説明

パッケージマーキング方法、パッケージ、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計

【課題】信頼性を損なうことなく、かつ綺麗にマーキングを行うことができるパッケージマーキング方法、パッケージ、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計を提供する。
【解決手段】ガラスにより形成されているリッド基板の表面に、マーキングを施すためのパッケージマーキング方法において、リッド基板の表面に薄膜を形成する薄膜形成工程(S100)と、薄膜形成工程により形成された薄膜にレーザ光を照射し、薄膜を除去することによりリッド基板の表面にマーキングを施すマーキング工程(S120)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パッケージマーキング方法、パッケージ、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話や携帯情報端末には、時刻源や制御信号などのタイミング源、リファレンス信号源などとして水晶などを利用した圧電振動子を用いる場合が多い。この種の圧電振動子として、キャビティ(密閉室)が形成されたパッケージ内に電子部品である圧電振動片を真空封止したものがある。パッケージは、一対のガラス基板のうちの一方に凹部を形成した状態で互いに重ね合わせ、両者を直接接合することにより、凹部をキャビティとして機能させる構造になっている。
【0003】
ところで、ガラス基板の表面にマーキングを施す手段として、インクジェットやインクスタンプ等を用いてマーキングを施す手段が考えられる。しかしながら、圧電振動子のような小型な部品には、マークの大きさに限界があり、マーキング可能な文字数が少なくなってしまう。このため、ガラス基板の表面にレーザ光を照射してエッチングすることにより、ガラス基板の表面にマーキングを施す方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−101379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来技術を、圧電振動子等、内部に電子部品が封止されているパッケージに用いる場合、ガラス基板を透過してしまうレーザ光を使用すると電子部品に影響を及ぼす虞がある。
一方、ガラス基板に対する吸収率が100%のレーザ光を使用することにより、電子部品への影響を阻止することが可能になる。しかしながら、ガラス基板の表面をエッチングすることによってマーキングを施す場合、クラック等の発生によりパッケージの信頼性が低下する虞があると共に、綺麗にマーキングを施すことが困難であるという課題がある。
【0006】
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、信頼性を損なうことなく、かつ綺麗にマーキングを行うことができるパッケージマーキング方法、パッケージ、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明に係るパッケージマーキング方法は、互いに接合され、少なくとも一方の表面の少なくとも一部がガラスにより形成されている第1基板、および第2基板と、これら第1基板と第2基板との間に形成され、電子部品を封入可能なキャビティとを備えたパッケージの前記ガラスの表面に、マーキングを施すためのパッケージマーキング方法において、前記ガラスの表面に薄膜を形成する薄膜形成工程と、前記薄膜形成工程により形成された前記薄膜にレーザ光を照射し、前記薄膜を除去することにより前記ガラスの表面にマーキングを施すマーキング工程とを有することを特徴とする。
【0008】
このように構成することで、ガラスの表面をエッチングすることなく、表面にマーキングを施すことができる。このため、レーザ光による電子部品への影響を防止でき、信頼性の高いパッケージを提供することが可能になる。
また、ガラスの表面に形成された薄膜を除去することによってマーキングを施すので、ガラスの表面をエッチングする場合と比較して綺麗にマーキングを施すことができると共に、クラックの発生を防止することが可能になる。
【0009】
本発明に係るパッケージマーキング方法は、前記レーザ光は、ガラスに100%吸収される波長領域のものであることを特徴とする。
【0010】
このように構成することで、レーザ光がガラスを透過してしまうのを確実に防止できるので、さらに信頼性の高いパッケージを提供することが可能になる。
【0011】
本発明に係るパッケージマーキング方法は、前記レーザ光の波長λは、λ≧7.5μmを満たすように設定されていることを特徴とする。
【0012】
このように構成することで、ガラスへのクラックの発生等を防止することができる。
ここで、一般に、ガラスに100%吸収されるレーザ光の波長領域としては、数nmの短い波長領域と、数μmの長い波長領域とがある。短い波長領域のレーザ光は、波長が短い分エネルギーが大きくなるので、ガラスにクラック等を発生させてしまう虞がある。このため、波長の長いレーザ光、具体的には、レーザ光の波長λが、λ≧7.5μmを満たすように設定されていることにより、ガラスに100%吸収されつつ、ガラスへのクラックの発生等を防止することが可能になる。
【0013】
本発明に係るパッケージマーキング方法は、前記薄膜の膜厚Tは、1000Å≦T≦3000Åを満たすように設定され、前記レーザ光として、CO2レーザを用いることを特徴とする。
【0014】
このように構成することで、CO2レーザを用いて、確実に薄膜を除去し、確実に綺麗なマーキングを施すことが可能になる。
ここで、薄膜の膜厚Tが3000Åよりも厚く設定されていると、薄膜を除去しきれず、綺麗にマーキングを施すことができなくなる虞がある。このため、薄膜の膜厚Tを、1000Å≦T≦3000Åを満たすように設定することにより、確実に綺麗なマーキングを施すことが可能になる。
【0015】
本発明に係るパッケージマーキング方法は、前記レーザ光の出力Pは、4.5W≦P≦6Wを満たすように設定されていることを特徴とする。
【0016】
このように構成することで、薄膜を除去しつつ、ガラスへのクラックの発生を確実に防止することができる。
【0017】
本発明に係るパッケージマーキング方法は、前記薄膜は、Siを主成分とする膜であることを特徴とする。
【0018】
このように構成することで、薄膜を除去した部分のガラスの表面を際立たせることができる。つまり、一般にSiはレーザ光を吸収すると共に、色素を有しているので、薄膜の除去した部分と除去していない部分とをはっきり色分けすることができる。このため、薄膜を除去した部分のガラスの表面が際立ち、マーキングをはっきり表示させることが可能になる。
また、Siは、耐腐食性が高く、絶縁性も高いので、パッケージの信頼性を高めることができる。
【0019】
本発明に係るパッケージマーキング方法は、前記薄膜形成工程の前に、前記第1基板および前記第2基板のうち一方に形成された接合材と、他方とを陽極接合する接合工程を備え、前記薄膜形成工程では、前記第1基板と前記第2基板との間から外部に露出している前記接合材を覆うように前記薄膜を形成することを特徴とする。
【0020】
このように構成することで、接合材の腐食を防止することができる。
【0021】
本発明に係るパッケージマーキング方法は、前記薄膜形成工程では、薄膜形成治具の凹部内に前記パッケージを配置し、前記パッケージの外部電極を前記凹部内に収容しつつ前記接合材を外部に露出させた状態で、前記薄膜を形成することを特徴とする。
【0022】
このように構成することで、外部電極の短絡を防止しつつ、接合材を薄膜で覆うことができる。
【0023】
