説明

バイオポリマー構造体および部品

本発明は、組成物に関するものであり、それは、発酵固体およびサーモアクティブ材料を含むバイオポリマーとして参照される。本発明はまた、発酵固体およびサーモアクティブ材料を配合することから成るバイオポリマーを作る方法を含む。本バイオポリマーは、工場の製品に成形することができる。そのような工場の製品を成形する方法は、たとえば押出し加工、射出成形、または発酵固体とサーモアクティブ材料を配合することを含む。バイオポリマーから成形された構造体は、木材代替品、窓部品、ドア部品、サイディング組立て材および他の構造体を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
アグリ・ポリメリックス社(AGRI-POLYMERIX, LLC、米国有限責任会社)、マイケル・J・リーベルおよびミルトン・J・リーベル(米国籍、米国在住)は、全ての国を指定し、米国仮特許出願第60/478247号、第60/278248号および第60/478601号(全て2003年6月13日付提出)に基づく優先権を主張してこのPCT出願を提出する。
【0002】
本発明は、発酵固体およびサーモアクティブ材料を含むバイオポリマーと称される組成物に関する。また、本発明は、発酵固体とサーモアクティブ材料をコンパウンディングすることから成る該バイオポリマーの作製方法を含む。本件バイオポリマーは、工業製品に形成される。このような工業製品の作製方法は、たとえば、押出し加工すること、射出成形すること、または発酵固体とサーモアクティブ材料をコンパウンディングすることを含む。バイオポリマーから作られる構造体は、木材代替品、窓部品、ドア部品、サイディング組立材、および他の構造体を含むことができる。
【背景技術】
【0003】
種々の製品が、充填材入りプラスチックから作られる。たとえば、プラスチックは、木材代替品、窓およびドアの組立部品、または構造体を造るためのサイディングに成形される。
【0004】
充填剤は、ほぼ90年間プラスチック産業で使用されてきた。大部分のメーカーが充填材入りプラスチックを使用する理由は、高価なポリプロピレンおよび他のプラスチックの価格を、より低い価格の充填剤(たとえば木粉、タルク、マイカおよびファイバーグラス)でもって下げるためである。プラスチックをファイバーグラスで充填することによって、より高い熱安定性およびより高い屈曲・破断強度が創り出されて、その特性が改善される。しかし、木粉のような低コスト充填剤は、プラスチックの特性のいくつかを低下させ、それを加工することを困難にする可能性がある。タルクおよびマイカは、プラスチックに強度の若干の増大を提供するが、また、重さを増して、摩滅によって押出し機の寿命を短くする。ファイバーグラスは製品のかなりの強度を付加するが、相当なコストを払ってのことである。
【0005】
木材または藁のような植物材料で充填された既存のプラスチックと関連した欠点は多い。そのようなプラスチックの押出しおよび射出に関連する主要な問題は、このプロセスで使用される植物材料の粒径が非常に小さく、主に摩砕した木材であるということである。そうでなければ、能率的に押出したり成形したりするには、混合物の粘性が高すぎる。その上、押出しまたは射出プロセスは、使用される充填剤(例、木材)とプラスチックの比率によってさらに制限される。これは、生産される製品に望ましくない制約を課す。木材プラスチック複合物は、通常、純プラスチックと混合した30%〜65%の木粉または微細な木の鋸屑を使用する。これより高い比率は、吸湿、腐敗、崩壊、湿気安定性等々の場で、加工上の問題と全体的な性能低下の両方を引き起こす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
サーモアクティブ材料のコストと消費を減らすことができて、窓とドアの組立て部品、木材代替品、建物のためのサイディングおよび他の商品のためにフィラーよりも優れた性能を発揮する、安価な生物由来の材料に対するニーズが残っている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、発酵固体およびサーモアクティブ材料から成るバイオポリマーとして参照される組成物に関する。本発明はまた、バイオポリマーを作る方法を含み、それは発酵固体とサーモアクティブ材料をコンパウンディングすることを含むことができる。本バイオポリマーは、工業製品に成形される。
【0008】
本発明は、発酵固体およびサーモアクティブ材料を含む組成物に関する。該組成物は、これらの含有物の広範囲の量を含むことができる。たとえば、一実施例では、該組成物は、約5〜約95重量%の発酵固体および約1〜約95重量%のサーモアクティブ材料を含むことができる。発酵固体は、一実施例では、穀物(たとえばとうもろこし)のような植物材料の発酵から誘導されるディスティラーズ乾燥穀物(distiller's dried grain)または可溶物を含むディスティラーズ乾燥穀物を含むことができる。サーモアクティブ材料は、たとえば、熱可塑性材料、熱硬化性材料および樹脂/接着性ポリマーの少なくとも1種を含むことができる。本組成物は、種々の製品のいずれにおいても使用することができる。該製品には、発酵固体とサーモアクティブ材料を含む組成物が含まれる。
【0009】
本発明は、発酵固体とサーモアクティブ材料を含む組成物を作る方法に関する。該方法は、発酵固体とサーモアクティブ材料を非限定的に含む組成物のコンパウンディング成分を含む。コンパウンディングは、熱動力学的コンパウンディングを含むことができる。
該組成物は、発泡組成物として作ることができる。発泡組成物を作ることは、発酵固体とサーモアクティブ材料を含む材料を押出加工することを含むことができる。発泡材料は、発泡剤または起泡剤を含む必要はない。
【0010】
本組成物は、製品を作る方法において使用される。この方法は、発酵固体とサーモアクティブ材料を含む組成物から製品を作ることを含むことができる。構造体は、発酵固体およびサーモアクティブ材料から成るバイオポリマーとして参照される組成物から作られる。バイオポリマー製品を作る方法は、たとえば押出し加工すること、射出成形すること、または発酵固体とサーモアクティブ材料をコンパウンディングすることを含む。バイオポリマーから作られる構造体は、木材代替品、窓部品、ドア部品、サイディング組立て品および他の構造体を含むことができる。
【0011】
一実施例では、製品は、サーモアクティブ材料および発酵固体を含むバイオポリマー材料を含む。一実施例では、バイオポリマーは、約5〜約95重量%の発酵固体および約1〜約95重量%のサーモアクティブ材料を含むことができる。一実施例では、発酵固体は、ディスティラーズ乾燥穀物、ディスティラーズ乾燥澱粉質根菜作物、ディスティラーズ乾燥塊茎およびディスティラーズ乾燥根の少なくとも1種を含む。
【0012】
一実施例では、発酵固体は、ディスティラーズ乾燥穀物とディスティラーズ乾燥豆類の少なくとも1種を含む。一実施例では、発酵固体は、ディスティラーズ乾燥コーン、ディスティラーズ乾燥モロコシ(マイロ)、ディスティラーズ乾燥大麦、ディスティラーズ乾燥小麦、ディスティラーズ乾燥ライ麦、ディスティラーズ乾燥米、ディスティラーズ乾燥粟、ディスティラーズ乾燥オート麦とディスティラーズ乾燥大豆を含む。
【0013】
一実施例では、バイオポリマーを含む製品は、窓の一部、ドアの一部、家具一式の一部として構成される。たとえば、該製品は、窓組立部品、ドア組立部品および家具組立材の少なくとも1種への組立材用に構成される。
【0014】
一実施例では、バイオポリマーを含む製品は、木材代替品部材として構成される。該木材代替品部材は、固いシェルと発泡したコアを含むことができる。木材代替品部材はまた、固いシェルの上にテクスチャ加工した表面を含むことができる。他の実施例では、バイオポリマーを含む製品は、装飾品として構成される。
【0015】
一実施例では、バイオポリマーを含む製品は、発泡したコアを含むことができる。一実施例では、バイオポリマーを含む製品は、熱融着を通して他の製品と集成するように構成される。
【0016】
一実施例では、バイオポリマーを含む製品は、空洞を規定する内面、空洞に達する支柱および空洞に達するアンカー部分を含むように構成され、該アンカー部分は留め具を受け入れるように構成される。
【0017】
一実施例では、バイオポリマーを含む製品は、圧縮成形品、押出し加工製品および射出成形品の少なくとも1種を含むことができる。
【0018】
一実施例では、バイオポリマーを含む製品は、バイオポリマーの上に第2材料の層を含むことができる。一実施例では、第2材料の該層は、印象形成部品、共押出し材料または粉体被膜を含むことができる。
【0019】
一実施例では、バイオポリマーを含む製品は、建物のためのサイディング組立材の一部品として構成される。一実施例では、建物のためのサイディング組立材の部品は、第1端部と第2端部の間に亘る縦の本体を持つ縦の部材(該縦の部材は、バイオポリマーを含み、第1端部および第2端部の少なくとも一つは、サイディング組立材の第2部品に結合するように構成される)を含むことができる。一実施例では、第2部品は、バイオポリマー材料を含み、熱溶接によって縦の部材の端部の1つに結合するように構成される。一実施例では、縦の部材は、手直しされた外観をもつ手直しされた表面を含み、該手直しされた表面は、粉体塗装膜、テクスチャ加工した表面、プリントされた表面の少なくとも1種を含む。一実施例では、サイディング製品は、中空の部分、発泡体の部分、クモの巣状の部分またはそれらの組合せを含むことができる。
【0020】
一実施例では、該発酵固体は、発酵性タンパク質固体を含む。一実施例では、該発酵固体は、ディスティラーズ乾燥穀物を含む。一実施例では、ディスティラーズ乾燥穀物はさらに、可溶物、乾燥穀物−200、および/またはディスティラーズ乾燥コーンを含む。
【0021】
一実施例では、バイオポリマーを含む製品は、約50〜約70重量%の発酵固体、および、約20〜約50重量%のサーモアクティブ材料を含む。
【0022】
一実施例では、バイオポリマーを含む製品は、熱可塑性物質、熱硬化性材料、ならびに樹脂/接着性ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エポキシ材料メラミン、ポリエステル、フェノール性ポリマー、および尿素含有ポリマーの1種を含むサーモアクティブ材料を含む。
【0023】
一実施例では、バイオポリマーを含む製品は、一体化(integral)バイオポリマー、複合バイオポリマーまたは集合バイオポリマーの形においてある。一実施例では、バイオポリマーを含む製品は、複合バイオポリマーの形においてあり、該複合バイオポリマーは花崗岩様外観を持つ。
【0024】
一実施例では、バイオポリマーを含む製品は、染料、顔料、加水分解剤、可塑剤、充填剤、防腐剤、抗酸化剤、成核剤、静電防止剤、殺虫剤、殺菌剤、防火剤、難燃剤、熱安定剤、光安定剤、導電物質、水、油、潤滑剤、衝撃緩和剤、カップリング剤、架橋剤、発泡剤または起泡剤、および、再生すなわちリサイクルされたプラスチックの少なくとも1種を含む。一実施例では、バイオポリマーを含む製品は、可塑剤、光安定剤およびカップリング剤の少なくとも1種を含む。
【0025】
製品を作る1つの方法は、約5〜約95重量%の発酵固体および約0.1〜約95重量%のサーモアクティブ材料を含む組成物から製品を作ることを含む。方法はさらに、一種以上の押出成形、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、トランスファー成形する、熱成形、注型、カレンダー成形、低圧成形、高圧積層、反応射出成形、発泡成形および被覆を含みうる。
【0026】
バイオポリマー木材代替品、窓またはドア部品、あるいはサイディング部材を製作する方法は、バイオポリマーを加熱すること、熱したバイオポリマーに圧をかけること、熱したバイオポリマーを成形すること、および製品形態を保持するためにバイオポリマーを冷却することを含むことができる。方法はさらに、製品に表面模様を貼付することを含むことができる。バイオポリマーを成形することは、射出成形、押出し品を造るために、バイオポリマーを、型を通して押出すこと、または他のプロセスを含むことができる。貼付することは、製品をプレスすることを含み、それはバイオポリマーから水を抜き出すことを含むことができる。一実施例では、該方法は、木材代替品、窓、ドア、サイディング部品の中の中空のおよび/または発泡体の部分での成形を含むことができ、中空の、または発泡体部分は、製品または部品のR値を増やすために働く。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
定義
本明細書で使用されるとき、用語「バイオポリマー」は、サーモアクティブ材料および発酵固体を含む材料を指す。
【0028】
本明細書で使用されるとき、フレーズ「発酵固体」は、アルコール(たとえばエタノール)生産のような発酵プロセスから回収された固体材料を指す。
【0029】
本明細書で使用されるとき、フレーズ「発酵性タンパク質固体」は、タンパク質を含む材料を発酵させることから回収された発酵固体を指す。該発酵タンパク質固体はまた、タンパク質を含む。
【0030】
本明細書で使用されるとき、フレーズ「ディスティラーズ乾燥穀物(DDG)」は、穀物(たとえばコーン)中のタンパク質が特定のイーストおよび酵素で発酵させられ、エタノールと二酸化炭素を含む製品を作ったのち、残存する乾燥残渣を指す。DDGは、残量(たとえば約2重量%)の可溶物を含むことがある。
【0031】
ディスティラーズ乾燥穀物は、醸造業者穀物(brewer's grain)および使用済み固体として知られている組成物を含む。
【0032】
本明細書で使用されるとき、フレーズ「可溶物入りディスティラーズ乾燥穀物」(DDGS))は、穀物(たとえばコーン)中のタンパク質が発酵させられた後に残存する粗材料の乾燥調製物および発酵の後に残存する残渣の溶解部分(蒸発によって濃縮されて、溶解物を生成する)を指す。可溶物は、DDGに添加してDDGSを生成することができる。
【0033】
本明細書で使用されるとき、フレーズ「ウエットケーキ」または「湿った発酵穀物」は、エタノールおよび二酸化炭素を含む生産物を生成させるために、穀物(たとえばコーン)中のタンパク質が特定のイーストおよび酵素で発酵させられた後、残存する粗い湿った残渣を指す。
【0034】
本明細書で使用されるとき、フレーズ「溶媒洗浄ウエットケーキ」は、水、アルコールまたはヘキサンのような溶媒で洗浄したウエットケーキを指す。
【0035】
本明細書で使用されるとき、フレーズ「グルテン食物」は、植物材料(たとえば、コーン、小麦またはジャガイモ)の、澱粉のための湿式粉砕の副産物を指す。
【0036】
トウモロコシグルテン食物はまた、乾燥摩砕コーンの全体または種々の部分にある澱粉の、コーンシロップへの転換の副産物である。グルテン食物は、プロラミンタンパク質およびグルテン(大部分の穀類の穀物にある水不溶性タンパク質の混合物)を、さらには比較的少量の脂肪と繊維をも含む。
【0037】
本明細書で使用されるとき、フレーズ「植物材料」は、あらゆる植物(たとえば、シリアル穀物)、通常澱粉を含む材料の全部または一部を指す。適当な植物材料は、メーズ(コーン、たとえば全摩砕コーン)、モロコシ(マイロ)、大麦、小麦、ライ麦、米、雑穀、オート麦、大豆および他の穀類またはマメ科の粒状作物)、ならびに、澱粉質の根菜作物、塊茎またはサツマイモおよびキャッサバのような根を含む。該植物材料は、そのような材料の混合物およびそのような材料の副産物、たとえばコーン繊維、コーン穂軸、藁、および木材または植物残渣のような材料を含有するセルロースおよびヘミセルロースでありうる。好ましい植物材料は、コーン(標準的なコーンまたは蝋様コーンのいずれか)を含む。好ましい植物材料は、発酵固体を作成するために発酵される。
【0038】
本明細書で使用されるとき、用語「プロラミン」は、穀物のような植物内に発見される一群の球状タンパク質のいずれかを指す。プロラミンタンパク質は、通常、70〜80パーセントのアルコールに溶けるが、水および無水アルコールには不溶である。これらのタンパク質は、高レベルのグルタミン酸およびプロリンを含む。適当なプロラミンタンパク質は、グリアジン(小麦とライ麦)、ゼイン(コーン)およびカフィリン(kafirin)(モロコシと粟)を含む。適当なグリアジンタンパク質は、α−、β−、γ−およびω−グリアジンを含む。
【0039】
本明細書で使用されるとき、用語「ゼイン」は、約40,000(たとえば、38,000)の分子量をもち、コーン内で発見され、トリプトファンおよびリジンを含まないプロラミンタンパク質を指す。
【0040】
本明細書で使用されるとき、フレーズ「ガラス転移点」または「T」は、材料(たとえば、発酵固体またはサーモアクティブ材料)の粒子が「軟化点」に達し、それが粘弾性的性状を持つようになり、もっと容易に圧縮される温度を指す。T以下では、材料は、そのガラス状態にあり、単純な圧力の下で容易に変形することはない。本明細書で使用されるとき、フレーズ「融点」または「T」は、材料(たとえば発酵固体またはサーモアクティブ材料)が溶けて、流れ始める温度を指す。これらの温度を測定する適当な方法は、示差走査熱量測定(DSC)、動力学的熱分析(DTMA)および熱機械分析(TMA)を含む。
【0041】
本明細書で使用されるとき、重量パーセント(wt%)、重量によるパーセント、重量による%などは、物質の濃度を、その物質の重さを組成物の重量で割り100を掛けたとして表わす同義語である。特に明記しない限り、成分の量は、活性成分の量を指す。
【0042】
