リモートプラズマ装置
【課題】リモートプラズマ装置において、ワークに対して荷電粒子の影響を極小化すると共に、ラジカルの消滅確率を極小化する手段を提供する。
【解決手段】プラズマ生成領域と基板処理領域との間にプラズマ分離用の荷電粒子捕獲器110を有するリモートプラズマ装置100は、チャンバ101内にサセプタ103及びガスノズル104を備えており、前記チャンバ101上にICPコイル102が搭載されていて、前記チャンバ101と前記ICPコイル102との間に誘電体の上蓋109が配置されていて、さらに前記チャンバ101内の圧力を制御するための排気系106と圧力を検知するための真空ゲージ107とを備え、ステージ108上には誘電体から構成される前記荷電粒子捕獲器110を搭載する。
【解決手段】プラズマ生成領域と基板処理領域との間にプラズマ分離用の荷電粒子捕獲器110を有するリモートプラズマ装置100は、チャンバ101内にサセプタ103及びガスノズル104を備えており、前記チャンバ101上にICPコイル102が搭載されていて、前記チャンバ101と前記ICPコイル102との間に誘電体の上蓋109が配置されていて、さらに前記チャンバ101内の圧力を制御するための排気系106と圧力を検知するための真空ゲージ107とを備え、ステージ108上には誘電体から構成される前記荷電粒子捕獲器110を搭載する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ生成領域と基板処理領域との間にプラズマ分離用の荷電粒子捕獲器を有するリモートプラズマ装置に関し、特に、基板(ワーク)に対して荷電粒子の影響が極小化された装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマダメージを抑制しながら基板への膜形成を行うプラズマCVD装置の一つに、プラズマ生成領域と基板処理領域とを分離するリモートプラズマCVD装置が既知である。図9は、従来の平行平板リモートプラズマCVD装置の一例を示したものである(特許文献1)。ここで、当該平行平板リモートプラズマCVD装置は、基板Wが設置される対向電極201と高周波印加電極202が設けられ、それらの間に複数の孔が開口したメッシュプレートを用いたプラズマ閉込電極203が設置され、プラズマ閉込電極203と高周波印加電極202との間にプラズマPが閉じ込められる。ここで、平行平板リモートプラズマCVD装置は、平行平板で発生させた大面積均一なプラズマを用いることにより、基板処理に必要なラジカルの供給を大面積均一に行うことが可能である。
【0003】
ここで、図10は、メッシュプレートであるプラズマ閉込電極203の下面図である。当該プラズマ閉込電極203は、ラジカルRが通過可能なラジカル通過孔204と、中性ガスGを基板に対して噴射するための中性ガス噴射孔205と、当該中性ガスGを中空のプラズマ閉込電極203内に導入するための中性ガス導入管206とを有している。ここで、プラズマ閉込電極203の上面側からのプラズマとラジカルRの内、荷電粒子のイオンと電子からなるプラズマは、当該プラズマ閉込電極203に接触してアースに流される結果、残るラジカルRがラジカル通過孔204から基板処理領域に放出される。
【特許文献1】特開2001−135628
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、荷電粒子の除去率を高めるためには、前記ラジカル通過孔204以外の部分(グリッド間隔)を極端に広くする必要がある。この場合、メタルであるプラズマ閉込電極203とラジカルの衝突確率が高まり、メタル内に多量に存在する自由電子によりラジカルのエネルギが吸収されてラジカルの消滅確率が高くなる。そこで、本発明は、ワークに対して荷電粒子の影響を極小化すると共に、ラジカルの消滅確率を極小化する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、荷電粒子捕獲器を構成する材料を金属から誘電体に変更することにより、正負の荷電粒子を効率的に除去できると共に、ラジカル消滅確率を低下させることができることを見出し、本発明を完成させたものである。具体的には、以下の二つの原理に基づく。
【0006】
