説明

ブリッジ電界効果トランジスタメモリセル、上記セルを備えるデバイス、および、ブリッジ電界効果トランジスタメモリセルの製造方法

本発明は、第1および第2の各ソース/ドレイン領域、第1および第2の各ソース/ドレイン領域の間に配置されたチャネル領域とを備え、これらの各ソース/ドレイン領域とチャネル領域とが半導体ブリッジに形成されている、ブリッジ電界効果トランジスタメモリセルに関するものである。
本発明のメモリセルは、さらに、半導体ブリッジの少なくとも部分上に堆積されている電荷記憶層と、電荷記憶層の少なくとも一部上の金属性で導電性のゲート領域とを備え、電荷記憶層は、ブリッジ電界効果トランジスタメモリセルに所定の電気的電圧を印加することにより、選択的に、電気的な電荷キャリアが、電荷記憶層に対し導入されるように、または、電荷記憶層から除去されるように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、フィン型電界効果トランジスタメモリセル、フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置、および、フィン型電界効果トランジスタメモリセルの製造方法に関するものである。
【0002】
コンピュータテクノロジーの急速な発展に鑑みて、特にデータ記憶の分野におけるモバイルアプリケーションのためには、密度が高く、電力の低い、不揮発性のメモリが必要である。
【0003】
従来技術では、浮遊ゲートメモリが開示されている。この浮遊ゲートメモリでは、導電性浮遊ゲート領域が、基板に集積された電界効果トランジスタのゲート絶縁層上に配置されている。この浮遊ゲート領域に、電気的な電荷キャリアを、フアウラー−ノルトハイムトンネリングによって、永久的に導入することができる。電界効果により、このようなトランジスタの閾値電圧の値は、浮遊ゲートに電荷キャリアが記憶されているかどうかに応じている。その結果、メモリ情報の項目を、浮遊ゲート層における電気的な電荷キャリアの存在または不在によって符号化することができる。
【0004】
しかしながら、電気的な電荷キャリアを浮遊ゲートへ導入するには、典型的には15V〜20Vの高い電圧が必要である。このことは、感度の高い集積部品を損傷する可能性があり、さらに、省エネルギ(例えば、低電力アプリケーション)またはモバイルアプリケーション(例えばモバイル無線電話器、携帯用情報機器(PDA))にとっては、あまり好ましいものではない。
【0005】
NROMメモリ(「窒化された読み出し専用メモリ」)では、窒化シリコン捕獲層を、電界効果トランジスタのゲート絶縁層として使用し、電荷記憶層としての窒化シリコン層に、チャネルホットエレクトロン注入(ホットエレクトロンのトンネリング)によって、電荷キャリアを永久的に導入することができる。この場合、一般的なプログラミング電圧は、約9Vであり、150n秒の書き込み時間が、個々のセルにおいて達成されている。
【0006】
[文献1]に、2ビットのメモリ情報を1つのトランジスタに記憶することのできるNROMメモリセルが開示されている。
【0007】
しかしながら、このようなNROMメモリセルは、電力消費量が多いという欠点を有している。さらに、NROMメモリセルは小型化しにくい。なぜなら、特に、チャネル長が典型的な200nm未満の場合は、短チャネル効果(例えば、「パンチスルー」効果)が生じるからである。さらに、NROMメモリセルのトランジスタの幅が狭い場合は、読み込み電流は非常に小さい。このことは、小型化が進むに伴って障害となる。
【0008】
好ましくは少なくとも1Gbit/cm2の記憶密度を有する高密度データメモリが必要である。従来技術で知られているメモリセル装置は、メモリセル毎に2ビットの情報を記憶するために、平坦な浮遊ゲートメモリセルを有するNAND構造、または、NROMセルを有するいわゆる「仮想接地アレイ」を含んでいる。これらのメモリセル装置では、記憶容量は約1Gbitとなる。しかしながら、技術的な理由で、記憶密度を継続的に上げることは困難である。なぜなら、これらのメモリセル装置は、小型化できる可能性があまりないからである。
【0009】
[文献2]に、ゲート電極の材料がフィンの2つの側壁に存在する不揮発性フィン型電界効果トランジスタメモリセルが記載されている。ゲート電極は、金属またはポリシリコンでできている。
【0010】
[文献3]に、メタンを炭化水素前駆体材料として使用することによる堆積方法によって、平坦な酸化されたシリコン基板に、ポリカーボン層を形成するための方法が記載されている。さらに、[文献3]には、上記ポリカーボン層を平坦なMOS電界効果トランジスタのためのゲート材料として使用することができる、ということが開示されている。
【0011】
[文献4]に、平坦な電界効果トランジスタが開示されている。この平坦な電界効果トランジスタでは、ゲート絶縁層に、ゲート電極を被覆するカーボン層が備えられている。
【0012】
さらに、[文献5]に、半導体基板上に配置されたソース領域とドレイン領域とを有する平坦な化学的電界効果トランジスタが開示されている。上記ソース領域およびドレイン領域は、導電性チャネルによって相互に接続されている。化学的に平坦化された電界効果トランジスタのゲート電極は、カーボン電極によって形成されている。この電界効果トランジスタでは、ゲート電極上にイオン選択的な膜を固着させた後、ゲート表面電位に生じる変化によって、例えば、イオンの動作を変更することができる。
【0013】
[文献6]に、電極としてカーボン層を有する不揮発性メモリセル装置が記載されている。
【0014】
さらに、[文献7]および[文献8]に、複数の平坦なMOS電界効果トランジスタと、電気的な電荷キャリアを揮発しないように記憶するために上記複数の平坦なMOS電界効果トランジスタにそれぞれ設けられた層とを有する不揮発性メモリセル装置が記載されている。
【0015】
上記の各文献1〜8については以下の通りである。
[文献1]エイタンら(Eitan, B, Pavan, P, Bloom, I, Aloni, E, Frommer, A, Finzi, D ) (2000), "NROM: A Novel Localized Trapping, 2-Bit Nonvolatile Memory Cell" IEEE Electron Device Letters 21(11):543-545
[文献2]ドイツ出願公開公報(DE 102 20 923 A1)
[文献3]ラグハバンら(G. Raghavan et al.), Polycrystalline Carbon: A Novel Material for Gate Electrodes in MOS Technology, Japanese Journal of Applied Physics, 32巻,380〜383ページ,1993年
[文献4]米国特許公報(US 6,234,559 B1)
[文献5]ドイツ出願公開公報(DE 198 56 294 A1)
[文献6]米国特許公報(US 6,653,195 B1)
[文献7]米国出願公開公報(US 2001/0052615 A1)
[文献8]ドイツ出願公開公報(DE 103 16 892 A1)
本発明は、さらに小型化できるメモリセルを提供するという課題に基づくものである。
【0016】
上記課題は、本願の各独立形式の各請求項に記載の各特徴をそれぞれ有する、フィン型電界効果トランジスタメモリセル、フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置、およびフィン型電界効果トランジスタメモリセルの製造方法によって解決される。
【0017】
本発明に係るフィン型電界効果トランジスタメモリセルは、第1および第2の各ソース/ドレイン領域と、上記第1および第2の各ソース/ドレイン領域の間に配置されたチャネル領域とを含み、上記各ソース/ドレイン領域およびチャネル領域は、半導体フィン状部にて形成されている。さらに、電荷記憶層が、上記半導体フィン状部の少なくとも部分の上に配置されている。
【0018】
上記フィン型電界効果トランジスタメモリセルは、金属性の導電性のゲート領域と、少なくとも一つの電荷記憶層とを含む。上記電荷記憶層は、電気的な電荷キャリアが、上記フィン型電界効果トランジスタメモリセルに印加される所定の電圧によって、選択的に、上記電荷記憶層に導入される、または上記電荷記憶層から除去されるように設定されている。
【0019】
本発明に係る、フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置は、上記フィン型電界効果トランジスタメモリセルの各特徴を有するものを複数含む。
【0020】