本明細書で使用されるとき、なんらかの量を修飾する用語「約」は、たとえば研究室、試験工場または生産設備においてポリマーまたは複合材料のような材料を生成させる現実世界の条件において遭遇する量の変動を指す。たとえば、約によって修飾されるとき、混合物で使用される成分の量は、物質またはポリマーを生成するプラントまたは研究室で測定する際に使われる注意の変動および度合いを含む。たとえば、約によって修飾されるときの製品の部品の量は、工場または研究室におけるバッチ間の変動および分析法に固有の変動を含む。約によって修飾される、されないにかかわらず、量は、それらの量に対応する量を含む。ここに述べられ、かつ「約」によって修飾されたあらゆる量はまた、本発明の中で約によって修飾されていない量として使用される。
バイオポリマー
【0043】
本発明は、一種以上の発酵固体および一種以上のサーモアクティブ材料を含むバイオポリマーに関する。本バイオポリマーは、塑性物質に典型的な特性、従来の塑性物質と比較して有利な特性、および/またはプラスチックおよび、たとえば、木材またはセルロース系材料を含む集合体と比較して有利な特性を示すことができる。本バイオポリマーは、プラスチックから品物を作るための様々な従来法のいずれかを使用して有用な製品に成形される。本バイオポリマーは、様々な形態のいずれをも取ることができる。
【0044】
一実施例では、本バイオポリマーは、サーモアクティブ材料と統合された発酵固体を含む。サーモアクティブ材料に一体化された発酵固体を含むバイオポリマーは、本明細書では「一体化バイオポリマー」と称する。一体化バイオポリマーは、サーモアクティブ材料と発酵固体の間の共有結合を含むことができる。一実施例では、一体化バイオポリマーは、発酵固体がサーモアクティブ材料に混練された均一な塊を形成する。
【0045】
一実施例では、本バイオポリマーは、残存発酵固体の可視的粒子を含む。残存発酵固体の可視的粒子を含むバイオポリマーは、本明細書では「複合バイオポリマー」と称する。複合バイオポリマーは、花崗岩の外観を持つことができ、第1の外観をもつサーモアクティブ材料のマトリックスが第2の外観をもつ発酵固体の粒子を囲んでいる。一実施例では、複合バイオポリマーにおいても、発酵固体のかなりの部分は、サーモアクティブ材料中に混練される、および/または該材料と結合することができる。一実施例では、花崗岩の外観をもつ複合バイオポリマーは、発酵固体の粒子が除去されえない単一物質を作ることができる。
【0046】
さらに他の実施例では、本バイオポリマーは、サーモアクティブ材料に囲まれた、または埋め込まれた、個別粒子として存在する発酵固体のかなりの部分を含む。サーモアクティブ材料に囲まれた、または埋め込まれた発酵固体の独立した粒子を含むバイオポリマーは、本明細書では「集合バイオポリマー」と称される。そのような集合バイオポリマーの中で、独立粒子として存在する発酵固体のかなりの部分は、増量剤または充填剤と考えることができる。それにもかかわらず、発酵固体のマイナーな部分は、サーモアクティブ材料に混練される、および/またはそれと結合することができる。
【0047】
一実施例では、コンパウンディングされた発酵固体とサーモアクティブ材料(すなわち、軟質の、すなわち未加工のバイオポリマー)は、硬化する前は、概ね均質であるドウ(dough)の形態を取る。本明細書で使用される場合、「概ね均質な」ドウは、発酵固体の大部分がサーモアクティブ材料に混練され、もはや独立粒子として現われないで、ベーキング生地(すなわち、パン生地またはクッキー生地)に似た粘稠度をもつ材料を指す。一実施例では、軟質の、すなわち未加工のバイオポリマーは、発酵固体の確認可能な粒子を含まない、たとえば、それは均質なドウである。一実施例では、軟質の、すなわち未加工のバイオポリマーは、最高95重量%(たとえば90重量%)の発酵固体を含み、概ね均質な、または均質なドウの形態を取ることができる。
一実施例では、軟質の、すなわち未加工のバイオポリマーは、約50〜約70重量%の発酵固体を含み、概ね均質なまたは均質なドウの形態を取ることができる。
【0048】
一実施例では、未加工の、すなわち軟質のバイオポリマーは、認識できる量の発酵固体を含む。本明細書で使用されるとき、認識できる量の発酵固体とは、肉眼にはっきり見える、かつ硬化したバイオポリマーに花崗岩様外観を与える粒子を指す。そのような見える発酵固体は、硬化したバイオポリマーの装飾効果のために着色される。花崗岩様外観は、均質であるか、概ね均質なドウを作るために使用されるよりも大きな粒子の発酵固体を使用することによって作られる。
【0049】
ある実施例では、バイオポリマーは、約0.01〜約95重量%、約1〜約95重量%、約5〜約95重量%、約5〜約80重量%、約5〜約70重量%、約5〜約20重量%、約50〜約95重量%、約50〜約80重量%、約50〜約70重量%、約50〜約60重量%、約60〜約80重量%、または約60〜約70重量%の発酵固体を含むことができる。ある実施例では、バイオポリマーは、約5重量%、約10重量%、約20重量%、約50重量%、約60重量%、約70重量%、または約75重量%の発酵固体を含むことができる。本バイオポリマーは、約によって修飾されていない、これらの量または範囲のいずれをも含むことができる。
【0050】
ある実施例では、該バイオポリマーは、約0.01〜約95重量%、約1〜約95重量%、約5〜約30重量%、約5〜約40重量%、約5〜約50重量%、約5〜約85重量%、約5〜約95重量%、約10〜約30重量%、約10〜約40重量%、約10〜約50重量%、または約10〜約95重量%のサーモアクティブ材料を含むことができる。ある実施例では、該バイオポリマーは、約95重量%、約75重量%、約50重量%、約45重量%、約40重量%、約35重量%、約30重量%、約25重量%、約20重量%、約15重量%、約10重量%または約5重量%のサーモアクティブ材料を含むことができる。本バイオポリマーは、約によって修飾されていない、これらの量または範囲のいずれをも含むことができる。ある実施例では、該バイオポリマーは、約5〜約95重量%の発酵固体および約5〜約95重量%のサーモアクティブ材料を含むことができ、約50〜約70重量%の発酵固体および約30〜約70重量%のサーモアクティブ材料を含むことができ、約50〜約70重量%の発酵固体および約20〜約70重量%のサーモアクティブ材料を含むことができ、約50〜約60重量%の発酵固体および30〜約50重量%のサーモアクティブ材料を含むことができ、約60〜約70重量%の発酵固体および約20〜約40重量%のサーモアクティブ材料を含むことができる。ある実施例では、バイオポリマーは、約5重量%の発酵固体および約70〜約95重量%のサーモアクティブ材料、約10重量%の発酵固体および約70〜約90重量%のサーモアクティブ材料、約50重量%の発酵固体および約30〜約50重量%のサーモアクティブ材料、約55重量%の発酵固体および約30〜約45重量%のサーモアクティブ材料、約60重量%の発酵固体および約20〜約40重量%のサーモアクティブ材料、約65重量%の発酵固体および約20〜約40重量%のサーモアクティブ材料、約70重量%の発酵固体および約10〜約30重量%サーモアクティブ材料、約90重量%の発酵固体および約5〜約10重量%サーモアクティブ材料を含むことができる。本バイオポリマーは、約によって修飾されていない、これらの量または範囲のいずれをも含むことができる。
バイオポリマーの実施例
【0051】
一実施例では、本バイオポリマーは、従来の熱可塑性物質より高い熱伝導度を持つことができる。
たとえば、一実施例では、本バイオポリマーは、発酵固体を含まないサーモアクティブ材料より、速く冷却または加熱することができる。一実施例では、本バイオポリマーは、それを作る装置が操作することができるのと同じくらい速く冷却することができる。本発明に限らないけれども、そのような増大した熱伝導度は、発酵固体の性質によることができると考えられる。たとえば、増大した熱伝導度は、おそらく発酵固体のサーモアクティブ材料への統合によっている。たとえば、発酵したタンパク質固体を使用して増大した熱伝導度は、サーモアクティブ材料とタンパク質の相互作用による。
【0052】
一実施例では、本バイオポリマーは、花崗岩様の外観を持つ。花崗岩様外観をもつバイオポリマーは、統合バイオポリマーより大きな発酵固体の粒子を含むことがある。たとえば、約2〜約10メッシュの大きさの発酵固体は、花崗岩様の外観をもつバイオポリマーを作るために使用することができる。一実施例では、そのような比較的大きな発酵固体を含むバイオポリマーは、コンパウンディングおよび成形に相応しい、または有利でさえある流動特性を持つ。一実施例では、そのようなより大きな発酵固体を含むバイオポリマーは、複合バイオポリマーの形態を取る。
発酵固体
【0053】
本バイオポリマーは、様々な発酵固体のいずれをも含むことができる。発酵固体は、アルコール(たとえばエタノール)生産のような、様々な発酵プロセスのいずれからでも回収される。発酵固体は、たとえば、植物材料の発酵から回収すされる。一実施例では、発酵固体は、穀物(たとえばシリアル穀物または豆類)、澱粉質の根菜作物、塊茎、または根のような澱粉を含む植物材料の発酵から回収される。一実施例では、発酵固体(たとえば、発酵性タンパク質固体)は、穀物(たとえばシリアル穀物または豆類)、澱粉質の根菜作物、塊茎、または根のような澱粉とタンパク質を含む植物材料の発酵から回収される。一実施例では、発酵固体は、穀物の発酵から回収される。たとえば、「ディスティラーズ乾燥穀物」として知られている発酵固体は、穀物をエタノールに変える発酵プロセスから回収される。
【0054】
発酵は、植物材料中の、澱粉のような炭水化物を消費し、植物材料と比較して少なくなった澱粉レベルをもつ材料を与えることができる。一実施例では、発酵固体は、発酵で使用した植物材料と比較して少なくなった重量%の澱粉を含む。ある実施例では、発酵固体は、約10重量%以下またはそれに等しい炭水化物、約5重量%以下またはそれに等しい炭水化物、あるいは約2重量%以下またはそれに等しい炭水化物を含む。10重量%以上の炭水化物をもつ発酵固体は、本バイオポリマーにおいて使用される。
【0055】
多数の発酵固体は、主に動物の餌として特性づけられてきた。特性づけられた発酵固体は、ディスティラーズ乾燥穀物(DDG)、可溶物をもつディスティラーズ乾燥穀物(DDGS)、ウエットケーキ(WC)、溶媒洗浄ウエットケーキ(WWC)、分画した(fractionated)ディスティラーズ乾燥穀物(FDDG)およびグルテン食物として知られているものを含む。発酵固体は、たとえば、タンパク質、繊維、および任意に脂肪を含むことができる。発酵固体は、残存澱粉を含むこともできる。
【0056】
たとえば、コーンの乾式ミル発酵から回収した可溶物をもつ乾燥穀物は、30重量%以上のタンパク質を含むことができる。たとえば、コーンの従来の乾式ミル発酵固体から回収された可溶物をもつ発酵固体のディスティラーズ乾燥穀物は、約30〜約35重量%のタンパク質、約10〜約15重量%の脂肪、約5〜約10重量%の繊維、および約5〜約10重量%灰分を含むことができる。たとえば、コーンの従来の乾式ミル発酵固体から回収された可溶物をもつ発酵固体のディスティラーズ乾燥穀物は、約5重量%の澱粉、約35重量%のタンパク質、約15重量%の脂肪、約25重量%の%繊維および約5重量%灰分を含むことができる。一実施例では、発酵固体は、約30〜38重量%のタンパク質、約11〜19重量%の脂肪および約25〜37重量%の繊維を含むDDGSである。一実施例では、発酵固体は、約10重量%の澱粉、約35重量%のタンパク質、約15重量%の脂肪、約30重量%の繊維および約5重量%の灰分を含むDDGSから成るまたはそれである。そのようなDDGSは、コーンの生澱粉発酵によって作られる。
【0057】
本発酵固体は、約によって修飾されていない量または範囲のいずれをも含むことができる。ディスティラーズ乾燥穀物または他のディスティラーズ乾燥植物材料は、様々な農産物のいずれからでも誘導される。本明細書において使用されるとき、植物の名前または植物のタイプが後につく「ディスティラーズ乾燥の」は、その植物または植物のタイプの発酵から誘導された発酵固体を指す。たとえば、ディスティラーズ乾燥穀物は、穀物の発酵から誘導された発酵固体を指す。さらに具体的な例として、ディスティラーズ乾燥コーンは、トウモロコシの発酵から誘導された発酵固体を指す。ディスティラーズ乾燥モロコシは、モロコシ(マイロ)の発酵から誘導された発酵固体を指す。ディスティラーズ乾燥小麦は、小麦の発酵から誘導された発酵固体を指す。ディスティラーズ乾燥植物材料は、名を付けられた植物材料から専ら誘導される必要はない。むしろ、名を付けられた植物材料は、発酵固体中の主要な植物材料または唯一の植物材料である。
【0058】
本バイオポリマーは、たとえば、ディスティラーズ乾燥穀物、ディスティラーズ乾燥澱粉質の根菜作物、ディスティラーズ乾燥塊茎、ディスティラーズ乾燥根を含む様々な発酵固体のいずれでも含むことができる。適当なディスティラーズ乾燥穀物は、ディスティラーズ乾燥シリアル穀物およびディスティラーズ乾燥の豆類を含む。適当なディスティラーズ乾燥穀物は、ディスティラーズ乾燥メーズ(maize)(ディスティラーズ乾燥コーン(たとえばディスティラーズ乾燥の全摩砕トウモロコシまたはディスティラーズ乾燥分画トウモロコシ))、ディスティラーズ乾燥モロコシ(マイロ)、ディスティラーズ乾燥大麦、ディスティラーズ乾燥小麦、ディスティラーズ乾燥ライ麦、ディスティラーズ乾燥米、ディスティラーズ乾燥粟、ディスティラーズ乾燥オート麦、ディスティラーズ乾燥大豆を含む。好適なディスティラーズ乾燥根は、ディスティラーズ乾燥サツマイモおよびディスティラーズ乾燥キャッサバを含む。好適なディスティラーズ乾燥塊茎は、ディスティラーズ乾燥ジャガイモを含む。
【0059】
植物材料は、植物の全体または植物の一部を含むことができる。あるいは、植物または植物の部分は、細分することができる。分画された植物材料から誘導された発酵固体は、本明細書では、ディスティラーズ乾燥分画植物材料、たとえば、ディスティラーズ乾燥分画穀物と称する。本バイオポリマーは、様々な分画された発酵固体のいずれをも含むことができる。たとえば、本バイオポリマーは、ディスティラーズ乾燥分画コーンを含むことができる。たとえば、本バイオポリマーは、ディスティラーズ乾燥のコーン胚芽および/またはディスティラーズ乾燥のコーン胚乳を含むことができる。
【0060】
発酵穀物または他のディスティラーズ乾燥植物材料は様々な発酵プロセスのいずれからでも誘導される。フレーズが示唆するように、ディスティラーズ乾燥植物材料は乾燥されてきた。乾燥は、発酵工場または装置の中で、高温で遂行される。乾燥は、発酵植物材料を空気(1,000〜1,500°Fの温度である)に露出させることを含む。熱い空気と混合されるけれども、発酵植物材料は、熱い空気ほど熱い温度には達しない。発酵植物材料は、ひっくり返される、または空気で回転される。こうして、たとえば、1,000〜1,500°Fの温度の空気に暴露された後、ディスティラーズ乾燥植物材料は、せいぜい約200°Fの温度(たとえば、乾燥装置の出口で)に達することができる。
【0061】
ある実施例では、本発酵固体(たとえば発酵性タンパク質分離体)は、(たとえば、乾燥機からの出口で)約500°F、約400°F、約300°F、約250°F、約200°F、または約180°Fを越えない温度に達した。一実施例では、本発酵固体(たとえば、発酵性タンパク質分離体)は、(たとえば、乾燥機からの出口で)約500°Fを超えない温度に達した。一実施例では、本発酵固体(たとえば発酵性タンパク質分離体)は、(たとえば、乾燥機からの出口で)約400°Fを超えない温度に達した。一実施例では、本発酵固体(たとえば発酵性タンパク質分離体)は、(たとえば、乾燥機からの出口で)約300°Fを超えない温度に達した。一実施例では、本発酵固体(たとえば、発酵性タンパク質分離体)は、(たとえば、乾燥機からの出口で)約250°Fを超えない温度に達した。一実施例では、本発酵固体(たとえば、発酵性タンパク質分離体)は、(たとえば、乾燥機からの出口で)約200°Fを超えない温度に達した。一実施例では、本発酵固体(たとえば、発酵性タンパク質分離体)は、(たとえば、乾燥機からの出口で)約180°Fを超えない温度に達した。本発酵固体は、約によって修飾されていないこれらの温度のいずれをも含むことができる。
【0062】
本明細書で使用されるとき、数字が後に続く「ディスティラーズ乾燥」は、(たとえば、乾燥機からの出口で)その温度またはそれ以下の温度に達した発酵固体を指す。たとえば、ディスティラーズ乾燥穀物−200は、(たとえば、乾燥機からの出口で)200°Fの、またはそれ以下の温度に達したディスティラーズ乾燥穀物を指す。ある蒸留プロセスでは、植物材料はまた粉砕される。粉砕することは、植物材料を高温に曝すことができる。本明細書で使用されるとき、接尾辞「gd」のついた数字が後に続く「ディスティラーズ乾燥」は、粉砕され、乾燥され、(たとえば、乾燥機からの出口で)その温度の、またはそれ以下の温度に到達した発酵固体を指す。たとえば、ディスティラーズ乾燥穀物−200gdは、粉砕され、乾燥された、そして(たとえば、乾燥機からの出口で)200°Fの、またはそれ以下の温度に達したディスティラーズ乾燥穀物を指す。低温粉砕および/または乾燥を使用することによって準備された発酵固体は、ここでは「穏やかに処理された発酵固体」と称する。低温粉砕および/または乾燥を使用することによって準備された発酵性タンパク質固体は、ここでは「タンパク質性発酵固体」と称する。適切な穏やかさで処理された発酵固体は、穏やかに処理されたDDGおよび穏やかに処理されたDDGSを含む。穏やかに処理された発酵固体は、蒸煮ステージのない発酵プロセスから誘導されたそれらを含む。
【0063】
本バイオポリマーに適した発酵固体は、広範囲の含水量を持つ。一実施例では、該含水量は、約15重量%以下またはそれに等しい、たとえば約1〜約15重量%でありうる。一実施例では、該含水量は、約5〜約15重量%でありうる。一実施例では、該含水量は、約5〜約10(たとえば12)重量%でありうる。一実施例では、該含水量は、約5(たとえば6)重量%でありうる。
【0064】
