説明

位置情報提供システム、方法、サーバおよびプログラム

【課題】歩行を妨げるような動作を強いることがなく、携帯端末の無駄な消費電力を抑制することのできる位置情報提供システムを提供する。
【解決手段】 携帯端末10のアドレス情報と位置情報提供用のアプリケーションの識別情報とを含むタグ情報が格納されるタグ12と、タグ12からタグ情報を読み取る複数のタグリーダー201〜20nと、タグリーダー201〜20nおよび携帯端末10とネットワーク60、61を介して接続されるサーバ50とを有する位置情報提供システムであって、サーバ50は、タグリーダー201〜20nのいずれかから、位置情報とタグ情報を受信すると、該受信したタグ情報に含まれているアドレス情報に基づいて携帯端末10との通信を確立し、該受信したタグ情報に含まれている識別情報によって識別されるアプリケーションが起動している場合にのみ、該受信位した置情報を携帯端末10に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信機能を有するタグを用いて歩行者に位置情報や周辺情報を提供する位置情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信機能を有するタグを用いて歩行者に現在位置情報を提供するナビゲーションシステムが提案されている。特許文献1には、歩道などに沿って配置された、一定の通信距離範囲内において携帯端末との間でブルートゥースによる無線通信が可能な複数の識別情報送信部と、これら識別情報送信部のそれぞれの設置位置情報を管理するサーバと、携帯端末に対して任意の地点から目的地までの経路情報を提供する経路提供サーバと、を有するシステムが記載されている。このシステムでは、歩行者が所持した携帯端末が、経路提供サーバから提供された経路情報と識別情報送信部から受信した当該識別情報送信部の設置位置情報とに基づいて、歩行者が正しい経路を進んでいるか否かを判断する。
【0003】
特許文献1に記載のシステムは、位置情報提供タグとして、ブルートゥースによる無線通信が可能な識別情報送信部を用いたものであるが、この他に、赤外線通信が可能な赤外線位置情報発信機を位置情報提供タグとして用い、赤外線通信機能を搭載した携帯端末で赤外線位置情報を取得するシステム、QRコード位置情報発信タグを位置情報提供タグとして用い、カメラ機能を搭載した携帯端末でQRコード位置情報を読み取るシステム、RFID(Radio Frequency Identification)タグを位置情報提供タグとして用い、タグリーダーを搭載した携帯端末で位置情報を読み取るシステム等がある。
【0004】
また、特許文献2には、識別情報を書き込んだRFIDタグと、このRFIDタグと一定の通信距離範囲内で無線通信が可能とされ、RFIDタグから識別情報を読み取る複数のタグリーダーと、これらタグリーダーのそれぞれの設置位置情報を管理するサーバとを有するシステムが開示されている。このシステムでは、RFIDタグの所持者がタグリーダーの設置場所に近づくと、そのタグリーダーがRFIDタグから識別情報を読み取ってサーバに送信する。サーバは、識別情報を送信したタグリーダーの位置から所持者の位置を特定し、予め指定された携帯端末からの要求に応じてその特定した位置を携帯端末へ送信する。このシステムによれば、識別情報として所有者情報を書き込んだRFIDタグを子供に所持させることで、子供の現在位置情報を親の所持する携帯端末にメールで送信することが可能である。この他、情報端末を用いてインターネット経由でサーバにアクセスすることで、子供の現在位置情報を取得することも可能である。
【特許文献1】特開2005−106468号公報
【特許文献2】特開2005−303402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような位置情報提供システムには、以下のような問題がある。
【0006】
位置情報提供タグとして、ブルートゥースによる無線通信が可能な識別情報送信部、赤外線通信が可能な赤外線位置情報発信機、タグやRFIDタグなどを用いるシステムにおいては、携帯端末側に、その位置情報提供タグから位置情報を取得するための機能(通信機能やタグリーダ)を搭載する必要がある。そのような機能を搭載すると、携帯端末の価格が高くなり、その分、利用者への費用における負担が増大する。
【0007】
加えて、携帯端末にタグリーダーを搭載する場合には、携帯端末側からタグへの電波による電力供給を行う必要があるため、その分、携帯端末の消費電力が増大する。
【0008】
また、携帯端末にタグリーダーを搭載するシステムにおいて、携帯端末の所持者がタグの位置を意識することなく歩行するためには、タグリーダーのパワーを上げて、タグリーダーとタグの間の通信可能距離を長くする必要があるが、タグリーダーのパワーを上げると、その分、携帯端末の消費電力が増大してしまう。反対に、タグリーダーのパワーを下げて、携帯端末の消費電力を低く抑えると、タグリーダーとタグの間の通信可能距離が短くなるため、携帯端末の所持者に対して、タグを探して、タグから通信可能な範囲まで近づく、といった動作を強いることになる。このようなタグの位置を意識した歩行動作は、利用者にとって煩わしく、歩行速度が低下するという問題を引き起こす。
【0009】
QRコード位置情報発信タグを位置情報提供タグとして用いるシステムにおいても、携帯端末側にカメラ機能を搭載する必要があるため、その分、利用者への費用における負担が増大する。加えて、利用者は、立ち止まって、QRコードをカメラで撮影して位置情報を取得する必要があるため、どうしても歩行速度が低下する。また、位置情報を取得するために、一々、カメラ撮影を行うことは面倒である。
【0010】
