説明

半導体装置の製造方法、電子機器の製造方法、半導体装置および電子機器

【課題】配線の信頼性を向上させ、特に、配線の微細化に対応し得る配線の形成方法を提供する。
【解決手段】基板1上にフォトレジスト膜7を形成し、このフォトレジスト膜7を露光、現像することにより、幅W2を有し、深さD2の第2溝9Bと、この第2溝9Bの略中央部に位置し、幅W1を有し、深さD1の第1溝9Aよりなる溝9を形成し、第1溝9Aに、導電性材料液を例えば、インクジェット法により注入し、熱処理を施し、第1溝9A内に導電性膜(配線)を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法等に関するものであり、特に、半導体装置の配線の形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、半導体膜、絶縁膜および導電性膜の積層構造を有している。中でも、素子の微細化に伴い、配線等の導電性膜の微細化、例えば、細幅化および薄膜化の要求が大きくなっている。
【0003】
一方、ガラス基板上に、薄膜トランジスタ(TFT: thin film transistor)のような半導体素子を形成し、表示装置(液晶装置、有機エレクトロルミネッセンス装置)の表示部や駆動部を構成する場合、液体材料を用いて各構成部位(TFT自身や配線)を形成する技術の開発がなされている。
【0004】
例えば、下記特許文献1(特開2005−12181号公報)には、細い線状のパターンを、精度よく安定して形成するため、基板(P)上にバンク(B)を形成する工程と、バンク(B)によって区画された領域(A)に、機能液(L)を配置する工程とを有するパターン形成方法が開示されている。なお、括弧内は、当該公報中の符号番号である。
【特許文献1】特開2005−12181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、半導体装置の研究・開発に従事しており、TFT等の半導体素子を有する回路等の形成に際し、追って詳細に説明するように導電性材料液(機能液)を液滴吐出方式により吐出し、配線を形成する方法を検討している。
【0006】
このような配線を形成する際には、配線形成予定領域の両側にバンクとよばれる突起部を形成し、このバンク間に導電性材料液を吐出し、熱処理(乾燥、焼成)することにより配線を形成する。
【0007】
しかしながら、バンクを形成する下層の膜に凹凸がある場合、追って詳細に説明するように、下層の凹凸により配線膜厚にばらつきが生じるといった問題がある。これは、導電性材料液特有の問題である。この配線膜厚のばらつきを低減するため、導電性材料液の濃度を高くし、所定の膜厚を確保する対策も考えられるが、導電性材料液には、有機溶媒中に金属微粒子を分散媒などと共に混合した液があり、金属微粒子の濃度を高くすることに限界がある。さらに、導電性材料液を熱処理(乾燥、焼結)する際、金属微粒子の粒成長、溶媒や分散媒などの揮発により配線中にボイドが発生し易い。かかるボイドが膜厚のばらつきをさらに助長する場合がある。
【0008】
このように配線膜厚にばらつきが生じると、断線や当初は接続状態であっても、動作を繰り返すうちにエレクトロマグレーション(EM)が生じ、発熱や使用時の断線の問題が生じる。さらに、配線の微細化により、配線の幅が細くなり、また、その膜厚が薄膜化する場合、これらの問題は益々大きくなる。
【0009】
本発明は、配線の信頼性を向上させることを目的とする。特に、配線の微細化に対応し得る配線の形成方法を提供することを目的とする。また、本発明は、配線の信頼性を向上させることで、半導体装置や電子機器の特性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明の半導体装置の製造方法は、(a)基板上に絶縁膜を形成する工程と、(b)上記絶縁膜を選択的に除去し、第1幅を有し、第1深さの第1溝と、上記第1溝の略中央部に位置し、第2幅を有し、第2深さの第2溝とを形成する工程と、(c)上記第2溝に、導電性材料液を注入する工程と、(d)上記導電性材料液に処理を施し、上記第2溝内に導電性膜を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
かかる方法によれば、第2溝の底部が、その下層の凹凸の影響を受けないので、第2溝中に形成される導電性膜の膜厚の均一性を向上させることができる。また、第2溝の第2幅および第2深さによって導電性膜の幅および膜厚が規定されるため、配線(導電性膜)等の微細化に寄与することができる。また、EM耐性(EM特性)を向上させる等、配線の信頼性の向上を図ることができる。
【0012】
より好ましくは、上記第2溝は、第1端と第2端を有し、上記第2溝の底面は、上記第1端から上記第2端方向に傾斜している。かかる方法により、導電性材料液を第2端方向に導入することができ、また、第1端から第2端にかけての導電性膜の膜厚の均一性を向上させることができる。
【0013】
