説明

レーン判定装置及びレーン判定方法、並びにそれを用いたナビゲーション装置

【課題】交差点で進路変更する場合において、交差点の通過直後に正確なレーン判定を行うことを可能としつつ、そのようなレーン判定のための演算処理負荷を軽減し、必要なデータベースのデータ量を抑えることが可能なレーン判定装置等を提供する。
【解決手段】自車両が走行中の道路R0のレーンである自車レーンを判定する第一レーン判定手段と、道路R0に対して交差点Cを有して交差する交差道路R2のレーン数及びレーン幅の情報を含む道路情報を取得する道路情報取得手段と、自車両の交差点Cへの進入方位Iを検出する進入方位検出手段と、交差点C内における進入方位Iに平行な方向の自車両の移動量Dを検出する移動量検出手段と、自車両が交差点Cを通過したときに、道路情報と、移動量Dとに基づいて、交差道路R2における自車レーンを判定する第二レーン判定手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両が走行中の道路のレーンを判定するためのレーン判定装置及びレーン判定方法、並びにそれを用いたナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ナビゲーション装置において経路案内を適切に行うこと等を目的として、道路に設けられた区画線の画像認識等に基づき、自車両が走行中の道路の複数レーンの中から自車レーンを判定するレーン判定装置が知られている(例えば、下記の特許文献1及び2参照)。また、交差点内には区画線が設けられておらず、画像認識に基づく自車レーンの判定が困難であることから、交差点の通過直後に適切な自車レーンの判定を行うためのレーン判定装置の技術も知られている(例えば、下記の特許文献2参照)。
【0003】
このようなレーン判定装置に関して、例えば、下記の特許文献2には、推測軌跡を含む現在地情報を管理する現在地情報管理手段と、現在地情報に基づき進入する交差点の情報を取得して交差点ポリゴンを生成する交差点ポリゴン生成手段と、現在地が交差点に進入したことを条件に交差点ポリゴン生成手段により生成された交差点ポリゴンに推測軌跡を上書きして交差点からの退出点を特定する交差点退出点特定手段と、交差点退出点特定手段により特定された交差点の退出点と該交差点に接続する道路のレーン情報との照合により退出道路のレーンを判定するレーン判定手段とを備えた構成が開示されている。以上のような構成により、このレーン判定装置は、交差点からの退出と同時に退出道路におけるレーン判定を行うことができ、迅速に経路の認識や案内を行うことが可能となっている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−105898号公報
【特許文献2】特開2006−162409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のようなレーン判定装置では、生成した交差点ポリゴンに対して、推測航法により得られる推測軌跡を上書きし、交差点からの退出点を特定する構成となっている。このため、交差点内での自車両の推測軌跡を完全に取得することが必要であり、そのための演算処理負荷が大きいものとなる。また、上記のような交差点ポリゴンの生成のためには、交差点全体の形状を含む詳細な交差点情報をデータベース化して備えておくことが必要となるため、データベースのデータ量が大きくなるとともに、データベース作成のためのコストも高くなる。
【0006】
また、交差点における車両の進行方向は、直進と、右折及び左折を含む進路変更とに大きく分けられる。そして、交差点を通過後の自車レーンの判定処理を、自車両が直進する場合と進路変更する場合とに分けることで、その判定処理のための演算処理負荷を軽減することが可能であると考えられる。一方、交差点で直進するか、或いは進路変更するかは、自車レーンの進行方向の指定(右折専用、左折専用、直進専用等)や、方向指示器の動作状況等から予測することが可能である。したがって、自車両が交差点で進路変更すると予想される場合には、それに合わせて進路変更用の自車レーンの認識処理を行うことが望ましい。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、交差点で進路変更する場合において、交差点の通過直後に正確なレーン判定を行うことを可能としつつ、そのようなレーン判定のための演算処理負荷を軽減し、必要なデータベースのデータ量を抑えることが可能なレーン判定装置及びレーン判定方法、並びにそれを用いたナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係るレーン判定装置の特徴構成は、自車両が走行中の道路のレーンである自車レーンを判定する第一レーン判定手段と、自車両が走行中の道路に対して交差点を有して交差する交差道路のレーン数及びレーン幅の情報を含む道路情報を取得する道路情報取得手段と、自車両の前記交差点への進入方位を検出する進入方位検出手段と、前記交差点内における前記進入方位に平行な方向の自車両の移動量を検出する移動量検出手段と、自車両が前記交差点を通過したときに、前記道路情報と、前記移動量とに基づいて、前記交差道路における自車レーンを判定する第二レーン判定手段と、を備える点にある。
【0009】
なお、本願において、「交差道路」は、自車両が走行中の道路に対して交差点を有して交差する道路を全て含む概念として用いている。また、この交差点には、十字路又はT字路を構成する交差点のほか、5本以上の道路が交差する交差点も含まれる。
【0010】
この特徴構成によれば、自車両が交差点で進路変更する場合に、自車両の交差点への進入方位と、当該進入方位に平行な方向の自車両の移動量とを検出し、当該移動量と、道路情報とを照らし合わせるだけの比較的簡略な処理により、交差点の通過直後にも正確なレーン判定を行うことが可能となる。したがって、交差点の通過直後のレーン判定のための演算処理負荷を軽減することができる。また、道路情報としてレーン数及びレーン幅等のレーン情報を取得すれば第二レーン判定手段による自車レーンの判定を行うことができるので、道路情報の取得のために、交差点全体の形状を含む詳細な交差点情報をデータベース化して備えておく必要がない。したがって、道路情報取得手段により取得する道路情報を格納するためのデータベースのデータ量を少なく抑えることが可能となる。
【0011】
ここで、前記第二レーン判定手段は、前記道路情報に基づいて、自車両の前記交差点への進入点から最も近い前記交差道路のレーンまでの前記移動量に相当する基準移動量に対して、前記移動量の前記基準移動量を超えた部分と前記道路情報に含まれるレーン幅とを比較して、前記交差点内で自車両が移動したレーン数を判定する構成とすると好適である。
【0012】
このように構成すれば、自車両が交差点で進路変更する場合において、前記道路情報に含まれるレーン幅と、前記道路情報に基づく前記基準移動量と、前記移動量とに基づいて、交差点内で自車両が移動したレーン数を適切に判定することができる。
【0013】
また、前記第二レーン判定手段は、前記進入方位と前記道路情報とに基づいて、前記移動量に関して前記交差道路の各レーンに対応するレーン範囲を設定し、前記移動量がどのレーン範囲に含まれるかに応じて、前記交差道路における自車レーンを判定する構成とすると好適である。
【0014】
このように構成すれば、自車両が交差点で進路変更する場合において、交差点の通過直後の自車レーンを適切に判定することができる。
【0015】
また、自車位置情報を取得する自車位置情報取得手段を更に備え、前記道路情報取得手段は、前記自車位置情報に基づいて、自車両の周辺の前記道路情報を所定の地図データベースから取得する構成とすると好適である。
【0016】
このように構成すれば、自車両が走行中の道路や当該道路に対して交差点を有して交差する交差道路等についての道路情報を適切に取得することができる。
【0017】
また、自車両の周辺の画像情報を取得する画像情報取得手段と、前記画像情報に含まれる地物の画像認識処理を行う画像認識手段と、を更に備え、前記第一レーン判定手段は、前記画像認識手段による画像認識結果と前記道路情報に含まれる自車両の周辺の地物の情報とに基づいて前記自車レーンを判定する構成とすると好適である。
【0018】
このように構成すれば、例えば、道路面に設けられている区画線や進行方向表示等を含む道路標示等の地物の画像認識結果と、道路情報取得手段により取得した道路情報に含まれる自車両の周辺の地物の情報とに基づいて、交差点への進入前の自車レーンを適切に判定することができる。
【0019】
また、前記進入方位検出手段は、自車両が走行中の道路と前記交差点との境界付近に存在する交差点境界地物についての前記画像認識結果と、前記道路情報に含まれる当該交差点境界地物の情報とに基づいて、前記進入方位を検出する構成とすると好適である。
【0020】
このように構成すれば、画像情報取得手段により取得した画像情報に対する画像認識結果に基づいて、交差点への進入方位を適切に検出することができる。
【0021】
また、前記移動量検出手段は、前記進入方位に平行な基準軸を設定し、当該基準軸方向の自車両の移動量を推測航法により検出する構成とすると好適である。
【0022】
このように構成すれば、交差点内における進入方位に平行な方向の自車両の移動量を適切に検出することができる。
【0023】
また、前記交差点における自車両の進路変更の有無を判定する進路変更判定手段を更に備え、前記進路変更判定手段により自車両の進路変更が有ると判定された場合に、前記第二レーン判定手段による前記交差道路における自車レーンの判定を行う構成とすると好適である。
【0024】
