移動を検出すると、表示画面に、簡略情報に関する詳細情報を表示することを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、表示制御手段は、道路地図が表示されている表示画面に簡略情報を表示し、押圧位置検出手段は、押圧位置が簡略情報の表示領域から道路地図の表示領域に移動したことを検出することによって、押圧位置の移動を検出することを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、表示制御手段は、詳細情報が表示されると、道路地図についての道路地図簡略情報を表示画面の辺に沿って、または隅に表示し、道路地図簡略情報の表示領域において押圧を検出した後、その押圧位置が道路地図簡略情報の表示領域から詳細情報の表示領域に移動したことを検出すると、道路地図を表示するとともに、表示画面の辺に沿って、または隅に詳細情報に関する簡略情報を表示することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、オーディオ機能を動作するオーディオ機能動作手段を備え、簡略情報は、オーディオ機能の動作に関する簡略情報であり、詳細情報は、オーディオ機能の動作に関する詳細情報であることを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、交通情報受信手段を備え、簡略情報は、交通情報の簡略情報であり、詳細情報は、交通情報の詳細情報であることを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、表示制御手段は、複数の簡略情報を、異なる表示領域に表示することを特徴とする。
(7)請求項7の発明は、請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、表示制御手段は、押圧位置検出手段によって検出される簡略情報の表示領域における押圧位置によって、詳細情報の内容を変更することを特徴とする。
(8)請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、表示制御手段は、簡略情報の表示領域の押圧を検出すると、表示されている簡略情報の内容を変更することを特徴とする。
(9)請求項9の発明の簡略−詳細情報の表示方法は、表示画面にタッチパネルが設けられ、表示画面の形状が略矩形形状である表示モニタの表示画面の一部に、表示画面の辺に沿って、または隅に、所定の簡略情報を表示し、簡略情報の表示領域に押圧を検出した後、その押圧の押圧位置が表示画面の縁から内側の方向に移動したことを検出し、押圧位置の移動を検出すると、表示画面に、簡略情報に関する詳細情報を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、略矩形形状の表示画面の辺に沿って、または隅に簡略情報は表示されているので、表示画面の縁を基準にすることによって、表示画面を見なくても簡略情報の表示領域がわかる。したがって、表示画面を見なくても、所定の簡略情報が表示されている表示領域を指などで押圧し、押圧しながら移動することによって、詳細情報を表示することができ、乗員の利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。図1のナビゲーション装置1は、地図表示などのナビゲーション機能のほかに、CD(Compact Disc)を再生することができ、再生中の音楽の情報などを表示モニタ16に表示することができる。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、CDプレーヤ部19、ディスクドライブ110、タッチパネル112およびタッチパネルコントロール部113を有している。ディスクドライブ110には、地図データが記録されたDVD−ROM111が装填される。
【0007】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。この制御回路11がDVD−ROM111に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が推奨経路として表示モニタ16に表示される。
【0008】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置であり、たとえば、車両の進行方向を検出する振動ジャイロ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14cなどから成る。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示領域や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上にその現在地を表示する。