本発明に係る、フィン型電界効果トランジスタメモリセルの製造方法では、第1および第2のソース/ドレイン領域と、上記第1および第2のソース/ドレイン領域の間に配置されたチャネル領域とを、半導体フィン状部にて形成する。さらに、電荷記憶層を、上記半導体フィン状部上に、少なくとも部分的に配置する。
【0021】
金属性の導電性のゲート領域を、上記電荷記憶層の少なくとも一部上に形成する。上記電荷記憶層を、電気的な電荷キャリアが、上記フィン型電界効果トランジスタメモリセルに印加される所定の電圧によって、選択的に、上記電荷記憶層に導入される、または上記電荷記憶層から除去されるように設定する。
【0022】
本発明の一技術思想は、フィン型電界効果トランジスタメモリセルのゲート領域(または、フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置のワード線領域)が、金属性の導電性材料から形成されているということに見出される。つまり、上記一技術思想は、上記ゲート領域、または、ワード線領域が、金属材料の特性である電気的な導電性を有する材料からなることである。
【0023】
言い換えると、例えば、金属性材料、ドープされた多結晶シリコン材料、または、カーボン含有材料が、互いに隣り合う各半導体フィン状部の間に導入される。さらに、言い換えると、金属性の導電性材料が、各半導体フィン状部の各側壁上に少なくとも部分的に好ましくは配置されていることを意味している。
【0024】
金属性の導電性材料からなるゲート領域、またはワード線領域の提供は、上記メモリセルを低インピーダンスに制御することを導き、改善された消去動作をもたらす。特に、使用された上記材料が、p伝導型のドーパントを備えた多結晶シリコン、または好ましくは4.1eVを超える仕事関数を有する金属である場合は、低インピーダンスへの制御や、消去動作の改善が顕著である。
【0025】
上記消去動作の改善は、チャネル領域、電荷記憶層(例えば、ONOの積層構造として提供される)、および金属性の導電性材料により実現されるゲート領域の間での、特に有利な電圧プロファイルの結果として得られる。
【0026】
本発明のフィン型電界効果トランジスタメモリセルによれば、「仮想接地アレイ」の構造の場合において、高い記憶密度、例えば、8Gビット/cm2以上が、高い読み出し速度と共に得られる。
【0027】
本発明に係るフィン型電界効果トランジスタメモリセルの場合では、高い読み出し速度が、各半導体フィン状部の高いアスペクト比に協動して実現される。この高いアスペクト比は、良好な消去動作を伴う。上記高い読み出し速度は、従来のNANDメモリの読み出し速度より良好である。
【0028】
アスペクト比は、メモリセル装置の互いに隣り合う各フィン状部の間の領域の高さと幅の比を意味すると理解される。そのような幅の距離は、10nmのオーダーであってもよく、また、フィン状部の高さは、例えば、50nmのオーダーであってもよい。
【0029】
本発明の好ましい各実施形態については、本願の従属形式での各請求項にて明らかとなっている。
【0030】
上記のフィン型電界効果トランジスタメモリセルの電荷記憶層は、電気絶縁性の電荷記憶層として具現化されてもよい。電気絶縁性の電荷記憶層を備えた各メモリセルは、フローティングゲートを有する各メモリセルより書き込み(プログラム)電圧を低くできる。
【0031】
電気絶縁性の電荷記憶層は、電気的な電荷キャリアが、上記電気絶縁性の層にトラップされることについて明らかであるので、トラッピング層としての機能を有するものであってもよい。
【0032】
本発明によれば、上記電荷記憶層は、例えば、酸化シリコン/窒化シリコン/酸化シリコンの積層体(ONO積層体)、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、非晶質シリコン、酸化タンタル、酸化チタン、酸化ジルコニウム、および/またはアルミン酸塩を有する、あるいは含むものであってもよい。
【0033】
本発明に係る、上記のフィン型電界効果トランジスタメモリセルの上記ゲート領域、または、上記のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置のワード線領域は、カーボン材料からなっている、あるいは、カーボン材料を含むものであってもよい。
【0034】
カーボン含有材料からなる上記ゲート領域の提供により、極めて小さな寸法または互いの距離が極めて小さな各フィン状部の場合でさえも、互いに隣り合う各フィン状部の間の空間を、上記ゲート領域のための材料にて的確に埋めて、上記各フィン状部を積極的に固定することが可能となり、その結果、上記メモリセルにおける、電気的な駆動安定性に対し障害となるエアホールの形成を回避できる。
【0035】
フィン型FET(電界効果トランジスタ)メモリセルでは、例えば、互いに隣り合う各フィン状部の距離が20nm以下といった高記憶密度において、上記隣り合う各フィン状部の間にて、エアギャップの発生無しにて、かつ良好な導電性を備えた各ワード線領域を形成することは困難である。
【0036】
フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置の、ゲート領域またはワード線領域のための従来の材料の使用では、互いに隣り合う各半導体フィン状部の間の狭い空間に上記材料による電極を、十分に良好な品質、かつ十分な均一性にて堆積させることができないことがあった。
【0037】
本発明のように、カーボンからなる、またはカーボンを含む、ゲート領域あるいはワード線領域を有するフィン型電界効果トランジスタメモリセルでは、上記ワード線領域のための材料は、寸法が10nm以下といった極めて狭いギャップや、空隙内に侵入できると共に界面を均一にカバーできて、薄い厚さでも良好な導電性を発揮できるものである。
【0038】
本発明により達成される、カーボン含有ゲート領域を備える電荷記憶層が設けられた、半導体フィン状部を均一にカバーする能力は、電圧が上記ゲート領域に印加されたとき、上記メモリセルの電気的な特性を、上記電界効果によって正確に制御し、設定できるとい効果を発揮できる。
【0039】
それゆえ、上記メモリセルの全体としての十分な機能性は、高い記憶密度のときでさえ達成することが可能となる。
【0040】
その結果、互いに隣り合う各フィン状部の距離が、例えば30nm未満といった、小さい距離を有するトランジスタメモリセルのための電気的な駆動線を、ローインピーダンス、高品質、および小型化できる、新たな可能性を発揮できる余裕を生じる。
【0041】
上記各ゲート領域または上記ワード線各領域のためにカーボン材料を使用することは、極めて狭い、各ジョイント部でさえ、上記材料にて濡らすことができる。その上、上記カーボン材料は、薄い厚さでも良好な導電性を有している。
【0042】
本願の各実施例は、本発明に係る、フィン型電界効果トランジスタメモリセルの上記カーボン層は、良好な付着性、特に酸化シリコン層への付着性に優れているので、上記互いに付着した各層が、互いの間にて所望しない剥離を生じることを防止できることを示した。
【0043】
上記カーボン層を、例えば、酸素プラズマまたは窒素プラズマによるエッチング法を用いることにより、高品質で、許容できるコストにてパターン化することができる。さらに、上記カーボン含有層上に、窒化シリコン材料を堆積すること(例えば、被覆層または保護層として)は、何ら技術的な問題無しにて可能である。
【0044】
上記ゲート領域の電気的な導電性を高めるためのドーピング材料を、上記カーボン材料中に導入してもよい。上記ドーピング材料として、例えば、ボロン、アルミニウム、インジウム、リン、またはヒ素を使用することができる。
【0045】
そのようなドーピング材料は、例えば、CVD(化学気相堆積法)による堆積法を使用している間にて、上記方法のためのチェンバー内への上記ドーピング材料を有する、新たな前躯体の投入により、カーボン含有ゲート領域の形成中に上記ゲート領域中に導入または注入されてもよい。
【0046】
ボロンのドーピング材料を提供するための,上記のような新たな前躯体は、例えば、ジボラン(B26)である。
【0047】
上記の半導体フィン状部は、シリコン基板のバルクから形成されてもよいし、シリコン−オン−インシュレータ基板から形成されてもよい。言い換えると、本発明に係る、上記メモリセルは、バルクシリコン技術またはSOI技術を使用して実現されてもよい。
【0048】
上記フィン型電界効果トランジスタメモリセルの場合では、上記ゲート領域は、多結晶シリコンまたは金属を有していることが好ましい。それらの各材料は、金属性の導電材料として好適なものである。
【0049】
特に、上記ゲート領域は、ドープされた多結晶シリコンであってもよく、上記ドーピングの原子は、n型の伝導型でも、p型の伝導型でも可能である。
【0050】
