説明

半導体モジュール及び半導体モジュールの製造方法

【課題】絶縁信頼性の低下を抑制しつつ放熱性の向上が図られた半導体モジュールと、絶縁信頼性の低下を抑制しつつ放熱性に優れた半導体モジュールを製造しうる半導体モジュールの製造方法の提供を課題としている。
【解決手段】上面側に半導体素子が搭載されているヒートスプレッダを有し、該ヒートスプレッダの下面に樹脂組成物によって形成されている絶縁層が接着されており、該絶縁層の下面に金属シートによって形成されている金属シート層が接着され、該金属シート層の下面を露出させて前記半導体素子及び前記ヒートスプレッダを覆う樹脂モールドが施されている半導体モジュールであって、前記金属シート層は、前記絶縁層が前記ヒートスプレッダの下面を覆う面積よりも小面積となるように形成されて前記ヒートスプレッダの下面中央部に配されており、前記樹脂モールドが、前記金属シート層の外側において前記絶縁層の下面に接着し、前記ヒートスプレッダを下面側から被覆していることを特徴とする半導体モジュールなどを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上面側に半導体素子が搭載されているヒートスプレッダを有し、該ヒートスプレッダの下面に樹脂組成物によって形成されている絶縁層が接着されており、該絶縁層の下面に金属シートによって形成されている金属シート層が接着され、該金属シート層の下面を露出させて前記半導体素子及び前記ヒートスプレッダを覆う樹脂モールドが施されている半導体モジュールとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子が樹脂モールドされた半導体モジュールが広く用いられており、この半導体素子は、通電時において発熱を伴うことから、ジャンクション温度が一定以上に上昇することを防止すべく各種の放熱手段が講じられている。
一般的には、ヒートスプレッダと呼ばれる半導体素子からの発熱をすばやく奪い去るための部材が半導体素子に接触する状態でモジュール内に備えられている。
そして、このヒートスプレッダは、通常、金属製のブロックが用いられて形成されており、その内部に半導体素子からの発熱をすばやく拡散し得るように形成されてはいるもののこのヒートスプレッダ自体が高温になると半導体素子から熱を奪い去ることができなくなる。
したがって、放熱フィンなどの外部部材を半導体モジュールに取り付けてヒートスプレッダの熱を大気中などモジュール外に放散することを促進させる方法が広く行われている。
【0003】
ここでヒートスプレッダと放熱フィンとの間の熱抵抗値を低減させることが半導体モジュールの放熱には有利となるが、一方で、このヒートスプレッダと放熱フィンとの間には安全性のために絶縁性を確保することが求められる。
このことから、ヒートスプレッダの半導体素子が搭載されている側とは逆側の面に接する絶縁層を形成させ、しかも、この絶縁層を無機物粒子が高充填されて熱伝導性の向上が図られた樹脂組成物によって形成させて、この絶縁層を通じて外部に放熱しうるように形成された半導体モジュールが従来用いられたりしている。
なお、通常、無機物粒子を高充填させた樹脂組成物で形成されたシートは、単体では取り扱いに注意を要するほど脆くなってしまうことから、熱伝導性に優れた金属シートが支持材として用いられたりしており、例えば、特許文献1には、上面側に半導体素子が搭載されているヒートスプレッダの下面側に、上面側に絶縁層が積層された金属シートを接着させて、絶縁層と金属シート層とを有する半導体モジュールを作製することが記載されており、金属シート層の下面を露出させてヒートスプレッダ及び半導体素子を覆う樹脂モールドが施された半導体モジュールが記載されている。
【0004】
この半導体モジュールは、ヒートスプレッダの熱が前記絶縁層を通じて金属シート層に伝達されるように形成されており、しかも、この金属シート層の下面を半導体モジュールの下面において露出させていることから、この露出している金属シートに放熱フィンを面接させるなどして効率よくモジュール内部の熱を放熱させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−165281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この種の半導体モジュールは、絶縁層を構成する樹脂組成物の無機物粒子充填量を増大させたり、絶縁層の厚みを薄くさせたりすることで放熱性が向上されるが、一方で、絶縁層が割れやすくなって絶縁信頼性を低下させることになり、放熱性と絶縁性とをともに向上させることが困難な状況となっている。
【0007】
例えば、特許文献1に記載の半導体モジュールの場合には、ヒートスプレッダの下面よりも広大な面積を有する絶縁層付金属シートを接着させて形成されており、ヒートスプレッダよりも外側に、絶縁層や金属シート層をはみ出させた状態となっている。
