説明

レベル調整装置

【課題】 基準発振器、VCO、位相比較器の純度が低くても位相雑音特性を良好にする。
【解決手段】 基準発振器28aが発振する基準周波数frefをBS放送波のチャンネル間隔とされる38.36MHzに設定する。そして、中間周波数を282.28(=7×38.36+13.76)MHzとした場合は、1049.48MHzのチャンネル周波数とされるBS−1チャンネルがアサインされるBS−IFレベル調整ユニット10では、局部発振器28の出力周波数foutが767.2MHzになり、分周器28eの分周数Nを20とすればよい。基準周波数frefを38.36MHzと高くすることができるため、局部発振器28の位相雑音特性が良好になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ放送波のレベル調整をチャンネル毎に行うレベル調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ放送波は受信点の位置によって、受信できる信号レベル等の信号品質が異なり、時間や季節によっても変化する。また、チャンネル間にレベル差を生じている場合もある。このレベル差が大きい場合、特に増幅器を用いる受信システムでは非線形歪の影響を受けやすい。このため、チャンネル毎のレベルを調整できるレベル調整装置が必要となる。この場合、BS放送波のレベル調整を行う場合は、BS放送波を受信したBSアンテナからBS−IF信号の周波数で出力されることから、BS−IF信号のレベルを調整することになる。BS−IF信号における各チャンネルの信号を抽出するバンドパスフィルタ(BPF)には急峻な周波数特性が必要とされるが、BS−IF信号の周波数は約1.1〜約1.5GHzのUHF帯とされていることから急峻な周波数特性のBPFを得ることが困難である。そこで、急峻な周波数特性のBPFを容易に得ることができるように、BS−IF信号の周波数を中間周波数に変換することが提案されている。すなわち、BS放送波においては、レベル調整装置においてBS−IF信号の各チャンネルを周波数が低くされた中間周波数に変換して、レベル調整を行うようにしている。
【0003】
レベル調整装置は、BS−IF信号のレベル調整をチャンネル毎に行うBS−IF放送レベル調整器をチャンネル数分有しており、BS−IF放送レベル調整器において中間周波数に変換する際には一般的にPLL(Phase Locked Loop)シンセサイザといわれる局部発振器を使用している。そこで、従来のPLLシンセサイザの一般的な回路を図4に示す。図4に示すPLLシンセサイザ100は、基準周波数frefを発振する基準発振器110と、基準周波数frefと分周周波数fdivとの位相を比較して、位相差信号を出力する位相比較器111と、位相比較器111から出力される位相差信号を電圧信号とするループフィルタ(LF)112と、ループフィルタ112から出力される電圧信号により周波数が制御される電圧可変発振器(VCO)113と、VCO113の発振周波数fvcoを1/Nに分周した分周周波数fdivを出力する分周器(÷N)114とから構成されている。このPLLシンセサイザでは、VCO113の発振周波数fvcoを1/Nに分周した分周周波数fdivと、基準発振器110の基準周波数frefとが同じ周波数になるように分周器114の分周比Nを設定し、基準周波数frefと分周周波数fdivとの位相差に相当するVCO113と基準発振器110の位相のズレを位相比較器111において検出する。位相比較器111において検出された位相差信号を、ループフィルタ112により制御電圧としてVCO113にフィードバックし、VCO113の発振周波数fvcoを基準周波数frefと同じ精度で発振するようにロックする。PLLシンセサイザ100では、VCO113の発振周波数fvcoが出力周波数foutになるが、出力周波数foutはN・frefとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−309739号公報