例えば、上記半導体装置の製造方法は、さらに、(e)上記導電性膜上を含む上記第1溝に他の導電性材料液を注入し、処理を施すことにより、上記第1溝内に他の導電性膜を形成する工程を有する。かかる方法により、導電性膜の積層構造を有する配線を形成することができる。また、この配線の膜厚の均一性を向上させることができ、また、EM耐性を向上させる等、配線の信頼性の向上を図ることができる。
【0014】
例えば、上記第1端には、上記第1幅より広い液溜め部が配置され、上記(c)工程は、上記液溜め部に上記導電性材料液を吐出した後、上記第2溝に上記導電性材料液を導入する工程である。かかる方法によれば、液溜め部から第2溝に導電性材料液を導入することができる。
【0015】
例えば、上記導電性材料液の注入は、インクジェット法により上記導電性材料液の液滴を滴下させることにより行われる。かかる方法によれば、第2溝に導電性材料液を注入することができる。
【0016】
例えば、上記液溜め部への上記導電性材料液の吐出は、インクジェット法により上記導電性材料液の液滴を滴下させることにより行われ、上記第2幅は、上記液滴の液滴径より小さく、上記液溜め部の幅は、上記液滴の液滴径より大きい。かかる方法によれば、液滴径より小さい幅の導電性膜を形成することができる。
【0017】
より好ましくは、上記絶縁膜は感光性材料からなる。かかる方法によれば、第1溝および第2溝を露光量を調整することで、短工程で容易に形成することができる。
【0018】
例えば、上記導電性材料液は、導電性微粒子および分散媒を含有し、上記(d)工程は、上記導電性材料液に熱処理を施すことにより行われる。かかる方法により導電性微粒子が焼結した導電性膜を形成することができる。
【0019】
例えば、上記導電性材料液は、触媒を含有し、上記(d)工程は、上記導電性膜をメッキ法により成長させることにより行われる。かかる方法により、メッキ(無電界メッキ)成長した導電性膜を形成することができる。
【0020】
(2)本発明の電子機器の製造方法は、半導体装置を有する電子機器の製造方法であって、上記半導体装置の製造方法を有する。ここで「電子機器」とは、本発明にかかる半導体装置を備えた一定の機能を奏する機器一般をいい、例えば電気光学装置やメモリを備えて構成される。その構成に特に限定はないが、例えばICカード、携帯電話、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、リア型またはフロント型のプロジェクター、さらに表示機能付ファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、PDA、電子手帳、電光掲示板、宣伝広告用ディスプレイなどが含まれる。また、「電気光学装置」とは、本発明にかかる半導体装置を備えた、電気的作用によって発光するあるいは外部からの光の状態を変化させる電気光学素子を備えた装置一般をいい、自ら光を発するものと外部からの光の通過を抑制するものの双方を含む。例えば、電気光学素子として、液晶素子、電気泳動粒子が分散した分散媒体を有する電気泳動素子、EL(electroluminescence)素子、電界の印加により発生した電子を発光板に当てて発光させる電子放出素子を備えたアクティブマトリクス型の表示装置等がある。
【0021】
(3)本発明の半導体装置は、(a)基板上に形成された絶縁膜と、(b)上記絶縁膜中に形成された溝部であって、第1幅を有し、第1深さの第1溝と、上記第1溝の略中央部に位置し、第2幅を有し、第2深さの第2溝とを有する溝部と、(c)上記溝部のうち、上記第2溝内に形成された導電性膜と、(d)上記導電性膜上を含む上記第1溝内に形成された膜と、を有する。
【0022】
かかる方法によれば、第2溝の底部が、その下層の凹凸の影響を受けないので、第2溝中に形成される導電性膜の膜厚の均一性を向上させることができる。また、第2溝の第2幅および第2深さによって導電性膜の幅および膜厚が規定されるため、配線(導電性膜)等の微細化に寄与することができる。また、EM耐性を向上させる等、配線の信頼性の向上を図ることができる。
【0023】
例えば、上記膜は、他の導電性膜である。かかる構成により、溝内部に導電性膜の積層構造を有する配線を配置することができる。また、この配線の膜厚の均一性を向上させることができ、また、EM耐性を向上させる等、配線の信頼性の向上を図ることができる。
【0024】
例えば、上記膜は、他の絶縁膜である。かかる構成により、導電性膜とその上層の導電性膜との絶縁を図ることができる。
【0025】
(4)本発明の電子機器は、半導体装置を有する電子機器であって、上記半導体装置を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同一の機能を有するものには同一もしくは関連の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。
<実施の形態1>
図1〜図6および図9は、本実施の形態の配線の製造方法を示す要部平面図、工程断面図もしくは斜視図である。
【0027】