その場合には、例えば、ヒートスプレッダと絶縁層との接着作業や、樹脂モールドの形成作業において、このヒートスプレッダの下面外周のエッジ部において絶縁層に曲げ応力やせん断力が加わりやすく、特に割れなどが発生して電気的信頼性を低下させやすい。
【0008】
このことを防止すべく、ヒートスプレッダの下面と同じか、または、小面積となる絶縁層付金属シートをヒートスプレッダに接着させて絶縁層と金属シート層とを形成させた場合には、例えば、金属シート層の外縁部において、ヒートスプレッダと金属シート層との間に電気絶縁性を確保することが難しくなる。
すなわち、図5に示すように、ヒートスプレッダから金属シート層までの沿面距離として、絶縁層の厚みしか確保されなくなり、この間の空間耐圧程度にしか電気絶縁性を期待することができなくなるおそれを有する。
【0009】
なお、この図5に示す半導体モジュールにおいては、樹脂モールドが絶縁層や金属シート層の端面と良好に接着していれば、この樹脂モールドによる絶縁性を期待することができるが、この絶縁層や金属シート層の端面というわずかな面積で樹脂モールドを接着させることは難しく、また、接着されたとしても不用意に剥離されるおそれを有することから絶縁信頼性を期待することが難しいことに変わりがない。
【0010】
すなわち、従来の半導体モジュールにおいては、絶縁信頼性を低下させることを抑制しつつ放熱性の向上を図ることが困難であるという問題を有している。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、絶縁信頼性の低下を抑制しつつ放熱性の向上が図られた半導体モジュールと、絶縁信頼性の低下を抑制しつつ放熱性に優れた半導体モジュールを製造しうる半導体モジュールの製造方法の提供を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記課題を解決すべく、上面側に半導体素子が搭載されているヒートスプレッダを有し、該ヒートスプレッダの下面に樹脂組成物によって形成されている絶縁層が接着されており、該絶縁層の下面に金属シートによって形成されている金属シート層が接着され、該金属シート層の下面を露出させて前記半導体素子及び前記ヒートスプレッダを覆う樹脂モールドが施されている半導体モジュールであって、前記金属シート層は、前記絶縁層が前記ヒートスプレッダの下面を覆う面積よりも小面積となるように形成されて前記ヒートスプレッダの下面中央部に配されており、前記樹脂モールドが、前記金属シート層の外側において前記絶縁層の下面に接着し、前記ヒートスプレッダを下面側から被覆していることを特徴とする半導体モジュールを提供する。
【0012】
また、本発明は、前記課題を解決すべく、上面側に半導体素子が搭載されているヒートスプレッダを有し、該ヒートスプレッダの下面に樹脂組成物によって形成されている絶縁層が接着されており、該絶縁層の下面に金属シートによって形成されている金属シート層が接着され、該金属シート層の下面を露出させて前記半導体素子及び前記ヒートスプレッダを覆う樹脂モールドが施されている半導体モジュールを作製する半導体モジュールの製造方法であって、前記樹脂モールドを前記金属シート層の外側において前記ヒートスプレッダを下面側から被覆している状態となるように形成させるべく、前記ヒートスプレッダの下面よりも小面積となる前記金属シート層を前記ヒートスプレッダの下面中央部に位置させて前記樹脂モールドを形成させ、しかも、前記樹脂モールドを前記金属シート層の外側において前記絶縁層の下面に接着させるべく、前記絶縁層よりも小面積となるように前記金属シート層を形成させて、該金属シート層の周囲に前記絶縁層の下面を露出させた状態で前記樹脂モールドを形成させることを特徴とする半導体モジュールの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の半導体モジュールは、絶縁層がヒートスプレッダの下面を覆う面積よりも小面積となるように金属シート層が形成されており、しかも、前記ヒートスプレッダの下面中央部に配されている。
すなわち、金属シート層よりも外側に絶縁層を広がらせていることから、この絶縁層の広がっている分だけ、ヒートスプレッダから金属シート層までの沿面距離が確保されている。
加えて、絶縁層の下面と樹脂モールドとが接着されていることから、この間の絶縁信頼性がさらに向上されうる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】一実施形態の半導体モジュールの構造を示す断面図。
【図2】絶縁層の一形成方法を示す側面図。
【図3】半導体モジュールの製造に用いる装置の内部の様子を示す側面図。
【図4】絶縁層の他の形成方法を示す側面図。