本バイオポリマーは、広範囲の大きさのどの大きさでもある発酵固体から成るまたはそれから作られる。ある実施例では、バイオポリマーに使用される発酵固体は、約2メッシュないし約1ミクロン未満まで(たとえば、約0.1または約0.01ミクロンまで)、約2〜約10メッシュ、約12〜約500メッシュ、約60メッシュ〜約1ミクロン未満、約60メッシュ〜約1ミクロン、約60〜約500メッシュ、の粒径を持つ。約1ミクロン未満の(たとえば、約0.1または約0.01ミクロンまでの)粒径をもつ発酵固体を含むバイオポリマーは、ナノ材料、またはある状況においてはナノコンポジットと考えられる。
【0065】
ある実施例では、バイオポリマーに使用される発酵固体は、コンパウンディングの前に、着色、摩砕、および篩い分け(たとえば、均一の幅の大きさまで)、乾燥、またはサーモアクティブ材料との混合の前に農業材料を処理するために知られている、様々な方法のいずれかによって処理される、または処理されてきた。
【0066】
ある実施例では、該バイオポリマーは、約0.01〜約95重量%、約1〜約95重量%、約5〜約95重量%、約5〜約80重量%、約5〜約70重量%、約50〜約95重量%、約50〜約80重量%、約50〜約70重量%、約50〜約60重量%、約60〜約80重量%、または約60〜約70重量%の発酵固体を含むことができる。ある実施例では、バイオポリマーは、約5重量%、約10重量%、約50重量%、約60重量%、約70重量%または約75重量%の発酵固体を含むことができる。本バイオポリマーは、約によって修飾されていないこれらの量または範囲のいずれをも含むことができる。
【0067】
本バイオポリマーにとって適切な発酵固体は、「生澱粉」プロセスとして知られている乾式粉砕法から誘導されるそれらを含む。適当な発酵固体を生産する生澱粉プロセスは、米国特許出願第10/798226号明細書および米国暫定特許出願第60/552108号明細書(各々は、2004年3月10日に申請され、各々は、「生澱粉を使用するエタノールを生産する方法」と称される)に記載されたものを含む。これらの特許明細書の各々は、参照によって本明細書に取込まれている。
発酵固体の実施例
【0068】
本発明に限定されないが、ある実施例では、本発酵固体(たとえば発酵タンパク質固体)がバイオポリマーを作るために好都合に適していると考えられる。たとえば、一実施例では、本発酵固体(たとえば発酵性タンパク質固体)は、ガラス転移点(T)および/または融点(T)によって特性づけられる、またはそれを持つことができる。たとえば、一実施例では、本発酵固体(たとえば、発酵性タンパク質固体)は、一体化バイオポリマーを作ることができる。
【0069】
本発明に限定されないが、一体化バイオポリマーの実施例は、発酵固体(たとえば、発酵性タンパク質固体)とサーモアクティブ材料の間の共有結合を含むことができると考えられる。さらなる例として、一実施例では、本発酵固体(たとえば、発酵性タンパク質固体)は、望ましい熱伝導度(たとえば、都合良く急速の加熱・冷却)をバイオポリマーに付与すると考えられる。
【0070】
本発明に限定されないが、ある実施例では、本発酵固体(たとえば、DDGまたはDDGSのような発酵性タンパク質固体)は、2種の温度、ガラス転移点(T)と融点(T)への参照で特性づけることができる。一実施例では、発酵固体は、それが粘弾性を示す温度で、たとえばTとTの間で、コンパウンディングされる。一実施例では、発酵固体は、それが溶けたか、または溶けることができる温度で、たとえば、Tでまたはそれ以上で、コンパウンディングされる。一実施例では、バイオポリマーは、発酵固体に対するおおよそのTより低い融点をもつサーモアクティブ材料を含む。一実施例では、バイオポリマーは、発酵固体に対するおおよそのTより低い融点をもつサーモアクティブ材料を含む。一実施例では、発酵固体は、ポリマーのTにほぼ等しいTを持つことができる。
【0071】
本発明に限定されないが、発酵固体に対するTおよび/またはT以下の温度で該発酵固体を該サーモアクティブ材料とコンパウンディングすることは、一体バイオポリマーあるいは、ドウの形態において軟質のすなわち未加工のバイオポリマーを生成しないと考えられる。生澱粉加水分解エタノールプロセスからのDDGは約150℃のTを持つと考えられる。
【0072】
該発酵固体(たとえば、DDGまたはDDGSのような発酵性タンパク質固体)のTは、植物材料または他の添加物からの油またはシロップ(たとえば、可溶分)の含量に関連している。一実施例では、発酵固体(たとえば、DDGまたはDDGSのような発酵性タンパク質固体)のTは、材料の中の油またはシロップ(たとえば、可溶分)の量をコントロールすることによって選ぶことができる。たとえば、油またはシロップ(たとえば可溶物)の高い含量は、TおよびTを下げ、油またはシロップ(たとえば可溶物)の低い含量はTを上げると考えられる。
【0073】
発酵固体(たとえば、DDGまたはDDGSのような発酵性タンパク質固体)のTは、可塑剤(たとえば、水、液状ポリマー、液状熱可塑性プラスチック、脂肪酸、または類似の物)のその含量に関連づけられる。一実施例では、該発酵固体(たとえば、DDGまたはDDGSのような発酵性タンパク質固体)のTは、材料中の可塑剤の量をコントロールすることによって選ばれる。たとえば、高い可塑剤量はTおよびTを下げ、低い可塑剤量はTを上げると考えられる。
【0074】
本発明に限定されないが、発酵固体のTとTの間の温度で本バイオポリマーをコンパウンディングすることがサーモアクティブ材料と発酵固体の間の有利な相互作用を提供すると考えられ、それが都合の良い特性をもつバイオポリマーをもたらすことができる。一実施例では、選択された温度はまた、サーモアクティブ材料の融点以上であり、サーモアクティブ材料とコンパウンディングするのに適している。ある実施例では、発酵固体のTおよびTは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネートおよび他のエンジニアリングプラスチックのような、比較的高い融点をもつポリマーとのコンパウンディングを可能にする。
【0075】
本発明に限定されないが、本発酵固体(たとえば、DDGまたはDDGSのような発酵性タンパク質固体)は、都合良く加工された植物材料を含むことができると考えられる。植物材料を発酵させることは、澱粉と炭水化物の相当な部分を除去させることができる。発酵はタンパク質を加水分解することができると考えられる。タンパク質を加水分解することは、サーモアクティブ材料との共有結合的相互作用を形づくることができる官能基を提供することができると考えられ、それが、得られるバイオポリマーにとって都合の良い特徴をもたらすことができる。さらに、ある実施例では、発酵は、タンパク質をより低い水溶性にすると考えられる。
【0076】
本発明に限定されないが、ある実施例では、本バイオポリマーは、シリアル穀物中に存在する、好都合にも高い濃度のプロラミンタンパク質から成る発酵固体(たとえば、DDGまたはDDGSのような発酵性タンパク質固体)を含むことができると考えられる。これらのプロラミンタンパク質は、ゼイン(たとえば、トウモロコシゼイン)およびカフィリン(たとえば、モロコシカフィリン)を含む。
【0077】
本発明に限定されないが、ある実施例では、本バイオポリマーは、材料が比較的高いアルコール濃度の存在下にある、発酵プロセスから回収される発酵固体を含むことができると考えられる。たとえば、一実施例では、本発酵固体は、ビール中のアルコールの濃度が優に約60重量%に達するか、またはそれを超える、発酵プロセスから回収される。たとえば、一実施例では、本発酵固体は、発酵槽のアルコールの濃度が約19、約20、または約21容量%に達するか、またはそれを超える、発酵プロセスから回収される。本発明に限定されないけれど、そのような高いアルコール濃度は、高い濃度のプロラミンタンパク質を含む発酵固体を生成させることができると考えられる。
【0078】
一実施例では、本バイオポリマーは、低濃度の発酵性材料(例、澱粉)を含む発酵固体を含むことができる。一実施例では、発酵固体は、分画された植物材料を発酵させることによって作られる。たとえば、発酵の前にふすまおよび/または胚芽部分を除去することは、植物材料および得られる発酵固体中にプロラミンタンパク質(たとえば、ゼイン)を濃縮することができる。トウモロコシ胚乳は、ゼインを含む。本発明に限定されないけれど、トウモロコシ胚乳の発酵は、発酵固体中に高まった濃度のゼインをもたらすことができると考えられる。
【0079】
一実施例では、本バイオポリマーは、単純な熱可塑プラスチックと比較して有利な流動特性を持つことができる。メルトフローインデックスは、塑性物質の流動能力を示す。メルトフローインデックスが高くなればなるほど、特定の温度で材料は容易に流動する。メルトフローインデックスは、MFRまたはMFIとして知られている標準試験で測定することができる。
【0080】
手短に言えば、該テストは、正確な重量によって作り出された特定の力を含み、規定温度で、一定のサイズのサーキュラーダイを通して、加熱された塑性材料を押し出す。10分で押出加工されたサーモアクティブ材料の量は、MFRと呼ばれる。この試験は、標準的プラスチック試験法ASTM D 3364によって規定されている。
【0081】
大部分のオレフィン熱可塑プラスチックは、230℃の温度で試験される。本バイオポリマーは、低い温度でのみ均質なサーモアクティブ材料のメルトインデックスを達成することができる。たとえば、230℃で10のメルトインデックスをもつプラスチックを考える。このプラスチックは、わずかに約30重量%のサーモアクティブ材料および約70重量%の発酵固体(たとえば、DDGまたはDDGSのような発酵性タンパク質固体)のレベルで本バイオポリマー中のサーモアクティブ材料として使用することができる。得られたバイオポリマーは、わずか約160℃(これは230℃よりはるかに低い温度である)で約10のメルトインデックスを持つ。同様に、得られたバイオポリマーは、230℃で10よりかなり低いメルトフローインデックスを持つ。そのような都合の良い流動特性は、もっと低い温度で本バイオポリマーを加工することを可能にする。より低い温度での加工は、エネルギーを節約し、より速く冷却することに対し備えることができる。
【0082】
対照的に、木材/プラスチックのような充填プラスチック、繊維充填プラスチック、鉱物充填プラスチックおよび他の不活性充填剤は、通常サーモアクティブ材料のメルトインデックスを下げ、それは、小さくなった流動、または流動を引き起こすのに必要なより大きな力をもたらす。このように、これらの従来の充填プラスチックは、純粋なプラスチックと比較して加工するのがより難しく、加工し、メルトフローインデックスを保持するためにより高い温度を必要とすることがある。
サーモアクティブ材料
【0083】
該バイオポリマーは、多種多様なサーモアクティブ材料のいずれをも含むことができる。たとえば、バイオポリマーは、発酵固体が包埋されるあらゆるサーモアクティブ材料を含むことができる。一実施例では、サーモアクティブ材料は、発酵固体を含む均質な、または概ね均質なドウを作るその能力のために選択される。一実施例では、サーモアクティブ材料は、発酵固体と共有結合するその能力のために選択される。一実施例では、サーモアクティブ材料は、発酵固体と混合するか、コンパウンディングするとき、流動するその能力のために選択される。一実施例では、サーモアクティブ材料は、成形された後固化することができる。多数の、そのようなサーモアクティブ材料は商業的に入手できる。
【0084】
適当なサーモアクティブ材料は、熱可塑性物質、熱硬化性材料、樹脂/接着性ポリマー、またはその類似物を含む。本明細書で使用されるとき、用語「熱可塑性物質」は、一旦硬化したのち、溶融し、再硬化することができるプラスチックを指す。本明細書で使用されるとき、用語「熱硬化性」材料は、一旦硬化したのち、容易には溶融し、再硬化することができない材料(たとえば、プラスチック)を指す。本明細書に使われるとき、フレーズ「樹脂/接着性ポリマー」は、熱可塑性および熱硬化性の材料よりもっと反応性であるか、またはもっと極性が高いポリマーを指す。
【0085】
適当な熱可塑性樹脂は、ポリアミド、ポリオレフィン(たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(エチレン−コプロピレン)、ポリ(エチレン−コα−オレフィン)、ポリブチレン、ポリ塩化ビニル、アクリレート、アセテートなど)、ポリスチレン(たとえば、ポリスチレンホモポリマー、ポリスチレンコポリマー、ポリスチレンターポリマーおよびスチレンアクリロニトリル(SAN)ポリマー)、ポリスルホン、ハロゲン化ポリマー(たとえば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、またはその類似物、コポリマーおよびこれらの材料の混合物、ならびにその類似物を含む。適当なビニルポリマーは、単独重合、共重合、三元共重合、および類似した方法によって作られたそれらを含む。適当なホモポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテンなどのようなコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、置換ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリメタクリル酸メチル、コポリマーおよびこれらの混合物、などを含む。α−オレフィンの適当なコポリマーは、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ヘキシレンコポリマー、エチレン−メタクリレートコポリマー、エチレン−メタクリレートコポリマー、これらの材料のコポリマーおよび混合物、などを含む。ある実施例では、適当な熱可塑性物質は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、およびポリ塩化ビニル(PVC)、これらの材料のコポリマーおよび混合物、などを含む。ある実施例では、適当な熱可塑性物質は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、低密度ポリエチレン(LDPE)、コポリエチレン−酢酸ビニル、これらの材料のコポリマーおよび混合物、などを含む。
【0086】
適当な熱硬化性材料は、エポキシ材料、メラミン材料、これらの材料のコポリマーおよび混合物、などを含む。ある実施例では、適当な熱硬化性材料は、エポキシ材料およびメラミン材料を含む。ある実施例では、適当な熱硬化性材料は、エピクロロヒドリン、ビスフェノールA、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、トリエチレンテトラアミン、エチレンジアミン、N−アルキルトリメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、トリス(ジメチルアミノメチルフェノール)のような脂肪族、芳香族アミン硬化剤、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、無水マレイン酸、ポリアゼライン酸無水物および無水フタル酸のようなカルボン酸無水物、これらの材料の混合物、などを含む。
【0087】
適当な樹脂/接着性ポリマーは、縮合重合物質、ビニル高分子物質およびそれらの混合物のような樹脂を含む。適当な樹脂/接着性ポリマー材料は、ポリエステル類(たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、メチルジイソシアネート(ウレタンまたはMDI)、有機イソシアニド、芳香族イソシアニド、フェノール性ポリマー、尿素ベースのポリマー、これらの物質のコポリマーおよび混合物、などを含む。適当な樹脂材料は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、ポリアセチル樹脂、ポリアクリル酸樹脂、フルオロカーボン樹脂、ナイロン、フェノキシ樹脂、ポリブチレン樹脂、ポリフェニルエーテルのようなポリアリールエーテル、ポリフェニルスルフィド材料、ポリカーボネート材料、塩素化ポリエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、熱可塑性ウレタンエラストマー、これらの物質のコポリマーおよび混合物、などを含む。ある実施例では、適当な樹脂/接着性ポリマー材料は、ポリエステル、メチルジイソシアネート(ウレタンまたはMDI)、フェノール性ポリマー、尿素ベースのポリマー、などを含む。
【0088】
適当なサーモアクティブ材料は、ポリ乳酸(PLA)を含むポリマーおよびポリヒドロキシアルカノアート(PHA)として知られているポリマーのクラスのような、再生可能資源から誘導されたポリマーを含む。PHAポリマーは、ポリヒドロキシ酪酸塩(PHB)(ポリヒドロキシ吉草酸エステル(PHV))およびポリヒドロキシブチレート−ヒドロキシヴァレレートコポリマー(PHBV)、ポリカプロラクトン(PCL)(すなわちTONE)、ポリエステルアミド(すなわちBAK)、改質ポリエチレンテレフタレート(PET)(すなわち、BIOMAX)および「脂肪族−芳香族」コポリマー(すなわち、ECOFLEXおよびEASTAR BIO)、これらの物質の混合物、などを含む。ある実施例では、バイオポリマーは、約0.01〜約95重量%、約1〜約95重量%、約5〜約30重量%、約5〜約40重量%、約5〜約50重量%、約5〜約85重量%、約5〜約95重量%、約10〜約30重量%、約10〜約40重量%、約10〜約50重量%、または約10〜約95重量%のサーモアクティブ材料を含むことができる。ある実施例では、バイオポリマーは、約95重量%、約75重量%、約50重量%、約45重量%、約40重量%、約35重量%、約30重量%、約25重量%、約20重量%、約15重量%、約10重量%、または約5重量%のサーモアクティブ材料を含むことができる。バイオポリマーは、約によって修飾されないこれらの量または範囲のいずれをも含むことができる。