図1(A)に示すように、配線3a、3b、3cが形成されたガラス基板(基板、石英基板、透明基板、絶縁性基板)1を準備する。これらの配線3a、3b、3cは、導電性膜よりなり、例えば、その膜厚が異なっている。また、これらの配線3a、3b、3cの上部には、層間絶縁膜5が形成されている。この層間絶縁膜5は、例えば、酸化シリコン膜よりなり、例えば、TEOS(tetra ethyl ortho silicate、テトラエトキシシラン)および酸素ガスなどを原料ガスとして、例えばプラズマCVD(chemical vapor deposition、化学気相成長)法を用いて形成する。なお、SOG(spin on glass)材料を回転塗布した後、熱処理を施すことにより形成してもよい。この層間絶縁膜5の表面は、配線3a、3b、3cに起因する凹凸を有している。
【0028】
次いで、図1(B)に示すように、感光性を有する絶縁膜としてフォトレジストを回転塗布し、層間絶縁膜5上にフォトレジスト膜7を形成する。次いで、当該フォトレジスト膜7を露光、現像(フォトリソグラフィー)することにより、フォトレジスト膜7の表面に溝(配線溝)9を形成する。この溝9の形状について、図2(A)、図3(A)〜(C)および図4を参照しながら説明する。なお、図3(A)〜(C)は、それぞれ図2(A)のII−II’、III−III’、IV−IV’部の断面に対応する。また、図2(B)は、図2(A)のI−I’部の断面に対応する。また、図4は、溝9の斜視図である。
【0029】
図示するように、溝9は、配線3a等と直交する方向に延在し、幅W1、深さ(高さ、側壁高さ)D1の第1溝9Aと、幅W2(W2>W1)を有し、深さD2の第2溝9Bとからなる。言い換えれば、溝9は、幅W2を有し、深さD2の第2溝9Bの略中央部に、幅W1(<W2)を有し、深さD1の第1溝9Aが配置された構成を有する。また、言い換えれば、溝9は、幅W2の中央部(幅W1)において、その深さがさらに深く(D1+D2)となっている。また、言い換えれば、溝9は、その側壁が2段の階段形状となっている。なお、ここでは、「溝(凹部、窪み)」と言うが、その両側の突起を指して「バンク」ということもある。
【0030】
このような形状の溝の形成装置としては、走査・逐次描画型のデジタル露光装置がある。この装置は、マスクを用いず、デジタルデータを直接入力し、DMD(デジタル マイクロミラー デバイス)にて描画を行う。当該装置によれば、露光量を調整することで、深い溝、浅い溝などを随意に形成することができる。従って、露光量を調整することにより一度の露光(描画)で溝9(第1溝9Aおよび第2溝9B)を形成することも可能である。例えば、幅W2の領域に少ない露光量にて露光させ、その後幅W1の領域を多い露光量にて露光させる。その後一括で現像することにより、溝9を形成させる。
【0031】
また、幅W2(W2<W1)の領域を露光し、現像することにより深さD2の第2溝9Bを形成した後、その中央部の幅W1の領域を露光し、現像することにより深さD1の第1溝9Aを形成してもよい。また、例えば、幅W2中であって幅W1を除く領域(幅W1の両側)に対応する位置に、露光量を低減させる半透過性のマスクを配置し、当該領域の露光量を低減することで、溝9Bを浅くすることができる。
【0032】
このように、感光性を有する絶縁膜(フォトレジスト膜7)を用いることで、エッチング工程を省略でき、短工程で溝9を形成することができる。また、露光量を調整することで第1溝9Aおよび第2溝9Bを簡単な工程で形成することができる。
【0033】
この感光性を有する絶縁膜(フォトレジスト膜7)は、層間絶縁膜としての役割も果たすため、無機系では、シロキサン骨格を持つ高分子材料、有機系では、アクリル系、オレフィン系、メラミン系、ポリイミド系の高分子材料等を用いて好適である。
【0034】
もちろん、感光性を有さない絶縁膜をパターニングすることで、第1溝9Aおよび第2溝9Bを形成してもよい。例えば、幅W1の領域を深さ(D1+D2)だけエッチングし、形成された溝を例えばフォトレジスト膜等を用いて埋め込み、さらに、幅W2の領域を深さD2だけエッチングし、残存するフォトレジスト膜を除去することで、溝9を形成することができる。
【0035】
また、導電性材料液を溝9内に流れやすくするために、溝9の形成前にフォトレジスト膜7の表面にフッ素樹脂コーティングやプラズマ処理などを行い、その表面に撥液処理を施すことが望ましい。その後、フォトレジスト膜7中に溝9を形成する。
【0036】
次いで、図5に示すように、導電性材料液11を例えば液滴吐出方式(液滴噴射法、インクジェット法、印刷法)により第1溝9A中に注入する。第1溝9Aに沿って随時液滴を吐出してもよいし、後述するように、第1溝9Aに連結する液溜め部(プール部)に一括して液滴を吐出し、第1溝9A内に導入してもよい。
【0037】
この際、導電性材料液11は、第1溝9A内に、その表面張力によって液表面が凸形状となるよう充填されることが好ましい(図5参照)。
【0038】
次いで、第1溝9A内の導電性材料液11に熱処理(乾燥、焼成)を施すことにより、第1溝9A内に導電性膜(配線)11Aを形成する(図6(A)および(B)参照)。ここで、この導電性膜11Aの幅は、第1溝9Aの幅W1と対応し、さらに、その膜厚は、第1溝9Aの深さD1と対応する。なお、導電性材料液を構成する分散媒(溶媒)等の揮発や金属粒子の凝縮(焼結)により、導電性膜の膜厚は、深さD1より小さくなる。従って、形成しようとする導電性膜の膜厚に、上記膜厚の減少分を勘案して第1溝9Aの深さD1をあらかじめ設定することで、所望の膜厚を有する導電性膜11Aを任意に形成することができる。
