説明

ナビゲーション装置

【課題】GPS衛星の補足個数を検出し、その検出結果をより有効に利用して、ナビゲーション装置におけるユーザの使い勝手を向上させる。
【解決手段】ナビゲーション装置100において、信号受信手段(GPSアンテナ部1)はGPS衛星からの測位信号を受信し、現在位置検出手段(現在位置検出プログラム64a)は受信される測位信号に基づいて現在位置を検出し、判定手段(判定プログラム64b)は、受信される測位信号のうち受信強度が所定の閾値以上の測位信号に基づいて、GPS衛星の個数を判定し、制御手段(地図情報表示プログラム64c、判定プログラム64d、表示制御プログラム64f等)は、判定手段により判定されたGPS衛星の個数に応じた制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS衛星からの測位信号を受信して現在位置に応じた各種情報を提供するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自位置を測位するGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)が知られており、経路案内を行うナビゲーション装置等に利用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、GPSアンテナを通じてGPS衛星の捕捉処理を行ってGPS衛星の捕捉の成否や捕捉個数を判定し、その結果を、捕捉個数と同数の衛星マークや、数値、カウントダウン・リングの色の変化、文字等により、ディスプレイに表示するゲーム機用GPS受信機等が開示されている。
【特許文献1】特開2003−337166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、単に、GPS衛星の捕捉の成否や捕捉個数の情報をユーザに提示するだけにとどまり、これらの情報を利用して、ユーザの使い勝手を向上させたナビゲーション装置はなかった。
【0005】
本発明の課題は、GPS衛星の補足個数を検出し、その検出結果をより有効に利用して、ナビゲーション装置におけるユーザの使い勝手を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、ナビゲーション装置において、GPS衛星からの測位信号を受信する信号受信手段と、
前記信号受信手段により受信される前記測位信号に基づいて、現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記信号受信手段により受信される前記測位信号のうち、受信強度が所定の閾値以上の前記測位信号を送信するGPS衛星の個数を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定されたGPS衛星の個数に応じて所定の制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記現在位置検出手段により検出された現在位置を含む地図情報を表示部に表示する地図情報表示手段を備え、
前記制御手段は、前記判定手段により判定されたGPS衛星の個数に応じて、前記地図情報表示手段により前記表示部に表示される前記地図情報の表示縮尺を変更することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、前記地図情報表示手段は、前記表示部に表示される前記地図情報上に、前記現在位置検出手段により検出される現在位置を示す所定のマークを表示させ、
前記制御手段は、前記判定手段により判定されたGPS衛星の個数に応じて、前記地図情報表示手段により、前記地図情報上に表示される現在位置を示す前記所定のマークの大きさを変更することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のナビゲーション装置において、前記現在位置検出手段により検出された現在位置に基づいて、現在位置している車線又は歩道を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された前記車線又は前記歩道に応じた経路案内情報を提供する経路案内情報提供手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記判定手段により判定されたGPS衛星の個数が、所定数以上である場合に、前記特定手段に、現在位置している車線又は歩道を特定させることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のナビゲーション装置において、前記経路案内情報提供手段により提供される前記経路案内情報は、前記車線又は前記歩道の変更に関する案内情報を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載のナビゲーション装置において、前記制御手段は、前記表示手段前記判定手段により判定されたGPS衛星の個数に関する情報を、前記表示部に表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、ナビゲーション装置において、GPS衛星からの測位信号を受信する信号受信手段と、