このように構成すれば、自車両が交差点で進路変更する可能性が高い場合にのみ、交差道路における自車レーンの判定を行う構成とすることができる。したがって、無駄な演算処理を少なくすることができ、交差点の通過直後のレーン判定のための演算処理負荷を更に軽減することができる。
【0025】
本発明に係るナビゲーション装置の特徴構成は、上記の各構成を備えたレーン判定装置と、前記道路情報を含む地図情報が格納された地図データベースと、前記地図情報及び前記レーン判定装置により判定された自車レーンの情報を参照して動作するアプリケーションプログラムと、前記アプリケーションプログラムに従って動作して案内情報を出力する案内情報出力手段と、を備える点にある。
【0026】
この特徴構成によれば、交差点を通過直後であっても、レーン判定装置により判定された自車レーンの情報を考慮して、適切に経路探索や進路案内等の案内を行うことが可能となる。
【0027】
本発明に係るレーン判定方法の特徴構成は、自車両が走行中の道路のレーンである自車レーンを判定する第一レーン判定ステップと、自車両が走行中の道路に対して交差点を有して交差する交差道路のレーン数及びレーン幅の情報を含む道路情報を取得する道路情報取得ステップと、自車両の前記交差点への進入方位を検出する進入方位検出ステップと、前記交差点内における前記進入方位に平行な方向の自車両の移動量を検出する移動量検出ステップと、自車両が前記交差点を通過したときに、前記道路情報と、前記移動量とに基づいて、前記交差道路における自車レーンを判定する第二レーン判定ステップと、を備える点にある。
【0028】
この特徴構成によれば、自車両が交差点で進路変更する場合に、自車両の交差点への進入方位と、当該進入方位に平行な方向の自車両の移動量とを検出し、当該移動量と、道路情報とを照らし合わせるだけの比較的簡略な処理により、交差点の通過直後にも正確なレーン判定を行うことが可能となる。したがって、交差点の通過直後のレーン判定のための演算処理負荷を軽減することができる。また、道路情報としてレーン数及びレーン幅等のレーン情報を取得すれば第二レーン判定手段による自車レーンの判定を行うことができるので、道路情報の取得のために、交差点全体の形状を含む詳細な交差点情報をデータベース化して備えておく必要がない。したがって、道路情報取得手段により取得する道路情報を格納するためのデータベースのデータ量を少なく抑えることが可能となる。
【0029】
ここで、前記第二レーン判定ステップが、前記進入方位と前記道路情報とに基づいて、前記移動量に関して前記交差道路の各レーンに対応するレーン範囲を設定するステップと、前記移動量がどのレーン範囲に含まれるかに応じて、前記交差道路における自車レーンを判定するステップと、を備える構成とすると好適である。
【0030】
このように構成すれば、自車両が交差点で進路変更する場合において、交差点の通過直後の自車レーンを適切に判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係るレーン判定装置2を含むナビゲーション装置1の概略構成を示すブロック図である。このレーン判定装置2は、取得した画像情報G(図3参照)に含まれる地物の画像認識結果と地図データベース22から取得した道路情報Hとに基づいて自車両が走行中の道路のレーンである自車レーンの判定を行うことができる。更に、このレーン判定装置2は、このような地物の画像認識結果を用いたレーン判定を行うことが困難な交差点C(図5、図9等参照)の通過直後にも、正確な自車レーンの判定を行うことができる構成となっている。そして、ナビゲーション装置1は、地図データベース22から取得した地図情報M及びレーン判定装置2により判定された自車レーンの情報を参照して所定のナビゲーション動作を行う。
【0032】
図1に示されるような、このナビゲーション装置1の各機能部、具体的には、画像情報取得部4、画像認識部5、自車位置情報取得部6、データ抽出部7、レーン判定部8、及びナビゲーション用演算部9は、CPU等の演算処理装置を中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うための機能部がハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方により実装されて構成されている。また、地図データベース22は、例えば、ハードディスクドライブ、DVD−ROMを備えたDVDドライブ、CD−ROMを備えたCDドライブ等のように、情報を記憶可能な記録媒体とその駆動手段とを有する装置をハードウェア構成として備えている。以下、本実施形態に係るナビゲーション装置1の各部の構成について詳細に説明する。
【0033】
1.地図データベース
地図データベース22は、所定の領域毎に分けられた複数の地図情報Mと、この地図情報Mに関連付けられた道路情報Hとが格納されたデータベースである。図2は、地図データベース22に格納されている地図情報M及び道路情報Hの構成の例を示す説明図である。この図に示すように、地図データベース22には、道路ネットワークレイヤm1、道路形状レイヤm2、道路情報レイヤm3が格納されている。本実施形態においては、これらの各レイヤm1〜m3に格納された情報により地図情報Mが構成され、その中の道路情報レイヤm3に格納された情報により道路情報Hが構成されている。
【0034】
道路ネットワークレイヤm1は、道路間の接続情報を示すレイヤである。具体的には、緯度及び経度で表現された地図上の位置情報を有する多数のノードnの情報と、2つのノードnを連結して道路を構成する多数のリンクkの情報とを有して構成されている。また、各リンクkは、そのリンク情報として、道路の種別(高速道路、有料道路、国道、県道等の種別)やリンク長さ等の情報を有している。また、道路形状レイヤm2は、道路ネットワークレイヤm1に関連付けられて格納され、道路の形状を示すレイヤである。具体的には、2つのノードnの間(リンクk上)に配置されてリンクkの詳細形状を表す形状補間点sの情報や、道路の詳細形状を表すための各形状補間点sでの道路幅の情報等を有して構成されている。
【0035】
道路情報レイヤm3は、道路ネットワークレイヤm1及び道路形状レイヤm2に関連付けられて構成され、道路に関する詳細な情報が格納されたレイヤである。この道路情報レイヤm3に格納される情報としては、例えば、各道路のレーン(車線)情報や、道路上や道路周辺に設けられた各種の地物についての地物情報F等が含まれる。ここで、レーン情報には、各道路のレーン数や、各レーンのレーン幅の情報が含まれる。また、レーン情報には、交差点Cを介して接続される複数の道路間での各レーンの位置関係や接続関係(道なりに接続する関係)等の情報も含まれる。
【0036】
地物情報Fには、各地物の位置情報及び形態情報が含まれる。ここで、位置情報は、各地物の代表点の地図上の位置(緯度及び経度)及び各地物の向きの情報を有している。形態情報は、各地物の形状、大きさ、色彩等の情報を有している。また、これらの他にも、地物情報Fは、各地物の種別を示す種別情報等を含んでいる。このような地物情報Fが表す地物には、道路の路面に設けられた道路標示(ペイント標示)が含まれている。そして、道路標示に係る地物としては、例えば、道路に沿って車線を分ける区画線(実線、破線、二重線等の各種区画線)、各車線の進行方向を指定する進行方向標示(直進矢印、右折矢印、左折矢印等の各種矢印)、横断歩道、停止線、速度表示、ゼブラゾーン等が含まれる。なお、地物情報Fが格納される地物としては、このような道路標示のほか、信号機、標識、陸橋、トンネル等の各種の地物も含めることができる。
【0037】
2.画像情報取得部
画像情報取得部4は、撮像装置21により撮像した自車位置周辺の画像情報G(図3参照)を取得する画像情報取得手段として機能する。ここで、撮像装置21は、撮像素子を備えたカメラ等であって、少なくとも自車両の周辺の道路の路面を撮像可能な位置に設けられている。このような撮像装置21としては、例えばバックカメラ等を用いると好適である。そして、画像情報取得部4は、撮像装置21により撮像したアナログの撮像情報を所定の時間間隔で取り込み、デジタル信号の画像情報Gに変換して取得する。この際の画像情報Gの取り込みの時間間隔は、例えば、10〜50ms程度とすることができる。これにより、画像情報取得部4は、撮像装置21により撮像した複数フレームの画像情報Gを連続的に取得することができる。ここで取得された画像情報Gは、画像認識部5へ出力される。
【0038】
3.自車位置情報取得部
自車位置情報取得部6は、自車位置すなわち自車両の現在位置を示す自車位置情報を取得する自車位置情報取得手段として機能する。ここでは、自車位置情報取得部6は、GPS受信機23、方位センサ24、及び距離センサ25と接続されている。ここで、GPS受信機23は、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を受信する装置である。このGPS信号は、通常1秒おきに受信され、自車位置情報取得部6へ出力される。自車位置情報取得部6では、GPS受信機23で受信されたGPS衛星からの信号を解析し、自車両の現在位置(緯度及び経度)、進行方位、移動速度等の情報を取得することができる。方位センサ24は、自車両の進行方位又はその進行方位の変化を検出するセンサである。この方位センサ24は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転型の抵抗ボリューム、車輪部に取り付ける角度センサ等により構成される。そして、方位センサ24は、その検出結果を自車位置情報取得部6へ出力する。距離センサ25は、自車両の車速や移動距離を検出するセンサである。この距離センサ25は、例えば、車両のドライブシャフトやホイール等が一定量回転する毎にパルス信号を出力する車速パルスセンサ、自車両の加速度を検知するヨー・Gセンサ及び検知された加速度を積分する回路等により構成される。そして、距離センサ25は、その検出結果としての車速及び移動距離の情報を自車位置情報取得部6へ出力する。
