説明

バソプレシンアンタゴニストとしてのトリアゾール誘導体

式(I)[式中、Rは、H、CF、およびC1〜6アルキル(C1〜6アルキルオキシまたはトリアゾリルで置換されていてもよい)から選択される基を表し、Rはハロを表し、環Aは、少なくとも1つのN原子を含む5員または6員の複素環(環は、2つ以上の炭素原子で架橋されていてもよい)を表し、Rは、N、O、またはSから選択される少なくとも1つの原子を含む5員または6員の複素環を表し、この複素環は、C1〜6アルキル、オキソ、またはNHから選択される1つまたは複数の基で置換されていてもよく、この複素環は、5員もしくは6員のアリールまたはN、O、もしくはSから選択される少なくとも1つの原子を含む複素環とさらに縮合していてもよく、縮合アリールまたは複素環は、1つまたは複数のハロ原子で置換されている]の化合物、または薬学的に許容できるその誘導体は、V1aアンタゴニストが適応される障害、特に月経困難症を治療するのに有用である。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリアゾール誘導体およびそれらを調製するためのプロセスに関する。本発明は、それらの調製において使用される中間体、それらを含む組成物、およびそれらの使用にも関する。
【0002】
本発明のトリアゾール誘導体は、バソプレシンアンタゴニストである。具体的には、これらは、V1a受容体のアンタゴニストであり、いくつかの治療的用途を有し、特に月経困難症(原発性および続発性)の治療において用途を有する。
【背景技術】
【0003】
月経障害の分野には未達成の大きなニーズがあり、月経がある全女性の最高90%がある程度は罹患していると推定されている。最高42%の女性が、月経痛が原因で仕事または他の活動をできず、また、結果として米国では1年に約6億時間の労働時間が失われていると概算されている{Coco,A.S.(1999年)Primary dysmenorrhoea.[総説][参考文献30]American Family Physician、60巻、489〜96頁}。
【0004】
下腹部における月経痛は、子宮筋の活動亢進および子宮内血流量の減少が原因で生じる。これらの病態生理学的変化により、背中および下肢に向かって放射状に広がる腹痛が生じる。これにより、女性は吐き気を感じ、頭痛を患い、かつ不眠症に苦しむ場合がある。この状態は月経困難症と呼ばれ、原発性月経困難症または続発性月経困難症のいずれかとして分類され得る。
【0005】
この状態を引き起こしている異常が1つも特定されない場合、原発性月経困難症と診断される。これは、女性人口の最高50%において発症する{Coco,A.S.(1999年)Primary dysmenorrhoea.[総説][参考文献30]American Family Physician、60巻、489〜96頁、Schroeder,B.およびSanfilippo,J.S.(1999年)Dysmenorrhoea and pelvic pain in adolescents.[総説][参考文献78]Pediatric Clinics of North America、46巻、555〜71頁}。子宮内膜症、骨盤内炎症性疾患(PID)、類線維腫、または癌など根源的な婦人科の障害が存在している場合、続発性月経困難症と診断される。続発性月経困難症は、月経困難症に罹患している女性の約25%においてしか診断されない。月経困難症は、婦人科の外来患者部門への紹介者の約12%を占める月経過多と併発する可能性がある。
【0006】
現在、原発性月経困難症に罹患している女性は、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)または経口避妊薬を用いて治療されている。続発性月経困難症の場合、根源的な婦人科の障害を直すために外科手術が行われることがある。
【0007】
月経困難症に罹患している女性の循環血中のバソプレシンレベルは、月経周期の同時期に健常な女性において観察されるレベルよりも高い。子宮のバソプレシン受容体でバソプレシンの薬理学的作用を阻害することにより、月経困難症を予防できる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の化合物は、様々な障害、特に攻撃性、アルツハイマー病、神経性食欲不振、不安、不安障害、喘息、アテローム性動脈硬化症、自閉症、心血管の疾患(アンギナ、アテローム性動脈硬化症、高血圧、心不全、浮腫、高ナトリウム血症を含む)、白内障、中枢神経系疾患、脳血管の虚血、肝硬変、認知障害、クッシング病、うつ病、糖尿病、月経困難症(原発性および続発性)、嘔吐(動揺病を含む)、子宮内膜症、胃腸疾患、緑内障、婦人科の疾患、心臓疾患、子宮内発育遅延、炎症(関節リウマチを含む)、虚血、虚血性心疾患、肺腫瘍、排尿障害、中間痛(mittlesmerchz)、新生物、腎毒性、非インスリン依存性糖尿病、肥満、強迫性障害、高眼圧症、子かん前症(preclampsia)、早発射精、時期尚早な(早期の)分娩、肺疾患、レイノー病、腎臓疾患、腎不全、男性もしくは女性の性機能不全、敗血症ショック、睡眠障害、脊髄損傷、血栓症、尿生殖路感染症、または尿石症の治療において潜在的に有用である。
【0009】
以下の疾患または障害、すなわち、不安、心血管疾患(アンギナ、アテローム性動脈硬化症、高血圧、心不全、浮腫、高ナトリウム血症を含む)、月経困難症(原発性および続発性)、子宮内膜症、嘔吐(動揺病を含む)、子宮内発育遅延、炎症(関節リウマチを含む)、中間痛、子かん前症、早発射精、時期尚早な(早期の)分娩、ならびにレイノー病が、特に注目に値する。
【0010】
本発明の化合物ならびに薬学的に許容できるそれらの塩および溶媒和物は、V1a受容体の選択的な阻害物質である(したがって、副作用が軽減されている可能性がある)か、より迅速に作用を発現し得るか、より強力であり得るか、より長い間作用し得るか、より高い生物学的利用能を有し得るか、または先行技術の化合物よりも望ましい他の特性を有し得るという利点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、式(I)
【0012】
【化1】

[式中、Rは、H、CF、およびC1〜6アルキル(C1〜6アルキルオキシまたはトリアゾリルで置換されていてもよい)から選択される基を表し、
はハロを表し、
環Aは、少なくとも1つのN原子を含む5員または6員の複素環(環は、2つ以上の炭素原子で架橋されていてもよい)を表し、
は、N、O、またはSから選択される少なくとも1つの原子を含む5員または6員の複素環を表し、この複素環は、C1〜6アルキル、オキソ、またはNHから選択される1つまたは複数の基で置換されていてもよく、この複素環は、5員もしくは6員のアリールまたはN、O、もしくはSから選択される少なくとも1つの原子を含む複素環とさらに縮合していてもよく、縮合アリールまたは複素環は、1つまたは複数のハロ原子で置換されている]
の化合物、または薬学的に許容できるその誘導体が提供される。
【0013】
上記の定義において、ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。必要な数の炭素原子を含むアルキル基、アルキレン基、およびアルキルオキシ基は、非分枝状でも分枝状でもよい。アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチルおよびt−ブチルが挙げられる。アルキルオキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、I−ブトキシ、sec−ブトキシ、およびt−ブトキシが挙げられる。アルキレンの例としては、メチレン、1,1−エチレン、1,2−エチレン、1,1−プロピレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、および2,2−プロピレンが挙げられる。Hetは、複素環基を表し、例としては、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、1,4−ジオキサニル、1,4−オキサチアニル、モルホリニル、1,4−ジチアニル、ピペラジニル、1,4−アザチアニル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル、5,6−ジヒドロ−2H−ピラニル、2H−ピラニル、1,2,3,4−テトラヒドロピリジニル、1,2,5,6−テトラヒドロピリジニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、1−オキサ−2,3−ジアゾリル、1−オキサ−2,4−ジアゾリル、1−オキサ−2,5−ジアゾリル、1−オキサ−3,4−ジアゾリル、1−チア−2,3−ジアゾリル、1−チア−2,4−ジアゾリル、1−チア−2,5−ジアゾリル、1−チア−3,4−ジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルが挙げられる。
【0014】
好ましくは、Rは、メチル、CF、CHOCH、またはトリアゾリルメチルを表す。好ましくは、Rは、クロロを表す。好ましくは、環Aは、ピペリジニルまたはピペラジニルを表す。好ましくは、Rは、N、O、またはSから選択される少なくとも1つの原子を含む5員または6員の複素環を表し、この複素環は、C1〜6アルキル、オキソ、またはNHから選択される1つまたは複数の基で置換されていてもよく、この複素環は、5員もしくは6員のアリールまたはN、O、もしくはSから選択される少なくとも1つの原子を含む複素環と縮合しており、縮合アリールまたは複素環は、1つまたは複数のハロ原子で置換されている。より好ましくは、Rは、N、O、またはSから選択される少なくとも1つの原子を含む5員または6員の複素環を表し、この複素環は、C1〜6アルキル、オキソ、またはNHから選択される1つまたは複数の基で置換されていてもよく、この複素環は、フェニル環またはピリジル環と縮合しており、このフェニル環またはピリジル環は、1つまたは複数のハロ原子で置換されている。どちらの複素環も芳香族でもよく、またはどちらも非芳香族でもよい。Rが、両方とも芳香族である縮合した複素環を含む、本発明の実施形態が企図される。Rが、一方が芳香族であり、かつもう一方が非芳香族である縮合した複素環を含む、本発明の代替の実施形態が企図される。Rが、どちらの複素環も芳香族ではない縮合した複素環を含む、代替の実施形態が企図される。Rが、アリール環に縮合された芳香族複素環を含む、代替の実施形態が企図される。Rが、アリール環に縮合された非芳香族複素環を含む、代替の実施形態が企図される。好ましくは、Rは、3つより多いヘテロ原子を含む。Rが4つのヘテロ原子を含む、本発明の実施形態が企図される。本発明の好ましい実施形態では、Rは、
【0015】
【化2】

