説明

半導体装置、製造方法、および電子機器

【課題】製造コストの低減を図ることができる。
【解決手段】シリコンウェハ31の上面側の内部にメタルパッド32が形成され、シリコンウェハ31の上面にガラスシール材33が積層され、メタルパッド32がシリコンウェハ31の上面に露出するようにシリコンウェハ31およびガラスシール材33に加工された開口部にストッパ層34が形成される。そして、シリコンウェハ31の下面からストッパ層34まで開口するように縦孔35が形成され、縦孔35の先端部においてストッパ層34を介してメタルパッド32に電気的に接続され、シリコンウェハ31の下面まで延在するようにメタルシード層37が形成される。本発明は、例えば、固体撮像装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、製造方法、および電子機器に関し、特に、製造コストの低減を図ることができるようにした半導体装置、製造方法、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサに代表される固体撮像素子には、WL-CSP(Wafer Level Chip Size Package:ウエハレベルチップサイズパッケージ)が採用されている。WL-CSPは、半導体基板からチップを切り出す前に端子の形成や配線などが行われ、その後、半導体基板からチップを切り出すという方法によって形成される。
【0003】
このようなWL-CSPの製造工程では、例えば、半導体基板の背面から、半導体基板の内部に配置されているメタルパッドまで開口する微細な縦孔(VIA)を加工するプロセスがある。この縦孔の加工は、半導体素子の製造コストに大きな影響を及ぼすプロセスである。
【0004】
従来、前工程装置であるDRIE(Deep Reactive Ion Etching:深堀り反応性イオンエッチング装置)を用いて、シリコンウェハに縦孔が加工されるが、DRIEを用いた場合には装置コストが高くなる。また、DRIEでは、シリコンウェハの表面に感光性の物質を塗布し、パターン状に露光するフォトリソグラフィ工程が必要であった。
【0005】
これに対し、基板形成技術であるレーザードリルを使用して、シリコンウェハに縦孔を加工することが提案されている。レーザードリルを用いたプロセスでは、レーザーを照射して基板に縦孔を形成することができるため、フォトリソグラフィ工程が不要である。また、レーザードリルの装置は安価であることより、DRIEによる加工よりもレーザードリルによる加工の方が、製造コストの点で非常に有利である。
【0006】
ところが、レーザードリルを使用した場合、例えば、半導体基板の内部にあるメタルパッドまで縦穴が到達したタイミングで加工を正確に停止させるような制御を行うことが非常に困難であった。
【0007】
そこで、特許文献1には、半導体基板の内部においてメタルパッド上に金属バンプを配置し、その金属バンプに到るようにレーザードリルにより縦孔を加工するプロセスにより半導体装置を製造する方法が開示されている。このプロセスでは、レーザードリルにより縦孔を加工する際に、金属バンプが、加工の進行を停止させるためのストッパとして使用されている。金属バンプとしては、例えば、15μmの厚みのニッケルめっきが使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−305995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示されているような金属バンプを、レーザードリルによる加工のストッパとして使用する場合には、金属バンプの貫通を回避するために、レーザーのパワーを低出力とする必要がある。このため、縦孔の加工に長時間を要していた。さらに、金属バンプとして、厚さ15μmのニッケルめっきを形成する工程においても、加工に長時間を要していた。このように、半導体基板に縦孔を加工する工程が長時間になると、製造コストが上昇することになる。
【0010】
また、金属バンプの厚みを増した場合には、レーザードリルのパワーを高出力にしても金属バンプの貫通を回避することができると想定されるが、厚手の金属バンプを形成するのにさらなる時間を要してしまう。
【0011】
そこで、従来よりも、縦孔の加工に要する時間を短縮して、製造コストの低減を図ることが求められていた。