まず、プラズマのような正負の荷電粒子がほぼ同数存在する空間に誘電体を挿入すると、電子とイオンのモビリティの差から、当該誘電体の周辺に負の空間電場が発生する(シース)。その負の空間電場が正負の荷電粒子を除去する。図11に当該原理を示す。当該図を参照しながら説明すると、プラズマ内に誘電体を配した場合、当該誘電体の周囲には、シースと称される負の空間電場が発生する。そして、形成されたシースが重なり合うように又は近接するように誘電体を配置すると、誘電体間(グリッド間)の空間の全部又は一部がシースとなる。これにより、プラズマ生成領域から当該捕獲器に到達した荷電粒子(正イオン、負イオン、電子)とラジカルの内、正イオンは当該誘電体に捕獲され、電子と負イオンは負に帯電した当該誘電体による電気的反発力で跳ね返される。その結果、ラジカルのみが当該誘電体間をすり抜けて基板処理領域に到達する。このように、グリッド間に形成されたシースが、荷電粒子の基板処理領域への到達を電気的に防止するよう構成されているので、極端にグリッドを狭くする必要がなくなる。その結果、極端にグリッドを狭くすることに基づく、グリッドにラジカルが衝突することによるラジカルの消滅を極小化することが可能になる。尚、ここでの「グリッド」とは、無電荷のラジカルや中性分子のみをプラズマ生成領域からウェーハ処理領域に送るための開口部(例えば、スリットやホール)を少なくとも周囲の一部に有する、荷電粒子の存在下でシースを形成する誘電体部を意味する。
【0007】
更に、従来の荷電粒子捕獲器は金属(メタル)で構成されていたため、当該メタル内に存在する多量の自由電子がラジカルのエネルギを奪う結果、ラジカルが高率で消滅していた。他方、本発明に係る荷電粒子捕獲器は、自由電子がメタルとの比較では極めて少ない誘電体で構成されているので、ラジカルが荷電粒子捕獲器に衝突しても自由電子へのエネルギの移動が金属と比較すると極めて少なくなる。その結果、荷電粒子捕獲器の自由電子へのエネルギ移動に基づくラジカルの消滅も極小化することが可能になる。
【0008】
以上の原理が化体した本発明は、以下の通りである。
【0009】
本発明(1)は、プラズマ生成領域と基板処理領域との間にプラズマ分離用の荷電粒子捕獲器を有するリモートプラズマ装置において、前記荷電粒子捕獲器が誘電体から構成されていることを特徴とするリモートプラズマ装置である。
【0010】
本発明(2)は、前記荷電粒子捕獲器は、ラジカルを通過させるための隙間部と、プラズマ雰囲気下で周囲にシースを形成する誘電体部から構成されている、前記発明(1)のリモートプラズマ装置である。
【0011】
本発明(3)は、前記荷電粒子捕獲器は、前記隙間部と前記誘電体部とを有する部材を複数有しており、前記複数の部材を重ね合わせる際、所定間隔を保つと共に、前記プラズマ生成領域側に配置された前記部材の隙間部が他の部材の隙間部と部分的又は全体的に重ならないように構成されている、前記発明(2)のリモートプラズマ装置である。
【0012】
本発明(4)は、リモートプラズマ装置におけるプラズマ生成領域と基板処理領域との間に設置される、誘電体から構成されることを特徴とするプラズマ分離用荷電粒子捕獲器である。
【0013】
本発明(5)は、ラジカルを通過させるための隙間部と、プラズマ雰囲気下で周囲にシースを形成する誘電体部とから構成されている、前記発明(4)のプラズマ分離用荷電粒子捕獲器である。
【0014】
本発明(6)は、前記隙間部と前記誘電体部とを有する部材を複数有しており、前記複数の部材を重ね合わせる際、所定間隔を保つと共に、前記プラズマ生成領域側に配置された前記部材の隙間部が他の部材の隙間部と部分的又は全体的に重ならないように構成されている、前記発明(5)のプラズマ分離用荷電粒子捕獲器である。
【発明の効果】
【0015】
本発明(1)、(2)、(4)及び(5)によれば、プラズマ生成領域と基板処理領域との間にプラズマ分離用の荷電粒子捕獲器を有するリモートプラズマ装置を用いた場合、処理対象基板に対して荷電粒子の影響を極小化できると共に、ラジカルの消滅確率も極小化できるという効果を奏する。更には、本発明(3)及び(6)によれば、プラズマから発生するUV光が、隙間部を介して直接処理対象基板に作用することが回避できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の最良形態を、誘導型結合プラズマ装置(ICP装置)を例に採り説明する。尚、本最良形態に係るICP装置は、荷電粒子捕獲器が金属のような導電体でなく誘電体である点以外は、基本構成は従来のICP装置と実質的に同じである。したがって、以下では、公知部分は簡単に説明するに留め、特徴部分を詳細に説明する。
【0017】
まず、図1を参照しながら、本最良形態に係るICP装置を説明する。はじめに、本ICP装置100は、チャンバ101内に、サセプタ103及びガスノズル104を備えており、当該チャンバ101上にICPコイル102が搭載された構成を採る。尚、チャンバ101とICPコイル102との間には、誘電体の上蓋109が配置されている。更に、本ICP装置100は、チャンバ101内の圧力を制御するために排気系106と、圧力を検知するための真空ゲージ107とを具備する。尚、処理対象である基板105は、サセプタ103上に搭載される。
【0018】
ここで、チャンバ101内に設けられたステージ108上には、本発明の特徴である、誘電体から構成される荷電粒子捕獲器110が搭載されている。そして、ICPコイル102と荷電粒子捕獲器110間が「プラズマ発生室A」として機能し、荷電粒子捕獲器110とサセプタ103間が「基板処理室B」として機能することになる。以下、本発明の特徴である荷電粒子捕獲器110について詳述する。