【図5】本発明外の半導体モジュールの構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る半導体モジュールの断面を示した図であり、この図1にも示されているように本実施形態の半導体モジュール1は、上面側に半導体素子50が搭載されているヒートスプレッダ30の下面と金属シート層20の上面とにそれぞれ接着された絶縁層10を有し、前記金属シート層20は、前記ヒートスプレッダ30の下面中央部に位置するように前記絶縁層10を介して接着されている。
そして、本実施形態に係る半導体モジュールにおいては、前記金属シート層20の下面が露出されており、前記半導体素子50及び前記ヒートスプレッダ30を覆う樹脂モールド90が施されている。
【0016】
そして、前記金属シート層20は、前記絶縁層10が前記ヒートスプレッダ30の下面を覆う面積よりも小面積となるように形成されていることから、前記樹脂モールド90は、金属シート層20の外側において、ヒートスプレッダ30を下面側から被覆している。
また、前記樹脂モールド90は、金属シート層20の外側において、前記絶縁層10の下面に接着された状態でヒートスプレッダ30を下面側から被覆している。
【0017】
前記ヒートスプレッダ30は、銅などの金属によって形成された厚板から、上面視矩形に切り出されたものであり、その平面方向が水平方向となるように半導体モジュール1内に収容されており、上面側中央部に前記半導体素子50がハンダ40で固定されて搭載されている。
前記半導体素子50は、前記ヒートスプレッダ30に比べて小さなものであり、本実施形態においては、ベアチップの状態で、ヒートスプレッダ30に搭載されている。
そして、本実施形態の半導体モジュール1の外殻をなすケース80を貫通して内外に延びるリードフレーム70の端子部にボンディングワイヤ60の一端部がボンディングされ、該ボンディングワイヤ60の他端部が半導体素子50の上面にボンディングされている。
このリードフレーム70に設けられた他の端子部は、前記半導体素子50の周囲において露出する前記ヒートスプレッダ30の上面に対してハンダ付けされており、本実施形態における半導体モジュール1においては、ボンディングワイヤ60がボンディングされている端子部と対電極を構成している。
すなわち、本実施形態における半導体モジュール1は、このヒートスプレッダ30自体に通電が行われるように形成されている。
【0018】
前記金属シート層20は、銅やアルミニウムなどの金属シート20aによって形成されており、例えば、10〜300μm厚みの箔、又は300μmを超える厚みを有する板が用いられて形成されている。
そして、その上面視における形状が、前記ヒートスプレッダ30の下面よりも小面積の矩形状となるように形成されており、該金属シート層20は、前記ヒートスプレッダ30の下面中央部に位置するように前記絶縁層10を介して接着されている。
【0019】
前記ヒートスプレッダ30と前記金属シート層20とを接着させるべくこれらの間に配されている前記絶縁層10は、無機物粒子が高充填された樹脂組成物によって形成されており、前記ヒートスプレッダ30の下面と略同面積なる大きさに形成されている。
より具体的には、前記ヒートスプレッダ30の下面に接する層11(以下「第一絶縁層11」ともいう)と、該第一絶縁層11の下面に接し且つ前記金属シート層20の上面に接する層12(以下「第二絶縁層12」ともいう)との2層構造を有し、この第一絶縁層11の上面視における形状が、ヒートスプレッダ30の下面と略同一となるように形成されている。
【0020】
そして、ヒートスプレッダ30の下面に相当する形状を有している第一絶縁層11が、その外縁をヒートスプレッダ30の下面外縁に沿わせた状態でヒートスプレッダ30の下面に接着されている。
一方で、前記第二絶縁層12は、金属シート層20の上面と略同一の上面視形状を有しており、金属シート層20の上面略全域を覆う状態で金属シート層20に接着されている。
【0021】
したがって、この第一絶縁層11と第二絶縁層12とによって形成されている絶縁層10は、金属シート層20の上面側だけが厚くなるように形成されており、その外側では、第二絶縁層12の厚み分だけ段落ちして厚みが薄くなっている。
すなわち、第一絶縁層11の厚みをt1、第二絶縁層12の厚みをt2とすると、金属シート層20の上面側の絶縁層10は(t1+t2)の厚みを有し、その周囲は、t1の厚みしか有していない。
【0022】
そして、前記第一絶縁層11の下面は、前記金属シート層20の外側において、前記樹脂モールド90と接着されている。
すなわち、上記に示した段落ち分の厚み(t2)と同じ厚みで樹脂モールド90がヒートスプレッダ30を下面側から被覆しており、半導体モジュールの下面においては、樹脂モールド90の下面と金属シート層20の下面とが略面一な状態となっている。
【0023】
なお、ヒートスプレッダ30の下面の面積に近づけると、沿面距離が短くなって電気的信頼性を低下させることになる。