【0012】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、製造コストの低減を図ることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一側面の半導体装置は、半導体からなる基板である半導体基板と、前記半導体基板の内部の一方の面側に形成された電極層と、前記半導体基板の一方の面に積層された枠層と、前記電極層が前記半導体基板の一方の面に露出するように前記半導体基板および前記枠層に加工された開口部に形成された導電体層と、前記半導体基板の他方の面から前記導電体層まで開口するように形成された縦孔と、前記縦孔の先端部において前記導電体層を介して前記電極層に電気的に接続され、前記半導体基板の他方の面まで延在するように形成された配線層とを備える。
【0014】
本発明の一側面の製造方法は、半導体からなる基板である半導体基板の一方の面側の内部に電極層を形成し、前記半導体基板の一方の面に枠層を積層し、前記電極層が前記半導体基板の一方の面に露出するように前記半導体基板および前記枠層に加工された開口部に導電体層を形成し、前記半導体基板の他方の面から前記導電体層まで開口するように縦孔を形成し、前記縦孔の先端部において前記導電体層を介して前記電極層に電気的に接続され、前記半導体基板の他方の面まで延在するように配線層を形成するステップを含む。
【0015】
本発明の一側面の電子機器は、半導体からなる基板である半導体基板と、前記半導体基板の内部の一方の面側に形成された電極層と、前記半導体基板の一方の面に積層された枠層と、前記電極層が前記半導体基板の一方の面に露出するように前記半導体基板および前記枠層に加工された開口部に形成された導電体層と、前記半導体基板の他方の面から前記導電体層まで開口するように形成された縦孔と、前記縦孔の先端部において前記導電体層を介して前記電極層に電気的に接続され、前記半導体基板の他方の面まで延在するように形成された配線層とを有する半導体装置を備える。
【0016】
本発明の一側面においては、半導体基板の一方の面側の内部に電極層が形成され、半導体基板の一方の面に枠層が積層され、電極層が半導体基板の一方の面に露出するように半導体基板および枠層に加工された開口部に導電体層が形成される。そして、半導体基板の他方の面から導電体層まで開口するように縦孔が形成され、縦孔の先端部において導電体層を介して電極層に電気的に接続され、半導体基板の他方の面まで延在するように配線層が形成される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一側面によれば、製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を適用した固体撮像素子の一実施の形態の構成例を示す断面図である。
【図2】縦孔配線部の製造工程について説明する図である。
【図3】縦孔配線部の製造工程について説明する図である。
【図4】ガラスシール材およびセンサ部に開口部が形成された状態を示す図である。
【図5】スクリーン印刷法およびスプレーコート法を説明する図である。
【図6】ストッパ層として使用可能な材料を示す図である。
【図7】メタルパッドの下面にストッパ層が形成されているシリコンウェハを示す図である。
【図8】電子機器に搭載される撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明を適用した固体撮像素子の一実施の形態の構成例を示す断面図である。
【0021】
図1において、固体撮像素子11は、被写体からの光を検出するセンサ部12と、センサ部12から出力される信号を下面側から取り出すための縦孔配線部13とを備えており、センサ部12および縦孔配線部13の上面側がガラス基板14により覆われて構成される。
【0022】
センサ部12は、受光した光に応じた電荷信号を出力する複数のフォトダイオード21、フォトダイオード21に光を集光するためのオンチップマイクロレンズ22を備えている。なお、図示しないが、センサ部12は、カラーフィルタや、フローティングディフュージョン、各種のトランジスタなどを備えている。
【0023】
縦孔配線部13では、シリコンウェハ31の上面(図1において上側を向く面)に、メタルパッド32、ガラスシール材33、およびストッパ層34が積層されており、ガラスシール材33およびストッパ層34の上面にガラス基板14が配置されている。また、縦孔配線部13では、シリコンウェハ31を貫通するように形成された縦孔35の内面および下面(図1において下側を向く面)に、絶縁膜36、メタルシード層37、およびめっき層38が形成されている。そして、絶縁膜36およびめっき層38の下面にソルダーマスク39が形成され、ソルダーマスク39を貫通してめっき層38に接続するようにソルダーボール40が配設されている。