【0039】
そして、自車位置情報取得部6は、これらのGPS受信機23、方位センサ24及び距離センサ25からの出力に基づいて、公知の方法により自車位置を特定する演算を行う。また、自車位置情報取得部6は、データ抽出部7により地図データベース22から抽出された自車位置周辺の地図情報Mを取得し、それに基づいて公知のマップマッチングを行うことにより自車位置を地図情報Mに示される道路上に合わせる補正も行う。このようにして、自車位置情報取得部6は、緯度及び経度で表された自車両の現在位置の情報、及び自車両の進行方位の情報を含む自車位置情報を取得する。このようにして取得される自車位置情報は、各センサ23〜25の検出精度等に起因する誤差を含んだ情報となっている。また、このようにして取得される自車位置情報は、自車両が進行中の道路が複数レーンを有している場合に、自車両が走行中のレーンである自車レーンまでを特定する情報とはなっていない。そこで、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、後述するレーン判定部8において自車レーンの判定を行う構成となっている。そして、自車位置情報取得部6により取得された自車位置情報は、データ抽出部7、レーン判定部8、及びナビゲーション用演算部9へ出力される。
【0040】
4.データ抽出部
データ抽出部7は、自車位置情報取得部6で取得された自車位置情報等に基づいて、地図データベース22から必要な地図情報Mや地物情報Fを含む道路情報Hを抽出する。すなわち、データ抽出部7は、画像認識部5による画像認識処理の対象となる地物の地物情報Fを含む道路情報Hを抽出し、画像認識部5へ出力する。また、データ抽出部7は、自車位置情報取得部6によるマップマッチングに用いる自車位置周辺の地図情報Mを抽出し、自車位置情報取得部6へ出力する。更に、データ抽出部7は、レーン判定部8による自車レーンの判定に用いる自車位置周辺の道路情報Hを抽出し、レーン判定部8へ出力する。また、データ抽出部7は、ナビゲーション用演算部9によるナビゲーション処理に用いるために、ナビゲーション用演算部9から要求があった領域の地図情報Mを地図データベース22から抽出し、ナビゲーション用演算部9へ出力する。ここで、データ抽出部7により抽出されてレーン判定部8に出力される自車位置周辺の道路情報Hには、自車両が走行中の道路R0に対して、交差点Cを挟んで道なり方向に存在する直進道路R1(図5参照)のレーン数及びレーン幅の情報、並びに交差点Cを有して交差する交差道路R2(図9参照)のレーン数及びレーン幅の情報も含まれる。したがって、本実施形態においては、このデータ抽出部7が本発明における道路情報取得手段として機能する。
【0041】
5.画像認識部
画像認識部5は、画像情報取得部4で取得された画像情報G(図3参照)に対する画像認識処理を行う画像認識手段として機能する。本実施形態においては、画像認識部5は、データ抽出部7で抽出された地物情報Fを用いて、主に道路の路面に設けられた区画線等の道路標示の地物についての画像認識処理を行う。具体的には、画像認識部5は、取得された画像情報Gに対して二値化処理やエッジ検出処理等を行い、当該画像情報Gに含まれている地物(道路標示)の輪郭情報を抽出する。その後、画像認識部5は、データ抽出部7で抽出された地物情報Fに含まれる地物の形態情報に基づいて、当該形態情報が示す形態と一致する輪郭情報を有する地物を抽出する。そして、当該形態情報と一致する輪郭情報を有する地物を抽出した場合には、自車両と当該地物との位置関係を演算し、当該地物の地物種別及び自車両との位置関係の情報を、画像認識結果としてレーン判定部8に出力する。自車両と画像情報G中の地物との位置関係は、当該地物の画像情報G中の位置と、自車両30への撮像装置21の取付位置、取付角度、及び画角等に基づいて予め演算された自車位置と画像情報G中の各位置との関係を示す情報とに基づいて演算することができる。
【0042】
例えば、画像認識部5は、レーン判定部8の第一レーン判定部10による自車レーンの判定のために、データ抽出部7で抽出された道路情報Hに含まれる自車位置周辺の区画線の地物情報Fを用いて、画像情報Gに含まれる区画線の画像認識処理を行う。具体的には、画像認識部5は、自車両の周辺に存在する区画線の種別、及び各区画線と自車両との位置関係の認識を行う。また、画像認識部5は、レーン判定部8の進入方位検出部11による交差点C(図5参照)への進入方位の検出のために、データ抽出部7で抽出された道路情報Hに含まれる自車位置周辺の交差点境界地物fc(図5参照)の地物情報Fを用いて、画像情報Gに含まれる交差点境界地物fcの画像認識処理を行う。具体的には、画像認識部5は、自車両の周辺に存在する停止線や横断歩道等の交差点境界地物fcの種別、及び当該交差点境界地物fcと自車両との位置関係の認識を行う。そして、画像認識部5は、このような地物の画像認識結果をレーン判定部8へ出力する。
【0043】
6.レーン判定部
レーン判定部8は、画像認識部5による画像認識結果、自車位置情報取得部6により取得される自車位置情報、及びデータ抽出部7により取得される道路情報Hに基づいて、自車両が走行中の道路のレーンである自車レーンの判定を行う。そのため、本実施形態においては、レーン判定部8は、第一レーン判定部10、進入方位検出部11、移動量検出部13、及び第二レーン判定部14を備えている。なお、レーン判定部8は、自車レーンの判定が必要な場合、すなわち自車両が走行中の道路が進行方向(片側)に複数レーンを有している場合にのみ自車レーンを判定する演算処理を行う。そして、レーン判定部8は、判定結果としての自車レーン情報を自車位置情報取得部6へ出力する。これにより、ナビゲーション装置1は自車レーン情報を取得することができ、ナビゲーション用演算部9等において、自車レーン情報を参照した進路案内や経路探索等のナビゲーション動作を行うことができる。以下、このレーン判定部8が備える各処理部10〜13における処理について、図3〜13を用いて詳細に説明する。
【0044】
6−1.第一レーン判定部
第一レーン判定部10は、交差点C(図5参照)内及び交差点Cの通過直後以外の領域において自車レーンの判定を行う。本実施形態においては、第一レーン判定部10は、画像認識部5による地物の画像認識結果と、データ抽出部7により取得される道路情報Hに含まれる自車両の周辺の地物の地物情報Fとに基づく自車レーンの判定である第一レーン判定処理を行う。具体的には、例えば、第一レーン判定部10は、画像認識部5による画像認識結果に示される自車両の周辺の区画線の種別(実線、破線、二重線等の線種)及び各区画線と自車両との位置関係と、自車位置周辺の道路情報Hに含まれる区画線の地物情報Fとに基づいて、自車両が進行中のレーンを特定する。例えば、撮像装置21としてのバックカメラにより、図3に示すような画像情報Gが取得された場合において、図4に示すような自車両周辺の道路情報Hが取得された場合には、自車両が存在するレーンは、3車線の中の中央車線であると特定することができる。すなわち、図3に示す画像情報Gに示される画像中では、自車両の位置である画像の幅方向中央に対して両側に破線の区画線があり、更にその両外側にそれぞれ実線の区画線がある。一方、図4に示す道路情報Hによれば、自車両が走行している道路は3車線であり、道路の幅方向両側には実線の区画線の地物情報Fが存在し、道路の幅方向中央側には各車線を区切る2本の破線の区画線の地物情報Fが存在していることがわかる。したがって、第一レーン判定部10は、これらの情報を対比することにより、自車両が存在するレーンが3車線の中の中央車線であると特定することができる。また、第一レーン判定部10は、画像認識部5による画像認識結果に示される区画線の位置情報に基づいて、自車両が区画線を跨いだか否かにより車線変更の有無を判定し、その判定結果に基づく自車レーンの判定処理も行う。本実施形態においては、この第一レーン判定部10が第一レーン判定手段として機能する。
【0045】
6−2.進入方位検出部
進入方位検出部11は、自車両の交差点Cへの進入方位Iを検出する進入方位検出手段として機能する。また、本実施形態においては、進入方位検出部11は、交差点Cへの自車両の進入を検出する進入検出手段としても機能する。例えば図5に示すように、進入方位検出部11は、自車両が走行中の道路R0と交差点Cとの境界付近に存在する交差点境界地物fcについての画像認識結果と、道路情報Hに含まれる当該交差点境界地物fcの情報とに基づいて、進入方位Iを検出する処理を行う。また、進入方位検出部11は、このような交差点境界地物fcの画像認識がされた際に、自車両が交差点Cに進入したことを検出する。ここで、交差点境界地物fcとなる地物としては、例えば、停止線や横断歩道等が含まれる。なお、図5は、交差点境界地物fcが停止線である場合の例を示している。進入方位Iの検出に際して、進入方位検出部11は、具体的には、画像認識部5による画像認識結果に示される交差点境界地物fcと自車両との位置関係に基づいて、交差点境界地物fcの配置方向(例えば、停止線の長辺の絶対方位等)を基準とする自車両の進行方位を演算する。ここで、交差点境界地物fcの実際の配置方向の情報は、道路情報Hに含まれる当該交差点境界地物fcの地物情報Fから取得することができる。そして、進入方位検出部11は、このように検出された自車両の進行方向を交差点Cへの進入方位Iとして検出する。本実施形態においては、進入方位検出部11は、進入方位Iを絶対方位として検出する。例えば、進入方位検出部11は、真北を0°とした360°までの角度で表す値として進入方位Iを検出する。