本発明に係るパッケージマーキング方法は、前記薄膜形成工程では、薄膜形成治具の複数の凹部内にそれぞれ前記パッケージを配置し、複数の前記パッケージが離間配置された状態で、前記薄膜を形成することを特徴とする。
【0024】
このように構成することで、パッケージ1の側面にも薄膜を形成することができるので、接合材を確実に薄膜で覆うことができる。
【0025】
本発明に係るパッケージは、互いに接合され、少なくとも一方の表面の少なくとも一部がガラスにより形成されている第1基板、および第2基板と、これら第1基板と第2基板との間に形成され、電子部品を封入可能なキャビティとを備えたパッケージにおいて、前記ガラスの表面に薄膜を形成し、この薄膜にレーザ光を照射して前記薄膜を除去することにより、前記ガラスの表面にマーキングを施したことを特徴とするパッケージ。
【0026】
このように構成することで、信頼性を損なうことなく、かつ綺麗にマーキングが施されたパッケージを提供することができる。
【0027】
本発明に係る圧電振動子は、請求項7に記載のパッケージの前記キャビティ内に、圧電振動片が気密封止されてなることを特徴とする。
【0028】
このように構成することで、レーザ光による圧電振動片への影響を防止でき、信頼性の高い圧電振動子を提供することができる。
また、気密性に優れたパッケージを備えているので、振動特性に優れた圧電振動子を提供することができる。
【0029】
本発明に係る発振器は、請求項8に記載の前記圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする。
【0030】
このように構成することで、振動特性に優れ、信頼性の高い発振器を提供することができる。
【0031】
本発明に係る電子機器は、請求項8に記載の前記圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする。
【0032】
このように構成することで、振動特性に優れ、信頼性の高い電子機器を提供することができる。
【0033】
本発明に係る電波時計は、請求項8に記載の前記圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする。
【0034】
このように構成することで、振動特性に優れ、信頼性の高い電波時計を提供することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、ガラスの表面をエッチングすることなく、表面にマーキングを施すことができる。このため、レーザ光による電子部品への影響を防止でき、信頼性の高いパッケージを提供することが可能になる。
また、ガラスの表面に形成された薄膜を除去することによってマーキングを施すので、ガラスの表面をエッチングする場合と比較して綺麗にマーキングを施すことができると共に、クラックの発生を防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態における圧電振動子の外観斜視図である。
【図2】本発明の実施形態における圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板3を取り外した状態を示す。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】本発明の実施形態における圧電振動子の分解斜視図である。
【図5】本発明の実施形態における圧電振動子の製造方法を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態におけるウエハ接合体の分解斜視図である。
【図7】本発明の実施形態におけるマーキング工程の説明図である。
【図8】本発明の実施形態におけるソーダ石灰ガラスの透過率の変化を示すグラフであって、(a)は、レーザ光の波長領域が0μm〜24μmの場合を示し、(b)は、レーザ光の波長領域が100nm〜1,100nmの場合を示している。
【図9】本発明の実施形態における発振器の概略構成図である。
【図10】本発明の実施形態における携帯情報機器の概略構成図である。
【図11】本発明の実施形態における電波時計の概略構成図である。
【図12】本発明の第2実施形態における薄膜形成工程の説明図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
(圧電振動子)
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における圧電振動子1の外観斜視図、図2は、圧電振動子1の内部構成図であって、リッド基板3を取り外した状態を示す。また、図3は図2のA−A線に沿う断面図、図4は、圧電振動子1の分解斜視図である。
【0038】
図1〜図4に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、ベース基板(第1基板)2、およびリッド基板(第2基板)3が接合材23を介して陽極接合された箱状のパッケージ10と、パッケージ10のキャビティC内に収納された圧電振動片(電子部品)5とを備えた表面実装型の圧電振動子1である。そして、圧電振動片5とベース基板2の裏面2a(図3における下面)に設置された外部電極6,7とが、ベース基板2を貫通する一対の貫通電極8,9によって電気的に接続されている。
【0039】
ベース基板2は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明な絶縁基板で板状に形成されている。ベース基板2には、一対の貫通電極8,9が形成される一対のスルーホール21,22が形成されている。スルーホール21,22は、ベース基板2の裏面2aから表面2b(図3における上面)に向かって漸次径が縮径した断面テーパ形状をなしている。
【0040】
リッド基板3は、ベース基板2と同様に、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板であり、ベース基板2に重ね合わせ可能な大きさの板状に形成されている。リッド基板3の裏面3b(図3における下面)側には、圧電振動片5が収容される矩形状の凹部3aが形成されている。
【0041】
この凹部3aは、ベース基板2、およびリッド基板3を重ね合わせた際、圧電振動片5を収容するキャビティCを形成する。そして、リッド基板3は、凹部3aをベース基板2側に対向させた状態でベース基板2に対して接合材23を介して陽極接合されている。すなわち、リッド基板3の裏面3b側には、中央部に形成された凹部3aと、凹部3aの周囲に形成され、ベース基板2との接合面となる額縁領域3cとが形成されている。
【0042】
圧電振動片5は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。
この圧電振動片5は、略平行に配置された一対の振動腕部24,25と、一対の振動腕部24,25の基端側を一体的に固定する基部26とからなる音叉型である。一対の振動腕部24,25の表面上には、振動腕部24,25を振動させる不図示の一対の第1の励振電極と第2の励振電極とからなる励振電極と、第1の励振電極、および第2の励振電極と、後述する引き回し電極27,28とを電気的に接続する一対のマウント電極とを有している(何れも不図示)。
【0043】
このように構成された圧電振動片5は、図2、図3に示すように、金等のバンプBを利用して、ベース基板2の表面2bに形成された引き回し電極27,28上にバンプ接合されている。
より具体的には、一方の引き回し電極27上に、圧電振動片5の第1の励振電極が一方のマウント電極、およびバンプBを介してバンプ接合されている。また、他方の引き回し電極28上に、第2の励振電極が他方のマウント電極、およびバンプBを介してバンプ接合されている。これにより、圧電振動片5は、ベース基板2の表面2bから浮いた状態で支持されるとともに、各マウント電極と引き回し電極27,28とがそれぞれ電気的に接続された状態となる。