サーモアクティブ材料の実施例
【0089】
一実施例では、本バイオポリマーは、液体(たとえば、MDI)として供給されたサーモアクティブ材料を含む。液状サーモアクティブ材料は、バイオポリマーに好都合な特性を提供することができる。MDI、有機イソシアニド、芳香族イソシアニド、フェノール、メラミンおよび尿素ベースのポリマーなどは、高含水量ポリマーと考えられ、それは押出し加工にとって好都合である。そのようなサーモアクティブ材料は、比較的低い重量の用途に対する発泡押出し品を作るために使用される。
添加物
【0090】
本バイオポリマーはまた、1種以上の添加物を含むことができる。適当な添加物は、1種以上の染料、顔料、他の着色剤、加水分解試剤、可塑剤、充填剤、増量剤、防腐剤、抗酸化剤、成核剤、静電防止剤、殺虫剤、殺菌剤、防火剤、難燃剤、熱安定剤、光安定剤、導電物質、水、油、潤滑剤、強化剤、カップリング剤、架橋剤、発泡または起泡剤、再生またはリサイクルプラスチックなど、またはそれらの混合物を含む。適当な添加物は、可塑剤、光安定剤、カップリング剤など、またはそれらの混合物を含む。ある実施例では、添加物は、最終用途のために本バイオポリマーの性質を手直しすることができる。一実施例では、本バイオポリマーは、任意に約1〜約20重量%の添加物を含むことができる。
加水分解剤
【0091】
発酵固体を加水分解することは、強い無機または有機の塩基のようなアルカリ性分散剤から成る高アルカリ性水溶液で達成される。該塩基は、KOH、NaOH、CaOH、NH0H、消石灰またはそれらの組合せ品のような無機強塩基でありうる。加水分解は、熱および圧の機械的な方法によって達成される。加水分解は、混合物のpHを下げることによって達成される。マレイン酸またはマレイン酸化ポリプロピレンのような化学物質が発酵固体に添加される。イーストマン・ケミカルズ(Eastman chemicals)によって製造されたG−3003およびG−3015のようなマレイン酸化ポリプロピレンは、加水分解および/またはカップリング物質の実例である。発酵固体およびサーモアクティブ材料は、加水分解プロセスおよび成形プロセスの条件(高温および高圧力)により架橋することができる。一実施例では、本バイオポリマーは、任意に約0.01〜約20重量%の加水分解剤を含むことができる。
可塑剤
【0092】
従来の可塑剤は、本バイオポリマーで使用される。可塑剤は、たとえば、それをより柔軟にすることおよび/または流動特性を変えることによって、バイオポリマーの性能を修正することができる。本バイオポリマーは、従来のプラスチックで使用される量の可塑剤を含むことができる。適当な可塑剤は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、グリセリンモノアセテート、ジグリセリン、グリセリンジアセテートまたはトリアセテート、1,4−ブタンジオール、ジアセチンソルビトール、ソルビタン、マンニトール、マルチトール、ポリビニルアルコール、ナトリウムセルロースグリコレート、尿素、セルロースメチルエーテル、アルギン酸ナトリウム、オレイン酸、乳酸、クエン酸、ジエチルコハク酸ナトリウム、クエン酸トリエチル、ジエチルコハク酸ナトリウム、1,2,6−キサントリオール、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、油、エポキシ化(epoxified)油、天然ゴム、他の既知の可塑剤、これらの混合物または組合せ、などの少なくとも1種のような天然または合成化合物を含む。ある実施例では、本バイオポリマーは、任意に約1〜約15重量%の可塑剤、約1〜約30重量%の可塑剤、または約1〜約50重量%の可塑剤を含むことができる。
架橋剤
【0093】
架橋剤は、プラスチック複合製品で観察されるクリープを減少させると分かっていた、および/または耐水性を修正することができる。架橋剤はまた、本バイオポリマーの機械的、物理的性能を上げる能力を持つ。本明細書で使用されるとき、架橋は、サーモアクティブ材料と発酵固体を結合させることを指す。架橋剤は、塑性物質の間の結合を作るカップリング剤と区別される。適当な架橋剤は、一種以上の金属塩(たとえば塩化ナトリウムまたは岩塩)および塩水和物(これは、機械的性質を改善する)、ホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、フェノールおよびフェノール樹脂、メラミン、メチルジイソシアニド(MDI)、他の粘着性または樹脂システム、それらの混合物の組合せ、などを含む。一実施例では、本バイオポリマーは、任意に約1〜約20重量%の架橋剤を含むことができる。
潤滑剤
【0094】
一実施例では、本バイオポリマーは、潤滑剤を含むことができる。潤滑剤は、望ましい加工性および物性を達成するために、コンパウンディング、押出し、または射出成形過程において溶融(融)点を変えることができる。
【0095】
潤滑剤は、表面的、内部的、および表面的/内部的として分類される。これらのカテゴリーは、以下の通りに可塑化スクリューまたは熱動力学的コンパウンディング装置における溶融物への潤滑剤の効果に基づく。表面潤滑剤は、金属表面からの良好な遊離を提供することができ、個々の粒子間、または粒子の表面と加工装置の金属部分の間を潤滑することができる。内部潤滑剤は、たとえば樹脂の粒子間の、組成物内での潤滑を提供することができ、溶融粘度を下げることができる。内部的/表面的潤滑剤は、表面および内部両方の潤滑を提供することができる。
【0096】
適当な表面潤滑剤は、パラフィンワックス、鉱油、ポリエチレン、それらの混合物または組合せ、などの少なくとも1種のような、無極性分子またはアルカンを含む。そのような潤滑剤は、本バイオポリマー(たとえば、PVCを含むそれら)が、最終産物表面に固着することおよびその面の光沢への寄与をしないで、金型、バレルおよびスクリューのホットメルト表面の上をすべることを助けることができる。そのうえ、表面潤滑剤は、剪断点を維持し、バイオポリマーの過熱を減らすことができる。
【0097】
適当な内部潤滑剤は、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸の金属エステル、それらの混合物または組合せの少なくとも1種のような、極性分子を含む。内部潤滑剤は、オレフィン、PVCおよび他の熱的に活性な材料のようなサーモアクティブ材料および発酵固体と適合しうる。これらの潤滑剤は、溶融粘度を降ろすことができて、内部摩擦および内部摩擦による関連した熱を減らして、融合を促進する。
【0098】
特定の潤滑剤は、天然の可塑剤であってもよい。適当な天然可塑剤潤滑剤は、オレイン酸、リノール酸、ポリエチレングリコール、グリセリン、ステアリン酸、パルミチン酸、乳酸、ソルビトール、ワックス、エポキシ化油(たとえば、大豆)、ヒート・エンボディード油(heat embodied oil)、それらの混合物または組合せのうちの少なくとも1つを含む。
【0099】
一実施例では、本バイオポリマーは、任意に約1〜約10重量%潤滑剤を含むことができる。
加工助剤
【0100】
一実施例では、本バイオポリマーは、加工助剤を含む。適当な加工助剤は、アクリルポリマーおよびαーメチルスチレンを含む。これらの加工助剤は、PVCポリマーとともに使用される。加工助剤は、溶融粘度を下げる、または上げることができ、不均一なダイフローを減らすことができる。サーモアクティブ材料においては、それは溶融を促進し、内部潤滑剤のように働く。加工助剤の濃度を上げることは、通常、コンパウンディング、押出し、射出成形のより低い加工温度を可能にする。一実施例では、本バイオポリマーは、任意に約1〜約10重量%加工助剤を含むことができる。
耐衝撃性改良剤
【0101】
一実施例では、本バイオポリマーは、耐衝撃性改良剤を含む。ある用途は、単純なプラスチックより高い衝撃強さを必要とする。適当な耐衝撃性改良剤は、アクリル、塩素化ポリエチレン(CPE)、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン(MBS)などを含む。これらの耐衝撃性改良剤は、PVCサーモアクティブ材料とともに使用することができる。一実施例では、本バイオポリマーは、任意に約1〜約10重量%強化剤を含むことができる。
充填剤
【0102】
本バイオポリマーは、充填剤を含む必要はないが、含むことはできる。充填剤は、材料のコストを下げることができて、ある実施例では、硬度、剛性および衝撃強さのような性質を強化することができる。充填剤は、たとえば、熱安定性を上げること、柔軟性または屈曲性を上げること、および破断強度を改善することによって、バイオポリマーの特性を改善することができる。一実施例では、バイオポリマーは、不活性充填剤(たとえば木材、繊維、ファイバーグラス、等々)を石油ベースのサーモアクティブ材料と結合することのできる凝集性物質の形態で存在しうる。木粉のような充填剤は、充填したプラスチックまたはバイオポリマーの特性を特に強化はしない。タルクおよびマイカのような従来の充填剤は、本バイオポリマーに増大した衝撃抵抗を付与するが、重量を増して、押出し機の寿命を短くする。充填剤としてのファイバーグラスは、製品にかなりの強度を増すが、比較的高いコストをかけて、である。一実施例では、本バイオポリマーは、任意に約1〜約50重量%の充填剤を含むことができる。
【0103】
プラスチックに使用される木粉および若干の他の充填剤は、熱的に安定でない。木粉は、プラスチックと混合しないかまたは架橋せず、個々の粒子は、熱圧条件下でプラスチックに囲まれる。鉱物、ファイバーグラスおよび木粉は、それらがプラスチックに架橋することができないまたは結合しないために、「不活性の」充填剤と呼ばれる。また、木材またはセルロースベースの充填剤は、大部分のプラスチックプロセス(たとえば、押出しおよび射出成形)の熱的必要条件を処理することができない。その上、木粉充填材は分解して、湿気を保持する。
繊維
【0104】
本バイオポリマーは、繊維添加物を含むことができる。適当な繊維は、木材;亜麻、麻、洋麻、小麦、大豆、スイッチグラスまたは草を含む農業繊維;ファイバーグラス、ケブラー、炭素繊維、ナイロンを含む合成繊維;それらの混合物または組合せなどの少なくとも1種のような、様々な天然および合成繊維のいずれをも含むことができる。繊維は、バイオポリマーの性能を修飾することができる。たとえば、より高い曲げおよび破断弾性率を付与するために、比較的長い繊維がバイオポリマー部材に添加される。一実施例では、本バイオポリマーは、約1〜約20重量%繊維を含むことができる。
発泡剤
【0105】
発泡体の形態で作られるときでも、本バイオポリマー構成物は、発泡剤から成るまたは使用する必要はない。しかし、発泡体の形態での構成物を作るためのある応用に対しては、該バイオポリマーは発泡剤を含むことができる、または、該プロセスは発泡剤を使用することができる。適当な発泡剤は、ペンタン、二酸化炭素、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセトンなどの少なくとも1種を含む。
該バイオポリマーを作る方法
【0106】
本バイオポリマーは、サーモアクティブ材料と発酵固体を混合することができる様々な方法のいずれかによって作られる。一実施例では、サーモアクティブ材料と発酵固体はコンパウンディングされる。本明細書で使用されるとき、動詞「コンパウンディングする」は、1つの全体を作るために成分を一緒にすることおよび/または成分(たとえば、サーモアクティブ材料および発酵固体)を結合することによって成形することを指す。発酵固体は、熱硬化性および熱可塑性材料のような、様々なサーモアクティブ材料のいずれかとコンパウンディングされる。様々な添加物または他の適当な材料のいずれも、本バイオポリマーを作るために、発酵固体およびサーモアクティブ材料と混合され、またはコンパウンディングされる。一実施例では、発酵固体とサーモアクティブ材料をコンパウンディングすることは、先に記載したドウ様の材料を生成する。
【0107】
コンパウンディングすることは、発酵固体およびサーモアクティブ材料を加熱して、発酵固体とサーモアクティブ材料を混合すること(たとえば、混練すること)、および、発酵固体とサーモアクティブ材料を架橋することの一つ以上を含むことができる。コンパウンディングすることは、熱動力学的コンパウンディング、押出加工、高剪断混合コンパウンディング、などを含むことができる。一実施例では、発酵固体とサーモアクティブ材料は、加水分解剤の存在下でコンパウンディングされる。
【0108】
該バイオポリマーまたはバイオポリマードウは、発酵固体とサーモアクティブ材料を一緒に溶かすことによって作られる。対照的に、木材粒子およびサーモアクティブ材料の熱動力学的コンパウンディングは、木材粒子がプラスチック母材に懸濁した個々の粒子として、または、プラスチックで被覆された木材粒子として簡単に見ることができる材料を生成する。都合よくは、コンパウンディングされた発酵固体とサーモアクティブ材料は、均質であるか、ほとんど均質である一体化した塊でありうる。
【0109】
コンパウンディングされた、生のすなわち軟質のバイオポリマーは、成型または他のプロセスにより製品に転換するために、直接使用されるか、またはペレット、顆粒または他の都合の良い形態として形作られる。
熱動力学的コンパウンディング
【0110】
熱動力学的コンパウンディング(「TKC」)は、高速熱動力学的原理を使用して混合し、コンパウンディングすることができる。熱動力学的コンパウンディングは、2個以上の成分をインペラーを使用する高剪断速度で混合することを含む。適当な熱動力学的コンパウンディング装置は、市販されている、たとえば、Gelimat G1(ドライスヴェルケ社/Draiswerke Company)。そのようなシステムは、コンピュータ制御の計量および重量バッチシステムを含むことができる。
【0111】
熱動力学的コンパウンディング装置の一実施例は、水平に置かれた、中心回転シャフト付きミキサー&コンパウンディングチャンバーを含む。数個の千鳥型混合素子が、種々の角度でシャフトに取り付けられる。混合羽根の特定の数および位置は、チャンバーの大きさによって異なる。サーモアクティブ材料と発酵固体の予備計測バッチが、たとえば、ロータシャフトの一部でありうる一体化したスクリューによって、コンパウンダーに送られる。あるいは、サーモアクティブ材料と発酵固体は、ミキサー本体の上に置かれたスライドドアを通って供給される。該装置は、該コンパウンディングチャンバーの底に自動的に操作される排出ドアを含むことができる。
【0112】
該コンパウンディングチャンバーでは、サーモアクティブ材料と発酵固体が、混合素子の高先端速度による極めて高い乱気流に委ねられる。サーモアクティブ材料と発酵固体は、よく混合され、そのうえ、チャンバー壁、混合羽根および材料粒子それ自体に対する衝撃からの温度上昇に委ねられる。動く粒子の摩擦は、素早く温度を上昇させて、水分を除去することができる。
【0113】
チャンバーの内部にぶつかるサーモアクティブ材料と発酵固体の混合物が材料を加熱する。たとえば、該材料は、約5〜約30秒という短い時間で、約140℃〜約250℃まで加熱される。プロセスサイクルは、マイクロプロセッサー制御される。マイクロプロセッサーは、エネルギー、入力、温度および/または時間のようなパラメータをモニターすることができる。マイクロプロセッサーが、プロセスが終了したと確認すると、該装置が排出ドアを開け、コンパウンディングされたサーモアクティブ材料と発酵固体(バイオポリマー)の放出を開始することができる。一実施例では、放出された、コンパウンディングされたサーモアクティブ材料と発酵固体は、一様に混合され、溶かされた配合物であり、それは直ちに加工することできる。
【0114】
上記の、市販の熱動力学的コンパウンディング装置を使用した場合、混練、分散および融解による消費エネルギーは、約0.04キロワットであり、それは、標準的なツインスクリューコンパウンディングシステムによって作られる製品1ポンドにつき0.06〜0.12キロワットに十分匹敵する。
【0115】
ついで、コンパウンディングされたサーモアクティブ材料と発酵固体(バイオポリマー)は、均一の粒状体を造るために、再粉砕プロセスに通される。そのような再粉砕は、スクリーンを用いる標準ナイフ粉砕法を使用することができ、それは、類似の大きさと形のより小さな均一の粒子を造ることができる。そのような粒状体は、たとえば、押出し加工、射出成形、および他のプラスチック加工において使用される。
【0116】
一実施例では、TKCプロセスは、サーモアクティブ材料および発酵固体を、ほんの短時間、高温およびずり応力にさらす。TKCの持続期間は、熱劣化を防ぐ、または減らすために選択される。
【0117】
一実施例では、熱動力学的コンパウンディングは、わずかに10重量%のサーモアクティブ材料と90重量%もの発酵固体の混合物に対し働く。そのような高い割合の発酵固体は、従来のツインスクリューコンパウンディングシステムでコンパウンディングするのが困難である。一実施例では、熱動力学的コンパウンディングを使用すれば、製品処方は、かなり速く変えられる。装置のチャンバーは、発酵固体とサーモアクティブ材料を配合するとき、きれいなままでありうる。一実施例では、長くて大きな停止と掃除プロセスを必要とする標準的なコンパウンディングシステムと比較して、熱動力学的コンパウンディング装置で速い始動と停止手順もまた可能である。
【0118】
本発明に限らないけれども、熱動力学的コンパウンディングは、発酵固体を含む材料の温度を水の沸点にまで急速に上げることができ、その温度で、水の蒸発が温度上昇を減速する。一旦コンパウンディングチャンバーの材料の含水量が1%以下に下がると、温度がサーモアクティブ材料と発酵固体の混合物のT点に到達するまで、温度の急速上昇が起こりうる。チャンバーの滞留時間は、約10〜約30秒でありうる。滞留時間は、粒子の拡散定数時間、初期含水量、などのような変数に基づいて選択される。