【特許文献2】特開2005−323228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、BS−IF信号におけるチャンネルの中心周波数は、BS−1チャンネルは1049.48MHzとされ、以降はチャンネル間隔が38.36MHzで、BS−3チャンネルは1087.84MHz、BS−5チャンネルは1126.20MHz、・・・、BS−23チャンネルは1471.44MHzとなっている。ミキサにBS−IF信号と局部発振信号とを供給することによりBS−IF信号は中間周波数に変換される。この局部発振信号を発振する局部発振器をPLLシンセサイザ100で構成する場合には、BS−IF信号の各チャンネルを中間周波数に変換する局部発振信号の周波数がチャンネル毎に異なるため、基準周波数frefを各チャンネルで必要とする局部発振信号の公約数の周波数とする必要がある。例えば、基準周波数frefを0.01MHzに設定すれば、各チャンネルで必要とする局発振信号を発振することが可能であるが、一般的に基準周波数frefを低く設定すると位相雑音特性が劣化することが知られている。
【0006】
ここで、PLLシンセサイザの位相雑音について説明する。位相雑音とは、位相あるいは周波数の短期的変動であり、発振器の特性を決める重要な指標である。位相雑音の要因としては、主に基準発振器の位相雑音、VCOの位相雑音、位相比較器からのノイズ、電源ノイズ、ループフィルタに使用する抵抗の熱雑音が挙げられる。
図5にPLLシンセサイザの位相雑音のスペクトルとその要因との関連を示す。図5において、f0はPLLシンセサイザの発振周波数であり、横軸は発振周波数f0からのオフセット周波数foffとされ、縦軸は位相雑音のレベルとされている。基準発振器の位相雑音は、図5に示す本来の基準発振器の位相雑音dに示すようにオフセット周波数foffが小さい領域においては大きな位相雑音が発生しているが、オフセット周波数foffが大きくなるにつれて急激に位相雑音のレベルは低下する。ただし、基準発振器の位相雑音は、PLLシンセサイザの出力へは20log(f0/fref)だけかさ上げされて現れる(aの範囲とされる基準発振器の位相雑音に由来する位相雑音参照)。
【0007】
bの範囲は位相比較器などに由来する位相雑音であり、PLLループ帯域内ではオフセット周波数foffによらずほぼ平坦に現れる。cの範囲はVCOに由来する位相雑音であり、オフセット周波数foffが大きくなるにつれて低下するが、PLLループ帯域内では負帰還により改善され、帯域外ではほぼそのままでシンセサイザ出力に現れる。PLLシンセサイザにおいて、位相雑音特性を良好にするためには、基準発振器とVCO、位相比較器としてそれぞれ純度の高いものが必要になる。しかし、純度の高い(位相雑音の少ない)基準発振器、VCO、位相比較器は高価であり、このためPLLシンセサイザを有するレベル調整装置が高価になってしまうという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、基準発振器、VCO、位相比較器の純度が低くても位相雑音特性が良好なレベル調整装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のレベル調整装置は、複数のチャンネルからなる放送波における各チャンネルのレベルを調整するレベル調整器ユニットを備えるレベル調整装置であって、前記レベル調整器ユニットは、PLLシンセサイザからなる局部発振手段と、該局部発振手段により発振された局部発振信号によりダウンコンバートして、前記チャンネルの周波数を中間周波数のチャンネル信号に変換する第1周波数変換手段と、変換された前記中間周波数のチャンネル信号から所定のチャンネルのチャンネル信号を抽出するフィルタ手段と、該フィルタ手段により抽出された前記チャンネル信号のレベルを所定レベルに調整するレベル調整手段と、該レベル調整手段によりレベル調整された前記チャンネル信号を、前記局部発振手段により発振された前記局部発振信号によりアップコンバートして、元のチャンネルの周波数に変換して出力する第2周波数変換手段とを備え、前記局部発振手段において、前記局部発振信号を1/Nに分周した周波数信号と位相比較される基準発振信号の周波数を、前記放送波におけるチャンネル間隔の周波数としたことを最も主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、PLLシンセサイザにおいて、局部発振信号を1/Nに分周した周波数信号と位相比較される基準周波数を、放送波におけるチャンネル間隔の周波数としたことから、基準周波数が高く設定されるようになり、位相雑音特性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例とされるレベル調整装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明にかかるレベル調整装置のBS−IFレベル調整ユニットの回路構成を示す回路ブロック図である。