【0046】
6−3.進路変更判定部
進路変更判定部12は、交差点Cにおける自車両の進路変更の有無を判定する進路変更判定手段として機能する。本実施形態においては、進路変更判定部12は、自車レーンの進行方向の指定、図示しない方向指示器の動作状況、ナビゲーション装置1により案内中の案内経路等に基づいて、自車両の進路変更の有無、すなわち自車両が交差点Cにおいて道なりに直進するか、進路変更(右折又は左折)するかを総合的に判定する。ここで、自車レーンの進行方向の指定の情報は、第一レーン判定部10により判定された自車レーンと、道路情報Hに含まれる自車両が走行中の道路R0の各レーンの進行方向の指定(右折専用、左折専用、直進専用等)に関する情報とに基づいて取得することができる。そして、進路変更判定部12は、交差点Cへの進入前の自車レーンの進行方向の指定が右折専用又は左折専用である場合には進路変更が有る可能性が高いと判定し、それ以外の場合には進路変更が無い可能性が高いと判定する。また、進路変更判定部12は、方向指示器が動作状態のまま交差点Cに進入した場合には進路変更が有る可能性が高いと判定し、それ以外の場合には進路変更が無い可能性が高いと判定する。また、進路変更判定部12は、案内中の案内経路が当該交差点Cにおいて進路変更する経路となっている場合には進路変更が有る可能性が高いと判定し、それ以外の場合には進路変更が無い可能性が高いと判定する。そして、後述するように、この進路変更判定部12により、自車両の進路変更が無いと判定された場合には、移動量検出部13及び第二レーン判定部14は、直進用の処理を行い、自車両の進路変更が有ると判定された場合には、移動量検出部13及び第二レーン判定部14は、進路変更用の処理を行う。
【0047】
6−3.移動量検出部
移動量検出部13は、交差点内Cにおける進入方位Iに直交する方向又は平行な方向の自車両の移動量Dを検出する移動量検出手段として機能する。本実施形態においては、移動量検出部13は、進路変更判定部12により自車両の進路変更が無いと判定された場合には、交差点内Cにおける進入方位Iに直交する方向の自車両の移動量Dを検出する直進用移動量検出処理を行う。具体的には、直進用移動量検出処理を行う場合、例えば図5及び図7に示すように、移動量検出部13は、進入方位検出部11により検出された進入方位Iに直交する基準軸Xを設定し、当該基準軸X方向の自車両の移動量Dのみを推測航法により検出する。すなわち、移動量検出部13は、推測航法で得られる情報の中から基準軸X方向の情報のみを用いて、進入方位Iに直交する基準軸X方向の移動量Dを検出する。ここで、推測航法は、方位センサ24及び距離センサ25による検出結果に基づいて、自車両が移動した軌跡を検出する公知の航法である。本実施形態においては、この推測航法に係る演算処理は、自車位置情報取得部6により行われる。
【0048】
一方、移動量検出部13は、進路変更判定部12により自車両の進路変更が有ると判定された場合には、交差点内Cにおける進入方位Iに平行な方向の自車両の移動量Dを検出する進路変更用移動量検出処理を行う。具体的には、進路変更用移動量検出処理を行う場合、例えば図9、図11、及び図12に示すように、移動量検出部13は、進入方位検出部11により検出された進入方位Iに平行な基準軸Yを設定し、当該基準軸Y方向の自車両の移動量Dのみを推測航法により検出する。すなわち、移動量検出部13は、推測航法で得られる情報の中から基準軸Y方向の情報のみを用いて、進入方位Iに平行な基準軸Y方向の移動量Dを検出する。
【0049】
6−4.第二レーン判定部
第二レーン判定部14は、自車両が交差点Cを通過したときに、直進道路R1(図5参照)又は交差道路R2(図9参照)における自車レーンを判定する第二レーン判定手段として機能する。本実施形態においては、第二レーン判定部14は、進路変更判定部12により自車両の進路変更が無いと判定された場合には、自車両が交差点Cを通過したときに、直進道路R1における自車レーンを判定する直進用第二レーン判定処理を行う。一方、第二レーン判定部14は、進路変更判定部12により自車両の進路変更(右折又は左折)が有ると判定された場合には、自車両が交差点Cを通過したときに、交差道路R2における自車レーンを判定する進路変更用第二レーン判定処理を行う。そして、第二レーン判定部14は、自車レーンの判定結果の情報を、ナビゲーション用演算部9へ出力する。以下に、第二レーン判定部14による第二レーン判定処理を、直進用第二レーン判定処理と進路変更用第二レーン判定処理とに分けて詳細に説明する。
【0050】
6−5.直進用第二レーン判定処理
まず、直進用第二レーン判定処理について説明する。第二レーン判定部14は、直進用第二レーン判定処理を、第一レーン判定部10により判定された交差点Cへの進入前の自車レーンと、データ抽出部7により抽出された自車位置周辺の道路情報Hと、移動量検出部13による直進用移動量検出処理により検出された進入方位Iに直交する基準軸X方向の自車両の移動量Dと、に基づいて行う。本実施形態においては、例えば図5に示すように、第二レーン判定部14は、第一レーン判定部10により判定された交差点Cへの進入前の自車レーン(図5の例では第二レーンL2)と、進入方位Iと、道路情報Hとに基づいて、基準軸X方向の移動量Dに関して直進道路R1の各レーンL1、L2、L3に対応するレーン範囲A1、A2、A3を設定し、基準軸X方向の移動量Dが、どのレーン範囲に含まれるかに応じて、直進道路R1における自車レーンを判定する。
【0051】
このような第二レーン判定部14による直進用第二レーン判定処理の詳細について、図5〜8に示す具体例に基づいて説明する。これらの図に示される例は、いずれも自車両が走行中の道路R0から交差点Cに進入した後、当該交差点Cを挟んで道なり方向に存在する直進道路R1へ退出した場合の具体例である。そして、図5及び図7は、第二レーン判定部14による自車レーンの判定処理の内容を、交差点C内での自車両の実際の移動軌跡との関係で示した説明図である。ここで、図5の例は、進入方位Iが道路R0のレーンに平行である場合を示し、図7の例は、進入方位Iが道路R0のレーンに対して所定の角度を有する場合を示している。これらの図5及び図7は、いずれも道路R0と直進道路R1とが同一直線状に配置されている場合の例を示している。また、これらの図において、太線矢印は、交差点Cへの自車両の進入方位Iを示し、破線矢印は、交差点C内における自車両の実際の移動軌跡を示している。また、自車両が走行中の道路R0及び直進道路R1の各レーンは、左側から第一レーンL1、第二レーンL2、第三レーンL3として説明する。図6及び図8は、第二レーン判定部14により実際に行われる自車レーンの判定処理の内容を示した説明図であり、図6は図5の例に対応し、図8は図7の例に対応している。
【0052】
まず、図5及び図6に示す具体例について説明する。図5に示す例では、第一レーン判定部10により判定された交差点Cへの進入前の自車レーンは第二レーンL2である。また、進入方位検出部11により検出された進入方位Iは、道路R0及び直進道路R1の各レーンに平行な方向となっている。そこで、第二レーン判定部14は、これらの情報と道路情報Hに含まれる各道路R0、R1のレーン数、レーン幅、各レーンの位置関係等とに基づいて、基準軸X方向の移動量Dに関する直進道路R1の各レーンL1、L2、L3に対応するレーン範囲A1、A2、A3を、以下のようにして設定する。まず、第二レーン判定部14は、道路情報Hに基づいて、交差点Cへの進入前の自車レーンである第二レーンL2の幅方向中央を進入点Oとし、この進入点Oから進入方位Iに平行に延長した直線が直進道路R1内に入った所の点を基準点O´として設定する。これにより、道路情報Hに基づいて、図5に示すように、基準点O´と直進道路R1の各レーンL1、L2、L3との位置関係を求めることができる。そこで、第二レーン判定部14は、基準点O´と直進道路R1の各レーンL1、L2、L3との位置関係に基づいて、図6に示すように、基準点O´を基準とする基準軸X方向の移動量Dに関するレーン範囲A1、A2、A3を設定する。
【0053】
そして、第二レーン判定部14は、基準点O´からの基準軸X方向の移動量Dが、設定したレーン範囲A1、A2、A3のいずれに含まれるかに応じて、直進道路R1における自車レーンを判定する。図5及び図6に示す例では、基準軸X方向の移動量Dは、直進道路R1の各レーンL1、L2、L3のレーン幅とほぼ同じ長さであり、その移動方向は、自車両の進行方向左側(図5及び図6における左側)である。この場合、図6に示すように、基準点O´からの基準軸X方向の移動量Dは直進道路R1の第一レーンL1に対応する第一レーン範囲A1に含まれる。したがって、第二レーン判定部14は、直進道路R1における自車レーンを第一レーンL1と判定する。ここで、図6における基準点O´から基準軸X方向に移動量Dだけ移動した点Pは、図5に示すように、自車両の交差点Cからの退出点Pに対応する。このような直進用第二レーン判定処理を行うことにより、図6に示すように、基準軸X方向の移動量Dと各レーン範囲A1、A2、A3との関係に基づいて、交差点C内での自車両の移動軌跡の全てを検出することなく、直進道路R1での自車レーンを判定することができるので、レーン判定部8における演算処理負荷を軽減することができる。
【0054】