前記信号受信手段により受信される前記測位信号に基づいて、現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記信号受信手段により受信される前記測位信号のうち、受信強度が所定の閾値以上の前記測位信号を送信するGPS衛星の個数を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定されたGPS衛星の個数に応じて所定の制御を行う制御手段と、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置を含む地図情報を表示部に表示するとともに、当該表示部に表示される当該地図情報上に、前記現在位置検出手段により検出される現在位置を示す所定のマークを表示させる地図情報表示手段と、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置に基づいて、現在位置している車線又は歩道を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された前記車線又は前記歩道に応じた経路案内情報を提供する経路案内情報提供手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記判定手段により判定されたGPS衛星の個数に応じて、前記地図情報表示手段により前記表示部に表示される前記地図情報の表示縮尺を変更するとともに、前記地図情報表示手段により前記地図情報上に表示される現在位置を示す前記所定のマークの大きさを変更し、
前記判定手段により判定されたGPS衛星の個数が、所定数以上である場合に、前記特定手段に、現在位置している車線又は歩道を特定させ、
前記判定手段により判定されたGPS衛星の個数に関する情報を、前記表示部に表示させる表示制御手段を備え、
前記経路案内情報提供手段により提供される前記経路案内情報は、前記車線又は前記歩道の変更に関する案内情報を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ナビゲーション装置において、信号受信手段により、GPS衛星からの測位信号が受信され、現在位置検出手段により、信号受信手段により受信される測位信号に基づいて、現在位置が検出され、判定手段により、信号受信手段により受信される測位信号のうち、受信強度が所定の閾値以上の測位信号を送信するGPS衛星の個数が判定され、制御手段により、判定手段により判定されたGPS衛星の個数に応じて所定の制御が行われる。
したがって、GPS衛星の補足個数が検出され、GPS衛星の個数に応じて所定の制御が行われることとなって、GPS衛星の捕捉個数の検出結果をより有効に利用して、ナビゲーション装置におけるユーザの使い勝手を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明を行う。
本実施形態のナビゲーション装置100は、例えば、車両等に搭載されるポータブル型のナビゲーション装置であり、地図情報や、目的地までの経路案内等の各種情報を、ユーザに提供する。
【0015】
まず、ナビゲーション装置100の要部構成について、図1を参照しながら説明する。
ナビゲーション装置100は、例えば、装置本体内に、信号受信手段としてのGPSアンテナ部1、現在位置検出手段としての現在位置検出部2、通信部3、表示部4、入力部5、制御部6等を備えて構成されている。
【0016】
GPSアンテナ部1は、既知の位置にある複数のGPS衛星から各々発信される測位信号を受信する。
【0017】
現在位置検出部2は、例えば、GPSアンテナ部1により受信された、複数のGPS衛星から発信された測位信号に含まれる時間情報から、各GPS衛星における各測位信号の発信時間を求め、発信時間から受信時間の差に基づいて、各GPS衛星までの距離を算出する。そして、各GPS衛星までの距離と、測位信号発信時における各GPS衛星の位置に基づいて、ナビゲーション装置100の座標(緯度・経度・高度)を現在位置情報として取得する。さらに、取得した現在位置情報に基づく現在位置検出信号を制御部6に出力する。
【0018】
通信部3は、例えば、図示しない情報提供装置とネットワーク接続されており、ネットワークを介して情報提供装置から送信された各種情報を受信する。
【0019】
表示部4は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイを備えて構成され、制御部6からの制御に応じて、地図情報その他の各種情報を当該ディスプレイに表示させる。
