説明

ハイブリッド車

【課題】走行中に内燃機関を停止する際の内燃機関での余分な燃料消費を抑制する。
【解決手段】車速Vが閾値Vpr未満である間欠許容車速条件を含む停止条件が成立したときであって吸気バルブの開閉タイミングVTが最遅角タイミングになっているときにエンジンを停止するものにおいて、車速Vが閾値Vpr以上かつ値(Vpr+α)未満で車速変化率ΔVが閾値ΔVref未満でアクセルオフのときには(S120〜S140)、停止条件の成立が予測されると判断し、吸気バルブの開閉タイミングVTが最も遅いタイミングである最遅角タイミングに変更されるよう可変バルブタイミング機構を制御する最遅角処理の実行を開始する(S160)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車に関し、詳しくは、吸気バルブの開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構が取り付けられてなり走行用の動力を出力可能な内燃機関と走行用の動力を出力可能な電動機と電動機と電力のやりとりが可能な二次電池とを備え、内燃機関から出力される動力と電動機から出力される動力とを用いて走行するハイブリッド走行および電動機から出力される動力だけを用いて走行する電動走行が可能で、内燃機関を運転している最中に車速が所定車速未満である条件を含む停止条件が成立したときであって吸気バルブの開閉タイミングが予め定められた所定タイミングになっているときには内燃機関を停止するハイブリッド車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のハイブリッド車としては、吸気バルブの開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構が取り付けられてなり走行用の動力を出力可能なエンジンと、走行用の動力を出力可能なモータと、を備え、エンジン停止指令がなされたときには、吸気バルブの開閉タイミングを最も遅いタイミングに変更するエンジン停止用VVT変更処理をエンジンをアイドル運転しながら行ない、VVT変更処理が完了したときにフューエルカットしてエンジンを停止するものが記載されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、エンジンからの動力だけを用いて走行する自動車に搭載され、シフト位置がパーキングやニュートラルに設定されたときに、数秒以内にエンジンが停止すると判断し、吸気バルブのバルブタイミングを中間位置またはその近傍の中間位置目標バルブタイミングに変更するものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−144564号公報
【特許文献2】特開2002−309974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前者の場合、エンジン停止指令がなされてからエンジン停止用VVT処理を開始するため、フューエルカットまでに要する時間が長くなり、エンジンでの余分な燃料消費が多くなってしまう。また、後者の技術を前者のハイブリッド車に適用した場合、シフト位置がパーキングやニュートラルに設定されてエンジンを停止する際にはエンジンでの余分な燃料消費を抑制することができるものの、走行中にエンジンを停止する際には、前者の技術を行なう即ちエンジン停止指令がなされてからエンジン停止用VVT処理を開始することになり、エンジンでの余分な燃料消費が多くなってしまう。
【0006】
本発明のハイブリッド車は、走行中に内燃機関を停止する際の内燃機関での余分な燃料消費を抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のハイブリッド車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0008】
本発明のハイブリッド車は、
吸気バルブの開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構が取り付けられてなり走行用の動力を出力可能な内燃機関と、走行用の動力を出力可能な電動機と、前記電動機と電力のやりとりが可能な二次電池と、を備え、前記内燃機関から出力される動力と前記電動機から出力される動力とを用いて走行するハイブリッド走行および前記電動機から出力される動力だけを用いて走行する電動走行が可能で、前記内燃機関を運転している最中に車速が所定車速未満である条件を含む停止条件が成立したときであって前記吸気バルブの開閉タイミングが予め定められた所定タイミングになっているときには前記内燃機関を停止するハイブリッド車であって、
車速が所定車速以上であり、減速したときおよび/または運転者による減速の意図を確認したときには、前記吸気バルブの開閉タイミングが前記所定タイミングに変更されるよう前記可変バルブタイミング機構を制御する所定変更処理を実行する所定変更処理実行手段、
を備えることを要旨とする。
【0009】
この本発明のハイブリッド車では、内燃機関を運転している最中に車速が所定車速未満である条件を含む停止条件が成立したときであって吸気バルブの開閉タイミングが予め定められた所定タイミングになっているときには内燃機関を停止するものにおいて、車速が所定車速以上であり、減速したときや運転者による減速の意図を確認したときには、吸気バルブの開閉タイミングが所定タイミングに変更されるよう可変バルブタイミング機構を制御する所定変更処理を実行する。これにより、走行中に内燃機関を停止する際、特に、走行中に車速が所定車速を跨いで低下して内燃機関を停止する際に、停止条件が成立してから所定変更処理の実行を開始するものに比して、より早いタイミングで所定変更処理の実行を開始して完了することができる。この結果、停止条件の成立から内燃機関の停止までに要する時間をより短縮することができ、内燃機関での余分な燃料消費を抑制することができる。