特許文献2に記載のシステムは、物の移動を管理するトレーサビリティーと同じ仕組みであり、歩行者(タグ所持者)に便利な位置情報提供システムを実現するには至っていない。仮に、タグ所持者に携帯電話機を所持させ、サーバがタグ所持者の位置情報をメールにより携帯電話機に送信する仕組みを構築したとしても、携帯電話機に提供される位置情報はテキスト情報であるために、もう一工夫必要である。加えて、タグ所持者が位置情報を欲しくない時にも、サーバは、タグリーダーを通じて取得した位置情報を常にタグ所持者の携帯電話機に送信する。このような不要な位置情報の携帯電話機への供給は、携帯電話機の電力を無駄に消費させてしまう。
【0011】
本発明の目的は、上記問題を解決し、利用者に対して歩行を妨げるような動作を強いることがなく、利用者に対する費用負担の増大や携帯端末の無駄な消費電力などを抑制することのできる位置情報提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明の位置情報提供システムは、第1のアプリケーションを備える携帯端末と、前記携帯端末の通信用のアドレス情報と前記第1のアプリケーションの識別情報とを含むタグ情報が格納されるタグと、一定の通信距離範囲内において前記タグとの通信が可能とされ、前記タグから前記タグ情報を読み取る複数のタグリーダーと、前記複数のタグリーダーおよび携帯端末とネットワークを介して接続されるサーバと、を有し、前記複数のタグリーダーのそれぞれは、前記タグから前記タグ情報を読み取ると、該タグ情報と自身の設置場所に関する位置情報とを含むデータを前記サーバへ送信し、前記サーバは、前記複数のタグリーダーのいずれかから前記データを受信すると、該受信データに含まれているアドレス情報に基づいて前記携帯端末との通信を確立する制御部と、前記受信データに含まれている識別情報によって識別される前記第1のアプリケーションが通信の確立した前記携帯端末上で起動しているか否かを調べ、前記第1のアプリケーションが起動している場合にのみ、前記受信データに含まれている位置情報を前記携帯端末に送信する第2のアプリケーションと、を有し、前記第1のアプリケーションは、前記サーバから受信した位置情報を表示する処理を実行する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、タグリーダーの電力は、携帯端末とは関係なしに、外部電源を通じて供給されるので、タグリーダーのパワーを上げて、タグリーダーとタグの間の通信可能距離を長くすることができる。このようにタグリーダーとタグの間の通信可能距離を長くすることで、利用者に対して、タグリーダーを探して、そのタグリーダーに向けてタグをかざす、といった面倒な動作を強いることがなくなり、利用者は、タグリーダーの設置場所を意識することなく歩行することができる。
【0014】
また、利用者の意思とは関係なしに、タグリーダーは、通信可能距離内に位置するタグからタグ情報を読み出して自身の位置情報と一緒にサーバに送信するが、サーバでは、第2のアプリケーションが、携帯端末上で第1のアプリケーションが起動している場合にのみ、携帯端末への位置情報の送信を実行する。位置情報を欲しくない時は、利用者は第1のアプリケーションを起動しないので、サーバから携帯端末へ位置情報が送信されることはない。このように、サーバから携帯端末への不要な位置情報の送信は行われないので、携帯端末の電力を無駄に消費することを抑制することができる。
【0015】
また、携帯端末に、ブルートゥース等の特別な通信装置を設ける必要がないので、その分、利用者に対する費用における負担は少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態である位置情報提供システムの概略構成を示すブロック図である。この位置情報提供システムの主要部は、利用者1が所持する携帯端末10およびタグ12と、タグ12との間で一定の通信距離範囲内で通信を行う複数のタグリーダー201〜20nと、ネットワーク60および基地局401〜40nを介して携帯端末10との相互通信が可能とされ、タグリーダー201〜20nのそれぞれとネットワーク61を介して接続されるサーバ50とからなる。なお、図1では、便宜上、1台の携帯端末10しか示されていないが、実際は、複数の携帯端末が存在する。また、タグリーダー201〜20nは、予め決められた位置情報提供エリアに設置されており、その数は位置情報提供エリアの大きさに応じて適宜に設定される。位置情報提供エリアは、基地局401〜40nの通信エリアを考慮して定めることが望ましい。図1の例では、タグリーダー201は、基地局401の通信エリア内に配置されている。
【0018】
タグ12は、メモリと、通信機能と、これらにおける動作を制御する制御部とからなる。メモリには、携帯端末10のアドレス情報(メールアドレス、電話番号など)と、携帯端末10にインストールされている位置情報取得アプリケーションを識別することが可能なアプリケーション識別情報とを含むタグ情報が格納される。タグ情報は、不図示のタグライターを用いてタグ12に書き込むことができる。このようなタグ12としては、RFIDタグに代表される無線タグや、ブルートゥースや赤外線通信などの通信機能を備えたタグなどを用いることができる。タグ12は、携帯端末10の筐体に取り付けてもよい。
【0019】
タグリーダー201〜20nは、いずれも同じ構成のものである。図2に、このタグリーダーの主要部の構成を示す。図2を参照すると、タグリーダー20の主要部は、制御部21、リーダー部22、通信部23および記憶部24からなる。
【0020】
リーダー部22は、一定の通信距離範囲内において、タグ12との無線通信が可能とされており、タグ12からタグ情報を読み取る。通信部23は、ネットワーク61を介して外部装置(サーバ50)との通信を行う。記憶部24は、プログラムや情報を格納するものである。記憶部24には、タグリーダー20が設置された場所に関する位置情報も格納される。位置情報は、例えば、「銀座○○店前」、「銀座○○店3Fショールーム前」、「地下鉄○○線○○駅4番出口」といった情報である。この他、位置情報として、U−codeや経度緯度情報を用いることも可能である。
