説明

レジストパターンの製造方法

【課題】簡単に、高アスペクト比のレジストパターンを製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】マスクパターン層MPを含む土台ユニットUTに対し、マスクパターン層MP上に、ドライフィルムDF2を被せ、ガラス基板11の裏面11rからの露光によるフォトリソグラフィー法で、ドライフィルムDF2を第1レジストパターンRP1だけに重なるように残す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細加工技術であるレジストパターンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体の分野では、一般的に、微細なパターン構造物の作製のために、フォトレジスト材料(感光材料)を用いたフォトリソグラフィー法が知られている。そして、このフォトリソグラフィー法で製造されるパターン構造物に含まれるレジストパターンには、最近、高いアスペクト比が要求される(なお、アスペクト比とは、レジストパターンの高さをパターンの幅で除算した値である)。
【0003】
この要求を満たすレジストパターンの製造方法として、特許文献1・2が挙げられる。特許文献1のレジストパターンの製造方法では、ポジ型レジスト材料が複数回、重ね塗りされることで、基板上に比較的厚いレジスト膜が形成される。そして、そのレジスト膜に対し、複数回の露光および現像から成る処理工程が繰り返される。これにより、基板上に、高アスペクト比を有するレジストパターンが完成する。
【0004】
また、特許文献2のレジストパターンの製造方法では、支持基板のベースメタル層上に、ポジ型レジスト材料で層が形成される。さらに、形成されたポジ型レジスト材料層の上に、遮光膜を介しながら、再びポジ型レジスト材料で層が形成される。そして、この工程が繰り返されることで、支持基板上に、遮光膜を介しながらポジ型レジスト材料層が積み上がる。
【0005】
その後、最上のポジ型レジスト材料層に対して、マスクを用いて露光と現像とが行われることで、ポジ型レジスト材料層に開口部が形成され、さらに、その開口部から露出する遮光膜がエッチングで除去される。そして、エッチングにより除去された遮光膜をマスクとしたポジ型レジスト材料層の露光・現像、さらには、遮光膜のエッチングが繰り返される。これにより、支持基板上に、高アスペクト比を有するレジストパターンが完成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−88159号公報(図1参照)
【特許文献2】特開2002−148817号公報(図5参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のレジストパターンの製造方法では、製造負担が比較的重い。なぜなら、特許文献1の製造方法では、特許文献1の図1に示すように、複数回の露光および現像から成る処理工程が行われる場合、毎回、フォトマスクが用いられるためである。その上、このようなフォトマスクが複数回用いられる場合、そのフォトマスクの位置は、毎回ズレやすく、レジストパターンのパターン精度が低下する。
【0008】
また、特許文献2のレジストパターンの製造方法も、製造負担が比較的重い。なぜなら、支持基板に積み上げられるポジ型レジスト材料層は、必ず遮光膜を介さねばならず、さらに、ポジ型レジスト材料層にパターンが刻まれるためには、遮光膜のエッチングも必要になるためである。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。そして、その目的は、簡単に、高アスペクト比のレジストパターンを製造できる製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
レジストパターンの製造方法では、透過性基板と、その透過性基板にて対向する第1面および第2面のうち、第1面に、高低差のある透過部と遮光部とを並べ、高い方の上記透過部をマスクの窓部に、低い方の遮光部、および、その遮光部上に位置し透過部から成る媒質よりも低屈折率な媒質をマスクの被覆部にしたマスクパターン層と、を含む土台ユニットを用いる。詳説すると、この土台ユニットに対し、以下の工程が行われる。
【0011】
すなわち、土台ユニットのマスクパターン層上に、ネガレジスト材料層を形成し、透明基板の第2面からの露光によるフォトリソグラフィー法で、ネガレジスト材料層を透過部だけに重なるように残すことで、レジストパターンを形成する工程(1)が行われる。
【0012】
このようになっていると、露光の光が、透過部の領域から遮光部上の領域に進入しようとしても、領域間の境界で全反射が起きやすく、遮光部上の領域に光が進入しない。そのため、マスクパターン層に応じた露光が、ネガレジスト材料層になされる。そのため、土台ユニットにおけるマスクパターン層上のネガレジスト材料層は、別個のフォトマスク等を要することなく、パターンを刻まれ、レジストパターンに変化する。つまり、簡単にレジストパターンが形成される。
【0013】
また、透過部と残ったネガレジスト材料の一部とを新たな透過部とし、その新たな透過部をマスクの窓部に、遮光部と遮光部上に位置し新たな透過部から成る媒質よりも低屈折率な媒質とをマスクの被覆部にした新たなマスクパターン層とし、さらに上記(1)の工程が行われるとよい。