このような点において、上記例示のようにヒートスプレッダ30の下面に相当する大きさの絶縁層10を形成させてヒートスプレッダ30の下面を露出させること無く被覆することが好ましく、前記金属シート層20は、沿面距離、すなわち、絶縁層10の外縁からの距離が2mm以上となるように形成させることが好ましい。
一方で、前記金属シート層20を、ヒートスプレッダ30の下面に対して小面積過ぎる状態に形成させた場合には、放熱に不利となる。
そのため、前記金属シート層20は、絶縁層10の外縁からの距離が5mm以下となるように形成させることが好ましい。
なお、電気的な信頼性を確保しつつ、金属シート層20に、より大きな面積を確保させること求められるようであれば、絶縁層10の外縁から2mm内側に金属シート層20の外縁が形成されるようにすればよい。
【0024】
先に述べたように、本実施形態においては、ヒートスプレッダ30に通電がなされることから絶縁層10に対する絶縁信頼性が強く求められるが、このようにヒートスプレッダ30の下面側に、2層構造の絶縁層が形成されることで、仮に、第一絶縁層11や第二絶縁層12のそれぞれにピンホールなどが形成されていたとしても、それらの形成位置が一致してヒートスプレッダ30の下面から、金属シート層20の上面までをも貫通するピンホールが形成されるおそれを十分低減させることができる。
この絶縁層10の上下の面をそれぞれヒートスプレッダ30の下面と金属シート層20の上面とにそれぞれ接着させる方法としては、特に限定されるものではないが、ヒートスプレッダ30の下面に第一絶縁層11を形成する工程と、金属シート層20を形成させるための金属シート20xの上面に第二絶縁層12を形成させる工程を実施した後に、第一絶縁層11の下面と第二絶縁層12の上面とを接着させる方法などが作業性に優れた手軽な方法として挙げられる。
【0025】
なお、ヒートスプレッダの下面よりも広大な面積を有する絶縁層と金属シート層とを形成させている前記特許文献1(特開2004−165281号公報)に示すような半導体モジュールにおいては、絶縁層と金属シート層の具体的な形成方法として、絶縁層付金属シートをヒートスプレッダの下面に接着させる方法が通常採用されている。
その場合には、ヒートスプレッダの下面外周のエッジ部において絶縁層を屈折させる方向に応力が加えられやすく、この部分において絶縁層の割れなどが発生して電気的信頼性を低下させやすい。
【0026】
一方で、上記のように第一絶縁層11を形成する工程と第二絶縁層12を形成させる工程とを実施する場合には、例えば、離型処理がされた樹脂フィルムなどの支持材の上に形成させた第一絶縁層11をヒートスプレッダ30の下面に接着させて転写させる方法などを採用した場合でも、この第一絶縁層11がヒートスプレッダの下面と略同形であるためヒートスプレッダのエッジ部30eによって第一絶縁層11に割れが発生するおそれが低く電気的信頼性が確保されやすい。
【0027】
また、第二絶縁層12を形成させた金属シート20xと、このヒートスプレッダ30の下面に接着させた第一絶縁層11とを積層する場合においても、第二絶縁層12が第一絶縁層11の中央部に当接されることから第二絶縁層12の外縁のエッジが第一絶縁層11に当接されることにはなるものの第二絶縁層12が、樹脂組成物によって形成されているため、従来の半導体モジュールにおいてヒートスプレッダのエッジが当接される場合とは違って、エッジ部に応力が集中することを抑制させ得る。
すなわち、本実施形態の半導体モジュール1は、絶縁層10の割れ防止を図ることができ、絶縁信頼性の向上を図り得る。
【0028】
また、絶縁層10の割れ防止を図ることができるため、該絶縁層10を形成する樹脂組成物に高熱伝導性を付与すべく無機物粒子を高充填させることができる。
さらに、樹脂モールド90に、この絶縁層10の形成に用いる樹脂組成物よりも誘電率の高い樹脂を用いるなどすれば、このエッジ部近傍に誘電率の高いモールド樹脂を存在させることによって電界強度を緩和させることができる。
したがって、このような態様とすることで、半導体モジュール1の絶縁信頼性をより一層向上させることができる。
この誘電率については、一般に用いられている誘電率測定装置を用いて、例えば、1MHzにおける測定を実施して求めることができる。
【0029】
そして、先にも述べたように、本実施形態の半導体モジュール1は、前記第一絶縁層11の下面と前記樹脂モールド90との間に接着面Aが形成されている。
この接着面Aにおいては、樹脂組成物によって形成されているものどうしでの接着が行われることから、樹脂モールド90とヒートスプレッダ30との間に比べて優れた接着力を発揮させやすい。
したがって、この接着面Aにおいて剥離が生じて、ヒートスプレッダ30のエッジ部30eから金属シート層20の外縁部にかけての沿面放電が発生するおそれも抑制させ得る。
【0030】
さらには、樹脂モールド90がヒートスプレッダ30の下面側にまで回り込んでいることから、半導体モジュール1におけるヒートスプレッダ30の固定が強固になされ、物理的な破壊も抑制されることとなる。