【図3】本発明にかかるレベル調整装置のBS−IFレベル調整ユニットの位相雑音特性を示す図である。
【図4】従来のレベル調整装置に用いられるPLLシンセサイザの一般的な回路を示す図である。
【図5】従来のレベル調整装置におけるPLLシンセサイザの位相雑音特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施例のレベル調整装置の回路構成を示す回路ブロック図を図1に示す。本発明の実施例のレベル調整装置は、BS−IF信号における各チャンネルのレベル調整を行うレベル調整装置とされている。
図1に示す本発明にかかるレベル調整装置1において、入力端子BS−IF INに入力されたBS−IF信号は分配器11に入力されて、BS放送波のチャンネル数と同数に分配される。分配されたBS−IF信号は、BS−IFレベル調整ユニット(BS−1)10−1、BS−IFレベル調整ユニット(BS−3)10−3、BS−IFレベル調整ユニット(BS−5)10−5、・・・・BS−IFレベル調整ユニット(BS−19)10−19、BS−IFレベル調整ユニット(BS−21)10−21、BS−IFレベル調整ユニット(BS−23)10−23に、それぞれ入力される。このBS−IFレベル調整ユニット10−1〜BS−IFレベル調整ユニット10−23はBS放送波のチャンネル数と同数分設けられている。BS−IFレベル調整ユニット10−1〜BS−IFレベル調整ユニット10−23では、BS−IF信号のレベル調整がチャンネル毎に行われ、レベル調整された各チャンネルのBS−IF信号は合成器12において合成される。合成された各チャンネルからなるBS−IF信号は出力端子BS−IF OUTから出力される。
【0013】
本発明にかかるレベル調整装置1におけるBS−IFレベル調整ユニット10−1〜BS−IFレベル調整ユニット10−23は同じ回路構成とされており、そのBS−IFレベル調整ユニット10の回路構成を示す回路ブロック図を図2に示す。
図2に示すBS−IFレベル調整ユニット10は、BS−IF信号におけるアサインされたチャンネルのレベル調整を行っている。BS−IFレベル調整ユニット10の入力端子BS−IF INには、分配器11で分配されたBS−IF信号が入力される。入力されたBS−IF信号は、高周波増幅器20により増幅されて第1のミキサ(Mix)21において中間周波数に変換される。すなわち、第1のMix21において、BS−IF信号は局部発振器28からの局部発振信号によりダウンコンバートされて中間周波数のBS−IF信号とされる。第1のMix21から出力される中間周波数のBS−IF信号は、中間周波増幅部22により増幅され、当該BS−IFレベル調整ユニット10にアサインされたチャンネルの成分だけがバンドパスフィルタ(BPF)23により抽出される。BPF23により抽出された中間周波数のチャンネル信号はAGC回路27に供給され、AGC回路27において当該チャンネル信号のレベルが検出されて、そのレベルを所定レベルに制御するためのAGC信号が検出される。このAGC信号は、高周波増幅器20、中間周波増幅部22および中間周波増幅部スケルチ回路24に制御信号として印加され、これらの増幅器おける増幅度が制御される。これにより、中間周波増幅部スケルチ回路24から出力される中間周波数のチャンネル信号のレベルが所定レベルに制御される。なお、中間周波増幅部スケルチ回路24はBPF23により抽出された中間周波数のチャンネル信号を増幅しており、増幅されたチャンネル信号は第2のMix25に供給される。
なお、BS−IFレベル調整ユニット10にアサインされたチャンネル信号が無信号あるいは非常に低レベルとなっている場合は、中間周波増幅部スケルチ回路24のスケルチ回路が動作して中間周波増幅部スケルチ回路24において、そのチャンネル信号は遮断される。
【0014】
第2のMix25において、中間周波数のBS−IF信号は局部発振器28からの局部発振信号によりアップコンバートされて元のチャンネル周波数のBS−IF信号とされる。元のチャンネル周波数のBS−IF信号は、高周波増幅出力レベル調整部26において所定の出力レベルとされて出力端子BS−IF OUTから出力される。なお、BS−IF信号のチャンネルが異なっていても同じ中間周波数のチャンネル信号に変換される。すなわち、この中間周波数は、BS−IF信号の各チャンネルにおいて共通の中間周波数である。
