説明

ルート探索装置、ルート探索システム、ルート情報提供装置、車載器、ルート探索方法及び、プログラム

【課題】ユーザの嗜好が影響し得る様々なルート要因のうち、ユーザが優先するルート要因を正確に特定することにより、ユーザの嗜好を反映させたルート探索を実行することが可能なルート探索装置を得る。
【解決手段】ルート探索装置は、目的地までの推奨ルートを探索する探索処理部30と、探索処理部30による探索においてルートを評価するための複数のパラメータを用いた演算を行うコスト演算処理部35と、コスト演算処理部35による演算における各パラメータの寄与度合いをユーザが調整可能な調整処理部41とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの推奨ルートを探索するルート探索装置、ルート探索システム、ルート情報提供装置、車載器、ルート探索方法及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記非特許文献1には、ドライバの嗜好を考慮してルート探索を行う機能(ルートアドバイザ機能)を有するカーナビゲーションシステムが開示されている。
【0003】
【非特許文献1】“carrozzeria HDD サイバーナビ 機能紹介 検索/ルート/誘導”、[online]、[平成20年10月21日検索]、インターネット<URL:http://pioneer.jp/carrozzeria/cybernavi/04hdd-cybernavi/function/search/route.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ルート探索においてドライバの嗜好が影響し得る要因(ルート要因)としては、時間、距離、右左折の回数、道幅、料金、又は信号機の数等、様々な要因が考えられる。ドライバの嗜好を反映させたルート探索を行うためには、様々なルート要因のうち、ドライバが真に優先するルート要因を正確に特定することが重要である。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、ユーザの嗜好が影響し得る様々なルート要因のうち、ユーザが優先するルート要因を正確に特定することにより、ユーザの嗜好を反映させたルート探索を実行することが可能な、ルート探索装置、ルート探索システム、ルート情報提供装置、車載器、ルート探索方法及び、プログラムを得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係るルート探索装置は、目的地までの推奨ルートを探索する探索手段と、前記探索手段による探索においてルートを評価するための複数のパラメータを用いた演算を行う演算手段と、前記演算手段による演算における各前記パラメータの寄与度合いをユーザが調整可能な調整手段とを備えることを特徴とするものである。
【0007】
第1の態様に係るルート探索装置によれば、ユーザは、調整手段によって、自らが調整を希望するパラメータの寄与度合いを調整することができる。そして、探索手段は、調整手段によって寄与度合いが調整されたパラメータに基づいて、目的地までの推奨ルートを探索する。従って、ルート探索においてユーザの嗜好が影響し得る様々なルート要因のうち、ユーザが優先するルート要因を正確に特定することができ、その結果、ユーザの嗜好を反映させたルート探索を実行することが可能となる。
【0008】
本発明の第2の態様に係るルート探索装置は、第1の態様に係るルート探索装置において特に、前記複数のパラメータの中から、前記調整手段による調整候補のパラメータを抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された前記調整候補のパラメータを表示する表示手段とをさらに備えることを特徴とするものである。
【0009】
第2の態様に係るルート探索装置によれば、調整候補のパラメータが抽出手段によって抽出されて、表示手段に自動的に表示される。従って、ユーザは、表示手段に表示されたパラメータのうち、自らが調整を希望するパラメータの寄与度合いを簡易に調整することが可能となる。
【0010】
本発明の第3の態様に係るルート探索装置は、第2の態様に係るルート探索装置において特に、前記推奨ルートと、前記目的地まで移動体が移動するのに実際に利用した走行ルートとが一致するか否かを判定する判定手段をさらに備え、前記抽出手段は、前記判定手段によって前記推奨ルートと前記走行ルートとが一致しないと判定された場合に、前記推奨ルートと前記走行ルートとの間で相違するパラメータを、前記調整候補のパラメータとして抽出することを特徴とするものである。
【0011】
第3の態様に係るルート探索装置によれば、目的地に到着した後において、推奨ルートと走行ルートとが一致しない場合には、推奨ルートと走行ルートとの間で相違するパラメータが、表示手段に自動的に表示される。これにより、ユーザの嗜好に合わない可能性が高いパラメータが表示手段に表示されるため、ユーザは、自らが優先するパラメータの寄与度合いを簡易に調整することが可能となる。
【0012】
本発明の第4の態様に係るルート探索装置は、第2の態様に係るルート探索装置において特に、前記抽出手段は、前記推奨ルートに関する複数のパラメータの中から、予め設定された基準値と相違するパラメータを、前記調整候補のパラメータとして抽出することを特徴とするものである。
【0013】
第4の態様に係るルート探索装置によれば、出発前又は目的地に到着する前の走行中において、推奨ルートに関する複数のパラメータの中から、予め設定された基準値と相違するパラメータが、表示手段に自動的に表示される。これにより、ユーザの嗜好に合わない可能性があるパラメータが表示手段に表示されるため、ユーザは、自らが優先するパラメータの寄与度合いを簡易に調整することが可能となる。
【0014】
本発明の第5の態様に係るルート探索装置は、第1〜第4のいずれか一つの態様に係るルート探索装置において特に、時間帯、曜日、及び天候のうちの少なくとも一つに関する情報に基づいて、寄与度合いの調整値を可変に設定する設定手段をさらに備えることを特徴とするものである。
【0015】
第5の態様に係るルート探索装置によれば、設定手段は、時間帯、曜日、及び天候のうちの少なくとも一つに関する情報に基づいて、寄与度合いの調整値を可変に設定するため、時間帯、曜日、又は天候を考慮したルート探索を実行することが可能となる。例えば、同じ道路であっても、道幅が狭いために夜間又は雨天時の走行においては選択されにくくしたり、休日は渋滞しやすいために休日の走行においては選択されにくくするといったルート探索が可能となる。
【0016】
本発明の第6の態様に係るルート探索装置は、第1〜第5のいずれか一つの態様に係るルート探索装置において特に、前記調整手段による調整対象のパラメータを、前記複数のパラメータの中からユーザが任意に選択可能な選択手段をさらに備えることを特徴とするものである。
【0017】
第6の態様に係るルート探索装置によれば、ユーザは、選択手段によって、複数のパラメータの中から自らが調整を希望するパラメータを任意に選択することができる。従って、第2〜第4のいずれかの態様に係るルート探索装置において表示手段に自動的に表示されたパラメータの中に、自らが調整を希望するパラメータが含まれていない場合であっても、自らが調整を希望するパラメータを選択手段によって選択することにより、そのパラメータの寄与度合いを調整することができる。その結果、ユーザが真に優先するルート要因を正確に特定することが可能となる。
【0018】
本発明の第7の態様に係るルート探索システムは、車載器と、前記車載器との間で相互に無線通信が可能なルート情報提供装置と、通信回線を介して前記ルート情報提供装置に接続され、ユーザが利用可能なユーザ端末とを備え、前記ルート情報提供装置は、目的地までの推奨ルートを探索する探索手段と、前記探索手段による探索においてルートを評価するための複数のパラメータを用いた演算を行う演算手段とを有し、前記ユーザ端末においては、前記演算手段による演算における各前記パラメータの寄与度合いをユーザが調整可能であり、前記車載器は、前記ルート情報提供装置が求めた前記推奨ルートに関する情報を受信可能であることを特徴とするものである。