【0010】
こうした本発明のハイブリッド車において、前記所定変更処理実行手段は、アクセルオフ時に運転者による減速の意図を確認したとする手段である、ものとすることもできる。また、前記所定変更処理実行手段は、車速の単位時間当たりの変化量である車速変化率が負の所定値以下のときに減速したとする手段である、ものとすることもできる。
【0011】
また、本発明のハイブリッド車において、前記所定変更処理実行手段は、車速が前記所定車速以上で且つ該所定車速より高い第2所定車速未満であり、減速したときおよび/または運転者による減速の意図を確認したときに、前記所定変更処理を実行する手段である、ものとすることもできる。
【0012】
さらに、本発明のハイブリッド車において、前記可変バルブタイミング機構は、前記吸気バルブのタイミングとして最も遅いタイミングでロックするロック機構を有する機構であり、前記所定タイミングは、最も遅いタイミングである、ものとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】エンジン22の構成の概略を示す構成図である。
【図3】可変バルブタイミング機構150の外観構成を示す外観構成図である。
【図4】可変バルブタイミング機構150の構成の概略を示す構成図である。
【図5】インテークカムシャフト129の角度を進角させたときの吸気バルブ128の開閉タイミングおよびインテークカムシャフト129の角度を遅角させたときの吸気バルブ128の開閉タイミングの一例を示す説明図である。
【図6】ロックピン154の構成の概略を示す構成図である。
【図7】ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される停止条件成立予測ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図8】ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される停止条件成立時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図9】変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
【図10】変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
【図11】変形例のハイブリッド自動車320の構成の概略を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料とするエンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22のクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に駆動輪63a,63bにデファレンシャルギヤ62を介して連結された駆動軸32にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸32に接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子をスイッチング制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されてインバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ50と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、シフトレバー81のポジションを検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPやアクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどを入力すると共にエンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信して車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット70と、を備える。
【0016】
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入する共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃料室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)134aを有する浄化装置134を介して外気へ排出される。
【0017】
また、エンジン22は、吸気バルブ128の開閉タイミングVTを連続的に変更可能な可変バルブタイミング機構150を備える。図3および図4に、可変バルブタイミング機構150の構成の概略を示す構成図を示す。可変バルブタイミング機構150は、図示するように、クランクシャフト26にタイミングチェーン162を介して接続されたタイミングギヤ164に固定されたハウジング部152aと吸気バルブ128を開閉するインテークカムシャフト129に固定されたベーン部152bとからなるベーン式のVVTコントローラ152と、ベーン部152bの位置を検出するベーンポジションセンサ153と、VVTコントローラ152の進角室および遅角室に油圧を作用させるオイルコントロールバルブ156とを備え、オイルコントロールバルブ156を介してVVTコントローラ152の進角室および遅角室に作用させる油圧を調節することによりハウジング部152aに対してベーン部152bを相対的に回転させて吸気バルブ128の開閉タイミングVTにおけるインテークカムシャフト129の角度を連続的に変更する。