位置特定システム、およびそのシステムに用いる位置コード
【課題】携帯端末を利用して僅かな入力を行うのみで、正確な所在地を把握することができ、その所在地周辺の情報を得ることが可能な位置特定システムを提供する。
【解決手段】位置特定システムS1は、「地域情報」を記憶したデータベースを有するサーバ1と、サーバ1と通信するための携帯端末2,2・・と、携帯端末2,2・・からの信号を集約してサーバに伝達するための中継局3と、携帯端末2からの信号を受信して中継局3に伝達するための基地局4とを含んでいる。そして、緯度経度の一部あるいは電柱等の建造物等に付された指標情報と、基地局4からのエリア情報とを利用して、携帯端末2の発信位置を特定して、その発信位置周辺の地域情報を検索して、その検索結果を携帯端末2に送信するようになっている。
【解決手段】位置特定システムS1は、「地域情報」を記憶したデータベースを有するサーバ1と、サーバ1と通信するための携帯端末2,2・・と、携帯端末2,2・・からの信号を集約してサーバに伝達するための中継局3と、携帯端末2からの信号を受信して中継局3に伝達するための基地局4とを含んでいる。そして、緯度経度の一部あるいは電柱等の建造物等に付された指標情報と、基地局4からのエリア情報とを利用して、携帯端末2の発信位置を特定して、その発信位置周辺の地域情報を検索して、その検索結果を携帯端末2に送信するようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末を利用してその発信位置(所在地)、あるいはその発信位置に関連した所定の指標(指標情報)の位置を特定する位置特定システム、およびその位置特定システムに好適に用いることができる位置コードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在位置を特定する技術として、建造物に付された緯度・経度に関する情報を利用するものが知られている。たとえば、特許文献1には、緯度・経度を表示したラベル、バーコード、ICタグを電柱等の建造物に付しておき、それを目視により読み取ったり、読取装置により読み取ったりして携帯端末に入力することにより、別の位置に存在するサーバに記憶された地図情報に基づいて、当該建造物の周辺の地域情報を検索する情報検索システムが開示されている。
【0003】
一方、特許文献2には、電柱に付された識別番号(電柱を特定するための番号)を携帯端末に入力することにより、別の位置に存在するサーバにおいて、データベースとして記憶された広大な地図の中から、当該電柱の周辺の地図を検索する情報検索システムが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−205888公報
【特許文献2】特開2002−297613公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の情報検索システムは、緯度・経度をそのまま入力すれば(緯度・経度の度単位、分単位、秒単位で、それぞれ8桁程度ずつ)、ある程度の精度で携帯端末の所在地を特定できるものの、そのような合計16桁にも及ぶ数字を携帯端末へ入力するのには非常に手間がかかる上、入力に間違いを生じ易く、実用性に欠ける、という不具合がある。一方、特許文献2の情報検索システムにおいては、電柱の識別番号が日本全国で統一された体系に則ったものでなく、同一の識別番号が多数の電柱に重複して付与されている可能性があるため、携帯端末の所在地を正確に特定することができない、という事態が起こり得る。
【0006】
本発明は、上記した情報検索システムの有する問題点を解消し、携帯端末を利用して僅かな入力を行うのみで、正確な所在地を把握することができる上、その所在地周辺の情報を得ることが可能な位置特定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる本発明の内、請求項1に記載された発明の構成は、緯度経度に関連した情報が記憶されたデータベースを有するサーバと、緯度経度の一部が入力されると、その緯度経度の一部を外部へ送信可能な携帯端末とを有しており、前記緯度経度の一部が、前記携帯端末から最寄りの基地局を介してサーバへ送信されると、その基地局の設置位置の緯度経度に関連した情報の一種であるエリア情報が、前記携帯端末を介してサーバへ送信され、サーバにおいて、前記緯度経度の一部および前記エリア情報に基づいて、前記携帯端末の送信位置に関連した緯度経度が特定され、その特定された緯度経度もしくはその緯度経度の所在地がサーバから携帯端末へ送信される位置特定システムにある。なお、本発明における「携帯端末の送信位置に関連した緯度経度の特定」とは、「携帯端末の送信位置に関連した緯度経度」が唯一のものとして特定されることの他、ごく少数のいずれかに限定されることをも含む概念である。
【0008】
請求項2に記載された発明の構成は、緯度経度の特定に資する指標情報に対応した緯度経度が記憶されたデータベースを有するサーバと、前記指標情報が入力されると、その指標情報を外部へ送信可能な携帯端末とを有しており、前記指標情報が、前記携帯端末から最寄りの基地局を介してサーバへ送信されると、その基地局の設置位置の緯度経度に関連した情報の一種であるエリア情報が、前記携帯端末を介してサーバへ送信され、サーバにおいて、前記指標情報および前記エリア情報に基づいて、前記指標情報の送信位置に関連した緯度経度が特定され、その特定された緯度経度もしくはその緯度経度の所在地がサーバから携帯端末へ送信される位置特定システムにある。
【0009】
請求項3に記載された発明の構成は、緯度経度に関連した情報が記憶されたデータベースを具備した携帯端末を有しており、前記携帯端末に緯度経度の一部が入力されると、その緯度経度の一部と、前記携帯端末が最寄りの基地局を介して取得したその基地局の緯度経度に関連した情報の一種であるエリア情報に基づいて、前記携帯端末の送信位置と関連した緯度経度の全てが特定される位置特定システムにある。
【0010】
請求項4に記載された発明の構成は、請求項1〜3のいずれかに記載された発明において、特定された所在地の緯度経度を中心とした近隣の地域情報が検索され、その検索された地域情報がサーバから携帯端末へ送信される位置特定システムにある。なお、ここでいうサーバとは、必ずしも請求項1または請求項2に記載のサーバを意味するものではない。すなわち、緯度経度に関連した情報が記憶されたデータベースを有するサーバまたは指標情報に対応した緯度経度が記憶されたデータベースを有するサーバに、さらに地域情報を記憶させるようにしても良いし、地域情報を記憶したサーバを別個に設けても良い。また、請求項3のように携帯端末が緯度経度に関連した情報を記憶したデータベースを具備している場合には、請求項3に記載のシステムに加えて地域情報を記憶したサーバを設けることにより、請求項4に記載された発明を構成することも可能である。
【0011】
請求項5に記載された発明の構成は、請求項4に記載された発明において、前記地域情報が、店舗に関する情報、鉄道の駅あるいはバス停に関する情報、公共施設に関する情報、宿泊施設に関する情報のいずれかまたはそれらの情報の任意の組み合わせであることにある。
【0012】
請求項6に記載された発明の構成は、請求項4に記載された発明において、前記地域情報が、領域を限定したイベント情報、宣伝情報、公共情報のいずれかまたはそれらの情報の任意の組み合わせであることにある。なお、イベント情報とは、その限定された領域で開催されるコンサート等のイベントに関する情報のことであり、宣伝情報とは、その限定された領域における各種の宣伝、PR等に関する情報のことであり、公共情報とは、その限定された領域における公共的な場所や事物に関する情報のことである。
【0013】
請求項7に記載された発明の構成は、請求項1に記載された位置特定システムに用いる緯度経度を表示した位置コードであって、前記緯度経度の表示が、前記位置特定システムの利用に供する部分を他と異なる態様で表したものであることにある。
【0014】
請求項8に記載された発明の構成は、請求項7に記載された発明において、前記緯度経度の表示が、緯度経度の秒単位を小数点以下第一位以下まで表したものであるとともに、緯度経度の度単位の一の位、分単位および秒単位の部分を、他の部分と異なる態様で表したものであることにある。すなわち、請求項8に記載された発明においては、緯度経度の秒単位が小数点以下第一位以下まで表示されていれば、小数点以下第二位、小数点以下第三位まで表示されていても構わないが、位置の特定精度を考慮すると、小数点以下第一位まで表示されていれば、実用性は十分であると考えられる。
【0015】
請求項9に記載された発明の構成は、請求項7、または請求項8に記載された発明において、前記緯度経度の表示が、緯度経度の分単位、秒単位の十の位および秒単位の一の位の部分を、他の部分と異なる態様で表したものであることにある。すなわち、請求項9に記載された発明においては、緯度経度の秒単位が一の位まで表示されていれば、小数点以下第一位以下まで表示されていても構わないが、位置の特定精度を考慮すると、一の位まで表示されていれば、実用性は十分であると考えられる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載された位置特定システムは、緯度経度の一部と基地局からのエリア情報を利用して、携帯端末の発信位置(所在地)あるいは携帯端末により一部のみ発信された緯度経度に対応する位置を特定するものであるので、この位置特定システムによれば、携帯端末を利用して僅かな入力を行うことによって、所在地(あるいは携帯端末により一部のみ発信された緯度経度に対応する位置)を正確に特定することができる。