【0019】
第7の態様に係るルート探索システムによれば、ユーザは、ユーザ端末を操作することによって、自らが調整を希望するパラメータの寄与度合いを調整することができる。そして、探索手段は、ユーザ端末によって寄与度合いが調整されたパラメータに基づいて、目的地までの推奨ルートを探索する。従って、ルート探索においてユーザの嗜好が影響し得る様々なルート要因のうち、ユーザが優先するルート要因を正確に特定することができ、その結果、ユーザの嗜好を反映させたルート探索を実行することが可能となる。
【0020】
本発明の第8の態様に係るルート探索システムは、第7の態様に係るルート探索システムにおいて特に、前記ユーザ端末においては、前記寄与度合いを任意に異ならせることにより、前記寄与度合いに関する複数の調整値を設定可能であり、前記ルート情報提供装置は、前記複数の調整値の各々に対応して、前記推奨ルートを探索することを特徴とするものである。
【0021】
第8の態様に係るルート探索システムによれば、パラメータの寄与度合いを様々に異ならせて設定することにより、最適な推奨ルートを探索することが可能となる。しかも、ユーザは、車載器よりも操作性の良いユーザ端末を用いて操作を行うことができるため、パラメータの寄与度合いを様々に異ならせるにあたって、ユーザの利便性の向上を図ることが可能となる。
【0022】
本発明の第9の態様に係るルート探索システムは、第7又は第8の態様に係るルート探索システムにおいて特に、前記ルート情報提供装置は、複数のユーザ端末から受信した前記寄与度合いに関する複数の調整値を統計処理することにより、ユーザの属性別に前記寄与度合いの調整傾向を解析し、前記寄与度合いの調整を行わないユーザに対しては、そのユーザの属性に適合した推奨ルートを探索して、その推奨ルートに関する情報を提供することを特徴とするものである。
【0023】
第9の態様に係るルート探索システムによれば、ルート情報提供装置は、複数のユーザ端末から受信した複数の調整値を統計処理することにより、性別、年齢、又は運転歴等のユーザの属性別に、寄与度合いの設定傾向を解析する。そして、寄与度合いの調整を行わないユーザに対しては、そのユーザの属性に適合した推奨ルートを探索して、その推奨ルートに関する情報を提供する。従って、寄与度合いの調整を行わないユーザに対しても、属性が同一又は類似する複数のユーザに関する設定情報を参照することにより、そのユーザの属性に応じた最適な推奨ルートを提供することが可能となる。
【0024】
本発明の第10の態様に係るルート探索システムは、相互に無線通信が可能な車載器とルート情報提供装置とを備えるルート探索システムであって、前記ルート情報提供装置は、目的地までの推奨ルートを探索する探索手段と、前記探索手段による探索においてルートを評価するための複数のパラメータを用いた演算を行う演算手段とを有し、前記車載器は、前記演算手段による演算における各前記パラメータの寄与度合いをユーザが調整可能な調整手段を有することを特徴とするものである。
【0025】
第10の態様に係るルート探索システムによれば、ユーザは、車載器を操作することによって、自らが調整を希望するパラメータの寄与度合いを調整することができる。そして、探索手段は、車載器によって寄与度合いが調整されたパラメータに基づいて、目的地までの推奨ルートを探索する。従って、ルート探索においてユーザの嗜好が影響し得る様々なルート要因のうち、ユーザが優先するルート要因を正確に特定することができ、その結果、ユーザの嗜好を反映させたルート探索を実行することが可能となる。
【0026】
本発明の第11の態様に係るルート情報提供装置は、車載器との間で無線通信が可能なルート情報提供装置であって、目的地までの推奨ルートを探索する探索手段と、前記探索手段による探索においてルートを評価するための複数のパラメータを用いた演算を行う演算手段とを備え、前記車載器においては、前記演算手段による演算における各前記パラメータの寄与度合いをユーザが調整可能であり、前記寄与度合いが調整された前記パラメータに基づいて前記推奨ルートを探索することを特徴とするものである。
【0027】
第11の態様に係るルート情報提供装置によれば、ユーザは、車載器を操作することによって、自らが調整を希望するパラメータの寄与度合いを調整することができる。そして、探索手段は、車載器によって寄与度合いが調整されたパラメータに基づいて、目的地までの推奨ルートを探索する。従って、ルート探索においてユーザの嗜好が影響し得る様々なルート要因のうち、ユーザが優先するルート要因を正確に特定することができ、その結果、ユーザの嗜好を反映させたルート探索を実行することが可能となる。
【0028】
本発明の第12の態様に係るルート情報提供装置は、第11の態様に係るルート情報提供装置において特に、前記ルート情報提供装置は、複数の車載器から受信した前記寄与度合いに関する複数の調整値を統計処理することにより、ユーザの属性別に前記寄与度合いの調整傾向を解析し、前記寄与度合いの調整を行わないユーザに対しては、そのユーザの属性に適合した推奨ルートを探索して、その推奨ルートに関する情報を提供することを特徴とするものである。
【0029】
第12の態様に係るルート情報提供装置によれば、ルート情報提供装置は、複数の車載器から受信した複数の調整値を統計処理することにより、性別、年齢、又は運転歴等のユーザの属性別に、寄与度合いの設定傾向を解析する。そして、寄与度合いの調整を行わないユーザに対しては、そのユーザの属性に適合した推奨ルートを探索して、その推奨ルートに関する情報を提供する。従って、寄与度合いの調整を行わないユーザに対しても、属性が同一又は類似する複数のユーザに関する設定情報を参照することにより、そのユーザの属性に応じた最適な推奨ルートを提供することが可能となる。
【0030】
本発明の第13の態様に係る車載器は、目的地までの推奨ルートを探索する探索手段と、前記探索手段による探索においてルートを評価するための複数のパラメータを用いた演算を行う演算手段と、前記演算手段による演算における各前記パラメータの寄与度合いをユーザが調整可能な調整手段とを備えることを特徴とするものである。
【0031】
第13の態様に係る車載器によれば、ユーザは、調整手段によって、自らが調整を希望するパラメータの寄与度合いを調整することができる。そして、探索手段は、調整手段によって寄与度合いが調整されたパラメータに基づいて、目的地までの推奨ルートを探索する。従って、ルート探索においてユーザの嗜好が影響し得る様々なルート要因のうち、ユーザが優先するルート要因を正確に特定することができ、その結果、ユーザの嗜好を反映させたルート探索を実行することが可能となる。
【0032】
本発明の第14の態様に係るルート探索システムは、車載器と、前記車載器との間で無線通信が可能なルート情報提供装置と、通信回線を介して前記ルート情報提供装置に接続され、ユーザが利用可能なユーザ端末とを備え、前記車載器は、目的地までの推奨ルートを探索する探索手段と、前記探索手段による探索においてルートを評価するための複数のパラメータを用いた演算を行う演算手段とを有し、前記ユーザ端末においては、前記演算手段による演算における各前記パラメータの寄与度合いをユーザが調整可能であり、前記寄与度合いの調整値に関する情報は、前記ユーザ端末から前記ルート情報提供装置に送信され、前記車載器は、前記寄与度合いの調整値に関する情報を、前記ルート情報提供装置から受信可能であることを特徴とするものである。
【0033】
第14の態様に係るルート探索システムによれば、ユーザは、ユーザ端末を操作することによって、自らが調整を希望するパラメータの寄与度合いを調整することができる。そして、探索手段は、ユーザ端末によって寄与度合いが調整されたパラメータに基づいて、目的地までの推奨ルートを探索する。従って、ルート探索においてユーザの嗜好が影響し得る様々なルート要因のうち、ユーザが優先するルート要因を正確に特定することができ、その結果、ユーザの嗜好を反映させたルート探索を実行することが可能となる。しかも、ルート情報提供装置から車載器には、推奨ルートのルート情報そのものではなく、寄与度合いの調整値に関する情報が送信される。従って、ルート情報提供装置と車載器との間での通信データ量を低減でき、その結果、通信コストの削減を図ることが可能となる。