インテークカムシャフト129の角度を進角させたときの吸気バルブ128の開閉タイミングVTおよびインテークカムシャフト129の角度を遅角させたときの吸気バルブ128の開閉タイミングVTの一例を図5に示す。実施例では、エンジン22から効率よく動力が出力される吸気バルブ128の開閉タイミングVTにおけるインテークカムシャフト129の角度を基準角とし、インテークカムシャフト129の角度をその基準角よりも進角させることによりエンジン22から高トルクが出力可能な運転状態とすることができ、インテークカムシャフト129の角度を最遅角させることによりエンジン22の気筒内の圧力変動を小さくしてエンジン22の運転の停止や始動に適した運転状態とすることができるよう構成されている。以下、吸気バルブ128の開閉タイミングVTを早くすること、即ち、インテークカムシャフト129の角度を進角させることを「進角する」といい、吸気バルブ128の開閉タイミングVTを遅くすること、即ち、インテークカムシャフト129の角度を遅角させることを「遅角する」という。
【0018】
また、VVTコントローラ152のベーン部152bには、ハウジング部152aとベーン部152bとの相対回転を固定するロックピン154が取り付けられている。図6にロックピン154の構成の概略を示す構成図を示す。ロックピン154は、図示するようにロックピン本体154aと、ロックピン本体154aがハウジング部152aの方向に付勢されるよう取り付けられたスプリング154bとを備え、インテークカムシャフト129の角度が最遅角に位置されたときにスプリング154bのスプリング力によりハウジング部152aに形成された溝158に嵌合しベーン部152bをハウジング部152aに固定する。また、ロックピン154は、油路159を介してスプリング154bのスプリング力に打ち勝つ油圧を作用させることにより溝158に嵌合されたロックピン本体154aを引き抜くことができるよう図示しない油圧式のアクチュエータが設けられている。なお、実施例では、この油圧式のアクチュエータを作動させるための油圧は、図1に示すように、エンジン22のクランクシャフト26に取り付けられたギヤポンプ23により供給される。
【0019】
エンジン22を制御するエンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランク角θcrやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室内に取り付けられた圧力センサからの筒内圧力,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128のインテークカムシャフト129や排気バルブを開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカム角θca,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットル開度TH,吸気管に取り付けられて吸入空気の質量流量を検出するエアフローメータ148からの吸入空気量Qa,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温Ta,浄化触媒134aの温度を検出する温度センサ134bからの触媒温度Tc,排気管のうち浄化装置134の上流側に取り付けられた空燃比センサ135aからの空燃比AF,排気管のうち浄化装置134の下流側に取り付けられた酸素センサ135bからの酸素信号,可変バルブタイミング機構150の作動用のオイルの温度を検出する温度センサ151からのオイル温度Toilなどが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングVTの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。なお、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランク角θcrに基づいてクランクシャフト26の回転数即ちエンジン22の回転数Neを演算したり、エアフローメータ148からの吸入空気量Qaとエンジン22の回転数Neとに基づいて体積効率(エンジン22の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の比)KLを演算したり、カムポジションセンサ144からの吸気バルブ128のインテークカムシャフト129のカム角θcaのクランクポジションセンサ140からのクランク角θcrに対する角度(θca−θcr)に基づいて吸気バルブ128の開閉タイミングVTを演算したりしている。
【0020】
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸32に出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力が駆動軸32に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸32に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸32に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力を駆動軸32に出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力が駆動軸32に出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。
【0021】