【0009】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはディスクドライブ111によって読み込まれるDVD−ROM111に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示など行うことができる。
【0010】
ディスクドライブ110は、装填されたDVD−ROM111から、表示モニタ16へ地図を表示するための地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、乗員の要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM111以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0011】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面表示としてナビゲーション装置1の乗員に提供する。また、表示モニタ16は、CDプレーヤ部19の動作状況やCDプレーヤ部19で再生している音楽の情報などオーディオ情報を表示する。スピーカ17は、操作案内や経路誘導するための音声を出力する。また、スピーカ17より、CDプレーヤ部19で再生した音声を出力する。
【0012】
入力装置18は、車両の目的地などを乗員が設定するための入力スイッチを有し、これは操作パネルやリモコンなどによって実現される。乗員は、表示モニタ16の表示画面の指示または、スピーカ17からの音声の指示に従って入力装置18を操作することにより、目的地を選択して目的地を設定する。また、入力装置18によって、CDプレーヤ部19に装着したCDを再生したり、CDに収録されている音楽を選曲したりするといったCDプレーヤ部19の操作を行うことができる。
【0013】
目的地が乗員により設定されると、ナビゲーション装置1は、現在地検出手段14により検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。以下、この経路演算を経路探索と呼ぶ。このようにして求められた経路(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路と区別して画面表示される。これにより、乗員は地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、推奨経路に従って車両が走行できるように、乗員に対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を誘導する。
【0014】
CDプレーヤ部19は、CDを再生し、再生した音声をスピーカ17に出力する。CDプレーヤ部19は複数のCDを装着することができ、これらのCDに記録されているアーティスト情報やアルバム情報などといったオーディオ情報を制御回路11に出力する。
【0015】
タッチパネル112は、表示モニタ16の表面に積層される透明のタッチスイッチであり、表示モニタ16に表示される画像はタッチパネル112を通して表示される。したがって、表示モニタ16の表示画面を押圧するとタッチパネル112が押圧される。タッチパネル112は、タッチパネル112上の操作位置に応じた信号をタッチパネルコントロール部113に送出し、タッチパネルコントロール部113はタッチパネル112の押圧位置を算出する。タッチパネル112は、入力装置18と同様に入力機能を有する。表示モニタ16に表示された各種ボタンや表示メニューなどを指などで押圧することによって、各種ボタンや表示メニューに定義された処理の実行を指示入力することができる。
【0016】
次に、図2および図3を参照して、オーディオ情報の簡略情報−詳細情報の表示切り替え操作について説明する。ここで、オーディオ情報の簡略情報とは、CDプレーヤ部19の動作状況やCDプレーヤ部19で再生している音楽の情報などのオーディオ情報のうちの一部の情報をいい、詳細情報とは、簡略情報に比べて詳細な情報をいう。図2は、CDを再生しながら経路誘導しているときに表示される表示モニタ16の表示画面である。表示画面には、道路地図20とともにオーディオ情報バー30が表示される。
【0017】
道路地図20には、車両の現在地を表す自車位置マーク21と推奨経路22とが表示される。また、道路地図20の左上には、目的地の到着予想時刻23と目的地までの距離24とが表示される。
【0018】
オーディオ情報バー30は、オーディオ情報を表示するための表示画面であり、道路地図20の表示を妨げないようにするために、その表示領域は狭い。このため、オーディオ情報バー30にはオーディオ情報の詳細情報を表示することはできず、簡略情報が表示される。オーディオ情報バー30に表示される簡略情報は、演奏モード31、複数装着されているCDのうちの何枚目のCDが再生されているかを示すCD番号32、再生されているCDのトラックナンバ33および再生経過時間34である。
【0019】
オーディオ情報バー30は、表示画面を見なくても表示画面の縁をたどってその表示位置がわかるようにするため、略矩形形状の表示画面の下辺に沿って表示される。表示画面の縁は表示画面と表示モニタ16または本体の筐体との境界であり、材質が変わったり、凹凸が形成されたりしているので、手探りでその位置がわかる。
