説明

フレーバーおよびフレグランスの可溶化系

本発明は、油80%w/wまで、界面活性剤系(1〜3のw/w油/界面活性剤系比)、および可溶化補助成分を含有する組成物および透明な水中油ミクロエマルションを提供するが、これはVOC化合物ではなく、後者は0.1〜5の間である油/(界面活性剤系+可溶化補助剤)比を保証する十分な量で存在する。本発明は、前記組成物およびミクロエマルションと関連する製品および商品ならびにこれらを製造する方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にフレーバーおよびフレグランス工業に関し、より詳細にはどの組成物および濃度の油も有することができる透明な水中油(o/w)ミクロエマルションの形の組成物を提供する。
【0002】
さらに本発明は、水で希釈して上記ミクロエマルションを形成できる原料濃縮物に関する。
【0003】
本発明の他の点は、消費製品を芳香付けおよび香味付けするため、またはこのような製品のその他の特性、例えば、テキスチャー、抗細菌性、悪臭カバー性能または栄養特性またはコスマシューティカル特性を変性するための前記ミクロエマルションの使用に関する。このような使用から生じる前記製品もまた本発明の対象である。
【0004】
技術背景
一般に、香料またはフレーバーまたは他の疎水性活性材料を含有する水ベースのミクロエマルションは、すでに従来技術で報告されている。しばしば、従来公知のこれらのミクロエマルションは、水ベース媒体中で油の適切な分散液を提供するため、大量の単鎖アルコール、すなわちエタノール、もしくは他のVOC(揮発性有機化合物)材料を含有する。しかし、フレーバーおよびフレグランス分野では、これらの通常のミクロエマルションに代わる物の使用、特に低VOC含有量を有する代替物を使用することに利点があり、これらは大量の低VOC含有量の使用を伴って調合されるが、このような単鎖アルコール、特にエタノールの存在と一般に関連するミクロエマルションの望ましい点、例えば感覚的性能、噴霧適性、拡散性および皮膚感触の全てが残ったままである。
【0005】
"VOC"とは、本明細書では環境保護局により定義付けられているような揮発性有機化合物を意味し、かつ特にエタノールのようなC1−C5アルカノール、またはエチレングリコールのようなC1−C5アルカンジオールを意味する。
【0006】
低VOCミクロエマルションも従来技術で報告されてきた。しかし、一般に、このようなミクロエマルションを配合する際に、VOCsが無いことを埋め合わせするために界面活性剤の全体量を上げることが重要である。そうでなければ、最終的なエマルションは透明性の欠如および/または安定性の問題を示すことになり、これはフレグランスおよびフレーバー用途にとって不向きである。最終的なミクロエマルション中での界面活性剤の量の増大は、しばしば可溶化された油、すなわち香料またはフレーバーに対して大過剰である界面活性剤または表面活性系を含有する製品を一般に生じる。明らかに、大過剰の界面活性剤は、このような最終製品にとって、特に香料または皮膚、髪または織物のような他の表面への塗布を意図した他の製品にとって不利でもあり、その際、高い界面活性剤の含有量は、消費者が許容しがたい泡立ち、粘着性、刺激のある、またはアレルギー性の製品を生じ得る。
【0007】
これに関連して、米国特許番号5374614は、低VOC含有量を有する香料製造業用の透明なミクロエマルションを提供している。その際、使用される界面活性剤の量は、以前から公知の類似したミクロエマルションに関して減っている。そこに記載されている製品は、低級脂肪族アルコール10%w/w未満を有しており、かつ界面活性剤混合物の全体量に対して主に非イオン性界面活性剤少なくとも50質量%と少量のイオン性補助界面活性剤を一緒に有する界面活性剤混合物の使用に依存している。これらの従来公知のミクロエマルションは、低含有量の脂肪族アルコールを有する製品を提供できるようになったが、所望の透明なミクロエマルションを提供するために、この製品はこの中で可溶化すべきフレグランスオイルの性質と濃度に応じて界面活性剤系の性質と濃度を注意深く選択する必要がある。この文献の第6欄、31〜38行目に記載されているように、一連の界面活性剤に対して試験する必要のあるパヒュームオイルは、各特異的フレグランスに関して適切なHLB値を有する界面活性剤の選択を可能にする。事実、特定のタイプのフレグランスに対して米国特許5374614の教示に基づいても透明なo/wミクロエマルションを得ることができなかったことが立証された。これは、大量の例えばテルペンまたはジャコウを含有しているフレグランスに特にあてはまる。これは、以下に示される比較例に挙げてある。
【0008】
さて、香料およびフレーバー工業では、界面活性剤系を著しく変化させることなく広い濃度範囲にわたり、どのフレーバーまたはフレグランス組成物の透明なo/wフレーバーおよびフレグランスミクロエマルションも調製できることが極めて望ましい。さらに、非選択的、または万能の可溶化系を有することが望ましいであろう。すなわち、貯蔵条件下で透明かつ安定なままであるミクロエマルションを提供するために、どの特殊な界面活性剤系およびその特異的な量であっても、香料の性質および濃度に著しい依存性を示さないことが望ましい。
【0009】
さらに、上記のことから分かるように、低量の界面活性剤、特に可溶化された油の量よりも少ない量である界面活性剤を含有する透明なミクロエマルションを提供することが極めて望ましい。
【0010】
本発明はこれらの両方の要求に対して予想外でかつ極めて有利な解決策を提供する。
【0011】
本発明の目的は、どの界面活性剤または表面活性系に対してもo/wミクロエマルションを明確に提供することであり、これは油相を濃縮または希釈する際、言い換えると、用途において実用的であるミクロエマルション中の油の濃度の全範囲にわたり透明かつ安定のままである。よって、本発明は米国特許5374614に開示されているo/wミクロエマルションに対して重要な改善であるだけではなく、塗布しようとする油と界面活性剤のどの組合せに対しても実質的に万能であり、効果的である。
【0012】
界面活性剤系と化学物質の特殊なタイプとの間で、予想外の界面の相乗効果から得られた目下記載した溶液は、このような界面活性剤系の能力を高めて、どの油、すなわち香料またはフレーバー組成物も、後者の特性または濃度とは無関係に可溶化することができ、ひいては、水中で希釈する際にその完全に透明でかつ安定なミクロエマルションを提供することができる。
【0013】
本発明の説明
意外にも、例えば米国特許5374614に開示されている従来のミクロエマルション成分、すなわち香料、界面活性剤系および水の他に、適量の適切な可溶化補助成分の使用が、上記の問題を解決できることが見出された。
【0014】
従って、本発明の対象は、以下のもの:
A)油0.01〜80%w/w;
B)油/界面活性剤の濃度比が1〜3の間から成るような量の界面活性剤系;
C)次のアンモニウム塩、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩から成るグループから選択される少なくとも1つの可溶化補助成分:
i)芳香族または非芳香族5員または6員環の複素環および1個または2個のカルボン酸官能基を有するC5〜C10化合物;
ii)C2〜C7線状、分枝または環状モノ−、ジ−またはトリ−カルボン酸;
iii)安息香酸、ヒドロキシル−安息香酸またはアミノ−安息香酸、1個または2個のC1〜C5アルキル基により置換されたC8〜C12安息香酸、ヒドロキシル−安息香酸またはアミノ−安息香酸;
iv)ベンゼン−スルホン酸、1個または2個のC1〜C5アルキル基により置換された
7〜C11ベンゼン−スルホン酸、場合によりヒドロキシ化されたナフタレンスルホン酸、1個または2個のC1〜C5アルキル基により置換された場合によりヒドロキシ化されたC11〜C16ナフタレンスルホン酸
v)ハロゲン化物、アスコルビン酸塩、重炭酸塩、チオシアン酸塩;および
vi)これらの混合物;
D)場合により水;
を有する組成物であり、その際、油の量と可溶化系(後者は界面活性剤系と可溶化補助成分から形成されている)の全体量の間の比は、0.1〜5の間から成るが、但し、以後記載するVOC不含ミクロエマルションは除くことにする。
【0015】
本発明の特別な実施態様によれば、界面活性剤系が少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と1つのアニオン性界面活性剤の混合物から形成されている組成物が提供される。
【0016】
先行分野の国際特許出願PCT/IB2004/001473は、同じ出願者に属し、かつ2004年11月4日に特許番号WO2004/093836で公表されていて、そこにはVOC不含である透明なo/wミクロエマルションが記載されており、これは25℃で少なくとも25mN/mの表面張力を有する油1〜30%w/w;1つ以上のイオン性界面活性剤と1つ以上の非イオン性界面活性剤含有の界面活性剤系(イオン性界面活性剤の量は、界面活性剤系の全質量に対して少なくとも50質量%である);水を少なくとも60%w/wを有し、かつ25℃で2.5cmセル中400〜600nmの間で測定して0〜90NTUの間から成る透明度を有する。
【0017】
これにより、WO2004/093836に記載されている透明なミクロエマルションは、本発明から権利を除外してある。
【0018】
意外にも、目下請求した組成物が、香りおよび/または味を消費製品に与えるために、および/またはテキスチャー、栄養、スキンコンディショニングまたはこれらの他の特性を変性するために潜在的に有用であるフレグランスもしくはフレーバー成分、または他の疎水性油を運ぶための万能な油−可溶化系であることが立証された。
【0019】
事実、本発明の油可溶化系は、上記の状況が尊重される限りは、実質的にVOC不含の媒体、有利には水中で意のままに希釈することができ、このように消費製品としての使用、または消費製品における使用を意図した極めて様々な透明なo/wミクロエマルションを形成する。
【0020】
本発明の有利な実施態様によれば、前記組成物は1つ以上の非イオン性界面活性剤と1つ以上のアニオン性界面活性剤を含有する界面活性剤系を有し、アニオン性界面活性剤の量は、界面活性剤系の全質量の50%以上である。しかし、界面活性剤系のアニオンおよび非イオン性成分の相対量は、得るべき所望の最終製品に応じて意のままに変えることができる。従って、本発明の他の有用な実施態様では、非イオン性界面活性剤は、界面活性剤系の優勢な量で、すなわち、少なくとも50質量%の量で存在する。
【0021】
さらに、本発明は透明なo/wミクロエマルションの形の水含有の組成物にも関する。後者は、80%w/wまで、または95%w/w以上の大量の水を含有していてもよく、一般的に水を少なくとも10%含有する。
【0022】