第1のMix21および第2のMix25に局部発振信号を供給している局部発振器28はPLLシンセサイザ構成とされている。局部発振器28は、基準周波数frefを発振する基準発振器28aと、基準周波数frefと分周周波数fdivとの位相を比較して、位相差信号を出力する位相比較器28bと、位相比較器28bから出力される位相差信号を電圧信号とするループフィルタ(LF)28cと、ループフィルタ28cから出力される電圧信号により周波数が制御される電圧可変発振器(VCO)28dと、VCO28dの発振周波数fvcoを1/Nに分周した分周周波数fdivを出力する分周器(÷N)28eとから構成されている。この局部発振器28では、VCO28dの発振周波数fvcoを分周器28eで1/Nに分周した分周周波数fdivと、基準発振器28aの基準周波数frefとが同じ周波数になるように分周器28eの分周比Nを設定し、基準周波数frefと分周周波数fdivとの位相差に相当するVCO28dと基準発振器28aとの位相のズレを位相比較器28bにおいて検出する。位相比較器28bにおいて検出された位相差信号を、ループフィルタ28cにより制御電圧信号としてVCO28dにフィードバックし、VCO28dの発振周波数fvcoを基準周波数frefと同じ精度で発振するようにロックする。VCO28dの発振周波数fvcoが出力される局部発振信号の周波数foutになるが、この周波数foutはN・frefとなる。
【0015】
BS−IF信号におけるチャンネルの中心周波数は、BS−1チャンネルでは1049.48MHzであり、以降はチャンネル間隔が38.36MHzで、BS−3チャンネルでは1087.84MHz、BS−5チャンネルでは1126.20MHz、・・・、BS−23チャンネルでは1471.44MHzとなっている。このように、チャンネル間隔の周波数は38.36MHzである。そこで、局部発振器28の局部発振信号の周波数foutをBS−IF信号のチャンネル周波数の上側に設定した場合には、基準発振器28aが発振する基準周波数frefを38.36MHzに設定すると共に、第1のMix21から出力される中間周波数をMを正の整数とした際にM×38.36−13.76MHzに設定する。また、局部発振器28の局部発振信号の周波数foutをBS−IF信号のチャンネル周波数の下側に設定した場合には、基準発振器28aが発振する基準周波数frefを38.36MHzに設定すると共に、第1のMix21から出力される中間周波数をMを正の整数とした際にM×38.36+13.76MHzに設定する。
例えば、局部発振器28の局部発振信号の周波数foutをBS−IF信号のチャンネル周波数の上側に設定した場合は、Mを7として中間周波数を254.76(=7×38.36−13.76)MHzとする。これにより、1049.48MHzのチャンネル周波数とされるBS−1チャンネルがアサインされるBS−IFレベル調整ユニット10では、局部発振器28の局部発振信号の周波数foutとして1304.24MHzが必要となるが、分周器28eの分周数Nを34とすることにより局部発振信号は1304.24MHzとなる。また、1126.20MHzのチャンネル周波数とされるBS−5チャンネルがアサインされるBS−IFレベル調整ユニット10では、局部発振器28の分周器28eの分周数Nを36とすることにより、局部発振信号の周波数foutが必要とされる1380.96MHzになる。さらに、1471.44MHzのチャンネル周波数とされるBS−23チャンネルがアサインされるBS−IFレベル調整ユニット10では、局部発振器28の分周器28eの分周数Nを45とすることにより、局部発振信号の周波数foutが必要とされる1726.20MHzになる。
【0016】
ここで、局部発振器28の基準周波数frefを38.36MHzとした場合の位相雑音を、基準周波数frefを0.01MHzとした場合の位相雑音と対比して図3に示す。図3において、横軸は中心からのオフセット周波数[kHz]とされ、中心は局部発振器28の局部発振信号の周波数foutであり、縦軸はC/Nで表した位相雑音のレベル[dBc/Hz]とされている。図3に示す位相雑音特性を参照すると、基準周波数frefを38.36MHzと高く設定した場合は、約100kHzまでの位相雑音のレベルが低くなっているが、約100kHzを超えて約3000kHzまではほぼ一定のレベルとなって、基準周波数frefが0.01MHzの場合の位相雑音のレベルより大きくなってしまう。しかし、位相雑音はオフセット周波数の所定の範囲における位相雑音の積分値とされる位相雑音量が指標とされている。そこで、オフセット周波数が0.1kHz〜1000kHzまでの周波数範囲の位相雑音を積分して位相雑音量を求めると、基準周波数frefを38.36MHzとした場合は約−49.10[dBc]となり、基準周波数frefを0.01MHzとした場合は約−28.88[dBc]となる。このように、基準周波数frefを38.36MHzとすると位相雑音量を低減できることが分かる。これにより、レベル調整装置1においてBS−IF信号のレベル調整をした際に、BS放送波に局部発振器28の位相雑音が影響を及ぼすことを極力防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