【0020】
入力部5は、例えば、文字/数字キー、各種機能キー、表示部4と一体的に構成されたタッチパネル等から構成され、ユーザが、目的地点や出発地点等の各種情報の入力を行う。
具体的には、入力部5は、ユーザによるキーの押下に基づくキー押下信号を制御部6に出力するとともに、タッチパネルにおいてユーザによりタッチ操作が行われると、当該タッチ操作された座標を算出し、算出した座標に基づく押下信号を制御部6に出力する。
【0021】
制御部6は、CPU(Central Processing Unit)61、RTC(Real Time Clock)62、メモリ部63、ROM(Read Only Memory)64等を備えて構成されている。
【0022】
CPU61は、ナビゲーション装置100の各部から入力された入力信号等に応じて、ROM64に格納された各種プログラムを実行するとともに、実行にかかるプログラムに基づいて各部に出力信号を出力することにより、ナビゲーション装置100の動作全般を統括制御する。
【0023】
RTC62は、現在時刻をカウントし、カウントした現在時刻をCPU61に対して出力する。
【0024】
メモリ部63は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリからなるワークエリア631を備えており、CPU61によって各種プログラムが実行される際に生じる処理結果や、入力されたデータ等をこのワークエリア631に記憶させる。
【0025】
また、メモリ部63は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)等の不揮発性メモリからなるデータエリア632を備えている。データエリア632には、例えば、地図情報を記憶する地図情報DB632aと、GPS衛星の捕捉個数に応じて実行する制御内容を記憶する対応テーブル632bが備わる。
【0026】
地図情報DB632aは、例えば、種類や縮尺の異なる地図情報を階層構造で格納する。
具体的には、地図情報DB632aには、例えば、高速自動車国道や一般国道が収録された広域地図、広域地図で表示される道路に加えて都道府県道や市町村道が収録された中域地図、中域地図で表示される道路に加えて細街路が収録された詳細地図等が、複数の階層に格納されている。
この地図情報は、道路情報の他、住所情報や、建物情報、施設情報、店舗情報、公園情報、地形情報、路線情報等を含んでいる。
また、道路情報にはノード情報及びリンク情報が含まれる。リンク情報は、ノードとノードを結ぶ線分であるリンクを規定するものである。リンク情報は、例えば、各リンク固有のリンクID、リンクの端点(始点・終点)であるノードの座標、リンクの長さを示すリンク長、道路名称、道路種別、幅員、車線数、交通規制、リンクの端点であるノードに接続されるリンクのリンクID、リンクの平均通過時間等から構成される。また、ノード情報は、リンクの交点(交差点)・リンクの端点(行き止まり)・リンクの属性が変わる点(例えば、高速自動車国道→都道府県道)を規定するものであり、例えば、各ノード固有のノードID、ノードの座標、交差点名称、ノードに接続されるリンクのリンクID等から構成される。
また、地図情報は、随時、ネットワークを介して情報提供装置(図示省略)からダウンロードした最新の地図情報に更新されるようになっている。
【0027】
対応テーブル632bは、例えば、図2に示すように、ナビゲーション装置100において受信する測位信号の発信元であるGPS衛星の個数と、後述する地図情報表示プログラム64c、特定プログラム64d、表示制御プログラム64fにおいて実行する制御内容とを対応づけて記憶する。
【0028】
ROM64は、例えば、不揮発性メモリから成るプログラム格納エリアを有しており、具体的には、現在位置検出プログラム64a、判定プログラム64b、地図情報表示プログラム64c、特定プログラム64d、経路案内情報提供プログラム64e、表示制御プログラム64f等を格納している。
【0029】
現在位置検出プログラム64aは、例えば、CPU61に、GPSアンテナ部1により受信される測位信号に基づいて、現在位置を検出する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU61は、GPS衛星から発信される測位信号が、GPSアンテナ部1により受信されると、現在位置検出部2に測位信号に基づくナビゲーション装置100の現在位置情報を取得させ、当該現在位置検出部2から出力される現在位置検出信号に基づいて、現在位置としての座標(緯度・経度・高度)を特定する。さらに、特定される現在位置に基づいて、マップマッチング処理を行い、ナビゲーション装置100が位置している道路を、データエリア632の所定の領域に記憶されているマッチングデータ(図示省略)に基づいて特定する。マップマッチング処理には、例えば、走行軌跡に応じて、マッチング候補となる道路を求め、マッチング候補から最も相関が高い道路を特定して、その道路上に現在位置をマッチングさせるパターンマッチング等を用いる。