単鎖および/または中鎖アルコールまたは補助界面活性剤としての非イオン性界面活性剤をベースとする従来のミセルの可溶化系とは異なり、上記の本発明の特異的な可溶化系はフレグランスまたはフレーバーオイルを、界面活性剤系を変化させることなく0.01%〜80%w/wまで、より有利にはミクロエマルションに関しては20ないし30%w/wまでの様々な濃度で可溶化することができ、これは例えば米国特許5374614で開示されている界面活性剤/補助界面活性剤系を用いた場合とは異なり、これは前記特許に開示された2つの特異的なフレグランスの組成物、および最終生成物中のフレグランス濃度にカスタマイズしたものである。
【0023】
上記の定義中ならびに本開示の全体の内容を通して、w/wという略語は、質量/質量、質量部、質量比を意味し、特異的成分の質量と透明な組成物またはミクロエマルションの質量との間の割合を意味する。
【0024】
さらに以後、油/(界面活性剤系+可溶化補助剤)の比は、"O/(S+SA)"比と記載することにする。Oは、油を表し、特に疎水性香料またはフレーバーを表すか、または悪臭中和作用、テキスチャー変性および/または栄養、ニュートラシューティカル、コスマシューティカル有用性を有する他の同様の成分を意味する。Sは界面活性剤系を表し、かつSAは本発明の可溶化補助成分を表す。
【0025】
"界面活性剤"または"界面活性剤系"とは、本明細書中では油を可溶化し、かつその透明なミクロエマルションを水中で調製するのに役立つ成分の集合を意味する。これは先に定義した可溶化された補助剤の部分ではない。
【0026】
"ミクロエマルション"とは、本明細書中では実質的な外力を加える必要がなく自発的に形成される熱力学的に安定な1相の光学的等方性の系を意味し、これは0℃〜80℃の間、より有利には3℃〜80℃の間の温度で透明である。
【0027】
"透明な"ミクロエマルションとは、本明細書中では所望の範囲の油濃度にわたり透明であるミクロエマルションを意味する。すなわち、これは好ましくは25℃で2.5cmセル中、400nm〜600nmの間で測定した場合に、0〜90NTUの間の透明度を示す。
【0028】
"透明度"とは、本明細書中では、本発明のミクロエマルションにより90゜の角度で散乱される光の尺度を意味する。
【0029】
本発明の有利な実施態様によれば、ミクロエマルションは上記のような同じ条件で測定した場合に、0〜50NTUの間から成る透明度を有する。
【0030】
本発明のより特殊な実施態様では、表面張力の特異的な範囲は、本発明のミクロエマルションを特徴付けることもできる。従って、特異的なミクロエマルションは、25℃で測定して30mN/m未満、より有利には20〜30mN/mの間から成る、さらに有利には23〜28mN/mの間から成る表面張力を有する。従って、前記ミクロエマルションは大量の低極性油を有することができる。
【0031】
大量の低極性油を含有している無色透明な低VOCもしくはVOC不含ミクロエマルションを得る可能性は、予想外の結果であった。事実、当業者には、VOCまたは油/界面活性剤比が1を大幅に下回るものを相当に使用することなく低極性油を水中に特に大量に溶解させることが困難であることが周知である。
【0032】
"低VOC"または"VOC不含"ミクロエマルションとは、本明細書中では油を可溶化するために使用される媒体、すなわち界面活性剤系、可溶化補助剤および水に揮発性有機成分(VOC)、すなわちエタノール、イソプロパノールまたは他のC1〜C5アルカノールのような溶剤が添加されていないミクロエマルションを意味する。
【0033】
上記のように、水中に組み込まれる場合には、本発明の可溶化系は極めて良好な安定性を示す透明なミクロエマルションを提供する。例えば、相分離は適当な時間枠内では観察されない。事実、本発明のミクロエマルションは一般に3℃〜60℃から成る温度で少なくとも30日間は安定である。さらに、幾つかの場合には、ほぼ熱力学的安定性が例えば2℃〜45℃から成る温度で6ヶ月以上達成された。
【0034】
本発明のミクロエマルションが極めて良好な安定性を示す温度範囲は、使用される油、界面活性剤系および可溶化補助成分の量ならびに適切な特性に応じる。従って、幾つかの場合に、指定されたミクロエマルションの安定温度範囲は狭く、例えば5℃から45℃であるだけか、または広く、例えば、0℃から80℃であることができる。
【0035】
"油"とは、本明細書では水中に実質的に不溶性である親油性有機液体を意味する。適切な油の1例は、フレーバーもしくは香料、またはフレーバーもしくは芳香組成物少なくとも75%w/wまたは90%w/w以上から成る液体である。前記油は、フレーバーもしくは香料から成っていてもよい。しかし選択されるどの特殊な界面活性剤系に関しても、可溶化すべきフレグランスもしくはフレーバーの特性は、本発明の目的には重要ではなく、当業者は適量の香料もしくはフレーバーを有する組成物よび透明なo/wミクロエマルションを提供するのに適切である上記のものの中から可溶化補助成分を選択することができる。
【0036】
香料製造業にとって特に有用である本発明のミクロエマルションの実施態様、すなわち、スプレーすべき、または皮膚に塗布すべきフレグランスを調製するために、水60%w/w以上と、可溶化された油、すなわち香料0.1〜30%w/wの間、より有利には5〜20%w/wの間、より有利には5〜15%w/wの間の量を含有してもよい。
【0037】
本発明の有利な実施態様、特に香料製造業で有用なものによれば、組成物はミクロエマルションの質量に対して、可溶化された香料5〜15%w/wと、水75質量%〜85質量%の量を有する透明なo/wミクロエマルションであってよい。
【0038】
少量の極性溶剤だけを含有するか、または完全に極性溶剤不含であるフレグランス、フレーバー、またはその成分のような極めて疎水性の油でさえも、安定な組成物と透明なミクロエマルション生成物の形で可溶化させることができる。このように、例えば油の全体量に対してテルペン5%w/w〜99%w/wおよび/またはジャコウ5〜30%w/wを含有するどの芳香組成物も可溶化させることができる。前記テルペンは、テルピネオールまたはd−リモネンのようにウッドまたはシトラス源であることができる。ジャコウの限定されない例には、特に、大環状ケトンおよびラクトン、たとえばペンタデカノリド、ヘキサデカノリド、Habanolide(R)、(11,12−ペンタデセノリド;発売元:Firmenich SA)、また水ベースの組成物中に溶解するのが困難であることが一般に知られている他のジャコウ材料を含有する。このような香料をVOC不含のミクロエマルションの形で可溶化することが特に困難であることが周知であるので、これらは意外な結果であった。
【0039】
さらに香料または芳香組成物として、どの芳香成分も使用することができ、より頻繁にには、香料製造業で一般に使用されるような芳香成分の混合物、例えば、組成物に嗅覚作用を付与できる化合物の混合物を使用でき、該組成物に化合物を添加し、これに所望の香りを付与するか、またはその香りを変性することができる。フレーバーまたはフレーバー組成物と同様に、これは食料、飲料、食用医薬品および他の食用消費製品の味およびテキスチャー特性を付与または変性できる成分であるか、または成分の混合物である。前記芳香成分または香味成分は、天然または合成源であることができる。前記成分の詳細な説明は、いずれにせよ網羅できないので、ここではしないことにする。一般的に、これらの成分はアルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペン炭化水素、窒素性もしくは硫黄性ヘテロ環式化合物のような様々な化学物質のクラスならびに天然もしくは合成源の精油に属する成分であることを挙げることができる。これらの成分の特性は、香料およびフレーバー成分の専門書、例えば、S.Arctander(Perfume and Flavor Chemicals, Montclair N. J., USA 1969)または同様の参照文献で見つけることができるが、その詳細な説明はここではしないことにする。このような成分の選択は、調香師またはフレーバリストによりその一般知識に基づき、かつ変性すべき製品の特性に応じて、および所望の感覚作用、すなわち芳香付けまたは香味付けすべき消費製品に付与する芳香または味覚作用に応じて、特に難なく行われる。
【0040】
油は適切な溶剤を油の40%w/wまで、有利には油の25%w/wの量で含有してもよい。香料およびフレーバー中のこのような一般的な溶剤にはトリアセチンおよびジプロピレングリコールならびにジエチルフタレートが含まれる。VOCではない溶剤の存在は、単相性の油を得るため、または前記油の表面張力を調整するために有用である。適切な溶剤の例として、イソパラフィン、パラフィン、炭化水素、シリコーン油、ペルフルオロ化脂肪族エーテル、グリコールエーテル、グリコールエーテルエステル、エステルまたはケトンのような極性または非極性の低分子量の溶剤を挙げることができる。このような溶剤の限定されない例には、ジメチコーンまたはシクロメチコーン(これはChemisil Silicon INCによりそれぞれCosmetic Fluid(R)1288の製品名およびCosmetic Fluid(R)1387で市販されている)、ホホバ油、ペルフルオロイソブチルメチルエーテル、ジエチルフタレートおよびイソプロピルミリステートが含まれる。
【0041】
現在フレーバーで使用されている溶剤には、ジプロピレングリコール、エタノールおよびトリアセチンが含まれる。
【0042】
他の可能性として有り得る油の成分には、消費製品に栄養および健康特性を付与できる固定剤または成分が含まれる。後者の例には、魚油および健康を改善する特性が知られている他の望ましい脂肪、ビタミン、化粧剤、スキンコンディショニング剤および日焼け止め剤などが含まれる。油組成物は、抗菌剤または悪臭中和剤を含有していてもよい。
【0043】
油の物理特性に関して、様々な油を使用できる。本発明の特殊な実施態様によれば、フレグランスまたはフレーバーオイルは、特異的な範囲内で、すなわち25℃で20〜50mN/m、有利には28〜35mN/mから成る表面張力を有する。油として低極性油、特に低極性の香料を使用することもできる。"低極性油または香料"とは、本明細書では例えば、疎水性の高い成分に富む油または香料を意味するか、または少量だけの極性溶剤を含有するか、または完全に極性溶剤不含である油または香料を意味する。
【0044】
低極性の香料として、テルペン5%w/wないし20%w/w〜99%w/wまでおよび/またはジャコウ5〜30%w/wまで含有のものを挙げることができる(パーセンテージは、油の質量に対する)。
【0045】
上記のように、油は組成物の全質量の0.01〜80%の間であってもよい。以下の本発明の透明なミクロエマルションの特殊な実施態様によれば、香料の含有量は有利にはミクロエマルションの0.1〜15または20%w/w、または30%w/wである。極めて一般的で、かつ有利な実施態様は、透明なo/wミクロエマルションの形で可溶化された香料を5〜15%w/w含有する。
