低減された等価酸化膜厚を有する高誘電率ゲートスタックの形成方法
低減された均等酸化物厚さ(EOT)を持つhigh−kゲートスタックを形成する方法を提供し、該方法は:シリコン含有基板を準備し;前記シリコン含有基板上に境界層を形成し、前記境界層が第一の等価酸化物厚さを有し;前記境界層上に第一のhigh−k膜を堆積し;前記第一のhigh−k膜及び前記境界層を、前記第一の等価酸化物厚さと等しいかそれより小さい第二の等価酸化物厚さを持つ変性境界層を形成する温度で熱処理し;及び前記変性境界層上に第二のhigh−k膜を堆積する方法である。ひとつの実施態様によると、前記第一のhigh−k膜がランタン酸化物を含み、前記第二のhigh−k膜がハフニウムシリケートを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高誘電率(以下「high−k」とも表記される。)膜を半導体製造にインテグレートする技術分に関し、より詳しくは、high−kゲート絶縁膜スタックの等価酸化膜厚(EOT)を低減する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロエレクトロニクスの最近の進歩には、論理回路応用のためのゲート絶縁スタックでのhigh−k膜の使用が含まれる。デバイスの信頼性を上げ、前記ゲート電極から前記トランジスタチャンネルへの電子リークを低減するために、半導体トランジスタ技術は高誘電率(high−k)材料を導入して、前記ゲート絶縁層の物理的厚さを増加させることができた。SiO2(k〜3.9)よりも大きい誘電率を持つ絶縁材料は通常、high−k材料と参照される。金属酸化物電界効果型トランジスタ(MOSFET)において使用されるhigh−k膜を探査する初期の動機は、単純に膜容量を減少させることなく前記リーク電流を低減するためであった。さらに、多くの応用においては、前記high−k膜は、物理的厚さToxが約1nmであるSiO2と電気的等価性を有することが要求される。
【0003】
high−k膜と下部基板の間の薄い絶縁境界層の存在は、境界状態を維持しかつ良好な電気的特性を持つ境界を形成することから非常に有益である。前記境界層は前記トランジスタの前記チャンネルに緊密に接続されていることから該境界層の質はデバイス性能に影響をあたえ。しかし境界層の存在は前記ゲートスタックの全誘電率を低下させることから、従って前記境界層を薄くする必要がある。
【0004】
多くのhigh−k膜は、high−k膜堆積の際及び/又は堆積後アニーリングの際にhigh−k膜及びSi基板の間の厚い境界SiO2層の成長を触媒的に促進し、従ってToxを許容できないレベルにまで増加させてしまう。MOSFETでの絶縁SiO2ゲートをhigh−k膜と交換するには、約1nmの全SiO2厚さに対応する容量が要求される場合、望ましいhigh−k膜に続くlow−k反応層は、前記high−k膜の利点を直ぐに取り消してしまう。
【0005】
従って、high−k膜を半導体デバイスにインテグレートする際に伴うこれらの問題及び他の問題を解決するため、さらなる研究・開発が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、低減された等価酸化膜厚を有するhigh−kゲートスタックの形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施態様によれば、半導体デバイスのためのゲート絶縁スタックを形成する方法が提供される。前記方法は、シリコン含有基板を準備し、かつ前記シリコン含有基板上に境界層を形成することを含み、前記境界層が最初の等価酸化物厚さを持つ。本方法はさらに、前記境界層上の第一のhigh−k膜を堆積すること、及び前記最初のhigh−k膜及び前記境界層を、前記第一の等価酸化物厚さと等しいかより低い第二の等価酸化物厚さを持つ変性境界層を形成する温度で熱処理することを含む。前記方法はさらに、前記変性境界層上に第二のhigh−k膜を堆積することを含む。
【0008】
本発明の実施態様によれば、半導体デバイスのためのゲート絶縁スタックを形成する方法が提供される。前記方法は、シリコン含有基板を準備し、前記シリコン含有基板上にシリコン酸化物境界層を形成し、前記シリコン酸化物境界層が最初の等価酸化物厚さを持つ。前記方法はさらに、前記シリコン酸化物境界層上に希土類系第一のhigh−k膜を堆積し、さらに前記希土類系第一のhigh−k膜及び前記境界層を、前記第一の等価酸化物厚さと等しいかより低い第二の等価酸化物厚さを持つ変性境界層を形成する温度で熱処理することを含む。前記方法はさらに、前記変性境界層上にハフニウム−酸素系high−k膜を堆積し、場合により、前記ハフニウム−酸素系high−kの少なくとも一部の厚さを窒化物化することを含む。
【0009】
本発明の他の実施態様によれば、前記方法は、シリコン含有基板を準備し、前記シリコン含有基板上にシリコン酸化物境界層を堆積し、前記シリコン酸化物境界層が第一の等価酸化物厚さを持つ。本発明はさらに、前記シリコン酸化物境界層上にランタン酸化物の第一のhigh−k膜を堆積し、前記ランタン酸化物の第一の膜及び前記シリコン酸化物境界層を、前記第一の等価酸化物厚さと等しいかより低い第二の等価酸化物厚さを持つ変性境界層を形成する温度で熱処理することを含む。前記方法はさらに、前記変性境界層上に第二のhigh−k膜を堆積し、場合により、前記第二のhigh−kの少なくとも一部の厚さを窒化物化することを含む。
【0010】
本発明のより完全な理解及び本発明の利点の多くは、以下の詳細な記載及び添付の図面を参照して考慮することで、さらに十分な理解が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】図1Aは、本発明のひとつの実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックの形成についての断面図を模式的に示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、高誘電率(以下「high−k」とも表記される。)膜を半導体製造にインテグレートする技術分に関し、より詳しくは、high−kゲート絶縁膜スタックの等価酸化膜厚(EOT)を低減する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロエレクトロニクスの最近の進歩には、論理回路応用のためのゲート絶縁スタックでのhigh−k膜の使用が含まれる。デバイスの信頼性を上げ、前記ゲート電極から前記トランジスタチャンネルへの電子リークを低減するために、半導体トランジスタ技術は高誘電率(high−k)材料を導入して、前記ゲート絶縁層の物理的厚さを増加させることができた。SiO2(k〜3.9)よりも大きい誘電率を持つ絶縁材料は通常、high−k材料と参照される。金属酸化物電界効果型トランジスタ(MOSFET)において使用されるhigh−k膜を探査する初期の動機は、単純に膜容量を減少させることなく前記リーク電流を低減するためであった。さらに、多くの応用においては、前記high−k膜は、物理的厚さToxが約1nmであるSiO2と電気的等価性を有することが要求される。
【0003】
high−k膜と下部基板の間の薄い絶縁境界層の存在は、境界状態を維持しかつ良好な電気的特性を持つ境界を形成することから非常に有益である。前記境界層は前記トランジスタの前記チャンネルに緊密に接続されていることから該境界層の質はデバイス性能に影響をあたえ。しかし境界層の存在は前記ゲートスタックの全誘電率を低下させることから、従って前記境界層を薄くする必要がある。
【0004】
多くのhigh−k膜は、high−k膜堆積の際及び/又は堆積後アニーリングの際にhigh−k膜及びSi基板の間の厚い境界SiO2層の成長を触媒的に促進し、従ってToxを許容できないレベルにまで増加させてしまう。MOSFETでの絶縁SiO2ゲートをhigh−k膜と交換するには、約1nmの全SiO2厚さに対応する容量が要求される場合、望ましいhigh−k膜に続くlow−k反応層は、前記high−k膜の利点を直ぐに取り消してしまう。
【0005】
従って、high−k膜を半導体デバイスにインテグレートする際に伴うこれらの問題及び他の問題を解決するため、さらなる研究・開発が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、低減された等価酸化膜厚を有するhigh−kゲートスタックの形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施態様によれば、半導体デバイスのためのゲート絶縁スタックを形成する方法が提供される。前記方法は、シリコン含有基板を準備し、かつ前記シリコン含有基板上に境界層を形成することを含み、前記境界層が最初の等価酸化物厚さを持つ。本方法はさらに、前記境界層上の第一のhigh−k膜を堆積すること、及び前記最初のhigh−k膜及び前記境界層を、前記第一の等価酸化物厚さと等しいかより低い第二の等価酸化物厚さを持つ変性境界層を形成する温度で熱処理することを含む。前記方法はさらに、前記変性境界層上に第二のhigh−k膜を堆積することを含む。
【0008】
本発明の実施態様によれば、半導体デバイスのためのゲート絶縁スタックを形成する方法が提供される。前記方法は、シリコン含有基板を準備し、前記シリコン含有基板上にシリコン酸化物境界層を形成し、前記シリコン酸化物境界層が最初の等価酸化物厚さを持つ。前記方法はさらに、前記シリコン酸化物境界層上に希土類系第一のhigh−k膜を堆積し、さらに前記希土類系第一のhigh−k膜及び前記境界層を、前記第一の等価酸化物厚さと等しいかより低い第二の等価酸化物厚さを持つ変性境界層を形成する温度で熱処理することを含む。前記方法はさらに、前記変性境界層上にハフニウム−酸素系high−k膜を堆積し、場合により、前記ハフニウム−酸素系high−kの少なくとも一部の厚さを窒化物化することを含む。
【0009】
本発明の他の実施態様によれば、前記方法は、シリコン含有基板を準備し、前記シリコン含有基板上にシリコン酸化物境界層を堆積し、前記シリコン酸化物境界層が第一の等価酸化物厚さを持つ。本発明はさらに、前記シリコン酸化物境界層上にランタン酸化物の第一のhigh−k膜を堆積し、前記ランタン酸化物の第一の膜及び前記シリコン酸化物境界層を、前記第一の等価酸化物厚さと等しいかより低い第二の等価酸化物厚さを持つ変性境界層を形成する温度で熱処理することを含む。前記方法はさらに、前記変性境界層上に第二のhigh−k膜を堆積し、場合により、前記第二のhigh−kの少なくとも一部の厚さを窒化物化することを含む。
【0010】
本発明のより完全な理解及び本発明の利点の多くは、以下の詳細な記載及び添付の図面を参照して考慮することで、さらに十分な理解が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】図1Aは、本発明のひとつの実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックの形成についての断面図を模式的に示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート絶縁膜スタックを形成する方法であり、前記方法は:
シリコン含有基板を準備し;
前記シリコン含有基板上に境界層を形成し、前記境界層が第一の等価酸化物厚さを有し;
前記境界層上に第一の高誘電率膜(high-k)を堆積し;
前記第一の高誘電率膜及び前記境界層を、前記第一の等価酸化物厚さと等しいかそれより小さい第二の等価酸化物厚さを持つ変性境界層を形成する温度で熱処理し;及び
前記変性境界層上に第二の高誘電率膜を堆積する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であり、前記境界層が、シリコン酸化物、シリコン窒化物又はシリコン酸化窒化物を含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であり、前記第一の高誘電率膜が、アルカリ土類元素、チタニウム、ハフニウム、ジルコニウム又は希土類元素、又はそれらの2以上の組み合わせを含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であり、前記第二の高誘電率膜が、アルカリ土類元素、チタニウム、ハフニウム又は希土類元素、又はそれらの2以上の組み合わせを含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であり、前記第一の高誘電率膜が、イットリウム(Y)、ルテチウム(Lu)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ディスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、又はイットリビウム(Yb)又はこれらの2以上の全ての組み合わせを含む、希土類系酸化物、窒化物又は酸化窒化物を含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であり、前記第二の高誘電率膜が、ハフニウム酸化物、ハフニウム酸化窒化物、ハフニウムシリケート、ハフニウムシリコン酸化窒化物、ジルコニウム酸化物、ジルコニウム酸化窒化物、ジルコニウムシリケート、ジルコニウムシリコン酸化窒化物、ハフニウムジルコニウム酸化物、ハフニウムジルコニウム酸化窒化物、ハフニウムジルコニウムシリケート、又はハフニウムジルコニウムシリコン酸化窒化物又はそれらの2以上の全ての組み合わせを含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法で、前記熱処理が、前記第一の高誘電率膜及び前記境界層を、実質的に無酸素減圧条件下で行う、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法で、前記熱処理がさらに、前記第一の高誘電率膜を不活性ガスに暴露させる、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法で、さらに:
前記第二の高誘電率膜の少なくとも一部の厚さを窒化物化し;及び
前記ゲート電極膜、前記窒化物化第二の高誘電率膜及び前記変性境界層をパターン化することを含む、方法。
【請求項10】
ゲート絶縁膜スタックを形成する方法であり、前記方法は:
シリコン含有基板を準備し;
前記シリコン含有基板上にシリコン酸化物の境界層を形成し、前記シリコン酸化物境界層が第一の等価酸化物厚さを有し;
前記シリコン酸化物境界層上に第一の希土類酸化物高誘電率膜を堆積し;
前記第一の希土類酸化物高誘電率膜及び前記シリコン酸化物境界層を、前記第一の等価酸化物厚さと等しいかそれより小さい第二の等価酸化物厚さを持つ変性境界層を形成する温度で熱処理し;及び
前記変性境界層上にハフニウム酸素系の第二の高誘電率膜を堆積する、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であり、前記希土類酸化物の第一の高誘電率膜が、イットリウム(Y)、ルテチウム(Lu)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ディスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、又はイットリビウム(Yb)又はこれらの2以上の全ての組み合わせを含む、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法であり、前記ハフニウム酸素系の第二の高誘電率膜が、ハフニウム酸化物、ハフニウム酸化窒化物、ハフニウムシリケート、ハフニウムシリコン酸化窒化物、ハフニウムジルコニウム酸化物、ハフニウムジルコニウム酸化窒化物、ハフニウムジルコニウムシリケート又はハフニウムジルコニウムシリコン酸化窒化物、又はそれらの2以上の全ての組み合わせを含む、方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法であり、前記熱処理が、前記希土類酸化物の第一の高誘電率膜及び前記シリコン酸化物境界層を、実質的に無酸素減圧条件下で行う、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であり、前記熱処理がさらに、前記希土類酸化物の第一の高誘電率膜を不活性ガスに暴露する、方法。
【請求項15】
請求項10に記載の方法であり、さらに:
前記ハフニウム酸素系第二の高誘電率膜の少なくとも一部の厚さを窒化物化し;
前記窒化物化されたハフニウム酸素系第二の高誘電率膜上にゲート電極スタックを堆積し;及び
前記ゲート電極膜、前記窒化物化ハフニウム酸素系第二の高誘電率膜及び前記変性境界層をパターン化することを含む、方法。
【請求項16】
ゲート絶縁スタックを形成する方法であり、前記方法は:
シリコン含有基板を準備し;
前記シリコン含有基板上にシリコン酸化物の境界層を形成し、前記シリコン酸化物境界層が第一の等価酸化物厚さを有し;
前記シリコン酸化物境界層上に、原子層堆積プロセスにより、ランタン酸化物の第一の高誘電率膜を堆積し;
前記ランタン酸化物の第一の高誘電率膜及び前記シリコン酸化物境界層を、前記第一の等価酸化物厚さと等しいかそれより小さい第二の等価酸化物厚さを持つ変性境界層を形成する900℃以上で熱処理し;及び
前記変性境界層上に第二の高誘電率膜を堆積する、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であり、前記熱処理が実質的に無酸素減圧下で行われる、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であり、前記熱処理が、0.1%未満のO2を含む不活性雰囲気下で行われる、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であり、前記第二の高誘電率膜が、ハフニウム酸化物、ハフニウム酸化窒化物、ハフニウムシリケート、ハフニウムシリコン酸化窒化物、ハフニウムジルコニウム酸化物、ハフニウムジルコニウム酸化窒化物、ハフニウムジルコニウムシリケート又はハフニウムジルコニウムシリコン酸化窒化物、又はそれらの2以上の全ての組み合わせを含む、方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法であり、さらに:
前記第二の高誘電率膜の少なくとも一部の厚さを窒化物化し;
前記窒化物化された第二の高誘電率膜上にチタニウム窒化物ゲート電極膜を堆積し;及び
前記チタニウム窒化物ゲート電極膜、前記窒化物化第二の高誘電率膜及び前記変性境界層をパターン化することを含む、方法。
【請求項1】
ゲート絶縁膜スタックを形成する方法であり、前記方法は:
シリコン含有基板を準備し;
前記シリコン含有基板上に境界層を形成し、前記境界層が第一の等価酸化物厚さを有し;
前記境界層上に第一の高誘電率膜(high-k)を堆積し;
前記第一の高誘電率膜及び前記境界層を、前記第一の等価酸化物厚さと等しいかそれより小さい第二の等価酸化物厚さを持つ変性境界層を形成する温度で熱処理し;及び
前記変性境界層上に第二の高誘電率膜を堆積する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であり、前記境界層が、シリコン酸化物、シリコン窒化物又はシリコン酸化窒化物を含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であり、前記第一の高誘電率膜が、アルカリ土類元素、チタニウム、ハフニウム、ジルコニウム又は希土類元素、又はそれらの2以上の組み合わせを含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であり、前記第二の高誘電率膜が、アルカリ土類元素、チタニウム、ハフニウム又は希土類元素、又はそれらの2以上の組み合わせを含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であり、前記第一の高誘電率膜が、イットリウム(Y)、ルテチウム(Lu)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ディスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、又はイットリビウム(Yb)又はこれらの2以上の全ての組み合わせを含む、希土類系酸化物、窒化物又は酸化窒化物を含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であり、前記第二の高誘電率膜が、ハフニウム酸化物、ハフニウム酸化窒化物、ハフニウムシリケート、ハフニウムシリコン酸化窒化物、ジルコニウム酸化物、ジルコニウム酸化窒化物、ジルコニウムシリケート、ジルコニウムシリコン酸化窒化物、ハフニウムジルコニウム酸化物、ハフニウムジルコニウム酸化窒化物、ハフニウムジルコニウムシリケート、又はハフニウムジルコニウムシリコン酸化窒化物又はそれらの2以上の全ての組み合わせを含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法で、前記熱処理が、前記第一の高誘電率膜及び前記境界層を、実質的に無酸素減圧条件下で行う、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法で、前記熱処理がさらに、前記第一の高誘電率膜を不活性ガスに暴露させる、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法で、さらに:
前記第二の高誘電率膜の少なくとも一部の厚さを窒化物化し;及び
前記ゲート電極膜、前記窒化物化第二の高誘電率膜及び前記変性境界層をパターン化することを含む、方法。
【請求項10】
ゲート絶縁膜スタックを形成する方法であり、前記方法は:
シリコン含有基板を準備し;
前記シリコン含有基板上にシリコン酸化物の境界層を形成し、前記シリコン酸化物境界層が第一の等価酸化物厚さを有し;
前記シリコン酸化物境界層上に第一の希土類酸化物高誘電率膜を堆積し;
前記第一の希土類酸化物高誘電率膜及び前記シリコン酸化物境界層を、前記第一の等価酸化物厚さと等しいかそれより小さい第二の等価酸化物厚さを持つ変性境界層を形成する温度で熱処理し;及び
前記変性境界層上にハフニウム酸素系の第二の高誘電率膜を堆積する、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であり、前記希土類酸化物の第一の高誘電率膜が、イットリウム(Y)、ルテチウム(Lu)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ディスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、又はイットリビウム(Yb)又はこれらの2以上の全ての組み合わせを含む、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法であり、前記ハフニウム酸素系の第二の高誘電率膜が、ハフニウム酸化物、ハフニウム酸化窒化物、ハフニウムシリケート、ハフニウムシリコン酸化窒化物、ハフニウムジルコニウム酸化物、ハフニウムジルコニウム酸化窒化物、ハフニウムジルコニウムシリケート又はハフニウムジルコニウムシリコン酸化窒化物、又はそれらの2以上の全ての組み合わせを含む、方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法であり、前記熱処理が、前記希土類酸化物の第一の高誘電率膜及び前記シリコン酸化物境界層を、実質的に無酸素減圧条件下で行う、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であり、前記熱処理がさらに、前記希土類酸化物の第一の高誘電率膜を不活性ガスに暴露する、方法。
【請求項15】
請求項10に記載の方法であり、さらに:
前記ハフニウム酸素系第二の高誘電率膜の少なくとも一部の厚さを窒化物化し;
前記窒化物化されたハフニウム酸素系第二の高誘電率膜上にゲート電極スタックを堆積し;及び
前記ゲート電極膜、前記窒化物化ハフニウム酸素系第二の高誘電率膜及び前記変性境界層をパターン化することを含む、方法。
【請求項16】
ゲート絶縁スタックを形成する方法であり、前記方法は:
シリコン含有基板を準備し;
前記シリコン含有基板上にシリコン酸化物の境界層を形成し、前記シリコン酸化物境界層が第一の等価酸化物厚さを有し;
前記シリコン酸化物境界層上に、原子層堆積プロセスにより、ランタン酸化物の第一の高誘電率膜を堆積し;
前記ランタン酸化物の第一の高誘電率膜及び前記シリコン酸化物境界層を、前記第一の等価酸化物厚さと等しいかそれより小さい第二の等価酸化物厚さを持つ変性境界層を形成する900℃以上で熱処理し;及び
前記変性境界層上に第二の高誘電率膜を堆積する、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であり、前記熱処理が実質的に無酸素減圧下で行われる、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であり、前記熱処理が、0.1%未満のO2を含む不活性雰囲気下で行われる、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であり、前記第二の高誘電率膜が、ハフニウム酸化物、ハフニウム酸化窒化物、ハフニウムシリケート、ハフニウムシリコン酸化窒化物、ハフニウムジルコニウム酸化物、ハフニウムジルコニウム酸化窒化物、ハフニウムジルコニウムシリケート又はハフニウムジルコニウムシリコン酸化窒化物、又はそれらの2以上の全ての組み合わせを含む、方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法であり、さらに:
前記第二の高誘電率膜の少なくとも一部の厚さを窒化物化し;
前記窒化物化された第二の高誘電率膜上にチタニウム窒化物ゲート電極膜を堆積し;及び
前記チタニウム窒化物ゲート電極膜、前記窒化物化第二の高誘電率膜及び前記変性境界層をパターン化することを含む、方法。
【図1A】図1Aは、本発明のひとつの実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックの形成についての断面図を模式的に示す。
【図1B】図1Bは、本発明のひとつの実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックの形成についての断面図を模式的に示す。
【図1C】図1Cは、本発明のひとつの実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックの形成についての断面図を模式的に示す。
【図1D】図1Dは、本発明のひとつの実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックの形成についての断面図を模式的に示す。
【図1E】図1Eは、本発明のひとつの実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックの形成についての断面図を模式的に示す。
【図1F】図1Fは、本発明のひとつの実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックの形成についての断面図を模式的に示す。
【図1G】図1Gは、本発明のひとつの実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックの形成についての断面図を模式的に示す。
【図1H】図1Hは、本発明のひとつの実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックの形成についての断面図を模式的に示す。
【図1I】図1lは、本発明のひとつの実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックの形成についての断面図を模式的に示す。
【図2A】図2Aは、本発明のひとつの実施態様による、HfSiON膜及び異なる厚さのランタン酸化物high−k膜を含むhigh−kゲートスタックについてのEOTの関数として、リーク電流(Jg)を示す。
【図2B】図2Bは、本発明のひとつの実施態様による、HfSiON膜及び異なる厚さのランタン酸化物high−k膜を含むhigh−kゲートスタックについてのフラットバンド電圧(Vfb)の関数として、EOTを示す。
【図3A】図3Aは、本発明のひとつの実施態様による、HfSiON膜堆積の前に異なる温度で熱処理されたHfSiON膜及びランタン酸化物high−k膜を含むhigh−kゲートスタックについてのEOTの関数として、リーク電流(Jg)を示す。
【図3B】図3Bは、本発明のひとつの実施態様による、HfSiON膜堆積の前に異なる温度で熱処理されたHfSiON膜及びランタン酸化物high−k膜を含むhigh−kゲートスタックについてのVfbの関数として、EOTを示す。
【図4】図4は、本発明のひとつの実施態様による、低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックを形成するためのプロセスフローダイヤグラムを示す。
【図5】図5は、本発明のひとつの実施態様による、低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックを形成するための真空プロセスの模式的フローダイヤグラムを示す。
【図6A】図6Aは、本発明のひとつの実施態様による、基板上のhigh−k材料を堆積するためのプロセスシステムを示す。
【図6B】図6Bは、本発明のひとつの実施態様による、基板上のhigh−k材料を堆積するためのプロセスシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
半導体製造方法のための低EOTを持つhigh−kゲートスタックの形成方法が種々の実施態様で記載される。EOTとは、high−k系MOSデバイスの性能と、SiO2系MOSデバイスの性能とを比較するために用いられる数であり、EOTは、より厚いhigh−k膜と同じゲート容量を得るために必要なSiO2ゲート絶縁性膜の厚さを表す。
【0013】
上記のとおり、多くのhigh−k膜は、前記high−k膜をSi基板上に堆積する際及び/又は堆積後のアニール処理の際にhigh−k膜とSi基板との間に厚いSiO2界面層を触媒的に成長促進させる。従ってToxを許容できないレベルに増加させ前記high−k膜の利点を急速に打ち消す。本発明者は次の点につき認識した。即ち、ゲートスタックに第二のhigh−k膜を堆積する前に、界面層に堆積させた希土類金属系第一のhigh−k膜を適切に熱処理することで、予期しないことに、前記high−kゲートスタックについてEOTスケーリング(EOT減少)が提供されるということである。これにより、前記適切な熱処理をしない同じゲートスタックに比べて、物理的にはより厚いが電気的にはより薄いhigh−kスタックを得る結果となる。前記high−kゲートスタックがさらに、低フラットバンド電圧(Vfb)にシフトし、これは負キャリアキャリア電界効果トランジスタ(NFET)にとって望ましいことであり得る。
【0014】
本発明の実施態様において、半導体デバイスのためのゲート絶縁性スタックの形成のための方法が提供される。前記方法は、シリコン含有基板を準備し、前記シリコン含有基板上に境界層を形成し、前記境界層が第一の等価酸化物厚さを有し、前記境界層上に第一のhigh−k膜を堆積し、及び前記第一のhigh−k膜及び前記境界層を、前記第一の等価酸化物厚さと等しいか又はより小さい厚さを持つ第二の等価酸化物厚さを持つ変性境界層を形成する温度で、熱処理する、ことを含む。前記方法はさらに、前記変性境界層上に第二のhigh−k膜を堆積することを含む。本発明の実施態様によれば、前記第一のhigh−k膜、前記第二のhigh−k膜又は前記第一及び第二のhigh−k膜は、アルカリ土類元素、チタニウム、ハフニウム、又は希土類元素、又はこれらの2以上のすべての組み合わせを含むことができる。
【0015】
本発明の実施態様によれば、本方法は、シリコン含有基板を準備し、前記シリコン含有基板上に境界層を堆積し、前記境界層が第一の等価酸化物厚さを有し、前記境界層上に第一のhigh−k膜を堆積し、及び前記第一のhigh−k膜及び前記境界層を、前記第一の等価酸化物厚さと等しいか又はより小さい厚さを持つ第二の等価酸化物厚さを持つ変性境界層を形成する温度で、熱処理する、ことを含む。本発明はさらに、前記変性境界層上に第二のhigh−k膜を堆積することを含み、場合により、前記第二のhigh−k膜の厚さの少なくとも一部を窒化物化することを含む。
【0016】
当業者であれば以下の点認識することができる。すなわち種々の実施態様はここで記載される具体的な詳細のひとつ又はそれ以上を実施することなく実施可能であるということ、又は他の置換及び/又は追加の方法、材料又はコンポーネントを使用して実施可能であるということである。他の例では、本発明の種々の実施態様が曖昧になることを防止するために知られた構造、材料又は操作はここでは示されていない、又は説明されていない。同様に、具体的な数、材料及び構成は、ここでは本発明の完全な理解を提供するため説明の目的でここに挙げられている。さらに、次の点につき理解されるべきである。即ち、図中に示される種々の実施態様は説明目的であり、記載される寸法は必ずしも正確なものではないということである。
【0017】
当該明細書を通じて、「実施態様」、「ひとつの実施態様」とは、特定の構成、構造、材料又は、本発明の少なくともひとつの実施態様に関連して説明される特質を意味するが、しかし、全ての実施態様に存在するということではない。従って本明細書を通じて種々の場所で参照される「ひとつの実施態様において」、「実施態様において」なる用語は、本発明の必ずしも同じ実施態様を参照することを意味するものではない。
【0018】
図1Aから1lには、本発明の実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタック形成の断面を模式的に示す。図1Aは、境界層104を含むシリコン含有基板102を模式的に示す。基板102は、全てのサイズであり得る。例えば200mm基板、300mm基板又はそれ以上の基板である。ひとつの実施態様において、前記基板102はSiを含む。例えば結晶性Si、多結晶性Si又はアモルファスSiである。一例として、基板102は引張応力Si層である。他の実施態様においては、基板102は、Ge又はSixGe1−x化合物を含み得る(ここでxはSiの原子分率であり、1−xはGeの原子分率であり、0<(1−x)<1である。)。SixGe1−xとして、Si0.1Ge0.9、Si0.2Ge0.8、Si0.3Ge0.7、Si0.4Ge0.6、Si0.5Ge0.5、Si0.6Ge0.4、Si0.7Ge0.3、Si0.8Ge0.2及びSi0.9Ge0.1が挙げられる。一例として、基板102は加圧応力Ge層又は、緩和Si0.5Ge0.5緩衝層上に堆積させた引張応力層SixGe1−x(x>0.5)が挙げられる。
【0019】
境界層104は、シリコン酸化物(例えばSiOx、ここでxは2以下である)、シリコン窒化物、シリコン酸化窒化物及びそれらの組み合わせが挙げられる。一例では、前記境界層104は約5オングストロームから約15オングストロームの間、約6オングストロームから約10オングストロームの間の厚さ、例えば8オングストロームの厚さを持つ。前記境界層104は、洗浄基板102上に形成されてよい。洗浄基板102は、希釈フッ化水素水(HF)を含む液体容器又はHFガス相でのエッチングにより実行され得る。希釈HF溶液は、H2O:HF(例えば50:1であり得る。HF洗浄工程の後、基板102は脱イオン水(D.I.)でリンスされ得る。前記境界層104は、単結晶シリコン基板の天然酸化物層を除去した後、表面を酸化することで化学酸化物層を含むことができる。前記化学酸化物層は脱イオン水(D.I.)とオゾン(O3)を含む水溶液中で形成され得る。化学酸化物膜は高純度であり、厚さが約6オングストロームから約15オングストロームである。化学酸化物膜は、単結晶シリコン基板102の下部の非酸化部分を不動態化し、空気酸化による天然酸化物膜形成を防止する。化学酸化物膜形成の後、基板102は水溶液から取り出され乾燥される。例えばイソプロピルアルコール適用とスピン乾燥を組み合わせて乾燥する。基板102上の化学酸化物膜は、大気中の汚染物(例えば有機性汚染物)が、基板102を前記水溶液からさらなるプロセスのために真空プロセス装置へ移動する際に前記酸化物膜表面上に蓄積することを防止する。他の実施態様において、洗浄基板102は真空プロセス装置へ移動され、前記境界層104が前記真空プロセス装置で形成され得る。
【0020】
図1Bは、前記境界層104上に堆積された希土類系第一のhigh−k膜106を模式的に示す。希土類系第一のhigh−k膜106は、酸化物、窒化物、又は酸化窒化物膜を含み、前記希土類には、イットリウム(Y)、ルテチウム(Lu)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)又はイットリビウム(Yb)又は2以上のこれらの全ての組み合わせが含かれる。希土類系high−k膜の例として、ランタン酸化物(La2O3)、ルテチウム酸化物(Lu2O3)、及びランタンルテチウム酸化物(LaLuO3)が挙げられる。希土類系第一のhigh−k膜106の厚さは、例えば、約2オングストローム及び約30オングストロームの間であり、約5オングストローム及び約20オングストロームの間であり、約5オングストローム及び約10オングストロームの間である。希土類系第一のhigh−k膜は、例えば、化学蒸着方法(CVD)、原子層蒸着方法(ALD)、プラズマ強化CVD(PECVD)又はプラズマ強化ALD(PEALD)により、堆積させ得る。本発明のひとつの実施態様においてはALD又はPEALD方法が、CVD又はPECVD方法に比べて、通常より顕著な均一性及び原子レベルの厚さ制御を可能とすることから使用され得る。
【0021】
本発明のひとつの実施態様において、第一のhigh−k膜106は、アルカリ土類元素、チタニウム、ハフニウム又は希土類元素、圧力支持システムこれらの2以上のすべての組み合わせを含むことができる。本発明のいくつかの実施態様において、前記第一のhigh−k膜106は、周期律表において、high−k膜、例えば酸化物膜、窒化物膜又は酸化窒化物膜を形成し得る元素を選択して、含むことができる。一例として、high−k膜可能な元素は前記境界層104と反応してhigh−k膜を形成することができる。
【0022】
図1Cでは、矢印108は前記希土類系第一のhigh−k膜106及び前記境界層104の熱処理を示す。本発明のひとつの実施態様において、前記熱処理は、前記希土類系第一のhigh−k膜及び境界層104を、図1Dで示される編成境界層110を形成させる温度で加熱することを含む。変性層110は、図1Aで示される前記境界層104の前記等価酸化物厚さと等しいか小さい、等価酸化物厚さを有する。前記熱処置は時間間隔で、約10秒及び600秒の間、例えば約300秒間実施され得る。前記熱処理は、不活性ガスを使用するか使用しないで、実質的に無酸素減圧条件でおこなわれ得る。一例として、前記熱処理は、不活性雰囲気下O2ガスが0.1%未満、圧力100Torr未満の不活性雰囲気で実施され得る。一例では、前記熱処理は、不活性ガスの不存在下で、圧力が1mTorr未満、0.1mTorr未満、又は0.01mTorr未満で実施され得る。不活性ガスが使用される場合には、不活性ガスとしては、N2及び希ガスが挙げられる。不活性ガスを用いる熱処理の例として、不活性ガスの圧力が約1mTorrから約100Torr、又は約100mTorrから約10Torrの範囲である。しかし本発明の実施態様は、これらの熱処理条件に制限されるものではなく、他の条件もまた使用可能である。
【0023】
ひとつに例として、基板102は単結晶性シリコンを含み、前記境界層104がSiO2を含み、前記希土類系第一のhigh−k膜106がLa2O3を含み、前記熱処理は900℃以上であってよい。しかし理解されるべきは、前記熱処理温度は、具体的な境界層上に堆積された具体的な希土類系第一のhigh−k膜について、低EOTを達成されるように選択されることができるということである。
【0024】
図1Eは、第二のhigh−k膜112であって前記変性境界層110上に堆積される。前記第二のhigh−k膜112は、例えば、ハフニウム、ジルコニウム、又はハフニウムとジルコニウムを含むことができ、例えばハフニウム酸化物(HfO2)、ハフニウム酸化窒化物(HfON)、ハフニウムシリケート(HfSiO)、ハフニウムシリコン酸化窒化物(HfSiON)ジルコニウム酸化物(ZrO2)、ジルコニウム酸化窒化物(ZrON)、ジルコニウムシリケート(ZrSiO)、ジルコニウムシリコン酸化窒化物(ZrSiON)ハフニウムジルコニウム酸化物(HfZrO2)、ハフニウムジルコニウム酸化物窒化物(HfZrON)、ハフニウムジルコニウムシリケート(HfZrSiO)又はハフニウムジルコニウムシリコン酸化窒化物(HfZrSiON)又はそれらの全ての組合せが挙げられる。前記第二のhigh−k膜112の厚さは、例えば、約10オングストロームと約100オングストロームの間であり、約15オングストロームと約50オングストロームの間であり、又は、約20オングストロームと約40オングストロームの間であり得る。前記第二のhigh−k膜112は、例えばCVD、ALD、PECVD又はPEALDで堆積され得る。