【0020】
再生している音楽の曲名や演奏しているアーティストのアーティスト名など、詳細情報を知りたい場合、乗員は、次の操作を行い、詳細情報を表示画面に表示する。ここで、乗員は運転中であるので、表示モニタ16の表示画面を見ながらナビゲーション装置1の操作はできないものとする。そこで、車両が信号待ちなど一時停車しているときに詳細情報をすぐに見られるようにするため、予め詳細情報を表示画面に表示させるものとする。
【0021】
乗員は、表示画面の縁からオーディオ情報バー30の表示位置を手探りで見つける。オーディオ情報バー30は、略矩形形状の表示画面の下辺に沿って表示されるので容易に表示位置がわかる。オーディオ情報バー30の表示位置を手探りで見つけた後、オーディオ情報バー30を指で押圧する。そして、押圧した状態で図2の矢印の方向、つまり表示画面の縁から内側へ向かう方向へ指を移動する。このように押圧位置が移動したか否かは、押圧したまま押圧位置がオーディオ情報バー30の表示領域から道路地図20の表示領域に移動したか否かにより検出する。
【0022】
押圧位置が道路地図20の表示領域に移動すると、図3に示すようにオーディオ情報画面40が表示される。オーディオ情報画面40は、表示画面のほぼ全画面に表示され、オーディオ情報の詳細情報を表示する。オーディオ情報画面40には、オーディオ情報バー30に表示されていた演奏モード31、CDの番号32、トラックナンバ33および再生経過時間34のほかに、再生している音楽のタイトル名41a、再生している音楽のアーティスト名41b、CDに収録されているアルバム名41c、再生している音楽のジャンル41dおよびそのアルバムのアルバム情報41eなどといった詳細情報が表示される。
【0023】
オーディオ情報画面40には、詳細情報とともにCDの再生、停止などを操作する操作ボタン42a〜42c、再生の演奏モードを切り替える演奏モードボタン43a〜43c、再生しているCDに収められている曲名をリスト表示するトラックリストボタン44が表示される。
【0024】
オーディオ情報画面40が表示画面に表示されると、表示画面の下辺に沿って道路地図情報バー50が表示される。道路地図情報バー50には、図2の道路地図20に表示されていた情報の簡略情報が表示され、自車位置マーク21の表示位置51、目的地到着予定時刻23および目的地までの距離24が表示される。
【0025】
道路地図情報バー50に表示されている簡略情報から詳細情報を表示する場合、つまり道路地図20を表示する場合は、道路地図情報バー50を指で押圧し、押圧しながら指を図3の矢印の方向に移動する。そして、押圧位置が道路地図情報バー50の表示領域からオーディオ情報画面40の表示領域に移動すると、図2に示す道路地図20が再び表示される。この場合も、道路地図情報バー50は表示画面の下辺に沿って表示されているので、表示画面を見なくても道路地図20を表示することができる。
【0026】
次に、オーディオ情報の簡略情報−詳細情報の表示切り替え処理について図4,5のフローチャートを参照して説明する。図4,5の処理は、経路誘導中、CDを再生するとスタートするプログラムにより制御回路11において実行される。ここで、表示モニタ16表示画面には、道路地図20とともにオーディオ情報バー30が表示されているものとする。
【0027】
ステップS401では、タッチパネルコントロール部113が算出したタッチパネル112の押圧位置より、オーディオ情報バー30が押圧されたか判定する。押圧された場合はステップS401が肯定判定され、ステップS402へ進む。押圧されていない場合はステップS401を繰り返す。
【0028】
ステップS402では、表示画面が押圧されているか判定する。押圧されている場合はステップS402が肯定判定され、ステップS403へ進む。ステップS403では、タッチパネルコントロール部113が算出したタッチパネル112の押圧位置をRAM13に記憶する。表示画面が押圧されていない場合はステップS402が否定判定され、ステップS404へ進む。ステップS402とステップS403とは速く処理され、押圧されたまま押圧位置が移動したことを検出することができる。
【0029】
ステップS404では、最後にRAM13に記憶された押圧位置は、道路地図20の表示領域内であるか判定する。道路地図20の表示領域内である場合はステップS404が肯定判定され、ステップS405へ進む。道路地図20の表示領域内でない場合はステップS404が否定判定され、ステップS401へ戻る。
【0030】
ステップS405では、オーディオ情報画面40と道路地図情報バー50とを表示画面に表示する。ステップS406では、RAM13に記憶した押圧位置の情報を消去する。ステップS407では、CDの再生は終了したか判定する。終了した場合はステップS407が肯定判定され、道路地図20を全画面表示にして、オーディオ情報の簡略情報−詳細情報の表示切り替え処理を終了する。終了していない場合はステップS407が否定判定され、図5のステップS501へ進む。