【0024】
シリコンウェハ31は、半導体からなる薄い基板であり、シリコン層31aの上面に酸化膜31bが形成されている。
【0025】
メタルパッド32は、シリコンウェハ31の酸化膜31b内、つまり、シリコンウェハ31の内部の上面側に形成された金属の層であり、センサ部12からの信号を出力する電極として機能する。また、メタルパッド32としては、例えば、アルミニウムや、銅、タングステン、ニッケル、タンタルなどの金属が使用される。
【0026】
ガラスシール材33は、シリコンウェハ31にガラス基板14を貼り合せるためのシール材である。また、ガラスシール材33には開口部42(図2参照)が形成され、ガラスシール材33は、ストッパ層34を形成するための枠となる層である。
【0027】
ストッパ層34は、シリコンウェハ31の上面にメタルパッド32が露出するように、酸化膜31bおよびガラスシール材33に形成された開口部を充填するように形成された導電体からなる層である。また、ストッパ層34は、ガラスシール材33と同程度の厚みとなるように形成され、例えば、約50μm、好ましくは、10〜100μmの範囲の厚みで形成される。ストッパ層34としては、後述の図6に示すように、銀や銅などが使用される。
【0028】
縦孔35は、シリコンウェハ31の上面側に形成されたメタルパッド32からシリコンウェハ31の下面までの配線を設けるために形成され、シリコンウェハ31の上下面に対して略直交する微細な孔である。絶縁膜36は、シリコンウェハ31の下面側を絶縁する。メタルシード層37は、センサ部12からの信号をシリコンウェハ31の下面側に導くための配線であり、縦孔35の先端部分においてストッパ層34を介してメタルパッド32と電気的に接続され、シリコンウェハ31の下面まで延在するように形成される。
【0029】
めっき層38は、例えば、メタルシード層37をエッチングにより形成する際のマスクとして利用される層である。ソルダーマスク39は、ソルダーボール40に外部から配線を接続する際に、はんだ付けが不要な部分にはんだが付かないようにするためのマスクである。ソルダーボール40は、センサ部12からの信号を外部に出力する配線を接続するための端子である。
【0030】
次に、図2乃至図5を参照して、縦孔配線部13の製造工程について説明する。
【0031】
まず、図2に示す第1の工程において、シリコンウェハ31の酸化膜31b内にメタルパッド32が形成される。メタルパッド32は、例えば、センサ部12が有する図示しない選択トランジスタに接続される信号線の端部(BEOL:Back End Of the Line)である。
【0032】
第2の工程において、シリコンウェハ31の上面側のメタルパッド32に対応する箇所の酸化膜31bに、メタルパッド32が露出するような開口部41が形成される。開口部41は、上面から見てメタルパッド32よりも小面積となるように形成され、メタルパッド32の縁部には酸化膜31bが重なり合っている。つまり、メタルパッド32は、開口部41を形成する際のプロセスマージンを考慮して大きめに形成されている。
【0033】
第3の工程において、シリコンウェハ31およびメタルパッド32の上面にガラスシール材33が形成される。また、ガラスシール材33は、センサ部12(図1)の上面にも形成される。
【0034】
第4の工程において、メタルパッド32が露出するように、ガラスシール材33に開口部42が形成される。ガラスシール材33に形成される開口部42は、上面から見て酸化膜31bに形成される開口部41よりも大面積となるように形成され、メタルパッド32が上面側に確実に露出される。また、メタルパッド32の縁部に重なり合う酸化膜31bも上面側に露出する。
【0035】
なお、第4の工程では、図4に示すように、ガラスシール材33に開口部42を形成するのと同時に、センサ部12の上面に形成されたガラスシール材33にも開口部43が形成される。図4には、ガラスシール材33の開口部42とセンサ部12の開口部43とが形成された状態が示されている。
【0036】
第5の工程において、酸化膜31bに形成された開口部41およびガラスシール材33に形成された開口部42に、ストッパ層34が形成される。また、ストッパ層34を形成する方法としては、スクリーン印刷法や、スプレーコート法、スタッドバンプ形成法などが用いられる。
【0037】