【0044】
さらに、ベース基板2の表面2b側(リッド基板3が接合される接合面側)には、Alからなる陽極接合用の接合材23が形成されている。この接合材23は、膜厚が例えば3000Å〜5000Å程度に設定され、リッド基板3の額縁領域3cに対向するようにベース基板2の外周部分に沿って形成されている。
そして、接合材23とリッド基板3の額縁領域3cとが陽極接合されることにより、キャビティCが真空封止されている。なお、接合材23の側面は、ベース基板2の側面2c、およびリッド基板3の側面3e(パッケージ10の側面(外側面)10a)と略面一に形成されている。
【0045】
外部電極6,7は、ベース基板2の裏面2a(ベース基板2における接合面とは反対側の面)における長手方向の両側に設置されている。外部電極6,7は、各貫通電極8,9、および各引き回し電極27,28を介して圧電振動片5に電気的に接続されている。
より具体的には、一方の外部電極6は、一方の貫通電極8、および一方の引き回し電極27を介し、圧電振動片5の一方のマウント電極に電気的に接続されている。また、他方の外部電極7は、他方の貫通電極9、および他方の引き回し電極28を介し、圧電振動片5の他方のマウント電極に電気的に接続されている。
なお外部電極6,7の側面(外周縁)は、ベース基板2の側面2cよりも内側に位置している。
【0046】
貫通電極8,9は、焼成によってスルーホール21,22に対して一体的に固定された筒体32、および芯材部31によって形成されたものである。貫通電極8,9は、スルーホール21,22を完全に閉塞し、キャビティC内の気密を維持していると共に、外部電極6,7と引き回し電極27,28とを導通させる役割を担っている。
具体的には、一方の貫通電極8は、外部電極6と基部26との間で引き回し電極27の下方に位置しており、他方の貫通電極9は、外部電極7と振動腕部25との間で引き回し電極28の下方に位置している。
【0047】
筒体32は、ペースト状のガラスフリットが焼成されたものである。筒体32は、両端が平坦で、かつベース基板2と略同じ肉厚の円筒状に形成されている。筒体32の中心には、芯材部31が筒体32の中心孔を貫通するように配されている。
また、本実施形態ではスルーホール21,22の形状に合わせて、筒体32の外形が円錐状(断面テーパ状)となるように形成されている。この筒体32は、スルーホール21,22内に埋め込まれた状態で焼成されており、これらスルーホール21,22に対して強固に固着されている。
【0048】
上述した芯材部31は、金属材料により円柱状に形成された導電性の芯材であり、筒体32と同様に両端が平坦で、かつベース基板2と略同じ肉厚となるように形成されている。なお、貫通電極8,9は、導電性の芯材部31を通して電気導通性が確保されている。
【0049】
ここで、図1、図3に示すように、パッケージ10には、リッド基板3の表面3dからリッド基板3の側面3e、およびベース基板2の側面2c(パッケージ10の側面10a)の全域を覆うように薄膜11が形成されている。すなわち、ベース基板2、およびリッド基板3の間から外部に露出している接合材23を覆うように薄膜11が形成されている。そして、薄膜11の周縁端部(図3における下端部)は、ベース基板2の裏面2aと略面一に形成されている。つまり、ベース基板2の裏面2aには薄膜11が形成されていない。
【0050】
このように薄膜11を形成することにより、薄膜11とベース基板2、およびリッド基板3との密着性を向上させ、薄膜11と基板2,3との間に隙間ができたり、薄膜11が剥離したりするのを抑制できるようになっている。
【0051】
薄膜11は、シリコン(Si)を主成分とする金属材料により形成されたものであって、薄膜11の膜厚Tは、
1000Å≦T≦3000Å・・・(1)を満たすように設定されている。
【0052】
また、リッド基板3の表面3dに形成されている薄膜11には、製品の種類、製品番号、製造年月日等を示すマーキング13が施されている。マーキング13は、薄膜11にレーザ光L(図7参照)を照射し、薄膜11の一部を除去することにより施される(詳細は後述する)。
薄膜11をレーザ光Lの吸収率が高いシリコン(Si)を主成分とする金属材料により形成することで、リッド基板3の表面3dに形成されている薄膜11に確実にマーキング13を施すことができる。
【0053】
このような構成のもと、圧電振動子1を作動させる場合には、ベース基板2に形成された外部電極6,7に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片5の各励振電極に電流を流すことができ、一対の振動腕部24,25を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部24,25の振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として利用することができる。
【0054】
(圧電振動子の製造方法)
次に、図5、図6に基づいて、圧電振動子1の製造方法について説明する。
図5は、本実施形態における圧電振動子1の製造方法を示すフローチャート、図6は、ウエハ接合体60の分解斜視図である。
なお、この圧電振動子1の製造方法においては、複数のベース基板2が連なるベース基板用ウエハ40と、複数のリッド基板3が連なるリッド基板用ウエハ50との間に、複数の圧電振動片5を封入してウエハ接合体60を形成し、ウエハ接合体60を切断することにより複数の圧電振動子1を同時に製造する方法について説明する。ここで、図6に示す破線Mは、切断工程で切断する切断線を図示したものである。
【0055】
本実施形態における圧電振動子1の製造方法は、主に、圧電振動片作製工程(S10)と、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)と、ベース基板用ウエハ作製工程(S30)と、組立工程(S40以下)とを有している。これらのうち、圧電振動片作製工程(S10)、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)、およびベース基板用ウエハ作製工程(S30)は、並行して実施することが可能である。
【0056】
まず、図5に示すように、圧電振動片作製工程を行い、圧電振動片5を作製する(S10)。また、圧電振動片5を作製した後、共振周波数の粗調を行っておく。なお、共振周波数をより高精度に調整する微調に関しては、マウント後に行う。
【0057】
(リッド基板用ウエハ作成工程)
次に、図5、図6に示すように、後にリッド基板3となるリッド基板用ウエハ50を、陽極接合を行う直前の状態まで作製するリッド基板用ウエハ作製工程を行う(S20)。
具体的には、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチング等により最表面の加工変質層を除去した円板状のリッド基板用ウエハ50を形成する(S21)。
【0058】
次いで、リッド基板用ウエハ50の裏面50a(図6における下面)に、エッチング等により行列方向にキャビティC用の凹部3aを複数形成する凹部形成工程を行う(S22)。
続いて、後述するベース基板用ウエハ40との間の気密性を確保するために、ベース基板用ウエハ40との接合面となるリッド基板用ウエハ50の裏面50a側を少なくとも研磨する研磨工程(S23)を行い、裏面50aを鏡面加工する。以上により、リッド基板用ウエハ作成工程(S20)が終了する。
【0059】
(ベース基板用ウエハ作成工程)
次に、上述した工程と同時、または前後のタイミングで、後にベース基板2となるベース基板用ウエハ40を、陽極接合を行う直前の状態まで作製するベース基板用ウエハ作製工程を行う(S30)。
まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチング等により最表面の加工変質層を除去した円板状のベース基板用ウエハ40を形成する(S31)。
【0060】
次いで、例えばプレス加工等により、ベース基板用ウエハに一対の貫通電極8,9を配置するためのスルーホール21,22を複数形成するスルーホール形成工程を行う(S32)。
具体的には、プレス加工等によりベース基板用ウエハ40の裏面40bから凹部を形成した後、少なくともベース基板用ウエハ40の表面40a側から研磨することで、凹部を貫通させ、スルーホール21,22を形成することができる。
【0061】
続いて、スルーホール形成工程(S32)で形成されたスルーホール21,22内に貫通電極8,9を形成する貫通電極形成工程(S33)を行う。
これにより、スルーホール21,22内において、芯材部31がベース基板用ウエハ40の両面40a,40b(図6における上下面)に対して面一な状態で保持される。以上により、貫通電極8,9を形成することができる。
【0062】
次に、ベース基板用ウエハ40の表面40aに導電性材料をパターニングして、接合材23を形成する接合材形成工程を行う(S34)とともに、引き回し電極形成工程を行う(S35)。
なお、接合材23はベース基板用ウエハ40におけるキャビティCの形成領域以外の領域、すなわちリッド基板用ウエハ50の裏面50aとの接合領域の全域に亘って形成する。このようにして、ベース基板用ウエハ製作工程(S30)が終了する。
【0063】
続いて、ベース基板用ウエハ作成工程(S30)で作成されたベース基板用ウエハ40の各引き回し電極27,28上に、圧電振動片作成工程(S10)で作成された圧電振動片5を、それぞれ金等のバンプBを介してマウントする(S40)。
そして、上述した各ウエハ40,50の作成工程で作成されたベース基板用ウエハ40、およびリッド基板用ウエハ50を重ね合わせる、重ね合わせ工程を行う(S50)。
具体的には、図示しない基準マーク等を指標としながら、両ウエハ40,50を正しい位置にアライメントする。これにより、マウントされた圧電振動片5が、リッド基板用ウエハ50に形成された凹部3aとベース基板用ウエハ40とで囲まれるキャビティC内に収納された状態となる。
【0064】
重ね合わせ工程後、重ね合わせた2枚のウエハ40,50を図示しない陽極接合装置に入れ、図示しない保持機構によりウエハの外周部分をクランプした状態で、所定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して陽極接合する接合工程を行う(S60)。
具体的には、接合材23とリッド基板用ウエハ50との間に所定の電圧を印加する。すると、接合材23とリッド基板用ウエハ50との界面に電気化学的な反応が生じ、両者がそれぞれ強固に密着して陽極接合される。これにより、圧電振動片5をキャビティC内に封止することができ、ベース基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とが接合されたウエハ接合体60を得ることができる。
【0065】
そして、本実施形態のように両ウエハ40,50同士を陽極接合することで、接着剤等で両ウエハ40,50を接合した場合に比べて、経時劣化や衝撃等によるずれ、ウエハ接合体60の反り等を防ぎ、両ウエハ40,50をより強固に接合することができる。
この場合、本実施形態では接合材23に抵抗値が比較的低いAlを用いているため、接合材23の全面に対して均一に電圧を印加することができ、両ウエハ40,50の接合面同士が強固に陽極接合されたウエハ接合体60を簡単に形成することができる。また、陽極接合を比較的低電圧で行うことができるため、エネルギー消費量の低減を図り、製造コストを低減させることができる。
【0066】
その後、一対の貫通電極8,9にそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極6,7を形成し(S70)、圧電振動子1の周波数を微調整する(S80)。
周波数の微調が終了後、接合されたウエハ接合体60を切断して個片化する個片化工程を行う(S90)。
【0067】
個片化工程(S90)では、不図示のマガジンでウエハ接合体60を保持し、リッド基板用ウエハ50における表面50bの表層部分に対して、切断線Mに沿ってレーザ光を照射し、ウエハ接合体60にスクライブラインを形成する。そして、スクライブラインが形成されたウエハ接合体60に対してブレーキングを行い、ウエハ接合体60に割断応力を加える。すると、ウエハ接合体60に、厚さ方向に沿ってクラックが発生し、ウエハ接合体60がリッド基板用ウエハ50上に形成されたスクライブラインに沿って折れるように切断される。そして、スクライブライン毎に不図示の切断刃を押し当てることで、ウエハ接合体60が切断線M毎のパッケージ10(圧電振動子1)に一括して分離される。
【0068】
個片化工程を終了した後、パッケージ10を薄膜11によってコーティングする薄膜形成工程(S100)を行う。
薄膜11の形成方法としては、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法等の成膜方法によって形成する方法が挙げられる。ここで、パッケージ10におけるリッド基板3の表面3dからリッド基板3の側面3e、およびベース基板2の側面2c(パッケージ10の側面10a)の全域を覆うように薄膜11を形成するのにあたって、ベース基板2の裏面2aに、例えばUVテープを貼着させるとよい。UVテープとしては、例えばポリオレフィンからなるシート材に紫外線硬化樹脂の粘着剤が塗布されたものがある。
【0069】
なお、個片化工程を行う段階で、予めベース基板用ウエハ40の裏面40b側(外部電極6,7側)を、UVテープ80の粘着面に貼着してもよい。このようにすることで、個片化工程と薄膜形成工程とを一連の作業で行うことが可能になる。
すなわち、個片化工程を経た後、UVテープを引き延ばすエクスパンド工程を行うことにより、UVテープ上に、複数のパッケージ10が所定間隔をあけて配置された状態になる。この状態で薄膜形成工程を行うことにより、パッケージ10におけるリッド基板3の表面3dからリッド基板3の側面3e、およびベース基板2の側面2c(パッケージ10の側面10a)の全域を覆うように薄膜11を形成することができる。
【0070】
このように個片化工程と薄膜形成工程とを一連の作業で行うことにより、パッケージ10に個別で薄膜11を形成する場合に比べて製造効率の向上を図ることが可能になる。
また、ベース基板2の裏面2a側にUVテープが貼着された状態で薄膜形成工程を行うことにより、ベース基板2の裏面2a側への成膜材料の回り込みを抑制できる。このため、外部電極6,7への成膜材料の付着を抑制できるので、薄膜11によって各外部電極6,7間が架け渡されるのを抑制できる。
【0071】
なお、Al等からなる接合材23が外部に露出していると、露出部分から腐食が進行してパッケージ10の気密性が保持できなくなる。これに対して、パッケージ10の側面に耐腐食性に優れたSi等からなる薄膜11を形成し、ベース基板2とリッド基板3との間から外部に露出している接合材23を薄膜11で覆うことにより、接合材23の腐食を防止することができる。
【0072】
また、ベース基板2の裏面2a側にUVテープを貼着した場合、薄膜形成工程終了後、薄膜11が形成された圧電振動子1を取り出すためのピックアップ工程を行う必要がある。
より具体的には、ピックアップ工程では、まずUVテープに対してUV照射し、UVテープの粘着力を低下させる。これにより、UVテープから圧電振動子1が剥離される。その後、画像認識等により各圧電振動子1の位置を把握して、ノズル等により吸引することで、UVテープから剥離された圧電振動子1を取り出していく。