【0014】
このようになっていると、既にパターン化されたネガレジスト材料層がマスクパターン層として機能するので、新たなネガレジスト材料層も、別個のフォトマスク等を要することなく、パターンを刻まれ、レジストパターンに変化する。そのため、(1)の工程が繰り返されれば、レジストパターンが簡単に積み上がり、それらは高アスペクトなレジストパターンとなる。
【0015】
なお、低屈折率の媒質が空気であると望ましい。
【0016】
また、ネガレジスト材料層の一例としては、ドライフィルムが挙げられる{なお、ドライフィルムとは、光によって固まる樹脂(フォトレジスト層)がポリエチレン等のフィルムによって挟まれたフィルム状のレジストのことである}。また、ネガレジスト材料層は、基材層、離型層、および塗布型レジスト層を、この順で積み重ねた積層型ネガレジストユニットにあって、剥離後の塗布型レジスト層であってもよい。また、ネガレジスト材料層は、塗布可能な液体状のネガレジスト材料で形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、フォトマスク等を要せず、簡単に、高アスペクト比のレジストパターンを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】は、第1レジストパターンに進行する光の軌跡を示した平面図である。
【図2】では、(A)〜(F)の各々は、ドライフィルムを用いたレジストパターンの製造方法における一工程を示す断面図である。
【図3】では、(G)〜(J)の各々は、ドライフィルムを用いたレジストパターンの製造方法における一工程を示す断面図である。
【図4】では、(K)〜(M)の各々は、ドライフィルムを用いたレジストパターンの製造方法における一工程を示す断面図である。
【図5】は、レジストパターンを示す走査型電子顕微鏡の写真である。
【図6】は、レジストパターンを示す走査型電子顕微鏡の写真である。
【図7】では、(A)〜(C)は、剥離型ネガレジストユニットを用いたレジストパターンの製造方法における一工程を示す断面図である。
【図8】では、(D)〜(F)は、剥離型ネガレジストユニットを用いたレジストパターンの製造方法における一工程を示す断面図である。
【図9】では、(A)〜(D)は、SOGを用いたレジストパターンの製造方法における一工程を示す断面図である。
【図10】では、(E)〜(G)は、SOGを用いたレジストパターンの製造方法における一工程を示す断面図である。
【図11】では、(A)〜(C)は、化学増幅型のネガレジスト材料を用いたレジストパターンの製造方法における一工程を示す断面図である。
【図12】では、(D)・(E)は、化学増幅型のネガレジスト材料を用いたレジストパターンの製造方法における一工程を示す断面図である。
【図13】では、(P)〜(R)は、化学増幅型のネガレジスト材料を用いたレジストパターンの製造方法における一工程を示す断面図である。
【図14】では、(A)はフォトマスクを示す斜視図であり、(B)は(A)のフォトマスクを用いて製造されるレジストパターン(パターン構造物)の斜視図である。
【図15】では、(A)はフォトマスクを示す斜視図であり、(B)は(A)のフォトマスクを用いて製造されるレジストパターン(パターン構造物)の斜視図である。
【図16】は、レジストパターン(パターン構造物)の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施の形態1]
実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、便宜上、ハッチングおよび部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。逆に、断面図以外であっても、便宜上、ハッチングを付す場合もある。また、図面上での黒丸は紙面に対し垂直方向を意味し、白色矢印は光を意味する。さらに、記載される数値例は、一例にすぎず、その数値に限定されるものではない。
【0020】
図16は、例えば、微細加工技術を用いて製造されるパターン構造物PSである。このようなパターン構造物PSは、種々の分野にて利用されるものであり、昨今では、アスペクト比の高いものが要望されている{なお、アスペクト比とは、パターン構造物PSに含まれるレジストパターンRPの高さ(H)をパターン片BKの幅(W)で除算した値のことである}。そこで、以下に、高アスペクト比を有するレジストパターンRP、ひいてはパターン構造物PSの製造方法について、図16に加えて、図2A〜図4Mを用いて説明する(なお、図16における“P”は、レジストパターンRPの周期を意味する)。
【0021】
なお、便宜上、レジストパターンRPの高さ方向をX方向、パターン片BKの並ぶ方向をY方向、X方向およびY方向に対して交差する(例えば直交する)方向をZ方向とする。また、便宜上、材料自体および層になった材料にも同じ部材番号を付す。また、レジストパターンRPに付される数値、後述のドライフィルムDFに付される数値は、ガラス基板11に近い側からの順番を意味する。
【0022】
まず、図2Aに示すように、パターン構造物PSの土台になる透光性の(光を通過させる)ガラス基板11の表面(第1面)11fに、遮光材料の一例であるクロム(Cr)12が、蒸着されて層(膜)となる[遮光材料層形成工程]。