【0046】
フレーバー組成物は、特に透明な飲料の形の場合には一般により低い量、0.05%ないし0.01%w/wまで低い量の油を含有する。
【0047】
濃縮された香料組成物は、一般にパヒュームオイル40%〜60%、または70%ないし80%w/wまでを含有する。
【0048】
本発明の組成物の必須成分のうちの1つである界面活性剤系は、有利には1つのアニオン性フラクションと非アニオン性フラクションから成ると記載してもよい。アニオン性フラクションは、1つのアニオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤の混合物を含有してもよい。
【0049】
適切なアニオン性界面活性剤は、C6〜C24−モノ−またはジ−スルホン酸、アルキル硫酸、アルキルアリール硫酸、アルキルアリールホスフェートまたはカルボン酸の塩ならびにスルホン酸またはカルボン酸とのポリエチレングリコールコポリマーを有する。特に、前記アニオン性界面活性剤の限定されない例は、次のナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはモノ−、ジ−またはトリーエタノールアンモニウム塩:C6〜C12−ジアルキルスルホコハク酸(例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)、C7〜C24−アルカリールスルホン酸(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、C6〜C15−アルキル硫酸(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)C10〜C20−アシルグルタミン酸(例えば、ココイルグルタミン酸二ナトリムまたはポリエチレングリコール/ジメチコーン)スルホコハク酸(例えばMcIntyre Group社製の製品名Mackanate(R)DC-50で知られるPEG-12ジメチコーンスルホコハク酸二ナトリウム)である。
【0050】
非イオン性フラクションは、1種類の非イオン性界面活性剤を含有するか、または本発明の他の実施態様によれば、非イオン性界面活性剤の混合物を含有していてもよい。本発明の特殊な実施態様では、非イオン性界面活性剤は、9〜18の間から成るHLB値を有するが、この範囲外のHLB値を有する非イオン性界面活性剤を使用してもよい。
【0051】
前記界面活性剤の適切な例には、5〜20個のEOまたはPO単位を含有するエトキシ化および/またはプロポキシ化(C5〜C12アルキル)フェノールエーテル(例えば、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、これは一般的な製品名Polystep(R)としても知られている)、3〜30個のEOを含有するポリエチレングリコールソルビトールエーテル(例えば、ICI社製のTween(R)またはLONZA社製のGlycosperse(R)の製品名で知られるオレイン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸とのソルビトールエステル)、C8〜C20脂肪酸とのスクロースエステル(例えば、オレイン酸、パルミチン酸またはステアリン酸とのスクロースエステル、例えば、Mitsubishi-Kagaku Foods Corporationにより製品化されているRyoto Sugar Ester M-1695)、2〜30個のEO単位を含有するエトキシ化脂肪族C6〜C20アルコール(例えばエトキシ化第二級C6〜C20アルコール)、C8〜C20ポリグリセリルエステル(例えば、製品名Cremophor(R) CO40でBASF社により製品化されているグリセロール−ポリエチレングリコールオキシステアレート)、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールブロックコポリマー(例えば、BASF社製の製品名Pluronics(R)で知られるもの)、2〜30個のEOを含有するエトキシ化グリコールエーテル(例えば、CRODA社製の製品名Volpo(R)S-10で知られるPEG-10ステアリルエーテル)、または2〜10個のEO単位を含有する脂肪族C5〜C11カルボン酸のポリエチレングリコールモノ−または−ジエステルが含まれる(EOは、エチレンオキシド、POはプロピレンオキシドを表す)。
【0052】
本発明による使用に適切である他の界面活性剤系は、以下に記載する実施例に示されているように、例えば、米国特許5374614に記載されている系を含み、その内容を参照して取り入れることとする。
【0053】
得られた水ベースの界面活性剤系は、32mN/m未満、より有利には22〜28mN/mの間、さらに有利には23〜26mN/mの間の表面張力の値を有する。
【0054】
本発明の全ての実施態様では、本発明による組成物または透明なミクロエマルションを得るために使用される界面活性剤系の量は、界面活性剤の多い含有量と関連する上記の有害作用を避けるためにできるだけ低い値に維持される。さらに、特殊なフレグランスまたはフレーバーオイルに関しては、ミクロエマルション中の(油/界面活性剤系)の質量比は、油、すなわち香料またはフレーバーの全ての濃度に対して一定に保持でき、適切な可溶化補助剤と適切な量が使用される限りは、可溶化された油の量とは独立に維持できることを意味する。
【0055】
事実、本発明によるミクロエマルション中の可溶化補助成分の存在は、油/界面活性剤の比に触れることなく、ミクロエマルション中の香料またはフレーバーの濃度ならびにその水相中の水量を変化させることができ、これはどの特異的な界面活性剤媒体中のどのタイプのフレグランスまたはフレーバーに関しても、可溶化補助剤濃度と特性を変化させることにより、可溶化すべき油および所望の量の油に応じて変化させることができる。
【0056】
一般に、可溶化補助成分または成分の混合物は、O/(S+SA)比が0.1〜5の間である量、油/界面活性剤系の比に関しては、1〜3の間である量で使用される。本発明による有利な組成物と透明なミクロエマルションは、油/界面活性剤の比が1.0を上回る、有利には1.0もしくは1.2〜2の間を示し、O/(S+SA)比は、有利には0.5〜2の間から成る。
【0057】
"可溶化補助成分"という表現は、本明細書では低分子量、例えば400g/mol未満の有機塩もしくは無機塩またはその前駆体を意味する。可溶化補助成分として、前記塩の混合物を使用することもできる。
【0058】
それ自体の特性が界面活性剤でもなく、溶剤または可溶化剤でもない前記化合物は、水中での有機化合物の溶解度を改善することが見出された。事実、意外にもこれらの塩およびそれらの酸前駆体は、界面活性剤系の油の可溶化能を高めることができる。言い換えると、上記または下記に定義するような可溶化補助成分の存在では、同量の界面活性剤は、可溶化補助成分が存在しない場合よりも、水相中でより多く油を可溶化することができる。さらに、どの特定の界面活性剤系に関しても、先に定義した本発明の条件が満たされることを前提に、意外にもフレグランスまたはフレーバー組成物を常に可溶化することができ、かつその完全に透明なo/wミクロエマルションを得ることができることを立証した。
【0059】
このように得られたミクロエマルションの透明度は、可溶化補助成分の存在により著しく、かつ意外にも改善された。
【0060】
このように、少なくとも1つの上記の塩の存在は、油/界面活性剤系の比が少なくとも1であること、ならびに無色透明な外観であること、すなわち、本発明によるミクロエマルションの高い透明度、有利な場合には低い濁り度を保証するために重要であることが見出された。
【0061】
本発明の特別な実施態様によれば、適切な塩は、次のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩およびカリウム塩:ピリジンカルボン酸、プロリン酸、ピロリドンカルボン酸、安息香酸、ヒドロキシル−安息香酸、アミノ−安息香酸、乳酸、アスコルビン酸、炭酸水素塩、コハク酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、1個または2個のC1〜C3アルキル基により置換された安息香酸、ヒドロキシル−安息香酸またはアミノ安息香酸のC8〜C10誘導体(例えば、p−メチル−安息香酸またはp−イソプロピル−ヒドロキシル安息香酸のナトリウム塩)、ベンゼンスルホン酸、1個または2個のメチル基またはエチル基により置換されたC7〜C9ベンゼンスルホン酸(例えば、トルエンスルホン酸カリウム)、場合によりヒドロキシ化されたナフタレンスルホン酸、1個または2個のC1〜C4アルキル基により置換された場合によりヒドロキシ化されたC11〜C16ナフタレンスルホン酸(例えば、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム)、C1〜C3アルカン酸(例えば、ペンタン酸のナトリウム塩)から成るグループおよびこれらの塩の混合物から選択される。
【0062】
特に、可溶化補助成分は、有利には次の化合物の中から選択してもよい:ピロリドンカルボン酸ナトリウム塩(またAjinomoto社製のAjidew(R) NL-50としても知られている)、安息香酸ナトリウム、L−乳酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムおよびコハク酸二ナトリウムおよびこれらの混合物。
【0063】
上記のように、可溶化補助成分は、本発明によるミクロエマルションが透明であるような量で存在する。
【0064】
本発明による透明なミクロエマルションを得るための可溶化補助剤の量は、適切な油の特性、界面活性剤混合物、および存在する油量による。このように当業者は、O/SおよびO/(S+SA)比が先に定義した範囲内であることを前提に、所望の透明なミクロエマルションを得るために必要な量の可溶化された補助剤を調節することができる。
【0065】
ミクロエマルションの4番目の成分、すなわち水に関しては、脱イオン水を使用することが有利であると述べるのが実用的である。使用される水の量は、透明なミクロエマルションの形成を妨げてしまうような相当な含有量を塩中で有さないような量である。
【0066】
本発明の組成物とミクロエマルションは、任意の成分として、着色剤、抗菌物質、抗菌剤、悪臭中和剤、抗酸化剤、防腐剤、キレート剤またはUV阻害剤およびスキンコンディショニング剤のような1つ以上の成分を有することもできる。このようなタイプの材料は、当業者に周知であり、より詳細な説明は不用である。前記成分がミクロエマルションに添加される場合にはいつも、これらは一般に10%w/w未満、より有利には3%w/wないし2%w/wで存在する(パーセンテージは、組成物またはミクロエマルションの全質量に対する)。
【0067】