上記多結晶シリコンは、例えば、ボロン、アルミニウム、またはインジウムといったp型の伝導型のドーピング材料を有することが好ましい。特に、上記多結晶シリコンが、p+ドープされている(いわゆる、極めて高い割合でのp型ドーピングを有する)場合、そのとき得られる有利なエネルギバンドプロファイル(図9およびそれに関連する記載を参照ください)の理由によって、特に有効な消去動作を得ることができる。
【0051】
上記ゲート領域に十分に高い仕事関数を有する金属を使用して場合にも、上記と同様な効果が当てはまる。p型にてドープされたゲート領域と同様に、金属を用いた場合でも、上記ゲートの電流は、上記最上層の酸化物に対する高いバリア性によって減少し、その結果、上記基板からのホール電流による効果的な消去動作を実現できる。
【0052】
上記ゲート領域は、上記メモリセルを消去するために必要とされるゲート電流を小さく維持するために、十分に高い仕事関数を備えた金属を有してもよい。
【0053】
上記ゲート領域は、少なくとも4.1電子ボルトの仕事関数を備えた金属を有してもよい。
【0054】
本発明に係る、フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置については、本発明に係るフィン型電界効果トランジスタメモリセルを備えたものであり、以下にて詳述される。
【0055】
上記フィン型電界効果トランジスタメモリセルの各変形例も、上記フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置に適用可能であり、逆に、上記フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置の各変形例も上記フィン型電界効果トランジスタメモリセルに適用可能である。
【0056】
上記のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置における、上記フィン型の電界効果トランジスタの各メモリセルは、基本的には、マトリクス状に配置されていてもよい。
【0057】
上記フィン型の電界効果トランジスタの各メモリセルは、第1方向に沿って配置され、上記フィン型の電界効果トランジスタの各メモリセルにおける割り当てられた各ゲート領域に接続された共通の各ワード線領域を有していてもよい。上記各ワード線領域は、上記各ゲート領域と同様な材料にて形成されていてもよい。
【0058】
その結果、上記メモリセル装置における、フィン型の電界効果トランジスタの各メモリセルの行または列の、上記各ゲート領域および上記各ワード線領域は、総体として、かつ単一体のカーボン構造を含むものであってもよい。
【0059】
上記フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置は、NANDメモリセル装置として設定されてもよい。この設定の場合では、上記各フィン状部は、基本的には、上記各ワード線領域に対して直交する方向に沿って配置されていてもよい。
【0060】
上記各ワード線領域は、上記フィン型の電界効果トランジスタの各メモリセルにおける、ソース/ドレインの各領域を形成するためのマスクとして使用されてもよい。
【0061】
NANDメモリセル装置において、半導体フィン状部が、上記ビット線の部分として明らかに併用されることが可能である。
【0062】
しかしながら、各メモリセルの所定数(一般には、8または16)の、半導体フィン状部からの距離において、バイアスを(つまり、互いに異なる距離にて)形成することが好ましい。上記バイアスは、上記ソース/ドレインの各領域と、配線層の金属性の上記各ビット線との接続を実現するのに使用される。
【0063】
本発明に係る、フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置は、少なくとも一つのゲート領域に、予め設定可能な電圧を印加する手段、および、上記ソース/ドレインの各領域の少なくとも一部に予め設定可能な電圧を印加する手段により、ファウラー−ノルトハイムトンネリングによって、少なくとも一つ選択された上記フィン型電界効果トランジスタメモリセルの電荷記憶層に、電荷キャリアを選択的に導入するか、上記電荷記憶層から上記電荷キャリアを除去するように設定されていてもよい。
【0064】
上記NANDメモリセル装置の代替物として、本発明に係る、フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置は、少なくとも一つの第1ビット線領域と、少なくとも一つの第2ビット線領域と、個々のフィン型電界効果トランジスタメモリセルにおける、割り当てられた第1ビット線領域と接続された第1のソース/ドレイン領域と、個々のフィン型電界効果トランジスタメモリセルにおける、割り当てられた第2ビット線領域と接続された第2のソース/ドレイン領域と、を有していてもよい。
【0065】
例えば、上記各ビット線領域としては、上記各ゲート領域、または上記各ワード線領域上の配線層の形成面内にて形成されていてもよい。
【0066】
上記ワード線およびビット線の交差領域内でのメモリセルは、それに割り当てられたワード線により駆動され、上記メモリセルに割り当てられたビット線により読み出し、またはプログラム(書き込み)されるものであってもよい。
【0067】
上記第1ビット線領域および第2ビット線領域は、基本的には、上記第1方向に対し斜めに交差するように配置された第2方向に沿うように配置されていてもよい。上記半導体フィン状部は、基本的には、上記ワード線または互いに接続された各ゲート領域に対し直交するように配置されていることが好ましい。
【0068】
この場合、上記ワード線形成面より上に配置された配線層の形成面内にて形成された上記各ビット線を、例えば、上記各ワード線に対し斜めにて、例えば45°の角度にて交差するように設けることが必要である。
【0069】
上記第1ビット線領域および第2ビット線領域は、直線状に並んでいてもよいし、また、ジグザグ状、または、ノコギリ歯状に並んだ構造としてもよい。ビット線領域が、基本的には、上記各ワード線領域に対し斜めになる第2の並列方向に沿って配置されている、ジグザグ状、または、ノコギリ歯状に並んだ構造として設けられた場合、各ビット線は、基本的には、同じ長さで、よって、実質的には、非リアクタンス性で、同一の電気抵抗値を有し、フィン型の電界効果トランジスタの各メモリセルにおける、各ソース/ドレイン領域を駆動するために使用可能なものである。
【0070】
上記フィン型電界効果トランジスタの各メモリセルの各半導体フィン状部および上記各ワード線領域を、第3方向に沿って並ぶように配置し、かつ、上記第1ビット線領域および第2ビット線領域を、第4方向に沿って並ぶように配置し、第3方向を第4方向に対し直交するように配置してもよい。
【0071】
上記フィン型電界効果トランジスタメモリセルは、少なくとも一つのワード線領域に、予め設定可能な電圧を印加し、かつ、上記各ビット線領域の少なくとも一部に予め設定可能な電圧を印加する手段により、トンネリングによって、少なくとも一つ選択された上記フィン型電界効果トランジスタメモリセルの電荷記憶層に、ホット電荷キャリアを選択的に導入するか、上記電荷記憶層から上記ホット電荷キャリアを除去するように設定されていてもよい。
【0072】
ホット電子のトンネリングにより、または、ホットホールのトンネリングにより、電気的な電荷キャリアは、短い書き込み時間にて上記電荷記憶層に永久的に導入することができる。上記メモリの情報は、それら導入された電気的な各電荷キャリアによりコードされている。
【0073】
上述したフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置は、1つのフィン型電界効果トランジスタメモリセル内に、2ビットの情報を記憶するように設定されていていもよい。このような2ビットの情報の記憶は、個々のフィン型電界効果トランジスタメモリセルにおいて、第1ソース/ドレイン領域とチャネル領域との境界領域内の電荷記憶層への電荷キャリアの導入と、第2ソース/ドレイン領域とチャネル領域との境界領域内の他の電荷記憶層への電荷キャリアの導入とにより達成される。
【0074】
この結果、本発明に係るメモリセル装置は、デュアル(2)ビットメモリセルとして動作し、それゆえ、半導体メモリを高記録密度に形成できる。
【0075】
上記第1ビット線領域および第2ビット線領域は、仮想接地配線として具現化されてもよい。
【0076】
互いに隣り合う、各フィン型電界効果トランジスタにおける、各半導体フィン状部は、互いに、10nmから100nmまでの距離にて、好ましくは長くとも30nm、より好ましくは長くとも20nmまたは長くとも10nmの距離にて配置されていてもよい。互いに隣り合う各半導体フィン状部の距離が極めて短い場合でも、ゲート領域を、カーボン含有材料からなることにより、十分な均一性と品質を備えるように形成することが可能となる。
【0077】
