説明

レジストパターン形成方法、及びそれを利用した金属パターン形成方法

【課題】パターン縁部の凸凹を抑制し、所望の形状のレジストパターンが得られるレジストパターン形成方法を提供すること。また、当該レジストパターン形成方法を利用した金属パターン形成方法を提供すること。
【解決手段】基板10上に形成したレジスト層40に、パターン露光を行う。次に、高解像度用の現像液を用いて、レジスト層40を現像し、レジスト層40に開口部(抜きパターン42)を形成する。次に、露光部及び非露光部のいずれも同じレートで溶解する溶液を用いて、レジスト層40を処理し、レジスト層40の開口部(抜きパターン42)の開口径を広げる。これにより、レジストパターンを形成する。そして、このレジストパターンを利用して金属パターンを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、LSI、ガリウム砒素(GaAs)IC等の半導体素子の製造に利用される、レジストパターン形成方法、及びそれを利用した金属パターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近来、LSI、ガリウム砒素(GaAs)IC等などの半導体素子の高速化のために、ゲート長の微細化が進められている。しかし、ゲート長が細くなると、その分抵抗が大きくなるという問題があった。
【0003】
これを解決するために、ゲート長方向に沿ってとって示した断面がT字型をしたゲート電極が開示されている(例えば非特許文献1、特許文献2)。このような型のゲート電極には、T字型の他に、Γ(ガンマ)型、マシュルーム型などと呼ばれるものがある。
【0004】
この型のゲート電極の作製方法として、例えば、特許文献1では次のような方法を開示している(非特許文献1の図5a、図5b参照)。すなわち、下地に、下層レジスト層としてZEP520(日本ゼオン社製)を0.2μm厚でコーティングし、次に、中間層レジスト層としてPMGI(MicroChem Corp.社製)を0.42μm厚でコーティングする。次に、再度、上層レジスト層としてZEP520(日本ゼオン社製)を0.25μm厚でコーティングする。次に、電子線による露光で描画した後、ZEP520に対するガンマ値の低い現像液、すなわちメチルエチルケトンとメチルイソブチルケトンの2:3混合現像液を用いて、上層レジスト層を現像し、次に、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの水溶液(現像液)で中間レジスト層を現像し、次に、メチルイソブチルケトンとイソプロピルアルコールの1:1混合現像液で下層レジスト層を現像し、レジストパターンを得る。そして、このレジストパターンに金属材料を埋め込んで、各レジスト層をリフトオフ(除去)することで、ゲート電極パターンを形成している。
【非特許文献1】J.Vac.Sci.Tech B13 p2725 − p2778
【特許文献2】特開平9−55389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記レジストパターン形成プロセスでは、上層レジスト層に対するアライメントマーク用や電極形成用のレジストパターン周囲(開口縁部の周囲)が大幅に除去されてしまい、パターン縁部が凸凹となったり、所望の形状のレジストパターンが形成されてないという問題がある。特に、電子線露光での描画では、基板からの反射する電子線が広範囲に及び、上層レジスト層を感光させてしまう。そして、ガンマ値の低く、感度の高い現像液を用いるとその部分も現像されてしまい、所望のレジストパターンが得られない。このような所望のレジストパターンが得られない状態で、例えば電極パターン(金属パターン)を形成すると、リフトオフ後に余計な金属パターンが大きな面積で形成されてしまい、この余分な部分は近くの金属パターンを干渉したり、剥がれてゴミになりやすいという問題を含んでいる。
【0006】
そこで、本発明の課題は、パターン縁部の凸凹を抑制し、所望の形状のレジストパターンが得られるレジストパターン形成方法を提供することである。また、本発明の課題は、当該レジストパターン形成方法を利用した金属パターン形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
基板上に、レジスト層を形成する工程と、
前記レジスト層を露光する工程と、
高解像度用の現像液を用いて、前記レジスト層を現像し、前記レジスト層に開口部を形成する工程と、
露光部及び非露光部のいずれも同じレートで溶解する溶液を用いて、前記レジスト層を処理し、前記開口部の開口径を広げる工程と、
を有することを特徴とするレジストパターン形成方法である。
【0008】
請求項2に係る発明は、
前記パターン露光を、電子線により行うことを特徴とする請求項1に記載のレジストパターン形成方法である。
【0009】