を表す。
【0016】
前述の本発明の実施形態は、2つ以上の変動要素が組み合わせてより具体的に定義される別の実施形態が提供されるように、1つまたは複数の別の実施形態と組み合わせてよい。例えば、変動要素R、R、およびRすべてが、前述のより具体的な実施形態においてそれらに割り当てられた、より限定された定義を有する別の実施形態は、本発明の範囲内である。上記に説明および定義したより具体的な実施形態のこのような組合せはすべて、本発明の範囲内である。本発明による具体的な好ましい化合物、ならびに薬学的に許容できるそれらの塩または溶媒和物は、下記の実施例のセクションに挙げられるものである。具体的には、
1−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール;
1−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン;
1−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−3−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン;
5−クロロ−1−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン;
1−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−5−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン;
1−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール;
3−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}[1,3]オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2(3H)−オン;
3−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イルメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}[1,3]オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2(3H)−オン;
1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−4−(3−イソプロピル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン;
4−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン;
1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−4−(5−イソプロピル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン;
1−[4−(4−クロロフェニル)−5−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イルメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−4−(5−イソプロピル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン;
3−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン;
3−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン;
3−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン;
1−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン;
1−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−3−メチル−1,3−ジヒドロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール 2,2−ジオキシド;
3−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−6−フルオロ−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン;
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペラジン−1−イル}−1,2−ベンズイソチアゾール;
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペラジン−1−イル}−1,2−ベンズイソチアゾール 1,1−ジオキシド;
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペラジン−1−イル}−1,2−ベンズイソチアゾール;
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペラジン−1−イル}−1,2−ベンズイソチアゾール 1,1−ジオキシド;
3−{(3−endo)−8−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}−2−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン;
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−1−イル}−1,2−ベンズイソチアゾール;
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−(メトキシメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−1−イル}−1,2−ベンズイソチアゾール;
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−1−イル}イソチアゾロ[5,4−b]ピリジン;
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−1−イル}−1,2−ベンズイソチアゾール 1,1−ジオキシド;
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−1−イル}イソオキサゾロ[4,5−b]ピリジン;
および薬学的に許容できるそれらの誘導体である。
【0017】
本発明による式(I)の化合物の薬学的に許容できる誘導体には、式(I)の化合物の塩、溶媒和物、複合体、多形体、プロドラッグ、立体異性体、幾何異性体、互変異性型、および同位体変種(variation)が含まれる。好ましくは、式(I)の化合物の薬学的に許容できる誘導体は、式(I)の化合物の塩、溶媒和物、エステル、およびアミドを含む。より好ましくは、式(I)の化合物の薬学的に許容できる誘導体は、塩および溶媒和物である。
【0018】
式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩には、それらの酸付加塩および塩基塩が含まれる。
【0019】
適切な酸付加塩は、非毒性の塩を形成する酸から形成される。例としては、酢酸塩、アスパラギン酸、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/クロリド、臭化水素酸塩/ブロミド、ヨウ化水素酸塩/ヨージド、イセチオン酸塩、D−乳酸塩およびL−乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パルモエート(palmoate)、リン酸塩、リン酸水素塩、二水素リン酸塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、D−酒石酸塩およびL−酒石酸塩、トシル酸塩、ならびにトリフルオロ酢酸塩が挙げられる。特に適切な塩は、本発明の化合物のベシル酸誘導体である。
【0020】
適切な塩基塩は、非毒性の塩を形成する塩基から形成される。例としては、アルミニウム塩、アルギニン塩、ベンザチン塩、カルシウム塩、コリン塩、ジエチルアミン塩、ジオラミン塩、グリシン塩、リシン塩、マグネシウム塩、メグルミン塩、オラミン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、トロメタミン塩、および亜鉛塩が挙げられる。適切な塩に関する総説については、StahlおよびWermuth、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use、Wiley−VCH、バインハイム、ドイツ(2002年)を参照されたい。
【0021】
式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩は、必要に応じて、式(I)の化合物の溶液および望ましい酸または塩基を一緒に混合することによって、容易に調製することができる。塩は、溶液から沈殿させ、かつ濾過によって採取することができるか、または溶媒を蒸発させることによって回収することができる。塩のイオン化の程度は、完全にイオン化しているものからほぼイオン化していないものまで様々でよい。
【0022】
本発明の化合物は、非溶媒和型および溶媒和型のどちらでも存在してよい。「溶媒和物」という用語は、本明細書において、本発明の化合物および1種または複数種の薬学的に許容できる溶媒分子、例えばエタノールを含む分子複合体を説明するのに使用される。「水和物」という用語は、前記溶媒が水である場合に使用される。
【0023】
前述の溶媒和物とは対照的に薬物およびホストが化学量論的量または非化学量論的量で存在する、包接化合物、すなわち薬物とホストの包接錯体などの複合体は、本発明の範囲内に含まれる。同様に、化学量論的量または非化学量論的量で存在してよい2種以上の有機成分および/または無機成分を含む薬物の複合体も含まれる。結果として生じる複合体は、イオン化されていても、部分的にイオン化されていても、またはイオン化されていなくてもよい。このような複合体の総説については、HaleblianによるJ Pharm Sci、64巻(8号)、1269〜1288頁(1975年8月)を参照されたい。
【0024】
以下、式(I)の化合物および薬学的に許容できる誘導体への言及は、それらの塩、溶媒和物、および複合体、ならびにそれらの塩の溶媒和物および複合体への言及を含む。
【0025】
本発明の化合物には、上記に定義したような式(I)の化合物、以下に定義するそれらの多形体、プロドラッグ、および異性体(光学異性体、幾何異性体、および互変異性体を含む)、ならびに同位体で標識した式(I)の化合物が含まれる。
【0026】
説明したように、本発明は、上記に定義したような式(I)の化合物の多形体すべてを含む。
【0027】
式(I)の化合物のいわゆる「プロドラッグ」もまた、本発明の範囲内である。すなわち、それら自体は薬理学的活性をほとんどまたは全く持たない可能性がある式(I)の化合物のある種の誘導体は、身体中または身体表面に投与された場合に、所望の活性、例えば加水分解切断を有する式(I)の化合物に変換され得る。このような誘導体は、「プロドラッグ」と呼ばれる。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、14巻、ACS Symposium Series(T HiguchiおよびW Stella)ならびに「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987年(E B Roche編、American Pharmaceutical Association)において確認することができる。
【0028】
本発明によるプロドラッグは、例えば、式(I)の化合物中に存在する適切な官能基を、例えばH Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985年)において説明されているような「プロ部分(pro−moiety)」として当業者には公知である特定の部分で置換することによって、作製することができる。
【0029】
本発明によるプロドラッグのいくつかの例としては、
(i)式(I)の化合物が、カルボン酸官能基(−COOH)、そのエステル、例えば水素をC1〜8アルキルで置換したものを含むもの、
(ii)式(I)の化合物が、アルコール官能基(−OH)、そのエーテル、例えば水素をC1〜6アルカノイルオキシメチルで置換したものを含むもの、および
(iii)式(I)の化合物が、第1級アミノ基または第2級アミノ基(−NHまたは−NHR(式中、R≠H))、そのアミド、例えばC1〜10アルカノイルで1つまたは両方の水素を置換したものを含むもの、が挙げられる。
【0030】
前述の例に従った置換基のさらなる例および他のプロドラッグタイプの例は、前述の参考文献において確認することができる。
【0031】
最後に、式(I)のある種の化合物は、それら自体で、式(I)の他の化合物のプロドラッグとして作用し得る。
【0032】
1つまたは複数の不斉炭素原子を含む式(I)の化合物は、2種以上の立体異性体として存在することができる。式(I)の化合物がアルケニル基またはアルケニレン基を含む場合、シス/トランス(またはZ/E)幾何異性体が存在し得、また、化合物が、例えばケト基もしくはオキシム基または芳香族部分を含む場合は、互変異性の異性(「互変異性」)が存在し得る。したがって、単一の化合物が複数のタイプの異性を提示し得るということになる。
【0033】
複数のタイプの異性を提示する化合物、およびそれらの1つまたは複数の混合物を含めて、式(I)の化合物のすべての立体異性体、幾何異性体、および互変異性型は、本発明の範囲内に含まれる。同様に、対イオンが光学的に活性である酸付加塩または塩基塩、例えばD−乳酸塩もしくはL−リシン塩、またはラセミ体、例えばDL−酒石酸塩もしくはDL−アルギニン塩も含まれる。
【0034】
シス/トランス異性体は、当業者に周知である従来の技術、例えば分別晶出およびクロマトグラフィーによって分離することができる。
【0035】
個々の鏡像異性体を調製/単離するための従来の技術には、光学的に純粋な適切な前駆物質からのキラル合成、または例えばキラルHPLCを用いた、ラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割が含まれる。
【0036】
あるいは、ラセミ体(またはラセミ体前駆物質)を、光学的に活性な適切な化合物、例えばアルコールと、または、式(I)の化合物が酸性部分もしくは塩基性部分を含む場合には、酒石酸や1−フェニルエチルアミンなどの酸もしくは塩基と、反応させてもよい。結果として生じるジアステレオマー混合物を、クロマトグラフィーおよび/または分別晶出によって分離し、かつジアステレオマーの一方または両方を、当業者には周知である手段により、対応する純粋な鏡像異性体に変換することができる。
【0037】
本発明のキラル化合物(およびそれらのキラル前駆物質)は、0〜50%、典型的には2〜20%のイソプロパノールおよび0〜5%のアルキルアミン、典型的には0.1%のジエチルアミンを含む、炭化水素、典型的にはヘプタンまたはヘキサンからなる移動相を用いて不斉性樹脂上でクロマトグラフィー、典型的にはHPLCを用いることにより、鏡像異性体が豊富な形態で得ることができる。溶出液を濃縮することにより、濃縮された混合物が得られる。
【0038】
立体異性体の集合体は、当業者に公知である従来技術によって分離することができる。例えば、E L Elielによる「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley、ニューヨーク、1994年)を参照されたい。
【0039】
本発明はまた、1つまたは複数の原子が、同一の原子番号を有するが、自然界で通常認められる原子量または質量数とは異なる原子量または質量数を有する原子で置換されている、式(I)の化合物の薬学的に許容できる同位体変種すべても含む。
【0040】
本発明の化合物に含まれるのに適した同位体の例としては、HやHなどの水素同位体、11C、13C、および14Cなどの炭素同位体、13Nや15Nなどの窒素同位体、15O、17O、および18Oなどの酸素同位体、32Pなどのリン同位体、35Sなどの硫黄同位体、18Fなどのフッ素同位体、123Iや125Iなどのヨウ素同位体、ならびに36Clなどの塩素同位体が挙げられる。
【0041】
同位体で標識した式(I)のある種の化合物、例えば放射性同位体を取り込んでいるものは、薬物および/または基質の組織分布を研究する際に有用である。放射性同位体のトリチウム、すなわちH、および炭素14、すなわち14Cは、取込みが容易であり、かつ検出手段が容易であるため、この目的において特に有用である。
【0042】
重水素、すなわちHなどのより重い同位体で置換することにより、代謝安定性の向上、例えばin vivoでの半減期の延長または必要投薬量の減少の結果として生じるいくつかの治療上の利点をもたらすことができ、したがって、置換は、いくつかの状況において好ましい場合がある。
【0043】
11C、18F、15O、および13Nなどの陽電子放出同位体による置換は、基質受容体占有率を検査するための陽電子放出断層撮影(PET)研究において有用となり得る。
【0044】
同位体で標識した式(I)の化合物は、一般に、当業者に公知である従来技術によって、または、添付の実施例および調製例において説明するプロセスに類似したプロセスにより、以前に使用された非標識反応物の代わりに適切な同位体標識反応物を用いて、調製することができる。
【0045】
本発明による薬学的に許容できる溶媒和物としては、晶出の溶媒が同位体で置換され得る、例えばDO、d−アセトン、およびd−DMSOであるものが挙げられる。
【0046】
本発明の化合物は、治療法において有用である。したがって、本発明の別の態様は、式(I)の化合物、または薬学的に許容できるそれらの塩もしくは溶媒和物の医薬品としての使用である。
【0047】
本発明の化合物は、V1aアンタゴニストとしての活性を示す。特に、これらは、攻撃性、アルツハイマー病、神経性食欲不振、不安、不安障害、喘息、アテローム性動脈硬化症、自閉症、心血管の疾患(アンギナ、アテローム性動脈硬化症、高血圧、心不全、浮腫、高ナトリウム血症を含む)、白内障、中枢神経系疾患、脳血管の虚血、肝硬変、認知障害、クッシング病、うつ病、糖尿病、月経困難症(原発性および続発性)、嘔吐(動揺病を含む)、子宮内膜症、胃腸疾患、緑内障、婦人科の疾患、心臓疾患、子宮内発育遅延、炎症(関節リウマチを含む)、虚血、虚血性心疾患、肺腫瘍、排尿障害、中間痛、新生物、腎毒性、非インスリン依存性糖尿病、肥満、強迫性障害、高眼圧症、子かん前症、早発射精、時期尚早な(早期の)分娩、肺疾患、レイノー病、腎臓疾患、腎不全、男性もしくは女性の性機能不全、敗血症ショック、睡眠障害、脊髄損傷、血栓症、尿生殖路感染症、または尿石症、睡眠障害、脊髄損傷、血栓症、尿生殖路感染症、または尿石症を含めて、いくつかの状態の治療において有用である。月経困難症(原発性または続発性)、より具体的には、原発性月経困難症が、特に注目に値する。
【0048】
したがって、本発明の別の態様は、治療有効量の式(I)の化合物、または薬学的に許容できるそれらの塩もしくは溶媒和物を哺乳動物に投与するステップを含む、V1aアンタゴニストが適応される障害を治療するための、ヒトを含む哺乳動物の治療方法である。特に、式(I)の化合物は、不安、心血管疾患(アンギナ、アテローム性動脈硬化症、高血圧、心不全、浮腫、高ナトリウム血症を含む)、月経困難症(原発性および続発性)、子宮内膜症、嘔吐(動揺病を含む)、子宮内発育遅延、炎症(関節リウマチを含む)、中間痛、子かん前症、早発射精、時期尚早な(早期の)分娩、またはレイノー病を治療する際に有用である。さらにより具体的には、これらは、月経困難症(原発性または続発性)を治療する際に有用である。
【0049】
本発明の別の態様は、V1a受容体アンタゴニストが適応される障害を治療するための医薬品の製造における、式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物の使用である。
【0050】
式(I)の化合物はすべて、下記に提示する一般的な方法において説明される手順によって、もしくは実施例のセクションおよび調製例のセクションにおいて説明される特定の方法によって、またはそれらの常用的な改変法によって調製することができる。本発明はまた、式(I)の化合物を調製するためのこれらのプロセスのうちいずれかまたは1つもしくは複数も、それらの中で使用される任意の新規な中間体に加えて、包含する。
【0051】
本明細書において別段の記載がない限り、
WSCDIは、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩を意味し、
DCCは、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを意味し、
HOATは、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾールを意味し、
HOBTは、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物を意味し、
PyBOP(登録商標)は、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファートを意味し、
PyBrOP(登録商標)は、ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファートを意味し、
HBTUは、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートを意味し、
mCPBAは、メタ−クロロ過安息香酸を意味し、
EtNはトリエチルアミンを意味し、
NMMは、N−メチルモルホリンを意味し、
Bocは、tert−ブトキシカルボニルを意味し、
CBzは、ベンジルオキシカルボニルを意味し、
p−TSAは、p−トルエンスルホン酸を意味し、
DBUは、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンを意味し、
MeIは、ヨウ化メチルを意味し、
MeTosylateは、p−トルエンスルホン酸メチルを意味し、
MeOHはメタノールを意味し、EtOHはエタノールを意味し、EtOAcは酢酸エチルを意味し、MeCNはアセトニトリルを意味し、
THFはテトラヒドロフランを意味し、DMSOはジメチルスルホキシドを意味し、DCMはジクロロメタンを意味し、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドを意味し、NMPはN−メチル−2−ピロリジノンを意味し、DMAはジメチルアセトアミドを意味し、
AcOHは酢酸を意味し、TFAはトリフルオロ酢酸を意味し、
Meはメチルを意味し、Etはエチルを意味し、
Clはクロロを意味し、かつ
OHはヒドロキシを意味する。
【0052】
以下の一般的な方法において、R、R、R、および環Aは、別段の記載がない限り、式(I)の化合物に関して先に定義したとおりである。
【0053】
が環A内の窒素原子に結合している場合、式(I)の化合物はスキーム1に従って調製することができる。
【0054】
【化3】

PGは、適切なN保護基、典型的にはベンジル、BOC基またはCBz基、好ましくはBOC基を表す。
【0055】
式(II)の化合物は、WO97/03986に記載されているようにして、または標準的な条件下で、対応する低級アルキルエステル(例えばメチルエステルもしくはエチルエステル)をヒドラジンと反応させることによって、得ることができる。
【0056】
ステップ(a):式(III)の化合物は、THFやDMFなどの適切な溶媒中、室温〜約60℃の温度で、最長18時間、式(II)のヒドラジドを適切なアセタール(例えばN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール)と反応させることによって、調製することができる。次いで、結果として生じる中間体を、高沸点溶媒(例えば、トルエンまたはキシレン)中で約18時間、酸触媒(例えば、p−TSAまたはTFA)下で処理して、式(III)の化合物を得ることができる。好ましい条件:THF中、室温〜60℃の温度で、約18時間、1.5当量のアセタール(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール)と反応させ、続いて、トルエン中、還流下で、p−TSA(触媒)と18時間反応させる。
【0057】
ステップ(b):トリアゾール(IV)の形成は、TFAやp−TSAなどの適切な酸触媒の存在下、適切な高沸点溶媒(例えば、トルエンまたはキシレン)中、高温にて、式(III)の化合物を適切なアニリンと反応させることにより、実現することができる。好ましい条件:1当量の(III)、0.8当量のTFA、1.2当量のアニリンを、トルエン中、ほぼ還流温度で最長18時間反応させる。
【0058】
ステップ(C):化合物(IV)の脱保護は、T.W.GreeneおよびP.Wutzによる「Protecting Groups in Organic Synthesis」において記載されているように、標準的な方法論を用いて実施される。PGがBOCを表す場合の好ましい条件:1当量の(IV)、過剰量のジオキサン中4M HClを、MeOH、ジオキサン、またはDCM中、ほぼ室温で最長18時間反応させる。
【0059】
あるいは、PGがBOCを表す場合、式(V)の化合物は、トルエン中、反応の還流温度で最長2日間、過剰量のTFA(典型的には1.7当量〜3.5当量)および適切なアニリンで処理することによって、式(III)の化合物から直接調製することもできる。
【0060】
ステップ(d):式(I)の化合物は、適切な溶媒(例えばMeCN、DMF)中、適切な塩基(例えば、KCO、CsCO、DBU)の存在下、室温〜反応の還流温度で、適切なアルキル化剤、すなわちRLG(LGは、脱離基、典型的にはハロ原子、好ましくはClを表す)を用いて式(V)の化合物をアルキル化することによって、調製することができる。好ましい条件:1当量の(V)、1.2当量のRLG、1.0〜1.1当量のDBUを、MeCN中、室温で最長48時間反応させる。
【0061】
式(I)の化合物は、Rが環A内の窒素原子に結合し、かつ環AがN原子を介してトリアゾールに結合している場合、別法としてスキーム2において説明するようにして調製することができる。
【0062】
【化4】

式(VI)の化合物は、市販されている。式(VII)の化合物は、文献、例えばHenningら、J.Med.Chem.1987年、30巻、8140819頁、ButlerらによるWO02/20011、ArmourらによるWO00/39125、またはCummingらによるWO04/099178において記載されている方法と同様にして、得ることができる。
【0063】
ステップ(e):式(VIII)の化合物は、ほぼ等モル量の式(VI)のイソチオシアナートおよび式(VII)のアミンまたはアミン塩を、適切な溶媒(例えばEtOH、DCM)中で、場合により塩基(例えば、EtN、ヒューニッヒ塩基)の存在下、室温で2〜48時間反応させることによって調製することができる。好ましい条件:1.0当量の(VI)、1.0当量の(VII)を、EtOHまたはDCM中、場合により1.3当量のEtNの存在下、室温で2時間反応させる。
【0064】
ステップ(f):式(IX)の化合物は、適切な溶媒(例えばTHF、エーテル)中、適切な塩基(例えばKOt−Bu)の存在下、0℃〜反応の還流温度で、約18時間、適切なメチル化剤(例えば、MeI、MeTosylate)を用いて式(VIII)のチオ尿素をメチル化することによって、調製することができる。好ましい条件:1当量の(VIII)、1〜1.2当量のKOt−Bu、1.0当量のMeTosylateを、THF中、室温で最長18時間反応させる。
【0065】
ステップ(g):式(I)の化合物は、適切な溶媒(例えば、THF、n−BuOH)中、室温〜反応の還流温度で、場合により酸触媒(例えば、TFA、p−TSA)下で、式(IX)の化合物を適切なヒドラジド(RCONHNH)と反応させることによって、調製することができる。好ましい条件:1当量の(IX)、0.5〜1.5当量のTFA、1.0〜3.0当量のヒドラジド(RCONHNH)を、THF中、還流下で最長3時間反応させる。
【0066】
あるいは、式(I)の化合物は、「ワンポット」手順において、式(IX)の化合物を経て、式(VIII)の化合物から調製することもできる。
【0067】
が、5員または6員のアリールまたは複素環と縮合している、5員または6員の複素環を表す、式(I)のある種の化合物は、以下のスキーム3において示すようにして調製することができる。
【0068】
【化5】

環Arは、アリールまたは5員もしくは6員の複素環を表す。Halは、ハライド、典型的にはフルオロ、クロロ、またはブロモ、好ましくはフルオロまたはクロロを表す。
【0069】
ステップ(h):式(X)の化合物は、適切な溶媒(例えば、THF、DMF)中、室温〜反応の還流温度にて、場合により適切な塩基(例えば、EtN、ヒューニッヒ塩基、NMM)の存在下で、式(V)のアミンを式(X)の適切なハライドと反応させることによって、調製することができる。好ましい条件:1当量のアミン(V)、1当量の(X)、0〜3当量のEtNを、THFまたはTHF/DMF中、室温〜反応の還流温度で、約24時間反応させる。
【0070】
ステップ(i):式(XII)の化合物は、適切な還元条件下で式(XI)の化合物を還元することによって調製することができる。典型的には、これは、ほぼ室温にて、EtOH、MeOH、もしくはTHFなど適切な溶媒中で適切な触媒(例えばRaney(登録商標)Ni)を用いて、または、高温にて、エタノールなどの溶媒中、還元性の金属系(例えばSnCl/HCl)の存在下で、水素付加することによって実現することができる。好ましい条件:Raney(登録商標)Ni、ニトロ化合物(XI)を、EtOHおよびTHF中、30psi H、室温で、約18時間反応させる。
【0071】
ステップ(j):式(I)の化合物は、標準的な方法論、例えば、Katritzkyらの「Comprehensive Heterocyclic Chemistry」(Pergamon出版、ニューヨーク)に記載されているものによって、または後述の方法によって、得ることができる。
【0072】
が、
【0073】
【化6】

を表す場合、好ましい条件は、THF中、1当量の(XII)、3当量のCDI、室温〜反応の還流温度で、約25時間、である。
【0074】
が、
【0075】
【化7】

を表す場合、好ましい条件は、ギ酸中、1当量の(XII)、還流下で約18時間、である。
【0076】
が、
【0077】
【化8】

を表す場合、好ましい条件は、HCl(水溶液)中、1当量の(XII)、1.05〜1.1当量のNaNO、0℃、最長1時間、である。
【0078】
が、
【0079】
【化9】

を表す場合、好ましい条件は、THF中、1当量の(XII)、1.4当量のBrCN、還流下、最長66時間、である。
【0080】
が、
【0081】
【化10】

を表す場合、好ましい条件は、ピリジン中、1当量の(XII)、2当量のHNSONH、還流下、約18時間、である。
【0082】
あるいは、Rが、
【0083】
【化11】

を表す式(I)の化合物は、以下のスキーム4において示すようにして調製することができる。
【0084】
【化12】

Halはハロゲン、典型的にはFまたはCl、好ましくはFを表す。
【0085】
ステップ(k):式(XIV)の化合物は、DCM、MeCNなどの適切な溶媒中、適切な塩基、典型的にはEtN、NMM、またはヒューニッヒ塩基の存在下、ほぼ室温で約18時間、式(V)のピペリジンを式(XIII)の塩化イミドイルと反応させることによって、調製することができる。好ましい条件:1当量の(XIII)、1.5当量の(V)、3当量のEtNを、DCM中、室温で18時間反応させる。式(XIII)の化合物は、Liuら、J.Org.Chem.1980年、45巻、3916〜3918頁、またはLamら、Biiorg.Med.Chem.Lett.13巻(10号)、1795頁、2003年の方法と同様にして、調製することができる。
【0086】
ステップ(l):式(I)の化合物は、式(XIV)の化合物の環化によって得ることができる。この反応は、適切な溶媒または溶媒の混合物(例えば、トルエン、THF、DMF)中、高温で約24時間、適切な塩基(例えば、KCO、NaH)で処理し、続いて適切な酸性アルコール溶液(例えばAcOH/EtOH)で処理することによって、実現することができる。好ましい条件:1当量の(XIV)、1.1当量のNaHを、トルエン中、還流下で18時間反応させ、続いてEtOH中AcOHで処理する。
【0087】
式(III)の化合物は、RがC〜Cアルキルオキシで置換されたCアルキルを表す場合、別法として、以下のスキーム5において示すようにして調製することもできる。
【0088】
【化13】