【0019】
まず、図2を参照しながら、本最良形態に係る荷電粒子捕獲器110の一例を説明する。当該荷電粒子捕獲器110は、複数のスリットが設けられた第一層110a{図2(a)参照}と、複数のスリットが設けられた第二層110b{図2(c)参照}とを、スペーサ110c{図2(b)参照}を介して重ねた構造をしている。ここで、第一層110aと第二層110bに設けられているスリット110a2及びスリット110b2の位相は、互いに180度ずれている。この結果、図2(d)に示すような断面形状となるため、当該荷電粒子捕獲器110を上面から見た場合、第一層110aのスリット110a2が第二層110bのスリット110b2と重ならない状況が構築される。このような構成を採ることにより、荷電粒子捕獲率を向上させると同時にプラズマから発生するUV光が、隙間部を介して直接処理対象基板に作用することが回避できる。尚、ラジカルは、スリット110a2及びスリット110b2をくぐり抜けて基板処理室B側に到達する。
【0020】
そこで、当該荷電粒子捕獲器110の各要素について詳述する。まず、第一層110aは、荷電粒子を捕獲する誘電体部110a1と、当該誘電体部110a1間に形成されるスリット110a2とから構成される。ここで、誘電体部110a1は、形成される負電荷領域のため、正イオンを捕獲すると共に、正イオンを誘電体部110a1側に引き寄せる役割も果たす。また、第二層110bも、荷電粒子を捕獲する複数の誘電体部110b1と、当該誘電体部110b1間に形成されるスリット110b2とから構成される。尚、第二層110bは、第一層110aで捕獲できなかった荷電粒子(即ち、第一層110aのスリット110a2をすり抜けた荷電粒子)を捕獲するために設置される。ここで、当該スリット110a2及びスリット110b2の幅は、特に限定されないが、例えば0.5〜10mmである(当該図では3mm)。尚、当該幅が小さいとラジカルの消滅率が高くなる傾向があり、当該幅が大きいと荷電粒子捕獲率が低くなるという傾向がある。また、第一層110a及び第二層110bの厚さも、特に限定されないが、例えば0.1〜50mmである(当該図では1.1mm)。尚、厚い方が荷電粒子捕獲効果は高くなる。更に、誘電体部110a1及び誘電体部110b1の幅も、特に限定されないが、例えば10〜50mmである(当該図では20mm)。
【0021】
また、スペーサ110cは、第一層110aと第二層110bとの間隔を所定間隔に維持することを担保するために両層間に設置される。ここで、当該間隔は、特に限定されないが、例えば0.5〜10mmである(当該図では3mm)。また、尚、当該間隔が小さいとラジカルの消滅率が高くなる傾向があり、当該幅が大きいと荷電粒子捕獲率が低くなるという傾向がある。
【0022】
尚、荷電粒子捕獲器110の大きさや形状、荷電粒子捕獲器110を構成する層の数、誘電体部110a1及び誘電体部110b1の数や大きさ、スリット110a2及びスリット110b2の数や幅等は、何ら限定されず、後述するような手法により、荷電粒子の除去率やラジカルの消滅率を測定しながら適宜好適条件を設定する。例えば、ラジカルの残存率を優先させる場合には、スリットや層間を大きくするよう設定し、他方、荷電粒子の除去率を優先させる場合には、スリットや層間を小さくするよう設定する。
【0023】
ここで、図3及び図4に、荷電粒子捕獲器の変更例を示す。まず、図3は、複数の孔が設けられた誘電体プレートが2枚重ねられた構造に係る荷電粒子捕獲器の例である。ここで、当該孔は、ラジカルの通過孔として機能すると共に、孔以外の部位は荷電粒子の捕獲領域として機能する。そして、二枚の誘電体プレートは、孔の設置場所が相互に異なる。図中、実線が一枚目の誘電体プレートの孔、点線が二枚目の誘電体プレートの孔を示している。尚、前記例と同様、両プレートの間には、所定間隔を担保するためにスペーサが介在している。また、図4は、誘電体から構成される棒状部材が所定間隔で設置された、単純な構造に係る荷電粒子捕獲器の例である。当該例は、前記二つの構成の荷電粒子捕獲器よりも効果的には劣るが、十分に優れた荷電粒子の除去率やラジカルの低消滅率が達成される。尚、図中の例は、2mmのパイプ(ガラスパイプ)を2mm間隔で並べたものである。
【0024】
本最良形態に係る荷電粒子捕獲器110は、材質が誘電体である必要がある。ここで、使用可能な誘電体は、金属汚染の少ない材料、例えば、石英、セラミックス、プラスチック、サファイアを挙げることができる。ここで、エッチャーの場合には、フッ素による腐食の問題が少ないという点で、セラミックスが好適である。それ以外の用途の場合には、金属汚染が少ないという点で、石英が好適である。その他、荷電粒子捕獲器として使用可能な材料として、金属に誘電体をコーティングしたもの及び金属そのものを酸化処理して表面に絶縁物を形成したもの(アルマイト処理等)等も挙げることができる。
【0025】