【0034】
本発明の第15の態様に係るルート探索システムは、第14の態様に係るルート探索システムにおいて特に、前記ルート情報提供装置は、複数のユーザ端末から受信した前記寄与度合いに関する複数の調整値を統計処理することにより、ユーザの属性別に前記寄与度合いの調整傾向を解析し、前記寄与度合いの調整を行わないユーザに対しては、そのユーザの属性に適合した前記寄与度合いの調整値に関する情報を、そのユーザの前記車載器に送信することを特徴とするものである。
【0035】
第15の態様に係るルート探索システムによれば、ルート情報提供装置は、複数のユーザ端末から受信した複数の調整値を統計処理することにより、性別、年齢、又は運転歴等のユーザの属性別に、寄与度合いの設定傾向を解析する。そして、寄与度合いの調整を行わないユーザに対しては、そのユーザの属性に適合した推奨ルートを探索して、そのユーザの属性に適合した寄与度合いの調整値に関する情報を提供する。従って、寄与度合いの調整を行わないユーザに対しても、属性が同一又は類似する複数のユーザに関する設定情報を参照することにより、そのユーザの属性に応じた最適な推奨ルートを提供することが可能となる。しかも、ルート情報提供装置から車載器には、推奨ルートのルート情報そのものではなく、寄与度合いの調整値に関する情報が送信される。従って、ルート情報提供装置と車載器との間での通信データ量を低減でき、その結果、通信コストの削減を図ることが可能となる。
【0036】
本発明の第16の態様に係るルート探索システムは、相互に無線通信が可能な車載器とルート情報提供装置とを備えるルート探索システムであって、前記車載器は、目的地までの推奨ルートを探索する探索手段と、前記探索手段による探索においてルートを評価するための複数のパラメータを用いた演算を行う演算手段と、前記演算手段による演算における各前記パラメータの寄与度合いをユーザが調整可能な調整手段とを有し、前記寄与度合いの調整値に関する情報は、前記車載器から前記ルート情報提供装置に送信され、前記ルート情報提供装置は、複数の車載器から受信した前記寄与度合いに関する複数の調整値を統計処理することにより、ユーザの属性別に前記寄与度合いの調整傾向を解析し、前記寄与度合いの調整を行わないユーザに対しては、そのユーザの属性に適合した前記寄与度合いの調整値に関する情報を、そのユーザの前記車載器に送信することを特徴とするものである。
【0037】
第16の態様に係るルート探索システムによれば、ルート情報提供装置は、複数の車載器から受信した複数の調整値を統計処理することにより、性別、年齢、又は運転歴等のユーザの属性別に、寄与度合いの設定傾向を解析する。そして、寄与度合いの調整を行わないユーザに対しては、そのユーザの属性に適合した推奨ルートを探索して、そのユーザの属性に適合した寄与度合いの調整値に関する情報を提供する。従って、寄与度合いの調整を行わないユーザに対しても、属性が同一又は類似する複数のユーザに関する設定情報を参照することにより、そのユーザの属性に応じた最適な推奨ルートを提供することが可能となる。しかも、ルート情報提供装置から車載器には、推奨ルートのルート情報そのものではなく、寄与度合いの調整値に関する情報が送信される。従って、ルート情報提供装置と車載器との間での通信データ量を低減でき、その結果、通信コストの削減を図ることが可能となる。
【0038】
本発明の第17の態様に係るルート探索方法は、(A)目的地までの推奨ルートを探索するステップと、(B)前記ステップ(A)の探索においてルートを評価するための複数のパラメータを用いた演算を行うステップと、(C)前記ステップ(B)の演算における各前記パラメータの寄与度合いをユーザに調整させるステップとを備えることを特徴とするものである。
【0039】
第17の態様に係るルート探索方法によれば、ユーザは、ステップ(C)において、自らが調整を希望するパラメータの寄与度合いを調整することができる。そして、ステップ(A)及び(B)では、ステップ(C)で寄与度合いが調整されたパラメータに基づいて、目的地までの推奨ルートが探索される。従って、ルート探索においてユーザの嗜好が影響し得る様々なルート要因のうち、ユーザが優先するルート要因を正確に特定することができ、その結果、ユーザの嗜好を反映させたルート探索を実行することが可能となる。
【0040】
本発明の第18の態様に係るプログラムは、コンピュータを、目的地までの推奨ルートを探索する探索手段と、前記探索手段による探索においてルートを評価するための複数のパラメータを用いた演算を行う演算手段と、前記演算手段による演算における各前記パラメータの寄与度合いをユーザが調整可能な調整手段ととして機能させることを特徴とするものである。
【0041】
第18の態様に係るプログラムによれば、コンピュータを、探索手段、演算手段、及び調整手段として機能させることができる。ユーザは、調整手段によって、自らが調整を希望するパラメータの寄与度合いを調整することができる。そして、探索手段は、調整手段によって寄与度合いが調整されたパラメータに基づいて、目的地までの推奨ルートを探索する。従って、ルート探索においてユーザの嗜好が影響し得る様々なルート要因のうち、ユーザが優先するルート要因を正確に特定することができ、その結果、ユーザの嗜好を反映させたルート探索を実行することが可能となる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、ユーザの嗜好が影響し得る様々なルート要因のうち、ユーザが優先するルート要因を正確に特定することができるため、ユーザの嗜好を反映させたルート探索を実行することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0044】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るルート探索システムの全体構成を概略的に示す図である。ルート探索システムは、車両1、基地局4、及びセンタ装置5(ルート情報提供装置)を含んで構成されている。車両1と基地局4との間では、無線による相互通信が可能である。また、基地局4とセンタ装置5との間では、通信回線6を介して、有線による相互通信が可能である。但し、基地局4とセンタ装置5との間の通信も無線であっても良い。
【0045】
車両1には車載器2が搭載されており、車載器2には携帯電話3を接続することが可能である。車載器2は、携帯電話3及び基地局4を介して、センタ装置5にデータを送信することが可能である。また、車載器2は、センタ装置5から送信されたデータを、基地局4及び携帯電話3を介して受信することが可能である。
【0046】
図2は、センタ装置5の構成を概略的に示す図である。センタ装置5は、送受信部10、演算部11、記憶媒体12、及び記憶部13を備えて構成されている。送受信部10は、基地局4と演算部11との間でのデータの送受信を制御する。演算部11は、コンピュータによって構成されている。記憶媒体12は、ハードディスク、DVD又は半導体メモリ等の任意のコンピュータ読取可能な記憶媒体であり、演算部11を動作させるためのプログラム14が記憶されている。記憶部13は、ハードディスク又はDVD等の任意の記憶媒体を有しており、地図データ及びリンクデータ等が格納されている。
【0047】
図3は、演算部11の機能構成を概略的に示す図である。演算部11がプログラム14に基づいて動作することにより、演算部11は、探索処理部30、判定処理部31、抽出処理部32、設定処理部33、コスト修飾処理部34、及びコスト演算処理部35として機能する。換言すれば、プログラム14は、演算部11を、探索処理部30、判定処理部31、抽出処理部32、設定処理部33、コスト修飾処理部34、及びコスト演算処理部35として機能させるためのプログラムである。各処理部の機能の詳細については後述する。
【0048】