【0039】
また、第1溝9A底面の平坦性を確保するため、フォトレジスト膜7の塗布量を、その下層の最高位置においても、その膜厚が上記深さD1とD2の和(D1+D2)より大きくなるよう予め設定する必要がある。この場合、第1溝9A底面からは、フォトレジスト膜7自身が露出し、その下層の膜(この場合は、絶縁膜5)が露出することがない。
【0040】
ここで、図7(A)に示す、フォトレジスト膜7をその底部まで露光し、絶縁膜5の表面を露出させた場合と本実施の形態と比較検討する。なお、図7は、本実施の形態の効果を説明するための比較工程断面図である。この場合、絶縁膜5の凹凸により導電性膜11Bの膜厚のばらつきが大きくなってしまう。なお、溝の幅は一定で、例えば、幅W3である。また、図7(B)に示すように、導電性材料液の粘性を高め、導電性膜11Bの膜厚のばらつきを低減しても、かかる調整には限界がある。また、前述したように、導電性材料液中に金属微粒子を用いる場合、その濃度を高くすることに限界がある。
【0041】
これに対し、本実施の形態によれば、導電性膜11Aの膜厚のばらつきを低減でき、EM耐性を向上させることができる等、その特性の向上を図ることができる。
【0042】
また、図7(A)および(B)に示す導電性膜11Bにおいては、その膜厚をかなり大きくする必要があり、配線(導電性膜)の微細化に適さない。
【0043】
これに対し、本実施の形態によれば、前述したように、第1溝9Aの幅や深さをあらかじめ設定することで、所望の幅や膜厚を有する導電性膜を任意に形成することができ、配線(導電性膜)の微細化にも容易に対応することができる。
【0044】
また、図8(A)に示すように、幅W1、深さ(D1+D2)の溝9Cを形成し、その底部に所定量の導電性材料液11を注入することも可能である。しかしながら、この場合、図示するように、その表面形状が凹状となる場合がある。また、液の粘性によっては、膜の均一性が確保できないといった問題が生ずる。また、配線幅が微細な場合には、その底部まで液が滴下せず、ボイドにより断線や膜の不均一が生じる。なお、図8は、本実施の形態の効果を説明するための比較工程断面図である。
【0045】
これに対し、本実施の形態によれば、第1溝9Aの幅およびによって導電性膜(配線)の幅および厚さをあらかじめ規定することで、その膜厚のばらつきを小さくすることができ、また、微細な幅の配線にも容易に対応することができる。また、溝9の上部が幅広となっているため、その底部の第1溝9A内に液を導入しやすい。
【0046】
一方、図8(B)に示すように、幅W1、深さD2の溝9Dを直接フォトレジスト膜7に形成してもよいが、この場合、フォトレジスト膜7の塗布量の調整が困難となる。即ち、フォトレジスト膜7の塗布量を、その下層の最高位置において、その膜厚が上記深さD1程度となるよう予め設定する必要がある。
【0047】
これに対し、本実施の形態によれば、フォトレジスト膜7の塗布量を多くしても、深さD2を大きくすることで、所望の位置(深さ)に導電性膜(配線)11Aを制御性良く形成することができる。また、塗布量を大きくできることで、フォトレジスト膜7の表面の平坦性を向上することができ、溝9(第1溝9Aおよび第2溝9B)の底面の平坦性を向上させることができる。
【0048】
ここで、導電性材料液について説明する。ここでいう「導電性材料液」とは、以下に示す金属液を分散媒(分散剤)に混合させた機能液の他、有機金属化合物を溶媒中に溶解させた液などを含み、導電性材料が溶解しているか、単に混合(分散)しているかを問わない広い意味での液体材料を指すものである。従って、当該液に何らかの処理(例えば熱処理など)を施すことにより導電性膜が形成される液体であればよい。
【0049】
次いで、導電性材料液の一種である機能液について説明する。機能液とは、導電性微粒子を含み分散媒などにより凝集しないよう工夫された液体である。導電性微粒子としては、例えば、金、銀、銅、パラジウム、及びニッケルのうちのいずれかを含有する金属微粒子の他、これらの酸化物、並びに導電性ポリマーや超電導体の微粒子などが用いられる。この導電性微粒子の粒径は1nm以上0.1μm以下であることが好ましい。0.1μmより大きいと、液体吐出ヘッドのノズルに目詰まりを起こす危険性があるからである。また、1nmより小さいと、導電性微粒子に対するコーティング剤の体積比が大きくなり、得られる膜中の有機物の割合が過多となるためである。分散媒としては、導電性微粒子を分散できるもので凝集を起こさなければ、特に限定はないが、例えば、水、この他、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類や、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼン、などの炭化水素系化合物や、また、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を用いることができる。これらのうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、また液滴吐出法(インクジェット)への適用の容易さの観点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、より好ましい分散媒としては、水、炭化水素系化合物を挙げることができる。