【0025】
本発明のひとつの実施態様によれば、前記第二のhigh−k膜112はアルカリ土類元素、チタニウム、ハフニウム、ジルコニウム又は希土類元素又はこれらの2以上の全ての組み合わせを含むlことができる。
【0026】
本発明のいくつかの実施態様において、前記第二のhigh−k膜112の少なくとも一部の厚さは窒化物化されてよい。かかる窒化物化の利点には、前記第二のhigh−k膜112の改良された拡散バリア特性及びより高い誘電率が挙げられる。図1Fは、前記第二のhigh−k膜112の窒化物化種114への暴露を示す。前記窒化物化種は、窒素含有ガスの熱励起及び/又はプラズマ励起により生成され得る。窒素含有ガスの例としては、限定されるものではないが、窒素(N2)、アンモニア(NH3)、ヒドラジン(N2H4)及びC1〜10アルキルヒドラジン化合物が含まれる。通常のC1及びC2アルキルヒドラジン化合物には、モノメチルヒドラジン(MeNHNH2)、1、1−ジメチルヒドラジン(Me2NNH2)及び1、2−ジメチルヒドラジン(MeNHNHMe)が含まれる。他の例では、窒素含有ガスは、酸素及び窒素含有ガスが含まれ、例えばNO、NO2又はN2O又はこれらの組み合わせが挙げられる。図1Gには前記第二のhigh−k膜112を窒化物化種114に暴露させた後厚さ117を持つ窒化物領域116を示す。他の実施態様においては、図1Fで示される前記窒化物化ステップは省略されてもよい。
【0027】
図1Hは、前記第二のhigh−k膜112上に堆積されたゲート電極118を模式的に示す。前記ゲート電極118は、厚さ約2nm及び約40nmの間、又は約3nm及び約20nmの間を持ち、及び例えば、W、WN、WSix、Al、Mo、Ta、TaN、TaSiN、HfN、HfSiN、Ti、TiN、TiSiN、Mo、MoN、Re、Pt又はRuを含むことができる。図1Hには示されないが、ゲート電極118はさらに、ポリシリコン層、酸素拡散バリア層又はそれらでキャップされていてよい。代表的な酸素拡散バリアには、限定されるものではないが、アモルファスシリコン、TiN、TaN、TaSiN、TiSiN及びRuが含まれる。
【0028】
本発明のひとつの実施態様において、図1Hで示される膜構造はさらに処理されて、標準及びリソグラフ及びエッチング方法を用いてパターン化ゲートスタックを形成することができる。例えば、フォトリソグラフ装置を使用してパターンを図1Hの膜構造上に堆積させたフォトレジスト材料(示されていない)上にイメージさせることができる。前記パターンは続くエッチング(例えばプラズマエッチングプロセス)への物理的バリアを提供する。即ち、前記暴露されたフォトレジストにより保護されない材料は選択的に除去される。図1lは、パターン化された変性境界層120、パターン化された窒化物化領域126を含むパターン化された第二のhigh−k膜122、及びパターン化されたゲート電極128を、模式的に示す。
【0029】
図2Aは、本発明の実施態様による、HfSiON膜及び異なる厚さを有するランタン酸化物high−k膜を含むhigh−kゲートスタックのEOTの関数としてリーク電流(Jg)を示す。前記ゲートスタックはさらに、前記Si基板上にSiO2境界層と、前記HfSiON膜上に形成された10nm厚さのTiNゲート電極膜とを含む。前記SiO2境界層は、脱イオン水(DI)及びオゾン(O3)を含む水溶液中で形成された化学酸化物膜であり、厚さは0.6nm〜1nmと推定される。前記ランタン酸化物high−k膜はALD法により前記SiO2境界層上に堆積された。前記ALD法では、ジイソプロピルホルムアミジネートランタン(La(((iPr)2N)2CH)3)及びO2ガスを交互に暴露させ、基板温度305℃及び約0.2Torr及び約0.6Torrの間のプロセス圧力を使用した。ALDサイクル数は5〜12で変動させた。ランタン酸化物堆積速度は約0.8nm/サイクルであると推定された。HfSiON膜はHfSiO膜を堆積し続いて前記HfSiO膜をプラズマ励起窒化物化ガスへ暴露して窒素を前記HfSiO膜に導入することで形成された。前記HfSiO膜はハフニウムtert−ブトキシド(Hf(OtBu)4)、テトラエチルオルトシリケート(Si(OCH2CH3)4)及びO2を用いて化学蒸着(CVD)により堆積させた。図2Aは、前記SiO2境界層及び前記HfSiON膜との間に薄いランタン酸化物high−k膜の存在が、EOTを約1.2nmから約1.25〜1.3nmへと増加させ、かつリーク電流を減少させたことを示す。EOTの増加は予想の通りである。というのは、ランタン酸化物膜high−k膜が絶縁性膜であるからである。図2Aはさらに、従来のSiO2ゲート絶縁膜についてEOTを関数としたJgを示す。
【0030】
図2Bは、本発明の実施態様による、HfSiON及び異なる厚さを持つ下部ランタン酸化物high−k膜を含むhigh−kゲートスタックのフラットバンド電圧(Vfb)を関するとするEOTを示す。Vfbは、−0.5Vから約−0.8Vと約−0.9Vの間に減少した。
【0031】
図3Aは、本発明の実施態様による、前記HfSiON膜の堆積に先立って異なる温度で熱処理されたHfSiON膜及びランタン酸化物high−k膜を含むhigh−kゲートスタックについてEOTを関数とするJgを示す。図3Aは、図2Aと類似するが、ランタン酸化物high−k膜が10ALDサイクルを用いて、さらに続いて1.5Torrの圧力で、温度700℃、800℃、900℃又は1000℃で熱処理されたものである。前記処理は、前記SiO2境界層とランタン酸化物high−k膜との相互作用及び/又は反応により前記境界層を変性させた。熱処理の後、前記HfSiON膜が前記変性膜上に堆積され、TiN膜が前記HfSiON膜上に堆積された。図3Aは、700℃又は800℃で前記ランタン酸化物膜を熱処理することで前記high−kゲートスタックのEOTを増加させることが示される。これは、前記シリコン基板のさらなる酸化から前記SiO2境界層が増加するからであると考えられる。
【0032】
図3Aはさらに、前記変性境界層を含む前記high−kゲートスタックのEOTが、ランタン酸化物high−k膜と前記境界層を900℃又は1000℃で熱処理すると、予想外に減少することを示す。特に、900℃で熱処理すると前記EOT値は、前記high−kゲートスタックでランタン酸化物high−k膜を用いないで得られる値と等しいか又は小さいものである。1000℃で熱処理すると、EOT値は約1.1nmとなる。この値は、ランタン酸化物膜を使用しないで得られる値より、又は900℃で熱処理したランタン酸化物high−k膜を用いた際の値よりも、約0.1nm小さい値である。考えられることは次のことである。予想外にEOT値の低下は、前記ランタン酸化物high−k膜と前記SiO2境界層との反応による、及び/又は、前記SiO2境界層の少なくとも一部が真空蒸発したことによる、かである。比較のためにSiO2境界層上にHfSiONを堆積した後に900℃又は1000℃で熱処理されたランタン酸化物high−k膜を含むhigh−kゲートスタックはかかるEOTが減少するという効果は見られなかった。
【0033】
図3Bは、本発明の実施態様による、HfSiON膜及びHfSiON堆積に先立って異なる温度で熱処理されたランタン酸化物high−k膜を含むhigh−kゲートスタックについてVbfの関数としてEOTを示す。図3Bは、図2Bと類似しているが、前記ランタン酸化物high−k膜が10ALDサイクルを用いて堆積されその後続いて700℃、800℃、900℃又は1000℃で、HfSiON膜及びTiN膜を堆積する前に熱処理された。前記Vfbは−0.5Vから約−0.8V及び−1Vの間に減少した。
【0034】
図4は、本発明の実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックを形成するためのプロセスフローチャートを示す。前記プロセスステップは上で詳細に説明された。プロセス400は402で開始され、シリコン含有基板が準備される。いくつかの実施態様によれば、前記基板はSiを含み、例えば結晶性Si、多結晶性Si又はアモルファスSiを含む。他の実施態様によれば、基板は、Ge又はSixGe1−x化合物を含む。ここでxはSiの原子分率であり、1−xはGeの分子分率であり、0<(1−x)<1である。SixGe1−x化合物の例は、Si0.1Ge0.9、Si0.2Ge0.8、Si0.3Ge0.7、Si0.4Ge0.6、Si0.5Ge0.5、Si0.6Ge0.4、Si0.7Ge0.3、Si0.8Ge0.2、及びSi0.9Ge0.1が挙げられる。
【0035】
404で、境界層が前記シリコン含有基板上に堆積される。いくつかの実施態様において、前記境界層はシリコン酸化物、シリコン窒化物、又はシリコン酸化窒化物が含まれ得る。
【0036】
406で、第一のhigh−k膜が前記境界層上に堆積される。前記第一のhigh−k膜には、酸化物、窒化物、又は酸化窒化物が含まれ、又はイットリウム(Y)、ルテチウム(Lu)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)又はイットリビウム(Yb)又は2以上のこれらの全ての組み合わせが含かれる。希土類系high−k膜の例として、ランタン酸化物(La2O3)、ルテチウム酸化物(Lu2O3)、及びランタンルテチウム酸化物(LaLuO3)が挙げられる。
【0037】
408で、前記第一のhigh−k膜及び前記境界層が、前記境界層の前記第一のEOTと等しいはそれよりも小さい第二のEOTを持つ編成境界層を形成する温度で熱処理される。いくつかの実施態様において、前記熱処理は、実質的に無酸素で減圧条件下で前記第一のhigh−k膜及び前記境界層を熱処理することを含む。前記熱処理はさらに、前記第一のhigh−k膜を不活性ガスに暴露することを含むことができる。
【0038】
410で、第二のhigh−k膜が、前記変性境界層上に堆積される。本発明のいくつかの実施態様において、前記第二のhigh−k膜には、ハフニウム酸化物、ハフニウム酸化窒化物、ハフニウムシリケート、ハフニウムシリコン酸化窒化物、ジルコニウム酸化物、ジルコニウム酸化窒化物、ジルコニウムシリケート、ジルコニウムシリコン酸化窒化物、ハフニウムジルコニウム酸化物、ハフニウムジルコニウム酸化窒化物、ハフニウムジルコニウムシリケート、又はハフニウムジルコニウムシリコン酸化窒化物又はこれらの2以上の全ての組み合わせを含む。
【0039】
412で、前記第二のhigh−k膜少なくとも一部の厚さが場合により窒化物化される。一例では、前記窒化物化された第二のhigh−k膜がさらに熱処理され得る。前記熱処理は、900〜1000℃の温度、1.5TorrのN2ガス雰囲気(場合により少量のO2(多孔性約0.1%O2を含む)の条件を含む。414で、ゲート電極は前記第二のhigh−k膜又は窒化物化された第二のhigh−k膜上に堆積される。かつパターン化されたゲート構造が、前記ゲート電極膜、前記窒化物化第二のhigh−k膜及び変性境界層をパターン化することで形成される。
【0040】
図5は、本発明の実施態様による、低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックを形成するための真空プロセス装置の模式的ダイヤグラムである。前記真空プロセス装置500は、基板(ウェハ)移送システム501を含み、カセットモジュール501A及び501Bを含み、さらに基板位置調節モジュール501Cを含む。ロードロックチャンバ502A及び502Bは前記基板移送システム501と結合される。前記基板版移送システム501は大気圧に維持されが、不活性ガスでパージすることでクリーン環境が提供される。
【0041】
前記ロードロックチャンバ502A及び502Bは基板移送システム503と結合される。基板移送システム503は、非常に低圧に維持され得る(例えば5x10ー8Torr、又はそれより低く)。これにはターボ分子ポンプが使用される(図示されていない)。前記基板移送システム503は、基板移送ロボットを含み、脱ガスシステム504A及び504Dと結合されている。さらにプロセスシステム504B及び504Cは基板上の境界層を形成するために構成されることができる。
【0042】
さらに、前記基板移送システム503は、基板処理チャンバ504Eを通じて基板移送システム505と結合される。前記基板移送システム503において、前記基板移送システム505は、非常に低圧に維持され得る(例えば5x10ー8Torr、又はより低く)。このためにターボ分子ポンプを用いる(図示されていない)。前記基板移送システム505は、基板移送ロボットが含まれる。前記基板上に希土類の第一のhigh−k膜を堆積するためにプロセスシステム506D、前記基板上に第二のhigh−k膜を堆積するためのプロセスシステム506A、場合に夜窒化物膜を構成するためのプロセスシステム506C、及び前記基板上にゲート電極を堆積するためのプロセスシステム506Bとが、前記基板版移送システム505と結合されている。
【0043】
例えば、図6A及び6Bで示されるプロセスシステム1又は2は、前記真空プロセス装置500においてプロセス装置506A及び506Dとして使用され得る。例えばプロセスシステム506Cはプラズマプロセスシステムを含み、該システムは東京エレクトロン株式会社(赤坂、日本)から入手されるスロットプレーンアンテナプラズマ源を含む。さらに、スロットプレーンアンテナプラズマ源及びそれを用いる方法は、欧州特許No.EP1361605で、発明の名称「METHOD FOR PRODUCING MATERIAL OF ELECTRONIC DEVICE」において記載されている。当該全内容は参照されて本明細書の一部となす。又はプロセスシステム506Cは、例えば、紫外線(UV)放射プラズマ源及びリモートプラズマ源を含む。かかるプロセスシステムは欧州特許No.EP1453083A1で、発明の名称「NITRIDING METHOD FOR INSULATION FILM、 SEMICONDUCTOR DEVICE AND PRODUCTION METHOD FOR SEMICONDUCTOR DEVICE、 SUBSTRATE TREATING DEVICE AND SUBSTRATE TREATING METHOD」において記載されている。当該全内容は参照されて本明細書の一部となす。ひとつの実施態様において、プロセスシステム504B及び504Cは、上で記載された基板上の境界層又は窒化物化膜を形成するために構成される紫外(UV)放射プラズマ源及びリモートプラズマ源を含む。
【0044】
真空プロセス装置500は、制御装置510を含み、該制御装置は、前記集積基板プロセスの際に、図5で示された前記プロセスシステム及びプロセスエレメントのいくつか又は全てを制御するために結合させることができる。又は、制御装置510をひとつ又はそれ以上の追加の制御装置/コンピュータ(図示されていない)と結合させることが可能であり、制御装置510は追加の制御装置/コンピュータからの設定を取得し及び/又は情報を構成することができる。前記制御装置510は、前記プロセスシステム及びプロセスエレメントのいくつか又は全てを構成するために使用され得る。また前記制御装置は、前記プロセスシステム及びプロセスエレメントからのデータを集め、提供し、処理し、記憶し、及び表示することができる。前記制御装置510は、前記プロセスシステム及びプロセスエレメントのいくつか又は全てを制御するためのいくつかの応用を含む。例えば制御装置510は、グラフィックユーザインターフェース(GUI)コンポーネント(図示されていない)を含むことができ、これにより容易にインターフェースを使用することができるようになり、ユーザがひとつ又はそれ以上のプロセスシステム又はプロセスエレメントのひとつ又はそれ以上を制御し及び/又はモニタすることができる。
【0045】
制御装置510は、前記真空プロセス装置500との情報を交信し、入力可能とし、及び交換するに十分な制御電圧を生成することが可能であり、さらに前記真空プロセス装置500からの出力をモニタし得る、マイクロプロセッサ、メモリ、及びデジタルI/Oポートを含む。例えば、前記メモリに貯蔵されたプログラムが、集積基板プロセスを実行するためのプロセス手順に基づいて前記真空プロセス装置の入力を開始させるために使用され得る。前記制御装置510は、メモリに含まれるひとつ又はそれ以上の一連の指令を実行するためのプロセッサに対応する本発明のプロセスステップに基づくマイクロプロセッサの一部又は全てを実行する汎用コンピュータシステムとして実行させることが可能である。そのような指令は、他のコンピュータか読み取り可能な媒体、例えばハードディスク又は可動媒体ドライブから前記制御メモリに読み込まれることが可能である。マルチプロセス配置でのひとつ又はそれ以上のプロセッサはまた、メインメモリに含まれる一連の指令を実行するための前記制御装置マイクロプロセッサとして適用され得る。他の実施態様において、有線回路をソフトウェア指令と組み合わせて適用することができる。従って、実施態様は、いかなるハードウェア回路及びソフトウェアに限定されるものではない。
【0046】
前記制御装置510は、少なくともひとつのコンピュータ読み出し可能な媒体又はメモリを含み、例えば本発明の教示によるプログラム化された指令を保持し、本発明を実行するために必要なデータ構造、テーブル、レコード又は他のデータを含む、前記制御メモリである。コンピュータ読み出し可能な媒体には、コンパクトディスク、ハードディスク、フロッピディスク、テープ、磁気光学ディスク、PROM(EPROM、EEPROM、フラッシュEPROM)、DRAM、SRAM、SDRAM、又は全ての他の磁気媒体、コンパクトディスク(例えばCD−ROM)、圧力支持システム全ての他の光学媒体、パンチカード、紙テープ又は他のパターン化された孔を持つ物理的媒体、キャリア波(以下説明される)、又は全ての他のコンピュータが読み取り可能な媒体を含む。
【0047】
本発明は制御装置510を制御するための、コンピュータ読み取り可能媒体のいずれかに又はその一部に記憶されたソフトウェアを含む。該ソフトウェアは、本発明を実施するための装置を駆動するため及び/又は前記制御装置510をユーザと相互作用させる。かかるソフトウェアには、限定されるものではないが、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、開発ツール、及び応用ソフトウェアが挙げられる。かかるコンピュータ読み取り可能な媒体はさらに、本発明の実施において実行されるプロセスの全て又は一部(プロセスが分散されている場合)実行するための本発明のコンピュータプログラム製品を含む。
【0048】
本発明のコンピュータコード装置は、全ての解釈可能な又は実行可能なコード系であってよく、例えば、限定されるものではないが、スクリプト、解釈可能プログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)、ジャバ系、及び完全に実行可能なプログラムが挙げられる。さらに、本発明のプロセスの一部が、よりよい性能、信頼性及び/又はコストの点から分配されていてよい。
【0049】
ここで用いる用語「コンピュータ読み取り可能媒体」とは、全ての媒体を意味し、前記制御装置510のプロセッサへ実行のために指令を与えるために関与するものを意味する。コンピュータ読み取り可能媒体は多くの形をとることができ、限定されるものではないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝達媒体が挙げられる。不揮発性媒体は例えば、光学、磁気ディスク及び磁気光学ディスク例えばハードディスク又は可動媒体ドライブが挙げられる。揮発性媒体はダイナミックメモリ、例えばメインメモリが挙げられる。さらに、種々の形のコンピュータ読み取り可能媒体は、実行のための一連のひとつ又はそれ以上の指令をプロセッサに実行させる際に関与され得る。例えば、前記指令は、最初に磁気ディスク又はリモートコンピュータかで開始され得る。前記リモートコンピュータは遠隔的に、ダイナミックメモリに前記指令を読み込み及び指令を前記制御装置510へネットワークを通じて送って、本発明の全て又は一部を実行する。
【0050】