図4は、車載器2の構成を概略的に示す図である。車載器2は、送受信部20、演算部21、記憶媒体22、記憶部23、位置情報取得部24、入力部25、及び表示部26を備えて構成されている。送受信部10は、携帯電話3と演算部21との間でのデータの送受信を制御する。演算部21は、コンピュータによって構成されている。記憶媒体22は、ハードディスク、DVD又は半導体メモリ等の任意のコンピュータ読取可能な記憶媒体であり、演算部21を動作させるためのプログラム27が記憶されている。記憶部23は、ハードディスク又はDVD等の任意の記憶媒体を有しており、地図データ及びリンクデータ等が格納されている。位置情報取得部24は、GPS(Global Positioning System)情報の受信機等を有して構成されており、車両1の現在地情報を取得する。入力部25及び表示部26は、例えばタッチパネル機能付きの液晶表示装置として構成されている。入力部25は、音声入力機能を有していても良い。
【0049】
図5は、演算部21の機能構成を概略的に示す図である。演算部21がプログラム27に基づいて動作することにより、演算部21は、個人特定処理部40、調整処理部41、及び選択処理部42として機能する。換言すれば、プログラム27は、演算部21を、個人特定処理部40、調整処理部41、及び選択処理部42として機能させるためのプログラムである。各処理部の機能の詳細については後述する。
【0050】
図6は、第1の実施の形態に係るルート探索システムの動作を示すフローチャートである。以下、図1〜6を参照しつつ、第1の実施の形態に係るルート探索システムの動作について説明する。
【0051】
まずステップSP01において、個人特定処理部40は、車両1のドライバを特定する。記憶部23には、その車両1のドライバとなり得る複数人の情報(例えば家族の生年月日)が予め登録されており、個人特定処理部40は、ドライバが入力部25から入力した情報(例えば自身の生年月日)に基づいて、そのドライバを特定することができる。あるいは、車両1内にカメラ又は指紋センサ等を設置し、顔認証又は指紋認証等によってドライバを特定しても良い。ドライバの特定に関する情報(例えばドライバのID及び車載器2のID)は、車載器2からセンタ装置5に送信される。なお、センタ装置5においては、そのドライバの性別、年齢、運転歴等の属性に関する情報が、ドライバのID及び車載器2のIDに対応付けて、予め記憶部13に登録されている。
【0052】
次にステップSP02において、ドライバが入力部25から入力した電話番号等の情報に基づいて、車両1がこれから向かう目的地が設定される。車両1の目的地に関する情報は、車載器2からセンタ装置5に送信される。また、位置情報取得部24によって取得された車両1の現在地に関する情報も、車載器2からセンタ装置5に送信される。
【0053】
次にステップSP03において、探索処理部30は、コスト演算によって、車両1の現在地から目的地までの推奨ルートを探索する。推奨ルートに関するルート情報は、センタ装置5から車載器2に送信され、車両1のドライバに提供される。ここで、探索処理部30は、そのドライバから過去に送られてきたルート要因パラメータの調整値(詳細は後述する)に基づいて、そのドライバの嗜好を反映させた推奨ルートを探索する。
【0054】
また、そのドライバから過去にルート要因パラメータの調整値が送られてきていない場合であっても、センタ装置5には、複数のユーザの複数の車載器2から、様々なルート要因パラメータの調整値が送られてくる。これらの情報は、各ユーザの性別、年齢、運転歴等の属性に関連付けられて、記憶部13に記憶されている。演算部11は、記憶部13に記憶されているこれらの情報を統計的に処理することによって、ユーザの属性別にルート要因パラメータの設定傾向を解析する。例えば、運転歴の浅い女性は同条件の男性に比べて道幅の狭いルートを嫌う傾向にあることや、年配者は若年層に比べて短距離よりも短時間を優先する傾向にあること等を、統計処理によって把握することができる。従って、探索処理部30は、この統計処理の結果を有効活用することにより、過去にルート要因パラメータの調整を行っていないドライバに対しても、そのドライバの属性に適合した推奨ルートを探索することができる。推奨ルートの探索処理をセンタ装置5で行う場合には、そのドライバの属性に適合した推奨ルートに関する情報が、センタ装置5から車載器2に送信される。なお、推奨ルートの探索処理を車載器2で行う場合には、そのドライバの属性に適合したルート要因パラメータの調整値に関する情報が、センタ装置5から車載器2に送信される。
【0055】
次にステップSP04において、演算部11(又は演算部21)は、現在地の位置座標と目的地の位置座標とを比較することにより、車両1が目的地に到着したか否かを判定する。
【0056】
車両1が目的地に到着した場合(つまりステップSP04における判定の結果が「YES」である場合)は、次にステップSP05において、判定処理部31は、目的地まで車両1が移動するのに実際に利用した走行ルートが、ステップSP03で提供した推奨ルートに一致しているか否かを判定する。ここで、走行ルートを構成する複数のリンクに関する情報は、記憶部23に蓄積されており、車載器2からセンタ装置5に送信される。また、判定処理部31は、走行ルートが推奨ルートに一致しているか否かを判定するにあたって、両ルートの重複度合いを示す指標(以下「一致率」と称す)を演算し、一致率が所定のしきい値以上である場合には両ルートは一致し、一致率がしきい値未満である場合には両ルートは一致しないと判定する。
【0057】
推奨ルートを構成する複数のリンクと、走行ルートを構成する複数のリンクとが完全に一致する場合には、一致率は100%となる。この場合、判定処理部31は、走行ルートは推奨ルートに一致していると判定する。
【0058】
また、一部のリンクが一致しない場合であっても、右折(又は左折)するルートに対して一つ手前の交差点で右折(又は左折)した場合や、右折(又は左折)するルートに対して直進した場合等は、過誤による逸脱である(つまり意図的な逸脱ではない)と推定することができる。判定処理部31は、過誤と推定される逸脱に関しては一致率の演算には含めない。従って、推奨ルートからの逸脱が過誤と推定される逸脱のみである場合には、一致率は100%となる。この場合、判定処理部31は、走行ルートは推奨ルートに一致していると判定する。
【0059】
一方、右折(又は左折)するルートに対して左折(又は右折)した場合や、直進のルートに対して右折(又は左折)した場合等は、意図的な逸脱であると推定することができる。判定処理部31は、意図的と推定される逸脱の回数に応じて、一致率を減少させる。例えば、意図的と推定される逸脱が1回ある毎に、一致率を5%ずつ減少させる。一致率のしきい値が例えば90%に設定されている場合には、意図的と推定される逸脱が2回以下であれば、一致率はしきい値以上であるため、この場合、判定処理部31は、走行ルートは推奨ルートに一致していると判定する。一方、意図的と推定される逸脱が3回以上であれば、一致率はしきい値未満となるため、この場合、判定処理部31は、走行ルートは推奨ルートに一致していないと判定する。なお、判定処理部31は、過去に同じ地点で同じように逸脱したことがあるか等の履歴情報を、その逸脱が意図的なものであるか否かの判定材料として活用することもできる。
【0060】
走行ルートが推奨ルートに一致していない場合(つまりステップSP05における判定の結果が「NO」である場合)は、次にステップSP06において、抽出処理部32は、推奨ルートと走行ルートとの間で差異が大きい順に、所定数(以下の例では3個とする)のルート要因パラメータを抽出する。ここで、ルート要因パラメータとは、ルート探索においてドライバの嗜好が影響し得る要因(ルート要因)に関するパラメータであり、その値はコストとして表される。ルート要因としては、例えば、道幅、信号機の数、右折回数、時間、距離、左折回数、料金、平均速度、渋滞度、山道、又は踏切の数等、様々な要因が考えられる。例えば道幅に関しては、道幅が狭いルートのルート要因パラメータのコストは比較的大きい値に設定され、道幅が広いルートのルート要因パラメータのコストは比較的小さい値に設定される。なお、常に所定数(3個)のルート要因パラメータを抽出するのではなく、抽出するルート要因パラメータの個数を一致率に応じて変動させても良い。例えば、一致率が80%以上90%未満である場合には3個、70%以上80%未満である場合は4個、70%未満である場合は5個のルート要因パラメータを抽出しても良い。
【0061】