【0017】
請求項2に記載された位置特定システムは、建造物等に付された指標情報と基地局からのエリア情報を利用して、携帯端末の発信位置(所在地)あるいは携帯端末により発信された指標情報に対応する位置を特定するものであるので、この位置特定システムによれば、携帯端末を利用して僅かな入力を行うことによって、所在地(あるいは携帯端末により発信された指標情報に対応する位置)を正確に特定することができる。
【0018】
請求項3に記載された位置特定システムは、緯度経度の一部と基地局からのエリア情報に基づいて自己のデータベースを利用して、携帯端末の所在地あるいは携帯端末により一部のみ入力された緯度経度に対応する位置を特定するものであるので、この位置特定システムによれば、携帯端末を利用して僅かな入力を行うことによって、所在地(あるいは携帯端末により一部のみ入力された緯度経度に対応する位置)を正確に特定することができる。その上、公衆通信網や他の場所に設置されたサーバを利用する必要がないので、非常に安価にシステムを利用することが可能となる。
【0019】
請求項4に記載された位置特定システムは、特定された緯度経度を中心とした近隣の地域情報を検索して、その検索結果を携帯端末に送信するものであるので、この位置特定システムによれば、携帯端末を利用して僅かな入力を行うことによって、所在地周辺の地域情報を的確に把握することができる。
【0020】
請求項5に記載された位置特定システムは、検索される地域情報が、店舗に関する情報、鉄道の駅あるいはバス停に関する情報、公共施設に関する情報、宿泊施設に関する情報のいずれかまたはそれらの情報の任意の組み合わせであるので、非常に実用的であり、広く公衆の利用に供することができる。
【0021】
請求項6に記載された位置特定システムは、検索される地域情報が、従来のような一定の広い町域を対象としたものではなく、特定位置に連動した任意の地域範囲におけるイベント情報、宣伝情報、公共情報のいずれかまたはそれらの情報の任意の組み合わせであるので、きわめて実用的であり、広く公衆の利用に供することができる。
【0022】
請求項7に記載された位置コードによれば、ユーザーが位置特定システムの利用に必要な部分を一目で把握することができ、上記した位置特定システムを非常に容易に利用することが可能となる。
【0023】
請求項8に記載された位置コードを上記した位置特定システムに用いれば、携帯端末を利用して僅かな入力を行うだけであるにも拘わらず、携帯端末の所在地あるいは位置コードの所在地を非常に高い精度で特定することが可能となる。
【0024】
請求項9に記載された位置コードを上記した位置特定システムに用いれば、携帯端末を利用して非常に僅かな入力を行うだけで、実用的なレベルで、携帯端末の所在地あるいは位置コードの所在地を特定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る位置特定システムの一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
[実施例1]
図1は、実施例1の位置特定システムの概要を示す説明図である。かかる位置特定システムS1は、ユーザーが、任意の場所において、携帯端末を用いて、電柱や建造物等に付された緯度、経度の一部(以下、「部分的緯度経度情報」という)を入力することにより、サーバにおいて、その「部分的緯度経度情報」に基づいて、ユーザー(携帯端末)の所在地を特定するとともに、その特定された所在地の周辺の情報(たとえば、特定された所在地の付近に存在するバス停、鉄道の駅、飲食店等の店舗、宿泊施設、市役所、郵便局等の公共施設、病院等に関する情報、以下、「地域情報」という)を入手するものである。
【0027】
位置特定システムS1は、上記した「地域情報」を記憶したデータベースを有するサーバ1と、サーバ1と通信するための携帯端末2,2・・と、携帯端末2,2・・からの信号を集約してサーバに伝達するための中継局3と、携帯端末2からの信号を受信して中継局3に伝達するための基地局4とを含んでいる。なお、サーバ1、中継局3は、インターネットN等の公衆通信網に接続された状態になっている。また、携帯端末2には、「部分的緯度経度情報」を入力するための入力手段と、入手した「地域情報」を表示するための表示画面とが設けられている。
【0028】
また、サーバ1のデータベースには、所定の地域の住所、各基地局4,4・・の所在地に関する情報(各基地局4,4・・の設置位置、各基地局4,4・・から通信可能な範囲等)、および「地域情報」(上記したバス停、鉄道の駅、飲食店等の店舗、宿泊施設、市役所、郵便局等の公共施設、病院等に関する情報)が、正確な緯度、経度と対応した状態で記憶されている。加えて、サーバ1には、データベースから必要な「地域情報」を引き出すための演算手段が設けられている。
【0029】
図2は、上記位置特定システムS1で利用される「部分的緯度経度情報」を示す位置コードラベルである。かかる位置コードラベル5の表面には、所定の“a地点”であることを示す緯度、経度(北緯および東経)が、それぞれ、6桁ずつ数字(通常の算用数字)によって表示されている。すなわち、北緯、東経とも、度単位の一の位、分単位の十の位および一の位、秒単位の十の位、一の位および小数点第一位の6桁の数字によって表示されている。
【0030】
そして、北緯の度単位の一の位の左下側には、北緯を表すアルファベット「N」および北緯の度単位の十の位が、上記した6桁の数字に比べて非常に小さく(高さ、幅ともに上記した6桁の数字の20%程度の大きさで)表示されている。また、東経の度単位の一の位の左下側には、東経を表すアルファベット「E」および東経の度単位の百の位、十の位が、上記した6桁の数字に比べて非常に小さく(高さ、幅ともに上記した6桁の数字の20%程度の大きさで)表示されている。また、北緯、東経とも、度単位、分単位、秒単位の各表示の右下側には、それぞれ、上記した6桁の数字に比べて非常に小さく(高さ、幅ともに上記した6桁の数字の20%程度の大きさで)「度」、「分」、「秒」の文字が表示されている。
【0031】
さらに、上記した北緯、東経の6桁ずつの数字の内、北緯の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字、および、東経の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字が、他の数字(北緯の度単位の一の位、秒単位の小数点第一位、東経の度単位の一の位、秒単位の小数点第一位)と異なる色で表示されている。すなわち、北緯の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字、および、東経の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字の合計8個の数字は、黒色で表示されており、北緯の度単位の一の位、秒単位の小数点第一位、および、東経の度単位の一の位、秒単位の小数点第一位の合計4個の数字は、白色で表示されている。そして、これらの「北緯の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字、および、東経の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字の合計8個の数字」が、上記した位置特定システムS1において使用される「部分的緯度経度情報」を構成した状態になっている。
【0032】
以下、上記した位置特定システムS1を利用して「地域情報」を入手する動作について、図3のフローチャートにしたがって説明する。
【0033】
ステップ(以下、単にSで示す)1で、ユーザーが携帯端末2を利用して、所定のURL(Uniform Resource Locator)を入力すると、続くS2で、基地局4、中継局3、インターネットNを介して、携帯端末2とサーバ1とが接続される。そのように携帯端末2とサーバ1とが接続された後には、サーバ1から携帯端末2に、「部分的緯度経度情報」を要求する旨、および、検索すべきデータを指定するよう要求する旨の信号が送信される。
【0034】
サーバ1から信号が出力されると、その信号は、インターネットN、中継局3、基地局4を介して、携帯端末2に伝達される。携帯端末2が「部分的緯度経度情報」を要求する旨の信号を受信すると、携帯端末には、図4の如き画面が表示される。そして、画面の指示にしたがって、S3で、ユーザーが、位置コードラベル5に付された「部分的緯度経度情報」(すなわち、上記した8個の数字)、および、検索すべきデータの種類(実施例1においては、携帯端末2の所在地付近のバス停の情報とする)を入力すると、S4で、その「部分的緯度経度情報」および「データの種類」を含めた「検索指令信号」が、基地局4、中継局3、インターネットNを介して、サーバ1に伝達される(なお、「部分的緯度経度情報」と検索すべきデータの種類とを別々のタイミングで入力する方式や、「部分的緯度経度情報」のみを入力する方式等に変更することも可能である)。なお、その際に、「検索指令信号」に、基地局4の所在地を示す「エリア情報」が付加される。
【0035】
