半導体材料を含むSLM構造
本発明の一観点は、静電アクチュエータを有するマイクロミラー・デバイスの偏向のドリフトに対する安定化方法において、前記マイクロミラーと前記マイクロミラーの下の少なくとも1つの電極とである少なくとも2つの部材を含むアクチュエータであって、前記少なくとも2つの部材の少なくとも1つが半導体材料で形成されているアクチュエータを提供する行為と、前記アクチュエータの前記他の部材に面する前記少なくとも1つの半導体部材上に、1017cm3以上のキャリア密度を有する表面層を提供する行為とを含む方法を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間光変調器(SLM)に関し、特にアナログ電圧によって作動され、その構造に半導体材料を含む多値SLMに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロミラーを備えたSLMは、例えば本発明と同じ出願人による米国特許第6747783号明細書などから、当技術分野ではよく知られている。SLMは、アナログ作動とデジタル作動の2つの異なる方法で作動すると言える。ミラー素子のアナログ作動では、電極とミラー素子の間の静電気力を用いて、ミラー素子を3つ以上の複数の偏向状態に偏向させることができる。アナログ作動では、作動中のミラーの位置、すなわち偏向の程度は、作動力と、例えばヒンジなどミラー素子の支持体のばね定数との間の釣り合いによって決まる。アナログ作動では、前記ミラー素子は、完全に偏向された状態と全く偏向されていない状態との間でいくつかの状態に設定されることが好ましい。尚、前記完全な偏向状態は、固定止め(ストッパ)によって決まるわけではない。
【0003】
デジタル作動では、ミラーには完全オンと完全オフの2つの異なる偏向状態しかなく、完全オンを固定止めによって決めることができ、したがってミラー素子を固定止めに向けて駆動させるために高い十分な作動力が加えられる。そうした構造はDMD構造(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と呼ばれることがあり、そのようなデバイスでは完全オン状態と完全オフ状態の間の偏向状態は存在しない。
【0004】
従来から、前記SLMはアルミニウム合金で製造されている。すなわち、アクチュエータ、ならびにミラー素子およびヒンジ素子は、前記アルミニウム合金で製造されている。前記アルミニウム合金は、ある程度の非弾性挙動を有することが示されており、すなわち、特定の駆動電圧の値だけではなく印加された電圧値の履歴にも依存して前記駆動電圧によるミラー素子の偏向を行うある種のメモリ効果を有している。それをヒステリシス効果と考えることもできるが、その時間依存性の点で、一般にはより複雑になる。従来から使用されているアルミニウム合金だけがある程度の量の非弾性挙動を示すのではなく、ほとんどの金属も同様の挙動を示すようである。測定できる非弾性挙動を示さない材料は、単結晶シリコンである。シリコンは、室温での完全な弾性挙動、エッチングに対する十分に発達した技術、電気の伝導、DUV電磁放射線の適当な反射など、複数の魅力的な特性を有している。
【0005】
ただし、高精度のアナログSLMにおいてアクチュエータおよび/またはミラー素子に単結晶シリコンを使用することに伴う1つの問題は、表面電位が安定しないことである。前記表面電位は、例えば空気からのイオン化された分子や、シリコン表面の自然酸化膜上またはその内部に捕捉された電子など、表面に存在している電荷のために1Vも変わることが実験によって示されている。そうした表面電位の差によって、同じ偏向に対する作動電圧のシフト(ずれ)、すなわちアクチュエータの特性のドリフトが生じる。前記シフトは、時間、温度、電磁放射線照射、パージ処理、および印加された電圧の履歴によって変わる可能性がある。このすべてが共に、部分的または全体的に単結晶シリコンなどの半導体性の単結晶材料で製造されたSLMを、高精度の用途に使用することをきわめて困難にしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、先に言及した特性のドリフトを伴う問題のない、少なくとも部分的に半導体材料で製造されたSLM構造を開発することが望ましい。
【0007】
したがって、本発明の目的は、測定可能な特性のドリフトが全く、またはほとんどない、少なくとも部分的に半導体材料で製造されたSLM構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点によれば、この目的はとりわけ、静電アクチュエータを有するマイクロミラー・デバイスの偏向のドリフトに対する安定化方法において、前記マイクロミラーと、前記マイクロミラーの下の少なくとも1つの電極とである少なくとも2つの部材を含むアクチュエータであって、前記少なくとも2つの部材の少なくとも1つが半導体材料で形成されたアクチュエータを提供する行為と、前記アクチュエータの前記他方の部材に面する前記少なくとも1つの半導体部材上に、1017cm3以上のキャリア密度を有する表面層を提供する行為とを含む方法によって達成される。前記マイクロミラーの下とは、マイクロミラー・デバイスの特定の向きを指す。反転したマイクロミラー・デバイス、またはそのデバイスの任意の他の向きの機能は、もちろん幾何学的な向きとは無関係であり、「下」とはこの文脈で解釈されるべきである。
【0009】
本発明の他の特徴およびその利点は、以下に示す本発明の好ましい実施例についての詳細な記述、および添付の図1〜8から明らかになるであろう。それらは例示のみの目的で示され、したがって本発明を限定するものではない。
【0010】
以下の詳細な記述は図面を参照して行う。好ましい実施例は本発明を例示するために記載するものであり、特許請求の範囲によって定められるその範囲を限定するものではない。当分野の技術者には、以下の記述について様々な同等の変形例が認められるであろう。
【実施例】
【0011】
本発明の少なくとも1つの例示的な実施例では、マイクロミラー・デバイスをSLMとすることができる。前記SLMは、当分野の技術者にはよく知られた技術に従って、例えばリソグラフィのパターン形成、デジタルまたはアナログ作動に用いることが可能であり、したがってこの文脈においてさらに説明する必要はない。
【0012】
図1は、マイクロミラー・アレイ10における3つのミラー100の上面図を示し、明確にするために3つのミラー100のみを示しているが、実際のマイクロミラー・アレイではミラーの数は数百万でもよい。
【0013】
図1に示したマイクロミラーは、時計回りまたは反時計回りに偏向させることができるヒンジ式ミラー・タイプのものである。マイクロミラー100は、アンカーまたはポスト110に支持されたヒンジ120の周りを回転させることができる。
【0014】
図2は、図1と同じ3つのミラーを示している。図示した実施例では、ミラー100と電極130、140は共にシリコンで製造され、ミラーの反射面だけではなく、撓みヒンジ、およびアンカーまたはポストもシリコンで製造される。図2の本発明の少なくとも1つの例示的な実施例における中央のミラーによって示されるように、電圧が印加されたとき、ミラーが傾斜するようにすることができる。
【0015】
図3は、図1に示したのと同じ3つのミラーを示しているが、ここではそれらのいずれにも電圧が印加されていない。電圧がなくても、一部のミラーは、シリコン表面での静電荷によって生成される表面電位の差のために傾斜する傾向があり、図3では、わずかに傾斜した一番左および中央のミラーによって示されている。
【0016】