その上、上記各ワード線領域の少なくとも一部を覆う、電気絶縁性の被覆層を設けてもよい。窒化シリコンからなる被覆層は、カーボン含有ワード線領域との組み合わせにおいて、特に良好な材料特性を備えており、特に、上記のような被覆層の剥離の回避を確実化できる。
【0078】
上記被覆層は、上記ワード線領域により覆う割れた各半導体フィン状部の間の空隙内にも延びていてもよい。その結果、上記のように延びた被覆層は、互いに隣り合う各フィン状部の間のスペーサまたは互いに隣り合う各フィン状部を分離させる素子として併用されてもよい。それゆえ、上記被覆層は、互いに隣り合う各メモリセルの間での所望しないクロストークを回避できる。互いに隣り合う各メモリセルの間での機械的、物理的な分離は、互いに隣り合う各フィン状部の間の上記被覆層によって実現される。
【0079】
本発明に係る、フィン型電界効果トランジスタメモリセルの製造方法について、以下に詳述する。上記フィン型電界効果トランジスタメモリセル、または上記フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置の各変形例も、また、上記フィン型電界効果トランジスタメモリセルの製造方法に適用可能であり、逆に、上記製造方法の各変形例も上記フィン型電界効果トランジスタメモリセルに適用可能である。
【0080】
上記ゲート領域の上記カーボン材料は、化学気相堆積法(CVD法)を用いて形成してもよい。例えば、メタン(CH4)、アセチレン(C22)またはエテン(C24)を上記カーボン材料を形成するために使用できる。
【0081】
上記カーボン材料を形成するためのカーボン源として、メタンガスは、CVD法での前躯体として特に好適である。それは、上記メタンのような小さな分子は、互いに隣り合う各半導体フィン状部の間の狭い空間にも、特に良好に侵入できるからである。上記カーボン含有ゲート領域の形成のための前躯体としてメタンガスを使用することは、エアホールの形成の回避を特に確実化できる。
【0082】
ドーピング材料含有基板は、上記カーボン材料の形成の間に供給されてもよい。上記ドーピング材料は、上記ゲート材料の電気的な導電性を増加させるように設定される。例えば、上記ゲート材料の上記カーボン含有材料をドーピングするためにボロン源としてのジボランを供給することが可能である。その結果として、上記カーボン材料中において、ボロンドーピングを、極めて均一にできる。
【0083】
上記カーボン材料を形成した後に、上記カーボン材料に対し、熱処理工程を施してもよい。例えば、形成された上記カーボン材料は、アルゴン雰囲気中、一般的な1000℃から1100℃までの温度にて、約2分間、熱処理されてもよい。そのような熱処理工程によって、上記カーボン層の、非リアクタンス性の電気抵抗値は、一般的には、2倍以上低減することができる。それゆえ、上記ゲート領域の材料特性を、上記熱処理工程によって、さらに改善することができる。
【0084】
例えば、CVD法の各工程において、上記カーボン含有層を、製造するために使用される各パラメータは以下の通りである。プリコンディショニングガスとして使用される水素ガスの圧力は、10-4バールから10-2バール、好ましくは10-3バールである。
【0085】
さらに、上記カーボン含有層を形成するためのカーボン源としてのメタンを、0.2バールから0.7バールまでの圧力、好ましくは0.6バールの圧力にて供給することができる。上記製造方法の間の動作温度は、一般に、950℃と1000℃との範囲内である。上記カーボン層の厚さは、予め設定されている上記処理の継続時間によって設定することが可能となる。
【0086】
本発明に係る、フィン型電界効果トランジスタメモリセルを製造するためのエネルギを、電磁放射線源によって供給してもよい。上記製造のためのチェンバーを800℃に加熱することを、CVD装置の従来の加熱方法に代えて、清潔なフォトニック加熱(光励起)、いわゆるエネルギ源としての電磁放射線源によって行うことができる。
【0087】
そのとき、上記カーボン層は、水素圧が10-3バールから10-2バールまでの範囲内、好ましくは3.3×10-3バール、メタン圧が10-3バールから10-1バールまでの範囲内、好ましくは10-2バールにて形成される。
【0088】
上記カーボン材料は、堆積され、続いて、プラズマエッチング法を使用して上記ゲート領域を形成してもよい。上記プラズマエッチング法として、水素プラズマまたは酸素プラズマのエッチング法が好ましく使用される。
【0089】
本発明の各実施形態を各図に示し、以下でより詳しく説明する。
【0090】
図1は、本発明の第1実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置の断面図である。
【0091】
図2は、図1に示すフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置において、電気的な電荷キャリアが電荷記憶層に導入される動作状態を示す断面図である。
【0092】
図3A〜図3Dは、図1のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置を製造するための方法の各工程での各積層体をそれぞれ示す各断面図である。
【0093】
図4は、本発明の第1実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置の配置を示す平面図である。
【0094】
図5は、本発明の第2実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置の配置を示す平面図である。
【0095】
図6は、ノコギリ歯状のビット線を有する、本発明の第3実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置を示す平面図である。
【0096】
図7は、本発明の第4実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置を示す断面図である。
【0097】
図8は、本発明の第4実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置の配置を示す平面図である。
【0098】
図9は、本発明の一実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセルのチャネル領域と、ONO電荷記憶層と、金属性の導電性のあるゲート領域との間のエネルギバンドプロファイルを示すグラフである。
【0099】
異なる各図の同一または類似の部材には、同一の部材番号が付されている。
【0100】
各図の図示は概略的なものであり縮尺通りではない。
【0101】
図1〜図8の各実施形態では、ゲート領域は、カーボンを有する材料から形成されているが、代替として、全てのこれらの実施形態を、ゲート領域としての金属性の導電性のある異なる材料によって、特にポリシリコン材料によって、好ましくはpドープされたポリシリコン材料によって、より好ましくはp+ドープされたポリシリコン材料によって実現することもできる。
【0102】
図1に示すような本発明の第1実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置100の機能性について以下で説明する。
【0103】
図1は、第1フィン型電界効果トランジスタメモリセル110と、第2フィン型電界効果トランジスタメモリセル111とを示す。
【0104】
フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置100は、シリコン基板101上に形成されている。シリコン基板101上に、埋め込み酸化シリコン層102が形成されている。言い換えればフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置100は、シリコン基板101と、埋め込み酸化シリコン層102と、上記埋め込み酸化シリコン層102上に配置されたシリコン層と、を有するSOI基板に基づいて形成されている。図1には、メモリセル装置100を製造するための処理により、シリコン層における各領域105だけが示されている。
【0105】
フィン型電界効果トランジスタメモリセル110・111の各々は、第1および第2のソース/ドレイン領域を有している(図1では見えない)。チャネル領域105を、図1の断面図に示す。第1および第2のソース/ドレイン領域は、SOI基板のシリコン層のnドープされた領域として、図1の紙面に対して垂直な方向のそれぞれ紙面の上側と紙面の下側とに明確に設けられている。
【0106】