サーバ1が、上記した「エリア情報」の付加された「検索指令信号」を受信すると、S5で、その「検索指令信号」に基づいて、データベース内に記憶された情報が参酌されて、携帯端末2の所在地が特定される。すなわち、サーバ1は、「エリア情報」の付加された「検索指令信号」を受信すると、図5(a)の如く、演算手段によって、データベースに記憶された情報を参酌して、「部分的緯度経度情報」と対応した範囲(地域)A1,A2,A3・・(以下、部分的緯度経度対応範囲という)を特定する。なお、ユーザーが入力した「部分的緯度経度情報」は、緯度や経度の内の度単位等が省略されたものであるので、サーバ1のデータベースにおいては、入力された「部分的緯度経度情報」に対応する「部分的緯度経度対応範囲」は、図5(a)の如く、位置特定システムS1を利用可能な広汎な地域内に複数存在する。さらに、サーバ1は、演算手段によって、データベースに記憶された情報を参酌して、図5(b)の如く、基地局4からの「エリア情報」と対応した範囲B(すなわち、その基地局4と通信可能な範囲、以下、エリア情報対応範囲という)を特定する。そして、演算手段によって、それらの部分的緯度経度対応範囲A1,A2,A3・・とエリア情報対応範囲Bとの重複位置C(ここでは、A2)を、所在地(現在位置)として特定する(選択する)。したがって、携帯端末2の所在地(発信位置)は、約30m四方の精度で正確に特定される。
【0036】
しかる後、S6で、サーバ1において、その特定された携帯端末の所在地に対応したバス停に関する「地域情報」がデータベース内から検索される。すなわち、図6の如く、上記した部分的緯度経度対応範囲A1,A2,A3・・とエリア情報対応範囲Bとの重複範囲Cから所定の距離の範囲Dを特定し、その範囲D内に含まれるバス停をピックアップする。そして、S7で、それらのピックアップされたバス停に関する情報(バス停の名称、上記した重複範囲Cからのバス停の方角、上記した重複範囲Cからバス停までの距離等)を、検索された「地域情報」として携帯端末2へ送信する。
【0037】
サーバ1から「地域情報」が検索データとして出力されると、その「地域情報」は、インターネットN、中継局3、基地局4を介して携帯端末2に伝達され、携帯端末2の画面には、図7の如き画面が表示される。
【0038】
位置特定システムS1は、上記の如く機能するため、当該位置特定システムS1によれば、携帯端末2を利用して、位置コードラベル5に付された8桁の数字(8個の数字)のみを入力するだけで、詳細な緯度、経度を入力しなくても、携帯端末2の所在地(発信位置)が高い精度で特定され(すなわち、上記した「部分的緯度経度情報」が付された位置コードラベル5の所在地の緯度経度の全体がきわめて高い精度で特定され)、その所在地周辺の「地域情報」を簡単に入手することができる。
【0039】
一方、位置コードラベルは、上記の如く、緯度・経度の内、「地域情報」の検索に必要な部分(「部分的緯度経度情報」に対応した部分)のみが他の部分と異なる彩色で表示されているため、ユーザーが「地域情報」の検索に必要な部分を一目で認識することができるので、位置特定システムS1に非常に好適に用いることができる。
【0040】
[実施例2]
実施例2の位置特定システムS2は、ユーザーが、任意の場所において、携帯端末2を用いて、電柱に付された「指標情報」(たとえば、各電柱の識別番号)を入力することにより、サーバ1において、その「指標情報」に基づいて、ユーザー(携帯端末)の所在地を特定し、その特定された所在地と対応した「地域情報」を入手するものである。なお、位置特定システムS2の構成は、上記した位置特定システムS1の構成と略同様である。また、位置特定システムS2のサーバ1のデータベースには、所定の地域の住所、各基地局4,4・・の所在地に関する情報(各基地局4,4・・の設置位置、各基地局4,4・・から通信可能な範囲等)、および「地域情報」が、正確な緯度、経度と対応した状態で記憶されている。さらに、サーバ1のデータベースには、その所定の地域に存在する電柱の位置が識別番号と対応した状態で記憶されている。ただし、所定の地域内には、同一の識別番号を付した電柱が複数存在するため、電柱の識別番号と位置とは、1対多の対応となっている。
【0041】
図8は、上記した位置特定システムS2で利用される「指標情報」を表示した電柱識別ラベル6である。かかる電柱識別ラベル6の表面には、「指標情報」(各電柱の識別番号)として、「12ア 345」の如く、所定の5個の数字および1個のカタカナ文字が表示されている。
【0042】
以下、上記した位置特定システムS2を利用して「地域情報」を入手する動作について、図9のフローチャートにしたがって説明する。
【0043】
S11で、ユーザーが携帯端末2を利用して、所定のURLを入力すると、続くS12で、基地局4、中継局3、インターネットNを介して、携帯端末2とサーバ1とが接続される。そのように携帯端末2とサーバ1とが接続された後には、サーバ1から携帯端末2に、「指標情報」を要求する旨、および、検索すべきデータを指定するよう要求する旨の信号が送信される。
【0044】
サーバ1から信号が出力されると、その信号は、インターネットN、中継局3、基地局4を介して、携帯端末2に伝達される。携帯端末2が「指標情報」を要求する旨の信号を受信すると、携帯端末2には、図10の如き画面が表示される。その画面の指示にしたがって、S13で、ユーザーが、上記した「指標情報」、および、検索すべきデータの種類(実施例2においては、携帯端末2の所在地付近の病院の情報とする)を入力すると、S14で、その「指標情報」および「データの種類」を含めた「検索指令信号」が、基地局4、中継局3、インターネットNを介して、サーバ1に伝達される(なお、「指標情報」と検索すべきデータの種類とを別々のタイミングで入力する方式や、「指標情報」のみを入力する方式等に変更することも可能である)。なお、その際に、「指標情報」に、基地局4の所在地を示す「エリア情報」が付加される。
【0045】
サーバ1が、上記した「エリア情報」の付加された「指標情報」を受信すると、S15で、その「指標情報」に基づいて、データベース内に記憶された情報が参照されて、携帯端末2の所在地が特定される。すなわち、サーバ1は、「エリア情報」の付加された「指標情報」を受信すると、図11(a)の如く、演算手段によって、データベースに記憶された情報を参酌して、「指標情報」である電柱の識別番号と対応した位置E1,E2,E3・・(以下、指標情報対応位置という)を特定する。なお、上記の如く、サーバ1のデータベースにおいては、電柱の識別番号と位置とが1対多の対応で記憶されているため、一つの識別番号と対応した位置は、図11(a)の如く複数となる。さらに、サーバ1は、演算手段によって、データベースに記憶された情報を参酌して、図11(b)の如く、基地局4からの「エリア情報」と対応したエリア情報対応範囲Bを特定する。さらに、演算手段によって、それらの指標情報対応位置E1,E2,E3・・とエリア情報対応範囲Bとの重複位置F(ここでは、E3)を、所在地(現在位置)として特定する(選択する)。したがって、携帯端末2の所在地(発信位置)は、きわめて正確に特定される。
【0046】
しかる後、S16で、サーバ1において、データベース内に記憶された情報を参酌して、その特定された携帯端末2の所在地に対応した病院に関する「地域情報」が検索される。すなわち、図12の如く、上記した指標情報対応位置とエリア情報対応範囲との重複位置Fから所定の距離の範囲Gを特定し、その範囲G内に含まれる病院をピックアップする。そして、S17で、それらのピックアップされた病院に関する情報(病院の名称、上記した重複位置Fからの病院の方角、上記した重複範囲から当該病院までの距離等)を、検索された「地域情報」として携帯端末2へ送信する。
【0047】
サーバ1から「地域情報」が検索データとして出力されると、その「地域情報」は、インターネットN、中継局3、基地局4を介して携帯端末2に伝達され、携帯端末2の画面には、図13の如き画面が表示される。
【0048】
位置特定システムS2は、上記の如く機能するので、当該位置特定システムS2によれば、携帯端末2を利用して、電柱等に付された「指標情報」(6個の数字およびアルファベット)のみを入力するだけで、詳細な緯度、経度を入力しなくても、携帯端末2の所在地(発信位置)がきわめて高い精度で特定され(すなわち、その「指標情報」の所在地がきわめて高い精度で特定され)、その所在地周辺の「地域情報」を簡単に入手することができる。
【0049】
なお、本発明の位置特定システムの構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、位置コード、電柱識別ラベル、携帯端末、サーバ、データベース等の構造、データベースにおいて「地域情報」を検索する際の動作内容、基地局からエリア情報をサーバへ送信する方式等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0050】
たとえば、位置特定システムは、上記実施形態の如く、「北緯の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字、および、東経の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字の合計8個の数字」を利用して位置を特定するものに限定されず、緯度、経度の内のその他の部分(たとえば、北緯の度単位の一の位、分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位、小数点以下第一位の6個の数字、および、東経の度単位の一の位、分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位、小数点以下第一位の6個の数字の合計12個の数字)を利用して位置を特定するもの等に変更することができる。
【0051】