抽出処理部32は、推奨ルートに含まれる複数のルート要因パラメータの各々毎にコストを積算するとともに、走行ルートに含まれる複数のルート要因パラメータの各々毎にコストを積算する。そして、各ルート要因パラメータ毎にコストの積算値同士を比較して、その差異が大きい順に3個のルート要因パラメータを抽出する。この差異又は相違は差によって評価してもよいし、比によって評価してもよい。以下の例では、抽出処理部32によって、道幅、信号機の数、及び右折回数に関するルート要因パラメータが抽出されたものと仮定する。抽出されたルート要因パラメータに関する情報は、センタ装置5から車載器2に送信される。
【0062】
次にステップSP07において、調整処理部41は、センタ装置5から受信したルート要因パラメータ(つまり調整候補のルート要因パラメータ)を、表示部26に表示する。図7は、表示部26の表示例を示す図である。道幅に関するルート要因パラメータを示す図形50Aと、信号機の数に関するルート要因パラメータを示す図形50Bと、右折回数に関するルート要因パラメータを示す図形50Cとが並んで表示されている。また、各図形50A〜50Cの横には、スケール51A〜51Cがそれぞれ表示されている。各スケール51A〜51Cの中央には、マーク52A〜52Cがそれぞれ表示されている。
【0063】
次にステップSP08において、ドライバは、選択処理部42の機能によって、道幅、信号機の数、及び右折回数以外で調整を希望するルート要因パラメータを選択する。図7を参照して、「その他」と表示された図形50Xにユーザが指先でタッチすると、その他のルート要因パラメータの一覧画面に切り替わる。図8は、表示部26の表示例を示す図である。距離、時間、左折回数、料金、平均速度、渋滞度、山道、及び踏切数のそれぞれに関するルート要因パラメータを示す図形50D〜50Kが、並んで表示されている。図形50D〜50Kのうち、ドライバが調整を希望する任意のルート要因パラメータに対応する図形(以下の例では図形50Iとする)を選択して指先でタッチすると、図7の図形50Xが、図8で選択された図形50Iによって置き換わる。図7を参照して、図形50Xの横にはスケール51Xが表示されており、スケール51Xの中央にはマーク52Xが表示されている。
【0064】
次にステップSP09において、ドライバは、調整処理部41の機能によって、表示部26に表示されているルート要因パラメータのコスト(の修飾率)を、自身の嗜好に応じて調整する。具体的に、ドライバは、スケール51A〜51C,51X上の所望の箇所に指先でタッチすることにより、マーク52A〜52C,52Xの表示位置を移動させることができ、それによって、ルート要因パラメータのコスト(の修飾率)を所望に調整することができる。なお、コストの値自体を調整する代わりに、各ルート要因パラメータのコストの重み和から総コストを求める場合の重み付け係数の値を調整することもできる。つまり、ルート評価のための各ルートの総コストの演算において、その演算における各ルート要因パラメータの寄与度合いを調整することができれば、コストの値自体を調整しても、コストの重み付け係数の値を調整しても、その両方を調整しても良い。
【0065】
図9は、マーク52A〜52C,52Xが移動された後の表示部26の表示例を示す図である。運転に際して狭い道幅が気になるドライバは、気になるレベルに応じてマーク52Aを中央よりも左方向に移動させることができ、一方、運転に際して狭い道幅が気にならないドライバは、気にならないレベルに応じてマーク52Aを中央よりも右方向に移動させることができる。同様に、運転に際して信号機の数が気になるドライバは、気になるレベルに応じてマーク52Bを中央よりも左方向に移動させることができ、一方、運転に際して信号機の数が気にならないドライバは、気にならないレベルに応じてマーク52Bを中央よりも右方向に移動させることができる。同様に、運転に際して右折の回数が気になるドライバは、気になるレベルに応じてマーク52Cを中央よりも左方向に移動させることができ、一方、運転に際して右折の回数が気にならないドライバは、気にならないレベルに応じてマーク52Cを中央よりも右方向に移動させることができる。同様に、運転に際して渋滞が気になるドライバは、気になるレベルに応じてマーク52Xを中央よりも左方向に移動させることができ、一方、運転に際して渋滞が気にならないドライバは、気にならないレベルに応じてマーク52Xを中央よりも右方向に移動させることができる。図9に示した例では、このドライバは、狭い道幅、右折の回数、及び渋滞は気になるが、信号機の数は気にならないということである。このように、ユーザは、総コストの演算における各ルート要因パラメータの寄与度合いを高めたり低めたりすることができる。
【0066】
ルート要因パラメータのコスト(の修飾率)の調整が完了すると、その調整値に関する情報は、車載器2からセンタ装置5に送信され、そのドライバに関連付けられて記憶部13に記憶される。そのドライバに関する次回の推奨ルートの探索において、コスト修飾処理部34は、記憶部13に記憶されている調整値に関する情報に基づいて、ルート要因パラメータのコストを修飾する。上記の例では、コスト修飾処理部34は、道幅に関するコストを例えば1.3倍に修飾し、信号機の数に関するコストを例えば0.8倍に修飾し、右折回数に関するコストを例えば1.2倍に修飾し、渋滞度に関するコストを例えば1.4倍に修飾する。コスト演算処理部35は、コスト修飾処理部34によって修飾されたコストを用いて、次回の推奨ルートの探索において、ルート評価のための各ルートの総コストの演算を行う。また、探索処理部30は、コスト演算処理部35による演算結果に基づいて推奨ルートの探索を行う。つまり、コスト演算処理部35によって評価された複数のルートのうち、総コストが最も小さいルートを推奨ルートとして決定する。前述の調整によって、ユーザの気にならないルートが推奨ルートとして決定され易くなる。
【0067】
なお、コスト修飾処理部34は、例えば探索するルートの距離に応じて、特定のルート要因パラメータの総コスト演算における寄与度合いをさらに変更するようにしてもよい。例えば、調整に用いたルートよりも新たな探索ルートの距離が短い場合には、総コスト演算における「料金に関するコスト」の寄与度合いを増加させ、距離が長い場合には減少させる。これにより、高速道路等の有料道路の使用を、短距離の走行では嫌うが長距離の走行では許容するという嗜好を有するドライバに対して、そのドライバの嗜好に合った推奨ルートを提供することが可能となる。このために、コスト修飾率によって寄与度合いを調整した場合には、当該調整後の修飾率と、その調整に用いたルートの情報とを対応付けて記憶媒体に記憶しておく。新たなルートを探索する場合には、調整後の修飾率に対応するルートの情報を記憶媒体から読み出し、その調整に用いたルートと新たなルートとを比較する。コスト修飾処理部34は、その比較結果によって、調整済みのコスト修飾率をさらに変更する。コストの重み付け係数によって寄与度合いを調整する場合には、コスト演算処理部35が、調整後の重み付け係数を同様に変更して総コストを演算する。
【0068】
また、コスト修飾処理部34がコストの修飾処理を行うに際して、設定処理部33は、時間帯、曜日、及び天候のうちの少なくとも一つに関する情報に基づいて、コストの調整値に関する情報を可変に設定することができる。例えば、時間帯が夜間である場合や、天候が雨又は雪である場合には、設定処理部33によって上記の道幅のコスト調整値に例えば0.1が加算されることにより、コスト修飾処理部34は、道幅に関するコストを1.4倍に修飾する。また、行楽地の周辺等の休日に渋滞しやすいルートに関しては、設定処理部33によって上記の渋滞度のコスト調整値に例えば0.2が加算されることにより、コスト修飾処理部34は、渋滞度に関するコストを1.6倍に修飾する。逆に、オフィス街等の休日に交通量が減少するルートに関しては、設定処理部33によって上記の渋滞度のコスト調整値から例えば0.2が減算されることにより、コスト修飾処理部34は、渋滞度に関するコストを1.2倍に修飾する。なお、センタ装置5は、車両1のワイパの動作状況に関する情報を車載器2から受信することによって、又は、車両1の現在地周辺の気象情報をインターネットを通じて入手することによって、天候を判断することが可能である。