【0089】
ステップ(m):式(III)の化合物は、適切な溶媒(例えば、DMF、MeCN、またはROH)中、適切な塩基(例えば、KOt−Bu、NaH)の存在下、室温〜反応の還流温度で、約18時間、式(XV)の化合物を適切なアルコールと反応させることによって、調製することができる。好ましい条件:1当量の(XV)、1.5当量のKOtBuを、ROH中、室温〜50℃で最長18時間反応させる。
【0090】
式(III)の化合物は、QがNRを表す場合、またはQが直接的な結合を表し、環A内のN原子に結合されている場合、別法として、スキーム6において示すようにして調製することもできる。
【0091】
【化14】

【0092】
ステップ(n):式(XVI)のジアシルヒドラジドは、酸または酸塩化物をアミンと反応させるための標準的な方法論を用いて、式(II)のヒドラジドを酸または酸塩化物(RCOT、TはClもしくはOHを表す)と結合させることによって、調製することができる。
【0093】
ステップ(o):式(III)のオキサジアゾールは、場合により適切な溶媒(例えばDCM)中で、典型的には、酸触媒(例えば、ポリリン酸、POCl、トリフル酸無水物/ピリジン、または1−メチルイミダゾール)下、0℃〜反応の還流温度にて、式(XVI)の化合物を環化することによって、調製することができる。
【0094】
式(I)のある種の化合物は、標準的な反応(例えばアルキル化)または官能基の変換(例えば酸化)を経て、式(I)の代替の化合物になり得ることは、当業者には理解されるであろう。このことは、下記の実施例18および実施例28によって例証する。
【0095】
薬学的用途の本発明の化合物は、結晶性生成物または非結晶性生成物として投与され得る。これらは、例えば、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥、または蒸発乾燥などの方法により、固形プラグ(plug)、散剤、またはフィルム剤として得ることができる。マイクロ波乾燥または高周波乾燥が、この目的のために使用され得る。
【0096】
これらは、単独で、または本発明の1種もしくは複数種の他の化合物と組み合わせて、または1種もしくは複数種の他の薬物と組み合わせて(またはそれらの任意の組合せとして)投与され得る。一般に、これらは、1種または複数種の薬学的に許容できる賦形剤と組み合わせた製剤として投与される。「賦形剤」という用語は、本明細書において、本発明の化合物以外の任意の成分を記述するために使用される。賦形剤の選択は、具体的な投与様式、賦形剤が溶解性および安定性に与える影響、ならびに剤形の性質などの因子に大きく依存すると考えられる。
【0097】
本発明の別の態様は、薬学的に許容できる賦形剤、希釈剤、または担体と共に、式(I)の化合物、または薬学的に許容できるそれらの塩もしくは溶媒和物を含む医薬製剤である。別の実施形態では、予防的に、または疼痛が始まった場合に投与するための医薬製剤が提供される。
【0098】
本発明の化合物の送達に適した医薬組成物およびそれらを調製するための方法は、当業者には容易に明らかになるであろう。このような組成物およびそれらを調製するための方法は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第19版(Mack Publishing Company、1995年)において見出すことができる。
【0099】
本発明の化合物は、経口投与され得る。経口投与は、化合物が胃腸管に移行するように、嚥下を使用してもよく、または化合物が口から血流に直接移行する、口腔内投与もしくは舌下投与を使用してもよい。
【0100】
経口投与に適した製剤としては、固形製剤、例えば、錠剤、微粒子、液体、または粉末を含むカプセル剤、ロゼンジ(液体入りを含む)、そしゃく錠、多粒子剤およびナノ粒子剤、ゲル剤、固溶体、リポソーム、フィルム剤、膣坐剤(ovule)、スプレー剤、および液体製剤が挙げられる。液体製剤としては、懸濁剤、溶液剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が挙げられる。このような製剤は、軟カプセル剤または硬カプセル剤中の充填物として使用することができ、典型的には、担体、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または適切な油、ならびに1種または複数種の乳化剤および/または懸濁化剤を含む。液体製剤は、固形物を溶解することによって、例えばサシェ剤から調製することもできる。
【0101】
本発明の化合物は、LiangおよびChen(2001年)によるExpert Opinion in Therapeutic Patents、11巻(6号)、981〜986頁に記載されているものなど、速溶解性かつ速崩壊性の剤形においても使用され得る。
【0102】
錠剤剤形の場合、用量に応じて、薬物は、剤形の1重量%〜80重量%、より典型的には剤形の5重量%〜60重量%を占めてよい。薬物に加えて、錠剤は、崩壊剤を通常含む。崩壊剤の例としては、グリコール酸デンプンナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキルで置換されたヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、α化デンプン、およびアルギン酸ナトリウムが挙げられる。一般に、崩壊剤は、剤形の1重量%〜25重量%、好ましくは5重量%〜20重量%を構成する。
【0103】
結合剤は、一般に、錠剤製剤に粘着性を与えるために使用される。適切な結合剤としては、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成のゴム、ポリビニルピロリドン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。錠剤は、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥された一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプン、および第二リン酸カルシウム二水和物も含んでよい。
【0104】
錠剤は、ラウリル硫酸ナトリウムやポリソルベート80などの界面活性剤、および二酸化ケイ素やタルクなどの流動促進剤も場合により含んでよい。存在する場合、界面活性剤は、錠剤の0.2重量%〜5重量%を構成してよく、流動促進剤は、錠剤の0.2重量%〜1重量%を構成してよい。
【0105】
錠剤は、一般に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物などの滑沢剤も含む。滑沢剤は、一般に、錠剤の0.25重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜3重量%を構成する。
【0106】
他の含まれ得る成分としては、抗酸化剤、着色剤、矯味剤、保存剤、および苦味マスキング剤が挙げられる。
【0107】
例示的な錠剤は、最大約80%の薬物、約10重量%〜約90重量%の結合剤、約0重量%〜約85重量%の希釈剤、約2重量%〜約10重量%の崩壊剤、および約0.25重量%〜約10重量%の滑沢剤を含む。
【0108】
錠剤配合物を直接またはローラーで圧縮して、錠剤を形成させることができる。あるいは、錠剤配合物または配合物の一部分を、湿式造粒、乾式造粒、もしくは溶融造粒、溶融凝固、または押し出しした後、錠剤化してもよい。最終製剤は、1つまたは複数の層を含んでよく、また、コーティングされていもコーティングされていなくてもよい。さらにはカプセル化されていてもよい。
【0109】
錠剤の調剤は、H.LiebermanおよびL.LachmanによるPharmaceutical Dosage Forms:Tablets、1巻、(Marcel Dekker、ニューヨーク、1980年)において考察されている。
【0110】
ヒトまたは家畜に使用するための消費可能な経口フィルム剤は、典型的には、柔軟な水溶性または水膨潤性の薄いフィルム剤形であり、これは、迅速に溶解しても、粘膜付着性でもよく、かつ典型的には、式(I)の化合物、フィルム形成ポリマー、結合剤、溶剤、湿潤剤、可塑剤、安定化剤もしくは乳化剤、粘度調整剤、および溶媒を含んでよい。製剤の一部の成分は、複数の機能を果たし得る。
【0111】
式(I)の化合物は、水溶性でも不溶性でもよい。水溶性の化合物は、典型的には、1重量%〜80重量%、より典型的には20重量%〜50重量%の溶質を含む。溶解性のより低い化合物は、より高い比率の組成物、典型的には最大88重量%の溶質を含み得る。あるいは、式(1)の化合物は、多粒子ビーズの形態であってもよい。
【0112】
フィルム形成ポリマーは、天然多糖、タンパク質、または合成親水コロイドから選択することができ、かつ、典型的には0.01重量%〜99重量%の範囲、より典型的には30重量%〜80重量%の範囲で存在する。
【0113】
他の含まれ得る成分としては、抗酸化剤、着色剤、矯味矯臭剤および風味増強剤、保存剤、唾液分泌刺激剤、清涼化剤、補助溶剤(油を包む)、緩和剤、増量剤、消泡剤、界面活性剤、ならびに苦味マスキング剤が挙げられる。
【0114】
本発明によるフィルム剤は、典型的には、剥離可能な裏当てとなる支持体または紙の上にコーティングされた薄い水溶性フィルムを蒸発乾燥することにより、製造される。これは、乾燥炉もしくはトンネル乾燥機、典型的には一体型のコーター乾燥機中で、または凍結乾燥もしくは真空化により実施することができる。
【0115】
経口投与用の固形製剤は、即時放出および/または調節放出されるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延放出、持続放出、間欠的放出、制御放出、標的化放出、および計画放出が含まれる。
【0116】
本発明の目的に適した調節放出製剤は、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散液ならびに浸透性粒子およびコーティング粒子など他の適切な放出技術の詳細は、VermaらによるPharmaceutical Technology On−line、25巻(2号)、1〜14頁(2001年)において確認することができる。制御放出を実現するためのチューインガムの使用は、WO00/35298に記載されている。
【0117】
本発明の化合物は、血流中、筋肉中、または内臓中に直接投与することもできる。非経口投与に適した手段としては、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、および皮下が挙げられる。非経口投与に適した器具としては、針(微細針を包む)注射器、無針注射器、および輸注技術が挙げられる。
【0118】
非経口製剤は、典型的には、塩、炭水化物、および緩衝剤(好ましくはpH3〜9に緩衝するもの)などの賦形剤を含み得る水性液剤であるが、一部の用途においては、それらは、無菌の非水性液剤として、または無菌のパイロジェンフリー水など適切なビヒクルと組み合わせて使用される乾燥型として、より適切に製剤化され得る。
【0119】
滅菌条件下での、例えば凍結乾燥による非経口製剤の調製は、当業者に周知の標準的製薬技術を用いて容易に遂行することができる。
【0120】
非経口液剤の調製において使用される式(I)の化合物の溶解性は、溶解促進剤の混合など適切な製剤技術の使用によって、上昇させることができる。
【0121】
非経口投与用の製剤は、即時放出および/または調節放出されるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延放出、持続放出、間欠的放出、制御放出、標的化放出、および計画放出が含まれる。したがって、本発明の化合物は、活性化合物の調節放出を実現する埋め込み型デポー剤として投与するための固体、半固体、またはチキソトロピー液として製剤化することができる。このような製剤の例としては、薬物コーティングステントおよびdl−乳酸−グリコール酸共重合体(PGLA)マイクロスフェアが挙げられる。
【0122】
本発明の化合物は、皮膚または粘膜に局所的に、すなわち、皮膚にまたは経皮的に投与することもできる。この目的用の典型的な製剤としては、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤、散布剤、包帯剤、フォーム剤、フィルム剤、皮膚パッチ、カシェ剤、埋め込み剤、外科用ガーゼ、ファイバー(fibre)、絆創膏、およびマイクロエマルジョンが挙げられる。リポソームも、使用され得る。典型的な担体としては、アルコール、水、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールが挙げられる。浸透促進剤を混合してもよい。例えば、FinninおよびMorganによるJ Pharm Sci、88巻(10号)、955〜958頁(1999年10月)を参照されたい。
【0123】
局所投与の他の手段としては、エレクトロポレーション、イオントフォレシス、フォノフォレシス、ソノフォレーシス、および微細針注射または無針注射(例えばPowderject(商標)、Bioject(商標)など)による送達が挙げられる。
【0124】
局所投与用の製剤は、即時放出および/または調節放出されるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延放出、持続放出、間欠的放出、制御放出、標的化放出、および計画放出が含まれる。
【0125】
本発明の化合物は、典型的には乾燥粉末吸入器から乾燥粉末の形態で(単独で、混合物として、例えばラクトースとの乾燥配合物中で、もしくは、例えばホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合した混合成分粒子として)、または、1,1,1,2−テトラフルオロエタンや1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴射剤を使用もしくは使用せずに、加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器(好ましくは電気流体力学を用いて微細ミストを生成する噴霧器)、もしくはネブライザーからのエアゾールスプレーとして、鼻腔内投与または吸入投与することもできる。鼻腔内使用の場合、粉末は、生体接着剤、例えば、キトサンまたはシクロデキストリンを含んでよい。
【0126】
加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器、またはネブライザーは、例えば、エタノール、水溶性エタノール、または活性物質の分散、可溶化、もしくは放出の延長に適した代替物質、噴射剤を溶剤として含み、かつトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、またはオリゴ乳酸などの界面活性剤を場合により含む、本発明の化合物の溶液または懸濁液を含む。
【0127】
乾燥粉末または懸濁製剤中で使用する前に、製剤は、吸入による送達に適したサイズ(典型的には5ミクロン未満)まで微粉化される。これは、スパイラルジェット粉砕、流動床ジェット粉砕、ナノ粒子を形成させる超臨界流体加工、高圧均質化、または噴霧乾燥など任意の適切な粉砕方法によって実現することができる。
【0128】
吸入器または吹入器において使用するためのカプセル(例えば、ゼラチン製またはヒドロキシプロピルメチルセルロース製)、ブリスター、およびカートリッジは、本発明の化合物の粉末ミックス、ラクトースやデンプンなど適切な粉末基剤、およびl−ロイシン、マンニトール、またはステアリン酸マグネシウムなどの性能調整剤(performance modifier)を含むように製剤化することができる。ラクトースは無水でも、一水和物の形態でもよく、好ましくは後者である。他の適切な賦形剤としては、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、およびトレハロースが挙げられる。
【0129】
電気流体力学を用いて微細ミストを生成する噴霧器において使用するのに適した液剤製剤は、作働1回当たり1μg〜20mgの本発明の化合物を含んでよく、また、作動体積は1μl〜100μlまで変動し得る。典型的な製剤は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール、および塩化ナトリウムを含んでよい。プロピレングリコールの代わりに使用され得る代替の溶剤としては、グリセロールおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0130】
メントールやレボメントールなど適切な香料、またはサッカリンやサッカリンナトリウムなどの甘味料を、吸入投与/鼻腔内投与向けの本発明の製剤に添加してもよい。
【0131】
吸入投与/鼻腔内投与用の製剤は、例えばPGLAを用いて、即時放出および/または調節放出されるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延放出、持続放出、間欠的放出、制御放出、標的化放出、および計画放出が含まれる。
【0132】
乾燥粉末吸入器およびエアゾールの場合、投薬単位は、計測量を送達するバルブによって決定される。1日の総用量は、典型的には、0.01μg〜15mgの範囲であり、これは、1回量で投与しても、より一般的には、1日を通して分割投与してもよい。
【0133】
本発明の化合物は、直腸内または膣内に、例えば、坐剤、膣坐剤、または浣腸の形態で投与することができる。ココアバターが伝統的な坐剤基剤であるが、必要に応じて様々な代替物質を用いることができる。
【0134】
直腸/腟投与用の製剤は、即時放出および/または調節放出されるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延放出、持続放出、間欠的放出、制御放出、標的化放出、および計画放出が含まれる。
【0135】
本発明の化合物は、典型的には、等張性のpH調整した無菌生理食塩水中の微粉砕懸濁液または溶液の液滴の形態で、眼または耳に直接投与することもできる。眼および耳への投与に適した他の製剤としては、軟膏剤、生分解性埋め込み剤(例えば、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性埋め込み剤(例えばシリコン)、カシェ剤、レンズ、および微粒子系または小胞系、例えばニオソームもしくはリポソームが挙げられる。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロースポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、もしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、例えばゲランゴムなどのポリマーを、塩化ベンザルコニウムなどの保存剤と共に混合することができる。このような製剤は、イオントフォレシスによって送達することもできる。
【0136】
眼/耳投与用の製剤は、即時放出および/または調節放出されるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延放出、持続放出、間欠的放出、制御放出、標的化放出、または計画放出が含まれる。
【0137】
本発明の化合物は、上記の投与様式のいずれかにおいて使用するために、それらの溶解性、溶解速度、苦味マスキング、生物学的利用能、および/または安定性を改善するために、シクロデキストリンおよび適切なその誘導体またはポリエチレングリコール含有ポリマーなどの可溶性巨大分子単位と組み合わせることができる。
【0138】
例えば、薬物−シクロデキストリン複合体は、大半の剤形および投与経路に一般的に有用であることが判明している。包接錯体および非包接錯体の双方が使用され得る。薬物との複合体形成を誘導するための代替物として、シクロデキストリンを補助添加物として、すなわち担体、希釈剤、または可溶化剤として使用してもよい。これらの目的のために最もよく使用されるものは、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、およびγ−シクロデキストリンであり、これらの例は、国際特許出願WO91/11172、WO94/02518、およびWO98/55148において確認することができる。
【0139】
例えば、特定の疾患または症状を治療するために、活性化合物の組合せを投与することが望ましい場合があるため、2種以上の医薬組成物(そのうち少なくとも1種は本発明による化合物を含む)を、それらの組成物の併用投与に適したキットの形態で便宜的に組み合わせてよいことは、本発明の範囲内である。
【0140】
したがって、本発明のキットは、2種以上の別々の医薬組成物(そのうち少なくとも1種は本発明による式(I)の化合物を含む)、および、容器、分割されたビン、または分割されたホイル製の包みなど前記組成物を別々に保持するための手段を含む。このようなキットの例は、錠剤、カプセル剤などの包装に使用される、よく知られているブリスター包装である。
【0141】
本発明のキットは、異なる剤形、例えば経口剤形および非経口剤形を投与するために、別々の組成物を異なる投与間隔で投与するために、または別々の組成物を互いに対して用量調節するために、特に適している。服用遵守を支援するために、キットは、投与に関する指示を典型的には含み、また、いわゆる記憶補助と共に提供してよい。
【0142】
ヒト患者に投与する場合、本発明の化合物の1日の総用量は、当然ながら投与様式に応じ、典型的には0.01mg〜15mgの範囲である。1日の総用量は、1回量または分割量で投与してよく、また、医師の裁量で、本明細書に記載した典型的な範囲から外れた量になってもよい。
【0143】
これらの投薬量は、体重が約60kg〜70kgである平均的なヒト対象に基づく。医師は、乳幼児および高齢者など体重がこの範囲外である対象のための用量を容易に決定できると考えられる。
【0144】
不確かさを避けるために、本明細書における「治療」への言及は、治癒的治療、姑息的治療、および予防的治療への言及を含む。
【0145】
本発明の化合物は、以下に説明するスクリーンにおいて試験することができる。
【0146】
1.0 V1Aフィルター結合アッセイ
1.1 膜の調製
受容体結合アッセイを、ヒトV1A受容体を安定に発現するCHO細胞(CHO−hV1A)から調製した細胞膜上で実施した。CHO−hV1A細胞株は、ライセンス契約のもとで、Case Western Reserve医科大学医学部(クリーブランド、オハイオ州)のMarc Thibonnierにより好意的に提供された。CHO−hV1A細胞を、10%ウシ胎児血清、2mM L−グルタミン、15mM HEPES、および400μg/ml G418を添加したDMEM/Hams F12栄養素混合物中で、5%COの加湿雰囲気中、37℃で常法通り維持した。細胞沈殿物を大量に作製するために、付着したCHO−hV1A細胞を、10%ウシ胎児血清、2mM L−グルタミン、および15mM HEPESを添加したDMEM/Hams F12栄養素混合物からなる培地を含む850cmローラーボトル中で、90〜100%の細胞密度になるまで増殖させた。コンフルエントなCHO−hV1A細胞をリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で洗浄し、氷冷PBS中に回収し、かつ1,000rpmで遠心分離した。使用するまで、細胞沈殿物を−80℃で保存した。必要な場合は、細胞沈殿物を氷上で解凍し、50mM Tris−HCl、pH7.4、5mM MgClからなり、かつプロテアーゼ阻害剤のカクテル(Roche社)を添加した膜調製用緩衝液中でホモジナイズした。1000rpm、4℃で10分間、細胞ホモジネートを遠心分離し、かつ上清を除去し、氷上で保存した。残存する沈殿物をホモジナイズし、かつ前述したように遠心分離した。上清をため、かつ25,000×g、4℃で30分間、遠心分離した。この沈殿物を、50mM Tris−HCl、pH7.4、5mM MgCl、および20%グリセロールからなる凍結用緩衝液中に再懸濁し、少量ずつに分けて、使用するまで−80℃で保存した。ブラッドフォード試薬および標準物質としてのBSAを用いて、タンパク質濃度を決定した。