本発明のミクロエマルションは、当業者に公知のどの方法によっても調製できる。適切な方法は、水中に界面活性剤系を溶解し、プレミクロエマルションとして作用する透明なミセル溶液を形成することから成る。あるいは、この撹拌工程の間に、発泡形成を回避し、かつ系を酸素から保護するために窒素ブランケットが実用的である。得られる透明なミセル溶液に、乳状のエマルションが得られるようにフレグランスまたはフレーバーオイルを静かに撹拌しながら添加する。最後に、これが透明な単相の等方性生成物に変わり、可溶化補助成分を添加することにより、かつ必要に応じて任意の成分を添加することにより、透明なミクロエマルションが形成される。
【0068】
他の適切な方法によれば、水中に界面活性剤系を溶解させることにより、透明なミセル溶液を形成することができる。得られたミセル溶液に可溶化補助成分、および必要に応じて任意の成分を静かに撹拌しながら添加して、初めに油不含のミクロエマルションを形成する。静かに撹拌しながら、得られた油不含の組成物は油、すなわち、香料またはフレーバーの相応する量を容易に可溶化することができ、透明な単相の等方性ミクロエマルション生成物を形成できる。
【0069】
剪断力のような高い機械力が、必ずしも本発明のミクロエマルションを形成するわけではない。一般に、透明な生成物は30分未満の短い時間の撹拌で、時には成分の混合により即座に得られる。
【0070】
これらの方法は、ユーザーにより後の段階で混合されるべき別々の成分キットの形で存在する生成物から出発してミクロエマルションを得ることもできる。特に、本発明の組成物は、消費者により、または消費製品製造業者により組成物を使用する前に、他の成分に予備添加すべき水を必要としないことは言うまでもない。
【0071】
成分、すなわち界面活性剤、1つまたは複数の可溶化補助成分および油は、全て別々に提供されて、かつin situでユーザーにより、例えば、製造業者の世界中どこのプラントでも、または消費者により混合されてもよく、水は局所的に提供される。例えば、一用量の配合物が消費者により直接使用されることを意図する場合には、消費者が濃縮した可溶化系の一用量を使用するに当たり水中で希釈するための指示書と一緒に、濃縮した形で前記成分を提供することができる。後者は、既に油濃縮物の形であるか、または別々の油パッケージ中に設けられた油と混合することを意図した油不含の組成物の形である。
【0072】
よって、別々に予備混合された成分の混合物を調製し、かつ製造プラントまたは局所的な使用箇所で最終的に混合するためにかつ製品化してもよい。このように、可溶化補助成分以外の界面活性剤および可溶化剤を一緒に混合して、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤から成る界面活性剤系(S)を形成して、かつこれに可溶化補助(SA)成分(または成分の混合物)を添加して、完全な可溶化系を調製してもよい。従って、これを適切な濃度でフレグランスおよび水に添加できる。このような可溶化系は、本発明の対象でもある。なぜなら、これらは油含有組成物と本発明によるミクロエマルションを調製するための出発原料成分を構成するからである。
【0073】
先に記載したような可溶化系と油から形成される可溶化された油濃縮物、特にフレグランスまたはフレーバーオイルは、本発明による組成物であり、これは水中で希釈する際に透明なミクロエマルションを得ることを可能にする。このような濃縮組成物は、一般に濃縮物の40〜60質量%、または70質量%ないし80質量%から成る油量、特にフレグランスまたはフレーバー量を含有し、その際、油と界面活性剤系Sの間の比は、1〜3の間から成り、油の量と可溶化系(すなわち界面活性剤系S+可溶化補助剤SA)の全体量との間の比は、0.1〜5の間、有利には0.5〜2の間から成る。
【0074】
これらの全ての組成物、ならびに水中にこれらを組み込むことにより得られるo/wミクロエマルションは、ここで開示されたように本発明の対象である。これらは、消費製品中で香料またはフレーバーを運ぶための成分を構成していてもよい。または、これらはそれ自体が消費製品の形、特に、香水またはコロン、ボディースプレーまたは他のボディーもしくは髪の芳香製品、アイロン水または織物スプレー、多目的クリーナー(APC)または化粧品組成物の形をしていてもよい。本発明は、このような消費製品にも関する。
【0075】
ミクロエマルションを使用できる一般的な食品製品には、飲料、クリーム、乳製品およびサラダソースが含まれる。
【0076】
さらに、水および界面活性剤系を含有するプレミクロエマルション組成物をそれぞれ油可溶化補助成分とは別々に、または可溶化補助成分と油の混合物とは別々に提供でき、かつ製品化できることも明らかである。二者択一的に、界面活性剤と可溶化剤含有の油不含のプレミクロエマルションも可溶化すべき油とは別々に提供できる。所望のミクロエマルション製品を製造する際、または消費者により一用量の製品が使用される際に、水をin-situで別々に添加できる。
【0077】
従って、上記の油不含製品とプレミクロエマルションは、香料またはフレーバーのような油を含有する極めて透明なミクロエマルションを得ることができる優れた可溶化媒体である。
【0078】
このように、本発明による組成物は、濃縮または希釈することができる。すなわち、これらは大量の水を含有するか、または反対に大量の香料またはフレーバーを含有するか、むしろ水を含有しなくてよい。濃縮した可溶化系、すなわち、実質的に水を含有していないか、または10%w/w未満の水含有量を有する油不含組成物または油含有組成物と、本発明によるミクロエマルションは、界面活性剤系、可溶化補助剤および状況に応じて油を、油/界面活性剤(O/S)比が1〜3の間、有利には1.0〜2の間、O/(S+SA)比が0.1〜5の間、有利には0.5〜2の間から成る相対比で有する。
【0079】
組成物および特に本発明の透明なミクロエマルションを、そのまま使用しても、特に皮膚、髪またはタイル、ガラスまたは織物のような表面に局所塗布するためのフレグランスのキャリヤーとして使用してもよい。これらは、例えば衣類、カーペットおよびカーテンにおける織物の悪臭をカバーするための織物フレッシュナーとして特に実用的である。同様に、これらは、タイル、窓、台所および浴室表面などを脱臭および芳香するための多目的クリーナーとして使用できる。これらは、アイロンの間、すなわちアイロン水の形で衣類を芳香するために実用的でもある。
【0080】
適切な消費製品は、先に定義したようなミクロエマルションと適切なコンテナから成り、スプレータイプの製品が望ましい場合には、場合によりエーロゾルを製造する手段を有する。このような消費製品の限定されない例は、ファインフレグランス組成物、デオドラントおよびフレッシュナー、ならびに髪または皮膚調製物、例えば、ファイン香料品、織物スプレー、化粧品および同様のものである。
【0081】
他の実施態様では、前記消費製品は、本発明によるミクロエマルションと消費製品ベースを有する。分かり易くするために、"消費製品ベース"とは、本明細書では、特に芳香成分または香味成分と相溶性である消費製品を意味する。言い換えると、本発明による着香製品は、機能的配合物ならびに例えば、洗剤または織物リフレッシュナーに相当する消費製品に場合により付加的な利点を与える薬剤、および嗅覚的に有効量の少なくとも1つの本発明のミクロエマルションを有する。このように、適切な消費製品ベースは、例えば、表面クリーニング製品、衛生用品、ヘアケア製品、例えば、シャンプー、ボディーケア製品、化粧品、織物リフレッシュナー、アイロン水またはタオルである。
【0082】
消費製品の構成成分の特性とタイプについては、いずれにせよ網羅できないのでここでは更に詳細な説明を行わないことにする。当業者は、その一般的な知識に基づき、かつ前記製品の特性および所望の作用によりこれらを選択することができる。
【0083】
これらの全ての消費製品中で、製品に組み込まれる本発明による組成物またはミクロエマルションの量は、活性油成分中の濃度が製品の質量に対して、有利には0.01〜30質量%の間で製品中に加えられるような量であるが、しかし濃縮された油製品が望ましい場合には、もっと高くてもよい。
【0084】
本発明の更なる対象は、栄養サプリメント、抗菌剤、悪臭中和剤組成物、またはスキンコンディショニング剤または日焼け止め剤を加えるための本発明による組成物またはミクロエマルションの芳香成分または香味成分としての使用である。言い換えると、組成物または製品の香り、フレーバー、栄養、テキスチャー、抗菌性、悪臭中和および/または日焼け止め特性、またはスキンコンディショニングの利点を付与、促進、改善または変性する方法であり、この方法は、前記組成物または製品に先に定義したような有効量の組成物またはミクロエマルションを添加して、所望の効果を得ることから成る。
【0085】
本発明を以下の実施例を用いて更に詳細に説明することにする。
【0086】
例1
本発明による香料(水中)ミクロエマルションの調製
高テルペン含有量を有する香料が以下の成分を混合することにより得られた:
成分 質量部
シトロネリルアセテート 3
ゲラニルアセテート 9
リナリルアセテート 276
10%*デカナール 3
10%*ドデカナール 12
メチルアントラニレート 16
ベルガモット精油 226
Cetalox(R) 1)
レモン精油 318
ジヒドロミルセノール2) 60
ジプロピレングリコール 20
10%*エレミ3) 20
Fleuria 41063 B4)
エチルリナロール 66
10%*3-(4-メトキシフェニル)-2-メチルプロパナール4) 30
ゲラニオール 6
50%*Habanolide(R)5) 130
Hedione(R)6) 215
Hedione(R) HC 7) 72
10%**インドール 12
Iso E super8) 85
ラバンジンロッソ精油 26
1%*Liffarome(R)9) 20
リナロール 40
Mandarine sfuma精油 5
10%*スペアミント精油 30
ネロリビガレード精油 130
オレンジ精油 80
Phenethylol 9
プチグレン精油 63
ピポール 5
ローズマリー精油 16
テルピネオール 9
バイオレット精油 50
1%*Zestover10) 30
合計 2100
* ジプロピレングリコール(DIPG)中
** トリエタノールアミン中
1)8,12−エポキシ−13,14,15,16−tetranorlabdane
2)製造元:International Flavors and Fragrances, USA
3)5−アリル−1,2,3−トリエトキシベンゼン;発売元:Calchauvet, Grasse, France
4)発売元:Firmenich SA, ジュネーブ、スイス
5)ペンタデセノリド:発売元:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
6)メチルジヒドロジャスモネート;発売元:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