【0050】
この他、めっき法により金属膜を成長させ、導電性膜としてもよい。このような場合、例えば、Pd(パラジウム)触媒やAg(銀)触媒をシランカップリング剤などに添加しためっき液を調整し、これを用いて第1溝9A内に、無電解めっきにより、導電性膜をめっき成長させる。この際、あらかじめ溝の底面にめっき金属膜の成長の種となるシード層を形成してもよい。
【0051】
また、上記方法に限らず、有機金属化合物溶液を用いて導電性膜を形成してもよい。
【0052】
次いで、図9に示すように、溝9(第1溝9Aおよび第2溝9B)内を含むフォトレジスト膜7上に絶縁膜13として例えばフォトレジスト膜を回転塗布し、さらに、上層の導電性膜(配線)を形成する。なお、液滴吐出法を用いて溝9内部にのみ絶縁膜13を形成してもよい。
【0053】
ここで、図10に示すように、第2溝9B内に他の導電性材料液12を導電性材料液11と同様に注入し処理することにより、導電性膜11A上に導電性膜12Aを形成し、これらの積層膜で配線を構成してもよい。この場合、導電性膜12Aは、幅W2となり、深さD2に対応する膜厚を有する。この導電性膜12Aにおいても、所定の膜厚となるよう深さD2を調整する。この場合、溝9の側壁が3段の階段形状となるよう、即ち、第2溝9B上により幅の広い第3溝を形成してもよい。図10は、本実施の形態の他の配線構造を示す要部断面図である。
【0054】
かかる構成によれば、導電性膜11Aと導電性膜12Aとの積層膜で配線を構成することができる。特に、導電性膜11Aの表面の平坦性(レベリング性)が向上しているため、導電性膜12Aの成膜性を良好にすることができる。また、第2溝中に材料液を注入することで、導電性膜12Aを形成することにより、当該膜の膜厚のばらつきも低減することができる。よって、積層膜(配線)の特性を向上させることができる。
【0055】
以上、詳細に説明したように、本実施の形態によれば、導電性膜(配線)の信頼性を向上させることができる。特に、配線の微細化に対応することができる。導電性膜(配線)の信頼性を向上させることで、それを有する半導体装置や電子機器の特性を向上させることができる。
【0056】
<実施の形態2>
実施の形態1においては、第1溝9Aの底面を水平(一定の高さ)としたが、第1溝9Aの底面を導電性材料液の注入(導入、充填)方向に沿ってなだらかに傾斜させてもよい。
【0057】
図11〜図14は、本実施の形態の配線の製造方法を示す要部平面図もしくは工程断面図である。なお、実施の形態1と対応する箇所には同一の符号を付け、その重複した説明を省略する。
【0058】
図11に示すように、本実施の形態の配線の製造方法においては、導電性膜11Aの底面が、その注入の始点(第1端)から終点(第2端)方向になだらかに傾斜している。例えば、その始点においては、導電性膜11Aの底面(即ち、第1溝9Aの底面)は、ガラス基板の底部から高さH0の位置にあるのに対し、その終点においては、導電性膜11Aの底面(即ち、第1溝9Aの底面)は、ガラス基板の底部から高さH4(<H0)の位置にある。なお、図11は、図2(A)のI−I’断面に対応する。
【0059】
これは、図12(A)〜(C)に示すように、第1溝9Aの底面の高さがH0>H1>H2>H3>H4の順に低くなっている。なお、図12(A)〜(C)は、それぞれ図2(A)のII−II’、III−III’、IV−IV’部の断面に対応し、(A)は、配線3a上の溝9、(B)は、配線3b上の溝9、(C)は、配線3c上の溝9の形状を示す。
【0060】
但し、第1溝9Aの深さD1は変化させないものとする。この場合、第2溝9Bの深さD2を順次深くすることで(D2a<D2b<D2c)、第1溝9Aの底面を傾斜させている。このような第1溝9Aの底面の傾斜も実施の形態1で詳細に説明した露光量の調整により実現することができる。即ち、実施の形態1の露光量の制御に加え、第2溝9Bの延在方向に対し、その露光量を順次増加させる。例えば、幅W2中であって幅W1を除く領域(幅W1の両側)に対し、第1端から第2端にかけて順次露光量を増加させるよう透過性が制御されたマスクを配置し、第2溝9B(第1溝9Aの底面)を順次深く形成することができる。走査距離(走査時間)に応じて光量が大きくなるよう、走査・逐次描画型のデジタル露光装置を調整してもよい。
【0061】
このように、第1溝9Aの底面を、その注入(導入、充填)の始点(第1端)から終点(第2端)方向に傾斜させることにより、その注入を迅速にし、また、膜厚の均一性を向上させることができる。
【0062】
特に、図13に示すように、第1端にプール部(液溜め部)15を形成し、プール部15から第1溝9Aに導電性材料液を導入する場合、第1溝9Aの底面が傾斜しているため、その導入がよりスムーズになる。また、底面が水平である場合は、プール部15から離れるに従って、その液量が減少する傾向にあり、結果として、導電性膜11Aが薄くなる傾向にあるが、この場合、第1溝9Aの底面が傾斜しているため、その導入の終端部においても液量を確保することができ、導電性膜11Aの膜厚の均一性を向上させることができる。