本発明に係るリモートプラズマ装置は、特に限定されず、例えば、プラズマアッシング装置、プラズマ表面処理装置(ゲート窒化やゲート酸化等)、エッチング装置及びCVD装置として有用である。また、適用プロセスも特に限定されず、例えば、ディスカムプロセスや有機汚染除去等を挙げることができる。
【実施例】
【0026】
図1に示すICP装置を用い、図2のガラス製荷電粒子捕獲器110の荷電粒子除去性能とラジカル消滅抑制性能を以下の方法により調べた。
【0027】
<荷電粒子除去性能確認試験(チャージ電流)>
図5は、チャージ電流測定に係る標記試験方法のブロック図である。図5に示すように、サセプタ上に石英板を置き、その上に8’’ウエーハと同サイズのAl板を設置し(フローティング)、プラズマからの電荷を捕集する。そして、Al板で捕集された電流を電圧に変換して、ロックインアンプで増幅し、最終的に電流に換算する手法で、標記試験を行なった。
【0028】
<荷電粒子除去性能確認試験結果(チャージ電流)>
プラズマ除去性能確認試験(チャージ電流)の結果を図7に示す。図7は、イオンと電子の電流測定データであり、左が「荷電粒子捕獲器無し」の電流値を示したものであり、右が「荷電粒子捕獲器有り」の電流値を示したものである。また、上段と下段は、プロセス圧力条件が相違する。当該試験の結果、「荷電粒子捕獲器有り」の場合には、ウェーハ表面に到達する荷電粒子が相当量抑えられることが分かる。
【0029】
<荷電粒子除去性能確認試験(チャージ電圧)>
図6は、チャージ電圧測定に係る標記試験方法のブロック図である。図6に示すように、ウェーハにプラズマを施した後、チャンバから取り出し、ウェーハ表面の酸化膜上のチャージアップ電圧を測定する。
【0030】
<荷電粒子除去性能確認試験結果(チャージ電圧)>
プラズマ除去性能確認試験(チャージ電圧)の結果を図8に示す。図8は、プラズマに供給するRFパワーを変化させたときの、ウェーハ表面のチャージアップ電圧を測定した結果である。当該試験の結果、「荷電粒子捕獲器有り」の場合には、ウェーハ表面のチャージアップ電圧がほぼゼロに抑えられることが確認できた。
【0031】
<ラジカル消滅抑制性能確認試験>
表1に示すプロセス条件下、荷電粒子捕獲器がある場合と無い場合とでのプロセス結果(アッシングレート、レート減衰率、均一性)に基づき、間接的にラジカル消去抑制性能を評価した。
【表1】
【0032】
<ラジカル消滅抑制性能確認試験結果>
結果を表2に示す。
【表2】
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本最良形態に係るICP装置の概要図である。
【図2】図2は、本最良形態に係る荷電粒子捕獲器の一例である。
【図3】図3は、本最良形態に係る荷電粒子捕獲器の変更例である。
【図4】図4は、本最良形態に係る荷電粒子捕獲器の変更例である。
【図5】図5は、実施例に係る荷電粒子除去性能確認試験方法(チャージ電流測定)のブロック図である。
【図6】図6は、実施例に係る荷電粒子除去性能確認試験方法(チャージ電圧測定)のブロック図である。
【図7】図7は、実施例に係る荷電粒子除去性能確認試験方法(チャージ電流測定)の試験結果である。
【図8】図8は、実施例に係る荷電粒子除去性能確認試験方法(チャージ電圧測定)の試験結果である。
【図9】図9は、従来の平行平板リモートプラズマCVD装置の一例を示した図である。
【図10】図10は、従来のメッシュプレートであるプラズマ閉込電極の下面図である。
【図11】図11は、本発明の原理を示した図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ生成領域と基板処理領域との間にプラズマ分離用の荷電粒子捕獲器を有するリモートプラズマ装置に関し、特に、基板(ワーク)に対して荷電粒子の影響が極小化された装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマダメージを抑制しながら基板への膜形成を行うプラズマCVD装置の一つに、プラズマ生成領域と基板処理領域とを分離するリモートプラズマCVD装置が既知である。図9は、従来の平行平板リモートプラズマCVD装置の一例を示したものである(特許文献1)。ここで、当該平行平板リモートプラズマCVD装置は、基板Wが設置される対向電極201と高周波印加電極202が設けられ、それらの間に複数の孔が開口したメッシュプレートを用いたプラズマ閉込電極203が設置され、プラズマ閉込電極203と高周波印加電極202との間にプラズマPが閉じ込められる。ここで、平行平板リモートプラズマCVD装置は、平行平板で発生させた大面積均一なプラズマを用いることにより、基板処理に必要なラジカルの供給を大面積均一に行うことが可能である。
【0003】