加えて、位置特定システムを実施例1の如く構成する場合には、位置コードにICタグを埋め込んだり、方位を示す図柄や、正確な緯度経度を示すQRコードを添付したりすることも可能である。かかる構成を採用した場合には、位置特定システムがより一層使い易いものとなる。また、位置特定システムに使用される位置コードは、必ずしも電柱に貼着する必要はなく、建造物に貼着することも可能である。
【0052】
また、位置コードは、上記実施形態の如く、緯度経度の一部を構成する「北緯の度単位の一の位、分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位、小数点以下第一位の6個の数字、および、東経の度単位の一の位、分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位、小数点以下第一位の6個の数字の合計12個の数字」を、他の表示(北緯の度単位の十の位や東経の度単位の百の位、十の位の表示)と異なる態様で表示するとともに、「北緯の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字、および、東経の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字の合計8個の数字」を、他の表示(北緯の度単位の十の位や東経の度単位の百の位、十の位の表示、および、北緯の度単位の一の位、秒単位の小数点第一位や東経の度単位の一の位、秒単位の小数点第一位の表示)と異なる態様で表示したものに限定されず、緯度経度の内の他の部分をそれ以外の部分と異なる態様で表示したものに変更することも可能である。なお、上記実施形態の如く、緯度経度の一部を構成する所定個数(たとえば、12個)の数字を他の表示と異なる態様で表示するとともに、所定個数より少ない個数(たとえば、8個)の数字を他の表示と異なる態様で表示した位置コードを用いた場合には、所定個数の数字を入力することにより正確な所在地を特定することができるとともに、所定個数より少ない個数の数字を入力することにより所在地を中心とした少し広めの範囲で地域情報を検索することができる2モード方式の位置特定システムの構築が可能となる。
【0053】
さらに、位置コードにおいて緯度経度の内の一部を他の部分と異なる態様で表示する方法は、上記実施形態の如き文字の大きさを異ならせる態様や彩色を異ならせる態様に限定されず、緯度経度の内の一部を蛍光塗料で表示する方法や、緯度経度の内の一部を他の部分と異なる字体で表示する方法等を採用することも可能である。
【0054】
一方、「エリア情報」および「部分的緯度経度情報」から携帯端末の所在地(あるいは「部分的緯度経度情報」の所在地)を特定する方法や、「エリア情報」および「指標情報」から携帯端末の所在地(あるいは「指標情報」の所在地)を特定する方式は、上記実施形態の如き部分的緯度経度情報対応範囲や指標情報対応位置とエリア情報対応範囲との重複範囲あるいは重複位置を所在地として特定する方式に限定されず、異なる方式に変更することが可能である。
【0055】
また、本発明の位置特定システムは、所定の地域の住所、各基地局の所在地に関する情報、「地域情報」等が所定の地域の地図上で正確な緯度、経度と対応付けられてデータベースに記憶されており、当該地図を参酌しながら所在地を特定したり、地域情報を検索したりするものに変更することも可能である。加えて、位置特定システムは、上記実施形態の如く、検索された地域情報のみを携帯端末へ送信するものに限定されず、特定された所在地のみを携帯端末へ送信するものや、特定された所在地とともに検索された地域情報を携帯端末へ送信するものに変更することも可能である。さらに、本発明の位置特定システムは、基地局の正確な緯度経度や住所等の所在地が「エリア情報」としてデータベースに記憶されているものに限定されず、基地局周辺の一定の範囲の緯度経度や住所等が「エリア情報」としてデータベースに記憶されているもの等に変更することも可能である。
【0056】
また、上記した実施形態においては、緯度経度に対応した住所や「地域情報」等の情報が携帯端末とは別個に設けられたサーバのデータベースに記憶された位置特定システムについて説明したが、本発明の位置特定システムは、かかる実施形態の態様に限定されず、携帯端末にデータベースが内蔵されており、そのデータベース内に、緯度経度に対応した住所や「地域情報」等の情報が記憶されたものや、携帯端末がROM等の記憶手段を装着可能になっており、その記憶手段内に、緯度経度に対応した住所や「地域情報」等の情報を記憶したもの等に変更することも可能である。なお、そのように変更した場合には、公衆通信網やサーバを利用する必要がなくなり、携帯端末の通信環境が悪い場所においてもシステムの利用が可能となる等のメリットがある。
【0057】
加えて、本発明の位置特定システムにおいては、携帯端末は携帯電話に限定されず、PHSや各種のモバイル等の無線通信可能な各種のツールを携帯端末として好適に用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の位置特定システムは、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、携帯端末を利用して所在地を特定して所在地周辺の地域情報を検索するための手段として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】位置特定システムの概要を示す説明図である。
【図2】緯度経度を表示した位置コードラベルを示す説明図である。
【図3】携帯端末の所在地を特定して地域情報を入手する動作を示すフローチャートである。
【図4】携帯端末の表示画面を示す説明図である。
【図5】携帯端末の所在地を特定する様子を示す説明図である。
【図6】地域情報を検索する様子を示す説明図である。
【図7】携帯端末に地域情報が表示された様子を示す説明図である。
【図8】指標情報を表示した電柱識別ラベルを示す説明図である。
【図9】携帯端末の所在地を特定して地域情報を入手する動作を示すフローチャートである。
【図10】携帯端末の表示画面を示す説明図である。
【図11】携帯端末の所在地を特定する様子を示す説明図である。
【図12】地域情報を検索する様子を示す説明図である。
【図13】携帯端末に地域情報が表示された様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0060】
1・・サーバ、2・・携帯端末、3・・中継局、4・・基地局、5・・位置コードラベル、6・・電柱識別ラベル、S1,S2・・位置特定システム、N・・インターネット(公衆通信網)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末を利用してその発信位置(所在地)、あるいはその発信位置に関連した所定の指標(指標情報)の位置を特定する位置特定システム、およびその位置特定システムに好適に用いることができる位置コードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在位置を特定する技術として、建造物に付された緯度・経度に関する情報を利用するものが知られている。たとえば、特許文献1には、緯度・経度を表示したラベル、バーコード、ICタグを電柱等の建造物に付しておき、それを目視により読み取ったり、読取装置により読み取ったりして携帯端末に入力することにより、別の位置に存在するサーバに記憶された地図情報に基づいて、当該建造物の周辺の地域情報を検索する情報検索システムが開示されている。
【0003】
一方、特許文献2には、電柱に付された識別番号(電柱を特定するための番号)を携帯端末に入力することにより、別の位置に存在するサーバにおいて、データベースとして記憶された広大な地図の中から、当該電柱の周辺の地図を検索する情報検索システムが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−205888公報
【特許文献2】特開2002−297613公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の情報検索システムは、緯度・経度をそのまま入力すれば(緯度・経度の度単位、分単位、秒単位で、それぞれ8桁程度ずつ)、ある程度の精度で携帯端末の所在地を特定できるものの、そのような合計16桁にも及ぶ数字を携帯端末へ入力するのには非常に手間がかかる上、入力に間違いを生じ易く、実用性に欠ける、という不具合がある。一方、特許文献2の情報検索システムにおいては、電柱の識別番号が日本全国で統一された体系に則ったものでなく、同一の識別番号が多数の電柱に重複して付与されている可能性があるため、携帯端末の所在地を正確に特定することができない、という事態が起こり得る。
【0006】
本発明は、上記した情報検索システムの有する問題点を解消し、携帯端末を利用して僅かな入力を行うのみで、正確な所在地を把握することができる上、その所在地周辺の情報を得ることが可能な位置特定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる本発明の内、請求項1に記載された発明の構成は、緯度経度に関連した情報が記憶されたデータベースを有するサーバと、緯度経度の一部が入力されると、その緯度経度の一部を外部へ送信可能な携帯端末とを有しており、前記緯度経度の一部が、前記携帯端末から最寄りの基地局を介してサーバへ送信されると、その基地局の設置位置の緯度経度に関連した情報の一種であるエリア情報が、前記携帯端末を介してサーバへ送信され、サーバにおいて、前記緯度経度の一部および前記エリア情報に基づいて、前記携帯端末の送信位置に関連した緯度経度が特定され、その特定された緯度経度もしくはその緯度経度の所在地がサーバから携帯端末へ送信される位置特定システムにある。なお、本発明における「携帯端末の送信位置に関連した緯度経度の特定」とは、「携帯端末の送信位置に関連した緯度経度」が唯一のものとして特定されることの他、ごく少数のいずれかに限定されることをも含む概念である。