CPU61は、かかる現在位置検出プログラム64aを実行することにより、現在位置検出部2とともに現在位置検出手段として機能する。
【0030】
判定プログラム64bは、例えば、CPU61に、GPSアンテナ部1により受信される測位信号のうち、信号強度が所定の閾値以上の測位信号を送信するGPS衛星の個数を判定する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU61は、GPSアンテナ部1により受信される各測位信号の信号強度を検出し、信号強度が所定の閾値以上であるか否かを判断する。そして、信号強度が所定の閾値以上の測位信号をカウントして、GPS衛星の捕捉個数として判定する。
CPU61は、かかる判定プログラム64bを実行することにより、判定手段として機能する。
【0031】
地図情報表示プログラム64cは、例えば、CPU61に、現在位置検出プログラム64aの実行により検出された現在位置を含む地図情報を表示部4に表示するとともに、当該表示部4に表示される当該地図情報上に、現在位置検出プログラム64aの実行により検出される現在位置を示す所定のマークPを表示させる。さらに、判定プログラム64bの実行により判定されたGPS衛星の個数に応じて、表示部4に表示される地図情報の表示縮尺を変更するとともに、地図情報上に表示される現在位置を示す所定のマークPの大きさを変更する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU61は、判定プログラム64bの実行によりGPS衛星の個数が判定されると、対応テーブル632bから、判定されたGPS衛星の個数に対応する地図情報の表示縮尺と、現在位置を示すマークPの大きさを読み出す。そして、現在位置検出プログラム64aの実行により特定されるナビゲーション装置100の現在位置を含む所定範囲の地図情報を、地図情報DB632aから検索して取得する。さらに、取得した地図情報に基づく地図情報を、GPS衛星の個数に対応する表示縮尺で表示部4に描画するとともに、この地図情報上に、現在位置検出プログラム64aの実行により検出された現在位置を示すマークPを、GPS衛星の個数に対応する大きさで表示させる。
【0032】
図3は、図2の対応テーブル632bに基づいて、地図情報表示プログラム64cの実行において、表示部4に表示される地図情報を例示する図である。
例えば、図3(a)は、判定されたGPS衛星の個数が「2個又は3個」である場合に、表示部4に表示される地図情報の例示である。当該地図情報は、GPS衛星の個数「2個又は3個」に対応する地図情報の表示縮尺「1/25000」で表示され、現在位置検出プログラム64aの実行により検出されたナビゲーション装置100の現在位置に、現在位置を示すマークPが、GPS衛星の個数「2個又は3個」に対応する大きさ「12.5mm」で表示されている。
また、図3(b)は、判定されたGPS衛星の個数が「4〜6個」である場合に、表示部4に表示される地図情報の例示である。当該地図情報は、GPS衛星の個数「4〜6個」に対応する地図情報の表示縮尺「1/10000」で表示され、現在位置検出プログラム64aの実行により検出されたナビゲーション装置100の現在位置に、現在位置を示すマークPが、GPS衛星の個数「4〜6個」に対応する大きさ「10.0mm」で表示されている。
また、図3(c)は、判定されたGPS衛星の個数が「7〜9個」である場合に、表示部4に表示される地図情報の例示である。当該地図情報は、GPS衛星の個数「7〜9個」に対応する地図情報の表示縮尺「1/5000」で表示され、現在位置検出プログラム64aの実行により検出されたナビゲーション装置100の現在位置に、現在位置を示すマークPが、GPS衛星の個数「7〜9個」に対応する大きさ「7.5mm」で表示されている。
CPU61は、かかる地図情報表示プログラム64cを実行することにより、地図情報表示手段及び制御手段として機能する。
【0033】
特定プログラム64dは、判定手段により判定されたGPS衛星の個数が、所定数以上である場合に、現在位置検出プログラム64aの実行により検出された現在位置に基づいて、現在位置している車線又は歩道を特定する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU61は、判定プログラム64bの実行によりGPS衛星の個数が判定されると、対応テーブル632bを参照して、判定プログラム64bの実行において判定されたGPS衛星の個数に基づいて、現在位置している車線又は歩道の特定を行うか否かを判断する。そして、GPS衛星の個数が所定数以上(例えば、10個以上)であり、車線又は歩道の特定を行うと判断すると、CPU61は、地図情報に含まれるノード情報・リンク情報と、現在位置検出プログラム64aの実行により検出された現在位置と、に基づいて、ナビゲーション装置100が位置している車線又は歩道を特定する。CPU61は、ナビゲーション装置100が車両に搭載されている場合には車線を特定し、ナビゲーション装置100がユーザにより携帯されている場合には歩道を特定する。