図7は、本発明によるマイクロミラー・アレイの実施例を示している。ここでは、電極130、140は高いキャリア密度を有する表面層を備えている。表面抵抗を、多くて1000Ω/スクエアとすることができる。ミラー100も、高いキャリア密度を有する表面層を備えている。前記ミラーの表面は、電極130、140、すなわちミラー100と電極130、140との間のギャップに面している。図7に示した本発明の実施例では、前記ミラー素子および少なくとも1つの電極からなるアクチュエータ構造内の半導体材料の表面に、依然として静電気力が生じる可能性がある。しかし、結果として生じる表面電位のドリフトをはるかに小さくすることが可能であり、したがってミラーの偏向をはるかに小さくすることができる。
【0017】
本発明の少なくとも1つの例示的な実施例によれば、少なくとも1つの電極および前記ミラーの少なくとも1つを半導体材料で製造することができる。本発明の少なくとも1つの例示的な実施例によれば、前記半導体材料は、高いキャリア密度を生じさせる電子エネルギーのところでフェルミ準位が下降する表面層、すなわち許容帯(伝導帯または価電子帯)内で、またはバンド・ギャップ内ではあるがバンド縁部(バンド・エッジ)の近くでフェルミ準位が下降する表面層をさらに備えることができる。ほとんどの場合、これは導電性の表面層を生成することと同等になり得る。本発明の例示的な一実施例では、あるレベルのキャリア密度が、前記フェルミ準位の位置を決めることができる。高いキャリア密度は、高濃度のドーピング、導電層によるコーティング、半導体のドーピングによる表面の反転または蓄積、薄膜内の固定電荷の生成または電場によってなど、いくつかの方法で実現することができる。
【0018】
図8は、本発明の他の実施例を示している。本発明の例示的な実施例では、半導体へと向かう電場の方向を固定して常に同一の符号を有するようにすることが可能である場合、半導体表面のドーピングを、それが常に蓄積状態になるようにすることができる。図8では、アクチュエータ(ミラー100および電極130、140)は、シリコン面および金属面を有している。ここでは、金属面は金属電極130、140であり、シリコン面はシリコンまたは他のタイプの半導体材料で製造されたミラーである。ミラー100が電極に対して常に負である場合、半導体のミラーをnドープ型とすべきである。さらに、有限体は電荷の存在下でも蓄積を保証することが必要とされるため、動作中の電場がゼロに近づかないようにすべきである。
【0019】
他の実施例では、電極130、140とミラー100とが共に半導体材料で製造される。この場合、ミラー100のドーピングを電極と反対にすべきであり、例えばnドープ型のミラーであればpドープ型の電極とすべきである。本発明の例示的な実施例では、場が特定の方向を有していなければならないのは、アクティブな(偏向の重要な)段階の間、すなわち、それが光を変調するために使用され、高精度の偏向を必要とするときだけである。電場の方向が反対、すなわち常に正のミラーであれば、ドーピングを反転させるべきであり、すなわち、ミラーと電極が共に半導体材料で製造されている場合には、pドープ型のミラーおよびnドープ型の電極とすべきである。
【0020】
図4および図5は、本発明がどのように機能するかを説明するバンド・ダイアグラムを示している。バンド・ダイアグラムは、例えばS.M.Sze:「Semicondutor Devices Physics and Technology」、John Wiley & Sons Inc, New York(2001)(ISBN 0471333727)など半導体物理学およびMOS技術に関する多くの教科書に記載されている。
【0021】
図4は、一方のプレート(電極)上の金属と他方(ミラー)のnドープ型半導体とがエア・ギャップ420によって隔てられた、アクチュエータ(電極500およびミラー430)のバンド・ダイアグラムを示している。金属電極410内をあるフェルミ準位に、また半導体ミラー470内を別のフェルミ準位にすることができる。外部回路に見られる電圧は、フェルミ準位の差とすることができる。図4は、半導体ミラー430の表面に表面電荷を伴う場合と伴わない場合のフェルミ準位および様々なバンドを示している。表面に電荷が蓄積される/加えられると、前記電荷を反対の電荷によって平衡させなければならない。しばしばそうであるように、nドープ型半導体は表面450の近くで空乏化されるため、平衡した電荷が見出される最も近い場所は空乏層の内側である。平衡電荷は空乏層455の深さの変化によって生成される。正電荷と負電荷の間には、半導体上に表面電位変化を与えるように調整することができる電場が存在していてもよい。表面電位の変化は、電荷の間隔490に比例していてもよい。図4から分かるように、電荷を伴わないnドープ型半導体内のフェルミ準位470は、電荷を伴うnドープ型半導体内のフェルミ準位475より金属内のフェルミ準位410に近づき得る。やはり図4の本発明の例示的な一実施例から推定できるように、ミラーのバルク材料を比べると、電荷を伴わない価電子帯480は、電荷を伴う価電子帯485より半導体内のフェルミ準位470に近づくことができる。反対に、電荷を伴わない伝導帯460は、電荷を伴う伝導帯465より半導体ミラーのバルク材料内のフェルミ準位470から離れることができる。
【0022】
図5は、本発明によるアクチュエータ、すなわちエア・ギャップ520によって隔てられた金属電極500および半導体ミラー530のバンド・ダイアグラムを示している。金属電極500に面する半導体ミラー530の表面は、縮退させるのに十分な高い濃度にドープされ、すなわち、前記ミラー530は金属的特性を有していると言える。この用途における金属的特性とは、本発明の例示的な実施例におけるフェルミ準位が、許容帯、この場合には例えば価電子帯580の内部にあることを意味している。
【0023】
例えば反転層、縮退した表面層または金属層など、本発明の例示的な実施例における導電層が空乏化された領域の外側に形成される場合、電気的に浮いた状態になることを回避するために、前記層を基板または他の任意の適切な点に接触させることができる。
【0024】
半導体ミラー530の表面には移動可能な電荷が存在し、ある程度の電荷を加えると、ちょうど前記ミラー530の表面に平衡電荷が見られるようになる。図4に示した現況技術のアクチュエータ構造における電荷の間隔490と比べて電荷の間隔590ははるかに小さく、数ナノメートル程度とすることが可能であり、したがって表面電位をより小さくすることができる。表面電位が小さくなると、ミラーと電極の間に電圧が印加されていないときのミラーの偏向がきわめて小さくなる。また、本発明の例示的な一実施例では、電荷を伴わないミラー内のフェルミ準位570が、電荷を伴うミラー内のフェルミ準位575とほぼ等しくなるため、電荷による電圧の変化540をほとんどなくすことができる。やはり図5の本発明の例示的な実施例から分かるように、価電子帯580は電荷を伴う価電子帯585と一致し、伝導帯560は電荷を伴う伝導帯と一致する。
【0025】
図4および図5では、ミラー430、530と電極400、500との間の力を一定にすることができ、すなわち、アクチュエータ内のエア・ギャップ420、520における電場は一定であると想定することができる。加えられた電荷の影響は、フェルミ準位の変化、すなわち力(ミラー430、530の偏向)を一定に保つために必要な外部電圧として示される。
【0026】
図6a〜6eは、本発明による他の実施例を示している。図6aには、ほとんど縮退および反転したpシリコンのバンド・ダイアグラムが示されている。同じバンド・ダイアグラムを、ほとんど縮退したnシリコン(反転もしくは非反転)または富化層に適用することができる。半導体材料は、シリコン、ダイヤモンド状カーボン、ゲルマニウムなどの基本的な半導体とすることができ、あるいは混合された半導体、またはシリコン−ゲルマニウム、GaAs、シリコン・カーバイドなどの半導体化合物とすることができる。
【0027】