ここで、図10は、メッシュプレートであるプラズマ閉込電極203の下面図である。当該プラズマ閉込電極203は、ラジカルRが通過可能なラジカル通過孔204と、中性ガスGを基板に対して噴射するための中性ガス噴射孔205と、当該中性ガスGを中空のプラズマ閉込電極203内に導入するための中性ガス導入管206とを有している。ここで、プラズマ閉込電極203の上面側からのプラズマとラジカルRの内、荷電粒子のイオンと電子からなるプラズマは、当該プラズマ閉込電極203に接触してアースに流される結果、残るラジカルRがラジカル通過孔204から基板処理領域に放出される。
【特許文献1】特開2001−135628
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、荷電粒子の除去率を高めるためには、前記ラジカル通過孔204以外の部分(グリッド間隔)を極端に広くする必要がある。この場合、メタルであるプラズマ閉込電極203とラジカルの衝突確率が高まり、メタル内に多量に存在する自由電子によりラジカルのエネルギが吸収されてラジカルの消滅確率が高くなる。そこで、本発明は、ワークに対して荷電粒子の影響を極小化すると共に、ラジカルの消滅確率を極小化する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、荷電粒子捕獲器を構成する材料を金属から誘電体に変更することにより、正負の荷電粒子を効率的に除去できると共に、ラジカル消滅確率を低下させることができることを見出し、本発明を完成させたものである。具体的には、以下の二つの原理に基づく。
【0006】
まず、プラズマのような正負の荷電粒子がほぼ同数存在する空間に誘電体を挿入すると、電子とイオンのモビリティの差から、当該誘電体の周辺に負の空間電場が発生する(シース)。その負の空間電場が正負の荷電粒子を除去する。図11に当該原理を示す。当該図を参照しながら説明すると、プラズマ内に誘電体を配した場合、当該誘電体の周囲には、シースと称される負の空間電場が発生する。そして、形成されたシースが重なり合うように又は近接するように誘電体を配置すると、誘電体間(グリッド間)の空間の全部又は一部がシースとなる。これにより、プラズマ生成領域から当該捕獲器に到達した荷電粒子(正イオン、負イオン、電子)とラジカルの内、正イオンは当該誘電体に捕獲され、電子と負イオンは負に帯電した当該誘電体による電気的反発力で跳ね返される。その結果、ラジカルのみが当該誘電体間をすり抜けて基板処理領域に到達する。このように、グリッド間に形成されたシースが、荷電粒子の基板処理領域への到達を電気的に防止するよう構成されているので、極端にグリッドを狭くする必要がなくなる。その結果、極端にグリッドを狭くすることに基づく、グリッドにラジカルが衝突することによるラジカルの消滅を極小化することが可能になる。尚、ここでの「グリッド」とは、無電荷のラジカルや中性分子のみをプラズマ生成領域からウェーハ処理領域に送るための開口部(例えば、スリットやホール)を少なくとも周囲の一部に有する、荷電粒子の存在下でシースを形成する誘電体部を意味する。
【0007】
更に、従来の荷電粒子捕獲器は金属(メタル)で構成されていたため、当該メタル内に存在する多量の自由電子がラジカルのエネルギを奪う結果、ラジカルが高率で消滅していた。他方、本発明に係る荷電粒子捕獲器は、自由電子がメタルとの比較では極めて少ない誘電体で構成されているので、ラジカルが荷電粒子捕獲器に衝突しても自由電子へのエネルギの移動が金属と比較すると極めて少なくなる。その結果、荷電粒子捕獲器の自由電子へのエネルギ移動に基づくラジカルの消滅も極小化することが可能になる。
【0008】
以上の原理が化体した本発明は、以下の通りである。
【0009】
本発明(1)は、プラズマ生成領域と基板処理領域との間にプラズマ分離用の荷電粒子捕獲器を有するリモートプラズマ装置において、前記荷電粒子捕獲器が誘電体から構成されていることを特徴とするリモートプラズマ装置である。
【0010】
本発明(2)は、前記荷電粒子捕獲器は、ラジカルを通過させるための隙間部と、プラズマ雰囲気下で周囲にシースを形成する誘電体部から構成されている、前記発明(1)のリモートプラズマ装置である。
【0011】
本発明(3)は、前記荷電粒子捕獲器は、前記隙間部と前記誘電体部とを有する部材を複数有しており、前記複数の部材を重ね合わせる際、所定間隔を保つと共に、前記プラズマ生成領域側に配置された前記部材の隙間部が他の部材の隙間部と部分的又は全体的に重ならないように構成されている、前記発明(2)のリモートプラズマ装置である。
【0012】
本発明(4)は、リモートプラズマ装置におけるプラズマ生成領域と基板処理領域との間に設置される、誘電体から構成されることを特徴とするプラズマ分離用荷電粒子捕獲器である。
【0013】
本発明(5)は、ラジカルを通過させるための隙間部と、プラズマ雰囲気下で周囲にシースを形成する誘電体部とから構成されている、前記発明(4)のプラズマ分離用荷電粒子捕獲器である。
【0014】