【0008】
請求項2に記載された発明の構成は、緯度経度の特定に資する指標情報に対応した緯度経度が記憶されたデータベースを有するサーバと、前記指標情報が入力されると、その指標情報を外部へ送信可能な携帯端末とを有しており、前記指標情報が、前記携帯端末から最寄りの基地局を介してサーバへ送信されると、その基地局の設置位置の緯度経度に関連した情報の一種であるエリア情報が、前記携帯端末を介してサーバへ送信され、サーバにおいて、前記指標情報および前記エリア情報に基づいて、前記指標情報の送信位置に関連した緯度経度が特定され、その特定された緯度経度もしくはその緯度経度の所在地がサーバから携帯端末へ送信される位置特定システムにある。
【0009】
請求項3に記載された発明の構成は、緯度経度に関連した情報が記憶されたデータベースを具備した携帯端末を有しており、前記携帯端末に緯度経度の一部が入力されると、その緯度経度の一部と、前記携帯端末が最寄りの基地局を介して取得したその基地局の緯度経度に関連した情報の一種であるエリア情報に基づいて、前記携帯端末の送信位置と関連した緯度経度の全てが特定される位置特定システムにある。
【0010】
請求項4に記載された発明の構成は、請求項1〜3のいずれかに記載された発明において、特定された所在地の緯度経度を中心とした近隣の地域情報が検索され、その検索された地域情報がサーバから携帯端末へ送信される位置特定システムにある。なお、ここでいうサーバとは、必ずしも請求項1または請求項2に記載のサーバを意味するものではない。すなわち、緯度経度に関連した情報が記憶されたデータベースを有するサーバまたは指標情報に対応した緯度経度が記憶されたデータベースを有するサーバに、さらに地域情報を記憶させるようにしても良いし、地域情報を記憶したサーバを別個に設けても良い。また、請求項3のように携帯端末が緯度経度に関連した情報を記憶したデータベースを具備している場合には、請求項3に記載のシステムに加えて地域情報を記憶したサーバを設けることにより、請求項4に記載された発明を構成することも可能である。
【0011】
請求項5に記載された発明の構成は、請求項4に記載された発明において、前記地域情報が、店舗に関する情報、鉄道の駅あるいはバス停に関する情報、公共施設に関する情報、宿泊施設に関する情報のいずれかまたはそれらの情報の任意の組み合わせであることにある。
【0012】
請求項6に記載された発明の構成は、請求項4に記載された発明において、前記地域情報が、領域を限定したイベント情報、宣伝情報、公共情報のいずれかまたはそれらの情報の任意の組み合わせであることにある。なお、イベント情報とは、その限定された領域で開催されるコンサート等のイベントに関する情報のことであり、宣伝情報とは、その限定された領域における各種の宣伝、PR等に関する情報のことであり、公共情報とは、その限定された領域における公共的な場所や事物に関する情報のことである。
【0013】
請求項7に記載された発明の構成は、請求項1に記載された位置特定システムに用いる緯度経度を表示した位置コードであって、前記緯度経度の表示が、前記位置特定システムの利用に供する部分を他と異なる態様で表したものであることにある。
【0014】
請求項8に記載された発明の構成は、請求項7に記載された発明において、前記緯度経度の表示が、緯度経度の秒単位を小数点以下第一位以下まで表したものであるとともに、緯度経度の度単位の一の位、分単位および秒単位の部分を、他の部分と異なる態様で表したものであることにある。すなわち、請求項8に記載された発明においては、緯度経度の秒単位が小数点以下第一位以下まで表示されていれば、小数点以下第二位、小数点以下第三位まで表示されていても構わないが、位置の特定精度を考慮すると、小数点以下第一位まで表示されていれば、実用性は十分であると考えられる。
【0015】
請求項9に記載された発明の構成は、請求項7、または請求項8に記載された発明において、前記緯度経度の表示が、緯度経度の分単位、秒単位の十の位および秒単位の一の位の部分を、他の部分と異なる態様で表したものであることにある。すなわち、請求項9に記載された発明においては、緯度経度の秒単位が一の位まで表示されていれば、小数点以下第一位以下まで表示されていても構わないが、位置の特定精度を考慮すると、一の位まで表示されていれば、実用性は十分であると考えられる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載された位置特定システムは、緯度経度の一部と基地局からのエリア情報を利用して、携帯端末の発信位置(所在地)あるいは携帯端末により一部のみ発信された緯度経度に対応する位置を特定するものであるので、この位置特定システムによれば、携帯端末を利用して僅かな入力を行うことによって、所在地(あるいは携帯端末により一部のみ発信された緯度経度に対応する位置)を正確に特定することができる。
【0017】
請求項2に記載された位置特定システムは、建造物等に付された指標情報と基地局からのエリア情報を利用して、携帯端末の発信位置(所在地)あるいは携帯端末により発信された指標情報に対応する位置を特定するものであるので、この位置特定システムによれば、携帯端末を利用して僅かな入力を行うことによって、所在地(あるいは携帯端末により発信された指標情報に対応する位置)を正確に特定することができる。
【0018】
請求項3に記載された位置特定システムは、緯度経度の一部と基地局からのエリア情報に基づいて自己のデータベースを利用して、携帯端末の所在地あるいは携帯端末により一部のみ入力された緯度経度に対応する位置を特定するものであるので、この位置特定システムによれば、携帯端末を利用して僅かな入力を行うことによって、所在地(あるいは携帯端末により一部のみ入力された緯度経度に対応する位置)を正確に特定することができる。その上、公衆通信網や他の場所に設置されたサーバを利用する必要がないので、非常に安価にシステムを利用することが可能となる。
【0019】
請求項4に記載された位置特定システムは、特定された緯度経度を中心とした近隣の地域情報を検索して、その検索結果を携帯端末に送信するものであるので、この位置特定システムによれば、携帯端末を利用して僅かな入力を行うことによって、所在地周辺の地域情報を的確に把握することができる。
【0020】
請求項5に記載された位置特定システムは、検索される地域情報が、店舗に関する情報、鉄道の駅あるいはバス停に関する情報、公共施設に関する情報、宿泊施設に関する情報のいずれかまたはそれらの情報の任意の組み合わせであるので、非常に実用的であり、広く公衆の利用に供することができる。
【0021】
請求項6に記載された位置特定システムは、検索される地域情報が、従来のような一定の広い町域を対象としたものではなく、特定位置に連動した任意の地域範囲におけるイベント情報、宣伝情報、公共情報のいずれかまたはそれらの情報の任意の組み合わせであるので、きわめて実用的であり、広く公衆の利用に供することができる。
【0022】
請求項7に記載された位置コードによれば、ユーザーが位置特定システムの利用に必要な部分を一目で把握することができ、上記した位置特定システムを非常に容易に利用することが可能となる。
【0023】
請求項8に記載された位置コードを上記した位置特定システムに用いれば、携帯端末を利用して僅かな入力を行うだけであるにも拘わらず、携帯端末の所在地あるいは位置コードの所在地を非常に高い精度で特定することが可能となる。
【0024】
請求項9に記載された位置コードを上記した位置特定システムに用いれば、携帯端末を利用して非常に僅かな入力を行うだけで、実用的なレベルで、携帯端末の所在地あるいは位置コードの所在地を特定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る位置特定システムの一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
[実施例1]
図1は、実施例1の位置特定システムの概要を示す説明図である。かかる位置特定システムS1は、ユーザーが、任意の場所において、携帯端末を用いて、電柱や建造物等に付された緯度、経度の一部(以下、「部分的緯度経度情報」という)を入力することにより、サーバにおいて、その「部分的緯度経度情報」に基づいて、ユーザー(携帯端末)の所在地を特定するとともに、その特定された所在地の周辺の情報(たとえば、特定された所在地の付近に存在するバス停、鉄道の駅、飲食店等の店舗、宿泊施設、市役所、郵便局等の公共施設、病院等に関する情報、以下、「地域情報」という)を入手するものである。
【0027】
位置特定システムS1は、上記した「地域情報」を記憶したデータベースを有するサーバ1と、サーバ1と通信するための携帯端末2,2・・と、携帯端末2,2・・からの信号を集約してサーバに伝達するための中継局3と、携帯端末2からの信号を受信して中継局3に伝達するための基地局4とを含んでいる。なお、サーバ1、中継局3は、インターネットN等の公衆通信網に接続された状態になっている。また、携帯端末2には、「部分的緯度経度情報」を入力するための入力手段と、入手した「地域情報」を表示するための表示画面とが設けられている。