各チャネル領域105は、2つの割り当てられたソース/ドレイン領域と共に、図1の紙面に対して垂直に延びるように配置された、シリコンフィン状部を形成している。ONO積層の電荷記憶層106は、シリコンの各フィン状部毎の上にそれぞれ形成されている。ONO積層の電荷記憶層106は、2つの各酸化シリコン層と、2つの各酸化シリコン層の間に配置された、電気的な電荷キャリアを導入するためのトラップ(捕獲)層としての窒化シリコン層とを備えている。
【0107】
カーボンワード線107は、電荷ブロッキング層106上に形成されている。当然、各チャネル領域105上に配置された電荷記憶層106の領域を被覆するカーボンワード線107のセクションは、それぞれ、関連付けられた各フィン型電界効果トランジスタメモリセル110・111のゲート領域を形成する。互いに隣り合う各シリコンフィン状部の間隔は、図2に示すように、30nmまたは30nm未満の範囲である。互いに隣り合う各半導体フィン状部の間の距離がこのように非常に短いにもかかわらず、カーボン層107を、エアホールの形成を回避するように非常に均一的に、電荷記憶層106上に堆積することができる。
【0108】
カーボンワード線107は、各フィン状部の間の領域へも延びる窒化シリコン被覆層108によって被覆されている。窒化シリコンは、カーボンに対して非常に良好な付着特性を有しており、互いに隣り合う各フィン状部の間における、カーボン材料によって覆われたトレンチにおける柱状のスペーサとなって、互いに隣り合う各フィン型電界効果トランジスタメモリセル110・111間を機械的に分離するものとなっている。各フィン状部の間隔が非常に狭いところでは、窒化シリコン材料は、それ以上、上記トレンチ内へ浸透しなくなる。なぜなら、カーボン材料が、上記トレンチ内を完全に充填するからである。
【0109】
図2に、電気的な電荷キャリア200、つまり、電子が、ONO積層の電荷記憶層106の酸化シリコン捕獲層に導入された動作状態におけるフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置を示す。各メモリセル110・111に記憶される情報は、これらの導入された各電子にて符号化されている。
【0110】
フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置がNANDアーキテクチャとして構成されている場合は、電気的な電荷キャリア200は、ファウラー−ノルトハイムトンネリングによってONO積層の電荷記憶層106へ導入される。フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置がデュアルビットメモリセル装置として構成されている場合は、電気的な電荷キャリア200は、各ホット電荷キャリアのトンネリングによってONO積層の電荷記憶層106へ導入される。
【0111】
ONO積層の電荷記憶層106における電気的な電荷キャリア200は、事実上、カーボンワード線107に印加されることのできるようなゲート電圧のような効果を有している。このことは、電気的な電荷キャリア200が、ゲート領域107に印加される電気的電圧と同様の方法で、チャネル領域105の導電性に対し影響を及ぼすからである。
【0112】
したがって、各フィン型電界効果トランジスタメモリセル110・111の2つのソース/ドレイン領域間の電圧が固定されているとすれば、2つのソース/ドレイン領域間の電気的電流フローの値は、電荷キャリアがONO積層の電荷記憶層106に導入されたかどうかに応じている。その結果、各フィン型電界効果トランジスタメモリセル110・111の記憶情報は、電気的な各電荷キャリア200にて符号化される。
【0113】
以下で、図3A〜図3Dを参照して、図1に示すフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置100の製造方法について説明する。
【0114】
電界効果トランジスタメモリセル装置100は、シリコン基板101と、シリコン基板101上に配置された埋め込み酸化シリコン層102と、埋め込み酸化シリコン層102上に配置されたシリコン層301とを含むSOI基板302(「シリコン・オン・インシュレータ」)を基礎として形成されている。出発物質としてのSOIウエハー302の代わりに、適切なウエルドーピング性を有するバルクウエハーを使用してもよい。
【0115】
図3Bに示す積層体310を得るために、積層体300のシリコン層301をリソグラフィー法およびエッチング法でパターン化し、第1および第2の各シリコンフィン状部311・312を、相互に30nm未満の間隔をあけて形成する。この形成の目的のために、まず、シリコン層301上に、フォトレジスト層(図示せず)を形成し、エッチング法を用いてパターン化する。互いに隣り合う各フィン状部311・312間の領域をエッチングして除去した後、上記フォトレジスト層を、積層体の表面から除去する(「ストリッピング」)。
【0116】
図3Cに示す積層体320を得るために、各シリコンフィン状部311・312上に、ONO積層の電荷記憶層106を形成する。この形成の目的のために、まず、第1酸化シリコン部分層を堆積し、第1酸化シリコン部分層上に、窒化シリコン部分層を堆積し、窒化シリコン部分層上に、第2酸化シリコン部分層を堆積する。上記2つの各酸化シリコン部分層と、その間に堆積された窒化シリコン部分層とは、共にONO積層の電荷記憶層106を形成する。ゲート領域またはワード線領域を形成するためのカーボン層を、CVD法(「化学気相堆積法」)を用いてONO積層の電荷記憶層106上に堆積する。
【0117】
図3Dに示す積層体330を得るために、カーボン層321を、リソグラフィー法およびプラズマエッチング法(酸素プラズマエッチング)によってパターン化することにより、カーボンワード線107を形成する。後の方法工程において、カーボンワード線107は、フィン型電界効果トランジスタメモリセルの第1および第2ソース/ドレイン領域を形成する各シリコンフィン状部311・312へn伝導型のドーピング材料を導入する間に、インプランテーションマスクとして使用される。
【0118】
このようにして得られた積層体を、次に、窒化シリコン被覆層108によって被覆する。もしくは、被覆層として、TEOS積層体(「テトラエチルオルト珪酸塩」)を使用してもよい。
【0119】
図3Dに示す積層体330を、フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置100とするには、バックエンド領域を、被覆層108上の処理面において処理し、特に、各メタライゼーション層(図示せず)を形成する。バックエンド領域を形成する方法は、フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置がNANDメモリセル装置として構成されているのか、または、デュアルビットメモリセル装置として構成されているのかに応じて決まる。
【0120】
以下で、図4を参考して、本発明の第2実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置400の配置を示す平面図について説明する。フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置400は、NANDアーキテクチャとして実施されている。図1に示す断面図は、図4に示す線A−A’に沿った断面図である。
【0121】
図4に示すように、各半導体フィン状部311・312は、各カーボンワード線107の長手方向に対して直交するように延びている。フィン型電界効果トランジスタメモリセルは、各シリコンフィン状部311・312と各カーボンワード線107との間の交差領域毎に配置されている。
【0122】
図4に示すように、フィン型電界効果トランジスタメモリセルの範囲は、図4では水平方向および垂直方向へそれぞれ2Fづつ広がっている(なお、Fは、ある技術世代において達成することのできる最小加工寸法を表している)。その結果、本発明のフィン型電界効果トランジスタメモリセルは、4F2の占有面積を有するメモリセルとして形成されている。
【0123】
各シリコンフィン状部311・312における、ワード線107によって被覆されていない各領域は、nドープされた領域としてそれぞれ形成されている。特に、図1に示す第1フィン型電界効果トランジスタメモリセル110の第1ソース/ドレイン領域401と、第2ソース/ドレイン領域402とについて説明する。
【0124】
上記フィン状部の経路方向(長手方向)403は、上記ワード線の経路方向(長手方向)109に対して直交している。
【0125】
図4は、選択トランジスタと各グローバルビット線の面とを示していない。各グローバルビット線は、一般的に、それぞれのソース/ドレイン領域と、各ヴィアを用いて、8〜16個のメモリセルの間隔にて接続されている。外部制御、プログラミング、または、書き込み電圧を、このような低インピーダンスビット線に印加することができる。1つのビットの情報項目を、メモリセル装置400の各電界効果トランジスタメモリセルに記憶することができる。