本発明(6)は、前記隙間部と前記誘電体部とを有する部材を複数有しており、前記複数の部材を重ね合わせる際、所定間隔を保つと共に、前記プラズマ生成領域側に配置された前記部材の隙間部が他の部材の隙間部と部分的又は全体的に重ならないように構成されている、前記発明(5)のプラズマ分離用荷電粒子捕獲器である。
【発明の効果】
【0015】
本発明(1)、(2)、(4)及び(5)によれば、プラズマ生成領域と基板処理領域との間にプラズマ分離用の荷電粒子捕獲器を有するリモートプラズマ装置を用いた場合、処理対象基板に対して荷電粒子の影響を極小化できると共に、ラジカルの消滅確率も極小化できるという効果を奏する。更には、本発明(3)及び(6)によれば、プラズマから発生するUV光が、隙間部を介して直接処理対象基板に作用することが回避できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の最良形態を、誘導型結合プラズマ装置(ICP装置)を例に採り説明する。尚、本最良形態に係るICP装置は、荷電粒子捕獲器が金属のような導電体でなく誘電体である点以外は、基本構成は従来のICP装置と実質的に同じである。したがって、以下では、公知部分は簡単に説明するに留め、特徴部分を詳細に説明する。
【0017】
まず、図1を参照しながら、本最良形態に係るICP装置を説明する。はじめに、本ICP装置100は、チャンバ101内に、サセプタ103及びガスノズル104を備えており、当該チャンバ101上にICPコイル102が搭載された構成を採る。尚、チャンバ101とICPコイル102との間には、誘電体の上蓋109が配置されている。更に、本ICP装置100は、チャンバ101内の圧力を制御するために排気系106と、圧力を検知するための真空ゲージ107とを具備する。尚、処理対象である基板105は、サセプタ103上に搭載される。
【0018】
ここで、チャンバ101内に設けられたステージ108上には、本発明の特徴である、誘電体から構成される荷電粒子捕獲器110が搭載されている。そして、ICPコイル102と荷電粒子捕獲器110間が「プラズマ発生室A」として機能し、荷電粒子捕獲器110とサセプタ103間が「基板処理室B」として機能することになる。以下、本発明の特徴である荷電粒子捕獲器110について詳述する。
【0019】
まず、図2を参照しながら、本最良形態に係る荷電粒子捕獲器110の一例を説明する。当該荷電粒子捕獲器110は、複数のスリットが設けられた第一層110a{図2(a)参照}と、複数のスリットが設けられた第二層110b{図2(c)参照}とを、スペーサ110c{図2(b)参照}を介して重ねた構造をしている。ここで、第一層110aと第二層110bに設けられているスリット110a2及びスリット110b2の位相は、互いに180度ずれている。この結果、図2(d)に示すような断面形状となるため、当該荷電粒子捕獲器110を上面から見た場合、第一層110aのスリット110a2が第二層110bのスリット110b2と重ならない状況が構築される。このような構成を採ることにより、荷電粒子捕獲率を向上させると同時にプラズマから発生するUV光が、隙間部を介して直接処理対象基板に作用することが回避できる。尚、ラジカルは、スリット110a2及びスリット110b2をくぐり抜けて基板処理室B側に到達する。
【0020】
そこで、当該荷電粒子捕獲器110の各要素について詳述する。まず、第一層110aは、荷電粒子を捕獲する誘電体部110a1と、当該誘電体部110a1間に形成されるスリット110a2とから構成される。ここで、誘電体部110a1は、形成される負電荷領域のため、正イオンを捕獲すると共に、正イオンを誘電体部110a1側に引き寄せる役割も果たす。また、第二層110bも、荷電粒子を捕獲する複数の誘電体部110b1と、当該誘電体部110b1間に形成されるスリット110b2とから構成される。尚、第二層110bは、第一層110aで捕獲できなかった荷電粒子(即ち、第一層110aのスリット110a2をすり抜けた荷電粒子)を捕獲するために設置される。ここで、当該スリット110a2及びスリット110b2の幅は、特に限定されないが、例えば0.5〜10mmである(当該図では3mm)。尚、当該幅が小さいとラジカルの消滅率が高くなる傾向があり、当該幅が大きいと荷電粒子捕獲率が低くなるという傾向がある。また、第一層110a及び第二層110bの厚さも、特に限定されないが、例えば0.1〜50mmである(当該図では1.1mm)。尚、厚い方が荷電粒子捕獲効果は高くなる。更に、誘電体部110a1及び誘電体部110b1の幅も、特に限定されないが、例えば10〜50mmである(当該図では20mm)。
【0021】
また、スペーサ110cは、第一層110aと第二層110bとの間隔を所定間隔に維持することを担保するために両層間に設置される。ここで、当該間隔は、特に限定されないが、例えば0.5〜10mmである(当該図では3mm)。また、尚、当該間隔が小さいとラジカルの消滅率が高くなる傾向があり、当該幅が大きいと荷電粒子捕獲率が低くなるという傾向がある。