前記制御装置510は、前記真空プロセス装置500に比較的近くに位置されていてよい。又は、前記真空プロセス装置と比較的遠隔位置に設けられていてもよい。例えば、前記制御装置510は、前記真空プロセス装置と、少なくともひとつの直接結合、イントラネット、インターネットを通じて及び無線を通じてデータの交換を行うことができる。前記制御装置510は、例えば顧客サイト(即ちデバイスメーカ)で又はベンダサイト(即ち装置製造者)とインとラネットで結合されてよい。さらには、例えば前記制御装置510はインターネットを介して結合されてよい。さらに、他のコンピュータ(即ち、制御装置、サーバなど)が例えば前記制御装置510にアクセスして、少なくともひとつの直接結合、イントラネット、及びインターネットを通じてデータ交換することができる。さらに当業者には、前記制御装置510は無線結合で前記真空プロセス装置500とデータ交換することができることは、理解され得る。
【0051】
当業者であれば、本発明の実施態様は図5で示される前記真空プロセス装置の全てのプロセスシステムを使用することは要求されないであろうことは理解され得る。上記のように、前記真空プロセス装置500は2つのプロセスシステムを含み(例えばプロセスシステム504B及び504C)、同じ又は類似のプロセスを実行するために構成されている。これは、前記真空プロセス装置500のウェハスループットを増加させるためになされ得るものである。従って、本発明のいくつかの実施態様は、図5で示される全てのシステムよりも少ないシステムの使用を含む。
【0052】
図6A及び6Bは、本発明の実施態様による基板上にhigh−k材料を堆積させるプロセスシステムを示す。図6A及び6Bに示される前記プロセスシステムは、希土類系第一のhigh−k膜を堆積するためのプロセス装置506Dとして、及び基板上に第二のhigh−k膜を堆積するためのプロセスシステム506Aとして使用可能であろう。
【0053】
図6Aは、ALD又はCVDプロセスを実行するために構成され得るプロセスシステム1を示す。前記プロセスシステム1は、プロセスチャンバ10を含み、該チャンバは基板ホルダ20を含み、これはhigh−k材料が堆積する基板22を支持するために構成されている。プロセスチャンバ10はまた、上部アセンブリ30(例えばシャワーヘッド)を含み、第一の前駆体供給システム40及び第二の前駆体供給システム42と結合される。前記第一及び第二の前駆体供給システム40、42は、希土類系前駆体供給システム、ハフニウム前駆体供給システム、ジルコニウム前駆体供給システム、チタニウム前駆体供給システム、又はアルカリ土類前駆体供給システム、又はそれらの組み合わせを含む。
【0054】
プロセスシステム1はさらに、パージガス供給システム44、酸素含有ガス供給システム46、窒素ガス含有供給システム48、及び追加ガス供給システム50を含む。追加ガス供給システムは例えば、追加の希土類前駆体又はシリコン前駆体の供給を含む。さらに、プロセスシステム1は、基板温度制御システム60を含むことができ、基板ホルダ20と結合されて基板22の温度を上昇させ及び制御するために構成され得る。さらに、プロセスシステム1は、プロセスチャンバ10、基板ホルダ20、上部アセンブリ30に結合され得る制御装置70を含むことができ、該制御装置70は、プロセスガスを、前記プロセスチャンバ10、第一の前駆体供給システム40、第二の前駆体供給システム42、パージガス供給システム44、酸素含有ガス供給システム46、窒素含有ガス供給システム48、追加ガス供給システム50、及び基板温度制御装置60に導入するために構成される。
【0055】
または、さらに、制御装置70は、さらに追加の制御装置及び/又はコンピュータ(示されていない)のひとつ又はそれ以上と結合可能であり、かつ制御装置70は制御装置及び/又はコンピュータから設定及び/又は構成情報を取得することができる。
【0056】
図6Aでは、単一のプロセスエレメント(10、20、30、40、42、44、46、48、50及び60)が示されるが、これは本発明に必須のものではない。プロセスシステム1は、個々のプロセスエレメントに加えてそれらに伴うあらゆる数の制御装置を持つあらゆる数のプロセスエレメントを含み得る。制御装置70は、全ての数のプロセスエレメント(10、20、30、40、42、44、46、48、50及び60)を構成するために使用されることができ、及び制御装置70は、プロセスエレメントからのデータを集め、提供し、処理し、記憶し及び表示することができる。制御装置70はひとつ又はそれ以上のプロセスエレメントを制御するための多くの応用を含むことができる。例えば、制御装置70はグラフィックユーザインターフェース(GUI)コンポーネント(図示されていない)を含むことができ、これによりユーザは、ひとつ又はそれ以上のプロセスエレメントをモニタし及び/又は制御することが容易にできる。
【0057】
図6Aを参照して、プロセスシステム1は、200mm基板、300mm基板又はそれよいも大きい基板をプロセスするために構成され得る。実際、プロセスシステム1が、基板、ウェハ又はLCDをそのサイズに拘わらずプロセスされるために構成され得ることは、当業者には理解できる。従って、本発明の側面が半導体基板のプロセスに関して説明されるが本発明はそれに限定されるものではない。又は、多数の基板をプロセス可能なバッチプロセスシステムは同時に、本発明の実施態様において説明されたhigh−k材料の堆積のために使用され得る。
【0058】
本発明の実施態様によれば、いくつかの方法が、第一及び/又は第二の前駆体を前記プロセスチャンバ10に導入するために使用され得る。ひとつの方法は、分離型バブラ又は直接液体注入(DLI)システム又はそれらの組み合わせを用いて前駆体を蒸発させ、前記プロセスチャンバ10へ導入する際に、又は導入する前に気相で混合する、方法を含む。DLIシステムは、バブリング方法に比べて前駆体の早期熱分解を低減させることが知られている。それぞれの前駆体を、別々に蒸発速度を制御することで、堆積膜中での望ましい比率を達成することができる。前記第一及び第二の前駆体を輸送する他の方法は、2又はそれ以上の液体源(前駆体自体又はその溶液)を別々に制御することを含み、共通の蒸発装置へ導入する前に混合される。この方法は、前駆体が溶液中で適合性があり、類似の蒸発特性を持つ場合に使用され得る。前記第一及び第二の前駆体を輸送する他の方法は、液体前駆体の混合物(前駆体自体又は溶液)の共通の蒸発装置への流れを制御することを含む。他の方法は、バブラ内で適合性のある混合固体又は液体前駆体を使用ことを含む。液体源前駆体は、純液体源、又は固体又は液体であって適合性溶媒に溶解されているものを含む。可能な適合性溶媒としては、限定されるものではないが、イオン性液体、炭化水素(脂肪族性、オレフィン性、及び芳香族性)、アミン、エステル、グライム、クラウンエーテル、エーテル及びポリエーテルが挙げられる。いくつかの場合、ひとつ又はそれ以上の適合性のある固体前駆体をひとつ又はそれ以上の液体前駆体に溶解することが可能である。当業者には、ガスパルス内で前記第一及び第二の前駆体の相対濃度を制御して、望ましい比率を持つ堆積膜を得ることが可能であることは、理解される。
【0059】
本発明の実施態様においては、広い種類のハフニウム及びジルコニウム前駆体を使用することができる。例えば、代表的例示として、Hf(OtBu)4(ハフニウムtert−ブトキシド、HTB)、Hf(NEt2)4(テトラキス(ジエチルアミド)ハフニウム、TDEAH)、Hf(NEtMe)4(テトラキス(エチルメチルアミド)ハフニウム、TEMAH)、Hf(NMe2)4(テトラキス(ジメチルアミド)ハフニウム、TDMAH)、r(OtBu)4(ジルコニウムtert−ブトキシド、ZTB)、Zr(NEt2)4(テトラキス(ジエチルアミド)ジルコニウム、TDEAZ)、Zr(NMeEt)4(テトラキス(エチルメチルアミド)ジルコニウム、TEMAZ)、Zr(NMe2)4(テトラキス(ジメチルアミド)ジルコニウム、TDMAZ)、Hf(mmp)4、Zr(mmp)4、HfCI4、ZrCI4、ZrCp2Me2、Zr(tBuCp)2Me2、及びZr(NiPr2)4が挙げられる。一例で、ハフニウム及びジルコニウム前駆体は同一の配位子(例えばHTB及びZTB)を持ち、従って前駆体間の有害な配位子交換を防止することができる。
【0060】
本発明の実施態様は、広い種類の異なる希土類前駆体を使用することができる。例えば多くの希土類前駆体は次の式で表される:
ML1L2L3Dx
ここで、Mは希土類元素であり、イットリウム(Y)、ルテチウム(Lu)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジニウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、タリウム(Tm)、及びイッテルビウム(Yb)を含む群から選択される。L1、L2、L3は、独立して、アニオン性配位子であり、Dは中性ドナー配位子であり、xは0、1、2又は3であり得る。それぞれのL1、L2、L3配位子は独立して、アルコキシド、ハロゲン化物、アリルオキシド、アミド、シクロペンタジエニル、アルキル、シリル、アミジメート、β−ジケトネート、ケトイミネート、シラノエート及びカルボキシレートを含む群から選択される。D配位子は、エーテル、フラン、ピリジン、ピロール、ピロリジン、アミン、クラウンエーテル、グライム及びニトリルを含む群から選択される。
【0061】
L群のアルコキシドの例には、tert−ブトキシド、iso−プロポキシド、 エトキシド、1−メトキシ−2、2−ジメチル−2−プロピオネート(mmp)、1−ジメチルアミノ−2、2’−ジメチル−プロピオネート、アミロキシド、及びneo−ペントキシドが含まれる。ハロゲン化物の例には、フッ化物、塩化物、ヨウ化物及び臭化物が含まれる。アリルオキシドの例には、フェノキシド及び2、4、6−トリメチルフェノキシドが含まれる。アミドの例には、ビス(トリメチルシリル)アミド ジ−tert−ブチルアミド及び2、2、6、6−テトラメチルピペリジド(TMPD)が含まれる。シクロペンタジエニルの例には、シクロペンタジエニル、1−メチルシクロペンタジエニル、1、2、3、4−テトラメチルシクロペンタジエニル、1−エチルシクロペンタジエニル、ペンタメチルシクリペンタジエニル、1−iso−プロピルシクロペンタジエニル、1−n−プロピルシクロペンタジエニル及び1−n−ブチルシクロペンタジエニルが含まれる。アルキルには、ビス(トリメチルシリル)メチル、トリス(トリメチルシリル)メチル及びトリメチルシリルメチルが挙げられる。シリルの例には、トリメチルシリルが挙げられる。アミジネートの例には、N、N’−ジ−tert−ブチルアセタミジネート、N、N’−ジ−iso−プロピルアセタミジネート、N、N’−ジ−イソプロピル−2−tert−ブチルアミジネート及びN、N’−ジ−tert−ブチル−2−tert−ブチルアミジネートが含まれる。β−ジケトネートの例には、2、2、6、6−テトラメチル−3、5−ヘプタンジオネート(THD)、ヘキサフルオロ−2、4−ペンタンジオネート及び6、6、7、7、8、8、8−ヘプタフルオロ−2、2−ジメチル−3、5−オクタンジオネート(FOD)が含まれる。ケトイミネートの例には、2−iso−プロピルイミノ−4−ペンタノネートが含まれる。シラノエートの例には、トリ−tert−ブチルシロキシド及びトリエチルシロキシドが含まれる。カルボキシレートの例には、2−エチルヘキサノエートが含まれる。
【0062】
D配位子の例には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1、2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、12−クラウン−6、10−クラウン−4、ピリジン、N−メチルピロリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、アセトニトリル及び2、2−ジメチルプロピオニトリルが挙げられる。
【0063】
希土類前駆体の代表的例示は次に挙げられる。
【0064】
Y前駆体:N(SiMe3)2)3、Y(N(iPr)2)3、 Y(N(tBu)SiMe3)3、Y(TMPD)3、Cp3Y、(MeCp)3Y、((nPr)Cp)3Y、((nBu)Cp)3Y、Y(OCMe2CH2NMe2)3、Y(THD)3、Y[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Y(C11H19O2)3CH3(OCH2CH2)3OCH3、Y(CF3COCHCOCF3)3、Y(OOCC10H7)3、Y(OOC10H19)3、及びY(O(iPr))3。
【0065】
La前駆体:La(N(SiMe3)2)3、La(N(iPr)2)3)a(N(tBu)SiMe3)3、 La(TMPD)3、((iPr)Cp)3La、Cp3La、Cp3La(NCCH3)2、La(Me2NC2H4Cp)3、La(THD)3、La[OOCCH(C2H5)C4H9]3、La(C11H19O2)3CH3(OCH2CH2)3OCH3、La(C11H19O2)3CH3(OCH2CH2)4OCH3、La(O(iPr))3)、La(OEt)3、La(acac)3、La(((tBu)2N)2CMe)3、La(((iPr)2N)2CMe)3、La(((iPr)2N)2CH)3、La(((tBu)2N)2C(tBu))3、La(((iPr)2N)2C(tBu))3、及びLa(FOD)3。
【0066】
Ce前駆体:Ce(N(SiMe3)2)3、Ce(N(iPr)2)3、Ce(N(tBu)SiMe3)3)、Ce(TMPD)3、Ce(FOD)3、((iPr)Cp)3Ce、Cp3Ce、Ce(Me4Cp)3、Ce(OCMe2CH2NMe2)3)Ce(THD)3、Ce[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Ce(C11H19O2)3CH3(OCH2CH3OCH3、Ce(C11H19O2)3CH3(OCH2CH2)4OCH3、Ce(O(iPr))3及びCe(acac)3。
【0067】
Pr前駆体:Pr(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Pr、Cp3Pr、Pr(THD)3、Pr(FOD)3、(C5Me4H)3Pr、Pr[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Pr(C11H19O2)3CH3(OCH2CH2)3OCH3、Pr(O(iPr))3、Pr(acac)3、Pr(hfac)3、Pr(((tBu)2N)2CMe)3)、Pr(((iPr)2N)2CMe)3、Pr(((tBu)2N)2C(tBu))3、 及びPr(((iPr)2N)2C(tBu))3。
【0068】
Nd前駆体:Nd(N(SiMe3)2)3、Nd(N(iPr)2)3、((iPr)Cp)3Nd、Cp3Nd、(C5Me4H)3Nd、Nd(THD)3、Nd[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Nd(O(iPr))3、Nd(acac)3、Nd(hfac)3、Nd(F3CC(O)CHC(O)CH3)3、及びNd(FOD)3。
【0069】
Sm前駆体:Sm(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Sm、Cp3Sm、Sm(THD)3、Sm[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Sm(O(iPr))3、Sm(acac)3、及び(C5Me5)2Sm。
【0070】
Eu前駆体:Eu(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Eu、Cp3Eu、(Me4Cp)3Eu、Eu(THD)3、Eu[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Eu(O(iPr))3、Eu(acac)3、及び(C5Me5)2Eu。
【0071】
Gd前駆体:Gd(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Gd、Cp3Gd、Gd(THD)3、Gd[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Gd(O(iPr))3、及びGd(acac)3。
【0072】
Tb前駆体:Tb(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Tb、Cp3Tb、Tb(THD)3、Tb[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Tb(O(iPr))3及びTb(acac)3。
【0073】
Dy前駆体:Dy(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Dy、Cp3Dy、Dy(THD)3、Dy[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Dy(O(iPr))3)、Dy(O2C(CH2)6CH3)3及びDy(acac)3。
【0074】
Ho前駆体:Ho(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Ho、Cp3Ho、Ho(THD)3、Ho[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Ho(O(iPr))3、及びHo(acac)3。
【0075】
Er前駆体:Er(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Er、((nBu)Cp)3Er、Cp3Er、Er(THD)3、Er[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Er(O(iPr))3、及びEr(acac)3。
【0076】
Tm前駆体:Tm(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Tm、Cp3Tm、Tm(THD)3、Tm[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Tm(O(iPr))3、及びTm(acac)3。
【0077】
Yb前駆体:Yb(N(SiMe3)2)3、Yb(N(iPr)2)3、((iPr)Cp)3Yb、Cp3Yb、Yb(THD)3、Yb[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Yb(O(iPr))3、Yb(acac)3、(C5Me5)2Yb、Yb(hfac)3、及びYb(FOD)3。
【0078】
Lu前駆体:Lu(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Lu、Cp3Lu、Lu(THD)3、Lu[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Lu(O(iPr))3)及びLu(acac)3。
【0079】
上記前駆体において、以下に示される前駆体同様、次の共通の略語が用いられる。Si:シリコン;Me:メチル;Et:エチル;iPr:イソプロピル;nPr:n−プロピル;Bu:ブチル;nBu:n−ブチル;sBu:sec−ブチル;iBu:iso−ブチル;tBu:tert−ブチル;Cp:シクロペンタジエニル;THD:2、2、6、6−テトラメチル−3、5−ヘプタンジオネート;TMPD:2、2、6、6−テトラメチルピペリジド;acac:アセチルアセトネート;hfac:ヘキサフルオロアセチルアセトネート及びFOD:6、6、7、7、8、8、8−ヘプタフルオロ−2、2−ジメチル−3、5−オクタンジオネート。
【0080】
図6Aを参照する。酸素含有ガス供給システム46は前記プロセスチャンバ10へ酸素含有ガスを導入するために構成される。酸素含有ガスには、限定されるものではないが、O2、水(H2O)又はパーオキシド(H2O2)又はこれらの組み合わせ、及び場合によりArなどの不活性ガスを含む。同じく、窒素含有ガス供給システム48は前記プロセスチャンバ10へ窒素含有ガスを導入するために構成される。窒素含有ガスには、限定されるものではないが、アンモニア(NH3)、ヒドラジン(N2H4)及びC1〜C10アルキルヒドラジン化合物を含む。共通のC1及びC2アルキルヒドラジン化合物には、モノメチル−ヒドラジン(MeNHNH2)、1、1−ジメチル−ヒドラジン(Me2NNH2)及び1、2−ジメチル−ヒドラジン(MeNHNHMe)が挙げられる。本発明のひとつの実施態様において、酸素及び窒素含有ガスは、例えばNO、NO2又はN2O又はこれらの組み合わせで使用され得る。また場合によりArなどの不活性ガスを含んでいてよい。
【0081】