【0126】
以下で、図5を参照して、本発明の第3実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置500について説明する。図5に、メモリセル装置500の配置を示す平面図を示す。図1に示す断面は、図5に示す線B−B’に沿った断面である。言い換えれば、図1の断面図は、図4および図5に示すメモリセル装置の場合は同一である。これに対し、図4および図5から分かるように、各メモリセル装置400・500では、相互接続部のアーキテクチャが互いに異なっている。
【0127】
メモリセル装置500は、各メモリセルに2ビットの情報項目を記憶することのできるデュアルビットメモリセル装置として実施されている。メモリセル装置500は、デュアルビットメモリセル装置として実施されているので、メモリセル装置500のフィン型電界効果トランジスタメモリセルのソース/ドレイン領域を、ビット線に接触する必要があり、このビット線を介し、「仮想接地アレイ」アーキテクチャに基づいて電気的な制御信号および読み出し信号を印加することができる。この目的のために、図5の紙面の上側に配置された複数のビット線を形成する。これらのビット線は、フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置500の各ソース/ドレイン領域に結合されている。
【0128】
このようなビット線を形成するために、図3Dを基礎として、窒化シリコン被覆層108に、リソグラフィー法およびエッチング方法を行う。このことにより、ビット線接触部が通過孔としてエッチングされ、窒化チタンおよびタングステン材料によって充填される。その上に配置されたメタライゼーションの形成面に、まず、メタライゼーション層を全面的に堆積し、上記メタライゼーション層を、さらなるリソグラフィー方法およびさらなるエッチング方法によってパターン化することにより、ビット線を形成する。続いて、バックエンド接触を作成してもよい。
【0129】
図5に概略的に示すように、2ビットの情報を、フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置500の各フィン型電界効果トランジスタメモリセル110・111の各々にその都度記憶することができる。各フィン型電界効果トランジスタメモリセル110・111では、相互に独立して、電気的な電荷キャリアが、各メモリセルの第1電荷記憶領域501と、第2電荷記憶領域502とに導入されてもよく、されなくてもよい。
【0130】
第1電荷記憶501は、メモリセル110の第1ソース/ドレイン領域401とメモリセルのチャネル領域105との間の境界領域に配置されている。第2電荷記憶領域502は、チャネル領域105と第2ソース/ドレイン領域402との間の境界領域に配置されている。
【0131】
ホットエレクトロンまたはホットホールのトンネリングによって、電気的な電荷キャリアを、各電荷記憶領域501・502の各々へそれぞれ独立して導入することができる。各メモリセルのソース/ドレイン領域間を流れる電流の値は、第1電荷記憶層および/または第2電荷記憶層へ電気的な電荷キャリアが導入されていたかどうかに応じているので、2ビットの情報を、メモリセル毎に記憶することができる。
【0132】
以下で、図6を参照して、本発明の第3実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置600について説明する。
【0133】
メモリセル装置600は、メモリセル装置500のように、デュアルビットメモリセル装置として実施されている。図5と比べて、図6の配置図は、フィン型電界効果トランジスタメモリセルのソース/ドレイン領域を駆動するためのビット線がどのように配置されているのかを示している。
【0134】
本発明のメモリセル装置では、ワード線の経路方向109と半導体フィンの経路方向403とは、相互に直行するように延びていてもよい、ということをまず指摘しておく。他方、デュアルビット動作において各メモリセルを駆動するためには、メモリセルの各ソース/ドレイン領域を、各ビット線によって駆動できる必要がある。
【0135】
このことは、各ワード線107と各ビット線601・602との間の交差領域を必要とするので、図6の実施形態では、各ビット線601・602は、ワード線に対して斜めに配置されている。このことは、(図6に示す記載とは別に)、平面におけるワード線に対して例えば45°の角度でビット線を形成することによって実現されてもよい。
【0136】
しかしながら、図6に示す実施形態では、各ビット線601・602は、ノコギリ歯形状または、ジグザグ状に形成されており、この場合は、各ビット線601・602と各ソース/ドレイン領域401・402・404との間の各交差領域に、ヴィアが、各ビット線601・602から各ソース/ドレイン領域404へ、図6の紙面に対して垂直に延びている。
【0137】
この場合、電気的な結合が実現される。ビット線のノコギリ歯状のような構造は、複数のメモリセルを有するメモリセル装置の全てのノコギリ歯状のビット線が本質的に同じ長さに形成される、という利点を有している。その結果、各ビット線601・602の非リアクタンス性の電気抵抗は、全てのビット線に対してほぼ同じである。
【0138】
ビット線601・602は、単一の金属層面(ビット線面)に形成されている。半導体メモリの最小構造寸法は、ビット線の広がりに応じている。図6の水平な方向のメモリセルの寸法は、2F×21/2に対応している。各ビット線601・602は、ワード線107に対して、45°の角度で形成されている。ワード線107の幅と、半導体フィン311・312の幅とは、それぞれF×21/2ある。
【0139】
その結果、図6の個々のメモリセルの占有面積は、8F2に等しい。図6に示すように「仮想接地アレイ」アーキテクチャとしてメモリセルアレイを製造するための方法は、必要なビット線面がたった1つなので、あまり複雑ではない。
【0140】
図7を参照して、以下で、本発明の第4実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置700について説明する。
【0141】
フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置700は、デュアルビットアーキテクチャで実施されている。
【0142】
図8に、フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置700の配置を示す平面図800を示す。図7に示す断面図は、図8の線C−C’に沿った断面図である。
【0143】
フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置700は、図5に示すフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置500とは、各ワード線107が、各フィン状部105に対して平行に延びるように形成されており、各ビット線703がフィン状部105に対して直交して延びるように形成されている点が基本的に異なっている。
【0144】
図7の断面図において識別可能な各ビット線703は、TEOS層701(「テトラエチルオルト珪酸塩」)によって各ワード線107から電気的に遮断されている。さらに、各ワード線107間には、絶縁層702が形成されている。図8は、さらに、スペーサ801を示す。
【0145】
図9を参照して、以下で、本発明の一実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセルのチャネル領域と、ONOの電荷記憶層と、金属性の導電性のあるゲート領域との間のエネルギバンドプロファイルについて説明する。
【0146】
エネルギバンドプロファイル900は、消去電圧(例えば、10V)が印加されている動作状態における、本発明のフィン型電界効果トランジスタメモリセルに沿った電位プロファイルを概略的に示す。上記電位プロファイルは図9に示すようになる。
【0147】
この電位プロファイルでは、チャネル領域901の電位は、金属性の導電性のあるp+ドープされたポリシリコンゲート領域902の電位に関して低減されている。
【0148】
チャネル領域901とポリシリコンゲート領域902との間に、電荷記憶領域としてのONO積層体903が配置されている。ONO積層体は、チャネル領域901に隣接した第1酸化シリコン層904と、p+ドープされたポリシリコンゲート領域902に隣接した第2酸化シリコン層906と、2つの酸化シリコン層904・906間の窒化シリコン層905とを備えている。
【0149】