図6aでは、アクチュエータは、金属で製造された電極600、シリコンで製造されたミラー630、および前記ミラー630と前記電極600との間のエア・ギャップ620を有している。本発明の例示的な実施例では、金属電極600内のフェルミ準位610は半導体内のフェルミ準位670より低い。金属電極600に面する表面での伝導帯660は、ミラーのバルク材料内、すなわちミラー材料内のさらに深いところでの伝導帯660よりミラー630内のフェルミ準位670に近い。一方、前記金属電極600に面するミラー素子630の表面での価電子帯680は、バルク材料内で価電子帯680がフェルミ準位670に対するのと比べて、フェルミ準位670から離れている。
【0028】
図6bの本発明の例示的な実施例は、垂直な電場によって金属電極に面する表面に導電層を生成するように駆動される、nシリコン・ミラーのバンド・ダイアグラムである。金属内のフェルミ準位610は、半導体ミラー630内のフェルミ準位670より低い。金属電極600に面する半導体ミラー630の表面での伝導帯660は、半導体ミラー内のさらに深いところでフェルミ準位670が伝導帯に対するのと比べて、フェルミ準位670に近い。しかし、半導体ミラー630の表面での価電子帯680は、ミラー素子630内のさらに深いところで価電子帯680がフェルミ準位670に対するのと比べて、フェルミ準位670から離れている。
【0029】
図6cは、半導体ミラー630を金属電極600に面する表面上の電荷から保護する金属膜695のバンド・ダイアグラムである。金属電極600内のフェルミ準位610は、半導体ミラー630内のフェルミ準位670より低い。金属膜695での伝導帯660は、半導体ミラー630のさらに内部で伝導帯660がフェルミ準位670に対するのと比べて、フェルミ準位670から離れている。金属膜695での価電子帯680は、半導体ミラー630のさらに内部で価電子帯680がフェルミ準位670に対するのと比べて、フェルミ準位に近い。
【0030】
図6dは、金属電極に面したその表面上だけではなく、そのボリューム全体にわたって縮退させた半導体ミラーのバンド・ダイアグラムを示している。金属電極600内のフェルミ準位610は、半導体ミラー630内のフェルミ準位670より低い。半導体ミラー630のフェルミ準位670は、そのボリューム全体にわたって伝導帯660および価電子帯680のいずれよりも高い。前記フェルミ準位670と前記伝導帯680との間隔は、ボリューム全体にわたって一定であり、前記フェルミ準位670と前記価電子帯660との間隔も同様である。
【0031】
図6eは、高濃度の固定イオンを伴う薄膜によって生成された、ほとんど縮退した導電性の表面層のバンド・ダイアグラムを示している。金属電極600内のフェルミ準位610は、半導体ミラー630内のフェルミ準位670より低い。この実施例では、高濃度のイオンを伴う薄膜697でのフェルミ準位670は、半導体ミラー630のさらに内部でフェルミ準位670が伝導帯660に対するのと比べて、伝導帯660に近い。しかし、高濃度の固定イオンを伴う薄膜での価電子帯は、半導体ミラーのさらに内部で前記価電子帯がフェルミ準位に対するのと比べて、フェルミ準位670から離れている。
【0032】
アクチュエータ内の半導体表面に最小限に抑えられた表面電位を生じさせるのに十分な高さである高いキャリア密度の場合、キャリアのわずかな物理的変位によって電荷を平衡させることが可能である。蓄積または反転層が空乏にならずに、1011キャリア/cm2の変化を吸収することができるようにすべきである。エア・ギャップ620内の場は、通常10〜50MV/mである。この場は、5〜25*1010キャリア/cm2の必要な電荷の再配置に相当する。この変化を吸収するには、表面の近くでは10〜50×1010キャリア/cm2とすべきである。この量のキャリアを0.01μm以内に有するには、層内には1〜5×1017キャリア/cm3が必要である。これによって、必要なキャリア密度の概算が得られる。もう1つの概算は縮退に対する制限であり、それはシリコン内で約1019キャリア/cm3になる。
【0033】
本発明を先に詳述した好ましい実施形態および実施例を参照して開示したが、これらの実施例は、限定的ではなく例示的なものであることが理解される。当分野の技術者には容易に変更および組み合わせが見出されるが、その変更および組み合わせは、本発明の趣旨および以下の特許請求の範囲の範囲内であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】マイクロミラー・アレイにおける3つのミラーの概略的な上面図である。
【図2】1つのミラーがアドレス指定された状態の、図1のA−Aに沿ったマイクロミラーの側面図である。
【図3】電圧が印加されていない状態の、図1のA−Aに沿ったマイクロミラーの側面図である。
【図4】電圧のシフトが半導体表面上の電荷によって生成されるバンド・ダイアグラムである。
【図5】図4と同じであるが、ギャップに面する縮退した「金属的な」層を伴うバンド・ダイアグラムである。
【図6a】ほとんど縮退および反転したPシリコンのバンド・ダイアグラムである。
【図6b】垂直な電場によって表面に導電層を生成するように駆動される、nシリコンのバンド・ダイアグラムである。
【図6c】半導体を表面の電荷から保護する金属膜のバンド・ダイアグラムである。
【図6d】そのボリューム全体にわたって縮退した半導体のバンド・ダイアグラムである。
【図6e】高濃度の固定イオンを伴う薄膜によって生成された、ほとんど縮退した導電性の表面層のバンド・ダイアグラムである。
【図7】図1のA−Aに沿った本発明のマイクロミラーの側面図である。
【図8】マイクロミラーに関する本発明の他の実施例の側面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間光変調器(SLM)に関し、特にアナログ電圧によって作動され、その構造に半導体材料を含む多値SLMに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロミラーを備えたSLMは、例えば本発明と同じ出願人による米国特許第6747783号明細書などから、当技術分野ではよく知られている。SLMは、アナログ作動とデジタル作動の2つの異なる方法で作動すると言える。ミラー素子のアナログ作動では、電極とミラー素子の間の静電気力を用いて、ミラー素子を3つ以上の複数の偏向状態に偏向させることができる。アナログ作動では、作動中のミラーの位置、すなわち偏向の程度は、作動力と、例えばヒンジなどミラー素子の支持体のばね定数との間の釣り合いによって決まる。アナログ作動では、前記ミラー素子は、完全に偏向された状態と全く偏向されていない状態との間でいくつかの状態に設定されることが好ましい。尚、前記完全な偏向状態は、固定止め(ストッパ)によって決まるわけではない。
【0003】
デジタル作動では、ミラーには完全オンと完全オフの2つの異なる偏向状態しかなく、完全オンを固定止めによって決めることができ、したがってミラー素子を固定止めに向けて駆動させるために高い十分な作動力が加えられる。そうした構造はDMD構造(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と呼ばれることがあり、そのようなデバイスでは完全オン状態と完全オフ状態の間の偏向状態は存在しない。
【0004】
従来から、前記SLMはアルミニウム合金で製造されている。すなわち、アクチュエータ、ならびにミラー素子およびヒンジ素子は、前記アルミニウム合金で製造されている。前記アルミニウム合金は、ある程度の非弾性挙動を有することが示されており、すなわち、特定の駆動電圧の値だけではなく印加された電圧値の履歴にも依存して前記駆動電圧によるミラー素子の偏向を行うある種のメモリ効果を有している。それをヒステリシス効果と考えることもできるが、その時間依存性の点で、一般にはより複雑になる。従来から使用されているアルミニウム合金だけがある程度の量の非弾性挙動を示すのではなく、ほとんどの金属も同様の挙動を示すようである。測定できる非弾性挙動を示さない材料は、単結晶シリコンである。シリコンは、室温での完全な弾性挙動、エッチングに対する十分に発達した技術、電気の伝導、DUV電磁放射線の適当な反射など、複数の魅力的な特性を有している。