すなわち、樹脂モールドがヒートスプレッダの下面側にまで回り込んでいない場合においては、ヒートスプレッダの側面と樹脂モールドとの間に剥離が発生した場合、半導体モジュールからヒートスプレッダ部分が脱落することを防止する抑止力を、主としてヒートスプレッダの上面側における接着力に依存することになるが、本実施形態にかかる半導体モジュール1は、樹脂モールド90がヒートスプレッダ30の下面側にまで回り込んでおり、しかも、第一絶縁層11の下面と強固に接着されているため、仮に、ヒートスプレッダ30の側面と樹脂モールド90との間に剥離が発生した場合であっても、ヒートスプレッダ30の脱落防止を十分抑制させ得る。
【0031】
すなわち、本実施形態における半導体モジュール1は、絶縁信頼性のみならず、物理的な強度における信頼性においても、従来の半導体モジュールに比べて優れたものであるといえる。
【0032】
なお、前記第一絶縁層11及び前記第二絶縁層12は、ヒートスプレッダ30の熱をすばやく金属シート層20の側に伝達させるべく無機物粒子をポリマー成分に高充填させた樹脂組成物によって形成されている。
【0033】
このポリマー成分としては、特に限定されるものではなく、一般に用いられている樹脂を単独、又は混合し、必要に応じてゴム成分などを加えて構成することができる。
この樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を例示でき、この内、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルアミドイミド樹脂、ポリエーテルアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂などが挙げられる。
前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
また、前記ゴムとしては、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体ゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、フッソゴム、クロロ・スルホン化ポリエチレン、ポリウレタンゴムなどが挙げられる。
【0034】
なかでも、絶縁層10の形成に用いるポリマー成分には、優れた接着性を示すと共に耐熱性にも優れていることからエポキシ樹脂を用いることが好適である。
しかも、常温固体のエポキシ樹脂が好ましい。
この常温固体のエポキシが好ましいのは、常温液体状のエポキシ樹脂を用いた場合には、金属シート層20とヒートスプレッダ30とを接着すべく絶縁層10を加熱するなどした際に、エポキシ樹脂の粘度が低下しすぎて、金属シート層20の端縁部から外にエポキシ樹脂が大きく滲み出してしまうおそれがあるためである。
このエポキシ樹脂の滲み出しが激しい場合には、例えば、金属シート層20の下面側など本来金属シート層20が露出しているべき箇所にエポキシ樹脂被膜を形成させ、放熱器との間の熱抵抗を増大させてしまうおそれがある。
【0035】
一方で、被着体(金属シート20a、ヒートスプレッダ30)への接着時にある程度の粘度低下が生じないと被着体と絶縁層10との間に空隙などが生じやすくヒートスプレッダ30側から金属シート層20側への熱伝導性を低下させるおそれもある。
絶縁層10を形成する樹脂組成物に適度な流れ性を付与して、これらの問題をより確実に抑制させ得る点において、このエポキシ樹脂としては、エポキシ当量450〜2000g/eqの常温固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、エポキシ当量160〜220g/eqの多官能の常温固体で87℃から93℃の間に軟化点を有するノボラック型エポキシ樹脂とが(ビスフェノールA型エポキシ樹脂/ノボラック型エポキシ樹脂)=40/60〜60/40となる質量比率で混合されているものを用いることが好ましい。
なお、このエポキシ当量は、JIS K 7236により求めることができる。
【0036】
このように、ポリマー成分としてエポキシ樹脂が樹脂組成物に含まれる場合においては、さらに、エポキシ樹脂の硬化剤、硬化促進剤を樹脂組成物に含有させて熱硬化性を付与することができる。
この硬化剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、トリエチレンテトラミンなどのアミン系硬化剤、フェノールノボラック樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、ナフタレン型フェノール樹脂、ビスフェノール系フェノール樹脂などのフェノール系硬化剤、酸無水物などを用いることができる。
中でも、電気特性における信頼性を確保し易い点において、フェノールノボラック樹脂、ジアミノジフェニルスルホンが好適である。