【0021】
制御部21は、記憶部24に格納されたプログラムに従ってタグリーダー20の全体の動作を制御する。具体的には、制御部21は、リーダー部22を通じてタグ12からタグ情報を読み取り、そのタグ情報と記憶部24に格納されている自リーダーの位置情報とを通信部23を通じてサーバ50へ送信する。
【0022】
携帯端末10は、携帯電話機などに代表される携帯端末であって、基地局401〜40mのいずれかの通信エリアにおいて、ネットワーク60を通じてサーバ50と通信が可能とされている。基地局401〜40mおよびネットワーク60は、例えば、既存の携帯電話網やインターネットに代表されるネットワークを構成するものである。ネットワーク61は、LANなどのネットワークである。なお、ネットワーク61が、ネットワーク60の一部を構成してもよい。
【0023】
図3に、携帯端末10の主要部の構成を示す。図3を参照すると、携帯端末10の主要部は、キーボードやマウスなどの入力部12と、LCDなどの表示部13と、ネットワーク60を介して外部装置(サーバ50)との間で通信を行うための通信部14と、プログラムや各種情報を記憶する記憶部15と、記憶部15に格納されたプログラムに従って動作し、入力部12からの入力を受け付けて各部の動作を制御する制御部11とから構成されている。
【0024】
記憶部15には、プログラムの1つとして位置情報取得用のアプリケーション16が格納されている。アプリケーション16は、通信部14を通じて、サーバ50から位置情報を受信し、受信した位置情報を表示部13に表示させる。制御部11は、サーバ50との通信を確立するための処理を実行したり、通信の確立後、アプリケーション16による位置情報の取得および表示の各処理を実行したりする。また、制御部11は、サーバ50からの確認要求に応じて、アプリケーション16が起動されているいか否かを示す起動確認情報をサーバ50に送信する。
【0025】
図4に、サーバ50の主要部の構成を示す。図4を参照すると、サーバ50の主要部は、キーボードやマウスなどの入力部52と、LCDなどの表示部53と、ネットワーク60、61を介して外部装置(タグリーダーや携帯端末)との間で通信を行うためのモデムなどの通信部54と、プログラムや各種情報を記憶する記憶部55と、記憶部55に格納されたプログラムに従って動作するとともに、入力部52からの入力を受け付けて各部の動作を制御する制御部51とから構成されている。
【0026】
記憶部55には、プログラムの1つとして位置情報提供用のアプリケーション56が格納されている。アプリケーション56は、通信部54を通じた位置情報の提供の処理を行う。この位置情報提供処理は、タグリーダー201〜20nのいずれかのタグリーダーから、タグ12に格納されているタグ情報および自リーダーの位置情報を取得する処理、取得したタグ情報に基づいて携帯端末10への通信を確立する処理、アプリケーション16が起動されているか否かを確認する処理、起動確認後に、タグリーダーから取得したタグ情報に含まれるアドレス情報を参照して、タグリーダーから取得した位置情報を携帯端末10へ供給する処理などを行う。なお、アプリケーション16が起動されていない場合は、アプリケーション56は、携帯端末10への位置情報の供給は行わない。
【0027】
次に、本実施形態の位置情報提供システムの動作について具体的に説明する。
【0028】
図5は、図1に示した位置情報提供システムにおいて行われる位置情報提供の一手順を示す図である。以下、図1および図5を参照して位置情報提供の手順を説明する。
【0029】
利用者1は、位置情報を取得するために、携帯端末10上でアプリケーション(図3の16)を起動する(ステップ100)。
【0030】
利用者1が、タグリーダー201が設置された場所に近づくと、タグリーダー201がタグ12からタグ情報を読み取る(ステップ110、120)。ここでは、タグ情報は、予め決められている暗号キーで暗号化されているものと仮定する。次いで、タグリーダー201は、タグ12から読み取ったタグ情報に自身の設置場所に関する位置情報を付加してDTATを作成し(ステップ121、122)、そのDATAを、ネットワーク61を介してサーバ50へ送信する。
【0031】
サーバ50では、制御部51が、予め決められている暗号キーを用いて、タグリーダー201から受信したDATAに含まれているタグ情報を解凍し、そのタグ情報に含まれているアドレス情報に基づいて位置情報の提供先を判断する(ステップ130)。そして、制御部51が、その提供先である携帯端末10との間で、基地局401を通じた通信を確立するための処理を実行する(ステップ101、140)。通信確立後、サーバ50では、アプリケーション56が、携帯端末10上でアプリケーション16が起動されているか否かを確認する(ステップ131)。この起動確認では、例えば、アプリケーション56が起動確認問い合わせのための信号を携帯端末10に送信し、携帯端末10がその問い合わせ信号に応じて、アプリケーション16が起動しているか否かを示す応答信号をサーバ50に返す、といった情報通信処理が実行される。アプリケーション16が起動されている場合は、アプリケーション56は、タグリーダー201から受信したDATAに含まれている位置情報を、基地局401を通じて携帯端末10へ送信する(ステップ132)。なお、ステップ131で、アプリケーション16が起動されていることを確認することができなかった場合は、アプリケーション56による携帯端末10への位置情報の送信は行われない。
【0032】
携帯端末10では、制御部11が、通信部14を通じてサーバ50から位置情報を受信し(ステップS102)、アプリケーション16が、その受信した位置情報を表示部に表示する(ステップ103)。
【0033】