【0005】
ただし、高精度のアナログSLMにおいてアクチュエータおよび/またはミラー素子に単結晶シリコンを使用することに伴う1つの問題は、表面電位が安定しないことである。前記表面電位は、例えば空気からのイオン化された分子や、シリコン表面の自然酸化膜上またはその内部に捕捉された電子など、表面に存在している電荷のために1Vも変わることが実験によって示されている。そうした表面電位の差によって、同じ偏向に対する作動電圧のシフト(ずれ)、すなわちアクチュエータの特性のドリフトが生じる。前記シフトは、時間、温度、電磁放射線照射、パージ処理、および印加された電圧の履歴によって変わる可能性がある。このすべてが共に、部分的または全体的に単結晶シリコンなどの半導体性の単結晶材料で製造されたSLMを、高精度の用途に使用することをきわめて困難にしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、先に言及した特性のドリフトを伴う問題のない、少なくとも部分的に半導体材料で製造されたSLM構造を開発することが望ましい。
【0007】
したがって、本発明の目的は、測定可能な特性のドリフトが全く、またはほとんどない、少なくとも部分的に半導体材料で製造されたSLM構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点によれば、この目的はとりわけ、静電アクチュエータを有するマイクロミラー・デバイスの偏向のドリフトに対する安定化方法において、前記マイクロミラーと、前記マイクロミラーの下の少なくとも1つの電極とである少なくとも2つの部材を含むアクチュエータであって、前記少なくとも2つの部材の少なくとも1つが半導体材料で形成されたアクチュエータを提供する行為と、前記アクチュエータの前記他方の部材に面する前記少なくとも1つの半導体部材上に、1017cm3以上のキャリア密度を有する表面層を提供する行為とを含む方法によって達成される。前記マイクロミラーの下とは、マイクロミラー・デバイスの特定の向きを指す。反転したマイクロミラー・デバイス、またはそのデバイスの任意の他の向きの機能は、もちろん幾何学的な向きとは無関係であり、「下」とはこの文脈で解釈されるべきである。
【0009】
本発明の他の特徴およびその利点は、以下に示す本発明の好ましい実施例についての詳細な記述、および添付の図1〜8から明らかになるであろう。それらは例示のみの目的で示され、したがって本発明を限定するものではない。
【0010】
以下の詳細な記述は図面を参照して行う。好ましい実施例は本発明を例示するために記載するものであり、特許請求の範囲によって定められるその範囲を限定するものではない。当分野の技術者には、以下の記述について様々な同等の変形例が認められるであろう。
【実施例】
【0011】
本発明の少なくとも1つの例示的な実施例では、マイクロミラー・デバイスをSLMとすることができる。前記SLMは、当分野の技術者にはよく知られた技術に従って、例えばリソグラフィのパターン形成、デジタルまたはアナログ作動に用いることが可能であり、したがってこの文脈においてさらに説明する必要はない。
【0012】
図1は、マイクロミラー・アレイ10における3つのミラー100の上面図を示し、明確にするために3つのミラー100のみを示しているが、実際のマイクロミラー・アレイではミラーの数は数百万でもよい。
【0013】
図1に示したマイクロミラーは、時計回りまたは反時計回りに偏向させることができるヒンジ式ミラー・タイプのものである。マイクロミラー100は、アンカーまたはポスト110に支持されたヒンジ120の周りを回転させることができる。
【0014】
図2は、図1と同じ3つのミラーを示している。図示した実施例では、ミラー100と電極130、140は共にシリコンで製造され、ミラーの反射面だけではなく、撓みヒンジ、およびアンカーまたはポストもシリコンで製造される。図2の本発明の少なくとも1つの例示的な実施例における中央のミラーによって示されるように、電圧が印加されたとき、ミラーが傾斜するようにすることができる。
【0015】
図3は、図1に示したのと同じ3つのミラーを示しているが、ここではそれらのいずれにも電圧が印加されていない。電圧がなくても、一部のミラーは、シリコン表面での静電荷によって生成される表面電位の差のために傾斜する傾向があり、図3では、わずかに傾斜した一番左および中央のミラーによって示されている。
【0016】
図7は、本発明によるマイクロミラー・アレイの実施例を示している。ここでは、電極130、140は高いキャリア密度を有する表面層を備えている。表面抵抗を、多くて1000Ω/スクエアとすることができる。ミラー100も、高いキャリア密度を有する表面層を備えている。前記ミラーの表面は、電極130、140、すなわちミラー100と電極130、140との間のギャップに面している。図7に示した本発明の実施例では、前記ミラー素子および少なくとも1つの電極からなるアクチュエータ構造内の半導体材料の表面に、依然として静電気力が生じる可能性がある。しかし、結果として生じる表面電位のドリフトをはるかに小さくすることが可能であり、したがってミラーの偏向をはるかに小さくすることができる。
【0017】
本発明の少なくとも1つの例示的な実施例によれば、少なくとも1つの電極および前記ミラーの少なくとも1つを半導体材料で製造することができる。本発明の少なくとも1つの例示的な実施例によれば、前記半導体材料は、高いキャリア密度を生じさせる電子エネルギーのところでフェルミ準位が下降する表面層、すなわち許容帯(伝導帯または価電子帯)内で、またはバンド・ギャップ内ではあるがバンド縁部(バンド・エッジ)の近くでフェルミ準位が下降する表面層をさらに備えることができる。ほとんどの場合、これは導電性の表面層を生成することと同等になり得る。本発明の例示的な一実施例では、あるレベルのキャリア密度が、前記フェルミ準位の位置を決めることができる。高いキャリア密度は、高濃度のドーピング、導電層によるコーティング、半導体のドーピングによる表面の反転または蓄積、薄膜内の固定電荷の生成または電場によってなど、いくつかの方法で実現することができる。
【0018】
図8は、本発明の他の実施例を示している。本発明の例示的な実施例では、半導体へと向かう電場の方向を固定して常に同一の符号を有するようにすることが可能である場合、半導体表面のドーピングを、それが常に蓄積状態になるようにすることができる。図8では、アクチュエータ(ミラー100および電極130、140)は、シリコン面および金属面を有している。ここでは、金属面は金属電極130、140であり、シリコン面はシリコンまたは他のタイプの半導体材料で製造されたミラーである。ミラー100が電極に対して常に負である場合、半導体のミラーをnドープ型とすべきである。さらに、有限体は電荷の存在下でも蓄積を保証することが必要とされるため、動作中の電場がゼロに近づかないようにすべきである。
【0019】
他の実施例では、電極130、140とミラー100とが共に半導体材料で製造される。この場合、ミラー100のドーピングを電極と反対にすべきであり、例えばnドープ型のミラーであればpドープ型の電極とすべきである。本発明の例示的な実施例では、場が特定の方向を有していなければならないのは、アクティブな(偏向の重要な)段階の間、すなわち、それが光を変調するために使用され、高精度の偏向を必要とするときだけである。電場の方向が反対、すなわち常に正のミラーであれば、ドーピングを反転させるべきであり、すなわち、ミラーと電極が共に半導体材料で製造されている場合には、pドープ型のミラーおよびnドープ型の電極とすべきである。