本発明の実施態様においては、high−k膜にシリコンを導入するために広い種類のシリコン前駆体を使用することができる。該シリコン前駆体には、限定されるものではないが、シラン(SiH4)、ジシラン(Si2H6)、モノクロロシラン(SiCIH3)、ジクロロシラン(SiH2CI2)、トリクロロシラン(SiHCl3)、ヘキサクロロジシラン(Si2CI6)、ジエチルシラン(Et2SiH2)、テトラ−エチルオルトシリケート(TEOS、 Si(OCH2CH3)4)及びアルキルアミノシラン化合物が挙げられる。アルキルアミノシラン化合物には、限定されないが、ジ−イソプロピルアミノシラン(H3Si(NPr2))、ビス(tert−ブチルアミノ)シラン((C4H9(H)N)2SiH2)、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン(Si(NMe2)4)、 テトラキス(エチルメチルアミノ)シラン(Si(NEtMe)4)、テトラキス(ジエチルアミノ)シラン(Si(N Et2)4)、トリス(ジメチルアミノ)シラン(HSi(NMe2)3)、トリス(エチルメチルアミノ)シラン(HSi(NEtMe)3)、トリス(ジメチルアミノ)シラン(HSi(NEt2)3)及びトリス(ジメトルヒドラジノ)シラン(HSi(N(H)NMe2)3)、ビス(ジエチルアミノ)シラン(H2Si(NEt2)2)、ビス(ジ−イソプロピルアミノ)シラン(H2Si(NPr2)2)、トリス(イソプロピルアミノ)シラン(HSi(NPr2)3)、及び(ジ−イソプロピルアミノ)シラン(H3Si(NPr2)が挙げられる。
【0082】
図6Aを参照する。前記パージガス供給システム44はプロセスチャンバ10にパージガスを導入するために構成される。例えばパージガスの導入は次の際に行われ得る。前記プロセスチャンバ10への、第一の前駆体及び第二の前駆体のパルスの導入の間、及び酸素含有ガスの導入、窒素含有ガスの導入又は酸素及び窒素含有ガスの導入の間などである。前記パージガスは不活性ガスであり、例えば希ガス(即ちHe、Ne、Ar、Kr、Xe)、窒素ガス又は水素ガス(H2)が挙げられる。
【0083】
さらに、プロセスシステム1は、前記基板ホルダ20と結合される基板温度制御システム60を含み、基板22の温度を上昇させ、制御するために構成される。基板温度制御システム60は、温度制御エレメント、例えば冷却システムを含む。該冷却システムは、再循環冷媒流を含み、該冷媒流は、基板ホルダ20から熱を受け取り、熱を熱交換装置(図示されていない)に移動させ、又加熱の際には前記熱交換装置から熱を移動させる。さらに、前記温度制御エレメントは、加熱/冷却エレメントを含む。例えば抵抗加熱エレメント、又は熱電気ヒータ/クーラなどであり、これらは前記基板ホルダ20内に含まれることができる。また同様にこれらは、前記プロセスチャンバ10のチャンバ壁や、プロセスシステム1の全ての他のコンポーネント内に含まれることができる。基板温度制御システム60は、例えば、基板温度を約350℃から約550℃に上昇させて制御するために構成される。又は、前記基板温度は約150℃から約350℃に制御され得る。理解されるべきは、基板温度は、与えられた基板の表面上に具体的な絶縁材料の堆積を生じさせるために好ましい温度に基づいて選択され得る、ということである。
【0084】
基板22及び基板ホルダ20間の熱伝達を改良するために、基板ホルダ20は機械的クランプシステム又は電気的クランプシステム(例えば静電クランプシステム)を含み、基板22を基板ホルダ20の上部に固定する。さらに、基板ホルダ20はさらに、基板背面ガス輸送システムを含み、基板22の背面にガスを導入して基板22及び基板ホルダ20間のガスギャップ熱伝導性を改良するために構成される。該システムは、前記基板温度制御が温度上昇又は温度減少を要求される際に使用され得る。例えば、基板背面ガスシステムは、2ゾーンガス輸送システムを含み、前記ヘリウムガスギャップ圧力を独立して、前記基板22の中心部と端部の間で変更し得る。
【0085】
さらに、前記プロセスチャンバ10はさらに、真空ポンプシステム34及びバルブ36を含みダクト38を通じる圧力制御システム32と結合される。該圧制御システム32は前記プロセスチャンバ10を基板22上に薄膜形成させ、及び前記第一及び第二のプロセス材料の使用に適する圧力に減圧制御する。真空ポンプシステム34はターブ分子真空ポンプ(TMP)又は低温ポンプを含む。該ポンプは、ポンプ速度が約5000リットル/秒(又はそれ以上)であり、バルブ36は前記チャンバ圧力調節するためのゲートバルブを含むことができる。さらに、チャンバ圧力をモニタする装置(図示されていない)がプロセスチャンバ10に結合されている。前記圧力盛業使用2は、例えば、high−k膜堆積の際に、前記プロセスチャンバ圧力を約0.1Torr及び約100Torrの間に制御するために構成され得る。
【0086】
第一の前駆体供給システム40、第二の前駆体供給システム42、パージガス供給システム44、酸素含有ガス供給システム46、窒素含有ガス供給システム48及び追加のガス供給システム50は、ひとつ又はそれ以上の圧力制御装置、ひとつ又はそれ以上の流量制御装置、ひとつ又はそれ以上のフィルタ、ひとつ又はそれ以上のバルブ及び/又はひとつ又はそれ以上の流れセンサを含むことができる。流量制御装置には、空気圧駆動バルブ、電気機械式(ソレノイド)バルブ及び/又は高速度パルスガス注入バルブなどが含まれる。本発明の実施態様により、ガスは連続的に又は交互にプロセスチャンバ10にパルス状に送られ、それぞれのガスパルスの長さは、例えば、約0.1秒及び約100秒の間である。又は、それぞれのガスパルスの長さは約1秒及び100秒の間である。前駆体ガスの例示的ガスパルス長さは、約0.3秒と3秒の間、例えば1秒である。酸素含有ガス、窒素含有ガス及び酸素と窒素含有ガスの例示的ガスパルス長さは、約0.3秒と3秒の間、例えば1秒である。パージガスの例示的ガスパルス長さは、約1秒と20秒の間、例えば3秒である。パルスガス注入システムの例は、出願継続中の米国特許出願公開No.2004/0123803に記載されている。
【0087】
図6Aを参照する。制御装置70はマイクロプロセッサ、メモリ及びデジタルI/Oポートを含み、制御電圧を生成してプロセスシステム1と交信し入力を開始し、同様に前記プロセスシステム1からのデータをモニタすることを可能とする。さらに、前記制御装置70は前記プロセスチャンバ10、基板ホルダ20、上部アセンブリ30、第一の前駆体供給システム40、第二の前駆体供給システム42、パージガス供給システム48、追加ガス供給システム50、基板温度制御装置60、及び圧力制御装置32と接続され情報を交換する。例えば、前記メモリに記憶されたプログラムは、堆積プロセスを実行するためにプロセス手順に従いプロセスシステム1の上記コンポーネントに入力を開始させるために使用され得る。
【0088】
図6Bは、プロセスシステム2を示し、ALD及びCVDプロセスの実施可能に加えてPEALD又はPECVDプロセスを実施するために構成され得る。使用のプラズマプロセスは図6Aで記載されたプロセス1と類似している。しかしさらに、前記プロセスチャンバ10内で少なくとも一部のガス暴露の際にプラズマを生成するように構成される。これにより、O2、H2O、H2O2又はそれらの混合物を含む酸素含有ガスからオゾン及びプラズマ励起酸素の形成を可能にする。同様にN2、NH3又はN2H4又はC1〜C10アルキルヒドラジン化合物又はこれらの組み合わせ物をから、プラズマ励起窒素を形成することができる。
【0089】
さらに、プラズマ励起酸素及び窒素は、NO、NO2及びN2O又はこれらの混合物から形成され得る。プラズマ生成システムは、前記プロセスチャンバ10と結合され及び前記プロセスチャンバ10へ導入されるガスへ電力をカップルさせるように構成される第一の電源52を含む。前記第一の電源52は変更可能な電源であり、ラジオ周波数(RF)発生装置とインピーダンスマッチネットワークを含むことができ、さらに、プロセスチャンバ10で前記プラズマとカップルされるRFパワーが通じる電極を含むことができる。前記電極は、前記上部アセンブリで形成され、前記基板ホルダ20に対向するように構成され得る。インピーダンスマッチネットワークは、前記RF発生装置からプラズマへRFパワーの伝達を最適化するように構成され得る。それは、前記マッチネットワークの出力インピーダンスと前記プロセスチャンバ(前記電極及びプラズマを含む)の入力インピーダンスをマッチさせることによる。例えば前記インピーダンスマッチネットワークは、プロセスチャンバ10内のプラズマへのパワーの伝達を、前記反射パワーを低減することで改良するために供される。マッチネットワークトポロジ(例えば、Lタイプ、T−タイプなど)及び自動制御方法がまた、当業者には知られている。
【0090】
又は、前記第一の電源52は、RF発生装置及びインピーダンスマッチネットワークを含むことができ、またさらに、例えば誘導コイルなどのアンテナを含むことができ、それを通じてRFパワーがプロセスチャンバ10内でプラズマとカップルされる。前記アンテナは、例えば、ヘリカル又はセレノイドコイルを含み、例えば誘導カップルプラズマ源又はヘリコン源などを含み、又は例えば、トランスフォーマーカップルプラズマ源内と同様のフラットコイルを含むことができる。
【0091】
又は前記第一の電源52は、マイクロ波周波数発生装置を含むことができ、及びさらに、マイクロ波アンテナ及びマイクロ波ウインドウを含み、これを通じてマイクロ波パワーがプロセスチャンバ10内でプラズマとカップルする。マイクロ波パワーのカップルは電子サイクロトロン共鳴(ECR)技術により達成され得る。又は、表面波プラズマ技術、例えばスロットプレーンアンテナ(SPA)などを用いて適用され得る。これについては米国特許No.5、024、716に記載されており、その内容は参照されて本明細書の一部となる。
【0092】
本発明のひとつの実施態様によると、プラズマプロセスシステム2は、基板バイアス発生装置を含む。基板バイアス発生装置は、前記プロセスチャンバ10への少なくとも一部のガスを交互導入する際にプラズマを発生させるか又はプラズマ発生を補助する(基板ホルダバイアスを通じて)ために構成される。前記基板バイアスシステムは、プロセスチャンバ10と結合される基板電源54を含み、かつ前記基板22とパワーをカップルするように構成される。前記基板版電源54は、RF発生装置及びインピーダンスマッチネットワークを含む。またさらに、基板22へカップルするRFパワーが通じる電極を含むことができる。前記電極は基板ホルダに形成され得る。例えば、基板ホルダ20は、基板ホルダ20へのインピーダンスマッチネットワーク(図示されていない)を通じてRF発生装置(図示されていない)からRFパワーの伝達を介してRF電圧で電気的にバイアスされ得る。通常のRFバイアスのための周波数は、約0.1MHzから約100MHzの間で変動可能の薄膜であり、例えば13.56MHzである。プラズマプロセスのためのRFバイアスは当業者には知られている。又は、RFパワーが複数の周波数で前記基板ホルダ電極に適用される。プラズマ発生装置システム及び前記基板バイアスシステムは図6Bには別の存在として記載されているが、これらは基板ホルダ20とカップルするひとつ又はそれ以上の電源を実際に含みことができる。
【0093】
さらに、前記プラズマプロセスシステム2は、リモートプラズマシステム56を含むことができ、前記基板22が暴露されるプロセスチャンバ10内に前記プラズマ励起ガスを流す前に、遠隔的に酸素含有ガス、窒素含有ガス、又はそれらの組み合わせ物を提供しかつプラズマ励起させる。遠隔プラズマシステム56は、例えば、マイクロ波周波数発生装置を含むことができる。前記プロセスチャンバ圧力は、約0.1Torr及び約10Torrの間、又は約0.2Torr及び約3Torrの間である。
【0094】
低減された等価酸化物厚さを持つゲート絶縁性スタックを形成する複数の実施態様が種々の実施態様において開示されてきた。本発明の実施態様についての記載は、例示及び説明のためになされている。これらは、本発明を開示された正確な形に制限又は限定する意図はない。これまでの説明及び続く特許請求の範囲で使用される用語は、説明する意図で使用され、限定的に解釈される意図で使用されるものではない。例えばここで(特許請求の範囲も含む)使用される用語「の上」は、基板の「上」の膜が直接及び間接的に前記基板に直に接触するということを要求するものではなく、前記膜及び基板の間に第二の膜又は構造が存在していてもよいことを意味する。
【0095】
当業者であれば、上記教示に照らして多くの変更及び変法が可能であることは理解する。当業者であれば、図に示される種々のコンポーネントの種々の均等組み合わせ物及び置換物を理解することができる。従って、本発明の範囲が該詳細な説明によっては限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によるものであることが意図される。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図1B】図1Bは、本発明のひとつの実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックの形成についての断面図を模式的に示す。
【図1C】図1Cは、本発明のひとつの実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックの形成についての断面図を模式的に示す。
【図1D】図1Dは、本発明のひとつの実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックの形成についての断面図を模式的に示す。
【図1E】図1Eは、本発明のひとつの実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックの形成についての断面図を模式的に示す。
【図1F】図1Fは、本発明のひとつの実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックの形成についての断面図を模式的に示す。
【図1G】図1Gは、本発明のひとつの実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックの形成についての断面図を模式的に示す。
【図1H】図1Hは、本発明のひとつの実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックの形成についての断面図を模式的に示す。
【図1I】図1lは、本発明のひとつの実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックの形成についての断面図を模式的に示す。
【図2A】図2Aは、本発明のひとつの実施態様による、HfSiON膜及び異なる厚さのランタン酸化物high−k膜を含むhigh−kゲートスタックについてのEOTの関数として、リーク電流(Jg)を示す。
【図2B】図2Bは、本発明のひとつの実施態様による、HfSiON膜及び異なる厚さのランタン酸化物high−k膜を含むhigh−kゲートスタックについてのフラットバンド電圧(Vfb)の関数として、EOTを示す。
【図3A】図3Aは、本発明のひとつの実施態様による、HfSiON膜堆積の前に異なる温度で熱処理されたHfSiON膜及びランタン酸化物high−k膜を含むhigh−kゲートスタックについてのEOTの関数として、リーク電流(Jg)を示す。
【図3B】図3Bは、本発明のひとつの実施態様による、HfSiON膜堆積の前に異なる温度で熱処理されたHfSiON膜及びランタン酸化物high−k膜を含むhigh−kゲートスタックについてのVfbの関数として、EOTを示す。
【図4】図4は、本発明のひとつの実施態様による、低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックを形成するためのプロセスフローダイヤグラムを示す。
【図5】図5は、本発明のひとつの実施態様による、低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックを形成するための真空プロセスの模式的フローダイヤグラムを示す。
【図6A】図6Aは、本発明のひとつの実施態様による、基板上のhigh−k材料を堆積するためのプロセスシステムを示す。
【図6B】図6Bは、本発明のひとつの実施態様による、基板上のhigh−k材料を堆積するためのプロセスシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
半導体製造方法のための低EOTを持つhigh−kゲートスタックの形成方法が種々の実施態様で記載される。EOTとは、high−k系MOSデバイスの性能と、SiO2系MOSデバイスの性能とを比較するために用いられる数であり、EOTは、より厚いhigh−k膜と同じゲート容量を得るために必要なSiO2ゲート絶縁性膜の厚さを表す。
【0013】
上記のとおり、多くのhigh−k膜は、前記high−k膜をSi基板上に堆積する際及び/又は堆積後のアニール処理の際にhigh−k膜とSi基板との間に厚いSiO2界面層を触媒的に成長促進させる。従ってToxを許容できないレベルに増加させ前記high−k膜の利点を急速に打ち消す。本発明者は次の点につき認識した。即ち、ゲートスタックに第二のhigh−k膜を堆積する前に、界面層に堆積させた希土類金属系第一のhigh−k膜を適切に熱処理することで、予期しないことに、前記high−kゲートスタックについてEOTスケーリング(EOT減少)が提供されるということである。これにより、前記適切な熱処理をしない同じゲートスタックに比べて、物理的にはより厚いが電気的にはより薄いhigh−kスタックを得る結果となる。前記high−kゲートスタックがさらに、低フラットバンド電圧(Vfb)にシフトし、これは負キャリアキャリア電界効果トランジスタ(NFET)にとって望ましいことであり得る。
【0014】
本発明の実施態様において、半導体デバイスのためのゲート絶縁性スタックの形成のための方法が提供される。前記方法は、シリコン含有基板を準備し、前記シリコン含有基板上に境界層を形成し、前記境界層が第一の等価酸化物厚さを有し、前記境界層上に第一のhigh−k膜を堆積し、及び前記第一のhigh−k膜及び前記境界層を、前記第一の等価酸化物厚さと等しいか又はより小さい厚さを持つ第二の等価酸化物厚さを持つ変性境界層を形成する温度で、熱処理する、ことを含む。前記方法はさらに、前記変性境界層上に第二のhigh−k膜を堆積することを含む。本発明の実施態様によれば、前記第一のhigh−k膜、前記第二のhigh−k膜又は前記第一及び第二のhigh−k膜は、アルカリ土類元素、チタニウム、ハフニウム、又は希土類元素、又はこれらの2以上のすべての組み合わせを含むことができる。
【0015】
本発明の実施態様によれば、本方法は、シリコン含有基板を準備し、前記シリコン含有基板上に境界層を堆積し、前記境界層が第一の等価酸化物厚さを有し、前記境界層上に第一のhigh−k膜を堆積し、及び前記第一のhigh−k膜及び前記境界層を、前記第一の等価酸化物厚さと等しいか又はより小さい厚さを持つ第二の等価酸化物厚さを持つ変性境界層を形成する温度で、熱処理する、ことを含む。本発明はさらに、前記変性境界層上に第二のhigh−k膜を堆積することを含み、場合により、前記第二のhigh−k膜の厚さの少なくとも一部を窒化物化することを含む。
【0016】
当業者であれば以下の点認識することができる。すなわち種々の実施態様はここで記載される具体的な詳細のひとつ又はそれ以上を実施することなく実施可能であるということ、又は他の置換及び/又は追加の方法、材料又はコンポーネントを使用して実施可能であるということである。他の例では、本発明の種々の実施態様が曖昧になることを防止するために知られた構造、材料又は操作はここでは示されていない、又は説明されていない。同様に、具体的な数、材料及び構成は、ここでは本発明の完全な理解を提供するため説明の目的でここに挙げられている。さらに、次の点につき理解されるべきである。即ち、図中に示される種々の実施態様は説明目的であり、記載される寸法は必ずしも正確なものではないということである。
【0017】
当該明細書を通じて、「実施態様」、「ひとつの実施態様」とは、特定の構成、構造、材料又は、本発明の少なくともひとつの実施態様に関連して説明される特質を意味するが、しかし、全ての実施態様に存在するということではない。従って本明細書を通じて種々の場所で参照される「ひとつの実施態様において」、「実施態様において」なる用語は、本発明の必ずしも同じ実施態様を参照することを意味するものではない。
【0018】