前記硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、イミダゾール類や、トリフェニルフォスフェイト(TPP)、三フッ化ホウ素モノエチルアミンなどのアミン系硬化促進剤が保存性などにおいて好適である。
【0037】
前記無機物粒子は、一般に無機フィラーなどと呼ばれて用いられているものを採用することができるが、中でも窒化ホウ素粒子は、熱伝導性に優れており好適に採用されうる。
しかも、窒化ホウ素の板状の一次粒子が凝集した粒子(凝集粒子)を用いることが好ましい。
この凝集粒子としては、全体顆粒状を呈する状態に形成された凝集粒子(顆粒状粒子)や窒化ホウ素の一次粒子の鱗片状構造が区別できる程度に集合された集合状態を呈する凝集粒子(集合状粒子)などを用いることができる。
【0038】
なお、前記樹脂組成物には、形成させる絶縁層10の厚みなどにもよるが、通常、10〜100μmの平均粒径を有する凝集粒子を含有させ得る。
なお、この“平均粒径”については、例えば、レーザー回折法での粒度分布測定などを実施してD50値を測定することにより求めることができる。
【0039】
また、前記無機成分としては、このような窒化ホウ素以外の物質(例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ガリウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、ダイヤモンド等)で形成された無機物粒子も含有させ得る。
【0040】
なお、絶縁層10を形成させる樹脂組成物に占める無機物粒子の含有量としては、絶縁層10の割れを防止する効果をより顕著に発揮させ得る点において、50%体積以上であることが好ましく、55体積%以上であることがより好ましい。
【0041】
また、ここでは詳述しないが、この絶縁層10を形成させる樹脂組成物には、上記のようなポリマー成分、無機物粒子など以外に、分散剤、粘着性付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、加工助剤、安定剤、消泡剤、難燃剤、増粘剤、顔料などといったゴム、プラスチック配合薬品として一般に用いられるものを適宜加えることができる。
【0042】
また、前記第一絶縁層11、第二絶縁層12をそれぞれ異なる樹脂組成物で構成することもできる。
なお、第一絶縁層11と、第二絶縁層12は、それぞれ、厚みをより薄くすることで、熱伝導性の向上を図ることができるものの、その場合には電気絶縁性を低下させることとなる。
このような点において、少なくとも、第一絶縁層11の厚みは、50μm以上であることが好ましい。
また、先に述べたように、絶縁層10の厚みを厚くすると熱伝導性を低下させることになるため、第一絶縁層11と第二絶縁層12との合計厚みは300μm以下であることが好ましい。
すなわち、第一絶縁層11及び第二絶縁層12は、それぞれ、50〜150μmのいずれかの厚みとされることが好ましい。
【0043】
次いで、上記のような半導体モジュール1を製造する製造方法についていくつかの例を挙げて説明する。
【0044】
まず、第一の製造方法について図2、図3を参照しつつ説明する。
本実施形態の半導体モジュール製造方法において、金属シート層20と絶縁層10とを形成させる方法としては、金属シート層20を形成させるための金属シート(例えば、銅箔)からなる長尺の帯状シートに絶縁層10を形成するための樹脂組成物をコーティングして被膜を形成させた後に、この被膜形成された帯状シートからヒートスプレッダ30の下面に相当する形状の切り出し片10xと、該切り出し片10xよりも小さく、金属シート層20に相当する形状となる切り出し片10yを切り出して、これらによって第一絶縁層11と第二絶縁層12を形成させる方法が挙げられる。
【0045】
すなわち、図2に示すように、前記切り出し片10xをヒートスプレッダ30の下面に熱接着させた後に、金属シート20aのみを剥離して、ヒートスプレッダ30の下面に第一絶縁層11を形成させた後に、金属シート層20に相当する形状の切り出し片10yをヒートスプレッダ30の下面中央部に接着させて第一絶縁層11と第二絶縁層12との積層構造を有する絶縁層10と金属シート層20とを作製することができる。
【0046】
より、詳しくは、例えば、エポキシ樹脂と窒化法素粒子とを含むエポキシ樹脂組成物などを調整し、これを溶媒に分散させて、適度な粘度を有するコーティング液を作製して絶縁層の形成のために樹脂組成物とすることができる。
そして、例えば、銅箔コイルを連続塗工機に掛けて、このコーティング液を塗工した後に乾燥させて被膜を形成し、この被膜形成された銅箔から、前記切り出し片10x、10yをそれぞれ切り出し、ヒートスプレッダ30の下面に前記切り出し片10xを熱プレス等で接着させ、銅箔を剥離することで第一絶縁層11を形成させた後に、第二絶縁層12を上面に有する金属シート20a(切り出し片10y)を熱プレス等によって接着させて積層構造を有する絶縁層10と金属シート層20とを形成させることができる。