【0147】
1.2 V1Aフィルター結合
タンパク質直線性調査、続いて飽和結合調査を、それぞれ新しい1回分の膜を用いて実施した。曲線の直線状部分で特異的結合を与える膜濃度を選択した。次いで、様々な濃度の[H]−アルギニンバソプレシン、すなわち[H]−AVP(0.05nM〜100nM)を用いて飽和結合調査を実施し、KおよびBmaxを決定した。CHO−hV1A膜への[H]−AVPの結合に対する影響について化合物を試験した(H−AVP;比放射能65.5Ci/mmol;NEN Life Sciences社)。これらの化合物は、ジメチルスルホキシド(DMSO)中に可溶化し、かつ、50mM Tris−HCL pH7.4、5mM MgCl、および0.05%BSAを含むアッセイ用緩衝液を用いて、使用濃度である10%DMSOに希釈した。化合物25μlおよび[H]−AVP 25μl(回分の膜に関して決定したK以下の最終濃度、典型的には0.5nM〜0.6nM)を96ウェルの丸底ポリプロピレンプレートに添加した。膜200μlを添加することによって結合反応を開始し、プレートを室温で60分間、穏やかに振とうした。Filtermate Cell Harvester(Packard Instruments社)を用いて、ペプチドの付着を防止するために0.5%ポリエチレンイミン中に予浸しておいた96ウェル GF/B UniFilter Plateを通して急速に濾過することによって、反応を終結させた。50mM Tris−HCL pH7.4および5mM MgClを含む氷冷した洗浄緩衝液1mlでフィルターを3回洗浄した。これらのプレートを乾燥させ、Microscint−0(Packard instruments社)50μlを各ウェルに添加した。プレートをシールし、TopCount Microplate Scintillation Counter(Packard Instruments社)上で計数した。非特異的結合(NSB)は、1μMの非標識d(CH2)5Tyr(Me)AVP([β−メルカプト−β,β−シクロペンタメチレンプロピオニル、O−Me−Tyr,Arg]−バソプレシン)(βMCPVP)(Sigma社)を用いて決定した。放射性リガンドの結合データを、4パラメーターのロジスティック方程式を用い、最小値を強制的に0%にして解析した。勾配を自由にフィッティングさせたところ、有効な曲線に対して−0.75〜−1.25となった。全cpmの平均値からNSBcmpの平均値を引くことによって、特異的結合を算出した。試験化合物に関して、受容体に結合されたリガンドの量を、結合率(%)=(試料のcpm−NSB cpmの平均値)/特異的結合のcpm×100として表した。結合率(%)を、試験化合物の濃度に対してプロットし、かつS字形曲線をフィッティングした。阻害解離定数(K)を、チェン−プルソフ(Cheng Prusoff)の式:K=IC50/(1+[L]/K)([L]は、ウェル中に存在するリガンドの濃度であり、Kは、スキャッチャードプロット解析から得られる放射性リガンドの解離定数である)を用いて算出した。
【0148】
2.0 V1A機能アッセイ:FLIPR(蛍光イメージングプレートリーダー)(Molecular Devices社)による、AVP/V1A−Rの媒介によるCa2+動員の阻害
CHO−hV1A細胞における細胞内のカルシウム放出を、受容体活性化に続くカルシウムの迅速な検出を可能にするFLIPRを用いて測定した。CHO−hV1A細胞株は、ライセンス契約のもとで、Case Western Reserve医科大学医学部(クリーブランド、オハイオ州)のMarc Thibonnierにより好意的に提供された。CHO−V1A細胞を、10%ウシ胎児血清、2mM L−グルタミン、15mM HEPES、および400μg/ml G418を添加したDMEM/Hams F12栄養素混合物中、5%COの加湿雰囲気中、37℃で常法通り維持した。アッセイ前の午後に、底の透明な滅菌済み黒色96ウェルプレート中に、ウェル当たり細胞20,000個の密度で細胞を播種して、各ウェルの底からの細胞検査および蛍光測定をできるようにした。ダルベッコのリン酸緩衝化生理食塩水(DPBS)および2.5mMプロベネシドを含む洗浄緩衝液、ならびに4μMのFluo−3−AM(DMSOおよびプルロニック酸中に溶解)(Molecular Probes社)を含む細胞培養培地および2.5mMプロベネシドからなるローディング色素を、アッセイの当日に新しく調製した。化合物をDMSO中に可溶化し、かつ、1%DMSO、0.1%BSA、および2.5mMプロベネシドを含むDPBSからなるアッセイ用緩衝液中で希釈した。これらの細胞を、5%COの加湿雰囲気中、37℃で1時間、ウェル当たり100μlのローディング色素と共にインキュベートした。色素を添加した後、Denleyプレート洗浄機を用いて、100μlの洗浄緩衝液中で3回、細胞を洗浄した。100μlの洗浄緩衝液を各ウェル中に残した。FLIPRを用いて、細胞内の蛍光を測定した。蛍光測定値は、2秒間隔で記録し、30秒後に試験化合物50μlを添加した。次いで、2秒間隔でさらに155回の測定を実施して、化合物のアゴニスト活性があるか検出した。次いで、アルギニンバソプレシン(AVP)50μlを添加して、最終のアッセイ体積を200μlとした。さらに、1秒間隔で120秒間、蛍光測定値を記録した。応答は、ピークの蛍光強度(FI)として測定した。薬理学的特性を決定するために、基礎レベルのFIを各蛍光応答から減じた。AVP用量反応曲線では、各応答を、その列の最高濃度のAVPへの応答に対するパーセント(%)として表した。IC50を決定するために、各応答をAVPへの応答に対するパーセント(%)として表した。アゴニスト濃度[A]、アゴニストのEC50、および勾配を考慮に入れるチェン−プルソフの式:K=IC50/(2+[A]/A501/n−1([A]は、AVPの濃度であり、A50は、用量反応曲線から得られるAVPのEC50であり、n=AVP用量反応曲線の勾配である)を用いて、IC50値を修正されたK値に変換した。
【0149】
本発明の化合物は、単独で、または本発明の1種もしくは複数種の他の化合物と組み合わせて、または1種もしくは複数種の他の薬物と組み合わせて(またはそれらの任意の組合せとして)投与され得る。本発明の化合物は、経口避妊薬と組み合わせて投与され得る。したがって、本発明の別の態様では、月経困難症の治療において同時に、別々に、または逐次的に使用するための組合せ製剤として、V1aアンタゴニストおよび経口避妊薬を含む医薬製品が提供される。
【0150】
本発明の化合物は、PDE5阻害剤と組み合わせて投与され得る。したがって、本発明の別の態様では、月経困難症の治療において同時に、別々に、または逐次的に使用するための組合せ製剤として、V1aアンタゴニストおよびPDEV阻害剤を含む医薬製品が提供される。
【0151】
V1aアンタゴニストと組み合わせるのに有用なPDEV阻害剤には、以下のものが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
(i)1−[[3−(6,7−ジヒドロ−1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル)−4−エトキシフェニル]スルホニル]−4−メチルピペラジンとしても知られる5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルスルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(Viagra(登録商標)として販売されているシルデナフィル)(EP−A−0463756を参照されたい)、5−(2−エトキシ−5−モルホリノアセチルフェニル)−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(EP−A−0526004を参照されたい)、3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−n−プロポキシフェニル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO98/49166を参照されたい)、3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−3−イル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO99/54333を参照されたい)、3−エチル−5−{5−[4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル]−2−([(1R)−2−メトキシ−1−メチルエチル]オキシ)ピリジン−3−イル}−2−メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オンとしても知られる(+)−3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−(2−メトキシ−1(R)−メチルエトキシ)ピリジン−3−イル]−2−メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO99/54333を参照されたい)、1−{6−エトキシ−5−[3−エチル−6,7−ジヒドロ−2−(2−メトキシエチル)−7−オキソ−2H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル]−3−ピリジルスルホニル}−4−エチルピペラジンとしても知られる5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27113、実施例8を参照されたい)、5−[2−iso−ブトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−(1−メチルピペリジン−4−イル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27113、実施例15を参照されたい)、5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−フェニル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27113、実施例66を参照されたい)、5−(5−アセチル−2−プロポキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−イソプロピル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27112、実施例124を参照されたい)、5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27112、実施例132を参照されたい)、(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ピラジノ[2’,1’:6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン(タダラフィル、IC−351、Cialis(登録商標))、すなわち公開されている国際出願WO95/19978の実施例78および実施例95の化合物、ならびに実施例1、3、7、および8の化合物、1−[[3−(3,4−ジヒドロ−5−メチル−4−オキソ−7−プロピルイミダゾ[5,1−f]−as−トリアジン−2−イル)−4−エトキシフェニル]スルホニル]−4−エチルピペラジンとしても公知の2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルホニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン(バルデナフィル、LEVITRA(登録商標))、すなわち公開されている国際出願WO99/24433の実施例20、19、337、および336の化合物、公開されている国際出願WO93/07124(EISAI)の実施例11の化合物、Rotella D P、J.Med.Chem.、2000年、43巻、1257頁に記載の化合物3および化合物14、4−(4−クロロベンジル)アミノ−6,7,8−トリメトキシキナゾリン、N−[[3−(4,7−ジヒドロ−1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−1H−ピラゾロ[4,3−d]−ピリミジン−5−イル)−4−プロポキシフェニル]スルホニル]−1−メチル2−ピロリジンプロパンアミド[「DA−8159」(WO00/27848の実施例68)]、ならびに7,8−ジヒドロ−8−オキソ−6−[2−プロポキシフェニル]−1H−イミダゾ[4,5−g]キナゾリンおよび1−[3−[1−[(4−フルオロフェニル)メチル]−7,8−ジヒドロ−8−オキソ−1H−イミダゾ[4,5−g]キナゾリン−6−イル]−4−プロポキシフェニル]カルボキサミド。
(ii)4−ブロモ−5−(ピリジルメチルアミノ)−6−[3−(4−クロロフェニル)−プロポキシ]−3(2H)ピリダジノン、1−[4−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)アミオノ]−6−クロロ−2−キノゾリニル]−4−ピペリジン−カルボン酸、モノナトリウム塩、(+)−cis−5,6a,7,9,9,9a−ヘキサヒドロ−2−[4−(トリフルオロメチル)−フェニルメチル−5−メチル−シクロペンタ−4,5]イミダゾ[2,1−b]プリン−4(3H)オン、フラズロシリン、cis−2−ヘキシル−5−メチル−3,4,5,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロシクロペンタ[4,5]−イミダゾ[2,1−b]プリン−4−オン、3−アセチル−1−(2−クロロベンジル)−2−プロピルインドール−6−カルボキシラート、3−アセチル−1−(2−クロロベンジル)−2−プロピルインドール−6−カルボキシラート、4−ブロモ−5−(3−ピリジルメチルアミノ)−6−(3−(4−クロロフェニル)プロポキシ)−3−(2H)ピリダジノン、l−メチル−5(5−モルホリノアセチル−2−n−プロポキシフェニル)−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ(4,3−d)ピリミジン−7−オン、1−[4−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−6−クロロ−2−キナゾリニル]−4−ピペリジンカルボン酸、モノナトリウム塩、Pharmaprojects 4516番(Glaxo Wellcome社)、Pharmaprojects 5051番(Bayer社)、Pharmaprojects 5064番(Kyowa Hakko社;WO96/26940)、Pharmaprojects 5069番(Schering Plough社)、GF−196960(Glaxo Wellcome社)、E−8010およびE−4010(Eisai社)、Bay−38−3045および38−9456(Bayer社)、FR229934およびFR226807(Fujisawa社)、ならびにSch−51866。
【0152】
公開されている特許出願および学術論文の内容、ならびに、特に、特許請求の範囲の治療的に活性な化合物および文献中の例示的な化合物の一般式は、それらの参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0153】
好ましくは、PDEV阻害剤は、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、DA−8159、および5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オンから選択される。最も好ましくは、PDE5阻害剤は、シルデナフィルおよび薬学的に許容できるその塩である。クエン酸シルデナフィルが、好ましい塩である。
【0154】
本発明の化合物は、NO供与体と組み合わせて投与され得る。したがって、本発明の別の態様では、月経困難症の治療において同時に、別々に、または逐次的に使用するための組合せ製剤として、V1aアンタゴニストおよびNO供与体を含む医薬製品が提供される。
【0155】
本発明の化合物は、L−アルギニンと組み合わせて、またはアルギン酸塩として投与され得る。したがって、本発明の別の態様では、月経困難症の治療において同時に、別々に、または逐次的に使用するための組合せ製剤として、V1aアンタゴニストおよびL−アルギニンを含む医薬製品が提供される。
【0156】
本発明の化合物は、COX阻害剤と組み合わせて投与され得る。したがって、本発明の別の態様では、月経困難症の治療において同時に、別々に、または逐次的に使用するための組合せ製剤として、V1aアンタゴニストおよびCOX阻害剤を含む医薬製品が提供される。
【0157】
本発明の化合物と組み合わせるのに有用なCOX阻害剤には、以下のものが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
(i)イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラポプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロキス酸、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、アルクロフェナック、イブフェナック、イソキセパク、フロフェナク、チオピナク、ジドメタシン、アセチルサリチル酸、インドメタシン、ピロキシカム、テノキシカム、ナブメトン、ケトロラク、アザプロパゾン、メフェナム酸、トルフェナム酸、ジフルニサル、ポドフィロトキシン誘導体、アセメタシン、ドロキシカム、フロクタフェニン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、プログルメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、オキシピナク(oxipinac)、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸、フルフェニサール、スドキシカム、エトドラク、ピプロフェン、サリチル酸、トリサリチル酸コリンマグネシウム、サリチラート、ベノリラート、フェンチアザク、クロピナク(clopinac)、フェプラゾン、イソキシカム、および2−フルオロ−a−メチル[1,1’−ビフェニル]−4−酢酸、4−(ニトロオキシ)ブチルエステル(Wenkら、Europ.J.Pharmacol.453巻:319〜324頁(2002年)を参照されたい)、
(ii)メロキシカム(CAS登録番号71125−38−7、米国特許第4,233,299号に記載されている)または薬学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグ、
(iii)セレコキシブ(米国特許第5,466,823号)、バルデコキシブ(米国特許第5,633,272号)、デラコキシブ(米国特許第5,521,207号)、ロフェコキシブ(米国特許第5,474,995号)、エトリコキシブ(国際特許出願公開WO98/03484)、JTE−522(日本特許出願公開第9052882号)、または薬学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグ、
(iv)(米国特許第5,633,272号に記載されている)3環系のCox−2選択的阻害剤バルデコキシブの治療的に有効なプロドラッグである、パレコキシブ(米国特許第5,932,598号に記載されている)、特にパレコキシブナトリウム、
(v)ABT−963(国際特許出願公開WO00/24719に記載されている)
(vi)ニメスリド(米国特許第3,840,597号に記載されている)、フロスリド(J.Carter,Exp.Opin.Ther.Patents、8巻(1号)、21〜29頁(1997年)において考察されている)、NS−398(米国特許第4,885,367号において開示されている)、SD8381(米国特許第6,034,256号に記載されている)、BMS−347070(米国特許第6,180,651号に記載されている)、S−2474(欧州特許公報第595546号に記載されている)、およびMK−966(米国特許第5,968,974号に記載されている)。
【0158】
特許出願のいずれかの内容、および、特に、特許請求の範囲の治療的に活性な化合物および文献中の例示的な化合物の一般式は、それらの参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0159】
本発明は、以下の調製例および実施例によって例示される。上記の調製例または実施例に関して説明した様式で化合物を調製したと記述される場合、反応時間、反応物の当量数、および反応温度は、特定の各反応に応じて変更され得ること、ならびに、それでもなお、異なる後処理条件または精製条件を使用することが必要または望ましい場合があることが、当業者には理解されよう。
【0160】
H核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、すべての場合において、提唱される構造体と一致していた。特徴的な化学シフト(σ)は、テトラメチルシランから低磁場に百万分率で与えられ、主要なピークは慣習的な略語を用いて呼ばれる。例えば、s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、br(広域)である。質量スペクトル(m/z)は、エレクトロスプレーイオン化法(ESI)または大気圧化学イオン化法(APCI)のいずれかを用いて記録した。以下の略語が、一般的な溶媒に対して使用された。CDCl:重水素化クロロホルム、D−DMSO:重水素化ジメチルスルホキシド、CDOD:重水素化メタノール、THF:テトラヒドロフランである。「アンモニア」は、比重0.88を有する、アンモニアの高濃度の水溶液を意味する。薄層クロマトグラフィー(TLC)が使用された場合、これは、シリカゲル60 F254プレートを用いたシリカゲルTLCを指し、Rは、TLCプレート上で化合物が移動した距離を、溶媒先端が移動した距離で割った値である。マイクロ波放射が使用される場合、使用される2種類のマイクロ波は、Emrys CreatorおよびEmrys Liberatorであり、いずれもPersonal Chemistry Ltd社によって供給されている。出力領域は、2.45GHzで15〜300Wである。供給される実際の力は、一定の温度を維持するために、反応過程の進行中に変動する。
【0161】
調製例1:エチル4−[(4−フルオロ−2−ニトロフェニル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシラート
【0162】
【化15】