【0020】
図4および図5は、本発明がどのように機能するかを説明するバンド・ダイアグラムを示している。バンド・ダイアグラムは、例えばS.M.Sze:「Semicondutor Devices Physics and Technology」、John Wiley & Sons Inc, New York(2001)(ISBN 0471333727)など半導体物理学およびMOS技術に関する多くの教科書に記載されている。
【0021】
図4は、一方のプレート(電極)上の金属と他方(ミラー)のnドープ型半導体とがエア・ギャップ420によって隔てられた、アクチュエータ(電極500およびミラー430)のバンド・ダイアグラムを示している。金属電極410内をあるフェルミ準位に、また半導体ミラー470内を別のフェルミ準位にすることができる。外部回路に見られる電圧は、フェルミ準位の差とすることができる。図4は、半導体ミラー430の表面に表面電荷を伴う場合と伴わない場合のフェルミ準位および様々なバンドを示している。表面に電荷が蓄積される/加えられると、前記電荷を反対の電荷によって平衡させなければならない。しばしばそうであるように、nドープ型半導体は表面450の近くで空乏化されるため、平衡した電荷が見出される最も近い場所は空乏層の内側である。平衡電荷は空乏層455の深さの変化によって生成される。正電荷と負電荷の間には、半導体上に表面電位変化を与えるように調整することができる電場が存在していてもよい。表面電位の変化は、電荷の間隔490に比例していてもよい。図4から分かるように、電荷を伴わないnドープ型半導体内のフェルミ準位470は、電荷を伴うnドープ型半導体内のフェルミ準位475より金属内のフェルミ準位410に近づき得る。やはり図4の本発明の例示的な一実施例から推定できるように、ミラーのバルク材料を比べると、電荷を伴わない価電子帯480は、電荷を伴う価電子帯485より半導体内のフェルミ準位470に近づくことができる。反対に、電荷を伴わない伝導帯460は、電荷を伴う伝導帯465より半導体ミラーのバルク材料内のフェルミ準位470から離れることができる。
【0022】
図5は、本発明によるアクチュエータ、すなわちエア・ギャップ520によって隔てられた金属電極500および半導体ミラー530のバンド・ダイアグラムを示している。金属電極500に面する半導体ミラー530の表面は、縮退させるのに十分な高い濃度にドープされ、すなわち、前記ミラー530は金属的特性を有していると言える。この用途における金属的特性とは、本発明の例示的な実施例におけるフェルミ準位が、許容帯、この場合には例えば価電子帯580の内部にあることを意味している。
【0023】
例えば反転層、縮退した表面層または金属層など、本発明の例示的な実施例における導電層が空乏化された領域の外側に形成される場合、電気的に浮いた状態になることを回避するために、前記層を基板または他の任意の適切な点に接触させることができる。
【0024】
半導体ミラー530の表面には移動可能な電荷が存在し、ある程度の電荷を加えると、ちょうど前記ミラー530の表面に平衡電荷が見られるようになる。図4に示した現況技術のアクチュエータ構造における電荷の間隔490と比べて電荷の間隔590ははるかに小さく、数ナノメートル程度とすることが可能であり、したがって表面電位をより小さくすることができる。表面電位が小さくなると、ミラーと電極の間に電圧が印加されていないときのミラーの偏向がきわめて小さくなる。また、本発明の例示的な一実施例では、電荷を伴わないミラー内のフェルミ準位570が、電荷を伴うミラー内のフェルミ準位575とほぼ等しくなるため、電荷による電圧の変化540をほとんどなくすことができる。やはり図5の本発明の例示的な実施例から分かるように、価電子帯580は電荷を伴う価電子帯585と一致し、伝導帯560は電荷を伴う伝導帯と一致する。
【0025】
図4および図5では、ミラー430、530と電極400、500との間の力を一定にすることができ、すなわち、アクチュエータ内のエア・ギャップ420、520における電場は一定であると想定することができる。加えられた電荷の影響は、フェルミ準位の変化、すなわち力(ミラー430、530の偏向)を一定に保つために必要な外部電圧として示される。
【0026】
図6a〜6eは、本発明による他の実施例を示している。図6aには、ほとんど縮退および反転したpシリコンのバンド・ダイアグラムが示されている。同じバンド・ダイアグラムを、ほとんど縮退したnシリコン(反転もしくは非反転)または富化層に適用することができる。半導体材料は、シリコン、ダイヤモンド状カーボン、ゲルマニウムなどの基本的な半導体とすることができ、あるいは混合された半導体、またはシリコン−ゲルマニウム、GaAs、シリコン・カーバイドなどの半導体化合物とすることができる。
【0027】
図6aでは、アクチュエータは、金属で製造された電極600、シリコンで製造されたミラー630、および前記ミラー630と前記電極600との間のエア・ギャップ620を有している。本発明の例示的な実施例では、金属電極600内のフェルミ準位610は半導体内のフェルミ準位670より低い。金属電極600に面する表面での伝導帯660は、ミラーのバルク材料内、すなわちミラー材料内のさらに深いところでの伝導帯660よりミラー630内のフェルミ準位670に近い。一方、前記金属電極600に面するミラー素子630の表面での価電子帯680は、バルク材料内で価電子帯680がフェルミ準位670に対するのと比べて、フェルミ準位670から離れている。
【0028】
図6bの本発明の例示的な実施例は、垂直な電場によって金属電極に面する表面に導電層を生成するように駆動される、nシリコン・ミラーのバンド・ダイアグラムである。金属内のフェルミ準位610は、半導体ミラー630内のフェルミ準位670より低い。金属電極600に面する半導体ミラー630の表面での伝導帯660は、半導体ミラー内のさらに深いところでフェルミ準位670が伝導帯に対するのと比べて、フェルミ準位670に近い。しかし、半導体ミラー630の表面での価電子帯680は、ミラー素子630内のさらに深いところで価電子帯680がフェルミ準位670に対するのと比べて、フェルミ準位670から離れている。
【0029】
図6cは、半導体ミラー630を金属電極600に面する表面上の電荷から保護する金属膜695のバンド・ダイアグラムである。金属電極600内のフェルミ準位610は、半導体ミラー630内のフェルミ準位670より低い。金属膜695での伝導帯660は、半導体ミラー630のさらに内部で伝導帯660がフェルミ準位670に対するのと比べて、フェルミ準位670から離れている。金属膜695での価電子帯680は、半導体ミラー630のさらに内部で価電子帯680がフェルミ準位670に対するのと比べて、フェルミ準位に近い。
【0030】
図6dは、金属電極に面したその表面上だけではなく、そのボリューム全体にわたって縮退させた半導体ミラーのバンド・ダイアグラムを示している。金属電極600内のフェルミ準位610は、半導体ミラー630内のフェルミ準位670より低い。半導体ミラー630のフェルミ準位670は、そのボリューム全体にわたって伝導帯660および価電子帯680のいずれよりも高い。前記フェルミ準位670と前記伝導帯680との間隔は、ボリューム全体にわたって一定であり、前記フェルミ準位670と前記価電子帯660との間隔も同様である。
【0031】
図6eは、高濃度の固定イオンを伴う薄膜によって生成された、ほとんど縮退した導電性の表面層のバンド・ダイアグラムを示している。金属電極600内のフェルミ準位610は、半導体ミラー630内のフェルミ準位670より低い。この実施例では、高濃度のイオンを伴う薄膜697でのフェルミ準位670は、半導体ミラー630のさらに内部でフェルミ準位670が伝導帯660に対するのと比べて、伝導帯660に近い。しかし、高濃度の固定イオンを伴う薄膜での価電子帯は、半導体ミラーのさらに内部で前記価電子帯がフェルミ準位に対するのと比べて、フェルミ準位670から離れている。