そして、絶縁層10と金属シート層20とを形成させた状態で、例えば、図3に示すような装置を用いて溶融状態のモールド樹脂を用いて半導体素子を覆うとともにヒートスプレッダ30を下面側から覆う樹脂モールド90を形成させることができる。
【0047】
この図3は、樹脂モールドを形成させるための装置ならびに樹脂モールドが施される前の半導体モジュールを側面から見た様子を示す側面図であり金型Z内に収容したケース80にヒートスプレッダ30などを収めてモールド樹脂Mにより樹脂モールド90を形成させるためのものである。
このような装置を用いる具体例としては、例えば、金型Zの底面に、絶縁層10と金属シート層20とが下面側に形成され、上面側に半導体素子50が搭載されたヒートスプレッダ30を収容し、その他、ケース80やリードフレーム70なども金型Z内の所定位置に収容させて、モールド樹脂Mの流入圧力がヒートスプレッダ30の上面側から下面側に向けて作用するようにしてモールド樹脂Mを充填させる方法が挙げられる。
なお、このとき金属シート層20の下面は、金型Zの底面に接していることから、この部分には、モールド樹脂Mが回り込まずに、金属シート層20の下面を露出させた状態で樹脂モールド90を形成させることができる。
また、この金属シート層20の外側においては、絶縁層10を構成している第一絶縁層11の下面が露出していることから、この状態でモールド樹脂Mを充填することで、第一絶縁層11の下面に接着された樹脂モールド90を形成させることができる。
【0048】
なお、このモールド樹脂Mの充填においてモールド樹脂Mの流入圧力がヒートスプレッダ30を下向きに押し付けるように作用することになるが、先にも述べたように、その圧力によって絶縁層10に割れなどが発生するおそれは低く、電気的信頼性の低下が抑制された状態で半導体モジュール1を作製することができる。
したがって、絶縁層を構成する樹脂組成物に、窒化ホウ素粒子を50体積%以上高充填した熱伝導性に優れたエポキシ樹脂組成物などを採用したとしても、この絶縁層に割れなどが生じることが抑制され、絶縁信頼性が確保される。
【0049】
ここでは、予め、ヒートスプレッダ30と第一絶縁層11、第一絶縁層11と第二絶縁層12、第二絶縁層12と金属シート層20とがそれぞれ接着されている状態でモールド樹脂Mを充填する場合を例示しているが、このような方法に限らず、例えばヒートスプレッダ30と第一絶縁層11や第一絶縁層11と第二絶縁層12とが単に接している状態であり、分離可能な状態で積層されている状態でモールド樹脂Mを充填し、このモールド樹脂Mの熱と圧力とによってこれらを接着一体化させる方法を採用してもよい。
【0050】
また、上記方法では、第一絶縁層11を形成させるための切り出し片10xと、第二絶縁層12ならびに金属シート層20を形成させるための切り出し片10yとを共通の部材から切り出す事例を示しているが、例えば、これらを別々の部材から切り出しても良い。
例えば、第一絶縁層11を形成させるための切り出し片10xは、金属シート20aを後から剥離することになるため、銅箔ではなく、離型処理がなされたポリマーフィルムのようなものを用いてヒートスプレッダ30への接着後の剥離を容易なものとすることも可能である。
【0051】
また、上記の方法に代えて、図4に示すような第二の製造方法を採用することもできる。
この第二の製造方法においては、第一絶縁層11の形成のためにポリマーフィルム上に前記エポキシ樹脂組成物が用いられてなる被膜を形成し、この被膜形成されたポリマーフィルムから、第一絶縁層11を形成させるための切り出し片10zを作製するとともに、第一の製造方法と同様に銅箔を基材とした小形の切り出し片10yを作製する。
そして、この第一絶縁層11を形成させるための切り出し片10zの中央部に切り出し片10yを熱プレスなどで接着させた後に、第一絶縁層11を形成させるための切り出し片10zの基材フィルム20bを剥離し、第一絶縁層11/第二絶縁層12/金属シート層20の積層された積層体を作製し、これを第一の製造方法と同様に図3に示す装置の金型Zにヒートスプレッダ30などとともにセットして半導体モジュール1を作製することができる。
【0052】
さらに、要すれば、第二絶縁層12を第二の製造方法における第一絶縁層11と同様にポリマーフィルム上に形成し、第一絶縁層11、第二絶縁層12、及び金属シート層20を作製するための金属シート20aをそれぞれ別々に作製しておいて、ヒートスプレッダ30に順次接着した後に樹脂モールド90を形成させる方法や、これらを分離可能な状態のまま金型にセットして、樹脂モールド90の形成とともに接着一体化させる方法を採用しても良い。
【0053】
なお、上記には、絶縁層を2層構造とする場合を例に、半導体モジュール及びその製造方法を説明しているが、例えば、3層以上の積層構造とすることもでき、逆に、単層であってもよい。