7)シス異性体の高含有量を有するメチルジヒドロジャスモネート;発売元:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
8)1−(オクタヒドロ-2,3,8,8−テトラメチル−1−ナフタレニル)−1−エタノン;発売元:International Flavors and Fragrances, USA
9)3−ヘキセニルメチルカーボネート;発売元:International Flavors and Fragrances, USA
10)9−デセン−1−オール;発売元:International Flavors and Fragrances, USA
一般的な方法により、第一工程においてビーカー中で脱イオン水と界面活性剤、ならびに可溶化補助成分を混合することにより本発明によるミクロエマルションが得られた。混合物を磁気撹拌装置のような一般的な混合装置を用いることにより室温で数分間静かに撹拌した。場合により、撹拌する間に混合物を窒素ブランケットにより保護してもよい。第二工程において、水溶液の上に撹拌しながらフレグランスを添加した。ミクロエマルションが数分で形成された。通常、10分未満で、時には即座に透明な生成物が得られた。
【0087】
二者択一的に、水と界面活性剤の混合物をはじめに調製し、それにフレグランスを添加した。これが透明性を欠いた従来技術による比較のミクロエマルションを導いた。この半透明のミクロエマルションへの可溶化補助成分の添加は、本発明による透明なo/wミクロエマルションを得ることができる。
【0088】
比較および本発明のミクロエマルションは、両方とも同じ(香料/界面活性剤系)比、すなわち、1.75を有したが、しかし、はじめのものは乳状であったのに対して、本発明のミクロエマルションは完全に透明であった。
【0089】
比較のミクロエマルション(米国特許5,374,614による)
成分 質量部
香料 30.00
界面活性剤系: 17.15
Tergitol 15-S-12 1) 6.15
Tergitol 15-S-9 1) 9.60
SLES(28%水性)2) 1.40
脱イオン水 52.85
合計 100.00
1)EO(12)、それぞれEO(9)、ノニルフェニルエーテル
2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム
上記の比較のミクロエマルションは、完全に半透明で乳状であり、かつその透明なミクロエマルションを得ることができなかった。
【0090】
上記の比較のエマルションに可溶化補助成分、すなわち、Ajidew(R)N-50(ナトリウムピロリドンカルボン酸50%水溶液;発売元:Ajinomoto Inc.)7.98%w/wを加えることにより、完全に透明なミクロエマルションが即座に得られた。
【0091】
本発明によりミクロエマルションの最終組成物は以下のものであった:
成分 質量部
香料 27.78
界面活性剤系: 15.89
Tergitol 15-S-12 1) 5.70
Tergitol 15-S-9 1) 8.89
SLES(28%水性)2) 1.30
可溶化補助成分: 3.69
Ajidew(R)NL-501) 3.69
脱イオン水 52.64
合計 100.00
透明なミクロエマルションは、1.42のO/(S+SA)比を示した。
【0092】
例2
本発明による香料(水中)ミクロエマルションの調製
例1に記載されたように同じ方法に倣って、かつ同じパヒュームオイルおよび同じ界面活性剤系および可溶化補助成分を用いて、1.28の油/界面活性剤系比を有するミクロエマルションが得られた。
【0093】
比較のミクロエマルション(米国特許5,374,614による)
成分 質量部
香料 15.00
界面活性剤系: 11.75
Tergitol 15-S-12 1) 4.90
Tergitol 15-S-9 1) 6.05
SLES(28%水性)2) 0.80
脱イオン水 73.25
合計 100.00
1)と2)は、例1の通りである。
【0094】
上記の比較のミクロエマルションは、完全に半透明で乳状であった。
【0095】
上記の比較のミクロエマルションに、可溶化補助成分、すなわち、Ajidew(R)N-50(ナトリウムピロリドンカルボン酸50%水溶液;発売元:Ajinomoto Inc.)7.74%w/wを添加することにより、完全に透明なミクロエマルションが即座に得られた。
【0096】
本発明によるミクロエマルションの組成物は以下のものであった:
成分 質量部
香料 13.92
界面活性剤系: 10.91
Tergitol 15-S-12 1) 4.55
Tergitol 15-S-9 1) 5.62
SLES(28%水性)2) 0.74
可溶化補助成分: 3.59
Ajidew(R)NL-501) 3.59
脱イオン水 71.58
合計 100.00
透明なミクロエマルションは、0.96のO/(S+SA)比を示した。
【0097】
例3
本発明による香料(水中)ミクロエマルションの調製
例1に記載されたように同じ方法に倣って、かつ同じパヒュームオイルおよび同じ界面活性剤系および可溶化補助成分を用いて、1.10の油/界面活性剤系比を有するミクロエマルションが得られた。
【0098】
比較のミクロエマルション(米国特許5,374,614による)
成分 質量部
香料 5.00
界面活性剤系: 4.55
Tergitol 15-S-12 1) 1.90
Tergitol 15-S-9 1) 2.35
SLES(28%水性)2) 0.30
脱イオン水 90.45
合計 100.00
1)と2)は、例1の通りである。
【0099】
上記の比較のミクロエマルションは、完全に半透明で乳状であった。
【0100】
上記の比較のミクロエマルションに、可溶化補助成分、すなわち、Ajidew(R)N-50(ナトリウムピロリドンカルボン酸50%水溶液;発売元:Ajinomoto Inc.)7.90%w/wを添加することにより、完全に透明なミクロエマルションが即座に得られた。
【0101】
本発明によるミクロエマルションの組成物は以下のものであった:
成分 質量部
香料 4.63
界面活性剤系: 4.22
Tergitol 15-S-12 1) 1.76
Tergitol 15-S-9 1) 2.18
SLES(28%水性)2) 0.28
可溶化補助成分: 3.66
Ajidew(R)NL-501) 3.66
脱イオン水 87.49
合計 100.00
透明なミクロエマルションは、0.59のO/(S+SA)比を示した。
【0102】
例4
本発明による香料(水中)ミクロエマルションの調製
例1に記載されたように同じ方法に倣って、かつ同じパヒュームオイルおよび同じ界面活性剤系および可溶化補助成分を用いて、1.10の油/界面活性剤系比を有するミクロエマルションが得られた。
【0103】
比較のミクロエマルション(米国特許5,374,614による)
成分 質量部
香料 2.00
界面活性剤系: 1.82
Tergitol 15-S-12 1) 0.76
Tergitol 15-S-9 1) 0.94
SLES(28%水性)2) 0.12
脱イオン水 96.18
合計 100.00
1)と2)は、例1の通りである。
【0104】
上記の比較のミクロエマルションは完全に半透明で、乳状であった。
【0105】
上記の比較のエマルションに、可溶化補助成分、すなわち、Ajidew(R)N-50(ナトリウムピロリドンカルボン酸50%水溶液;発売元:Ajinomoto Inc.)4.04%w/wを添加することにより、完全に透明なミクロエマルションが即座に得られた。
【0106】
本発明によるミクロエマルションの組成物は以下のものであった:
成分 質量部
香料 1.92
界面活性剤系: 1.75
Tergitol 15-S-12 1) 0.73
Tergitol 15-S-9 1) 0.90
SLES(28%水性)2) 0.12
可溶化補助成分: 1.94
Ajidew(R)NL-501) 1.94
脱イオン水 94.39
合計 100.00
透明なミクロエマルションは、0.52のO/(S+SA)比を示した。
【0107】
例5
本発明による濃縮物およびミクロエマルション中の香料の調製
1.053の油/界面活性剤系比を有する本発明による組成物を以下の組成物を用いて調製した:
組成物の配合
成分 質量部
香料5) 9.95
界面活性剤系: 9.45
Brij 98 1) 2.78
LRI 可溶化剤 2) 1.95
Aerosol OT 1003) 4.82
可溶化補助成分: 0.78
Ajidew(R)NL-504) 0.78
脱イオン水 79.82
合計 100.00
1)第二アルコールエトキシル化;発売元:ICI Group社製Uniquema
2)PPG-26 Buteth-26およびPEG-40 水素化ヒマシ油;発売元:LCW Sensient Cosmetic Technologies
3)ジエチルヘキシルナトリウムスルホスクシネート;発売元:Cytec Industries, Inc., West Paterson, NJ 07424
4)例1参照
5)Floral, spicy perfume;発売元:Firmenich SA
香料、界面活性剤系および可溶化補助成分を用いて得られた可溶化された油濃縮物、ならびに水中でのその希釈により得られた透明なミクロエマルションは、0.974のO/(S+SA)を示した。
【0108】
例6
本発明による濃縮物およびミクロエマルション中の香料の調製
1.053の油/界面活性剤系比を有する本発明による組成物を以下の組成物を用いて調製した:
組成物の配合
成分 質量部
香料5) 10.04
界面活性剤系: 9.54
Glycosperse O-20 1) 2.81
LRI 可溶化剤 2) 1.87
Aerosol OT 1003) 4.86
可溶化補助成分: 0.28
Ajidew(R)NL-504) 0.28
脱イオン水 80.14
合計 100.00
1)POE(20)ソルビタンモノオレエート;発売元:Lonza
2)例5参照
3)例5参照
4)例5参照
5)例5参照
香料、界面活性剤系および可溶化補助成分を用いて得られた可溶化された油濃縮物、ならびに水中でのその希釈により得られた透明なミクロエマルションは、1.023のO/(S+SA)を示した。
【0109】
例7
本発明による濃縮物およびミクロエマルション中の香料の調製
1.053の油/界面活性剤系比を有する本発明による成分を以下の組成物を用いて調製した:
組成物の配合
成分 質量部
香料5) 7.99
界面活性剤系: 7.59
Brij 98 1) 2.23
LRI 可溶化剤 2) 1.49
SDS3) 3.87
可溶化補助成分: 10.45
Ajidew(R)NL-504) 10.45
脱イオン水 73.97
合計 100.00
1)例5参照
2)例5参照
3)Cognis Corporation
4)例5参照
5)例5参照