次に、図7及び図8に示す具体例について説明する。図7に示す例では、第一レーン判定部10により判定された交差点Cへの進入前の自車レーンは第三レーンL3である。また、進入方位検出部11により検出された進入方位Iは、道路R0及び直進道路R1の各レーンに対して進行方向左側に所定の角度を有して傾斜した方向となっている。したがって、本例では、上記図5及び図6に示す具体例と比べて、進入方位Iの傾斜角度分だけ基準軸Xが傾斜している。また、それに伴い、図7に示すように、直進道路R1の各レーンL1、L2、L3に対応する各レーン範囲A1、A2、A3も直進道路R1の各レーンL1、L2、L3に対して傾斜して設定されることになる。よって、図8に示すように、各レーン範囲A1、A2、A3の幅は、各レーンL1、L2、L3のレーン幅に対してやや大きく設定されることになる。本例においても、まず、第二レーン判定部14は、上記図5及び図6に示す具体例と同様に、基準点O´を設定する。すなわち、第二レーン判定部14は、道路情報Hに基づいて、交差点Cへの進入前の自車レーンである第三レーンL3の幅方向中央を進入点Oとし、この進入点Oから進入方位Iに平行に延長した直線が直進道路R1内に入った所の点を基準点O´として設定する。本例では、進入方位Iが傾斜しているため、基準点O´は、交差点Cへの進入前の自車レーンと同じ第三レーンL3とはならず、第二レーンL2の右端付近に設定される。そして、第二レーン判定部14は、基準点O´と直進道路R1の各レーンL1、L2、L3との位置関係に基づいて、図8に示すように、基準点O´を基準とする基準軸X方向の移動量Dに関するレーン範囲A1、A2、A3を設定する。
【0055】
そして、上記図5及び図6に示す具体例と同様に、第二レーン判定部14は、基準点O´からの基準軸X方向の移動量Dが、設定したレーン範囲A1、A2、A3のいずれに含まれるかに応じて、直進道路R1における自車レーンを判定する。図7及び図8に示す例では、基準軸X方向の移動量Dは、直進道路R1の各レーンL1、L2、L3のレーン幅の約1.5倍の長さであり、その移動方向は、自車両の進行方向左側(図7及び図8における左側)である。この場合、図8に示すように、基準点O´からの基準軸X方向の移動量Dは直進道路R1の第一レーンL1に対応する第一レーン範囲A1に含まれる。したがって、第二レーン判定部14は、直進道路R1における自車レーンを第一レーンL1と判定する。ここで、図8における基準点O´から基準軸X方向に移動量Dだけ移動した点Pは、図7に示すように、自車両の退出点Pに対応する。
【0056】
なお、上記の図5〜8に示す各例では、第二レーン判定部14が、直進用第二レーン判定処理に際して、直進道路R1の各レーンL1、L2、L3に対応して設定された基準軸X方向の移動量Dに関するレーン範囲A1、A2、A3と、基準軸X方向の移動量Dと、を照らし合わせることにより、直進道路R1における自車レーンを判定する構成である場合について説明した。しかし、第二レーン判定部14による直進道路R1での自車レーンの判定方法はこれに限定されず、以下のような判定方法とすることもできる。すなわち、第二レーン判定部14は、道路情報Hに含まれる直進道路R1の各レーンのレーン幅の情報と、基準軸X方向の自車両の移動量Dとを比較することにより、交差点C内で自車両が移動したレーン数を判定する。そして、第二レーン判定部14は、このように判定された自車両が移動したレーン数と、交差点Cへの進入前の自車レーン等とに基づいて、直進道路R1における自車レーンを判定する。
【0057】
具体的には、まず、第二レーン判定部14は、進入点Oからの基準軸X方向の移動量Dと直進道路R1の各レーンL1、L2、L3のレーン幅とを比較して交差点C内で自車両が移動したレーン数及び移動方向を判定する。そして、交差点Cへの進入前の自車レーンと、道路情報Hに示される道路R0及び直進道路R1の各レーンの位置関係とに基づいて、直進道路R1における自車レーンを判定する。例えば、図5に示す例の場合、第二レーン判定部14は、進入点Oからの基準軸X方向の移動量Dと直進道路R1の各レーンL1、L2、L3のレーン幅とを比較して、左方向に1レーン移動したと判定する。そして、交差点Cへの進入前の自車レーンが第二レーンL2であるので、第二レーン判定部14は、直進道路R1における自車レーンは、第二レーンL2から左方向に1レーン移動した第一レーンL1であると判定する。なお、この場合、進入方位Iが道路R0及び直進道路R1の各レーンに平行な方向であるものとして判定を行っているが、進入方位Iを考慮したレーン判定を行っても好適である。
【0058】
6−6.進路変更用第二レーン判定処理
次に、進路変更用第二レーン判定処理について説明する。第二レーン判定部14は、進路変更用第二レーン判定処理を、データ抽出部7により抽出された自車位置周辺の道路情報Hと、移動量検出部13による進路変更用移動量検出処理により検出された進入方位Iに平行な基準軸Y方向の自車両の移動量Dと、に基づいて行う。本実施形態においては、例えば図9に示すように、第二レーン判定部14は、進入方位Iと、道路情報Hとに基づいて、基準軸Y方向の移動量Dに関して交差道路R2の各レーンL1、L2、L3に対応するレーン範囲A1、A2、A3を設定し、基準軸Y方向の移動量Dが、どのレーン範囲に含まれるかに応じて、交差道路R2における自車レーンを判定する。
【0059】
このような第二レーン判定部14による進路変更用第二レーン判定処理の詳細について、図9〜13に示す具体例に基づいて説明する。これらの図に示される例は、いずれも自車両が走行中の道路R0から交差点Cに進入した後、当該交差点Cで進路変更(右折又は左折)して交差道路R2へ退出した場合の具体例である。そして、図9、図11及び図12は、第二レーン判定部14による自車レーンの判定処理の内容を、交差点C内での自車両の実際の移動軌跡との関係で示した説明図である。ここで、図9の例は、交差点Cで左折する場合であって進入方位Iが道路R0のレーンに平行である場合を示し、図11の例は、交差点Cで左折する場合であって進入方位Iが道路R0のレーンに対して所定の角度を有する場合を示し、図12の例は、交差点Cで右折する場合であって進入方位Iが道路R0のレーンに平行である場合を示している。これらの図9、図11及び図12は、いずれも道路R0と交差道路R2とが直交するように配置されている場合の例を示している。また、これらの図において、太線矢印は、交差点Cへの自車両の進入方位Iを示し、破線矢印は、交差点C内における自車両の実際の移動軌跡を示している。また、自車両が走行中の道路R0及び交差道路R2の各レーンは、左側から第一レーンL1、第二レーンL2、第三レーンL3(但し、道路R0は第三レーンL3を有しない)として説明する。図10及び図13は、第二レーン判定部14により実際に行われる自車レーンの判定処理の内容を示した説明図であり、図10は図9の例に対応し、図13は図12の例に対応している。
【0060】
まず、図9及び図10に示す具体例について説明する。図9に示す例では、進入方位検出部11により検出された進入方位Iは、道路R0の各レーンに平行な方向であって交差道路R2の各レーンに直交する方向となっている。また、第一レーン判定部10により判定された交差点Cへの進入前の自車レーンは左折専用レーンである第一レーンL1であり、進路変更判定部12により、自車両は交差点Cにおいて左折すると判定されている。そこで、第二レーン判定部14は、これらの情報と道路情報Hに含まれる交差道路R2のレーン数及びレーン幅、並びに道路R0及び交差道路R2の各レーンの位置関係等とに基づいて、基準軸Y方向の移動量Dに関する交差道路R2の各レーンL1、L2、L3に対応するレーン範囲A1、A2、A3を、以下のようにして設定する。すなわち、第二レーン判定部14は、道路情報Hに基づいて、図9に示すように、自車両の交差点Cへの進入点Oと交差道路R2の各レーンL1、L2、L3との位置関係を求めることができる。そこで、第二レーン判定部14は、進入点Oと交差道路R2の各レーンL1、L2、L3との位置関係に基づいて、図10に示すように、進入点Oを基準とする基準軸Y方向の移動量Dに関するレーン範囲A1、A2、A3を設定する。
【0061】
そして、第二レーン判定部14は、進入点Oからの基準軸Y方向の移動量Dが、設定したレーン範囲A1、A2、A3のいずれに含まれるかに応じて、交差道路R2における自車レーンを判定する。本例では、図10に示すように、進入点Oからの基準軸Y方向の移動量Dは交差道路R2の第二レーンL2に対応する第二レーン範囲A2に含まれる。したがって、第二レーン判定部14は、交差道路R2における自車レーンを第二レーンL2と判定する。ここで、図10における進入点Oから基準軸Y方向に移動量Dだけ移動した点Pは、図9に示すように、自車両の交差点Cからの退出点Pに対応する。このような進路変更用第二レーン判定処理を行うことにより、図10に示すように、基準軸Y方向の移動量Dと各レーン範囲A1、A2、A3との関係に基づいて、交差点C内での自車両の移動軌跡の全てを検出することなく、交差道路R2での自車レーンを判定することができるので、レーン判定部8における演算処理負荷を軽減することができる。
【0062】
次に、図11に示す具体例について説明する。なお、第二レーン判定部14により実際に行われる自車レーンの判定処理の内容を示した説明図であって、図11の例に対応する図は、各レーン範囲A1、A2、A3の幅がやや大きく設定される以外は図10とほぼ同様の図となるため、図10を用いて以下の説明を行う。図11に示す例では、進入方位検出部11により検出された進入方位Iは、道路R0の各レーンに対して進行方向左側に所定の角度を有して傾斜した方向となっている。したがって、本例では、上記図9に示す具体例と比べて、進入方位Iの傾斜角度分だけ基準軸Yが傾斜している。また、それに伴い、図11に示すように、交差道路R2の各レーンL1、L2、L3に対応する各レーン範囲A1、A2、A3も交差道路R2の各レーンL1、L2、L3に対して傾斜して設定されることになる。よって、各レーン範囲A1、A2、A3の幅は、各レーンL1、L2、L3のレーン幅に対してやや大きく設定されることになる。本例においても、まず、第二レーン判定部14は、上記図9に示す具体例と同様に、進入点Oと交差道路R2の各レーンL1、L2、L3との位置関係に基づいて、図10に示すように、進入点Oを基準とする基準軸Y方向の移動量Dに関するレーン範囲A1、A2、A3を設定する。