【0028】
また、サーバ1のデータベースには、所定の地域の住所、各基地局4,4・・の所在地に関する情報(各基地局4,4・・の設置位置、各基地局4,4・・から通信可能な範囲等)、および「地域情報」(上記したバス停、鉄道の駅、飲食店等の店舗、宿泊施設、市役所、郵便局等の公共施設、病院等に関する情報)が、正確な緯度、経度と対応した状態で記憶されている。加えて、サーバ1には、データベースから必要な「地域情報」を引き出すための演算手段が設けられている。
【0029】
図2は、上記位置特定システムS1で利用される「部分的緯度経度情報」を示す位置コードラベルである。かかる位置コードラベル5の表面には、所定の“a地点”であることを示す緯度、経度(北緯および東経)が、それぞれ、6桁ずつ数字(通常の算用数字)によって表示されている。すなわち、北緯、東経とも、度単位の一の位、分単位の十の位および一の位、秒単位の十の位、一の位および小数点第一位の6桁の数字によって表示されている。
【0030】
そして、北緯の度単位の一の位の左下側には、北緯を表すアルファベット「N」および北緯の度単位の十の位が、上記した6桁の数字に比べて非常に小さく(高さ、幅ともに上記した6桁の数字の20%程度の大きさで)表示されている。また、東経の度単位の一の位の左下側には、東経を表すアルファベット「E」および東経の度単位の百の位、十の位が、上記した6桁の数字に比べて非常に小さく(高さ、幅ともに上記した6桁の数字の20%程度の大きさで)表示されている。また、北緯、東経とも、度単位、分単位、秒単位の各表示の右下側には、それぞれ、上記した6桁の数字に比べて非常に小さく(高さ、幅ともに上記した6桁の数字の20%程度の大きさで)「度」、「分」、「秒」の文字が表示されている。
【0031】
さらに、上記した北緯、東経の6桁ずつの数字の内、北緯の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字、および、東経の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字が、他の数字(北緯の度単位の一の位、秒単位の小数点第一位、東経の度単位の一の位、秒単位の小数点第一位)と異なる色で表示されている。すなわち、北緯の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字、および、東経の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字の合計8個の数字は、黒色で表示されており、北緯の度単位の一の位、秒単位の小数点第一位、および、東経の度単位の一の位、秒単位の小数点第一位の合計4個の数字は、白色で表示されている。そして、これらの「北緯の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字、および、東経の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字の合計8個の数字」が、上記した位置特定システムS1において使用される「部分的緯度経度情報」を構成した状態になっている。
【0032】
以下、上記した位置特定システムS1を利用して「地域情報」を入手する動作について、図3のフローチャートにしたがって説明する。
【0033】
ステップ(以下、単にSで示す)1で、ユーザーが携帯端末2を利用して、所定のURL(Uniform Resource Locator)を入力すると、続くS2で、基地局4、中継局3、インターネットNを介して、携帯端末2とサーバ1とが接続される。そのように携帯端末2とサーバ1とが接続された後には、サーバ1から携帯端末2に、「部分的緯度経度情報」を要求する旨、および、検索すべきデータを指定するよう要求する旨の信号が送信される。
【0034】
サーバ1から信号が出力されると、その信号は、インターネットN、中継局3、基地局4を介して、携帯端末2に伝達される。携帯端末2が「部分的緯度経度情報」を要求する旨の信号を受信すると、携帯端末には、図4の如き画面が表示される。そして、画面の指示にしたがって、S3で、ユーザーが、位置コードラベル5に付された「部分的緯度経度情報」(すなわち、上記した8個の数字)、および、検索すべきデータの種類(実施例1においては、携帯端末2の所在地付近のバス停の情報とする)を入力すると、S4で、その「部分的緯度経度情報」および「データの種類」を含めた「検索指令信号」が、基地局4、中継局3、インターネットNを介して、サーバ1に伝達される(なお、「部分的緯度経度情報」と検索すべきデータの種類とを別々のタイミングで入力する方式や、「部分的緯度経度情報」のみを入力する方式等に変更することも可能である)。なお、その際に、「検索指令信号」に、基地局4の所在地を示す「エリア情報」が付加される。
【0035】
サーバ1が、上記した「エリア情報」の付加された「検索指令信号」を受信すると、S5で、その「検索指令信号」に基づいて、データベース内に記憶された情報が参酌されて、携帯端末2の所在地が特定される。すなわち、サーバ1は、「エリア情報」の付加された「検索指令信号」を受信すると、図5(a)の如く、演算手段によって、データベースに記憶された情報を参酌して、「部分的緯度経度情報」と対応した範囲(地域)A1,A2,A3・・(以下、部分的緯度経度対応範囲という)を特定する。なお、ユーザーが入力した「部分的緯度経度情報」は、緯度や経度の内の度単位等が省略されたものであるので、サーバ1のデータベースにおいては、入力された「部分的緯度経度情報」に対応する「部分的緯度経度対応範囲」は、図5(a)の如く、位置特定システムS1を利用可能な広汎な地域内に複数存在する。さらに、サーバ1は、演算手段によって、データベースに記憶された情報を参酌して、図5(b)の如く、基地局4からの「エリア情報」と対応した範囲B(すなわち、その基地局4と通信可能な範囲、以下、エリア情報対応範囲という)を特定する。そして、演算手段によって、それらの部分的緯度経度対応範囲A1,A2,A3・・とエリア情報対応範囲Bとの重複位置C(ここでは、A2)を、所在地(現在位置)として特定する(選択する)。したがって、携帯端末2の所在地(発信位置)は、約30m四方の精度で正確に特定される。
【0036】
しかる後、S6で、サーバ1において、その特定された携帯端末の所在地に対応したバス停に関する「地域情報」がデータベース内から検索される。すなわち、図6の如く、上記した部分的緯度経度対応範囲A1,A2,A3・・とエリア情報対応範囲Bとの重複範囲Cから所定の距離の範囲Dを特定し、その範囲D内に含まれるバス停をピックアップする。そして、S7で、それらのピックアップされたバス停に関する情報(バス停の名称、上記した重複範囲Cからのバス停の方角、上記した重複範囲Cからバス停までの距離等)を、検索された「地域情報」として携帯端末2へ送信する。
【0037】
サーバ1から「地域情報」が検索データとして出力されると、その「地域情報」は、インターネットN、中継局3、基地局4を介して携帯端末2に伝達され、携帯端末2の画面には、図7の如き画面が表示される。
【0038】
位置特定システムS1は、上記の如く機能するため、当該位置特定システムS1によれば、携帯端末2を利用して、位置コードラベル5に付された8桁の数字(8個の数字)のみを入力するだけで、詳細な緯度、経度を入力しなくても、携帯端末2の所在地(発信位置)が高い精度で特定され(すなわち、上記した「部分的緯度経度情報」が付された位置コードラベル5の所在地の緯度経度の全体がきわめて高い精度で特定され)、その所在地周辺の「地域情報」を簡単に入手することができる。
【0039】
一方、位置コードラベルは、上記の如く、緯度・経度の内、「地域情報」の検索に必要な部分(「部分的緯度経度情報」に対応した部分)のみが他の部分と異なる彩色で表示されているため、ユーザーが「地域情報」の検索に必要な部分を一目で認識することができるので、位置特定システムS1に非常に好適に用いることができる。
【0040】
[実施例2]
実施例2の位置特定システムS2は、ユーザーが、任意の場所において、携帯端末2を用いて、電柱に付された「指標情報」(たとえば、各電柱の識別番号)を入力することにより、サーバ1において、その「指標情報」に基づいて、ユーザー(携帯端末)の所在地を特定し、その特定された所在地と対応した「地域情報」を入手するものである。なお、位置特定システムS2の構成は、上記した位置特定システムS1の構成と略同様である。また、位置特定システムS2のサーバ1のデータベースには、所定の地域の住所、各基地局4,4・・の所在地に関する情報(各基地局4,4・・の設置位置、各基地局4,4・・から通信可能な範囲等)、および「地域情報」が、正確な緯度、経度と対応した状態で記憶されている。さらに、サーバ1のデータベースには、その所定の地域に存在する電柱の位置が識別番号と対応した状態で記憶されている。ただし、所定の地域内には、同一の識別番号を付した電柱が複数存在するため、電柱の識別番号と位置とは、1対多の対応となっている。
【0041】
図8は、上記した位置特定システムS2で利用される「指標情報」を表示した電柱識別ラベル6である。かかる電柱識別ラベル6の表面には、「指標情報」(各電柱の識別番号)として、「12ア 345」の如く、所定の5個の数字および1個のカタカナ文字が表示されている。
【0042】
以下、上記した位置特定システムS2を利用して「地域情報」を入手する動作について、図9のフローチャートにしたがって説明する。
【0043】