請求項3に係る発明は、
前記パターン露光を、波長250nm以下の電磁波により行うことを特徴とする請求項1に記載のレジストパターン形成方法である。
【0010】
請求項4に係る発明は、
高解像度用の現像液が、露光部と未露光部との溶解速度の差が10倍以上の現像液であることを特徴とする請求項1に記載のレジストパターン形成方法である。
【0011】
請求項5に係る発明は、
基板上に、第1レジスト層、第2レジスト層、及び第3レジスト層を順次積層する工程と、
前記第3レジスト層に露光する工程と、
高解像度用の第1現像液を用いて、前記第3レジスト層を現像し、前記第3レジスト層に第1開口部を形成する工程と、
露光部及び非露光部のいずれも同じレートで溶解する溶液を用いて、前記第3レジスト層を処理し、前記第1開口部の開口径を広げる工程と、
第2現像液を用いて、前記第2レジスト層を現像し、開口径を広げた前記第1開口部よりも幅が大きいと共に前記第1開口部と連通する第2開口部を形成する工程と、
第3現像液を用いて、前記第3レジスト層を現像し、開口径を広げた前記第1開口部よりも幅が小さいと共に前記第2開口部と連通する第3開口部を形成する工程と、
を有することを特徴とするレジストパターン形成方法である。
【0012】
請求項6に係る発明は、
前記パターン露光を、電子線により行うことを特徴とする請求項5に記載のレジストパターン形成方法である。
【0013】
請求項7に係る発明は、
前記パターン露光を、波長250nm以下の電磁波により行うことを特徴とする請求項5に記載のレジストパターン形成方法である。
【0014】
請求項8に係る発明は、
前記第1現像液と前記第3現像液とは、同一の現像液であることを特徴とする請求項5に記載のレジストパターン形成方法。
【0015】
請求項9に係る発明は、
高解像度用の第1現像液が、露光部と未露光部との溶解速度の差が10倍以上の現像液であることを特徴とする請求項5に記載のレジストパターン形成方法である。
【0016】
請求項10に係る発明は、
請求項5〜9のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法によりレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンの開口部に、金属材料を埋め込む工程と、
前記各レジスト層を除去する工程と、
を有することを特徴とする金属パターン形成方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、パターン縁部の凸凹を抑制し、所望の形状のレジストパターンが得られるレジストパターン形成方法を提供することができる。また、当該レジストパターン形成方法を利用した金属パターン形成方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
【0019】
図1は、実施形態に係る電極パターン形成方法を形成する工程を示す工程図である。
【0020】
本実施形態に係る電極パターン形成方法では、図1(A)に示すように、まず、基板10上に、下層レジスト層20(第1レジスト層)と、中間レジスト層30(第2レジスト層)と、上層レジスト層40(第3レジスト層)と、を順次積層する。
【0021】
ここで、下層レジスト層20の構成材料としては、高解像で、電子線に感度のあるレジスト材料が挙げられえる。具体的には、例えば、ZEP520(日本ゼオン社製)、ZEP7000(日本ゼオン社製)、PMMA(MicroChem Corp.社製)が挙げられる。
中間レジスト層30の構成材料としては、下層レジスト層20及び上層レジスト層40の現像時に影響を受けず(溶解せず)、且つ中間レジスト層30の現像時に下層レジスト層20及び上層レジスト層40に影響を与えず(溶解させず)に現像可能なレジスト材料が挙げられる。具体的には、例えば、PMGI(MicroChem Corp.社製)、LOR(MicroChem Corp.社製)が挙げられる。
上層レジスト層40の構成材料は、電子線に感度のあるレジスト材料が挙げられる。具体的には、例えば、ZEP520(日本ゼオン社製)、ZEP7000(日本ゼオン社製)、PMMA(MicroChem Corp.社製)が挙げられる。
【0022】
なお、本実施形態においては、各レジスト層は例えば次にように形成した。基板10としての3インチシリコンウエハ上に、ZEP520(日本ゼオン社製)を0.18μm厚で塗布し、ホットプレートで170℃で2分ベークして下層レジスト層20を形成する。次に、下層レジスト層20上に、PMGI(化薬ケミカル社製)を0.5μm厚で塗布し、ホットプレートで170℃で2分ベークして中間レジスト層30を形成する。次に、中間レジスト層30上に、ZEP520(日本ゼオン社製)を0.3μm厚で塗布し、ホットプレートで170℃で2分ベークして上層レジスト層40を形成する。ここで、本実施形態では、工程簡易化、同種の現像液使用の目的から、下層レジスト層20と上層レジスト層40とを同種のものを選択している。