【0063】
そして、上記図9に示す具体例と同様に、第二レーン判定部14は、進入点Oからの基準軸Y方向の移動量Dが、設定したレーン範囲A1、A2、A3のいずれに含まれるかに応じて、交差道路R2における自車レーンを判定する。本例では、図10に示すように、進入点Oからの基準軸Y方向の移動量Dは交差道路R2の第二レーンL2に対応する第二レーン範囲A2に含まれる。したがって、第二レーン判定部14は、交差道路R2における自車レーンを第二レーンL2と判定する。ここで、図10における進入点Oから基準軸Y方向に移動量Dだけ移動した点Pは、図11に示すように、自車両の退出点Pに対応する。
【0064】
次に、図12及び図13に示す具体例について説明する。図12に示す例では、進入方位検出部11により検出された進入方位Iは、道路R0の各レーンに平行な方向であって交差道路R2の各レーンに直交する方向となっている。また、第一レーン判定部10により判定された交差点Cへの進入前の自車レーンは右折専用レーンである第二レーンL2であり、進路変更判定部12により、自車両は交差点Cにおいて右折すると判定されている。本例においても、上記図9及び図10に示す具体例と同様に、第二レーン判定部14は、進入点Oと交差道路R2の各レーンL1、L2、L3との位置関係に基づいて、図13に示すように、進入点Oを基準とする基準軸Y方向の移動量Dに関するレーン範囲A1、A2、A3を設定する。そして、第二レーン判定部14は、進入点Oからの基準軸Y方向の移動量Dが、設定したレーン範囲A1、A2、A3のいずれに含まれるかに応じて、交差道路R2における自車レーンを判定する。本例では、図13に示すように、進入点Oからの基準軸Y方向の移動量Dは交差道路R2の第一レーンL1に対応する第一レーン範囲A1に含まれる。したがって、第二レーン判定部14は、交差道路R2における自車レーンを第一レーンL1と判定する。ここで、図13における進入点Oから基準軸Y方向に移動量Dだけ移動した点Pは、図12に示すように、自車両の交差点Cからの退出点Pに対応する。
【0065】
なお、上記の図9〜13に示す各例では、第二レーン判定部14が、進路変更用第二レーン判定処理に際して、交差道路R2の各レーンL1、L2、L3に対応して設定された基準軸Y方向の移動量Dに関するレーン範囲A1、A2、A3と、基準軸Y方向の移動量Dと、を照らし合わせることにより、交差道路R2における自車レーンを判定する構成である場合について説明した。しかし、第二レーン判定部14による交差道路R2での自車レーンの判定方法はこれに限定されず、以下のような判定方法とすることもできる。すなわち、第二レーン判定部14は、道路情報Hに基づいて、自車両の交差点Cへの進入点Oから最も近い交差道路R2のレーンまでの移動量に相当する基準移動量Db(図9及び図12参照)に対して、基準軸Y方向の自車両の移動量Dの当該基準移動量Dbを超えた部分と、道路情報Hに含まれる交差道路R2の各レーンのレーン幅とを比較することにより、交差点C内で自車両が移動したレーン数を判定する。そして、第二レーン判定部14は、このように判定された自車両が移動したレーン数に基づいて、交差道路R2における自車レーンを判定する。
【0066】
具体的には、まず、第二レーン判定部14は、進入点Oから最も近い交差道路R2のレーンまでの移動量に相当する基準移動量Dbを求める。例えば、図9に示す例(左折)の場合、進入点Oから最も近い交差道路R2のレーンは第一レーンL1であり、図12に示す例(右折)の場合、進入点Oから最も近い交差道路R2のレーンは第三レーンL3である。そして、基準移動量Dbは、進入点Oからこれらのレーンの幅方向中央までの基準軸Yに平行な方向の長さとして求められる。そして、第二レーン判定部14は、基準軸Y方向の自車両の移動量Dの当該基準移動量Dbを超えた部分と、交差道路R2の各レーンL1、L2、L3のレーン幅とを比較して交差点C内で自車両が移動したレーン数を判定する。そして、第二レーン判定部14は、進入点Oから最も近い交差道路R2のレーンに対して、交差点C内で自車両が移動したレーン数だけ自車両の進行方向奥側のレーンを、交差道路R2における自車レーンと判定する。例えば、図9に示す例の場合、第二レーン判定部14は、交差点C内で自車両が1レーン移動したと判定する。そして、進入点Oから最も近い交差道路R2のレーンは第一レーンL1であるので、第二レーン判定部14は、交差道路R2における自車レーンは、第一レーンL1から自車両の進行方向奥側に1レーン移動した第二レーンL2であると判定する。また、例えば、図12に示す例の場合、第二レーン判定部14は、交差点C内で自車両が2レーン移動したと判定する。そして、進入点Oから最も近い交差道路R2のレーンは第三レーンL3であるので、第二レーン判定部14は、交差道路R2における自車レーンは、第三レーンL3から自車両の進行方向奥側に2レーン移動した第一レーンL1であると判定する。
【0067】
7.ナビゲーション用演算部
ナビゲーション用演算部9は、自車位置表示、出発地から目的地までの経路探索、目的地までの進路案内、目的地検索等のナビゲーション機能を実行するためにアプリケーションプログラム15に従って動作する演算処理手段である。例えば、ナビゲーション用演算部9は、アプリケーションプログラム15に従い、データ抽出部7により地図データベース22から自車両周辺の地図情報Mを取得して表示装置26に地図の画像を表示するとともに、当該地図の画像上に、自車位置情報に基づいて自車位置マークを重ね合わせて表示する処理を行う。また、ナビゲーション用演算部9は、アプリケーションプログラム15に従い、公知の方法により計算された出発地から目的地までの経路と自車位置情報とに基づいて、表示装置26及び音声出力装置27の一方又は双方を用いて進路案内を行う。また、この際、アプリケーションプログラム15は、レーン判定部8により判定された自車レーンの情報を参照し、自車位置表示、経路探索、及び進路案内等のナビゲーション動作を行う。具体的には、例えば、表示装置26に判定された自車レーンを表示し、自車レーンに応じて無理な車線変更が必要になる進路案内を中止する等の動作を行う。本実施形態においては、ナビゲーション用演算部9、表示装置26及び音声出力装置27が、本発明における案内情報出力手段28として機能する。なお、図示は省略するが、ナビゲーション用演算部9は、この他にも、リモートコントローラや表示装置26と一体的に設けられたタッチパネルなどのユーザインタフェース等、ナビゲーション装置として必要な公知の各種構成に接続されている。
【0068】
8.レーン判定方法
次に、本実施形態に係るレーン判定装置2を含むナビゲーション装置1において実行される、レーン判定方法について説明する。図14は、本実施形態に係るレーン判定方法の全体処理順序を示すフローチャートであり、図15は、本実施形態に係る第二レーン判定処理の詳細な処理順序を示すフローチャートである。
【0069】
図14に示すように、自車レーンの判定に際して、ナビゲーション装置1では、まず、画像情報取得部4により、撮像装置21が撮像した自車位置周辺の画像情報Gを取得する(ステップ#01)。次に、自車位置情報取得部6により自車位置情報を取得する(ステップ#02)。そして、このステップ#02で取得した自車位置情報に基づいて、データ抽出部7により、自車位置周辺の道路情報Hを地図データベース22から抽出して取得する(ステップ#03)。その後、レーン判定部8の第一レーン判定部10により、第一レーン判定処理を行う(ステップ#04)。ここで、第一レーン判定部10による第一レーン判定処理は、上記のとおり、交差点C(図5参照)内及び交差点Cの通過直後以外の領域において行う自車レーンの判定である。この第一レーン判定部10による第一レーン判定処理の内容については既に説明したのでここでは省略する。そして、レーン判定部8の進入方位検出部11により、自車両が交差点Cに進入したか否かの判定を行う(ステップ#05)。この判定は、上記のとおり、交差点境界地物fcの画像認識結果に基づいて行う。そして、自車両が交差点Cに進入したと判定されるまでは(ステップ#05:No)、第一レーン判定部10による第一レーン判定処理を継続して行う(ステップ#04)。
【0070】
一方、自車両が交差点Cに進入したと判定された場合には(ステップ#05:Yes)、次に、レーン判定部8の進路変更判定部12により、交差点Cにおける自車両の進路変更の有無の判定を行う(ステップ#06)。この判定は、上記のとおり、自車レーンの進行方向の指定、方向指示器の動作状況、ナビゲーション装置1により案内中の案内経路等に基づいて総合的に行われる。そして、自車両が交差点Cにおいて道なりに直進すると判定された場合には(ステップ#06:No)、第二レーン判定部14により直進用第二レーン判定処理を行う(ステップ#07)。一方、自車両が交差点Cにおいて進路変更(右折又は左折)すると判定された場合には(ステップ#06:Yes)、第二レーン判定部14により進路変更用二レーン判定処理を行う(ステップ#08)。以上で、レーン判定方法の全体処理を終了する。
【0071】