図1Aから1lには、本発明の実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタック形成の断面を模式的に示す。図1Aは、境界層104を含むシリコン含有基板102を模式的に示す。基板102は、全てのサイズであり得る。例えば200mm基板、300mm基板又はそれ以上の基板である。ひとつの実施態様において、前記基板102はSiを含む。例えば結晶性Si、多結晶性Si又はアモルファスSiである。一例として、基板102は引張応力Si層である。他の実施態様においては、基板102は、Ge又はSixGe1−x化合物を含み得る(ここでxはSiの原子分率であり、1−xはGeの原子分率であり、0<(1−x)<1である。)。SixGe1−xとして、Si0.1Ge0.9、Si0.2Ge0.8、Si0.3Ge0.7、Si0.4Ge0.6、Si0.5Ge0.5、Si0.6Ge0.4、Si0.7Ge0.3、Si0.8Ge0.2及びSi0.9Ge0.1が挙げられる。一例として、基板102は加圧応力Ge層又は、緩和Si0.5Ge0.5緩衝層上に堆積させた引張応力層SixGe1−x(x>0.5)が挙げられる。
【0019】
境界層104は、シリコン酸化物(例えばSiOx、ここでxは2以下である)、シリコン窒化物、シリコン酸化窒化物及びそれらの組み合わせが挙げられる。一例では、前記境界層104は約5オングストロームから約15オングストロームの間、約6オングストロームから約10オングストロームの間の厚さ、例えば8オングストロームの厚さを持つ。前記境界層104は、洗浄基板102上に形成されてよい。洗浄基板102は、希釈フッ化水素水(HF)を含む液体容器又はHFガス相でのエッチングにより実行され得る。希釈HF溶液は、H2O:HF(例えば50:1であり得る。HF洗浄工程の後、基板102は脱イオン水(D.I.)でリンスされ得る。前記境界層104は、単結晶シリコン基板の天然酸化物層を除去した後、表面を酸化することで化学酸化物層を含むことができる。前記化学酸化物層は脱イオン水(D.I.)とオゾン(O3)を含む水溶液中で形成され得る。化学酸化物膜は高純度であり、厚さが約6オングストロームから約15オングストロームである。化学酸化物膜は、単結晶シリコン基板102の下部の非酸化部分を不動態化し、空気酸化による天然酸化物膜形成を防止する。化学酸化物膜形成の後、基板102は水溶液から取り出され乾燥される。例えばイソプロピルアルコール適用とスピン乾燥を組み合わせて乾燥する。基板102上の化学酸化物膜は、大気中の汚染物(例えば有機性汚染物)が、基板102を前記水溶液からさらなるプロセスのために真空プロセス装置へ移動する際に前記酸化物膜表面上に蓄積することを防止する。他の実施態様において、洗浄基板102は真空プロセス装置へ移動され、前記境界層104が前記真空プロセス装置で形成され得る。
【0020】
図1Bは、前記境界層104上に堆積された希土類系第一のhigh−k膜106を模式的に示す。希土類系第一のhigh−k膜106は、酸化物、窒化物、又は酸化窒化物膜を含み、前記希土類には、イットリウム(Y)、ルテチウム(Lu)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)又はイットリビウム(Yb)又は2以上のこれらの全ての組み合わせが含かれる。希土類系high−k膜の例として、ランタン酸化物(La2O3)、ルテチウム酸化物(Lu2O3)、及びランタンルテチウム酸化物(LaLuO3)が挙げられる。希土類系第一のhigh−k膜106の厚さは、例えば、約2オングストローム及び約30オングストロームの間であり、約5オングストローム及び約20オングストロームの間であり、約5オングストローム及び約10オングストロームの間である。希土類系第一のhigh−k膜は、例えば、化学蒸着方法(CVD)、原子層蒸着方法(ALD)、プラズマ強化CVD(PECVD)又はプラズマ強化ALD(PEALD)により、堆積させ得る。本発明のひとつの実施態様においてはALD又はPEALD方法が、CVD又はPECVD方法に比べて、通常より顕著な均一性及び原子レベルの厚さ制御を可能とすることから使用され得る。
【0021】
本発明のひとつの実施態様において、第一のhigh−k膜106は、アルカリ土類元素、チタニウム、ハフニウム又は希土類元素、圧力支持システムこれらの2以上のすべての組み合わせを含むことができる。本発明のいくつかの実施態様において、前記第一のhigh−k膜106は、周期律表において、high−k膜、例えば酸化物膜、窒化物膜又は酸化窒化物膜を形成し得る元素を選択して、含むことができる。一例として、high−k膜可能な元素は前記境界層104と反応してhigh−k膜を形成することができる。
【0022】
図1Cでは、矢印108は前記希土類系第一のhigh−k膜106及び前記境界層104の熱処理を示す。本発明のひとつの実施態様において、前記熱処理は、前記希土類系第一のhigh−k膜及び境界層104を、図1Dで示される編成境界層110を形成させる温度で加熱することを含む。変性層110は、図1Aで示される前記境界層104の前記等価酸化物厚さと等しいか小さい、等価酸化物厚さを有する。前記熱処置は時間間隔で、約10秒及び600秒の間、例えば約300秒間実施され得る。前記熱処理は、不活性ガスを使用するか使用しないで、実質的に無酸素減圧条件でおこなわれ得る。一例として、前記熱処理は、不活性雰囲気下O2ガスが0.1%未満、圧力100Torr未満の不活性雰囲気で実施され得る。一例では、前記熱処理は、不活性ガスの不存在下で、圧力が1mTorr未満、0.1mTorr未満、又は0.01mTorr未満で実施され得る。不活性ガスが使用される場合には、不活性ガスとしては、N2及び希ガスが挙げられる。不活性ガスを用いる熱処理の例として、不活性ガスの圧力が約1mTorrから約100Torr、又は約100mTorrから約10Torrの範囲である。しかし本発明の実施態様は、これらの熱処理条件に制限されるものではなく、他の条件もまた使用可能である。
【0023】
ひとつに例として、基板102は単結晶性シリコンを含み、前記境界層104がSiO2を含み、前記希土類系第一のhigh−k膜106がLa2O3を含み、前記熱処理は900℃以上であってよい。しかし理解されるべきは、前記熱処理温度は、具体的な境界層上に堆積された具体的な希土類系第一のhigh−k膜について、低EOTを達成されるように選択されることができるということである。
【0024】
図1Eは、第二のhigh−k膜112であって前記変性境界層110上に堆積される。前記第二のhigh−k膜112は、例えば、ハフニウム、ジルコニウム、又はハフニウムとジルコニウムを含むことができ、例えばハフニウム酸化物(HfO2)、ハフニウム酸化窒化物(HfON)、ハフニウムシリケート(HfSiO)、ハフニウムシリコン酸化窒化物(HfSiON)ジルコニウム酸化物(ZrO2)、ジルコニウム酸化窒化物(ZrON)、ジルコニウムシリケート(ZrSiO)、ジルコニウムシリコン酸化窒化物(ZrSiON)ハフニウムジルコニウム酸化物(HfZrO2)、ハフニウムジルコニウム酸化物窒化物(HfZrON)、ハフニウムジルコニウムシリケート(HfZrSiO)又はハフニウムジルコニウムシリコン酸化窒化物(HfZrSiON)又はそれらの全ての組合せが挙げられる。前記第二のhigh−k膜112の厚さは、例えば、約10オングストロームと約100オングストロームの間であり、約15オングストロームと約50オングストロームの間であり、又は、約20オングストロームと約40オングストロームの間であり得る。前記第二のhigh−k膜112は、例えばCVD、ALD、PECVD又はPEALDで堆積され得る。
【0025】
本発明のひとつの実施態様によれば、前記第二のhigh−k膜112はアルカリ土類元素、チタニウム、ハフニウム、ジルコニウム又は希土類元素又はこれらの2以上の全ての組み合わせを含むlことができる。
【0026】
本発明のいくつかの実施態様において、前記第二のhigh−k膜112の少なくとも一部の厚さは窒化物化されてよい。かかる窒化物化の利点には、前記第二のhigh−k膜112の改良された拡散バリア特性及びより高い誘電率が挙げられる。図1Fは、前記第二のhigh−k膜112の窒化物化種114への暴露を示す。前記窒化物化種は、窒素含有ガスの熱励起及び/又はプラズマ励起により生成され得る。窒素含有ガスの例としては、限定されるものではないが、窒素(N2)、アンモニア(NH3)、ヒドラジン(N2H4)及びC1〜10アルキルヒドラジン化合物が含まれる。通常のC1及びC2アルキルヒドラジン化合物には、モノメチルヒドラジン(MeNHNH2)、1、1−ジメチルヒドラジン(Me2NNH2)及び1、2−ジメチルヒドラジン(MeNHNHMe)が含まれる。他の例では、窒素含有ガスは、酸素及び窒素含有ガスが含まれ、例えばNO、NO2又はN2O又はこれらの組み合わせが挙げられる。図1Gには前記第二のhigh−k膜112を窒化物化種114に暴露させた後厚さ117を持つ窒化物領域116を示す。他の実施態様においては、図1Fで示される前記窒化物化ステップは省略されてもよい。
【0027】
図1Hは、前記第二のhigh−k膜112上に堆積されたゲート電極118を模式的に示す。前記ゲート電極118は、厚さ約2nm及び約40nmの間、又は約3nm及び約20nmの間を持ち、及び例えば、W、WN、WSix、Al、Mo、Ta、TaN、TaSiN、HfN、HfSiN、Ti、TiN、TiSiN、Mo、MoN、Re、Pt又はRuを含むことができる。図1Hには示されないが、ゲート電極118はさらに、ポリシリコン層、酸素拡散バリア層又はそれらでキャップされていてよい。代表的な酸素拡散バリアには、限定されるものではないが、アモルファスシリコン、TiN、TaN、TaSiN、TiSiN及びRuが含まれる。
【0028】
本発明のひとつの実施態様において、図1Hで示される膜構造はさらに処理されて、標準及びリソグラフ及びエッチング方法を用いてパターン化ゲートスタックを形成することができる。例えば、フォトリソグラフ装置を使用してパターンを図1Hの膜構造上に堆積させたフォトレジスト材料(示されていない)上にイメージさせることができる。前記パターンは続くエッチング(例えばプラズマエッチングプロセス)への物理的バリアを提供する。即ち、前記暴露されたフォトレジストにより保護されない材料は選択的に除去される。図1lは、パターン化された変性境界層120、パターン化された窒化物化領域126を含むパターン化された第二のhigh−k膜122、及びパターン化されたゲート電極128を、模式的に示す。
【0029】
図2Aは、本発明の実施態様による、HfSiON膜及び異なる厚さを有するランタン酸化物high−k膜を含むhigh−kゲートスタックのEOTの関数としてリーク電流(Jg)を示す。前記ゲートスタックはさらに、前記Si基板上にSiO2境界層と、前記HfSiON膜上に形成された10nm厚さのTiNゲート電極膜とを含む。前記SiO2境界層は、脱イオン水(DI)及びオゾン(O3)を含む水溶液中で形成された化学酸化物膜であり、厚さは0.6nm〜1nmと推定される。前記ランタン酸化物high−k膜はALD法により前記SiO2境界層上に堆積された。前記ALD法では、ジイソプロピルホルムアミジネートランタン(La(((iPr)2N)2CH)3)及びO2ガスを交互に暴露させ、基板温度305℃及び約0.2Torr及び約0.6Torrの間のプロセス圧力を使用した。ALDサイクル数は5〜12で変動させた。ランタン酸化物堆積速度は約0.8nm/サイクルであると推定された。HfSiON膜はHfSiO膜を堆積し続いて前記HfSiO膜をプラズマ励起窒化物化ガスへ暴露して窒素を前記HfSiO膜に導入することで形成された。前記HfSiO膜はハフニウムtert−ブトキシド(Hf(OtBu)4)、テトラエチルオルトシリケート(Si(OCH2CH3)4)及びO2を用いて化学蒸着(CVD)により堆積させた。図2Aは、前記SiO2境界層及び前記HfSiON膜との間に薄いランタン酸化物high−k膜の存在が、EOTを約1.2nmから約1.25〜1.3nmへと増加させ、かつリーク電流を減少させたことを示す。EOTの増加は予想の通りである。というのは、ランタン酸化物膜high−k膜が絶縁性膜であるからである。図2Aはさらに、従来のSiO2ゲート絶縁膜についてEOTを関数としたJgを示す。
【0030】
図2Bは、本発明の実施態様による、HfSiON及び異なる厚さを持つ下部ランタン酸化物high−k膜を含むhigh−kゲートスタックのフラットバンド電圧(Vfb)を関するとするEOTを示す。Vfbは、−0.5Vから約−0.8Vと約−0.9Vの間に減少した。
【0031】
図3Aは、本発明の実施態様による、前記HfSiON膜の堆積に先立って異なる温度で熱処理されたHfSiON膜及びランタン酸化物high−k膜を含むhigh−kゲートスタックについてEOTを関数とするJgを示す。図3Aは、図2Aと類似するが、ランタン酸化物high−k膜が10ALDサイクルを用いて、さらに続いて1.5Torrの圧力で、温度700℃、800℃、900℃又は1000℃で熱処理されたものである。前記処理は、前記SiO2境界層とランタン酸化物high−k膜との相互作用及び/又は反応により前記境界層を変性させた。熱処理の後、前記HfSiON膜が前記変性膜上に堆積され、TiN膜が前記HfSiON膜上に堆積された。図3Aは、700℃又は800℃で前記ランタン酸化物膜を熱処理することで前記high−kゲートスタックのEOTを増加させることが示される。これは、前記シリコン基板のさらなる酸化から前記SiO2境界層が増加するからであると考えられる。
【0032】
図3Aはさらに、前記変性境界層を含む前記high−kゲートスタックのEOTが、ランタン酸化物high−k膜と前記境界層を900℃又は1000℃で熱処理すると、予想外に減少することを示す。特に、900℃で熱処理すると前記EOT値は、前記high−kゲートスタックでランタン酸化物high−k膜を用いないで得られる値と等しいか又は小さいものである。1000℃で熱処理すると、EOT値は約1.1nmとなる。この値は、ランタン酸化物膜を使用しないで得られる値より、又は900℃で熱処理したランタン酸化物high−k膜を用いた際の値よりも、約0.1nm小さい値である。考えられることは次のことである。予想外にEOT値の低下は、前記ランタン酸化物high−k膜と前記SiO2境界層との反応による、及び/又は、前記SiO2境界層の少なくとも一部が真空蒸発したことによる、かである。比較のためにSiO2境界層上にHfSiONを堆積した後に900℃又は1000℃で熱処理されたランタン酸化物high−k膜を含むhigh−kゲートスタックはかかるEOTが減少するという効果は見られなかった。
【0033】
図3Bは、本発明の実施態様による、HfSiON膜及びHfSiON堆積に先立って異なる温度で熱処理されたランタン酸化物high−k膜を含むhigh−kゲートスタックについてVbfの関数としてEOTを示す。図3Bは、図2Bと類似しているが、前記ランタン酸化物high−k膜が10ALDサイクルを用いて堆積されその後続いて700℃、800℃、900℃又は1000℃で、HfSiON膜及びTiN膜を堆積する前に熱処理された。前記Vfbは−0.5Vから約−0.8V及び−1Vの間に減少した。
【0034】
図4は、本発明の実施態様による低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックを形成するためのプロセスフローチャートを示す。前記プロセスステップは上で詳細に説明された。プロセス400は402で開始され、シリコン含有基板が準備される。いくつかの実施態様によれば、前記基板はSiを含み、例えば結晶性Si、多結晶性Si又はアモルファスSiを含む。他の実施態様によれば、基板は、Ge又はSixGe1−x化合物を含む。ここでxはSiの原子分率であり、1−xはGeの分子分率であり、0<(1−x)<1である。SixGe1−x化合物の例は、Si0.1Ge0.9、Si0.2Ge0.8、Si0.3Ge0.7、Si0.4Ge0.6、Si0.5Ge0.5、Si0.6Ge0.4、Si0.7Ge0.3、Si0.8Ge0.2、及びSi0.9Ge0.1が挙げられる。
【0035】
404で、境界層が前記シリコン含有基板上に堆積される。いくつかの実施態様において、前記境界層はシリコン酸化物、シリコン窒化物、又はシリコン酸化窒化物が含まれ得る。
【0036】
406で、第一のhigh−k膜が前記境界層上に堆積される。前記第一のhigh−k膜には、酸化物、窒化物、又は酸化窒化物が含まれ、又はイットリウム(Y)、ルテチウム(Lu)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)又はイットリビウム(Yb)又は2以上のこれらの全ての組み合わせが含かれる。希土類系high−k膜の例として、ランタン酸化物(La2O3)、ルテチウム酸化物(Lu2O3)、及びランタンルテチウム酸化物(LaLuO3)が挙げられる。
【0037】
408で、前記第一のhigh−k膜及び前記境界層が、前記境界層の前記第一のEOTと等しいはそれよりも小さい第二のEOTを持つ編成境界層を形成する温度で熱処理される。いくつかの実施態様において、前記熱処理は、実質的に無酸素で減圧条件下で前記第一のhigh−k膜及び前記境界層を熱処理することを含む。前記熱処理はさらに、前記第一のhigh−k膜を不活性ガスに暴露することを含むことができる。
【0038】
410で、第二のhigh−k膜が、前記変性境界層上に堆積される。本発明のいくつかの実施態様において、前記第二のhigh−k膜には、ハフニウム酸化物、ハフニウム酸化窒化物、ハフニウムシリケート、ハフニウムシリコン酸化窒化物、ジルコニウム酸化物、ジルコニウム酸化窒化物、ジルコニウムシリケート、ジルコニウムシリコン酸化窒化物、ハフニウムジルコニウム酸化物、ハフニウムジルコニウム酸化窒化物、ハフニウムジルコニウムシリケート、又はハフニウムジルコニウムシリコン酸化窒化物又はこれらの2以上の全ての組み合わせを含む。
【0039】
412で、前記第二のhigh−k膜少なくとも一部の厚さが場合により窒化物化される。一例では、前記窒化物化された第二のhigh−k膜がさらに熱処理され得る。前記熱処理は、900〜1000℃の温度、1.5TorrのN2ガス雰囲気(場合により少量のO2(多孔性約0.1%O2を含む)の条件を含む。414で、ゲート電極は前記第二のhigh−k膜又は窒化物化された第二のhigh−k膜上に堆積される。かつパターン化されたゲート構造が、前記ゲート電極膜、前記窒化物化第二のhigh−k膜及び変性境界層をパターン化することで形成される。
【0040】
図5は、本発明の実施態様による、低減されたEOTを持つhigh−kゲートスタックを形成するための真空プロセス装置の模式的ダイヤグラムである。前記真空プロセス装置500は、基板(ウェハ)移送システム501を含み、カセットモジュール501A及び501Bを含み、さらに基板位置調節モジュール501Cを含む。ロードロックチャンバ502A及び502Bは前記基板移送システム501と結合される。前記基板版移送システム501は大気圧に維持されが、不活性ガスでパージすることでクリーン環境が提供される。
【0041】
前記ロードロックチャンバ502A及び502Bは基板移送システム503と結合される。基板移送システム503は、非常に低圧に維持され得る(例えば5x10ー8Torr、又はそれより低く)。これにはターボ分子ポンプが使用される(図示されていない)。前記基板移送システム503は、基板移送ロボットを含み、脱ガスシステム504A及び504Dと結合されている。さらにプロセスシステム504B及び504Cは基板上の境界層を形成するために構成されることができる。
【0042】
さらに、前記基板移送システム503は、基板処理チャンバ504Eを通じて基板移送システム505と結合される。前記基板移送システム503において、前記基板移送システム505は、非常に低圧に維持され得る(例えば5x10ー8Torr、又はより低く)。このためにターボ分子ポンプを用いる(図示されていない)。前記基板移送システム505は、基板移送ロボットが含まれる。前記基板上に希土類の第一のhigh−k膜を堆積するためにプロセスシステム506D、前記基板上に第二のhigh−k膜を堆積するためのプロセスシステム506A、場合に夜窒化物膜を構成するためのプロセスシステム506C、及び前記基板上にゲート電極を堆積するためのプロセスシステム506Bとが、前記基板版移送システム505と結合されている。
【0043】