【0023】
続いて、図2Bに示すように、クロム層12を覆うようにして、レジスト(感光性材料)13が塗布され、さらに、レジスト13に含まれる有機溶剤を蒸発させるべく、その塗布されたレジスト13はプリベークされる[レジスト層形成工程]。なお、レジスト13はポジ型またはネガ型のいずれであってもかまわないが、図中のレジスト13はポジ型である。
【0024】
その後、図2Cに示すように、レジスト層13にフォトマスクPMが被せられる。このフォトマスクPMは、透過性を有する基板21上に、遮光片22を縞模様に敷き詰めたものである(なお、レジスト層13とフォトマスクPMの遮光片22とは密着していると望ましい)。そして、この縞模様(ライン&スペース構造)のフォトマスクPMを介して、紫外線(UV)等の光がレジスト層13に照射される[レジスト層露光工程]。
【0025】
その後、フォトマスクPMは、レジスト層13から外され、図2Dに示すように、現像液によって現像される。すなわち、レジスト層13にて光照射された部分が現像により除去される[レジスト層現像工程]。なお、フォトマスクPMに合わせてパターン化したレジスト層13は、クロム層12との密着度を高めるべくポストベークされる。
【0026】
次に、図2Eに示すように、パターン化したレジスト層13をマスクとして、クロム層12に対してエッチングが行われる[遮光材料層エッチング工程]。なお、ここでのエッチングは、ドライエッチングであってもウエットエッチングであってもかまわない。そして、エッチングされることでパターン化したクロム層12を覆うレジスト13は、図2Fに示すように、有機溶剤によって溶融除去される[レジスト層溶融工程]。
【0027】
ここまでの工程を経ることで、ガラス基板11の表面11fに、クロム層12の存在しない透過領域と、クロム層12の位置する遮光領域とが交互に並ぶ。そのため、このパターン化されたクロム層12を敷き詰めたガラス基板11をマスクとして使用できる(なお、このようなクロム層12とガラス基板11とを含むユニットをマスクユニットMUと称する)。
【0028】
そこで、このマスクユニットMUにおけるガラス基板11の表面11f側の面(マスク面MUSとも称する)に、図3Gに示すように、ネガ型のドライフィルムDFが被せられる[ネガレジスト材料層形成工程]。そして、このドライフィルムDF(1層目ドライフィルムDF1)は、図3Hに示すように、表面11fに対向するガラス基板11の裏面(第2面)11rから、紫外線(UV)等の光を受ける[ネガレジスト材料層露光工程]。
【0029】
すると、光はガラス基板(透過性基板)11を通過するものの、パターン化したクロム層12によって一部を遮られる。一方で、遮られなかった光はドライフィルムDF1に到達する。その結果、ドライフィルムDF1は、図3Hに示すように、クロム層12の間隙を通過してくる光によって露光される(なお、露光されたドライフィルムDF1の部分は網点のハッチングを付す)。
【0030】
露光されたドライフィルムDF1はネガ型である(例えば、エポキシ系ネガ型厚膜レジスト;一例としては、化薬マイクロケム株式会社製のSU−8)。そのため、図3Iに示すように、露光されなかったドライフィルムDF1の部分、すなわち、クロム層12に重なるドライフィルムDF1の部分は、現像液によって除去される[ネガレジスト材料層現像工程]。すると、ドライフィルムDF1には、除去部分(溝部DH)が並列することで、パターンが形成される。
【0031】
このようなパターン化された層状のドライフィルムDF1は、例えば、比較的厚くなっていれば、高アスペクトなレジストパターンRPといえる。なお、このようなレジストパターンRPの製造過程では、ドライフィルムDF1とマスク面MUSとが比較的強固に密着させられる。そのため、例えば、空気のような光を散乱させる媒質がドライフィルムDF1とマスク面MUSとの間に介在しにくい。
【0032】
すると、ガラス基板11の裏面11rからの露光で、光が散乱することなく所望方向に進み、精度よくドライフィルムDF1の一部が感光する。その結果、高精度(高解像度)のレジストパターンRPが完成する。
【0033】
そして、さらなる高アスペクトのレジストパターンRPを製造するには、以下の工程を経るとよい。なお、便宜上、マスクユニットMUのマスク面MUSに密着するレジストパターンRPは、第1レジストパターンRP1と称する場合がある。
【0034】
まず、図3Iに示されるパターン構造物PSは、ガラス基板11の表面11fに、高低差のある第1レジストパターン(透過部)RP1とクロム層(遮光部)12とを混在させる(並べる)。すると、ガラス基板11の裏面11rから光が入射する場合、透過性(屈折率1.6程度)を有する高い方の第1レジストパターンRP1がマスクの窓になる一方、低い方のクロム層12とそのクロム層12上に位置する空気(すなわち、溝部DHを埋める空気という媒質)とがマスクの被覆部になる。
【0035】
そこで、この第1レジストパターンRP1をマスクの窓部、クロム層12およびクロム層12上に位置する空気(屈折率1.0)をマスクの被覆部、とするパターンを、マスクパターン層MPにする。さらに、このマスクパターン層MPとガラス基板11とを合わせたものを土台ユニットUTとする。
【0036】