エンジン運転モードでは、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて駆動軸32に出力すべき要求トルクTr*を設定し、設定した要求トルクTr*に駆動軸32の回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2に換算係数を乗じて得られる回転数や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて走行に要求される走行用パワーPr*を計算すると共に計算した走行用パワーPr*からバッテリ50の残容量(SOC)に基づいて得られるバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン22から出力すべきパワーとしての要求パワーPe*を設定し、要求パワーPe*を効率よくエンジン22から出力することができるエンジン22の回転数NeとトルクTeとの関係としての動作ライン(例えば燃費最適動作ライン)を用いてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し、バッテリ50を充放電してもよい最大電力としてバッテリ50の残容量(SOC)やバッテリ50の温度により設定される入出力制限Win,Woutの範囲内で、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにするための回転数フィードバック制御によりモータMG1から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm1*を設定すると共にモータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときにプラネタリギヤ30を介して駆動軸32に作用するトルクを要求トルクTr*から減じてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてエンジンECU24に送信し、トルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に送信する。そして、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによってエンジン22が運転されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御,開閉タイミング制御などを行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
【0022】
このエンジン運転モードでは、エンジン22を停止するための停止条件が成立すると、エンジン22を運転停止してモータ運転モードに移行する。ここで、停止条件は、実施例では、簡単のために、車速Vが閾値Vpr未満である間欠許容車速条件と要求パワーPe*が閾値Pstop以下である停止用パワー条件とが共に成立したときに成立したと判定され、間欠許容車速条件と停止用パワー条件とのうち少なくとも一方が成立しないときに成立していないと判定されるものとした。ここで、閾値Vprは、アクセルペダル83が比較的軽く踏み込まれたときでもモータMG2からのトルク出力だけでは要求トルクTr*を満たすことができずに運転者や乗員に加速に対する違和感を与える可能性が高いと想定される車速範囲の下限(例えば45km/hや50km/hなど)などを用いることができる。また、閾値Pstopは、エンジン22を効率よく運転するためにエンジン22を運転停止した方がよいと想定されるパワー範囲の上限(例えば、数kWなど)などを用いることができる。さらに、実施例では、停止用パワー条件が成立しているにも拘わらず間欠許容車速条件が成立しないことによって停止条件が成立しないときには、エンジン22をアイドル運転するものとした。
【0023】
モータ運転モードでは、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸32に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータECU40に送信する。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
【0024】
このモータ運転モードでは、間欠許容車速条件を満たさなくなったときや、要求パワーPe*が閾値Pstopと同一の値やそれよりも若干大きな値として定められた閾値Pstart以上である始動用パワー条件が成立したときに、エンジン22を始動する始動条件が成立したとして、エンジン22を始動してエンジン運転モードに移行する。なお、閾値Pstartは、エンジン22を効率よく運転するためにエンジン22を始動した方がよいと想定されるパワー範囲の下限などを用いることができる。
【0025】
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、エンジン22を運転停止する際の動作について説明する。図7は、エンジン運転モードで少なくとも間欠許容車速条件が成立しておらず(車速Vが閾値Vpr以上であり)前述の停止条件が成立していないときにハイブリッド用電子制御ユニット70により所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される停止条件成立予測ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図8は、エンジン運転モードで停止条件が成立したときにハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される停止条件成立時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。以下、まず、図7の停止条件成立予測ルーチンについて説明し、その後、図8の停止条件成立時制御ルーチンについて説明する。
【0026】
停止条件成立予測ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速Vを入力すると共に(ステップS100)、今回に入力した車速Vから前回に入力した車速(前回V)を減じたものを本ルーチンの実行間隔tpで除することにより、車速Vの単位時間当たりの変化率である車速変化率ΔVを計算する(ステップS110)。