ここで、図5Aには、スクリーン印刷法の概略的な構成が示されている。スクリーン印刷法では、ストッパ層34となる導電性のペースト51が、ガラスシール材33に形成された開口部42に対応するような孔が形成されたスクリーン52の上面に載せられ、スキージ53によりスクリーン52に押し付けられるように伸ばされる。これにより、スクリーン52の孔を通過したペースト51が開口部42に充填され、ストッパ層34が形成される。
【0038】
また、図5Bには、スプレーコート法の概略的な構成が示されている。スプレーコート法では、ストッパ層34となる導電性のペースト51が、ノズル54から微量ずつ吐出される。これにより、ガラスシール材33に形成された開口部42にペースト51が充填され、ストッパ層34が形成される。
【0039】
このようにしてストッパ層34が形成され、ストッパ層34の厚みは、ガラスシール材33と同程度の厚み(例えば、50μm程度)となる。
【0040】
次に、図3に示す第6の工程において、ガラスシール材33を介してシリコンウェハ31の上面にガラス基板14が貼り合される。また、この工程において、シリコンウェハ31の下面側が研削(BGR:Back Grind)され、シリコンウェハ31が薄肉化される。
【0041】
第7の工程において、レーザードリルにより、メタルパッド32を貫通してストッパ層34に到るまで縦孔35が加工される。このとき、レーザードリルのパワーを高出力にしても、例えば、上述の特許文献1の金属バンプよりも膜厚化されたストッパ層34においてレーザードリルによる加工の進行が停止される。即ち、ストッパ層34が貫通することなく、高出力のレーザードリルにより短時間で縦孔35が加工される。
【0042】
第8の工程において、縦孔35およびシリコンウェハ31の下面に絶縁膜36が形成される。
【0043】
第9の工程において、縦孔35の先端面における絶縁膜36が開口されて、縦孔35にストッパ層34が露出される。その後、ストッパ層34および絶縁膜36にメタルシード層37が積層される。これにより、ストッパ層34とメタルシード層37とが電気的に接続される。その後、図1に示されているように、めっき層38、ソルダーマスク39、ソルダーボール40が形成される。
【0044】
以上のように縦孔配線部13は形成され、ガラスシール材33に形成された開口部42にペースト51(図5)を充填することによりストッパ層34が形成されるので、約50μmの厚みのあるストッパ層34が形成可能である。また、スクリーン印刷法またはスプレーコート法を採用することで、例えば、スパッタ法を採用する場合などに要する加工時間と比較して、1/2から1/10まで程度の短時間でストッパ層34を形成することができる。
【0045】
このようにストッパ層34を膜厚化することで、上述したような製造工程による製造方法では、特許文献1に開示されている製造方法よりも、高出力のレーザードリルを使用することができる。これにより、高出力のレーザードリルにより短時間で縦孔35を加工することができ、縦孔配線部13の製造時間を従来よりも短縮することができる。従って、全体的に、固体撮像素子11の製造時間が短縮されるので、固体撮像素子11の製造コストの低減を図ることができる。
【0046】
一方、例えば、上述の特許文献1に開示されている金属バンプの厚みを増すことにより、金属バンプによりレーザードリルをストップさせることができると想定される。しかしながら、金属バンプの厚みを増す場合には、金属バンプの形成に長時間を要するだけでなく、隣接する金属バンプどうしが接触する恐れがあった。これに対し、固体撮像素子11における縦孔配線部13の製造方法では、ガラスシール材33に形成された開口部を充填するようにストッパ層34が形成されるため、ストッパ層34どうしが接触することが発生することはない。
【0047】
また、レーザードリルを使用した場合、レーザードリルの装置の装置コストは、DRIEの装置コストよりも安価であり、この点においても、固体撮像素子11の製造コストの低減を図ることができる。
【0048】
さらに、約50μmの厚みのあるストッパ層34により、レーザードリルによる縦孔35の加工を確実に停止することができ、レーザードリルによる加工の制御を容易に行うことができる。また、ストッパ層34に厚みがあるので、レーザードリルによる加工を簡易的な制御で行うことができ、縦孔35の深さに多少のバラツキが発生しても、ストッパ層34とメタルシード層37とで良好なコンタクトを得ることができる。つまり、固体撮像素子11は、縦孔35の深さバラツキに対してロバストのある設計と言うことができる。