香料、界面活性剤系および可溶化補助成分を用いて得られた可溶化された油濃縮物、ならびに水中でのその希釈により得られた透明なミクロエマルションは、0.443のO/(S+SA)を示した。
【0110】
例8
本発明による濃縮物およびミクロエマルション中の香料の調製
1.053の油/界面活性剤系比を有する本発明による組成物を以下の成分を用いて調製した:
組成物の配合
成分 質量部
香料5) 10.06
界面活性剤系: 9.55
Brij 98 1) 2.81
LRI 可溶化剤 2) 1.87
Aerosol OT 1003) 4.87
可溶化補助成分: 0.398
乳酸ナトリウム粉末4) 0.398
脱イオン水 79.99
合計 100.00
1)例5参照
2)例5参照
3)例5参照
4)Aldrich
5)例5参照
香料、界面活性剤系および可溶化補助成分を用いて得られた可溶化された油濃縮物、ならびに水中でのその希釈により得られた透明なミクロエマルションは、1.011のO/(S+SA)を示した。
【0111】
例9
本発明による濃縮物およびミクロエマルション中の香料の調製
1.080の油/界面活性剤系比を有する本発明による組成物を以下の成分を用いて調製した:
組成物の配合
成分 質量部
香料5) 9.87
界面活性剤系: 9.14
Brij 98 1) 2.69
LRI 可溶化剤 2) 1.79
Aerosol OT 100 3) 4.66
可溶化補助成分: 2.36
Ajidew NL-50 4) 2.36
脱イオン水 78.63
合計 100.00
1)例5参照
2)例5参照
3)Aldrich
4)例5参照
5)例5参照
香料、界面活性剤系および可溶化補助成分を用いて得られた可溶化された油濃縮物、ならびに水中でのその希釈により得られた透明なミクロエマルションは、0.858のO/(S+SA)を示した。
【0112】
例10
香料濃縮物およびミクロエマルションの調製
香料濃縮物および相応のミクロエマルションを表に記載された量で以下に示された成分を用いて調製した。油/界面活性剤系比は1.205であった。
【0113】
表I
成分 質量%
脱イオン水 43.675
Aerosol OT 100* 12.45
Tween(R)20 1) 0.525
Glycosperse O-20* 6.60
可溶化剤 LRI* 5.325
グライダント2) 0.225
香料 30.00
Ajidew N-50* 1.20
* 例5参照
1)発売元:Uniquema
2)DMDM Hydratoin;発売元:Lonza
香料、界面活性剤系および可溶化補助成分を用いて得られた可溶化された油濃縮物、ならびに水中でのその希釈により得られた透明なミクロエマルションは、1.149のO/(S+SA)を示した。
【0114】
使用された香料は、以下の成分を示された割合で混合することにより調製した。
【0115】
表II
成分 質量%
アルファ−テルピネン 0.11
アルファ−テルピネオール 0.01
Acid C 8 redist 0.01
アルデヒド C 10 0.03
アルデヒド C 11 Lique 0.01
アルデヒド C 12 0.06
アルデヒド C 8 0.02
アルデヒド C 9 0.03
アルファ−テルピネオール 0.28
ファルネソール1) 0.38
ベンジルベンゾエート 0.01
ベンジルホルメート 0.01
ビサボレン 0.08
ボルネオール Crist 0.02
カンフェンRedist 0.03
カンファー 0.08
カリオフィレン 0.11
Cetalox(R) 1) 0.24
シトラール 0.80
シトロネラールCP 0.02
シトロネロールBJ 0.14
シトロネリルアセテート 0.14
Citronova(R) オレンジテルペン1) 0.22
サルビアセージ精油 0.01
コパフ精油 0.13
デシルアセテート 0.01
ジヒドロミルセノール 2.86
ジプロピレングリコール 9.94
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 0.90
アントラニル酸メチル 0.78
エレミ精油 0.10
エチルアセテート 0.01
エチルシトレート 0.01
エチルリナロール 3.14
ユーカリプトール 0.10
Foliaver1) 0.14
ゲラニオール 0.44
ゲラニルアセテート 0.84
ゲラニルアセトン 0.01
Germotritine 0.09
Habanolide(R)1) 3.10
Hedione(R)1) 10.24
Hedione(R)HC1) 3.43
インドール 0.07
Iso E Super 4.05
Lavandin Grosso 1.24
レモンテルペン 0.76
Liffarome(R)2) 0.01
Lilial(R) 0.02
リモネン 13.67
リナロール 6.80
リナリルアセテート 18.23
リナリルオキシド 0.01
Mandarine Sfuma精油 0.24
メチルヘプテノン 0.02
ミルセン 0.28
9,12−オクタデカジエン酸と
9,12,15−オクタデカトリエン酸の 0.01
全てシス異性体の混合物
メチル9−オクタデセノエート 0.04
Nerol BJ 0.09
ネリルアセテート 0.32
オシメン 0.28
オクチルアセテート 0.01
パルミチン酸 0.02
パラシメン 0.10
ペリリルアルコール1) 0.01
プチグレン精油 2.10
Phenethylol 0.43
フェニルエチルアセテート 0.01
ピネン 2.45
ピポールDist 0.03
Portugal Floride精油 3.81
ローズマリー精油 0.38
スペアミント精油 0.14
テルペニルアセテート 0.01
テルピネンG Glidden 1.25
テルピネオール 0.51
テルピノレン 0.34
トリエタノールアミン 0.51
β−イオノン1) 2.38
Diepoxy−15,16−di−norlabane1) 0.10
テルピネノール 0.04
Zestover 0.01
1)発売元:Firmenich SA
例11
香料濃縮物とミクロエマルションの調製
香料濃縮物および相応のミクロエマルションを表に記載された量で以下に示された成分を用いて調製した。油/界面活性剤系の比は1.265であった。
【0116】
表III
成分 質量%
脱イオン水 80.06
Aerosol OT 100* 2.00
Tween(R)20 1) 0.175
Glycosperse O-20* 2.20
可溶化剤 LRI* 3.53
グライダント2) 0.0338
香料 10.00
Ajidew N-50* 2.00
* 例5参照
1)例10参照
香料、界面活性剤系および可溶化補助成分を用いて得られた可溶化された油濃縮物、ならびに水中でのその希釈により得られた透明なミクロエマルションは、1.01のO/(S+SA)を示した。
【0117】
以下の主成分を示された割合で混合することにより使用した香料が調製された。
【0118】
表IV
成分 質量%
アバリン 0.38
アルデヒド C 10 0.01
アルデヒド C 8 0.01
アルデヒド C 9 0.01
アンブレットライド 0.07
アナゾール 0.04
アストロトン 1.97
BHT 0.09
ファルネソール1) 0.05
ベンジルアセテート 1.64
ベンジルサリシレート 2.63
β−イオノン 3.62
ビサボレンHLR 0.03
カリオラン 0.01
カリオフィレン 0.06
Cetalox(R)1) 0.20
シトラール 0.33
シトロネラール 0.01
シトロネロール 1.57
シトロネリルアセテート 0.27
シトロネリルホルメート 0.01
シトロネリルプロピオネート 0.01
Citronova(R) オレンジテルペン1) 0.16
サルビアセージ精油 0.01
コパフ精油Dist 0.09
デマスセノン 0.13
デカル 0.13
ジヒドロミルセノール 2.89
ジメチルオクタノール 0.01
ジプロピレングリコール 1.94
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 0.39
エチルアセテート 0.01
エチルシトレート 0.02
エチルリナロール 4.74
7−メチル−2H,4H-1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン1) 0.07
3−(エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパナール1) 0.33
Foliaver1) 1.12
フルクトン 0.66
γ−デマスコン1) 0.03
ゲラニオール 0.12
ゲラニオールホルミエート 0.02
ゲラニウム精油 0.01
ゲラニルアセテート 0.13
ゲルモトリチン 0.03
グレープフルーツ精油 0.66
Habanolide(R)1) 7.37
Hedione(R)HC1) 6.25
へリオプロパナール 2.66
ヘキシルサリチレート 0.10
ヒドロキシシトロネロール 0.28
インドール 0.24
Iso E Super 2.50
イソプロピルミリステート 0.12
イソスピレン 0.01
ラバンジンロッソ 0.26
レモンテルペン 0.28
Levocitrol 0.34
Liffarome(R) 0.01
Lilial(R) 6.91
リモネDist 5.44
リナロール BJ 1.68
リナリルアセテート 3.00
Lyral(R) 2.83
Mandarine sfuma精油 1.78
メロナール 0.02
メントン 0.01
メチルヘプテノン 0.01
ミルセン 0.06
メチル9−オクタデセノエート 0.03
Hedione(R)1) 19.13
Neobutenone(R)1) 0.01
Nerol BJ 0.01
ネリルアセテート 0.12
オクチルアセテート 0.01
オキサン 0.01
パルミチン酸 0.01
パラシメン 0.04
ペッパー精油 0.01
ペリリルアルコール1) 0.01
Phenethylol 0.77
フェニル酢酸アルデヒド 0.07
フェニルエチルアセテート 0.02
フェニルヘキサノール 0.33
ピネン 1.03
ピポールアセテート 0.46
ピポールDist 0.13
ピポールサリチレート 2.63
Portugal Floride ARR 3.29
Rhubofix(R)1) 0.01
9−デセン−1−オール1) 0.03
ローズオキシド 0.01
スペアミント精油 0.13
スチルアリルアセテート 1.53
テルピネンアルファ 0.05
テルピネンG Glidden 0.59
テルピネオールスーパー 0.02
テルピノレン 0.16
Tetronic 0.13
トリエタノールアミン 0.07
Veloutone1) 0.01
テルピネノール 0.01
Zestover 0.16
1)発売元:Firmenich SA
例12
紫外線吸収剤および日焼け止め含有の着香組成物の調製