図6に、携帯端末10とサーバ50の間で行われる位置情報提供処理を具体的に示す。図6を参照すると、サーバ50では、制御部51が、タグリーダーから受信したDATAから、送信先情報(携帯端末識別番号、メール番号、電話番号、携帯端末など)、携帯端末アプリケーション番号、タグリーダーの位置情報をそれぞれ取得する(ステップ200、201)。そして、制御部51が、取得した送信先情報に基づいて携帯端末10との間で通信を確立する(ステップ202a、203a、203b)。
【0034】
通信の確立後、サーバ50では、アプリケーション56が、取得した携帯端末アプリケーション番号(ABC)に基づいて、携帯端末10のアプリケーション(ABC)が稼働中で位置情報の受信待ちの状態か、待機中の状態かを確認する。待機中の場合は(ステップ204)、アプリケーション56は、携帯端末10への位置情報の送信は行わない(ステップ205)。稼動中の場合は(ステップ206)、アプリケーション56は、携帯端末10へ位置情報を送信する(ステップS207)。
【0035】
なお、携帯端末10にて、待機中の状態からアプリケーション(ABC)が新たに起動された場合は(ステップ208)、制御部11が、通信部14を通じて、アプリケーション(ABC)が新たに起動されたことを示す連絡信号をサーバ50に送信する。サーバ50では、アプリケーション56が、携帯端末10からの連絡信号に応じて、携帯端末10へ位置情報を送信する(ステップS209)。
【0036】
通常、利用者1は、複数のタグリーダーを順次通過する。この場合の位置情報提供手順の一例として、図7に、利用者1がタグリーダー201、202を順に通過した場合の手順を示す。図7に示した例では、タグリーダー201、202はともに、基地局401の通信エリア内に位置するものと仮定する。
【0037】
利用者1がタグリーダー201に近づいた場合の位置情報提供の手順は、図5に示したとおりである。利用者1が、タグリーダー201を通過した後、タグリーダー201が設置された場所に近づくと、タグリーダー202がタグ12からタグ情報を読み取る(ステップ111、123)。次いで、タグリーダー202は、タグ12から読み取ったタグ情報に自身の設置場所に関する位置情報を付加してDTATを作成し(ステップ124、125)、そのDATAを、ネットワーク61を介してサーバ50へ送信する。
【0038】
サーバ50では、制御部51が、予め決められている暗号キーを用いて、タグリーダー202から受信したDATAに含まれているタグ情報を解凍し、そのタグ情報に含まれているアドレス情報に基づいて位置情報の提供先を判断する(ステップ133)。そして、制御部51が、その提供先である携帯端末10との間で、基地局401を通じた通信を確立するための処理を実行する(ステップ104、141)。通信確立後、サーバ50では、アプリケーション56が、携帯端末10上でアプリケーション16が起動されているか否かを確認する(ステップ134)。アプリケーション16が起動されている場合は、アプリケーション56は、DATAに含まれている位置情報を、基地局401を通じて携帯端末10へ送信する(ステップ135)。なお、ステップ134で、アプリケーション16が起動されていることを確認することができなかった場合は、アプリケーション56による携帯端末10へ位置情報の送信は行われない。
【0039】
携帯端末10では、制御部11が、通信部14を通じてサーバ50から位置情報を受信し(ステップS105)、アプリケーション16が、その受信した位置情報を表示部に表示する(ステップ106)。
【0040】
なお、図7に示した手順において、タグリーダー202が基地局401以外の基地局の通信エリア内に位置する場合は、ステップ104、141での通信確立のための処理は、その基地局を通じて行われる。
【0041】
本実施形態の位置情報提供システムによれば、タグリーダーの電力は、携帯端末10とは関係なしに、外部電源を通じて供給されるので、タグリーダーのパワーを上げて、タグリーダーとタグの間の通信可能距離を長くすることができる。このようにタグリーダーとタグの間の通信可能距離を長くすることで、利用者1に対して、タグリーダーを探して、そのタグリーダーに向けてタグ12をかざす、といった面倒な動作を強いることがなくなり、利用者1は、タグリーダーの設置場所を意識することなく歩行することができる。
【0042】
また、利用者1の意思とは関係なしに、タグリーダーは、通信可能距離内に位置するタグ12からタグ情報を読み出して自身の位置情報と一緒にサーバ50に送信するが、サーバ50では、アプリケーション56が、携帯端末10上でアプリケーション16が起動している場合にのみ、携帯端末10への位置情報の送信を実行する。位置情報を欲しくない時は、利用者1はアプリケーション16を起動しないので、サーバ50から携帯端末10へ位置情報が送信されることはない。このように、位置情報が不要の場合は、サーバ50から携帯端末10への位置情報の送信は行われないので、携帯端末10の電力を無駄に消費することを抑制することができる。
【0043】
また、携帯端末10側に、ブルートゥース等の特別な通信装置を設ける必要がないので、その分、利用者側に対する費用における負担は少ない。
【0044】
なお、サーバ50は、位置情報と一緒にそれに関連する地図情報を携帯端末10に送信するようにしてもよい。この場合は、サーバ50において、タグリーダー201〜20nのそれぞれの設置場所に関する地図情報が、タグリーダーの識別情報と関連付けられて記憶部55に格納される。地図情報は、タグリーダーの位置を特定可能な情報を含んでいてもよい。タグリーダー201〜20nのそれぞれが、DATAと一緒に自身の識別情報をサーバ50へ送信する。サーバ50において、制御部51が、タグリーダーから受信した識別情報に基づいて対応する地図情報を記憶部55から取得し、その取得した地図情報をタグリーダーから受信した位置情報と一緒に携帯端末10へ送信する。この位置情報および地図情報の送信も、アプリケーション16が起動している場合にのみ実行される。携帯端末10では、アプリケーション16が、サーバ50から受信した位置情報および地図情報を表示部に表示させる。このように位置情報と一緒に地図情報を提供すれば、携帯端末10上で、地図情報を利用した経路案内を行う仕組みを構築することが可能となる。この仕組みは、ソフトウェアにより実現することができる。