そして、図3Jに示すように、土台ユニットUTのマスクパターン層MP上に、新たなドライフィルムDF(2層目ドライフィルムDF2)が被せられる[ネガレジスト材料層形成工程]。その後、図4Kに示すように、ガラス基板11の裏面11rからの紫外線等の光が、マスクパターン層MPを介して、2層目ドライフィルムDF2に照射される[ネガレジスト材料層露光工程]。
【0037】
すると、ガラス基板11を通過してきた光のうち、一部の光はクロム層12によって遮られ、残りの光は第1レジストパターンRP1を通過し、さらに、2層目ドライフィルムDF2に到達する(なお、露光された2層目ドライフィルムDF2の部分は網点のハッチングを付す)。
【0038】
詳説すると、図1に示すように、第1レジストパターンRP1に進入する光のうち、一部の光は、第1レジストパターンRP1の厚み方向(X方向と同方向)に沿って、回折することなく直進し、2層目ドライフィルムDF2に到達する(一点鎖線矢印参照)。
【0039】
また、第1レジストパターンRP1に進入する光のうち、残りの光の大部分は、第1レジストパターンRP1からマスクパターン層MPの空気の領域に進入しようとする(点線矢印参照)。しかしながら、その光は、第1レジストパターンRP1と空気との境界に対し、臨界角を超えて入射する。そのため、その光は、全反射し、空気に進入することなく、第1レジストパターンRP1内を導波する。そして、その導波した光は、第1レジストパターンRP1を通過し、2層目ドライフィルムDF2に到達する(つまり、クロム層12だけでなく、空気がマスクの被覆部の役割を果たす)。
【0040】
その結果、このような第1レジストパターンRP1における光の挙動により、その第1レジストパターンRP1に重なる2層目ドライフィルムDF2の部分のみが露光される(図4K参照)。そして、図4Lに示すように、現像により、第1レジストパターンRP1に重なる2層目ドライフィルムDF2の部分は除去されずに残る一方、クロム層12およびクロム層12上の空気に重なる2層目ドライフィルムDF2の部分は除去される[ネガレジスト材料層現像工程]。
【0041】
すると、第1レジストパターンRP1上には、パターン化された2層目ドライフィルムDF2(第2レジストパターンRP2)が積み重なる。つまり、マスクパターン層MP上に被せられた2層目ドライフィルムDF2が、ガラス基板11の裏面11rからの露光によるフォトリソグラフィー法で、第1レジストパターンRP1だけに重なるように残る。その結果、図5および図6に示す走査型電子顕微鏡(SEM)の写真に示すように、積層型のレジストパターンRPが完成する。
【0042】
なお、このレジストパターンRPを積み重ねる工程は、図4Mに示すように、適宜、繰り返されてもよい。
【0043】
詳説すると、第1レジストパターンRP1と残った2層目ドライフィルムDF2の一部(すなわち、層状の第2レジストパターンRP2)とを新たな透過部とする。そして、この新たな透過部をマスクの窓部、クロム層12およびそのクロム層12上に位置する空気をマスクの被覆部、とする新たなマスクパターン層MPにする。続いて、この新たなマスクパターン層MPに対し、さらなるドライフィルムDF(3層目ドライフィルムDF3)を被せ、そのドライフィルムDF3に対して、ガラス基板11の裏面11rからの露光によるフォトリソグラフィー法を行えばよい。
【0044】
以上のような製造工程を経ることで、図16に示すように、積み重なることで多層化したレジストパターンRP、ひいては、このレジストパターンRPを含むパターン構造物PSが製造される。特に、レジストパターンRPが積み重なっていくことで、アスペクト比が比較的簡単に高められる。
【0045】
その上、露光の工程では、露光されるドライフィルム(例えば、2層目ドライフィルムDF2)の直下のレジストパターンRP(例えば、第1レジストパターンRP1)が、マスクパターン層MPとして機能する。そのため、レジストパターンRPはずれることなく積み重なる。つまり、この製造方法では、自己整合的に、レジストパターンRPが積み重なる。したがって、例えば、別個のマスクが不要になるだけでなく、マスクパターン層MPの位置合わせも不要である(要は、このレジストパターンRPの製造方法は、極めて簡単といえる)。
【0046】
また、この製造方法では、ガラス基板11の裏面11rから光が入射する。そのため、ガラス基板11に近いドライフィルムDFほど受光量が多くなり、その受光量の多い部分が現像によって残部となる場合、その残部の強度は比較的高い。したがって、多層のレジストパターンRP(ひいては、パターン構造物PS)の根元付近が硬くなり、構造物としての安定度が増す。
【0047】
ところで、図5および図6に示されるレジストパターンRPは、以下の数値条件(A1)〜(A6)で製造されたものである。
・フォトマスクPMにおける遮光片22の幅(Y方向の幅);5.5μm程度…(A1)
・フォトマスクPMにおける窓の幅(Y方向の幅) ;2.5μm程度…(A2)
・フォトマスクPMにおける遮光片の周期(ピッチ) ;8μm程度 …(A3)
・露光に用いた光の波長 ;360nm程度…(A4)
・1層目ドライフィルムDF1の膜厚 ;25μm程度 …(A5)
・2層目ドライフィルムDF2の膜厚 ;12μm程度 …(A6)
【0048】