例えば、図6A及び6Bで示されるプロセスシステム1又は2は、前記真空プロセス装置500においてプロセス装置506A及び506Dとして使用され得る。例えばプロセスシステム506Cはプラズマプロセスシステムを含み、該システムは東京エレクトロン株式会社(赤坂、日本)から入手されるスロットプレーンアンテナプラズマ源を含む。さらに、スロットプレーンアンテナプラズマ源及びそれを用いる方法は、欧州特許No.EP1361605で、発明の名称「METHOD FOR PRODUCING MATERIAL OF ELECTRONIC DEVICE」において記載されている。当該全内容は参照されて本明細書の一部となす。又はプロセスシステム506Cは、例えば、紫外線(UV)放射プラズマ源及びリモートプラズマ源を含む。かかるプロセスシステムは欧州特許No.EP1453083A1で、発明の名称「NITRIDING METHOD FOR INSULATION FILM、 SEMICONDUCTOR DEVICE AND PRODUCTION METHOD FOR SEMICONDUCTOR DEVICE、 SUBSTRATE TREATING DEVICE AND SUBSTRATE TREATING METHOD」において記載されている。当該全内容は参照されて本明細書の一部となす。ひとつの実施態様において、プロセスシステム504B及び504Cは、上で記載された基板上の境界層又は窒化物化膜を形成するために構成される紫外(UV)放射プラズマ源及びリモートプラズマ源を含む。
【0044】
真空プロセス装置500は、制御装置510を含み、該制御装置は、前記集積基板プロセスの際に、図5で示された前記プロセスシステム及びプロセスエレメントのいくつか又は全てを制御するために結合させることができる。又は、制御装置510をひとつ又はそれ以上の追加の制御装置/コンピュータ(図示されていない)と結合させることが可能であり、制御装置510は追加の制御装置/コンピュータからの設定を取得し及び/又は情報を構成することができる。前記制御装置510は、前記プロセスシステム及びプロセスエレメントのいくつか又は全てを構成するために使用され得る。また前記制御装置は、前記プロセスシステム及びプロセスエレメントからのデータを集め、提供し、処理し、記憶し、及び表示することができる。前記制御装置510は、前記プロセスシステム及びプロセスエレメントのいくつか又は全てを制御するためのいくつかの応用を含む。例えば制御装置510は、グラフィックユーザインターフェース(GUI)コンポーネント(図示されていない)を含むことができ、これにより容易にインターフェースを使用することができるようになり、ユーザがひとつ又はそれ以上のプロセスシステム又はプロセスエレメントのひとつ又はそれ以上を制御し及び/又はモニタすることができる。
【0045】
制御装置510は、前記真空プロセス装置500との情報を交信し、入力可能とし、及び交換するに十分な制御電圧を生成することが可能であり、さらに前記真空プロセス装置500からの出力をモニタし得る、マイクロプロセッサ、メモリ、及びデジタルI/Oポートを含む。例えば、前記メモリに貯蔵されたプログラムが、集積基板プロセスを実行するためのプロセス手順に基づいて前記真空プロセス装置の入力を開始させるために使用され得る。前記制御装置510は、メモリに含まれるひとつ又はそれ以上の一連の指令を実行するためのプロセッサに対応する本発明のプロセスステップに基づくマイクロプロセッサの一部又は全てを実行する汎用コンピュータシステムとして実行させることが可能である。そのような指令は、他のコンピュータか読み取り可能な媒体、例えばハードディスク又は可動媒体ドライブから前記制御メモリに読み込まれることが可能である。マルチプロセス配置でのひとつ又はそれ以上のプロセッサはまた、メインメモリに含まれる一連の指令を実行するための前記制御装置マイクロプロセッサとして適用され得る。他の実施態様において、有線回路をソフトウェア指令と組み合わせて適用することができる。従って、実施態様は、いかなるハードウェア回路及びソフトウェアに限定されるものではない。
【0046】
前記制御装置510は、少なくともひとつのコンピュータ読み出し可能な媒体又はメモリを含み、例えば本発明の教示によるプログラム化された指令を保持し、本発明を実行するために必要なデータ構造、テーブル、レコード又は他のデータを含む、前記制御メモリである。コンピュータ読み出し可能な媒体には、コンパクトディスク、ハードディスク、フロッピディスク、テープ、磁気光学ディスク、PROM(EPROM、EEPROM、フラッシュEPROM)、DRAM、SRAM、SDRAM、又は全ての他の磁気媒体、コンパクトディスク(例えばCD−ROM)、圧力支持システム全ての他の光学媒体、パンチカード、紙テープ又は他のパターン化された孔を持つ物理的媒体、キャリア波(以下説明される)、又は全ての他のコンピュータが読み取り可能な媒体を含む。
【0047】
本発明は制御装置510を制御するための、コンピュータ読み取り可能媒体のいずれかに又はその一部に記憶されたソフトウェアを含む。該ソフトウェアは、本発明を実施するための装置を駆動するため及び/又は前記制御装置510をユーザと相互作用させる。かかるソフトウェアには、限定されるものではないが、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、開発ツール、及び応用ソフトウェアが挙げられる。かかるコンピュータ読み取り可能な媒体はさらに、本発明の実施において実行されるプロセスの全て又は一部(プロセスが分散されている場合)実行するための本発明のコンピュータプログラム製品を含む。
【0048】
本発明のコンピュータコード装置は、全ての解釈可能な又は実行可能なコード系であってよく、例えば、限定されるものではないが、スクリプト、解釈可能プログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)、ジャバ系、及び完全に実行可能なプログラムが挙げられる。さらに、本発明のプロセスの一部が、よりよい性能、信頼性及び/又はコストの点から分配されていてよい。
【0049】
ここで用いる用語「コンピュータ読み取り可能媒体」とは、全ての媒体を意味し、前記制御装置510のプロセッサへ実行のために指令を与えるために関与するものを意味する。コンピュータ読み取り可能媒体は多くの形をとることができ、限定されるものではないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝達媒体が挙げられる。不揮発性媒体は例えば、光学、磁気ディスク及び磁気光学ディスク例えばハードディスク又は可動媒体ドライブが挙げられる。揮発性媒体はダイナミックメモリ、例えばメインメモリが挙げられる。さらに、種々の形のコンピュータ読み取り可能媒体は、実行のための一連のひとつ又はそれ以上の指令をプロセッサに実行させる際に関与され得る。例えば、前記指令は、最初に磁気ディスク又はリモートコンピュータかで開始され得る。前記リモートコンピュータは遠隔的に、ダイナミックメモリに前記指令を読み込み及び指令を前記制御装置510へネットワークを通じて送って、本発明の全て又は一部を実行する。
【0050】
前記制御装置510は、前記真空プロセス装置500に比較的近くに位置されていてよい。又は、前記真空プロセス装置と比較的遠隔位置に設けられていてもよい。例えば、前記制御装置510は、前記真空プロセス装置と、少なくともひとつの直接結合、イントラネット、インターネットを通じて及び無線を通じてデータの交換を行うことができる。前記制御装置510は、例えば顧客サイト(即ちデバイスメーカ)で又はベンダサイト(即ち装置製造者)とインとラネットで結合されてよい。さらには、例えば前記制御装置510はインターネットを介して結合されてよい。さらに、他のコンピュータ(即ち、制御装置、サーバなど)が例えば前記制御装置510にアクセスして、少なくともひとつの直接結合、イントラネット、及びインターネットを通じてデータ交換することができる。さらに当業者には、前記制御装置510は無線結合で前記真空プロセス装置500とデータ交換することができることは、理解され得る。
【0051】
当業者であれば、本発明の実施態様は図5で示される前記真空プロセス装置の全てのプロセスシステムを使用することは要求されないであろうことは理解され得る。上記のように、前記真空プロセス装置500は2つのプロセスシステムを含み(例えばプロセスシステム504B及び504C)、同じ又は類似のプロセスを実行するために構成されている。これは、前記真空プロセス装置500のウェハスループットを増加させるためになされ得るものである。従って、本発明のいくつかの実施態様は、図5で示される全てのシステムよりも少ないシステムの使用を含む。
【0052】
図6A及び6Bは、本発明の実施態様による基板上にhigh−k材料を堆積させるプロセスシステムを示す。図6A及び6Bに示される前記プロセスシステムは、希土類系第一のhigh−k膜を堆積するためのプロセス装置506Dとして、及び基板上に第二のhigh−k膜を堆積するためのプロセスシステム506Aとして使用可能であろう。
【0053】
図6Aは、ALD又はCVDプロセスを実行するために構成され得るプロセスシステム1を示す。前記プロセスシステム1は、プロセスチャンバ10を含み、該チャンバは基板ホルダ20を含み、これはhigh−k材料が堆積する基板22を支持するために構成されている。プロセスチャンバ10はまた、上部アセンブリ30(例えばシャワーヘッド)を含み、第一の前駆体供給システム40及び第二の前駆体供給システム42と結合される。前記第一及び第二の前駆体供給システム40、42は、希土類系前駆体供給システム、ハフニウム前駆体供給システム、ジルコニウム前駆体供給システム、チタニウム前駆体供給システム、又はアルカリ土類前駆体供給システム、又はそれらの組み合わせを含む。
【0054】
プロセスシステム1はさらに、パージガス供給システム44、酸素含有ガス供給システム46、窒素ガス含有供給システム48、及び追加ガス供給システム50を含む。追加ガス供給システムは例えば、追加の希土類前駆体又はシリコン前駆体の供給を含む。さらに、プロセスシステム1は、基板温度制御システム60を含むことができ、基板ホルダ20と結合されて基板22の温度を上昇させ及び制御するために構成され得る。さらに、プロセスシステム1は、プロセスチャンバ10、基板ホルダ20、上部アセンブリ30に結合され得る制御装置70を含むことができ、該制御装置70は、プロセスガスを、前記プロセスチャンバ10、第一の前駆体供給システム40、第二の前駆体供給システム42、パージガス供給システム44、酸素含有ガス供給システム46、窒素含有ガス供給システム48、追加ガス供給システム50、及び基板温度制御装置60に導入するために構成される。
【0055】
または、さらに、制御装置70は、さらに追加の制御装置及び/又はコンピュータ(示されていない)のひとつ又はそれ以上と結合可能であり、かつ制御装置70は制御装置及び/又はコンピュータから設定及び/又は構成情報を取得することができる。
【0056】
図6Aでは、単一のプロセスエレメント(10、20、30、40、42、44、46、48、50及び60)が示されるが、これは本発明に必須のものではない。プロセスシステム1は、個々のプロセスエレメントに加えてそれらに伴うあらゆる数の制御装置を持つあらゆる数のプロセスエレメントを含み得る。制御装置70は、全ての数のプロセスエレメント(10、20、30、40、42、44、46、48、50及び60)を構成するために使用されることができ、及び制御装置70は、プロセスエレメントからのデータを集め、提供し、処理し、記憶し及び表示することができる。制御装置70はひとつ又はそれ以上のプロセスエレメントを制御するための多くの応用を含むことができる。例えば、制御装置70はグラフィックユーザインターフェース(GUI)コンポーネント(図示されていない)を含むことができ、これによりユーザは、ひとつ又はそれ以上のプロセスエレメントをモニタし及び/又は制御することが容易にできる。
【0057】
図6Aを参照して、プロセスシステム1は、200mm基板、300mm基板又はそれよいも大きい基板をプロセスするために構成され得る。実際、プロセスシステム1が、基板、ウェハ又はLCDをそのサイズに拘わらずプロセスされるために構成され得ることは、当業者には理解できる。従って、本発明の側面が半導体基板のプロセスに関して説明されるが本発明はそれに限定されるものではない。又は、多数の基板をプロセス可能なバッチプロセスシステムは同時に、本発明の実施態様において説明されたhigh−k材料の堆積のために使用され得る。
【0058】
本発明の実施態様によれば、いくつかの方法が、第一及び/又は第二の前駆体を前記プロセスチャンバ10に導入するために使用され得る。ひとつの方法は、分離型バブラ又は直接液体注入(DLI)システム又はそれらの組み合わせを用いて前駆体を蒸発させ、前記プロセスチャンバ10へ導入する際に、又は導入する前に気相で混合する、方法を含む。DLIシステムは、バブリング方法に比べて前駆体の早期熱分解を低減させることが知られている。それぞれの前駆体を、別々に蒸発速度を制御することで、堆積膜中での望ましい比率を達成することができる。前記第一及び第二の前駆体を輸送する他の方法は、2又はそれ以上の液体源(前駆体自体又はその溶液)を別々に制御することを含み、共通の蒸発装置へ導入する前に混合される。この方法は、前駆体が溶液中で適合性があり、類似の蒸発特性を持つ場合に使用され得る。前記第一及び第二の前駆体を輸送する他の方法は、液体前駆体の混合物(前駆体自体又は溶液)の共通の蒸発装置への流れを制御することを含む。他の方法は、バブラ内で適合性のある混合固体又は液体前駆体を使用ことを含む。液体源前駆体は、純液体源、又は固体又は液体であって適合性溶媒に溶解されているものを含む。可能な適合性溶媒としては、限定されるものではないが、イオン性液体、炭化水素(脂肪族性、オレフィン性、及び芳香族性)、アミン、エステル、グライム、クラウンエーテル、エーテル及びポリエーテルが挙げられる。いくつかの場合、ひとつ又はそれ以上の適合性のある固体前駆体をひとつ又はそれ以上の液体前駆体に溶解することが可能である。当業者には、ガスパルス内で前記第一及び第二の前駆体の相対濃度を制御して、望ましい比率を持つ堆積膜を得ることが可能であることは、理解される。
【0059】
本発明の実施態様においては、広い種類のハフニウム及びジルコニウム前駆体を使用することができる。例えば、代表的例示として、Hf(OtBu)4(ハフニウムtert−ブトキシド、HTB)、Hf(NEt2)4(テトラキス(ジエチルアミド)ハフニウム、TDEAH)、Hf(NEtMe)4(テトラキス(エチルメチルアミド)ハフニウム、TEMAH)、Hf(NMe2)4(テトラキス(ジメチルアミド)ハフニウム、TDMAH)、r(OtBu)4(ジルコニウムtert−ブトキシド、ZTB)、Zr(NEt2)4(テトラキス(ジエチルアミド)ジルコニウム、TDEAZ)、Zr(NMeEt)4(テトラキス(エチルメチルアミド)ジルコニウム、TEMAZ)、Zr(NMe2)4(テトラキス(ジメチルアミド)ジルコニウム、TDMAZ)、Hf(mmp)4、Zr(mmp)4、HfCI4、ZrCI4、ZrCp2Me2、Zr(tBuCp)2Me2、及びZr(NiPr2)4が挙げられる。一例で、ハフニウム及びジルコニウム前駆体は同一の配位子(例えばHTB及びZTB)を持ち、従って前駆体間の有害な配位子交換を防止することができる。
【0060】
本発明の実施態様は、広い種類の異なる希土類前駆体を使用することができる。例えば多くの希土類前駆体は次の式で表される:
ML1L2L3Dx
ここで、Mは希土類元素であり、イットリウム(Y)、ルテチウム(Lu)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジニウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、タリウム(Tm)、及びイッテルビウム(Yb)を含む群から選択される。L1、L2、L3は、独立して、アニオン性配位子であり、Dは中性ドナー配位子であり、xは0、1、2又は3であり得る。それぞれのL1、L2、L3配位子は独立して、アルコキシド、ハロゲン化物、アリルオキシド、アミド、シクロペンタジエニル、アルキル、シリル、アミジメート、β−ジケトネート、ケトイミネート、シラノエート及びカルボキシレートを含む群から選択される。D配位子は、エーテル、フラン、ピリジン、ピロール、ピロリジン、アミン、クラウンエーテル、グライム及びニトリルを含む群から選択される。
【0061】
L群のアルコキシドの例には、tert−ブトキシド、iso−プロポキシド、 エトキシド、1−メトキシ−2、2−ジメチル−2−プロピオネート(mmp)、1−ジメチルアミノ−2、2’−ジメチル−プロピオネート、アミロキシド、及びneo−ペントキシドが含まれる。ハロゲン化物の例には、フッ化物、塩化物、ヨウ化物及び臭化物が含まれる。アリルオキシドの例には、フェノキシド及び2、4、6−トリメチルフェノキシドが含まれる。アミドの例には、ビス(トリメチルシリル)アミド ジ−tert−ブチルアミド及び2、2、6、6−テトラメチルピペリジド(TMPD)が含まれる。シクロペンタジエニルの例には、シクロペンタジエニル、1−メチルシクロペンタジエニル、1、2、3、4−テトラメチルシクロペンタジエニル、1−エチルシクロペンタジエニル、ペンタメチルシクリペンタジエニル、1−iso−プロピルシクロペンタジエニル、1−n−プロピルシクロペンタジエニル及び1−n−ブチルシクロペンタジエニルが含まれる。アルキルには、ビス(トリメチルシリル)メチル、トリス(トリメチルシリル)メチル及びトリメチルシリルメチルが挙げられる。シリルの例には、トリメチルシリルが挙げられる。アミジネートの例には、N、N’−ジ−tert−ブチルアセタミジネート、N、N’−ジ−iso−プロピルアセタミジネート、N、N’−ジ−イソプロピル−2−tert−ブチルアミジネート及びN、N’−ジ−tert−ブチル−2−tert−ブチルアミジネートが含まれる。β−ジケトネートの例には、2、2、6、6−テトラメチル−3、5−ヘプタンジオネート(THD)、ヘキサフルオロ−2、4−ペンタンジオネート及び6、6、7、7、8、8、8−ヘプタフルオロ−2、2−ジメチル−3、5−オクタンジオネート(FOD)が含まれる。ケトイミネートの例には、2−iso−プロピルイミノ−4−ペンタノネートが含まれる。シラノエートの例には、トリ−tert−ブチルシロキシド及びトリエチルシロキシドが含まれる。カルボキシレートの例には、2−エチルヘキサノエートが含まれる。
【0062】
D配位子の例には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1、2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、12−クラウン−6、10−クラウン−4、ピリジン、N−メチルピロリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、アセトニトリル及び2、2−ジメチルプロピオニトリルが挙げられる。
【0063】
希土類前駆体の代表的例示は次に挙げられる。
【0064】
Y前駆体:N(SiMe3)2)3、Y(N(iPr)2)3、 Y(N(tBu)SiMe3)3、Y(TMPD)3、Cp3Y、(MeCp)3Y、((nPr)Cp)3Y、((nBu)Cp)3Y、Y(OCMe2CH2NMe2)3、Y(THD)3、Y[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Y(C11H19O2)3CH3(OCH2CH2)3OCH3、Y(CF3COCHCOCF3)3、Y(OOCC10H7)3、Y(OOC10H19)3、及びY(O(iPr))3。
【0065】
La前駆体:La(N(SiMe3)2)3、La(N(iPr)2)3)a(N(tBu)SiMe3)3、 La(TMPD)3、((iPr)Cp)3La、Cp3La、Cp3La(NCCH3)2、La(Me2NC2H4Cp)3、La(THD)3、La[OOCCH(C2H5)C4H9]3、La(C11H19O2)3CH3(OCH2CH2)3OCH3、La(C11H19O2)3CH3(OCH2CH2)4OCH3、La(O(iPr))3)、La(OEt)3、La(acac)3、La(((tBu)2N)2CMe)3、La(((iPr)2N)2CMe)3、La(((iPr)2N)2CH)3、La(((tBu)2N)2C(tBu))3、La(((iPr)2N)2C(tBu))3、及びLa(FOD)3。
【0066】
Ce前駆体:Ce(N(SiMe3)2)3、Ce(N(iPr)2)3、Ce(N(tBu)SiMe3)3)、Ce(TMPD)3、Ce(FOD)3、((iPr)Cp)3Ce、Cp3Ce、Ce(Me4Cp)3、Ce(OCMe2CH2NMe2)3)Ce(THD)3、Ce[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Ce(C11H19O2)3CH3(OCH2CH3OCH3、Ce(C11H19O2)3CH3(OCH2CH2)4OCH3、Ce(O(iPr))3及びCe(acac)3。