S11で、ユーザーが携帯端末2を利用して、所定のURLを入力すると、続くS12で、基地局4、中継局3、インターネットNを介して、携帯端末2とサーバ1とが接続される。そのように携帯端末2とサーバ1とが接続された後には、サーバ1から携帯端末2に、「指標情報」を要求する旨、および、検索すべきデータを指定するよう要求する旨の信号が送信される。
【0044】
サーバ1から信号が出力されると、その信号は、インターネットN、中継局3、基地局4を介して、携帯端末2に伝達される。携帯端末2が「指標情報」を要求する旨の信号を受信すると、携帯端末2には、図10の如き画面が表示される。その画面の指示にしたがって、S13で、ユーザーが、上記した「指標情報」、および、検索すべきデータの種類(実施例2においては、携帯端末2の所在地付近の病院の情報とする)を入力すると、S14で、その「指標情報」および「データの種類」を含めた「検索指令信号」が、基地局4、中継局3、インターネットNを介して、サーバ1に伝達される(なお、「指標情報」と検索すべきデータの種類とを別々のタイミングで入力する方式や、「指標情報」のみを入力する方式等に変更することも可能である)。なお、その際に、「指標情報」に、基地局4の所在地を示す「エリア情報」が付加される。
【0045】
サーバ1が、上記した「エリア情報」の付加された「指標情報」を受信すると、S15で、その「指標情報」に基づいて、データベース内に記憶された情報が参照されて、携帯端末2の所在地が特定される。すなわち、サーバ1は、「エリア情報」の付加された「指標情報」を受信すると、図11(a)の如く、演算手段によって、データベースに記憶された情報を参酌して、「指標情報」である電柱の識別番号と対応した位置E1,E2,E3・・(以下、指標情報対応位置という)を特定する。なお、上記の如く、サーバ1のデータベースにおいては、電柱の識別番号と位置とが1対多の対応で記憶されているため、一つの識別番号と対応した位置は、図11(a)の如く複数となる。さらに、サーバ1は、演算手段によって、データベースに記憶された情報を参酌して、図11(b)の如く、基地局4からの「エリア情報」と対応したエリア情報対応範囲Bを特定する。さらに、演算手段によって、それらの指標情報対応位置E1,E2,E3・・とエリア情報対応範囲Bとの重複位置F(ここでは、E3)を、所在地(現在位置)として特定する(選択する)。したがって、携帯端末2の所在地(発信位置)は、きわめて正確に特定される。
【0046】
しかる後、S16で、サーバ1において、データベース内に記憶された情報を参酌して、その特定された携帯端末2の所在地に対応した病院に関する「地域情報」が検索される。すなわち、図12の如く、上記した指標情報対応位置とエリア情報対応範囲との重複位置Fから所定の距離の範囲Gを特定し、その範囲G内に含まれる病院をピックアップする。そして、S17で、それらのピックアップされた病院に関する情報(病院の名称、上記した重複位置Fからの病院の方角、上記した重複範囲から当該病院までの距離等)を、検索された「地域情報」として携帯端末2へ送信する。
【0047】
サーバ1から「地域情報」が検索データとして出力されると、その「地域情報」は、インターネットN、中継局3、基地局4を介して携帯端末2に伝達され、携帯端末2の画面には、図13の如き画面が表示される。
【0048】
位置特定システムS2は、上記の如く機能するので、当該位置特定システムS2によれば、携帯端末2を利用して、電柱等に付された「指標情報」(6個の数字およびアルファベット)のみを入力するだけで、詳細な緯度、経度を入力しなくても、携帯端末2の所在地(発信位置)がきわめて高い精度で特定され(すなわち、その「指標情報」の所在地がきわめて高い精度で特定され)、その所在地周辺の「地域情報」を簡単に入手することができる。
【0049】
なお、本発明の位置特定システムの構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、位置コード、電柱識別ラベル、携帯端末、サーバ、データベース等の構造、データベースにおいて「地域情報」を検索する際の動作内容、基地局からエリア情報をサーバへ送信する方式等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0050】
たとえば、位置特定システムは、上記実施形態の如く、「北緯の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字、および、東経の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字の合計8個の数字」を利用して位置を特定するものに限定されず、緯度、経度の内のその他の部分(たとえば、北緯の度単位の一の位、分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位、小数点以下第一位の6個の数字、および、東経の度単位の一の位、分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位、小数点以下第一位の6個の数字の合計12個の数字)を利用して位置を特定するもの等に変更することができる。
【0051】
加えて、位置特定システムを実施例1の如く構成する場合には、位置コードにICタグを埋め込んだり、方位を示す図柄や、正確な緯度経度を示すQRコードを添付したりすることも可能である。かかる構成を採用した場合には、位置特定システムがより一層使い易いものとなる。また、位置特定システムに使用される位置コードは、必ずしも電柱に貼着する必要はなく、建造物に貼着することも可能である。
【0052】
また、位置コードは、上記実施形態の如く、緯度経度の一部を構成する「北緯の度単位の一の位、分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位、小数点以下第一位の6個の数字、および、東経の度単位の一の位、分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位、小数点以下第一位の6個の数字の合計12個の数字」を、他の表示(北緯の度単位の十の位や東経の度単位の百の位、十の位の表示)と異なる態様で表示するとともに、「北緯の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字、および、東経の分単位の十の位、一の位、秒単位の十の位、一の位の4個の数字の合計8個の数字」を、他の表示(北緯の度単位の十の位や東経の度単位の百の位、十の位の表示、および、北緯の度単位の一の位、秒単位の小数点第一位や東経の度単位の一の位、秒単位の小数点第一位の表示)と異なる態様で表示したものに限定されず、緯度経度の内の他の部分をそれ以外の部分と異なる態様で表示したものに変更することも可能である。なお、上記実施形態の如く、緯度経度の一部を構成する所定個数(たとえば、12個)の数字を他の表示と異なる態様で表示するとともに、所定個数より少ない個数(たとえば、8個)の数字を他の表示と異なる態様で表示した位置コードを用いた場合には、所定個数の数字を入力することにより正確な所在地を特定することができるとともに、所定個数より少ない個数の数字を入力することにより所在地を中心とした少し広めの範囲で地域情報を検索することができる2モード方式の位置特定システムの構築が可能となる。
【0053】
さらに、位置コードにおいて緯度経度の内の一部を他の部分と異なる態様で表示する方法は、上記実施形態の如き文字の大きさを異ならせる態様や彩色を異ならせる態様に限定されず、緯度経度の内の一部を蛍光塗料で表示する方法や、緯度経度の内の一部を他の部分と異なる字体で表示する方法等を採用することも可能である。
【0054】
一方、「エリア情報」および「部分的緯度経度情報」から携帯端末の所在地(あるいは「部分的緯度経度情報」の所在地)を特定する方法や、「エリア情報」および「指標情報」から携帯端末の所在地(あるいは「指標情報」の所在地)を特定する方式は、上記実施形態の如き部分的緯度経度情報対応範囲や指標情報対応位置とエリア情報対応範囲との重複範囲あるいは重複位置を所在地として特定する方式に限定されず、異なる方式に変更することが可能である。
【0055】
また、本発明の位置特定システムは、所定の地域の住所、各基地局の所在地に関する情報、「地域情報」等が所定の地域の地図上で正確な緯度、経度と対応付けられてデータベースに記憶されており、当該地図を参酌しながら所在地を特定したり、地域情報を検索したりするものに変更することも可能である。加えて、位置特定システムは、上記実施形態の如く、検索された地域情報のみを携帯端末へ送信するものに限定されず、特定された所在地のみを携帯端末へ送信するものや、特定された所在地とともに検索された地域情報を携帯端末へ送信するものに変更することも可能である。さらに、本発明の位置特定システムは、基地局の正確な緯度経度や住所等の所在地が「エリア情報」としてデータベースに記憶されているものに限定されず、基地局周辺の一定の範囲の緯度経度や住所等が「エリア情報」としてデータベースに記憶されているもの等に変更することも可能である。
【0056】
また、上記した実施形態においては、緯度経度に対応した住所や「地域情報」等の情報が携帯端末とは別個に設けられたサーバのデータベースに記憶された位置特定システムについて説明したが、本発明の位置特定システムは、かかる実施形態の態様に限定されず、携帯端末にデータベースが内蔵されており、そのデータベース内に、緯度経度に対応した住所や「地域情報」等の情報が記憶されたものや、携帯端末がROM等の記憶手段を装着可能になっており、その記憶手段内に、緯度経度に対応した住所や「地域情報」等の情報を記憶したもの等に変更することも可能である。なお、そのように変更した場合には、公衆通信網やサーバを利用する必要がなくなり、携帯端末の通信環境が悪い場所においてもシステムの利用が可能となる等のメリットがある。