【0073】
続いて、個片化された圧電振動子1の内部の電気特性検査を行う(S110)。
すなわち、圧電振動片5の共振周波数、共振抵抗値、ドライブレベル特性(共振周波数、および共振抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチェックする。また、絶縁抵抗特性等を併せてチェックする。そして、圧電振動子1の外観検査を行って、寸法や品質等を最終的にチェックする。
【0074】
(マーキング工程)
次に、図5、図7に基づいて、マーキング工程について説明する。
図7は、マーキング工程の説明図である。
図5、図7に示すように、電気特性検査、および外観検査が完了し、検査に合格した圧電振動子1に対して、最後にマーキング13を施すマーキング工程を行う(S120)。
【0075】
マーキング13は、リッド基板3の表面3dに対して鉛直方向からレーザ光Lを照射して、リッド基板3の表面3d上の薄膜11を除去することにより行う。
ここで、レーザ光Lとしては、ソーダ石灰ガラスにより形成されているリッド基板3に100%吸収される波長領域のものが用いられ、より好ましくは、リッド基板3に100%吸収される波長領域のうち、波長の長いレーザ光が用いられる。
【0076】
より具体的に、図8に基づいて説明する。
図8は、縦軸をソーダ石灰ガラスの透過率(Transmittance)とし、横軸をレーザ光の波長(Wavelength)とした場合のソーダ石灰ガラスの透過率の変化を示すグラフであって、(a)は、レーザ光の波長領域が0μm〜24μmの場合を示し、(b)は、レーザ光の波長領域が100nm〜1,100nmの場合を示している。
図8(a)、図8(b)に示すように、ソーダ石灰ガラスに対してレーザ光が100%吸収される領域、つまり、透過率が0%である領域は、レーザ光の波長λが、約240nmよりも短く設定されている場合、または約7.2μmよりも長く設定されている場合であることが確認できる。
【0077】
ここで、レーザ光は、波長が短くなるに従ってエネルギーが増加するので、波長が短い領域のレーザ光(図8(b)参照)を用いると、マーキング工程時に薄膜11を除去するばかりか、リッド基板3の表面3dにクラックを発生させてしまう虞がある。
このため、短い波長のレーザ光、例えば、300nm程度の波長のレーザ光は、ウエハ接合体60にスクライブラインを形成する個片化工程に用いられたり、従来のようにガラス自体にエッチングを施す場合に用いられたりする。
【0078】
これに対し、レーザ光Lとして、波長の長いレーザ光(図8(a)参照)、すなわち、波長λが、
λ≧7.5μm・・・(2)
を満たすレーザ光を用いることにより、リッド基板3の表面3dへのクラックの発生を防止できる。
より具体的には、レーザ光Lとして、CO2レーザを用いることが望ましい。このCO2レーザは、波長λが10.6μmであるので、式(2)を満たす。
【0079】
さらに、レーザ光Lとして、CO2レーザを用いた場合であっても、レーザ光Lの出力を上げることにより、リッド基板3の表面3dにクラックを発生させてしまう虞がある。
このため、薄膜11の膜厚Tは、式(1)を満たすように、つまり、1000Å≦T≦3000Åを満たすように設定されている場合において、レーザ光Lの出力をPとしたとき、出力Pを
4.5W≦P≦6.0W・・・(3)
を満たすように設定することが望ましい。
【0080】
このようにレーザ光Lの出力Pが式(3)を満たすことにより、レーザ光Lは、薄膜11のみを除去し、クラックを発生させることなく、リッド基板3に100%吸収される(図7参照)。
なお、従来のようにガラス自体にエッチングを施す場合、レーザ光のエネルギー密度は、例えば0.7J/cm2〜20J/cm2に設定される場合がある。
【0081】
また、レーザ光Lにより薄膜11が除去された部位は、リッド基板3の表面3dが露出することになる。ここで、薄膜11は、シリコン(Si)を主成分とする金属材料により形成されたものであって、その膜厚Tが式(1)を満たすように設定されているので、紫がかった色、ピンク、またはグレーといった色彩を有している。このため、リッド基板3の表面3dが露出した部位と薄膜11との色彩の違いがはっきりと表れる。
なお、薄膜11を完全に除去しきれず、この除去した部分からリッド基板3の表面3dが露出しない場合、除去した部分と除去していない部分との色彩の違いがはっきり表れず、マーキングを視認することが困難になってしまう。
【0082】
したがって、上述の実施形態によれば、リッド基板3の表面3dからリッド基板3の側面3e、およびベース基板2の側面2c(パッケージ10の側面10a)の全域を覆うように薄膜11を形成し、この薄膜11をレーザ光Lにより除去することで、リッド基板3の表面3dにマーキングを施すことができるので、従来のように、リッド基板3の表面3dをエッチングする必要がなくなる。このため、レーザ光Lによる圧電振動片5への影響を防止でき、信頼性の高いパッケージ10(圧電振動子1)を提供することが可能になる。
また、従来のように、リッド基板3の表面3dをエッチングする場合と比較して、綺麗にマーキングを施すことができる。さらに、リッド基板3のクラックの発生を確実に防止することができる。
【0083】
そして、マーキング工程に用いられるレーザ光Lとして、CO2レーザを用いることにより、レーザ光がリッド基板3を透過してしまうのを確実に防止できる。このため、さらに信頼性の高いパッケージ10(圧電振動子1)を提供することが可能になる。
また、薄膜11の膜厚Tを式(1)を満たすように設定する一方、レーザ光Lの出力Pを式(3)を満たすことにより、確実に薄膜11を除去してこの除去した部分からリッド基板3の表面3dを露出させつつ、リッド基板3にレーザ光Lを100%吸収させることができる。
【0084】
さらに、薄膜11を、シリコン(Si)を主成分とする金属材料により形成することで、リッド基板3の表面3dに、さらに綺麗にマーキングを施すことが可能になる。しかも、シリコン(Si)は、耐腐食性が高く、絶縁性も高いので、パッケージ10(圧電振動子1)の信頼性を高めることができる。
【0085】
なお、上述の実施形態では、薄膜11を、シリコン(Si)を主成分とする金属材料により形成する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、シリコン(Si)に代わって、クロム(Cr)またはチタン(Ti)等、接合材23よりも耐腐食性が高い(イオン化傾向が小さい)金属材料を用いることも可能である。
この場合、レーザ光Lの波長λや出力Pを式(2)、式(3)とは別に設定する必要がある。すなわち、レーザ光Lの波長λや出力Pは、式(2)、式(3)を満たす場合に限られるものではなく、リッド基板3の表面3dに薄膜11を形成した後、この薄膜11にレーザ光Lを照射させるにあたって、薄膜11を除去しつつ、リッド基板3へのクラックの発生を阻止可能で、かつリッド基板3にレーザ光Lを100%吸収されるレーザ光であればよい。
【0086】
また、薄膜11を、シリコン(Si)に代わって、クロム(Cr)またはチタン(Ti)等で形成した場合であっても、圧電振動子1の外部電極6,7の側面は、ベース基板2の側面2cよりも内側に位置しているため(図3参照)、外部電極6,7間が薄膜11によって架け渡されることがないので、外部電極6,7の短絡を防止できる。
【0087】
さらに、上述の実施形態では、リッド基板3の表面3dからリッド基板3の側面3e、およびベース基板2の側面2c(パッケージ10の側面10a)の全域を覆うように薄膜11が形成されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、少なくともリッド基板3の表面3dに薄膜11が形成されていればよい。