【0069】
ところで、ドライバによるルート要因パラメータの調整は、車両1が目的地へ到着した後のみならず、出発前又は走行中においても実施することができる。図6を参照して、車両1が目的地に到着していない場合(つまりステップSP04における判定の結果が「NO」)で、かつ、ドライバからのルート要因パラメータの調整要求があった場合(つまりステップSP10における判定の結果が「YES」)には、次にステップSP11において、抽出処理部32は、推奨ルートに含まれる複数のルート要因パラメータのうち、基準値との差異が大きい順に、所定数(以下の例では3個とする)のルート要因パラメータを抽出する。ここで、基準値としては、各ルート要因パラメータ毎の平均的又は一般的な値(例えば、単位距離あたりの信号機の数、右左折の回数、所要時間、平均速度、渋滞度、カーブ数、踏切の数、道幅が所定値より狭い道路の割合等)が予め設定されて、記憶部13に登録されている。
【0070】
抽出処理部32は、推奨ルートに含まれる複数のルート要因パラメータの各々毎にコストを積算する。そして、各ルート要因パラメータ毎にコストの積算値を基準値と比較して、その差異が大きい順に3個のルート要因パラメータを抽出する。その後は、上記と同様にステップSP07以降の処理が行われる。
【0071】
なお、目的地への到着後に、走行ルートが推奨ルートに一致していると判定された場合(つまりステップSP05における判定の結果が「YES」である場合)にも、基準値との比較に基づくルート要因パラメータの調整処理(つまりステップSP11以降の処理)を実施することができる。
【0072】
また、以上の説明では、車載器2とセンタ装置5との連携によって、ルート探索処理やルート要因パラメータの調整処理等を行う例について述べた。しかし、センタ装置5の機能(図2,3)を車載器2に搭載することによって、以上で説明した全ての処理を車載器2が実行しても良い。
【0073】
また、車載器2の代わりに、通信機能及び位置情報取得機能を有する、携帯電話、ノートパソコン、又はPDA(Personal Digital Assistant)等の任意の端末を用いることもできる。
【0074】
このように第1の実施の形態に係るルート探索システム(又はルート探索装置、センタ装置5、車載器2、ルート探索方法、プログラム14,27)によれば、ユーザは、調整処理部41の機能によって、自らが調整を希望するルート要因パラメータの値を調整することができる。そして、探索処理部30は、調整処理部41によって調整されたルート要因パラメータの値に基づいて、目的地までの推奨ルートを探索する。従って、ルート探索においてユーザの嗜好が影響し得る様々なルート要因のうち、ユーザが優先するルート要因を正確に特定することができ、その結果、ユーザの嗜好を反映させたルート探索を実行することが可能となる。
【0075】
また、第1の実施の形態に係るルート探索システムによれば、目的地に到着した後において、推奨ルートと走行ルートとが一致しない場合には、推奨ルートと走行ルートとの間で相違する所定数のルート要因パラメータが、表示部26に自動的に表示される。従って、ユーザは、表示部26に表示された所定数のルート要因パラメータのうち、自らが調整を希望するルート要因パラメータの値を簡易に調整することが可能となる。
【0076】
また、第1の実施の形態に係るルート探索システムによれば、出発前又は走行中においても、ドライバからの要求があった場合には、推奨ルートに関する複数のルート要因パラメータの中から、予め設定されたルート要因の基準値と相違する所定数のルート要因パラメータが、表示部26に自動的に表示される。従って、ユーザは、表示部26に表示された所定数のルート要因パラメータのうち、自らが調整を希望するルート要因パラメータの値を簡易に調整することが可能となる。
【0077】
また、第1の実施の形態に係るルート探索システムによれば、設定処理部33は、時間帯、曜日、及び天候のうちの少なくとも一つに関する情報に基づいて、ルート要因パラメータの調整値を可変に設定するため、探索処理部30は、時間帯、曜日、又は天候を考慮したルート探索を実行することが可能となる。例えば、同じ道路であっても、道幅が狭いために夜間又は雨天時の走行においては選択されにくくしたり、休日は渋滞しやすいために休日の走行においては選択されにくくするといったルート探索が可能となる。
【0078】
また、第1の実施の形態に係るルート探索システムによれば、ユーザは、選択処理部42の機能によって、複数のルート要因パラメータの中から自らが調整を希望するルート要因パラメータを任意に選択することができる。従って、表示部26に自動的に表示された所定数のルート要因パラメータの中に、自らが調整を希望するルート要因パラメータが含まれていない場合であっても、調整を希望するルート要因パラメータを選択処理部42の機能によって選択することにより、そのルート要因パラメータの値を調整することができる。その結果、ユーザが真に優先するルート要因を正確に特定することが可能となる。
【0079】
また、第1の実施の形態に係るルート情報提供システムによれば、センタ装置5は、複数の車載器2から受信した複数のルート要因パラメータの値を統計処理することにより、性別、年齢、又は運転歴等のユーザの属性別に、ルート要因パラメータの設定傾向を解析する。そして、ルート要因パラメータの調整を行わないユーザに対しては、そのユーザの属性に適合した推奨ルートを探索して、その推奨ルートに関する情報を提供する。従って、ルート要因パラメータの調整を行わないユーザに対しても、属性が同一又は類似する複数のユーザに関する設定情報を参照することにより、そのユーザの属性に応じた最適な推奨ルートを提供することが可能となる。
【0080】
<第2の実施の形態>
図10は、本発明の第2の実施の形態に係るルート探索システムの全体構成を概略的に示す図である。センタ装置5は、インターネット等の通信ネットワーク60を介して、ユーザ端末61に接続されている。ユーザ端末61は、例えば、ユーザの自宅内のパソコン(PC)である。センタ装置5及びユーザ端末61は、通信ネットワーク60を介して相互にデータの送受信が可能である。ルート探索システムのその他の構成は、図1と同様である。
【0081】
第2の実施の形態に係るルート探索システムは、上記第1の実施の形態に係るルート探索システムのうち、出発前の推奨ルートの探索処理及びルート要因パラメータの調整処理を、ユーザ端末61を通じて可能とするものである。
【0082】
図11は、第2の実施の形態に係るルート探索システムの動作を示すフローチャートである。まずステップSP21において、ユーザは、ユーザ端末61を操作することによってドライバを設定する。設定されたドライバに関する情報は、ユーザ端末61からセンタ装置5に送信される。なお、センタ装置5においては、そのドライバの性別、年齢、運転歴等の属性に関する情報が、予め記憶部13に登録されている。
【0083】
次にステップSP22において、ユーザは、ユーザ端末61を操作することによって目的地を設定する。設定された目的地に関する情報は、ユーザ端末61からセンタ装置5に送信される。なお、出発地はユーザの自宅に設定されている。出発地がユーザの自宅と異なる場合には、ユーザは、ユーザ端末61を操作することによって出発地を設定することができ、設定された出発地に関する情報は、ユーザ端末61からセンタ装置5に送信される。
【0084】
次にステップSP23において、探索処理部30は、コスト演算によって、出発地から目的地までの推奨ルートを探索する。推奨ルートに関するルート情報は、センタ装置5からユーザ端末61に送信され、ユーザ端末61の画面に表示される。ここで、探索処理部30は、そのユーザから過去に送られてきたルート要因パラメータの調整値に基づいて、そのドライバの嗜好を反映させた推奨ルートを探索する。
【0085】