炭酸ナトリウム(9.12g、86mmol)を、1−クロロ−4−フルオロ−2−ニトロベンゼン(15g、86mmol)のシクロヘキサノール(100ml)溶液に添加した。次いで、エチル4−アミノ−ピペリジン−1−カルボキシラート(14.68ml、86mmol)、続いてヨウ化カリウム(143mg、0.86mmol)を添加し、かつ反応混合物を160℃で2日間加熱した。冷却した混合物を、水(300ml)とトルエン(250ml)の間で分配し、層を分離し、かつ、水溶液をトルエン(250ml)でさらに抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶離剤としてペンタン:酢酸エチル(80:20 v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、オレンジ色の固形物(33g)を得た。ジエチルエーテルでこれを磨砕し、次いで濾過して、表題化合物(8g、30%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.27(t,3H)、1.53〜1.61(m,2H)、2.05〜2.08(m,2H)、3.10(t,2H)、3.66(m,1H)、4.05〜4.09(m,2H)、4.15(q,2H)、6.85(dd,1H)、7.24(m,1H)、7.91(dd,1H)、7.99(brs,1H);LRMS APCI m/z 312[MH]
【0163】
調製例2:エチル4−[(2−アミノ−4−フルオロフェニル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシラート
【0164】
【化16】

Raney(登録商標)Nickel(2.5g)を、エタノール(25ml)およびテトラヒドロフラン(50ml)に溶かした調製例1のニトロベンゼン(8g、26mmol)の溶液に添加した。この反応混合物を、30psi、室温で1時間、水素化した。次いで、反応混合物をArbocel(登録商標)に通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、静置すると固化する油として、表題化合物(4.75g、65%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.26(t,3H)、1.32〜1.40(m,2H)、1.97〜2.01(m,2H)、2.95(t,2H)、3.27(m,1H)、3.63(brs,1H)、4.06〜4.16(m,4H)、6.41〜6.47(m,2H)、6.62(m,1H);LRMS APCI m/z 282[MH]
【0165】
調製例3:エチル4−(5−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート
【0166】
【化17】

N,N’−カルボニルジイミダゾール(6.44g、40mmol)を、テトラヒドロフラン(100ml)に溶かした調製例2のアミノピペリジン(4.47g、16mmol)の溶液に添加した。次いで、この反応混合物を還流下で18時間加熱した。さらにN,N’−カルボニルジイミダゾール(6.44g、40mmol)を添加し、かつ反応混合物を還流下でさらに2時間攪拌した。次いで、冷却した反応混合物を、水(100ml)と酢酸エチル(100ml)の間で分配し、層を分離し、かつ、水溶液を酢酸エチル(100ml)でさらに抽出した。有機溶液を合わせ、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粘性物質(gum)を得た。ジエチルエーテルでこれを磨砕し、かつその固形物を濾過して、薄茶色の固形物として表題化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):δ 1.28(t,3H)、1.80(d,2H)、2.29〜2.40(m,2H)、2.92〜3.02(m,2H)、4.15(q,2H)、4.31(d,2H)、4.40(m,1H)、6.78〜6.84(m,2H)、7.19(m,1H);LRMS APCI m/z 308[MH]
【0167】
調製例4:5−フルオロ−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン
【0168】
【化18】

調製例3のピペリジン(8.5g、28mmol)を2Mの水酸化ナトリウム水溶液(140ml)中に懸濁させ、かつこの混合物を還流下で9時間加熱した。次いで、反応混合物を冷却し、かつ濃塩酸(50ml)を用いて酸性にした。この酸性混合物を酢酸エチル(250ml)で抽出し、次いで炭酸ナトリウム(300ml)を用いて水層を慎重に塩基性化した。結果として生じる沈殿物を濾去し、五酸化リン上で18時間乾燥させて、固形物として表題化合物(4.4g、67%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):δ 1.93(d,2H)、2.53〜2.64(m,2H)、3.03(t,2H)、3.42(d,2H)、4.48(m,1H)、6.81〜6.86(m,2H)、7.31(m,1H);LRMS APCI m/z 236[MH]
【0169】
調製例5:tert−ブチル4−(6−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート
【0170】
【化19】

3,6−ジクロロピリダジン(16.3g、67mmol)およびtert−ブチル4−(ヒドラジノカルボニル)−1−ピペリジンカルボキシラート(WO00/39125、調製例27、10g、67mmol)をイソプロパノール(150ml)中に懸濁させ、かつこの反応混合物を還流下で48時間加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣をジクロロメタン(50ml)中に溶かした。ジ−tert−ブチルジカルボナート(5g、23mmol)およびN−メチルモルホリン(10ml、91mmol)を添加し、かつ反応混合物を室温で15分間攪拌した。次いで、反応混合物を10%クエン酸水溶液(50ml)と酢酸エチル(500ml)の間で分配した。水層を、酢酸エチル(3×100ml)でさらに3回抽出した。有機溶液を合わせ、塩水(200ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア水(90:5:0.5 v/v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(13.6g、60%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.47(s,9H)、2.00〜2.10(m,4H)、2.97〜3.03(m,2H)、3.48(m,1H)、4.18〜4.26(m,2H)、7.10(d,1H)、8.08(d,1H);LRMS ESI m/z 360[MNa]
【0171】
調製例6:tert−ブチル4−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート
【0172】
【化20】

調製例5のピペリジン(6g、17.8mmol)をエタノール(200ml)およびアンモニア水(5ml)中に溶解した。次いで、反応混合物を、15psi、室温で1時間、5%Pd/C(1g)上で水素化した。次いで、この反応混合物をArbocel(登録商標)に通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、茶色の固形物を得た。ジエチルエーテルでこれを磨砕して、表題化合物(5.28g、98%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.46(s,9H)、1.96〜2.12(m,4H)、2.95〜3.04(m,2H)、3.51(m,1H)、4.14〜4.28(m,2H)、7.08(dd,1H)、8.10(d,1H)、8.34(m,1H);LRMS ESI m/z 304[MH]
【0173】
調製例7:3−ピペリジン−4−イル[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン二塩酸塩
【0174】
【化21】

調製例6のピペリジン(5g、16.5mmol)をジクロロメタン(50ml)中に懸濁させ、次いでジオキサン(20ml)中4M塩酸を添加した。この反応混合物を室温で2時間攪拌した。(溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア水(90:10:1 v/v/v)を使用したtlcにより)反応が完了していないと判定されたため、この反応混合物にさらにジクロロメタン(250ml)を加えて希釈し、かつ塩化水素ガスを飽和させた。次いで、反応混合物を室温でさらに15分間攪拌し、その後、減圧下で濃縮した。結果として生じる固形物をジクロロメタン中20%メタノール(3×200ml)と共沸させ、イソプロパノール中に懸濁させ、次いで濾過した。固形物をジエチルエーテルで磨砕し、かつ減圧下で乾燥させて、白色固形物として表題化合物(4.4g、97%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):δ 2.26〜2.36(m,2H)、2.49〜2.53(m,2H)、3.32〜3.36(m,2H)、3.56〜3.61(m,2H)、3.98(m,1H)、7.98(dd,1H)、8.62(d,1H)、9.04(m,1H);LRMS ESI m/z 204[MH]
【0175】
調製例8:tert−ブチル4−[(3−ヒドロキシピリジン−2−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシラート
【0176】
【化22】

1−tert−ブチルオキシカルボニル−4−ピペリドン(12.75g、64mmol)を、ジクロロメタン(150ml)および酢酸(60ml)に溶かした2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン(4.7g、42mmol)の溶液に添加した。硫酸ナトリウム(10g、70mmol)を添加し、この反応混合物を室温で4時間攪拌した。次いで、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(9.9g、47mmol)を3分割して添加した。次いで、この反応混合物を室温で18時間攪拌した。炭酸水素ナトリウム飽和溶液(150ml)を用いて反応を慎重に停止し、かつジクロロメタン(500ml)で抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム飽和溶液(100ml)で2回洗浄した。水溶液を合わせ、かつ酢酸エチル(2×150ml)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(97:3〜93:7 v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、固形物として表題化合物(1.24g、10%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.35〜1.42(m,2H)、1.46(s,9H)、2.03〜2.08(m,2H)、2.92〜3.01(m,2H)、4.00〜4.18(m,3H)、6.48(m,1H)、6.91(d,1H)、7.51(m,1H);LRMS APCI m/z 294[MH]
【0177】
調製例9:tert−ブチル4−(2−オキソ[1,3]オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート
【0178】
【化23】

N,N’−カルボニルジイミダゾール(343mg、2.12mmol)を、ジクロロメタン(6ml)に溶かした調製例8のピペリジン(600mg、1.93mmol)の溶液に添加した。この反応混合物を室温で18時間攪拌した。次いで、反応混合物をジクロロメタン(50ml)で希釈し、かつ1M塩酸(50ml)で洗浄した。水層をジクロロメタン(2×30ml)で抽出した。有機溶液を合わせ、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン/アセトン(98:2〜92.5:7.5 v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、固形物として表題化合物(555mg、90%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.48(s,9H)、1.82(d,2H)、2.50〜2.60(m,2H)、2.76〜2.88(m,2H)、4.22〜4.45(m,3H)、7.04(m,1H)、7.39(d,1H)、8.09(d,1H);LRMS APCI m/z 220[(M−BOC)H]
【0179】
調製例10:3−ピペリジン−4−イル−[1,3]オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2(3H)−オン
【0180】
【化24】

調製例9のピペリジン(550mg、1.72mmol)を、ジクロロメタン(3ml)およびトリフルオロ酢酸(3ml)中で、室温にて18時間攪拌した。次いで、この反応混合物を減圧下で濃縮し、かつ残渣を炭酸水素ナトリウム飽和溶液(25ml)と10%メタノール性ジクロロメタン(50ml)の間で分配した。これらの層を分離し、水層を10%メタノール性ジクロロメタン(50ml)でさらに抽出した。有機溶液を合わせ、塩水(2×20ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で濃縮して、固形物として表題化合物(300mg、80%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.86(d,2H)、2.32(brs,1H)、2.49〜2.59(m,2H)、2.78(t,2H)、3.29(d,2H)、4.41(m,1H)、7.04(t,1H)、7.38(d,1H)、8.09(d,1H);LRMS APCI m/z 220[MH]
【0181】
調製例11:tert−ブチル4−{[3−(2−エトキシ−2−オキソエトキシ)ピリジン−2−イル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシラート
【0182】
【化25】

水素化ナトリウム(80mg、鉱油中60%、2.0mmol)を、テトラヒドロフラン(9ml)に溶かした調製例8のピペリジン(530mg、1.81mmol)の溶液に0℃で添加した。この反応混合物を0℃で30分間攪拌し、次いでエチルブロモアセタート(303mg、2.0mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間攪拌し、その後、炭酸水素ナトリウム飽和溶液(50ml)を添加した。この混合物を、酢酸エチル(200ml)と炭酸水素ナトリウム飽和溶液(75ml)の間で分配した。これらの層を分離し、水相を酢酸エチル(150ml)でさらに抽出した。合わせた有機層を塩水(100ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で濃縮して、固形物として表題化合物(748mg、100%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.30(t,3H)、1.39〜1.46(m,11H)、2.05〜2.09(m,2H)、2.94〜3.02(m,2H)、3.99〜4.15(m,2H)、4.27(q,2H)、4.60(s,2H)、5.07(m,1H)、6.49(t,1H)、6.77(d,1H)、7.74(m,1H);LRMS APCI m/z 380[MH]
【0183】
調製例12:tert−ブチル4−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート
【0184】
【化26】

水(2ml)に溶かした水酸化リチウム一水和物(85mg、2.05mmol)を、調製例11に由来する化合物(748mg、1.97mmol)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液に添加した。この反応混合物を室温で18時間攪拌し、次いで、減圧下で濃縮した。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(7ml)中に溶解し、かつO−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(1.4g、3.7mmol)を添加した。次いで、反応混合物を室温でさらに15時間攪拌し、その後、炭酸水素ナトリウム溶液(75ml)と酢酸エチル(100ml)の間でこれを分配した。有機層を水(2×50ml)および塩水(50ml)で洗浄した。水層を酢酸エチル(50ml)で再び抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア(98:2:0.2 v/v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、固形物として表題化合物(446mg、72%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.48(s,9H)、1.63〜1.67(m,2H)、2.67〜2.86(m,4H)、4.16〜4.32(m,2H)、4.58(s,2H)、5.04(m,1H)、6.93(t,1H)、7.22(d,1H)、7.99(d,1H);LRMS APCI m/z 234[(M−BOC)H]
【0185】
調製例13:4−ピペリジン−4−イル−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン
【0186】
【化27】

表題化合物(300mg、97%)を、調製例12のピペリジンを用いて、調製例10に関して説明した方法と同様の方法によって調製した。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.68〜1.71(m,2H)、1.98(s,1H)、2.66〜2.78(m,4H)、3.20〜3.24(m,2H)、4.58(s,2H)、5.02(m,1H)、6.94(m,1H)、7.22(d,1H)、8.01(m,1H);LRMS APCI m/z 234[MH]
【0187】
調製例14:1−(E/Z)−N’−ヒドロキシ−2−メチルプロパンイミドアミド
【0188】
【化28】

塩酸ヒドロキシルアミン(60.33g、868mmol)およびトリエチルアミン(121ml、868mmol)の混合物を、均一になるまでメタノール(300ml)中で加熱した。イソブチロニトリル(20g、289mmol)のメタノール(100ml)溶液を30分間に渡って滴加した。次いで、この反応混合物を還流下で18時間加熱した。冷却した反応混合物を減圧下で濃縮して、固形物を得た。これを1N水酸化ナトリウム溶液(300ml)中に溶かし、かつ酢酸エチル(3×300ml)で抽出した。水層を濃縮し、ジクロロメタン(600ml)でさらに抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶離剤として酢酸エチルを使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、油として表題化合物(20.4g、69%)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO−D):δ 1.02(d,6H)、2.23(m,1H)、5.20(brs,2H)、8.65(s,1H);LRMS TS m/z 103[MH]
【0189】
調製例15:tert−ブチル4−({[(1E/Z)−N−ヒドロキシ−2−メチルプロパンイミドイル]アミノ}カルボニル)ピペリジン−1−カルボキシラート
【0190】
【化29】

N,N’−カルボニルジイミダゾール(24.75g、153mmol)を、tert−ブトキシカルボニル−イソニペコチン酸(35.0g、153mmol)のジクロロメタン(400ml)溶液に室温で少量ずつ添加した。この反応混合物を、室温で1時間攪拌した。次いで、ジクロロメタン(100ml)に溶かした調製例14のアミドオキシム(20.0g、200mmol)の溶液を滴加し、その後、反応混合物を室温で18時間攪拌した。反応混合物の反応を水(300ml)で停止し、層を分離した。有機層を、1Mクエン酸(800ml)および炭酸水素ナトリウム飽和溶液(300ml)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ脱色性木炭を濾液に添加した。混合物を5分間攪拌し、濾過し、かつ減圧下で濃縮して、固形物として表題化合物(35.05g、73%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.21(d,6H)、1.45(s,9H)、1.67〜1.77(m,2H)、1.88〜1.94(m,2H)、2.55〜2.66(m,2H)、2.80〜2.86(m,2H)、4.03〜4.10(m,2H)、4.60(brs,1H);LRMS ESI m/z 336[MNa]
【0191】
調製例16:tert−ブチル4−(3−イソプロピル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート
【0192】
【化30】