【0031】
ステップS501では、道路地図情報バー50が押圧されたか判定する。押圧された場合はステップS501が肯定判定され、ステップS502へ進む。押圧されていない場合はステップS501が否定判定され、ステップS407へ戻る。
【0032】
ステップS502では、表示画面が押圧されているか判定する。押圧されている場合はステップS502が肯定判定され、ステップS503へ進む。ステップS503では、タッチパネルコントロール部113が算出したタッチパネル112の押圧位置をRAM13に記憶する。表示画面が押圧されていない場合はステップS502が否定判定され、ステップS504へ進む。ステップS502とステップS503とは速く処理され、押圧されたまま押圧位置が移動したことを検出することができる。
【0033】
ステップS504では、最後にRAM13に記憶された押圧位置はオーディオ情報画面40の表示領域内であるか判定する。オーディオ情報画面40の表示領域内である場合はステップS504が肯定判定され、ステップS505へ進む。オーディオ情報画面40の表示領域内でない場合はステップS504が否定判定され、ステップS407へ戻る。
【0034】
ステップS505では、道路地図20とオーディオ情報バー30とを表示画面に表示する。ステップS506では、RAM13に記憶した押圧位置の情報を消去する。ステップS507では、CDの再生は終了したか判定する。終了した場合はステップS507が肯定判定され、道路地図20を全画面表示にして、オーディオ情報の簡略情報−詳細情報の表示切り替え処理を終了する。終了していない場合はステップS507が否定判定され、図4のステップS401へ戻る。
【0035】
以上の本発明の実施の形態によるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)道路地図20を表示した略矩形形状の表示画面の下辺に沿って、オーディオ情報の簡略情報を表示したオーディオ情報バー30を表示したので、手探りで位置がわかる表示画面の縁を基準にして表示画面を見なくてもオーディオ情報バー30を押圧することができる。そして、表示画面の縁から表示画面の内側の方向に押圧位置を移動することによって、オーディオ情報の詳細情報を表示したオーディオ情報画面40を表示画面に表示することができる。したがって、表示画面を見ながら操作しなくてもオーディオ情報の簡略情報が表示されている表示画面から詳細情報が表示されている表示画面に切り替えることができ、運転者の利便性が向上する。
【0036】
(2)オーディオ情報の詳細情報を表示したオーディオ情報画面40を表示するとき、道道路地図情報バー50として道路地図20の簡略情報を略矩形形状の表示画面の下辺に沿って表示した。そして、道路地図情報バー50を押圧し、表示画面の縁から表示画面の内側の方向に押圧位置を移動することによって、再び、道路地図20を表示画面に表示できるようにした。したがって、表示画面を見ながら操作しなくても元の道路地図20の表示画面に切り替えることができ、運転者の利便性が向上する。
【0037】
以上の実施の形態のナビゲーション装置1を次のように変形することができる。
(1)簡略情報を表示したオーディオ情報バー30や道路地図情報バー50を略矩形形状の表示画面の下辺に沿って表示したが、表示画面の縁を基準にわかる表示位置であれば下辺に限定されない。たとえば、略矩形形状の表示画面の上辺、左辺または右辺に沿って表示してもよいし、略矩形形状の表示画面の隅に表示してもよい。表示画面の右上隅にオーディオ情報バー30を表示した例を図6に示す。この場合もオーディオ情報バー30を押圧し、矢印に示すように表示画面の縁から内側の方向に向かって押圧しながら移動することによって、図3に示すオーディオ情報画面40を表示することができる。
【0038】
(2)表示されるオーディオ情報は、オーディオ機能の動作に関する情報であれば、CDの再生情報に限定されない。たとえば、MD(Mini Disc)やTV、ラジオなどのオーディオ機能の動作に関する情報でもよい。
【0039】
(3)簡略情報−詳細情報の表示切り替わる情報はオーディオ情報に限定されない。たとえば、車両の設けられたエアコンのエアコン情報でもよいし、VICS(Vehicle Infomation Communication System)情報センターから供給されるVICS情報などの交通情報でもよい。VICS情報の場合は、光ビーコンやFM放送などで送信されるVICS情報を受信するためにVICS情報受信装置を備える必要がある。また、ハンドフリー電話の動作情報などでもよい。
【0040】
(4)表示モニタ16の表示画面に表示される簡略情報はひとつに限らず、複数の簡略情報をそれぞれの表示領域に表示してもよい。たとえば、図7に示すように、表示画面の下辺に沿って、オーディオ情報バー30と、エアコン情報の簡略情報を表示したエアコン情報バー70とを表示するようにしてもよい。
【0041】