【0119】
発酵固体とサーモアクティブ材料の熱動力学的コンパウンディングは、望ましいバイオポリマーを作るために、種々の処理パラメータを利用しうる。一実施例では、材料がそれらのT点に到着するかまたはそれを超えるまで、コンパウンディングは続く。
【0120】
一実施例では、発酵固体とサーモアクティブ材料の熱力学的コンパウンディングは、概ね均一であるドウの形態のソフトすなわち原料バイオポリマーを生成する。たとえば、熱動力学的コンパウンディングは、発酵固体の主要部分がサーモアクティブ材料に混練され、もはやはっきりした粒子として現われていないで、ベーキングドウ(たとえば、パンまたはクッキードウ)に似た粘稠度を持つ材料を生み出すことができる。一実施例では、熱動力学的コンパウンディングは、70〜90重量%以上の、またはそれに等しい量の発酵固体がドウ中に均一化された、軟質の、すなわち未加工のバイオポリマーを生み出すことができる。 一実施例では、熱動力学的コンパウンディングは、発酵固体の確認できる粒子を含まない、軟質のすなわち原料バイオポリマーを生み出すことができる。
【0121】
一実施例では、熱動力学的コンパウンディングは、発酵固体とサーモアクティブ材料を一緒に溶かすことができる。これに対して、木材粒子とサーモアクティブ材料の熱動力学的コンパウンディングは、木材粒子が、プラスチックマトリックスに懸濁した粒子として、または、プラスチックで被覆された木材粒子として容易に認められる材料を生み出すことができる。都合のよいことに、一実施例では、熱動力学的コンパウンディングは、均一であるか、それに近い一体化した塊を形成するために、発酵固体とサーモアクティブ材料を配合することができる。
【0122】
一実施例では、熱動力学的コンパウンディングは、可視的量の発酵固体を含む未加工のまたは軟質のバイオポリマーを作り出すことができる。そのようなコンパウンディングは、約2〜約20メッシュの大きさの発酵固体の粒子を使用することができる。
【0123】
熱動力学的コンパウンディングは、装置にふさわしい大きさの1バッチの中の発酵固体とサーモアクティブ材料に対して上に記した量または濃度を配合することを含むことができる。一実施例では、熱動力学的コンパウンディングは、発酵固体を少量のサーモアクティブ材料(たとえば、約5〜約10重量%サーモアクティブ材料)と効果的に混合することができ、未加工のまたは軟質のバイオポリマーを作り出すことができる。サーモアクティブ材料のそのような量は、木材のような植物材料をサーモアクティブ材料と配合する従来のプロセスに対して使用されるそれと比較して小さい。
押出し加工によるコンパウンディング
【0124】
本バイオポリマーは、発酵固体とサーモアクティブ材料を混合する、または配合するのに適した様々な押出し加工過程のいずれによっても作ることができる。たとえば、ツインスクリューコンパウンディングのような従来の押出し加工プロセスは、本バイオポリマーを作るために使用することができる。押出し加工によるコンパウンディングは、押出し機の中に比較的高い内部温度を提供することができ、熱可塑性物質の発酵固体との相互作用を促進することができる。ツインスクリューコンパウンディングは、共回転スクリューまたは二重反転スクリューを使用することができる。押出し機は、配合される混合物から湿気または揮発性物質の脱離を可能にする脱気口を含むことができる。押出し機の上にダイス型を使用することは、バイオポリマーを配合し、形成することができる。
水の除去および他の問題
【0125】
加工機械(たとえば押出し機)は、バイオポリマーを作るために材料の処理の間に、水または他の物質(ガス、液体または固体)を除去するように構成されることができる。水は、たとえば、ツインスクリュー押出し加工プロセスの間に、または熱動力学的コンパウンディングプロセスの間に抽出される。明快さのために、以下の言及は、水の抽出に対しなされるが、不純物、分解物、ガス状副産物などのような他の液体、ガスまたは固体もまた抽出される。
【0126】
一実施例では、水は機械的に抽出される。たとえば、材料から水を押し出すために、押出しプロセスの間に圧縮力がかけられる。一実施例では、押出しの間に材料を圧縮することが、材料の中に形成することができる内部のセルから水または他の液体またはガスを押し出すことができる。
【0127】
熱はまた、水を抽出するおよび/または材料を乾燥するために使用される。一実施例では、熱は、押出しプロセスの間に、または他の機械的水抽出プロセスの間にかけられる。一実施例では、押出し加工または圧縮成形プロセスの後、バイオポリマーは、直ぐに、材料の平衡点まで水の残部を除去するために、マイクロウェーブまたは熱風乾燥システムを通して処理される。これは、通常3〜8パーセントの間の水分含量である。サーモアクティブ材料の比較的高い添加割合は、平衡点を下げ、さらに、高レベルの耐水性および機械的強度を作る化学結合効果を上げる。
【0128】
真空または吸引技術はまた、バイオポリマーから水ならびに他の不純物またはガスを抽出するために適用される。一実施例では、熱、真空および機械的技術は、バイオポリマーから水および他の物質を抽出するために一緒に使用される。一実施例では、クローズドセルは、熱、圧縮および真空吸引の一つまたはそれ以上の適用を通して破壊される。
【0129】
高分子物質から水を抽出する技術はさらに、米国特許第6280667号明細書に記載されており、それは参照によってここに取り入れられている。本特許は、プラスチックを木材充填材で加工するために使用される方法および装置を開示する。これらの方法および装置はまた、本バイオポリマーの実施例を加工し、成形するために使用される。
バイオポリマーを製品に成形すること
【0130】
本発明は、発酵固体およびサーモアクティブ材料を含むバイオポリマーから製作された、またはそれを含む製品に関する。本バイオポリマーは、塑性物質に特有の性質、従来の塑性物質と比較して都合のよい性質、および/またはプラスチックおよび、たとえば、木材またはセルロース系材料を含む集合体と比較して都合のよい性質、を示すことができる。本バイオポリマーは、プラスチックからアイテムを作るための様々な従来法のいずれかを使用して、実用品に成形されることができる。本バイオポリマーは、様々な形態のいずれをも取ることができる。
【0131】
バイオポリマー材料は、様々な目的および構造体に成形される。一実施例では、未加工のバイオポリマーは、射出成形するか、押出し加工するか、または違った風にバイオポリマーを成形または加工するように設計された機械に送られるペレットに作られる。一実施例では、まずポリマーと発酵固体を型を通して押出して線形押出し品を生成させ、ついで該押出し品をペレット形に切断することによって、ペレットが形成される。一実施例では、該ペレットは、実質的に均一のサイズと形態を持つ。ペレットの断面は、押出し型の形態に依存して決定されるように、正方形、円形、卵形、長方形、五角形、六角形などのような様々な形態のいずれでもありうる。特に、通常数ミリメートルの半径および半径の約2〜4倍の長さをもつ、円形断面が多くの用途において好まれる。
【0132】
特定のバイオポリマー製品が以下に記載されるが、他の製品もまた可能である。たとえば、バイオポリマーは、艇体、遊び場セット、貯蔵容器、回り縁などで使用される。
バイオポリマーを射出成形すること
【0133】
本バイオポリマーの実施例は、射出成形で成形される。一実施例では、コンパウンディングされたバイオポリマーは、射出成形プロセスでの使用のために均一のペレットを作るために粉砕される。一実施例では、本ポリマーは、従来の熱可塑性物質より小さいポンド当りエネルギーを使用して加工される。一実施例では、本バイオポリマーは、従来の熱可塑性物質と比較して、射出成形の間、より速い加熱および冷却の時間を示すことができる。一実施例では、本バイオポリマーは、プラスチックのメルトインデックスを維持して、高速射出成形を可能にする流動特性を可能にする。たとえば、発酵固体およびポリプロピレンを含むバイオポリマーは、純粋なポリプロピレンより高い熱伝導度を持つのが認められた。より高い熱伝導度は、より速い加熱および/または冷却を提供し、それは、射出成形のようなプロセスを加速することができる。
【0134】
射出成形技術は、当業者に既知である。一実施例では、機械は、バイオポリマーを望ましい形に射出成形するように設計される。金型が形態を規定し、そこへ、加熱したサーモアクティブ材料が注入される。ついで、材料は放冷され、その後金型から取り出される。
バイオポリマーを押出し加工すること
【0135】
本バイオポリマーは、多くの従来の押出し成形法のいずれかを使用して、工業製品を生成するように押出し加工される。たとえば、本バイオポリマーは、乾式押出しによって押出し加工される。たとえば、本バイオポリマーは、様々な従来の金型デザインのいずれかを使用して押出し加工される。一実施例では、製品を作るために本バイオポリマーを押出し加工することは、バイオポリマーを材料調整オーガー(auger)に入れ、それを押出し加工に適したサイズに変えることを含むことができる。押出し加工は、様々な従来の金型のいずれをも、および様々な従来の温度のいずれをも使用することができる。押出し加工によるコンパウンディングは、押出し機の中の、高い内部温度を提供して、熱可塑性物質の発酵固体との相互作用を促進することができる。
【0136】
一種以上の金型を持つ押出し機が、バイオポリマーをある形態に成形するために設計される。バイオポリマーは、望ましい断面を作り出すように金型を通過させられる。押出し加工されたバイオポリマーは、ついで必要に応じて望ましい長さに切断される。バイオポリマーはまた、断面形態を維持するために、固化する、または別様に硬化するにまかされる。押出し加工されたバイオポリマーは、望ましいようにより短い長さに切断される。
【0137】
一実施例では、該バイオポリマー材料は、融点以上に加熱される。ついで、バイオポリマーは、壁面近くのバイオポリマーのずり応力を下げるために加熱されている収束性金型を通して、ついで望ましい断面を提供するために成形セクションを通して、移動させられる。一実施例では、該バイオポリマーは、ついで低摩擦の非加熱または断熱セクション(このセクションは、ポリマー中に断面の記憶を確立し、押出し加工後の膨潤を減らすために、成形セクションと同一かまたはそれに似た断面を持つ)を通過させられる。バイオポリマー材料は、ついで、融点以下で外殻を作るために急冷される。一実施例では、該外殻は、バイオポリマーを望ましい形態に実質的に維持することができる。
【0138】
他の実施例では、機械は、バイオポリマーのストランドを作り出すために、バイオポリマーを移行金型(transition die)、ついで、ストランド形成金型(stranding die)を通過させるよう構成される。機械は、さらに、該ストランドを望ましい押出し加工品に結合させる成形用金型を通過させて、該ストランドを移動させるように設計される。一実施例では、このストランド形成および再結合プロセスは、木目に類似する構造および/または外観を持つ製品を作り出すことができる。
該バイオポリマーとの共押出し加工材料
【0139】
添加材料は、バイオポリマーと共押出しされる。一実施例では、他の材料(たとえば、被覆またはサーモアクティブ材料)の層またはシートは、バイオポリマーと共押出しされる。一実施例では、共押出しされた層またはシートは、望ましい表面特性、構造特性および/または外観を提供することができる。
バイオポリマーを発泡させること
【0140】
一実施例では、本バイオポリマーは、その軟質の、未加工の形態から、または、発泡剤または起泡剤の添加なしでの溶融で、発泡する。驚くべきことに、本バイオポリマーは、起泡剤の欠如においてでさえ押出し加工すると発泡し、堅くて、強く硬化した発泡体を生み出すことができる。本発明に限定しないけれど、本発泡体は、発酵固体中のタンパク質の発泡からもたらされると考えられる。
【0141】
硬い、または固い発泡体は、同じ密度で従来のプラスチック発泡体と比較してより大きな強度(たとえば曲げ弾性率)を示すことができる。従来のプラスチックは、発泡させると、強度が減少する。本発明に限定しないけれども、本バイオポリマー発泡体は、都合良い程強いバイオポリマー発泡体を作り出すためにサーモアクティブ材料と相互作用する変性タンパク質を含むことができると考えられる。
【0142】
本バイオポリマー(たとえばペレットの形で)は、射出成形、押出し加工、およびプラスチックを作るために使用される類似法によってバイオポリマー発泡体に転換される。本発明に限定しないけれど、ミキシングスクリューによるような、これらのプロセスに適用される熱および運動エネルギーは、本バイオポリマーを発泡させるに十分である。射出成形においては、金型は、バイオポリマーの発泡動作が空洞を満たすことを可能にするために、部分的に充填される。これが、化学発泡または起泡剤を使用することなく、成形品の密度を低下させうる。押出し加工もまた、本バイオポリマーを発泡するために使用される。押出し加工において使用される金型は、発泡したバイオポリマーを作ることができる。
【0143】
一実施例では、発泡したバイオポリマーは、起泡剤を発酵固体およびサーモアクティブ材料と混合することによって作り出される。一実施例では、バイオポリマーは、発酵固体およびサーモアクティブ材料を粉体状発泡剤と混合すること、混合物を加熱してコンパウンディングすること、ついでバイオポリマーを押出し加工することによって、ペレットへの予備調製なしに発泡させることができる。一実施例では、真空が蒸気を除去するために使用される。一実施例では、押出し加工されたプロフィールの中央において、該プロフィールの周辺部でよりも大きな膨張が起こり、したがって、押出し加工品は内部よりも外部に近いところで高い密度を持つ。
【0144】
効果的発泡を可能にするために、バイオポリマー成分を微細な粒子に加工することが望ましい。一実施例では、諸成分が最初にバイオポリマー生成物中に加工処理され、ついで該バイオポリマーは、発泡製品形態に向けて発泡を容易にするために、微細粒子に再粉砕される。
【0145】
一実施例では、発泡したバイオポリマーは、バイオポリマー材料中に不連続面を創ることによって作り出される。不連続面は広げられ、バイオポリマーは、ついで、冷却するか架橋することによって該不連続面を保つように安定化される。一実施例では、バイオポリマーは、不活性ガス(たとえば窒素または二酸化炭素、炭化水素、塩素化炭化水素、クロロフルオロカーボン)のような起泡剤、または、液体状態でバイオポリマーに溶解するか分散し、そして、高温で不活性ガスに分解する、分解性化学発泡剤を使用して、作られる。起泡剤に関連する膨潤、または化学発泡剤を分解することが、セル構造の膨潤をして発泡性バイオポリマーを発生させる。発泡プロセスは、押出温度および他のパラメータの制御を通して制御される。
【0146】
発泡した構成材の一実施例は、固い外層または外殻、および発泡したバイオポリマーで作られた内部を含む。発泡したバイオポリマー構成材は、固体素材と比べて相対的低重量および高い剛性を提供するように構成される。発泡したバイオポリマーは、たとえば、大きさに合わした材木、支柱、梁、化粧縁、成形された構造部材、家具ボードおよび化粧縁構成材のような構成材に、成形される。水より小さい比重をもつ構成材を成形すること(したがって、該構成材は水に浮く)、または材木の密度に近づけることが望ましい。窓またはドア構成材もまた、発泡したバイオポリマーから作られる。中空の、発泡したコアを結合する部品もまた可能である。
処理パラメータおよび構造指数
【0147】
一実施例では、バイオポリマー混合物は、サーモアクティブ材料をもつ乾燥繊維を使用する典型的混合物と比較して、より高い流動またはより低い粘度を提供することができる。これは、押出しまたは射出成形の間に、かなり低い圧力で加工することを可能にする。たとえば、従来の繊維/高分子物質を成形する圧縮の圧力は、通常500〜1000psiの範囲に入りうる。対照的に、一実施例では、本バイオポリマーは、150psi未満で最大密度に達することができる。一実施例では、本バイオポリマーを加工するための電動機負荷は、従来のポリマーに対する50%から本ポリマーに対する10%まで減らすことができる。
【0148】
本バイオポリマーの実施例の、より小さい圧縮圧力の必要条件は、バイオポリマーに対する圧縮または押出し装置のエンジニアリングおよび構造に対して顕著な変化を可能にし、そのような装置のコストを下げることができる。一実施例では、より低い加工温度でバイオポリマーを加工する装置もまた、構成される。一実施例では、加工温度は、従来のポリマーに対する華氏400度から、本バイオポリマーの一実施例に対しては華氏320度まで下げることができる。
【0149】
木材代替品(または他の構造体)に対する機械的性質は、様々なパラメータに対して定量化され、試験される。バイオポリマー成分および製造工程は、性質の望ましい組合せを達成するよう巧みに処理される。考慮される性質は、密度、表面硬度、剪断強度と曲げ特性、(釘、スクリューまたは他の留め具を保持するための)保持力、ストリッピング特性、熱膨張係数およびヤング係数を含む。一実施例では、構造指数は、バイオポリマー中の発酵固体のパーセンテージを変えることによって処理される。
図示された実施例
【0150】
バイオポリマーから作ることのできる構造の実施例が図1〜8に示されている。
シート製品
【0151】
本バイオポリマーは、シートに成形することができる。図7は、シート製品700の一実施例を示す。シート製品の一実施例は、他の材料をシミュレートするためにテクスチャ加工される、および/またはプリントされる。
構造部材
【0152】