【0027】
そして、車速Vを閾値Vprに所定値αを加えたものと比較すると共に(ステップS120)、車速変化率ΔVを閾値ΔVrefと比較し(ステップS130)、アクセル開度Accが値0であるか否か(アクセルオフであるか否か)を判定する(ステップS140)、ことによって前述の停止条件の成立が予測されるか否かを判定する。ここで、所定値αとしては、例えば、2km/hや3km/hなどを用いることができる。また、閾値ΔVrefとしては、例えば、所定値αを最遅角処理の実行完了までに要する時間(例えば、数百msecなど)で除したものに値(−1)を乗じた値などを用いることができる。停止条件の成立が予測されるか否かの判定をステップS120〜S140の処理によって行なうのは、車速Vが閾値Vpr以上で値(Vpr+α)未満であると共にアクセルオフで且つ車速変化率ΔVが負の値として比較的大きいときには、アクセル開度Accに基づいて定められる要求パワーPe*が比較的小さく、その後に車速Vが閾値Vpr未満に至ることによって停止条件が成立する可能性が高いと考えられるためである。
【0028】
車速Vが値(Vpr+α)以上のときや、車速Vが値(Vpr+α)未満でも車速変化率ΔVが閾値ΔVref以上であるかアクセルオフでないときには、停止条件の成立は予測されないと判断してそのまま本ルーチンを終了する。一方、車速Vが値(Vpr+α)未満(具体的には、車速Vが閾値Vpr以上で値(Vpr+α)未満)で車速変化率ΔVが閾値ΔVref未満でアクセルオフのときには、停止条件の成立が予測されると判断し、吸気バルブ128の開閉タイミングVTが最も遅いタイミングである最遅角タイミングに変更されるよう可変バルブタイミング機構150を制御する最遅角処理の実行が既に開始されているか否かを判定し(ステップS150)、最遅角処理の実行が既に開始されているときには、そのまま本ルーチンを終了し、最遅角処理の実行が未だ開始されていないときには最遅角処理の実行指令をエンジンECU24に送信して(ステップS160)、本ルーチンを終了する。最遅角処理の実行指令を受信したエンジンECU24は、最遅角処理の実行を開始すると共に、その旨を示す信号をハイブリッド用電子制御ユニット70に送信する。なお、実施例では、前述したように、停止用パワー条件が成立しているにも拘わらず間欠許容車速条件が成立しないことによって停止条件が成立しないときにはエンジン22をアイドル運転するものとした。また、停止条件の成立が予測されるときには、要求パワーPe*は比較的小さいと考えられる。これらを踏まえると、停止条件の成立が予測されて最遅角処理を行なうときには、エンジン22はアイドル運転されることが多いと言える。
【0029】
次に、図8の停止条件成立時制御ルーチンについて説明する。停止条件成立時制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、吸気バルブ128の開閉タイミングVTが最遅角タイミングでないときに値0が設定されると共に最遅角タイミングであるときに値1が設定される最遅角フラグFをエンジンECU24から通信により入力すると共に(ステップS200)、入力した最遅角フラグFの値を調べる(ステップS210)、ことによって吸気バルブ128の開閉タイミングVTが最遅角タイミングであるか否かを判定する。
【0030】
吸気バルブ128の開閉タイミングVTが最遅角タイミングではないと判定されたときには、最遅角処理の実行が既に開始されているか否かを判定し(ステップS220)、最遅角処理の実行が既に開始されているときには、そのままステップS200に戻り、最遅角処理の実行が未だ開始されていないときには、最遅角処理の実行指令をエンジンECU24に送信してから(ステップS230)、ステップS200に戻る。なお、実施例では、停止条件が成立したときでも、吸気バルブ128の開閉タイミングVTが最遅角タイミングでないとき(最遅角処理の実行を完了していないとき)には、エンジン22をアイドル運転するものとした。また、停止条件が成立したときに最遅角処理の実行を開始する場合、即ち、停止条件の成立が予測されることなく停止条件が成立する場合としては、例えば、エンジン運転モードで走行していて車速Vが閾値Vpr以上に至らずにアクセルオフされたときなどが考えられる。
【0031】
そして、ステップS210で開閉タイミングVTが最遅角タイミングであると判定されると、エンジン22を停止する停止処理の実行指令をエンジンECU24とモータECU40とに送信して(ステップS240)、本ルーチンを終了する。停止処理の実行指令を受信したエンジンECU24は、エンジン22の燃料噴射を停止し、停止処理の実行指令を受信したモータECU40は、エンジン22を迅速に回転停止させるためのトルクが必要に応じてモータMG1から出力されるようインバータ41のスイッチング素子をスイッチング制御する。いま、エンジン運転モードで走行していて停止条件の成立が予測された後に停止条件が成立したとき(例えば、車速Vが値(Vpr+α)以上に至った後にアクセルオフされて車速Vが閾値Vpr未満に低下したときなど)を考えると、実施例では、停止条件の成立が予測されたときに最遅角処理の実行を開始するから、停止条件が成立したときに最遅角処理の実行を開始するものに比してより早いタイミング(例えば、停止条件が成立する時期やその直前,直後など)で最遅角処理の実行を完了することができる。この結果、停止条件の成立からエンジン22の停止までの時間を短縮することができ、エンジン22での余分な燃料消費を抑制することができる。しかも、実施例では、最遅角処理の実行を開始するタイミングを、車速Vだけでなく車速変化率ΔVやアクセルオフか否かを考慮して定めるから、このタイミングをより適正に定めることができる。
【0032】