なお、ドライフィルムDFの厚みは、以下の理由から制限がある。例えば、ガラス基板11の裏面11rから露光がされる場合、フォトマスクPMの窓を通過する光には、回折が生じることで、光が拡がり、フォトマスクPMの形状を忠実に転写できない。そして、一般的に、フレネル回折近似が成り立つ領域(フレネル領域FA)は、以下の式(1)の範囲とされている。
2/λ≦FA≦2×D2/λ … 式(1)
ただし、
D:マスクの窓(開口幅)
λ:光の波長
である。
【0049】
すると、上記の(A2)・(A4)を用いて式(1)の範囲を求めると、以下のようになる。
2.52(μm)/0.36(μm)≦FA≦2×2.52(μm)/0.36(μm)
≒17(μm)≦FA≦35(μm)
【0050】
これにより、ガラス基板11に最も近い1層目ドライフィルムDF1であれば、フレネル領域FAの上限値程度の膜厚25(μm)程度であれば、フォトリソグラフィー法を用いて、その1層目ドライフィルムDF1を第1レジストパターンRP1に変化させられることがわかる。
【0051】
ただし、ガラス基板11から離れる2層目ドライフィルムDF2の場合、第1層目ドライフィルムDF1を導波してきた光により露光されることで、回折による光の広がりがより大きくなるために、露光が十分になされない可能性がある。そこで、第2層目ドライフィルムDF2は、第1層目ドライフィルムDF1よりも薄い膜厚12(μm)程度であると望ましいといえる。
【0052】
なお、露光の光の波長を短くすることで、フレネル領域FAの拡大を図ることも考えられる。しかしながら、波長の短い光は、高効率でネガレジスト材料に吸収される特質がある。そのため、例えば、第1レジストパターンRP1を含むマスクパターン層MPを介した露光の場合に、光が第1レジストパターン層RP1に吸収されてしまい、2層目ドライフィルムDF2にまで光が届きにくくなる。
【0053】
[実施の形態2]
実施の形態2について説明する。なお、実施の形態1で用いた部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0054】
実施の形態1では、土台ユニットUTに対して、取り扱い容易なドライフィルム(2層目ドライフィルムDF2等)が積層していき、レジストパターンRP、ひいてはパターン構造物PSが製造されていた。しかし、積層されるネガレジスト材料層は、ドライフィルムDFに限定されるものではない。そこで、別例の製造方法について説明する。
【0055】
なお、以下のような製造方法であっても、実施の形態1同様に、多層化した(高アスペクトな)レジストパターンRP(ひいては、パターン構造物PS)が簡単に製造される。また、実施の形態1同様、これらの製造方法は、製造負荷を軽減でき、さらに、強度を安定させたレジストパターンRPを製造できる。
【0056】
一例として挙げられる製造方法では、液状のネガレジスト材料が、積層されるネガレジスト材料層に用いられる。例えば、後述の図7Bに示すように、基材層31の上に離型層32が重なられ、さらに、その離型層32の上に、液状のネガレジスト材料NL(NL1)が塗られ、硬化したものを使用してもよい。
【0057】
なお、基材層31、離型層32、および液状のネガレジスト材料NL1が層化したもの(塗布硬化型レジスト層NL1)を、この順で積み重ねたものを、剥離型ネガレジストユニットENUと称する。そこで、このような剥離型ネガレジストユニットENUを用いたレジストパターンRPの製造方法について、図7A〜図8Fを用いて説明する。
【0058】
まず、図7Aに示すような土台ユニットUTに対して、剥離型ネガレジストユニットENUが被せられる。詳説すると、図7Bに示すように、土台ユニットUTにおけるマスクパターン層MPと、剥離型ネガレジストユニットENUの塗布硬化型レジスト層NL1とが密着させられる[ネガレジスト材料層形成工程]。その後、図7Cに示すように、ガラス基板11の裏面11rからの紫外線等の光が塗布硬化型レジスト層NL1に照射される[ネガレジスト材料層露光工程]。
【0059】
すると、透光性のガラス基板11を通過してきた光のうち、一部の光はクロム層12によって遮られ、残りの光は第1レジストパターンRP1を通過し、さらに、塗布硬化型レジスト層NL1に到達する(なお、露光された塗布硬化型レジスト層NL1の部分は網点のハッチングを付す)。そして、露光された塗布硬化型レジスト層NL1の部分は硬化する。
【0060】
このような露光が完了した後、図8Dに示すように、離型層32と基材層11とが塗布硬化型レジスト層NL1から剥がされる[不要層剥離工程]。その後、図8Eに示すように、現像により、第1レジストパターンRP1に重なる塗布硬化型レジスト層NL1の部分は除去されずに残る一方、クロム層12およびクロム層12上の空気に重なる塗布硬化型レジスト層NL1の部分は除去される[ネガレジスト材料層現像工程]。
【0061】
その結果、第1レジストパターンRP1上に、塗布硬化型レジスト層NL1で形成される第2レジストパターンRP2が積み重なる。なお、このレジストパターンRPを積み重ねる工程は、図8Fに示すように、適宜、繰り返されてもよい。
【0062】