【0045】
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態である位置情報提供システムの概略構成を示すブロック図である。この位置情報提供システムの主要部は、利用者1が所持する、無線アンテナ11を搭載した携帯端末10およびタグ12と、タグ12との間で一定の通信距離範囲内で通信を行う複数のタグリーダー201〜20nと、無線通信により自身の位置情報を提供する複数の無線情報標識301〜30xと、ネットワーク60および基地局401〜40nを介して携帯端末10との相互通信が可能とされ、タグリーダー201〜20nのそれぞれとネットワーク61を介して接続されたサーバ50とからなる。本実施形態の位置情報提供システムは、図1に示した構成に、無線情報標識を利用して位置情報を提供する仕組みを追加したものである。図8中、図1に示した構成と同じものには同じ符号を付している。
【0046】
無線情報標識301〜30xのそれぞれは、記憶部と、無線通信部と、これらの動作を制御する制御部とから構成されている。記憶部には、自標識の設置場所に関する位置情報が格納されている。位置情報は、例えば、「銀座○○店前」、「銀座○○店3Fショールーム前」、「地下鉄○○線○○駅4番出口」といった情報である。制御部は、記憶部に格納されている位置情報を一定の時間間隔で、無線通信機能を通じて送出する。無線情報標識から一定の距離の範囲内において、携帯端末10は、その無線情報標識から送出された位置情報を受信することができる。
【0047】
携帯端末10は、無線アンテナ11を通じて、無線情報標識301〜30xのそれぞれと、一定の通信距離範囲内において、無線通信が可能とされており、制御部11が、その無線情報標識から位置情報を取得し、アプリケーション16が、その取得した位置情報を表示部する。また、制御部11は、アプリケーション16が起動されていない場合は、無線情報標識からの位置情報の取得動作は行わない。
【0048】
本実施形態の位置情報提供システムによれば、無線情報標識を用いた位置情報提供の仕組みと、第1の実施形態におけるタグとタグリーダーを用いた位置情報提供の仕組みとを併用する。無線情報標識の価格はタグリーダーに比べて安いことから、例えば、位置提供サービスを行うエリアにおいて、タグリーダーを大まかに配置し、各タグリーダー間において、無線情報標識を細かく配置することで、低コストで、より細かな場所の位置情報を提供することが可能なシステムを提供することができる。
【0049】
本実施形態においても、第1の実施形態で説明したような地図情報を提供する仕組みを適用することができる。
【0050】
(他の実施形態)
図8に示した位置情報提供システムにおいて、携帯端末10上で経路案内を行うような仕組みを設けることができる。ここでは、そのような仕組みを備える位置情報提供システムについて説明する。
【0051】
本実施形態の位置情報提供システムは、サーバ50が、位置情報およびそれに関連する地図情報を携帯端末10に送信し、携帯端末10が、その地図情報を利用して経路案内を行うように構成されており、この他は、図8に示したシステムと同じである。
【0052】
無線情報標識301〜30xのそれぞれは、自標識の設置場所に関する位置情報と自標識の識別情報とを格納した記憶部と、無線通信機能と、これらの動作を制御する制御部とを有から構成されている。制御部は、一定の通信距離範囲内において、無線通信機能を用いて携帯端末10との通信を行い、記憶部に格納されている位置情報と自標識の識別情報を携帯端末10に送信する。
【0053】
携帯端末10の主要部は、図3に示した構成よりなり、記憶部15には、プログラムの1つとして経路探索用のアプリケーション16が格納されている。アプリケーション16は、サーバ50や無線情報標識301〜30xから供給される位置情報を表示部に表示する処理に加えて、サーバ50から供給される地図情報を表示部に表示する処理、入力部12を通じて利用者が指定した出発地および目的地の情報に基づいて経路を探索し、その結果を表示部に表示した地図情報上で展開する処理などを行う。なお、サーバ50のアドレス情報は予め与えられており、制御部11は、無線情報標識から位置情報および識別情報を受信すると、そのアドレス情報に基づいてサーバ50との間の通信を確立し、アプリケーション16が、その受信した識別情報をサーバ50へ送信する。
【0054】
サーバ50の主要部は、図4に示した構成よりなり、記憶部55には、タグリーダー201〜20nおよび無線情報標識301〜30xのそれぞれの設置場所に関する地図情報が、それらタグリーダーおよび無線情報標識の識別情報と関連付けられて格納されている。地図情報は、タグリーダーや無線情報標識の場所を特定可能な情報を含んでいてもよい。
【0055】
本実施形態の位置情報提供システムでは、第1および第2の実施形態で説明した位置情報の提供に加えて、地図情報の提供およびその提供した地図情報を利用した経路案内が行われる。
【0056】
(1)タグとタグリーダーを利用した位置情報および地図情報の提供:
タグリーダー201〜20nのそれぞれは、利用者1が所持しているタグ12が一定の通信距離範囲内に入ると、タグ12からタグ情報を読み取る。タグリーダー201〜20nのいずれかによるタグ情報の読み出しをトリガーとして、位置情報および地図情報を提供するための動作が開始される。一例として、タグリーダー201がタグ12からタグ情報を読み取った場合の動作を以下に説明する。
【0057】