電気的な電荷キャリアは、時間的に初期の工程であるプログラミング(書き込み)工程において、窒化シリコン層905に導入されている。図9に示すように消去電圧の印加される動作状態において、上記電荷キャリアは、窒化シリコン層905から除去され、チャネル領域901へと運び込まれる。
【0150】
ポリシリコンゲート領域902は、p+ドープされているので、このことは、電荷キャリアが、消去中に、ゲート領域902から窒化シリコン層905へ不都合に導入されることを確実に防止する。
【0151】
その結果、金属性の導電性のあるゲート領域902を使用することにより、および、特に、p+ドープされたゲート領域902を使用することにより、ゲート領域902から逆流する電荷の割合が少なくなるので、特に消去能力が有利なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】本発明に係る第1実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置の断面図である。
【図2】図1に示すフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置において、電気的な電荷キャリアが電荷記憶層に導入される動作状態を示す断面図である。
【図3A】図1のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置を製造するための方法の一工程での積層体を示す断面図である。
【図3B】図1のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置を製造するための方法の他の工程での積層体を示す断面図である。
【図3C】図1のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置を製造するための方法のさらに他の工程での積層体を示す断面図である。
【図3D】図1のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置を製造するための方法のさらに他の工程での積層体を示す断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置の配置を示す平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置の配置を示す平面図である。
【図6】本発明の第3実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置のノコギリ歯状のビット線を示す平面図である。
【図7】本発明の第4実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置の断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置の配置を示す平面図である。
【図9】本発明の一実施形態のフィン型電界効果トランジスタメモリセルのチャネル領域と、ONO電荷記憶層と、金属性の導電性のあるゲート領域との間のエネルギバンドプロファイルを示すグラフである。
【符号の説明】
【0153】
100 フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置
101 シリコン基板
102 埋め込み酸化シリコン層
103 第1シリコンフィン
104 第2シリコンフィン
105 チャネル領域
106 ONO積層の電荷記憶層
107 カーボンワード線
108 窒化シリコン被覆層
109 ワード線の経路方向
110 第1フィン型電界効果トランジスタメモリセル
111 第2フィン型電界効果トランジスタメモリセル
200 電気的な電荷キャリア
300 積層体
301 シリコン層
302 SOI基板
310 積層体
311 第1シリコンフィン
312 第2シリコンフィン
320 積層体
321 カーボン層
330 積層体
400 フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置
401 第1ソース/ドレイン領域
402 第2ソース/ドレイン領域
403 フィン経路方向
404 nドープされた領域
500 フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置
501 第1電荷記憶領域
502 第2電荷記憶領域
600 フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置
601 第1ノコギリ歯状のビット線
602 第2ノコギリ歯状のビット線
700 フィン型電界効果トランジスタメモリセル装置
701 TEOS層
702 絶縁層
703 ビット線
800 配置図
801 スペーサ
900 エネルギバンドプロファイル
901 チャネル領域
902 p+ドープされたポリシリコンゲート領域
903 ONO電荷記憶層
904 第1酸化シリコン層
905 窒化シリコン層
906 第2酸化シリコン層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ソース/ドレイン領域と、
第2ソース/ドレイン領域と、
上記第1ソース/ドレイン領域、および上記第2ソース/ドレイン領域の間に配置されたチャネル領域と、
上記半導体フィン状部上の少なくとも部分的に、および上記半導体フィン状部の側壁状の少なくとも部分的に配置されている電荷記憶層と、
上記電荷記憶層の少なくとも一部上の、金属性の導電性のゲート領域とを含み、
上記ソース/ドレイン、およびチャネルの各領域は、半導体フィン状部にて形成されており、
上記電荷記憶層は、電気的な電荷キャリアが、印加される所定の電圧によって、選択的に、上記電荷記憶層に導入される、または上記電荷記憶層から除去されるように設定されているフィン型電界効果トランジスタメモリセル。
【請求項2】
上記電荷記憶層は、酸化シリコン/窒化シリコン/酸化シリコンの積層体、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、非晶質シリコン、酸化タンタル、酸化チタン、酸化ジルコニウム、および/またはアルミン酸塩からなる、あるいは含むものである請求項1に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル。
【請求項3】
上記ゲート領域は、カーボン材料からなっている、あるいは、カーボン材料を含むものである請求項1または2に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル。
【請求項4】
上記ゲート領域は、上記ゲート領域の導電性を増加させるドーピング材料を含むカーボン材料である請求項1ないし3の何れか1項に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル。
【請求項5】
上記ドーピング材料は、ボロン、アルミニウム、インジウム、リン、および/またはヒ素を有する請求項4に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル。
【請求項6】
上記半導体フィン状部は、シリコン基板のバルク、または、シリコン−オン−インシュレータ基板から形成されている請求項1ないし5の何れか1項に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル。
【請求項7】
上記ゲート領域は、多結晶シリコン、あるいは、金属を有する請求項1、2または6に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル。
【請求項8】
上記ゲート領域は、ドープされた多結晶シリコンを有する請求項1、2、6または7に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル。
【請求項9】
上記多結晶シリコンは、p伝導型のドーピング材料を有する請求項8に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル。
【請求項10】
上記多結晶シリコンは、p+ドープされている請求項9に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル。
【請求項11】
上記ゲート領域は、上記メモリセルを消去するために要求されるゲート電流が小さく維持されるように十分に高い仕事関数の金属を有する請求項7に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル。
【請求項12】
上記ゲート領域は、少なくとも4.1電子ボルトの仕事関数の金属を有する請求項7または11に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル。
【請求項13】