エアコン情報バー70には、簡略情報として運転席設定温度71と助手席設定温度72とが表示される。そして、エアコン情報バー70を指で押圧し、押圧しながら指を矢印の方向に移動し、道路地図20まで移動すると、図8に示すエアコン情報画面80を表示することができる。エアコン情報画面80は、エアコンに関する詳細情報を表示する表示画面であり、エアコン情報バー70に表示されていた運転席設定温度71および助手席設定温度72のほかに、エアコンの作動表示81、風量表示82、運転席吹き出し口状態表示83、助手席吹き出し口状態表示84および外気温表示85が表示される。
【0042】
簡略情報が複数表示されている場合であっても、それぞれの簡略情報の表示領域を表示画面の上辺、下辺、左辺、右辺などで分けたり、同じ上辺または下辺でも右側と左側で分けたりすることによって、表示画面の縁をたどることにより、表示画面を見なくてもそれぞれの簡略情報の表示領域はわかる。したがって、複数表示された簡略情報についても表示画面を見ずに詳細情報を表示することができ、乗員の利便性は向上する。
【0043】
(6)簡略情報が表示されている表示領域を押圧し、表示画面の縁から表示画面の内側の方向に押圧位置を移動することによって、詳細情報が表示されるようにしたが、簡略情報が表示されている表示領域の最初の押圧位置によって、表示される詳細情報の内容を変更できるようにしてもよい。
【0044】
たとえば、図9に示すように、オーディオ情報バー30の左側を指で押圧し、押圧しながら矢印91の方向に指を移動すると、図3に示す再生されている音楽に関する詳細情報41a〜41eが表示され、オーディオ情報バー30の真ん中付近を指で押圧し、押圧しながら矢印92の方向に指を移動すると、図10に示す再生されているCDに収められている楽曲に関する詳細情報(楽曲リスト)101a〜101dが表示され、オーディオ情報バー30の右側を指で押圧し、押圧しながら矢印93の方向に指を移動すると、図11に示すCDプレーヤ部19に装着されているCDに関する詳細情報(アルバムリスト)102a〜102dが表示されるようにしてもよい。ひとつの簡略情報の表示領域から複数の詳細情報を表示することができるので、乗員の利便性は向上する。
【0045】
(7)簡略情報が表示されている表示領域を押圧し、押圧位置を変えずに押圧をやめることによって、表示される簡略情報の内容が変更できるようにしてもよい。たとえば、図2に示すオーディオ情報バー30を押圧し、そのまま離すと、オーディオ情報バー30に表示されている簡略情報の内容が、演奏モード31、CD番号32、トラックナンバ33および再生経過時間34から、図12に示すように再生している楽曲のタイトル41aが表示されるようにしてもよい。また、さらに押圧すると、再生している楽曲のアーティスト名41bやアルバム名41cなどが表示されるようにしてもよい。このように、簡略情報が表示されている表示領域を押圧することによって表示内容が変更できると、簡略情報の表示領域内に多くの情報を表示することができるので乗員の利便性が向上する。
【0046】
(8)オーディオ情報バー30を押圧した後、押圧しながら道路地図20の表示領域に移動することによってオーディオ情報画面40を表示したが、押圧しながら移動しなくてもオーディオ情報バー30を押圧した後、道路地図20の表示領域を押圧することによってオーディオ情報画面40を表示できるようにしてもよい。
【0047】
本発明のナビゲーション装置は、タッチパネルが設けられ、表示画面の形状が略矩形形状である表示モニタと、表示画面の一部に、表示画面の辺に沿って、または隅に所定の簡略情報を表示する表示制御手段と、簡略情報の表示領域において押圧を検出するとともに、その押圧の押圧位置が表示画面の縁から内側の方向に移動したことを検出する押圧位置検出手段とを備え、表示制御手段は、押圧位置検出手段が押圧位置の移動を検出すると、表示画面に、簡略情報に関する詳細情報を表示することを特徴とする構成を有していれば、以上説明した実施形態になんら限定されない。
【0048】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の表示制御手段は制御回路11および表示モニタ16に対応し、押圧位置検出手段は制御回路11、タッチパネル112およびタッチパネルコントロール部113に対応する。オーディオ機能動作手段はCDプレーヤ部19に対応し、交通情報受信手段はVICS情報受信装置に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】CDを再生しながら経路誘導しているときに表示される表示モニタの表示画面を説明するための図である。
【図3】オーディオ情報画面を説明するための図である。
【図4】オーディオ情報の簡略情報−詳細情報の表示切り替え処理について説明するためのフローチャートである。
【図5】オーディオ情報の簡略情報−詳細情報の表示切り替え処理について説明するためのフローチャートである。
【図6】簡略情報のほかの表示形態を説明するための図である。
【図7】2つの簡略情報を表示したときの表示画面を説明するための図である。