【0088】
この場合、個片化工程を終了した後に薄膜形成工程を行う必要はなく、例えばリッド基板用ウエハ作製工程において、リッド基板用ウエハ50の表面を研磨(研磨工程)した後、リッド基板用ウエハ50の状態でこの表面に薄膜11を形成してもよい。このように、リッド基板用ウエハ50の状態で薄膜11を形成することにより、この薄膜11を接合工程時の電荷を中和する膜として利用することも可能になる。
すなわち、リッド基板用ウエハ50とベース基板用ウエハ40と陽極接合する接合工程にあっては、リッド基板用ウエハ50の表面側に負電荷層が生じる。しかしながら、リッド基板用ウエハ50の表面にSiを主成分とする薄膜11が形成されているので、この薄膜11により負電荷層が中和される。これにより、リッド基板用ウエハ50内に分極が生じず、さらに確実に陽極接合を行うことが可能になる。
【0089】
また、上述の実施形態では、ベース基板2、およびリッド基板3がそれぞれガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスにより形成されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、少なくともマーキング13が施される部位がガラス材料により形成されていればよい。すなわち、本実施形態では、少なくともリッド基板3の表面3dのうち、マーキング13が施される箇所がガラス材料により形成されていればよい。
【0090】
さらに、上述の実施形態では、リッド基板3の表面3dにマーキング13を施した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ベース基板2の裏面2aにマーキング13を施してもよい。この場合、ベース基板2の裏面2aには、外部電極7,8が設けられているので、これら外部電極7,8を避けるように薄膜11を形成する必要がある。
【0091】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態の薄膜形成工程(S100、図5参照)は、UVテープ上にパッケージを貼り付けた状態で行ったが、第2実施形態の薄膜形成工程は、薄膜形成治具の凹部内にパッケージを配置して行う点で異なっている。第1実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
【0092】
第2実施形態では、第1実施形態と同様に個片化工程(S90)までを行う。すなわち、ウエハ接合体60にUVテープを貼り付けた状態で、ウエハ接合体60を複数のパッケージ10(圧電振動子1)に個片化する。次に第2実施形態では、UVテープにUVを照射してUVテープの粘着力を低下させる。そして、個片化されたパッケージ10をピックアップし、次述する薄膜形成治具に載置する。
【0093】
図12は本発明の第2実施形態における薄膜形成工程の説明図であり、図12(a)は平面図であり、図12(b)は図12(a)のB−B線に沿う断面図である。なお図12(b)では、パッケージ10の内包物の記載を省略している。第2実施形態では、薄膜形成治具70にパッケージ10を載置して薄膜形成工程を行う。
図12(b)に示すように、薄膜形成治具70は、Al等からなる支持板71と、ステンレス等からなるカバー板72とを積層して形成されている。カバー板72には貫通孔73が形成され、貫通孔73の底部開口が支持板71で閉塞されて、薄膜形成治具70に凹部74が形成されている。
【0094】
図12(a)に示すように、凹部74の平面形状は、パッケージ10と同様の矩形状とされている。薄膜形成治具70には複数の凹部74が形成され、各凹部74は相互に離間した状態でマトリクス状に整列配置されている。各凹部74内にパッケージ10を配置することで、複数のパッケージ10が相互に離間配置される。
図12(b)に示すように、凹部74の底面にパッケージ10の外部電極6,7が当接するように、凹部74内にパッケージ10を配置する。凹部74の深さ(カバー板72の厚さ)は、パッケージ10の外部電極6,7の厚さより深くなっているので、外部電極6,7が凹部74内に収容される。また凹部74の深さは、パッケージ10の底面から接合材23までの高さより浅くなっているので、接合材23が外部に露出する。
【0095】
薄膜形成工程では、薄膜形成治具70の凹部74内にパッケージ10を配置した状態で薄膜11を形成する。薄膜11は、第1実施形態と同様に、Si等の材料でスパッタ法等により形成する。上述したように、外部電極6,7が凹部74内に収容されているので、外部電極6,7上に薄膜11が形成されない。したがって、外部電極6,7の短絡を防止することができる。また、複数のパッケージ10が相互に離間配置されているので、パッケージ10の側面に薄膜11を形成することができる。そして、接合材23が凹部74内に収容されることなく、パッケージ10の側面から外部に露出している。したがって、接合材23を覆うように薄膜11を形成することができる。
【0096】
薄膜形成工程(S110)に続けて電気特性検査(S110)を行い、さらにマーキング工程(S120)を行う。マーキング工程は、薄膜形成治具70にパッケージ10を配置したままで行う。このように、パッケージ10を移動させることなく薄膜形成工程からマーキング工程までを連続して行うことで、製造コストを低減することができる。その後、薄膜形成治具からパッケージ10をピックアップする。
以上により、パッケージ10の下半部から外部電極6,7が露出するとともに、上半部が薄膜11で覆われてマーキングが施された圧電振動子1が完成する。
【0097】
以上に詳述したように、第2実施形態では、パッケージ10の外部電極6,7を薄膜形成治具の凹部内に収容して薄膜を形成するので、外部電極6,7の短絡を防止することができる。また、接合材23を外部に露出させた状態で薄膜を形成するので、接合材23を薄膜で覆うことができる。さらに、複数のパッケージ10が離間配置された状態で薄膜を形成するので、パッケージ10の側面に薄膜を形成することが可能になり、接合材23を確実に薄膜で覆うことができる。これにより、接合材23の腐食を防止することができるので、パッケージ10の気密性を保持することができる。
【0098】
(発振器)
次に、図9に基づいて、この発明の発振器の一実施形態について説明する。
図9は、発振器100の概略構成図である。
同図に示すように、発振器100は、集積回路101に圧電振動子1を電気的に接続した発振子として構成したものである。発振器100は、コンデンサ等の電子部品102が実装された基板103を備えている。基板103には、発振器用の集積回路101が実装されており、この集積回路101の近傍に、圧電振動子1が実装されている。
これら電子部品102、集積回路101、および圧電振動子1は、不図示の配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、不図示の樹脂によりモールドされている。
【0099】
このように構成された発振器100において、圧電振動子1に電圧を印加すると、圧電振動子1内の圧電振動片5が振動する。この振動は、圧電振動片5が有する圧電特性により電気信号に変換され、集積回路101に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路101によって各種処理がされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
【0100】
したがって、本実施形態の発振器100によれば、キャビティC内の気密が確保された圧電振動子1を備えているため、特性、および信頼性に優れた高品質な発振器100を提供できる。さらにこれに加え、長期に亘って安定した高精度な周波数信号を得ることができる。