以下に示した成分を適切な量で混合することにより濃縮した形および透明なミクロエマルションの形の日焼け止め特性と紫外線吸収特性を有する組成物が透明なミクロエマルションの形で得られるように調製した(表中、相対パーセンテージは質量で記載されている)。
【0119】
表V
成分 組成物(質量%)
A B
脱イオン水 78.925 80.075
Aerosol OT 100* 4.15 4.15
Tween(R) 20 1) 0.175 0.175
Glycosperse O-20* 2.2 2.2
可溶化剤LRI* 1.775 1.775
グライダント2) 0.075 0.075
香料 10 10
Parsol MCX4) 2
Ajidew N-50* 0.7
Uvinul A Plus3) 1
乳酸ナトリウム60 シロップ剤5 0.55
*例5参照
**例6参照
1)POE(20)ソルビタンモノラウレート;発売元:Uniquema
2)DMDM Hydratoin;発売元:Lonza
3)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート;発売元:BASF
4)エチルヘキシルメトキシシンナメート;発売元:DSM Nutritional Products
Aerosol OT 100、他の界面活性剤製品およびLRI可溶化剤から形成された界面活性剤系を可溶化補助剤Ajidew N-50(A)または乳酸ナトリウムシロップ剤(B)と一緒に混合し、本発明による油可溶化剤を形成した。次に、これを使用して香料を添加することにより香料濃縮物を調製した。保存剤と紫外線吸収剤、それぞれグライダント(Glydant)およびUvinul またはParsolを油可溶化系に添加するか、または最終的な油濃縮物に添加した。
【0120】
水中での油濃縮物の希釈は、紫外線吸収特性と日焼け止め特性を有する透明なミクロエマルションを生じた。
【0121】
使用される香料は、記載された質量比を用いて、以下の表に示される成分を混合することにより調製された。
【0122】
表IV−香料組成物
フレグランス成分 質量部
Vert de lilas 2) 10
ヒドロキシシトロネラール 10
ヘリオトロピンOrd 10
クマリン 10
エチルバニリン 10
フェニルヘキサノール 10
へリオプロパナール 10
ジエチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート1) 10
Hedione(R)1) 10
Romandolide(R)1) 10
ムスセノンデルタ1) 10
アンブレットリド 20
合計 130
1)発売元:Firmenich SA
2)発売元:Givaudan
上記のように得られた組成物は、1.2の香料/界面活性剤系比、およびそれぞれ1.11(A)、1.13(B)の香料/可溶化系(すなわちO/(S+SA))比を示した。
【0123】
例13
ビタミン/抗酸化剤含有の着香組成物の調製
以下に示した成分を適切な量で混合することにより濃縮した形および透明なミクロエマルションの形でビタミン/抗酸化剤を有する組成物またはそれらの前駆体が透明なミクロエマルションの形で得られるように調製した(表中、相対パーセンテージは質量で記載されている)。
【0124】
表VII
成分* 組成物(質量%)
A B C
脱イオン水 80.675 80.525 79.825
Aerosol OT 100 4.15 4.15 4.15
Tween (R) 20 0.175 0.175 0.175
Glycosperse O-20 2.2 2.2 2.2
可溶化剤 LRI 1.775 1.775 1.775
グライダント 0.075 0.075 0.075
香料 10 10 10
アスコルビン酸 0.5 1
dl-a-トコフェリルアセテート 0.5
D-ペンテノール75L 1
乳酸ナトリウム60シロップ剤 0.45 0.6
Ajidew N-50 0.8
* 記載された3つのビタミン成分を除いて、全ての成分の特性は上記の実施例に示してある。
【0125】
Aerosol OT 100、他の界面活性剤製品およびLRI可溶化剤から形成された界面活性剤系を可溶化補助剤Ajidew N-50(C)または乳酸ナトリウムシロップ剤(AおよびB)と一緒に混合し、本発明による油可溶化剤を形成した。次に、これを使用して香料を添加することにより香料濃縮物を調製した。ビタミン/抗酸化剤成分を、油可溶化系に添加するか、または最終的な油濃縮物に添加することができる。
【0126】
水中での油濃縮物の希釈は、ボディケアに利点があるビタミン/抗酸化剤を有する透明なミクロエマルションを生じた。
【0127】
このように得られた組成物は、1.2の香料/界面活性剤系比と、それぞれ1.142(A)、1.124(B)および1.099(C)の香料/可溶化系(すなわちO/(S+SA))比を示した。
【0128】
例14
脱臭剤成分含有の着香組成物の調製
以下に示した成分を適切な量で混合することにより濃縮した形および透明なミクロエマルションの形で脱臭剤を有する組成物が透明なミクロエマルションの形で得られるように調製した(表中、相対パーセンテージは質量で記載されている)。
【0129】
表VIII
成分* 組成物(質量%)
A B
脱イオン水 81.225 81.075
Aerosol OT 100 4.15 4.15
Tween (R) 20 0.175 0.175
Glycosperse O-20 2.2 2.2
可溶化剤 LRI 1.775 1.775
グライダント 0.075 0.075
香料 10 10
SensivaSC501) 0.2
Ajidew N-50 0.2
IrgasanDP300 2) 0.25
安息香酸ナトリウム 0.3
* 記載された脱臭剤成分を除いて、全ての成分の特性は例13に示してある。
1)エチルヘキシルグリセリン;発売元:Seppic
2)Triclosan;発売元:Ciba Specialty Chemicals
Aerosol OT 100、他の界面活性剤製品およびLRI可溶化剤から形成された界面活性剤系を可溶化補助剤Ajidew N-50(A)または安息香酸ナトリウム(B)と一緒に混合し、本発明による油可溶化剤を形成した。次に、これを使用して香料を添加することにより香料濃縮物を調製した。ビタミン/抗酸化剤成分を、油可溶化系に添加するか、または最終的な油濃縮物に添加することができる。
【0130】
水中での油濃縮物の希釈は、脱臭剤を有する透明なミクロエマルションを生じた。
【0131】
このように得られた組成物は、1.2の香料/界面活性剤系比と、それぞれ1.177(A)、1.163(B)の香料/可溶化系(すなわちO/(S+SA))比を示した。
【0132】
例15
スキンコンディショニング剤含有の着香組成物の調製
以下に示した成分を適切な量で混合することにより濃縮した形および透明なミクロエマルションの形でスキンコンディショニング剤を有する組成物が透明なミクロエマルションの形で得られるように調製した(表中、相対パーセンテージは質量で記載されている)。
【0133】
表IX
成分* 組成物(質量%)
A B C D
脱イオン水 80.675 80.275 80.175 79.425
Aerosol OT 100 4.15 4.15 4.15 4.15
Tween (R) 20 0.175 0.175 0.175 0.175
Glycosperse O-20 2.2 2.2 2.2 2.2
可溶化剤 LRI 1.775 1.775 1.775 1.775
グライダント 0.075 0.075 0.075 0.075
香料 10 10 10 10
尿素 0.5
乳酸ナトリウム60シロップ剤 0.45 0.3
Glucam E-20 1) 1
安息香酸ナトリウム 0.35 0.2
Aquaxyll2) 1.15
DowCorning 345Fluid3) 2
* 記載されたスキンコンディショニング成分を除いて、全ての成分の特性は上記実施例に示してある。
1)Methyl Gluceth-20;発売元:Noveon
2)キシリチルグリコシドおよびアンヒドロキシリトールおよびキシリトール;発売元:Seppic
3)シクロペンタシロキサンおよびシクロヘキサシロキサン;発売元:Dow Corning
Aerosol OT 100、他の界面活性剤製品およびLRI可溶化剤から形成された界面活性剤系を可溶化補助剤である安息香酸ナトリウム(AおよびC)または乳酸ナトリウムシロップ剤(BおよびD)と一緒に混合し、本発明による油可溶化剤を形成した。次に、これを使用して香料を添加することにより香料濃縮物を調製した。スキンコンディショニング成分を、油可溶化系に添加するか、または最終的な油濃縮物に添加することができる。
水中での油濃縮物の希釈は、スキンコンディショニング剤を有する透明なミクロエマルションを生じた。
【0134】
このように得られた組成物は、1.2の香料/界面活性剤系比と、それぞれ1.143(A)、1.156(B)、1.163(C)および1.177(D)の香料/可溶化系(すなわちO/(S+SA))比を示した。
【0135】
例16
スキンコンディショニング剤/抗刺激薬含有の着香組成物の調製
以下に示した成分を適量で混合することにより濃縮した形および透明なミクロエマルションの形で、フローラルな香り特性およびスキンコンディショニング剤/抗刺激薬を有する組成物が透明なミクロエマルションの形で得られるように調製した(表中、相対パーセンテージは質量で記載されている)。
【0136】
表X
成分* 組成物(質量%)
脱イオン水 80.175
Aerosol OT 100 5.87
Tween (R) 20 0.25
Glycosperse O-20 3.14
可溶化剤 LRI 2.23
グラインダント 0.18
Floral Perfume 15
Bacocalmine1) 1.8
Ajidew N-50 0.18
* 記載されたスキンコンディショニング剤/抗刺激薬を除いて、全ての成分の特性は上記実施例に示してある。
1)PEG-8およびバコパモニエラ抽出物および水(水溶液)およびヒドロキシエチルセルロース;発売元:Croda社製Sederma
Aerosol OT 100、他の界面活性剤製品およびLRI可溶化剤から形成された界面活性剤系を可溶化補助剤と一緒に混合し、本発明による油可溶化剤を形成した。次に、これを使用して香料を添加することにより香料濃縮物を調製した。スキンコンディショニング剤/抗刺激薬を油可溶化系に添加するか、または最終的な油濃縮物に添加できる。
【0137】
水中での油濃縮物の希釈は、スキンコンディショニング剤/抗刺激薬を有する透明なミクロエマルションを生じた。
【0138】
このように得られた組成物は、1.31の香料/界面活性剤系比と、それぞれ1.285の香料/可溶化系(すなわちO/(S+SA))比を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のもの:
A)油0.01〜80%w/w;
B)油/界面活性剤の濃度比が1〜3の間から成るような量の界面活性剤系(S);