また、そのユーザから過去にルート要因パラメータの調整値が送られてきていない場合であっても、センタ装置5には、複数のユーザの複数のユーザ端末61(又は車載器2)から、様々なルート要因パラメータの調整値が送られてくる。これらの情報は、各ユーザの性別、年齢、運転歴等の属性に関連付けられて、記憶部13に記憶されている。演算部11は、記憶部13に記憶されているこれらの情報を統計的に処理することによって、ユーザの属性別にルート要因パラメータの設定傾向を解析する。従って、探索処理部30は、この統計処理の結果を有効活用することにより、過去にルート要因パラメータの調整を行っていないユーザに対しても、そのユーザの属性に適合した推奨ルートを探索することができる。推奨ルートの探索処理をセンタ装置5で行う場合には、そのユーザの属性に適合した推奨ルートに関する情報が、センタ装置5から車載器2に送信される。なお、推奨ルートの探索処理を車載器2で行う場合には、そのドライバの属性に適合したルート要因パラメータの調整値に関する情報が、センタ装置5から車載器2に送信される。
【0086】
次にステップSP24において、ユーザは、提供された推奨ルートで良いか否かを検討する。提供された推奨ルートに満足できる場合(つまりステップSP24における判定の結果が「YES」である場合)は、次にステップSP27において、ユーザは、ユーザ端末61を操作することによって推奨ルートを確定する。推奨ルートの確定に関する情報は、ユーザ端末61からセンタ装置5に送信され、確定された推奨ルートが記憶部13に記憶される。ユーザは、車載器2を操作することによって、確定された推奨ルートに関するルート情報を、センタ装置5から基地局4を介して車載器2にダウンロードすることが可能である。なお、推奨ルートの探索処理を車載器2で行う場合には、推奨ルートが確定した際のルート要因パラメータの調整値に関する情報が、センタ装置5から車載器2に送信される。
【0087】
一方、提供された推奨ルートに満足できない場合(つまりステップSP24における判定の結果が「NO」である場合)は、次にステップSP25において、ユーザは、ユーザ端末61を操作することによって、センタ装置5に対してルート要因パラメータの調整を要求する。この場合、ルート要因パラメータの一覧がユーザ端末61の画面に表示される。なお、一覧を表示するのではなく、上記第1の実施の形態と同様に、推奨ルートに含まれる複数のルート要因パラメータのうち、基準値との差異が大きい順に、所定数のルート要因パラメータを抽出し、その所定数のルート要因パラメータをユーザ端末61の画面に表示させても良い。
【0088】
ユーザは、ユーザ端末61を操作することによって、その一覧の中から調整を希望する任意のルート要因パラメータ(単数でも複数でも良い)を選択する。選択されたルート要因パラメータは、図7と同様にユーザ端末61の画面に表示される。
【0089】
次にステップSP26において、ユーザは、ユーザ端末61を操作することによって、画面に表示されているルート要因パラメータのコストを、自身の嗜好に応じて調整する。例えば、図7を参照して、ユーザは、マウスの操作によってスケール51A〜51C上でマーク52A〜52Cをドラッグすることにより、マーク52A〜52Cの表示位置を移動させることができ、それによって、ルート要因パラメータのコストを所望に調整することができる。なお、上記第1の実施の形態と同様に、コストの値自体を調整する代わりに、コストの重み付け係数の値を調整することもできる。つまり、ルート評価のための各ルートの総コストの演算において、その演算における各ルート要因パラメータの寄与度合いを調整することができれば、コストの値自体を調整しても、コストの重み付け係数の値を調整しても、その両方を調整しても良い。
【0090】
ルート要因パラメータのコストの調整が完了すると、その調整値に関する情報は、ユーザ端末61からセンタ装置5に送信される。コスト修飾処理部34は、受信した調整値に関する情報に基づいてルート要因パラメータのコストを修飾し、探索処理部30は、修飾されたコストを用いて推奨ルートを再探索する(ステップSP23)。ユーザが推奨ルートに満足するまで、ルート要因パラメータの調整値を様々に変更しながら、ステップSP23〜SP26の処理が繰り返し実行される。
【0091】
なお、上記第1の実施の形態と同様に、コスト修飾処理部34がコストの修飾処理を行うに際して、設定処理部33は、運転が予定されている時間帯、曜日、及び天候(この場合は天気予報)のうちの少なくとも一つに関する情報に基づいて、コストの調整値に関する情報を可変に設定することができる。ここで、センタ装置5は、運転が予定されている時間帯及び曜日に関する情報を、ユーザ端末61から受信することが可能であり、また、運転が予定されている日時における出発地から目的地までのルート周辺の天気予報を、インターネットを通じて入手することが可能である。
【0092】
ユーザは、推奨ルートに満足すると、ユーザ端末61を操作することによって推奨ルートを確定する。推奨ルートの確定に関する情報は、ユーザ端末61からセンタ装置5に送信され、確定された推奨ルートが記憶部13に記憶される(ステップSP27)。上記と同様に、ユーザは、車載器2を操作することによって、確定された推奨ルートに関するルート情報を、センタ装置5から基地局4を介して車載器2にダウンロードすることが可能である。また、推奨ルートが確定すると、確定時点でのルート要因パラメータのコストの調整値に関する情報が、ユーザ端末61からセンタ装置5に送信され、そのユーザに関連付けられて記憶部13に記憶される。
【0093】
このように第2の実施の形態に係るルート探索システムによれば、ユーザは、ユーザ端末61を操作することによって、自らが調整を希望するルート要因パラメータの値を調整することができる。そして、探索処理部30は、ユーザ端末61によって調整されたルート要因パラメータの値に基づいて、目的地までの推奨ルートを探索する。従って、ルート探索においてユーザの嗜好が影響し得る様々なルート要因のうち、ユーザが優先するルート要因を正確に特定することができ、その結果、ユーザの嗜好を反映させたルート探索を実行することが可能となる。
【0094】
また、第2の実施の形態に係るルート探索システムによれば、ルート要因パラメータの値を様々に異ならせて設定することにより、最適な推奨ルートを探索することが可能となる。しかも、ユーザは、車載器2よりも操作性の良いユーザ端末61を用いて操作を行うことができるため、ルート要因パラメータの値を様々に異ならせるにあたって、ユーザの利便性の向上を図ることが可能となる。
【0095】
また、第2の実施の形態に係るルート探索システムによれば、センタ装置5は、複数のユーザ端末61から受信した複数のルート要因パラメータの値を統計処理することにより、性別、年齢、又は運転歴等のユーザの属性別に、ルート要因パラメータの設定傾向を解析する。そして、ルート要因パラメータの調整を行わないユーザに対しては、そのユーザの属性に適合した推奨ルートを探索して、その推奨ルートに関する情報を提供する。従って、ルート要因パラメータの調整を行わないユーザに対しても、属性が同一又は類似する複数のユーザに関する設定情報を参照することにより、そのユーザの属性に応じた最適な推奨ルートを提供することが可能となる。
【0096】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るルート探索システムの全体構成を概略的に示す図である。
【図2】センタ装置の構成を概略的に示す図である。
【図3】演算部の機能構成を概略的に示す図である。
【図4】車載器の構成を概略的に示す図である。
【図5】演算部の機能構成を概略的に示す図である。
【図6】第1の実施の形態に係るルート探索システムの動作を示すフローチャートである。
【図7】表示部の表示例を示す図である。
【図8】表示部の表示例を示す図である。
【図9】マークが移動された後の表示部の表示例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るルート探索システムの全体構成を概略的に示す図である。
【図11】第2の実施の形態に係るルート探索システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0098】
2 車載器
5 センタ装置
11,21 演算部
14,27 プログラム
24 位置情報取得部
25 入力部
26 表示部
30 探索処理部
31 判定処理部
32 抽出処理部
33 設定処理部
34 コスト修飾処理部
35 コスト演算処理部
40 個人特定処理部