【0032】
アクチュエータ内の半導体表面に最小限に抑えられた表面電位を生じさせるのに十分な高さである高いキャリア密度の場合、キャリアのわずかな物理的変位によって電荷を平衡させることが可能である。蓄積または反転層が空乏にならずに、1011キャリア/cm2の変化を吸収することができるようにすべきである。エア・ギャップ620内の場は、通常10〜50MV/mである。この場は、5〜25*1010キャリア/cm2の必要な電荷の再配置に相当する。この変化を吸収するには、表面の近くでは10〜50×1010キャリア/cm2とすべきである。この量のキャリアを0.01μm以内に有するには、層内には1〜5×1017キャリア/cm3が必要である。これによって、必要なキャリア密度の概算が得られる。もう1つの概算は縮退に対する制限であり、それはシリコン内で約1019キャリア/cm3になる。
【0033】
本発明を先に詳述した好ましい実施形態および実施例を参照して開示したが、これらの実施例は、限定的ではなく例示的なものであることが理解される。当分野の技術者には容易に変更および組み合わせが見出されるが、その変更および組み合わせは、本発明の趣旨および以下の特許請求の範囲の範囲内であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】マイクロミラー・アレイにおける3つのミラーの概略的な上面図である。
【図2】1つのミラーがアドレス指定された状態の、図1のA−Aに沿ったマイクロミラーの側面図である。
【図3】電圧が印加されていない状態の、図1のA−Aに沿ったマイクロミラーの側面図である。
【図4】電圧のシフトが半導体表面上の電荷によって生成されるバンド・ダイアグラムである。
【図5】図4と同じであるが、ギャップに面する縮退した「金属的な」層を伴うバンド・ダイアグラムである。
【図6a】ほとんど縮退および反転したPシリコンのバンド・ダイアグラムである。
【図6b】垂直な電場によって表面に導電層を生成するように駆動される、nシリコンのバンド・ダイアグラムである。
【図6c】半導体を表面の電荷から保護する金属膜のバンド・ダイアグラムである。
【図6d】そのボリューム全体にわたって縮退した半導体のバンド・ダイアグラムである。
【図6e】高濃度の固定イオンを伴う薄膜によって生成された、ほとんど縮退した導電性の表面層のバンド・ダイアグラムである。
【図7】図1のA−Aに沿った本発明のマイクロミラーの側面図である。
【図8】マイクロミラーに関する本発明の他の実施例の側面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電アクチュエータを有するマイクロミラー・デバイスの偏向のドリフトに対する安定化方法において、
前記マイクロミラーと前記マイクロミラーの下の少なくとも1つの電極とである少なくとも2つの部材を含むアクチュエータであって、前記少なくとも2つの部材の少なくとも1つが半導体材料で形成されているアクチュエータを提供する行為と、
前記アクチュエータの前記他の部材に面する前記少なくとも1つの半導体部材上に、1017cm3以上のキャリア密度を有する表面層を提供する行為と
を含む方法。
【請求項2】
前記キャリア密度が5×1017cm3以上である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記キャリア密度が1019cm3以上である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記半導体材料が、シリコンまたはゲルマニウム、あるいは前記材料の組み合わせである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記表面層が導電性である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記導電層が、多くて1000オーム/スクエアの表面抵抗を有する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記表面層が金属的特性を有する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記表面層が縮退した半導体である請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記表面層が半導体の層であり、該半導体の層において、フェルミ準位とその最も近いバンド縁部との間隔が前記半導体のバルク内での間隔より小さい請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記表面層が蓄積層である請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記表面に垂直な電磁場によって前記表面層を生成する行為をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記表面層が、組み込まれた電荷を伴う薄膜である請求項1に記載の方法。
【請求項13】
複数の静電アクチュエータを含むSLMであって、前記アクチュエータが、マイクロミラーと、該マイクロミラーを静電気的に引きつけることができる前記マイクロミラーの下の少なくとも1つの電極とである少なくとも2つの部材を含み、前記部材の少なくとも1つが半導体材料で形成され、前記半導体部材の少なくとも1つが前記アクチュエータの前記他の部材に面する表面層を備え、前記表面層が1017cm3以上のキャリア密度を有するSLM。
【請求項14】
前記キャリア密度が5×1017cm3以上である請求項13に記載のSLM。
【請求項15】
前記キャリア密度が1019cm3以上である請求項13に記載のSLM。
【請求項16】
前記半導体材料が、シリコンまたはゲルマニウム、あるいは前記材料の組み合わせである請求項13に記載のSLM。
【請求項17】
前記表面層が導電性である請求項13に記載のSLM。
【請求項18】
前記導電層が、多くて1000オーム/スクエアの表面抵抗を有する請求項17に記載のSLM。
【請求項19】
前記表面層が金属的特性を有する請求項13に記載のSLM。
【請求項20】
前記表面層が、縮退した半導体である請求項13に記載のSLM。
【請求項21】
前記表面層が半導体の層であり、該半導体の層において、フェルミ準位とその最も近いバンド縁部との間隔が、前記半導体のバルク内での前記フェルミ準位と前記最も近いバンド縁部との間隔より小さい請求項13に記載のSLM。
【請求項22】
前記表面層が蓄積層である請求項13に記載のSLM。
【請求項23】
前記表面に垂直な電磁場によって前記表面層を生成する行為をさらに含む請求項13に記載のSLM。
【請求項24】
前記表面層が、組み込まれた電荷を伴う薄膜である請求項13に記載のSLM。
【請求項25】
マイクロミラーと、該マイクロミラーを静電気的に引きつけることができる前記マイクロミラーの下の少なくとも1つの電極とである少なくとも2つの部材を含む静電アクチュエータであって、前記部材の少なくとも1つが半導体材料で形成されている静電アクチュエータにおいて、前記半導体部材の少なくとも1つが、前記アクチュエータの前記他の部材に面する表面層を備え、前記表面層が1017cm3以上のキャリア密度を有する静電アクチュエータ。
【請求項26】
前記キャリア密度が5×1017cm3以上である請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項27】