次に、ステップ#07の直進用第二レーン判定処理、及びステップ#08の進路変更用二レーン判定処理の詳細な処理順序について説明する。これらの2種類の第二レーン判定処理の処理順序は、共に図15に示すような処理順序となる。ここでは、まず、ステップ#07の直進用第二レーン判定処理の詳細について説明する。図15に示すように、直進用第二レーン判定処理に際して、ナビゲーション装置1では、まず、レーン判定部8の進入方位検出部11により、自車両の交差点Cへの進入方位I(図5参照)を検出する(ステップ#11)。上記のとおり、進入方位Iの検出は、交差点境界地物fcについての画像認識結果と、道路情報Hに含まれる当該交差点境界地物fcの情報とに基づいて行う。そして、移動量検出部13により、交差点内Cにおける進入方位Iに直交する方向の自車両の移動量D(図5参照)を検出する(ステップ#12)。この際、移動量検出部13は、進入方位Iに直交する方向に設定した基準軸X方向の自車両の移動量Dを推測航法により検出する。そして、自車両が交差点Cを通過するまでは(ステップ#13:No)、移動量検出部13による移動量Dの検出処理を継続する(ステップ#12)。ここで、自車両が交差点Cを通過したか否かは、例えば、自車位置情報取得部6により取得される自車位置情報に示される自車両の位置が交差点Cを通過したか否か等に基づいて判定する。
【0072】
その後、自車両が交差点Cを通過した際には(ステップ#13:Yes)、第二レーン判定部14により、直進道路R1(図5参照)の各レーンL1、L2、L3に対応するレーン範囲A1、A2、A3を設定する。この際、第二レーン判定部14は、例えば図5に示すように、図14のステップ#04で判定された交差点Cへの進入前の自車レーン(図5の例では第二レーンL2)と、ステップ#11で検出された進入方位Iと、図14のステップ#03で取得された道路情報Hとに基づいて、進入方位Iに直交する基準軸X方向の移動量Dに関して直進道路R1の各レーンL1、L2、L3に対応するレーン範囲A1、A2、A3を設定する(ステップ#14)。その後、第二レーン判定部14は、基準軸X方向の移動量Dが、設定した各レーンL1、L2、L3に対応するレーン範囲A1、A2、A3のいずれに含まれるかに応じて、直進道路R1における自車レーンを判定する(ステップ#15)。この際の第二レーン判定部14による自車レーンの判定方法については既に説明したので、ここでは説明を省略する。以上でステップ#07の直進用第二レーン判定処理を終了する。
【0073】
次に、ステップ#08の進路変更用二レーン判定処理の詳細について説明する。図15に示すように、進路変更用第二レーン判定処理に際して、ナビゲーション装置1では、まず、レーン判定部8の進入方位検出部11により、自車両の交差点Cへの進入方位I(図9参照)を検出する(ステップ#11)。上記のとおり、進入方位Iの検出は、交差点境界地物fcについての画像認識結果と、道路情報Hに含まれる当該交差点境界地物fcの情報とに基づいて行う。そして、移動量検出部13により、交差点内Cにおける進入方位Iに平行な方向の自車両の移動量D(図9参照)を検出する(ステップ#12)。この際、移動量検出部13は、進入方位Iに平行な方向に設定した基準軸Y方向の自車両の移動量Dを推測航法により検出する。そして、自車両が交差点Cを通過するまでは(ステップ#13:No)、移動量検出部13による移動量Dの検出処理を継続する(ステップ#12)。ここで、自車両が交差点Cを通過したか否かは、例えば、自車位置情報取得部6により取得される自車位置情報に示される自車両の位置が交差点Cを通過したか否か、或いは推測航法により自車両が直進状態となったことが検出されたか否か等に基づいて判定する。
【0074】
その後、自車両が交差点Cを通過した際には(ステップ#13:Yes)、第二レーン判定部14により、交差道路R2(図9参照)の各レーンL1、L2、L3に対応するレーン範囲A1、A2、A3を設定する。この際、第二レーン判定部14は、例えば図9に示すように、ステップ#11で検出された進入方位Iと、図14のステップ#03で取得された道路情報Hとに基づいて、進入方位Iに平行な基準軸Y方向の移動量Dに関して交差道路R2の各レーンL1、L2、L3に対応するレーン範囲A1、A2、A3を設定する(ステップ#14)。その後、第二レーン判定部14は、基準軸Y方向の移動量Dが、設定した各レーンL1、L2、L3に対応するレーン範囲A1、A2、A3のいずれに含まれるかに応じて、交差道路R2における自車レーンを判定する(ステップ#15)。この際の第二レーン判定部14による自車レーンの判定方法については既に説明したので、ここでは説明を省略する。以上でステップ#08の進路変更用第二レーン判定処理を終了する。
【0075】
9.その他の実施形態
(1)上記の実施形態では、第二レーン判定部14は、直進用第二レーン判定処理において、基準軸X方向の移動量Dに関して直進道路R1の各レーンL1、L2、L3に対応するレーン範囲A1、A2、A3を設定するに際し、各レーン範囲A1、A2、A3が互いに隙間無く接するように設定する場合の例について説明した。しかし、第二レーン判定部14によるレーン範囲A1、A2、A3の設定方法はこれに限定されない。例えば、図16及び図17に示すように、各レーン範囲A1、A2、A3が、互いに隣接するレーン範囲A1、A2、A3との間に境界領域T1、T2を設定することも本発明の好適な実施形態の一つである。ここでは、各レーンL1、L2、L3間のレーン境界線(各レーンL1、L2、L3を区切る区画線の中心線)からレーン幅方向両側に等間隔ずつ離れた位置に各レーン範囲A1、A2、A3の境界を設定し、各レーン範囲A1、A2、A3の隙間の領域をそれぞれ境界領域T1、T2としている。そして、第二レーン判定部14は、基準点O´からの基準軸X方向の移動量D(退出点P)が、境界領域T1、T2内に含まれる場合には、当該境界領域T1、T2の両側に隣接する2つのレーン範囲A1及びA2、又はA2及びA3のそれぞれに対応する2つのレーンL1及びL2、又はL2及びL3の双方に自車レーンの可能性があると判定する。例えば、図16及び図17に示すように、基準点O´からの基準軸X方向の移動量Dが、境界領域T1内に含まれる場合には、第一レーン範囲A1に対応する第一レーンL1及び第二レーン範囲A2に対応する第二レーンL2の双方に自車レーンの可能性があると判定する。この場合、第二レーン判定部14は、例えば、自車レーンの判定結果の情報として、第一レーンL1の可能性が50%であり、第二レーンL2の可能性が50%である旨の情報を、ナビゲーション用演算部9へ出力すると好適である。
【0076】
(2)上記の実施形態では、第二レーン判定部14は、進路変更用第二レーン判定処理において、基準軸Y方向の移動量Dに関して交差道路R2の各レーンL1、L2、L3に対応するレーン範囲A1、A2、A3を設定するに際し、各レーン範囲A1、A2、A3が互いに隙間無く接するように設定する場合の例について説明した。しかし、第二レーン判定部14によるレーン範囲A1、A2、A3の設定方法はこれに限定されない。例えば、図18及び図19に示すように、各レーン範囲A1、A2、A3が、互いに隣接するレーン範囲A1、A2、A3との間に境界領域T1、T2を設定することも本発明の好適な実施形態の一つである。ここでは、各レーンL1、L2、L3間のレーン境界線(各レーンL1、L2、L3を区切る区画線の中心線)からレーン幅方向両側に等間隔ずつ離れた位置に各レーン範囲A1、A2、A3の境界を設定し、各レーン範囲A1、A2、A3の隙間の領域をそれぞれ境界領域T1、T2としている。そして、第二レーン判定部14は、進入点Oからの基準軸Y方向の移動量D(退出点P)が、境界領域T1、T2内に含まれる場合には、当該境界領域T1、T2の両側に隣接する2つのレーン範囲A1及びA2、又はA2及びA3のそれぞれに対応する2つのレーンL1及びL2、又はL2及びL3の双方に自車レーンの可能性があると判定する。例えば、図18及び図19に示すように、進入点Oからの基準軸Y方向の移動量Dが、境界領域T2内に含まれる場合には、第二レーン範囲A2に対応する第二レーンL2及び第三レーン範囲A3に対応する第三レーンL3の双方に自車レーンの可能性があると判定する。この場合、第二レーン判定部14は、例えば、自車レーンの判定結果の情報として、第二レーンL2の可能性が50%であり、第三レーンL3の可能性が50%である旨の情報を、ナビゲーション用演算部9へ出力すると好適である。
【0077】
(3)上記の実施形態では、レーン判定部8の移動量検出部13及び第二レーン判定部14が、進路変更判定部12による自車両の進路変更の有無の判定結果に基づいて、直進用の処理(直進用移動量検出処理及び直進用第二レーン判定処理)と、進路変更用の処理(進路変更用移動量検出処理及び進路変更用第二レーン判定処理)とのいずれか一方を行う構成とする場合の例について説明した。しかし、本発明の適用範囲はこのような実施形態に限定されない。したがって、例えば、レーン判定部8が進路変更判定部12を備えず、移動量検出部13及び第二レーン判定部14が、全ての交差点Cにおいて直進用の処理と進路変更用の処理の両方を行う構成とすることも本発明の好適な実施形態の一つである。
【0078】
(4)上記の実施形態では、第一レーン判定部10が、画像認識部5による地物の画像認識結果と、データ抽出部7により取得される道路情報Hに含まれる自車両の周辺の地物の地物情報Fとに基づいて自車レーンの判定を行う場合を例として説明した。しかし、第一レーン判定部による自車レーンの判定方法はこれに限定されない。例えば、上記の実施形態に係る自車レーンの判定方法に加えて、或いはそれとは別に、VICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)からの情報、具体的には道路の各レーン上に設けられた発信器からの光ビーコン等からの情報により、第一レーン判定部10が自車レーンの判定を行う構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