【0063】
なお、図14(A)に示すように、プール部15の平面形状は、略円形もしくは略楕円形でも良く、また、図14(B)に示すように、プール部15の底面は、第1溝9Aの底面より高い位置にある方がより好ましい。図14(B)は、図14(A)の長手方向の断面に対応する。
【0064】
もちろん、実施の形態1で示した溝9の端部にもプール部15を設けてもよい。このプール部15を設けて導電性材料液11を第1溝9A内に導入する場合、液滴吐出法により吐出される液滴の液滴径(直径)より小さい幅(W1)の配線を形成することが可能となる。この場合、プール部15の直径は、液滴の液滴径より大きく、第1溝9Aの幅(W1)は、液滴の液滴径より小さいということになる。
【0065】
なお、図12(D)に示すように、溝9(第1溝9Aおよび第2溝9B)の側壁は、テーパー状であることが望ましい。即ち、溝の底部にかけてその幅(W1、W2)が減少する方向に側壁がテーパー形状であることが望ましい。かかる構成により、材料液の導入がよりスムーズとなる。これは、実施の形態1においても同様である。なお、ポジ型のフォトレジストを用いることで、上記テーパー形状を容易に形成することができる。
【0066】
以上、詳細に説明したように、本実施の形態によれば、実施の形態1の効果に加え、第1溝9Aの底面を傾斜させたので、溝内部への材料液の注入(導入)を迅速にし、また、膜厚の均一性を向上させることができる。
【0067】
<実施の形態3>
ここでは、半導体装置の一例として薄膜トランジスタ(TFT)への適用例について説明する。このTFTは、例えば、液晶やEL素子を利用した表示装置の表示部のスイッチング素子や駆動回路として広く用いられるものである。
【0068】
図15および図16は、本実施の形態の半導体装置(TFT)の製造方法を示す工程断面図である。
【0069】
図15(A)に示すように、ガラス基板1上に、下地保護膜23として例えば酸化シリコン膜を形成する。この酸化シリコン膜は、TEOSおよび酸素ガスなどを原料ガスとして、例えばプラズマCVD法を用いて形成する。
【0070】
次いで、下地保護膜23上に、感光性を有する絶縁膜として例えばフォトレジスト膜27を実施の形態1と同様に形成する。次いで、実施の形態1と同様に第1溝29Aおよび第2溝29Bを有する溝29を形成する。この場合、一対(2つ)の溝29を形成する。この溝29は、紙面に垂直な方向に延在している。
【0071】
次いで、図15(B)に示すように、実施の形態1と同様に導電性材料液211を第1溝29A内に注入し、熱処理を施すことで、第1溝29A内に導電性膜(例えばAg)211Aを形成する。前述したように、導電性膜211Aの膜厚は、第1溝29Aの深さより小さくなる。なお、図15および図16においては、図面を簡略化して記載してある。
【0072】
次いで、実施の形態1で説明したように、第2溝9B内に他の導電性材料液212を注入し、熱処理を施すことで、第2溝29B内に他の導電性膜(例えばNi(ニッケル))212Aを形成する(図16(A))。前述したように、導電性膜211Aの膜厚は、第1溝29Aの深さより小さくなるので、他の導電性膜212Aは、第1溝29Aの上部に形成され、その裏面に凹凸が生じる場合がある。導電性膜211Aは、TFTのソース、ドレイン電極となり、また、他の導電性膜212Aは、バリアメタルであり、導電性膜212Aと後述するシリコン層が接触することにより不所望の反応層が形成させることを防止する役割を果たす。
【0073】
次いで、他の導電性膜212Aの上部を含むフォトレジスト膜27上に半導体膜221として例えばシリコン膜を形成する。このシリコン膜は、例えば、半導体材料液を用いて形成することができる。例えば、ノンドープの高次シラン組成物液を塗布した後、熱処理(乾燥、焼成)を行うことによりシリコン膜を形成する。この高次シラン組成物液とは、シラン化合物の溶液に紫外線(UV)照射を施し、シラン化合物を重合させ、高次シラン組成物とした液である。例えば、低次シラン化合物としてシクロペンタシラン(沸点:194℃)に、波長405nm、強度100mW/cm2の紫外線(UV)を照射した液をトルエン等の有機溶媒で希釈し、高次シラン組成物液とする。なお、シリコン膜をCVD法等の他の方法で形成してもよい。
【0074】
次いで、半導体膜221上に、絶縁膜223として例えば酸化シリコン膜をプラズマCVD法で形成する。この絶縁膜5は、TFTのゲート絶縁膜となる。なお、絶縁膜223をシリコン膜の熱酸化により形成してもよい。
【0075】
次いで、絶縁膜223上に絶縁膜225を形成し、ゲート電極227の形成予定領域の絶縁膜225を除去することにより溝(凹部)229を形成し、その内部に導電性膜を形成することで、ゲート電極227を形成する(図16(B))。この導電性膜は、導電性膜211A、212Aと同様に液体材料を用いて形成することができる。なお、図示は省略するが、この場合も溝229を第1溝および第2溝で構成することによりゲート電極(配線)の平坦性、均一性を確保でき、また、その微細化を図ることができる。