以上のように、本発明にかかるレベル調整装置1においては、比較周波数とされる基準周波数frefを、例えば38.36MHzと高く設定できるため、PLLシンセサイザ構成とされた局部発振器28の位相雑音特性が良好になり、VCO28d、基準発振器28a、位相比較器28bの純度が低くても十分に位相雑音の影響の少ないレベル調整装置1を小型で安価に構成することができる。
以上説明した本発明にかかるレベル調整装置1は、BS−IF信号における各チャンネルのレベル調整を行うレベル調整装置としたが、これに限ることはなく、複数チャンネルからなる放送波信号のレベル調整装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0018】
1 レベル調整装置、10 レベル調整ユニット、11 分配器、12 合成器、20 高周波増幅器、21 第1のMix、22 中間周波増幅部、23 BPF、24 中間周波増幅部スケルチ回路、25 第2のMix、26 高周波増幅出力レベル調整部、27 AGC回路、28 局部発振器、28a 基準発振器、28b 位相比較器、28c ループフィルタ、28d 電圧可変発振器、28e 分周器、100 PLLシンセサイザ、110 基準発振器、111 位相比較器、112 ループフィルタ、113 電圧可変発振器、114 分周器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチャンネルからなる放送波における各チャンネルのレベルを調整するレベル調整器ユニットを備えるレベル調整装置であって、
前記レベル調整器ユニットは、
PLLシンセサイザからなる局部発振手段と、
該局部発振手段により発振された局部発振信号によりダウンコンバートして、前記チャンネルの周波数を中間周波数のチャンネル信号に変換する第1周波数変換手段と、
変換された前記中間周波数のチャンネル信号から所定のチャンネルのチャンネル信号を抽出するフィルタ手段と、
該フィルタ手段により抽出された前記チャンネル信号のレベルを所定レベルに調整するレベル調整手段と、
該レベル調整手段によりレベル調整された前記チャンネル信号を、前記局部発振手段により発振された前記局部発振信号によりアップコンバートして、元のチャンネルの周波数に変換して出力する第2周波数変換手段とを備え、
前記局部発振手段において、前記局部発振信号を1/Nに分周した周波数信号と位相比較される基準発振信号の周波数を、前記放送波におけるチャンネル間隔の周波数としたことを特徴とするレベル調整装置。
【請求項2】
前記複数のチャンネルからなる放送波が、チャンネル間隔の周波数が38.36MHzとされるBS−IF信号とされ、
前記局部発振手段が発振する局部発振信号の周波数を、前記BS−IF信号のチャンネル周波数の上側に設定した場合は、前記中間周波数を、Mを正の整数とした時にM×38.36−13.76MHzとすることを特徴とする請求項1記載のレベル調整装置。
【請求項3】
前記複数のチャンネルからなる放送波が、チャンネル間隔の周波数が38.36MHzとされるBS−IF信号とされ、
前記局部発振手段が発振する局部発振信号の周波数を、前記BS−IF信号のチャンネル周波数の下側に設定した場合は、前記中間周波数を、Mを正の整数とした時にM×38.36+13.76MHzとすることを特徴とする請求項1記載のレベル調整装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−17037(P2013−17037A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148384(P2011−148384)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000227892)日本アンテナ株式会社 (176)
【Fターム(参考)】