【0101】
(電子機器)
次に、図10に基づいて、この発明の電子機器の一実施形態について説明する。なお電子機器として、上述した圧電振動子1を有する携帯情報機器110を例にして説明する。
図10は、携帯情報機器110の概略構成図である。
ここで、携帯情報機器110は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ、およびマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化、軽量化されている。
【0102】
図10に示すように、携帯情報機器110は、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部111とを備えている。電源部111は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部111には、各種制御を行う制御部112と、時刻等のカウントを行う計時部113と、外部との通信を行う通信部114と、各種情報を表示する表示部115と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部116とが並列に接続されている。そして、電源部111によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
【0103】
制御部112は、各機能部を制御して音声データの送信、および受信、現在時刻の計測や表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部112は、予めプログラムが書き込まれたROMと、ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、CPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
【0104】
計時部113は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路、およびインターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片5が振動し、振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換され、発振回路に電気信号として入力される。
発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部112と信号の送受信が行われ、表示部115に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
【0105】
通信部114は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部117、音声処理部118、切替部119、増幅部120、音声入出力部121、電話番号入力部122、着信音発生部123、および呼制御メモリ部124を備えている。
無線部117は、音声データ等の各種データを、アンテナ125を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部118は、無線部117又は増幅部120から入力された音声信号を符号化、および複号化する。増幅部120は、音声処理部118又は音声入出力部121から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部121は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
【0106】
また、着信音発生部123は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部119は、着信時に限って、音声処理部118に接続されている増幅部120を着信音発生部123に切り替えることによって、着信音発生部123において生成された着信音が増幅部120を介して音声入出力部121に出力される。
なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部122は、例えば、0から9の番号キー、およびその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
【0107】
電圧検出部116は、電源部111によって制御部112等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部112に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部114を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。
電圧検出部116から電圧降下の通知を受けた制御部112は、無線部117、音声処理部118、切替部119、および着信音発生部123の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部117の動作停止は、必須となる。更に、表示部115に、通信部114が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
【0108】
すなわち、電圧検出部116と制御部112とによって、通信部114の動作を禁止し、その旨を表示部115に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部115の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしてもよい。
なお、通信部114の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部126を備えることで、通信部114の機能をより確実に停止することができる。
【0109】
したがって、本実施形態の携帯情報機器110によれば、キャビティC内の気密が確保された圧電振動子1を備えているため、特性や信頼性に優れた高品質な携帯情報機器110を提供できる。さらにこれに加え、長期に亘って安定した高精度な時計情報を表示することができる。
【0110】
(電波時計)
次に、図11に基づいて、この発明の電波時計の一実施形態について説明する。
図11は、電波時計130の概略構成図である。
ここで、電波時計130は、フィルタ部131に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
【0111】
図11に示すように、電波時計130のアンテナ132は、40kHz、または60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ133によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部131によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、上記搬送周波数と同一の40kHz、および60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部138、139をそれぞれ備えている。
【0112】
さらに、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路134により検波復調される。
続いて、波形整形回路135を介してタイムコードが取り出され、CPU136でカウントされる。CPU136では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC137に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