【0076】
以上の工程により、順スタガ構成のTFTが略完成する。
【0077】
なお、本実施の形態においては、順スタガ構成のTFTを例に説明したが、本発明は、逆スタガ構成のTFTやコプレナ型TFTの各部位(例えば、ソース、ドレイン引き出し配線部)の形成に適用可能である。図17(A)に逆スタガ構成のTFTを図17(B)にコプレナ型TFTの断面図の一例を示す。図17(A)中、23は下地絶縁膜、227はゲート電極、223はゲート絶縁膜、221は半導体膜、212Aはバリアメタル、211Aはソース、ドレイン電極、P1はプラグ(導電性膜)、231はソース、ドレイン引き出し配線、Rはフォトレジスト膜を示す。なお、特記していない箇所は絶縁膜である。例えば、フォトレジスト膜R中に実施の形態1で詳細に説明した溝9を形成し、その第1溝9Aに導電性材料液を注入し、熱処理を施すことによりソース、ドレイン引き出し配線231を形成する。
【0078】
図17(B)中、23は下地絶縁膜、227はゲート電極、223はゲート絶縁膜、221は半導体膜(ソース、ドレイン領域を含む)、P1はプラグ(導電性膜)、231Aおよび231Bはソース、ドレイン引き出し配線(積層膜)、Rはフォトレジスト膜を示す。なお、特記していない箇所は絶縁膜である。例えば、フォトレジスト膜R中に実施の形態1で詳細に説明した溝9を形成し、その第1溝9Aに導電性材料液を注入し、熱処理を施すことによりソース、ドレイン引き出し配線231Aを形成する。さらに、第2溝9Bに他の導電性材料液を注入し、熱処理を施すことによりソース、ドレイン引き出し配線231Bを形成する。
【0079】
このように、ソース、ドレイン引き出し配線部を例えば、実施の形態1の溝9を用いて形成してもよい。もちろん、他の部位、例えば、半導体膜やゲート電極の形成の際にも本発明を適用してもよい。また、TFTがアレイ状に並んだアクティブマトリクス部(表示部)の走査線や信号線の形成の際にも本発明を適用してもよい。
【0080】
このように、本発明は、微細なラインパターンを形成する際に広く適用可能である。
【0081】
<電気光学装置および電子機器の説明>
次に、前述のTFTが使用される電気光学装置や電子機器について説明する。
【0082】
TFTは、例えば、電気光学装置(表示装置)や電子機器の表示部である液晶パネルに用いられる。図18に、電気光学装置を用いた電子機器の例を示す。図18(A)は携帯電話への適用例であり、図18(B)は、ビデオカメラへの適用例である。また、図18(C)は、テレビジョンへ(TV)の適用例であり、図18(D)は、ロールアップ式テレビジョンへの適用例である。
【0083】
図18(A)に示すように、携帯電話530には、アンテナ部531、音声出力部532、音声入力部533、操作部534および電気光学装置(表示部)500を備えている。この電気光学装置に、本発明の配線やその形成方法を使用することができる。
【0084】
図18(B)に示すように、ビデオカメラ540には、受像部541、操作部542、音声入力部543および電気光学装置(表示部)500を備えている。この電気光学装置に、本発明の配線やその形成方法を使用することができる。
【0085】
図18(C)に示すように、テレビジョン550は、電気光学装置(表示部)500を備えている。この電気光学装置に、本発明の配線やその形成方法を使用することができる。なお、パーソナルコンピュータ等に用いられるモニタ装置(電気光学装置)にも本発明の配線やその形成方法を使用することができる。
【0086】
図18(D)に示すように、ロールアップ式テレビジョン560は、電気光学装置(表示部)500を備えている。この電気光学装置に、本発明の配線やその形成方法を使用することができる。
【0087】
なお、電気光学装置を有する電子機器としては、上記の他、表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、電子手帳、電光掲示板、宣伝広告用ディスプレイなどがある。
【0088】
また、この他、各種電子機器に、本発明の配線やその形成方法を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】実施の形態1の配線の製造方法を示す工程断面図である。
【図2】実施の形態1の配線の製造方法を示す要部平面図および工程断面図である。
【図3】実施の形態1の配線の製造方法を示す工程断面図である。
【図4】実施の形態1の配線の製造方法を示す斜視図である。
【図5】実施の形態1の配線の製造方法を示す工程断面図である。
【図6】実施の形態1の配線の製造方法を示す工程断面図である。
【図7】実施の形態1の効果を説明するための比較工程断面図である。
【図8】実施の形態1の効果を説明するための比較工程断面図である。
【図9】実施の形態1の配線の製造方法を示す工程断面図である。
【図10】実施の形態2の配線の製造方法を示す工程断面図である。
【図11】実施の形態2の配線の製造方法を示す工程断面図である。
【図12】実施の形態2の配線の製造方法を示す工程断面図である。