タグリーダー201は、タグ12からタグ情報を読み取ると、そのタグ情報と自身の設置場所に関する位置情報および自身の識別情報を含むDATAを作成し、そのDATAをサーバ50に送信する。
【0058】
サーバ50では、制御部51が、タグリーダー201から受信したDATAに含まれているタグ情報を解凍し、そのタグ情報に含まれているアドレス情報に基づいて情報提供先を判断する。そして、制御部51が、その情報提供先である携帯端末10との間で、基地局401を通じた通信を確立するための処理を実行する。
【0059】
通信確立後、サーバ50では、アプリケーション56が、携帯端末10上でアプリケーション16が起動されているか否かを確認する。アプリケーション16が起動されている場合は、アプリケーション56は、受信DATAに含まれているタグリーダーの識別情報に基づいて、記憶部55から地図情報を取得し、その地図情報と受信DATAに含まれている位置情報とを、基地局401を通じて携帯端末10へ送信する。なお、ステップ131で、アプリケーション16が起動されていることを確認することができなかった場合は、アプリケーション56による携帯端末10への位置情報および地図情報の送信は行われない。
【0060】
携帯端末10では、制御部11が、通信部14を通じてサーバ50から位置情報および地図情報を受信し、アプリケーション16が、その受信した位置情報および地図情報を表示部に表示する。
【0061】
(2)無線情報標識を利用した位置情報および地図情報の提供:
携帯端末10が、無線情報標識301〜30xのいずれかに対して一定の通信距離範囲内に入ると、携帯端末10では、制御部11が、その無線情報標識から位置情報および自標識の識別情報を取得する。無線情報標識301〜30xのいずれかからの位置情報および識別情報の取得をトリガーとして、位置情報および地図情報を提供するための動作が開始される。一例として、携帯端末10が無線情報標識301から位置情報および識別情報を取得した場合の動作を以下に説明する。
【0062】
無線情報標識301から位置情報および識別情報を取得すると、携帯端末10では、制御部11が、予め与えられているアドレス情報に基づいてサーバ50との間の通信を確立し、アプリケーション16が、その取得した無線情報標識の識別情報をサーバ50へ送信する。
【0063】
サーバ50では、アプリケーション56が、携帯端末10から受信した無線情報標識の識別情報に基づいて記憶部55から地図情報を取得し、その地図情報を、基地局401を通じて携帯端末10へ送信する。
【0064】
携帯端末10では、アプリケーション16が、無線情報標識から取得した位置情報とサーバ50から受信した地図情報とを表示部に表示する。
【0065】
(3)地図情報を利用した経路案内:
利用者1が、携帯端末10上で、経路案内サービスを実行する旨の入力を行うと、アプリケーション16が、経路案内を開始する。図9に、その携帯端末10における経路案内の動作を模式的に示す。以下、図9を参照して経路案内の動作を具体的に説明する。
【0066】
アプリケーション16は、経路案内サービスを実行する旨の入力を受け付けると、経路案内用の画面Aを表示部に表示する。画面Aには、現在地Sの入力欄、目的地Gの入力欄、案内スタート用のOKボタンが用意されている。現在地Sおよび目的地Gの入力の後、OKボタンが押されると、制御部11は、上述した「(1)タグとタグリーダーを利用した位置情報および地図情報の提供」または「(2)無線情報標識を利用した位置情報および地図情報の提供」で説明した手順に従って地図情報を取得する。なお、通信可能なエリア内にタグリーダーや無線情報標識が存在しない場合は、制御部11は、地図情報を受信可能な位置(位置情報提供サービスエリア内)への移動を要求するメッセージを表示部に表示する。位置情報提供サービスエリア内では、いずれの場所においても地図情報を提供することができるように、タグリーダまたは無線情報標識が配置されている。
【0067】
サーバ50から現在地に関する地図情報を受信すると、アプリケーション16は、その受信地図情報を表示部に表示するとともに、表示した地図情報上で、現在地Sを起点とする経路を展開する(図9の画面B)。経路を決定する処理としては、例えば、アプリケーション16が、現在地Sと目的地Gの情報をサーバ50へ送信し、サーバ50が、予め用意されている位置情報提供サービスエリア内の地図情報を参照して、現在地Sと目的地Gとから最短経路を決定し、その結果を携帯端末10へ送信する、といった処理を適用することができる。位置情報提供サービスエリア内の地図情報は、例えば、タグリーダーや無線情報標識の設置場所に関する地図情報をつなぎ合わせたものであってもよい。
【0068】
利用者1は、画面Bを参照して移動する。ここでは、経路の途中に無線情報標識201が配置され、目的地Gの近辺に無線情報標識202が配置されていると仮定する。
【0069】
利用者1が表示された経路に沿って移動し、無線情報標識201に近づくと、無線情報標識201を利用した地図情報の提供動作により、その無線情報標識201の設置場所に関する地図情報が、サーバ50から携帯端末10へ供給される。携帯端末10では、アプリケーション16が、そのサーバ50から供給された地図情報を、先の表示地図情報に代えて表示部に表示するとともに、表示した地図情報上で目的地Gへの経路を展開する(図9の画面C)。
【0070】
利用者1は、画面Cを参照して移動する。利用者1が表示された経路に沿って移動し、無線情報標識202に近づくと、無線情報標識202を利用した地図情報の提供動作により、その無線情報標識202の設置場所に関する地図情報が、サーバ50から携帯端末10へ供給される。携帯端末10では、アプリケーション16が、そのサーバ50から供給された地図情報を、先の表示地図情報に代えて表示部に表示するとともに、表示した地図情報上で目的地Gへの経路を展開する(図9の画面D)。
【0071】