【0022】
尚、荷電粒子捕獲器110の大きさや形状、荷電粒子捕獲器110を構成する層の数、誘電体部110a1及び誘電体部110b1の数や大きさ、スリット110a2及びスリット110b2の数や幅等は、何ら限定されず、後述するような手法により、荷電粒子の除去率やラジカルの消滅率を測定しながら適宜好適条件を設定する。例えば、ラジカルの残存率を優先させる場合には、スリットや層間を大きくするよう設定し、他方、荷電粒子の除去率を優先させる場合には、スリットや層間を小さくするよう設定する。
【0023】
ここで、図3及び図4に、荷電粒子捕獲器の変更例を示す。まず、図3は、複数の孔が設けられた誘電体プレートが2枚重ねられた構造に係る荷電粒子捕獲器の例である。ここで、当該孔は、ラジカルの通過孔として機能すると共に、孔以外の部位は荷電粒子の捕獲領域として機能する。そして、二枚の誘電体プレートは、孔の設置場所が相互に異なる。図中、実線が一枚目の誘電体プレートの孔、点線が二枚目の誘電体プレートの孔を示している。尚、前記例と同様、両プレートの間には、所定間隔を担保するためにスペーサが介在している。また、図4は、誘電体から構成される棒状部材が所定間隔で設置された、単純な構造に係る荷電粒子捕獲器の例である。当該例は、前記二つの構成の荷電粒子捕獲器よりも効果的には劣るが、十分に優れた荷電粒子の除去率やラジカルの低消滅率が達成される。尚、図中の例は、2mmのパイプ(ガラスパイプ)を2mm間隔で並べたものである。
【0024】
本最良形態に係る荷電粒子捕獲器110は、材質が誘電体である必要がある。ここで、使用可能な誘電体は、金属汚染の少ない材料、例えば、石英、セラミックス、プラスチック、サファイアを挙げることができる。ここで、エッチャーの場合には、フッ素による腐食の問題が少ないという点で、セラミックスが好適である。それ以外の用途の場合には、金属汚染が少ないという点で、石英が好適である。その他、荷電粒子捕獲器として使用可能な材料として、金属に誘電体をコーティングしたもの及び金属そのものを酸化処理して表面に絶縁物を形成したもの(アルマイト処理等)等も挙げることができる。
【0025】
本発明に係るリモートプラズマ装置は、特に限定されず、例えば、プラズマアッシング装置、プラズマ表面処理装置(ゲート窒化やゲート酸化等)、エッチング装置及びCVD装置として有用である。また、適用プロセスも特に限定されず、例えば、ディスカムプロセスや有機汚染除去等を挙げることができる。
【実施例】
【0026】
図1に示すICP装置を用い、図2のガラス製荷電粒子捕獲器110の荷電粒子除去性能とラジカル消滅抑制性能を以下の方法により調べた。
【0027】
<荷電粒子除去性能確認試験(チャージ電流)>
図5は、チャージ電流測定に係る標記試験方法のブロック図である。図5に示すように、サセプタ上に石英板を置き、その上に8’’ウエーハと同サイズのAl板を設置し(フローティング)、プラズマからの電荷を捕集する。そして、Al板で捕集された電流を電圧に変換して、ロックインアンプで増幅し、最終的に電流に換算する手法で、標記試験を行なった。
【0028】
<荷電粒子除去性能確認試験結果(チャージ電流)>
プラズマ除去性能確認試験(チャージ電流)の結果を図7に示す。図7は、イオンと電子の電流測定データであり、左が「荷電粒子捕獲器無し」の電流値を示したものであり、右が「荷電粒子捕獲器有り」の電流値を示したものである。また、上段と下段は、プロセス圧力条件が相違する。当該試験の結果、「荷電粒子捕獲器有り」の場合には、ウェーハ表面に到達する荷電粒子が相当量抑えられることが分かる。
【0029】
<荷電粒子除去性能確認試験(チャージ電圧)>
図6は、チャージ電圧測定に係る標記試験方法のブロック図である。図6に示すように、ウェーハにプラズマを施した後、チャンバから取り出し、ウェーハ表面の酸化膜上のチャージアップ電圧を測定する。
【0030】
<荷電粒子除去性能確認試験結果(チャージ電圧)>
プラズマ除去性能確認試験(チャージ電圧)の結果を図8に示す。図8は、プラズマに供給するRFパワーを変化させたときの、ウェーハ表面のチャージアップ電圧を測定した結果である。当該試験の結果、「荷電粒子捕獲器有り」の場合には、ウェーハ表面のチャージアップ電圧がほぼゼロに抑えられることが確認できた。
【0031】
<ラジカル消滅抑制性能確認試験>
表1に示すプロセス条件下、荷電粒子捕獲器がある場合と無い場合とでのプロセス結果(アッシングレート、レート減衰率、均一性)に基づき、間接的にラジカル消去抑制性能を評価した。
【表1】
【0032】
<ラジカル消滅抑制性能確認試験結果>
結果を表2に示す。
【表2】
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本最良形態に係るICP装置の概要図である。
【図2】図2は、本最良形態に係る荷電粒子捕獲器の一例である。
【図3】図3は、本最良形態に係る荷電粒子捕獲器の変更例である。