また、本実施形態において例示した周囲が薄く中央部が厚い、段落ち構造が形成された絶縁層を形成させるべく、インジェクション成形などによって中央部の厚みが厚く、その周囲の厚みが薄いシートを形成させて、これを絶縁層の形成に用いるような態様も採用可能である。
また、金属シート層の形成には銅箔以外にアルミニウム板など種々の金属シートを採用することができる。
さらには、従来半導体モジュールにおいて公知の技術事項を本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて適宜採用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 半導体モジュール
10 絶縁層
11 第一絶縁層
12 第二絶縁層
20 金属シート
30 ヒートスプレッダ
40 ハンダ
50 半導体素子
60 ボンディングワイヤ
70 リードフレーム
80 ケース
90 樹脂モールド
M モールド樹脂
P 樹脂モールド装置
Z 金型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面側に半導体素子が搭載されているヒートスプレッダを有し、該ヒートスプレッダの下面に樹脂組成物によって形成されている絶縁層が接着されており、該絶縁層の下面に金属シートによって形成されている金属シート層が接着され、該金属シート層の下面を露出させて前記半導体素子及び前記ヒートスプレッダを覆う樹脂モールドが施されている半導体モジュールであって、
前記金属シート層は、前記絶縁層が前記ヒートスプレッダの下面を覆う面積よりも小面積となるように形成されて前記ヒートスプレッダの下面中央部に配されており、前記樹脂モールドが、前記金属シート層の外側において前記絶縁層の下面に接着し、前記ヒートスプレッダを下面側から被覆していることを特徴とする半導体モジュール。
【請求項2】
前記絶縁層は、前記ヒートスプレッダの下面に相当する形状を有して該下面に接着している第一絶縁層と、前記金属シート層の上面に相当する形状を有して該上面に接着している第二絶縁層とを有する積層構造を有しており、前記金属シート層が前記第一絶縁層よりも小面積となるように形成されて前記ヒートスプレッダの下面中央部に配され、前記樹脂モールドに前記第一絶縁層の下面を接着させている請求項1記載の半導体モジュール。
【請求項3】
前記樹脂モールドを形成させるためのモールド樹脂に、前記絶縁層を形成している樹脂組成物よりも誘電率の高い樹脂組成物が用いられている請求項1又は2に記載の半導体モジュール。
【請求項4】
上面側に半導体素子が搭載されているヒートスプレッダを有し、該ヒートスプレッダの下面に樹脂組成物によって形成されている絶縁層が接着されており、該絶縁層の下面に金属シートによって形成されている金属シート層が接着され、該金属シート層の下面を露出させて前記半導体素子及び前記ヒートスプレッダを覆う樹脂モールドが施されている半導体モジュールを作製する半導体モジュールの製造方法であって、
前記樹脂モールドを前記金属シート層の外側において前記ヒートスプレッダを下面側から被覆している状態となるように形成させるべく、前記ヒートスプレッダの下面よりも小面積となる前記金属シート層を前記ヒートスプレッダの下面中央部に位置させて前記樹脂モールドを形成させ、しかも、前記樹脂モールドを前記金属シート層の外側において前記絶縁層の下面に接着させるべく、前記絶縁層よりも小面積となるように前記金属シート層を形成させて、該金属シート層の周囲に前記絶縁層の下面を露出させた状態で前記樹脂モールドを形成させることを特徴とする半導体モジュールの製造方法。
【請求項5】
前記ヒートスプレッダの下面に、該下面に相当する形状の第一絶縁層を形成させる工程と、該第一絶縁層よりも面積の小さな金属シートの上面に、該上面に相当する形状の第二絶縁層を形成させる工程とを実施した後に、前記ヒートスプレッダの下面中央部において、前記第一絶縁層と前記第二絶縁層とを積層させて前記絶縁層を形成させるとともに前記金属シートによって前記金属シート層を形成させる積層工程を実施し、該金属シート層の周囲に前記第一絶縁層の下面を露出させて前記樹脂モールドを形成させることにより該樹脂モールドを前記第一絶縁層の下面に接着させる請求項4記載の半導体モジュールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−287827(P2010−287827A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−142165(P2009−142165)
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【出願人】(000190611)日東シンコー株式会社 (104)
【Fターム(参考)】