【0113】
なお、上述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計130を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
【0114】
したがって、本実施形態の電波時計130によれば、キャビティC内の気密が確保された圧電振動子1を備えているため、特性や信頼性に優れた高品質な電波時計130を提供できる。さらにこれに加え、長期に亘って安定した高精度に時刻をカウントすることができる。
【0115】
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な材料や層構成等はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【0116】
例えば、上述の実施形態では、ベース基板用ウエハ40の表面40aに接合材23を形成した。しかしながら、これとは逆にリッド基板用ウエハ50の裏面50aに接合材23を形成しても構わない。
この場合、成膜後にパターニングすることで、リッド基板用ウエハ50の裏面50aにおけるベース基板用ウエハ40との接合面のみに形成する構成でも構わないが、接合材23を凹部3aの内面を含む裏面50a全体に形成することで、接合材23のパターニングが不要になり、製造コストを低減することができる。
【0117】
また、上述の実施形態では、接合工程(S60)において、ベース基板用ウエハ40の裏面40bに陽極となる接合補助材を配置するとともに、リッド基板用ウエハ50の表面50bに陰極を配置する方式(いわゆる、対向電極方式)を採用してもよいし、接合材23を陽極に接続するとともに、リッド基板用ウエハ50の表面50bに陰極を配置し、接合材23に対して電圧を直接印加する方式(いわゆる直接電極方式)を採用しても構わない。
【0118】
対向電極方式を採用することで、陽極接合時に接合補助材と陰極との間に電圧を印加することで、接合補助材とベース基板用ウエハ40の裏面40bとの間に陽極接合反応が発生し、これに連動して接合材23とリッド基板用ウエハ50の裏面50aとの間が陽極接合される。これにより、接合材23の全面に対してより均一に電圧を印加することが可能になり、接合材23とリッド基板用ウエハ50の裏面50aとの間を確実に陽極接合することができる。
これに対して、直接電極方式を採用することで、対向電極方式で必要となる接合工程後の接合補助材の除去作業が不要になるので、製造工数を削減することができ、製造効率の向上を図ることができる。
【0119】
そして、上述した実施形態では、本発明に係るパッケージの製造方法を使用しつつ、パッケージの内部に圧電振動片を封入して圧電振動子を製造した。しかしながら、これに限られるものではなく、パッケージの内部に圧電振動片以外の電子部品を封入して、圧電振動子以外のデバイスを製造することも可能である。
【符号の説明】
【0120】
1…圧電振動子 2…ベース基板(第1基板) 3…リッド基板(第2基板) 3d,50b…表面 5…圧電振動片(電子部品) 6,7…外部電極 10…パッケージ 11…薄膜 13…マーキング 23…接合材 40…ベース基板用ウエハ 50…リッド基板用ウエハ 60…ウエハ接合体 70…薄膜形成治具 74…凹部 100…発振器 101…発振器の集積回路 110…携帯情報機器(電子機器) 113…電子機器の計時部 130…電波時計 131…電波時計のフィルタ部 C…キャビティ L…レーザ光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接合され、少なくとも一方の表面の少なくとも一部がガラスにより形成されている第1基板、および第2基板と、
これら第1基板と第2基板との間に形成され、電子部品を封入可能なキャビティとを備えたパッケージの前記ガラスの表面に、マーキングを施すためのパッケージマーキング方法において、
前記ガラスの表面に薄膜を形成する薄膜形成工程と、
前記薄膜形成工程により形成された前記薄膜にレーザ光を照射し、前記薄膜を除去することにより前記ガラスの表面にマーキングを施すマーキング工程とを有することを特徴とするパッケージマーキング方法。
【請求項2】
前記レーザ光は、ガラスに100%吸収される波長領域のものであることを特徴とする請求項1に記載のパッケージマーキング方法。
【請求項3】
前記レーザ光の波長λは、
λ≧7.5μm
を満たすように設定されていることを特徴とする請求項2に記載のパッケージマーキング方法。
【請求項4】
前記薄膜の膜厚Tは、
1000Å≦T≦3000Å
を満たすように設定され、
前記レーザ光として、CO2レーザを用いることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のパッケージマーキング方法。
【請求項5】
前記レーザ光の出力Pは、
4.5W≦P≦6W
を満たすように設定されていることを特徴とする請求項4に記載のパッケージマーキング方法。
【請求項6】
前記薄膜は、Siを主成分とする膜であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載のパッケージマーキング方法。
【請求項7】
前記薄膜形成工程の前に、前記第1基板および前記第2基板のうち一方に形成された接合材と、他方とを陽極接合する接合工程を備え、
前記薄膜形成工程では、前記第1基板と前記第2基板との間から外部に露出している前記接合材を覆うように前記薄膜を形成することを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載のパッケージマーキング方法。
【請求項8】
前記薄膜形成工程では、薄膜形成治具の凹部内に前記パッケージを配置し、前記パッケージの外部電極を前記凹部内に収容しつつ前記接合材を外部に露出させた状態で、前記薄膜を形成することを特徴とする請求項7に記載のパッケージマーキング方法。
【請求項9】
前記薄膜形成工程では、薄膜形成治具の複数の凹部内にそれぞれ前記パッケージを配置し、複数の前記パッケージが離間配置された状態で、前記薄膜を形成することを特徴とする請求項8に記載のパッケージマーキング方法。
【請求項10】
互いに接合され、少なくとも一方の表面の少なくとも一部がガラスにより形成されている第1基板、および第2基板と、
これら第1基板と第2基板との間に形成され、電子部品を封入可能なキャビティとを備えたパッケージにおいて、
前記ガラスの表面に薄膜を形成し、この薄膜にレーザ光を照射して前記薄膜を除去することにより、前記ガラスの表面にマーキングを施したことを特徴とするパッケージ。
【請求項11】
請求項10に記載のパッケージの前記キャビティ内に、圧電振動片が気密封止されてなることを特徴とする圧電振動子。
【請求項12】
請求項11に記載の前記圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
【請求項13】
請求項11に記載の前記圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
【請求項14】
請求項11に記載の前記圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−223547(P2011−223547A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235594(P2010−235594)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】