【0079】
(5)上記の実施形態に係る各具体例では、自車両が走行中の道路R0、直進道路R1、及び交差道路R2のレーン数が、それぞれ2レーン又は3レーンの場合を例として説明を行った。しかし、本発明は、各道路R0〜R2のレーン数がこれ以外の場合であっても、同様に適用することが可能である。
【0080】
(6)上記の各実施形態では、レーン判定装置2を含むナビゲーション装置1の全ての構成が自車両に搭載される場合を例として説明した。しかし、本発明の適用範囲はこのような構成に限定されるものではない。すなわち、例えば、撮像装置21を除く一部の構成が、インターネット等の通信ネットワークを介して接続された状態で自車両の外に設置されており、ネットワークを介して情報や信号の送受信を行うことにより、レーン判定装置2及びナビゲーション装置1を構成することも、本発明の好適な実施形態の一つである。
【0081】
(7)上記の各実施形態では、レーン判定装置2を、ナビゲーション装置1に利用する場合の例について説明した。しかし、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、レーン判定装置2を車両の走行制御装置等の他の用途に利用することも当然に可能である。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、車両に搭載されるレーン判定装置、及びそれを用いたナビゲーション装置や車両制御装置等として好適に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施形態に係るレーン判定装置を含むナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図
【図2】地図データベースに格納されている地図情報及び道路情報の構成の例を示す説明図
【図3】画像情報取得部により取得された画像情報の一例を示す図
【図4】データ抽出部により取得された自車両周辺の道路情報の一例を示す図
【図5】直進用第二レーン判定処理の内容を自車両の実際の移動軌跡との関係で示した説明図
【図6】第二レーン判定部により実際に行われる直進用第二レーン判定処理の内容を示した説明図
【図7】直進用第二レーン判定処理の内容を自車両の実際の移動軌跡との関係で示した説明図
【図8】第二レーン判定部により実際に行われる直進用第二レーン判定処理の内容を示した説明図
【図9】進路変更用第二レーン判定処理の内容を自車両の実際の移動軌跡との関係で示した説明図
【図10】第二レーン判定部により実際に行われる進路変更用第二レーン判定処理の内容を示した説明図
【図11】進路変更用第二レーン判定処理の内容を自車両の実際の移動軌跡との関係で示した説明図
【図12】進路変更用第二レーン判定処理の内容を自車両の実際の移動軌跡との関係で示した説明図
【図13】第二レーン判定部により実際に行われる進路変更用第二レーン判定処理の内容を示した説明図
【図14】本発明の実施形態に係るレーン判定方法の全体処理順序を示すフローチャート
【図15】本発明の実施形態に係る第二レーン判定処理の詳細な処理順序を示すフローチャート
【図16】直進用第二レーン判定処理の内容を自車両の実際の移動軌跡との関係で示した説明図
【図17】第二レーン判定部により実際に行われる直進用第二レーン判定処理の内容を示した説明図
【図18】進路変更用第二レーン判定処理の内容を自車両の実際の移動軌跡との関係で示した説明図
【図19】第二レーン判定部により実際に行われる進路変更用第二レーン判定処理の内容を示した説明図
【符号の説明】
【0084】
1:ナビゲーション装置
2:レーン判定装置
4:画像情報取得部(画像情報取得手段)
5:画像認識部(画像認識手段)
6:自車位置情報取得部(自車位置情報取得手段)
7:データ抽出部(道路情報取得手段)
8:レーン判定部
10:第一レーン判定部(第一レーン判定手段)
11:進入方位検出部(進入方位検出手段)
12:進路変更判定部(進路変更判定手段)
13:移動量検出部(移動量検出手段)
14:第二レーン判定部(第二レーン判定手段)
15:アプリケーションプログラム
22:地図データベース
28:案内情報出力手段
H:道路情報
M:地図情報
F:地物情報
G:画像情報
I:進入方位
D:移動量
fc:交差点境界地物
X:進入方位に直交する基準軸
Y:進入方位に平行な基準軸
O:進入点
P:退出点
O´:基準点
C:交差点
R0:自車両が走行中の道路
R1:直進道路
R2:交差道路
L1〜L3:レーン
A1〜A3:レーン範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両が走行中の道路のレーンである自車レーンを判定する第一レーン判定手段と、
自車両が走行中の道路に対して交差点を有して交差する交差道路のレーン数及びレーン幅の情報を含む道路情報を取得する道路情報取得手段と、
自車両の前記交差点への進入方位を検出する進入方位検出手段と、
前記交差点内における前記進入方位に平行な方向の自車両の移動量を検出する移動量検出手段と、
自車両が前記交差点を通過したときに、前記道路情報と、前記移動量とに基づいて、前記交差道路における自車レーンを判定する第二レーン判定手段と、
を備えるレーン判定装置。
【請求項2】
前記第二レーン判定手段は、前記道路情報に基づいて、自車両の前記交差点への進入点から最も近い前記交差道路のレーンまでの前記移動量に相当する基準移動量に対して、前記移動量の前記基準移動量を超えた部分と前記道路情報に含まれるレーン幅とを比較して、前記交差点内で自車両が移動したレーン数を判定する請求項1に記載のレーン判定装置。
【請求項3】
前記第二レーン判定手段は、前記進入方位と前記道路情報とに基づいて、前記移動量に関して前記交差道路の各レーンに対応するレーン範囲を設定し、前記移動量がどのレーン範囲に含まれるかに応じて、前記交差道路における自車レーンを判定する請求項1に記載のレーン判定装置。
【請求項4】
自車位置情報を取得する自車位置情報取得手段を更に備え、
前記道路情報取得手段は、前記自車位置情報に基づいて、自車両の周辺の前記道路情報を所定の地図データベースから取得する請求項1から3のいずれか一項に記載のレーン判定装置。
【請求項5】
自車両の周辺の画像情報を取得する画像情報取得手段と、前記画像情報に含まれる地物の画像認識処理を行う画像認識手段と、を更に備え、
前記第一レーン判定手段は、前記画像認識手段による画像認識結果と前記道路情報に含まれる自車両の周辺の地物の情報とに基づいて前記自車レーンを判定する請求項1から4のいずれか一項に記載のレーン判定装置。
【請求項6】
前記進入方位検出手段は、自車両が走行中の道路と前記交差点との境界付近に存在する交差点境界地物についての前記画像認識結果と、前記道路情報に含まれる当該交差点境界地物の情報とに基づいて、前記進入方位を検出する請求項5に記載のレーン判定装置。
【請求項7】
前記移動量検出手段は、前記進入方位に平行な基準軸を設定し、当該基準軸方向の自車両の移動量を推測航法により検出する請求項1から6のいずれか一項に記載のレーン判定装置。
【請求項8】
前記交差点における自車両の進路変更の有無を判定する進路変更判定手段を更に備え、
前記進路変更判定手段により自車両の進路変更が有ると判定された場合に、前記第二レーン判定手段による前記交差道路における自車レーンの判定を行う請求項1から7のいずれか一項に記載のレーン判定装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のレーン判定装置と、前記道路情報を含む地図情報が格納された地図データベースと、前記地図情報及び前記レーン判定装置により判定された自車レーンの情報を参照して動作するアプリケーションプログラムと、前記アプリケーションプログラムに従って動作して案内情報を出力する案内情報出力手段と、を備えるナビゲーション装置。
【請求項10】
自車両が走行中の道路のレーンである自車レーンを判定する第一レーン判定ステップと、
自車両が走行中の道路に対して交差点を有して交差する交差道路のレーン数及びレーン幅の情報を含む道路情報を取得する道路情報取得ステップと、
自車両の前記交差点への進入方位を検出する進入方位検出ステップと、
前記交差点内における前記進入方位に平行な方向の自車両の移動量を検出する移動量検出ステップと、
自車両が前記交差点を通過したときに、前記道路情報と、前記移動量とに基づいて、前記交差道路における自車レーンを判定する第二レーン判定ステップと、
を備えるレーン判定方法。
【請求項11】
前記第二レーン判定ステップが、
前記進入方位と前記道路情報とに基づいて、前記移動量に関して前記交差道路の各レーンに対応するレーン範囲を設定するステップと、
前記移動量がどのレーン範囲に含まれるかに応じて、前記交差道路における自車レーンを判定するステップと、
を備える請求項10に記載のレーン判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−196969(P2008−196969A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−32354(P2007−32354)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】