前記キャリア密度が1019cm3以上である請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項28】
前記半導体材料が、シリコンまたはゲルマニウム、あるいは前記材料の組み合わせである請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項29】
前記表面層が導電性である請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項30】
前記導電層が、多くて1000オーム/スクエアの表面抵抗を有する請求項29に記載の静電アクチュエータ。
【請求項31】
前記表面層が金属的特性を有する請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項32】
前記表面層が、縮退した半導体である請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項33】
前記表面層が半導体の層であり、該半導体の層において、フェルミ準位とその最も近いバンド縁部との間隔が、前記半導体のバルク内での前記フェルミ準位と前記最も近いバンド縁部との間隔より小さい請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項34】
前記表面層が蓄積層である請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項35】
前記表面に垂直な電磁場によって前記表面層を生成する行為をさらに含む請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項36】
前記表面層が、組み込まれた電荷を伴う薄膜である請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項37】
マイクロミラーと少なくとも1つの電極とである少なくとも2つの要素を有し、前記要素の少なくとも1つが半導体材料で製造されている静電アクチュエータの偏向のドリフトに対する安定化方法であって、
表面電位の絶対値を減少させるように、前記アクチュエータの他の要素に面する前記半導体材料の表面の表面特性を変化させる行為を含む方法。
【請求項38】
前記表面が、1×1017cm3以上のキャリア密度を有する請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記キャリア密度が1019cm3以上である請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記半導体材料が、シリコンまたはゲルマニウム、あるいは前記材料の組み合わせである請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記表面層が導電性である請求項1に記載の方法。
【請求項42】
前記導電層が、多くて1000オーム/スクエアの表面抵抗を有する請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記表面層が金属的特性を有する請求項37に記載の方法。
【請求項44】
前記表面層が、縮退した半導体である請求項37に記載の方法。
【請求項45】
前記表面層が半導体の層であり、該半導体の層において、フェルミ準位とその最も近いバンド縁部との間隔が前記半導体のバルク内での間隔より小さい請求項37に記載の方法。
【請求項46】
前記表面層が蓄積層である請求項37に記載の方法。
【請求項47】
前記表面に垂直な電磁場によって前記表面層を生成する行為をさらに含む請求項37に記載の方法。
【請求項48】
前記表面層が、組み込まれた電荷を伴う薄膜である請求項37に記載の方法。
【請求項49】
静電アクチュエータを有するマイクロミラー・デバイスの偏向のドリフトに対する安定化方法において、
前記マイクロミラーと前記マイクロミラーの下の少なくとも1つの電極とである少なくとも2つの部材を含むアクチュエータであって、前記少なくとも2つの部材の少なくとも1つが半導体材料で形成されているアクチュエータを提供する行為と、
電圧駆動手順を提供し、それによって、偏向の重要な段階の間、電場が各半導体性表面からまたは各半導体性表面に向かって常に同じ方向を有するようにする行為と、
前記偏向の重要な段階中の前記電場が蓄積層を生成するように、少なくとも1つの半導体性表面のドーピングを提供する行為と
を含む方法。
【請求項50】
前記ミラー・デバイスが、被加工物パターンをリソグラフィ形成するために使用されるSLM(空間光変調器)である請求項1、37、49に記載の方法。
【請求項1】
静電アクチュエータを有するマイクロミラー・デバイスの偏向のドリフトに対する安定化方法において、
前記マイクロミラーと前記マイクロミラーの下の少なくとも1つの電極とである少なくとも2つの部材を含むアクチュエータであって、前記少なくとも2つの部材の少なくとも1つが半導体材料で形成されているアクチュエータを提供する行為と、
前記アクチュエータの前記他の部材に面する前記少なくとも1つの半導体部材上に、1017cm3以上のキャリア密度を有する表面層を提供する行為と
を含む方法。
【請求項2】
前記キャリア密度が5×1017cm3以上である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記キャリア密度が1019cm3以上である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記半導体材料が、シリコンまたはゲルマニウム、あるいは前記材料の組み合わせである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記表面層が導電性である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記導電層が、多くて1000オーム/スクエアの表面抵抗を有する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記表面層が金属的特性を有する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記表面層が縮退した半導体である請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記表面層が半導体の層であり、該半導体の層において、フェルミ準位とその最も近いバンド縁部との間隔が前記半導体のバルク内での間隔より小さい請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記表面層が蓄積層である請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記表面に垂直な電磁場によって前記表面層を生成する行為をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記表面層が、組み込まれた電荷を伴う薄膜である請求項1に記載の方法。
【請求項13】
複数の静電アクチュエータを含むSLMであって、前記アクチュエータが、マイクロミラーと、該マイクロミラーを静電気的に引きつけることができる前記マイクロミラーの下の少なくとも1つの電極とである少なくとも2つの部材を含み、前記部材の少なくとも1つが半導体材料で形成され、前記半導体部材の少なくとも1つが前記アクチュエータの前記他の部材に面する表面層を備え、前記表面層が1017cm3以上のキャリア密度を有するSLM。
【請求項14】
前記キャリア密度が5×1017cm3以上である請求項13に記載のSLM。
【請求項15】
前記キャリア密度が1019cm3以上である請求項13に記載のSLM。
【請求項16】