一つの実施例では、バイオポリマーは構造部材に成形される。一つの実施例では、構造部材は、他の材料の特性および/または外観を複製するように製作される。たとえば、一つの実施例では、バイオポリマーは、従来、木材、プラスチックまたは金属から作られた組立品の構造部材を製作するのに使用することができる。そのような組立品が図1および2に示されている。一実施例では、バイオポリマーは、図6に示される部材600のような木材代替部材に成形することができる。部材600のコア610は、固体バイオポリマー、発泡したバイオポリマー、中空のボイド、支柱、ウェブまたはそれらの組合せを含むことができる。木材代替部材は、一般的工業パラメータ、たとえば2×4、2×2、2×6など、に従った大きさに切断される。
【0153】
木材代替品シートもまた、バイオポリマーから作られる。たとえば、バイオポリマーは、標準的合板に置換えるために、4×8シートに成形される。他のタイプのシートもまた成形される。
【0154】
バイオポリマーは、より専門化された木材代替品部材または他の構造部材(より複雑な形態を持つ部材を含む)にも成形される。一典型的シートが図7に示されている。
窓およびドア組立て品のための部材
【0155】
一つの実施例では、本バイオポリマーは、ドアおよび窓のために部品に成形される。図1は窓組立材を示す。その部品はバイオポリマーから造られる。窓組立材100は、小口(header)30、下枠35およびわき柱40から作られるフレーム25を含み、そのすべてがバイオポリマー材料から成形される。サッシ45は、桟(レール)50および框55から作られる。桟50および框55もまたバイオポリマーから作られる。縦桟60、ケーシング65および周り縁部材70(図2に示される)もまた、バイオポリマーから作られる。図1は上げ下げ窓を示すが、他のタイプの窓組立て材は、バイオポリマーから作ることができ、開き窓、突出し窓、固定フレーム・サークルヘッド窓、欄間窓、天窓、滑り窓、ティルトイン(tilt−in)窓、弓形窓、および出窓のための組立材を含むが、これらに限定されない。
【0156】
一実施例では、バイオポリマー窓またはドアの部材がガラス、周り縁または他の部材と合体させたり、適合させたりすることを可能にするように、特別に設計された断面形態が作られる。複雑な形態をもつ部材の一例が図5に示されている。一実施例では、バイオポリマー部材は、部材が一緒に加熱され、溶融される熱融着プロセスで組み立てられる。一実施例では、熱融着は、木の部材から作られる典型的組立て材よりも大きな強度および堅さを持つ融着ジョイントを作り出すことができる。一実施例では、融着された領域は、一様な遷移および/または魅力的外観をつくるために道具を使用して仕上げ加工される。該道具は、たとえばナイフ、ルーティングツールまたは他の形削り盤ツールでありうる。一実施例では、道具は、きれいで魅力的な融着を促進するためにバイオポリマーを部分的に溶融するように加熱することができる。
【0157】
図2は窓の横断面を示す。固体の部材80、中空の部材85およびシート部材90はすべて、バイオポリマーから成形される。若干の実施例では、部材は、軽量および日常の使用に耐える十分な強度と耐久性を提供する、中空の断面および少なくとも一つの構造ウェブ材で成形される。窓組立て材の実施例は、発泡した部材の中に含むことができる。図3に示された発泡した部材の一実施例は、発泡したコア100付きの固い外殻95を持つ。これに対して、図3に示されるコア97は、中空であるか、またはクウェブ状であることができる。
【0158】
図4はドア組立部材を示す。標準的なドア、フレンチドア、スライドするパティオドアおよび他のタイプのドアに対する部材は、バイオポリマーから成形される。図4の中のドア組立部材は、小口110、ドア枠115および下枠120を含むフレーム105を含む。ドアは、パネル125、サッシ130および竪桟135を含む。これらの部品の全ては、バイオポリマー材料から成形される。非構造的飾り部材および型もまたバイオポリマーから作られる。
【0159】
バイオポリマー成分は、中空であるか半中空の構成で作られる。一つの実施例では、バイオポリマーから作られた部材は、外殻または壁面および一つ以上の内部支持体を含む。図5は、バイオポリマー材料から作られる一個の典型的な半中空部材を示す。該部材は、内面205および外面210を持つ外壁200を含む。溝215または他の既製の経路または造作は、関連部材付きのインターフェースを収納する外面の中に作られる。一個以上の内部支柱220が準備されている。一個以上のアンカー225もまた準備される。アンカーは、スクリューまたはボルトのような留め具を受けるように構成される。結合表面230はまた、バイオポリマー部材の、他のサーモアクティブ材料またはバイオポリマー部材への熱融着に適応するために準備される。
サイディング製品
【0160】
建造物のためのサイディング製品もまた、バイオポリマーから作られる。一つの実施例では、サイディング製品がシート形態で提供される。サイディング製品は、たとえば石または大理石を複製することができる。
【0161】
他の実施例では、サイディング製品は、木材、アルミニウムまたはビニルサイディングに類似の、羽根板の形で提供される。図8は、たとえば、縦の部材800を含むサイディング製品を示す。図9および10もまた、サイディング部材900、1000を示す。一実施例では、バイオポリマーは、隣接した部材が結合されるように、接合構造を持つ縦の部材に成形することができる。たとえば、トング810と溝820の配置が、縦の部材を上または下にある類似部材に接合するように使用される。縦の部材の一実施例は、図9に示されるように剛性を上げるために、補剛支柱930または支持ウェブ940を含むことができる。
【0162】
サイディング部材の一実施例は、発泡したか、または中空である部分を含むことができる。図10は、発泡したか、または中空である内部の部分1010を持つ実施例1000を示す。たとえば図8に示されるように、中空の部分を持つ実施例はまた構造用支持材のウェブを含むことができる。発泡したかまたは中空の部分の実施例は、サイディングのR値を上げることができる。発泡したか、または中空の部分をもつ実施例はまた、サイディング部材をより強固にし、より小さいクリープを示すことができる。実施例はまた、発泡、中空の部分およびウェブ構造の部分の少なくとも2種の組合せを含むことができる。
【0163】
サイディング組立材の一実施例は、熱融着によって端部−端部で結合されるサイディング部材を含むことができる。サイディング部材の暴露面は、耐候性および/または外観を改善するために、プリントされる、被覆される、または他の加工をされる。
カラム/レールシステム
【0164】
バイオポリマー材料を含む構造部材の実施例は、柱、レールおよび敷板システムを含む様々な構造体を建設するために使用され、ポーチ、パティオ、通路、庭、芝生を含む様々な場所で、またはアクセントとして、使用される。一つの実施例では、柱およびレールは、敷板システムの部品として使用される。
【0165】
カラム/レールシステムの好ましい実施例では、柱は基部、コーナー、パネルおよびトップキャップから成る。一実施例では、基部は、地面または他の構造体に結合するかまたは取付けられた支柱の上を滑るように構成される。支柱は必要とされないけれども、それは好都合な構造用支持体を提供することができる。一実施例では、複数のパネルが柱を作るために複数のコーナーによって相互接続される。一つの実施例では、4枚のパネルと4本の柱が長方形の柱を作製するために使用される。他の実施例では、三角形、五角形、六角形、七角形、八角形、などのような、他の柱の形態が作られる。不規則な柱もまた可能でもある。柱を成形するパネルもコーナーも、同じサイズである必要はない。
【0166】
一実施例では、柱は、支柱の上を滑るか、さもなければ支柱に結合するように構成される。柱は、さらに基部に結合することができる。あるいは、柱が支柱に固定される、または、基部が支柱に固定される。ついでトップキャップが載せられるか、または別途、支柱におよび/または柱に結合される。トップキャップは、機能的または美的に好ましい形を含む様々な異なる形であることができる。一つの実施例では、トップキャップは、内部の本体部分および第1および第2の外部端部、ならびに第1と第2の通常垂直の部材(空間的に離れて配置され、水平の部材の前記第1および第2の端部から内部の方へ離れている)をもつ、通常水平の部材として成形される。
【0167】
該カラムは、中空の、充填した、部分的に充填した、または、内部が発泡した形でありうる。一つの実施例では、カラムは中空の内部を持つことができる。他の実施例では、該カラムは、支柱がトップキャップに固定されているが、1枚以上のパネルおよび支柱の間に距離または空所があるときのように、部分的に充填した内部を持つことができる。第三の実施例では、カラムは、支柱がトップキャップに固定され、パネルにも触れているときのように、完全に充填した内部を持つことができる。他の実施例では、カラムは、固体の外殻、および発泡状の、ウェブ構造の、または支柱の入った内部、あるいはそれらの組合せを含むことができる。本発明は、これらの可能な実施例に限定されない。
【0168】
該パネルは、望ましい、色彩、材料、表面組織などをもつ、装飾的要素でありうる。一実施例では、パネルは、ステンドグラスの外観を与える着色されたガラスあるいはプリントされたガラスまたはプラスチック材料のような、透明または半透明の材料でありうる。一実施例では、光源は、柱またはカラムの中に置かれ、透明または半透明のパネルを照らすように構成される。一実施例では、該光源は、柱と支柱の間の空間部にある。一実施例では、コーナー部品は、化粧パネルのための枠を形成することができる。
【0169】
好ましい実施例では、手摺は手摺子およびレールから形成される。複数の手摺子は、トップレールとボトムレールの間に置かれ、ついでトップレールとボトムレールに固定される。ついで、レールカバーはトップレールに固定されて、手摺となる。
【0170】
構造部材は、全体的に、または、バイオポリマー、木材、ガラスおよび複合材料を含む様々な材料の部分で作られ、独特の外観およびスタイルのために真鍮、青銅、クロムまたは砲金で金属溶射される。トップキャップは、ガラスまたは他の透明または半透明の材料から作られ、内部から明かりを発することができる。他の照明用設備もまた可能である。構造部材は、様々な形を取ることができる。たとえば、構造部材は、丸いまたは鋭角の端部を持つことができ、円形または多角形である。構造部材は、射出成形または押出し加工から成るさまざまな方法で作られる。構造部材はまた、ねじ込まれ、釘付けにされ、糊付けされ、またはスナップ式に閉じられ、または固定されることを含む様々な方法で取付けられる。バイオポリマー部品は、一緒に熱融着される。熱融着は、平滑になるが、そうでない場合は、好ましい外観を提供するためにナイフ、ルータまたは他のツールで特徴付がなされる。
カラム/レールシステムの図示された実施例
【0171】
図13〜26は、本バイオポリマーから作られる、またはそれを含むことができる構造体実施例の実例を示す。
【0172】
図13は、コーナー1、パネル2、手摺子3、レール4、レールカバー5、基部6およびトップキャップ7で作られた敷板システムの一実施例の正面透視図である。柱は、コーナ−1、パネル2、基部6およびトップキャップ7を含むことができ、手摺に固定され、それは、図13に示すように、手摺子3、レール4およびレールカバー5から成り立つことができる。
【0173】
図14は、基部6が支柱8に対して滑ることができる基部部品の正面図を示す。ネジ9のような、留め具は、基部6を支柱8に固定させることができる。複数のパネル2は、長方形の柱を作るために、複数のコーナー1によって相互に結びつけられることができる。柱は、支柱8に対して滑ることができ、図15に示すように基部6の上に載せられる。トップキャップ7は、図16に示すように、柱を作るために、支柱8の上に載せられる。
【0174】
図17は、手摺組立材の正面図である。複数の手摺子3は、図5に示すようにトップレール4とボトムレール4の間で置かれる。手摺子3は、図18に示すように、たとえばネジ10によってトップレール4およびボトムレール4に結合される。レールカバー5は、図19に示すように、手摺を作るために、組立て手摺のトップレール4の上に載せられる。
【0175】
図13〜19の中で構造体を作るために使用される構造部品の実施例は、図20〜26に示されている。図20は、基部6の透視図である。図21は、パネル部品2の上面図である。図22は、コーナー1の断面図である。図23は、トップキャップ7の透視図である。図24は、手摺子3の上面図である。図25は、ボトムレール4の側面図である。図26は、レールカバー5の側面図である。
コーティング、テクスチャおよび外観
【0176】
該バイオポリマーは、成形の間または後に外観のために加工される。たとえば、成形に使用される型または他の表面は、バイオポリマー製品の上にテクスチャ加工した表層を作ることができる。押出し加工は、バイオポリマーのコア付きポリマーまたは他の材料の外観層を共押出しすることができる。成形の後、成形されたバイオポリマーは、本物の木材の外観または他の望ましいプリントされた模様または色彩を付与するために、複数ローラ印刷工程で加工される。成形の後、成形されたバイオポリマーは、熱硬化性粉体で処理される。熱硬化性粉体は、たとえば、透明、半透明、または完全有色でありうる。該粉体は、熱硬化されて、室内または室外使用に適した被膜を形成することができる。該粉体はまた、たとえば、天然木材外観および模様を提供するようにテクスチャ加工される。
【0177】
一実施例では、バイオポリマー製品は、粉体被覆され、エンボスされ、および/またはプリントされて、耐候性および紫外線抵抗性、および/または木目カラーおよび模様のような表面効果のような望ましい表面特性を提供することができる。
【0178】
一実施例では、バイオポリマー製品は、保護層付きで成形される。一実施例では、バイオポリマー製品は、該粉体を高機能性被膜になるように硬化させるために焼成される熱硬化性粉体で被覆される。該粉体は、たとえばポリエステル、エポキシ、アクリレート、あるいは他のポリマーまたはサーモアクティブ材料、またはそれらの組合せでありうる。被膜は、透明、半透明、完全有色でありうる。一つの実施例では、粉体被覆バイオポリマー製品は、赤外線オーブンまたはIR/UVオーブン中で焼成される。そのような被覆製品は、室内と室外両方の使用に適切でありうる。
【0179】
一実施例では、樹脂または他の材料の薄層が表面に付加される。サイディング材料の一実施例は、たとえば、耐候性を高めるために、保護樹脂層付きで作製される。表面層の付加はまた、たとえば室内用途(そこでは洗浄剤への暴露が起こりうる(たとえば浴槽またはシャワーエリア)、ならびに建物装飾、シャッター、芝生および庭園の器具、装飾用パネルおよび標識、あるいはパティオ家具、のような室外用途から成る他の用途において有用である。
【0180】
一実施例では、バイオポリマー製品は、ビニル包装または金属包装される。
【0181】
バイオポリマー製品は、エンボシング加工または印刷のような処理を通して、あるいは、バイオポリマーとともに外層を共押出しすることによって、木材外観および/または模様(または他の模様/外観)を与えられる。サイディング組立て材は、たとえば、木目の外観または模様で型押しされる。シート製品はまた、型押しされ被覆されて、木目外観または他の外観を提供しうる。他の木材代替品製品は、同様に、テクスチャおよび色の点で特定の木材(または着色された木材)に似せるように加工されることができる。
【0182】
一つの実施例では、バイオポリマー製品は、本物の木材の外観、または化粧漆喰(stucco)、コンクリート、レンガ、石材、タイル、粘土または金属のような 他の望ましいプリントされた模様または色を与えるために、マルチローラー印刷工程に通される。他の実施例では、押出し加工は、グラビア印刷工程またはエンボシングホイールを使用して、直接プリントされる。色と模様の組合せが、天然木材の外観と感触を創ることができる。直接的なコンピュータ画像から成る他の印刷工程もまた使用される。一実施例では、印刷または他の方法が、カエデ、オーク、サクラ(cherry)、スギのようなリアルな木材模様、または他の望ましいプリントおよび模様を創ることができる。一つの実施例では、バイオポリマー材料は、より速い硬化を与えること、および最終産物の表面に模様を印することの両方のために硬化プロセスの間、熱プレート式プレスに置かれる。
【0183】
一実施例では、室外用製品は、発酵固体を室外用製品のための粉体塗装とともに使用して成形される。一実施例では、室外用製品は、望ましい外観をもつように印刷され、および/または、模様板つきプレスの中でテクスチャ加工されて、室外グレードのテクスチャ加工表面を形成することができる。
【0184】
他の実施例では、ラフな使用に耐える製品を生み出すために類似したプロセスが使われる。他の実施例では、バイオポリマーはプリントされ、ついで、プリントされた表面を保護するために被覆される。バイオポリマーは、たとえばディジタル的にプリントされて、サクラのような特定の木材の木目のような望ましい外観を付与する。ついで、該バイオポリマーは、プリントされた表面を保護するために粉体被覆される。一実施例では、バイオポリマーは、プリントされた表面が透けて見えることを可能にするように透明層で粉体被覆される。
【0185】
他の実施例では、外層が、製品に貼り付けられる。該外層は、たとえば薄板、木目カバー、着色カバー、または他のタイプの共押出し層でありうる。該外層は、望ましい色、外観、模様、耐候性、または他の特性を提供することができる。
【0186】
他の実施例では、バイオポリマーは、花崗岩様に見えるように作られる。一実施例では、バイオポリマーは、残存発酵固体の可視の粒子を含むことができる。そのような複合バイオポリマーは、一つの外観をもつ粒子を囲む異なる外観をもつマトリックスをもたらすことができて、花崗岩の外観を与える。そのような複合バイオポリマーでは、発酵固体のかなりの部分が、サーモアクティブ材料中にブレンドされる、および/またはそれに結合させられる。
【0187】