上記の経路案内では、利用者1がタグリーダや無線情報標識を通過する度に、その周辺の地図情報がサーバ50から携帯端末10に提供され、携帯端末10の画面では、利用者1の移動に合わせて表示される地図情報が刻々と変化する。このようなプッシュ型の情報提供処理により、スムーズな移動が可能となる。
【0072】
本実施形態の位置情報提供システムによれば、歩行者の経路案内に便利なプッシュ型の位置情報提供システムを提供することができる。
【0073】
以上説明した各実施形態の位置情報提供システムは、本発明の一例であり、その構成及び動作は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更することができる。
【0074】
例えば、歩行者の正確な位置特定のために、無線情報標識として、通信可能な距離を半径数10m以内に絞ることのできる標識を用いてもよい。そのような標識としては、ブルートゥース技術を用いた標識、ジグビー技術を用いた標識、無線LAN技術を用いた標識などがある。
【0075】
また、無線情報標識の代わりに赤外線方式の情報標識を用いてもよい。この場合は、携帯端末側に赤外線方式の通信機能を持たせる必要がある。
【0076】
また、タグ及びタグリーダーは、赤外線通信方式を用いた通信を行うようにしてもよい。
【0077】
また、地図情報を提供する形態としては、タグリーダーの設置場所に関する位置情報および地図情報を提供する形態1、タグリーダーの設置場所に関する位置情報および地図情報と無線情報標識の設置場所に関する位置情報および地図情報をそれぞれ提供する形態2、タグリーダーの設置場所に関する位置情報および地図情報を提供するが、無線情報標識については設置場所に関する位置情報のみを提供する形態3などがある。地図情報はデータ量が多いため、極力、送信回数を減らすことが望ましい。形態1および形態3は、無線情報標識の設置場所に関する地図情報を提供しない分だけ、地図情報の通信にかかる料金は形態2より低く抑えることができる。また、形態3は、無線情報標識の位置情報を提供することができる分だけ、形態1に比べて、より細かな位置情報の提供が可能である。
【0078】
また、タグリーダの位置情報として、U−codeを用いる場合は、サーバ50の記憶部に、U−codeに対応した位置情報を格納し、アプリケーション56が、タグリーダから受信したU−codeを参照して記憶部から位置情報を取得する。
【0079】
なお、サーバ50は、1つのサーバとして説明しているが、情報サーバやU−codeサーバなど、ネットワーク上に配置された複数のサーバ(ネットワーク上のどこに配置されてもよい)の組み合わせであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第1の実施形態である位置情報提供システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すタグリーダーの主要部の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す携帯端末の主要部の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示すサーバの主要部の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示す位置情報提供システムにおいて行われる位置情報提供の一手順を説明するための図である。
【図6】図1に示す携帯端末とサーバの間で行われる位置情報提供処理を説明するための図である。
【図7】利用者が複数のタグリーダーを順に通過した場合の位置情報提供処理を説明するための図である。
【図8】本発明の第2の実施形態である位置情報提供システムの概略構成を示すブロック図である。
【図9】経路案内の動作の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0081】
1 利用者
10 携帯端末
12 タグ
201〜20n タグリーダー
401〜40n 基地局
50 サーバ
60、61 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアプリケーションを備える携帯端末と、
前記携帯端末の通信用のアドレス情報と前記第1のアプリケーションの識別情報とを含むタグ情報が格納されるタグと、
一定の通信距離範囲内において前記タグとの通信が可能とされ、前記タグから前記タグ情報を読み取る複数のタグリーダーと、
前記複数のタグリーダーおよび携帯端末とネットワークを介して接続されるサーバと、を有し、
前記複数のタグリーダーのそれぞれは、前記タグから前記タグ情報を読み取ると、該タグ情報と自身の設置場所に関する位置情報とを含むデータを前記サーバへ送信し、
前記サーバは、
前記複数のタグリーダーのいずれかから前記データを受信すると、該受信データに含まれているアドレス情報に基づいて前記携帯端末との通信を確立する制御部と、
前記受信データに含まれている識別情報によって識別される前記第1のアプリケーションが通信の確立した前記携帯端末上で起動しているか否かを調べ、前記第1のアプリケーションが起動している場合にのみ、前記受信データに含まれている位置情報を前記携帯端末に送信する第2のアプリケーションと、を有し、
前記第1のアプリケーションは、前記サーバから受信した位置情報を表示する処理を実行する、位置情報提供システム。
【請求項2】
前記サーバは、前記複数のタグリーダーのそれぞれについて、その識別情報とその設置場所に関する地図情報が関連付けられて格納された記憶部をさらに有し、
前記複数のタグリーダーのそれぞれは、前記データに自身の識別情報を付与して前記サーバに送信し、
前記第2のアプリケーションは、前記受信データに含まれている、該データを送信したタグリーダーの識別情報を参照して、前記記憶部から地図情報を取得し、該地図情報を前記受信データに含まれている位置情報と一緒に前記携帯端末へ送信し、