前記半導体材料が、シリコンまたはゲルマニウム、あるいは前記材料の組み合わせである請求項13に記載のSLM。
【請求項17】
前記表面層が導電性である請求項13に記載のSLM。
【請求項18】
前記導電層が、多くて1000オーム/スクエアの表面抵抗を有する請求項17に記載のSLM。
【請求項19】
前記表面層が金属的特性を有する請求項13に記載のSLM。
【請求項20】
前記表面層が、縮退した半導体である請求項13に記載のSLM。
【請求項21】
前記表面層が半導体の層であり、該半導体の層において、フェルミ準位とその最も近いバンド縁部との間隔が、前記半導体のバルク内での前記フェルミ準位と前記最も近いバンド縁部との間隔より小さい請求項13に記載のSLM。
【請求項22】
前記表面層が蓄積層である請求項13に記載のSLM。
【請求項23】
前記表面に垂直な電磁場によって前記表面層を生成する行為をさらに含む請求項13に記載のSLM。
【請求項24】
前記表面層が、組み込まれた電荷を伴う薄膜である請求項13に記載のSLM。
【請求項25】
マイクロミラーと、該マイクロミラーを静電気的に引きつけることができる前記マイクロミラーの下の少なくとも1つの電極とである少なくとも2つの部材を含む静電アクチュエータであって、前記部材の少なくとも1つが半導体材料で形成されている静電アクチュエータにおいて、前記半導体部材の少なくとも1つが、前記アクチュエータの前記他の部材に面する表面層を備え、前記表面層が1017cm3以上のキャリア密度を有する静電アクチュエータ。
【請求項26】
前記キャリア密度が5×1017cm3以上である請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項27】
前記キャリア密度が1019cm3以上である請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項28】
前記半導体材料が、シリコンまたはゲルマニウム、あるいは前記材料の組み合わせである請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項29】
前記表面層が導電性である請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項30】
前記導電層が、多くて1000オーム/スクエアの表面抵抗を有する請求項29に記載の静電アクチュエータ。
【請求項31】
前記表面層が金属的特性を有する請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項32】
前記表面層が、縮退した半導体である請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項33】
前記表面層が半導体の層であり、該半導体の層において、フェルミ準位とその最も近いバンド縁部との間隔が、前記半導体のバルク内での前記フェルミ準位と前記最も近いバンド縁部との間隔より小さい請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項34】
前記表面層が蓄積層である請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項35】
前記表面に垂直な電磁場によって前記表面層を生成する行為をさらに含む請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項36】
前記表面層が、組み込まれた電荷を伴う薄膜である請求項25に記載の静電アクチュエータ。
【請求項37】
マイクロミラーと少なくとも1つの電極とである少なくとも2つの要素を有し、前記要素の少なくとも1つが半導体材料で製造されている静電アクチュエータの偏向のドリフトに対する安定化方法であって、
表面電位の絶対値を減少させるように、前記アクチュエータの他の要素に面する前記半導体材料の表面の表面特性を変化させる行為を含む方法。
【請求項38】
前記表面が、1×1017cm3以上のキャリア密度を有する請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記キャリア密度が1019cm3以上である請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記半導体材料が、シリコンまたはゲルマニウム、あるいは前記材料の組み合わせである請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記表面層が導電性である請求項1に記載の方法。
【請求項42】
前記導電層が、多くて1000オーム/スクエアの表面抵抗を有する請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記表面層が金属的特性を有する請求項37に記載の方法。
【請求項44】
前記表面層が、縮退した半導体である請求項37に記載の方法。
【請求項45】
前記表面層が半導体の層であり、該半導体の層において、フェルミ準位とその最も近いバンド縁部との間隔が前記半導体のバルク内での間隔より小さい請求項37に記載の方法。
【請求項46】
前記表面層が蓄積層である請求項37に記載の方法。
【請求項47】
前記表面に垂直な電磁場によって前記表面層を生成する行為をさらに含む請求項37に記載の方法。
【請求項48】
前記表面層が、組み込まれた電荷を伴う薄膜である請求項37に記載の方法。
【請求項49】
静電アクチュエータを有するマイクロミラー・デバイスの偏向のドリフトに対する安定化方法において、
前記マイクロミラーと前記マイクロミラーの下の少なくとも1つの電極とである少なくとも2つの部材を含むアクチュエータであって、前記少なくとも2つの部材の少なくとも1つが半導体材料で形成されているアクチュエータを提供する行為と、
電圧駆動手順を提供し、それによって、偏向の重要な段階の間、電場が各半導体性表面からまたは各半導体性表面に向かって常に同じ方向を有するようにする行為と、
前記偏向の重要な段階中の前記電場が蓄積層を生成するように、少なくとも1つの半導体性表面のドーピングを提供する行為と
を含む方法。
【請求項50】
前記ミラー・デバイスが、被加工物パターンをリソグラフィ形成するために使用されるSLM(空間光変調器)である請求項1、37、49に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図6e】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図6e】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2008−524666(P2008−524666A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548127(P2007−548127)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001963
【国際公開番号】WO2006/068547
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(504095793)マイクロニック レーザー システムズ アクチボラゲット (50)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001963
【国際公開番号】WO2006/068547
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(504095793)マイクロニック レーザー システムズ アクチボラゲット (50)
【Fターム(参考)】
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