調製例15のピペリジン(35.0g、112mmol)をジオキサン(300ml)中、還流下で18時間加熱した。次いで、冷却した混合物を減圧下で濃縮して、油を得た。これを酢酸エチルと3回共沸させ、かつ減圧下で乾燥させて、油として表題化合物(33g、100%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.33(d,6H)、1.46(s,9H)、1.76〜1.86(m,2H)、2.01〜2.06(m,2H)、2.90〜2.98(m,2H)、3.03〜3.10(m,2H)、4.06〜4.11(m,2H);LRMS ESI m/z 318[MNa]
【0193】
調製例17:4−(3−イソプロピル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン塩酸塩
【0194】
【化31】

塩化水素ガスを、ジクロロメタン(50ml)に溶かした調製例16のピペリジン(33.0g、112mmol)の溶液に15分間通気した。次いで、この反応混合物を、室温で3時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮して、白色固形物として表題化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):δ 1.31(d,6H)、2.01〜2.12(m,2H)、2.32〜2.37(m,2H)、3.06(m,1H)、3.16〜3.23(m,2H)、3.41(m,1H)、3.44〜3.50(m,2H);LRMS ESI m/z 196[MH]
【0195】
調製例18:tert−ブチル4−(5−イソプロピル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート
【0196】
【化32】

tert−ブチル4−[(E/Z)−アミノ(ヒドロキシイミノ)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート(WO2000/039125、調製例28に記載されている。24.3g、100mmol)、トリエチルアミン(15.3ml、110mmol)、および4−ジメチルアミノピリジン(1g、8mmol)をジクロロメタン(500ml)中で混合し、かつ5℃まで冷却した。次いで、イソブチリルクロリド(11.5ml、110mmol)を15分間に渡って滴加して、内部温度を約10℃で維持した。この反応混合物を、室温まで温め、次いで18時間攪拌した。次いで、ジクロロメタン(200ml)でこれを希釈し、かつ、有機層を、10%クエン酸水溶液(2×300ml)および炭酸水素ナトリウム飽和溶液(2×250ml)で洗浄した。次いで、有機層を塩水(150ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製の開環中間体を得た。これをトルエン(500ml)中に溶かし、この混合物をディーンスターク条件下、還流下で18時間加熱した。次いで、反応混合物を放冷し、かつ減圧下でそれを濃縮した。粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン:酢酸エチル(100:0〜80:20 v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、油として表題化合物(29.5g、100%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.33(d,6H)、1.40(s,9H)、1.65〜1.75(m,2H)、1.90〜1.95(m,2H)、2.82〜2.90(m,3H)、3.13(m,1H)、4.03〜4.09(m,2H);LRMS ESI m/z 296[MH]
【0197】
調製例19:4−(5−イソプロピル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン塩酸塩
【0198】
【化33】

塩化水素ガスを、酢酸エチル(500ml)に溶かした調製例18のピペリジン(29.5g、100mmol)の冷却溶液に10分間通気した。次いで、この反応混合物を、室温でさらに3時間攪拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮して固形物を得、それを酢酸エチル(150ml)中に懸濁させ、かつ5分間攪拌した。この固形物を濾過し、高真空下で乾燥させて、オフホワイト固形物(融点140〜144℃)として表題化合物(21.4g、92%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):δ 1.39(d,6H)、1.97〜2.11(m,2H)、2.25〜2.33(m,2H)、3.15〜3.29(m,4H)、3.44〜3.50(m,2H);LRMS ESI m/z 196[MH]
【0199】
調製例20〜調製例30
【0200】
【化34】

適切なピペリジンまたはピペリジン塩酸塩(1当量)を、4−クロロフェニルイソチオシアナート(1当量)のエタノール(8.0〜20.5mlmmol−1)溶液に添加した。{ピペリジンの塩酸塩が使用される場合、1〜3当量のトリエチルアミンも添加した}。この反応混合物を、室温で2時間攪拌した。次いで、混合物を減圧下で濃縮し、かつ残渣を酢酸エチルで磨砕し、濾去し、オフホワイト固形物として表題化合物を得た。
【0201】
【表1−1】

【0202】
【表1−2】

【0203】
調製例31〜調製例40
【0204】
【化35】

カリウムtert−ブトキシド(1当量)を、テトラヒドロフラン(3.5〜8.7mlmmol−1)に溶かした、調製例20〜調製例24および調製例26〜調製例30に由来する適切なチオ尿素(1当量)の懸濁液に添加し、かつこの溶液を15分間攪拌した。次いで、メチルトシラート(1当量)を添加し、この反応混合物を室温でさらに18時間攪拌した。次いで、反応混合物を、水と酢酸エチルの間で分配し、層を分離し、かつ、水相を酢酸エチルでさらに抽出した。合わせた有機溶液を、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、表題化合物を得た。
【0205】
【表2−1】

【0206】
【表2−2】

【0207】
調製例41:4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)−N−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−カルボチオアミド
【0208】
【化36】

表題化合物を、4−クロロフェニルイソチオシアナートおよび3−ピペラジン−1−イル−1,2−ベンゾイソチアゾールを用いて、調製例20〜調製例30に関して説明した方法と同様の方法によって調製した(J.Med.Chem(1986年)、29巻(3号)、359〜369頁に記載されている)。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 3.66〜3.69(m,4H)、4.07〜4.10(m,4H)、7.16(d,2H)、7.31(d,2H)、7.38(t,1H)、7.49(t,1H)、7.83(d,1H)、7.89(d,1H);LRMS APCI m/z 389[MH]
【0209】
調製例42:tert−ブチル(1−{[(4−クロロフェニル)アミノ]カルボノチオイル}ピペリジン−4−イル)カルバマート
【0210】
【化37】

表題化合物(42.3g、91%)を、4−クロロフェニルイソチオシアナートおよび4−N−ブトキシカルボニル−アミノピペリジンを用いて、調製例20〜調製例30に関して説明した方法と同様の方法によって調製した。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.29〜1.54(m,11H)、2.01(m,2H)、3.20(m,2H)、3.74(br s,1H)、4.35〜4.55(m,3H)、7.09(d,2H)、7.17(br s,1H)、7.32(d,2H)。
【0211】
調製例43:メチル4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)−N−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−カルボイミドチオアート
【0212】
【化38】

表題化合物(収率100%)を、調製例41のチオアミドを用いて、調製例31〜調製例40に関して説明した方法と同様の方法によって調製した。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 2.09(s,3H)、3.57〜3.60(m,4H)、3.82〜3.86(m,4H)、6.85(d,2H)、7.23(d,2H)、7.38(t,1H)、7.49(t,1H)、7.83(d,1H)、7.91(d,1H);LRMS APCI m/z 403[MH]
【0213】
調製例44:メチル4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−N−(4−クロロフェニル)ピペリジン−1−カルボイミドチオアート
【0214】
【化39】

表題化合物(43.6g、100%)を、調製例42のチオアミドを用いて、調製例31〜調製例40に関して説明した方法と同様の方法によって調製した。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.34〜1.52(m,11H)、2.00(m,2H)、2.05(s,3H)、3.04(m,2H)、3.68(br s,1H)、4.19(m,2H)、4.50(br s,1H)、6.80(d,2H)、7.20(d,2H);LRMS ESI m/z 384[MH]
【0215】
調製例45:3−[(3−endo)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン二塩酸塩
【0216】
【化40】

3−endo−(8−アセチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−2−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(WO2003/084954、調製例8に記載されている。7.4g、26mmol)を6N塩酸水溶液(100ml)中、還流下で18時間加熱した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、かつ真空中で乾燥させて、黄色の固形物として表題化合物を得、これをそれ以上は精製せずに使用した。
H NMR(400MHz,CDOD):δ 2.27〜2.36(m,6H)、2.82〜2.88(m,2H)、2.91(s,3H)、4.26〜4.30(m,2H)、5.34(m,1H)、8.14(d,1H)、8.57(d,1H)、9.43(s,1H);LRMS APCI m/z 243[MH]
【0217】
調製例46:(3−endo)−N−(4−クロロフェニル)−3−(2−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−3−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボチオアミド
【0218】
【化41】

表題化合物(2.5g、100%)を、4−クロロフェニルイソチオシアナートおよび調製例45のトロパンを用いて、調製例20〜調製例31に関して説明した方法と同様の方法によって調製した。
H NMR(400MHz,CDOD):δ 2.13〜2.18(m,2H)、2.27(t,2H)、2.33〜2.38(m,2H)、2.68(s,3H)、2.83〜2.90(m,2H)、4.46(m,1H)、5.03〜5.13(m,2H)、7.35(d,2H)、7.41(d,2H)、7.62(d,1H)、8.33(d,1H)、8.94(s,1H);LRMS APCI m/z 412[MH]
【0219】
調製例47:メチル(3−endo)−N−(4−クロロフェニル)−3−(2−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−3−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボイミドチオアート
【0220】
【化42】

表題化合物(2.5g、97%)を、調製例46のチオ尿素を用いて、調製例31〜調製例40に関して説明した方法と同様の方法によって調製した。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.94〜1.99(m,2H)、2.14〜2.21(m,5H)、2.29〜2.34(m,2H)、2.65(s,3H)、2.68〜2.76(m,2H)、4.58〜4.67(m,3H)、6.87(d,2H)、7.25(d,2H)、7.61(d,1H)、8.40(d,1H)、8.87(s,1H);LRMS APCI m/z 426[MH]
【0221】
調製例48:tert−ブチル{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}カルバマート
【0222】
【化43】

酢酸ヒドラジド(16.9g、228mmol)、続いてトリフルオロ酢酸(4.4ml、57.1mmol)を、テトラヒドロフラン(250ml)に溶かした調製例44の化合物(43.6g、114mmol)の溶液に添加し、かつ、この反応混合物を還流下で7時間加熱した。次いで、冷却した反応混合物を希アンモニア溶液(100ml)で洗浄し、層を分離し、かつ水相を酢酸エチル(100ml)でさらに抽出した。合わせた有機溶液を、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で蒸発させた。残渣をエーテル(100ml)で磨砕し、結果として生じる結晶を濾去し、かつ真空中で乾燥させて、表題化合物(32.4g、72%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.32(m,2H)、1.40(s,9H)、1.85(m,2H)、2.22(s,3H)、2.84(m,2H)、3.24(m,2H)、3.52(m,1H)、4.44(m,1H)、7.24(d,2H)、7.51(d,2H);LRMS APCI m/z 392[MH]
【0223】
調製例49:1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−アミン二塩酸塩
【0224】
【化44】

調製例48の化合物(32.3g、82.5mmol)のメタノール(250ml)中懸濁液およびジオキサン(40ml)中4N塩酸を50℃で3時間加熱した。次いで、この反応混合物を減圧下で濃縮し、かつ残渣をテトラヒドロフラン(50ml)中に懸濁させた。結果として生じる固形物を濾去し、かつ真空中で乾燥させて、表題化合物(33.6g、100%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):δ 1.65(m,2H)、1.96(m,2H)、2.36(s,3H)、3.07(m,2H)、3.36(m,1H)、3.47(m,2H)、7.66(d,2H)、7.75(d,2H);LRMS APCI m/z 292[MH]
【0225】
調製例50:N−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−3−ニトロピリジン−2−アミン
【0226】
【化45】

トリエチルアミン(0.84ml、6.3mmol)を、テトラヒドロフラン(10ml)に溶かした調製例49のアミン(1g、2.01mmol)の懸濁液に添加した。2−クロロ−3−ニトロピリジン(319mg、2.01mmol)を添加し、この反応混合物を窒素雰囲気中、室温で18時間攪拌した。溶けやすくするためにN,N−ジメチルホルムアミド(3滴)を添加し、この反応混合物を65℃で24時間加熱した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(50ml)と水(50ml)の間で分配した。次いで、有機溶液を塩水(50ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア水(95:5:0.5 v/v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(200mg、24%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.43〜1.52(m,2H)、1.96〜2.00(m,2H)、2.19(s,3H)、2.93(t,2H)、3.28(d,2H)、4.23(m,1H)、6.58(dd,1H)、7.23(d,2H)、7.48(d,2H)、8.05(d,1H)、8.30〜8.35(m,2H);LRMS APCI m/z 414[MH]
【0227】
調製例51:N−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}ピリジン−2,3−ジアミン
【0228】
【化46】

Raney(登録商標)ニッケル(20mg)を、エタノール(7ml)およびテトラヒドロフラン(15ml)に溶かした、調製例50のニトロピリジン(200mg、0.48mmol)の溶液に添加した。次いで、反応混合物を30psi、室温で16時間、水素化した。次いで、これをグラスファイバー紙に通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア水(90:10:1 v/v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(176mg、96%)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO−D):δ 1.29〜1.38(m,2H)、1.79〜1.83(m,2H)、2.11(s,3H)、2.74〜2.79(m,2H)、3.13〜3.17(m,2H)、3.89(m,1H)、6.28(dd,1H)、6.61(d,1H)、7.28(d,1H)、7.53(d,2H)、7.64(d,2H);LRMS APCI m/z 384[MH]
【0229】
調製例52:1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−N−(2−ニトロフェニル)ピペリジン−4−アミン
【0230】
【化47】

トリエチルアミン(1.58ml、11.3mmol)を、テトラヒドロフラン(40ml)に溶かした調製例49のピペリジン(3g、10.3mmol)の懸濁液に添加した。2−フルオロ−ニトロベンゼン(1.08ml、10.3mmol)を添加し、かつこの反応混合物を、窒素雰囲気中、還流下で23時間加熱し、次いで放冷した。結果として生じる沈殿物を濾去し、かつ濾液を減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(50ml)と水(50ml)の間で分配した。有機層を塩水(50ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で濃縮して、オレンジ色の固形物を得た。ジエチルエーテルでこれを磨砕して、表題化合物(2.07g、49%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.49〜1.59(m,2H)、2.03〜2.07(m,2H)、2.26(s,3H)、2.97(t,2H)、3.33〜3.38(m,2H)、3.61(m,1H)、6.63(t,1H)、6.82(d,1H)、7.28(d,2H)、7.41(t,1H)、7.54(d,2H)、8.02(d,1H)、8.16(d,1H);LRMS ESI m/z 435[MNa]
【0231】
調製例53:N−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4−H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}ベンゼン−1,2−ジアミン
【0232】
【化48】

表題化合物(479mg、100%)を、調製例52のピペリジンを用いて、調製例51に関して説明した方法と同様の方法によって調製した。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.36〜1.46(m,2H)、1.98〜2.02(m,2H)、2.25(s,3H)、2.89〜2.96(m,2H)、3.29〜3.36(m,2H)、3.72(m,1H)、6.61〜6.78(m,4H)、7.28(d,2H)、7.52(d,2H);LRMS ESI m/z 405[MNa]
【0233】
調製例54:1−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール−2,2−ジオキシド
【0234】
【化49】

スルファミド(233mg、2.41mmol)を、ピリジン(3ml)に溶かした調製例53のアミン(465mg、1.21mmol)の溶液に添加した。この反応混合物を還流下で18時間加熱し、その後、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(25ml)および希塩酸(25ml)の間で分配し、かつ層を分離した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア水(90:10:1 v/v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、ジエチルエーテルで磨砕した後、表題化合物(130mg、24%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):δ 1.95〜1.99(m,2H)、2.15〜2.23(m,5H)、2.96(t,2H)、3.42(d,2H)、4.06(m,1H)、6.80(m,1H)、6.85〜6.89(m,2H)、6.94(m,1H)、7.52(d,2H)、7.65(d,2H);LRMS ESI m/z 445[MH]
【0235】
調製例55:5−フルオロ−3−ニトロピリジン−2−オール
【0236】
【化50】

5−フルオロ−2−ヒドロキシピリジン(200mg、1.77mmol)の濃硫酸(900μl)溶液に、濃硫酸(900μl)および発煙硝酸(170μl)の予備混合した溶液を、15分間に渡って滴加した。内部温度は元の温度から最大28℃上昇した。次いで、この反応混合物を65℃で2.5時間加熱した。冷却した混合物を氷水上に注ぎ、かつ炭酸ナトリウムを用いて、混合物のpHを2.5に調整した。次いで、酢酸エチル(2×25ml)で抽出した。水層を濃縮し、かつテトラヒドロフラン(25ml)および酢酸エチル(25ml)の混合物で再び抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で濃縮して、固形物として表題化合物(112mg、40%)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO−D):δ 8.22(dd,1H)、8.60(dd,1H); LRMS APCI m/z 157[M−H]
【0237】
調製56:2−クロロ−5−フルオロ−3−ニトロピリジン
【0238】
【化51】

調製例55のピリジン(105mg、0.66mmol)、オキシ塩化リン(1ml)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(10μl、触媒)の混合物を110℃で18時間加熱した。次いで、冷却した反応混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン/アセトニトリル(100:0〜50:50 v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、固形物として表題化合物(48mg、41%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.03(dd,1H)、8.55(d,1H)。
【0239】
調製例57:N−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−5−フルオロ−3−ニトロピリジン−2−アミン
【0240】
【化52】