【図8】エアコンについての詳細情報を表示したときの表示画面を説明するための図である。
【図9】1つの簡略情報の表示領域から複数の詳細情報を表示するための操作を説明するための図である。
【図10】1つの簡略情報の表示領域から表示される複数の詳細情報のうちのひとつの詳細情報を説明するための図である。
【図11】1つの簡略情報の表示領域から表示される複数の詳細情報のうちのほかの詳細情報を説明するための図である。
【図12】簡略情報の表示領域に表示される内容を変更する操作について説明するための図である。
【符号の説明】
【0050】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
13 RAM
14 現在地検出装置
16 表示モニタ
17 スピーカ
18 入力装置
19 CDプレーヤ部
20 道路地図
21 自車位置マーク
22 推奨経路
30 オーディオ情報バー
40 オーディオ情報画面
50 道路地図情報バー
70 エアコン情報バー
80 エアコン情報画面
110 ディスクドライブ
111 DVD−ROM
112 タッチパネル
113 タッチパネルコントロール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルが設けられ、表示画面の形状が略矩形形状である表示モニタと、
前記表示画面の一部に、前記表示画面の辺に沿って、または隅に所定の簡略情報を表示する表示制御手段と、
前記簡略情報の表示領域において押圧を検出した後、その押圧の押圧位置が前記表示画面の縁から内側の方向に移動したことを検出する押圧位置検出手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記押圧位置検出手段が前記押圧位置の移動を検出すると、前記表示画面に、前記簡略情報に関する詳細情報を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、道路地図が表示されている表示画面に前記簡略情報を表示し、
前記押圧位置検出手段は、前記押圧位置が前記簡略情報の表示領域から前記道路地図の表示領域に移動したことを検出することによって、前記押圧位置の移動を検出することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、前記詳細情報が表示されると、前記道路地図についての道路地図簡略情報を前記表示画面の辺に沿って、または隅に表示し、
前記道路地図簡略情報の表示領域において押圧を検出した後、その押圧位置が前記道路地図簡略情報の表示領域から前記詳細情報の表示領域に移動したことを検出すると、前記道路地図を表示するとともに、前記表示画面の辺に沿って、または隅に前記詳細情報に関する簡略情報を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
オーディオ機能を動作するオーディオ機能動作手段を備え、
前記簡略情報は、前記オーディオ機能の動作に関する簡略情報であり、
前記詳細情報は、前記オーディオ機能の動作に関する詳細情報であることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
交通情報受信手段を備え、
前記簡略情報は、前記交通情報の簡略情報であり、
前記詳細情報は、前記交通情報の詳細情報であることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、複数の簡略情報を、異なる表示領域に表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、前記押圧位置検出手段によって検出される前記簡略情報の表示領域における押圧位置によって、前記詳細情報の内容を変更することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、前記簡略情報の表示領域の押圧を検出すると、表示されている簡略情報の内容を変更することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
表示画面にタッチパネルが設けられ、表示画面の形状が略矩形形状である表示モニタの前記表示画面の一部に、前記表示画面の辺に沿って、または隅に、所定の簡略情報を表示し、
前記簡略情報の表示領域に押圧を検出した後、その押圧の押圧位置が前記表示画面の縁から内側の方向に移動したことを検出し、
前記押圧位置の移動を検出すると、前記表示画面に、前記簡略情報に関する詳細情報を表示することを特徴とする簡略−詳細情報の表示方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2007−278742(P2007−278742A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−102771(P2006−102771)
【出願日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】