CPU61は、かかる特定プログラム64dを実行することにより、特定手段及び制御手段として機能する。
【0034】
経路案内情報提供プログラム64eは、例えば、CPU61に、特定プログラム64dの実行により特定された車線又は歩道に応じた、車線又は歩道の変更に関する案内情報を含む経路案内情報を提供する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU61は、特定プログラム64dの実行により、ナビゲーション装置100の位置している車線/歩道が特定されると、予め探索された目的地までの経路において、車線の変更/歩道の変更が必要か否かを判断する。そして、例えば、車線/歩道の変更が必要であると判断すると、車線/歩道の変更が必要である旨を表示部4に表示させるとともに、音声ガイダンスを出力して、ユーザに報知する。
【0035】
図4は、図2の対応テーブル632bに基づいて、経路案内情報提供プログラム64eの実行において、表示部4に表示される経路案内情報を例示する図である。
例えば、判定されたGPS衛星の個数が「11個」である場合、前述の地図情報表示プログラム64cの実行により、表示部4に表示縮尺「1/2500」の地図情報が表示される。さらに、ナビゲーション装置100の現在位置に現在位置を示すマークPが「5.0mm」で表示されるとともに、当該現在位置を示すマークPが、特定プログラム64dの実行により特定された車線上に表示されている。
そして、目的地までの経路に右折/左折する交差点が含まれる場合、CPU61は、交差点の所定距離前(例えば、100m前)において、ナビゲーション装置100の位置している車線変更が必要か否かを判断する。そして、車線変更が必要であると判断すると、図4に示すように、表示部4に、車線変更が必要である旨の表示を表示させるとともに、地図上に車線変更を示す矢印を表示させる。また、図示しない音声出力部から、音声ガイダンスを出力させ(例えば、「左の車線に移ってください」等)、ユーザに音声で知らせる。
CPU61は、かかる経路案内情報提供プログラム64eを実行することにより、経路案内情報提供手段して機能する。
【0036】
表示制御プログラム64fは、例えば、CPU61に、判定プログラム64bの実行により判定されたGPS衛星の個数に関する情報を、表示部4に表示させる機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU61は、判定プログラム64bの実行によりGPS衛星の個数が判定されると、対応テーブル632bから、判定されたGPS衛星の個数に対応するアンテナ背景色の色を読み出す。そして、地図情報表示プログラム64cの実行により表示される地図情報と併せて、表示部4に、GPS衛星の捕捉個数を示すアンテナ情報を表示させる。CPU61は、当該アンテナ情報に、GPS衛星の捕捉個数と同数のアンテナを表示させるとともに、アンテナ情報の背景色を、対応テーブル632bから読み出したGPS衛星の個数に対応する色とする。
【0037】
図5は、図2の対応テーブル632bに基づいて、表示制御プログラム64fの実行において、表示部4に表示されるアンテナ情報を例示する図である。
例えば、図5(a)は、判定されたGPS衛星の個数が「0個」である場合に、表示部4に表示されるアンテナ情報の例示である。図5(a)のアンテナ情報におけるアンテナの本数は、GPS衛星の個数と同数の「0本」であり、背景色は「赤」である。
また、例えば、図5(b)は、判定されたGPS衛星の個数が「2個」である場合に、表示部4に表示されるアンテナ情報の例示である。図5(b)のアンテナ情報におけるアンテナの本数は、GPS衛星の個数と同数の「2本」であり、背景色は「黄」である。
また、例えば、図5(c)は、判定されたGPS衛星の個数が「5個」である場合に、表示部4に表示されるアンテナ情報の例示である。図5(c)のアンテナ情報におけるアンテナの本数は、GPS衛星の個数と同数の「5本」であり、背景色は「緑」である。
また、例えば、図5(d)は、判定されたGPS衛星の個数が「8個」である場合に、表示部4に表示されるアンテナ情報の例示である。図5(d)のアンテナ情報におけるアンテナの本数は、GPS衛星の個数と同数の「8本」であり、背景色は「青」である。
CPU61は、かかる表示制御プログラム64fを実行することにより、表示制御手段及び制御手段として機能する。