調製例49のアミン(166mg、0.464mmol)をジクロロメタン(10ml)中に溶解し、かつこの溶液を、1N水酸化ナトリウム溶液(10ml)で処理した。層を分離し、かつ有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。調製例56のピリジン(41mg、0.23mmol)を、このアミンのテトラヒドロフラン(3ml)溶液に添加した。反応混合物を還流下で18時間加熱した。次いで、冷却した混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア(99:1:0〜95:5:0.5 v/v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、固形物として表題化合物(80mg、80%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):δ 1.52〜1.62(m,2H)、1.96〜2.02(m,2H)、2.23(s,3H)、2.95(t,2H)、3.29〜3.33(m,2H)、4.28(m,1H)、7.51(d,2H)、7.64(d,2H)、8.29(dd,1H)、8.42(s,1H);LRMS APCI m/z 432[MH]
【0241】
調製例58:N−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−5−フルオロピリジン−2,3−ジアミン
【0242】
【化53】

表題化合物(90mg、100%、粗製)を、調製例57の化合物を用いて、調製例51に関して説明した方法と同様の方法によって調製した。
LRMS APCI m/z 402[MH]
【0243】
調製例59:4−(5−メチル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸tertブチルエステル
【0244】
【化54】

tert−ブチル4−(ヒドラジノカルボニル)−1−ピペリジンカルボキシラート(9.0g、37mmol)(WO00/39125、調製例27を参照されたい)のテトラヒドロフラン(40ml)溶液に、ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(8.1ml、55.4mmol)を添加した。この反応混合物を窒素雰囲気中、50℃で4時間攪拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、残渣をトルエン(40ml)中に溶解し、かつpara−トルエンスルホン酸(400mg、2.1mmol)を添加した。この反応混合物を窒素雰囲気下中、100℃で18時間加熱し、その後、冷却した反応混合物を減圧下で濃縮し、かつ残渣をジクロロメタン(200ml)と炭酸水素ナトリウム水溶液(150ml)の間で分配した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で濃縮した。残渣を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(98:2(v/v)〜95:5(v/v))を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色固形物として表題化合物(8.07g、81%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):δ 1.42(s,9H)、1.70(m,2H)、2.05(m,2H,)、2.50(s,3H)、3.00(m,2H)、3.15(m,1H)、4.05(m,2H);LCMS:m/z APCI 268[MH]
【0245】
調製例60:4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H[1,2,4]トリアゾール−3−イル]−ピペリジン
【0246】
【化55】

調製例59のピペリジン(4.0g、15mmol)をトルエン(100ml)中に溶解し、かつパラクロロアニリン(2.1g、16.5mmol)、続いてトリフルオロ酢酸(2ml)を添加した。この溶液を110℃で16時間加熱した。追加のトリフルオロ酢酸(2ml)を添加し、かつこの溶液を110℃でさらに48時間加熱した。次いで、この反応混合物を冷却し、炭酸水素ナトリウム水溶液(75ml)を添加し、かつ有機相をデカント除去した。炭酸カリウム(10g)を用いて水相を塩基性化し、かつジクロロメタン(4×50ml)で抽出した。このジクロロメタン溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ溶媒を真空中で除去して、白色固形物として表題化合物(2.90g、70%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.60〜2.00(m,2H)、2.20(s,3H)、2.40〜2.80(m,5H)、3.10(m,2H)、7.10(d,2H)、7.55(d,2H);LCMS:m/z APCI 277[MH]
【0247】
調製例61:3−フルオロピリジン−2−カルボアルデヒド
【0248】
【化56】

n−ブチルリチウム(ヘキサン中、2.0M、27.5ml、55mmol)を、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(7.5ml、50mmol)の無水ジエチルエーテル(200ml)溶液に−20℃で10分間に渡って滴加した。この反応混合物を−20℃で1時間攪拌し、次いで、−78℃まで冷却し、かつジエチルエーテル(10ml)中3−フルオロピリジン(4.3ml、50mmol)を、−78℃で15分間に渡って滴加した。この反応混合物を−78℃で1時間攪拌し、その後、ジエチルエーテル(10ml)中N,N−ジメチルホルムアミド(4.3ml、55mmol)を、−78℃で10分間に渡って滴加した。これを2時間攪拌し、次いで、急速に攪拌されている氷/水混合物(300ml)上に慎重に注いだ。混合物を20分間攪拌し、次いで酢酸エチル(200ml)で希釈した。層を分離し、かつ水層をジクロロメタン(4×50ml)でさらに抽出した。有機溶液を合わせ、減圧下で濃縮し、かつ結果として生じる粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン:ペンタン(0:100〜60:40 v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、固形物として表題化合物(2.7g、43%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.56〜7.60(m,2H)、8.63(m,1H)、10.22(s,1H)。
【0249】
調製例62:3−フルオロピリジン−2−カルボアルデヒドオキシム
【0250】
【化57】

固形の水酸化ナトリウム(1.08g、27mmol)を塩酸ヒドロキシルアミン(1.9g、27mmol)のエタノール(120ml)溶液に添加し、かつこの混合物を室温で30分間攪拌した。調製例61のアルデヒド(2.7g、22mmol)を添加し、この反応混合物を室温で6.5時間攪拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタン(50ml)中に溶解し、かつ水(50ml)で洗浄した。有機層を分離し、かつ減圧下で濃縮して、オフホワイト固形物として表題化合物(2.79g、90%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.35(m,1H)、7.50(t,1H)、8.43(s,1H)、8.50(d,1H)。
【0251】
調製例63:3−フルオロ−N−ヒドロキシピリジン−2−カルボキシイミドイルクロリド
【0252】
【化58】

調製例62のオキシム(200mg、1.4mmol)をクロロホルム(1.5ml)中に懸濁させ、次いでピリジン(11μl、0.14mmol)を添加した。この反応混合物を40℃まで温め、かつN−クロロスクシンイミド(206mg、1.54mmol)を添加した。次いで、これを40℃で3時間攪拌し、その後、ジクロロメタン(50ml)で希釈し、かつ水(3×30ml)で3回洗浄した。有機層を減圧下で濃縮して、固形物として表題化合物(59mg、25%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.43(m,1H)、7.55(t,1H)、8.56(d,1H)、8.75(brs,1H)。
【0253】
調製例64:(E/Z)−1−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル]−ピペリジン−1−イル}−1−(3−フルオロピリジン−2−イル)−N−ヒドロキシメタンイミン
【0254】
【化59】

調製例63のイミドイルクロリド(59mg、0.33mmol)を、ジクロロメタン(3ml)に溶かした調製例60のピペリジン(140mg、0.5mmol)およびトリエチルアミン(138μl、0.99mmol)の溶液に添加した。次いで、この反応混合物を室温で18時間攪拌し、その後、ジクロロメタン(30ml)で希釈し、かつ水(30ml)で洗浄した。水層をジクロロメタン(3×20ml)で抽出し、1M水酸化ナトリウム(10ml)で塩基性化し、かつジクロロメタン(2×30ml)で再び抽出した。有機抽出物を合わせ、かつ減圧下で濃縮して、固形物を得た。これをジクロロメタンで磨砕し、固形物を濾去し、乾燥させて、表題化合物(113mg)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.72〜1.76(m,2H)、1.95〜2.05(m,2H)、2.26(s,3H)、2.66(m,1H)、2.71〜2.78(m,2H)、3.50〜3.55(m,2H)、7.19(d,2H)、7.38(m,1H)、7.48(t,1H)、7.55(d,2H)、8.52(d,1H);LRMS APCI m/z 415[MH]
【0255】
調製例65:tert−ブチル4−[5−(メトキシメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ピペリジン−1−カルボキシラート
【0256】
【化60】

カリウムtert−ブトキシド(3.40g、30.3mmol)を、4−(5−クロロメチル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸tertブチルエステル(WO2004/037807 調製例74に記載されている、7.62g、25.25mmol)のメタノール(120ml)溶液に添加し、この反応混合物を室温で18時間攪拌した。Tlc分析により、出発原料が残存していることが示されたため、追加のカリウムtert−ブトキシド(1g、8.9mmol)を添加し、かつ反応混合物を50℃でさらに2時間攪拌した。次いで、これを減圧下で濃縮し、かつ残渣を酢酸エチル(200ml)と塩化アンモニウム溶液(150ml)の間で分配した。層を分離し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で蒸発させて、黄色の油として表題化合物(7.3g、97%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.45(s,9H)、1.82(m,2H)、2.08(m,2H)、2.96(m,2H)、3.08(m,1H)、3.44(s,3H)、4.10(m,2H)、4.61(s,2H);LCMS:m/z APCI 298[MH]
【0257】
調製例66:tert−ブチル4−[4−(4−クロロフェニル)−5−(メトキシメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−1−カルボキシラート
【0258】
【化61】

トリフルオロ酢酸(2.14g、18.83mmol)を、トルエン(50ml)に溶かした調製例65のピペリジン(7.0g、23.54mmol)および4−クロロアニリン(3.60g、28.24mmol)の溶液に添加し、かつこの反応混合物を還流下で18時間加熱した。次いで、冷却した溶液を減圧下で濃縮し、かつ残渣を、シリカゲルカートリッジおよびジクロロメタン:メタノール(100:0〜90:10)の溶出勾配を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、油として表題化合物(4.25g、44%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):δ 1.45(s,9H)、1.67〜1.83(m,4H)、2.68〜2.83(m,3H)、3.32(s,3H)、4.08(m,2H)、4.39(s,2H)、7.46(d,2H)、7.63(d,2H);LCMS:m/z APCI 407[MH]
【0259】
調製例67:4−[4−(4−クロロフェニル)−5−(メトキシメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン
【0260】
【化62】

ジオキサン(60ml)中4M塩酸を、ジオキサン(50ml)に溶かした調製例66のピペリジン(3.75g、9.22mmol)の溶液に添加し、かつこの反応物を室温で3時間攪拌した。次いで、これを減圧下で蒸発させ、かつ残渣をジクロロメタン(100ml)中に再溶解させ、アンモニア水(100ml)および塩水(100ml)で洗浄した。有機溶液を、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルカートリッジおよび溶離剤としてのジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(90:10:1)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(1.99g、70%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.80〜1.98(m,4H)、2.57〜2.70(m,3H)、3.20(m,2H)、3.25(s,3H)、4.38(s,2H)、7.22(d,2H)、7.57(d,2H);LCMS:m/z APCI 307[MH]
【0261】
調製例68:[1,2,3]トリアゾール−1−イル−酢酸エチルエステルおよび[1,2,3]トリアゾール−2−イル−酢酸エチルエステル
【0262】
【化63】

1,2,3−トリアゾール(19.00kg、275mol)を30分間に渡って、炭酸カリウム(42.15kg、305mol)のエタノール(80L)懸濁液に添加し、かつエタノール(2L)ですすいだ。ブロモ酢酸エチル(45.8kg、274mol)のエタノール(30L)溶液をゆっくりと添加し、かつエタノール(2L)でゆすいだ。この間、反応温度は20℃より低い温度で維持した。次いで、反応混合物を室温まで温め、かつ一晩攪拌した。懸濁液を濾過した。残渣をエタノール(25Lおよび17L)で洗浄し、次いで、濾液を減圧下で濃縮した。濃縮物を酢酸エチル(120L)中に溶解し、かつこの溶液を1N塩酸(1×40L、7×20L、4×15L)で洗浄した。水性の洗液を合わせ、酢酸エチル(3×21L)で抽出した。有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ濃縮して乾燥させて、表題化合物の混合物(25kg)を得た。H NMR分光学的解析において、N−2/N−1異性体の6:5の混合物が示された。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.25(m,3H)、4.13(q,2H,N−1異性体)、4.25(q,2H,N−2異性体)、5.20(s,2H,N−1異性体)、5.22(s,2H,N−2異性体)、7.70(s,2H,N−2異性体)、7.77(s,2H,N−1異性体)。
【0263】
調製例69:[1,2,3]トリアゾール−2−イル−酢酸ヒドラジド
【0264】
【化64】

ヒドラジン水和物(8.65kg、270mol)を、調製例68に由来するエステルの混合物(19kg)の(10℃未満に)冷却したエタノール(69L)溶液に添加した。添加する間、温度は20℃未満で維持した。この反応混合物を14〜19℃で3時間攪拌し、次いでエタノール(25L)をさらに添加し、生成物を濾過によって回収し、エタノール(10L)で洗浄した。粗製の固形物をエタノール(120L)から再結晶させ、続いてメタノール(105L、120L、および90L)から3回再結晶させることにより精製し、真空中で乾燥させた後、表題化合物(4.53kg、12%)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ 4.33(s,2H)、5.02(s,2H)、7.77(s,2H)、9.40(s,1H)。
【実施例】
【0265】
(実施例1〜実施例12)
【0266】
【化65】

適切なヒドラジド、RCONHNH(1.5当量)を、テトラヒドロフラン(7.5〜18.8mlmmol−1)に溶かした調製例31〜調製例40に由来する適切なチオメチル化合物(1当量)の溶液に添加した。トリフルオロ酢酸(0.5当量)を添加し、かつこの反応混合物を還流下で1.5〜3.0時間加熱した。この混合物を減圧下で濃縮、かつ残渣を酢酸エチルと2M水酸化ナトリウムの間で分配した。水相を酢酸エチルで再び抽出し、かつ有機溶液を合わせ、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア水(90:5:0.5 v/v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
【0267】
【表3−1】

【0268】
【表3−2】

【0269】
【表3−3】

【0270】
(実施例13)
3−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン
【0271】
【化66】

カリウムtert−ブトキシド(75mg、0.67mmol)を、テトラヒドロフラン(5ml)に溶かした調製例25のチオアミド(250mg、0.67mmol)の溶液に添加し、かつこの溶液を10分間攪拌した。次いで、メチルトシラート(125mg、0.67mmol)を添加し、この反応混合物を室温でさらに30分間攪拌した。次いで、酢酸ヒドラジド(60mg、0.8mmol)、続いてトリフルオロ酢酸(25μl、0.34mmol)を添加した。反応混合物を還流下で2時間加熱し、その後、これを冷却し、次いでアンモニア水(10滴)を、メタノール(20ml)およびシリカ(5g)と共に添加し、かつこの混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物を含む残渣をジクロロメタンと共沸させ、かつシリカゲルカラムに添加した。粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア水(93:7:1 v/v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。この生成物を、酢酸エチル(200ml)と2M水酸化ナトリウム溶液(50ml)の間で分配した。有機相を塩水(50ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、かつジエチルエーテルで磨砕して、表題化合物(27mg、10%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.98〜2.08(m,2H)、2.11〜2.16(m,2H)、2.28(s,3H)、3.03〜3.10(m,2H)、3.44〜3.50(m,3H)、7.09(dd,1H)、7.33(d,2H)、7.54(d,2H)、8.10(d,1H)、8.33(m,1H);LRMS ESI m/z 417[MNa]
【0272】
(実施例14)
3−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン
【0273】
【化67】

N,N’−カルボニルジイミダゾール(63.2mg、0.39mmol)を、テトラヒドロフラン(15ml)に溶かした調製例51のピリジン(150mg、0.39mmol)の溶液に添加した。この反応混合物を室温で18時間攪拌し、次いで、還流下でさらに7時間加熱した。さらにN,N’−カルボニルジイミダゾール(123mg、0.80mmol)を添加し、次いで、反応混合物を還流下で18時間攪拌した。冷却した混合物を減圧下で濃縮し、かつ残渣を水(25ml)と酢酸エチル(25ml)の間で分配した。有機層を塩水(25ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア水(95:5:0.5 v/v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、ジエチルエーテルで磨砕した後、表題化合物(117mg、73%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.72(d,2H)、2.25(s,3H)、2.62〜2.72(m,2H)、2.95(t,2H)、3.42〜3.46(m,2H)、4.48(m,1H)、6.95(m,1H)、7.27(m,1H)、7.33(d,2H)、7.53(d,2H)、7.70(s,1H)、7.99(m,1H);LRMS APCI m/z 410[MH]
【0274】
(実施例15)
3−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
【0275】
【化68】

調製例51のピリジン(200mg、0.52mmol)をギ酸(2ml)中、還流下で14時間加熱した。冷却した混合物を減圧下で濃縮し、かつ残渣を希アンモニア水(25ml)と酢酸エチル(25ml)の間で分配した。有機層を塩水(25ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア水(95:5:0.5 v/v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、ジエチルエーテルで磨砕した後、表題化合物(90mg、44%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 2.08〜2.18(m,4H)、2.27(s,3H)、3.07〜3.13(m,2H)、3.49〜3.53(m,2H)、4.72(m,1H)、7.24(m,1H)、7.32(d,2H)、7.56(d,2H)、8.07(d,1H)、8.13(s,1H)、8.38(m,1H);LRMS ESI m/z 416[MNa]
【0276】
(実施例16)
3−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン
【0277】
【化69】

水(1ml)に溶かした亜硝酸ナトリウム(61mg、0.87mmol)を、2N塩酸(4ml)に溶かした調製例51のピリジン(300mg、0.78mmol)の溶液に0℃で滴加した。この反応混合物を0℃で40分間攪拌し、次いで希アンモニア水(10ml)を慎重に添加した。結果として生じる沈殿物を濾去し、かつ真空中で乾燥させて、表題化合物(220mg、71%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 2.16(m,2H)、2.26(s,3H)、2.36〜2.46(m,2H)、3.10(t,2H)、3.51(d,2H)、5.04(m,1H)、7.31〜7.37(m,3H)、7.55(d,2H)、8.38(d,1H)、8.64(d,1H);LRMS ESI m/z 417[MNa]
【0278】
(実施例17)
1−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−1H−ベンゾイミダゾール−2−アミン
【0279】
【化70】