【図4】図4は、本最良形態に係る荷電粒子捕獲器の変更例である。
【図5】図5は、実施例に係る荷電粒子除去性能確認試験方法(チャージ電流測定)のブロック図である。
【図6】図6は、実施例に係る荷電粒子除去性能確認試験方法(チャージ電圧測定)のブロック図である。
【図7】図7は、実施例に係る荷電粒子除去性能確認試験方法(チャージ電流測定)の試験結果である。
【図8】図8は、実施例に係る荷電粒子除去性能確認試験方法(チャージ電圧測定)の試験結果である。
【図9】図9は、従来の平行平板リモートプラズマCVD装置の一例を示した図である。
【図10】図10は、従来のメッシュプレートであるプラズマ閉込電極の下面図である。
【図11】図11は、本発明の原理を示した図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ生成領域と基板処理領域との間にプラズマ分離用の荷電粒子捕獲器を有するリモートプラズマ装置において、前記荷電粒子捕獲器が誘電体から構成されていることを特徴とするリモートプラズマ装置。
【請求項2】
前記荷電粒子捕獲器は、ラジカルを通過させるための隙間部と、プラズマ雰囲気下で周囲にシースを形成する誘電体部とから構成されている、請求項1記載のリモートプラズマ装置。
【請求項3】
前記荷電粒子捕獲器は、前記隙間部と前記誘電体部とを有する部材を複数有しており、前記複数の部材を重ね合わせる際、所定間隔を保つと共に、前記プラズマ生成領域側に配置された前記部材の隙間部が他の部材の隙間部と部分的又は全体的に重ならないように構成されている、請求項2記載のリモートプラズマ装置。
【請求項4】
リモートプラズマ装置におけるプラズマ生成領域と基板処理領域との間に設置される、誘電体から構成されることを特徴とするプラズマ分離用荷電粒子捕獲器。
【請求項5】
ラジカルを通過させるための隙間部と、プラズマ雰囲気下で周囲にシースを形成する誘電体部とから構成されている、請求項4記載のプラズマ分離用荷電粒子捕獲器。
【請求項6】
前記隙間部と前記誘電体部とを有する部材を複数有しており、前記複数の部材を重ね合わせる際、所定間隔を保つと共に、前記プラズマ生成領域側に配置された前記部材の隙間部が他の部材の隙間部と部分的又は全体的に重ならないように構成されている、請求項5記載のプラズマ分離用荷電粒子捕獲器。
【請求項1】
プラズマ生成領域と基板処理領域との間にプラズマ分離用の荷電粒子捕獲器を有するリモートプラズマ装置において、前記荷電粒子捕獲器が誘電体から構成されていることを特徴とするリモートプラズマ装置。
【請求項2】
前記荷電粒子捕獲器は、ラジカルを通過させるための隙間部と、プラズマ雰囲気下で周囲にシースを形成する誘電体部とから構成されている、請求項1記載のリモートプラズマ装置。
【請求項3】
前記荷電粒子捕獲器は、前記隙間部と前記誘電体部とを有する部材を複数有しており、前記複数の部材を重ね合わせる際、所定間隔を保つと共に、前記プラズマ生成領域側に配置された前記部材の隙間部が他の部材の隙間部と部分的又は全体的に重ならないように構成されている、請求項2記載のリモートプラズマ装置。
【請求項4】
リモートプラズマ装置におけるプラズマ生成領域と基板処理領域との間に設置される、誘電体から構成されることを特徴とするプラズマ分離用荷電粒子捕獲器。
【請求項5】
ラジカルを通過させるための隙間部と、プラズマ雰囲気下で周囲にシースを形成する誘電体部とから構成されている、請求項4記載のプラズマ分離用荷電粒子捕獲器。
【請求項6】
前記隙間部と前記誘電体部とを有する部材を複数有しており、前記複数の部材を重ね合わせる際、所定間隔を保つと共に、前記プラズマ生成領域側に配置された前記部材の隙間部が他の部材の隙間部と部分的又は全体的に重ならないように構成されている、請求項5記載のプラズマ分離用荷電粒子捕獲器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図5】
【図6】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図5】
【図6】
【図11】
【公開番号】特開2007−149788(P2007−149788A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−339455(P2005−339455)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(503187073)アクアサイエンス株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(503187073)アクアサイエンス株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
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