【0038】
次に、図6及び図7のフローチャートを参照しながら、GPS衛星の捕捉個数に応じて行われる地図情報表示処理、経路案内情報提供処理、表示制御処理について説明する。
【0039】
まず、図6のステップS1において、CPU61は、GPSアンテナ部1により受信される測位信号のうち、信号強度が所定の閾値以上である測位信号を送信するGPS衛星の捕捉個数を判定する。次に、ステップS2において、ステップS1において判定したGPS衛星の捕捉個数は「0個又は1個」であるか否かを判断する。CPU61は、ステップS2において、GPS衛星の捕捉個数が「0個又は1個」であると判断すると(ステップS2;Yes)、ステップS3において、表示部4に経路全体の地図情報を表示させる。さらに、ステップS4において、表示部4に背景色が赤のアンテナ情報を表示させ、ステップS1に戻る。
【0040】
一方、CPU61は、ステップS2において、GPS衛星の捕捉個数は「0個又は1個」でないと判断すると(ステップS2;No)、ステップS5において、GPS衛星の捕捉個数は「2個又は3個」であるか否かを判断する。CPU61は、ステップS5において、GPS衛星の捕捉個数は「2個又は3個」であると判断すると(ステップS5;Yes)、ステップS6において、表示部4に1/25000の表示縮尺の地図情報を表示させ、ステップS7において、当該地図情報上に、ナビゲーション装置100の現在位置を示す12.5mmの大きさのマークPを表示させる。さらに、ステップS8において、表示部4に背景色が黄のアンテナ情報を表示させ、ステップS1に戻る。
【0041】
一方、CPU61は、ステップS5において、GPS衛星の捕捉個数は「2個又は3個」でないと判断すると(ステップS5;No)、ステップS9において、GPS衛星の捕捉個数は「4〜6個」であるか否かを判断する。CPU61は、ステップS9において、GPS衛星の捕捉個数は「4〜6個」であると判断すると(ステップS9;Yes)、ステップS10において、表示部4に1/10000の表示縮尺の地図情報を表示させ、ステップS11において、当該地図情報上に、ナビゲーション装置100の現在位置を示す10.0mmの大きさのマークPを表示させる。さらに、ステップS12において、表示部4に背景色が緑のアンテナ情報を表示させ、ステップS1に戻る。
【0042】
一方、CPU61は、ステップS9において、GPS衛星の捕捉個数は「4〜6個」でないと判断すると(ステップS9;No)、ステップS13において、GPS衛星の捕捉個数は「7〜9個」であるか否かを判断する。CPU61は、ステップS13において、GPS衛星の捕捉個数は「7〜9個」であると判断すると(ステップS13;Yes)、ステップS14において、表示部4に1/5000の表示縮尺の地図情報を表示させ、ステップS15において、当該地図情報上に、ナビゲーション装置100の現在位置を示す7.5mmの大きさのマークPを表示させる。さらに、ステップS16において、表示部4に背景色が青のアンテナ情報を表示させ、ステップS1に戻る。
【0043】
一方、CPU61は、ステップS13において、GPS衛星の捕捉個数は「7〜9個」でないと判断すると(ステップS13;No)、図7のステップS17において、表示部4に1/2500の表示縮尺の地図情報を表示させ、ステップS18において、当該地図情報上に、ナビゲーション装置100の現在位置を示す5.0mmの大きさのマークPを表示させる。さらに、ステップS19において、表示部4に背景色が紫のアンテナ情報を表示させる。次に、CPU61は、ステップS20において、現在位置検出プログラム64aの実行により検出される現在位置と、地図情報に含まれるノード情報・リンク情報に基づいて、ナビゲーション装置100の位置している車線/歩道を特定する。そして、ステップS21において、特定された車線/歩道の変更が必要であるか否かを判断し、車線/歩道の変更が必要でないと判断すると(ステップS21;No)、ステップS1に戻る。一方、CPU61は、ステップS21において、車線/歩道の変更が必要であると判断すると(ステップS21;Yes)、ステップS22において、車線/歩道の変更に関する案内情報を含む経路案内情報を提供し、ステップS1に戻る。
【0044】
以上説明した本実施形態におけるナビゲーション装置100によれば、GPSアンテナ部1により、GPS衛星からの測位信号が受信され、現在位置検出プログラム64aの実行により、GPSアンテナ部1により受信される測位信号に基づいて、現在位置が検出され、判定プログラム64bの実行により、GPSアンテナ部1により受信される測位信号のうち、受信強度が所定の閾値以上の測位信号を送信するGPS衛星の個数が判定され、地図情報表示プログラム64c・特定プログラム64d・表示制御プログラム64fの実行により、判定プログラム64bの実行により判定されたGPS衛星の個数に応じて所定の制御が行われる。