臭化シアン(118mg、1.11mmol)を、テトラヒドロフラン(10ml)に溶かした調製例53のアミン(300mg、0.78mmol)の溶液に添加した。この反応混合物を還流下で66時間加熱し、次いで放冷した。水(5ml)および2M水酸化ナトリウム(2ml、4mmol)を添加し、かつこの混合物を室温で1時間攪拌した。次いで、有機溶媒を減圧下で除去して、固形物を沈殿させた。水溶液をデカント除去し、かつこの固形物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア水(90:10:1 v/v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(196mg、62%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.78〜1.83(m,2H)、2.27(s,3H)、2.43〜2.53(m,2H)、3.03(t,2H)、3.44(d,2H)、4.22(m,1H)、7.06(t,1H)、7.13(t,1H)、7.22(d,1H)、7.31(d,2H)、7.42(d,1H)、7.56(d,2H);LRMS APCI m/z 408[MH];微量分析:実測値;C,60.66;H,5.54;N,23.30;C2122ClN.0.44HO 計算値;C,60.66;H,5.55;N,23.58%。
【0280】
(実施例18)
1−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−3−メチル−1,3−ジヒドロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール2,2−ジオキシド
【0281】
【化71】

水素化ナトリウム(16mg、鉱油中60%分散液、0.40mmol)を、テトラヒドロフラン(2ml)およびN,N−ジメチルホルムアミド(1ml)に溶かした調製例54のベンゾチアジアゾール(87mg、0.20mmol)の溶液に0℃で添加した。ヨウ化メチル(12.5μl、0.20mmol)を2分後に添加し、次いでこの反応混合物を0℃で15分間攪拌した。(tlcによって評価したところ)反応は不完全であったため、追加の水素化ナトリウム(7.6mg、鉱油中60%分散液、0.19mmol)を添加し、この反応混合物を室温でさらに18時間攪拌した。水(20ml)を慎重に添加して、発泡させ、固形物を沈殿させた。この固形物を濾去し、乾燥させて、表題化合物(65mg、71%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):δ 1.97〜2.01(m,2H)、2.13〜2.24(m,5H)、2.97(t,2H)、3.20(s,3H)、3.39〜3.43(m,2H)、4.14(m,1H)、6.88(m,1H)、6.95〜7.00(m,3H)、7.52(d,2H)、7.65(d,2H);LRMS ESI m/z 481[MNa];融点=210〜212℃
【0282】
(実施例19)
3−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−6−フルオロ−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン
【0283】
【化72】

水(1ml)に溶かした亜硝酸ナトリウム(15mg、0.20mmol)を、2N塩酸(1ml)に溶かした調製例58のピリジン(90mg、0.19mmol)の溶液に0℃で滴加した。この反応混合物を0℃で1時間攪拌し、その後、希アンモニア水を慎重に添加して、固形物を沈殿させた。この固形物を濾去し、かつジクロロメタン(25ml)に溶解した。溶液を水(2×25ml)で洗浄し、合わせた水層をジクロロメタン(25ml)で抽出した。合わせた有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア水(100:0:0〜95:5:0.5 v/v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(31mg、40%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 2.12〜2.18(m,2H)、2.27(s,3H)、2.34〜2.45(m,2H)、3.09(t,2H)、3.48〜3.53(m,2H)、5.01(m,1H)、7.32(d,2H)、7.55(d,2H)、8.00(dd,1H)、8.56(m,1H);LRMS APCI m/z 413[MH]
【0284】
(実施例20)
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペラジン−1−イル}−1,2−ベンゾイソチアゾール
【0285】
【化73】

表題化合物(106mg、51%)を、調製例43の化合物および酢酸ヒドラジドを用いて、実施例1〜実施例12に関して説明した方法と同様の方法によって調製した。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 2.23(s,3H)、3.23〜3.26(m,4H)、3.38〜3.41(m,4H)、7.25〜7.33(m,3H)、7.42(t,1H)、7.49(d,2H)、7.76(d,1H)、7.81(d,1H);LRMS APCI m/z 411[MH]
【0286】
(実施例21)
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペラジン−1−イル}−1,2−ベンゾイソチアゾール1,1−ジオキシド
【0287】
【化74】

メタクロロ過安息香酸(74.4mg、0.43mmol)を、ジクロロメタン(4ml)に溶かした実施例20のベンゾイソチアゾール(80.5mg、0.19mmol)の溶液に添加した。この反応混合物を、室温で2時間攪拌した。次いで、ジクロロメタン(15ml)で希釈し、1M水酸化ナトリウム(10ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ減圧下で濃縮した。残渣を熱酢酸エチル(10ml)中に溶かし、かつ冷却して固化させた。溶媒を減圧下で除去し、かつ固形物をエタノールから晶出させた。これを濾過し、かつ冷エタノールでゆすいで、表題化合物(48.6mg、56%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 2.26(s,3H)、3.26〜3.34(m,4H)、3.96〜4.06(m,4H)、7.29(d,2H)、7.56(d,2H)、7.64(t,1H)、7.71(t,1H)、7.79(d,1H)、7.95(d,1H);LCMS UV−ELSD−ESI 単一ピーク m/z 443[MH]
【0288】
(実施例22)
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペラジン−1−イル}−1,2−ベンゾイソチアゾール
【0289】
【化75】

表題化合物(150mg、16%)を、調製例43の化合物およびトリフルオロ酢酸ヒドラジドを用いて、実施例1〜実施例12に関して説明した方法と同様の方法によって調製した。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 3.33〜3.36(m,4H)、3.41〜3.45(m,4H)、7.32〜7.36(m,3H)、7.46(t,1H)、7.53(d,2H)、7.78〜7.84(m,2H);LRMS APCI m/z 465[MH]
【0290】
(実施例23)
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペラジン−1−イル}−1,2−ベンゾイソチアゾール1,1−ジオキシド
【0291】
【化76】

表題化合物(34mg、57%)を、実施例22のベンゾイソチアゾールおよびメタクロロ過安息香酸を用いて、実施例21に関して説明した方法と同様の方法によって調製した。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 3.33〜3.43(m,4H)、4.00〜4.07(m,4H)、7.35(d,2H)、7.58(d,2H)、7.65(t,1H)、7.73(t,1H)、7.77(d,1H)、7.96(d,1H);LCMS ELSD−APCI 単一ピーク m/z 497[MH]
【0292】
(実施例24)
3−{(3−endo)−8−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−2−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
【0293】
【化77】

表題化合物(567mg、56%)を、調製例47の化合物および酢酸ヒドラジドを用いて、実施例1〜実施例12に関して説明した方法と同様の方法によって調製した。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.83〜1.88(m,2H)、1.97〜2.03(m,2H)、2.25(s,3H)、2.27〜2.32(m,2H)、2.35〜2.42(m,2H)、2.57(s,3H)、4.01〜4.04(m,2H)、4.62(m,1H)、7.33(d,2H)、7.54〜7.58(m,3H)、8.36(d,1H)、8.77(s,1H);LRMS APCI m/z 434[MH]
【0294】
(実施例25)
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−1−イル}−1,2−ベンゾイソチアゾール
【0295】
【化78】

3−クロロ−1,2−ベンゾイソチアゾール(147mg、0.87mmol)を、アセトニトリル(20ml)に溶かした調製例60のピペリジン(200mg、0.72mmol)の溶液に添加した。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(111μl、0.72mmol)を添加し、次いでこの反応混合物を室温で48時間攪拌した。次いで、減圧下でこれを濃縮し、かつ粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア水(90:10:1 v/v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、固形物として表題化合物(290mg、98%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):δ 1.80〜1.85(m,2H)、2.00〜2.10(m,2H)、2.23(s,3H)、2.57(m,1H)、2.85〜2.91(m,2H)、3.23〜3.28(m,2H)、7.32(t,1H)、7.43(d,2H)、7.61〜7.68(m,4H)、7.74(d,1H);LRMS APCI m/z 410[MH]
【0296】
(実施例26)
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−(メトキシメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−1−イル}−1,2−ベンゾイソチアゾール
【0297】
【化79】

表題化合物(40mg、25%)を、調製例60のピペリジンおよび3−クロロ−1,2−ベンゾイソチアゾールを用いて、(1.1当量の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンを使用したことを除いては)実施例25に関して説明した方法と同様の方法によって調製した。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.79〜1.85(m,2H)、2.16〜2.24(m,2H)、2.49(m,1H)、2.84(m,2H)、3.30(m,5H)、4.38(s,2H)、7.12(m,4H)、7.52〜7.61(m,3H)、7.70(d,1H);LRMS APCI m/z 440[MH]
【0298】
(実施例27)
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−1−イル}イソチアゾロ[5,4−b]ピリジン
【0299】
【化80】

表題化合物を、調製例60のピペリジンおよび3−クロロイソチアゾロ[5,4−b]ピリジンを用いて、実施例25に関して説明した方法と同様の方法によって調製した。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.75(m,2H)、1.98〜2.10(m,2H)、2.21(s,3H)、2.54(m,1H)、3.25(m,2H)、3.48〜3.68(m,2H)、7.02(m,1H)、7.18(d,2H)、7.57(d,2H)、7.78(dd,1H)、8.50(d,1H);LCMS APCI m/z 411[MH]
【0300】
(実施例28)
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−1−イル}−1,2−ベンゾイソチアゾール1,1−ジオキシド
【0301】
【化81】

表題化合物(36mg、42%)を、実施例25のベンゾイソチアゾールおよびメタクロロ過安息香酸を用いて、実施例21に関して説明した方法と同様の方法によって調製した。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.82〜1.88(m,2H)、1.93〜2.02(m,2H)、2.21(s,3H)、2.57(m,1H)、2.78〜2.84(m,2H)、3.81〜3.86(m,2H)、7.12(d,2H)、7.54(d,2H)、7.66〜7.76(m,2H)、7.86(d,1H)、8.02(d,1H);LRMS APCI m/z 442[MH]
【0302】
(実施例29)
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−1−イル}イソオキサゾロ[4,5−b]ピリジン
【0303】
【化82】

水素化ナトリウム(油中60%分散液、19mg、0.48mmol)を、テトラヒドロフラン(1ml)に溶かした調製例64の化合物(180mg、0.43mmol)の溶液に添加し、かつこの反応混合物を室温で5分間攪拌した。トルエン(4ml)を添加し、次いでこの反応混合物を110℃で18時間加熱した。エタノール(74μl、1.3mmol)、続いて酢酸(18μl、0.3mmol)を、冷却した混合物に添加した。反応混合物を室温で20分間攪拌し、次いで、ジクロロメタン(15ml)で希釈し、かつ水(10ml)で洗浄した。層を分離し、かつ水層をジクロロメタン(3×10ml)でさらに抽出した。水溶液を1M水酸化ナトリウム(10ml)で塩基性化し、かつジクロロメタン(2×10ml)で再び抽出した。合わせた有機溶液を減圧下で濃縮し、かつ結果として生じる粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア水(100:0:0〜95:5:0.5 v/v/v)を使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(45mg、27%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.89(d,2H)、2.06〜2.17(m,2H)、2.24(s,3H)、2.74(m,1H)、3.03(t,2H)、4.72(d,2H)、7.19(d,2H)、7.36(m,1H)、7.56(d,2H)、7.70(d,1H)、8.50(d,1H);LCMS UV−ELSD−ESI 単一ピーク m/z 395[MH]
【0304】
上記に例示した化合物はすべて、前述したようにスクリーン1.0において試験した場合に(V1Aフィルター結合アッセイ)、700nM未満のKi値を示した。
【0305】
具体的な化合物の例を以下に示す。
【0306】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその誘導体
【化1】

[式中、Rは、H、CF、およびC1〜6アルキル(C1〜6アルキルオキシまたはトリアゾリルで置換されていてもよい)から選択される基を表し、
はハロを表し、
環Aは、少なくとも1つのN原子を含む5員または6員の複素環(環は、2つ以上の炭素原子で架橋されていてもよい)を表し、
は、N、O、およびSから選択される少なくとも1つの原子を含む5員または6員の複素環を表し、前記複素環は、C1〜6アルキル、オキソ、およびNHから選択される1つまたは複数の基で置換されていてもよく、前記複素環は、5員もしくは6員のアリールまたはN、O、およびSから選択される少なくとも1つの原子を含む複素環とさらに縮合していてもよく、前記縮合アリールまたは複素環は、1つまたは複数のハロ原子で置換されていてもよい]。
【請求項2】
が、メチル、CF、CHOCH、またはトリアゾリルメチルを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がクロロを表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
環Aが、ピペリジニルまたはピペラジニルを表す、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
が、N、O、またはSから選択される少なくとも1つの原子を含む5員または6員の複素環を表し、前記複素環が、C1〜6アルキル、オキソ、またはNHから選択される1つまたは複数の基で置換されていてもよく、前記複素環が、5員もしくは6員のアリールまたはN、O、もしくはSから選択される少なくとも1つの原子を含む複素環と縮合しており、前記縮合アリールまたは複素環が、1つまたは複数のハロ原子で置換されている、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
が、N、O、またはSから選択される少なくとも1つの原子を含む5員または6員の複素環を表し、前記複素環が、C1〜6アルキル、オキソ、またはNHから選択される1つまたは複数の基で置換されていてもよく、前記複素環が、フェニル環またはピリジル環と縮合しており、前記フェニル環またはピリジル環が、1つまたは複数のハロ原子で置換されている、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
が、
【化2】

を表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
1−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール;
1−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン;
1−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−3−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン;
5−クロロ−1−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン;
1−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−5−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン;
1−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール;
3−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}[1,3]オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2(3H)−オン;
3−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イルメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}[1,3]オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2(3H)−オン;
1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−4−(3−イソプロピル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン;
4−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン;
1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−4−(5−イソプロピル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン;
1−[4−(4−クロロフェニル)−5−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イルメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−4−(5−イソプロピル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン;
3−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン;
3−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン;
3−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン;
1−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン;
1−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−3−メチル−1,3−ジヒドロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール 2,2−ジオキシド;
3−{1−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−4−イル}−6−フルオロ−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン;
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペラジン−1−イル}−1,2−ベンズイソチアゾール;
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペラジン−1−イル}−1,2−ベンズイソチアゾール 1,1−ジオキシド;
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペラジン−1−イル}−1,2−ベンズイソチアゾール;
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペラジン−1−イル}−1,2−ベンズイソチアゾール 1,1−ジオキシド;
3−{(3−endo)−8−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}−2−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン;
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−1−イル}−1,2−ベンズイソチアゾール;
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−(メトキシメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−1−イル}−1,2−ベンズイソチアゾール;
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−1−イル}イソチアゾロ[5,4−b]ピリジン;
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−1−イル}−1,2−ベンズイソチアゾール 1,1−ジオキシド;
3−{4−[4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]ピペリジン−1−イル}イソオキサゾロ[4,5−b]ピリジン;
から選択される、請求項1に記載の化合物、および薬学的に許容できるその誘導体。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の化合物の医薬品としての使用。
【請求項10】
請求項1から8のいずれかに記載の化合物の治療有効量を投与するステップを含む、V1aアンタゴニストが適応される障害を治療するための、ヒトを含む哺乳動物の治療方法。
【請求項11】
不安、心血管疾患(アンギナ、アテローム性動脈硬化症、高血圧、心不全、浮腫、高ナトリウム血症を含む)、月経困難症(原発性および続発性)、子宮内膜症、嘔吐(動揺病を含む)、子宮内発育遅延、炎症(関節リウマチを含む)、中間痛、子かん前症、早発射精、時期尚早な(早期の)分娩、またはレイノー病を治療するための、ヒトを含む哺乳動物の治療方法であって、請求項1から8のいずれかに記載の化合物の治療有効量を、このような障害を有する患者に投与するステップを含む方法。
【請求項12】
前記障害が月経困難症(原発性または続発性)である、請求項10または請求項11に記載の治療方法。
【請求項13】
V1a受容体アンタゴニストが適応される障害を治療するための医薬品の製造における、請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項14】
不安、心血管疾患(アンギナ、アテローム性動脈硬化症、高血圧、心不全、浮腫、高ナトリウム血症を含む)、月経困難症(原発性および続発性)、子宮内膜症、嘔吐(動揺病を含む)、子宮内発育遅延、炎症(関節リウマチを含む)、中間痛、子かん前症、早発射精、時期尚早な(早期の)分娩、またはレイノー病を治療するための医薬品の製造における、請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項15】
前記障害が月経困難症(原発性または続発性)である、請求項13または請求項14に記載の使用。
【請求項16】
薬学的に許容できる賦形剤、希釈剤、または担体と共に、請求項1から8のいずれかに記載の化合物を含む医薬製剤。
【請求項17】
(A)請求項1から8のいずれかに記載の化合物、および(B)別の薬理学的に活性な成分の組合せ。
【請求項18】
(B)が経口避妊薬、PDEV阻害剤、COX阻害剤、NO供与体、またはL−アルギニンである、請求項17に記載の組合せ。
【請求項19】
月経困難症の治療における、同時投与、逐次投与、または個別投与による併用療法用の医薬品を製造するための、請求項17または請求項18に記載の組合せの使用。
【請求項20】
月経困難症を治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、一緒になった場合に効果的である量の、請求項17または請求項18に記載の(A)および(B)の組合せを投与するステップを含む方法。
【請求項21】
月経困難症(原発性または続発性)を治療する際に、同時に、別々に、または逐次的に使用するための組合せ製剤としての、請求項17または請求項18に記載の(A)および(B)の組合せを含む医薬製品。

【公表番号】特表2008−539220(P2008−539220A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508336(P2008−508336)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【国際出願番号】PCT/IB2006/001071
【国際公開番号】WO2006/114706
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(597014501)ファイザー・リミテッド (107)
【氏名又は名称原語表記】Pfizer Limited
【住所又は居所原語表記】Ramsgate Road, Sandwich, Kent, England
【Fターム(参考)】