【図13】実施の形態2の配線の製造方法を示す要部平面図である。
【図14】実施の形態2の配線の製造方法を示す要部平面図および工程断面図である。
【図15】実施の形態3の半導体装置(TFT)の製造方法を示す工程断面図である。
【図16】実施の形態3の半導体装置(TFT)の製造方法を示す工程断面図である。
【図17】実施の形態3の他の半導体装置(TFT)の製造方法を示す工程断面図である。
【図18】電気光学装置を用いた電子機器の例を示す概要図である。
【符号の説明】
【0090】
1…ガラス基板、3a、3b、3c…配線、5…層間絶縁膜、7…フォトレジスト膜、9…溝、9A…第1溝、9B…第2溝、11…導電性材料液、11A…導電性膜、11B…導電性膜、12A…他の導電性膜、13…絶縁膜、15…プール部、23…下地保護膜、27…フォトレジスト膜、29…溝、29A…第1溝、29B…第2溝、211A…導電性膜、212A…他の導電性膜、221…半導体膜、223…絶縁膜、225…絶縁膜、227…ゲート電極、229…溝、P1…プラグ、R…フォトレジスト膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)基板上に絶縁膜を形成する工程と、
(b)前記絶縁膜を選択的に除去し、第1幅を有し、第1深さの第1溝と、前記第1溝の略中央部に位置し、第2幅を有し、第2深さの第2溝とを形成する工程と、
(c)前記第2溝に、導電性材料液を注入する工程と、
(d)前記導電性材料液に処理を施し、前記第2溝内に導電性膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第2溝は、第1端と第2端を有し、前記第2溝の底面は、前記第1端から前記第2端方向に傾斜していることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記半導体装置の製造方法は、さらに、
(e)前記導電性膜上を含む前記第2溝に他の導電性材料液を注入し、処理を施すことにより、前記第1溝内に他の導電性膜を形成する工程、
を有することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1端には、前記第2幅より広い液溜め部が配置され、
前記(c)工程は、前記液溜め部に前記導電性材料液を吐出した後、前記第2溝に前記導電性材料液を導入する工程であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記導電性材料液の注入は、インクジェット法により前記導電性材料液の液滴を滴下させることにより行われることを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記液溜め部への前記導電性材料液の吐出は、インクジェット法により前記導電性材料液の液滴を滴下させることにより行われ、前記第2幅は、前記液滴の液滴径より小さく、前記液溜め部の幅は、前記液滴の液滴径より大きいことを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記絶縁膜は感光性材料からなることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記導電性材料液は、導電性微粒子および分散媒を含有し、前記(d)工程は、前記導電性材料液に熱処理を施すことにより行われることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記導電性材料液は、触媒を含有し、前記(d)工程は、前記導電性膜をメッキ法により成長させることにより行われることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
半導体装置を有する電子機器の製造方法であって、請求項1乃至9のうちいずれか一項記載の半導体装置の製造方法を有することを特徴とする電子機器の製造方法。
【請求項11】
(a)基板上に形成された絶縁膜と、
(b)前記絶縁膜中に形成された溝部であって、第1幅を有し、第1深さの第1溝と、前記第1溝の略中央部に位置し、第2幅を有し、第2深さの第2溝とを有する溝部と、
(c)前記溝部のうち、前記第2溝内に形成された導電性膜と、
(d)前記導電性膜上を含む前記第1溝内に形成された膜と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
前記膜は、他の導電性膜であることを特徴とする請求項11記載の半導体装置。
【請求項13】
前記膜は、他の絶縁膜であることを特徴とする請求項11記載の半導体装置。
【請求項14】
半導体装置を有する電子機器であって、請求項11乃至13のうちいずれか一項記載の半導体装置を有することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−299850(P2007−299850A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−125217(P2006−125217)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】