詳説すると、第1レジストパターンRP1と残った塗布硬化型レジスト層NL1の一部(すなわち、第2レジストパターンRP2)とを新たな透過部とする。そして、この新たな透過部をマスクの窓部、クロム層12およびそのクロム層12上に位置する空気をマスクの被覆部、とする新たなマスクパターン層MPにする。続いて、この新たなマスクパターン層MPに対し、新たな剥離型ネガレジストユニットENUを被せ、その剥離型ネガレジストユニットENUの塗布硬化型レジスト層NL1に対して、ガラス基板11の裏面11rからの露光によるフォトリソグラフィー法が行われればよい。
【0063】
なお、以上の製造方法では、塗布硬化型レジスト層NL1が露光により硬化した後、その塗布硬化型レジスト層NL1から、離型層32と基材層31とが剥がされていた。しかし、これに限定されるものではない。すなわち、剥離型ネガレジストユニットENUが、土台ユニットUTに被せられた後で、露光前に、離型層32と基材層31とが塗布硬化型レジスト層NL1から剥がされてもかまわない。
【0064】
次の別例を説明する。別例としては、図9A〜図10Gに示すような、レジストパターンRPの製造方法も一例として挙げられる。まず、図9Aに示すような土台ユニットUTに対して、第1層目レジストパターンRP1の有する屈折率(1.6程度)よりも低い材料、例えば、屈折率1.4程度のSOG(Spin On Glass)41を塗布する。
【0065】
詳説すると、図9Bに示すように、土台ユニットUTにおけるマスクパターン層MPに対して、SOG41がスピンナー等により塗布される。これにより、SOG41が、クロム層12と第1レジストパターンRP1とによって囲まれる溝部DHに埋まる。
【0066】
このようにして、第1レジストパターンRP1の溝部DHが埋まると、SOG41と第1レジストパターンRP1とで、マスクパターン層MPが形成される。そこで、図9Cに示すように、土台ユニットUTのマスクパターン層MP上に、液状のネガレジスト材料NL(NL2)を層状に塗布する[ネガレジスト材料層形成工程]。その後、図9Dに示すように、ガラス基板11の裏面11rからの紫外線等の光が、塗布された層状のネガレジスト材料NL2に照射される[ネガレジスト材料層露光工程]。
【0067】
すると、実施の形態1に類似した光の挙動が生じる。すなわち、ガラス基板11を通過してきた光のうち、一部の光はクロム層12によって遮られ、残りの光は第1レジストパターンRP1を通過し、さらに、ネガレジスト材料NL2に到達する(なお、露光されたネガレジスト材料NL2の部分は網点のハッチングを付す)。
【0068】
詳説すると、第1レジストパターンRP1に進入する光のうち、一部の光は、第1レジストパターンRP1の厚み方向に沿って、回折することなく直進し、ネガレジスト材料NL2に到達する。
【0069】
また、第1レジストパターンRP1に進入する光のうち、残りの光の大部分は、第1レジストパターンRP1からマスクパターン層MPのSOG41の領域に進入しようとする。しかしながら、その光は、第1レジストパターンRP1とSOG41との境界に対し、臨界角を超えて入射する。そのため、その光は、全反射し、SOG41に進入することなく、第1レジストパターンRP1内を導波する。そして、その導波した光は、第1レジストパターンRP1を通過し、ネガレジスト材料NL2に到達する(つまり、クロム層12だけでなく、SOG41がマスクの被覆部の役割を果たす)。
【0070】
その結果、このような第1レジストパターンRP1における光の挙動により、その第1レジストパターンRP1に重なるネガレジスト材料NL2の部分のみが露光される(図9D参照)。そして、図10Eに示すように、現像により、第1レジストパターンRP1に重なるネガレジスト材料NL2の部分は除去されずに残る一方、クロム層12およびSOG41に重なるネガレジスト材料NL2の部分は除去される[ネガレジスト材料層現像工程]。
【0071】
すると、第1レジストパターンRP1上には、パターン化された層状のネガレジスト材料NL2(第2レジストパターンRP2)が積み重なる。なお、このレジストパターンRPを積み重ねる工程は、適宜、繰り返されてもよい。
【0072】
詳説すると、図10Fに示すように、第2レジストパターンRP2に対して、SOG41がスピンコート等により塗布される。ここで、第1レジストパターンRP1と残った層状のネガレジスト材料NL2の一部(すなわち、第2レジストパターンRP2)とを新たな透過部とする。また、この新たな透過部をマスクの窓部、クロム層12およびそのクロム層12上に位置するSOG41をマスクの被覆部、とする新たなマスクパターン層MPにする。
【0073】
そして、図10Gに示すように、SOG41で埋まった第2レジストパターンRP2上に、液状のネガレジスト材料NL2が塗布される[ネガレジスト材料層形成工程]。その後、塗布されたネガレジスト材料NL2に対して、ガラス基板11の裏面11rからの露光によるフォトリソグラフィー法が行われればよい。なお、このようなフォトリソグラフィー法が繰り返し行われることで、所望のアスペクト比を有するレジストパターンが形成されれば、最後に、フッ酸等により、SOG41は溶解除去される。
【0074】
また、別例として、図11A〜図12Eに示されるような、化学増幅型のネガレジスト材料を用いたレジストパターンRPの製造方法もある。化学増幅型のネガレジスト材料では、露光(光反応)により酸が生成され、露光の後に行われる熱処理(ポストベーク)で生成した酸が触媒になって、内部の基材樹脂が反応し、パターンが形成される。
【0075】