請求項1ないし12の何れか1項に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセルを複数有するフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置。
【請求項14】
上記各フィン型電界効果トランジスタメモリセルは、基本的にはマトリクス状に配置されている請求項13に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置。
【請求項15】
上記各フィン型電界効果トランジスタメモリセルは、割り当てられた上記各フィン型電界効果トランジスタメモリセルの各ゲート領域と接続され、上記各ゲート領域と同じ材料から形成される各共通ワード線領域の第1方向に沿って配置されている請求項13または14に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置。
【請求項16】
NANDメモリセル装置として設定されている請求項13ないし15の何れか1項に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置。
【請求項17】
少なくとも一つのゲート領域、および上記各ソース/ドレイン領域の少なくとも一部に所定の電圧を印加することによって、電荷キャリアは、選択的に、上記電荷記憶層に導入される、または上記電荷記憶層から除去されるように設定されている請求項13ないし16の何れか1項に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置。
【請求項18】
少なくとも一つの第1ビット線と、少なくとも一つの第2ビット線とを有し、
それぞれのフィン型電界効果トランジスタメモリセルの第1ソース/ドレイン領域は、割り当てられた第1ビット線に接続され、
それぞれのフィン型電界効果トランジスタメモリセルの第2ソース/ドレイン領域は、割り当てられた第2ビット線に接続されている請求項13ないし15の何れか1項に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置。
【請求項19】
上記第1および第2の各ビット線領域は、基本的には第2方向に沿って並ぶように配置され、
上記第2方向は、上記第1方向に対して斜めに交差している請求項18に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置。
【請求項20】
上記第1および第2の各ビット線領域は、ジグザグ状の構造を有する請求項18または19に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置。
【請求項21】
上記各フィン型電界効果トランジスタメモリセルの各フィン状部、および上記各ワード線領域は、第3方向に沿って並ぶように配置され、
第1および第2の各ビット線領域は、第4方向に沿って並ぶように配置され、
第3方向は、上記第4方向に対し直交するように配置されている請求項20に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置。
【請求項22】
少なくとも一つのワード線領域、並びに、上記第1および/または第2の各ソース/ドレイン領域の少なくとも一部に所定の電圧を印加することによって、
電荷キャリアは、ホット電荷キャリアのトンネリングにより、選択的に、少なくとも一つ選択されたフィン型電界効果トランジスタメモリセルの上記電荷記憶層に導入される、または上記電荷記憶層から除去されるように設定されている請求項18ないし21の何れか1項に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置。
【請求項23】
個々のフィン型電界効果トランジスタメモリセルにおいて、第1ソース/ドレイン領域とチャネル領域との境界領域内の電荷記憶層への電荷キャリアを導入すること、および、第2ソース/ドレイン領域とチャネル領域との境界領域内の電荷記憶層への電荷キャリアを導入することによって、2ビットの情報を記憶すために設定されていている請求項18ないし22の何れか1項に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置。
【請求項24】
上記第1および第2の各ビット線領域は、仮想接地配線として形成されている請求項18ないし23の何れか1項に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置。
【請求項25】
互いに隣り合う各フィン型電界効果トランジスタメモリセルの各半導体フィン状部は、上記各半導体フィン状部の距離が10nmから100nmまでに配置されている請求項13ないし24の何れか1項に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置。
【請求項26】
上記各ワード線領域の少なくとも部分を覆う、電気絶縁性の被覆層を有する請求項15ないし25の何れか1項に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置。
【請求項27】
上記被覆層は、上記ワード線領域により覆われた各半導体フィン状部の間の空隙内に延びている請求項26に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセル装置。
【請求項28】
第1ソース/ドレイン領域と、第2ソース/ドレイン領域と、上記第1ソース/ドレイン領域、および上記第2ソース/ドレイン領域の間に配置されたチャネル領域とを、半導体フィン状部内に形成し、
電荷記憶層を、上記半導体フィン状部の少なくとも部分上に形成し、
金属性の導電性のゲート領域を、上記電荷記憶層の少なくとも一部上に形成し、
上記電荷記憶層を、印加される所定の電圧によって、電気的な電荷キャリアが、選択的に、上記電荷記憶層に導入される、または上記電荷記憶層から除去されるように設定するフィン型電界効果トランジスタメモリセルの製造方法。
【請求項29】
上記ゲート領域を、カーボン材料から形成する請求項28に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセルの製造方法。
【請求項30】
上記ゲート領域の上記カーボン材料を、化学気相堆積法を用いて形成する請求項29に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセルの製造方法。
【請求項31】
上記カーボン材料を形成するために、メタン、アセチレンおよび/またはエテンを用いる請求項29または30に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセルの製造方法。
【請求項32】
ドーピング材料を含む基板を、上記カーボン材料の形成する間に形成し、
上記ドーピング材料を、上記ゲート領域の電気的な導電性を高めるように設定する請求項29ないし31の何れか1項に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセルの製造方法。
【請求項33】
上記カーボン材料を形成した後に、上記カーボン材料を熱処理する請求項29ないし32の何れか1項に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセルの製造方法。
【請求項34】
上記フィン型電界効果トランジスタメモリセルを形成する間、エネルギを、電磁放射線源により供給する請求項29ないし33の何れか1項に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセルの製造方法。
【請求項35】
上記カーボン材料を、最初、堆積し、その後、
上記カーボン材料を、プラズマエッチング法を用いてパターン化して、上記ゲート領域を形成する請求項29ないし34の何れか1項に記載のフィン型電界効果トランジスタメモリセルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−517386(P2007−517386A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544208(P2006−544208)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【国際出願番号】PCT/DE2004/002739
【国際公開番号】WO2005/060000
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(501209070)インフィネオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト (331)
【Fターム(参考)】