【0049】
ここで、図6には、ストッパ層34として使用可能な材料が示されている。
【0050】
上述したように、レーザードリルによりシリコンウェハ31に縦孔35を加工するため、ストッパ層34においてレーザードリルによる加工の進行を停止させるには、シリコン(Si)の融点(1410℃)よりも融点が高い材料をストッパ層34として使用することが好ましい。また、シリコンの融点よりも融点が低い材料であっても、縦孔配線部13では、ストッパ層34の厚みを50μm程度と厚く形成することができるので、この厚みによりストッパ層34が貫通することなくレーザードリルによる加工の進行を停止させることができる。
【0051】
シリコンの融点よりも融点が低い材料としては、銀(Ag:融点961℃)、金(Au:融点:1063℃)、および銅(Cu:融点1083℃)がストッパ層34として使用可能である。
【0052】
また、シリコンの融点よりも融点が高い材料としては、クロム(Cr:融点1890℃)、イリジウム(Ir:融点2410℃)、モリブデン(Mo:融点2610℃)、ニオブ(Nb:融点2468℃)、ニッケル(Ni:融点1453℃)、パラジウム(Pd:融点1552℃)、白金(Pt:融点1769℃)、ルテニウム(Ru:融点2250℃)、タンタル(Ta:融点2998℃)、バナジウム(V:融点1890℃)、タングステン(W:融点3410℃)、および、ジルコニウム(Zr:融点1852℃)がストッパ層34として使用可能である。
【0053】
さらに、これらの材料の中でもペーストとして容易に入手することができる材料、例えば銀や銅などをストッパ層34として使用することがより好適である。また、これらの材料の他、窒化チタン(TiN)や、窒化タンタル(TaN)などもストッパ層34として使用することができる。窒化チタンおよび窒化タンタルの融点は、シリコンの融点よりも非常に高く、それぞれ2930℃および3090℃であり、窒化チタンおよび窒化タンタルで上述した程度の厚みのストッパ層34を形成することで、より良好に、レーザードリルによる加工の進行を停止させることができる。
【0054】
なお、上述の縦孔配線部13では、メタルパッド32の上面にストッパ層34が形成された構成例が示されているが、メタルパッド32の下面にストッパ層34が形成される構成としてもよい。
【0055】
図7には、メタルパッド32の下面にストッパ層34’が形成されているシリコンウェハ31が示されている。例えば、図2で説明した第1の工程においてメタルパッド32を形成する際に、メタルパッド32よりも先にストッパ層34’を形成することで、メタルパッド32の下面にストッパ層34’を形成することができる。
【0056】
図8は、電子機器に搭載される撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【0057】
図8に示すように、撮像装置101は、光学系102、シャッタ装置103、撮像素子104、駆動回路105、信号処理回路106、モニタ107、およびメモリ108を備えて構成され、静止画像および動画像を撮像可能である。
【0058】
光学系102は、1枚または複数枚のレンズを有して構成され、被写体からの像光(入射光)を撮像素子104に導き、撮像素子104の受光面(センサ部)に結像させる。
【0059】
シャッタ装置103は、光学系102および撮像素子104の間に配置され、駆動回路105の制御に従って、撮像素子104への光照射期間および遮光期間を制御する。
【0060】
撮像素子104としては、上述したような構成例の固体撮像素子11が適用される。撮像素子104には、光学系102およびシャッタ装置103を介して受光面に結像される像に応じて、一定期間、信号電荷が蓄積される。そして、撮像素子104に蓄積された信号電荷は、駆動回路105から供給される駆動信号(タイミング信号)に従って転送される。
【0061】
駆動回路105は、撮像素子104の転送動作、および、シャッタ装置103のシャッタ動作を制御する駆動信号を出力して、撮像素子104およびシャッタ装置103を駆動する。
【0062】
信号処理回路106は、撮像素子104から出力された信号電荷に対して各種の信号処理を施す。信号処理回路106が信号処理を施すことにより得られた画像(画像データ)は、モニタ107に供給されて表示されたり、メモリ108に供給されて記憶(記録)されたりする。
【0063】