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、車速Vが閾値Vpr未満である間欠許容車速条件を含む停止条件が成立したときであって吸気バルブ128の開閉タイミングVTが最遅角タイミングになっているときにエンジン22を停止するものにおいて、車速Vが閾値Vpr以上かつ値(Vpr+α)未満で車速変化率ΔVが閾値ΔVref未満でアクセルオフのときには、停止条件の成立が予測されると判断し、吸気バルブ128の開閉タイミングVTが最も遅いタイミングである最遅角タイミングに変更されるよう可変バルブタイミング機構150を制御する最遅角処理の実行を開始するから、走行中にエンジン22を停止する際に、停止条件が成立してから最遅角処理の実行を開始するものに比して、より早いタイミングで最遅角処理の実行を完了することができる。この結果、停止条件の成立からエンジン22の停止までの時間を短縮することができ、エンジン22での余分な燃料消費を抑制することができる。
【0033】
実施例のハイブリッド自動車20では、車速Vが閾値Vpr以上かつ値(Vpr+α)未満であるか否かと、車速変化率ΔVが閾値ΔVref未満であるか否かと、アクセルオフであるか否かと、を用いて停止条件の成立が予測されるか否かを判定するものとしたが、車速変化率ΔVが閾値ΔVref未満であるか否かとアクセルオフであるか否かとのうちいずれか一方を用いずに停止条件の成立が予測されるか否かを判定するものとしてもよい。また、停止条件の成立が予測されるか否かの判定において、アクセルオフであるか否かに代えてブレーキオンであるか否かを用いるものとしてもよい。さらに、停止条件の成立が予測されるか否かの判定において、車速Vが閾値Vpr以上かつ値(Vpr+α)未満であるか否かの判定に代えて、車速Vが閾値Vpr以上であるか否かを用いる、即ち、図7の停止条件成立予測ルーチンで考えると車速Vが閾値Vpr以上のときに所定時間毎に繰り返し実行されるためステップS120の処理を行なわない、ものとしてもよい。
【0034】
実施例のハイブリッド自動車20では、停止条件として、車速Vが閾値Vpr未満である間欠許容車速条件と要求パワーPe*が閾値Pstop以下である停止用パワー条件とを用いるものとしたが、これらに加えて、エンジン22の冷却水温Twが閾値Twrefより高い水温条件や、バッテリ50の残容量(SOC)が閾値Srefより高い残容量条件なども用いるものとしてもよい。停止条件として間欠許容車速条件と停止用パワー条件と水温条件と残容量条件とを用いる場合、全ての条件が成立したときに停止条件が成立したと判定し、少なくとも一つが成立しないときには停止条件は成立していないと判定するものとしてもよい。ここで、閾値Twrefは、エンジン22の暖機を必要とする温度範囲の上限(例えば、70℃や75℃など)などを用いることができる。また、閾値Srefは、バッテリ50の過放電を抑制するためにエンジン22を運転すべき残容量範囲の上限(例えば、30%や35%など)などを用いることができる。
【0035】
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2からの動力を駆動輪63a,63bに連結された駆動軸32に出力するものとしたが、図9の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2からの動力を駆動軸32が接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図9における車輪64a,64bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
【0036】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動軸32に出力すると共にモータMG2からの動力を駆動軸32に出力するものとしたが、図10の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、駆動輪63a,63bに連結された駆動軸に変速機230を介してモータMGを取り付け、モータMGの回転軸にクラッチ229を介してエンジン22を接続する構成とし、エンジン22からの動力をモータMGの回転軸と変速機230とを介して駆動軸に出力すると共にモータMGからの動力を変速機230を介して駆動軸に出力するものとしてもよい。また、図11の変形例のハイブリッド自動車320に例示するように、エンジン22からの動力を変速機330を介して駆動輪63a,63bに接続された車軸に出力すると共にモータMGからの動力を駆動輪63a,63bに接続された車軸とは異なる車軸(図11における車輪64a,64bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
【0037】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、可変バルブタイミング機構150を有するエンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「二次電池」に相当し、車速Vが閾値Vpr以上かつ値(Vpr+α)未満で車速変化率ΔVが閾値ΔVref未満でアクセルオフのときには、吸気バルブ128の開閉タイミングVTが最も遅いタイミングである最遅角タイミングに変更されるよう可変バルブタイミング機構150を制御する最遅角処理の実行指令をエンジンECU24に送信する図7の停止条件成立予測ルーチンを実行するハイブリッド用電子制御ユニット70と、最遅角処理の実行指令を受信したときに最遅角処理の実行を開始するエンジンECU24と、が「所定変更処理実行手段」に相当する。
【0038】
ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど、吸気バルブの開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構が取り付けられてなるものであれば如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、内燃機関の出力軸に動力を出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「二次電池」としては、リチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ50に限定されるものではなく、ニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム二次電池,鉛蓄電池など、電動機と電力のやりとりが可能なものであれば如何なるタイプの二次電池であっても構わない。「所定変更処理実行手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「所定変更処理実行手段」としては、車速Vが閾値Vpr以上かつ値(Vpr+α)未満で車速変化率ΔVが閾値ΔVref未満でアクセルオフのときには、吸気バルブ128の開閉タイミングVTが最も遅いタイミングである最遅角タイミングに変更されるよう可変バルブタイミング機構150を制御する最遅角処理を実行するものに限定されるものではなく、車速が所定車速以上であり、減速したときおよび/または運転者による減速の意図を確認したときには、吸気バルブの開閉タイミングが所定タイミングに変更されるよう可変バルブタイミング機構を制御する所定変更処理を実行するものであれば如何なるものとしても構わない。
【0039】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0040】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、ハイブリッド車の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0042】
20,120,220,320 ハイブリッド自動車、22 エンジン、23 ギヤポンプ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a CPU、24b ROM、24c RAM、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、32 駆動軸、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、129 インテークカムシャフト、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、134a 浄化触媒、134b 温度センサ、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136,スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150 可変バルブタイミング機構、151 温度センサ、152 VVTコントローラ、152a ハウジング部、152b ベーン部、154 ロックピン、154a ロックピン本体、154b スプリング、156 オイルコントロールバルブ、158 溝、159 油路、162 タイミングチェーン、164 タイミングギヤ、229 クラッチ、230,330 変速機、MG,MG1,MG2 モータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気バルブの開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構が取り付けられてなり走行用の動力を出力可能な内燃機関と、走行用の動力を出力可能な電動機と、前記電動機と電力のやりとりが可能な二次電池と、を備え、前記内燃機関から出力される動力と前記電動機から出力される動力とを用いて走行するハイブリッド走行および前記電動機から出力される動力だけを用いて走行する電動走行が可能で、前記内燃機関を運転している最中に車速が所定車速未満である条件を含む停止条件が成立したときであって前記吸気バルブの開閉タイミングが予め定められた所定タイミングになっているときには前記内燃機関を停止するハイブリッド車であって、
車速が前記所定車速以上であり、減速したときおよび/または運転者による減速の意図を確認したときには、前記吸気バルブの開閉タイミングが前記所定タイミングに変更されるよう前記可変バルブタイミング機構を制御する所定変更処理を実行する所定変更処理実行手段、
を備えるハイブリッド車。
【請求項2】
請求項1記載のハイブリッド車であって、
前記所定変更処理実行手段は、アクセルオフ時に運転者による減速の意図を確認したとする手段である、
ハイブリッド車。
【請求項3】
請求項1または2記載のハイブリッド車であって、
前記所定変更処理実行手段は、車速の単位時間当たりの変化量である車速変化率が負の所定値以下のときに減速したとする手段である、
ハイブリッド車。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載のハイブリッド車であって、
前記所定変更処理実行手段は、車速が前記所定車速以上で且つ該所定車速より高い第2所定車速未満であり、減速したときおよび/または運転者による減速の意図を確認したときに、前記所定変更処理を実行する手段である、
ハイブリッド車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−35783(P2012−35783A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178559(P2010−178559)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】