そして、このような化学増幅型のネガレジスト材料では、感光した部分と未感光の部分とで、屈折率に差が生じる。例えば、上述したSU−8等の一部の化学増幅型レジストでは、感光した部分の屈折率は、未感光の部分の屈折率よりも大きい。そこで、この屈折率差の現象を利用して、レジストパターンRPが製造される。
【0076】
まず、図11Aに示すような土台ユニットUTに対して、液状の化学増幅型レジスト材料NL(NL3)を塗布する。詳説すると、図11Bに示すように、土台ユニットUTにおけるマスクパターン層MPに対して、化学増幅型ネガジスト材料NL3がスピンナー等により塗布される[ネガレジスト材料層形成工程]。
【0077】
これにより、化学増幅型ネガジスト材料NL3が、クロム層12と第1レジストパターンRP1とによって囲まれる溝部DHに埋まる。その上、化学増幅型ネガジスト材料NL3の滴下量を調整することで、マスクパターン層MP上に、厚みを有する化学増幅型ネガジスト材料NL3の膜(層)が形成される。
【0078】
その後、図11Cに示すように、ガラス基板11の裏面11rからの紫外線等の光が、化学増幅型ネガジスト材料NL3に照射される[ネガレジスト材料層露光工程]。すると、感光する化学増幅型ネガジスト材料NL3の部分(第1レジストパターンRP1に重なる部分)と未感光の化学増幅型ネガジスト材料NL3の部分(クロム層12に重なる化学増幅型ネガジスト材料NL3の部分)とで、屈折率差が生じる(なお、露光された化学増幅型ネガジスト材料NL3の部分は網点のハッチングを付す)。
【0079】
そのため、実施の形態1に類似した光の挙動が生じる。すなわち、ガラス基板11を通過してきた光のうち、一部の光はクロム層12によって遮られ、残りの光は第1層レジストパターンRPを通過し、さらに、化学増幅型ネガジスト材料NL3に到達する。
【0080】
詳説すると、第1レジストパターンRP1に進入する光のうち、一部の光は、第1レジストパターンRP1の厚み方向に沿って、回折することなく直進し、化学増幅型ネガジスト材料NL3に到達する。
【0081】
また、第1レジストパターンRP1に進入する光のうち、残りの光の大部分は、第1レジストパターンRP1から第1レジストパターンRP1の溝部DHに埋まる化学増幅型ネガジスト材料NL3に進入しようとする。しかしながら、その光は、第1レジストパターンRP1と化学増幅型ネガジスト材料NL3との境界に対し、臨界角を超えて入射する。
【0082】
そのため、その光は、全反射し、化学増幅型ネガジスト材料NL3に進入することなく、第1レジストパターンRP1内を導波する。そして、その導波した光は、第1レジストパターンRP1を通過し、化学増幅型ネガジスト材料NL3に到達する(つまり、クロム層12だけでなく、未感光の化学増幅型ネガレジスト材料NL3がマスクの被覆部の役割を果たす)。
【0083】
その結果、このような第1レジストパターンRP1における光の挙動により、その第1レジストパターンRP1に重なる化学増幅型ネガジスト材料NL3の部分のみが露光される(図11C参照)。その後、化学増幅型ネガジスト材料NL3に対し、熱処理が加えられることで、露光により生成した酸を触媒とする化学反応が発生し、露光部分が固まる[熱処理工程]。
【0084】
そして、図12Dに示すように、現像により、第1レジストパターンRP1に重なる化学増幅型ネガジスト材料NL3の部分は除去されずに残る一方、未感光の化学増幅型ネガジスト材料NL3の部分は除去される[ネガレジスト材料層現像工程]。
【0085】
すると、第1レジストパターンRP1上には、パターン化された化学増幅型ネガジスト材料NL3(第2レジストパターンRP2)が積み重なる。なお、このレジストパターンRP積み重ねる工程は、適宜、繰り返されてもよい。
【0086】
詳説すると、図12Eに示すように、第2レジストパターンRP2に対して、新たに化学増幅型ネガジスト材料NL3がスピンコート等により塗布される。ここで、第1レジストパターンRP1と残った層状の化学増幅型ネガジスト材料NL3の一部(すなわち、第2レジストパターンRP2)とを新たな透過部とする。また、この新たな透過部をマスクの窓部、クロム層12およびそのクロム層12上に位置する未感光の化学増幅型ネガジスト材料NL3をマスクの被覆部、とする新たなマスクパターン層MPにする。そして、図12Eに示すように、新たに塗布された化学増幅型ネガジスト材料NL3に対して、ガラス基板11の裏面11rからの露光によるフォトリソグラフィー法が行われればよい。
【0087】
なお、このレジストパターンRPを積み重ねる工程が繰り返される場合に、各工程で現像が必要になるとは限らない。例えば、図11Cに示される化学増幅型ネガジスト材料NL3の露光と熱処理が行われた後、図13Pに示すように、現像することなく、化学増幅型ネガジスト材料NL3が、熱処理後の化学増幅型ネガレジスト材料NL3(すなわち、第2レジストパターンRP2)上に塗布されてもよい[ネガレジスト材料層形成工程]。
【0088】
そして、図13Qに示すように、第1レジストパターンRP1とそれに重なる熱処理後の化学増幅型ネガジスト材料NL3の一部(すなわち、第2レジストパターンRP2)とを新たな透過部とする。また、この新たな透過部をマスクの窓部、クロム層12およびそのクロム層12上に位置する未感光の化学増幅型ネガジスト材料NL3をマスクの被覆部、とする新たなマスクパターン層MPにする。そして、図13Qに示すように、新たに塗布された化学増幅型ネガジスト材料NL3は、ガラス基板11の裏面11rから露光される[ネガレジスト材料層露光工程]。