【0023】
そして、図1(B)に示すように、基板10上に積層したレジスト層に対し、上層レジスト層40側から、電子線によるパターン露光を行い描画する。具体的には、例えば、基板上に積層したレジスト層を、電子線描画装置F5112(アドバンテスト、加速電圧50kV)にセットし、200μC/cmで描画する。この露光・描画パターンは、任意に形成され得るが、ゲート電極形成用の場合、例えば、単純なラインパターンを形成する。
【0024】
なお、本実施形態では、図2に示すように、0.1μm幅のラインパターン44Aと当該ラインパターン44Aの端部と連結する4×7μm四方のパッドパターン44Bを、露光パターン44として、露光・描画する。
【0025】
次に、図1(C)に示すように、第1現像液を用いて上層レジスト層40を現像する。これにより、上層レジスト層40の露光・描画した領域に抜きパターン42(第1開口部)が形成される。
【0026】
ここで、上層レジスト層40を現像するための第1現像液には、例えば、露光部を溶解させる高解像度用の現像液が適用される。この高解像度用の現像液とは、露光部と未露光部との溶解速度の差が大きく取れるもので、通常その比が10倍以上の現像液である。無論、この第1現像液は下層の中間レジスト層を溶解しないものから選択される。
具体的には、例えば、ZEPであればFSMRリンス液(冨士薬品工業、キシレン)、酢酸、n−ヘキシル、PMMAであればFSMRリンス液(冨士薬品工業、キシレン)、MIBKとIPAの混合液などがあげられる。
【0027】
なお、本実施形態では、第1現像液としてFSMRリンス液(冨士薬品工業、キシレン)を用いて2分現像した。これにより、0.1μm幅のラインパターンを露光・描画した領域では0.12μm幅の抜きラインパターン(第1開口部)が形成する。一方、4×7μmのパッドパターンを露光・描画した領域では、ほぼ同じ寸法で抜きパッドパターン(第1開口部)が形成する。
【0028】
次に、図1(D)に示すように、露光部及び非露光部のいずれも同じレートで溶解する溶液を用いて、上層レジスト層40を処理する。当該処理は、例えば当該溶液に、各レジスト層が積層された基板を浸漬することが行う。これにより、上層レジスト層40は等方的に溶解され、膜べりすると共に、形成された抜きパターン42の開口径が広がる(図1(D)拡大図参照)。
【0029】
ここで、用いる溶液は、露光部及び非露光部のいずれも同じレートで溶解、即ち露光部及び非露光部問わずレジスト層を同じように溶解する溶液である。無論、この溶液は下層の中間レジスト層を溶解しないものから選択される。具体的には、例えば、FSMR(冨士薬品工業、モノクロロベンゼン)が挙げられる。
【0030】
なお、本実施形態では、例えば、各レジスト層が積層された基板10を、FSMR溶液(冨士薬品工業、モノクロロベンゼン)に15秒浸漬する。これにより、0.12μm幅の抜きラインパターンは例えば0.46μmまで広がる。一方、寸法が4×7μm四方の抜きパッドパターンでは例えば4.2×7.2μm四方に広がる。
【0031】
ここで、抜きパターン42を広げるために用いる溶液によって、上層レジスト層40は、全体的に膜べりするが、露光・描画時の電子線の基板による反射電子により弱く露光されたところも同様に膜べりし、露光部と非露光部との差はこの時点で見えなくなった。
【0032】
また、本実施形態では、上記一連の現像、浸漬工程(上層レジスト層40への抜きパターン42形成、及び抜きパターン42拡大)は、例えば大日本スクリーン製SD−W60Aで行う。
【0033】
次に、図1(E)に示すように、第2現像液を用いて、中間レジスト層30を現像する。この現像は、抜きパターン42が形成された上層レジスト層40をマスクとして行われる。これにより、中間レジスト層30には、上層レジスト層40に形成された抜きパターン42と連通した抜きパターン32(第2開口部)が中間レジスト層30を貫通して形成される。この抜きパターン32は、開口径を広げた抜きパターン42よりも幅が大きく形成される。
【0034】
ここで、中間レジスト層30を形成するための第2現像液は、中間レジスト層30を溶解すると共に、上層レジスト層40及び下層レジスト層20を溶解しないものが選択される。具体的には、例えば、NMD−W(東京応化社製)、NMD−3(東京応化社製)、MF319(シップレイ社製)、ZTM−100(日本ゼオン社製)が挙げられる。
【0035】
なお、本実施形態では、例えば、第2現像液としてのNMD−W(東京応化)で70秒現像する。これにより、上層レジスト層40におけるラインパターン領域では、中間レジスト層30には例えば1.5μm幅の抜きラインパターンが形成される。一方、上層レジスト層40における抜きパッドパターン領域では、中間レジスト層30には例えば5×8μm四方に抜きパッドパターンが形成される。