したがって、GPS衛星の補足個数が検出され、GPS衛星の個数に応じた制御が行われることとなって、GPS衛星の捕捉個数の検出結果をより有効に利用して、ナビゲーション装置100におけるユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0045】
また、地図情報表示プログラム64cの実行により、現在位置検出プログラム64aの実行により検出された現在位置を含む地図情報が表示部4に表示されるとともに、表示部4に表示される地図情報上に、現在位置検出手段により検出される現在位置を示す所定のマークPが表示される。さらに、判定プログラム64bの実行により判定されたGPS衛星の個数に応じて、表示部4に表示される地図情報の表示縮尺が変更され、地図情報上に表示される現在位置を示す所定のマークPの大きさが変更される。
したがって、現在位置の検出精度に応じた表示縮尺で地図情報を表示させることができるとともに、現在位置の検出精度に応じた大きさのマークPにより、地図上における現在位置が示される。したがって、現在位置の検出精度を考慮して、ユーザにとってより適切な地図情報を提供することができる。
【0046】
また、特定プログラム64cの実行により、判定プログラム64bの実行により判定されたGPS衛星の個数が、所定数以上である場合に、現在位置検出プログラム64aの実行により検出された現在位置に基づいて、現在位置している車線又は歩道が特定され、経路案内情報提供プログラム64eの実行により提供される経路案内情報には、車線又は歩道の変更に関する案内情報が含まれる。
したがって、経路案内に車線変更に関する案内情報が含まれるため、より詳細な経路案内が可能となって、ナビゲーション装置100の使い勝手を更に向上させることができる。
【0047】
さらに、表示制御プログラム64fの実行により、判定プログラム64bの実行により判定されたGPS衛星の個数に関する情報が、表示部4に表示される。
したがって、表示部4に表示されるGPS衛星の個数に関する情報により、ユーザは一目でGPS衛星の捕捉個数を把握することができることとなる。そして、現在位置の正確性に対する不安等、ナビゲーション装置100を利用するユーザに生ずる様々な不安を解消させることができる。
【0048】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、地図情報DB632a等の記憶媒体は、ハードディスクや、CD−ROM、DVD等、光学的、磁気的、半導体メモリ等の何れの記憶媒体で構成しても良い。また、固定的に設けたもの(例えば、磁気テープ、ハードディスク等)でも良く、着脱自在に設けたもの(例えば、FD、MO、DVD等)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施形態のナビゲーション装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】対応テーブルを例示する図である。
【図3】地図情報表示プログラムの実行において、表示部に表示される地図情報を例示する図である。
【図4】経路案内情報提供プログラムの実行において、表示部に表示される経路案内情報を例示する図である。
【図5】表示制御プログラムの実行において、表示部に表示されるアンテナ情報を例示する図である。
【図6】GPS衛星の捕捉個数に応じて行われる地図情報表示処理、経路案内情報提供処理、表示制御処理を示すフローチャートである。
【図7】GPS衛星の捕捉個数に応じて行われる地図情報表示処理、経路案内情報提供処理、表示制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
100 ナビゲーション装置
1 GPSアンテナ部(信号受信手段)
2 現在位置検出部(現在位置検出手段)
4 表示部
61 CPU(現在位置検出手段、判定手段、制御手段、地図情報表示手段、特定手段、経路案内情報提供手段、表示制御手段)
64a 現在位置検出プログラム(現在位置検出手段)
64b 判定プログラム(判定手段)
64c 地図情報表示プログラム(地図情報表示手段、制御手段)
64d 特定プログラム(特定手段、制御手段)
64e 経路案内情報提供プログラム(経路案内情報提供手段)
64f 表示制御プログラム(表示制御手段、制御手段)
P マーク(所定のマーク)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS衛星からの測位信号を受信する信号受信手段と、