他の実施例では、粒状物質がバイオポリマーに添加される。粒状物質を含む実施例は花崗岩または他の石材、あるいは、節を取った木材のような天然木目の外観をシミュレートするように成形される。一実施例では、粒状物質は、たとえば特に押出成形または圧縮成形の間に混合することによってバイオポリマー製品の中に融合される。一実施例では、粒状物質は、ポリマーに溶解しないで分離したままであり、そのため、粒状物質が肉眼で見える。一実施例では、微粒子は、ポリマー中に組み込まれて、望ましい集合した外観を与える。一実施例では、集合体をもつバイオポリマーは、機械加工され、切断され、穴開けされ、または別の方法で加工されることができる。
【0188】
図11は、製品を作るプロセスを例示するフローチャート1100を示す。1110では、約5〜約95重量%の発酵固体および約0.1〜約95重量%のサーモアクティブ材料を含む組成物が作られる。該組成物は、成形、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、トランスファー成形、熱成形、注型、カレンダー加工、低圧成形、高圧積層、反応射出成形、発泡成形および/または被覆によって成形される(1120)。一実施例では、製品は、成形の後被覆される(1130)。
【0189】
図12は、本バイオポリマーが木材代替製品、窓またはドア部品、あるいはサイディング部品に作られるプロセスを例示するフローチャート1200を示す。バイオポリマーは加熱される(1210)。圧力は、加熱されたバイオポリマーにかけられる(1220)。一実施例では、加熱することおよび圧力の付加は、同時に起こることができ、または圧の付加が最初に起こりうる。加熱されたバイオポリマーは、製品または部品に成形される(1230)。一実施例では、バイオポリマーは、押出し加工または射出成形によって成形される(1240)。一実施例では、製品は、製品または部品をプレスすることによって、プレスされる(1260)。一実施例では、バイオポリマーをプレスすることは、バイオポリマーから水を抽出する(1270)。プレスすることは、たとえば、シート製品または他の製品を作成することができ、その後の押出し加工または射出成形のためのバイオポリマーを調製することができる。一実施例では、さらに加工することは、たとえばさらに成型すること、切断すること、機械加工すること、または表面処理することから成る成形することの間または後に行われる。一実施例では、表面テクスチャが、製品または部品に貼付される(1250)。表面テクスチャは、共押出し加工することまたは表面を型で印することによって、貼り付けられる。表面テクスチャを創るための他の技術もまた使用される。バイオポリマーは、部品または製品の形態を保つために冷却される(1280)。
【0190】
[実施例1]
熱動力学的コンパウンディングによるバイオポリマー製品
本実施例は、本発明によるバイオポリマーの調製を記述し、それは、発酵固体(たとえば、DDG、特定の発酵性タンパク質固体)、ポリプロピレンおよびマレイン酸化された酸を含んだ。たとえば、これらの部品は、60/38/2の比率で採られて、Gelimate G1熱動力学的配合機を使用してコンパウンディングされた。表にリストされた他の比率が、同一手順によってコンパウンディングされた。コンパウンディングは、4400RPMで行われ、材料は、190℃の温度であり、配合機から取り出された。ポリプロピレンは、SB 642と呼ばれ、バセル・コーポレーション(Basell Corporation)によって供給された商品であった。バイオポリマーは、パンのドウに似た塊のようなドウとして配合機から離れた(軟質すなわち未加工のバイオポリマー)。該軟質すなわち未加工バイオポリマーは、従来のナイフ粉砕法で顆粒化され、ペレットを生成した。
【0191】
本バイオポリマーのペレットは、全3ゾーンで320°Fの温度で東芝電気射出成形機の上の標準的な「ドッグボーン(dogbone)」金型の中で射出成形された。対照として、市販のポリプロピレンだけもまた、同じ方法で成型された。
【0192】
得られたドッグボーンは、機械的強度を決定するために、引張強さ、曲げ弾性率、曲げ強さに対する、プラスチックのASTM試験規格にしたがって試験された。以下の結果が得られた。
【表1】

【0193】
驚くべきことに、プラスチックに発酵固体(たとえば、発酵性タンパク質固体)を添加することは、プラスチックの強度を上げた。本バイオポリマーは、それが作られたサーモアクティブ材料より強くなった。この結果は、各ポリマーに対する強度の3測定の各々において例示される。
【0194】
本バイオポリマーは、プラスチック対照品より大きな引張強さを示した。これは驚くべきであった。従来の充填された塑性物質(たとえば不活性充填剤で充填された)は、通常それらが作られる塑性物質より小さい引張強さを持つ。特に、50重量%または70重量%もの大量の不活性充填剤での従来の充填された塑性物質は、それが作られたプラスチックより小さい引張強さを持つ。本実施例では、50重量%または70重量%の発酵固体(たとえば発酵タンパク質固体)をもつバイオポリマーは、各々、プラスチック対照品より大きな引張強さを示した。本実施例では、本バイオポリマーは、架橋剤の添加で増大した引張強さを得た。
【0195】
本バイオポリマーは、プラスチック対照品より大きな曲げ弾性率を示した。本実施例では、50重量%または70重量%の発酵固体(たとえば、発酵性タンパク質固体)をもつバイオポリマーは、各々、プラスチック対照品より大きな曲げ弾性率を示した。本実施例では、本バイオポリマーは、架橋剤の添加で増大した曲げ弾性率を得た。
本バイオポリマーは、プラスチック対照品と比較して減少した変位(より小さい「伸び」)を示した。本実施例では、50重量%または70重量%の発酵固体(たとえば、発酵性タンパク質固体)をもつバイオポリマーは、プラスチック対照品と比較して、各々、減少した変位を示した。一般的に、減少した伸びは、熱的、プロセス的、および構造的安定性に関連すると考えられる。
【0196】
[実施例2]
押出し加工によるバイオポリマー作成
以下の押出しパラメータは、本発明によってバイオポリマーを作成するために使用された。
・ コニカル二重反転押出し機
・ RT(樹脂温度) 178℃
・ RP(樹脂圧) 11.9
・ 主モータ(%) 32.3%
・ RPM 3.7
・ D2(金型温度ゾーン2) 163
・ D1(金型ゾーン1) 180
・ AD(金型) 180
・ C4(バレル加熱ゾーン4) 177
・ C3 181
・ C2 194
・ C1 208
・ スクリュー温度 149
(摂氏での温度)
(機器TC85 millicron CCRE)
【0197】
7%MCで15%ポリプロピレン(「PP」)と85%DDGの混合物を、高い剪断コンパウンディングシステムを使用してコンパウンディングし、ついで中空金型システムを通して上記の加工パラメータで押し出した。DDGがタンパク質、繊維、脂肪および灰分を含む点に注意してほしい。第2テストは、全く同一のプロセス、機器および上記プロセスパラメータにおける比較として15%PPおよび85%セルロース繊維(小麦)を使用した。
【0198】
本実施例のテストの最初の比較において、繊維/PP押出しと比較したとき、本バイオポリマー押出しの実施例の間に多くの差異があった。繊維/PP押出しは、今日の現行木材プラスチック繊維技術および全体的性能を厳密にシミュレートする。繊維/PP押出しは、全体的な非常に濃い色を持つことに加えて、個々の繊維および粒子を示して非常に異なる色であった。この従来の材料はまた低い機械強度特性と脆性を示したが、一方バイオポリマーはより高い程度の全破断および剛性を持つ。
【0199】
本バイオポリマーの実施例は、そのより淡い色を維持し、外観において極めて均一であった。これは、本バイオポリマーが、使用した押出し機の下でからみ合った、または一緒に溶けたことを示す。
【0200】
本明細書および添付の請求項において使用されるとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、意味が別様に明記されていなければ、複数の対象物を含むことに留意されるべきである。こうして、たとえば、「一化合物」を含む組成物への言及は、二個以上化合物の混合物を含む。用語「または」は、意味が違った風に明記されていなければ、通例、「および/または」を含むその意味で使用されていることもまた留意されるべきである。
本明細書および添付の請求項において使用されるとき、フレーズ「適応させ、構成され」は、特定の課題を遂行する、または特定の構成を採用するように組み立てられ、または設定される、システム、装置または他の構造体を記述するということも留意されるべきである。フレーズ「適応させて構成される」は、調整されて構成される、構成されて調整される、適応させる、構築される、製作されて調整される、などのような他の類似フレーズと相互に交換して使用することができる。
【0201】
本発明は、種々の特定でかつ好ましい実施例および技術を参照して記述された。しかし、本発明の精神および範囲の中にありながら、多くの変更および修飾がなされうるということは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0202】
【図1】窓組立材の図である。
【図2】窓組立材の横断面の図である。
【図3】発泡体押出し製品の図である。
【図4】ドア組立材の図である。
【図5】部分的中空押出し品の図である。
【図6】木材様外観をもつ木材代替部材の図である。
【図7】シート製品の図である。
【図8】建造物のためのサイディング製品の図である。
【図9】図8のサイディング製品の背面透視図の図である。
【図10】発泡した形または中空でありうる内部領域を含むサイディング製品の図である。
【図11】バイオポリマー組成物を加工するための方法を説明する図である。
【図12】バイオポリマーから製品を作る方法を説明する図である。
【図13】デッキングシステムの正面透視図である。
【図14】基部部品と柱の正面透視図である。
【図15】柱と基部部品の正面透視図である。
【図16】柱、基部部品およびトップキャップの正面透視図である。
【図17】手摺組立材の部品の正面透視図である。
【図18】手摺組立材、部品の側面図である。
【図19】手摺カバーのある手摺組立材の側面図である。
【図20】基部の透視図である。
【図21】パネル部品の上面図である。
【図22】コーナーの断面図である。
【図23】トップキャップの透視図である。
【図24】手摺子の上面図である。
【図25】ボトムレールの側面図である。
【図26】レールカバーの側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
5〜95重量%の発酵固体と、1〜95重量%のサーモアクティブ材料とから成る組成物。
【請求項2】
前記発酵固体は発酵性タンパク質固体から成る請求項1の組成物。
【請求項3】
前記発酵固体はディスティラーズ乾燥穀物から成る請求項2の組成物。
【請求項4】
前記ディスティラーズ乾燥穀物は可溶物を更に含む請求項2の組成物。
【請求項5】
前記ディスティラーズ乾燥穀物はディスティラーズ乾燥穀物−200から成る請求項2の組成物。
【請求項6】
前記ディスティラーズ乾燥穀物はディスティラーズ乾燥コーンから成る請求項2の組成物。
【請求項7】
前記ディスティラーズ乾燥コーンはディスティラーズ乾燥分画コーンから成る請求項6の組成物。
【請求項8】
前記発酵固体がディスティラーズ乾燥穀物、可溶物をもつディスティラーズ乾燥穀物、ウエットケーキおよび溶媒洗浄ウエットケーキのうちの少なくとも1つから成る請求項1の組成物。
【請求項9】
前記発酵固体がディスティラーズ乾燥穀物、ディスティラーズ乾燥澱粉質根菜作物、ディスティラーズ乾燥塊茎およびディスティラーズ乾燥根のうちの少なくとも1つから成る請求項1の組成物。
【請求項10】
前記発酵固体がディスティラーズ乾燥シリアル穀物およびディスティラーズ乾燥豆類のうちの少なくとも1つから成る請求項9の組成物。
【請求項11】
前記発酵固体がディスティラーズ乾燥コーン、ディスティラーズ乾燥モロコシ(マイロ)、ディスティラーズ乾燥大麦、ディスティラーズ乾燥小麦、ディスティラーズ乾燥ライ麦、ディスティラーズ乾燥米、ディスティラーズ乾燥粟、ディスティラーズ乾燥オート麦およびディスティラーズ乾燥大豆を含む請求項10の組成物。
【請求項12】
前記発酵固体がディスティラーズ乾燥根を含み、ディスティラーズ乾燥根がディスティラーズ乾燥サツマイモ、ディスティラーズ乾燥ヤムイモおよびディスティラーズ乾燥キャッサバのうちの少なくとも1つから成る請求項9の組成物。
【請求項13】
前記発酵固体がディスティラーズ乾燥塊茎を含み、前記ディスティラーズ乾燥塊茎がディスティラーズ乾燥ジャガイモから成る請求項9の組成物。
【請求項14】
50〜70重量%の発酵固体と、
20〜50重量%のサーモアクティブ材料と、
から成る請求項1の組成物。
【請求項15】
前記サーモアクティブ材料が熱可塑性物質、熱硬化性材料および樹脂/接着性ポリマーのうちの少なくとも1つから成る請求項1の組成物。
【請求項16】
前記サーモアクティブ材料がポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリ塩化ビニルのうちの少なくとも1つから成る請求項1の組成物。
【請求項17】
前記サーモアクティブ材料がエポキシ材料およびメラミンのうちの少なくとも1つから成る請求項1の組成物。
【請求項18】
前記サーモアクティブ材料がポリエステル、フェノール性ポリマー、および尿素含有ポリマーのうちの少なくとも1つから成る請求項1の組成物。
【請求項19】
前記組成物が一体バイオポリマー、複合バイオポリマーまたは集合バイオポリマーの形態をとっている請求項1の組成物。
【請求項20】
前記組成物が複合バイオポリマーの形態をとり、前記複合バイオポリマーが花崗岩様の外観を持つ請求項1の組成物。
【請求項21】
前記組成物がペレット、顆粒、押し出された固体、射出成形で作られた固体、硬質発泡体、シート、ドウまたはそれらの組合せの形態をとっている請求項1の組成物。
【請求項22】
前記組成物が肉眼的に均一である請求項1の組成物。
【請求項23】
前記発酵固体の前記サーモアクティブ材料への共有結合から成る請求項1の組成物。
【請求項24】
前記発酵固体と前記サーモアクティブ材料の1種の溶融体から成る請求項1の組成物。
【請求項25】
染料、顔料、加水分解剤、可塑剤、充填剤、防腐剤、抗酸化剤、成核剤、静電防止剤、殺生剤、殺菌剤、防火剤、難燃剤、熱安定剤、光安定剤、導電物質、水、油、潤滑剤、耐衝撃性改良剤、カップリング剤、架橋剤、発泡剤または起泡剤、および再生またはリサイクルプラスチックのうちの少なくとも1つをさらに含む請求項1の組成物。
【請求項26】
可塑剤、光安定剤およびカップリング剤のうちの少なくとも1つを更に含む請求項1の組成物。
【請求項27】
5〜95重量%の発酵固体と、
1〜95重量%サーモアクティブ材料と、
から成る組成物から成る製品。
【請求項28】
発酵固体とサーモアクティブ材料とを含む材料をコンパウンディングすることから成る組成物作製方法。
【請求項29】
前記コンパウンディングすることが熱動力学的コンパウンディングから成る請求項28の方法。
【請求項30】
前記コンパウンディングすることがツインスクリュー押出し加工から成る請求項28の方法。
【請求項31】
前記ツインスクリュー押出し加工が前記組成物を発泡させることから成る請求項30の方法。
【請求項32】
前記組成物を硬化させることを去らぬ含む請求項28の方法。
【請求項33】
前記硬化組成物を粉砕することを更に含む請求項32の方法。
【請求項34】
顆粒を作製するために前記組成物を粉砕することを更に含む請求項33の方法。
【請求項35】
前記組成物をペレットに成形することを更に含む請求項32の方法。
【請求項36】
前記組成物をシートに成形することを更に含む請求項32の方法。
【請求項37】
5〜95重量%の発酵固体と、
0.1〜95重量%のサーモアクティブ材料と、
の混合物をコンパウンディングすることを含む請求項28の方法。
【請求項38】
50〜70重量%の発酵固体、及び
20〜50重量%のサーモアクティブ材料
を含む混合物をコンパウンディングすることを含む請求項37の方法。
【請求項39】
ディスティラーズ乾燥穀物とサーモアクティブ材料をコンパウンディングすることから成る請求項28の方法。
【請求項40】
ディスティラーズ乾燥コーンとサーモアクティブ材料をコンパウンディングすることから成る請求項39の方法。
【請求項41】
サーモアクティブ材料、ならびに発酵穀物、ディスティラーズ乾燥澱粉質根菜作物、ディスティラーズ乾燥塊茎およびディスティラーズ乾燥根のうちの少なくとも1つをコンパウンディングすること含む、請求項28の方法。
【請求項42】
サーモアクティブ材料ならびにディスティラーズ乾燥コーン、ディスティラーズ乾燥モロコシ(マイロ)、ディスティラーズ乾燥大麦、ディスティラーズ乾燥小麦、ディスティラーズ乾燥ライ麦、ディスティラーズ乾燥米、ディスティラーズ乾燥粟、ディスティラーズ乾燥オート麦、ディスティラーズ乾燥大豆、ディスティラーズ乾燥サツマイモ、ディスティラーズ乾燥ヤムイモ、ディスティラーズ乾燥キャッサバおよびディスティラーズ乾燥ジャガイモのうちの少なくとも1つをコンパウンディングすることから成る請求項28の方法。
【請求項43】
発酵固体ならびに熱可塑性物質、熱硬化性材料および樹脂/接着性ポリマーのうちの少なくとも1つをコンパウンディングすることから成る請求項28の方法。
【請求項44】
発酵固体、ならびにポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エポキシ材料、メラミン、ポリエステル、フェノール性ポリマーおよび尿素含有ポリマーのうちの少なくとも1つをコンパウンディングすることから成る請求項28の方法。
【請求項45】
コンパウンディングが肉眼的に均質である組成物を作り出す、請求項28の方法。
【請求項46】
コンパウンディングが発酵固体のサーモアクティブ材料への共有結合を誘起する、請求項28の方法。
【請求項47】