【0057】
加えて、本発明の位置特定システムにおいては、携帯端末は携帯電話に限定されず、PHSや各種のモバイル等の無線通信可能な各種のツールを携帯端末として好適に用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の位置特定システムは、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、携帯端末を利用して所在地を特定して所在地周辺の地域情報を検索するための手段として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】位置特定システムの概要を示す説明図である。
【図2】緯度経度を表示した位置コードラベルを示す説明図である。
【図3】携帯端末の所在地を特定して地域情報を入手する動作を示すフローチャートである。
【図4】携帯端末の表示画面を示す説明図である。
【図5】携帯端末の所在地を特定する様子を示す説明図である。
【図6】地域情報を検索する様子を示す説明図である。
【図7】携帯端末に地域情報が表示された様子を示す説明図である。
【図8】指標情報を表示した電柱識別ラベルを示す説明図である。
【図9】携帯端末の所在地を特定して地域情報を入手する動作を示すフローチャートである。
【図10】携帯端末の表示画面を示す説明図である。
【図11】携帯端末の所在地を特定する様子を示す説明図である。
【図12】地域情報を検索する様子を示す説明図である。
【図13】携帯端末に地域情報が表示された様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0060】
1・・サーバ、2・・携帯端末、3・・中継局、4・・基地局、5・・位置コードラベル、6・・電柱識別ラベル、S1,S2・・位置特定システム、N・・インターネット(公衆通信網)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
緯度経度に関連した情報が記憶されたデータベースを有するサーバと、
緯度経度の一部が入力されると、その緯度経度の一部を外部へ送信可能な携帯端末とを有しており、
前記緯度経度の一部が、前記携帯端末から最寄りの基地局を介してサーバへ送信されると、その基地局の設置位置の緯度経度に関連した情報の一種であるエリア情報が、前記携帯端末を介してサーバへ送信され、
サーバにおいて、前記緯度経度の一部および前記エリア情報に基づいて、前記携帯端末の送信位置に関連した緯度経度が特定され、その特定された緯度経度もしくはその緯度経度の所在地がサーバから携帯端末へ送信されることを特徴とする位置特定システム。
【請求項2】
緯度経度の特定に資する指標情報に対応した緯度経度が記憶されたデータベースを有するサーバと、
前記指標情報が入力されると、その指標情報を外部へ送信可能な携帯端末とを有しており、
前記指標情報が、前記携帯端末から最寄りの基地局を介してサーバへ送信されると、その基地局の設置位置の緯度経度に関連した情報の一種であるエリア情報が、前記携帯端末を介してサーバへ送信され、
サーバにおいて、前記指標情報および前記エリア情報に基づいて、前記指標情報の送信位置に関連した緯度経度が特定され、その特定された緯度経度もしくはその緯度経度の所在地がサーバから携帯端末へ送信されることを特徴とする位置特定システム。
【請求項3】
緯度経度に関連した情報が記憶されたデータベースを具備した携帯端末を有しており、
前記携帯端末に緯度経度の一部が入力されると、
その緯度経度の一部と、前記携帯端末が最寄りの基地局を介して取得したその基地局の緯度経度に関連した情報の一種であるエリア情報に基づいて、前記携帯端末の送信位置と関連した緯度経度の全てが特定されることを特徴とする位置特定システム。
【請求項4】
特定された所在地の緯度経度を中心とした近隣の地域情報が検索され、その検索された地域情報がサーバから携帯端末へ送信されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の位置特定システム。
【請求項5】
前記地域情報が、店舗に関する情報、鉄道の駅あるいはバス停に関する情報、公共施設に関する情報、宿泊施設に関する情報のいずれかまたはそれらの情報の任意の組み合わせであることを特徴とする請求項4に記載の位置特定システム。
【請求項6】
前記地域情報が、領域を限定したイベント情報、宣伝情報、公共情報のいずれかまたはそれらの情報の任意の組み合わせであることを特徴とする請求項4に記載の位置特定システム。
【請求項7】
請求項1に記載された位置特定システムに用いる緯度経度を表示した位置コードであって、
前記緯度経度の表示が、
前記位置特定システムの利用に供する部分を他と異なる態様で表したものであることを特徴とする位置コード。
【請求項8】
前記緯度経度の表示が、
緯度経度の秒単位を小数点以下第一位以下まで表したものであるとともに、緯度経度の度単位の一の位、分単位および秒単位の部分を、他の部分と異なる態様で表したものであることを特徴とする請求項7に記載の位置コード。
【請求項9】
前記緯度経度の表示が、
緯度経度の分単位、秒単位の十の位および秒単位の一の位の部分を、他の部分と異なる態様で表したものであることを特徴とする請求項7、または請求項8に記載の位置コード。
【請求項1】
緯度経度に関連した情報が記憶されたデータベースを有するサーバと、
緯度経度の一部が入力されると、その緯度経度の一部を外部へ送信可能な携帯端末とを有しており、
前記緯度経度の一部が、前記携帯端末から最寄りの基地局を介してサーバへ送信されると、その基地局の設置位置の緯度経度に関連した情報の一種であるエリア情報が、前記携帯端末を介してサーバへ送信され、
サーバにおいて、前記緯度経度の一部および前記エリア情報に基づいて、前記携帯端末の送信位置に関連した緯度経度が特定され、その特定された緯度経度もしくはその緯度経度の所在地がサーバから携帯端末へ送信されることを特徴とする位置特定システム。
【請求項2】
緯度経度の特定に資する指標情報に対応した緯度経度が記憶されたデータベースを有するサーバと、
前記指標情報が入力されると、その指標情報を外部へ送信可能な携帯端末とを有しており、
前記指標情報が、前記携帯端末から最寄りの基地局を介してサーバへ送信されると、その基地局の設置位置の緯度経度に関連した情報の一種であるエリア情報が、前記携帯端末を介してサーバへ送信され、
サーバにおいて、前記指標情報および前記エリア情報に基づいて、前記指標情報の送信位置に関連した緯度経度が特定され、その特定された緯度経度もしくはその緯度経度の所在地がサーバから携帯端末へ送信されることを特徴とする位置特定システム。
【請求項3】
緯度経度に関連した情報が記憶されたデータベースを具備した携帯端末を有しており、
前記携帯端末に緯度経度の一部が入力されると、
その緯度経度の一部と、前記携帯端末が最寄りの基地局を介して取得したその基地局の緯度経度に関連した情報の一種であるエリア情報に基づいて、前記携帯端末の送信位置と関連した緯度経度の全てが特定されることを特徴とする位置特定システム。
【請求項4】
特定された所在地の緯度経度を中心とした近隣の地域情報が検索され、その検索された地域情報がサーバから携帯端末へ送信されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の位置特定システム。
【請求項5】
前記地域情報が、店舗に関する情報、鉄道の駅あるいはバス停に関する情報、公共施設に関する情報、宿泊施設に関する情報のいずれかまたはそれらの情報の任意の組み合わせであることを特徴とする請求項4に記載の位置特定システム。
【請求項6】
前記地域情報が、領域を限定したイベント情報、宣伝情報、公共情報のいずれかまたはそれらの情報の任意の組み合わせであることを特徴とする請求項4に記載の位置特定システム。
【請求項7】
請求項1に記載された位置特定システムに用いる緯度経度を表示した位置コードであって、
前記緯度経度の表示が、
前記位置特定システムの利用に供する部分を他と異なる態様で表したものであることを特徴とする位置コード。
【請求項8】
前記緯度経度の表示が、
緯度経度の秒単位を小数点以下第一位以下まで表したものであるとともに、緯度経度の度単位の一の位、分単位および秒単位の部分を、他の部分と異なる態様で表したものであることを特徴とする請求項7に記載の位置コード。
【請求項9】
前記緯度経度の表示が、
緯度経度の分単位、秒単位の十の位および秒単位の一の位の部分を、他の部分と異なる態様で表したものであることを特徴とする請求項7、または請求項8に記載の位置コード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−132821(P2007−132821A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−326602(P2005−326602)
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【Fターム(参考)】
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