41 調整処理部
42 選択処理部
60 通信ネットワーク
61 ユーザ端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの推奨ルートを探索する探索手段と、
前記探索手段による探索においてルートを評価するための複数のパラメータを用いた演算を行う演算手段と、
前記演算手段による演算における各前記パラメータの寄与度合いをユーザが調整可能な調整手段と
を備える、ルート探索装置。
【請求項2】
前記複数のパラメータの中から、前記調整手段による調整候補のパラメータを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された前記調整候補のパラメータを表示する表示手段と
をさらに備える、請求項1に記載のルート探索装置。
【請求項3】
前記推奨ルートと、前記目的地まで移動体が移動するのに実際に利用した走行ルートとが一致するか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記抽出手段は、前記判定手段によって前記推奨ルートと前記走行ルートとが一致しないと判定された場合に、前記推奨ルートと前記走行ルートとの間で相違するパラメータを、前記調整候補のパラメータとして抽出する、請求項2に記載のルート探索装置。
【請求項4】
前記抽出手段は、前記推奨ルートに関する複数のパラメータの中から、予め設定された基準値と相違するパラメータを、前記調整候補のパラメータとして抽出する、請求項2に記載のルート探索装置。
【請求項5】
時間帯、曜日、及び天候のうちの少なくとも一つに関する情報に基づいて、前記寄与度合いの調整値を可変に設定する設定手段をさらに備える、請求項1〜4のいずれか一つに記載のルート探索装置。
【請求項6】
前記調整手段による調整対象のパラメータを、前記複数のパラメータの中からユーザが任意に選択可能な選択手段をさらに備える、請求項1〜5のいずれか一つに記載のルート探索装置。
【請求項7】
車載器と、
前記車載器との間で相互に無線通信が可能なルート情報提供装置と、
通信回線を介して前記ルート情報提供装置に接続され、ユーザが利用可能なユーザ端末と
を備え、
前記ルート情報提供装置は、
目的地までの推奨ルートを探索する探索手段と、
前記探索手段による探索においてルートを評価するための複数のパラメータを用いた演算を行う演算手段と
を有し、
前記ユーザ端末においては、前記演算手段による演算における各前記パラメータの寄与度合いをユーザが調整可能であり、
前記車載器は、前記ルート情報提供装置が求めた前記推奨ルートに関する情報を受信可能である、ルート探索システム。
【請求項8】
前記ユーザ端末においては、前記寄与度合いを任意に異ならせることにより、前記寄与度合いに関する複数の調整値を設定可能であり、
前記ルート情報提供装置は、前記複数の調整値の各々に対応して、前記推奨ルートを探索する、請求項7に記載のルート探索システム。
【請求項9】
前記ルート情報提供装置は、複数のユーザ端末から受信した前記寄与度合いに関する複数の調整値を統計処理することにより、ユーザの属性別に前記寄与度合いの調整傾向を解析し、前記寄与度合いの調整を行わないユーザに対しては、そのユーザの属性に適合した推奨ルートを探索して、その推奨ルートに関する情報を提供する、請求項7又は8に記載のルート探索システム。
【請求項10】
相互に無線通信が可能な車載器とルート情報提供装置とを備えるルート探索システムであって、
前記ルート情報提供装置は、
目的地までの推奨ルートを探索する探索手段と、
前記探索手段による探索においてルートを評価するための複数のパラメータを用いた演算を行う演算手段と
を有し、
前記車載器は、前記演算手段による演算における各前記パラメータの寄与度合いをユーザが調整可能な調整手段を有する、ルート探索システム。
【請求項11】
車載器との間で無線通信が可能なルート情報提供装置であって、
目的地までの推奨ルートを探索する探索手段と、
前記探索手段による探索においてルートを評価するための複数のパラメータを用いた演算を行う演算手段と
を備え、
前記車載器においては、前記演算手段による演算における各前記パラメータの寄与度合いをユーザが調整可能であり、
前記寄与度合いが調整された前記パラメータに基づいて前記推奨ルートを探索する、ルート情報提供装置。
【請求項12】
前記ルート情報提供装置は、複数の車載器から受信した前記寄与度合いに関する複数の調整値を統計処理することにより、ユーザの属性別に前記寄与度合いの調整傾向を解析し、前記寄与度合いの調整を行わないユーザに対しては、そのユーザの属性に適合した推奨ルートを探索して、その推奨ルートに関する情報を提供する、請求項11に記載のルート情報提供装置。
【請求項13】
目的地までの推奨ルートを探索する探索手段と、
前記探索手段による探索においてルートを評価するための複数のパラメータを用いた演算を行う演算手段と、
前記演算手段による演算における各前記パラメータの寄与度合いをユーザが調整可能な調整手段と
を備える、車載器。
【請求項14】
車載器と、
前記車載器との間で無線通信が可能なルート情報提供装置と、
通信回線を介して前記ルート情報提供装置に接続され、ユーザが利用可能なユーザ端末と
を備え、
前記車載器は、
目的地までの推奨ルートを探索する探索手段と、
前記探索手段による探索においてルートを評価するための複数のパラメータを用いた演算を行う演算手段と
を有し、
前記ユーザ端末においては、前記演算手段による演算における各前記パラメータの寄与度合いをユーザが調整可能であり、前記寄与度合いの調整値に関する情報は、前記ユーザ端末から前記ルート情報提供装置に送信され、
前記車載器は、前記寄与度合いの調整値に関する情報を、前記ルート情報提供装置から受信可能である、ルート探索システム。
【請求項15】
前記ルート情報提供装置は、複数のユーザ端末から受信した前記寄与度合いに関する複数の調整値を統計処理することにより、ユーザの属性別に前記寄与度合いの調整傾向を解析し、前記寄与度合いの調整を行わないユーザに対しては、そのユーザの属性に適合した前記寄与度合いの調整値に関する情報を、そのユーザの前記車載器に送信する、請求項14に記載のルート探索システム。
【請求項16】
相互に無線通信が可能な車載器とルート情報提供装置とを備えるルート探索システムであって、
前記車載器は、
目的地までの推奨ルートを探索する探索手段と、
前記探索手段による探索においてルートを評価するための複数のパラメータを用いた演算を行う演算手段と、
前記演算手段による演算における各前記パラメータの寄与度合いをユーザが調整可能な調整手段と
を有し、
前記寄与度合いの調整値に関する情報は、前記車載器から前記ルート情報提供装置に送信され、
前記ルート情報提供装置は、複数の車載器から受信した前記寄与度合いに関する複数の調整値を統計処理することにより、ユーザの属性別に前記寄与度合いの調整傾向を解析し、前記寄与度合いの調整を行わないユーザに対しては、そのユーザの属性に適合した前記寄与度合いの調整値に関する情報を、そのユーザの前記車載器に送信する、ルート探索システム。
【請求項17】
(A)目的地までの推奨ルートを探索するステップと、
(B)前記ステップ(A)の探索においてルートを評価するための複数のパラメータを用いた演算を行うステップと、
(C)前記ステップ(B)の演算における各前記パラメータの寄与度合いをユーザに調整させるステップと
を備える、ルート探索方法。
【請求項18】
コンピュータを、
目的地までの推奨ルートを探索する探索手段と、
前記探索手段による探索においてルートを評価するための複数のパラメータを用いた演算を行う演算手段と、
前記演算手段による演算における各前記パラメータの寄与度合いをユーザが調整可能な調整手段と
として機能させる、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−117231(P2010−117231A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−290407(P2008−290407)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】