【0036】
次に、図1(F)に示すように、第3現像液を用いて、下層レジスト層20を現像する。この現像は、上記電子線露光による露光部を現像する。これにより、下層レジスト層20には、中間レジスト層30に形成された抜きパターン32と連通した抜きパターン22(第3開口部)が下層レジスト層20を貫通して形成される。この抜きパターン22は、開口径を広げた抜きパターン42よりも幅が小さく形成される。
【0037】
ここで、下層レジスト層20を形成するための第3現像液は、下層レジスト層20の露光部を溶解すると共に、中間レジスト層30を溶解しないものが選択される。具体的には、例えば、ZEPであればFSMRリンス液(冨士薬品工業、キシレン)、酢酸、n−ヘキシル、PMMAであればFSMRリンス液(冨士薬品工業、キシレン)、MIBK とIPAの混合液が挙げられる。
【0038】
なお、本実施形態では、例えば、第3現像液としてFSMRリンス液(冨士薬品工業、キシレン)を用いて2分現像した。これにより、上層レジスト層40におけるラインパターン領域では、下層レジスト層20には例えば0.12μm幅の抜きラインパターンが形成される。一方、上層レジスト層40における抜きパッドパターン領域では、下層レジスト層20には例えば4×7μm四方に抜きパッドパターンが形成される。ここで、下層レジスト層20を形成するための第3現像液は、上層レジスト層40を形成するための第1現像液と同一な現像液を採用している。
【0039】
上記工程を経て、例えば、上層レジスト層40開口幅0.46μm、中間レジスト層開口幅1.5μm、下層レジスト層開口幅が0.12μmのT字型ゲート電極形成用レジストパターンが形成される。一方、上層レジスト層開口寸法4×7μm、中間レジスト層開口寸法5×8μm、上層レジスト層開口寸法が4.2×7.2μmのパッド用レジストパターンが形成される。
【0040】
続いて、図1(G)に示すように、各レジスト層の各抜きパターンで形成された開口部に、電極材料50を堆積して埋め込み。具体的には、例えば、金を蒸着により当該開口部に埋め込む。その後、図1(H)に示すように、各レジスト層をリフトオフ(除去)する。これにより、パッド52Aを有するT字型ゲート電極52が基板10上に形成される(図3参照)。このゲート電極は、T字型に限られず、上記各レジスト層の抜きパターンの形状等を調整することで、この他に、Γ(ガンマ)型、マシュルーム型等の形状の電極パターン(金属パターン)も形成できる。
【0041】
以上説明した本実施形態では、上層レジスト層40(第3レジスト層)の現像を、高解像度用の第3現像液で現像することにより、基板10から反射する電子線の反射電子により弱く露光されたところには全く影響を与えずに現像が行える。特に、パッドパターン(その他アライメントマークとするためのパターンも含む)のように多量に電子線を当てた部分でも電子線の反射電子による大幅な抜きパターン縁部の広がりや凹凸が抑えられる。
【0042】
加えて、上記所定の溶媒(露光部及び非露光部のいずれも同じレートで溶解する溶液)を用いて、上層レジスト層40を等方的に溶解させて、当該上層レジスト層40を膜べりさせると共に、その抜きパターン42(第1開口部)を広げることから、当該抜きパターン42を広げた後でも反射電子による大幅な抜きパターン42の広がりや凹凸は見られない。
【0043】
このため、本実施形態では、パターン縁部(抜きパターン)の凸凹を抑制し、所望の形状のレジストパターンが得られる。
【0044】
そして、このようなレジストパターンを利用して電極パターン(金属パターン)を形成することで、目的とする寸法よりも大きな面積で形成されたり凹凸に形成される部分なく、所望の形成の電極パターン(金属パターン)が形成される(図3参照)。これにより、近くの電極パターン同士の干渉や、ゴミとなる電極パターン縁部の剥がれが抑制される。これに対し、図4に示すように、従来の手法(例えば上記非特許文献1で記載された手法)により、パッド152Aを有するT字型ゲート電極152が基板上に形成すると、パッド152Aはその形状がわからないぐらい、縁部が広がり凹凸に形成される。
【0045】
また、本実施形態では、一連の現像、浸漬工程(上層レジスト層40への抜きパターン42形成、及び抜きパターン42拡大)は、有機溶媒で行うため一つの装置の同じカップで連続して処理が行えるため処理能力は殆ど下がらない。
【0046】
また、本実施形態では、下層レジスト層を現像する第3現像液と上層レジスト層を現像する第1現像液とを、同一な現像液を採用することから、現像液の管理も容易である。
【0047】
なお、本実施形態では、レジスト層へのパターン露光・描画を電子線により行った形態を説明したが、これに限られず、例えば、波長250nm以下の電磁波により行うこともできる。具体的には、上記レジスト層の構成では、例えば、KrFエキシマレーザ(照射電磁波波長248nm)を光源とするステップなどの露光装置を適用することができる。