【0089】
その後、新たな化学増幅型ネガジスト材料NL3に対し、熱処理が加えられることで、露光部分が固まる[熱処理工程]。最後に、図13Rに示すように、現像により、未感光の化学増幅型ネガジスト材料NL3の部分が除去され[ネガレジスト材料層現像工程]、所望の高アスペクト比を有するレジストパターンRPが形成される。
【0090】
[その他の実施の形態]
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0091】
例えば、以上の製造方法では、マスクユニットMUが形成される場合に、縞模様のフォトマスクPMが用いられていた(図2C参照)。そのため、土台ユニットUTにおける第1レジストパターンRP1も縞模様になり、さらに、その土台ユニットUTを利用して作られるレジストパターンRP(例えば、第2レジストパターンRP2)も縞模様になっていた。しかし、レジストパターンRPの模様は、縞模様に限定されるものではない(いいかえると、レジストパターンRPのパターン片BKの形状は、直方体に限られるものではない)。
【0092】
例えば、図14Aに示すように、フォトマスクPMが、透過性(透光性)を有する基板21上に円柱状の遮光片22を敷き詰めたものである場合、土台ユニットUT上に積み重なって完成するレジストパターンRPは、図14Bに示すようになる。すなわち、円柱状の空洞CYを内蔵する層を積み上げたレジストパターンRPになる。
【0093】
また、図15Aに示すように、フォトマスクPMが、円柱状の開孔24を敷き詰めた遮光プレート25の場合、土台ユニットUT上に積み重なって完成するレジストパターンRPは、図15Bに示すようになる。すなわち、積み上がる円柱状のパターン片BKを敷き詰めたレジストパターンPSになる。
【0094】
つまり、以上の製造方法であれば、フォトマスクPMにおける遮光領域の形状と、その遮光領域以外の透過領域の形状とによって、種々形状のレジストパターンRP(ひいては、パターン構造物PS)が形成される。
【符号の説明】
【0095】
RP レジストパターン
DF ドライフィルム
PS パターン構造物
MU マスクユニット
MUS マスク面
11 ガラス基板(透過性基板)
11f ガラス基板の表面(第1面)
11r ガラス基板の裏面(第2面)
12 クロム層(遮光材料層)
13 レジスト層
PM フォトマスク
21 透過性を有する基板
22 遮光片
24 開孔
25 遮光プレート
UT 土台ユニット
DH 溝部
NL ネガレジスト材料(ネガレジスト材料層)
ENU 剥離型ネガレジストユニット
31 基材層
32 離型層
NL1 塗布硬化型レジスト層(ネガレジスト材料層)
NL2 液状のネガレジスト材料(ネガレジスト材料層)
NL3 化学増幅型レジスト材料(ネガレジスト材料層)
41 SOG(低屈折率な媒質)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過性基板と、
上記透過性基板にて対向する第1面および第2面のうち、上記第1面に、高低差のあ
る透過部と遮光部とを並べ、高い方の上記透過部をマスクの窓部に、低い方の上記遮
光部、および、その遮光部上に位置し上記透過部から成る媒質よりも低屈折率な媒質を
マスクの被覆部にしたマスクパターン層と、
を含む土台ユニットに対して、
(1) 上記マスクパターン層上に、ネガレジスト材料層を形成し、上記第2面からの
露光によるフォトリソグラフィー法で、上記ネガレジスト材料層を上記透過部だ
けに重なるように残すことで、レジストパターンとする、
レジストパターンの製造方法。
【請求項2】
上記透過部と残った上記ネガレジスト材料の一部とを新たな透過部とし、
その新たな透過部をマスクの窓部に、上記遮光部と上記遮光部上に位置し新たな透過部から成る媒質よりも低屈折率な媒質とをマスクの被覆部にした新たなマスクパターン層とし、
さらに上記(1)の工程を行う請求項1に記載のレジストパターンの製造方法。
【請求項3】
上記の低屈折率の媒質が空気である請求項1または2に記載のレジストパターンの製造方法。
【請求項4】
上記ネガレジスト材料層は、ドライフィルムである請求項1〜3のいずれか1項に記載のレジストパターンの製造方法。
【請求項5】
上記ネガレジスト材料層は、基材層、離型層、および塗布型レジスト層を、この順で積み重ねた剥離型ネガレジストユニットあって、剥離後の塗布型レジスト層である請求項1〜3のいずれか1項に記載のレジストパターンの製造方法。
【請求項6】
上記ネガレジスト材料層は、塗布可能な液体状のネガレジスト材料で形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載のレジストパターンの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−210665(P2010−210665A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53475(P2009−53475)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】