このように構成されている撮像装置101では、撮像素子104として、上述したように低コストで製造可能な固体撮像素子11を適用することにより、撮像装置101の製造コストの削減を図ることができる。
【0064】
なお、縦孔35の加工には、レーザードリルの他、DRIEやドライエッチングなどを採用することができる。
【0065】
また、固体撮像素子11の構成は、裏面照射型のCMOS型固体撮像素子や、表面照射型のCMOS型固体撮像素子、CCD(Charge Coupled Device)型固体撮像素子に採用することができる。さらに、本発明は、固体撮像素子の他、例えば、論理回路がIC(Integrated Circuit)チップ上に集積されて構成されたロジックチップなどの半導体装置(半導体素子)に適用することができる。
【0066】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0067】
11 固体撮像素子11, 12 センサ部, 13 縦孔配線部, 14 ガラス基板, 21 フォトダイオード, 22 オンチップマイクロレンズ, 31 シリコンウェハ, 32 メタルパッド, 33 ガラスシール材, 34 ストッパ層, 35 縦孔, 36 絶縁膜, 37 メタルシード層, 38 めっき層, 39 ソルダーマスク, 40 ソルダーボール, 41乃至43 開口部, 101 撮像装置, 102 光学系, 103 シャッタ装置, 104 撮像素子, 105 駆動回路, 106 信号処理回路, 107 モニタ, 108 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体からなる基板である半導体基板と、
前記半導体基板の内部の一方の面側に形成された電極層と、
前記半導体基板の一方の面に積層された枠層と、
前記電極層が前記半導体基板の一方の面に露出するように前記半導体基板および前記枠層に加工された開口部に形成された導電体層と、
前記半導体基板の他方の面から前記導電体層まで開口するように形成された縦孔と、
前記縦孔の先端部において前記導電体層を介して前記電極層に電気的に接続され、前記半導体基板の他方の面まで延在するように形成された配線層と
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記縦孔は、レーザードリルにより、前記半導体基板の他方の面から前記電極層を貫通して前記導電体層に到るまで形成される
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記導電体層は、導電体のペースト材が前記開口部に充填されることにより形成される
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記枠層は、前記半導体基板の一方の面にガラス基板を貼り合せるのに使用されるシール材である
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
半導体からなる基板である半導体基板の一方の面側の内部に電極層を形成し、
前記半導体基板の一方の面に枠層を積層し、
前記電極層が前記半導体基板の一方の面に露出するように前記半導体基板および前記枠層に加工された開口部に導電体層を形成し、
前記半導体基板の他方の面から前記導電体層まで開口するように縦孔を形成し、
前記縦孔の先端部において前記導電体層を介して前記電極層に電気的に接続され、前記半導体基板の他方の面まで延在するように配線層を形成する
ステップを含む半導体装置の製造方法。
【請求項6】
半導体からなる基板である半導体基板と、
前記半導体基板の内部の一方の面側に形成された電極層と、
前記半導体基板の一方の面に積層された枠層と、
前記電極層が前記半導体基板の一方の面に露出するように前記半導体基板および前記枠層に加工された開口部に形成された導電体層と、
前記半導体基板の他方の面から前記導電体層まで開口するように形成された縦孔と、
前記縦孔の先端部において前記導電体層を介して前記電極層に電気的に接続され、前記半導体基板の他方の面まで延在するように形成された配線層と
を有する半導体装置
を備える電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−191055(P2012−191055A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54389(P2011−54389)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】