【0048】
また、本実施形態では、T型ゲート電極用のレジストパターン、パッド用のレジストパターンを形成した形態を説明したが、これに限られず、例えば、アライメントマーク用のレジストパターンや、金属配線用のレジストパターンなど種々の形態であってもよい。
【0049】
また、本実施形態では、レジスト層が3層構成の形態を説明したがこれに限られず、単層構成、2層構成、その他層構成であってもよい。
【0050】
ここで、上記実施形態においては、限定的に解釈されるものではなく、本発明の要件を満足する範囲内で実現可能であることは、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施形態に係る電極パターン(金属パターン)を形成する工程を示す工程図である。
【図2】抜きパターンが形成された上層レジスト層を示す上面図である。
【図3】実施形態により形成される、パッド部を有するゲート電極を示す上面図である。
【図4】従来の手法により形成される、パッド部を有するゲート電極を示す上面図である。
【符号の説明】
【0052】
10 基板
20 下層レジスト層
22 抜きパターン
30 中間レジスト層
32 抜きパターン
40 上層レジスト層
42 抜きパターン
44 露光パターン
44A ラインパターン
44B パッドパターン
50 電極材料
52 T字型ゲート電極
52A パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、レジスト層を形成する工程と、
前記レジスト層を露光する工程と、
高解像度用の現像液を用いて、前記レジスト層を現像し、前記レジスト層に開口部を形成する工程と、
露光部及び非露光部のいずれも同じレートで溶解する溶液を用いて、前記レジスト層を処理し、前記開口部の開口径を広げる工程と、
を有することを特徴とするレジストパターン形成方法。
【請求項2】
前記パターン露光を、電子線により行うことを特徴とする請求項1に記載のレジストパターン形成方法。
【請求項3】
前記パターン露光を、波長250nm以下の電磁波により行うことを特徴とする請求項1に記載のレジストパターン形成方法。
【請求項4】
高解像度用の現像液が、露光部と未露光部との溶解速度の差が10倍以上の現像液であることを特徴とする請求項1に記載のレジストパターン形成方法。
【請求項5】
基板上に、第1レジスト層、第2レジスト層、及び第3レジスト層を順次積層する工程と、
前記第3レジスト層に露光する工程と、
高解像度用の第1現像液を用いて、前記第3レジスト層を現像し、前記第3レジスト層に第1開口部を形成する工程と、
露光部及び非露光部のいずれも同じレートで溶解する溶液を用いて、前記第3レジスト層を処理し、前記第1開口部の開口径を広げる工程と、
第2現像液を用いて、前記第2レジスト層を現像し、開口径を広げた前記第1開口部よりも幅が大きいと共に前記第1開口部と連通する第2開口部を形成する工程と、
第3現像液を用いて、前記第3レジスト層を現像し、開口径を広げた前記第1開口部よりも幅が小さいと共に前記第2開口部と連通する第3開口部を形成する工程と、
を有することを特徴とするレジストパターン形成方法。
【請求項6】
前記パターン露光を、電子線により行うことを特徴とする請求項5に記載のレジストパターン形成方法。
【請求項7】
前記パターン露光を、波長250nm以下の電磁波により行うことを特徴とする請求項5に記載のレジストパターン形成方法。
【請求項8】
前記第1現像液と前記第3現像液とは、同一の現像液であることを特徴とする請求項5に記載のレジストパターン形成方法。
【請求項9】
高解像度用の第1現像液が、露光部と未露光部との溶解速度の差が10倍以上の現像液であることを特徴とする請求項5に記載のレジストパターン形成方法。
【請求項10】
請求項5〜9のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法によりレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンの開口部に、金属材料を埋め込む工程と、
前記各レジスト層を除去する工程と、
を有することを特徴とする金属パターン形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−198587(P2009−198587A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−37707(P2008−37707)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(308033711)OKIセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】