前記第1のアプリケーションは、前記サーバから受信した位置情報および地図情報を表示する処理を実行する、請求項1に記載の位置情報提供システム。
【請求項3】
一定の通信距離範囲内において前記携帯端末との無線通信が可能とされ、一定の時間毎に、自身の設置場所に関する位置情報を前記無線通信により送出する複数の無線情報標識をさらに有し、
前記第1のアプリケーションは、前記複数の無線情報標識のいずれかから、当該無線情報標識の位置情報を受信すると、該位置情報を表示するための処理を実行する、請求項1に記載の位置情報提供システム。
【請求項4】
前記サーバは、前記複数のタグリーダーのそれぞれについて、その識別情報とその設置場所に関する地図情報が関連付けられて格納された記憶部をさらに有し、
前記複数のタグリーダーのそれぞれは、前記データに自身の識別情報を付与して前記サーバに送信し、
前記第2のアプリケーションは、前記受信データに含まれている、該データを送信したタグリーダーの識別情報を参照して、前記記憶部から地図情報を取得し、該地図情報を前記受信データに含まれている位置情報と一緒に前記携帯端末へ送信し、
前記第1のアプリケーションは、前記サーバから受信した位置情報および地図情報を表示する処理を実行する、請求項3に記載の位置情報提供システム。
【請求項5】
前記記憶部は、さらに、前記複数の無線情報標識のそれぞれについて、その標識識別情報とその設置場所に関する地図情報を関連付けて格納しており、
前記複数の無線情報標識のそれぞれは、自身の設置場所に関する位置情報に自身の標識識別情報を付与した情報を前記無線通信により送出し、
前記第1のアプリケーションは、前記複数の無線情報標識のいずれかから、当該無線情報標識の位置情報を受信すると、該位置情報に付与されている標識識別情報を前記サーバへ送信し、
前記第2のアプリケーションは、前記携帯端末から標識識別情報を受信すると、該標識識別情報を参照して前記記憶部から地図情報を取得し、該地図情報を前記携帯端末に送信し、
前記第1のアプリケーションは、前記サーバから受信した地図情報を表示する処理を実行する、請求項4に記載の位置情報提供システム。
【請求項6】
第1のアプリケーションを備える携帯端末と、前記携帯端末の通信用のアドレス情報と前記第1のアプリケーションの識別情報とを含むタグ情報が格納されるタグと、一定の通信距離範囲内において前記タグとの通信が可能とされ、前記タグから前記タグ情報を読み取る複数のタグリーダーと、前記複数のタグリーダーおよび携帯端末とネットワークを介して接続されるサーバと、を有するシステムにおいて行われる位置情報提供方法であって、
前記複数のタグリーダーのそれぞれが、前記タグから前記タグ情報を読み取ると、該タグ情報と自身の設置場所に関する位置情報とを含むデータを前記サーバへ送信するステップと、
前記サーバの制御部が、前記複数のタグリーダーのいずれかから前記データを受信すると、該受信データに含まれているアドレス情報に基づいて前記携帯端末との通信を確立するステップと、
前記サーバに設けられた第2のアプリケーションが、前記受信データに含まれている識別情報によって識別される前記第1のアプリケーションが通信の確立した前記携帯端末上で起動しているか否かを調べ、前記第1のアプリケーションが起動している場合にのみ、前記受信データに含まれている位置情報を前記携帯端末に送信するステップと、
前記第1のアプリケーションが、前記サーバから受信した位置情報を表示する処理を実行するステップと、を含む、位置情報提供方法。
【請求項7】
第1のアプリケーションを備える携帯端末と、一定の通信距離範囲内において、前記携帯端末の通信用のアドレス情報と前記第1のアプリケーションの識別情報とを含むタグ情報が格納されるタグとの通信が可能とされ、前記タグから前記タグ情報を読み取る複数のタグリーダーとが、ネットワークを介して接続されるサーバであって、
前記複数のタグリーダーのうちの、前記タグから前記タグ情報を読み取ったタグリーダーから、当該タグリーダーの設置場所に関する位置情報と読み取った前記タグ情報とを含むデータを受信すると、該受信データに含まれているアドレス情報に基づいて前記携帯端末との通信を確立する制御部と、
前記受信データに含まれている識別情報によって識別される前記第1のアプリケーションが通信の確立した前記携帯端末上で起動しているか否かを調べ、前記第1のアプリケーションが起動している場合にのみ、前記受信データに含まれている位置情報を前記携帯端末に送信する第2のアプリケーションと、を有する、サーバ。
【請求項8】
第1のアプリケーションを備える携帯端末と、一定の通信距離範囲内において、前記携帯端末の通信用のアドレス情報と前記第1のアプリケーションの識別情報とを含むタグ情報が格納されるタグとの通信が可能とされ、前記タグから前記タグ情報を読み取る複数のタグリーダーとが、ネットワークを介して接続されるサーバに用いられるプログラムであって、
前記複数のタグリーダーのうちの、前記タグから前記タグ情報を読み取ったタグリーダーから、当該タグリーダーの設置場所に関する位置情報と読み取った前記タグ情報とを含むデータを受信すると、該受信データに含まれているアドレス情報に基づいて前記携帯端末との通信を確立する処理と、
前記受信データに含まれている識別情報によって識別される前記第1のアプリケーションが通信の確立した前記携帯端末上で起動しているか否かを調べ、前記第1のアプリケーションが起動している場合にのみ、前記受信データに含まれている位置情報を前記携帯端末に送信する処理と、を前記サーバのコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−197786(P2008−197786A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−30419(P2007−30419)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】