【0067】
Pr前駆体:Pr(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Pr、Cp3Pr、Pr(THD)3、Pr(FOD)3、(C5Me4H)3Pr、Pr[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Pr(C11H19O2)3CH3(OCH2CH2)3OCH3、Pr(O(iPr))3、Pr(acac)3、Pr(hfac)3、Pr(((tBu)2N)2CMe)3)、Pr(((iPr)2N)2CMe)3、Pr(((tBu)2N)2C(tBu))3、 及びPr(((iPr)2N)2C(tBu))3。
【0068】
Nd前駆体:Nd(N(SiMe3)2)3、Nd(N(iPr)2)3、((iPr)Cp)3Nd、Cp3Nd、(C5Me4H)3Nd、Nd(THD)3、Nd[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Nd(O(iPr))3、Nd(acac)3、Nd(hfac)3、Nd(F3CC(O)CHC(O)CH3)3、及びNd(FOD)3。
【0069】
Sm前駆体:Sm(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Sm、Cp3Sm、Sm(THD)3、Sm[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Sm(O(iPr))3、Sm(acac)3、及び(C5Me5)2Sm。
【0070】
Eu前駆体:Eu(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Eu、Cp3Eu、(Me4Cp)3Eu、Eu(THD)3、Eu[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Eu(O(iPr))3、Eu(acac)3、及び(C5Me5)2Eu。
【0071】
Gd前駆体:Gd(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Gd、Cp3Gd、Gd(THD)3、Gd[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Gd(O(iPr))3、及びGd(acac)3。
【0072】
Tb前駆体:Tb(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Tb、Cp3Tb、Tb(THD)3、Tb[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Tb(O(iPr))3及びTb(acac)3。
【0073】
Dy前駆体:Dy(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Dy、Cp3Dy、Dy(THD)3、Dy[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Dy(O(iPr))3)、Dy(O2C(CH2)6CH3)3及びDy(acac)3。
【0074】
Ho前駆体:Ho(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Ho、Cp3Ho、Ho(THD)3、Ho[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Ho(O(iPr))3、及びHo(acac)3。
【0075】
Er前駆体:Er(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Er、((nBu)Cp)3Er、Cp3Er、Er(THD)3、Er[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Er(O(iPr))3、及びEr(acac)3。
【0076】
Tm前駆体:Tm(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Tm、Cp3Tm、Tm(THD)3、Tm[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Tm(O(iPr))3、及びTm(acac)3。
【0077】
Yb前駆体:Yb(N(SiMe3)2)3、Yb(N(iPr)2)3、((iPr)Cp)3Yb、Cp3Yb、Yb(THD)3、Yb[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Yb(O(iPr))3、Yb(acac)3、(C5Me5)2Yb、Yb(hfac)3、及びYb(FOD)3。
【0078】
Lu前駆体:Lu(N(SiMe3)2)3、((iPr)Cp)3Lu、Cp3Lu、Lu(THD)3、Lu[OOCCH(C2H5)C4H9]3、Lu(O(iPr))3)及びLu(acac)3。
【0079】
上記前駆体において、以下に示される前駆体同様、次の共通の略語が用いられる。Si:シリコン;Me:メチル;Et:エチル;iPr:イソプロピル;nPr:n−プロピル;Bu:ブチル;nBu:n−ブチル;sBu:sec−ブチル;iBu:iso−ブチル;tBu:tert−ブチル;Cp:シクロペンタジエニル;THD:2、2、6、6−テトラメチル−3、5−ヘプタンジオネート;TMPD:2、2、6、6−テトラメチルピペリジド;acac:アセチルアセトネート;hfac:ヘキサフルオロアセチルアセトネート及びFOD:6、6、7、7、8、8、8−ヘプタフルオロ−2、2−ジメチル−3、5−オクタンジオネート。
【0080】
図6Aを参照する。酸素含有ガス供給システム46は前記プロセスチャンバ10へ酸素含有ガスを導入するために構成される。酸素含有ガスには、限定されるものではないが、O2、水(H2O)又はパーオキシド(H2O2)又はこれらの組み合わせ、及び場合によりArなどの不活性ガスを含む。同じく、窒素含有ガス供給システム48は前記プロセスチャンバ10へ窒素含有ガスを導入するために構成される。窒素含有ガスには、限定されるものではないが、アンモニア(NH3)、ヒドラジン(N2H4)及びC1〜C10アルキルヒドラジン化合物を含む。共通のC1及びC2アルキルヒドラジン化合物には、モノメチル−ヒドラジン(MeNHNH2)、1、1−ジメチル−ヒドラジン(Me2NNH2)及び1、2−ジメチル−ヒドラジン(MeNHNHMe)が挙げられる。本発明のひとつの実施態様において、酸素及び窒素含有ガスは、例えばNO、NO2又はN2O又はこれらの組み合わせで使用され得る。また場合によりArなどの不活性ガスを含んでいてよい。
【0081】
本発明の実施態様においては、high−k膜にシリコンを導入するために広い種類のシリコン前駆体を使用することができる。該シリコン前駆体には、限定されるものではないが、シラン(SiH4)、ジシラン(Si2H6)、モノクロロシラン(SiCIH3)、ジクロロシラン(SiH2CI2)、トリクロロシラン(SiHCl3)、ヘキサクロロジシラン(Si2CI6)、ジエチルシラン(Et2SiH2)、テトラ−エチルオルトシリケート(TEOS、 Si(OCH2CH3)4)及びアルキルアミノシラン化合物が挙げられる。アルキルアミノシラン化合物には、限定されないが、ジ−イソプロピルアミノシラン(H3Si(NPr2))、ビス(tert−ブチルアミノ)シラン((C4H9(H)N)2SiH2)、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン(Si(NMe2)4)、 テトラキス(エチルメチルアミノ)シラン(Si(NEtMe)4)、テトラキス(ジエチルアミノ)シラン(Si(N Et2)4)、トリス(ジメチルアミノ)シラン(HSi(NMe2)3)、トリス(エチルメチルアミノ)シラン(HSi(NEtMe)3)、トリス(ジメチルアミノ)シラン(HSi(NEt2)3)及びトリス(ジメトルヒドラジノ)シラン(HSi(N(H)NMe2)3)、ビス(ジエチルアミノ)シラン(H2Si(NEt2)2)、ビス(ジ−イソプロピルアミノ)シラン(H2Si(NPr2)2)、トリス(イソプロピルアミノ)シラン(HSi(NPr2)3)、及び(ジ−イソプロピルアミノ)シラン(H3Si(NPr2)が挙げられる。
【0082】
図6Aを参照する。前記パージガス供給システム44はプロセスチャンバ10にパージガスを導入するために構成される。例えばパージガスの導入は次の際に行われ得る。前記プロセスチャンバ10への、第一の前駆体及び第二の前駆体のパルスの導入の間、及び酸素含有ガスの導入、窒素含有ガスの導入又は酸素及び窒素含有ガスの導入の間などである。前記パージガスは不活性ガスであり、例えば希ガス(即ちHe、Ne、Ar、Kr、Xe)、窒素ガス又は水素ガス(H2)が挙げられる。
【0083】
さらに、プロセスシステム1は、前記基板ホルダ20と結合される基板温度制御システム60を含み、基板22の温度を上昇させ、制御するために構成される。基板温度制御システム60は、温度制御エレメント、例えば冷却システムを含む。該冷却システムは、再循環冷媒流を含み、該冷媒流は、基板ホルダ20から熱を受け取り、熱を熱交換装置(図示されていない)に移動させ、又加熱の際には前記熱交換装置から熱を移動させる。さらに、前記温度制御エレメントは、加熱/冷却エレメントを含む。例えば抵抗加熱エレメント、又は熱電気ヒータ/クーラなどであり、これらは前記基板ホルダ20内に含まれることができる。また同様にこれらは、前記プロセスチャンバ10のチャンバ壁や、プロセスシステム1の全ての他のコンポーネント内に含まれることができる。基板温度制御システム60は、例えば、基板温度を約350℃から約550℃に上昇させて制御するために構成される。又は、前記基板温度は約150℃から約350℃に制御され得る。理解されるべきは、基板温度は、与えられた基板の表面上に具体的な絶縁材料の堆積を生じさせるために好ましい温度に基づいて選択され得る、ということである。
【0084】
基板22及び基板ホルダ20間の熱伝達を改良するために、基板ホルダ20は機械的クランプシステム又は電気的クランプシステム(例えば静電クランプシステム)を含み、基板22を基板ホルダ20の上部に固定する。さらに、基板ホルダ20はさらに、基板背面ガス輸送システムを含み、基板22の背面にガスを導入して基板22及び基板ホルダ20間のガスギャップ熱伝導性を改良するために構成される。該システムは、前記基板温度制御が温度上昇又は温度減少を要求される際に使用され得る。例えば、基板背面ガスシステムは、2ゾーンガス輸送システムを含み、前記ヘリウムガスギャップ圧力を独立して、前記基板22の中心部と端部の間で変更し得る。
【0085】
さらに、前記プロセスチャンバ10はさらに、真空ポンプシステム34及びバルブ36を含みダクト38を通じる圧力制御システム32と結合される。該圧制御システム32は前記プロセスチャンバ10を基板22上に薄膜形成させ、及び前記第一及び第二のプロセス材料の使用に適する圧力に減圧制御する。真空ポンプシステム34はターブ分子真空ポンプ(TMP)又は低温ポンプを含む。該ポンプは、ポンプ速度が約5000リットル/秒(又はそれ以上)であり、バルブ36は前記チャンバ圧力調節するためのゲートバルブを含むことができる。さらに、チャンバ圧力をモニタする装置(図示されていない)がプロセスチャンバ10に結合されている。前記圧力盛業使用2は、例えば、high−k膜堆積の際に、前記プロセスチャンバ圧力を約0.1Torr及び約100Torrの間に制御するために構成され得る。
【0086】
第一の前駆体供給システム40、第二の前駆体供給システム42、パージガス供給システム44、酸素含有ガス供給システム46、窒素含有ガス供給システム48及び追加のガス供給システム50は、ひとつ又はそれ以上の圧力制御装置、ひとつ又はそれ以上の流量制御装置、ひとつ又はそれ以上のフィルタ、ひとつ又はそれ以上のバルブ及び/又はひとつ又はそれ以上の流れセンサを含むことができる。流量制御装置には、空気圧駆動バルブ、電気機械式(ソレノイド)バルブ及び/又は高速度パルスガス注入バルブなどが含まれる。本発明の実施態様により、ガスは連続的に又は交互にプロセスチャンバ10にパルス状に送られ、それぞれのガスパルスの長さは、例えば、約0.1秒及び約100秒の間である。又は、それぞれのガスパルスの長さは約1秒及び100秒の間である。前駆体ガスの例示的ガスパルス長さは、約0.3秒と3秒の間、例えば1秒である。酸素含有ガス、窒素含有ガス及び酸素と窒素含有ガスの例示的ガスパルス長さは、約0.3秒と3秒の間、例えば1秒である。パージガスの例示的ガスパルス長さは、約1秒と20秒の間、例えば3秒である。パルスガス注入システムの例は、出願継続中の米国特許出願公開No.2004/0123803に記載されている。
【0087】
図6Aを参照する。制御装置70はマイクロプロセッサ、メモリ及びデジタルI/Oポートを含み、制御電圧を生成してプロセスシステム1と交信し入力を開始し、同様に前記プロセスシステム1からのデータをモニタすることを可能とする。さらに、前記制御装置70は前記プロセスチャンバ10、基板ホルダ20、上部アセンブリ30、第一の前駆体供給システム40、第二の前駆体供給システム42、パージガス供給システム48、追加ガス供給システム50、基板温度制御装置60、及び圧力制御装置32と接続され情報を交換する。例えば、前記メモリに記憶されたプログラムは、堆積プロセスを実行するためにプロセス手順に従いプロセスシステム1の上記コンポーネントに入力を開始させるために使用され得る。
【0088】
図6Bは、プロセスシステム2を示し、ALD及びCVDプロセスの実施可能に加えてPEALD又はPECVDプロセスを実施するために構成され得る。使用のプラズマプロセスは図6Aで記載されたプロセス1と類似している。しかしさらに、前記プロセスチャンバ10内で少なくとも一部のガス暴露の際にプラズマを生成するように構成される。これにより、O2、H2O、H2O2又はそれらの混合物を含む酸素含有ガスからオゾン及びプラズマ励起酸素の形成を可能にする。同様にN2、NH3又はN2H4又はC1〜C10アルキルヒドラジン化合物又はこれらの組み合わせ物をから、プラズマ励起窒素を形成することができる。
【0089】
さらに、プラズマ励起酸素及び窒素は、NO、NO2及びN2O又はこれらの混合物から形成され得る。プラズマ生成システムは、前記プロセスチャンバ10と結合され及び前記プロセスチャンバ10へ導入されるガスへ電力をカップルさせるように構成される第一の電源52を含む。前記第一の電源52は変更可能な電源であり、ラジオ周波数(RF)発生装置とインピーダンスマッチネットワークを含むことができ、さらに、プロセスチャンバ10で前記プラズマとカップルされるRFパワーが通じる電極を含むことができる。前記電極は、前記上部アセンブリで形成され、前記基板ホルダ20に対向するように構成され得る。インピーダンスマッチネットワークは、前記RF発生装置からプラズマへRFパワーの伝達を最適化するように構成され得る。それは、前記マッチネットワークの出力インピーダンスと前記プロセスチャンバ(前記電極及びプラズマを含む)の入力インピーダンスをマッチさせることによる。例えば前記インピーダンスマッチネットワークは、プロセスチャンバ10内のプラズマへのパワーの伝達を、前記反射パワーを低減することで改良するために供される。マッチネットワークトポロジ(例えば、Lタイプ、T−タイプなど)及び自動制御方法がまた、当業者には知られている。
【0090】
又は、前記第一の電源52は、RF発生装置及びインピーダンスマッチネットワークを含むことができ、またさらに、例えば誘導コイルなどのアンテナを含むことができ、それを通じてRFパワーがプロセスチャンバ10内でプラズマとカップルされる。前記アンテナは、例えば、ヘリカル又はセレノイドコイルを含み、例えば誘導カップルプラズマ源又はヘリコン源などを含み、又は例えば、トランスフォーマーカップルプラズマ源内と同様のフラットコイルを含むことができる。
【0091】
又は前記第一の電源52は、マイクロ波周波数発生装置を含むことができ、及びさらに、マイクロ波アンテナ及びマイクロ波ウインドウを含み、これを通じてマイクロ波パワーがプロセスチャンバ10内でプラズマとカップルする。マイクロ波パワーのカップルは電子サイクロトロン共鳴(ECR)技術により達成され得る。又は、表面波プラズマ技術、例えばスロットプレーンアンテナ(SPA)などを用いて適用され得る。これについては米国特許No.5、024、716に記載されており、その内容は参照されて本明細書の一部となる。
【0092】
本発明のひとつの実施態様によると、プラズマプロセスシステム2は、基板バイアス発生装置を含む。基板バイアス発生装置は、前記プロセスチャンバ10への少なくとも一部のガスを交互導入する際にプラズマを発生させるか又はプラズマ発生を補助する(基板ホルダバイアスを通じて)ために構成される。前記基板バイアスシステムは、プロセスチャンバ10と結合される基板電源54を含み、かつ前記基板22とパワーをカップルするように構成される。前記基板版電源54は、RF発生装置及びインピーダンスマッチネットワークを含む。またさらに、基板22へカップルするRFパワーが通じる電極を含むことができる。前記電極は基板ホルダに形成され得る。例えば、基板ホルダ20は、基板ホルダ20へのインピーダンスマッチネットワーク(図示されていない)を通じてRF発生装置(図示されていない)からRFパワーの伝達を介してRF電圧で電気的にバイアスされ得る。通常のRFバイアスのための周波数は、約0.1MHzから約100MHzの間で変動可能の薄膜であり、例えば13.56MHzである。プラズマプロセスのためのRFバイアスは当業者には知られている。又は、RFパワーが複数の周波数で前記基板ホルダ電極に適用される。プラズマ発生装置システム及び前記基板バイアスシステムは図6Bには別の存在として記載されているが、これらは基板ホルダ20とカップルするひとつ又はそれ以上の電源を実際に含みことができる。
【0093】
さらに、前記プラズマプロセスシステム2は、リモートプラズマシステム56を含むことができ、前記基板22が暴露されるプロセスチャンバ10内に前記プラズマ励起ガスを流す前に、遠隔的に酸素含有ガス、窒素含有ガス、又はそれらの組み合わせ物を提供しかつプラズマ励起させる。遠隔プラズマシステム56は、例えば、マイクロ波周波数発生装置を含むことができる。前記プロセスチャンバ圧力は、約0.1Torr及び約10Torrの間、又は約0.2Torr及び約3Torrの間である。
【0094】
低減された等価酸化物厚さを持つゲート絶縁性スタックを形成する複数の実施態様が種々の実施態様において開示されてきた。本発明の実施態様についての記載は、例示及び説明のためになされている。これらは、本発明を開示された正確な形に制限又は限定する意図はない。これまでの説明及び続く特許請求の範囲で使用される用語は、説明する意図で使用され、限定的に解釈される意図で使用されるものではない。例えばここで(特許請求の範囲も含む)使用される用語「の上」は、基板の「上」の膜が直接及び間接的に前記基板に直に接触するということを要求するものではなく、前記膜及び基板の間に第二の膜又は構造が存在していてもよいことを意味する。
【0095】
当業者であれば、上記教示に照らして多くの変更及び変法が可能であることは理解する。当業者であれば、図に示される種々のコンポーネントの種々の均等組み合わせ物及び置換物を理解することができる。従って、本発明の範囲が該詳細な説明によっては限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によるものであることが意図される。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【公表番号】特表2012−522379(P2012−522379A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502226(P2012−502226)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/028597
【国際公開番号】WO2010/111453
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/028597
【国際公開番号】WO2010/111453
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]