コンパウンディングが発酵固体の温度を発酵固体のT以上の温度にまで上げる、請求項28の方法。
【請求項48】
コンパウンディングが発酵固体の温度を発酵固体のT以上の温度にまで上げる、請求項28の方法。
【請求項49】
さらにコンパウンディングされた組成物を被覆することから成る請求項28の方法。
【請求項50】
発泡した組成物を作る1つの方法であって、前記方法が、発酵固体およびサーモアクティブ材料を押出し加工すること、ならびに発酵固体とサーモアクティブ材料を含む発泡した組成物を作り出すことを含む方法。
【請求項51】
添加された起泡剤または発泡剤を含まない1種の組成物を押出し加工することから成る請求項50の方法。
【請求項52】
製品を作る1つの方法であって、前記方法が
5〜95重量%の発酵固体、および
0.1〜95重量%のサーモアクティブ材料
を含む組成物から製品を作ることを含む方法。
【請求項53】
請求項52の方法であって、成形が押出成形、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、トランスファー成形、熱成形、注型、カレンダー加工、低圧成形、高圧積層、反応射出成形、発泡成形および被覆の1つ以上を含む方法。
【請求項54】
さらに前記製品を被覆することから成る請求項52の方法。
【請求項55】
ディスティラーズ乾燥穀物とポリプロピレンを含み、さらにマレイン酸化ポリプロピレンから成る請求項1の組成物。
【請求項56】
一バイオポリマー材料を含む一製品であって、前記バイオポリマー材料がサーモアクティブ材料および発酵固体を含む製品。
【請求項57】
前記バイオポリマーが
5〜95重量%の発酵固体と、
1〜95重量%のサーモアクティブ材料と、
から成る請求項56の製品。
【請求項58】
前記発酵固体がディスティラーズ乾燥穀物、ディスティラーズ乾燥澱粉質根菜作物、ディスティラーズ乾燥塊茎およびディスティラーズ乾燥根のうちの少なくとも1つから成る請求項56の製品。
【請求項59】
前記発酵固体がディスティラーズ乾燥シリアル穀物およびディスティラーズ乾燥豆類のうちの少なくとも1つから成る請求項58の製品。
【請求項60】
前記発酵固体がディスティラーズ乾燥コーン、ディスティラーズ乾燥モロコシ(マイロ)、ディスティラーズ乾燥大麦、ディスティラーズ乾燥小麦、ディスティラーズ乾燥ライ麦、ディスティラーズ乾燥米、ディスティラーズ乾燥粟、ディスティラーズ乾燥オート麦およびディスティラーズ乾燥大豆から成る請求項59の製品。
【請求項61】
請求項56の製品であって、前記製品が窓の一部、ドアの一部、家具の一部である製品。
【請求項62】
請求項56の製品であって、前記製品が材木代替部材として構成されている製品。
【請求項63】
固い外殻および発泡したコアを更に含む請求項62の製品。
【請求項64】
固い外殻上にテクスチャ加工した表面を更に含む請求項63の製品。
【請求項65】
前記製品が装飾的な製品として構成されている請求項56の製品。
【請求項66】
前記製品の少なくとも一部が発泡したコアを含む請求項56の製品。
【請求項67】
熱融着を通して他の製品と組み合わせるように構成された請求項56の製品。
【請求項68】
窓組立材、ドア組立材および家具組立材のうちの少なくとも1つへと組立材用に構成された請求項56の製品。
【請求項69】
空洞を画成する内面と、該空洞に達する支柱と、該空洞に達するアンカー部とから成り、前記アンカー部が留め具を収受するように構成されている、請求項56の製品。
【請求項70】
圧縮成形品、押出し加工品および射出成形品のうちの少なくとも1つから成る請求項56の製品。
【請求項71】
前記バイオポリマー上に第2材料層をさらに含む請求項56の製品。
【請求項72】
前記第2材料層が印象の形成された造作を含む請求項71の製品。
【請求項73】
前記第2材料層が共押出し材料から成る請求項71の製品。
【請求項74】
前記第2材料層が粉体被覆品から成る請求項71の製品。
【請求項75】
前記製品が建物のためのサイディング組立材の構成材として形成されている請求項56の製品。
【請求項76】
建物のためのサイディング組立品の前記構成材は、第1端部と第2端部との間を延びる縦本体を有し、バイオポリマー材料からなる縦の部材からなり、
前記第1端部および前記第2端部の少なくとも一方がサイディング組立品の第2部品に結合するよう構成されている、請求項75の製品。
【請求項77】
前記第2部品がバイオポリマー材料を含み、前記第2部品が熱融着によって縦部材の端部の1つに結合するように構成される、請求項76の製品。
【請求項78】
前記縦部材が変更された外観を備える変更された表面を含み、前記変更表面が粉体コーティング、テクスチャ加工表層、印刷表面のうちの少なくとも1つから成る請求項76の製品。
【請求項79】
前記発酵固体が発酵性タンパク質固体から成る請求項56の製品。
【請求項80】
前記発酵固体がディスティラーズ乾燥穀物から成る請求項79の製品。
【請求項81】
前記ディスティラーズ乾燥穀物がさらに可溶物を含む請求項80の製品。
【請求項82】
前記ディスティラーズ乾燥穀物がディスティラーズ乾燥穀物−200から成る請求項80の製品。
【請求項83】
前記ディスティラーズ乾燥穀物がディスティラーズ乾燥コーンから成る請求項80の製品。
【請求項84】
50〜70重量%の発酵固体と、
20〜50重量%のサーモアクティブ材料と、
から成る請求項56の製品。
【請求項85】
サーモアクティブ材料が熱可塑性物質、熱硬化性材料および樹脂/接着性ポリマーのうちの少なくとも1つから成る請求項56の製品。
【請求項86】
前記サーモアクティブ材料がポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリ塩化ビニルのうちの少なくとも1つから成る請求項56の製品。
【請求項87】
前記サーモアクティブ材料がエポキシ材料およびメラミンのうちの少なくとも1つから成る請求項56の製品。
【請求項88】
前記サーモアクティブ材料がポリエステル、フェノール性ポリマーおよび尿素含有ポリマーのうちの少なくとも1つから成る請求項56の製品。
【請求項89】
前記製品が一体化バイオポリマー、複合バイオポリマーまたは集合バイオポリマーの形態にある請求項56の製品。
【請求項90】
前記製品が複合バイオポリマーの形態であり、前記複合バイオポリマーが花崗岩様の外観を持つ請求項56の製品。
【請求項91】
染料、顔料、加水分解剤、可塑剤、充填剤、防腐剤、抗酸化剤、成核剤、静電防止剤、殺生剤、殺菌剤、防火剤、難燃剤、熱安定剤、光安定剤、導電物質、水、油、潤滑剤、耐衝撃性改良剤、カップリング剤、架橋剤、発泡剤または起泡剤、ならびに回収またはリサイクルプラスチックのうちの少なくとも1つをさらに含む請求項56の製品。
【請求項92】
可塑剤、光安定剤およびカップリング剤のうちの少なくとも1つを更に含む請求項56の製品。
【請求項93】
バイオポリマー材木代替製品、窓またはドア部品あるいはサイディング部品を作製する方法であって、
バイオポリマーを加熱すること、
加熱されたバイオポリマーに圧力をかけること、
加熱したバイオポリマーを成形することと、
製品の形を保持するために前記バイオポリマーを冷却することと、
から成る作製方法。
【請求項94】
前記バイオポリマーを成形することが、押出し品を作るために金型を通してバイオポリマーを押し出すことから成る請求項93の方法。
【請求項95】
前記製品または部品に表面テクスチャを貼付することを更に含む請求項93の方法。
【請求項96】
前記貼付することが前記製品または部品を加圧することから成る請求項95の方法。
【請求項97】
前記製品または部品を加圧することがバイオポリマーからの水の抽出を促進する請求項96の方法。
【請求項98】
さらに、発泡した部分または中空の部分のうちの少なくとも1つを窓、ドア、またはサイディング部品に成形することを含み、もって前記発泡部分または前記中空部分の存在によって部品のR値が上がる請求項93の方法。
【請求項99】
サーモアクティブ材料および発酵固体を含むバイオポリマー材料を含むホットメルト接着剤。
【請求項100】
前記発酵固体が発酵性タンパク質固体から成る請求項99のホットメルト接着剤。
【請求項101】
前記発酵固体がディスティラーズ乾燥穀物から成る請求項99のホットメルト接着剤。
【請求項102】
バイオポリマーから成る製品であって、前記バイオポリマーがサーモアクティブ材料および発酵固体を含む製品。
【請求項103】
前記バイオポリマーは
5〜95重量%の発酵固体と、
1〜95重量%のサーモアクティブ材料と、
から成る請求項102の製品。
【請求項104】
前記発酵固体がディスティラーズ乾燥穀物、ディスティラーズ乾燥澱粉質根菜作物、ディスティラーズ乾燥塊茎およびディスティラーズ乾燥根のうちの少なくとも1つから成る請求項102の製品。
【請求項105】
前記発酵固体がディスティラーズ乾燥シリアル穀物および発酵豆類のうちの少なくとも1つから成る請求項104の製品。
【請求項106】
前記発酵固体がディスティラーズ乾燥コーン、ディスティラーズ乾燥モロコシ(マイロ)、ディスティラーズ乾燥大麦、ディスティラーズ乾燥小麦、ディスティラーズ乾燥ライ麦、ディスティラーズ乾燥米、ディスティラーズ乾燥粟、ディスティラーズ乾燥オート麦およびディスティラーズ乾燥大豆から成る請求項105の製品。
【請求項107】
前記製品が、木材構造部材の代替品としての使用のために構成されている請求項102の製品。
【請求項108】
前記製品が板を含む請求項102の製品。
【請求項109】
前記製品が木甲板材を含む請求項102の製品。
【請求項110】
前記製品はコラムとして構成されており、前記コラムは、
基部と、前記基部に結合された柱と、前記柱に結合されたトップキャップと、から成り、
前記柱は、複数のコーナーと、複数のパネルとを有しており、各パネルは、各側面のコーナーに結合されており、
前記基部、前記コーナー、前記パネルおよび前記トップキャップのうちの少なくとも1つは前記バイオポリマーを含む製品から成る請求項102の製品。
【請求項111】
前記製品はカラムとして構成されており、前記カラムは、
支柱と、前記支柱に結合された基部と、前記基部に結合された柱と、前記柱または前記支柱またはその両方に結合されたトップキャップと、から成り、
前記柱は複数のコーナーと、複数のパネルと、を有しており、前記パネルは、柱を形成する前記コーナーに結合されており、
前記基部、前記コーナー、前記パネルおよび前記トップキャップのうちの少なくとも1つがバイオポリマーを含む製品から成る請求項102の製品。
【請求項112】
前記製品はレールシステムとして構成されており、前記レールシステムは、
上端部と下端部をそれぞれ有する複数の手摺子と、
前記手摺子の前記上端部に結合されたトップレールと、
前記手摺子の前記下端部に結合されたボトムレールと、
前記トップレールに結合されたレールカバーと、
から成り、
前記手摺子、前記トップレール、前記ボトムレール、前記基部、前記コーナー、前記パネルおよび前記トップキャップのうちの少なくとも1つはバイオポリマーから成る請求項102の製品。
【請求項113】
前記製品はカラム/レールシステムとして構成され、前記カラム/レールシステムは、
複数のカラムと、手摺部分と、から成り、
前記カラムの各々は、
支柱と、
前記支柱に結合された基部と、
前記基部、前記支柱またはその両方に結合された柱と、
前記柱、前記支柱またはその両方に結合したトップキャップと、から成り、
前記柱は、
複数のコーナーと、前記コーナーに結合されて柱を形成する複数のパネルと、か ら成り、
前記手摺部分は、
上端部と下端部を備える少なくとも1つの手摺子と、
少なくとも1つの手摺子の上端部に結合されたトップレールと、
少なくとも1つの手摺子の下端部に結合されたボトムレールと、
前記トップレールに結合されたレールカバーと、から成り、
前記手摺部分は2つのカラム間を延びており、
前記手摺子、前記トップレール、前記ボトムレール、前記基部、前記コーナー、前記パネルおよび前記トップキャップのうちの少なくとも1つは、バイオポリマーを含む製品から成る請求項102の製品。
【請求項114】
前記製品がカラム/レールシステムの部品であるように構成されたコーナーを含む請求項102の製品。
【請求項115】
前記製品がカラム/レールシステムの部品であるように構成されたパネルを含む請求項102の製品。
【請求項116】
前記製品がカラム/レールシステムの部品であるように構成されたカラムを含む請求項102の製品。
【請求項117】
前記製品がカラム/レールシステムの部品であるように構成された手摺子を含む請求項102の製品。
【請求項118】
前記製品がカラム/レールシステムの部品であるように構成されたレールを含む請求項102の製品。
【請求項119】
前記製品がカラム/レールシステムの部品であるように構成されたレールカバーを含む請求項102の製品。
【請求項120】
前記製品がカラム/レールシステムの部品であるように構成された基部を含む請求項102の製品。
【請求項121】
前記製品がカラム/レールシステムの部品に成るように構成されたトップキャップを含む請求項102の製品。
【請求項122】
前記製品がカラム/レールシステムの部品になるように構成された装飾用キャップを含む請求項102の製品。
【請求項123】
前記バイオポリマー上に第2材料の層をさらに含む請求項102の製品。
【請求項124】
前記第2材料層は印象の形成された造作から成る請求項123の製品。
【請求項125】
前記第2材料層が同時押出材料から成る請求項123の製品。
【請求項126】
前記第2材料層が粉体被覆から成る請求項123の製品。
【請求項127】
前記発酵固体が発酵性タンパク質固体から成る請求項102の製品。
【請求項128】
前記発酵固体がディスティラーズ乾燥穀物から成る請求項127の製品。
【請求項129】
前記ディスティラーズ乾燥穀物が可溶物を更に含む請求項128の製品。
【請求項130】
前記ディスティラーズ乾燥穀物がディスティラーズ乾燥穀物−200から成る請求項128の製品。
【請求項131】
前記ディスティラーズ乾燥穀物がディスティラーズ乾燥コーンから成る請求項128の製品。
【請求項132】
前記バイオポリマーは
50〜70重量%の発酵固体と、
20〜50重量%のサーモアクティブ材料と、
から成る請求項102の製品。
【請求項133】
前記サーモアクティブ材料が熱可塑性物質、熱硬化性材料および樹脂/接着性ポリマーのうちの少なくとも1つから成る請求項102の製品。
【請求項134】
前記サーモアクティブ材料がポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリ塩化ビニルのうちの少なくとも1つから成る請求項102の製品。
【請求項135】
前記サーモアクティブ材料がエポキシ材料およびメラミンのうちの少なくとも1つから成る請求項102の製品。
【請求項136】
前記サーモアクティブ材料がポリエステル、フェノール性ポリマーおよび尿素含有ポリマーのうちの少なくとも1つから成る請求項102の製品。
【請求項137】
前記製品が一体化バイオポリマー、複合バイオポリマーまたは集合バイオポリマーの形である請求項102の製品。
【請求項138】
前記製品が複合バイオポリマーの形であり、前記複合バイオポリマーが花崗岩様の外観を呈する請求項102の製品。
【請求項139】
染料、顔料、加水分解試剤、可塑剤、充填剤、防腐剤、抗酸化剤、成核剤、静電防止剤、殺虫剤、殺菌剤、防火剤、難燃剤、熱安定剤、光安定剤、導電物質、水、油、潤滑剤、耐衝撃性改良剤、カップリング剤、架橋剤、発泡剤または起泡剤、ならびに再生またはリサイクルプラスチック、のうちの少なくとも1つを更に含む請求項102の製品。
【請求項140】
可塑剤、光安定剤およびカップリング剤のうちの少なくとも1つを更に含む請求項102の製品。
【請求項141】
製品の作製方法であって、
5〜95重量%の発酵固体と、
0.1〜95重量%のサーモアクティブ材料と、
を含む組成物から製品を成形することから成る方法。
【請求項142】
前記成形することが、押出成形、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、トランスファー成形、熱成形、注型、カレンダー加工、低圧成形、高圧積層、反応射出成形、発泡成形および被覆の1つ又はそれ以上から成る請求項141の方法。
【請求項143】
前記製品を被覆することを更に含む請求項141の方法。
【請求項144】
前記組成物を成形することが、押出し品を生産するため型に通して前記バイオポリマーを押出し加工することから成る請求項141の方法。
【請求項145】
前記製品に表面テクスチャを貼付することを更に含む請求項144の方法。
【請求項146】
前記貼付することが前記製品をプレスすることから成る請求項145の方法。
【請求項147】
前記製品をプレスすることが混合物からの水の抽出を促進する請求項146の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公表番号】特表2007−517078(P2007−517078A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533765(P2006−533765)
【出願日】平成16年6月14日(2004.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/018774
【国際公開番号】WO2004/113435
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(505450777)アグリ−ポリメリックス・エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】AGRI−POLYMERIX,LLC
【住所又は居所原語表記】110 Deer Place Mankato,MN 56001 U.S.A.
【Fターム(参考)】