C)次のアンモニウム塩、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩から成るグループから選択される可溶化補助成分:
i)芳香族または非芳香族5員または6員環の複素環および1個または2個のカルボン酸官能基を有するC5〜C10化合物;
ii)C2〜C7線状、分枝または環状モノ−、ジ−またはトリ−カルボン酸;
iii)安息香酸、ヒドロキシル−安息香酸またはアミノ−安息香酸、1個または2個のC1〜C5アルキル基により置換されたC8〜C12安息香酸、ヒドロキシル−安息香酸またはアミノ−安息香酸;
iv)ベンゼン−スルホン酸、1個または2個のC1〜C5アルキル基により置換された
7〜C11ベンゼン−スルホン酸、場合によりヒドロキシ化されたナフタレンスルホン酸、1個または2個のC1〜C5アルキル基により置換された場合によりヒドロキシ化されたC11〜C16ナフタレンスルホン酸;
v)ハロゲン化物、アスコルビン酸塩、重炭酸塩、チオシアン酸塩;および
vi)これらの混合物;
D)場合により水;
を有し、かつ油(O)の量と、界面活性剤系(S)+可溶化補助(SA)成分の全体量との間の比が、0.1〜5の間から成る油含有組成物、但し、25℃で少なくとも25mN/mの表面張力を有する油1〜30%w/w;1つ以上のイオン性界面活性剤と1つ以上の非イオン性界面活性剤含有の界面活性剤系(1つまたは複数のイオン性界面活性剤の量は、界面活性剤系の全体質量に対して、少なくとも50質量%である);水少なくとも60%w/wを有し、かつ25℃で2.5cmセル中、400nm〜600nmの間で測定した場合に、0〜90NTUの間から成る透明度を示すVOC−不含ミクロエマルションを除く。
【請求項2】
水少なくとも10質量%を有する透明なミクロエマルションの形の、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
1つ以上のアニオン性界面活性剤と1つ以上の非イオン性界面活性剤を含有している界面活性剤系を有する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
アニオン性界面活性剤の量は、界面活性剤系の全質量の少なくとも50質量%である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
非イオン性界面活性剤の量は、界面活性剤系の全質量の少なくとも50質量%である、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
25℃で測定して20〜30mN/mから成る表面張力により特徴付けられる透明なミクロエマルションの形の請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
油は、香料、フレーバー、抗菌剤、ニュートラシューティカル成分または栄養サプリメントオイル、化粧品活性剤である、請求項3に記載の組成物。
【請求項8】
油は、油の質量に対して、香料少なくとも75質量%、かつ有利には香料少なくとも90質量%を有する、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
香料は、テルペン5%w/w〜99%w/wおよび/またはジャコウ5〜30%w/wを含有する、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
組成物の質量に対して、香料を30質量%までの量、かつより有利には5〜15質量%の間の量で有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項11】
油/界面活性剤系(O/S)のw/w比は、1.2〜2.0の間から成り、かつO/(S+SA)比は、0.5〜2の間から成る、請求項1から10までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
a)アニオン性界面活性剤は、C6〜C12−ジアルキルスルホコハク酸、C7〜C24−アルカリールスルホン酸、C6〜C15−アルキル硫酸、C10〜C20−アシルグルタミン酸およびポリエチレングリコール/ジメチコーンスルホコハク酸のナトリウム、カリウム、アンモニウムおよびモノ−、ジ−またはトリエタノールアンモニウム塩から成るグループから選択され;および
b)非イオン性界面活性剤は、5〜20個のEOまたはPO単位を含有するエトキシ化およびプロポキシ化(C5〜C12アルキル)フェノールエーテル、3〜30個のEO単位を含有するポリエチレングリコールソルビトールエーテル、C8〜C20脂肪酸とのスクロースエステル、2〜30個のEO単位を含有するエトキシ化脂肪族C6〜C20アルコール、C8〜C20ポリグリセリルエステル、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールブロックコポリマー、2〜30個のEOを含有するエトキシ化グリコールエーテルおよび2〜10個のEO単位を含有する脂肪族C5〜C11カルボン酸のポリエチレングリコールモノ−および−ジエステルから成るグループから選択される、請求項1から11までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
可溶化補助成分は、ピリジンカルボン酸、プロリン酸、ピロリドンカルボン酸、安息香酸、ヒドロキシル−安息香酸、アミノ−安息香酸、L−乳酸、L−アスコルビン酸、炭酸水素塩、コハク酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、1個または2個のC1〜C3アルキル基により置換された安息香酸、ヒドロキシル−安息香酸またはアミノ安息香酸のC8〜C10誘導体、ベンゼンスルホン酸、1個または2個のメチル基またはエチル基により置換されたC7〜C9ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、1個または2個のC1〜C4アルキル基により置換された場合によりヒドロキシ化されたC11〜C14ナフタレンスルホン酸、C3〜C6アルカン酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩およびカルシウム塩から成るグループおよび前記塩の任意の混合物から選択される、請求項1から12までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
可溶化補助成分は、ピロリドンカルボン酸ナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、L−乳酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムおよびコハク酸二ナトリウムから成るグループおよび前記塩の任意の混合物から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項に記載の組成物を有する消費製品。
【請求項16】
繊維フレッシュナー、多目的クリーナーまたはヘアもしくはスキン調製物の形の、請求項15に記載の消費製品。
【請求項17】
飲料、乳製品またはクリーム状サラダドレッシングの形の、請求項15に記載の消費製品。
【請求項18】
皮膚、髪、ガラス、タイル、織物、台所または浴室表面のような表面の香り特性を付与、促進、改善または変性する方法において、該方法は、前記表面に請求項1から14までのいずれか1項に記載の組成物、または請求項16に記載の製品の嗅覚的に有効量を加えることを含む、表面の香り特性を付与、促進、改善または変性する方法。
【請求項19】
次の:
a)少なくとも1つのアニオン性界面活性剤と、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を混合して界面活性剤系(S)を形成する工程;
b)前記界面活性剤系に、請求項1に記載した可溶化補助成分(SA)を添加し、油を可溶化する系を形成する工程;
c)油(O)を前記可溶化系に添加する工程;及び
d)場合により水を添加する工程
を含み、その際、界面活性剤系、可溶化補助成分および油を適量で混合して、組成物の質量に対して0.01〜80質量%の油濃度と、1〜3の間から成るO/S比と、0.1〜5の間から成るO/(S+SA)比とを得る、請求項1に記載の組成物を調製する方法。
【請求項20】
初めに界面活性剤系に水を添加して界面活性剤溶液を得て、これに所望量の油を添加し、続いて可溶化補助成分を添加する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
工程a)とb)を続けて実施して可溶化系を形成し、これに可溶化すべき油を添加して油濃縮物を形成する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
油濃縮物に水を添加して、透明なミクロエマルションを形成することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
界面活性剤系(S)を形成する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、および可溶化補助成分(SA)を含む油を可溶化する系であって、前記界面活性剤系と可溶化補助成分は、O/S比が1〜3の間から成り、かつO/(S+SA)比が0.5〜5の間から成るように、油(O)を可溶化するのに十分な量で存在することを含む、油を可溶化する系。
【請求項24】
組成物または製品の香り、フレーバー、栄養、テキスチャー、抗菌性、悪臭中和特性および/または日焼け止め特性、またはスキンコンディショニングの利点を付与、促進、改善または変性する方法において、この方法は、前記組成物または製品に請求項1から14までのいずれか1項に記載の組成物またはミクロエマルションの有効量を添加することを含む、組成物または製品の香り、フレーバー、栄養、テキスチャー、抗菌性、悪臭中和特性および/または日焼け止め特性、またはスキンコンディショニングの利点を付与、促進、改善または変性する方法。

【公表番号】特表2008−517051(P2008−517051A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537418(P2007−537418)
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【国際出願番号】PCT/IB2005/003329
【国際公開番号】WO2006/043177
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(390009287)フイルメニツヒ ソシエテ アノニム (146)
【氏名又は名称原語表記】FIRMENICH SA
【住所又は居所原語表記】1,route des Jeunes, CH−1211 Geneve 8, Switzerland
【Fターム(参考)】