前記信号受信手段により受信される前記測位信号に基づいて、現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記信号受信手段により受信される前記測位信号のうち、受信強度が所定の閾値以上の前記測位信号を送信するGPS衛星の個数を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定されたGPS衛星の個数に応じて所定の制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記現在位置検出手段により検出された現在位置を含む地図情報を表示部に表示する地図情報表示手段を備え、
前記制御手段は、前記判定手段により判定されたGPS衛星の個数に応じて、前記地図情報表示手段により前記表示部に表示される前記地図情報の表示縮尺を変更することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記地図情報表示手段は、前記表示部に表示される前記地図情報上に、前記現在位置検出手段により検出される現在位置を示す所定のマークを表示させ、
前記制御手段は、前記判定手段により判定されたGPS衛星の個数に応じて、前記地図情報表示手段により、前記地図情報上に表示される現在位置を示す前記所定のマークの大きさを変更することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記現在位置検出手段により検出された現在位置に基づいて、現在位置している車線又は歩道を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された前記車線又は前記歩道に応じた経路案内情報を提供する経路案内情報提供手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記判定手段により判定されたGPS衛星の個数が、所定数以上である場合に、前記特定手段に、現在位置している車線又は歩道を特定させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記経路案内情報提供手段により提供される前記経路案内情報は、前記車線又は前記歩道の変更に関する案内情報を含むことを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記表示手段前記判定手段により判定されたGPS衛星の個数に関する情報を、前記表示部に表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
GPS衛星からの測位信号を受信する信号受信手段と、
前記信号受信手段により受信される前記測位信号に基づいて、現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記信号受信手段により受信される前記測位信号のうち、受信強度が所定の閾値以上の前記測位信号を送信するGPS衛星の個数を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定されたGPS衛星の個数に応じて所定の制御を行う制御手段と、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置を含む地図情報を表示部に表示するとともに、当該表示部に表示される当該地図情報上に、前記現在位置検出手段により検出される現在位置を示す所定のマークを表示させる地図情報表示手段と、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置に基づいて、現在位置している車線又は歩道を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された前記車線又は前記歩道に応じた経路案内情報を提供する経路案内情報提供手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記判定手段により判定されたGPS衛星の個数に応じて、前記地図情報表示手段により前記表示部に表示される前記地図情報の表示縮尺を変更するとともに、前記地図情報表示手段により前記地図情報上に表示される現在位置を示す前記所定のマークの大きさを変更し、
前記判定手段により判定されたGPS衛星の個数が、所定数以上である場合に、前記特定手段に、現在位置している車線又は歩道を特定させ、
前記判定手段により判定されたGPS衛星の個数に関する情報を、前記表示部に表示させる表示制御手段を備え、
前記経路案内情報提供手段により提供される前記経路案内情報は、前記車線又は前記歩道の変更に関する案内情報を含むことを特徴とするナビゲーション装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−19903(P2009−19903A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−180953(P2007−180953)
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】